(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221206BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q10/10
G10L15/22 453
(21)【出願番号】P 2019001462
(22)【出願日】2019-01-08
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大▲崎▼ 博基
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0125843(US,A1)
【文献】特表2004-507945(JP,A)
【文献】特開2017-033339(JP,A)
【文献】特開2013-152702(JP,A)
【文献】特開2017-102882(JP,A)
【文献】特開2015-204087(JP,A)
【文献】特開2017-167941(JP,A)
【文献】特開2017-041066(JP,A)
【文献】特開2014-026333(JP,A)
【文献】特開2016-020058(JP,A)
【文献】特開2018-067903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G10L 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ単位で管理するユーザに対してサービスを提供する情報処理装置であって、
登録済みの各グループの電子メールアドレスが記憶されている記憶部を参照し、グループの登録時に入力された電子メールアドレスのドメイン名の全部又は一部が同じドメイン名の有無を検出する検出部と、
全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出されなかった場合は、入力された前記電子メールアドレスでグループ設定を行い、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出された場合は、グループ設定を中止する制御部と
を有し、
前記制御部は、さらに、
プライベート網に接続される複数の機器のうち、一方の機器が、前記制御部に対してグループ登録要求を行う際に、他方の機器から、グループ設定済みのグループに対して発行されるグループ情報の有無の問い合わせ結果を取得し、一方の前記機器が、他方の前記機器から前記グループ情報を有していないことを示す問い合わせ結果を取得した場合は前記グループ設定を行い、他方の前記機器から前記グループ情報を有していることを示す問い合わせ結果を取得した場合は前記グループ設定を中止する複合判断部
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部には、各グループの前記電子メールアドレスと共に、グループの主体の主体名が関連付けされて記憶されており、
前記検出部は、グループの登録時に入力された主体名と同じ主体名の有無を、前記記憶部から検出し、
前記制御部は、グループの登録時に入力された主体名と同じ主体名が前記記憶部から検出されなかった場合は、入力された前記主体名でグループ設定を行い、グループの登録時に入力された主体名と同じ主体名が前記記憶部から検出された場合は、グループ設定を中止すること
を特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、グループ設定を中止した場合、前記記憶部から検出された電子メールアドレスに対応するグループのグループ情報、又は、前記記憶部に記憶されている前記主体名に対応するグループのグループ情報を、グループの登録要求を行っているユーザの端末装置に送信すること
を特徴とする請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、グループ設定を中止した場合、グループの登録時に入力されたユーザ情報を含めたユーザ登録の依頼通知を、前記記憶部から検出されたグループの担当者の連絡先に通知すること
を特徴とする請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、グループ設定を行う際に、一方の前記機器と共に、同じプライベート網に接続された他方の前記機器を、一括して同じグループとして設定すること
を特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項
5のうち、いずれか一項に記載の情報処理装置と、
複数の機器と、
ユーザの端末装置とを有し、
前記情報処理装置、前記機器、及び、前記端末装置を、ネットワークを介して相互に通信可能に接続した情報処理システム。
【請求項7】
グループ単位で管理するユーザに対してサービスを提供する情報処理装置の情報処理方法であって、
検出部が、登録済みの各グループの電子メールアドレスが記憶されている記憶部を参照し、グループの登録時に入力された電子メールアドレスのドメイン名の全部又は一部が同じドメイン名の有無を検出する検出ステップと、
制御部が、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出されなかった場合は、入力された前記電子メールアドレスでグループ設定を行い、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出された場合は、グループ設定を中止する制御ステップと
を
含み、
前記制御ステップは、プライベート網に接続される複数の機器のうち、一方の機器が、前記制御部に対してグループ登録要求を行う際に、他方の機器から、グループ設定済みのグループに対して発行されるグループ情報の有無の問い合わせ結果を取得し、一方の前記機器が、他方の前記機器から前記グループ情報を有していないことを示す問い合わせ結果を取得した場合は、前記グループ設定を行い、他方の前記機器から前記グループ情報を有していることを示す問い合わせ結果を取得した場合は前記グループ設定を中止する複合的な判断を伴う
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
グループ単位で管理するユーザに対してサービスを提供する情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
登録済みの各グループの電子メールアドレスが記憶されている記憶部を参照し、グループの登録時に入力された電子メールアドレスのドメイン名の全部又は一部が同じドメイン名の有無を検出する検出部と、
全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出されなかった場合は、入力された前記電子メールアドレスでグループ設定を行い、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが前記記憶部から検出された場合は、グループ設定を中止する制御部と
、
前記制御部を、さらに、プライベート網に接続される複数の機器のうち、一方の機器が、前記制御部に対してグループ登録要求を行う際に、他方の機器から、グループ設定済みのグループに対して発行されるグループ情報の有無の問い合わせ結果を取得し、一方の前記機器が、他方の前記機器から前記グループ情報を有していないことを示す問い合わせ結果を取得した場合は前記グループ設定を行い、他方の前記機器から前記グループ情報を有していることを示す問い合わせ結果を取得した場合は前記グループ設定を中止する複合判断部
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えばスマートフォン等のクライアント装置に、インターネット等のネットワークを介して情報処理サービスを提供するクラウドシステムが知られている。このクラウドシステムからサービスの提供を受ける場合、ユーザは、まず、テナントと呼ばれるサービスの利用環境をサーバに開設する。続いて、ユーザは、開設したテナントに、利用するアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションまたはアプリという場合もある。)を導入する。これにより、ユーザは、テナントに導入したアプリの機能を、クライアント装置を用いて利用することができる。
【0003】
特許文献1(特開2018-142136号公報)には、プラットフォームに対する不適切なアクセスを抑制することを目的としたサービス提供方法が開示されている。このサービス提供方法は、クラウド内に構築したプラットフォームを利用するサービスを提供するサービス提供方法である。ネットワークを介したプラットフォームの構築に関する定義情報を、契約者端末から受信して、クラウド内に複数のプラットフォームを構築する。この際、構築される各プラットフォームに、共通する1又は複数のアクセス元を除いてアクセスを遮断する初期設定がなされたファイアウォールを含ませることで、プラットフォームに対する不適切なアクセスを抑制する。
【0004】
ここで、従来の情報処理システムは、顧客が新規に利用を開始する際に,顧客に入力された電子メールアドレスが、既に、データベースに登録済みであるか否かを判別する。そして、データベースに登録済みである場合は、テナントの開設を拒否することで、テナントの重複した開設を防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電子メールアドレスの登録の有無に基づいてテナントの重複した開設を防止していたため、以下の問題を生じていた。すなわち、例えばテナントを開設済みの企業Kには、部署A及び部署Bが存在し、テナントの開設時に、部署Aのメンバーの電子メールアドレスをサーバに登録したが、部署Bのメンバーの電子メールアドレスは、サーバに登録しなかったとする。
【0006】
従来の情報処理システムは、電子メールアドレスの登録の有無に基づいて、テナントの開設の有無を判別している。このため、電子メールアドレスが登録されていない部署Bのメンバーは、自分が所属している企業Kに対するテナントが、既に開設済みであるにも関わらず、企業Kのテナントを新たに開設することが可能となる。
