(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電子デバイス、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20221206BHJP
H01L 41/09 20060101ALI20221206BHJP
H01L 41/047 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/14 305
H01L41/09
H01L41/047
(21)【出願番号】P 2018238742
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2018050843
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】木田 仁司
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-314755(JP,A)
【文献】特開2012-218251(JP,A)
【文献】特開2017-168748(JP,A)
【文献】米国特許第05625401(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/14
H01L 41/09
H01L 41/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、
少なくとも一部が前記スイッチング素子で覆われている第1共通電極配線と、前記第1共通電極配線の前記スイッチング素子で覆われている部分から分岐した複数本の第2共通電極配線と、前記スイッチング素子の列状に配置された複数の個別電源出力端子と接続する複数の個別電極配線と、を備え、
前記第
2共通電極配線は、前記複数の個別電極配線がそれぞれ接続される複数の素子に設けられた2以上の前記素子に共通の共通電極に接続される配線であって、
前記第2共通電極配線の数は、前記複数の個別電極配線の数よりも少なく、
前記第2共通電極配線は、前記複数の個別電極配線の間に配置されている
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
隣り合う前記個別電源出力端子の間隔が、他の隣り合う前記個別電源出力端子の間隔よりも広い箇所があり、
前記第2共通電極配線は、前記広い箇所に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記広い箇所は、所定数の前記個別電源出力端子毎に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
n個の前記個別電源出力端子に対して1の前記第2共通電極配線が配置され、
前記個別電源出力端子に接続される個別電極配線の配線幅は、前記第2共通電極配線の配線幅の1/n~1倍である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記複数本の第2共通電極配線及び前記複数の個別電極配線の内の一部の前記第2共通電極配線及び前記個別電極
配線は前記スイッチング素子の長辺と交差して引き出され、残りの前記第2共通電極配線及び前記個別電極配線は前記スイッチング素子の短辺と交差して引き出されている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記素子は圧電素子である
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の電子デバイスを備えている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれかに記載の電子デバイス、請求項7に記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項8に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項10】
請求項1ないし6のいずれかに記載の電子デバイスを備えている
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子デバイス、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドの各圧力発生素子に対する駆動電源の供給を制御するスイッチング素子が実装された配線部材とを接続するものがある。
【0003】
従来、複数のドライブICの直下に、複数の発熱抵抗体に通じる共通電極パターンと接続するパターンを配置し、ドライブIC間を通じて当該パターンから引き出した引出しパターンを設けて発熱抵抗体側の共通電極パターンと接続したサーマルヘッドが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、複数のドライブICの間から共通電極配線パターンに接続する引出しパターンが引き出され、電極パターンまで共通電極配線パターンを配している。
【0006】
そのため、素子の駆動電圧の素子間の電圧降下を抑えるために、配線抵抗を下げようとすると、素子近傍の共通電極配線パターンの占有面積が大きくなり、電子デバイス(素子周辺の面積)が大型化するという課題がある。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、電子デバイスの小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る電子デバイスは、
