(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/04 20060101AFI20221206BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65H1/04 310B
G03G15/00 401
(21)【出願番号】P 2019006654
(22)【出願日】2019-01-18
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】藤田 明宏
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-154487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体への給送トレイの装着移動に伴い、該給送トレイに設けられるレバー部材の被ガイド部が該装置本体に設けられるレバーガイド部材のガイド面にガイドされて該レバー部材の変位部が変位することにより、該変位部に弾性部材を介して連結された底板部材を上昇させて、該底板部材上に積載されたシートを給送部材に当接させる給送装置であって、
前記レバー部材の前記被ガイド部の位置が、前記ガイド面にガイドされる第一位置と、前記ガイド面にガイドされない第二位置とに切り替わるように、前記レバー部材を移動させるレバー移動手段を有
し、
前記レバー移動手段は、前記装着移動に伴い、前記給送トレイに設けられる第二レバー部材の第二被ガイド部が前記装置本体に設けられる第二レバーガイド部材の第二ガイド面にガイドされて該第二レバー部材の第二変位部が変位することにより、前記被ガイド部の位置を前記第二位置から前記第一位置へ切り替えることを特徴とする給送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給送装置において、
前記第二位置では、前記底板部材が前記給送トレイの底面に接触することを特徴とする給送装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の給送装置において、
前記レバー移動手段は、前記装着移動中、前記レバー部材の前記被ガイド部が前記レバーガイド部材の前記ガイド面にガイドされる前に、該被ガイド部の位置が前記第二位置から前記第一位置へ切り替わるように、前記レバー部材を移動させることを特徴とする給送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の給送装置において、
前記レバー部材の前記被ガイド部が、前記装着移動に伴い、前記レバーガイド部材の前記ガイド面にガイドされて押し上げられることで、前記底板部材を上昇させる方向に前記レバー部材の前記変位部が変位するように構成され、
前記第一位置は、前記ガイド面のガイド開始端よりも高い位置であり、
前記第二位置は、前記ガイド面のガイド開始端よりも低い位置であることを特徴とする給送装置。
【請求項5】
請求項
1乃至4のいずれか1項に記載の給送装置において、
前記被ガイド部が前記第一位置に位置するときに、前記第二ガイド面上での前記第二被ガイド部の移動を規制する移動規制手段を有することを特徴とする給送装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へ向けて前記シートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、
前記給送手段として、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の給送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体への給送トレイの装着移動に伴い、該給送トレイに設けられるレバー部材の被ガイド部が該装置本体に設けられるレバーガイド部材のガイド面にガイドされて該レバー部材の変位部が変位することにより、該変位部に弾性部材を介して連結された底板部材を上昇させて、該底板部材上に積載されたシートを給送部材に当接させる給送装置ものが知られている。
【0003】
特許文献1には、レバー部材の揺動端(変位部)がバネを介して載置板(底板部材)と連結し、この揺動端が上方へ移動するようにレバー部材が揺動することで、バネ(弾性部材)を介して載置板が上方へ引き上げられる給送装置が記載されている。この給送装置において、給送トレイを装置本体から引き出した状態では、載置板が給送トレイの底面に接触した状態となる位置にレバー部材が揺動した状態で保持される。この給送装置では、装置本体に対する給送トレイの挿入動作(装着動作)に伴い、給送トレイのレバー部材が装置本体の上昇ガイド(レバーガイド部材)にガイドされて揺動し、これによりレバー部材の揺動端が上方へ移動する。これにより、レバー部材の揺動端にバネを介して連結している載置板も上方へ移動し、挿入動作が完了すると、載置板上に積載されているシートの最上位面が装置本体に設けられた給送コロ(給送部材)に当接する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の給送装置では、シートの積載可能枚数が多い給送トレイを適用すると、給送トレイを装置本体から取り出して底板部材上にシートを適切にセットすることが困難となる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、装置本体への給送トレイの装着移動に伴い、該給送トレイに設けられるレバー部材の被ガイド部が該装置本体に設けられるレバーガイド部材のガイド面にガイドされて該レバー部材の変位部が変位することにより、該変位部に弾性部材を介して連結された底板部材を上昇させて、該底板部材上に積載されたシートを給送部材に当接させる給送装置であって、前記レバー部材の前記被ガイド部の位置が、前記ガイド面にガイドされる第一位置と、前記ガイド面にガイドされない第二位置とに切り替わるように、前記レバー部材を移動させるレバー移動手段を有し、前記レバー移動手段は、前記装着移動に伴い、前記給送トレイに設けられる第二レバー部材の第二被ガイド部が前記装置本体に設けられる第二レバーガイド部材の第二ガイド面にガイドされて該第二レバー部材の第二変位部が変位することにより、前記被ガイド部の位置を前記第二位置から前記第一位置へ切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シートの積載可能枚数が多い給送トレイであっても、給送トレイを装置本体から取り出して底板部材上にシートを適切にセットすることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るプリンタの給送トレイを装置本体から取り出してテーブルの上面に置いた状態を示す概略断面図。
【
図6】プリンタ本体から給送トレイを引き出す操作の説明図。
【
図7】プリンタ本体から取り出した給送トレイの斜視図。
【
図8】プリンタ本体から取り出した給送トレイに対してシートを載置する操作の説明図。
【
図9】プリンタ本体へ給送トレイを装着する操作の説明図。
【
図10】従来の積載可能枚数が少数枚のプリンタの一例における給送トレイの装着動作の説明図。
【
図11】従来の積載可能枚数が多数枚のプリンタの一例における給送トレイの装着動作の説明図。
【
図12】
図11(b)に示す隙間「β」ができている状態を示す給送トレイの拡大斜視図。
【
図13】
図11に示すプリンタで生じていた不具合の改善案を検討したプリンタにおける給送トレイの装着動作の説明図。
【
図14】給送トレイでのシートのセット枚数のみが異なる二つのプリンタの一例を示す斜視図。
【
図15】給送トレイにシートを載置する際に求められる構成の説明図。
【
図16】給送トレイをプリンタの装置本体に挿入する際に求められる構成の説明図。
【
