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特許7188299炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20221206BHJP
   C30B 33/02 20060101ALI20221206BHJP
   H01L 21/26 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
C30B29/06 B
C30B33/02
H01L21/26 F
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019123917
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021008388
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】曲 偉峰
(72)【発明者】
【氏名】井川 静男
(72)【発明者】
【氏名】砂川 健
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-216327(JP,A)
【文献】国際公開第2014/129123(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 29/06
C30B 33/02
H01L 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハを準備する工程と、
前記シリコン単結晶ウェーハに対し、炭素原子含有化合物ガスを含む雰囲気において、第1のRTA処理を行う工程と、
前記第1のRTA処理よりも高い温度で、前記第1のRTA処理に連続する第2のRTA処理を行う工程と、
前記第2のRTA処理を行った後に、前記シリコン単結晶ウェーハを冷却する工程と、
前記冷却を行った後に、第3のRTA処理を行う工程と
を有し、
これらの工程により、前記シリコン単結晶ウェーハを、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハに改質することを特徴とする炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項2】
前記第3のRTA処理を行う工程よりも後に、さらに、前記3C-SiC単結晶層を研磨除去する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項3】
前記炭素析出層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmの範囲において、3×1017atoms/cm以上に制御することを特徴とする請求項2に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項4】
前記格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上に制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項5】
前記空孔と炭素の拡散層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上に制御することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項6】
前記準備するシリコン単結晶ウェーハの酸素濃度を11ppma以上とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項7】
前記準備するシリコン単結晶ウェーハをNv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるシリコン単結晶ウェーハとすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2のRTA処理における雰囲気を、炭化水素ガスを含むとともに、Ar又はHあるいはArとHの両方を含む混合雰囲気とすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項9】
前記第1のRTA処理を、600℃以上850℃以下の温度で、5秒以上60秒以下の時間保持することで行い、
前記第2のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することで行い、
前記第3のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することで行うことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項10】
前記第3のRTA処理を、1回以上繰り返して行うことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項11】
炭素がドープされたシリコン単結晶ウェーハであって、
前記シリコン単結晶ウェーハの表面側から、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するものであり、
前記炭素析出層の上に、さらに、3C-SiC単結晶層を有することを特徴とする炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項12】
前記炭素析出層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmまでの範囲において、3×1017atoms/cm以上であることを特徴とする請求項11に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項13】