スイッチング素子と、
少なくとも一部が前記スイッチング素子で覆われている第1共通電極配線と、前記第1共通電極配線の前記スイッチング素子で覆われている部分から分岐した複数本の第2共通電極配線と、前記スイッチング素子の列状に配置された複数の個別電源出力端子と接続する複数の個別電極配線と、を備え、
前記第2共通電極配線は、前記複数の個別電極配線がそれぞれ接続される複数の素子に設けられた2以上の前記素子に共通の共通電極に接続される配線であって、
前記第2共通電極配線の数は、前記複数の個別電極配線の数よりも少なく、
前記第2共通電極配線は、前記複数の個別電極配線の間に配置されている
構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子デバイスの小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電子デバイスの平面説明図である。
【
図3】同電子デバイスのスイッチング素子の端子と配線基板のパッドを電気的に接続した状態を説明する断面説明図である。
【
図4】本発明の第2実施形態の第1例における電子デバイスの平面説明図である。
【
図5】同実施形態の第2例における電子デバイスの平面説明図である。
【
図6】本発明の第3実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【
図7】本発明の第4実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【
図8】同実施形態の第2例における電子デバイスの平面説明図である。
【
図9】本発明の第5実施形態の第1例における電子デバイスの平面説明図である。
【
図10】本発明の第6実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【
図11】本発明の第7実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【
図12】本発明に係る液体吐出ヘッドの一例の斜視説明図である。
【
図14】同ヘッドの
図13と直交する方向の断面説明図である。
【
図15】本発明に係る液体を吐出する装置の一例の概略説明図である。
【
図16】同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【
図17】液体循環装置の一例のブロック説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について
図1ないし
図3を参照して説明する。
図1は同実施形態に係る電子デバイスの平面説明図、
図2は
図1のA部の拡大説明図である。
図3は同電子デバイスのスイッチング素子の端子と配線基板のパッドを電気的に接続した状態を説明する断面説明図である。
【0012】
電子デバイス100は、配線基板101上にスイッチング素子102が実装されて構成されている。スイッチング素子102はドライブICである。
【0013】
配線基板101には、スイッチング素子102と対向する領域に、スイッチング素子102の長手方向に第1共通電極配線111が配置されている。第1共通電極配線111のスイッチング素子102で覆われた部分から複数の第2共通電極配線112が分岐している。ここで、第1共通電極配線111、第2共通電極配線112は、配線基板101が接合される基板上又はフィルム上に設けられた複数の素子(たとえば、後述の圧電素子基板上の複数の圧電素子)に対して共通に設けられた共通電極に、電気的に接続される電極配線である。
【0014】
スイッチング素子102には、スイッチング素子102の辺に沿って複数の素子の電源出力端子113が列状に配置され、個別電極配線114と接続されている。複数の素子の電源出力端子113は、所定数毎(ここでは4個毎)に、隣り合う電源出力端子113間の間隔を、他の隣り合う電源出力端子113間の間隔よりも広くして配置している、
【0015】
そして、第1共通電極配線111から分岐した複数の第2共通電極配線112は、複数の素子の電源の出力端子113の間に配置されている。ここでは、他の隣り合う素子の電源の出力端子113間の間隔よりも広い間隔の素子の電源の出力端子113の間に、第2共通電極配線112を配置している。
【0016】
スイッチング素子102の下部より引き出された第2共通電極配線112は、同じくスイッチング素子102の下部から引き出された所定数の個別電極配線114と交互に配置され、外部に延伸されて素子に接続される。
【0017】
個別電極配線114は素子の個別電極に、第2共通電極配線112は素子の共通電極に、それぞれ電気的に接続されている。なお、素子の共通電極は、n個の素子の個別電極に対向する第2個別電極を電気的に接続した電極であっても良い。
【0018】
配線基板101上には、スイッチング素子102の下部に当たる領域に、素子の共通電源配線115が配置されており、スイッチング素子102の長手方向端部に素子の電源の入力端子116が並んでおり、素子の共通電源配線115と接続されている。
【0019】
素子の共通電源配線115は、スイッチング素子102の内部で、スイッチを介して素子の電源出力端子113と繋がっている。素子の電源出力端子113は、
図3に示すように、導電性バンプ121(あるいは、ACF、導電性ワイヤなど)によって、個別電極配線114のパッド114aと電気的に接続され、個別電極配線114を介して、素子の個別電極へと電気的に繋がっている。なお、スイッチング素子102の導電性バンプ121を設けた面は絶縁膜122で被覆されている。
