(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】プロセスパラメータを決定するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
H01L21/302 103
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018188050
(22)【出願日】2018-10-03
【審査請求日】2021-07-07
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤシン・カボウジ
(72)【発明者】
【氏名】リュック・アルバレーデ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0084503(US,A1)
【文献】特開2013-161913(JP,A)
【文献】特開2003-077782(JP,A)
【文献】国際公開第2014/123028(WO,A1)
【文献】特表2005-536074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルを使用して、処理チャンバの中で基板を処理するための方法であって、
基板をドライ処理し、前記ドライ処理は、少なくとも1種類のガス副生成物を生成し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度のタイムトレースを取得し、
少なくとも1つのプロセス出力を得るために、前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルのための入力として、前記取得された前記濃度のタイムトレースを提供し、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために、前記少なくとも1つのプロセス出力を使用する、
ことを備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルは、多変量方法に基づく、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記取得された濃度のタイムトレースから吸収値の一括の和を算出することを備える方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルは
、エッチング速度、均一性、微小寸法、エッチングプロフィール、ウェット洗浄
パラメータ、チャンバ
調整パラメータ、及びチャンバ洗浄
パラメータのうちの少なくとも1つ
を出力するように構成される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、エッチング速度、均一性、微小寸法、及びエッチングプロフィールのうちの少なくとも1つにおける変化を決定することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、エッチング速度、均一性、CD、及びエッチングプロフィールのうちの少なくとも1つが規格外であるかを決定することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、光の吸収に基づいて測定される、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、少なくとも1メートルの光路長を伴うマルチパスガスセルを使用して測定され、前記少なくとも1種類のガス副生成物は、前記マルチパスガスセルを排気ポンプの出力側に置くことによって、前記少なくとも1種類のガス副生成物が前記排気ポンプを通り抜けた後に測定される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力は、少なくとも2つのプロセス出力を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、前記少なくとも1つのプロセスパラメータをリアル
タイムで調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、プロセス上限及びプロセス下限を決定するために前記タイムトレースベースの予測モデルを使用
すること、及び、前記少なくとも1つのプロセス出力を前記プロセス上限及び前記プロセス下限と比較することを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定することは、前記少なくとも1種類のガス副生成物を10億分の1の精度で測定する、方法。
【請求項13】
タイムトレースベースの予測モデルを作成する方法であって、
複数の基板をドライ処理し、前記ドライ処理は、少なくとも1種類のガス副生成物を生成し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定し、
プロセスパラメータを記録し、
各基板について、時間に対する前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度の複数のタイムトレースを取得し、
出力パラメータを測定し、
少なくとも1つのプロセス出力のタイムトレースベースの予測モデルを作成するために、前記プロセスパラメータ、前記取得された複数のタイムトレース、及び前記測定された出力パラメータを使用する、