【0007】
テナントにおけるユーザの管理、ライセンスの付与及び課金は、テナント毎に行われる。このため、同じ企業Kに対して複数のテナントが開設された場合、先にテナントを開設した際に登録された部署Aのユーザが利用可能なサービスであっても、後にテナントを開設した際に登録された部署Bのユーザは、部署Aのユーザとテナントが異なるため、同じ企業Kに所属しているにも関わらず利用困難となる問題を生ずる。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、一つの主体に複数のグループが開設される不都合を防止可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、グループ単位で管理するユーザに対してサービスを提供する情報処理装置であって、登録済みの各グループの電子メールアドレスが記憶されている記憶部を参照し、グループの登録時に入力された電子メールアドレスのドメイン名の全部又は一部が同じドメイン名の有無を検出する検出部と、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが記憶部から検出されなかった場合は、入力された電子メールアドレスでグループ設定を行い、全部又は一部が同じドメイン名の電子メールアドレスが記憶部から検出された場合は、グループ設定を中止する制御部とを有し、制御部は、さらに、プライベート網に接続される複数の機器のうち、一方の機器が、制御部に対してグループ登録要求を行う際に、他方の機器から、グループ設定済みのグループに対して発行されるグループ情報の有無の問い合わせ結果を取得し、一方の機器が、他方の機器からグループ情報を有していないことを示す問い合わせ結果を取得した場合はグループ設定を行い、他方の機器からグループ情報を有していることを示す問い合わせ結果を取得した場合はグループ設定を中止する複合判断部を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一つの主体に複数のグループが開設される不都合を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】
図2は、電子黒板のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】
図3は、液体吐出装置(インクジェットプリンタ装置)のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】
図4は、携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】
図5は、サーバ装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】
図6は、全天球撮影装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図7】
図7は、ビデオ会議端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図8】
図8は、プロジェクタ装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図9】
図9は、MFPのハードウェア構成を示す図である。
【
図10】
図10は、サーバ装置が備える認証サービス部の構成を示す図である。
【
図12】
図12は、テナント情報DBに記憶されているテナント情報の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、ユーザ情報DBに記憶されているユーザ情報の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、MFP情報DBに記憶されているMFP情報の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置におけるテナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第1の実施の形態の情報処理システムにおける既存テナント情報表示画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、ユーザ登録依頼画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第2の実施の形態の情報処理システムにおけるテナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、テナントの新規開設要求を行ったMFPに表示される既存テナント情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第3の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置におけるテナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、第3の実施の形態の情報処理システムにおける既存テナントの表示画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、第4の実施の形態の情報処理システムにおけるテナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、第4の実施の形態の情報処理システムにおける既存テナント情報の表示画面の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、第5の実施の形態の情報処理システムにおけるテナントの重複開設防止動作の流れ及びLAN内の機器の一括登録動作を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、第5の実施の形態の情報処理システムにおけるMFPの一括登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、実施の形態の情報処理システムの説明をする。
【0013】
(システム構成)
図1は、第1の実施の形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。この
図1に示すように、第1の実施の形態の情報処理システム1は、電子黒板2、液体吐出装置(インクジェットプリンタ装置)3、スマートフォン等の携帯端末装置4、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ装置5及び全天球撮影装置6を有している。また、第1の実施の形態の情報処理システム1は、ビデオ会議端末装置7、プロジェクタ装置8、複合機(MFP:Multifunction Peripheral)9及びサーバ装置10を有している。複合機9は、例えばコピー機能とスキャナ機能等のように、複数の画像形成機能を備えた機器である。電子黒板2~サーバ装置10は、無線ネットワーク、LAN(Local Area Network)、インターネット等の、所定の通信ネットワーク100を介して相互に接続されている。
【0014】
(電子黒板のハードウェア構成)
図2は、電子黒板2のハードウェア構成を示す図である。この
図2に示すように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F(Interface)205、及び、外部機器接続I/F206を備えている。
【0015】
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0016】
ネットワークI/F205は、通信ネットワーク100との間の通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイクロホン部240、スピーカ部250、カメラ部260)である。
【0017】
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU(Graphics Processing Unit)212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0018】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外部接続されるパーソナルコンピュータ装置PC(Personal Computer)270のディスプレイに対して、静止画像又は動画像を表示する。GPU212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。
【0019】
接触センサ214は、電子ペン290又はユーザの手H等で行われるディスプレイ280の接触操作を検出する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。座標の入力及び座標の検出を行う場合、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つの受発光装置の発光素子が、ディスプレイ280に対して平行に複数の赤外線を出射する。各受発光装置の受光素子は、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材により反射され、発光素子が発光した光の光路と同一の光路上を戻る光を受光する(赤外線遮断方式)。
【0020】
接触センサ214は、電子ペン290又はユーザの手H等の物体により遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線識別番号(赤外線ID)をセンサコントローラ215に供給する。センサコントローラ215は、供給された赤外線IDに基づいて、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチ又はペン尻のタッチの有無を判断する。