【0020】
第1共通電極配線111は、素子の共通電源配線115と素子の電源出力端子113の列の間に配されている。
【0021】
ここで、n本の個別電極配線114(n個の素子の電源出力端子113)につき、1本の第2共通電極配線112を配置する場合には、第2共通電極配線112の配線幅は、個別電極配線114の配線幅の1~n倍とすることが好ましい。
【0022】
全ての電子部品を駆動した場合など、個別電極配線114を通る電流の大きさは、第2共通電極配線112を通る電流の大きさの略1/n倍になる。そこで、個別電極配線114の配線幅は、第2共通電極配線112の配線幅に対して1/n倍まで細くしても電流容量は満足するため、配線領域を狭くすることができる。
【0023】
素子の共通電源配線115及び第1共通電極配線111は、スイッチング素子102の短辺から、配線基板101上の、スイッチング素子102と対向する領域より外側に配線を引き出すのが好ましい。
【0024】
これにより、スイッチング素子102を実装した後、アンダーフィルなどの充填剤を流し込んだときに、ボイドが残り難く、歩留りや信頼性が高くなる。
【0025】
配線基板101には、制御信号配線118が設けられ、制御信号配線118はスイッチング素子102の制御信号入力端子117と接続されている。この制御信号入力端子117に入力される制御信号でスイッチのON/OFFが制御される。
【0026】
このように、第1共通電極配線111のスイッチング素子102で覆われている部分から複数本の第2共通電極配線112を分岐して、第2共通電極配線112をスイッチング素子102の列状に配置された複数の個別電源出力端子である素子の電源出力端子113の間(個別電極配線114の間でもある。)に配置されている構成としている。
【0027】
これにより、素子の共通電極の低抵抗配線が不要となり、電子デバイスの小型化を図ることができる。つまり、素子が圧電素子であるとき、圧電素子の共通電極は高抵抗であるので、一般的には特許文献1に開示されている共通電極配線パターンのような配線で補強して抵抗を下げるが、本実施形態では当該共通電極配線パターンのような配線が不要になり、電子デバイスを小型化できる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態の異なる例について
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は同実施形態の第1例における電子デバイスの平面説明図、
図5は同実施形態の第2例における電子デバイスの平面説明図である。
【0029】
図4に示す第1例は、矩形状のスイッチング素子102の長辺に沿って素子の電源入力端子116が配置され、素子の共通電源配線115は、配線基板101上でスイッチング素子102と対向する領域よりも外側に、スイッチング素子102の長辺へ向かって配置され、電子部品の電源入力端子116と電気的に接続している。
【0030】
図5に示す第2例は、スイッチング素子102の内部は、
図5において上側が低電圧、下側が高電圧を扱う領域になっているので、共通電源配線115は上側から配するが、入力端子116までの細い配線は下側まで延ばしてスイッチング素子102の下側寄りにレイアウトしたものである。
【0031】
このように構成することで、スイッチング素子102を実装した後、アンダーフィルなどの充填剤を流し込んだときに、第1実施形態と比較して、一層、ボイドが残り難く、歩留りや信頼性が高くなる。
【0032】
また、制御信号入力端子117は、スイッチング素子102の長辺に沿って、短辺寄り(長手方向端部側)に設けている。なお、制御信号入力端子117は、スイッチング素子102の短辺に沿って設けることもできる。
【0033】
このように構成することで、スイッチング素子102の長手方向両端まで、素子の共通電源配線115を配置することができる。これにより、素子の電源出力端子113間の電源の配線抵抗差が小さくなり、駆動波形の電圧差を小さくでき、例えば、素子が液体吐出ヘッドの圧力発生素子であるときには滴速度差、滴重量差の発生を抑えることができる。
【0034】
次に、本発明の第3実施形態について
図6を参照して説明する。
図6は同実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【0035】
本実施形態では、素子の共通電源配線115を、配線基板101上でスイッチング素子102と対向する領域に、スイッチング素子102の長手方向に沿って配置している。
【0036】
また、第1共通電極配線111は、配線基板101上でスイッチング素子102と対向する領域に、素子の共通電源配線115を挟んで2列配置し、2列それぞれをスイッチング素子102の短辺側で接続している。
【0037】
そして、素子の共通電源配線115及び第1共通電極配線111は、スイッチング素子102の長辺から、配線基板101上の、スイッチング素子102と対向する領域より外側に配線を引き出している。
【0038】
素子の共通電源配線115の引き出し配線115aは、できる限りスイッチング素子102の両短辺寄りに配置し、第1共通電極配線111は、素子の共通電源配線115の引き出し配線115aのアウトラインに沿うように配置している。
【0039】
そして、素子の電源出力端子113は、スイッチング素子102の一方の長辺に沿ってだけでなく、他方の長辺に沿っても設けている。
【0040】
