(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/10 20060101AFI20221206BHJP
C07D 498/10 20060101ALI20221206BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20221206BHJP
A61K 31/424 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221206BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
C07D487/10 CSP
C07D498/10 A
A61K31/407
A61K31/424
A61P25/04
A61P25/08
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/24
A61P25/28
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2019545593
(86)(22)【出願日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2018035827
(87)【国際公開番号】W WO2019065791
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2017190838
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 信
(72)【発明者】
【氏名】杉山 英之
(72)【発明者】
【氏名】中村 実
(72)【発明者】
【氏名】村上 正鷹
(72)【発明者】
【氏名】池田 周平
(72)【発明者】
【氏名】大川 友洋
(72)【発明者】
【氏名】徳原 秀和
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/021805(WO,A1)
【文献】特表2016-525092(JP,A)
【文献】特表2015-510938(JP,A)
【文献】国際公開第2017/087863(WO,A1)
【文献】PATEL, J. Z. et al.,Loratadine Analogues As MAGL Inhibitors,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,NL,2015年,Vol.25, No.7,pp.1436-1442
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/10
C07D 498/10
A61K 31/424
A61K 31/407
A61P 25/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
Aは、
(a)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC
1-6
アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC
6-14
アリールオキシ基、
(b)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC
1-6
アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC
6-14
アリールオキシ-C
1-6
アルキル基、
(c)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC
1-6
アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC
7-16
アラルキルオキシ基、および
(d)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC
1-6
アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC
7-16
アラルキルオキシ-C
1-6
アルキル基
から選択される1ないし3個の置換基で置換され、かつ1ないし3個のC
1-6
アルキル基でさらに置換されていてもよいC
3-10
シクロアルキル基を示し、
Lは、結合手また
はC
1-3アルキレン基を示し、
環Dは、
4または5員の含有窒素複素環を示し、
nは、1または2を示し、
Xは、-O-
または-CH
2
-を示し、
R
aおよびR
bは、
共に水素原
子を示す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
Aが、
(a) 3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基、および
(b) 3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換されたシクロブチル基であり;
Lが、結合手であり;
環Dが、アゼチジン環であり;
nが、1であり;
Xが、-O-であり;かつ
R
aおよびR
bが、共に水素原子である、
請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
【請求項4】
cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
【請求項5】
cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
【請求項6】
請求項1記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
【請求項7】
モノアシルグリセロールリパーゼ阻害剤である、請求項
6記載の医薬。
【請求項8】
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療剤である、請求項
6記載の医薬。
【請求項9】
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療に使用するための、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアシルグリセロールリパーゼ(本明細書中「MAGL」と略記する場合がある)阻害作用を有する複素環化合物、それらを含有する医薬などに関する。
【0002】
(発明の背景)
アラキドン酸(本明細書中「AA」と略記する場合がある)、およびその生体内産生物であるエイコサノイド類は、中枢および末梢において炎症を惹起することが報告されている[非特許文献1:サイエンス(Science)、294巻、1871-1875頁、2001年]。アラキドン酸生成経路、およびエイコサノイド類生成経路を抑制する阻害剤は、炎症性の疾患に対する治療薬として有望であり、シクロオキシゲナーゼ阻害薬等の非ステロイド抗炎症薬が炎症性疼痛治療薬として用いられている。しかし、シクロオキシゲナーゼ阻害薬を長期間使用すると、副作用として消化管障害が生じることがあり、問題となっている。また最近になって心筋梗塞や脳梗塞など心循環器系の副作用も問題点になっている。
【0003】
グリア細胞の活性化を伴う脳内炎症は神経変性疾患(例:アルツハイマー病等)に特徴的な病理学的な変化であることが示唆されている[非特許文献2:モレキュラー ニューロバイオロジー(Mol. Neurobiol)、41巻、115-128頁、2010年]。アルツハイマー病の病理的特徴であるタウ過剰発現動物モデル(ヒト変異型タウトランスジェニックマウス等)において抗炎症薬がグリア細胞の活性化を抑制し、神経変性進展を抑制することが報告されている[非特許文献3:ニューロン(Neuron)、53巻、337-351頁、2007年]。また、アルツハイマー病等の神経変性疾患に対して脳内炎症の抑制による治療の有効性が示唆されており[非特許文献4:ネイチャー レビューズ ニューロロジー(Nat.Rev.Neurol.)、6巻、193-201頁、2010年]、脳内炎症を抑制する治療薬は、神経変性疾患の治療薬や予防薬として有望である。
【0004】
モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)はモノアシルグリセロールを脂肪酸とグリセロールに加水分解する酵素である。中枢神経系においてMAGLは2-アラキドノイルグリセロール(2-arachidonoylglycerol、本明細書中では2-AGとも称される)を基質とし、アラキドン酸とグリセロールに分解する[非特許文献5:ケミストリー アンド フィジクス オブ リピッド(Chem phys Lipids)121巻、149-158頁、2002年]。近年、MAGL欠損マウスとアミロイドβ(本明細書中ではAβとも称される)過剰発現動物モデル(APP/PS1ダブルトランスジェニックマウス等)の交配動物において、アラキドン酸およびエイコサノイド類の生成抑制、グリア細胞の活性化抑制、炎症性サイトカイン産生抑制、および、アルツハイマー病の病理的所見であるAβプラークの蓄積減少作用が報告されており[非特許文献6:セル リポート(Cell Rep.)、1巻、617-623頁、2012年]、MAGLの作用を抑制する阻害剤等は、アルツハイマー病の治療薬や予防薬として有望である。
【0005】
加えて、MAGLの基質である2-AGの受容体としてカンナビノイド受容体1(本明細書中ではCB1とも称される)、およびカンナビノイド受容体2(本明細書中ではCB2とも称される)が同定されている[非特許文献7:バイオケミカル ファーマコロジー(Biochem. Pharmcol.)50巻、83-90、1995年]。CB1は主に脳領域[非特許文献8:モレキュラー ファーマコロジー(Mol.Pharmacol.)、34巻、605-613頁、1988年]、CB2は免疫細胞、脳領域においてはミクログリア細胞に発現している[非特許文献9:ニューロサイエンス レター(Neurosci. Lett.)、396巻、113-116頁、2006年]。近年になり、CB1受容体アゴニストが認知機能を改善すること[非特許文献10:ジャーナル オブ アルツハイマーズ ディジーズ(J.Alzheimers.Dis.)、30巻、439-459頁、2012年]、またMAGLの基質である2-AGがAβによる神経細胞死に対して保護作用を示すことが報告されている[非特許文献11:ニューロサイエンス(Neuroscience)、178巻、159-168頁、2011年]。従って、2-AGの分解を抑制するMAGL阻害薬は、アルツハイマー病で認められる脳内炎症、神経細胞死、Aβ蓄積などを抑制し、症状改善のみならず進展抑制作用を有する治療薬または予防薬として有望である。
【0006】
神経変性疾患の一つであるパーキンソン病は、中脳黒質ドーパミン性神経細胞の変性により運動障害が生じる疾患であり、グリア細胞の活性化が報告されている[非特許文献12:アナルズ オブ ニューロロジー(Ann. Neurol.)57巻、168-175頁、2005年]。1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)により中脳黒質ドーパミン性神経細胞死が誘発されることが知られているが、MAGL欠損マウスでは神経細胞死に対する保護作用を示すことが報告されている[非特許文献13:サイエンス(Science)、334巻、809-813頁、2011年]。従って、MAGLの作用を抑制する阻害剤等は、パーキンソン病の新たな治療薬として有望である。
【0007】
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、本明細書中ではALSとも称される)は運動ニューロンの変性をきたす疾患であり、現在のところ有効な治療法はない。ALSにおいてグリア細胞の活性化が報告されている[非特許文献14:ニューロバイオロジー オブ ディジーズ(Neurobiol. Dis.)15巻、601-609頁、2004年]。また、ALSのモデル動物である変異スーパーオキシドジスムターゼ過剰発現マウスにおいて、CB2の活性化が病状進展を抑制することが報告されている[非特許文献15:ヨーロピアン ジャーナル オブ ファーマコロジー(Eur.J.Pharmacol.)、542巻、100-105頁、2006年]。加えて、MAGL欠損マウスでは、MAGLの生体内産生物であるアラキドン酸を低下させることにより脳内炎症を抑制することが報告されている[非特許文献13:サイエンス(Science)、334巻、809-813頁、2011年]。従って、MAGL阻害薬はALSの新たな治療薬として有望である。
【0008】
神経変性疾患の一つであるハンチントン病はポリグルタミン凝集による神経細胞死及び脳内炎症により、神経機能が失われる疾患である。ハンチントン病のモデル動物であるR6/2マウスにおいて、CB2の活性化が脳内炎症を抑制すること、および神経保護作用を有することが報告されている[非特許文献16:ブレイン(Brain)、132巻、3152-3164頁、2009年]。加えて、MAGL欠損マウスではMAGLの生成物であるアラキドン酸を低下させることにより脳内炎症を抑制することが報告されている[非特許文献13:サイエンス(Science)、334巻、809-813頁、2011年]。従って、MAGL阻害薬はハンチントン病の新たな治療薬として有望である。
【0009】
中枢性脱髄疾患の一つである多発性硬化症のモデル動物である自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいて、MAGLの基質である2-AGが病状進展を抑制することが報告されている[非特許文献17:ブレイン リサーチ(Brain Res.)、1390巻、126-141頁、2011年]。加えて、MAGL欠損マウスではMAGLの生成物であるアラキドン酸を低下させることにより脳内炎症を抑制することが報告されている[非特許文献13:サイエンス(Science)、334巻、809-813頁、2011年]。従って、MAGL阻害薬は、多発性硬化症の新たな治療薬として有望である。
【0010】
外傷性脳損傷(TBI)は、個人の健康に極めて有害な影響を及ぼす状態であり、現在のところ有効な治療法はない。非開放性頭部損傷モデル動物においてMAGLの基質である2-AGが神経細胞死に対して保護作用を有することが報告されている[非特許文献18:ネイチャー(Nature)、413巻、527-531頁、2001年]。従って、MAGL阻害薬は、外傷性脳損傷の新たな治療薬または予防薬として有望である。
【0011】
緑内障は失明の最も多い原因であり、大きな社会問題として考えられている。MAGLの基質である2-AGが眼内灌流モデルで房水流出を賦活することが報告されている[非特許文献19:エクスペリメンタル アイ リサーチ(Exp.Eye Res.)、87巻、106-114頁、2008年]。従って、MAGL阻害薬は、緑内障の新たな治療薬および予防薬として有望である。
【0012】
不安障害は頻度の高い精神疾患であり、生活の質に大きな影響を与える。不安障害の有効な試験系である高架式十字迷路試験において、MAGLの基質である2-AGが抗不安作用を示すことが報告されている[非特許文献20:ビヘービラル ブレイン リサーチ(Behav. Brain Res.)、252巻、10-17頁、2013年]。従って、MAGL阻害薬は、不安障害の新たな治療薬として有望である。
【0013】
MAGLの基質である2-AGは、ホルマリン試験において抗侵害効果を有することが報告されている[非特許文献21:ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)、150巻、693-701頁、2007年]。加えて、2-AGは癌性疼痛モデルである機械的痛覚過敏試験において効果を有することが報告されている[非特許文献22:ファーマコロジカル リサーチ(Pharmacol. Res.)、64巻、60-67頁、2011年]。従って、MAGL阻害薬は炎症性疼痛、および神経性疼痛の新たな治療薬として有望である。
【0014】
てんかんは日常生活に大きな影響を与える。側頭葉てんかん患者の海馬において脳内炎症が惹起しており、グリア細胞の活性化を伴う脳内炎症は痙攣発作に関与することが知られている[非特許文献23:ネイチャー メディシン(Nature Med.)、16巻、413-419頁、2010年]。MAGLの基質である2-AGは急性痙攣モデルであるペンチレンテトラゾール(Pentylenetetrazole)誘発痙攣発作に対して抑制作用を有する[非特許文献24:ニューロケミカル リサーチ(Neurochem. Res.)、36巻、1520-1525頁、2011年]。従って、MAGL阻害薬はてんかんの新たな治療薬として有望である。
【0015】
うつ病は現代社会において頻度の高い精神疾患であり、生活の質に大きな影響を与える。MAGLの基質である2-AGがうつ病の有効な試験系である慢性ストレスモデルで抗うつ作用を有することが報告されている[非特許文献25:ニューロサイコファーマコロジー(Neuropsychopharmacology)、39巻、1763-1776頁、2014年]。従って、MAGL阻害薬はうつ病の新たな治療薬として有望である。
【0016】
片頭痛は現代社会において頻度の高い疾患であり、生活の質に大きな影響を与える。片頭痛の発症要因のひとつに脳内炎症がある。CB2の活性化が片頭痛の有効な試験系であるニトログリセリン投与ラットで鎮痛作用を有することが報告されている[非特許文献26:ジャーナル オブ へダック アンド ペイン(Journal of Headache and Pain)、15巻、14号、2014年]。従って、MAGL阻害薬は片頭痛の新たな治療薬として有望である。
【0017】
脳浮腫は種々の脳疾患で合併して発症する疾患である。脳浮腫の一因として血液脳関門の破綻がある。アラキドン酸およびエイコサノイド類が血液脳関門を破綻させることが知られている[非特許文献27:ブレイン リサーチ(Brain Research)、1298巻、13-23頁、2009年]。MAGLの作用を抑制する阻害剤はMAGLにより生成されるアラキドン酸の産生を低下させる。従って、MAGL阻害薬は脳浮腫の新たな治療薬として有望である。
【0018】
脳虚血は脳梗塞発症の一因である。MAGLの基質である2-AGが脳虚血の有効な試験系で脳保護作用を有することが報告されている[非特許文献28:ブレイン リサーチ(Brain Research)、1474巻、91-99頁、2012年]。従って、MAGL阻害薬は脳虚血の新たな治療薬として有望である。
【0019】
複素環化合物として、以下の化合物が知られている。
特許文献1には、下記式(I):
【0020】
【0021】
[式中、各記号は特許文献1で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、痛み等の治療に有用であることが記載されている。
特許文献2には、下記式(I):
【0022】
【0023】
[式中、各記号は特許文献2で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、痛み等の治療に有用であることが記載されている。
特許文献3には、下記式(I):
【0024】
【0025】
[式中、各記号は特許文献3で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、痛み等の治療に有用であることが記載されている。
特許文献4には、下記式(I):
【0026】
【0027】
[式中、各記号は特許文献4で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、痛み等の治療に有用であることが記載されている。
特許文献5には、下記式:
【0028】
【0029】
[式中、各記号は特許文献5で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬として有用であることが記載されている。
特許文献6には、下記式:
【0030】
【0031】
[式中、各記号は特許文献6で定義される通りである。]および下記式:
【0032】
【0033】
[式中、各記号は特許文献6で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬として有用であることが記載されている。
特許文献7には、下記式:
【0034】
【0035】
[式中、各記号は特許文献7で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬として有用であることが記載されている。
特許文献8には、下記式(I):
【0036】
【0037】
[式中、各記号は特許文献8で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、代謝疾患(肥満、糖尿病)の治療、改善または予防に有用であることが記載されている。
特許文献9には、下記式(I):
【0038】
【0039】
[式中、各記号は特許文献9で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、代謝疾患(肥満、糖尿病)の治療、改善または予防に有用であることが記載されている。
【0040】
特許文献10には、下記式(I):
【0041】
【0042】
[式中、各記号は特許文献10で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、神経変性疾患、不安障害、疼痛、てんかんの治療、改善または予防に有用であることが記載されている。
特許文献11には、下記式(I):
【0043】
【0044】
[式中、各記号は特許文献11で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療に有用であることが記載されている。
特許文献12には、下記式(I):
【0045】
【0046】
[式中、各記号は特許文献12で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療に有用であることが記載されている。
特許文献13には、下記式(I):
【0047】
【0048】
[式中、各記号は特許文献13で定義される通りである。]
で表される化合物が、MAGL阻害薬であって、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療に有用であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【文献】国際公開第2010/124122号
【文献】国際公開第2010/124082号
【文献】国際公開第2010/124086号
【文献】国際公開第2010/124121号
【文献】国際公開第2012/030907号
【文献】国際公開第2012/044613号
【文献】国際公開第2012/054716号
【文献】国際公開第2013/049289号
【文献】国際公開第2013/049293号
【文献】国際公開第2015/099196号
【文献】国際公開第2016/158956号
【文献】国際公開第2017/171100号
【文献】国際公開第2017/170830号
【非特許文献】
【0050】
【文献】サイエンス(Science)、294巻、1871-1875頁、2001年
【文献】モレキュラー ニューロバイオロジー(Mol. Neurobiol)、41巻、115-128頁、2010年
【文献】ニューロン(Neuron)、53巻、337-351頁、2007年
【文献】ネイチャー レビューズ ニューロロジー(Nat.Rev.Neurol.)、6巻、193-201頁、2010年
【文献】ケミストリー アンド フィジクス オブ リピッド(Chem phys Lipids)121巻、149-158頁、2002年
【文献】セル リポート(Cell Rep.)、1巻、617-623頁、2012年
【文献】バイオケミカル ファーマコロジー(Biochem. Pharmcol.)50巻、83-90、1995年
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【文献】ニューロサイエンス レター(Neurosci. Lett.)、396巻、113-116頁、2006年
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【文献】ブレイン リサーチ(Brain Research)、1474巻、91-99頁、2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0051】
本発明の目的は、MAGL阻害作用を有し、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療剤として有用であると期待される化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記式(I)で表わされる化合物が、MAGL阻害作用を有し、従って、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療剤として有用であることが期待されることを見出し、本発明を完成した。
【0053】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 式(I):
【0054】
【0055】
[式中、
Aは、置換されていてもよい飽和環状基を示し、
Lは、結合手またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキレン基を示し、
環Dは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい環を示し、
nは、1または2を示し、
Xは、-O-、-CR1R2-または-NR3-、を示し、
RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基を示し、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を示す。]
で表される化合物またはその塩(以下、化合物(I)ともいう)。
【0056】
[2] Aが、
(a)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基、
(b)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基、
(c)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基、および
(d)(i) ハロゲン原子、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基
から選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基
から選択される1ないし3個の置換基で置換され、かつ1ないし3個のC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基であり;
Lが、結合手またはC1-3アルキレン基であり;
環Dが、4または5員の含有窒素複素環であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CH2-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である、
上記[1]記載の化合物またはその塩。
【0057】
[3] Aが、
(a) 3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基、および
(b) 3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換されたシクロブチル基であり;
Lが、結合手であり;
環Dが、アゼチジン環であり;
nが、1であり;
Xが、-O-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である、
上記[1]記載の化合物またはその塩。
【0058】
[4] cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
[5] cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
[6] cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラートまたはその塩。
【0059】
[7] 上記[1]に記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
[8] モノアシルグリセロールリパーゼ阻害剤である、上記[7]記載の医薬。
[9] アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療剤である、上記[7]記載の医薬。
【0060】
[10] 上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるモノアシルグリセロールリパーゼ阻害方法。
[11] 上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療方法。
【0061】
[12] アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療に使用するための、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[13] アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病の予防または治療剤を製造するための、上記[1]記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、優れたMAGL阻害作用を有し、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療剤として有用であると期待される化合物を提供できる。
【0063】
(発明の詳細な説明)
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0064】
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2―ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6-トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、4-メチル-2-ペンチニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC3-10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC3-10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール基」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
【0065】
本明細書中、「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4-トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、3-メチルブタノイル、2-メチルブタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル-カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシ-カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール-カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル-カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0066】
本明細書中、「モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニルが挙げられる。
【0067】
本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基が挙げられる。
【0068】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、
(7)C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(13)C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6-14アリール-カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基、
(26)C6-14アリール-カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C1-6アルコキシ-カルボニル基、
(30)C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、
(35)C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、
(39)C6-14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル基、
(42)C6-14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(46)モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1-6アルキル-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、
(52)C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7-16アラルキルオキシ-カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、