前記格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項14】
前記空孔と炭素の拡散層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上であることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項15】
前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの酸素濃度が11ppma以上であることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項16】
前記シリコン単結晶ウェーハがNv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるものであることを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造用の基板として、シリコン単結晶ウェーハが広く用いられている。また、半導体デバイスの製造プロセス中に混入する金属不純物をゲッタリングするため、シリコン単結晶ウェーハにゲッタリング能力を付与することは良く知られている。ところで、近年、最先端デバイスの製造条件は低温化が進んでいる。製造プロセスにおいて金属不純物のゲッタリングサイトとして作用するため、低温プロセス中でも酸素析出によるBMD(Bulk Micro Defect、バルク微細欠陥)を形成し易い、炭素をドープしたシリコン単結晶ウェーハが使用されるようになってきている。
【0003】
また、シリコン単結晶ウェーハは、窒素又は炭素をドープすることによりウェーハ強度が向上することも良く知られている。但し、窒素はシリコン単結晶中の拡散速度が速いため、窒素ドープシリコン単結晶ウェーハでは、デバイス作製のための熱処理中に窒素が外方拡散してしまい、高い表層強度を得ることが難しい。一方、炭素は拡散係数が小さいため、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハでは、表層強度を向上させることが可能である。
【0004】
また、炭素ドープした固体撮像素子用シリコン単結晶ウェーハは、炭素が電極からのキャリアの注入を抑制するため、小さな暗電流と優れた光感度とを達成することが知られている(非特許文献1参照)。
【0005】
また、シリコン単結晶ウェーハ中の炭素は、熱処理中に発生する酸素ドナーの形成を抑制する効果を有することも良く知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-54656号公報
【文献】特開2018-190903号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】“Structural Elements of Ultrashallow Thermal Donors Formed in Silicon Crystals” A. Hara, T. Awano, Y. Ohno and I. Yonenaga: Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 050203.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
シリコン単結晶ウェーハのウェーハ強度を向上させる手法としては、シリコン単結晶ウェーハの炭素ドープや窒素ドープ、ウェーハを高酸素濃度結晶とすること、ウェーハ中に酸素析出をさせることが知られている。しかしながら、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶(シリコン単結晶インゴット)を成長させる段階で、結晶に炭素や窒素をドープすると、偏析現象により、単結晶化した結晶の位置により不純物濃度が変化してしまい、結晶位置の違いよる酸素析出量の違いが生じてしまう。
【0009】
また、酸素濃度だけでシリコン単結晶ウェーハの酸素析出量を制御するには限度があり、炭素や窒素をドープせずに高密度の酸素析出量に制御することは困難であった。
【0010】
さらに、前述した最近のデバイス工程の低温化プロセスの進展により、シリコン単結晶ウェーハにおいてますます酸素析出がしにくくなっているので、このような低温デバイス工程においても所望の酸素析出量に制御できる技術が望まれていた。
【0011】
一方、シリコン単結晶ウェーハを炭素含有ガス雰囲気で熱処理することにより、BMDを高密度に制御することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献2では、抵抗加熱によって熱処理を行っているため、降温中に炭素が外方拡散してしまい、ウェーハ表面の炭素濃度を十分に高くすることができず、ウェーハ強度の点では不十分であった。
【0012】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、シリコン単結晶ウェーハの表層の炭素濃度を高濃度とし、かつ表面の炭素濃度分布を均一にすることにより、ウェーハ強度を向上させることができる炭素ドープシリコン単結晶ウェーハ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハを準備する工程と、前記シリコン単結晶ウェーハに対し、炭素原子含有化合物ガスを含む雰囲気において、第1のRTA処理を行う工程と、前記第1のRTA処理よりも高い温度で、前記第1のRTA処理に連続する第2のRTA処理を行う工程と、前記第2のRTA処理を行った後に、前記シリコン単結晶ウェーハを冷却する工程と、前記冷却を行った後に、第3のRTA処理を行う工程とを有し、これらの工程により、前記シリコン単結晶ウェーハを、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハに改質することを特徴とする炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法を提供する。