このように構成することで、スイッチング素子102の長手方向の寸法と短手方向の寸法の設計自由度が増し、ウェハからの取数が多くなる寸法に設計することで、スイッチング素子102の低コスト化が可能となる。
【0041】
次に、本発明の第4実施形態について
図7及び
図8を参照して説明する。
図7は同実施形態の第1例における電子デバイスの平面説明図、
図8は同実施形態の第2例における電子デバイスの平面説明図である。
【0042】
図7に示す第1例では、前記第3実施形態と異なり、第1共通電極配線111は、配線基板101上でスイッチング素子102と対向する領域に、1列配置されており、スイッチング素子102の長辺に沿って素子の電源入力端子116が並んでおり、素子の共通電源配線115は、配線基板101上でスイッチング素子102と対向する領域よりも外側に、スイッチング素子102の長辺へ向かって配置して、素子の電源入力端子116と電気的に接続している。
【0043】
そして、第1共通電極配線111は、スイッチング素子102の長辺から、配線基板101上の、スイッチング素子102と対向する領域より外側に配線を引き出している。
【0044】
図8に示す第2例は、前記第2実施形態の第2例と同様に、スイッチング素子102の内部は、
図5において上側が低電圧、下側が高電圧を扱う領域になっているので、共通電源配線115は上側から配するが、入力端子116までの細い配線は下側まで延ばしてスイッチング素子102の下側寄りにレイアウトしたものである。
【0045】
このように構成することで、スイッチング素子102を実装した後、アンダーフィルなどの充填剤を流し込んだときに、第3実施形態と比較して、ボイドが残り難く、歩留りや信頼性が高くなる。
【0046】
次に、本発明の第5実施形態について
図9を参照して説明する。
図9は同実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【0047】
電子デバイス100は、スイッチング素子102を備える配線基板101と素子基板である圧電素子基板103とを接続して構成している。
【0048】
配線基板101上の第1共通電極配線111は、スイッチング素子102の長辺方向に沿う配線部分111aと短辺方向に沿う配線部分111bとで構成される。
【0049】
そして、第2共通電極配線112は、第1共通電極配線111の配線部分111a及び配線部分111bのいずれからも分岐して引き出されている。つまり、スイッチング素子102の1つの長辺から個別電極配線114と第2共通電極配線とが引き出されるだけでなく、スイッチング素子102の長辺と交差する短辺からも、個別電極配線114と第2共通電極配線112とが引き出されている。
【0050】
第1共通電極配線111は、スイッチング素子102の長手方向両端で、配線部分111aの両端部が各々90度に折れ曲がって配線部分111bが形成され、個別電極配線114と第2共通電極配線112が引き出されている長辺と反対側の長辺から引き出されている。
【0051】
共通電源配線115も、スイッチング素子102の長手方向両端で各々90度に折れ曲がっており、第1共通電極配線111と同じ長辺から引き出されている。
【0052】
このように構成したので、スイッチング素子102の長手方向の寸法と短手方向の寸法の設計自由度が増し、ウェハからの取数が多くなる寸法に設計することで、スイッチング素子の低コスト化を図れる。
【0053】
そして、上述したように、この配線基板101と素子基板である圧電素子基板103とを接続して本発明に係る電子デバイス100を構成している。なお、配線基板101はフレキシブル配線基板で構成している。
【0054】
圧電素子基板103は、複数の素子である圧電素子200が配置されており、複数の圧電素子200に共通する共通電極(又は、共通電極配線)201が配置されている。この共通電極201のシート抵抗は、第1共通電極配線111のシート抵抗よりも大きい。
【0055】
配線基板101は、所定数の個別電極配線114と第2共通電極配線112が交互に並んで配線接続部まで延伸されている。
【0056】
圧電素子基板103には、圧電素子200の個別電極202から配線接続部まで配線された第2個別電極配線205と、圧電素子200の共通電極201から配線接続部まで配線された第3共通電極配線206が交互に配置されている。
【0057】
個別電極配線114と第2個別電極配線205、および、第2共通電極配線112と第3共通電極配線206は、配線接続部で電気的に接続されている。
【0058】
このように構成することで、圧電素子基板103上の共通電極201のシート抵抗が高くても、圧電素子200の位置による駆動波形の電圧差の発生を抑えることができる。
【0059】
そして、シート抵抗が高くても良いので、共通電極に対して横断的に配した共通電極配線を圧電素子基板103上に設ける必要が無くなり(圧電素子基板103上は、一般的にシート抵抗の高い共通電極だけで良い)、圧電素子基板103を小型、低コスト化することができる。
【0060】
また、共通電極配線に起因する素子近傍(圧電素子基板103)の温度分布の発生を抑え、圧電素子200が液体吐出ヘッドの圧力発生素子である場合、液滴の吐出特性のばらつきを抑えることができる。これにより、圧電素子基板103上の共通電極201の厚みを薄くしたり、抵抗率の大きい素材を採用したりできる。
【0061】
この場合、共通電極配線に起因する温度分布は、スイッチング素子下部の第1共通電極配線111で多少発生する(ただし、配線抵抗が小さいので、温度分布も小さい)が、素子の部分で温度分布を抑える。
