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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】制御装置、制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20221206BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/11
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018225091
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020087867
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】星川 翔
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077008(JP,A)
【文献】国際公開第2015/068277(WO,A1)
【文献】特開2016-213140(JP,A)
【文献】特開2018-014856(JP,A)
【文献】特開2010-080102(JP,A)
【文献】国際公開第2012/023297(WO,A1)
【文献】特開2006-329468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0308704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を使用して所定空間の温度または照度を調整する環境調整装置を制御する制御装置であって、
予め設定された前記環境調整装置の運転スケジュールに基づいて、前記環境調整装置の動作を制御する第1制御部と、
前記所定空間内の人の不在を示す不在情報が検出された場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第1指示を前記第1制御部に出力する第2制御部と、
前記所定空間で消費される総消費電力の予測値が目標電力を超える場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第2指示を前記第1制御部に出力する第3制御部と、を有し、
前記第1制御部は前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第1指示と、前記第2指示とに基づいて、前記環境調整装置に設定する設定値を算出することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記環境調整装置は照明装置であり
前記第2制御部は、前記不在情報を受信した場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第1指示を前記第1制御部に出力することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2制御部は、前記不在情報を受信した場合、前記照明装置が出力する光量の低下量を示す前記第1指示を前記第1制御部に出力し、
前記第3制御部は、前記予測値が前記目標電力を超える場合、前記照明装置が出力する光量の低下量を示す前記第2指示を前記第1制御部に出力することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記環境調整装置は照明装置であり
前記第2制御部は、さらに、前記所定空間に設置される照度センサにより検出される照度情報に基づいて、照度を一定にさせる前記照明装置の光量を示す第3指示を前記第1制御部に出力し、
前記第1制御部は、前記第3指示を受けた場合、前記照明装置が出力する光量を、前記運転スケジュールに設定された光量の代わりに前記第3指示で示される光量に設定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記環境調整装置は空気調和装置であり
前記第2制御部は、前記不在情報を受信した場合、前記空気調和装置の設定温度の変更量を示す前記第1指示を前記第1制御部に出力し、
前記第3制御部は、前記予測値が前記目標電力を超える場合、前記空気調和装置の設定温度の変更量を示す前記第2指示を前記第1制御部に出力することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第3制御部は、
前記予測値が前記目標電力を超える場合に変更される前記空気調和装置の設定の変更仕様が、前記空気調和装置の設定温度の変更量を示す場合、前記空気調和装置の前記設定温度の変更量を示す前記第2指示を前記第1制御部に出力し、
前記変更仕様が、前記空気調和装置の送風モードへの変更を示す場合、送風モードへの変更を示す第4指示を前記第1制御部に出力し、
前記変更仕様が、前記空気調和装置の停止を示す場合、前記空気調和装置の停止を示す第5指示を前記第1制御部に出力し、
前記第1制御部は、前記第4指示または前記第5指示を受けた場合、前記第1指示にかかわりなく、前記第4指示または前記第5指示に基づいて前記空気調和装置の設定を変更することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2制御部は、前記不在情報を使用しないモードにおいて、前記所定空間において人が滞在可能な高さに配置された温度センサにより検出される前記所定空間の温度に基づいて算出される前記空気調和装置の設定温度の変更量を示す第6指示を前記第1指示の代わりに前記第1制御部に出力し、
前記第1制御部は、前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第2指示と、前記第6指示とに基づいて、前記空気調和装置に設定する設定温度を算出することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第3制御部は、前記予測値の前記目標電力に対する超過量に応じて生成される複数の警報毎に、前記第2指示が示す前記設定値の変更量を変えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1制御部は、前記運転スケジュールとは異なる条件で前記環境調整装置の動作を制御する手動モード中に、前記第3制御部から前記第2指示を受信した場合、前記手動モードを解除して、前記運転スケジュールに基づく制御に移行し、前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第1指示と、前記第2指示とに基づいて、前記環境調整装置に設定する設定値を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
電力を使用して所定空間の温度または照度を調節する環境調整装置を制御する制御装置を有する制御システムであって、
前記制御装置は、
予め設定された前記環境調整装置の運転スケジュールに基づいて、前記環境調整装置の動作を制御する第1制御部と、
前記所定空間内の人の不在を示す不在情報が検出された場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第1指示を前記第1制御部に出力する第2制御部と、
前記所定空間で消費される総消費電力の予測値が目標電力を超える場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第2指示を前記第1制御部に出力する第3制御部と、を有し、
前記第1制御部は、前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第1指示と、前記第2指示とに基づいて、前記環境調整装置に設定する設定値を算出することを特徴とする制御システム。
【請求項11】
前記予測値が前記目標電力を超える場合、前記予測値の前記目標電力に対する超過量に応じて複数の警報を生成する電力監視装置と、
前記運転スケジュールと、前記不在情報が検出された場合の前記環境調整装置の設定値の変更量と、前記予測値が前記目標電力を超える場合の前記超過量に応じた前記環境調整装置の設定値の変更量とを管理する管理装置と、を有し、
前記第3制御部は、前記複数の警報のいずれかが生成された場合、生成された警報に対応する前記超過量に応じて前記管理装置が管理する前記環境調整装置の設定値の変更量を示す前記第2指示を前記第1制御部に出力することを特徴とする請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
電力を使用して所定空間の温度または照度を調節する環境調整装置を制御する制御装置による前記所定空間の環境の制御方法であって、