【0021】
近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えばディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。また、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図2に示すCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
【0022】
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式等、種々の検出方式を用いることができる。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分、又は、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断してもよい。
【0023】
(液体吐出装置のハードウェア構成)
図3は、液体吐出装置3(インクジェットプリンタ装置)のハードウェア構成を示す図である。この
図3に示すように、液体吐出装置3は、CPU301、ROM302、RAM303、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)304、外部機器接続I/F308、ネットワークI/F309、及びバスライン310を備えている。また、液体吐出装置3は、紙搬送部311、副走査ドライバ312、主走査ドライバ313、キャリッジ320、及び操作パネル330を備えている。更に、キャリッジ320は、液体吐出ヘッド321、及び液体吐出ヘッドドライバ322を備えている。
【0024】
CPU301は、液体吐出装置3全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。NVRAM304は、プログラム等の各種データを記憶し、液体吐出装置3の電源が遮断されている間も各種データを保持する。外部機器接続I/F306は、USBケーブル等により、パーソナルコンピュータ装置(PC)に接続され、PCとの間で、制御信号や印刷されるデータの通信を行う。ネットワークI/F309は、インターネット等の通信ネットワーク100を介してデータ通信を行うためのインタフェースである。バスライン310は、CPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
【0025】
紙搬送部311は、例えばローラ及びローラを駆動するモータであって、液体吐出装置3内の搬送経路に沿って副走査方向へ印刷用紙を搬送する。副走査ドライバ312は、紙搬送部333の副走査方向への移動を制御する。主走査ドライバ313は、キャリッジ320の主走査方向への移動を制御する。
【0026】
キャリッジ320の液体吐出ヘッド321は、インク等の液体を吐出するための複数のノズルを有しており、その吐出面(ノズル面)が、印刷用紙側を向くようにキャリッジ320に設けられている。液体吐出ヘッド321は、主走査方向に移動しながら、副走査方向に間欠的に搬送される印刷用紙に液体を吐出することで、印刷用紙の所定位置に液体を吐出して画像を形成する。液体吐出ヘッドドライバ322は、液体吐出ヘッド321の駆動を制御するためのドライバである。操作パネル332は、タッチパネル及びアラームランプ等を備えており、現在の設定値又は選択画面等を表示し、操作者からの入力を受け付ける。
【0027】
なお、液体吐出ヘッドドライバ322は、キャリッジ320外からバスラインに接続するように設けてもよい。また、主走査ドライバ313、副走査ドライバ312、及び液体吐出ヘッドドライバ322は、それぞれCPU301がプログラムを実行することで、ソフトウェアで実現する機能でもよい。
【0028】
(携帯端末装置のハードウェア構成)
図4は、例えばスマートフォン等の携帯端末装置4のハードウェア構成を示す図である。
図4に示すように、携帯端末装置4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部411を備えている。
【0029】
CPU401は、携帯端末装置4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401又はIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御に従って、携帯端末用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体からの撮像光に対応する画像データを形成する。なお、CMOSセンサ以外に、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の、他の撮像手段を用いてもよい。
【0030】
撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405をバスライン410に接続するためのインタフェースである。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパス、ジャイロコンパス又は加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、例えばフラッシュメモリ等の記録メディア408をバスライン410に接続するためのインタフェースである。記録メディア408には、このメディアI/F409を介してデータの書き込み及び読み出しが行われる。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0031】
また、携帯端末装置4は、遠距離通信回路412、遠距離通信回路412のアンテナ412a、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイクロホン部415、スピーカ部416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0032】
遠距離通信回路412は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と間で通信を行う。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを形成する。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413をバスライン410に接続するインタフェースである。マイクロホン部415は、集音した音声に対応する電気信号である音声信号を形成する。スピーカ部416は、音声信号に対応する音楽又は音声等の音響出力を発音する。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイクロホン部415及びスピーカ部416との間で音声信号の入出力を処理する。
【0033】
液晶表示部又は有機EL(Electro Luminescence)表示部等のディスプレイ418は、被写体の画像又は各種アイコン等を表示する。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路420は、NFC又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、ディスプレイ418上に設けられており、利用者の接触操作を検出する。
【0034】
また、携帯端末装置4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図4に示すCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
【0035】
(サーバ装置のハードウェア構成)
図5は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。なお、パーソナルコンピュータ装置5のハードウェア構成も、このサーバ装置10のハードウェア構成と同様である。このため、パーソナルコンピュータ装置5のハードウェア構成は、以下のサーバ装置10のハードウェア構成の説明を参照されたい。
【0036】
図5に示すように、サーバ装置10は、パーソナルコンピュータ装置と同様の構成を有しており、CPU501、ROM502及びRAM503を有している。また、サーバ装置10は、HDD(Hard Disk Drive)504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511及びメディアI/F516を備えている。
【0037】
CPU501は、サーバ装置10全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HDD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHDD504に対する各種データの書き込み及び読み出しを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
【0038】
外部機器接続I/F508は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ又はプリンタ装置等の各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスライン又はデータバスライン等である。
【0039】
また、キーボード511は、複数のキーを備えており、文字、数値、各種指示等の入力を行う。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択、実行、処理対象の選択、又は、カーソルの移動等の入力操作を行う。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの書き込み(記憶)又は読み出しを制御する。
【0040】