ことを備える方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物は、シリコン含有ガスを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度を測定することは、前記少なくとも1種類のガス副生成物を10億分の1の精度で測定する、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスのタイムトレースベースの予測モデルを作成するために、前記プロセスパラメータ、前記取得された複数のタイムトレース、及び前記測定された出力パラメータを使用することは、多変数解析又はニューラルネットワーキングのうちの少なくとも1つを使用する、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、光の吸収に基づいて測定される、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、少なくとも1メートルの光路長を伴うマルチパスガスセルを使用して測定され、前記少なくとも1種類のガス副生成物は、前記マルチパスガスセルを排気ポンプの出力側に置くことによって、前記少なくとも1種類のガス副生成物が前記排気ポンプを通り抜けた後に測定される、方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力は、エッチング速度、均一性、微小寸法、エッチングプロフィール、ウェット洗浄
パラメータ、チャンバ
調整パラメータ、及びチャンバ洗浄
パラメータのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用は、少なくとも2つのプロセス出力を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2015年9月23日に出願された、「APPARATUS FOR DETERMINING PROCESS RATE(プロセス速度を決定するための装置)」と題されたAlbarede et al.による米国特許出願第14/863,211号、及び2015年9月23日に出願されて2017年8月15日に発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING PROCESS RATE(プロセス速度を決定するための方法及び装置)」と題されたKabouzi et al.による米国特許第9,735,069号の優先権を主張する。これらは、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体デバイスの製造に関する。本開示は、特に、半導体デバイスの製造に使用されるエッチングに関する。
【0003】
半導体ウエハの処理では、シリコン含有層が選択的にエッチングされる。シリコン含有層のエッチングでは、ウエハごとに又はチャンバごとに、エッチング速度、エッチングCD(微小寸法)、エッチングプロフィール、及びエッチング均一性を測定することが所望される。エッチングプロセスによって生じる副生成物の濃度の測定には、IR(赤外線)吸収が使用されてよい。
【0004】
現行のエッチングシステムは、フリート幅の較正済み信号をin-situ測定する手段を有しておらず、大半の事例では、プラズマ発光に依存する。プラズマ発光は、チャンバごとに及びウェット洗浄ごとに変化するのが通例であり、これは、信号に依存してin-situ計測標準レベル故障検出を実現することを困難にする。また、現在利用可能な信号は、ウエハ上における結果への依存が強くなく、予測因子として弱い。
【発明の概要】
【0005】
上記を実現するために、及び本開示の目的にしたがって、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルを使用して処理チャンバ内で基板を処理するための方法が提供される。基板がドライ処理され、該ドライ処理によって、少なくとも1種類のガス副生成物が生成される。少なくとも1種類のガス副生成物の濃度が測定される。少なくとも1種類のガス副生成物の濃度のタイムトレースが取得される。取得された濃度のタイムトレースは、少なくとも1つのプロセス出力を得るために、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルの入力として提供される。少なくとも1つのプロセス出力は、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために使用される。
【0006】
別の一形態では、タイムトレースベースの予測モデルを作成するための方法が提供される。複数の基板がドライ処理され、ドライ処理によって、少なくとも1種類のガス副生成物が生成される。少なくとも1種類のガス副生成物の濃度が測定される。プロセスパラメータが記録される。各基板について、少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を対時間で記録した複数のタイムトレースが取得される。出力パラメータが測定される。プロセスパラメータ、取得された複数のタイムトレース、及び測定された出力パラメータが、少なくとも1つのプロセス出力のタイムトレースベースの予測モデルを作成するために使用される。
【0007】
本開示のこれらの及びその他の特徴が、本開示の詳細な説明の中で、以下の図面と関連付けて更に詳しく後述される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、添付の図面の中で、限定的なものではなく例示的なものとして示され、図中、類似の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
【0009】
【
図1A】一実施形態のハイレベルフローチャートである。
【0010】
【
図1B】少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルの作成のフローチャートである。
【0011】
【
図2】一実施形態で使用されえるプラズマ処理チャンバの模式図である。
【0012】
【
図3】
図2に示された実施形態のガスセルの、より詳細な模式図である。
【0013】
【
図4】一実施形態で使用されえるコンピュータシステムである。
【0014】
【0015】
【
図6】一実施形態で使用される再帰型ニューラルネットワークモデルの模式図である。
【0016】
【
図7】予測モデルのための変換行列又は回帰係数を作成するために複数のタイムトレースがどのように使用されえるかの模式図である。
【0017】
【
