(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/06 20220101AFI20221206BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20221206BHJP
【FI】
H04L67/06
G06F16/182 100
(21)【出願番号】P 2019010626
(22)【出願日】2019-01-24
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】谷 和也
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-167531(JP,A)
【文献】特開2010-068295(JP,A)
【文献】特開2011-086324(JP,A)
【文献】特開2005-157682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/06
G06F 16/182
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置と、外部ストレージと、第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行する第1のデータ転送部と、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した
、前記第1の情報処理装置内のデータおよび前記外部ストレージ内のデータに
第1の完了フラグを付与する第1のフラグ付与部と、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行する第2のデータ転送部と、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した
、前記外部ストレージ内のデータおよび前記第2の情報処理装置内のデータに
第2の完了フラグを付与する第2のフラグ付与部と、を有し、
前記第1のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記
第1の完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行し、
前記第2のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記
第2の完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行する、情報処理システム。
【請求項2】
第1の情報処理装置と、外部ストレージと、第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行する第1のデータ転送部と、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した、前記外部ストレージ内のデータに第1の完了フラグを付与する第1のフラグ付与部と、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した、前記第1の情報処理装置内のデータを削除する第1のデータ削除部と、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行する第2のデータ転送部と、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した、前記第2の情報処理装置内のデータに第2の完了フラグを付与する第2のフラグ付与部と、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した、前記外部ストレージ内のデータを削除する第2のデータ削除部と、を有し、
前記第1のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記第1の完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行し、
前記第2のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記第2の完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行する、情報処理システム。
【請求項3】
前記第1のデータ転送部は、前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了していない前記外部ストレージ内のデータを削除し、
前記第2のデータ転送部は、前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了していない前記第2の情報処理装置内のデータを削除する、請求項
1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
第1の情報処理装置と、外部ストレージと、第2の情報処理装置とを有する報処理システムが実行する方法であって、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行するステップと、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した
、前記第1の情報処理装置内のデータおよび前記外部ストレージ内のデータに
第1の完了フラグを付与するステップと、
データ転送が中断された後に、前記
第1の完了フラグが付与されていないデータの、前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行するステップと、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行するステップと、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した
、前記外部ストレージ内のデータおよび前記第2の情報処理装置内のデータに
第2の完了フラグを付与するステップと、
データ転送が中断された後に、前記
第2の完了フラグが付与されていないデータの、前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行するステップと、を含む方法。
【請求項5】
第1の情報処理装置と、外部ストレージと、第2の情報処理装置とを有する情報処理システムが実行する方法であって、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行するステップと、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した、前記外部ストレージ内のデータに第1の完了フラグを付与するステップと、
前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了した、前記第1の情報処理装置内のデータを削除するステップと、
データ転送が中断された後に、前記第1の完了フラグが付与されていないデータの、前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行するステップと、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行するステップと、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した、前記第2の情報処理装置内のデータに第2の完了フラグを付与するステップと、