(58)C2-6アルケニル基、
(59)C2-6アルキニル基、
(60)C3-10シクロアルキル基、
(61)C3-10シクロアルケニル基、及び
(62)C6-14アリール基。
【0069】
「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0070】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0071】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
【0072】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0073】
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素-スルホニル基、複素環-スルホニル基、炭化水素-スルフィニル基、複素環-スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素-スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環-スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素-スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環-スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1-6アルキル-カルボニル基、C2-6アルケニル-カルボニル基(例、クロトノイル)、C3-10シクロアルキル-カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例、2-シクロヘキセンカルボニル)、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ-またはジ-C1-6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0074】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ-またはジ-C2-6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ-またはジ-3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、(C1-6アルキル)(C6-14アリール-カルボニル)アミノ基(例、N-ベンゾイル-N-メチルアミノ)が挙げられる。
【0075】
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
【0076】
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
【0077】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
【0078】
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ)、C3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、tert-ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
【0079】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(-SH)基、C1-6アルキルチオ基、C2-6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、3-ヘキセニルチオ)、C3-10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7-16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1-6アルキル-カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6-14アリール-カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
【0080】
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基およびC7-16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ-C1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
【0081】
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0082】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の好適な例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5ないし6員単環式芳香族複素環;
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3-b]チオフェン、フェノキサチイン、インド-ル、イソインドール、1H-インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β-カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0083】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の好適な例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン、アゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;
ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3-b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H-キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ-β-カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
【0084】
以下に、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
【0085】
Aは、置換されていてもよい飽和環状基を示す。
Aで示される「置換されていてもよい飽和環状基」の「飽和環状基」としては、C3-10シクロアルキル基および飽和複素環基が挙げられる。当該「飽和複素環基」としては、「非芳香族複素環基」のうち、飽和のものが挙げられ、具体的には、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゾカニル、ジアゾカニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニルなどの3ないし8員の飽和単環式非芳香族複素環基が挙げられる。
【0086】
Aで示される「置換されていてもよい飽和環状基」の「飽和環状基」は、好ましくは、C3-10シクロアルキル基であり、より好ましくは、C3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)であり、さらに好ましくは、シクロブチル基またはシクロヘキシル基であり、特に好ましくは、シクロブチル基である。
【0087】
Aで示される「置換されていてもよい飽和環状基」の「飽和環状基」は、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基で置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、当該置換基群Aは、さらに置換基群Aから選ばれる置換基で置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0088】
好適な置換基としては、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(d) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))、および
(e) C1-6アルキル基(例、メチル)
が挙げられる。
より好適な置換基としては、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、および
(c) C1-6アルキル基(例、メチル)
が挙げられる。
特に好適な置換基としては、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、および
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))
が挙げられる。
【0089】
「置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基」、「置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基」、「置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基」および「置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基」の好適な置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)およびハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)が挙げられる。
【0090】
Aは、好ましくは、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)、特に好ましくはシクロブチル)である。
【0091】
Aは、より好ましくは、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、および
(d) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ
(e) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)、特に好ましくはシクロブチル)である。
【0092】
Aは、さらに好ましくは、
(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、および
(d)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)、特に好ましくはシクロブチル)である。
【0093】
Aは、さらに好ましくは、
(1)(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシメチル基、
(c)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいベンジルオキシ基、および
(d)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいベンジルオキシメチル基
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいシクロブチル基、または
(2)(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換されたシクロヘキシル基
である。
【0094】
Aは、さらにより好ましくは、
(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される2または3個の置換基で置換されたフェノキシ基、および
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される2または3個の置換基で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいシクロブチル基である。
【0095】
Aは、特に好ましくは、
(a) 3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェノキシ基 、および
(b) 3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換されたシクロブチル基である。
【0096】
別の実施態様として、Aが、置換されたシクロブチル基のとき、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、および
(d) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))
から選択される1個の置換基Yは、以下の部分構造で示されるように、シクロブタン環の3位に置換することが好ましい。
【0097】
【0098】
この場合、当該シクロブチル基は、
(e) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよい。
上記部分構造は、好ましくは
【0099】
【0100】
である。
【0101】
Lは、結合手またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキレン基を示す。
【0102】
Lで示される「置換されていてもよいC1-3アルキレン基」の「C1-3アルキレン基」としては、例えば、-CH2-、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH(C2H5)-、-CH2-CH(CH3)-、-CH(CH3)-CH2-等が挙げられる。
【0103】
Lは、好ましくは、結合手またはC1-3アルキレン基(例、-CH2-)である。
Lは、好ましくは、結合手である。
【0104】
環Dは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい環を示す。
【0105】
環Dで示される「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい環」の「環」としては、4または5員の含有窒素複素環等が挙げられる。当該「4または5員の含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有する、4または5員のものが挙げられ、具体的には、アゼチジン、ピロリジン等が挙げられる。
【0106】
環Dで示される「ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい環」の「環」は、好ましくは、4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)であり、より好ましくは、アゼチジン環またはピロリジン環であり、特に好ましくは、アゼチジン環である。
【0107】
環Dは、好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)である。
環Dは、より好ましくは、4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)である。
環Dは、さらに好ましくは、アゼチジン環またはピロリジン環である。
環Dは、特に好ましくは、アゼチジン環である。
【0108】
nは、1または2を示す。
nは、好ましくは、1である。
【0109】
Xは、-O-、-CR1R2-または-NR3-を示す。
R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を示す。ここで、「置換基」としては、置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
【0110】
Xは、好ましくは、-O-または-CR1R2-である。
R1およびR2は、好ましくは、共に水素原子である。
Xは、より好ましくは、-O-または-CH2-である。
Xは、さらに好ましくは、-O-である。
【0111】
RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基を示す。
RaおよびRbは、好ましくは、共に水素原子である。
【0112】
環D、n、X、RaおよびRbの組み合わせとしては、
好ましくは、
環Dが、4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CH2-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子であり、
より好ましくは、
環Dが、アゼチジン環またはピロリジン環であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CH2-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子であり、
特に好ましくは、
環Dが、アゼチジン環であり;
nが、1であり;
Xが、-O-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である。
【0113】
化合物(I)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0114】
[化合物A]
Aが、
(a) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b) 置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、および
(d) 置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ
(e) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)、特に好ましくはシクロブチル)であり;
Lが、結合手またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキレン基であり;
環Dが、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基でさらに置換されていてもよい4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CR1R2-であり;
R1およびR2が、それぞれ独立して、水素原子または置換基であり;かつ
RaおよびRbが、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基である;
化合物(I)。
【0115】
[化合物B]
Aが、
(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC6-14アリールオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC6-14アリールオキシメチル基(例、フェノキシメチル))、
(c)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、および
(d)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいC7-16アラルキルオキシ-C1-6アルキル基(好ましくはC7-16アラルキルオキシメチル基(例、ベンジルオキシメチル))
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基(例、シクロブチル、シクロヘキシル)、特に好ましくはシクロブチル)であり;
Lが、結合手またはC1-3アルキレン基(例、-CH2-)であり;
環Dが、4または5員の含有窒素複素環(例、アゼチジン、ピロリジン)であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CH2-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である;
化合物(I)。
【0116】
[化合物C]
Aが、
(1)(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシメチル基、
(c)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいベンジルオキシ基、および
(d)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいベンジルオキシメチル基
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいシクロブチル基、または
(2)(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、および
(ii) ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基(例、トリフルオロメチル)
から選択される1ないし4個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは2または3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基、
から選択される1ないし3個(好ましくは1個)の置換基で置換されたシクロヘキシル基
であり;
Lが、結合手またはC1-3アルキレン基(例、-CH2-)であり;
環Dが、アゼチジン環またはピロリジン環であり;
nが、1または2であり;
Xが、-O-または-CH2-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である;
化合物(I)。
【0117】
[化合物D]
Aが、
(a)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される2または3個の置換基で置換されたフェノキシ基、および
(b)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(ii) C1-6アルキル基(例、メチル)
から選択される2または3個の置換基で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換され、かつ1ないし3個(好ましくは1個)のC1-6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいシクロブチル基であり;
Lが、結合手であり;
環Dが、アゼチジン環であり;
nが、1であり;
Xが、-O-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である;
化合物(I)。
【0118】
[化合物E]
Aが、
(a) 3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェノキシ基、および
(b) 3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェノキシメチル基
から選択される1個の置換基で置換されたシクロブチル基であり;
Lが、結合手であり;
環Dが、アゼチジン環であり;
nが、1であり;
Xが、-O-であり;かつ
RaおよびRbが、共に水素原子である;
化合物(I)。
【0119】
化合物(I)の具体例としては、例えば、実施例1~64の化合物が挙げられる。
なかでも、
cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(実施例16)またはその塩;
cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(実施例18)またはその塩;および
cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(実施例46)またはその塩が好ましい。
【0120】
化合物(I)が塩である場合、このような塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性、または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩など、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられる。
化合物(I)が、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体などの異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。さらに、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物など)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
同位元素(例、2H,3H,11C,14C,18F,35S,125Iなど)などで標識、または置換された化合物も、化合物(I)に包含される。同位元素で標識または置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography,PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用であることが期待される。
【0121】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
【0122】
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物の塩と同様のものなどが挙げられる。
【0123】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
【0124】
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
【0125】
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0126】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分~48時間、好ましくは10分~8時間である。
【0127】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常-78℃~300℃、好ましくは-78℃~150℃である。
【0128】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常1気圧~20気圧、好ましくは1気圧~3気圧である。
【0129】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製InitiatorなどのMicrowave合成装置を用いることがある。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温~300℃、好ましくは50℃~250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分~48時間、好ましくは1分~8時間である。
【0130】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量~20当量、好ましくは0.8当量~5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量~1当量、好ましくは0.01当量~0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0131】
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert-ブチルアルコール、2-メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0132】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n-ブチルリチウムなど。
【0133】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p-トルエンスルホン酸、10-カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0134】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻~19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻~15巻(日本化学会編);精密有機化学 改訂第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I~VII(John Wiley & Sons Inc.);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1~Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0135】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Wiley-Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、tert-ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;tert-ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基などが挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;1,3-ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;1,3-ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O-メチルオキシムなどのオキシム型保護基;N,N-ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;N,N-ジメチルアミドなどのアミド型保護基などが挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;チオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N-トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基、メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0136】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸;トリエチルシランなどが挙げられる。炭素-炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム-カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法がある。
【0137】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m-クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N-ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化セレン;2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0138】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4-4’-アゾビス-4-シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2-テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0139】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、自体公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0140】
各工程において、Horner-Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;アルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0141】
各工程において、Friedel-Crafts反応を行う場合、使用される試薬としては、ルイス酸と酸クロリドとの組み合せ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)との組み合わせが挙げられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0142】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、有機塩基類など)が用いられる。
【0143】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4-付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0144】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;メチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0145】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0146】