【0062】
なお、配線基板101としては、前記第1ないし第4実施形態で説明した配線基板101の構成とすることもできる。また、素子基板は圧電素子基板に限定されない。
【0063】
また、本実施形態において、第1共通電極配線111は、配線の両端より電源(上位電源)を供給されている。第2共通電極配線112は、第1共通電極配線111の端部から中央部に向かうに従って、第1共通電極配線111の抵抗値が0.9Ωとなる距離(または個別電極配線114が12本)に対して第2共通電極配線112が1本、第1共通電極配線111の抵抗値が0.6Ωとなる距離(または個別電極配線114が8本)に対して第2共通電極配線112が1本、第1共通電極配線111の抵抗値が0.3Ωとなる距離(または個別電極配線114が4本)に対して第2共通電極配線112が1本、というように配置している。
【0064】
つまり、共通電源配線115→スイッチング素子102の内部配線→個別電極配線114→素子200→共通電極(共通電極配線)201→第2共通電極配線112→第1共通電極配線111の経路について、素子列各所の素子200で電圧降下量が近くなるように、第2共通電極配線112は、第1共通電極配線の抵抗値当たり(または個別電極配線114の本数当たり)、第1共通電極配線111の比較的上位電源に遠い箇所に配置される本数が、比較的電源に近い箇所よりも多く配置されている。
【0065】
このように構成することで、第2共通電極配線112を均一に配した場合に、電圧降下が比較的小さい第1共通電極配線111の端部から配線される素子への配線抵抗値を上げ、電圧降下が比較的大きい第1共通電極配線111の中央部から配線される素子の電圧降下と同程度に電圧降下させることができる。または、第2共通電極配線112を均一に配した場合に、電圧降下が比較的大きい第1共通電極配線111の中央部から配線される素子への配線抵抗値を下げ、第1共通電極配線111の中央部から配線される素子の電圧降下量を小さくすることができる。
【0066】
つまり、共通電源配線→個別電極配線→素子→共通電極(配線)→第2共通電極配線→第1共通電極配線、という経路の抵抗値を、素子列中央部の素子と端部の素子とで電圧降下量が同等になるように、調整することができる。この場合、電流値は共通配線の各領域により異なるので、電流×抵抗が等しくなるようにする。
【0067】
これにより、素子の位置による駆動波形の電圧差の発生を抑えることができる。
【0068】
次に、本発明の第6実施形態について
図10を参照して説明する。
図10は同実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【0069】
本実施形態でも、電子デバイス100は、スイッチング素子102を備える配線基板101と素子基板である圧電素子基板103とを接続して構成している。
【0070】
第2個別電極配線205及び第3共通電極配線206の配線並び方向に対して、圧電素子基板103の端部から、中央部に向かうに従って、12本の第2個別電極配線205に対して第3共通電極配線206を1本、8本の第2個別電極配線205に対して第3共通電極配線206を1本、4本の第2個別電極配線205に対して第3共通電極配線206を1本、というように配置している。
【0071】
つまり、第3共通電極配線206は、第2個別電極配線205の本数当たり(単位面積当たり、圧電素子基板103の中央部が端部よりも多くの本数が配置されている。
【0072】
このようにして、第2共通電極配線112は、素子列の、温度が下がりにくい(冷却され難い、放熱され難い)箇所の本数が、温度が下がり易い(冷却され易い、放熱し易い)箇所の本数よりも多い構成としている。
【0073】
これにより、圧電素子基板103の温度分布を均一化することができる。
【0074】
つまり、圧電素子基板103上に配列された複数の素子列である圧電素子200の列を均一に駆動したときの圧電素子基板103の温度は短辺側(長手方向端部側)が長手方向中央部よりも低くなる傾向にある。
【0075】
そこで、上記のように構成することで、圧電素子基板103の短辺側に少ない数の第3共通電極配線206が配置されているので、圧電素子基板103の中央部に配置された多い数の第3共通電極配線206よりも多くの電流が流れて、発熱量が電流の二乗に比例して大きくなる(単位面積当たりの第3共通電極配線206の本数が少なくても、単位面積当たりの発熱量が大きくなる)。したがって、圧電素子基板103の温度分布が均一化される。
【0076】
次に、本発明の第7実施形態について
図11を参照して説明する。
図11は同実施形態における電子デバイスの平面説明図である。
【0077】
本実施形態では、電源出力端子113がスイッチング素子102の上面(配線基板101に面していない側の面)にあって、配線側のパッド114aとはワイヤボンディング等の手法でワイヤ121によって電気的に繋ぎ、配線基板101側のパッド114aは所々隙間を開けて第2共通電極配線112を通している。
【0078】
このとき、電源出力端子113と第2共通電極配線112は立体交差可能であるので、電源出力端子113は等間隔に並べている。
【0079】
これにより、電源出力端子113の端子列を配する長さを短くできるので、スイッチング素子の設計自由度が高くなる。
【0080】