図17】給送トレイをプリンタの装置本体に完全に装着した際に求められる構成の説明図。
【
図18】プリンタの装置本体に給送トレイを挿入し始めた状態を示す説明図。
【
図19】
図18の状態から更にプリンタの装置本体へ給送トレイを挿入した状態を示す説明図。
【
図20】プリンタの装置本体に給送トレイの装着が完了した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、電子写真方式で画像を形成する電子写真プリンタについて図面を参照して説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に省略する。
【0009】
以下の説明で「画像形成装置」とは、紙、OHPシート、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に現像剤やインクを付着させて画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。
【0010】
本実施形態の「シート」とは、紙、コート紙、OHPシート、ラベル紙、フィルム、布帛等を含む。また、そして、「シート」には、現像剤やインクを付着させることができる媒体である被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものも含む。さらに「シート」には、可撓性のものに限らず硬い板状のものや比較的厚みのあるものも含まれる。
【0011】
以下の実施形態では、各構成部品の説明にある寸法、材質、形状、その相対配置などは例示であって、特に特定的な記載がない限りこの発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
【0012】
まず、実施形態に係る電子写真プリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、実施形態に係る電子写真プリンタ(以下、単にプリンタ100という。)の外観斜視図であり、
図3は、プリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、カラーレーザープリンタである。
【0013】
プリンタ100は、シートPに画像を形成する画像形成手段である画像形成部400と、画像形成部400に向けてシートPを給送する給送手段である給送装置300とを備える。画像形成部400は、四つのプロセスユニット1(K,Y,M,C)を備えており、これらのプロセスユニット1は、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤によって画像を形成する。
【0014】
それぞれのプロセスユニット1(K,Y,M,C)は、互いに異なる色の未使用トナーを収容したトナーボトル6(K,Y,M,C)を有する以外は、同様の構成となっている。このため、一つのプロセスユニット1であるブラック用プロセスユニット1Kの構成を以下に説明し、他のプロセスユニット1(Y,M,C)は、その構成の説明を省略する。
【0015】
ブラック用プロセスユニット1Kは、ブラック用像担持体2K(例えば感光体ドラム)、ブラック用クリーニング装置3K、ブラック用除電装置、ブラック用帯電装置4K及びブラック用現像装置5K等を有している。そして、ブラック用プロセスユニット1Kは、プリンタ100の本体に対して着脱自在に装着され、消耗部品を同時に交換可能となっている。
【0016】
プリンタ100の四つプロセスユニット1(K,Y,M,C)の上方には、露光器7が配設されている。そして、露光器7は、画像データに基づいてレーザーダイオードからレーザー光を発光するように構成されている。
【0017】
プリンタ100の四つプロセスユニット1(K,Y,M,C)の下方には、転写装置15が配設されている。転写装置15は、一次転写ローラ19(K,Y,M,C)及び中間転写ベルト16等を備える。四つの一次転写ローラ19(K,Y,M,C)は、中間転写ベルと16を挟んで四つの像担持体2(K,Y,M,C)のそれぞれに対向するように、中間転写ベルト16の内周面に当接して配置されている。
中間転写ベルト16は、四つの一次転写ローラ19(K,Y,M,C)、駆動ローラ18及び従動ローラ17に掛け渡された状態で循環走行するようになっている。
【0018】
二次転写ローラ20は、中間転写ベルト16を挟んで駆動ローラ18に対向するように、中間転写ベルト16の外周面に当接して配置されている。像担持体2(K,Y,M,C)が各色の第一の像担持体とすれば、中間転写ベルト16は、各色の第一の像担持体に担持された像が表面上に重ねて転写され合成される第二の像担持体である。
【0019】
ベルトクリーニング装置21は、中間転写ベルト16の走行方向において、二次転写ローラ20より下流側に設置されている。また、クリーニングバックアップローラ21aが中間転写ベルト16に対してベルトクリーニング装置21と反対側に設置されている。
【0020】
プリンタ100の下部には給送トレイ30と給送ローラ47とを備える給送装置300が設置され、給送トレイ30はシートPを多数枚束状で収容可能となっている。そして、給送トレイ30は、シートPの補給等のために、このプリンタ100の本体に着脱可能となっている。給送ローラ47は、プリンタ100に設置された状態の給送トレイ30の上方に位置するように配置され、シートPを給送トレイ30から給送路31に向けて給送するようになっている。
【0021】
タイミングローラ対14は、二次転写ローラ20の直近上流側に配置され、給送トレイ30から給送されたシートPを、二つのローラによって形成されるレジストニップに突き当て、一旦停止させることができる。この一旦停止によりシートPの先端側に弛みが形成される。
【0022】
弛みが形成されたシートPは、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせ、二次転写ローラ20と駆動ローラ18とが中間転写ベルト16を介して当接する二次転写ニップに送り出される。送り出されたシートPは、二次転写ニップで中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が所望の転写位置に高精度に転写されるようになっている。
【0023】
二次転写ニップの上方には転写後搬送路33が設けられており、この転写後搬送路33の上端近傍に定着装置34が設置されている。
【0024】
定着装置34は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、この定着ローラ34aに対して所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとを備えている。定着装置34の上方には、定着後搬送路35が設けられ、定着後搬送路35の上端で、排出路36と反転搬送路41とに分岐している。
【0025】
この分岐部に切替部材42が配置され、切替部材42はその揺動軸42aを軸として揺動駆動するようになっている。また排出路36の開口端近傍には排出ローラ対37が配設されている。
【0026】
反転搬送路41は、分岐部とは反対側の端部で給送路31に合流している。そして、反転搬送路41の途中には、反転搬送ローラ対43が配設されている。プリンタ100の上部には、プリンタ100の内側方向に凹形状を形成して排出トレイ44が設けられている。
【0027】
転写装置15と給送トレイ30との間には粉体収容器10(例えばトナー収容器)が配置されている。この粉体収容器10は、プリンタ100の本体に対して着脱自在に装着されている。
【0028】
本実施形態のプリンタ100は、シートPの搬送の関係により給送ローラ47から二次転写ローラ20までの所定の距離が必要である。そして、この距離を確保するために上下方向に生じたデッドスペースに粉体収容器10を設置し、プリンタ100全体の小型化を図っている。