予め設定された前記環境調整装置の運転スケジュールに基づいて、前記環境調整装置の動作を制御し、
前記所定空間内の人の不在を示す不在情報が検出された場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第1指示を出力し、
前記所定空間で消費される総消費電力の予測値が目標電力を超える場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第2指示を出力し、
前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第1指示と、前記第2指示とに基づいて、前記環境調整装置に設定する設定値を算出することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大型店舗などで使用する電力の契約電力(電気料金)は、30分間の平均電力である需要電力のうち、1ヶ月間での最大需要電力により決まるため、電気料金を節約するためには、需要電力が最大需要電力を超えないようにする必要がある。例えば、リレーを用いた電力のスケジュール制御を照明、空調、冷蔵設備毎に実施するとともに、需要電力の予測に基づいて電力のピークカット制御を実施することで、使用電力が最大需要電力を超えないように制御する手法が提案されている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、リレーにより使用電力の制御を実施する場合、人の有無にかかわりなく照明や空調等が強制的にオフされるため、人が居るオフィス等に適用する場合、快適性が損なわれるという問題がある。また、人が居ない場合にも照明や空調が動作する可能性があるため、消費電力の削減効果が低いという問題がある。
【0004】
本発明は、温度または照度を調節する環境調整装置を含む所定空間に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の制御装置は、電力を使用して所定空間の温度または照度を調節する環境調整装置を制御する制御装置であって、予め設定された前記環境調整装置の運転スケジュールに基づいて、前記環境調整装置の動作を制御する第1制御部と、前記所定空間内の人の不在を示す不在情報が検出された場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第1指示を前記第1制御部に出力する第2制御部と、前記所定空間で消費される総消費電力の予測値が目標電力を超える場合、前記環境調整装置の消費電力を削減するための前記環境調整装置の設定値の変更量を示す第2指示を前記第1制御部に出力する第3制御部と、を有し、前記第1制御部は、前記運転スケジュールに設定された前記環境調整装置の設定値と、前記第1指示と、前記第2指示とに基づいて、前記環境調整装置に設定する設定値を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
温度または照度を調節する環境調整装置を含む所定空間に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る制御システムの一例を示すブロック図である。
図2図1の各装置の接続関係の一例を示す接続図である。
図3図1の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図1の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図1の照明の運転スケジュールの設定画面の一例を示す説明図である。
図6図5の照明の運転スケジュールにおいて、人感連動が有効状態に設定された場合の照明の制御の一例を示す説明図である。
図7図1の空調機の運転スケジュールの設定画面の一例を示す説明図である。
図8】制御装置が警報を検出した場合に警報レベルに応じて実施するデマンド制御の設定画面の一例を示す説明図である。
図9図1の制御装置による照明の制御の一例を示す説明図である。
図10図1の制御装置による空調機の制御の一例を示す説明図である。
図11図1の電力監視装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図12図1の制御装置の警報監視動作の一例を示すフローチャートである。
図13図1の管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図14図1の制御装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図15図6のステップS42の動作の一例を示すフローチャートである。
図16図6のステップS43の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る制御システムの一例を示すブロック図である。図1に示す制御システム100は、例えば、オフィスなどの居室300の温度と明るさ(照度)とを制御するために設けられる。図1では、説明を分かりやすくするために、居室300を天井側と床側に分けて記載している。居室300は、所定空間の一例である。
【0010】
制御システム100は、居室300の温度と明るさとを制御する制御装置10、所定数の照度センサ12、所定数の人感センサ14、所定数の温度センサ16およびインタネット等のネットワークNWを介して制御装置10に接続される管理装置18を有する。照度センサ12は、居室300の天井に、ほぼ均等な間隔で分散して配置される。人感センサ14は、居室300の天井に分散して配置される。温度センサ16は、居室300の床に配置された机20の上に分散して配置される。
【0011】
各照度センサ12は、居室300内の所定の範囲の照度を計測し、各人感センサ14は、居室300内の所定の範囲に人が居るか否かを検出する。所定数の人感センサ14により、居室300内に人の在/不在の検出が可能である。例えば、人感センサ14は、赤外線等を使用して人の熱を検出する熱センサであるが、他のセンサが使用されてもよい。
温度センサ16は、温度センサ16の周囲の空気の温度を計測する。なお、温度センサ16の代わりに、温度と湿度とを計測可能な温湿度センサが配置されてもよい。照度センサ12が検出する照度、人感センサ14が検出する人の在/不在(在情報/不在情報)および温度センサ16が検出する温度のそれぞれは、環境情報の一例である。
【0012】
制御装置10は、例えば、LAN(Local Area Network)を介してネットワークNWに接続される。LANは、有線でも無線でもよく、また、制御装置10は、LAN以外の方式でネットワークNWに接続されてもよい。この実施形態では、ネットワークNWを介して相互に接続される制御装置10と管理装置18により、クラウドコンピューティングによるサービスが提供され、管理装置18は、クラウドコンピュータとして機能する。
【0013】
なお、管理装置18の機能が制御装置10に含まれてもよく、この場合、制御システム100は、独立した管理装置18を持たず、制御装置10が単独で居室300の温度と明るさとを制御する。なお、制御装置10は、ネットワークNWを介することなく、管理装置18に直接接続されてもよい。
【0014】
制御装置10は、無線ネットワーク(図示せず)を介して照度センサ12、人感センサ14および温度センサ16と接続される。なお、図1では、制御装置10は、居室300内に配置されているが、照度センサ12、人感センサ14および温度センサ16と無線通信が可能であれば、居室300の外に配置されてもよい。
【0015】
居室300の天井には、所定数の照明22と所定数の空調室内機24aとが設置されている。居室300の外には、各空調室内機24aのそれぞれに接続された所定数の空調室外機24bが設置されている。居室300に設置される照明22は、9台に限定されず、居室300に設置される空調室内機24aは、2台に限定されない。
【0016】
照明22および空調室内機24aは、居室300の広さ等に応じてそれぞれ最適な台数が設置される。以下では、空調室内機24aと空調室外機24bとの区別が不要な場合、空調室内機24aと空調室外機24bとは、単に空調機24とも称する。照明22は、居室300の照度を調節する環境調整装置(照明装置)の一例である。空調機24は、居室300の温度を調節する環境調整装置(空気調和装置)の一例である。
【0017】
居室300の壁面には、空調機24の動作を制御する空調コントローラ26と、照明22の動作を制御する照明コントローラ28とが設置されている。空調コントローラ26および照明コントローラ28は、LANを介して制御装置10による操作されるが、居室300に居る人により操作されてもよい。空調コントローラ26により、空調機24の電源のオン/オフと、設定温度、風量、風向等の設定とが可能である。照明コントローラ28により、照明22の電源のオン/オフと、調光、調色等の設定とが可能である。