なお、上記実施形態においては、スイッチング素子102の、広く開けた個別電源出力端子113間に、ダミーの端子を設けて、第2共通電極配線112とダミーの端子を接続することできる。個別電源出力端子間隔はそこだけ広く開いているが、ダミー端子を入れることで、端子を等間隔に並べる。端子が均一に並ぶので、圧力が一定になり、スイッチング素子が基板に実装し易くなる効果もある。
【0081】
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について
図12ないし
図14をして説明する。
図12は同液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、
図13は同ヘッドの断面説明図、
図14は同ヘッドの
図13と直交する方向の断面説明図である。
【0082】
この液体吐出ヘッド1は、ノズル板10と、流路板20と、振動板30と、素子である圧電素子200と、共通流路部材50と、フレー部材60と、本発明に係る電子デバイス100などを備えている。
【0083】
ノズル板10には、液体を吐出する複数のノズル11が形成されている。
【0084】
流路板20は、ノズル板10及び振動板30とともに、ノズル11が通じる個別液室21、個別液室21に通じる供給側流体抵抗部22、供給側流体抵抗部22に通じる供給側個別流路23を形成している。
【0085】
この供給側個別流路23は、振動板30の開口32と共通流路部材50の供給口51を通じて共通流路部材50で形成される供給側共通流路52に通じている。
【0086】
振動板30は、個別液室21の壁面の一部を形成する変形可能な振動領域31を形成している。そして、この振動板30の振動領域31の個別液室21と反対側の面には、圧電素子200を一体的に設けている。
【0087】
圧電素子200は、振動領域31側から共通電極201、圧電層(圧電体)211及び個別電極212を順次積層形成して構成している。
【0088】
そして、ドライバICとなるスイッチング素子102を実装した配線基板101で構成される電子デバイス100の第2共通電極配線112が第3共通電極配線206を介して共通電極201に接続され、個別電極配線114が第2個別電極配線205を介して個別電極212に接続される。この液体吐出ヘッド1では、圧電素子200を一体的に設けた振動板30が前述した圧電素子基板103に相当する。
【0089】
また、流路板20は、ノズル板10及び振動板30とともに、個別液室21に通じる回収側流体抵抗部24、回収側流体抵抗部24に通じる回収側個別流路25を形成している。
【0090】
この回収側個別流路25は、振動板30の開口33と共通流路部材50の回収口53を通じて共通流路部材50で形成される回収側共通流路54に通じている。
【0091】
供給側共通流路52はフレーム部材60の供給ポート61に通じ、回収側共通流路54はフレーム部材60の供給ポート62に通じ、供給ポート61及び回収ポート62はそれぞれ液体循環装置に接続されている。
【0092】
このヘッド1においては、圧電素子200に駆動電圧を印加することで振動領域31が変形して個別液室21内の液体を加圧することで、ノズル11から液体が吐出される。
【0093】
そして、ノズル11から吐出されない液体、あるいは、ノズル11から液体吐出を行っていないとき供給側共通流路52から供給される液体は、回収側共通流路54に回収されて、外部の液体循環装置を通じて、再度供給側共通流路52に供給される。
【0094】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について
図15及び
図16を参照して説明する。
図15は同装置の概略説明図、
図16は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【0095】
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
【0096】
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0097】
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550及びヘッドユニット555に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が形成され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
【0098】
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
【0099】
各ヘッドアレイ551は、液体吐出手段であり、それぞれ、搬送される連続体510に対してブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0100】
ヘッドアレイ551は、例えば、
図16に示すように、液体吐出ヘッド(これを、単に「ヘッド」ともいう。)1をベース部材552上に千鳥状に並べて配置したものであるが、これに限らない。
【0101】
次に、液体循環装置の一例について
図17を参照して説明する。
図17は同循環装置のブロック説明図である。なお、ここでは1つのヘッドのみ図示しているが、複数のヘッドを配列する場合には、マニホールドなどを介して複数のヘッドの供給側、回収側にそれぞれ供給側液体経路、回収側液体経路を接続することになる。
【0102】
液体循環装置6030は、供給タンク601、回収タンク602、メインタンク603、第1送液ポンプ604、第2送液ポンプ605、コンプレッサ611、レギュレータ612、真空ポンプ621、レギュレータ622、供給側圧力センサ631、回収側圧力センサ632などで構成されている。