【0014】
このような炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法であれば、急速加熱・急速冷却によるRTA(Rapid Thermal Annealing、急速熱処理)処理段階で、炭素と空孔を一緒に注入することにより、単結晶化した結晶位置の影響を受けず空孔の作用によって炭素の拡散係数を大きくすることができる。そのため、炭素を表面から均一に拡散することができ、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハとすることができる。本発明は炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面に3C-SiC単結晶層が形成されるので、その下の炭素析出層における炭素濃度を容易に高濃度にすることができ、高い強度を有するウェーハを提供することが可能となる。
【0015】
また、本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法においては、前記第3のRTA処理を行う工程よりも後に、さらに、前記3C-SiC単結晶層を研磨除去する工程を有することが好ましい。
【0016】
このように、表面の3C-SiC単結晶層を研磨により除去することで、デバイス作製時に改めて3C-SiC単結晶層を除去する必要がない。
【0017】
さらに、この場合、前記炭素析出層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmの範囲において、3×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。
【0018】
ウェーハの表面部の炭素濃度をこのようにすることにより、より高いウェーハ強度と所望の酸素析出量に制御することができる。
【0019】
また、前記格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。
【0020】
また、前記空孔と炭素の拡散層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上に制御することが好ましい。
【0021】
ウェーハのバルク部の炭素濃度をこれらのようにすることにより、より高いウェーハ強度と所望の酸素析出量に制御することができる。
【0022】
また、本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法においては、前記準備するシリコン単結晶ウェーハの酸素濃度を11ppma以上とすることが好ましい。
【0023】
このように、準備するウェーハの酸素濃度を11ppmaとすることにより、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハにおける酸素析出がより容易になる。なお、本発明の説明において、酸素濃度はJEITA基準で表示される。
【0024】
また、前記準備するシリコン単結晶ウェーハをNv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるシリコン単結晶ウェーハとすることが好ましい。
【0025】
本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法により製造したシリコン単結晶ウェーハ中には炭素が存在しているので、どのような欠陥領域であっても酸素析出を形成することができるが、準備するウェーハをこのような欠陥領域のウェーハとすることにより、より酸素析出がしやすくなる。
【0026】
また、前記第1及び第2のRTA処理における雰囲気を、炭化水素ガスを含むとともに、Ar又はHあるいはArとHの両方を含む混合雰囲気とすることが好ましい。
【0027】
このような雰囲気で熱処理することにより、より効果的に炭素と一緒に空孔を注入することができる。
【0028】
また、前記第1のRTA処理を、600℃以上850℃以下の温度で、5秒以上60秒以下の時間保持することで行い、前記第2のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することで行い、前記第3のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することで行うことが好ましい。
【0029】
このようなRTA処理の条件により、より効果的に炭素と一緒に空孔を注入することができる。
【0030】
また、前記第3のRTA処理を、1回以上繰り返して行うことが好ましい。
【0031】
このように、第3のRTA処理を1回以上繰り返して行うことにより、空孔と炭素を表面からより深く拡散させることができるので、第3のRTA処理を繰り返すことにより、バルク部の炭素濃度を所望の値に制御することができる。
【0032】
また、本発明は、炭素がドープされたシリコン単結晶ウェーハであって、前記シリコン単結晶ウェーハの表面側から、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するものであることを特徴とする炭素ドープシリコン単結晶ウェーハを提供する。