【0018】
なお、空調機24が、制御装置10と有線または無線で接続され、制御装置10からの指示を直接受ける機能を有する場合、制御装置10は、空調コントローラ26を介することなく、空調機24を直接制御してもよい。また、照明22が、制御装置10と有線または無線で接続され、制御装置10からの指示を直接受ける機能を有する場合、制御装置10は、照明コントローラ28を介することなく、照明22を直接制御してもよい。
【0019】
温度センサ16は、居室300において机20の上など、人が滞在可能な高さに合わせて配置される。温度センサ16の数は、6個に限定されず、居室300の広さ等に応じて最適な台数が設置されてもよい。なお、居室300内に1つの温度センサ16が設置されてもよい。温度センサ16を居室300内で業務等をする人の高さに合わせて配置することで、人が実際に感じる温度に合わせて空調機24を制御することができ、人に快適な温度環境を提供することができる。
【0020】
例えば、制御装置10は、LANを介して電力監視装置30に接続される。電力監視装置30は、配電盤等に設置されたスマートメータ32の出力に接続される。電力監視装置30は、スマートメータ32から送信される電力情報に基づいて、制御装置10による制御対象である居室300の30分間の電力使用量(デマンド値)を予測する。
【0021】
電力監視装置30は、予測した予測値(電力使用量)が、予め設定された目標電力量を超える場合、予測値の目標電力量に対する超過量に応じて、例えば4種類のレベルのいずれかの警報を生成する。例えば、電力使用量の予測値は、居室300で消費される総消費電力の予測値である。なお、警報のレベル数は、4種類に限定されず、1種類または2種類でもよい。なお、電力監視装置30は、制御システム100に含まれてもよい。
【0022】
制御装置10は、電力監視装置30が警報を生成したか否かを所定の頻度で監視し、警報を検出した場合、警報が示す警報レベルを管理装置18に送信する。管理装置18は、制御装置10から警報レベルを受信した場合、警報レベル(すなわち、電力の超過量)に応じて、消費電力を下げるための指示を制御装置10に出力する。例えば、消費電力を下げるための指示は、照明22の調光率の低下量または空調機24の設定温度の変更量である。
【0023】
管理装置18は、ネットワークNWに接続された端末装置34により設定される運転スケジュールと、上述した警報レベル(すなわち、電力の超過量)に応じた照明22の調光率の低下量または空調機24の設定温度の変更量を管理する。運転スケジュールの例は、図5および図7で説明し、警報レベルに応じた照明22の調光率の低下量または空調機24の設定温度の変更量の管理の例は、図8で説明する。
【0024】
管理装置18は、運転スケジュールを制御装置10に送信し、運転スケジュールにしたがった照明22および空調機24の制御を、制御装置10に実施させる。例えば、居室300の環境を管理する管理者または居室300内で業務を遂行する人等は、ネットワークNWに接続された端末装置34のWebUI(Web User Interface)を使用して、管理装置18にアクセスし、運転スケジュール等を設定することができる。居室300の環境とは、温度および照度(明るさ)である。例えば、端末装置34は、パーソナルコンピュータやタブレット端末等であり、キーボートやポインティングデバイス等の入力装置およびディスプレイ等の出力装置を含む。
【0025】
この実施形態では、制御装置10は、照明22および空調機24の両方を制御するが、照明22または空調機24のいずれか一方を制御してもよい。また、居室300が広く、多数の照明22および多数の空調機24が居室300に設置される場合、制御システム100は、複数の制御装置10を有してもよい。この場合、複数の制御装置10の各々に、所定数の照度センサ12、所定数の人感センサ14および所定数の温度センサ16が割り当てられる。そして、複数の制御装置10に共通の運転スケジュールを与えることで、複数の制御装置10を用いる場合にも、居室300の明るさおよび温度を均一に制御することができる。
【0026】
さらに、居室300内をアコーディオンカーテンや仕切り壁等で複数の空間に区分けする場合、それぞれの空間に対応する制御装置10に運転スケジュールを与えることで、複数の空間毎に明るさおよび温度を制御することができる。また、制御システム100が複数の居室300の電力を制御する場合、居室300毎に制御装置10が設けられてもよい。
【0027】
運転スケジュールおよび警報が発生した場合の照明22および空調機24の制御を、クラウドコンピュータとして機能する管理装置18で管理することで、例えば、複数の制御装置10を使用する場合にも、共通の管理装置18に各種の設定項目を設定すればよい。これにより、管理者等は、制御装置10にアクセスすることなく、各種の設定項目を設定することができる。
【0028】
図2は、図1の各装置の接続関係の一例を示す接続図である。制御装置10に接続される破線は、無線による接続を示す。この実施形態では、制御装置10、空調コントローラ26、照明コントローラ28、端末装置34および電力監視装置30がLAN等のネットワークに接続され、管理装置18は、ネットワークNWを介してLAN等のネットワークに接続される。LAN等のネットワークは、有線であるが、無線でもよい。
【0029】
例えば、空調コントローラ26は、有線(制御信号線および電源線)で空調機24に接続される。制御装置10は、無線を介して、照度センサ12、人感センサ14および温度センサ16から検出情報を受信する。制御装置10は、無線機能を持つ照明22を無線により制御する。照明コントローラ28は、無線機能を持たない照明22を、照明コントローラ28を介して有線で接続する。
【0030】
なお、空調コントローラ26、照明コントローラ28および電力監視装置30のいずれかまたは複数は、ネットワークNWに接続されたLANとは別のネットワークを介して制御装置10に接続されてもよい。この場合、ネットワークは、有線でもよく、無線でもよい。
【0031】
図3は、図1の制御装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置10は、BUSに接続されたCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103および無線モジュール104を有する。また、制御装置10は、通信インタフェース(I/F)107、SSD(Solid State Drive)108、アンテナインタフェース(I/F)105およびアンテナ106を有する。
【0032】
CPU101は、例えば、ROM102に格納された制御プログラムを実行することで、制御装置10の全体の動作を制御するとともに、照明22および空調機24を制御する。なお、CPU101は、ROM102に格納されたIPL(Initial Program Loader)等のブートプログラムを実行することで、制御プログラムをSSD108等からRAM103に転送し、RAM103上の制御プログラムを実行してもよい。また、制御装置10は、はUSBメモリ等の記録媒体を接続するための図示しない入出力インタフェースを有してもよく、この場合、記録媒体には、CPU101が実行する制御プログラムが格納されてもよい。
【0033】
ROM102には、ブートプログラムの他、制御装置10に固有の情報(識別番号など)および値が変わらない固定値等が記憶される。RAM103には、制御プログラムの他に、制御装置10で使用するワークデータが記憶される。例えば、ワークデータは、照度センサ12が計測した照度、人感センサ14が検出した検出情報、温度センサ16が計測した温度等を含む。SSD108には、制御プログラムの他、照明22および空調機24の制御に使用する初期データ等が格納されてもよい。なお、SSD108の代わりにHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
【0034】
無線モジュール104は、アンテナインタフェース105を介してアンテナ106に接続される。例えば、無線モジュール104は、CPU101からの温度の読み出し要求に基づいて、温度センサ16にパケットを送信し、温度センサ16から受信する温度を示す温度情報をCPU101に送信する。
【0035】