【0103】
ここで、コンプレッサ611及び真空ポンプ621は、供給タンク601内の圧力と回収タンク602内の圧力とに差圧を生じさせる手段を構成している。
【0104】
供給側圧力センサ631は、供給タンク601とヘッド1との間であって、ヘッド1の供給ポート61に繋がった供給側液体経路に接続されている。回収側圧力センサ632は、ヘッド1と回収タンク602との間であって、ヘッド1の回収ポート62に繋がった回収側液体経路に接続されている。
【0105】
回収タンク602の一方は、第1送液ポンプ604を介して供給タンク601と接続されており、回収タンク602の他方は第2送液ポンプ605を介してメインタンク603と接続されている。
【0106】
これにより、供給タンク601から供給ポート61を通ってヘッド1内に液体が流入し、回収ポート62から回収タンク602へ回収され、第1送液ポンプ604によって回収タンク602から供給タンク601へ液体が送られることによって、液体が循環する循環経路が構成される。
【0107】
ここで、供給タンク601にはコンプレッサ611がつなげられており、供給側圧力センサ631で所定の正圧が検知されるように制御される。一方、回収タンク602には真空ポンプ621がつなげられており、回収側圧力センサ632で所定の負圧が検知されるよう制御される。
【0108】
これにより、ヘッド1内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
【0109】
また、ヘッド1のノズル11から液体を吐出すると、供給タンク601及び回収タンク602内の液体量が減少していく。そのため、適宜、第2送液ポンプ605を用いて、メインタンク603から回収タンク602に液体を補充する。
【0110】
なお、メインタンク603から回収タンク602への液体補充のタイミングは、回収タンク602内の液体の液面高さが所定高さよりも下がったときに液体補充を行うなど、回収タンク602内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
【0111】
本願において、液体吐出ヘッドから吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0112】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0113】
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0114】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0115】
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0116】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0117】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0118】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0119】
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
【0120】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0121】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0122】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0123】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0124】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0125】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの素子、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0126】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0127】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0128】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0129】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0130】
さらに、本発明に係る電子デバイスは、例えば、配線部材や圧電素子に限定されるものではない。また、本発明に係る電子デバイスは、液体を吐出する装置以外の電子機器、例えば表示装置やパーソナルコンピュータなどにも使用することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 液体吐出ヘッド
10 ノズル板
11 ノズル
20 流路板
21 個別液室
30 振動板
50 共通流路部材
52 供給側共通流路
54 回収側共通流路
100 電子デバイス
101 配線部材
102 スイッチング素子
103 圧電素子基板
200圧電素子