【0033】
このような炭素ドープシリコン単結晶ウェーハは、高いウェーハ強度を得ることができる。
【0034】
また、前記炭素析出層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmまでの範囲において、3×1017atoms/cm以上であることが好ましい。
【0035】
ウェーハの表面部の炭素濃度をこのようにすることにより、より高いウェーハ強度と所望の酸素析出量に制御することができる。
【0036】
また、前記格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上であることが好ましい。
【0037】
また、前記空孔と炭素の拡散層の炭素濃度が、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上であることが好ましい。
【0038】
ウェーハのバルク部の炭素濃度をこれらのようにすることにより、より高いウェーハ強度と所望の酸素析出量に制御することができる。
【0039】
また、本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハは、前記炭素析出層の上に、さらに、3C-SiC単結晶層を有していてもよい。
【0040】
このように、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するウェーハは、ウェーハの表面に3C-SiC単結晶層を有しているため、炭素析出層において炭素濃度を容易に高濃度にすることができ、極めて高い強度を有するウェーハを提供することが可能となる。
【0041】
また、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの酸素濃度が11ppma以上であることが好ましい。
【0042】
このような酸素濃度であれば、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハにおける酸素析出がより容易になる。
【0043】
また、前記シリコン単結晶ウェーハがNv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるものであることが好ましい。
【0044】
このような欠陥領域のウェーハとすることにより、より酸素析出がしやすくなる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法であれば、RTA処理段階で、炭素と空孔を一緒に注入することにより、単結晶化した結晶位置の影響を受けず空孔の作用によって炭素の拡散係数を大きくすることができる。そのため、炭素を表面から均一に拡散することができ、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハとすることができる。その結果、高いウェーハ強度を得ることができる。本発明は炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面に3C-SiC単結晶層が形成されるので、その下の炭素析出層における炭素濃度を容易に高濃度にすることができ、高い強度を有するウェーハを提供することが可能となる。また、本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハは、表面側から、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するため、高いウェーハ強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法の一例を示すフロー図である。
図2】本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法におけるRTA処理の温度プロファイルの概略を示すグラフである。
図3】実施例における炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの炭素濃度分布をSIMSにより測定した結果を示すグラフである。
図4】比較例における炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの炭素濃度分布をSIMSにより測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
上記のように、最近のデバイス工程の低温化プロセスの進展により、シリコン単結晶ウェーハにおいてますます酸素析出がしにくくなっているため、このような低温デバイス工程においても所望の酸素析出量に制御できる技術が望まれていた。本発明者らは、ウェーハ強度を向上するためには、シリコン単結晶ウェーハに炭素を高濃度にドープする必要があることを見出した。また、本発明者らは、さらに、熱処理段階で炭素と空孔を一緒に注入することにより、単結晶化した結晶位置の影響を受けず空孔の作用によって炭素の拡散係数を大きくすることで酸素析出を均一に増速成長させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0048】
本発明は、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法であって、炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハを準備する工程と、前記シリコン単結晶ウェーハに対し、炭素原子含有化合物ガスを含む雰囲気において、第1のRTA処理を行う工程と、前記第1のRTA処理よりも高い温度で、前記第1のRTA処理に連続する第2のRTA処理を行う工程と、前記第2のRTA処理を行った後に、前記シリコン単結晶ウェーハを冷却する工程と、前記冷却を行った後に、第3のRTA処理を行う工程とを有し、これらの工程により、前記シリコン単結晶ウェーハを、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハに改質することを特徴とする。