各工程において、Vilsmeier-Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N-ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0147】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類をアジド化する場合、ジフェニルホスホリルアジドと1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などがある。
【0148】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア、メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0149】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0150】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル体;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロライド-n-ハイドレート(DMT-MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1-カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);ヨウ化2-クロロ-1-メチル-ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸低級アルキル;O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);硫酸;あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤をさらに反応に加えてもよい。
【0151】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、無機塩基類などが挙げられる。
【0152】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられるが、五硫化二リンの他に、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson試薬)などの1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド構造を持つ試薬を用いてもよい。
【0153】
各工程において、ハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N-ヨードコハク酸イミド、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)、N-クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応に加えることで、反応を加速させることができる。
【0154】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸と無機酸の酸ハロゲン化物、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などとの作用により、アルコールからハロゲン化アルキル体を得る方法を用いてもよい。あるいは、アルコールをスルホン酸エステルに変換の後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させるような2段階の反応を経てハロゲン化アルキル体を合成する方法を用いてもよい。
【0155】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;トリエチルホスファイトやトリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0156】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニル無水物、p-トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0157】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、tert-ブチルエステルの酸加水分解反応を行う場合、副生するtert-ブチルカチオンを還元的にトラップするためにギ酸やトリエチルシランなどを加えることがある。
【0158】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
【0159】
各工程において、カルボニル化反応を行う場合、使用される試薬としては、トリホスゲン、1,1’-カルボニルビス-1H-イミダゾール、ジホスゲン、クロロギ酸フェニルなどが挙げられる。
【0160】
化合物(I)は、以下に示す製造法に従い合成することができる。反応式中の各一般式における略号は、特に記載の無い限り、それぞれ上記と同義である。P1は「アミノ基の保護基」を示す。「アミノ基の保護基」としては、前述で例示したアミノ基の保護基に加え、tert-ブトキシカルボニル基などが挙げられる。R4は置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル)を示す。
【0161】
化合物(I)は、化合物(2)と化合物(3)のカルボニル化反応により製造することができる。
【0162】
【0163】
また、さらに所望により、脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、光延反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応、ハロゲン化反応、置換基交換反応、カップリング反応、カルボアニオンによる求核付加反応、Grignard反応、脱酸素的フッ素化反応などを各々、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより化合物(I)を製造することができる。
【0164】
反応式1において用いられる化合物(3)のうち、Xが-O-である化合物(3-1)は、化合物(4)より以下の方法で製造することができる。
【0165】
【0166】
化合物(5)は、化合物(4)の求核置換反応により製造することができる。求核剤としては、亜硝酸ナトリウムなどが挙げられる。
化合物(7)は、塩基存在下、化合物(5)と化合物(6)のアルドール反応により製造することができる。塩基としては、トリエチルアミンなどが挙げられる。
化合物(8)は、化合物(7)の還元反応により製造することができる。
化合物(9)は、塩基存在下、化合物(8)のカルボニル化反応による環化反応により製造することができる。塩基としては、トリエチルアミンなどが用いられる。
化合物(3-1)は、化合物(9)の脱保護反応により製造することができる。
【0167】
反応式1において用いられる化合物(3)のうち、Xが-CH2-である化合物(3-2)は、化合物(5)より以下の方法で製造することができる。
【0168】
【0169】
化合物(11)は、塩基存在下、化合物(5)と化合物(10)のMichael付加反応により製造することができる。塩基としては、DBU、炭酸カリウム等が用いられる。
化合物(12)は、化合物(11)の還元反応により製造することができる。反応条件としては、水素化ホウ素ナトリウムと塩化ニッケル(II)六水和物の併用、または、水素雰囲気下でのラネーニッケルの使用などが挙げられる。
化合物(13)は、塩基存在下、化合物(12)の環化反応により製造することができる。塩基としては、炭酸カリウムなどが挙げられる。
化合物(3-2)は化合物(13)の脱保護反応により製造することができる。
【0170】
反応式1において用いられる化合物(3)のうち、Xが-NR3-である化合物(3-3)は、化合物(7)より以下の方法で製造することができる。R5はメチル、p-メチルフェニル、またはトリフルオロメチルを示す。
【0171】
【0172】
化合物(14)は、塩基存在下、化合物(7)のスルホン酸エステル化により製造することができる。塩基としてはトリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
化合物(16)は、化合物(7)と化合物(15)を用いた光延反応により製造することができる。化合物(16)は、塩基存在下、化合物(14)と化合物(15)を用いたアルキル化反応によっても製造することができる。塩基としては上述の有機塩基類、無機塩基類、金属アルコキシド類、アルカリ金属水素化物類、金属アミド類が挙げられる。
化合物(18)は、塩基存在下、化合物(14)と化合物(17)を用いたアルキル化反応により製造することができる。塩基としては上述のアルキル化反応の塩基が挙げられる。化合物(18)は、求核剤と塩基存在下、化合物(16)を脱保護反応に付すことによっても製造することができる。用いる求核剤としてはチオグリコール酸、チオフェノールなどが挙げられる。塩基としてはトリエチルアミン、水酸化リチウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
化合物(20)は化合物(19)の環化反応により製造することができる。環化反応は塩基を用いてもよく、用いる塩基としてはトリエチルアミンなどが挙げられる。
【0173】
前記した各製造法で原料として用いられる化合物(2)、(4)、(6)、(10)、(15)および(17)は、市販品として入手できるか、あるいは、自体公知の方法に従って製造することができる。
【0174】
化合物(I)の原料化合物および/または製造中間体は、塩を形成していてもよく、反応が達成される限り特に限定されないが、例えば、化合物(I)などが形成していてもよい塩と同様の塩などが用いられる。
化合物(I)の配置異性体(E,Z体)については異性化が生じた時点で、例えば、抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することができ、純粋な化合物を製造することができる。また、新実験化学講座14(日本化学会編)、第251ないし253頁、第4版実験化学講座19(日本化学会編)、第273ないし274頁記載の方法およびそれに準じる方法に従って、加熱、酸触媒、遷移金属錯体、金属触媒、ラジカル種触媒、光照射あるいは強塩基触媒などにより二重結合の異性化を進行させ、対応する純粋な異性体を得ることもできる。
【0175】
なお、化合物(I)は置換基の種類如何によっては立体異性体が生ずるが、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合も本発明に含まれる。
化合物(I)は水和物であっても非水和物であってもよい。
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体または他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(I)は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィーなどにより反応溶液から単離、精製することができる。
なお、化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマーなどとして存在する場合には、所望により、前記分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0176】
このようにして得られる化合物(I)、その他の反応中間体およびその原料化合物は、反応混合物から自体公知の方法、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、分取用高速液体クロマトグラフィー(分取用HPLC)、中圧分取液体クロマトグラフィー(中圧分取LC)などの手段を用いることによって、単離、精製することができる。
【0177】
塩である化合物(I)は、それ自体公知の手段に従い、例えば化合物(I)が塩基性化合物である場合には無機酸又は有機酸を加えることによって、あるいは化合物(I)が酸性化合物である場合には有機塩基または無機塩基を加えることによって製造することができる。
化合物(I)に光学異性体が存在し得る場合、これら個々の光学異性体およびそれら混合物のいずれも当然本発明の範囲に包含されるものであり、所望によりこれらの異性体をそれ自体公知の手段に従い光学分割したり、個別に製造することもできる。
【0178】
化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記の分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりS体およびR体に分離することができる。
化合物(I)に立体異性体が存在する場合には、この異性体が単独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
【0179】
本発明の化合物は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対して、例えば、
(1)精神疾患[例、うつ病、大うつ病、双極性うつ病、気分変調障害、情動障害(季節性情動障害など)、再発性うつ病、産後うつ病、ストレス性障害、うつ症状、躁病、不安、全般性不安障害、不安症候群、パニック障害、恐怖症、社会性恐怖症、社会性不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス障害、タウレット(Tourette)症候群、自閉症、脆弱X症候群、レット症候群、適応障害、双極性障害、神経症、統合失調症(例、陽性症状、陰性症状、認知機能障害)、慢性疲労症候群、不安神経症、強迫神経症、恐慌性障害、てんかん、不安障害、不安症状、不快精神状態、情緒異常、感情循環気質、神経過敏症、失神、耽溺、性欲低下、注意欠陥多動性障害(ADHD)、精神病性大うつ病、治療抵抗性うつ病、抑鬱障害、カタレプシー、破瓜型の統合失調症、妄想型統合失調症]、
(2)神経変性疾患[例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老人性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、多発脳梗塞性認知症、前頭側頭葉型認知症、パーキンソン型認知症、進行性核上麻痺、ピック症候群、ニーマン-ピック症候群、大脳皮質基底核変成症、ダウン症、血管性認知症、脳炎後のパーキンソン病、レヴィー小体型認知症、HIV性認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動神経原性疾患(MND)、クロイツフェルト・ヤコブ病又はプリオン病、脳性麻痺、進行性核上麻痺、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症、視神経脊髄炎(NMO)、術後認知機能障害(POCD)、術後せん妄(POD)、せん妄]、
(3)加齢に伴う認知・記憶障害[例、加齢性記憶障害、老人性認知症]、
(4)睡眠障害[例、内在因性睡眠障害(例、精神生理性不眠など)、外在因性睡眠障害、概日リズム障害(例、時間帯域変化症候群(時差ボケ)、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒など)、睡眠時随伴症、内科又は精神科障害(例、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳血管性認知症、統合失調症、うつ病、不安神経症)に伴う睡眠障害、ストレス性不眠症、不眠症、不眠性神経症、睡眠時無呼吸症候群]、
(5)麻酔薬、外傷性疾患、又は神経変性疾患などに起因する呼吸抑制、
(6)外傷性脳損傷、脳卒中、神経性食欲不振、摂食障害、神経性無食欲症、過食症、その他の摂食障害、アルコール依存症、アルコール乱用、アルコール性健忘症、アルコール妄想症、アルコール嗜好性、アルコール離脱、アルコール性精神病、アルコール中毒、アルコール性嫉妬、アルコール性躁病、アルコール依存性精神障害、アルコール精神病、薬物嗜好、薬物恐怖症、薬物狂、薬物離脱、ストレス性頭痛、緊張性頭痛、糖尿病性ニューロパシー、肥満、糖尿病、筋肉痙攣、メニエール病、自律神経失調症、脱毛症、緑内障、高血圧、心臓病、頻脈、うっ血性心不全、過呼吸、気管支喘息、無呼吸、乳幼児突然死症候群、炎症性疾患、アレルギー疾患、インポテンス、更年期障害、不妊症、腫瘍(例、癌、肝癌、結腸癌、乳房癌、前立腺癌、神経芽細胞腫、骨癌、口癌、肥満細胞腫、胆管癌、ルイス肺癌)、HIV感染による免疫不全症候群、ストレスによる免疫不全症候群、脳脊髄膜炎、末端肥大症、失禁、メタボリック・シンドローム、骨粗しょう症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ストレス性胃腸障害、神経性嘔吐、下痢、便秘、術後イレウス、リウマチ性関節炎、変形性関節症、機能性消化不良、痛覚過敏、インスリン抵抗性、ボクサー認知症、吐き気、嘔吐、腫瘍転移、脳損傷、発作、体重変化、体重増加、体重減少、大腸炎、アルコール依存症、低体温、脂肪肝、アテローム性動脈硬化、感染、筋痙攣、高血圧、脳卒中、幼児期の悪性の移行部分発作、糖尿病、2型糖尿病、脂質異常症、内臓型肥満、低眼圧、拒食症、線維症、心筋梗塞、悪液質、誘発性精神病性障害、運動失調、エイズ消耗性症候群、肝硬変の心筋症、尿毒症性掻痒症、神経行動学的症状、尿細管間質性腎炎およびブドウ膜炎症候群、間質性膀胱炎、網膜色素変性症、複合性局所疼痛症候群、自己免疫疾患、冠動脈疾患、アスピリン喘息、血小板貯蔵プール欠乏症、糖尿病胎芽、アルサス型じんましん、喘息、有毒油症候群、耳炎など、
(7)疼痛(痛み)(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛、急性疼痛、末梢神経障害による疼痛、中枢性疼痛、線維筋痛、鎌状赤血球症における血管閉塞性の痛み(vassooclussive painful crises in sickle cell disease)、多発性硬化症が介在する痙性あるいは疼痛、機能性胸痛、複合性局所疼痛症候群など)、
(8)片頭痛、
(9)脳浮腫、
(10)脳虚血、虚血
等の疾患の予防・治療剤として有用であることが期待される。
【0180】
本発明の化合物は、優れたMAGL阻害作用を有するので、上記疾患に対して優れた予防・治療効果が期待できる。
【0181】
本発明の化合物は、優れたMAGL阻害作用を有するので、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などに対して優れた予防・治療効果が期待でき、特にアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、不安障害、疼痛、てんかんまたはうつ病に対して優れた予防・治療効果が期待できる。
【0182】
化合物(I)は、プロドラッグとして用いてもよい。
【0183】
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸などによる反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸などにより加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
【0184】
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert-ブチル化された化合物など);化合物(I)のヒドロキシル基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、化合物(I)のヒドロキシル基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0185】
本発明の化合物は、体内動態(例、血中薬物半減期、脳内移行性、代謝安定性)に優れ、毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等の点から医薬として、より優れている)、そのまま医薬として、又は薬学的に許容される担体等と混合された医薬組成物として、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対して、経口的、又は非経口的に安全に投与できる。「非経口」には、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位などへの投与及び直接的な病巣への投与を含む。
【0186】
本発明の化合物の投与量は、投与ルート、症状などによって異なるが、例えば、アルツハイマー病の患者(成人、体重40~80kg、例えば60kg)に経口投与する場合、例えば1日0.001~1000mg/kg体重、好ましくは1日0.01~100mg/kg体重、さらに好ましくは1日0.1~10mg/kg体重である。この量を1日1回~3回に分けて投与することができる。
【0187】
本発明の化合物を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明の化合物を単独で、又は本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本発明の化合物を含有する医薬は、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的又は非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、病巣等)に安全に投与することができる。
【0188】
前記の「薬学的に許容される担体」としては、製剤素材(starting material)として慣用されている各種の有機あるいは無機担体が用いられる。例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等が用いられ、液状製剤においては、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、及び無痛化剤等が用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α-トコフェロール等が挙げられる。
【0189】
医薬組成物は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、本発明の化合物を製剤全量に対して通常0.01~100%(w/w)、好ましくは0.1~95%(w/w)の割合で添加することにより、常法に従って製造することができる。
【0190】
本発明の化合物は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用してもよい。
【0191】
併用薬物としては、例えば、以下が挙げられる。
ベンゾジアゼピン(クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、クロラゼブ酸カリウム、ロラゼパム、クロナゼパム、アルプラゾラム等)、L-型カルシウムチャネル阻害薬(プレガバリン等)、三環性又は四環性抗うつ薬(塩酸イミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸デシプラミン、塩酸クロミプラミン等)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(マレイン酸フルボキサミン、塩酸フロキセチン、臭酸シタロプラム、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン、シュウ酸エスシタロプラム等)、セロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(塩酸ベンラファキシン、塩酸ドュロキセチン、塩酸デスベンラファキシン等)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(メシル酸レボキセチン等)、ノルアドレナリン-ドパミン再取り込み阻害薬(塩酸ブプロピオン等)、ミルタザピン、塩酸トラゾドン、塩酸ネファゾドン、塩酸ブプロピオン、マレイン酸セチプチリン、5-HT1A作動薬(塩酸ブスピロン、クエン酸タンドスピロン、塩酸オセモゾタン等)、5-HT3拮抗薬(シアメマジン等)、心臓選択的ではないβ阻害薬(塩酸プロプラノロール、塩酸オキシプレノロール等)、ヒスタミンH1拮抗薬(塩酸ヒドロキシジン等)、統合失調症治療薬(クロルプロマジン、ハロペリドール、スルプリド、クロザピン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸フルフェナジン、オランザピン、フマル酸クエチアピン、リスペリドン、アリピプラゾール等)、CRF拮抗薬、その他の抗不安薬(メプロバメート等)、タキキニン拮抗薬(MK-869、サレデュタント等)、代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬剤、CCK拮抗薬、β3アドレナリン拮抗薬(塩酸アミベグロン等)、GAT-1阻害薬(塩酸チアガビン等)、N-型カルシウムチャネル阻害薬、2型炭酸脱水素酵素阻害薬、NMDAグリシン部位作動薬、NMDA拮抗薬(メマンチン等)、末梢性ベンゾジアゼピン受容体作動薬、バソプレッシン拮抗薬、バソプレッシンV1b拮抗薬、バソプレッシンV1a拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、オピオイド拮抗薬、オピオイド作動薬、ウリジン、ニコチン酸受容体作動薬、チロイドホルモン(T3、T4)、TSH、TRH、MAO阻害薬(硫酸フェネルジン、硫酸トラニルシプロミン、モクロベミド等)、5-HT2A拮抗薬、5-HT2A逆作動薬、COMT阻害薬(エンタカポン等)、双極性障害治療薬(炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリジン、リルゾール、フェルバメート等)、カンナビノイドCB1拮抗薬(リモナバント等)、FAAH阻害薬、ナトリウムチャネル阻害薬、抗ADHD薬(塩酸メチルフェニデート、塩酸メタンフェタミン等)、アルコール依存症治療薬、自閉症治療薬、慢性疲労症候群治療薬、痙攣治療薬、線維筋痛症治療薬、頭痛治療薬、不眠症治療薬(エチゾラム、ゾピクロン、トリアゾラム、ゾルピデム、ラメルテオン、インジプロン等)、禁煙のための治療薬、重症筋無力症治療薬、脳梗塞治療薬、躁病治療薬、過眠症治療薬、疼痛治療薬、気分変調症治療薬、自律神経失調症治療薬、男性及び女性の性機能障害治療薬、偏頭痛治療薬、病的賭博治療薬、下肢静止不能症候群治療薬、物質依存症治療薬、アルコール関連症の治療薬、過敏性腸症候群治療薬、アルツハイマー病治療薬(ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン等)、パーキンソン病治療薬(レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、セレギリン、ゾニサミド、エンダカボン、アマンタジン、タリペキソール、ブラミペキソール、アポモルヒネ、カペルゴリン、ブロモクリプチン、イストラデフィリン、トリヘキシフェニジル、プロメタジン、パーゴライド等)、ハンチントン病治療薬(塩酸クロルプロマジン、ハロペリドール、レセルピンなど)、ALS治療薬(リルゾール等、神経栄養因子等)、多発性硬化症治療薬(フィンゴリモド、インターフェロン・ベータ1b、ナタリズマブなどの分子標的治療薬、等)、抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、ゾニザミド、バルプロ酸ナトリウム、エトサクシミド、ジアゼパム、ニトラゼパム、クロナゼパム、クロバザム、ガバペンチン、トピラマート、ラモトリギン、レベチラセタム、スチリペントール、ルフィナミド等)、コレステロール低下薬のような脂質異常症治療薬(スタチンシリーズ(プラバスタチンナトリウム、アトロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン等)、フィブレート(クロフィブレート等)、スクワレン合成阻害薬)、異常行動治療薬又は認知症による放浪癖の抑制薬(鎮静薬、抗不安薬等)、アポトーシス阻害薬、抗肥満薬、糖尿病治療薬、高血圧治療薬、低血圧治療薬、リューマチ治療薬(DMARD)、抗癌剤、副甲状腺治療薬(PTH)、カルシウム受容体拮抗薬、性ホルモン又はその誘導体(プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール等)、神経分化促進薬、神経再生促進薬、非ステロイド系抗炎症薬(メロキシカム、テノキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン等)、ステロイド(デキサメタゾン、酢酸コルチゾン等)、抗サイトカイン薬(TNF阻害薬、MAPカイネース阻害薬等)、抗体医薬、核酸又は核酸誘導体、アプタマー薬など。
【0192】
本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物又は併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明の化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
【0193】
以下、本発明の化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物又はその医薬組成物と併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0194】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物又は(及び)上記併用薬物を公知の方法に従って、薬学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等として、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下又は臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬学的に許容される担体としては、前記と同様のものがあげられる。
【0195】
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
【実施例】
【0196】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10 ℃ないし約35 ℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC (Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー) による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク (Merck) 社製の60 F254を用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合はアミノプロピルシラン結合シリカゲルを用いた。分取HPLC (高速液体クロマトグラフィー) において、C18と記載した場合はオクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMRの解析にはACD/SpecManager (商品名) ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を示す。通常、分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
粉末X線回折パターンは、Rigaku Ultima IVのCu-Kα特性X線を使用して測定し、特徴的ピークを記載した。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
mp:融点
MS: マススペクトル
M: モル濃度
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO-d6: 重ジメチルスルホキシド
1H NMR: プロトン核磁気共鳴
LC/MS: 液体クロマトグラフ質量分析計
ESI: electrospray ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI: atomospheric pressure chemical ionization、大気圧化学イオン化
DIAD: ジイソプロピル アゾジカルボキシラート
DMSO: ジメチルスルホキシド
DMA: N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP: N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
TBAF: テトラブチルアンモニウムフルオリド
TEA: トリエチルアミン
THF: テトラヒドロフラン
【0197】
実施例1
cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0198】
A) tert-ブチル((cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (500 mg)、1,2-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.383 mL) およびTHF (10 mL) の混合物にカリウムtert-ブトキシド (333 mg)を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (900 mg) を粗生成物として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.05 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.90-2.04 (2H, m), 2.87-3.00 (2H, m), 3.98-4.11 (1H, m), 4.41-4.54 (1H, m), 7.18 (1H, t, J = 8.4 Hz), 7.50 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 11.3, 2.1 Hz).