【0029】
転写カバー8は、給送トレイ30の上方で、給送トレイ30の引出方向正面側(
図3中の右側)に設置されている。そして、この転写カバー8を開くことで、プリンタ100の内部を点検可能にしている。転写カバー8には、手差し給送用の手差し給送ローラと、手差し給送用の手差し給送トレイとが設置されている。
【0030】
次に、本実施形態に係るプリンタ100の基本的動作について
図3を参照して以下に説明する。最初に、片面印刷を行う場合について説明する。給送ローラ47は、プリンタ100の制御部からの給送信号によって
図3中の反時計回り方向に回転する。そして、給送ローラ47は、給送トレイ30に積載された束状のシートPの最上位のシートPのみを分離し、給送路31へ送り出す。
【0031】
給送ローラ47によって送り出されたシートPは、その先端がタイミングローラ対14のレジストニップに到達すると、弛みを形成し、その状態で待機する。そして、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像をこのシートPに転写する最適なタイミング(同期)を図るとともに、シートPの先端スキューを補正する。
【0032】
手差しによる給送の場合は、手差し給送トレイに積載された束状のシートPが、最上位のシートPから一枚ずつ手差し給送ローラによって反転搬送路41の一部を通り、タイミングローラ対14のレジストニップまで搬送される。以後の動作は給送トレイ30からの給送と同一である。
【0033】
ここで、作像動作については、四つのプロセスユニット1のうちの一つであるブラック用プロセスユニット1Kを説明し、他のプロセスユニット1(Y,M,C)については、その説明を省略する。
まず、ブラック用帯電装置4Kによって、ブラック用像担持体2Kの表面を高電位に均一に帯電する。
【0034】
次に、露光器7によって、画像データに基づいたレーザービームLをブラック用像担持体2Kの表面に照射する。レーザービームLが照射されたブラック用像担持体2Kの表面は、照射された部分の電位が低下して、静電潜像を形成する。
【0035】
次に、ブラック用現像装置5Kによって、ブラック用トナーボトル6Kから供給された未使用のブラックトナーを、静電潜像が形成されたブラック用像担持体2Kの表面部分に転移させる。そして、トナーが転移したブラック用像担持体2Kは、その表面にブラックトナー像を形成(現像)する。そして、ブラック用像担持体2K上に形成されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
【0036】
ブラック用クリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後のブラック用像担持体2Kの表面に付着している残留トナーを除去する。除去された残留トナーは、廃トナー搬送手段によって、ブラック用プロセスユニット1K内にある廃トナー収容部へ送られ回収される。また、ブラック用除電装置は、ブラック用クリーニング装置3Kによって残留トナーが除去されたブラック用像担持体2Kの残留電荷を除電する。
【0037】
他の各色のプロセスユニット1(Y,M,C)においても、同様にして像担持体2(Y,M,C)上にトナー像を形成し、各色トナー像が重なり合うように中間転写ベルト16に転写する。
【0038】
各色トナー像が重なり合うように転写された中間転写ベルト16は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18との間の二次転写ニップまで走行した際に、中間転写ベルト16上のトナー像をタイミングローラ対14によって送り出されたシートPに転写する。
【0039】
シートPは、中間転写ベルト16上に重畳転写して形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせ、二次転写ニップに送り出される。送り出されたシートPは、二次転写ニップで中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が所望の転写位置に高精度に転写される。
【0040】
トナー像が転写されたシートPは、転写後搬送路33を通って定着装置34へと搬送される。定着装置34に搬送されたシートPは、定着ローラ34aと加圧ローラ34bとによって挟まれ、加熱・加圧されることで未定着トナー像が定着される。トナー像が定着されたシートPは、定着装置34から定着後搬送路35へ送り出される。
【0041】
切替部材42は、定着装置34からシートPが送り出されたタイミングでは、
図3の実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放する位置にある。そして、定着装置34から送り出されたシートPは、定着後搬送路35を経由して排出路36へ送り出される。排出ローラ対37は、排出路36へ送り出されたシートPを挟み込み、回転駆動することで排出トレイ44にシートPを排出する。これらの動作により片面印刷を終了する。
【0042】
次に、両面印刷を行う場合について説明する。片面印刷の場合と同様に、定着装置34はシートPを排出路36へ送り出す。両面印刷を行う場合には、排出ローラ対37は、回転駆動によってシートPの一部をプリンタ100の外に搬送する。
【0043】
そして、シートPの後端が、排出路36を通過すると、切替部材42は、揺動軸42aを中心に
図3の破線で示す位置まで揺動し、定着後搬送路35の上端を閉鎖する。この定着後搬送路35の上端の閉鎖とほぼ同時に、排出ローラ対37は、シートPをプリンタ100外へ搬送する方向とは逆の方向に回転し、反転搬送路41へ送り出す。
【0044】
反転搬送路41へ送り出されたシートPは、反転搬送ローラ対43を経て、再びタイミングローラ対14に至る。そして、タイミングローラ対14は、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像をシートPのトナー像未転写面に転写する最適なタイミング(同期)を図り、シートPを二次転写ニップへ送り出す。
【0045】
そして、シートPが二次転写ニップを通過する際にシートPのトナー像未転写面にトナー像を転写する。そして、トナー像が転写されたシートPは、片面印刷の場合と同様に、転写後搬送路33を通って定着装置34へと搬送される。
【0046】
定着装置34は、定着ローラ34aと加圧ローラ34bとによって、シートPを挟み、加熱・加圧することで未定着トナー像をシートPに定着する。そして、トナー像が定着されたシートPは、定着装置34から定着後搬送路35へ送り出される。
【0047】
切替部材42は、定着装置34からシートPが送り出されたタイミングでは、
図3の実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放する位置にある。そして、定着装置34から送り出されたシートPは、定着後搬送路35を経由して排出路36へ送り出される。排出ローラ対37は、排出路36へ送り出されたシートPを挟み、回転駆動し排出トレイ44にシートPを排出する。これらの動作により両面印刷を終了する。
【0048】
中間転写ベルト16上のトナー像をシートPに転写した後、中間転写ベルト16上には残留トナーが付着している。そして、ベルトクリーニング装置21は、この残留トナーを中間転写ベルト16から除去する。中間転写ベルト16から除去されたトナーは、廃トナー搬送手段によって、粉体収容器10へと搬送され、粉体収容器10内に回収される。
【0049】
次に、分離パッド方式の給送装置300について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は給送装置300の断面図である。
図5は、給送装置300の斜視図である。
図4は、給送トレイ30のフロントパネル104を取り外した状態を示している。
【0050】
図4及び