【0049】
まず、図1(a)に示したように、炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハを準備する(工程a)。ここで準備するシリコン単結晶ウェーハは、チョクラルスキー法によって引き上げられたシリコン単結晶インゴットから作製されたシリコン単結晶ウェーハとすることが好ましい。また、本発明において「炭素ドープがされていない」とは、意図的に炭素をシリコン単結晶ウェーハに添加していないという意味であり、意図しない不可避的な不純物として炭素を含むシリコン単結晶ウェーハは「炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハ」に含まれる。
【0050】
ここで準備する炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハは、例えば、以下のようにして準備することができる。まず、チョクラルスキー法(CZ法)によって、シリコン単結晶インゴットを引き上げる。ここでは、Grown-in欠陥のないシリコン単結晶インゴットが引き上げ可能な引き上げ速度でシリコン単結晶インゴットを引き上げることが好ましい。次に、シリコン単結晶インゴットを、スライス、研削、研磨、エッチング等の公知の方法によりシリコン単結晶ウェーハに加工する(CW加工)。
【0051】
ここで準備するシリコン単結晶ウェーハの酸素濃度は、11ppma以上とすることが好ましい。この酸素濃度は引き上げ時の条件を調整することによって達成することができる。また、ここで準備するシリコン単結晶ウェーハは、Nv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるシリコン単結晶ウェーハとすることが好ましい。これらの欠陥領域かららなるシリコン単結晶ウェーハは、引き上げ時の条件、特に引上げ速度を調整することにより得ることができる。また、全面がNv領域からなるウェーハ、全面がNi領域からなるウェーハ、全面がV領域からなるウェーハであってもよいが、これらが混在するウェーハであってもよい。なお、チョクラルスキー法にて引き上げられたシリコン単結晶では、結晶製造工程において点欠陥(空孔、格子間シリコン)が導入され、これらが凝集してGrown-in欠陥を形成する領域(V領域、I領域)と、点欠陥が凝集していない完全結晶領域(N領域)等が存在する。また、N領域の中にも、点欠陥の凝集は起こっていないものの、空孔が優勢なNv領域と、格子間シリコンが優勢なNi領域とが存在する。
【0052】
次に、図1(b)に示したように、上記のように準備した炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハに対し、炭素原子含有化合物ガスを含む雰囲気において、第1のRTA処理を行う(工程b)。
【0053】
次に、図1(c)に示したように、第1のRTA処理よりも高い温度で、第1のRTA処理に連続する第2のRTA処理を行う(工程c)。
【0054】
第1及び第2のRTA処理における雰囲気を、炭化水素ガスを含むとともに、Ar又はHあるいはArとHの両方を含む混合雰囲気とすることが好ましい。このような雰囲気で熱処理することにより、より効果的に炭素と一緒に空孔を注入することができる。
【0055】
次に、図1(d)に示したように、第2のRTA処理を行った後に、シリコン単結晶ウェーハを冷却する(工程d)。冷却後の温度は通常のRTA処理における搬入・搬出温度と同様にしてよく、必ずしも室温まで冷却しなくてもよい。冷却後の温度は、例えば、700℃以下とすることができる。
【0056】
次に、図1(e)に示したように、冷却を行った後に、第3のRTA処理を行う(工程e)。このときの雰囲気は炭素原子含有化合物ガスを含む雰囲気に限定されず、例えば、Ar、Nでもよい。この第3のRTA処理により、ウェーハのバルク部の炭素濃度はこのときの熱処理温度の固溶度まで炭素を拡散させることができる。
【0057】
また、第3のRTA処理を、1回以上繰り返して行ってもよい。その場合、第3のRTA処理を行った後、一旦冷却し、再度第3のRTA処理を行うことを繰り返す。第3のRTA処理を繰り返すことにより、空孔と炭素を表面からより深く拡散させることができるので、第3のRTA処理を繰り返すことによりバルク部の炭素濃度を所望の値に制御することができる。
【0058】
第1のRTA処理、第2のRTA処理、及び第3のRTA処理について、RTA処理の温度プロファイルの概略を図2に示した。第1のRTA処理は、600℃以上850℃以下の温度で、5秒以上60秒以下の時間保持することで炭化水素ガスを炭化しないようにシリコン単結晶ウェーハ表面全体に付着させることが好ましい。また、第1のRTA処理に連続する第2のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することでシリコン単結晶ウェーハ表面に付着した炭素を3C-SiC単結晶層とすることが好ましい。また、冷却後の第3のRTA処理を、1100℃以上シリコン融点以下の温度で、10秒以上150秒以下の時間保持することで空孔と炭素を内方拡散させることが好ましい。このようなRTA処理の条件により、より効果的に炭素と一緒に空孔を注入することができる。
【0059】