【0199】
B) cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (粗生成物、900 mg) とTHF (10 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、3.7 mL) を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (486 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.89-2.02 (2H, m), 2.81-2.92 (2H, m), 3.79-3.93 (1H, m), 4.37-4.49 (1H, m), 5.24 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.19 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.50 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 11.3, 2.1 Hz).
【0200】
C) tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-3-ニトロアゼチジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル 3-ニトロアゼチジン-1-カルボキシラート (90 g) とアセトニトリル (1.25 L) の混合物に、ホルムアルデヒド (37%水溶液、73 mL) を加えた後、TEA (60 mL) を室温で滴下し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (85 g) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.45 (9H, s), 2.68 (1H, brs), 4.11 (2H, d, J = 10.4 Hz), 4.19-4.21 (2H, m), 4.39-4.46 (2H, m).
【0201】
D) tert-ブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-3-ニトロアゼチジン-1-カルボキシラート (85 g)、ラネーニッケル (9 g) およびメタノール (1.5 L) の混合物を、室温、60 psi で16時間水素添加した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮して中間体 (68 g) を得た。得られた中間体 (68 g)、TEA (100 mL) およびTHF (1.5 L) の混合物に、0 ℃でトリホスゲン (40 g) を加え、反応混合物を0 ℃で30分間撹拌した。次いで反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (58 g) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.43 (9H, s), 4.03 (2H, d, J = 10.1 Hz), 4.13 (2H, d, J = 9.5 Hz), 4.53 (2H, s), 6.52 (1H, brs).
【0202】
E) 7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩
tert-ブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(58 g) と酢酸エチル (1.2 L) の混合物に、トシル酸水和物(58 g) を室温で加えた後、2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、トシル酸水和物 (14.5 g) を加え、さらに2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、固体を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥させて標題化合物 (62 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.29 (3H, s), 4.05-4.15 (4H, m), 4.54 (2H, s), 7.13 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.50 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.51-8.54 (3H, m).
【0203】
F) cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタノール (486 mg)、TEA (1.08 mL) とアセトニトリル (16 mL) の混合物にトリホスゲン (202 mg) を加えた。反応混合物を0 ℃で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (583 mg) を加えた。混合物を同じ温度で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物(605 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.06-2.21 (2H, m), 2.93-3.07 (2H, m), 3.92-4.17 (4H, m), 4.47 (2H, s), 4.54-4.71 (2H, m), 7.20 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.51 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 11.4, 2.0 Hz), 8.40 (1H, s).
【0204】
実施例2
cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブタノール (328 mg)、TEA (1.03 mL) とアセトニトリル (15 mL) の混合物にトリホスゲン (191 mg) を加えた。反応混合物を0 ℃で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(553 mg) を加えた。混合物を同じ温度で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、ジイソプロピルエーテルで固体化させ、標題化合物 (436 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.95 (2H, m), 2.59-2.72 (2H, m), 3.65-3.78 (1H, m), 3.89-4.16 (4H, m), 4.36 (2H, s), 4.43-4.45 (3H, m), 7.24-7.40 (5H, m), 8.39 (1H, s).
【0205】
実施例3
cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0206】
A) tert-ブチル((cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (500 mg) とDMF (9.3 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、109 mg)を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-2-クロロ-1-メチルベンゼン(597 mg) とDMF (3.1 mL) の混合物を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (782 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (6H, s), 0.83 (9H, s), 1.67-1.81 (2H, m), 2.30 (3H, s), 2.52-2.64 (2H, m), 3.55 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.88 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.29 (2H, s), 7.16 (1H, dd, J = 7.9, 1.5 Hz), 7.26-7.37 (2H, m).
【0207】
B) cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (782 mg) とTHF (12 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、4.6 mL) を加えた。混合物を室温で64時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (461 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.65-1.80 (2H, m), 2.31 (3H, s), 2.45-2.58 (2H, m), 3.46-3.59 (1H, m), 3.60-3.74 (1H, m), 4.30 (2H, s), 4.99 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.13-7.20 (1H, m), 7.27-7.36 (2H, m).
【0208】
C) cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール (461 mg)、TEA (1.13 mL) とアセトニトリル (10 mL)の混合物にトリホスゲン (211 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (641 mg) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (575 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.88 (2H, dtd, J = 9.8, 7.3, 2.9 Hz), 2.31 (3H, s), 2.65 (2H, dtd, J = 9.7, 6.6, 2.9 Hz), 3.71 (1H, quint, J = 6.8 Hz), 3.89-4.01 (2H, m), 4.08 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.33 (2H, s), 4.40-4.57 (3H, m), 7.18 (1H, dd, J = 7.6, 1.4 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.35 (1H, d, J = 1.5 Hz), 8.38 (1H, s).
【0209】
実施例4
cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0210】
A) tert-ブチル((cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (500 mg) とDMF (9.3 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、109 mg) をアルゴン雰囲気下、0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-1-クロロ-2-メチルベンゼン(597 mg) とDMF (3.1 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (833 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.67-1.83 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.59 (2H, dtd, J = 9.0, 6.4, 2.9 Hz), 3.57 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.89 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.30 (2H, s), 7.15 (1H, dd, J = 8.2, 1.8 Hz), 7.28 (1H, s), 7.36 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0211】
B) cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (833 mg) とTHF (12 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、4.9 mL) を加えた。混合物を室温で64時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (511 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.64-1.80 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.47-2.59 (2H, m), 3.47-3.59 (1H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 4.29 (2H, s), 4.99 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.14 (1H, dd, J = 8.1, 1.7 Hz), 7.28 (1H, s), 7.36 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0212】
C) cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール (511 mg)、TEA (1.26 mL) とアセトニトリル (11 mL) の混合物にトリホスゲン (234 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (711 mg) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (651 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.95 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.65 (2H, dtd, J = 9.7, 6.6, 3.0 Hz), 3.71 (1H, quint, J = 6.8 Hz), 3.91-4.01 (2H, m), 4.08 (2H, d, J = 9.3 Hz), 4.32 (2H, s), 4.42-4.57 (3H, m), 7.16 (1H, dd, J = 8.1, 1.7 Hz), 7.29 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.38 (1H, s).
【0213】
実施例5
cis-3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0214】
A) tert-ブチル((cis-3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (400 mg) とDMF (5 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、87 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2,3-ジフルオロ-4-メチルベンゼン (481 mg) を室温で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で終夜撹拌した。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (636 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.00-0.02 (6H, m), 0.84 (9H, s), 1.65-1.81 (2H, m), 2.27 (3H, d, J = 2.1 Hz), 2.54-2.66 (2H, m), 3.58 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.89 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.38 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.01-7.18 (2H, m).
【0215】
B) cis-3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (636 mg) とTHF (10 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、2.8 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (302 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.63-1.79 (2H, m), 2.27 (3H, d, J = 2.1 Hz), 2.51-2.58 (2H, m), 3.54 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 3.61-3.74 (1H, m), 4.38 (2H, d, J = 1.1 Hz), 5.00 (1H, d, J = 6.8 Hz), 6.88-7.29 (2H, m).
【0216】
C) cis-3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
3-((2,3-ジフルオロ-4-メチルベンジル)オキシ)シクロブタノール (302 mg)、TEA (0.74 mL) とアセトニトリル (10 mL) の混合物にトリホスゲン (137 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (417 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (300 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.77-1.92 (2H, m), 2.27 (3H, d, J = 2.1 Hz), 2.59-2.71 (2H, m), 3.60-3.81 (1H, m), 3.89-4.02 (2H, m), 4.02-4.13 (2H, m), 4.41 (2H, s), 4.45-4.54 (3H, m), 6.96-7.20 (2H, m), 8.38 (1H, s).
【0217】
実施例6
cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0218】
A) tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (400 mg) とDMF (6.0 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、95.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2,3,4-トリフルオロベンゼン (534 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (716 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.84 (9H, s), 1.64-1.90 (2H, m), 2.53-2.67 (2H, m), 3.59 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 3.90 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.40 (2H, s), 7.23-7.40 (2H, m).
【0219】
B) cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン (715 mg) とTHF (7.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、3.1 mL) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (413 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.64-1.79 (2H, m), 2.51-2.60 (2H, m), 3.50-3.61 (1H, m), 3.61-3.78 (1H, m), 4.40 (2H, s), 5.02 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.23-7.38 (2H, m).
【0220】
C) cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール (250 mg)、TEA (0.898 mL) とアセトニトリル(5.0 mL) の混合物にトリホスゲン (112 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(340 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサンおよびメタノール/酢酸エチル) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (176 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.76-1.98 (2H, m), 2.57-2.79 (2H, m), 3.74 (1H, quint, J = 6.8 Hz), 3.87-4.21 (4H, m), 4.36-4.61 (5H, m), 7.21-7.43 (2H, m), 8.39 (1H, s).
【0221】
実施例7
cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0222】
A) tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (500 mg) とDMF (5 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、109 mg)を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2,4,5-トリフルオロベンゼン (0.358 mL) を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (428 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.69-1.80 (2H, m), 2.54-2.65 (2H, m), 3.54-3.65 (1H, m), 3.84-3.95 (1H, m), 4.35 (2H, s), 7.47-7.59 (2H, m).
【0223】
B) cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン (428 mg) とTHF (8 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、1.5 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。混合物に室温で飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (126 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.65-1.79 (2H, m), 2.51-2.59 (2H, m), 3.56 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.62-3.75 (1H, m), 4.35 (2H, s), 5.01 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.52 (2H, ddt, J = 10.8, 9.5, 6.7 Hz).
【0224】
C) cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール (126 mg)、TEA (0.333 mL) とアセトニトリル(3 mL) の混合物にトリホスゲン (56.4 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(163 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (77.3 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.81-1.94 (2H, m), 2.60-2.72 (2H, m), 3.74 (1H, quint, J = 6.8 Hz), 3.92-4.14 (4H, m), 4.34-4.55 (5H, m), 7.48-7.61 (2H, m), 8.39 (1H, s).
【0225】
実施例8
cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0226】
A) tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (400 mg) とDMF (7.4 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、87 mg)を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、2-(ブロモメチル)-1,3,5-トリフルオロベンゼン (489 mg) とDMF (2.5 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (682 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (6H, s), 0.84 (9H, s), 1.63-1.77 (2H, m), 2.52-2.65 (2H, m), 3.57 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 3.90 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.36 (2H, s), 7.13-7.27 (2H, m).
【0227】
B) cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)シラン (682 mg) とTHF (9.8 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、3.9 mL) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (397 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.60-1.75 (2H, m), 2.44-2.57 (2H, m), 3.53 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.60-3.75 (1H, m), 4.35 (2H, s), 5.00 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.13-7.27 (2H, m).
【0228】
C) cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)シクロブタノール (397 mg)、TEA (0.953 mL) とアセトニトリル(8.5 mL) の混合物にトリホスゲン (178 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(539 mg) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、ジイソプロピルエーテルで固体化させ、標題化合物 (218 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.71-1.91 (2H, m), 2.56-2.78 (2H, m), 3.71 (1H, quint, J = 6.8 Hz), 3.89-4.01 (2H, m), 4.02-4.15 (2H, m), 4.39 (2H, s), 4.43-4.56 (3H, m), 7.15-7.28 (2H, m), 8.38 (1H, s).
【0229】
実施例9
cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0230】
A) tert-ブチル((cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (270 mg) とDMF (3 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、58.7 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-1,2-ジクロロベンゼン (0.213 mL) を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (240 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.71-1.83 (2H, m), 2.54-2.65 (2H, m), 3.53-3.64 (1H, m), 3.90 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.35 (2H, s), 7.31 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.60 (1H, d, J = 8.3 Hz).
【0231】
B) cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (240 mg) とTHF (3 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、0.66 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (100 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.80 (2H, m), 2.51-2.59 (2H, m), 3.49-3.61 (1H, m), 3.61-3.75 (1H, m), 4.35 (2H, s), 4.97-5.03 (1H, m), 7.31 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz), 7.56 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.60 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0232】
C) cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((3,4-ジクロロベンジル)オキシ)シクロブタノール (100 mg)、TEA (0.186 mL) とアセトニトリル(2 mL) の混合物にトリホスゲン (42.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(122 mg) を0 ℃で加えた。混合物を0 ℃で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、HPLC (C18、移動相:水/アセトニトリル (0.1% TFA含有系))にて分取した。得られた画分に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (18.5 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.89 (2H, dtd, J = 9.8, 7.3, 2.9 Hz), 2.60-2.71 (2H, m), 3.73 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 3.92-4.14 (4H, m), 4.35-4.56 (5H, m), 7.32 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz), 7.56-7.64 (2H, m), 8.39 (1H, s).