図5に示す給送ローラ47は、プリンタ100本体側に配設されている。また、底板46及び受け台49は給送トレイ30に配設されている。
給送トレイ30は、トレイ前部101とトレイ後部102とを備える。トレイ後部102はトレイ前部101に対して給送方向(
図5中の矢印「α」方向)に平行な方向に移動可能となっており、トレイ前部101に対してトレイ後部102をスライドさせることで給送トレイ30の給送方向の大きさを変更可能な構成となっている。給送トレイ30には、シートPの給送方向後端の位置を規制するエンドフェンス107が配置されている。トレイ後部102には給送方向に平行な方向に延在するレール溝部110を備え、エンドフェンス107の下部がレール溝部110と係合し、エンドフェンス107がレール溝部110に沿って給送方向に平行な方向にスライド可能となっている。
【0051】
給送トレイ30の給送方向の大きさを変更可能とすることで、給送方向のサイズが大小様々なサイズのシートPについて、エンドフェンス107で給送方向後端の位置を規制しつつ、給送トレイ30内に収納することが可能となる。
【0052】
給送トレイ30のトレイ前部101には、幅方向位置規制部材である右サイドフェンス105と左サイドフェンス106とが配置されており、これらのサイドフェンス(105,106)は給送方向に直交する方向にスライド可能となっている。給送トレイ30では、右サイドフェンス105及び左サイドフェンス106で収納するシートPの幅方向の位置を規制し、エンドフェンス107でシートPの後端の位置を規制することで、給送トレイ30内でのシートPの位置を規制する。
【0053】
図5に示すように、トレイ前部101には、レバー部材としての右側レバー130及び左側レバー131が回動(揺動)可能に取り付けられている。右側レバー130及び左側レバー131の変位部である回動端(揺動端)には、それぞれ底板加圧バネ132の上端が取り付けられており、二つの底板加圧バネ132の下端はそれぞれ底板46の給送方向の先端近傍の幅方向端部に引っ掛けられている。
【0054】
給送ローラ47は、給送ローラ軸50とDカットもしくはピンなどで回転止めされ、軸受を介してプリンタ100本体に支持されている。給送ローラ軸50は、
図4の紙面に対して垂直な方向(以下、幅方向という。)に延在している。この給送ローラ軸50の軸端に、駆動ギヤが取り付けられている。この駆動ギヤは、複数のアイドルギヤまたはクラッチやソレノイドなどの駆動連結部材を介して、モータ等の駆動源に連結されている。そして、当該駆動源から給送ローラ軸50に駆動力が伝達されることで、給送ローラ47が
図2及び
図4中の反時計回り方向に回転駆動する。上述した駆動連結部材の連結時間及び駆動源の停止時間を制御することにより、給送ローラ47が所定のタイミングで間欠動作するように構成されている。
【0055】
給送ローラ47は、シートPに所定の搬送力を付与することができるように、その表層部分が高摩擦係数のゴムで構成されている。そして、駆動連結部材の連結時間及び駆動源の停止時間を制御することにより、シートPを給送する。給送ローラ47の寸法は、例えば直径を36[mm]、幅を45[mm]で構成することができる。当該寸法は、給送装置300の対応すべきシートPの種類や機器内のスペースに応じて、適正な給送ローラ寸法を選択することができる。
【0056】
給送トレイ30の底板46は、給送トレイ30内に設けられた底板回動軸51によって、回動可能に軸支されている。この底板46は、右側レバー130及び左側レバー131のそれぞれに上端が固定された二つの底板加圧バネ132によって、給送トレイ30をプリンタ100に装着している状態では常時上方に付勢される。
【0057】
給送トレイ30にシートPの束を収納し、この給送トレイ30をプリンタ100本体に挿入すると、底板加圧バネ132の弾性力(付勢力)によって上方へ付勢されている底板46上の最上のシートPが給送ローラ47と当接する。シートPは、底板加圧バネ132の付勢力と給送ローラ47の摩擦係数とによる給送ローラ47との間の摩擦力により、給送ローラ47が回転すると搬送力を付与され、
図4中の右方向へ搬送される。
【0058】
受け台49には高摩擦係数のパッド材であるパッド部が設けられており、最上のシートP以外のシートPの給送方向への移動をパッド部によって阻害することで、最上のシートPと他のシートPとを分離し、最上のシートPのみを給送する分離部を構成する。給送ローラ47の回転によりシートPが搬送されると、この分離部で最上のシートPが他のシートPから分離され、最上のシートPのみが給送ローラ47によって分離部よりも下流側に搬送され、分離搬送される。
【0059】
図4に示すように、底板46の給送方向の先端部には高摩擦係数のパッド材である底板パッド52が設置されている。この底板パッド52により最下のシートPに一定の負荷を与える構成となっている。これにより、シートPの束が積載されたときに、最下のシートPと最下から二枚目のシートPとが重送されることを防ぐことが可能となる。
【0060】
シートPを給送トレイ30にセットするときには、給送トレイ30をプリンタ100本体から引き出し、底板46の上面にシートPを載置してセットする。
【0061】
図6は、プリンタ100本体から給送トレイ30を引き出す操作の説明図である。
図7は、プリンタ100本体から取り出した給送トレイ30の斜視図である。
給送トレイ30のフロントパネル104の把持部104aを握って
図6中の矢印「A」で示すように引き出すことで、プリンタ100本体から給送トレイ30を取り出すことができる。
【0062】
図8は、プリンタ100本体から取り出した給送トレイ30に対してシートPを載置する操作の説明図である。
プリンタ100本体から取り出した給送トレイ30のサイドフェンス(105、106)及びエンドフェンス107を所定の位置にセットした後、シートPを
図8中の矢印「B」で示すように載置する。
【0063】
図9は、プリンタ100本体へ給送トレイ30を装着する操作の説明図である。
図9(a)は、給送トレイ30を取り外した状態のプリンタ100の前面側の斜視図であり、
図9(b)は、給送トレイ30を挿入途中のプリンタ100の前面側の斜視図である。
図9(a)に示すように、プリンタ100本体の前面となる転写カバー8の下方には、給送トレイ30を挿入するトレイ挿入口330がある。そして、
図9(b)中の矢印「E」で示すように、プリンタ100本体のトレイ挿入口330にシートPを載置した給送トレイ30を挿入し、押し込むことで装着完了となる。
【0064】
シートPを載置した給送トレイ30をプリンタ100本体に挿入すると、プリンタ100本体に設けられたレバーガイド部材によって右側レバー130及び左側レバー131の揺動端が上方に持ち上げられて保持される。この動作によって右側レバー130及び左側レバー131にそれぞれ取り付けられた二つの底板加圧バネ132の上端が上方に引き上げられ、これに伴って、底板46の給送方向の先端側が上方へ引き上げられる。そして、底板加圧バネ132が伸び、伸びた底板加圧バネ132の復元力が付勢力となって、底板46の上に載置されたシートPの上面がプリンタ100本体側に装着された給送ローラ47に圧接する。
【0065】
次に、給送トレイを装置本体に装着することで底板が上昇する従来の構成について説明する。
画像形成装置に用いられる給送装置の給送トレイは、シートを補給するために給送トレイを取り出した状態(引き出した状態)でシートを補給セットする。このような給送トレイには、シートを積載する際に給送トレイの底面近くの低い位置に底板を位置させ、装置本体に装着後には底板を上昇させて積載するシートを給送ローラに押し付ける構成が採用されたものがある。
【0066】