(全天球撮影装置のハードウェア構成)
次に、
図6は、全天球撮影装置6のハードウェア構成を示す図である。この
図6に示す全天球撮影装置6は、一例として、第1の撮像素子603a及び第2の撮像素子603bの2つの撮像素子を有している。なお、この例では、2つの撮像素子603a、603bが設けられていることとして説明を進めるが、3つ以上の撮像素子を設けてもよい。また、必ずしも全方位撮影専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラ装置又はスマートフォンのカメラ部等に、後付けの全方位の撮像ユニットを取り付けることで、実質的に全天球撮影装置6と同じ機能を有するようにしてもよい。
【0041】
図6に示すように、全天球撮影装置6は、撮像ユニット601、画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605、マイクロホン部608、音処理ユニット609、CPU611、ROM612、SRAM613及びDRAM614を有する。また、全天球撮影装置6は、操作部615、外部機器接続I/F616、通信回路617、アンテナ617a、電子コンパス及びジャイロセンサ等の加速度・方位センサ618を有している。
【0042】
撮像ユニット601は、それぞれ半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)602a,602bと、各広角レンズに対応して設けられた第1及び第2の撮像素子603a,603bを備えている。各撮像素子603a,603bは、広角レンズ602a,602bを介して取得した光学像を、電気信号の画像データに変換して出力するCMOSセンサ又はCCDイメージセンサ等の画像センサである。各撮像素子603a,603bは、水平同期信号、垂直同期信号及び画素クロック等を生成するタイミング生成回路を有している。また、各撮像素子603a,603bは、動作に必要な種々のコマンド又はパラメータ等が設定されるレジスタ群等を有している。
【0043】
撮像ユニット601の各撮像素子603a,603bは、画像処理ユニット604に対しては、パラレルI/Fバスで接続されている。これに対して、撮像ユニット601の各撮像素子603a,603bは、撮像制御ユニット605に対しては、シリアルI/Fバス(I2C(Inter Integrated Circuit)バス等)で接続されている。
【0044】
画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605及び音処理ユニット609は、バスライン610を介してCPU611と接続されている。バスライン610には、ROM612、SRAM613、DRAM614、操作部615、外部機器接続I/F616、通信回路617及び加速度・方位センサ618等も接続される。
【0045】
画像処理ユニット604は、各撮像素子603a,603bから出力される画像データを、パラレルI/Fバスラインを介して取得し、所定のデータ処理を施した後、合成処理して、正距円筒射影画像のデータを作成する。
【0046】
撮像制御ユニット605は、マスタデバイスとして動作し、スレーブデバイスである各撮像素子603a,603bのレジスタ群に対して、CPU611から取得したコマンド等を、I2Cバスラインを介して設定する。また、撮像制御ユニット605は、各撮像素子603a,603bのレジスタ群のステータスデータ等を、I2Cバスラインを介して取得し、CPU611に転送する。
【0047】
また、撮像制御ユニット605は、操作部615のシャッターボタンが操作されたタイミングで、各撮像素子603a,603bに画像データの出力を指示する。全天球撮影装置6は、例えばスマートフォンのディスプレイ等によるプレビュー表示機能、又は、動画表示に対応する機能を有していてもよい。この場合は、各撮像素子603a,603bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)で連続して行われる。
【0048】
また、撮像制御ユニット605は、CPU611と共に、各撮像素子603a,603bの画像データの出力タイミングの同期制御を行う。なお、全天球撮影装置6に対して表示部を設けてもよい。
【0049】
マイクロホン部608は、集音した音声を音声データに変換する。音処理ユニット609は、マイクロホン部608から出力される音声データを、I/Fバスラインを介して取得し、音声データに対して所定のデータ処理を施す。
【0050】
CPU611は、全天球撮影装置6の全体の動作を制御すると共に、必要な処理を実行する。ROM612は、CPU611のための種々のプログラムを記憶している。SRAM613及びDRAM614はワークメモリであり、CPU611で実行するプログラム及び処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM614は、画像処理ユニット604での処理途中の画像データ及び処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
【0051】
操作部615は、シャッターボタン615aなどの操作ボタンを備えている。ユーザは操作部615を操作することで、種々の撮影モード及び撮影条件等の入力を行う。外部機器接続I/F616は、例えばUSBメモリ又はパーソナルコンピュータ装置等の外部機器を接続するためのインタフェースである。DRAM614に記憶された正距円筒射影画像のデータは、この外部機器接続I/F616を介して接続されている記録機器により、メディアに記録される。また、DRAM614に記憶された正距円筒射影画像のデータは、必要に応じて通信回路617により、スマートフォン等の外部端末装置に送信される。
【0052】
通信回路617は、全天球撮影装置6に設けられたアンテナ617aを介して、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う。
【0053】
加速度・方位センサ618は、地球の磁気から全天球撮影装置6の方位を算出し、方位情報を出力する。この方位情報は、画像保存形式のExif(Exchangeable Image File Format)に規定される関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。
【0054】
また、加速度・方位センサ618は、全天球撮影装置6の移動に伴う角度の変化(Roll角、Pitch角、Yaw角)を検出する。角度の変化はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。更に、加速度・方位センサ618は、3軸方向の加速度を検出する。全天球撮影装置6は、加速度・方位センサ618が検出した加速度に基づいて、自装置(全天球撮影装置6)の姿勢(重力方向に対する角度)を算出する。全天球撮影装置6に、加速度・方位センサ618を設けることで、画像補正精度の向上を図ることができる。
【0055】
(ビデオ会議端末装置のハードウェア構成)
図7は、ビデオ会議端末装置7のハードウェア構成を示す図である。
この
図7に示すように、ビデオ会議端末装置7は、CPU701、ROM702、RAM703、フラッシュメモリ704、SSD(Solid State Drive)705、メディアI/F707、操作ボタン708、電源スイッチ709及びバスライン710を有している。また、ビデオ会議端末装置7は、ネットワークI/F711、カメラ部(例えば、CMOSイメージセンサ)712、撮像素子I/F、マイクロホン部714、スピーカ部715、音入出力I/F716、ディスプレイI/F717、外部機器接続I/F718、近距離通信回路719及び近距離通信回路719のアンテナ719aを備えている。
【0056】
CPU701は、ビデオ会議端末装置7全体の動作を制御する。ROM702は、IPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ704は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD705は、CPU701の制御にしたがってフラッシュメモリ704に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSD705に代えてHDDを用いてもよい。
【0057】
メディアI/F707は、フラッシュメモリ等の記録メディア706に対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。操作ボタン708は、ビデオ会議端末装置7の宛先を選択する場合等に操作されるボタンである。電源スイッチ709は、ビデオ会議端末装置7の電源のON/OFF操作を行うためのスイッチである。
【0058】
また、ネットワークI/F711は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサ等のカメラ部712は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを形成する。撮像素子I/F713は、カメラ部712をバスライン710に接続するためのインタフェースである。
【0059】
マイクロホン部714は、集音した音声を電気信号である音声信号に変換する。スピーカ部715は、電気信号である音声信号に対応する音声を出力する。音入出力I/F716は、CPU701の制御に従ってマイクロホン部714及びスピーカ部715との間で音声信号の入出力を処理する。ディスプレイI/F717は、CPU701の制御に従って外付けのディスプレイに画像データを送信する。外部機器接続I/F718は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路719は、NFC又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。また、バスライン710は、