【0233】
実施例10
cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0234】
A) cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブタノール
cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブタノール (352 mg) とDMF (4.0 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、51.8 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン (277 mg) とDMF (1.5 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物を室温で3日間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (315 mg) を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、310 mg) とTHF (4.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、0.27 mL) を室温で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (132 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.70 (1H, d, J = 6.4 Hz), 1.88-2.03 (2H, m), 2.69-2.85 (2H, m), 3.67 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 3.96 (1H, sxt, J = 7.0 Hz), 4.52 (2H, s), 7.31 (1H, d, J = 9.8 Hz), 7.42 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.52-7.64 (1H, m).
【0235】
B) cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブタノール (131 mg)、TEA (0.275 mL) とアセトニトリル (3.5 mL) の混合物にトリホスゲン (51.3 mg)を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(156 mg)を0 ℃で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサンおよびメタノール/酢酸エチル) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (73.6 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.82-2.03 (2H, m), 2.61-2.78 (2H, m), 3.78 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 3.90-4.19 (4H, m), 4.41-4.61 (5H, m), 7.57-7.77 (3H, m), 8.39 (1H, s).
【0236】
実施例11
cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0237】
A) tert-ブチル((cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタノール (416 mg) とDMF (7.7 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、90 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル メタンスルホナート (653 mg) とDMF (2.6 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (549 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.02 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.72-1.86 (2H, m), 2.55-2.68 (2H, m), 3.62 (1H, quint, J = 7.0 Hz), 3.91 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 4.45 (2H, s), 7.49 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.64 (1H, s), 7.83 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0238】
B) cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (549 mg) とTHF (7.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、2.8 mL) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (293 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.83 (2H, m), 2.50-2.61 (2H, m), 3.52-3.76 (2H, m), 4.45 (2H, s), 5.03 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 8.1, 0.8 Hz), 7.64 (1H, s), 7.83 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0239】
C) cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)オキシ)シクロブタノール (293 mg)、TEA (0.582 mL) とアセトニトリル (5.2 mL) の混合物にトリホスゲン (108 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(329 mg) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (46.0 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.83-2.03 (2H, m), 2.60-2.79 (2H, m), 3.76 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 3.89-4.02 (2H, m), 4.09 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.39-4.59 (5H, m), 7.50 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.66 (1H, s), 7.84 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.39 (1H, s).
【0240】
実施例12
cis-3-((2-フルオロ-4-メチルフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0241】
A) (cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート
(cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メタノール (1.78 g)、4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (1.94 g) およびアセトニトリル (20 mL) の混合物に0 ℃でTEA (1.93 mL) を滴下した後、トリメチルアミン 塩酸塩 (88 mg) を加えた。混合物を同じ温度で40分間撹拌した後、食塩水と酢酸エチルで分配した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (2.97 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.46-1.63 (2H, m), 2.02-2.28 (3H, m), 2.42 (3H, s), 3.86 (1H, quint, J = 7.2 Hz), 3.99 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.31 (2H, s), 7.21-7.39 (5H, m), 7.48 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.70-7.85 (2H, m).
【0242】
B) 1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2-フルオロ-4-メチルベンゼン
(cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (300 mg)、2-フルオロ-4-メチルフェノール(131 mg)、炭酸カリウム (239 mg) とDMF (3.0 mL) の混合物を80 ℃で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (260 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.80 (2H, m), 2.15-2.39 (6H, m), 3.88-3.99 (3H, m), 4.37 (2H, s), 6.86-6.93 (1H, m), 6.97-7.06 (2H, m), 7.23-7.39 (5H, m).
【0243】
C) cis-3-((2-フルオロ-4-メチルフェノキシ)メチル)シクロブタノール
1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2-フルオロ-4-メチルベンゼン (260 mg) およびパラジウム/炭素 (Pd 10%、50%含水、184 mg) およびメタノール (20 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、NHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させることにより標題化合物 (182 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.55-1.69 (2H, m), 2.01-2.18 (1H, m), 2.23 (3H, s), 2.24-2.35 (2H, m), 3.90-4.07 (3H, m), 5.00 (1H, d, J = 6.4 Hz), 6.86-6.93 (1H, m), 6.96-7.05 (2H, m).
【0244】
D) cis-3-((2-フルオロ-4-メチルフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2-フルオロ-4-メチルフェノキシ)メチル)シクロブタノール (182 mg)、TEA (0.483 mL) とアセトニトリル (9 mL) の混合物にトリホスゲン (90 mg) を加えた。反応混合物を0 ℃で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (260 mg) を加えた。混合物を同じ温度で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた。溶液を濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン (3/1) から固体化させ、標題化合物 (238 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.75-1.93 (2H, m), 2.23 (3H, s), 2.26-2.47 (3H, m), 3.90-4.14 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.70-4.85 (1H, m), 6.86-6.95 (1H, m), 6.97-7.06 (2H, m), 8.34-8.42 (1H, m).
【0245】
実施例13
cis-3-((4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0246】
A) 1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-4-フルオロ-2-メチルベンゼン
4-フルオロ-2-メチルフェノール (120 mg)、炭酸カリウム (263 mg) とDMA (5 mL) の混合物に(cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート(300 mg) を室温で加えた。混合物を80 ℃で3時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (215 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.88 (2H, m), 2.15 (3H, s), 2.19-2.41 (3H, m), 3.79-4.01 (3H, m), 4.38 (2H, s), 6.79-7.07 (3H, m), 7.18-7.46 (5H, m).
【0247】
B) cis-3-((4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)メチル)シクロブタノール
1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-4-フルオロ-2-メチルベンゼン (215 mg) およびパラジウム/炭素 (Pd 10%、50%含水、100 mg) およびメタノール (20 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (145 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.57-1.74 (2H, m), 2.03-2.14 (1H, m), 2.15 (3H, s), 2.23-2.35 (2H, m), 3.87 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.91-4.05 (1H, m), 5.00 (1H, brs), 6.72-7.13 (3H, m).
【0248】
C) cis-3-((4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((4-フルオロ-2-メチルフェノキシ)メチル)シクロブタノール (145 mg)、TEA (0.38 mL) とアセトニトリル (5 mL) の混合物にトリホスゲン (71.6 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (217 mg) を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/へキサンから固体化させ、標題化合物 (125 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.98 (2H, m), 2.17 (3H, s), 2.26-2.45 (3H, m), 3.91 (2H, d, J = 5.1 Hz), 3.94-4.02 (2H, m), 4.03-4.12 (2H, m), 4.47 (2H, s), 4.66-4.88 (1H, m), 6.80-7.10 (3H, m), 8.38 (1H, s).
【0249】
実施例14
cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0250】
A) エチル cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート
2,6-ジメチルピリジン (9.44 mL)、エチル cis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (5.84 g) とDMF (50 mL) の混合物にtert-ブチル(ジメチル)シリル トリフルオロメタンスルホナート (11 mL) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (10.4 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.02 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.17 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.89-2.02 (2H, m), 2.37-2.47 (2H, m), 2.53-2.65 (1H, m), 4.05 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.11-4.22 (1H, m).
【0251】
B) (cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール
エチル cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート (10.4 g) とTHF (100 mL) の混合物に水素化リチウムアルミニウム (1.69 g) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で30分間撹拌した。混合物に硫酸ナトリウム 10水和物を0 ℃で加え、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (5.66 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.48-1.62 (2H, m), 1.71-1.86 (1H, m), 2.11-2.24 (2H, m), 3.27-3.38 (2H, m), 4.03-4.15 (1H, m), 4.42 (1H, t, J = 5.5 Hz).
【0252】
C) (cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート
(cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (3.25 g)、TEA (2.71 mL) とアセトニトリル (35 mL) の混合物に4-メチルベンゼンスルホニル クロリド(3.01 g) とトリメチルアミン 塩酸塩 (144 mg) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で10分間、室温で1時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (5.12 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ -0.02 (6H, s), 0.82 (9H, s), 1.40-1.54 (2H, m), 1.92-2.07 (1H, m), 2.10-2.29 (2H, m), 2.42 (3H, s), 3.97 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.08 (1H, quint, J = 7.3 Hz), 7.48 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.73-7.84 (2H, m).
【0253】
D) tert-ブチル((cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
(cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (678 mg)、2-クロロ-4-フルオロフェノール(349 mg)、炭酸カリウム (379 mg) とDMF (5.0 mL) の混合物を80 ℃で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (338 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.00 (6H, s), 0.83 (9H, s), 1.65-1.80 (2H, m), 2.05-2.20 (1H, m), 2.24-2.40 (2H, m), 3.97 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.15 (1H, quint, J = 7.3 Hz), 7.07-7.18 (2H, m), 7.33-7.45 (1H, m).
【0254】
E) cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (337 mg) とTHF (4.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、1.5 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (214 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.58-1.74 (2H, m), 2.04-2.21 (1H, m), 2.22-2.39 (2H, m), 3.87-4.09 (3H, m), 5.01 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.07-7.26 (2H, m), 7.31-7.52 (1H, m).
【0255】
F) cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (213 mg)、TEA (0.770 mL) とアセトニトリル (4.0 mL) の混合物にトリホスゲン (96.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (291 mg) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させた。得られた固体をHPLC (C18、移動相:水/アセトニトリル (10mM NH4HCO3含有系))にて分取精製した。得られた画分を減圧下部分的に濃縮し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (235 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.81-2.01 (2H, m), 2.24-2.46 (3H, m), 3.89-4.15 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.69-4.88 (1H, m), 7.03-7.24 (2H, m), 7.34-7.56 (1H, m), 8.39 (1H, s).
【0256】
実施例15
cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0257】
A) エチル cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート
エチル cis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (500 mg)、イミダゾール (283 mg)、DMAP (21.2 mg) とDMF (12 mL) の混合物にtert-ブチル(ジフェニル)クロロシラン (1.05 g) を加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (1.23 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (9H, s), 1.12-1.22 (3H, m), 2.05-2.18 (2H, m), 2.27-2.41 (2H, m), 2.52-2.59 (1H, m), 3.94-4.09 (2H, m), 4.10-4.22 (1H, m), 7.36-7.52 (6H, m), 7.53-7.66 (4H, m).
【0258】
B) (cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール
エチル cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート (4.3 g) とTHF (50 mL) の混合物に水素化リチウムアルミニウム (469 mg) とTHF (50 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物を同じ温度で15分間撹拌した。混合物に硫酸ナトリウム 10水和物を加え、混合物を15分間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (3.54 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.97 (9H, s), 1.64-1.82 (3H, m), 2.06-2.17 (2H, m), 3.31-3.36 (2H, m), 4.04-4.16 (1H, m), 4.43 (1H, t, J = 5.4 Hz), 7.31-7.51 (6H, m), 7.55-7.67 (4H, m).
【0259】
C) (cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (900 mg)、4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (554 mg) とアセトニトリル (9.0 mL) の混合物にTEA (0.551 mL) とトリメチルアミン 塩酸塩 (25.3 mg) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサン) で精製し、標題化合物 (1.29 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.95 (9H, s), 1.54-1.73 (2H, m), 1.82-1.97 (1H, m), 2.03-2.21 (2H, m), 2.39 (1H, s), 2.42 (3H, s), 3.98 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.37-7.51 (8H, m), 7.53-7.62 (4H, m), 7.77 (2H, d, J = 8.3 Hz).
【0260】
D) tert-ブチル((cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジフェニルシラン
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (500 mg)、4-クロロ-2-フルオロフェノール(178 mg)、炭酸カリウム (210 mg) とDMF (4.0 mL) の混合物を80 ℃で4時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (439 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (9H, s), 1.74-1.94 (2H, m), 2.01-2.15 (1H, m), 2.17-2.35 (2H, m), 4.00 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.17 (1H, quint, J = 7.2 Hz), 7.08-7.24 (2H, m), 7.35-7.52 (7H, m), 7.56-7.71 (4H, m).
【0261】
E) cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジフェニルシラン (430 mg) とTHF (4.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、0.41 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (202 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.52-1.72 (2H, m), 2.02-2.20 (1H, m), 2.22-2.40 (2H, m), 3.89-4.08 (3H, m), 5.03 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.10-7.23 (2H, m), 7.35-7.46 (1H, m).
【0262】
F) cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((4-クロロ-2-フルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (200 mg)、TEA (0.723 mL) とアセトニトリル (4.0 mL) の混合物にトリホスゲン (90.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (273 mg) を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させた。得られた固体をHPLC (カラム:CHIRALPAK AD、50 mmID x 500 mmL、ダイセル製、移動相:ヘキサン/エタノール(400/600 (v/v)))を用いて分取精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (170 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.76-1.94 (2H, m), 2.22-2.46 (3H, m), 3.88-4.23 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.66-4.91 (1H, m), 7.11-7.27 (2H, m), 7.37-7.50 (1H, m), 8.39 (1H, s).
【0263】
実施例16
cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0264】
A) tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)シラン
(cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (53.3 g)、2,3,4-トリフルオロフェノール (22.6 g)、炭酸セシウム (70.3 g) とDMF (290 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。この混合物に、2,3,4-トリフルオロフェノール (8.52 g) のDMF (50 mL) 溶液を室温で加え、混合物を3日間撹拌した。混合物を水で希釈し、トルエン/酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (45.6 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.05 (6H, s), 0.88 (9H, s), 1.70-1.89 (2H, m), 2.09-2.30 (1H, m), 2.37-2.52 (2H, m), 3.97 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.12-4.25 (1H, m), 6.56-6.73 (1H, m), 6.77-6.96 (1H, m).
【0265】
B) cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
tert-ブチル(ジメチル)((cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)シラン (46.6 g) とTHF (270 mL) の混合物に、TBAF 水和物 (42.2 g) を0 ℃で少しずつ加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄した。水層を酢酸エチルで再抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄した。有機層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (31.2 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.52-1.72 (2H, m), 2.03-2.21 (1H, m), 2.24-2.38 (2H, m), 3.91-4.09 (3H, m), 5.04 (1H, d, J = 6.4 Hz), 6.94-7.10 (1H, m), 7.13-7.35 (1H, m).
【0266】
C) cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (2.25 g)、TEA (6.73 mL) とアセトニトリル (24 mL) の混合物にトリホスゲン (1.01 g) を0 ℃で加え、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。この混合物に7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(2.91 g) を0 ℃で加え、反応混合物を室温まで昇温させた。混合物を室温で16時間撹拌させた後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサンおよびメタノール/酢酸エチル) で精製した後、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させた。得られた固体をエタノール/水/ヘプタンから再結晶を行い、標題化合物 (2.54 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.78-2.00 (2H, m), 2.24-2.47 (3H, m), 3.91-4.20 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.72-4.87 (1H, m), 6.96-7.09 (1H, m), 7.19-7.32 (1H, m), 8.39 (1H, s).
mp 145 ℃
粉末X線結晶回折パターン(回折角2θ):9.8°, 13.6°, 14.4°, 15.2°, 18.2°, 19.6°, 22.0°, 24.3°, 25.4°および29.1°
【0267】
実施例17
cis-3-((2,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0268】
A) 1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2,4,5-トリフルオロベンゼン
2,4,5-トリフルオロフェノール (282 mg)、炭酸カリウム (527 mg) とDMF (6 mL) の混合物に(cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (600 mg) を室温で加えた。混合物を80 ℃で3時間撹拌した。混合物に水を室温で加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (455 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67-1.80 (2H, m), 2.16-2.40 (3H, m), 3.94 (1H, quint, J = 7.3 Hz), 4.02 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.37 (2H, s), 7.23-7.45 (6H, m), 7.57 (1H, td, J = 10.9, 7.9 Hz).
【0269】
B) cis-3-((2,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
1-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2,4,5-トリフルオロベンゼン (455 mg)、パラジウム/炭素(Pd 10%、50%含水、100 mg) およびメタノール (5 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮し、残渣にパラジウム/炭素 (Pd 10%、50%含水、100 mg) およびメタノール (5 mL) を加え、常圧の水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標題化合物 (307 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.56-1.68 (2H, m), 2.02-2.19 (1H, m), 2.24-2.35 (2H, m), 3.94-4.02 (3H, m), 5.03 (1H, brs), 7.38 (1H, dt, J = 12.4, 8.0 Hz), 7.56 (1H, td, J = 11.0, 7.9 Hz).
【0270】
C) cis-3-((2,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,4,5-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (307 mg)、TEA (0.737 mL) とアセトニトリル(6 mL) の混合物にトリホスゲン (157 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(397 mg) を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (219 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.78-1.92 (2H, m), 2.27-2.47 (3H, m), 3.94-4.13 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.72-4.85 (1H, m), 7.39 (1H, dt, J = 12.3, 8.0 Hz), 7.58 (1H, td, J = 10.9, 7.5 Hz), 8.39 (1H, s).