無線モジュール104は、CPU101からの照度の読み出し要求に基づいて、照度センサ12にパケットを送信し、照度センサ12から受信する照度を示す照度情報をCPU101に送信する。無線モジュール104は、CPU101からの読み出し要求に基づいて、人感センサ14にパケットを送信し、人感センサ14から受信する人感情報をCPU101に送信する。通信インタフェース107は、LANおよびネットワークNWに接続され、CPU101と、管理装置18および空調コントローラ26との間の通信を制御する。
【0036】
なお、照度センサ12、人感センサ14および温度センサ16の無線仕様が互いに異なる場合、制御装置10は、無線仕様毎に無線モジュール104、アンテナインタフェース105およびアンテナ106を有してもよい。これにより、メーカー等が異なる様々な照度センサ12、人感センサ14および温度センサ16を使用して、制御システム100を構築することができる。
【0037】
図1に示す管理装置18のハードウェア構成は、図3と同様でもよい。但し、管理装置18は、無線モジュール104、アンテナインタフェース105およびアンテナ106は含まなくてもよく、また、SSDの代わりにHDDが設けられてもよい。さらに、管理装置18は、キーボードやマウスが接続される図示しない入力インタフェースと、液晶ディスプレイ等の表示装置が接続される図示しない出力インタフェースとを有してもよい。
【0038】
図4は、図1の制御装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置10は、バス等を介して接続された第1制御部201、第2制御部202、第3制御部203、無線制御部204、通信制御部205および記憶部206を有する。第1制御部201、第2制御部202、第3制御部203、無線制御部204および通信制御部205は、図3に示すCPU101が制御プログラムを実行することにより実現される。記憶部206は、例えば、図3に示すRAM103およびSSD108の一方または両方により実現され、制御プログラムを記憶する領域207と、各種パラメータを記憶する領域208とが割り当てられている。
【0039】
第2制御部202は、人感センサ14により居室300内の人の不在が検出された場合、照明22の消費電力を削減するために照明22が出力する光量(すなわち、調光率)の低下量を示す第1指示を第1制御部201に出力してもよい。また、第2制御部202は、人感センサ14により居室300内の人の不在が検出された場合、空調機24の消費電力を削減するために空調機24の設定温度の変更量を示す第1指示を第1制御部201に出力してもよい。設定温度の変更量は、暖房では負値であり、冷房では正値である。
【0040】
なお、後述する外光補正連動が有効状態に設定された場合、第2制御部202は、人の不在の検出に基づく第1指示を出力する動作を実施しなくてもよい。第2制御部202は、第1指示を出力する代わりに、照度センサ12が検出する照度に基づいて、照度を一定にさせる照明22の光量(調光率)を示す第3指示を第1制御部201に出力してもよい。
【0041】
また、後述する温度連動が有効状態に設定された場合、第2制御部202は、人の不在の検出に基づく第1指示を出力する動作を実施しなくてもよい。第2制御部202は、第1指示を出力する代わりに、温度センサ16により検出される居室300の温度に基づいて算出される空調機24の設定温度の変更量を示す第6指示を第1制御部201に出力してもよい。
【0042】
第3制御部203は、居室300内で消費される電力使用量の予測値が目標電力を超える場合、照明22の消費電力を削減するために照明22が出力する光量(調光率)の低下量を示す第2指示を第1制御部201に出力してもよい。また、第3制御部203は、居室300内で消費される電力使用量の予測値が目標電力を超える場合、空調機24の消費電力を削減するために空調機24の設定温度の変更量を示す第2指示を第1制御部201に出力してもよい。設定温度の変更量は、暖房では負値であり、冷房では正値である。なお、第3制御部203は、予測値の目標電力に対する超過量に応じて生成される複数の警報のレベル毎に、第2指示が示す変更量を変えてもよい。
【0043】
また、図8に示すデマンド制御の設定画面で運転モードに設定温度変更モードが設定された場合、第3制御部203は、設定画面で設定された空調機24の設定温度の変更量を示す第2指示を第1制御部201に出力してもよい。デマンド制御とは、居室300の消費電力の予測値が目標電力を超えて警報が発生した場合に、警報レベルに応じた照明22と空調機24との制御である。
【0044】
運転モードに送風モードが設定された場合、第3制御部203は、送風モードへの変更を示す第4指示を第1制御部201に出力してもよい。デマンド制御の設定画面で電源が無効状態に設定された場合、第3制御部203は、空調機24の停止を示す第5指示を第1制御部201に出力してもよい。
【0045】
第1制御部201は、予め設定された照明22および空調機24の運転スケジュールに基づいて、照明22および空調機24の動作を制御する。第1制御部201は、運転スケジュールに設定された照明22の設定値(例えば、調光率)と、第1指示と、第2指示とに基づいて、照明22に設定する設定値(例えば、調光率)を算出し、算出した設定を照明に設定してもよい。第1制御部201は、第3指示を受けた場合、照明22が出力する光量(調光率)を、運転スケジュールに設定された光量の代わりに第3指示で示される光量に設定してもよい。
【0046】
また、第1制御部201は、運転スケジュールに設定された空調機24の設定値(例えば、設定温度)と、第1指示と、第2指示とに基づいて、空調機24に設定する設定値(例えば、設定温度)を算出し、算出した設定を空調機24に設定してもよい。
【0047】
あるいは、第1制御部201は、運転スケジュールとは異なる条件で照明22または空調機24の動作を制御する手動モード中に、第3制御部203から第2指示を受信した場合、手動モードを解除してもよい。そして、第1制御部201は、運転スケジュールに基づく制御に移行し、運転スケジュールに設定された照明22または空調機24の設定値と、第1指示と、第2指示とに基づいて、照明22または空調機24に設定する設定値を算出してもよい。
【0048】
第1制御部201は、第4指示または第5指示を受けた場合、第1指示にかかわりなく、第4指示または第5指示に基づいて空調機24の設定を変更してもよい。さらに、第1制御部201は、運転スケジュールに設定された空調機24の設定値(例えば、設定温度)と、第2指示と、第6指示とに基づいて、空調機24に設定する設定値(例えば、設定温度)を算出し、算出した設定を空調機24に設定してもよい。
【0049】
第1制御部201、第2制御部202および第3制御部203を含む制御装置10の動作の例は、図6図9図10図14図16で説明する。
【0050】
図5は、図1の照明22の運転スケジュールの設定画面の一例を示す説明図である。図5に示す設定画面は、管理装置18により管理され、クラウドコンピューティングによって端末装置34のディスプレイに表示される。設定画面に表示される運転スケジュールの各項目は、端末装置34を操作するユーザがポインティングデバイス等を操作することにより設定され、管理装置18に保持される。
【0051】
例えば、図5に示す運転スケジュールは、曜日毎に設定可能である。設定画面で設定された運転スケジュールは、例えば、設定が変更される毎に管理装置18から制御装置10に送信される。なお、制御装置10は、設定画面で設定された運転スケジュールを所定の頻度(例えば、10分)で管理装置18から取得してもよい。制御装置10は、管理装置18から受信した運転スケジュールの各項目のパラメータを図3に示したRAM103等に書き込んで保持する。図5に示す設定画面において、変更可能な設定項目は、変更仕様の一例である。
【0052】
照明22を制御するための設定項目として、照明22の点灯時刻、照明22の消灯時刻、電源のオン/オフ、電球色、昼白色等の調色、調光率、人感連動の有無および外光補正連動の有無がある。電源、人感連動および外光補正連動は、画面上に白丸で示す設定スイッチが右側に位置する場合、有効状態を示し、設定スイッチが左側に位置する場合、無効状態を示す。
【0053】
人感連動が有効状態に設定された場合、点灯保持時間、不在時点灯保持時間、不在時調光率1および不在時調光率2が設定可能になる。点灯保持時間、不在時点灯保持時間、不在時調光率1および不在時調光率は、図6で説明する。
【0054】
図5では、照明22の点灯時刻は8:00に設定され、照明22の消灯時刻は21:00に設定され、電源は有効状態に設定されている。調色は電球色2に設定され、調光率は80%に設定されている。人感連動は有効に設定され、点灯保持時間は30分に設定され、不在時点灯保持時間は20分に設定されている。不在時調光率1は30%に設定され、不在時調光率2は0%に設定されている。外光補正連動は無効状態に設定されている。外光補正連動が有効状態に設定された場合に有効になる下限調光率は10%に設定されている。