図8】測定された予測CD対測定CDのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面に例示される幾つかの好ましい実施形態を参照にして、本開示が詳細に説明される。以下の説明では、本開示の完全な理解を与えるために、具体的詳細が特定されている。しかしながら、当業者にならば、本開示が、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴うことなく実施されてもよいことが明らかである。また、本開示を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセスステップ及び/又は構造の詳細な説明は省略される。
【0019】
プロセス制御(例えば終点)のために使用される現行の技術は、発光分光法、反射率、又はRF(無線周波数)電圧及び電流を使用した、プラズマパラメータの相対的測定又は間接的測定に依存する。終点制御の場合、発光分光法は、CDが21nm未満に縮小しアスペクト比が30:1を超えるときに信号の変化がゼロに近づくことで、その限界に到達する。In-situエッチング速度(ER)測定の場合、RF電圧/電流の使用は、チャンバ毎に維持されるわけではない相関性に基づく。
【0020】
一実施形態は、フッ化炭素をベースにした化学剤を使用するときに大半のシリコン含有エッチング物(窒化物、酸化物、及びシリコン膜)から生じる直接的な副生成物であるSiF4若しくはSiBr4、又はSiCl4若しくはその他のSiX4の絶対的測定に依存する。これらの測定結果をタイムトレース相関と組み合わせることによって、終点、深さの関数としてのER、平均のウエハ選択性、及び特定の条件における均一性が予測できる。SiF4副生成物は、ppb(10億分の1)レベルの検出を可能にする量子カスケードレーザ分光法を使用して、IR吸収を使用して検出される。
【0021】
本開示は、エッチングプロセスを制御するために、SiF4 IR吸収と結び付いたタイムトレース相関を組み合わせる方法を説明する。この方法は、DRAMセルのエッチングや3D-NANDホール及びトレンチのパターニングなどの高アスペクト比用途において、終点機能を、発光分光法などの旧来の方法が到達しえる範囲を超えて拡張可能にする。絶対密度測定とタイムトレース相関との組み合わせは、実行間のプロセス整合を実現するために使用できるER、選択性、CD、及び均一性などのエッチング出力パラメータをin-situで更に決定可能にする。
【0022】
一実施形態では、直接的な安定した副生成物の測定によってエッチングプロセスが特徴付けられ、このような副生成物は、1)プロセス/CD制御のために高アスペクト比のDRAMエッチング及び3D-NANDエッチングのための終点を決定するために使用できる、2)将来のノード用に終点検出をスケール調整するために使用できる、3)いずれの測定値も実行間整合及び故障検出に使用できるa)平均ウエハERと深さの関数としてのER(ARDE)と、及び、b)平均ウエハ均一性と選択性とをin-situで決定するために、タイムトレース相関と結合できる、並びに、4)正確なエッチング終点及びエッチングパラメータ推定のために必要とされるppbレベルの検出限界を実現するために、高感度量子カスケードレーザ分光法に使用できる。
【0023】
理解を容易にするために、
図1Aは、一実施形態に使用されるプロセスのハイレベルフローチャートである。少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルが作成される(ステップ104)。基板がドライ処理される(ステップ108)。ドライ処理中に、ガス副生成物が生成される。ガス副生成物の濃度が測定される(ステップ112)。測定されたガス副生成物の濃度のタイムトレースが得られる(ステップ116)。タイムトレースは、少なくとも1つのプロセス出力を得るために、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルのための入力として提供される(ステップ120)。少なくとも1つのプロセス出力は、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために使用される(ステップ124)。
【0024】
[実施例]
代表的な一実施形態の一例では、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルが作成される(ステップ104)。
図2は、この少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルを作成するために使用されえるプラズマ処理チャンバの一例を模式的に示している。各種の実施形態では、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルの作成に、幾つかのプラズマ処理チャンバ200が使用されてよい。プラズマ処理チャンバ200は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ204を中に有するプラズマリアクタ202を含む。整合回路網208によって調節プラズマ電力供給部206は、誘導結合電力の供給によってプラズマ処理閉じ込めチャンバ204内にプラズマ214を発生させるために、電力窓212の近くに配置されたTCPコイル210に電力を供給する。TCPコイル(上部電力源)210は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ204内に均一な拡散プロフィールを生じさせるように構成されてよい。例えば、TCPコイル210は、プラズマ214内にトロイダル電力分布を生じさせるように構成されてよい。電力窓212は、TCPコイル210からプラズマ処理閉じ込めチャンバ204へエネルギを通過させることを許容しつつTCPコイル210をプラズマ処理閉じ込めチャンバ204から分離するために提供される。整合回路網218によって調節されるウエハバイアス電圧電力供給部216が、電極220によって支えられる基板264にかかるバイアス電圧を設定するために電極220に電力を供給する。コントローラ224は、プラズマ電力供給部206、ガス源/ガス供給メカニズム230、及びウエハバイアス電圧電力供給部216のために点設定を行う。
【0025】