【0271】
実施例18
cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0272】
A) 2-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-1,3,5-トリフルオロベンゼン
(cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (350 mg)、2,4,6-トリフルオロフェノール (180 mg) とDMF (4.0 mL) の混合物に炭酸カリウム (209 mg) を室温で加えた。混合物を80 ℃で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (298 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.63-1.84 (2H, m), 2.07-2.24 (1H, m), 2.24-2.41 (2H, m), 3.86-3.97 (1H, m), 4.01 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.36 (2H, s), 7.17-7.40 (7H, m).
【0273】
B) cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
2-((cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-1,3,5-トリフルオロベンゼン (294 mg)、水酸化パラジウム/炭素 (Pd 20%、50%含水、30.0 mg) および酢酸エチル (4.0 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標題化合物 (211 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.52-1.73 (2H, m), 1.96-2.15 (1H, m), 2.17-2.35 (2H, m), 3.89-4.07 (3H, m), 4.99 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.02-7.40 (2H, m).
【0274】
C) cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((2,4,6-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (209 mg)、TEA (0.751 mL) とアセトニトリル(4.0 mL) の混合物にトリホスゲン (93.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(284 mg) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させ、標題化合物 (266 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.75-2.02 (2H, m), 2.17-2.46 (3H, m), 3.89-4.20 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.76 (1H, quint, J = 7.3 Hz), 7.16-7.37 (2H, m), 8.38 (1H, s).
mp 111 ℃
粉末X線結晶回折パターン(回折角2θ):3.7°, 7.4°, 14.8°, 18.1°, 20.6°, 22.3°および24.4°
【0275】
実施例19
cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0276】
A) cis-3-(エトキシカルボニル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
エチル cis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (324 mg)、TEA (1.04 mL) とアセトニトリル (19 mL) の混合物にトリホスゲン (233 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(562 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (370 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.17 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.04-2.18 (2H, m), 2.44-2.57 (2H, m), 2.69-2.84 (1H, m), 3.90-4.15 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.78 (1H, quint, J = 7.6 Hz), 8.39 (1H, s).
【0277】
B) cis-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
水素化リチウムアルミニウム (70.6 mg) とTHF (6.2 mL) の混合物にcis-3-(エトキシカルボニル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(370 mg) とTHF (6.2 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、同じ温度で30分間撹拌した。混合物に0 ℃で水、15%水酸化ナトリウム水溶液、水を順番に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (67.7 mg)を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、67.7 mg)、2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノール(47.6 mg) とTHF (5.3 mL) の混合物にトリフェニルホスフィン (ポリマー担持、3 mmol/g、440 mg) とビス(2-メトキシエチル) (E)-ジアゼン-1,2-ジカルボキシラート (124 mg) を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を水と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、標題化合物 (28.5 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.79-1.95 (2H, m), 2.27-2.46 (3H, m), 3.90-4.02 (2H, m), 4.03-4.19 (4H, m), 4.47 (2H, s), 4.72-4.87 (1H, m), 7.30-7.40 (1H, m), 7.53 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 11.2, 2.0 Hz), 8.39 (1H, s).
【0278】
実施例20
cis-3-((2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0279】
A) cis-3-((((4-メチルフェニル)スルホニル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(ヒドロキシメチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート (67.9 mg) とピリジン (2 mL) の混合物に4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (60.6 mg) を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1 M塩酸と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮し、標題化合物 (109 mg) を粗生成物として得た。
MS: [M+H]+ 411.2.
【0280】
B) cis-3-((2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-((((4-メチルフェニル)スルホニル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート (粗生成物、109 mg)、2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノール(78 mg)、炭酸カリウム (110 mg) とDMF (3 mL) の混合物を80 ℃で1時間撹拌した。混合物を室温で酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をNHシリカゲルに通し、酢酸エチルで溶出させた後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、ジイソプロピルエーテルで固体化させ、標題化合物 (19.4 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.85-2.02 (2H, m), 2.30-2.54(3H, m), 3.91-4.19 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.71-4.87 (1H, m), 7.32 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 8.9, 2.1 Hz), 7.84 (1H, d, J = 1.9 Hz), 8.39 (1H, s).
【0281】
実施例21
trans-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0282】
A) (trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート
(trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メタノール (236 mg)、TEA (0.256 mL) とアセトニトリル(4.0 mL) の混合物に4-メチルベンゼンスルホニル クロリド(281 mg) とトリメチルアミン 塩酸塩 (11.7 mg) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で45分間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (425 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.99-2.24 (4H, m), 2.45 (3H, s), 2.48-2.64 (1H, m), 4.02 (2H, d, J = 6.8 Hz), 4.05-4.16 (1H, m), 4.36 (2H, s), 7.27-7.44 (7H, m), 7.72-7.84 (2H, m).
【0283】
B) 1-((trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2,3,4-トリフルオロベンゼン
(trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メチル 4-メチルベンゼンスルホナート (417 mg)、2,3,4-トリフルオロフェノール (214 mg)、炭酸カリウム (250 mg) とDMF (4.0 mL) の混合物を80 ℃で8時間撹拌した。反応混合物に、2,3,4-トリフルオロフェノール (428 mg) と炭酸カリウム (499 mg) を加え、混合物を100 ℃で6時間、80 ℃で14時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチル/トルエンで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (352 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.12 (4H, t, J = 6.6 Hz), 2.61 (1H, dt, J = 13.5, 6.6 Hz), 4.08 (2H, d, J = 6.8 Hz), 4.21 (1H, quint, J = 6.7 Hz), 4.36 (2H, s), 7.04 (1H, tdd, J = 9.2, 4.9, 2.6 Hz), 7.18-7.43 (6H, m).
【0284】
C) trans-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
1-((trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)メトキシ)-2,3,4-トリフルオロベンゼン (346 mg)、水酸化パラジウム/炭素 (Pd 20%、50%含水、35.0 mg) および酢酸エチル (5.0 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (212 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.92-2.16 (4H, m), 4.05 (2H, d, J = 7.2 Hz), 4.27 (1H, sxt, J = 6.8 Hz), 5.03 (1H, d, J = 6.0 Hz), 6.97-7.10 (1H, m), 7.18-7.34 (1H, m).
【0285】
D) trans-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-((2,3,4-トリフルオロフェノキシ)メチル)シクロブタノール (100 mg)、TEA (0.299 mL) とアセトニトリル(4.0 mL) の混合物にトリホスゲン (44.7 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(136 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/へキサンおよびメタノール/酢酸エチル) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、標題化合物 (130 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.13-2.31 (4H, m), 2.58-2.77 (1H, m), 3.92-4.22 (6H, m), 4.48 (2H, s), 5.02 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 6.98-7.12 (1H, m), 7.19-7.34 (1H, m), 8.40 (1H, s).
【0286】
実施例22
trans-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0287】
A) trans-3-(エトキシカルボニル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
エチル trans-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (329 mg)、TEA (1.04 mL) とアセトニトリル (19 mL) の混合物にトリホスゲン (233 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(562 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (330 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.07-1.27 (3H, m), 2.19-2.36 (2H, m), 2.38-2.48 (2H, m), 2.98-3.13 (1H, m), 3.88-4.19 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.96 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 8.40 (1H, s).
【0288】
B) trans-3-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
水素化リチウムアルミニウム (63.0 mg) とTHF (5.5 mL) の混合物にtrans-3-(エトキシカルボニル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(330 mg) とTHF (5.5 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、0 ℃で30分間撹拌した。混合物に0 ℃で水、15%水酸化ナトリウム水溶液、水を順番に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル) で精製し、中間体 (49.3 mg) を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、49.3 mg)、2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノール(34.6 mg) とTHF (3.9 mL) の混合物にトリフェニルホスフィン (ポリマー担持、3 mmol/g、320 mg) とビス(2-メトキシエチル) (E)-ジアゼン-1,2-ジカルボキシラート (90 mg) を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を酢酸エチルと水に分配した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、標題化合物 (5.4 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.17-2.31 (4H, m), 2.59-2.78 (1H, m), 3.92-4.03 (2H, m), 4.05-4.14 (2H, m), 4.19 (2H, d, J = 6.8 Hz), 4.48 (2H, s), 5.04 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 7.31-7.43 (1H, m), 7.54 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.61-7.73 (1H, m), 8.40 (1H, s).
【0289】
実施例23
(cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0290】
A) エチル 3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブタンカルボキシラート
エチル 3-((メチルスルホニル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート(1.5 g)、ヨウ化ナトリウム (2.53 g) およびアセトン (15 mL) の混合物を130 ℃で2時間マイクロウェーブ照射した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、不溶物を濾去し、濾液を濃縮した。残渣にDMF (7 mL) を加え、2,4,6-トリフルオロフェノール (999 mg)、炭酸カリウム (2.05 g) およびDMF (7 mL) の混合物を室温で加えた。混合物を80 ℃で3時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (1.04 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.18 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.19-3.17 (5H, m), 4.03-4.13 (2H, m), 4.48-4.80 (1H, m), 7.19-7.34 (2H, m).
【0291】
B) (3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メタノール
水素化リチウムアルミニウム (215 mg) とTHF (10 mL) の混合物にエチル 3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブタンカルボキシラート (1.04 g) とTHF (10 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、同じ温度で2時間撹拌した。混合物に0 ℃で10% 酒石酸カリウムナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した。濾液の有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (566 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.81-1.93 (1H, m), 2.05-2.40 (4H, m), 3.33-3.43 (2H, m), 4.41-4.75 (2H, m), 7.17-7.31 (2H, m).
【0292】
C) (3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
(3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メタノール (251 mg)、TEA (0.497 mL) とアセトニトリル(6 mL) の混合物にトリホスゲン (112 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(325 mg) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (160 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.82-1.94 (1H, m), 2.01-2.19 (2H, m), 2.19-2.38 (2H, m), 3.94-4.01 (4H, m), 4.05-4.13 (2H, m), 4.42-4.56 (2H, m), 4.73 (1H, quint, J = 6.5 Hz), 7.18-7.32 (2H, m), 8.39 (1H, d, J = 2.6 Hz).
【0293】
D) (cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
(3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート (150 mg) をHPLC (カラム:CHIRALCEL OJ (商品名)、50 mmID×500 mmL、ダイセル製、移動相:ヘキサン/エタノール = 45/55) にて分取し、保持時間の小さいほうの画分を濃縮した。残渣を酢酸エチル/へキサンで固体化させ、標題化合物 (26.8 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.95 (2H, m), 1.98-2.16 (1H, m), 2.27-2.39 (2H, m), 3.92-4.03 (4H, m), 4.03-4.13 (2H, m), 4.45-4.56 (3H, m), 7.18-7.33 (2H, m), 8.40 (1H, s).
【0294】
実施例24
(cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0295】
A) エチル cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート
エチル cis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (1 g) とDMF (10 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、305 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で30分間撹拌した後、1,2-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン (1.26 g) とDMF (10 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で4時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (386 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.19 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.18-2.33 (2H, m), 2.72-2.95 (3H, m), 4.09 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.77-4.89 (1H, m), 7.21 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.51 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 11.5, 2.1 Hz).
【0296】
B) (cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール
水素化リチウムアルミニウム (52.6 mg) とTHF (4 mL) の混合物にエチル cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート (386 mg) とTHF (4 mL) の混合物を0 ℃で滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で2時間撹拌した。混合物に室温で10% 酒石酸カリウムナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した。濾液の有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (367 mg) を粗生成物として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.94 (2H, m), 2.01-2.16 (1H, m), 2.43-2.56 (2H, m), 3.40 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.58 (1H, t, J = 5.4 Hz), 4.75 (1H, quint, J = 7.2 Hz), 7.20 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 8.6, 0.8 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 11.4, 2.0 Hz).
【0297】
C) (cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
(cis-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール (215 mg)、TEA (0.374 mL) とアセトニトリル (5 mL) の混合物にトリホスゲン (85 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(244 mg)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (45.4 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.95 (2H, m), 2.19-2.35 (1H, m), 2.53-2.68 (2H, m), 3.93-4.14 (6H, m), 4.47 (2H, s), 4.77 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 7.20 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.50 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.67 (1H, dd, J = 11.4, 2.0 Hz), 8.39 (1H, s).
【0298】
実施例25
(trans-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
(3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート (150 mg) をHPLC (カラム:CHIRALCEL OJ (商品名)、50 mmID×500 mmL、ダイセル製、移動相:ヘキサン/エタノール = 45/55) にて分取し、保持時間の大きいほうの画分を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/へキサンで固体化させ、標題化合物 (66.2 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.07-2.19 (2H, m), 2.19-2.32 (2H, m), 3.35-3.39 (1H, m), 3.92-4.02 (4H, m), 4.05-4.12 (2H, m), 4.47 (2H, s), 4.73 (1H, quint, J = 6.5 Hz), 7.18-7.34 (2H, m), 8.39 (1H, s).
【0299】
実施例26
(cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0300】
A) エチル cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート
エチル cis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシラート (1 g) とTHF (20 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、305 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、2-クロロ-1-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.950 mL) を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で2時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (352 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.19 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.19-2.30 (2H, m), 2.74-2.95 (3H, m), 4.09 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.81-4.91 (1H, m), 7.17 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 8.7, 1.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0301】
B) (cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール
エチル cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート (352 mg) とTHF (4 mL) の混合物に水素化リチウムアルミニウム (62.1 mg) とTHF (4 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で4時間撹拌した。混合物に0 ℃で10% 酒石酸カリウムナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した。濾液の有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (195 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.80-1.93 (2H, m), 2.01-2.17 (1H, m), 2.44-2.56 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 5.4 Hz), 4.59 (1H, t, J = 5.5 Hz), 4.76 (1H, quint, J = 7.2 Hz), 7.17 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.64 (1H, dd, J = 8.7, 1.7 Hz), 7.82 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0302】
C) (cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
(cis-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール (195 mg)、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (230 mg)、TEA (0.320 mL) とTHF (12 mL) の混合物にトリホスゲン (72.2 mg) を0 ℃で加えた。混合物を0 ℃で2時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、HPLC (C18、移動相:水/アセトニトリル (0.1% TFA含有系))にて分取した。得られた画分に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (13.2 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.05-2.12 (2H, m), 2.28-2.44 (1H, m), 2.58-2.71 (2H, m), 4.09-4.13 (4H, m), 4.20-4.26 (2H, m), 4.54 (2H, s), 4.61-4.73 (1H, m), 6.73 (1H, s), 6.81 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.6, 1.6 Hz), 7.63 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0303】
実施例27
(trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0304】
A) エチル trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート
エチル cis-3-(((4-メチルフェニル)スルホニル)オキシ)シクロブタンカルボキシラート(1 g)、2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノール (725 mg) とDMF (20 mL) の混合物に炭酸カリウム (695 mg) を室温で加えた。混合物を80 ℃で16時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (473 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.22 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.36-2.48 (2H, m), 2.68-2.79 (2H, m), 3.14-3.26 (1H, m), 4.13 (2H, q, J = 7.1 Hz), 5.02 (1H, quint, J = 6.6 Hz), 7.11 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.61-7.68 (1H, m), 7.85 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0305】
B) (trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール
エチル trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタンカルボキシラート (473 mg) とTHF (5 mL) の混合物に水素化リチウムアルミニウム (61.2 mg) とTHF (5 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。混合物に0 ℃で10% 酒石酸カリウムナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた。不溶物を濾去し、濾液の有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (277 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.10-2.24 (2H, m), 2.28-2.45 (3H, m), 3.48 (2H, t, J = 5.8 Hz), 4.69 (1H, t, J = 5.3 Hz), 4.94 (1H, quint, J = 6.5 Hz), 7.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.61-7.68 (1H, m), 7.83 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0306】
C) (trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (296 mg)、(trans-3-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)メタノール (277 mg)、TEA (0.454 mL) とTHF (6 mL) の混合物にトリホスゲン (103 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (29.7 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.19-2.29 (2H, m), 2.31-2.40 (2H, m), 2.54-2.66 (1H, m), 3.97-4.17 (6H, m), 4.49 (2H, s), 5.00 (1H, quint, J = 6.6 Hz), 7.10 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 8.7, 1.7 Hz), 7.84 (1H, d, J = 1.9 Hz), 8.42 (1H, s).