【0055】
外光補正連動が有効状態に設定された場合、下限調光率が設定可能になる。下限調光率は、外光補正制御により照明22の光度を下げる場合の調光率の下限を示す。例えば、下限調光率が10%に設定された場合、外光補正制御により照明22の調光率が0%(すなわち消灯)と算出された場合にも、調光率は10%に設定される。
【0056】
制御装置10は、外光補正連動が有効状態に設定された場合、運転スケジュールに設定された調光率(例えば、80%)を無効にし、照度センサ12が検出する照度に応じて調光率を制御する。例えば、照度センサ12は、照明22から照射される光と、照明22以外から照射される光(例えば、日光)とを合わせた照度を検出する。そして、制御装置10は、式(1)により調光率を算出し、算出した調光率を照明22に設定する。
調光率(%)=(max-照度)/(max-min)*100 ‥(1)
式(1)において、符号maxは、外光補正連動時の照度の上限値(例えば、300ルクス)であり、符号minは、外光補正連動時の照度の下限値(例えば、50ルクス)であり、符号*は積を示す。式(1)により、照明22に指示する調光率は、照度が高いほど低くなり、照度が低いほど高くなる。
【0057】
なお、照度が上限値max以上の場合、調光率は式(1)によらず、0%に設定される。また、照度が下限値min以下の場合、調光率は式(1)によらず、100%に設定される。外光補正連動では、制御装置10は、例えば、1分毎に照度センサ12から照度(瞬時値)を取得し、式(1)に基づいて調光率を算出する。また、制御装置10は、調光率の変化速度を、照明22を調光率0%から調光率100%に30秒で変化させるレートに設定する。例えば、制御装置10は、調光率の変更量が10%の場合、調光率を3秒掛けて変化させる。
【0058】
なお、人感連動と外光補正連動とは、互いに排他的に設定可能であり、人感連動が有効状態に設定された場合、外光補正連動は有効状態にできず、外光補正連動が有効状態に設定された場合、人感連動は有効状態にできない。
【0059】
図6は、図5の照明の運転スケジュールにおいて、人感連動が有効状態に設定された場合の照明22の制御の一例を示す説明図である。図6に示す制御は、居室300内の人の不在が検出された場合、例えば、図4の第2制御部202が、運転スケジュールに設定された内容に基づいて、第1制御部201に調光率の低下量を低下させる指示を出力することで実施される。なお、居室300内の人の在が検出された場合、第2制御部202は、人の検出を示す情報を第1制御部201に出力し、第1制御部201は、照明22を運転スケジュールの調光率に戻す。
【0060】
図6の初期状態では、人感センサ14からの検出情報に基づいて、制御装置10が、居室300に人が居ないことを検出し続け(人の不在を検出)、照明22の明るさを不在時調光率2(例えば、0%:オフ)に設定している。
【0061】
制御装置10は、人が居ることを検出した場合(人の在を検出)、所定時間を掛けて、照明22の明るさを、運転スケジュールで設定された調光率(例えば、80%)に設定する。人感連動モードでは、制御装置10は、調光率の変化速度を、照明22を指定した調光率まで5段階で変化させる設定が可能である。変化速度については瞬間、2秒、8秒、30秒、2分の5段階である。
【0062】
制御装置10は、人が居ることを検出してから点灯保持時間(例えば、30分)を経過するまでは、人が居ないこと(不在)を検出しても人の不在を検出としない。点灯保持時間の経過後、制御装置10は、人の不在を検出した場合、所定時間を掛けて、照明22の明るさを、運転スケジュールで設定された不在時調光率1に設定する。さらに、制御装置10は、照明22の明るさを不在時調光率1に設定した後、人を検出することなく、不在時点灯保持時間(例えば、20分)が経過した場合、所定時間を掛けて、照明22の明るさを、運転スケジュールで設定された不在時調光率2に設定する。例えば、不在時調光率1は30%であり、不在時調光率2は0%である。
【0063】
図7は、空調機24の運転スケジュールの設定画面の一例を示す説明図である。図7に示す設定画面は、図5の説明と同様に、管理装置18により管理され、クラウドコンピューティングによって端末装置34のディスプレイに表示される。そして、設定画面に表示される各項目が端末装置34を操作するユーザ等により設定される。設定画面で設定された運転スケジュールは、例えば、設定が変更される毎に管理装置18から制御装置10に送信される。図7に示す運転スケジュールは、曜日毎に設定可能である。図7に示す設定画面において、変更可能な設定項目は、変更仕様の一例である。
【0064】
空調機24を制御するための設定項目として、運転の開始時刻(予約時刻)、運転の停止時刻、電源のオン/オフ、温度(設定温度)、運転モード、風量、風向、オプションの選択等がある。図5と同様に、電源は、画面上に白丸で示す設定スイッチが右側に位置する場合、有効状態を示す。運転モードは、自動、暖房、冷房、除湿、送風等があり、自動の場合、外気温等に応じて暖房または冷房のいずれかが選択される。
【0065】
オプションとして、人感連動、省エネ優先または快適性優先のいずれかのモードが選択可能である。人感連動モードは、人感センサ14を用いて居室300内に人が居るか否かを検出し、人が居ない場合に暖房時には設定温度を下げ(例えば、2℃)、冷房時には設定温度を上げることで(例えば、2℃)、消費電力を削減するモードである。以下では、省エネ優先モードおよび快適性優先モードを、温度連動モードとも称する。図7には示していないが、人感連動モードが選択された場合、図10で説明するように、人の不在が検出された場合の設定温度の変化量を設定する入力欄が設定画面に表示される。
【0066】
省エネ優先モードは、例えば、暖房の場合、設定温度が室温より高い場合に室温を設定温度まで下げる制御を実施し、設定温度が室温より低い場合に制御を実施しないことで、消費電力の増加を抑制するモードである。省エネ優先モードの冷房では、設定温度が室温より低い場合に室温を設定温度まで上げる制御を実施し、設定温度が室温より高い場合に制御を実施しない。
【0067】
快適性優先モードは、例えば、暖房の場合、設定温度が室温より高い場合に室温を設定温度まで下げる制御を実施し、設定温度が室温より低い場合に室温を設定温度まで上げる制御を実施することで、快適性を維持するモードである。快適性優先モードの冷房では、設定温度が室温より低い場合に室温を設定温度まで上げる制御を実施し、設定温度が室温より高い場合に室温を設定温度まで下げる制御を実施する。
【0068】
図7では、運転の開始時刻は8:00に設定され、運転の停止時刻は21:00に設定され、電源は有効状態に設定され、オプションは選択されていない。この場合、制御装置10は、開始時刻に運転を開始し、運転スケジュールに設定された温度、運転モード、風量、風向にしたがって空調機24を制御し、停止時刻に運転を停止する。
【0069】
但し、電源が無効状態に設定されている場合、開始時刻、停止時刻および事前運転は無効になり、制御装置10は、空調機24の運転を制御しない。この場合、空調機24は、空調コントローラ26の操作により、運転が開始され、温度、運転モード、風量、風向が設定され、あるいは運転が停止される。なお、制御装置10は、開始時刻に室温が設定温度になるように開始時刻前から事前運転を開始してもよい。
【0070】
例えば、空調コントローラ26による設定は、運転スケジュールによる設定より優先される。このため、運転スケジュールの設定画面で電源が有効状態に設定され、かつ、開始時刻前、または停止時刻後で、空調機24が運転を停止している場合でも、空調コントローラ26により、空調機24の起動スイッチがオンされた場合、空調機24は運転を開始する。同様に、運転スケジュールの設定画面で電源が有効状態に設定され、かつ、時刻が、開始時刻と停止時刻の間で、空調機24が運転している場合でも、空調コントローラ26により、空調機24の起動スイッチがオフされた場合、空調機24は運転を停止する。
【0071】
また、空調機24の運転中に、空調コントローラ26により、温度、運転モード、風量、風向のいずれか1つまたは複数の設定が変更された場合、空調コントローラ26の操作が、運転スケジュールの設定よりも優先される。但し、運転スケジュールの設定画面で電源が有効状態に設定されている場合、空調コントローラ26により空調機24がオフされた場合でも、運転スケジュールの開始時刻に基づいて、空調機24の運転が開始される。
【0072】