プラズマ電力供給部206及びウエハバイアス電圧電力供給部216は、例えば13.56MHz、27MHz、2MHz、60MHz、200kHz、2.54GHz、400kHz、及び1MHz、又はこれらの組み合わせなどの特定の無線周波数で動作するように構成されてよい。プラズマ電力供給部206及びウエハバイアス電圧電力供給部216は、所望のプロセスパフォーマンスを達成するために、一定の範囲内の電力を供給するように適切なサイズにされてよい。例えば、一実施形態では、プラズマ電力供給部206は、50~5000Wの範囲の電力を供給してよく、ウエハバイアス電圧電力供給部216は、20~2000Vの範囲のバイアス電圧を供給してよい。最大で4kV又は5kVのバイアス電圧のために、25kW以下の電力が提供される。また、TCPコイル210及び/又は電極220は、2つ以上のサブコイル又はサブ電極で構成されてよく、これらは、1つの電力供給部又は複数の電力供給部によって通電されてよい。
【0026】
図2に示されるように、プラズマ処理チャンバ200は、更に、ガス源/ガス供給メカニズム230を含む。ガス源/ガス供給メカニズム230は、シャワーヘッド240などのガス入口を通じてプラズマ処理閉じ込めチャンバ204と流体接続されている。ガス入口は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ204内の任意の都合のよい場所に配置されてよく、ガスを注入するための任意の形態をとってよい。好ましくは、しかしながら、ガス入口は、「調節可能な」ガス注入プロフィールを形成するように構成されてよく、これは、プラズマ処理閉じ込めチャンバ204内の複数のゾーンへのガスのそれぞれの流れを独立に調整することを可能にする。プロセスガス及び副生成物は、圧力制御弁242及びポンプ244を通じてプラズマ処理閉じ込めチャンバ204から除去され、プラズマ処理閉じ込めチャンバ204内を特定の圧力に維持する働きもする。ガス源/ガス供給メカニズム230は、コントローラ224によって制御される。カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corp.によって作成されたKiyo(登録商標)ツールが、一実施形態を実施するために使用されてよい。その他の例では、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corp.によって作成されたFlex(商標)ツールが、一実施形態を実施するために使用されてよい。
【0027】
この実施形態では、ポンプ244の後にくる排出管246にガスセル232が接続され、排気ガスが流れ込む。IR光源234からのIR光線がガスセル232内に向かうように、ガスセル232の窓に隣接してIR光源234が配置される。ガスセル232がマルチパスガスセルであるように、IR光線は、ガスセル232内を複数回にわたって(通常は>1m)通過し、ppbレベルの又は更に低い百分の1 pptの検出限界を実現できる。IR光は、ガスセル232の内部を移動する際に、ガスによって吸収される。光の吸収レベルを測定するために、ガスセル232の別の窓に隣接してIR検出器236が配置される。
【0028】
図3は、
図2に示された実施形態のガスセル232の、更に詳細な模式図である。排出管246は、ポンプ244の出口から伸びている。ガスセル232は、ガスチャンバ304と、第1のミラー308と、第2のミラー312とを含む。ガスチャンバ304、第1のミラー308、及び第2のミラー312は、光キャビティ316を画定する。排出管246は、排気をガスチャンバ304内の光キャビティ316内に流入させ、次いで、出口ポート320を通って光キャビティ316から流出させる。この実施形態では、光キャビティ316内への及び光キャビティ316からの排気の流れは、直線経路に沿っている。この実施形態では量子カスケードレーザ(QCL)IR光源であるIR光源234が、第1のミラー308の窓328に隣接して提供される。IR検出器236と光キャビティ316との間には、出力ファイバ332が第2のミラー312に通されて光学的に接続される。光は、ガスセル232内に直接的に又は光ファイバを経て結合できる。第1のミラー308及び第2のミラー312に隣接して、ヒータ336が置かれる。ヒータ336の1つ以上は、加熱センサを有してよい。ヒータ336は、コントローラ224に電気的に接続されて制御されてよく、コントローラ224に温度データを提供しえる。第1のパージリングチャネル342を伴う第1のパージリング340及び第2のパージリングチャネル346を伴う第2のパージリング344が提供され、ガスチャンバ304を取り囲む。第1のパージリング340は、第1のミラー308に隣接して第1のパージガス入口348を有する。第2のパージリング344は、第2のミラー312に隣接して第2のパージガス入口352を有する。第1のパージリング340及び第2のパージリング344は、複数のパージガスノズル356を通じてガスセル232及び光キャビティ316と流体連通している。
【0029】
図4は、実施形態に使用されるコントローラ224を実現するのに適したコンピュータシステム400を示したハイレベルブロック図である。コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、及び小型携帯用端末から巨大スーパコンピュータに至る数多くの物理的形態をとりえる。コンピュータシステム400は、1つ以上のプロセッサ402を含んでいてよく、更に、(グラフィックス、テキスト、及びその他のデータを表示するための)電子ディスプレイ装置404、メインメモリ406(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置408(例えば、ハードディスクドライブ)、着脱式記憶装置410(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインターフェース装置412(例えば、キーボード、タッチ画面、キーパッド、マウス、又はその他のポインティングデバイスなど)、及び通信インターフェース414(例えば、ワイヤレスネットワークインターフェース)を含むことができる。通信インターフェース414は、リンクを通じてコンピュータシステム400と外部装置との間でソフトウェア及びデータが移行されることを可能にしてよい。システムは、また、上記の装置/モジュールが接続される通信インフラストラクチャ416(例えば、通信バス、クロスオーババー、又はネットワーク)も含んでいてよい。