第1のRTA処理(工程b)、第2のRTA処理(工程c)及び第3のRTA処理(工程e)により、シリコン単結晶ウェーハに対し、空孔を注入するとともに炭素をドープすることができる。また、本発明は、RTA処理段階で、炭素と空孔を一緒に注入することにより、単結晶化した結晶位置の影響を受けず空孔の作用によって炭素の拡散係数を大きくすることができる。その結果、炭素を表面から均一に拡散することができるとともに、シリコン単結晶ウェーハを、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハに改質することができる。本発明は炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面に3C-SiC単結晶層が形成されるので、表面の炭素濃度を容易に高濃度にすることができ、高い強度を有するウェーハを提供することが可能となる。
【0060】
また、本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法では、第3のRTA処理を行う工程(工程e)よりも後に、さらに、3C-SiC単結晶層を研磨除去する工程(工程f)を有することができる。
【0061】
上記のように第1、第2及び第3のRTA処理により3C-SiC単結晶層が形成されるので、これを除去することが好ましい。この工程は任意工程であるが、表面に形成された3C-SiC単結晶層を除去することで、デバイス作製時に改めて3C-SiC単結晶層を除去する必要がない。
【0062】
3C-SiC単結晶層を除去した後の炭素析出層の炭素濃度を、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmの範囲において、3×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。この場合、より高いウェーハ強度を得ることができる。
【0063】
また、3C-SiC単結晶層を除去した後の格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度を、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。また、3C-SiC単結晶層を除去した後の空孔と炭素の拡散層の炭素濃度を、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上に制御することが好ましい。
【0064】
このようなウェーハ厚さ方向の炭素濃度分布を制御した炭素の分布とできるのは、シリコン単結晶のダイヤモンド構造は隙間が多く、不純物を拡散させやすい構造であるためである。特に空孔優勢の状態では空孔の作用により炭素が極めて拡散しやすくなる。そのため、まず、第1のRTAにより、シリコン単結晶ウェーハの表面に炭素を均一に付着させる。特に、第1のRTA処理が600℃以上であれば炭素をウェーハ表面に付着しやすくなる。第1のRTA処理が850℃以下であれば、第1のRTA処理の段階におけるウェーハ表面の炭化を防止することができ、その後の第2のRTAで3C-SiC単結晶層を形成しやすくなる。その後の第2のRTAで、表面に3C-SiC単結晶層を形成する。また、第2のRTAで3C-SiC単結晶層を形成するためには、上記のように1100℃以上シリコン融点以下の温度で熱処理することが好ましい。このときの雰囲気ガスにおける炭素原子濃度は0.1%以上にすることが好ましい。また、上記のように、第1及び第2のRTA処理の雰囲気ガスを、炭化水素ガスを含むとともに、Ar又はHあるいはArとHの両方を含む混合雰囲気とすることにより、ウェーハ表面に炭化珪素の単結晶膜(3C-SiC単結晶層)が形成されやすい。
【0065】
このような本発明の炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの製造方法によって製造された炭素ドープシリコン単結晶ウェーハは、表面側から、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するものである。また、この炭素ドープシリコン単結晶ウェーハから3C-SiC単結晶層を除去することにより、表面側から、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有するものとすることができる。なお、3C-SiC単結晶層、炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層のそれぞれは、SIMSやTEM(透過型電子顕微鏡)によって判別することができる。
【0066】
この場合、炭素析出層の炭素濃度を、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μmの範囲において、3×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。また、格子間炭素とシリコンの拡散層の炭素濃度を、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から0.14μm超1μm以下の範囲において、1×1017atoms/cm以上に制御することが好ましい。また、空孔と炭素の拡散層の炭素濃度を、前記炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面から1μmより深い領域において、1×1016atoms/cm以上に制御することが好ましい。
【0067】