【0307】
実施例28
cis-3-(((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0308】
A) cis-3-(((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (395 mg) とDMF (5 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、60.3 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-2-クロロ-1-メチルベンゼン(280 mg) とDMF (2 mL) の混合物を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (317 mg)を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、316 mg) とTHF (6.6 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、0.79 mL) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、TBAF (1 M THF溶液、0.33 mL) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (83.9 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42-1.58 (2H, m), 1.80-1.99 (1H, m), 2.10-2.28 (2H, m), 2.31 (3H, s), 3.34 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.85-3.99 (1H, m), 4.41 (2H, s), 4.92 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 7.6, 1.4 Hz), 7.28-7.41 (2H, m).
【0309】
B) cis-3-(((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((3-クロロ-4-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (83 mg)、TEA (0.192 mL) とアセトニトリル (3.5 mL) の混合物にトリホスゲン (43.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(104 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (69.9 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.65-1.82 (2H, m), 2.11 (1H, d, J = 6.8 Hz), 2.25-2.40 (5H, m), 3.38 (2H, d, J = 5.9 Hz), 3.87-4.15 (4H, m), 4.44 (4H, d, J = 10.0 Hz), 4.72 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.13-7.22 (1H, m), 7.28-7.38 (2H, m), 8.37 (1H, s).
【0310】
実施例29
cis-3-(((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0311】
A) cis-3-(((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (0.8 g) とDMF (20 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、122 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した後、4-(ブロモメチル)-1-クロロ-2-メチルベンゼン (567 mg) とDMF (2 mL) の混合物を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (770 mg)を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、769 mg) とTHF (16 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、2.4 mL) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、TBAF (1 M THF溶液、0.80 mL) を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (241 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.41-1.61 (2H, m), 1.81-2.02 (1H, m), 2.10-2.27 (2H, m), 2.32 (3H, s), 3.35 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.81-4.02 (1H, m), 4.40 (2H, s), 4.92 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 8.1, 1.7 Hz), 7.28 (1H, d, J = 1.1 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0312】
B) cis-3-(((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((4-クロロ-3-メチルベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (241 mg)、TEA (0.558 mL) とアセトニトリル (10 mL) の混合物にトリホスゲン (125 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(301 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (291 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.65-1.84 (2H, m), 2.03-2.20 (1H, m), 2.24-2.40 (5H, m), 3.38 (2H, d, J = 5.9 Hz), 3.87-4.15 (4H, m), 4.42 (2H, s), 4.46 (2H, s), 4.72 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 8.2, 1.6 Hz), 7.28 (1H, s), 7.38 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.37 (1H, s).
【0313】
実施例30
cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0314】
A) tert-ブチル((cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン
(cis-3-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (400 mg) とDMF (4.0 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、89.0 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2-クロロ-4-フルオロベンゼン (496 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (602 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.01 (6H, s), 0.84 (9H, s), 1.49-1.73 (2H, m), 1.86-2.13 (1H, m), 2.19-2.38 (2H, m), 3.43 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.12 (1H, quint, J = 7.3 Hz), 4.49 (2H, s), 7.16-7.33 (1H, m), 7.39-7.55 (2H, m).
【0315】
B) cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
tert-ブチル((cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)ジメチルシラン (600 mg) とTHF (5.0 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、2.0 mL) を室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (364 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.46-1.63 (2H, m), 1.85-2.03 (1H, m), 2.16-2.31 (2H, m), 3.42 (2H, d, J = 6.4 Hz), 3.78-3.99 (1H, m), 4.49 (2H, s), 4.94 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.24 (1H, td, J = 8.5, 2.6 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.7, 2.6 Hz), 7.52 (1H, dd, J = 8.7, 6.4 Hz).
【0316】
C) cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((2-クロロ-4-フルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (240 mg)、TEA (0.818 mL) とアセトニトリル (4.0 mL) の混合物にトリホスゲン (102 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(309 mg) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (301 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.68-1.85 (2H, m), 2.06-2.23 (1H, m), 2.26-2.42 (2H, m), 3.46 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.89-4.18 (4H, m), 4.49 (4H, d, J = 12.1 Hz), 4.73 (1H, quint, J = 7.5 Hz), 7.24 (1H, td, J = 8.5, 2.6 Hz), 7.40-7.61 (2H, m), 8.38 (1H, s).
【0317】
実施例31
cis-3-(((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0318】
A) cis-3-(((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (1.01 g) とDMF (15 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、154 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2,3,4-トリフルオロベンゼン (734 mg) を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (1.08 g) を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、1.08 g) とTHF (22 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、3.3 mL) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (291 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39-1.60 (2H, m), 1.77-2.00 (1H, m), 2.14-2.33 (2H, m), 3.38 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.79-3.98 (1H, m), 4.50 (2H, s), 4.92 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.13-7.45 (2H, m).
【0319】
B) cis-3-(((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((2,3,4-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (290 mg)、TEA (0.657 mL) とアセトニトリル (12 mL) の混合物にトリホスゲン (147 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (354 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (351 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.64-1.83 (2H, m), 1.99-2.19 (1H, m), 2.21-2.43 (2H, m), 3.37-3.52 (2H, m), 3.83-4.19 (4H, m), 4.36-4.58 (4H, m), 4.72 (1H, quint, J = 7.5 Hz), 7.17-7.42 (2H, m), 8.38 (1H, s).
【0320】
実施例32
cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0321】
A) tert-ブチル(ジフェニル)((cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)シラン
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (1.00 g) とDMF (15 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、129 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-2,4,5-トリフルオロベンゼン (793 mg) を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (981 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.97 (9H, s), 1.61-1.80 (2H, m), 1.81-1.97 (1H, m), 2.07-2.25 (2H, m), 3.40 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.06-4.19 (1H, m), 4.45 (2H, s), 7.36-7.67 (12H, m).
【0322】
B) cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
tert-ブチル(ジフェニル)((cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル)オキシ)シラン (981 mg) とTHF (4 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、3.0 mL) を室温で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (296 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.40-1.59 (2H, m), 1.85-1.98 (1H, m), 2.13-2.31 (2H, m), 3.39 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.82-3.98 (1H, m), 4.45 (2H, s), 4.92 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.38-7.64 (2H, m).
【0323】
C) cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((2,4,5-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (301 mg)、TEA (0.68 mL) とアセトニトリル (5 mL) の混合物にトリホスゲン (127 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (385 mg) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (105 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.65-1.81 (2H, m), 2.02-2.20 (1H, m), 2.26-2.37 (2H, m), 3.42 (2H, d, J = 5.9 Hz), 3.90-4.00 (2H, m), 4.02-4.12 (2H, m), 4.46 (2H, s), 4.47 (2H, s), 4.72 (1H, quint, J = 7.4 Hz), 7.35-7.71 (2H, m), 8.37 (1H, s).
【0324】
実施例33
cis-3-(((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0325】
A) cis-3-(((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール
(cis-3-((tert-ブチル(ジフェニル)シリル)オキシ)シクロブチル)メタノール (804 mg) とDMF (10 mL) の混合物に水素化ナトリウム(60%、123 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した後、2-(ブロモメチル)-1,3,5-トリフルオロベンゼン (584 mg) とDMF (2 mL) の混合物を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に0 ℃で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (1.11 g) を粗生成物として得た。得られた中間体 (粗生成物、1.1 g) とTHF (11 mL) の混合物にTBAF (1 M THF溶液、4.5 mL) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (82 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.29-1.56 (2H, m), 1.77-1.95 (1H, m), 2.12-2.30 (2H, m), 3.35 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.79-4.05 (1H, m), 4.44 (2H, s), 4.90 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.21 (2H, dd, J = 9.3, 8.0 Hz).
【0326】
B) cis-3-(((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
cis-3-(((2,4,6-トリフルオロベンジル)オキシ)メチル)シクロブタノール (352 mg)、TEA (0.797 mL) とアセトニトリル (14 mL) の混合物にトリホスゲン (178 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (429 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (409 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.59-1.78 (2H, m), 2.01-2.17 (1H, m), 2.22-2.36 (2H, m), 3.39 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.90-3.98 (2H, m), 4.01-4.13 (2H, m), 4.42-4.50 (4H, m), 4.70 (1H, quint, J = 7.6 Hz), 7.11-7.34 (2H, m), 8.37 (1H, s).
【0327】
実施例39
trans-3-(2,3,4-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0328】
A) 1-((trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)オキシ)-2,3,4-トリフルオロベンゼン
cis-3-(ベンジルオキシ)シクロブタノール (250 mg)、2,3,4-トリフルオロフェノール (249 mg)、トリフェニルホスフィン (552 mg) とTHF (5.0 mL) の混合物にDIAD (40% トルエン溶液、1.14 mL) を室温で加えた。混合物を60 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物(426 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.28-2.41 (2H, m), 2.46 (2H, dd, J = 6.8, 4.5 Hz), 4.28 (1H, tt, J = 7.0, 4.7 Hz), 4.40 (2H, s), 4.94 (1H, tt, J = 6.9, 4.2 Hz), 6.84 (1H, tdd, J = 9.2, 4.5, 2.6 Hz), 7.12-7.48 (6H, m).
【0329】
B) trans-3-(2,3,4-トリフルオロフェノキシ)シクロブタノール
1-((trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)オキシ)-2,3,4-トリフルオロベンゼン (417 mg)、水酸化パラジウム/炭素 (Pd 20%、50%含水、40.0 mg) および酢酸エチル (6.0 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (287 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.19-2.41 (4H, m), 4.28-4.44 (1H, m), 4.85-4.97 (1H, m), 5.20 (1H, d, J = 5.3 Hz), 6.80 (1H, tdd, J = 9.2, 4.8, 2.6 Hz), 7.12-7.31 (1H, m).
【0330】
C) trans-3-(2,3,4-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-(2,3,4-トリフルオロフェノキシ)シクロブタノール (280 mg)、TEA (0.892 mL) とTHF (6.0 mL) の混合物にトリホスゲン (133 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(385 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で2日間撹拌した。混合物をNHシリカゲルに通し、酢酸エチル/メタノール (10/1) で溶出させた後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させ、標題化合物 (405 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.44-2.77 (4H, m), 4.05-4.28 (4H, m), 4.56 (2H, s), 4.78-4.93 (1H, m), 5.19 (1H, tt, J = 7.2, 4.5 Hz), 6.02 (1H, s), 6.33-6.58 (1H, m), 6.71-6.96 (1H, m).
【0331】
実施例44
cis-3-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0332】
A) trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブタノール (9.65 g)、TEA (37.6 mL) とTHF (120 mL) の混合物を氷-食塩浴で-10 ℃に冷却した。反応混合物の内温を5 ℃以下に保ちながら、トリホスゲン (5.62 g) とTHF (40 mL) の混合物を30分間かけて滴下した。反応混合物にTHF (50 mL) を加え、-10 ℃で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩 (16.3 g) を少しずつ加えた。反応混合物を0 ℃で1時間、室温で3日間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、標題化合物 (15.6 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.15-2.41 (4H, m), 3.91-4.13 (4H, m), 4.15-4.27 (1H, m), 4.37 (2H, s), 4.47 (2H, s), 4.87-5.02 (1H, m), 7.21-7.46 (5H, m), 8.39 (1H, s).
【0333】
B) trans-3-ヒドロキシシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート (7.50 g)、酢酸エチル (50 mL) およびメタノール (50 mL) の混合物に水酸化パラジウム/炭素 (Pd 20%、50%含水、750 mg) を窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標題化合物 (5.47 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.07-2.27 (4H, m), 3.91-4.15 (4H, m), 4.22-4.36 (1H, m), 4.47 (2H, s), 4.85-4.99 (1H, m), 5.11 (1H, d, J = 5.3 Hz), 8.40 (1H, s).
【0334】
C) cis-3-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-ヒドロキシシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(250 mg)、2-クロロ-4-フルオロフェノール (0.165 mL)、トリフェニルホスフィン (ポリマー担持、3 mmol/g、1.03 g) とTHF (5.0 mL) の混合物にDIAD (0.305 mL) を室温で加えた。混合物を60 ℃で3時間撹拌した。反応混合物をNHシリカゲルに通し、酢酸エチル/メタノール (10/1) で溶出させ、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル (1/10) で洗浄し、減圧下80 ℃で2時間乾燥させ、標題化合物 (245 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.99-2.20 (2H, m), 2.90-3.06 (2H, m), 3.88-4.22 (4H, m), 4.40-4.53 (3H, m), 4.63 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 6.94-7.07 (1H, m), 7.15 (1H, td, J = 8.6, 3.0 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.3, 3.0 Hz), 8.39 (1H, s).
【0335】
実施例46
cis-3-(2,4,6-トリフルオロフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-ヒドロキシシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(250 mg)、2,4,6-トリフルオロフェノール (229 mg)、トリフェニルホスフィン (ポリマー担持、3 mmol/g、1.03 g) とTHF (5.0 mL) の混合物にDIAD (0.305 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で1時間、60 ℃で1時間撹拌した。反応混合物をNHシリカゲルに通し、酢酸エチル/メタノール (9/1) で溶出させ、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させ、標題化合物 (327 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.05-2.25 (2H, m), 2.67-2.86 (2H, m), 3.90-4.19 (4H, m), 4.34 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 4.43-4.56 (3H, m), 7.20-7.40 (2H, m), 8.40 (1H, s).
mp 160 ℃
粉末X線結晶回折パターン(回折角2θ):4.1°, 8.2°, 12.3°, 16.4°, 18.6°, 21.5°, 23.4°および24.7°
【0336】
実施例50
cis-3-(4-フルオロ-3-メチルフェノキシ)シクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
trans-3-ヒドロキシシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート(250 mg)、4-フルオロ-3-メチルフェノール (0.172 mL)、トリフェニルホスフィン (ポリマー担持、3 mmol/g、1.03 g) とTHF (5.0 mL) の混合物にDIAD (0.305 mL) を室温で加えた。混合物を同じ温度で1時間、60 ℃で1時間撹拌した。反応混合物をNHシリカゲルに通し、酢酸エチル/メタノール (9/1) で溶出させ、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから固体化させ、粗生成物 (257 mg)を得た。得られた粗生成物(243 mg)をエタノール/水から再結晶し、標題化合物(216 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.92-2.11 (2H, m), 2.19 (3H, d, J = 1.9 Hz), 2.83-3.05 (2H, m), 3.92-4.21 (4H, m), 4.36 (1H, quint, J = 6.7 Hz), 4.47 (2H, s), 4.61 (1H, quint, J = 7.2 Hz), 6.66 (1H, dt, J = 8.7, 3.6 Hz), 6.76 (1H, dd, J = 6.5, 2.9 Hz), 7.02 (1H, t, J = 9.2 Hz), 8.40 (1H, s).
【0337】
実施例63
cis-3-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-3-メチルシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
【0338】
A) 1-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-4-フルオロ-2-ニトロベンゼン
3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブタノール (0.89 g) とDMF (10 mL) の混合物に水素化ナトリウム (60%、204 mg) をアルゴン雰囲気下、0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、1,4-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン (0.552 mL) を0 ℃で加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で1時間、60 ℃で3時間、室温で終夜撹拌した。反応混合物に0.1 M 塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) およびNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物(629 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 (3H, s), 2.17-2.27 (2H, m), 2.61-2.70 (2H, m), 3.89 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 4.39 (2H, s), 7.17 (1H, dd, J = 9.4, 4.5 Hz), 7.24-7.39 (5H, m), 7.43-7.52 (1H, m), 7.86 (1H, dd, J = 7.9, 3.2 Hz).
【0339】
B) 2-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-5-フルオロアニリン
1-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-4-フルオロ-2-ニトロベンゼン (629 mg)、パラジウム/炭素 (エチレンジアミン複合体、Pd 3.5-6.5%、202 mg) およびメタノール (12 mL) の混合物を常圧の水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標題化合物(483 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.33-1.41 (3H, m), 2.14-2.24 (2H, m), 2.42-2.48 (2H, m), 3.81 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 4.36 (2H, s), 4.97 (2H, s), 6.19 (1H, td, J = 8.6, 3.1 Hz), 6.43 (1H, dd, J = 10.9, 3.1 Hz), 6.61 (1H, dd, J = 8.7, 5.7 Hz), 7.24-7.37 (5H, m).