【0030】
通信インターフェース414を通じて伝達される情報は、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、無線周波数リンク、及び/又はその他の通信チャネルを使用して実現されえる信号搬送通信リンクを通じて通信インターフェース414によって受信可能である電子信号、電磁信号、光信号、又はその他の信号などの信号の形態をとってよい。このような通信インターフェースによって、1つ以上のプロセッサ402は、上述された方法のステップを実施する過程でネットワークから情報を受信しえる又はネットワークに情報を出力しえると考えられる。更に、方法の実施形態は、プロセッサ上のみで実行されてよい、又は処理の一部分を共有する遠隔プロセッサと連携してインターネットなどのネットワーク上で実行されてよい。
【0031】
「非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、着脱式記憶装置、並びにハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、及びその他の形態の永続メモリを含む記憶装置などの媒体を表すために使用され、搬送波又は信号などの一時的な対象を含むと見なされてはならない。コンピュータコードの例には、コンパイラによって作成されるなどのマシンコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高水準コードを含むファイルがある。コンピュータ読み取り可能媒体は、搬送波に盛り込まれたコンピュータデータ信号によって伝送されてプロセッサによって実行可能な一連の命令を表すコンピュータコードであってもよい。
【0032】
図1Bは、一実施形態において、少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルを作成する(ステップ104)ために使用されるフローチャートである。基板がプラズマ処理チャンバ200内に提供される(ステップ144)。基板は、処理される(ステップ148)。基板の処理を制御するために、記録されているプロセスパラメータが使用される(ステップ152)。ガス副生成物の濃度が測定される(ステップ156)。処理が完了したときに、基板は、計測ツールで測定され(ステップ160)、これは、測定された出力パラメータを提供する。プロセスは、複数の基板について行われる。プロセスパラメータ、測定された濃度、及び測定された出力パラメータは、タイムトレースベースの予測モデルを作成するために使用される。タイムトレースベースの予測モデルの作成には、多変量方法が使用され、これは、プロセスパラメータ及び測定された出力パラメータをガス副生成物の濃度のタイムトレースと相関させる。多変量方法は、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、若しくは長短期メモリニューラルネットワーク(LSTM)として知られるRNNの変形などのニューラルネットワーク、又は部分最小二乗法(PLS)などの多変数解析を使用してよい。このようなモデルは、濃度のタイムトレースの振幅又は傾きのみならず、振幅、振幅率、曲率、吸収値の一括の和、及び全タイムトレースにわたる傾きなどを含む濃度のタイムトレースの動態も使用するだろう。一部の実施形態では、タイムトレースの動力学は、タイムトレースの位相空間[s(t),s’(t)]も使用する。
【0033】
一例では、副生成物の濃度の全タイムトレースs(t)が、時間に対してグラフにされる。
図5Aは、s(t)のグラフ504である。また、時間に関するs(t)の導関数であるs’(t)も、グラフ508にされている。
図5Bは、
図5Aに示されたタイムトレースの、s(t)対s’(t)の二次元位相空間グラフである。
図6は、この実施形態に使用される、メモリを伴うニューラルネットワーク(NN)の模式図である。NNは、様々なタイプのデータ604を提供され、これらのデータは、この例では、副生成物タイムトレース、プロセスパラメータ、及び測定された出力パラメータの3カテゴリに入る。プロセスパラメータは、プロセス出力に影響を及ぼすプロセス入力であり、ガス流量、RF電力、バイアス電圧、又はチャンバ特性が挙げられる。測定された出力パラメータとしては、エッチング速度、均一性、CD、エッチングプロフィール、ウェット洗浄、エッチングパフォーマンス、又はチャンバ洗浄パフォーマンスが挙げられる。データは、様々なレイヤで構成されるNNの入力レイヤに提供され、NNは、入力されたタイムトレースやプロセス入力を出力レイヤに接続してウエハパラメータを予測する3つの隠しレイヤを伴う単純なフィードフォワードである。異なるレイヤは、副生成物濃度タイムトレースの、異なる属性をモデル化している。例えば、L1は、濃度の振幅であってよく、L2は、タイムトレースの曲率であってよく、L3は、隣り合うタイムトレース間の振幅の比率であってよい。NNは、出力608を予測するために使用される予測モデルを形成し、これは、この例では、CDを予測しえる。各種の実施形態では、複数のタイムトレースベースの予測モデルが作成及び/又は使用されてよい。例えば、CDのタイムトレースベースの予測モデルが作成及び使用されてよく、エッチング速度のタイムトレースベースの予測モデルが作成及び使用されてよい。一例では、M個の出力を伴うモデルを作成するために、N個のタイムトレースが使用されてよく、この場合、M個の出力は、CD、エッチング速度、又は電気的収率であってよく、N>>Mである。より多数の出力の提供には、より多数の、PLS又はNNのレイヤ又は要素が伴う。したがって、予測モデルは、2つ、3つ、又は更に多くのプロセス出力を有してよい。
【0034】