例えば、バネによって上方へ付勢されている底板を給送トレイの底面にロックした状態でシートを積載した後、装置本体に対する装着動作に連動してロックが解除されることで底板が上昇するロック方式や、装置本体に対して給送トレイを装着した後にモータで底板を上昇させる方式などが知られている。ただし、ロック方式の給送トレイでは、底板のロックを解除する際に大きな衝撃が発生し、シートのセット性を乱したり衝撃音が発生したりする。また、モータで底板を上昇させる方式では、モータやモータの回転を制御する部品等が必要であり、高コストとなる。
【0067】
本実施形態の給送トレイ30は、給送トレイ30をプリンタ100本体に挿入する挿入動作(装着動作)に伴って、レバー部材(130,131)がプリンタ100本体側のレバーガイド部材によって上方へ持ち上げられ、底板が上昇する。このような構成によれば、ロック方式のようなロック解除時の衝撃による不具合を防止でき、また、モータで上昇させる方式よりも低コスト化を図ることができる。
【0068】
ところが、装置本体側のレバーガイド部材によって給送トレイのレバー部材を上方に持ち上げる従来の構成では、次のような不具合があった。
すなわち、給送トレイの積載可能枚数が少数枚(例えば、250枚)であれば、装置本体から給送トレイを引き抜いた状態で底板を給送トレイの底面に接触することが可能であったが、積載可能枚数が多数枚(例えば、500枚)の給送トレイでは、装置本体から給送トレイを引き抜いた状態で底板を給送トレイの底面に接触することができないという不具合である。底板を給送トレイの底面に接触させることができないと、底板はバネを介してレバー部材にぶら下がってブラブラした状態となり、位置が不安定になる。シートを載せる底板の位置が不安定だと、シートをセットする際の操作性が悪くなり、操作性の悪化によりシートが正常にセットされなかった場合、スキュー等の搬送不良が生じ、異常画像が発生するおそれがある。
【0069】
図10は、従来の積載可能枚数が少数枚のプリンタ100の一例における給送トレイ30の装着動作の説明図である。
図10(a)は装着途中の説明図であり、
図10(b)は装着完了時の説明図である。
【0070】
図中の符号「200」は、給送トレイ30の筐体(以下、「トレイ筐体200」という。)を示しており、本実施形態では、トレイ前部101とトレイ後部102とを合わせたものである。また、図中の符号「133」は、プリンタ100本体に設けられたレバーガイド部材であって、給送トレイ30の挿入時に右側レバー130を上方にガイドする部材(以下、「右側レバーガイド部材133」という。)である。さらに、図中の符号「201」は、右側レバー揺動軸130aを中心に揺動可能な右側レバー130が、右側レバーガイド部材133に乗り上げることが可能な高さよりも下がることを防止するストッパ部(以下、「右ストッパ部201」)である。また、図中の符号「150」はプリンタ100の装置本体を机の上面等の設置面Sに設置するゴム状の足(以下、「ゴム足150」という。)である。
【0071】
図10に示すプリンタ100では、
図10(a)に示すように、装着前の給送トレイ30の底板46を、トレイ筐体200の底面56に密着させた状態で配置すること(レイアウト)が可能である。
図10(a)中の矢印「E」で示すように、装置本体に対して給送トレイ30を挿入することで、右側レバー130が右側レバーガイド部材133に乗り上げて上方に持ち上げられ、保持される。このとき、底板46は、右側レバー130とともに持ち上げられる底板加圧バネ132の付勢力によって引き上げられ、給送ローラ47に所定の荷重で圧接される。
【0072】
図11は、従来の積載可能枚数が多数枚のプリンタ100の一例における給送トレイ30の装着動作の説明図である。
図11に示すプリンタ100は、
図10に示すプリンタ100と装置本体の構成は同一であって、給送トレイ30の積載枚数が多数枚となっている。
図11(a)は装着途中の説明図であり、
図11(b)は装着完了時の説明図である。
【0073】
図11に示すプリンタ100では、
図11(a)に示すように、トレイ筐体200の高さ方向のサイズが大きくなっても、挿入時に右側レバー130が右側レバーガイド部材133に乗り上げることができる高さに位置する必要がある。また、
図11(b)に示す装着時に、底板加圧バネ132の付勢力によって底板46を給送ローラ47に所定の荷重で圧接するには、底板加圧バネ132の自然長を
図10に示すプリンタ100よりも長くすることができない。このため、積載可能枚数が多数枚の
図11に示すプリンタ100で給送トレイ30を装置本体に装着していない状態では、底板46と底面56との間に
図11(a)中の「β」で示す隙間ができるレイアウトとなる。
図12は、
図11(b)に示す隙間「β」ができている状態の給送トレイ30の左前側端部近傍の拡大斜視図である。
【0074】
このように、底板46と底面56とに隙間βが存在するようなレイアウトでは、シートPを積載する際に、底板46をトレイ筐体200の底面56に密着した状態(最下位位置)にすることができず、シートPの積載操作の操作性が悪くなる。
【0075】
図13は、
図11に示すプリンタ100と同様に積載可能枚数が多数枚のプリンタ100であって、
図11に示すプリンタ100で生じていた不具合の改善案を検討したプリンタ100における給送トレイ30の装着動作の説明図である。
図13(a)は装着途中の説明図であり、
図13(b)は装着完了時の説明図である。
【0076】
図13に示すプリンタ100では、
図13(a)に示すように、給送トレイ30を装置本体に装着していない状態で底板46と底面56とが接触するように、
図11に示すプリンタ100よりも給送トレイ30の底板加圧バネ132の自然長を長くしている。しかし、この構成では、
図13(b)に示すように、給送トレイ30を装置本体に装着したときに、給送ローラ47と底板46との間に隙間「γ」ができてしまい、シートPを搬送できない不具合が発生するため、
図13に示す構成には設定することができない。
【0077】
ここで、レバー部材をレバーガイド部材によって上方に引き上げることで底板も引き上げる給送トレイを備える画像形成装置に求められる条件について整理する。
画像形成装置の構成としては、装置本体は同様の構成を備え、給送トレイのシートセット枚数のみ異なる装置が要望される。
図14は、給送トレイでのシートのセット枚数(積載可能枚数)のみが異なる二つのプリンタ100の一例を示す斜視図である。
図14(a)は、シートPのセット枚数が250枚のプリンタ100の斜視図であり、
図14(b)は、シートPのセット枚数が500枚のプリンタ100の斜視図である。
【0078】
次に、給送トレイ30に求められる構成について説明する。
図15は、給送トレイ30にシートPを載置する際に求められる構成の説明図である。
図15に示すように、シートPを給送トレイ30に載置する際には、底板46は最下位位置である底面56と接触する位置にあることが求められる。この位置にあることで、シートPを載置する際の操作性が向上する。
【0079】
図16は、給送トレイ30をプリンタ100の装置本体に挿入する際に求められる構成の説明図である。
右側レバー130の先端(被ガイド部)は、右側レバーガイド部材133の下端部(ガイド面のガイド開始端)よりも上方に位置していることが求められる。この位置にあることで、給送トレイ30を装置本体に挿入すると、右側レバー130の先端が、右側レバーガイド部材133のガイド面に乗り上げて先端が上方に向かい、これにより、右側レバー130は右側レバー揺動軸130aを中心に
図16中の時計回り方向に回転する。
【0080】
図17は、給送トレイ30をプリンタ100の装置本体に完全に装着した際に求められる構成の説明図である。
右側レバー130は、右側レバーガイド部材133に乗り上げた状態で、さらに上方に持ち上げられ、所定の位置まで持ち上げられる構成であることが求められる。これにより、右側レバー130に取り付けられた底板加圧バネ132の付勢力によって、底板46は所定の荷重で給送ローラ47に圧接した状態で停止する。