前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了した、前記外部ストレージ内のデータを削除するステップと、
データ転送が中断された後に、前記第2の完了フラグが付与されていないデータの、前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の情報処理装置(例えば、複合機等の画像形成装置)間で、外部ストレージを介したデータ転送が行われている。具体的には、ある情報処理装置の記憶手段(例えば、HDD(Hard Disk Drive)等)に蓄積されたデータが、外部ストレージを経由して、もう一方の情報処理装置へ転送される。このようなデータ転送の途中で、何らかの事象が生じ、データ転送が中断してしまうことがある。
【0003】
データ転送が中断された場合の対処法として、特許文献1では、転送元装置が、中断前にファイル転送されたファイルのフレーム数を転送先装置から取得し、フレーム数を指定してファイル転送の再開を指示し、指定されたフレーム数に基づいてファイル転送を再開することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、データ転送を再開するためには、転送元装置は、転送先装置から、中断前にファイル転送されたファイルのフレーム数を取得する必要がある。
【0005】
そこで、本発明の一実施形態では、中断されたデータ転送の再開を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、第1の情報処理装置と、外部ストレージと、第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送を実行する第1のデータ転送部と、前記第1の情報処理装置から前記外部ストレージへのデータ転送の実行が完了したデータに完了フラグを付与する第1のフラグ付与部と、前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送を実行する第2のデータ転送部と、前記外部ストレージから前記第2の情報処理装置へのデータ転送の実行が完了したデータに完了フラグを付与する第2のフラグ付与部と、を有し、前記第1のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行し、前記第2のデータ転送部は、データ転送が中断された後に、前記完了フラグが付与されていないデータのデータ転送を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、中断されたデータ転送の再開を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る文書データの一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
なお、本発明において、データ転送の中断は、ユーザによる意図的な中断に限らず、Wi-Fi等の通信ネットワークの途中切断、画像形成装置等の情報処理装置の電源OFF、書き込み失敗等の異常発生による中断も対象とする。
【0011】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の構成図である。情報処理システム100は、情報処理装置(移管元)101と、外部ストレージ102と、情報処理装置(移管先)103と、を含む。情報処理装置(移管元)101および情報処理装置(移管先)103は、任意のネットワーク104を介して、外部ストレージ102にアクセスすることができる。以下、それぞれについて説明する。
【0012】
情報処理装置(移管元)101は、外部ストレージ102を介してデータを移管する際の移管元となる装置である。具体的には、情報処理装置(移管元)101は、情報処理装置(移管元)101の記憶手段(例えば、HDD等)からデータを読み出して、そのデータを外部ストレージ102へ転送する(以下、"エクスポートする"ともいう)。
【0013】
情報処理装置(移管先)103は、外部ストレージ102を介してデータを移管する際の移管先となる装置である。具体的には、情報処理装置(移管先)103は、外部ストレージ102からデータを取得して、そのデータを情報処理装置(移管先)103の記憶手段(例えば、HDD等)に書き込む(以下、"インポートする"ともいう)。
【0014】
なお、情報処理装置(移管元)101および情報処理装置(移管先)103は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置(移管元)101および情報処理装置(移管先)103は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0015】
外部ストレージ102は、任意の記憶装置である。
【0016】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置101および103のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、情報処理装置101および103は、CPU(Central Processing Unit)1、RAM(Random access memory)2、外部記憶装置3、エンジンI/F(interface)4、スキャナI/F(interface)5、外部I/F(interface)6、エンジン7、スキャナ8を備えている。
【0017】
・CPU 1は、情報処理装置101および103の全体制御を行う制御部である。
・RAM 2は、プログラムやデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いられる。なお、RAM 2に記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
・外部記憶装置3は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
・エンジン7は、エンジンI/F 7を通じて取得した文書の画像データを印刷する。
・スキャナ8は、スキャナI/F 5を通じて文書を読み取る。
・外部I/F 6は、LAN 9等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
【0018】
本発明の一実施形態では、スキャナ8がスキャナI/F 5を通じて文書を読み取って、その文書の画像データが、RAM 2に配置される。その際に、文書の付加情報が、RAM 2に配置されて、画像データと紐付けられる。そのまま印刷を行う場合には、文書の画像データと付加情報がエンジンI/F 4へと送られ、文書の画像データがエンジン7によって印刷される。読み取った文書を蓄積する場合には、文書の画像データと付加情報が外部記憶装置3に蓄積される。
【0019】
<機能ブロック図>
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の機能ブロック図である。
【0020】
情報処理装置(移管元)101は、データ転送部111、フラグ付与部112、データ削除部113、記憶部114を含む。また、情報処理装置(移管元)101は、プログラムを実行することで、データ転送部111、フラグ付与部112、データ削除部113として機能する。後段で、それぞれについて説明する。