CD/ERなどのモデル出力は、in-situプロセスパフォーマンスを監視するための上限及び下限を形成するために使用されてよい、又は高度なプロセス制御アルゴリズムのためのフィードバックを提供して後続の基板に備えてプロセスパラメータを調整するために使用されてよい。基板の処理中は、プロセスがCDの上限若しくは下限を又はERの上限若しくは下限を超えているかを決定するために、タイムトレースが使用されてよい。
【0035】
別の一例では、CDを一部又は全部のSiF
4時間発展に相関させてタイムトレースベースの予測モデルを作成するために、PLS方法が使用される。
図7は、予測モデルのための変換行列又は回帰係数を作成するために複数のタイムトレースがどのように使用されえるかの模式図である。複数のタイムトレースからのデータが、行列(X)に入れられる。結果として得られるウエハ特徴も、行列(F)に入れられる。F=βX+εなどの部分最小二乗法を使用して、変換行列(β)が算出されてよく、εは、誤差項である。
図8は、予測されたCDを測定されたCDと比較している。この例では、複数のSiF
4タイムトレースが、異なるER条件について記録され、異なるER条件は、異なるエッチング特徴CD出力をウエハ上にもたらす。CD値をSiF
4タイムトレースに回帰させることによって、モデルが作成される。結果として得られた、モデルによってシミュレーションされたCDと測定されたCDとの間の相関性は、98%よりも優れている。
【0036】
処理チャンバの中で、基板に対してドライプロセスが実施され(ステップ108)、ドライプロセスによって、少なくとも1種類のガス副生成物が形成される。様々な実施形態では、シリコンウエハである基板がエッチングされる、又は基板を覆う1枚以上のシリコン含有層がエッチングされる。この例では、交互に積み重なったシリコン酸化物層とシリコン窒化物層とがエッチングされる。このような、シリコン酸化物とシリコン窒化物とが交互に積み重なった積層体は、ONONとして表され、3Dメモリ装置に使用される。この例では、少なくとも8枚の、交互するONON層がある。このような積層体のエッチングでは、RF及び選択性の両方が、アスペクト比とともに減少し、これは、シリコン酸化物のエッチング速度とシリコン窒化物のエッチング速度との間の差が、エッチング幅に対するエッチング深さの比率であるアスペクト比の増加とともに減少することを意味する。このような積層体をエッチングするために、ガス源/ガス供給メカニズム230によって、CxFyHz/O2のエッチングガスが提供される。エッチングガスをエッチングプラズマにするために、プラズマ電力供給部206によって、TCPコイル210にRF電力が提供され、エッチングプラズマは、積層体をエッチングし、この例ではSiF4である少なくとも1種類のガス副生成物を生じさせる。(ガス化学剤の種類に応じて、IR光源を各副生成物の吸収帯に調節することによって、SiBr4又はSiCl4などのその他のエッチング副生成物が監視できる。)
【0037】
ドライプロセス中は、少なくとも1種類のガス副生成物の濃度が経時的に測定される(ステップ112)。この実施形態では、ポンプ244からの排気がガスセル232に流入する。IR光源234は、IR光線をガスセル232内へ提供する。第1のミラー308及び第2のミラー312は、IR光線を、それがIR検出器236に向かうまでに複数回にわたって反射させ、IR検出器236は、IR光線の強度を測定する。IR光線の光路長は、数メートルから数百メートルに達することができ、そうして、ppb未満の検出限界を可能にしている。一実施形態では、光路は、少なくとも1メートルである。IR検出器236からのデータは、コントローラ224に送信され、コントローラ224は、SiF4の濃度を決定するためにこれらのデータを使用する。
【0038】
エッチングの完了時には、エッチング副生成物の濃度の時間発展についてタイムトレースが得られる(ステップ116)。タイムトレースは、次いで、CDなどの、ウエハ上のプロセス結果又はプロセス出力を決定するために、予測モデルのための入力として使用される(ステップ120)。プロセス出力は、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために使用される(ステップ124)。例えば、CD値は、高度なプロセス制御のためにホストに供給でき、これは、ガス流量、電力、又は時間を正方向に送って次の基板又は次の基板ロットのCD出力用に調整することを可能にする。一例では、プロセス出力は、CDが設定閾値を上回ることを示すだろう。したがって、CDを補正するために、プロセスパラメータが瞬時に変更されてよい。一例では、エッチング対ポリマ堆積の比率を調整するために、O2流量が調節される。別の一実施形態では、次の基板に備えてプロセスを変更するために、プロセスの完了後にプロセスパラメータが調整されてよい。
【0039】
この例では、プロセスパラメータと副生成物濃度との間の関係が、高機能な解析又はモデリングを伴うことなく高い精度で決定されている。このような関係は、これまでは知られていなかったので、これまでは、CDを決定するために、高価で且つ時間のかかる計測プロセスが必要であった。一例では、計測によって数枚のウエハが処理及び測定された後に、吸収タイムトレースとCD出力との間でモデルが提供されるだろう。モデルが確立及び確定されると、計測ツールフィードバックを待つ必要なく、ウエハプロセスの終わりにおけるCD出力が予測できる。計測ツールフィードバックを待つと、データが利用できるまでに数時間が必要であり、その結果、複数ロットが廃棄される恐れがある。ここでは、信頼できるCDモデルがリアルタイムで得られることによって、プロセスが調整可能であり、ウエハごとの制御が達成される。プロセスは、プロセス出力をリアルタイムで提供可能にし、したがって、調整がリアルタイムでなされえる。このようなリアルタイム調整は、解析を提供するための休止をウエハ間に伴うことなく、測定されているウエハがまだ処理されている間に又は次のウエハが処理される前に成されるものとして定義される。
【0040】