図2に示されているCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
【0060】
ディスプレイ720は、例えば液晶表示部又は有機ELディスプレイ等によって構成され、被写体の画像又は操作用アイコン等を表示する。また、ディスプレイ720は、接続ケーブルを介してディスプレイI/F717に接続される。接続ケーブルは、アナログR(赤)G(緑)B(青)信号用のケーブル(VGA用のケーブル(VGA:Video Graphics Array))でもよい。また、コンポーネントビデオ用のケーブルでもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)又はDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルでもよい。
【0061】
なお、カメラ部712は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを形成する。カメラ部712としては、例えばCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサを用いることができる。外部機器接続I/F718には、USBケーブル等によって、外付けのカメラ装置、外付けのマイクロホン装置及び外付けにスピーカ装置等の外部機器がそれぞれ接続可能である。例えば、外付けのカメラ装置が接続された場合、CPU701の制御に従って、内蔵型のカメラ部712に優先して、外付けされたカメラ装置が駆動制御される。同様に、外付けのマイクロホン装置が接続された場合及び外付けのスピーカ装置が接続された場合も、CPU701の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイクロホン部714又は内蔵型のスピーカ部715に優先して、外付けのマイクロホン装置又は外付けのスピーカ装置が駆動制御される。
【0062】
記録メディア706は、ビデオ会議端末装置7に対して着脱自在となっている。記録メディア706としては、CPU701の制御に従って、データの書き込み及び読み出しが可能なフラッシュメモリ704又はEEPROM等の不揮発性メモリを用いることができる。
【0063】
(プロジェクタ装置のハードウェア構成)
図8は、プロジェクタ装置8のハードウェア構成を示す図である。この
図8に示すように、プロジェクタ装置8は、CPU801、ROM802、RAM803、メディアI/F807、操作部808、電源スイッチ809、バスライン810及びネットワークI/F811を有している。また、プロジェクタ装置8は、LED(Light Emitting Diode)駆動回路814、LED光源815、投写デバイス816、投写レンズ817、外部機器接続I/F818、ファン駆動回路819及び冷却ファン820を有している。
【0064】
CPU801は、プロジェクタ装置8全体の動作を制御する。ROM802は、CPU801の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。メディアI/F807は、フラッシュメモリ等の記録メディア806を、バスライン810に接続する。これにより、記録メディア806に対するデータの書き込み及び読み出しが可能となる。
【0065】
操作部808は、種々のキー、ボタン及びLED等が配設されており、ユーザによるプロジェクタ装置8の電源のON/OFF以外の各種操作に使用される。例えば、操作部808は、投写画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、キーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU801に出力する。電源スイッチ809は、プロジェクタ装置8の電源のON/OFFを操作するためのスイッチである。
【0066】
バスライン810は、CPU801等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスライン又はデータバスライン等である。ネットワークI/F811は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。LED駆動回路814は、CPU801の制御下で、LED光源815の点灯及び消灯を制御する。LED光源815は、LED駆動回路814の制御によって点灯されると、投写光を投写デバイス816に照射する。
【0067】
投写デバイス816は、外部機器接続I/F818等を介して与えられた画像データに基づいて、空間光変調方式によりLED光源815からの投写光を変調して得た変調光を、投写レンズ817を介して、スクリーンの投写面へ画像として投写する。投写デバイス816としては、例えば液晶パネル又はDMD(Digital Micromirror Device)等を用いることができる。LED駆動回路814、LED光源815、投写デバイス816及び投写レンズ817は、全体として、画像データに基づいて投写面に投写画像を投写する投写部として機能する。
【0068】
外部機器接続I/F818は、直接、PC(Personal Computer)が接続され、PCからの制御信号及び画像データを取得する。ファン駆動回路819は、CPU801及び冷却ファン820に接続されており、CPU801からの制御信号に基づいて、冷却ファン820の駆動/駆動停止を行う。冷却ファン820は、回転することで、プロジェクタ装置8内部の空気を排気して、プロジェクタ装置8内部を冷却する。
【0069】
また、CPU801は、電源電力が供給されると、ROM802に予め記憶されている制御プログラムに従って動作し、LED駆動回路814に制御信号を供給してLED光源815を点灯させる。また、CPU801は、ファン駆動回路819に制御信号を供給して冷却ファン820を所定の定格回転数で回転させる。また、プロジェクタ装置8は、電源回路21からの電源電力の供給が開始されると、投写デバイス816が画像表示可能状態になり、更に、他の種々の構成要素へ電源回路21から電力が供給される。
【0070】
また、プロジェクタ装置8は、電源スイッチ809がOFF操作されると、電源スイッチ809から電源OFF信号がCPU801に供給される。CPU801は、電源OFF信号を検知すると、LED駆動回路814へ制御信号を供給して、LED光源815を消灯させる。CPU801は、その後、所定時間が経過すると、冷却ファン820を停止させるようにファン駆動回路819を制御し、また、電源電力の供給を停止させるように、電源回路21を制御する。
【0071】
(MFPのハードウェア構成)
図9は、MFP9のハードウェア構成を示す図である。この
図9に示すように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0072】
コントローラ910は、CPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HDD909を有している。NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続されている。
【0073】
CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。NB903は、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0074】
MEM-P902は、メモリコントローラの各機能を実現させるプログラム又はデータの格納用メモリであるROM902a、プログラム又はデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリ等に用いられるRAM902bを有する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0075】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0076】
このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)及びMEM-C907を制御するメモリコントローラを有する。また、ASIC906は、ハードウェアロジック等により画像の回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC906には、USBインタフェース又はIEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続してもよい。
【0077】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDD909は、CPU901の制御にしたがってHDD909に対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることで。グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0078】
近距離通信回路920には、近距離通信回路920を有している。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932を有している。
【0079】
操作パネル940は、現在の設定値又は選択画面等を表示し、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940aを有している。また、操作パネル940は、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値の入力を行うためのテンキー及びコピー開始を指示するためのスタートキー等を備えた操作パネル940bを有している。
【0080】
コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば描画制御、通信制御、操作パネル940からの入力の処理等を行う。スキャナ部931又はプリンタ部932は、誤差拡散処理及びガンマ変換処理等の画像処理機能を有している。