【0340】
C) 1-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-2-クロロ-4-フルオロベンゼン
2-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-5-フルオロアニリン (483 mg) と塩酸 (6 M、10 mL) の混合物に亜硝酸ナトリウム (133 mg) と水(1 mL) の混合物を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、塩化銅 (I) (190 mg) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (209 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.42 (3H, s), 2.15-2.27 (2H, m), 2.55-2.65 (2H, m), 3.87 (1H, quint, J = 6.9 Hz), 4.38 (2H, s), 6.98-7.05 (1H, m), 7.09-7.17 (1H, m), 7.25-7.38 (5H, m), 7.44 (1H, dd, J = 8.5, 3.0 Hz).
【0341】
D) cis-3-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-3-メチルシクロブチル 6-オキソ-7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシラート
ヨウ化ナトリウム (187 mg) とアセトニトリル (2 mL) の混合物にクロロトリメチルシラン (0.159 mL) を0 ℃で加えた。混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、1-((3-(ベンジルオキシ)-1-メチルシクロブチル)オキシ)-2-クロロ-4-フルオロベンゼン (200 mg) とアセトニトリル (2 mL) の混合物を0 ℃で加えた。混合物を0 ℃で1時間、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、中間体 (93 mg) を得た。得られた中間体 (93 mg)、TEA (0.287 mL) およびアセトニトリル (2 mL) の混合物にトリホスゲン (64.8 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した後、7-オキサ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-オン トシル酸塩(187 mg) を0 ℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。残渣をHPLC (C18、移動相:水/アセトニトリル (0.1% TFA含有系))にて分取した。得られた画分に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから固体化させ、標題化合物 (74.7 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.45 (3H, s), 2.24-2.37 (2H, m), 2.65-2.76 (2H, m), 3.91-4.01 (2H, m), 4.01-4.13 (2H, m), 4.46 (2H, s), 4.68 (1H, quint, J = 7.1 Hz), 6.97-7.05 (1H, m), 7.08-7.17 (1H, m), 7.45 (1H, dd, J = 8.4, 3.1 Hz), 8.37 (1H, s).
【0342】
実施例化合物を以下の表1に示す。表中のMSは実測値を示す。上記の実施例に示した方法またはそれらに準じた方法に従って、以下の表中の実施例34~38、40~43、45、47~49、51~62および64の化合物を製造した。
【0343】
【0344】
【0345】
【0346】
【0347】
【0348】
【0349】
【0350】
【0351】
参考例1
(1r,3r)-3-(ベンジルオキシ)シクロブタン-1-オール(trans-3-(ベンジルオキシ)シクロブタノールと同一化合物)
【0352】
A) (1r,3r)-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル 4-ニトロベンゾアート
3-(ベンジルオキシ)シクロブタノン (24.7 g)とメタノール (300 mL)の混合物に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(5.30 g)を少量ずつ加え、混合物を23℃で2時間撹拌した。メタノールを減圧下留去し、残渣を0.5M塩酸(200 mL)で希釈した。混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、粗生成物 (21.8g)を得た。この粗生成物をHPLC (カラム:CHIRALPAK AD (商品名)、50 mmID x 500 mmL、ダイセル製、移動相:ヘキサン/エタノール(900/100 (v/v)))を用いて精製し、(1s,3s)-3-(ベンジルオキシ)シクロブタン-1-オール (17.7 g)を得た。得られた(1s,3s)-3-(ベンジルオキシ)シクロブタン-1-オール (10.0 g)、4-ニトロ安息香酸 (14.07 g)、トリフェニルホスフィン(22.07 g)およびTHF (125 mL)の混合物に、0℃でDIAD (18.91 g)を滴下し、混合物を室温まで昇温させた。混合物を室温で終夜撹拌し、トルエンで希釈後、減圧下約100mLまで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (18.45 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ2.42-2.49 (4H, m), 4.34 (1H, quin, J = 5.8 Hz), 4.42 (2H, s), 5.21-5.40 (1H, m), 7.18-7.42 (5H, m), 8.15-8.27 (2H, m), 8.30-8.46 (2H, m).
【0353】
B) (1r,3r)-3-(ベンジルオキシ)シクロブタン-1-オール
(1r,3r)-3-(ベンジルオキシ)シクロブチル 4-ニトロベンゾアート(18.37 g)およびTHF (100 mL)/メタノール(20.0 mL)の混合物に、0℃で2M 水酸化ナトリウム水溶液 (84 mL) を滴下し、混合物を室温で終夜撹拌した。有機溶媒を減圧下留去し、残渣を水および酢酸エチルで分配した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物 (9.65 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.95-2.08 (2H, m), 2.12-2.25 (2H, m), 4.09-4.20 (1H, m), 4.27 (1H, tq, J = 7.1, 4.9 Hz), 4.33 (2H, s), 4.98 (1H, d, J = 5.3 Hz), 7.21-7.42 (5H, m).
【0354】
試験例1:MAGLタンパク質をコードするヒトMGLLのクローニングと発現プラスミドの構築
ヒトMGLL cDNAは、ヒトORF Clone(DNAForm社;Clone ID: 100004585)を鋳型としてPCRを行って取得した。PCRは、2種類のPrimer:
5'-CCACCATCATCACGGATCCATGCCAGAGGAAAGTTCCCCCA-3'
〔配列番号1〕
及び
5'-TGGTGCTCGAGTGCGGCCGCTCAGGGTGGGGACGCAGTTC-3'
〔配列番号2〕
を用い、PrimeSTAR MAX DNA Polymerase(タカラバイオ社)を用いて、(1)98℃で1分間の反応の後、(2)98℃で10秒、68℃で10秒のサイクルを25回行い、(3)72℃で1分間反応した。得られたPCR産物をBam HI及びNot I(タカラバイオ社)で切断後、Ligation High(東洋紡社)を用いてpET21HH(V)(pET21a (Novagen社)にHis x6及びTEV Protease認識配列を挿入したもの)のBam HI/Not I部位に挿入し、ECOSTM JM109(ニッポンジーン社)に導入して、大腸菌での発現プラスミドpET21HH(V)/His-hMGLLv2を構築した。
【0355】
試験例2:組換え型ポリヒスチジンタグ付きヒトMAGLタンパク質の調製
組換え型His-hMAGLタンパク質の調製は、上記で作製したpET21HH(V)/His-hMGLLv2プラスミドでECOSTMCompetent E. coli BL21(DE3) (ニッポンジーン社)を形質転換させて行った。形質転換して得られた大腸菌を10mLのLB培地(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.01%アンピシリン)に接種し、30℃で16時間培養した。得られた培養液5mLを、1Lの主発酵用培地(1.05% M9 MEDIUM BROTH(AMRESCO社)、0.5%酵母エキス、1.5%ソルビトール、1.5%カザミノ酸、0.024%硫酸マグネシウム、0.01%消泡剤PE-L(Wako社)、0.01%アンピシリン)を含む2L 坂口フラスコに移植して、37℃で150rpmの振とう培養を開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、培養温度を16℃に下げた後イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度1mMとなるように添加し、さらに19時間培養を行った。培養終了後、培養液を遠心分離(4℃、6,000rpm、10分)し、His-hMAGL発現大腸菌を得た。次に、His-hMAGL発現大腸菌を1% TritonX-100、20mM イミダゾール、3mM DTT、5U/ml Benzonase(Merck社)及び150mM NaClを含む50mM Tris-HCl (pH8.0) 100mlに懸濁し十分に冷却後、BRANSON Digital Sonifier 450(セントラル科学貿易社)の3/4" ソリッド型破砕ホーンを用いAMPLITUDE=60%で 15sec/ON、30sec/OFF、3minの超音波処理を行った。更に、この細胞破砕液を遠心分離(4℃、6,000rpm、20min)し上清を得た。精製装置はAKTA explorer 10s(GEヘルスケア・ジャパン社)を用い4℃で行った。得られた上清に終塩濃度0.3Mになるように5M NaCl を添加し、予めbuffer A(0.05%TritonX-100、1mM DTT, 300mM NaClを含んだ50mM Tris-HCl (pH8.0))で平衡化した5mLのNi-NTA Superflow Cartridges(QIAGEN社)に通液、吸着させた後、20mMイミダゾールを含むbuffer Aを用いて十分にカラムを洗浄後、終濃度250mM イミダゾールを含むbuffer Aを用いてHis-hMAGLを溶出させた。溶出液は更に、10% グリセロール、0.05% TritonX-100、1mM DTT、150mM NaClを含んだ50mM Tris-HCl pH8.0で平衡化したHiLoad 16/600 Superdex 200 pg(GEヘルスケア・ジャパン社)でゲルろ過を行った。溶出画分をAmicon Ultra-15 10K(メルクミリポア社)で濃縮し、精製His-hMAGLタンパク質とした。タンパク質濃度は、BSAをスタンダードとしてBCA Protein Assay Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて測定した。
【0356】
試験例3:MAGL阻害活性の測定
上記で得られたHis-hMAGLを酵素反応用緩衝液(10mM Tris-HCl, pH7.5, 1mM EDTA, 0.025(w/v)% Triton X-100, 0.01% Bovine serum albumin)で7.5 ng/mLの濃度に希釈した。384 well assay plate (Greiner 781280)の各ウェルに、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した試験化合物を上記酵素反応用緩衝液で希釈した溶液5μLずつを添加し、ついで、7.5 ng/mLの濃度に希釈したHis-hMAGL溶液を5μLずつ添加し室温で60分間インキュベーションした。その後、各ウェルに、150μM 2-arachidonylglycerol (Tocris Bioscience社)を5μLずつ添加し、室温で10分間インキュベートした後に2% ギ酸(Wako Pure Chemical社) を10μL加えて反応を停止した。さらに、3μM arachidonic acid-d8(Cayman Chemical社)を含むアセトニトリル50μLを添加し撹拌した。
得られた酵素反応液中のアラキドン酸量はRapidFire-マススペクトロメトリーにより測定し、arachidonic acid-d8の量で補正することにより求めた。ハイスループットオンライン固相抽出はRapidFire300TMシステム(Agilent Technologies社)を用いて行った。サンプルは1.5 mL/分の流速で、超純水/アセトニトリル(70/30, v/v)中 0.2(v/v)% 酢酸(Wako Pure Chemical社)で、SPE C4カートリッジ(Agilent Technologies社)にロードおよび脱塩し、アセトニトリル/超純水(90/10, v/v)に溶解した0.2(v/v)% 酢酸を用いて、0.5 mL/分の流速で溶出し、質量分析部に導入した。インジェクションニードルは、キャリーオーバーを最小限に抑えるために超純水(500ミリ秒)とアセトニトリル(500ミリ秒)で洗浄した。吸引時間(インジェクションループ5 μL)、ロード/洗浄時間、溶出時間、および再平衡化時間はそれぞれ300、3000、4250、および1000ミリ秒、合計サイクル時間を約10.0秒に調整した。RapidFire300システムは、RapidFire UIソフトウェアバージョン3.6(Agilent Technologies社)によって制御した。
生成物の質量分析は、エレクトロスプレーイオンソース(TurboIon SprayTM)を装備したAPI4000TMトリプル四重極質量分析計(AB SCIEX社)を用いてnegative selected reaction monitoring(SRM)モードで行った。SRMの条件を以下に示す。機器のパラメータは以下のように最適化した:キャピラリー温度 600℃、イオンスプレー電圧 -4.5 kV、コリジョンガス 8、カーテンガス15psi、イオンソースガス1 60 psi、イオンソースガス2 60 psi。質量分析計はAnalystTMソフトウェアバージョン1.5.1(AB SCIEX社)で制御した。
ピーク面積積分の解析はRapidFire integratorソフトウェアバージョン3.6(Agilent Technologies社)を用いて行った。
MAGL阻害率(%)は以下の計算式に従って求めた。
(1-(試験化合物添加群のアラキドン酸生成量-酵素無添加群のアラキドン酸生成量)÷(試験化合物非添加群のアラキドン酸生成量-酵素無添加群のアラキドン酸生成量))×100
結果を以下の表2に示す。
【0357】
【0358】
【0359】
表2から明らかなように、本発明化合物はMAGL阻害活性を有する。
【0360】
試験例4:脳内2-AGおよびアラキドン酸濃度の測定
マウスは、8週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア社)を用いた(6匹/群)。投与液は、試験化合物(化合物1(実施例16の化合物)、化合物2(実施例18の化合物)、化合物3(実施例46の化合物))を0.5%メチルセルロース溶液(和光純薬社)で懸濁し、調製した。試験化合物の用量は、1mg/kg体重/10mLとなるように調製した。試験化合物は、1mg/kg体重となるように強制経口投与を行った。試験化合物投与後に大脳を摘出し(試験化合物投与後摘出時間は表3に記載)、大脳半球を採取した。取得した大脳半球はドライアイス上で凍結させ、凍結組織重量を測定した。
【0361】
組織重量の4倍量のイソプロパノール(IPA)を添加しホモジナイズを行った後、IPAで2倍希釈した。その希釈サンプル200μLに5μLの内部標準溶液([5,6,8,9,11,12,14,15-D8]-(5Z,8Z,11Z,14Z)5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(AA-d8、0.5nmol/mL IPA)および[5,6,8,9,11,12,14,15-D8]-(5Z,8Z,11Z,14Z)-5,8,11,14-エイコサテトラエン酸-2-グリセロールエステル(2-AG-d8、0.5nmol/mL IPA))を添加した後、15000rpmで5分間遠心した。その上清を液体クロマトグラフィー質量分析計に導入し定量分析を行った。
液体クロマトグラフィーは、島津LC20Aシステム(島津製作所)を使用した。Shim-pack XR-ODS(2.2μm、2.0×30mm、島津製作所)をカラム温度50℃、流速0.5mL/minで使用し、移動相A(10 mmol/L HCOONH4 / HCOOH (100 : 0.2, v/v))と移動相B(エタノール/IPA(3:2, v/v))によるグラジエント溶出法により分離を行った。グラジエント条件は以下の通り:0-1min、1%B;1-1.2min、1-55%B;1.2-2.7min,55-75%B;2.7-3.5min、75-99%B;3.5-6min、99%B;6-8min、1%B。
質量分析計は、API5000(AB SCIEX社)を使用した。液体クロマトグラフィーからの溶出液を、直接ターボスプレーイオン化法によりイオン化し、(5Z,8Z,11Z,14Z)5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(AA)およびAA-d8は陰イオンモード、(5Z,8Z,11Z,14Z)5,8,11,14-エイコサテトラエン酸-2-グリセロールエステル(2-AG)および2-AG-d8は陽イオンモードによる測定を行った。質量分析計によるそれぞれの分子の検出条件は表4を参照。
検量線用溶液は、濃度が2,5,10,20,50,100,200,500,1000nmol/mL アセトニトリルとなるように作成した。これらの検量線溶液10μLを200μLのIPAおよび5μL内部標準溶液と混和し、15000rpmで5分間遠心後の上清を液体クロマトグラフィー質量分析計に導入し分析を行った。検量線は、1/x2の重み付けによる回帰直線により作成した。検量線は、真度100±20%、R2>0.99であることを確認し、定量性を確認した。
結果を以下の表5に示す。
【0362】
表5から明らかなように、化合物1、2および3はC57BL/6Jマウスへの経口投与によって脳内に移行し、対照群と比較して脳内2-AG濃度を増加させると同時に脳内アラキドン酸濃度を減少させた。
【0363】
【0364】
【0365】
【0366】
製剤例
本発明化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例1で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg
上記(1)、(2)および(3)の全量と5mgの(4)を混和した後、顆粒化し、これに残りの(4)を5mg加えて、全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0367】
2.錠剤
(1)実施例1で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 230mg
上記(1)、(2)および(3)の全量と20mgの(4)および2.5mgの(5)を混和した後、顆粒化し、この顆粒に残りの(4)を10mgおよび(5)を2.5mg加えて加圧成型し、錠剤とする。
【産業上の利用可能性】
【0368】
本発明によれば、MAGL阻害作用を有し、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、緑内障、多発性硬化症など)、不安障害、疼痛(例、炎症性疼痛、癌性疼痛、神経性疼痛など)、てんかん、うつ病などの予防または治療剤として有用であると期待される化合物を提供できる。
【0369】
本出願は、日本で2017年9月29日に出願された特願2017-190838号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。
【配列表】