図8は、制御装置10が警報を検出した場合に警報レベルに応じて実施するデマンド制御の設定画面の一例を示す説明図である。図8に示す設定画面は、図5の説明と同様に、管理装置18により管理され、クラウドコンピューティングによって端末装置34のディスプレイに表示される。そして、設定画面に表示される各項目が端末装置34を操作するユーザ等により設定され、設定画面で設定された項目は、例えば、設定が変更される毎、または、管理装置18が警報レベルを受信する毎に、管理装置18から制御装置10に送信される。なお、図8に示す設定画面は、警報レベル毎に存在し、図8は、警報レベル1に対する設定画面を示している。図8に示す設定画面において、変更可能な設定項目は、変更仕様の一例である。
【0073】
デマンド制御のための設定項目として、目標電力、下限調光率、照明の調光変動値、空調の電源のオン/オフ、空調の運転モード、暖房時の設定温度(変更量)および冷房時の設定温度(変更量)等がある。調光率の下限を示す下限調光率は、0%から100%の間で設定可能であり、複数の警報レベルで共通に設定される。調光変動値は、0%から-100%の間で設定可能である。ここで、調光変動値の-0%は、調光率を変えないことを示し、調光変動率の-100%は、照明22を消灯することを示す。
【0074】
図5と同様に、電源は、画面上に白丸で示す設定スイッチが右側に位置する場合、有効状態を示す。電源が有効状態に設定された場合、運転モードが有効になる。電源が無効状態に設定された場合、警報レベル毎に運転モードは無効になり、制御装置10が警報を検出した場合、空調機24の電源がオフされる。
【0075】
運転モードは、設定温度変更モードと、図示していない送風モードがある。設定温度変更モードが選択された場合、暖房時の設定温度および冷房時の設定温度が有効になる。暖房時の設定温度は、デマンド制御が実施されていない場合に設定された設定温度に対する下げ幅を示し、例えば、0℃から-10℃の間で設定可能である。冷房時の設定温度は、デマンド制御が実施されていない場合に設定された設定温度に対する上げ幅を示し、例えば、0℃から10℃の間で設定可能である。運転モードが送風モードの場合、空調機24は、デマンド制御時に送風状態になる。
【0076】
図9は、図1の制御装置10による照明22の制御の一例を示す説明図である。制御装置10は、デマンド制御を実施しない場合、すなわち、電力監視装置30が生成する警報を検出しない場合、図4の第1制御部201の制御により、通常の自動制御のみを実施する。制御装置10は、警報を検出した場合、第3制御部203から第1制御部201に出力される第2指示により、自動制御に加えてデマンド制御を実施する。
【0077】
自動制御を実施する自動制御モードでは、人感連動および外光補正連動がともに無効状態の場合、図5に示した運転スケジュールにおいて、人感連動および外光補正連動の設定項目以外の項目である標準項目にしたがって照明22の制御が実施される。人感連動および外光補正連動がともに無効状態での自動制御は、第1制御部201により実施される。例えば、図5に示した運転スケジュールでは、ある曜日の8時から21時まで、照明22が、電球色2に調色され、調光率80%の明るさで点灯される。
【0078】
人感連動が有効状態の場合、標準項目による照明22の制御に加えて、第2制御部202から第1制御部201に出力される第1指示により、図6に示したように、人の在/不在に応じた調光率の制御が実施される。外光補正連動が有効状態の場合、第2制御部202から第1制御部201に出力される第3指示により、式(1)に示したように、照度センサ12で検出される照度に応じて調光率が制御される。
【0079】
一方、デマンド制御では、第3制御部203から第1制御部201に出力される第2指示により、自動制御により設定された調光率から、警報レベルに応じた調光変動値が差し引かれる。但し、引き下げ後の調光率が調光率の下限値以下になる場合、調光率は下限値に設定される。警報レベルは数字が大きいほど、予測した電力使用量の目標電力量に対する超過量が大きく、緊急性が高い。
【0080】
図10は、図1の制御装置10による空調機24の制御の一例を示す説明図である。制御装置10は、デマンド制御を実施しない場合、すなわち、電力監視装置30が生成する警報を検出しない場合、図4の第1制御部201の制御により、通常の自動制御のみを実施する。制御装置10は、警報を検出した場合、第3制御部203から第1制御部201に出力される第2指示により、自動制御に加えてデマンド制御を実施する。
【0081】
自動制御モードでは、人感連動および温度連動(省エネ優先モード、快適性優先モード)がともに無効状態の場合、図7に示した運転スケジュールにおいて、オプションが設定されていない場合の設定項目である標準項目にしたがって空調機24の制御が実施される。人感連動および温度連動がともに無効状態での自動制御は、第1制御部201により実施される。例えば、図7に示した運転スケジュールでは、ある曜日の8時から21時まで、設定温度が25℃、運転モードが自動、風量が弱、風向が風向位置2で、空調機24が運転される。
【0082】
人感連動が有効状態の場合、第2制御部202から第1制御部201に出力される第1指示により、暖房運転時には、設定温度が標準項目の設定温度より例えば2℃下げられ、冷房運転時には、設定温度が標準項目の設定温度より例えば2℃上げられる。温度連動(省エネ優先モードまたは快適性優先モード)が有効状態の場合、第2制御部202から第1制御部201に出力される第6指示により、上述したように、それぞれのモードにしたがった温度制御が実施される。
【0083】
一方、デマンド制御では、第3制御部203から第1制御部201に出力される第2指示により設定温度が調整される。例えば、図8に示したように、設定画面で電源がオンに設定され、運転モードが設定温度変更に設定された場合、制御装置10は、警報レベルに応じた設定温度の変動値を、自動制御モードで設定された設定温度に加える。図8に示す例では、冷房時には、警報レベルにかかわりなく、設定温度が1℃上げられ、暖房時には、警報レベルが上がるにしたがい、設定温度が1℃ずつ下げられる。
【0084】
但し、図8に示した設定画面で電源がオフに設定された場合、第3制御部203から第1制御部201に出力される第5指示により、制御装置10は、警報を検出した場合、警報レベルにかかわりなく、空調機24の電源をオフする。また、図8に示した設定画面で運転モードが送風に設定された場合、第3制御部203から第1制御部201に出力される第4指示により制御装置10は、警報を検出した場合、警報レベルにかかわりなく、空調機24を送風モードに設定する。
【0085】
図11は、図1の電力監視装置30の動作の一例を示すフローチャートである。特に限定されないが、電力監視装置30は、図11に示す処理を、例えば、1秒間隔で繰り返し実行する。
【0086】
まず、ステップS10において、電力監視装置30は、スマートメータ32から電力情報を取得する。次に、ステップS11において、電力監視装置30は、取得した電力情報に基づいて、居室300の30分間の電力使用量(デマンド値)を予測する。
【0087】
次に、ステップS12において、電力監視装置30は、予測した電力使用量が目標電力量を超えている場合、処理をステップS13に移行し、予測した電力使用量が目標電力量以下の場合、処理をステップS14に移行する。
【0088】
ステップS13において、電力監視装置30は、予測される電力の超過量に応じて4種類のレベルのいずれかの警報を生成し、処理をステップS10に戻す。例えば、電力監視装置30は、予測した電力使用量が目標電力量を超えることが予測されている間、警報の内容をレジスタ等に保持し、あるいは、所定の電圧レベルの警報信号として出力する。ステップS14において、電力監視装置30は、予測した電力使用量が目標電力量以下に収まることが予測される場合、警報を生成せずに、処理をステップS10に戻す。
【0089】
図12は、図1の制御装置10の警報監視動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、図12は、制御装置10の制御方法の一例を示す。図12に示すフローチャートは、制御装置10のCPU101が制御プログラムを実行することにより実現される。このため、図12は、制御プログラムの内容を示していると言える。警報監視動作は、電力監視装置30が生成する警報を監視し、警報に基づいた制御をする動作である。特に限定されないが、制御装置10は、図12に示す処理を、例えば、5秒間隔で繰り返し実行する。
【0090】