なお、本発明は、表面側から炭素析出層、格子間炭素とシリコンの拡散層、及び空孔と炭素の拡散層の順に有する炭素ドープシリコン単結晶ウェーハであればよい。炭素析出層の炭素濃度は、表面から0.14μmの範囲で3×1017atoms/cm以上の炭素濃度を満たすことが望ましいが、炭素析出層自体が表面から0.14μmの範囲全体全てを構成しているものでなくてもよい。例えば、炭素析出層自体は、表面から0.1μmまでの範囲であってもよく、この場合、炭素析出層全体で3×1017atoms/cm以上の炭素濃度であることが好ましい。
【0068】
同様に、格子間炭素とシリコンの拡散層は、炭素析出層よりもウェーハ内側に存在していればよく、表面から0.14μm超1μm以下の範囲でなくてもよい。例えば、格子間炭素とシリコンの拡散層自体は、ウェーハ表面から0.1μm超1.5μm以下の範囲に存在していてもよい。この場合、格子間炭素とシリコンの拡散層のうち表面から0.14μm超1μm以下の範囲で炭素濃度1×1017atoms/cm以上を満たすことが好ましい。また、空孔と炭素の拡散層は格子間炭素とシリコンの拡散層よりもウェーハ内側に存在していればよく、表面から1μmより深い領域でなくてもよい。例えば、空孔と炭素の拡散層は表面から1.5μmよりも深い範囲に存在していてもよい。この場合、空孔と炭素の拡散層において炭素濃度1×1016atoms/cm以上を満たすことが好ましい。
【0069】
また、炭素ドープシリコン単結晶ウェーハは、酸素濃度が11ppma以上であることが好ましく、Nv領域、Ni領域及びV領域のいずれかからなるものであることが好ましい。
【実施例
【0070】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これら実施例は本発明を限定するものではない。
【0071】
(実施例)
まず、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶インゴットを引き上げ、これをウェーハに加工することにより、炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハとして、直径200mm、結晶面(100)、P型、通常抵抗、酸素濃度12ppma(JEITA)、炭素濃度2.5×1015atoms/cm未満、結晶領域がNv領域のシリコン単結晶ウェーハを準備した(工程a)。
【0072】
次に、第1、第2及び第3のRTA処理を次のように行った。
【0073】
シリコン単結晶ウェーハをRTA処理装置に投入後、室温から800℃未満まで昇温した後、800℃で20秒保持した(工程b、第1のRTA)。このときの雰囲気はCH+H/Arで、2%炭素濃度とした。
【0074】
次に、1200℃まで昇温し、1200℃で10秒保持した(工程c、第2のRTA)。このときの雰囲気は第1のRTAから連続でCH+H/Arで、2%炭素濃度とした。その後室温まで降温した。
【0075】
次に、冷却(工程d)後、第3のRTA処理(工程e)を行った。この第3のRTA処理は、第2のRTA処理と同様の条件とした。
【0076】
次に、シリコン単結晶ウェーハの表面に形成された3C-SiC単結晶膜(約7nm)を除去した(工程f)。このとき、3C-SiC単結晶膜を確実に除去するため、取り代0.1μm狙いで研磨加工を行った。
【0077】
最後に、SIMS(二次イオン質量分析法)を用いて、製造した炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの炭素濃度の深さ分布を測定した。その結果を図3に示す。炭素ドープシリコン単結晶ウェーハの表面には炭素析出層が形成されており、表面から0.14μmの範囲の炭素濃度は3×1017atoms/cm以上であり、特に表面部は1×1021atoms/cmであった。また、炭素析出層よりもウェーハ内側には格子間炭素とシリコンの拡散層が形成されていた。この層の形成範囲は表面より0.14μm超1.5μm以下の範囲である。また、このうち、表面より0.14μm超1μm以下の範囲の炭素濃度は1×1017atoms/cm以上であった。また、格子間炭素とシリコンの拡散層よりもウェーハ内側には空孔と炭素の拡散層が形成されていた。この層の形成範囲は表面から1.5μmより深い範囲である。空孔と炭素の拡散層の炭素濃度は1×1016atoms/cm以上であり、3×1016atoms/cm程度であった。これは、1200℃の炭素固溶度に近い濃度である。なお、SIMSによる炭素濃度の検出下限は約7×1015atoms/cmである。
【0078】
(比較例)
まず、実施例と同様に、炭素ドープがされていないシリコン単結晶ウェーハとして、直径200mm、結晶面(100)、P型、通常抵抗、酸素濃度12ppma(JEITA)、炭素濃度2.5×1015atoms/cm未満、結晶領域がNv領域のシリコン単結晶ウェーハを準備した。
【0079】
次に、縦型熱処理炉を用いて炭素ドープ熱処理を行った。まず、縦型熱処理炉に750℃で投入した後1000℃まで10℃/minの昇温速度で昇温した。その後、1000℃から1200℃まで3℃/minの昇温速度で昇温し、1200℃で60分保持し、-3℃/minの降温速度で降温した。その後、700℃で縦型熱処理炉から取り出した。全熱処理工程のガス雰囲気は炭素1%濃度のCO+Arとした。
【0080】
最後に、熱処理したウェーハの表面酸化膜を除去して、SIMSの炭素プロファイルを評価した。その結果を図4に示す。ウェーハの表面から0.1μmの深さの範囲の炭素濃度は2×1016atoms/cmであり、深さ2μm付近の炭素濃度は固溶度に近付く3×1016atoms/cmとなり、バルク方向に炭素濃度が低減することが確認された。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
図1
図2
図3
図4