【0021】
外部ストレージ102は、記憶部121を含む。情報処理装置(移管元)101の記憶部114内のデータが、記憶部121へエクスポートされる。また、情報処理装置(移管元)101からエクスポートされた記憶部121内のデータが、情報処理装置(移管先)103の記憶部134へインポートされる。
【0022】
情報処理装置(移管先)103は、データ転送部131、フラグ付与部132、データ削除部133、記憶部134を含む。また、情報処理装置(移管先)103は、プログラムを実行することで、データ転送部131、フラグ付与部132、データ削除部133として機能する。後段で、それぞれについて説明する。
【0023】
情報処理装置(移管元)101および情報処理装置(移管先)103ついて詳細に説明する前に、まず、転送されるデータについて
図4を参照しながら説明する。本発明の一実施形態では、情報処理装置(移管元)101によってスキャンされた文書のデータが、外部ストレージ102を経由して、情報処理装置(移管先)103へ移管される。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態に係る文書データ400の一例である。文書データ400は、転送データ401および完了フラグ402を含む。
【0025】
転送データ401は、文書データの特徴411および画像データ412を含む。転送データ401が、情報処理装置(移管元)101の記憶部114から外部ストレージ102の記憶部121へ転送される(つまり、エクスポートされる)。また、転送データ401が、外部ストレージ102の記憶部121から情報処理装置(移管先)103の記憶部134へ転送される(つまり、インポートされる)。
【0026】
文書データの特徴411は、文書データ400の付加情報である。例えば、文書データの特徴411は、文書データ400を識別するための識別子(ID)、文書データ400のページ数、文書データ400の用紙サイズ等の印刷に関わる文書データ400の情報である。
【0027】
画像データ412は、文書データ400のデータ本体(例えば、印刷するために用いられる画像データ)である。
【0028】
完了フラグ402は、フラグ付与部112および132によって付与されるフラグである。具体的には、完了フラグ402は、情報処理装置(移管元)101の記憶部114から外部ストレージ102の記憶部121へ転送データ401を転送する(つまり、エクスポートする)処理が済んだことを示す。また、完了フラグ402は、外部ストレージ102の記憶部121から情報処理装置(移管先)103の記憶部134へ転送データ401を転送する(つまり、インポートする)処理が済んだことを示す。
【0029】
<エクスポート>
以下、情報処理装置(移管元)101について詳細に説明する。
【0030】
データ転送部111は、情報処理装置間でのデータの移管において、データ転送を実行する。データ転送部111は、記憶部114からデータを読み出して、そのデータを外部ストレージ102の記憶部121へ転送する(つまり、エクスポートする)。
【0031】
具体的には、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。また、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。また、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている文書データ400を読み出して、その文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、データ転送部111は、転送データ401を外部ストレージ102の記憶部121へ転送しない。完了フラグ402が付与されていない場合には、データ転送部111は、転送データ401を外部ストレージ102の記憶部121へ転送する。このように、データ転送部111は、完了フラグ402が付与されている場合には転送データ401は転送済みデータであり、完了フラグ402が付与されていない場合には転送データ401は未転送データであるという判断をすることができる。
【0032】
フラグ付与部112は、データ転送部111が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、情報処理装置(移管元)101の記憶部114内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。また、フラグ付与部112は、データ転送部111が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0033】
データ削除部113は、データ転送部111が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、情報処理装置(移管元)101の記憶部114内の文書データ400のうち、データ転送の処理が完了した文書データ400を削除する。
【0034】
記憶部114は、外部ストレージ102の記憶部121へエクスポートされる文書データ400が記憶されている。
【0035】
<外部ストレージデータの整理>
データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400を整理することもできる。具体的には、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。また、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。また、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されていない場合には、データ転送部111は、その文書データ400を削除する。このように、データ転送部111は、異常発生等によってデータ転送が中断されてしまい、不完全なデータである文書データ400を見つけ出すことができる。
【0036】
<インポート>
以下、情報処理装置(移管先)103について詳細に説明する。
【0037】
データ転送部131は、情報処理装置間でのデータの移管において、データ転送を実行する。データ転送部131は、外部ストレージ102からデータを取得して、そのデータを記憶部134に書き込む(つまり、インポートする)。
【0038】
具体的には、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。また、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。また、データ転送部131は、外部ストレージ102内の文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、データ転送部131は、転送データ401を記憶部134へ転送しない。完了フラグ402が付与されていない場合には、データ転送部131は、転送データ401を記憶部134へ転送する。このように、データ転送部131は、完了フラグ402が付与されている場合には転送データ401は転送済みデータであり、完了フラグ402が付与されていない場合には転送データ401は未転送データであるという判断をすることができる。
【0039】