まず、ステップS20において、制御装置10は、電力監視装置30から警報の有無を取得する。例えば、制御装置10は、電力監視装置30が保持する警報の有無を示す警報情報を読み出してもよく、電力監視装置30が出力する警報信号に基づいて警報を検出してもよい。次に、ステップS21において、制御装置10は、警報を検出した場合、処理をステップS22に移行し、警報を検出しない場合、処理をステップS24に移行する。
【0091】
ステップS22において、制御装置10は、検出した警報の警報レベルと同じデマンド制御を実施中の場合、処理をステップS20に戻す。また、制御装置10は、デマンド制御を実施していない場合、または、検出した警報の警報レベルと同じデマンド制御を実施していない場合、処理をステップS23に移行する。ステップS23において、制御装置10は、警報が示す警報レベルを管理装置18に送信し、処理をステップS20に移行する。ステップS22の判定により、電力監視装置30が連続して警報を生成する場合にも、警報レベルが管理装置18に繰り返し送信されることを防止でき、デマンド制御への移行処理が繰り返し実施されることを防止できる。
【0092】
一方、ステップS24において、制御装置10は、デマンド制御中の場合、処理をステップS25に移行し、デマンド処理を実施していない場合、処理をステップS20に戻す。ステップS25において、制御装置10は、警報が解除されたため、デマンド制御を停止し、処理をステップS20に戻す。
【0093】
図13は、図1の管理装置18の動作の一例を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、管理装置18が内蔵するCPUが管理プログラムを実行することにより実現される。このため、図13は、管理プログラムの内容を示していると言える。管理装置18は、図13に示す動作を所定の頻度で繰り返し実行する。
【0094】
まず、ステップS30において、管理装置18は、警報レベルを制御装置10から受信した場合、処理をステップS31に移行し、警報レベルを制御装置10から受信していない場合、処理をステップS32に移行する。ステップS31において、管理装置18は、警報レベルに応じた設定変更情報を制御装置10に送信し、処理をステップS32に移行する。例えば、設定変更情報は、図8に示した設定画面に設定された調光変動値、下限調光率、電源、運転モードおよび設定温度(暖房、冷房)である。
【0095】
ステップS32において、管理装置18は、図5または図6に示す運転スケジュールが変更された場合、処理をステップS33に移行し、運転スケジュールが変更されていない場合、処理をステップS34に移行する。ステップS33において、管理装置18は、変更後の最新の運転スケジュールを制御装置10に送信し、処理をステップS34に移行する。管理装置18は、制御装置10からの問い合わせに基づいて、最新の運転スケジュールを制御装置10に送信してもよく、運転スケジュールが変更される毎に、変更された運転スケジュールを制御装置10に送信してもよい。
【0096】
ステップS34において、管理装置18は、動作モードが自動制御モードから手動モードに変更された場合、処理をステップS35に移行し、動作モードが自動制御モードの場合、処理を終了する。例えば、手動モードは、端末装置34に表示される運転スケジュールの設定画面とは異なる手動設定画面を使用して、調光率、設定温度または空調機24の運転モード等が変更された場合に、自動制御モードから移行される。ステップS35において、管理装置18は、自動制御モードを終了する指示と、手動モードで設定された設定内容とを制御装置10に送信し、処理を終了する。なお、手動モードで設定された設定内容の制御装置10への送信が、自動制御モードを終了する指示を兼ねていてもよい。
【0097】
図14は、図1の制御装置10の制御動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、図14は、制御装置10の制御方法の一例を示す。図14に示すフローチャートは、制御装置10のCPU101が制御プログラムを実行することにより実現される。このため、図14は、制御プログラムの内容を示していると言える。制御装置10は、図14に示す動作を所定の頻度で繰り返し実行する。
【0098】
まず、ステップS40において、制御装置10は、管理装置18から警報レベルに応じた設定変更情報を受信した場合、処理をステップS42に移行し、管理装置18から警報レベルに応じた設定変更情報を受信していない場合、処理をステップS41に移行する。ステップS41において、制御装置10は、デマンド制御を実施中の場合、処理をステップS42に移行し、デマンド制御を実施していない場合、処理をステップS44に移行する。
【0099】
ステップS42において、制御装置10は、警報レベルに応じた照明22の制御処理を実施し、処理をステップS43に移行する。ステップS42の処理の詳細は、図15で説明する。ステップS43において、制御装置10は、警報レベルに応じた空調機24の制御処理を実施し、処理をステップS44に移行する。ステップS43の処理の詳細は、図16で説明する。
【0100】
ステップS44において、制御装置10は、管理装置18から運転スケジュールを受信した場合、処理をステップS45に移行し、管理装置18から運転スケジュールを受信していない場合、処理をステップS46に移行する。なお、管理装置18から運転スケジュールを受信していない場合、制御装置10は、既に保持している運転スケジュールに基づく制御を実施する。ステップS45において、制御装置10は、受信した運転スケジュールに基づいて、保持している運転スケジュールを更新し、自動制御モードによる照明22と空調機24の制御を実施する。ステップS45の後、処理はステップS46に移行する。
【0101】
ステップS46において、制御装置10は、管理装置18から手動モードでの設定変更の指示を受信した場合、処理をステップS47に移行し、管理装置18から手動モードでの設定変更の指示を受信していない場合、処理を終了する。ステップS47において、制御装置10は、自動制御モードでの制御を停止し、管理装置18から受信した設定変更の指示に基づいて、照明22の調光率、調色等を変更し、あるいは、空調機24の設定温度、運転モード、風量等を変更する。
【0102】
図15は、図14のステップS42の動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、図15は、警報レベルに応じた照明22の制御処理を示す。
【0103】
まず、ステップS420において、制御装置10は、動作モードが手動モードの場合、処理をステップS421に移行し、動作モードが手動モードでない場合(すなわち、自動制御モード)、処理をステップS422に移行する。ステップS421において、制御装置10は、動作モードを手動モードから自動制御モードに切り換え、処理をステップS422に移行する。動作モードが手動モードの場合に、自動制御モードに切り換えてからデマンド制御を実施することで、制御装置10は、手動モードで照明22を制御中に警報を検出した場合にも、図9に示したデマンド制御を実施することができる。
【0104】
ステップS422において、制御装置10は、図5に示した照明22の運転スケジュールで設定された人感連動が有効状態の場合、処理をステップS423に移行し、人感連動が無効状態の場合、処理をステップS424に移行する。ステップS423において、制御装置10は、図6に示した人感連動の制御により設定された調光率に、図9に示したデマンド制御による警報レベルに応じた調光変動値を加算し、加算により得た調光率を照明22に設定し、処理を終了する。
【0105】
すなわち、警報を検出した場合であって、人感連動が有効状態の場合、制御装置10は、人感連動の制御を実施しながら、調光率を下げる処理を実施することができる。この際、調光率の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい調光率の調整をすることができ、例えば、居室300に人が居る場合、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0106】
ステップS424において、制御装置10は、図5に示した照明22の運転スケジュールで設定された外光補正連動が有効状態の場合、処理をステップS425に移行し、外光補正連動が無効状態の場合、処理をステップS426に移行する。ステップS425において、制御装置10は、外光補正により設定された調光率に、図9に示したデマンド制御による警報レベルに応じた調光変動値を加算し、加算により得た調光率を照明22に設定し、処理を終了する。
【0107】