【0081】
次に、
図15~
図17を用いて説明した給送トレイ30に求められる条件を満足する構成を備えた本実施形態の給送トレイ30の特徴部について説明する。
図1は、本実施形態の給送トレイ30をテーブル500の上面に置いた状態の給送トレイ30の右側端部近傍の概略断面図である。
【0082】
図1に示すように、本実施形態の給送トレイ30は、
図11等を用いて説明した従来構成に加え、レバー移動手段を構成する第二レバー部材としての右ガイドレバー135及びガイドレバー押圧バネ140を備える。右ガイドレバー135は、給送トレイ30の幅方向(
図1中の紙面に直交する方向)における底板46の外側で、且つ、右側レバー130の下方に配置されている。この右ガイドレバー135の下にガイドレバー押圧バネ140を備える。
【0083】
右ガイドレバー135は、右ガイドレバー揺動軸137を中心に揺動可能(回動可能)に構成されている。右ガイドレバー揺動軸137は、トレイ筐体200の右側板に設けられた軸穴に回動可能に支持されている。ガイドレバー押圧バネ140は、右ガイドレバー揺動軸137に対して給送方向下流側の端部を、ガイドレバー押圧バネ140によって上方へ付勢されている。したがって、ガイドレバー押圧バネ140は、右ガイドレバー揺動軸137を中心に、右ガイドレバー135を
図1中反時計回り方向に回転するように付勢されている。
【0084】
また、右ガイドレバー135における右側レバー130の下方となる位置に、第二変位部としての右ガイドレバー凸部138を備える。この右ガイドレバー凸部138は、右ガイドレバー揺動軸137に対して給送方向上流側に配置され、右ガイドレバー135の上面に設置されている。
【0085】
また、右ガイドレバー135における右ガイドレバー揺動軸137に対して給送方向上流側の端部には、給送トレイ30の幅方向(
図1中の紙面に直交する方向)へ突出する第二被ガイド部としての被ガイド突起136が設けられている。この被ガイド突起136は、トレイ筐体200の右側板に設けられる穴部200aを通して、トレイ筐体200の右側板の外側まで延出するように設けられている。被ガイド突起136は、後述するように、給送トレイ30の装着移動の際、トレイ筐体200の右側板の外側で、プリンタ100の装置本体に設けられる第二レバーガイド部材のガイド面(第二ガイド面)に接触し、そのガイド面に沿って移動することにより持ち上げられる。
【0086】
ガイドレバー押圧バネ140の付勢力により、右ガイドレバー揺動軸137を中心に
図1中反時計回り方向に回転するように付勢されている右ガイドレバー135は、被ガイド突起136がトレイ筐体200の右側板の穴部200aの下内壁面に当接することで、当該付勢力に抗して回転が規制される。したがって、他の力が作用していない状態では、
図1に示すように、被ガイド突起136がトレイ筐体200の右側板の穴部200aの下内壁面に当接した位置で、右ガイドレバー135の位置が保持される。
【0087】
なお、以上の説明では、右側レバー130が配置された給送トレイ30の右側の右ガイドレバー135等の機構について説明したが、左側レバー131が配置された給送トレイ30の左側にも同様の機構を備える。
【0088】
次に、本実施形態のプリンタ100におけるシート補給について説明する。
図18~
図20は、引き出した給送トレイ30をプリンタ100本体へ装着する過程における給送トレイ30の右側レバー130及び右ガイドレバー135の動作を説明するための模式図である。ただし、
図18~
図20では、便宜的に底面56及び底板加圧バネ132を省略してある。
図18は、プリンタ100の装置本体に給送トレイ30を挿入し始めた状態を示す説明図である。
図19は、
図18の状態から更にプリンタ100の装置本体へ給送トレイ30を挿入した状態を示す説明図である。
図20は、プリンタ100の装置本体に給送トレイ30の装着が完了した状態を示す説明図である。
【0089】
まず、給送トレイ30にシートPを補給(載置)する工程について説明する。
図6中の矢印「A」で示すように、装置本体から給送トレイ30を引き抜き、引き抜いた給送トレイ30を、例えば、
図1に示すように、テーブル500等の作業台の上に置いた状態でシートPを載置する。あるいは、シートの補給が可能な程度まで、装置本体から給送トレイ30を途中まで引き抜いた状態(
図18に示す状態)にして、シートPを載置してもよい。
【0090】
このように装置本体から給送トレイ30を引き抜いた状態では、ガイドレバー押圧バネ140の付勢力により、右ガイドレバー135は、右ガイドレバー揺動軸137を中心に
図1中反時計回り方向(
図1中符号Hの方向)に回転するように付勢され、被ガイド突起136がトレイ筐体200の右側板の穴部200aの下内壁面に当接し、この位置(第二位置)で右ガイドレバー135が保持される。
【0091】
一方、右側レバー130は、自重により、右ガイドレバー135の右ガイドレバー凸部138に下面が接する状態で保持される。なお、右側レバー130は、右ガイドレバー135がガイドレバー押圧バネ140の付勢力によって被ガイド突起136がトレイ筐体200の右側板の穴部200aの下内壁面に当接するまで下方へ変位することに伴い、底板加圧バネ132が接続された右側レバー130の揺動端(変位部)が下方へ変位するように
図1中の矢印「I」方向に回転する。これにより、底板加圧バネ132の上端部位置が下方に下がり、底板加圧バネ132の下端部が取り付けられた底板46の給送方向下流側の先端も下方に下がって、
図1に示すように、底板46が底面56に接触した状態となる。これにより、
図15を用いて説明したように、シートPを給送トレイ30に載置する際に、底板46を底面56と接触する位置とすることができる。この位置にあることで、底板46が底面56に支持され、シートPを載置する際の底板46の位置が安定するため、シートPを載置する際の操作性が良好となり、セットし易くなる。
【0092】
次に、給送トレイ30を装置本体に挿入する工程について説明する。
給送トレイ30を装置本体に装着するために給送トレイ30を装置本体に挿入する。挿入し始めの時期は、
図18に示すように、右ガイドレバー135は、被ガイド突起136がトレイ筐体200の右側板の穴部200aの下内壁面に当接した位置に保持される。右側レバー130も、右ガイドレバー135の右ガイドレバー凸部138に下面が接した位置(第二位置)で保持される。
【0093】
このとき、右側レバー130の先端(被ガイド部)は、
図15に示すように、右側レバーガイド部材133の下端部(ガイド面133aのガイド開始端)よりも下方に位置している。そのため、このままの状態で給送トレイ30がプリンタ100の装置本体へ挿入すると、右側レバー130の先端が右側レバーガイド部材133の下端部の下方を通過し、右側レバー130の先端が右側レバーガイド部材133のガイド面133aに乗り上げることができず、底板46を上昇させることができない。
【0094】
そこで、本実施形態においては、右側レバー130の先端(被ガイド部)が右側レバーガイド部材133のガイド面133aにガイドされる前(右側レバーガイド部材133の下端部(ガイド面133aのガイド開始端)の位置に到達する前)に、右側レバー130の先端の位置(高さ)を、右側レバーガイド部材133の下端部よりも下方に位置する
図15に示す位置(第二位置)から、右側レバーガイド部材133の下端部よりも上方に位置する
図16に示す位置(第一位置)へ切り替えるためのレバー移動手段を備えている。
【0095】
本実施形態のレバー移動手段は、給送トレイ30側に設けられる第二レバー部材としての右ガイドレバー135及びガイドレバー押圧バネ140と、プリンタ100の装置本体側に設けられる第二レバーガイド部材としての第二右側レバーガイド部材139とから構成されている。