その他の実施形態では、タイムトレースと、底部CD、頂部CD、エッチング速度、特徴の反り、歩留まり、ウエハ自動洗浄(WAC)プロセス、エッチング均一性、ウェット洗浄パラメータ、チャンバ洗浄パラメータ、又はチャンバ特徴との間のタイムトレースベースの予測モデルが決定されてよい。タイムトレースベースの予測モデルは、上方及び下方の閾値又は限界を確立するために使用されてよい。限界が超えたら、現行のドライプロセスを促すために、現行のドライプロセスのためのパラメータが変更されてよい、又は将来のドライプロセスのために、パラメータが変更されてよい。将来のプロセスのためのパラメータ変更の一例は、チャンバの調整又は洗浄が必要になるレベルでエッチングプロフィールが規格外であるとの決定から生じるだろう。チャンバがどのように調整が必要であるかを示すために、タイムトレースと、タイムトレースベースの予測モデルとの比較が使用されてよい。例えば、この比較は、チャンバがウェット洗浄を必要とすることを示すかもしれない。その結果、チャンバは、ウェット洗浄を施されてよい。このような決定は、基板のドライ処理中に、洗浄が必要であると決定する前に、基板に対して高価で且つ時間のかかる計測を実施する必要なく尚且つ複数の基板を規格外で処理することなく成される。比較は、実行ごとの及びチャンバごとのパフォーマンスを決定するために、高度な故障検出のために使用されてよい。一実施形態は、規格からのチャンバの逸脱を測定してチャンバを調整しなおす又は修理するための最適な時間を決定するために、複数の基板を相次いで処理する最中にタイムトレースベースの予測モデルのための入力としてタイムトレースを使用してよい。
【0041】
各種の実施形態では、タイムトレースの動態が使用される。タイムトレースの動態の使用で使用されるのは、単なる振幅対時間ではない。このような動態は、タイムトレースの時間導関数も使用するだろう。より好ましくは、このような動態は、タイムトレースの曲率も使用する。最も好ましくは、このような動態は、振幅の比率及びその他の特徴も使用する。動態は、タイムトレースの、一次元又は二次元の位相空間グラフも使用してよい。
【0042】
一実験では、測定された吸収に、ウエハからとチャンバからとの2つの要因があった。チャンバは、プラズマと最も広い面積で接触するので、吸収の4分の3は、チャンバに帰属していた。残りの4分の1は、ウエハに帰属していた。ウエハの帰属性を、時間にかかわらず一定である又は変動が非常に小さいと想定すれば、経時的なあらゆる変化は、チャンバの帰属性の変化に起因すると想定できる。この変化は、パーツのエロージョン(浸食)に帰属されるだろう。この実施形態は、チャンバパーツのエロージョンのリアルタイムな目安となる。
【0043】
別の一実施形態では、吸収のレベルが、ウエハ無し自動洗浄(WAC)の最中に測定される。やはり、これには、ポリマからとチャンバからとの2つの要因がある。WACの終わり近くでは、チャンバが清浄になるので、唯一残る要因は、チャンバからの要因である。複数のウェット洗浄にわたって各WACの終わりにおける吸収値を監視することによって、チャンバ洗浄のフィンガプリント(明確な特徴)が得られる。測定が成されるのは、フォアラインにおける吸収である。
【0044】
このような方法は、10億分の1(ppb)及び更に好ましくは1兆分の1(ppt)の精度で濃度が測定できるときに成功であることが、予期せずわかった。低圧プラズマ処理システムの場合は、排気管の次に位置するガスセルが、光がガスセル内を複数回にわたって通過して1メートルを超える光路を提供した後に吸収を測定し、これが、所要の精度を提供することがわかっている。ガスセルを排気ポンプの次に置くことの利点は、処理チャンバ内でよりも排気ポンプの後での方が、ガスが高密度であることにある。また、処理チャンバ内では、反射面がプラズマに曝されないので、これらの反射面は、プラズマラジカル又はプラズマイオンによって劣化されないだろう。その他の実施形態では、ガスセルは、プラズマが高圧であるプラズマ領域を取り囲むように、プラズマ処理チャンバ内にある。その他の実施形態では、IR光の代わりに可視光又はUV光が使用されてよい。
【0045】
DRAMデバイス及び3D-NANDデバイスなどのメモリデバイスのエッチングには、様々な実施形態が有用である。各種の実施形態では、プラズマプロセスは、シリコン含有層又はlow-k誘電体層のエッチングプロセスである。各種の実施形態では、RF電力は、誘導結合されてよい又は容量結合されてよい。カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corp.によって作成されたFlex(商標)ツールが、DRAM構造及び3D-NAND構造をエッチングするための容量結合を伴って一実施形態を実施するために使用されてよい。その他の実施形態では、その他のタイプのプラズマ電力結合が使用されてよい。その他の実施形態では、交互するシリコン酸化物層及びポリシリコン層(OPOP)がエッチングされてよい。
【0046】
本開示は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されてきたが、本開示の範囲内に入るものとして、代替形態、置換形態、変更形態、及び代わりとなる様々な等価形態がある。また、本開示の方法及び装置を実現するには多くの代替のやり方があることも、留意するべきである。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲に入るものとして、このような代替形態、置換形態、及び代わりとなる様々な等価形態の全てを含むと解釈されることを意図している。
本開示は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルを使用して、処理チャンバの中で基板を処理するための方法であって、
基板をドライ処理し、前記ドライ処理は、少なくとも1種類のガス副生成物を生成し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度のタイムトレースを取得し、
少なくとも1つのプロセス出力を得るために、前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルのための入力として、前記取得された前記濃度のタイムトレースを提供し、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために、前記少なくとも1つのプロセス出力を使用する、