フラグ付与部132は、データ転送部131が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。また、フラグ付与部132は、データ転送部131が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、情報処理装置(移管先)103の記憶部134内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0040】
データ削除部133は、データ転送部131が転送データ401のデータ転送の処理を完了した後に、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400のうち、データ転送の処理が完了した文書データ400を削除する。
【0041】
記憶部134は、外部ストレージ102の記憶部121からインポートされた文書データ400が記憶されている。
【0042】
<情報処理装置(移管先)データの整理>
データ転送部131は、記憶部134内の文書データ400を整理することもできる。具体的には、データ転送部131は、記憶部134内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。また、データ転送部131は、記憶部134内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。また、データ転送部131は、記憶部134内に記憶されている文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されていない場合には、データ転送部131は、その文書データ400を削除する。このように、データ転送部131は、異常発生等によってデータ転送が中断されてしまい、不完全なデータである文書データ400を見つけ出すことができる。
【0043】
<第1の実施形態に係るエクスポート処理>
図5は、本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理の前に、データ転送が中断されたものとする。
【0044】
ステップ501(S501)において、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400を整理することができる。S501については
図6を参照しながら、詳細に説明する。
【0045】
ステップ502(S502)において、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。
【0046】
ステップ503(S503)において、データ転送部111は、S502で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ504へ進む。
【0047】
ステップ504(S504)において、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている文書データ400を読み出す。
【0048】
ステップ505(S505)において、データ転送部111は、S504で読み出した文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、ステップ503へ進み、完了フラグ402が付与されていない場合には、ステップ506へ進む。
【0049】
ステップ506(S506)において、データ転送部111は、S504で読み出した文書データ400の転送データ401を作成(例えば、記憶部114内から転送データ401を取得)する。なお、データ転送部111は、必要に応じて、データが転送される先(つまり、情報処理装置(移管先)103)に合わせた転送形式で転送できるように転送データ401を作成する。
【0050】
ステップ507(S507)において、データ転送部111は、S506で作成した転送データ401を外部ストレージ102の記憶部121へ転送する。
【0051】
ステップ508(S508)において、フラグ付与部112は、S507で転送した外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0052】
ステップ509(S509)において、フラグ付与部112は、S507で転送した情報処理装置(移管元)101の記憶部114内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。その後、S503へ戻る。なお、S508とS509とは順序が逆でもよい。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。具体的には、
図5のS501の外部ストレージデータ整理処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
ステップ601(S601)において、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。
【0055】
ステップ602(S602)において、データ転送部111は、S601で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ603へ進む。
【0056】
ステップ603(S603)において、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、ステップ602へ進み、完了フラグ402が付与されていない場合には、ステップ604へ進む。
【0057】
ステップ604(S604)において、データ転送部111は、S603で完了フラグが付与されていないと判断された文書データ400を削除する。その後、S602へ戻る。
【0058】
<第1の実施形態に係るインポート処理>
図7は、本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理の前に、データ転送が中断されたものとする。
【0059】
ステップ701(S701)において、データ転送部131は、記憶部134内の文書データ400を整理することができる。S701については
図8を参照しながら、詳細に説明する。
【0060】
ステップ702(S702)において、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。
【0061】
ステップ703(S703)において、データ転送部131は、S702で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ704へ進む。
【0062】
ステップ704(S704)において、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121から転送データ401を取得する。
【0063】
ステップ705(S705)において、データ転送部131は、S704で取得した転送データ401の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、ステップ703へ進み、完了フラグ402が付与されていない場合には、ステップ706へ進む。
【0064】
ステップ706(S706)において、データ転送部131は、S704で取得した転送データ401の画像データ412を記憶部134に書き込む。
【0065】
ステップ707(S707)において、データ転送部131は、S704で取得した転送データ401の文書データの特徴411を記憶部134に登録する。
【0066】
ステップ708(S708)において、フラグ付与部132は、S706および707で書き込みおよび登録をした、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0067】