すなわち、警報を検出した場合であって、外光補正連動が有効状態の場合、制御装置10は、外光補正連動の制御を実施しながら、調光率を下げる処理を実施することができる。この際、調光率の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい調光率の調整をすることができ、例えば、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0108】
ステップS426において、制御装置10は、図5に示した照明22の運転スケジュールに設定された標準項目に基づいて設定された照明22の調光率に、デマンド制御による警報レベルに応じた調光変動値を加算する。そして、制御装置10は、加算により得た調光率を照明22に設定し、処理を終了する。ステップS426においても、調光率の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0109】
図16は、図14のステップS43の動作の一例を示すフローチャートである。すなわち、図16は、警報レベルに応じた空調機24の制御処理を示す。
【0110】
まず、ステップS430において、制御装置10は、動作モードが手動モードの場合、処理をステップS431に移行し、動作モードが手動モードでない場合(すなわち、自動制御モード)、処理をステップS432に移行する。ステップS431において、制御装置10は、動作モードを手動モードから自動制御モードに切り換え、処理をステップS432に移行する。動作モードが手動モードの場合に、自動制御モードに切り換えてからデマンド制御を実施することで、制御装置10は、手動モードで空調機24を制御中に警報を検出した場合にも、図10に示したデマンド制御を実施することができる。
【0111】
ステップS432において、制御装置10は、図7に示した空調機24の運転スケジュールで設定された人感連動が有効状態の場合、処理をステップS433に移行し、人感連動が無効状態の場合、処理をステップS434に移行する。ステップS433において、制御装置10は、図10に示した人感連動の制御により設定された設定温度に、デマンド制御による警報レベルに応じた温度の変動値を加算し、加算により得た設定温度を空調機24に設定し、処理を終了する。
【0112】
すなわち、警報を検出した場合であって、人感連動が有効状態の場合、制御装置10は、人感連動の制御を実施しながら、設定温度に温度の変動値を加算する処理を実施することができる。この際、温度の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい温度の調整をすることができ、例えば、居室300に人が居る場合、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0113】
ステップS424において、制御装置10は、図7に示した空調機24の運転スケジュールで設定された温度連動(省エネ優先モードまたは快適性優先モード)が有効状態の場合、処理をステップS435に移行する。制御装置10は、温度連動が無効状態の場合、処理をステップS436に移行する。ステップS435において、制御装置10は、図10に示した温度連動の制御により設定された設定温度に、デマンド制御による警報レベルに応じた温度の変動値を加算し、加算により得た設定温度を空調機24に設定し、処理を終了する。
【0114】
すなわち、警報を検出した場合であって、温度連動が有効状態の場合、制御装置10は、温度連動の制御を実施しながら、設定温度に温度の変動値を加算する処理を実施することができる。この際、温度の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい温度の調整をすることができ、例えば、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0115】
なお、図8に示した設定画面で電源がオフに設定された場合、制御装置10は、警報レベルにかかわりなく、空調機24の電源をオフにし、処理を終了する。また、図8に示した設定画面で運転モードが送風に設定された場合、制御装置10は、警報レベルにかかわりなく、空調機24を送風モードに設定し、処理を終了する。電源のオフおよび送風モードへの設定は、警報レベル毎に制御可能である。したがって、設定温度の上げ/下げだけでなく、送風や停止といった、様々なデマンド制御を警報レベル毎に設定することができ、居室300の環境や季節等に合わせて、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0116】
ステップS436において、制御装置10は、図7に示した空調機24の運転スケジュールに設定された標準項目に基づいて設定された照設定温度に、デマンド制御による警報レベルに応じた温度の変動値を加算する。そして、制御装置10は、加算により得た設定温度を空調機24に設定し、処理を終了する。
【0117】
以上、この実施形態では、電力使用量の予測値が目標電力量を超えた場合に発生する警報を検出した場合であって、人感連動が有効状態の場合、制御装置10は、人感連動の制御を実施しながら、調光率を下げる処理を実施することができる。また、警報を検出した場合であって、外光補正連動が有効状態の場合、制御装置10は、外光補正連動の制御を実施しながら、調光率を下げる処理を実施することができる。この際、調光率の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい調光率の調整をすることができ、例えば、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0118】
警報を検出した場合であって、人感連動が有効状態の場合、制御装置10は、人感連動の制御を実施しながら、設定温度に温度の変動値を加算する処理を実施することができる。また、警報を検出した場合であって、温度連動が有効状態の場合、制御装置10は、温度連動の制御を実施しながら、設定温度に温度の変動値を加算する処理を実施することができる。この際、温度の変動値は、警報のレベルに応じて異なるため、きめ細かい温度の調整をすることができ、例えば、居室300に人が居る場合、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0119】
温度センサ16を居室300内で業務等をする人の高さに合わせて配置することで、人が実際に感じる温度に合わせて空調機24を制御することができ、人に快適な温度環境を提供することができる。空調機24のデマンド制御を、警報レベル毎に、設定温度の上げ/下げ、送風、停止といった様々な設定で実施することができ、居室300の環境や季節等に合わせて、居室300に居る人の快適性を損なうことなく、電力を抑える制御を実施することができる。
【0120】
動作モードが手動モードの場合に、自動制御モードに切り換えてからデマンド制御を実施することで、制御装置10は、手動モードで照明22を制御中に警報を検出した場合にも、図9に示したデマンド制御を実施することができる。また、動作モードが手動モードの場合に、自動制御モードに切り換えてからデマンド制御を実施することで、制御装置10は、手動モードで空調機24を制御中に警報を検出した場合にも、図10に示したデマンド制御を実施することができる。
【0121】
運転スケジュールおよび警報が発生した場合の照明22および空調機24の制御を、クラウドコンピュータとして機能する管理装置18で管理することで、例えば、複数の制御装置10を使用する場合にも、共通の管理装置18に各種の設定項目を設定すればよい。これにより、管理者等は、制御装置10にアクセスすることなく、各種の設定項目を設定することができる。
【0122】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0123】
10 制御装置
12 照度センサ
14 人感センサ
16 温度センサ
18 管理装置
20 机
22 照明
24 空調機
24a 空調室内機
24b 空調室外機
26 空調コントローラ
28 照明コントローラ
30 電力監視装置
32 スマートメータ
100 制御システム
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 無線モジュール
105 アンテナインタフェース
106 アンテナ
107 通信インタフェース
108 SSD
201 第1制御部
202 第2制御部
203 第3制御部
204 無線制御部
205 通信制御部
206 記憶部
300 居室
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【文献】特開2001-197661号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16