【0081】
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて実行可能となっている。MFP9は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなる。また、MFP9は、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0082】
ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0083】
(テナントの重複開設防止動作)
次に、第1の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置10は、携帯端末装置4又はパーソナルコンピュータ装置5等のクライアント装置に対して、通信ネットワーク100を介して情報処理サービスを提供する。このサービスの提供を受ける場合、ユーザは、まず、テナントと呼ばれるサービスの利用環境をサーバ装置10に開設する。テナントはグループの一例である。
【0084】
換言すると、ユーザは、情報処理システムのサーバ装置10にテナントの新規開設を要求してユーザ登録を行う。サーバ装置10は、この要求に応じて、新たにテナントを開設すると共に、この開設したテナントとユーザとを関連付けてデータベースに登録する。そして、サーバ装置10は、開設したテナントに関連付けされているユーザに対してサービスの提供を行う。これが、テナントと呼ばれるサービスの利用環境の概要である。
【0085】
ここで、同じユーザに対して複数のテナントが開設可能となると、テナントにおけるユーザの管理、ライセンスの付与及び課金はテナント毎に行われるため、同じユーザでありながら、先に開設したテナントで利用可能なサービスが、後に開設したテナントでは利用困難となることがある。このような不都合を防止するために、第1の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置10は、以下に説明する「認証サービス部」が、新規にテナントを開設するユーザが所属するテナントが既に存在している場合に、テナント開設を中断する。これにより、同じユーザにより複数のテナントが開設される不都合を防止している。
【0086】
(認証サービス部の構成)
図10は、サーバ装置10が備える認証サービス部50の構成要素を示す図である。この
図10に示すように、認証サービス部50は、
図5に示すHDD504内に形成されるデータベース51を有している。また、認証サービス部50は、ROM502等の記憶部に記憶された認証サービスプログラム(情報処理プログラムの一例)をCPU501が実行することで、ソフトウェアで実現される共通サービス部52、及び、テナントの開設画面を提供するUI部53を有している。
【0087】
詳しくは後述するが、サーバ装置10から提供されたテナントの開設画面は、パーソナルコンピュータ装置5のWebブラウザ部66を介して、パーソナルコンピュータ装置5のディスプレイ(符号506)に表示される。
【0088】
また、データベース51(記憶部の一例)は、テナント情報(グループ情報の一例)が記憶されるテナント情報DB54、ユーザ情報が記憶されるユーザ情報DB55及びMFP情報が記憶されるMFP情報DB56を有する。
【0089】
共通サービス部52は、テナント情報DB54のテナント情報を管理するテナント管理部57、ユーザ情報DB55のユーザ情報を管理するユーザ管理部58、及び、MFP情報DB56のMFP情報を管理するMFP管理部59を有している。
【0090】
なお、MFP9は、認証サービス部50から提供されるテナント開設画面を、
図9に示した操作パネル940のパネル表示部940aに表示するUI部61を有している。また、MFP9は、サーバ装置10の認証サービス部50に対して自身を認証してもらうためのMFP認証部62を有している。また、MFP9は、HDD909内等の記憶部に形成されるデータベース63において、自身が所属するテナントのテナント識別情報(テナントID)を記憶するテナントIDDB64を有している。
【0091】
図11は、テナント開設画面の一例を示す図である。パーソナルコンピュータ装置5は、このようなテナント開設画面を、サーバ装置10の認証サービス部50のUI部53から取得し、Webブラウザ部66を介して表示する。また、MFP9の場合、UI部61が、HDD909等の記憶部に予め記憶しておいたテナント開設画面を表示する。
【0092】
テナントの開設を希望するユーザは、この
図11に示すテナント開設画面に対して、例えば「tanaka@abc.com」等の電子メールアドレスを入力すると共に、例えば「ABC株式会社」等の企業名(主体名の一例)を入力する。また、ユーザは、このテナント開設画面に基づいて、例えば管理者、一般ユーザ等のユーザ権限(ロール)、ユーザの姓及び名を入力する。
【0093】
MFP9のCPU901又はパーソナルコンピュータ装置5のCPUは、テナント開設画面に基づいて入力された電子メールアドレス、企業名、ユーザ権限(ロール)、ユーザの姓及び名をサーバ装置10に送信制御する。また、MFP9のCPU901又はパーソナルコンピュータ装置5のCPUは、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5に記憶されているシリアル番号(シリアルID)、例えば会議室AのMFP、10階東側MFP等のMFP9又はパーソナルコンピュータ装置5に予め付されている名前をサーバ装置10に送信制御する。
【0094】
サーバ装置10のテナント管理部57は、テナントIDを形成し、この形成したテナントIDを、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5から受信した企業名に関連付けてテナント情報DB54に記憶する。
図12は、テナント情報DB54に記憶されているテナント情報の一例を示す図である。この
図12の例は、「22222222」とのテナントIDに、「ABC株式会社」との企業名が関連付けされて記憶された例である。また、
図12の例は、「33333333」とのテナントIDに、「XYZ株式会社」との企業名が関連付けされて記憶された例である。
【0095】
また、サーバ装置10のユーザ管理部58は、ユーザIDを形成し、この形成したテナントIDを、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5から受信した電子メールアドレス、ユーザ権限(ロール)、ユーザの姓及び名、テナントIDに関連付けてユーザ情報DB55に記憶する。
【0096】
図13の例は、ABC株式会社の「22222222」とのテナントIDに、「yamada」とのユーザID,「yamada@abc.com」との電子メールアドレス、「管理者」とのユーザ権限、「山田」との姓及び「太郎」との名がそれぞれ関連付けされて記憶された例である。また、
図13の例は、同じABC株式会社の「22222222」とのテナントIDに、「suzuki」とのユーザID,「suzuki@abc.com」との電子メールアドレス、「一般ユーザ」とのユーザ権限、「鈴木」との姓及び「次郎」との名がそれぞれ関連付けされて記憶された例である。すなわち、ABC株式会社は、山田さんと鈴木さんの2名の社員を登録したことを意味している。
【0097】
また、サーバ装置10のMFP管理部59は、MFP9(又はパーソナルコンピュータ装置5)から受信したシリアルID及びMFP9に付されている名前を、テナントIDに関連付けてMFP情報DB56に記憶する。
図14の例は、「22222222」とのテナントIDに、「DEV-1234」とのMFP9のシリアルID、及び、「会議室AのMFP」との名前を関連付けされて記憶された例である。また、
図14の例は、「33333333」とのテナントIDに、「DEV-5678」とのMFP9のシリアルID、及び、「10F東側MFP」との名前を関連付けされて記憶された例である。
【0098】
(テナントの重複開設防止動作の流れ)
図15のフローチャートは、サーバ装置10のテナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。この
図15のフローチャートは、上述のテナント開設画面に基づいて、ユーザがテナントの登録操作を開始することでスタートとなり、ステップS1から順に処理が実行される。ステップS1では、テナント開設画面に対して入力された電子メールアドレスを、ユーザ管理部58が取得する。ステップS2では、ユーザ管理部58が、取得した電子メールアドレスのドメイン名を抽出する。具体的には、ユーザから入力された電子メールアドレスが、例えば「tanaka@abc.com」であったとすると、ユーザ管理部58は、アットマーク(@)以降の「abc.com」をドメイン名として抽出する。
【0099】
次に、ステップS3では、ユーザ管理部58が、ステップS2で抽出したドメイン名に基づいてユーザ情報DB55を参照する。そして、ユーザ管理部58は、ステップS4において、テナントを開設しようとしているユーザから入力された電子メールアドレスのドメイン名と同じドメイン名が、ユーザ情報DB55に存在するか否か(登録されているか否か)を判別する。
【0100】
同じドメイン名がユーザ情報DB55に存在しない場合(ステップS4:No)、テナントの重複登録のおそれは無いため、共通サービス部52は、ステップS5を介して、新規テナントの開設動作に移行する。
【0101】