ステップ709(S709)において、フラグ付与部132は、S706および707で書き込みおよび登録をした、情報処理装置(移管先)103の記憶部134内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。その後、S703へ戻る。なお、S708とS709とは順序が逆でもよい。
【0068】
図8は、本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。具体的には、
図7のS701の情報処理装置(移管先)データの整理処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
ステップ801(S801)において、データ転送部131は、記憶部134内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。
【0070】
ステップ802(S802)において、データ転送部131は、S801で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ803へ進む。
【0071】
ステップ803(S803)において、データ転送部131は、記憶部134内に記憶されている文書データ400の完了フラグ402を参照する。完了フラグ402が付与されている場合には、ステップ802へ進み、完了フラグ402が付与されていない場合には、ステップ804へ進む。
【0072】
ステップ804(S804)において、データ転送部131は、S803で完了フラグが付与されていないと判断された文書データ400を削除する。その後、S802へ戻る。
【0073】
<第2の実施形態に係るエクスポート処理>
図9は、本発明の一実施形態に係るエクスポート処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理の前に、データ転送が中断されたものとする。
【0074】
ステップ901(S901)において、データ転送部111は、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400を整理することができる。S901は、
図6と同様である。
【0075】
ステップ902(S902)において、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する。
【0076】
ステップ903(S903)において、データ転送部111は、S902で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ904へ進む。
【0077】
ステップ904(S904)において、データ転送部111は、記憶部114内に記憶されている文書データ400を読み出す。
【0078】
ステップ905(S905)において、データ転送部111は、S904で読み出した文書データ400の転送データ401を作成(例えば、記憶部114内から転送データ401を取得)する。
【0079】
ステップ906(S906)において、データ転送部111は、S905で作成した転送データ401を外部ストレージ102の記憶部121へ転送する。
【0080】
ステップ907(S907)において、フラグ付与部112は、S906で転送した外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0081】
ステップ908(S908)において、データ削除部113は、S906で転送した情報処理装置(移管元)101の記憶部114内の文書データ400を削除する。その後、S903へ戻る。なお、S907とS908とは順序が逆でもよい。
【0082】
<第2の実施形態に係るインポート処理>
図10は、本発明の一実施形態に係るインポート処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理の前に、データ転送が中断されたものとする。
【0083】
ステップ1001(S1001)において、データ転送部131は、記憶部134内の文書データ400を整理することができる。S1001は、
図8と同様である。
【0084】
ステップ1002(S1002)において、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121内に記憶されている全ての文書データ400を示す一覧を取得する 。
【0085】
ステップ1003(S1003)において、データ転送部131は、S1002で取得した一覧に基づいて、最後に転送されるべき文書データ400まで完了フラグ402の確認が済んだか否かを判断する。最後まで済んでいる場合には処理を終了し、最後まで済んでいない場合にはステップ1004へ進む。
【0086】
ステップ1004(S1004)において、データ転送部131は、外部ストレージ102の記憶部121から転送データ401を取得する。
【0087】
ステップ1005(S1005)において、データ転送部131は、S1004で取得した転送データ401の画像データ412を記憶部134に書き込む。
【0088】
ステップ1006(S1006)において、データ転送部131は、S1004で取得した転送データ401の文書データの特徴411を記憶部134に登録する。
【0089】
ステップ1007(S1007)において、フラグ付与部132は、S1005および1006で書き込みおよび登録をした、情報処理装置(移管先)103の記憶部134内の文書データ400に、完了フラグ402を付与する。
【0090】
ステップ1008(S1008)において、データ削除部133は、S1005および1006で書き込みおよび登録をした、外部ストレージ102の記憶部121内の文書データ400を削除する。その後、S1003へ戻る。なお、S1007とS1008とは順序が逆でもよい。
【0091】
このように、中断されたデータ転送の再開を効率化することができる。第1の実施形態に係るエクスポート処理およびインポート処理では、データ転送の転送元のデータの完了フラグを参照することによって、未転送データ(つまり、完了フラグが付与されていないデータ)を転送することができる。第2の実施形態に係るエクスポート処理およびインポート処理では、転送元のデータの完了フラグを参照して転送済みか否かを判断する必要がない。また、第1の実施形態および第2の実施形態に係るエクスポート処理およびインポート処理では、転送先の不完全なデータ(つまり、データ転送が中断されてしまったデータ)を見つけ出すことができる。
【0092】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0093】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0094】
100 情報処理システム
101 情報処理装置(移管元)
102 外部ストレージ
103 情報処理装置(移管先)
104 ネットワーク
111 データ転送部
112 フラグ付与部
113 データ削除部
114 記憶部
121 記憶部
131 データ転送部
132 フラグ付与部
133 データ削除部
134 記憶部
400 文書データ
401 転送データ
411 文書データの特徴
412 画像データ
402 完了フラグ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】