図18に示す状態から給送トレイ30を更に挿入すると、右側レバー130が右側レバーガイド部材133に達する前に、右ガイドレバー135の被ガイド突起136が第二右側レバーガイド部材139のガイド面139aに乗り上げて上方に持ち上げられる。
【0096】
右ガイドレバー135の被ガイド突起136が第二右側レバーガイド部材139によって上方に持ち上げられると、右ガイドレバー135は、ガイドレバー押圧バネ140の付勢力に抗して、右ガイドレバー揺動軸137を中心に
図19中の矢印「J」で示す方向に回転する。これにより、右ガイドレバー135の右ガイドレバー凸部138が上方へ移動し、右側レバー130はその揺動端が上方に持ち上げられるように、
図19中の時計回り方向(矢印「K」方向)に回転する。
【0097】
そして、更に給送トレイ30が挿入され、右ガイドレバー135の被ガイド突起136が第二右側レバーガイド部材139のガイド面139aの上端(ガイド終了端)を超えて、
図19に示すように、第二右側レバーガイド部材139の水平ガイド面139bに乗り上げると、右ガイドレバー揺動軸137を中心とした右ガイドレバー135の回転(
図19中矢印Jの方向)が停止し、右側レバー130の回転(
図19中矢印Kの方向)も停止する。
【0098】
このとき、右側レバー130の揺動端は、
図19に示すように、右側レバーガイド部材133の下端よりも上方となる位置で停止する。また、左側レバー131も同様に揺動端が持ち上げられるように回転する。これにより、
図16を用いて説明したように、給送トレイ30をプリンタ100の装置本体に挿入する際に、右側レバー130の先端を、右側レバーガイド部材133の下端部よりも上方に位置させることができる。
【0099】
次に、給送トレイ30を装置本体に装着する工程について説明する。
図19に示す状態から給送トレイ30をさらに挿入し、装置本体に対して完全に押し込むことで、右側レバー130は装置本体に設けられた右側レバーガイド部材133によって上方に持ち上げられる。左側レバー131も同様に装置本体に設けられた右側レバーガイドによって上方に持ち上げられる。これにより、
図17を用いて説明したように、右側レバー130は、右側レバーガイド部材133に乗り上げた状態で、さらに上方に持ち上げられ、所定の位置まで持ち上げられる構成を実現できる。
【0100】
また、本実施形態においては、給送トレイ30が装置本体に対して完全に押し込まれた装着状態で、第二右側レバーガイド部材139の水平ガイド面139b上で右ガイドレバー135の被ガイド突起136の移動を規制する移動規制手段が設けられている。具体的には第二右側レバーガイド部材139の水平ガイド面139b上に、被ガイド突起136がはまり込む規制凹部139cを設け、給送トレイ30が装置本体に対して完全に押し込まれたときに、水平ガイド面139bに案内されてきた被ガイド突起136が規制凹部139cに入り込み、給送方向へ容易に移動できないように規制する。これにより、装置本体に装着された給送トレイ30が装置本体から不用意に引き出されないようにロック(保持)することが可能となり、他のロック機構の一部または全部を省略することができる。
【0101】
本実施形態の給送装置300は、給送トレイ30にシートPを積載し、シートPを分離、搬送する。そして、給送トレイ30は、シートPを積載する底板46を備え、底板加圧バネ132を介して底板46を引き上げるレバー部材(130、131)の待機位置として
図18に示す第二位置と
図19に示す第一位置との二段階で待機可能としている。
【0102】
図18に示す第二位置とすることで、シートPを補給する際に、底板46が浮いた状態でシートPを補給するのではなく底板46と給送トレイ30の底面56とが接触した(最下位置にある)状態でシートPの補給操作ができる。このため、シートPの積載可能枚数が多い装置であっても、操作性を損なうことなくシートPをセットできる。その結果、シートPを適切に積載でき、プリンタ100での搬送不良及び搬送不良に起因する画像不良を抑制できる。
【0103】
上述した実施形態では、画像形成装置がレーザープリンタである場合について説明した。本発明を適用する画像形成装置としては、プリンタに限らず、複写機、ファクシミリ、印刷機及びインクジェット記録装置等でもよい。さらに、複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機、インクジェット記録装置、及び画像読取装置のうちの二つ以上を組み合わせた複合機でもよい。
【0104】
上述した実施形態では、シート収容部からシートを給送する給送装置を、シートに画像を形成する画像形成装置に適用した構成について説明した。同様の給送装置を備える装置としては、画像形成装置に限らず、給送装置から給送されるシート上の画像を読み取る画像読取手段を備えた画像読取装置にも適用可能である。
【0105】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、装置本体への給送トレイ30の装着移動に伴い、該給送トレイに設けられるレバー部材(例えば右側レバー130)の被ガイド部(例えば右側レバー130の先端)が該装置本体に設けられるレバーガイド部材(例えば右側レバーガイド部材133)のガイド面(例えばガイド面133a)にガイドされて該レバー部材の変位部(例えば右側レバー130の揺動端)が変位することにより、該変位部に弾性部材(例えば底板加圧バネ132)を介して連結された底板部材(例えば底板46)を上昇させて、該底板部材上に積載されたシートPを給送部材(例えば給送ローラ47)に当接させる給送装置300であって、前記レバー部材の前記被ガイド部の位置が、前記ガイド面にガイドされる第一位置(
図19に示す状態)と、前記ガイド面にガイドされない第二位置(
図18に示す状態)とに切り替わるように、前記レバー部材を移動させるレバー移動手段(例えば、右ガイドレバー135、ガイドレバー押圧バネ140、第二右側レバーガイド部材139等)を有することを特徴とするものである。
給送トレイの装着移動に伴って、給送トレイ上のレバー部材の被ガイド部が装置本体上のレバーガイド部材のガイド面にガイドされてレバー部材の変位部が変位し、変位部に弾性部材を介して連結された底板部材が上昇する構成は、給送トレイの装着時に底板部材上のシートの最上位面を給送部材に適切に当接させることを簡易に実現できる点で好適である。この構成においては、給送トレイを装置本体から取り出すと、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れ、レバー部材の変位部がガイド前の位置へ変位するので、変位部に弾性部材を介して連結された底板部材が給送トレイの底面に向けて下降する。このとき、底板部材が給送トレイの底面に接触するまで下降しないと、底板部材が弾性部材を介してレバー部材にぶら下がった状態となってしまい、底板部材の位置が不安定になる。そのため、給送トレイにシートをセットする際に、シートを底板部材上に乗せ難く、シートを適切にセットできずに給送時の搬送不良を引き起こすおそれがある。
レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れたときに底板部材が給送トレイの底面に接触するまで下降するためには、弾性部材の弾性力によって底板部材が給送トレイの底面から浮き上がらないような位置まで(弾性部材の弾性力が作用しない位置まで)、レバー部材の変位部を変位させる必要がある。そのためには、これに連動するレバー部材の被ガイド部の位置も変化させる必要があるが、被ガイド部の位置は、給送トレイの装着移動の際にレバーガイド部材のガイド面にガイドされる位置から外れてはならない。そのため、従来は、被ガイド部がガイド面にガイドされる位置から外れてしまうような位置まで、レバー部材の変位部を変位させることはできない。