これに対して、同じドメイン名がユーザ情報DB55に存在する場合(ステップS4:Yes)、現在、新規テナントの開設を希望しているユーザは、既にテナントを開設済みであり、テナントの重複登録となるため、共通サービス部52は、新規テナントの開設動作を停止(中止)する。そして、共通サービス部52は、ステップS6において、ユーザ情報DB55から検出された同じドメイン名のテナントの、例えば企業名等のテナント情報を、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5に送信する。これにより、MFP9のパネル表示部940a、又は、パーソナルコンピュータ装置5のモニタ装置に、自分が入力した電子メールアドレスに対応する企業情報が表示される。
【0102】
図16に、MFP9のパネル表示部940a等に表示される企業情報の表示例を示す。この
図16は、「22222222」とのテナントID、「ABC株式会社」との企業名、及び、「abc.com」とのドメイン名が表示された例である。
【0103】
ユーザは、このように表示される企業情報を見ることで、自分が入力した電子メールアドレスに対応するテナントは、開設済みであることを認識する。この場合、ユーザは、開設済みのテナントに対して、ユーザの追加登録依頼を行う。すなわち、ユーザが、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5を操作してユーザの追加登録依頼を行うと、サーバ装置10のUI部53は、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置5に対して、ユーザ登録依頼画面を送信する。
【0104】
図17は、ユーザ登録依頼画面の表示例を示す図である。この
図17からわかるように、サーバ装置10のUI部53は、ユーザにより入力された電子メールアドレスに対応する開設済みのテナントのテナントID(22222222)、企業名(ABC株式会社)、代表者の姓(山田)及び代表者の名(太郎)を表示すると共に、「OK」及び「Cancel」のボタンを、ユーザ登録依頼画面に含めて表示する。
【0105】
追加登録を希望するユーザにより、MFP9等を介して「OK」のボタン操作が行われると、サーバ装置10の共通サービス部52は、ABC株式会社の代表者の山田太郎に対して、追加登録を希望しているユーザのユーザ情報(新規テナントの開設依頼時に入力されたユーザ情報)を、代表者又は企業の担当者の電子メールアドレス宛てに送信し、ユーザ登録依頼を行う。ABC株式会社の代表者の山田太郎によりユーザ登録が許可されると、ユーザ管理部58は、既に開設されているABC株式会社のテナントのテナント情報に関連付けて、依頼されたユーザのユーザ情報を追加登録する。これにより、追加登録されたユーザは、開設済みのテナントのユーザとして、第1の実施の形態の情報処理システム側で管理され、サービスの提供を受けることができる。
【0106】
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態の情報処理システムは、新規テナントの開設の際にユーザから入力された電子メールアドレスから抽出したドメイン名に基づいて、開設済みのテナントのユーザのユーザ情報が記憶されているユーザ情報DB55を参照する。そして、新規テナントの開設の際にユーザから入力された電子メールアドレスから抽出したドメイン名が、ユーザ情報DB55に登録済みである場合に、そのユーザの新規テナントの開設を中止する(テナントを開設しない)。
【0107】
電子メールアドレスのドメイン名でユーザ情報DB55を検索することで、電子メールアドレス全体が一致していなくても、対応する開設済みのテナントを検出できる。このため、同じ企業の又はユーザのテナントが複数開設される不都合を防止することができる。
【0108】
(第1の実施の形態の変形例)
例えばABC株式会社のA事業部のBセンターの田中さんの電子メールアドレスが、例えば「tanaka@CenterB.DivisionA.abc.com」であったとする。この場合、ユーザ管理部58は、ステップS2におけるドメイン名の抽出処理において、「CenterB.DivisionA.abc.com(ABC株式会社のA事業部Bセンター)」、又は、「DivisionA.abc.com(ABC株式会社のA事業部)」、或いは、「abc.com(ABC株式会社)」のいずれかのドメインを抽出してもよい。
【0109】
すなわち、ユーザ管理部58は、電子メールアドレスのドメイン名の全部又は一部を抽出して、ユーザ情報DB55に登録されている各テナントの電子メールアドレスと照合してもよい。この場合も、上述と同様にテナントの重複登録を防止できる。
【0110】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の情報処理システムの説明をする。例えばLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続されている機器は、同じ企業が所有する機器である可能性が高い。このため、第2の実施の形態の情報処理システムは、テナント開設時に、LAN内の機器にテナント情報の問い合わせを行う。そして、LAN内の機器からテナント情報の返信が無い場合に、新規のテナントの開設を行うことで、同じ企業のテナントが重複して開設される不都合を防止している。
【0111】
図18は、第2の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置10における、テナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。この
図15のフローチャートは、MFP9のパネル表示部940aに表示された上述のテナント開設画面に基づいて、ユーザがテナントの登録操作を開始することでスタートとなり、ステップS11から順に処理が実行される。
【0112】
ステップS11では、ユーザからテナントの開設要求がされた際に、第1のMFP9のCPU901が、LANに接続されている第2のMFP9に対して、テナント情報の有無の問い合わせを行う。既にテナントが開設されている場合、
図12を用いて説明したテナント識別情報(テナントID)及び企業名等のテナント情報が、第2のMFP9のHDD909等の記憶部にそれぞれ記憶されている。このため、問い合わせされた第2のMFP9のCPU901は、記憶しているテナント情報(テナントID)を、第2のMFP9のシリアルIDと共に、返信情報としてLANを介して第1のMFP9に送信する。
【0113】
ステップS12では、第1のMFP9のCPU901が、第2のMFP9から返信された返信情報を受信する。ステップS13では、第1のMFP9のCPU901が、第2のMFP9から受信した返信情報に、テナント情報が含まれているか否かを判別する。
【0114】
テナント情報が含まれている場合(ステップS13:Yes)、第1のMFP9のCPU901は、このテナント情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、第1のMFP9からテナント情報を受信したということは、既にテナントが開設されている可能性が高いため、テナントの新規開設を中止する。
【0115】
また、第1のMFP9のCPU901は、第2のMFP9から受信した返信情報にテナント情報が含まれていた場合、ステップS15において、パネル表示部940aに、第2のMFP9から受信したテナント情報を、
図19に示すように既存テナント情報として表示する。
図19の例は、シリアルIDが「DEV-1234」の第2のMFP9に、「22222222」のテナントIDが記憶されていたことを示している。このような既存テナント情報を見たユーザは、テナントは開設済みであり、第1のMFP9が登録されていれば、この第1のMFP9を介して、希望するサービスを受け得る状態であることを認識する。
【0116】
これに対して、テナント情報が含まれていない場合(ステップS13:No)、問い合わせを行ったMFP9のCPU901は、テナント情報が含まれていない旨の情報を、サーバ装置10に送信する。これにより、サーバ装置10側において、新たなテナントが、第1のMFP9と関連付けされて開設される(ステップS14)。
【0117】
また、サーバ装置10は、新たに開設したテナントのテナント情報を、第1のMFP9に送信する。第1のMFP9のCPU901は、HDD909等の記憶部に、サーバ装置10で発行されたテナント情報を記憶する。また、第1のMFP9のCPU901は、サーバ装置10で発行されたテナント情報を、同じLANに接続されている他のMFP9等の機器に送信する。これにより、同じLANに接続されている各機器において、一つのテナント情報を共有することができ、一つの企業に複数のテナントが開設される不都合を防止できる等、上述と同様の効果を得ることができる。
【0118】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態の情報処理システムの説明をする。この第3の実施の形態の情報処理システムは、新規テナントの開設時に、ユーザから入力された企業名が、サーバ装置10のテナント情報DB54に記憶されていた場合は、テナントの開設を中止する例である。
【0119】
図20は、第3の実施の形態の情報処理システムのサーバ装置10における、テナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。この
図20のフローチャートは、MFP9のパネル表示部940aに表示された上述のテナント開設画面に基づいて、ユーザがテナントの登録操作を開始することでスタートとなり、ステップS21から順に処理が実行される。
【0120】
ステップS21では、MFP9又はパーソナルコンピュータ装置に表示されたテナント開設画面にユーザから入力された企業名を、CPU901がサーバ装置10に送信する。ステップS22では、サーバ装置10のテナント管理部57が、ユーザから入力された企業名に基づいて、テナント情報DB54を参照する。そして、テナント管理部57は、ステップS23において、ユーザから入力された企業名が、テナント情報DB54に登録済みであるか否かを判別する。
【0121】