ことを備える方法。
<適用例2>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルは、多変量方法に基づく、方法。
<適用例3>
適用例1に記載の方法であって、更に、
前記取得された濃度のタイムトレースから吸収値の一括の和を算出することを備える方法。
<適用例4>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのタイムトレースベースの予測モデルは、更に、エッチング速度、均一性、微小寸法、エッチングプロフィール、ウェット洗浄、エッチングパフォーマンス、チャンバ整合、及びチャンバ洗浄パフォーマンスのうちの少なくとも1つに基づく、方法。
<適用例5>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、エッチング速度、均一性、微小寸法、及びエッチングプロフィールのうちの少なくとも1つにおける変化を決定することを含む、方法。
<適用例6>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、エッチング速度、均一性、CD、及びエッチングプロフィールのうちの少なくとも1つが規格外であるかを決定することを含む、方法。
<適用例7>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、光の吸収に基づいて測定される、方法。
<適用例8>
適用例7に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、少なくとも1メートルの光路長を伴うマルチパスガスセルを使用して測定され、前記少なくとも1種類のガス副生成物は、前記マルチパスガスセルを排気ポンプの出力側に置くことによって、前記少なくとも1種類のガス副生成物が前記排気ポンプを通り抜けた後に測定される、方法。
<適用例9>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力は、少なくとも2つのプロセス出力を含む、方法。
<適用例10>
適用例1に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、前記少なくとも1つのプロセスパラメータをリアルライムで調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用する、方法。
<適用例11>
適用例1に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するために前記少なくとも1つのプロセス出力を使用することは、プロセス上限及びプロセス下限を決定するために前記タイムトレースベースの予測モデルを使用し、前記少なくとも1つのプロセス出力を前記プロセス上限及び前記プロセス下限と比較することを含む、方法。
<適用例12>
適用例1に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定することは、前記少なくとも1種類のガス副生成物を10億分の1の精度で測定する、方法。
<適用例13>
タイムトレースベースの予測モデルを作成する方法であって、
複数の基板をドライ処理し、前記ドライ処理は、少なくとも1種類のガス副生成物を生成し、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の濃度を測定し、
プロセスパラメータを記録し、
各基板について、時間に対する前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度の複数のタイムトレースを取得し、
出力パラメータを測定し、
少なくとも1つのプロセス出力のタイムトレースベースの予測モデルを作成するために、前記プロセスパラメータ、前記取得された複数のタイムトレース、及び前記測定された出力パラメータを使用する、
ことを備える方法。
<適用例14>
適用例13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物は、シリコン含有ガスを含む、方法。
<適用例15>
適用例13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度を測定することは、前記少なくとも1種類のガス副生成物を10億分の1の精度で測定する、方法。
<適用例16>
適用例13に記載の方法であって、
少なくとも1つのプロセスのタイムトレースベースの予測モデルを作成するために、前記プロセスパラメータ、前記取得された複数のタイムトレース、及び前記測定された出力パラメータを使用することは、多変数解析又はニューラルネットワーキングのうちの少なくとも1つを使用する、方法。
<適用例17>
適用例13に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、光の吸収に基づいて測定される、方法。
<適用例18>
適用例17に記載の方法であって、
前記少なくとも1種類のガス副生成物の前記濃度は、少なくとも1メートルの光路長を伴うマルチパスガスセルを使用して測定され、前記少なくとも1種類のガス副生成物は、前記マルチパスガスセルを排気ポンプの出力側に置くことによって、前記少なくとも1種類のガス副生成物が前記排気ポンプを通り抜けた後に測定される、方法。
<適用例19>
適用例13に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力は、エッチング速度、均一性、微小寸法、エッチングプロフィール、ウェット洗浄、エッチングパフォーマンス、チャンバ整合、及びチャンバ洗浄パフォーマンスのうちの少なくとも1つを含む、方法。
<適用例20>
適用例13に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのプロセス出力を使用は、少なくとも2つのプロセス出力を含む、方法。