シートの積載可能枚数が比較的少ない給送トレイにおいては、底板部材を上昇させる距離が短いため、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れたときに弾性部材の弾性力が作用しない位置までレバー部材の変位部が変位するように構成したとしても、被ガイド部の位置が、装着移動時にレバーガイド部材のガイド面にガイドされる位置になるように構成できる。しかしながら、シートの積載可能枚数が多くなると、底板部材を上昇させる距離が長くなるため、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れたときに弾性部材の弾性力が作用しない位置までレバー部材の変位部が変位するように構成すると、被ガイド部の位置が、装着移動時にレバーガイド部材のガイド面にガイドされる位置から外れてしまう。
一方で、底板部材を上昇させる距離が長い場合でも、弾性部材の構成を調整することで、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れたときに、被ガイド部の位置がレバーガイド部材のガイド面にガイドされる位置になるように構成することは可能である。しかしながら、弾性部材が配置されるレイアウトの制約や、装着時に底板部材上のシートを給送部材へ適切に当接させるために要求される弾性部材の弾性特性などを考慮すると、弾性部材の構成を調整して、被ガイド部の位置がレバーガイド部材のガイド面にガイドされる位置になるように構成することは困難である。
そこで、本態様では、レバー移動手段により、レバー部材の被ガイド部の位置が、ガイド面にガイドされる第一位置と、ガイド面にガイドされない第二位置とに切り替わるように、レバー部材を移動させる構成を採用している。これにより、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面から離れた状態において、レバー部材の被ガイド部の位置を第二位置に切り替えることで、底板部材が給送トレイの底面に接触するまで下降させることができる。よって、給送トレイにシートをセットする際に底板部材の位置が安定し、底板部材上にシートを乗せやすくなり、シートを適切にセットすることが容易になる。
また、給送トレイを装着する際には、レバー部材の被ガイド部がレバーガイド部材のガイド面にガイドされる前に、レバー部材の被ガイド部の位置を第二位置から第一位置へ切り替える。これにより、第一位置にあるレバー部材の被ガイド部は、装着移動に伴ってレバーガイド部材のガイド面に適切にガイドされ、レバー部材の変位部が変位して底板部材が上昇し、弾性部材の弾性力によって底板部材上のシートを給送部材に当接させることができる。
【0106】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記第二位置では、前記底板部材が前記給送トレイの底面に接触することを特徴とするものである。
これによれば、給送トレイを装置本体から取り出して底板部材上にシートを適切にセットすることが容易になる。
【0107】
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記レバー移動手段は、前記装着移動中、前記レバー部材の前記被ガイド部が前記レバーガイド部材の前記ガイド面にガイドされる前に、該被ガイド部の位置が前記第二位置から前記第一位置へ切り替わるように、前記レバー部材を移動させることを特徴とするものである。
これにより、装置本体から取り出した状態の給送トレイについては、レバー部材の被ガイド部の位置が第二位置となり、給送トレイにシートを適切にセットすることが容易になる一方、給送トレイを装置本体へ装着する際には、その装着移動中に、レバー部材の被ガイド部の位置が第二位置から第一位置へと切り替わり、レバー部材の被ガイド部は、装着移動に伴ってレバーガイド部材のガイド面に適切にガイドされるようになる。
【0108】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記レバー部材の前記被ガイド部が、前記装着移動に伴い、前記レバーガイド部材の前記ガイド面にガイドされて押し上げられることで、前記底板部材を上昇させる方向に前記レバー部材の前記変位部が変位するように構成され、前記第一位置は、前記ガイド面のガイド開始端(例えば、右側レバーガイド部材133のガイド面133aの下端部)よりも高い位置であり、前記第二位置は、前記ガイド面のガイド開始端よりも低い位置であることを特徴とするものである。
これによれば、簡易な構成で、第一位置と第二位置との切り替えを実現できる。
【0109】
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、前記レバー移動手段は、前記装着移動に伴い、前記給送トレイに設けられる第二レバー部材(例えば右ガイドレバー135)の第二被ガイド部(例えば被ガイド突起136)が前記装置本体に設けられる第二レバーガイド部材(例えば第二右側レバーガイド部材139)の第二ガイド面(例えばガイド面139aおよび水平ガイド面139b)にガイドされて該第二レバー部材の第二変位部(例えば右ガイドレバー凸部138)が変位することにより、前記被ガイド部の位置を前記第二位置から前記第一位置へ切り替えることを特徴とするものである。
これによれば、簡易な構成で、第一位置と第二位置との切り替えを実現できる。
【0110】
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記被ガイド部が前記第一位置に位置するときに、前記第二ガイド面上での前記第二被ガイド部の移動を規制する移動規制手段(例えば規制凹部139c)を有することを特徴とするものである。
これによれば、装置本体に装着された給送トレイが装置本体から不用意に引き出されないようにロック(保持)することが可能となり、他のロック機構の一部または全部を省略することができる。
【0111】
[第7態様]
第7態様は、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段へ向けて前記シートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、前記給送手段として、第1乃至第6態様のいずれか給送装置を備えることを特徴とするものである。
本態様によれば、給送トレイにシートを適切にセットすることができるので、積載不良に起因する搬送不良の発生、及び、搬送不良に起因する画像不良の発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0112】
1 :プロセスユニット
2 :像担持体
3 :クリーニング装置
4 :帯電装置
5 :現像装置
7 :露光器
16 :中間転写ベルト
19 :一次転写ローラ
20 :二次転写ローラ
21 :ベルトクリーニング装置
30 :給送トレイ
34 :定着装置
46 :底板
47 :給送ローラ
50 :給送ローラ軸
51 :底板回動軸
52 :底板パッド
56 :底面
100 :プリンタ
101 :トレイ前部
102 :トレイ後部
104 :フロントパネル
130 :右側レバー
130a:右側レバー揺動軸
131 :左側レバー
132 :底板加圧バネ
133 :右側レバーガイド部材
133a:ガイド面
135 :右ガイドレバー
136 :被ガイド突起
137 :右ガイドレバー揺動軸
138 :右ガイドレバー凸部
139 :第二右側レバーガイド部材
139a:ガイド面
139b:水平ガイド面
139c:規制凹部
140 :ガイドレバー押圧バネ
150 :ゴム足
200 :トレイ筐体
200a:穴部
300 :給送装置
330 :トレイ挿入口
400 :画像形成部
500 :テーブル
L :レーザービーム
P :シート
S :設置面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】