ユーザから入力された企業名が、テナント情報DB54に登録済みである場合(ステップS23:Yes)、サーバ装置10の認証サービス部50は、新規テナントの開設を中止する。これにより、一つの企業に対して複数のテナントが開設される不都合を防止できる。
【0122】
また、サーバ装置10の認証サービス部50は、テナント情報DB54から検出されたテナント情報をユーザのMFP9等に送信する。これにより、ステップS25において、
図21に示すように、ユーザのMFP9等に、開設済みとなっているテナントのテナントID及び企業名が表示される。これを見たユーザは、テナントが開設済みであることを認識し、上述のユーザの追加登録を行う。
【0123】
これに対して、ユーザから入力された企業名が、テナント情報DB54に登録されていない場合(ステップS23:No)、サーバ装置10の認証サービス部50は、新規テナントを開設し、上述のようにテナントID、企業名及び電子メールアドレス等を関連付けでデータベース51に登録する(ステップS24)。
【0124】
このような第3の実施の形態の情報処理システムにおいても、データベース51に登録済みの企業と同じ企業のテナントの重複した開設を防止できる等、上述の各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0125】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態の情報処理システムの説明をする。この第4の実施の形態の情報処理システムは、第1の実施の形態で説明したドメイン名に基づく登録済みのテナントの有無、第2の実施の形態で説明した同じLAN内におけるテナント情報を記憶している機器の有無、及び、第3の実施の形態で説明した同じ企業名の登録の有無を、それぞれ行うことで、重複するテナントの登録を、複合的に防止する例である。
【0126】
図22は、第4の実施の形態の情報処理システムにおける、テナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。この
図22のフローチャートは、MFP9(又はパーソナルコンピュータ装置5)のパネル表示部940aに表示された上述のテナント開設画面に基づいて、ユーザがテナントの登録操作を開始することでスタートとなる。
【0127】
この
図22のフローチャートに示すステップS1~ステップS3は、上述の第1の実施の形態で説明したステップS1~ステップS3と同じ動作である。この場合、サーバ装置10のユーザ管理部58は、ユーザから入力された電子メールアドレスのドメイン名と同じドメイン名が、ユーザ情報DB55に登録されているか否かを判別する。
【0128】
また、
図22のフローチャートに示すステップS11及びステップS12は、上述の第2の実施の形態で説明したステップS11及びステップS12と同じ動作である。このステップS11及びステップS12は、MFP9を介してテナントの新規開設が指定された際に実行されるステップである。ステップS11及びステップS12では、MFP9のCPU901が、同じLANに接続されている他のMFP9等の機器に、既にテナントが開設されていることを示すテナント情報が記憶されているか否かの問い合わせを行う。
【0129】
また、
図22のフローチャートに示すステップS21及びステップS22は、サーバ装置10のテナント管理部57が、ユーザから入力された企業名と同じ企業名がテナント情報DB54に記憶されているか否かを判別する。
【0130】
登録済みのテナント情報が検出されなかった場合(ステップS32:No)、サーバ装置10は、ステップS33で、新規テナントの開設を行う。
【0131】
これに対して、登録済みのテナント情報が検出された場合、又は、他のMFP9から登録されているテナント情報を受信した場合、MFP9のパネル表示部940a等には、
図23に例示するように、開設済みのテナントのテナント情報が表示される(ステップS31)。そして、登録済みのテナントの有無を判別するステップS32において、登録済みのテナント有りと判別され(ステップS32:Yes)、サーバ装置10における新規テナントの開設動作が中止される。これにより、同じ企業で複数のテナントが開設される不都合を防止できる。
【0132】
また、この第4の実施の形態の情報処理システムの場合、登録済みのテナント情報の有無を複合的の判断し(第1~第3の実施の形態の説明を参照)、この複合的な判断結果に基づいて、新規テナントの開設動作を制御しているため、より強力に同じ企業で複数のテナントが開設される不都合を防止できる。
【0133】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態の情報処理システムの説明をする。この第5の実施の形態の情報処理システムの場合、第2の実施の形態で説明したように、MFP9が同じLAN内の他のMFP9等の機器に対してテナント情報の有無の問い合わせを行い、テナント情報が未登録である場合に、新規テナントを開設すると共に、同じLAN内の各機器を自動的に、新規に開設したテナントに関連付けて一括登録する例である。
【0134】
図24は、第5の実施の形態の情報処理システムにおける、テナントの重複開設防止動作の流れを示すフローチャートである。この
図24のフローチャートは、第1のMFP9がサーバ装置10に対して、新規のテナントの開設要求を行うことでスタートとなる。
【0135】
ステップS41では、第1のMFP9が同じLAN内の第2のMFP9等の他機器に対して、既にテナントが開設されている場合に記憶しているテナント情報の有無の問い合わせを行う。同じLAN内の第2のMFP9等の他機器は、ステップS42において、記憶しているテナント情報を、第2のMFP9のシリアルIDと共に、返信情報としてLANを介して第1のMFP9に送信する。
【0136】
ステップS43では、第1のMFP9のCPU901が、第2のMFP9等の他の機器から返信された返信情報に、テナント情報が含まれているか否かを判別する。テナント情報が含まれている場合(ステップS43:Yes)、第1のMFP9のCPU901は、このテナント情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、第1のMFP9からテナント情報を受信したということは、既にテナントが開設されている可能性が高いため、テナントの新規開設を中止する。
【0137】
また、第1のMFP9のCPU901は、第2のMFP9から受信した返信情報にテナント情報が含まれていた場合、ステップS46において、パネル表示部940aに、第2のMFP9から受信したテナント情報を、既存テナント情報として表示する(
図19参照)。このような既存テナント情報を見たユーザは、テナントは開設済みであり、第1のMFP9が登録されていれば、この第1のMFP9を介して、希望するサービスを受け得る状態であることを認識する。
【0138】
これに対して、テナント情報が含まれていない場合(ステップS43:No)、第1のMFP9のCPU901は、テナント情報が含まれていない旨の情報を、サーバ装置10に送信する。これにより、サーバ装置10側において、新たなテナントが、第1のMFP9と関連付けされて開設される(ステップS44)。
【0139】
また、第1のMFP9のCPU901は、同じLANに接続されている各機器から受信した返信情報に含まれる各機器のシリアルIDを、
図25に示すようにパネル表示部940aに表示すると共に、新規に開設するテナントに一括登録するか否かを問うメッセージ及びボタン(「OK」及び「Cancel」)を表示する。
図25の例は、同じLAN内に第1のMFP9の他に、シリアル番号が「DEV-1235」、「DEV-1236」及び「DEV-1237」のMFP9が接続されていたことを示している。
【0140】
第1のMFP9と共に、同じLANに接続されている各機器を新規のテナントに一括登録する場合、ユーザは、「OK」のボタンを操作する。第1のMFP9のCPU901は、「OK」のボタン操作を検出すると、自機である第1のMFP9のシリアルIDと共に、ステップS42で取得した各機器のシリアルIDをサーバ装置10に送信する。
【0141】
サーバ装置10の認証サービス部50は、新たに開設したテナントに、第1のMFP9のシリアルID及び同じLAN内の各機器のシリアルIDを関連付けてデータベース51に登録する。これにより、LAN内の一つの機器でテナントの新規開設を要求することで、同じLAN内の全ての機器を、新規開設されたテナントに関連付けて、一括して登録することができる。この他、上述と各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0142】
上述の実施の形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、又は、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又は従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0143】
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。また、実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
1 情報処理システム
2 電子黒板
3 液体吐出装置(インクジェットプリンタ装置)
4 携帯端末装置
5 パーソナルコンピュータ装置
6 天球撮影装置
7 ビデオ会議端末装置
8 プロジェクタ装置
9 複合機(MFP)
10 サーバ装置
50 認証サービス部
51 データベース
52 共通サービス部
53 UI部
54 テナント情報DB
55 ユーザ情報DB
56 MFP情報DB
57 テナント管理部
58 ユーザ管理部
59 MFP管理部
61 UI部
62 MFP認証部
63 データベース
64 テナントIDDB
66 Webブラウザ部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0145】