(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-06
(45)【発行日】2022-12-14
(54)【発明の名称】発光装置、光源ユニット、光源装置、および光ファイバレーザ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02253 20210101AFI20221207BHJP
H01S 3/067 20060101ALI20221207BHJP
H01S 3/0941 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
H01S5/02253
H01S3/067
H01S3/0941
(21)【出願番号】P 2021562759
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 JP2020045326
(87)【国際公開番号】W WO2021112248
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2019221501
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石毛 悠太
(72)【発明者】
【氏名】ガイダーチ ガーボル
(72)【発明者】
【氏名】中角 真也
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-184729(JP,A)
【文献】特開昭53-071589(JP,A)
【文献】特開2010-186735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235057(US,A1)
【文献】特開2004-006641(JP,A)
【文献】実開昭61-053960(JP,U)
【文献】実開昭60-130661(JP,U)
【文献】特開2003-294991(JP,A)
【文献】特開2007-199657(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0358900(US,A1)
【文献】国際公開第2018/043752(WO,A1)
【文献】特開2020-087988(JP,A)
【文献】特表2012-508453(JP,A)
【文献】特表2001-516473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
H01S 3/00-3/30
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
速軸と遅軸とを有しレーザ光を出射する発光素子と、
前記発光素子を収容し、前記発光素子から出射されたレーザ光を通す窓が設けられたケースと、
当該ケース外に設けられ、
一つの前記発光素子からのレーザ光のみが入射する入射面と出射面とを有した一つの光学素子として構成され、前記窓を通
り進むにつれて速軸方向でのビーム幅が拡がるレーザ光が前記入射面に入射し、前記出射面から進むにつれて前記速軸方向でのビーム幅が狭まるレーザ光を出射する第一光学素子と、
前記第一光学素子を経由したレーザ光を、前記速軸方向でのビーム幅が前記第一光学素子の入射面における前記速軸方向でのビーム幅よりも狭い状態で、前記速軸方向でコリメートし、前記第一光学素子による前記速軸方向でのレーザ光の集束点よりも当該第一光学素子の近くに位置された、第二光学素子と、
前記第一光学素子を経由し進むにつれて遅軸方向でのビーム幅が拡がるレーザ光を前記遅軸方向でコリメートする第三光学素子と、を備えた、発光装置。
【請求項2】
前記第一光学素子は、少なくとも前記速軸方向において凸レンズであり、
前記第二光学素子は、少なくとも前記速軸方向において凹レンズである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第一光学素子は、レーザ光の速軸方向と交差した仮想中心面に対する面対称形状を有したレンズである、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第一光学素子は、レーザ光の光軸に沿う中心軸に対する軸対称形状を有したレンズである、請求項1~3のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記第三光学素子は、前記第一光学素子と前記第二光学素子との間に位置された、請求項
4に記載の発光装置。
【請求項6】
レーザ光の光軸方向に略沿う表面を有したベースを備え、
前記第一光学素子および前記第二光学素子は、前記表面上に位置し、
前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方は、前記表面から突出した突出部に、接合部を介して固定された、請求項1~
5のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方は、前記突出部に、複数箇所でそれぞれ前記接合部を介して固定された、請求項
6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記接合部は、前記光軸に沿う方向において、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方と、前記突出部との間に介在した、請求項
6または
7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記接合部は、前記光軸と交差する方向において、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方と、前記突出部との間に介在した、請求項
6~
8のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項10】
前記突出部は、前記発光素子である、請求項
6~
9のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項11】
前記接合部に向かう前記レーザ光の漏れ光を遮る遮蔽部を備えた、請求項
6~
10のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項12】
前記遮蔽部は、前記漏れ光を当該漏れ光の入射方向の反対方向から外れた方向に反射する反射部を有した、請求項
11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記遮蔽部は、前記漏れ光のエネルギを吸収する吸収部を有した、請求項
11または
12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第一光学素子は、前記発光素子に固定された、請求項1~
13のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項15】
前記ケースは気密封止されている、請求項1~
14のうちいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項16】
請求項1~
15のうちいずれか一つに記載の発光装置と、
前記発光装置から出射された光を一つの光ファイバの入力部へ導く光学部品と、
を備えた、光源ユニット。
【請求項17】
前記光源ユニットは、
第一方向に向けてレーザ光を出射する前記発光素子と、当該発光素子からのレーザ光を前記第一方向に向けて透過する前記第一光学素子および前記第二光学素子と、を含む第一サブユニットと、
前記第一サブユニットから前記第一方向に離れて位置し、前記第一方向の反対方向に向けてレーザ光を出射する前記発光素子と、当該発光素子からのレーザ光を前記第一方向の反対方向に向けて透過する前記第一光学素子および前記第二光学素子と、を含む第二サブユニットと、
前記第一サブユニットからの前記レーザ光の漏れ光および前記第二サブユニットからの前記レーザ光の漏れ光のうち少なくとも一方の漏れ光を遮蔽する遮蔽部と、
を備えた、
請求項
16に記載の光源ユニット。
【請求項18】
前記遮蔽部は、前記第一サブユニットと前記第二サブユニットとの間に位置した、請求項
17に記載の光源ユニット。
【請求項19】
請求項
16~
18のうちいずれか一つに記載の光源ユニットを備えた、光源装置。
【請求項20】
請求項
19に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射されたレーザ光を増幅する光増幅ファイバと、
を備えた、光ファイバレーザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、光源ユニット、光源装置、および光ファイバレーザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、速軸と遅軸とを有する発光素子、速軸方向にコリメートするレンズ、および遅軸方向にコリメートするレンズを備え、発光素子から出射された光を速軸方向にコリメートした後、遅軸方向にコリメートする発光装置が、知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開2018/0031850号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光素子が気密封止されたケース内に収容されるとともに、速軸方向にコリメートするレンズがケース外に配置された構成にあっては、発光素子からの光が速軸方向に比較的大きな角度で拡がった状態でコリメートされるため、速軸方向におけるビーム幅が大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、発光素子がケース内に収容されるとともに、発光素子から出射された光をコリメートするレンズがケース外に設けられた構成において、ビーム径をより小さくすることが可能な、発光装置、光源ユニット、光源装置、および光ファイバレーザを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発光装置は、例えば、速軸と遅軸とを有しレーザ光を出射する発光素子と、前記発光素子を収容し、前記発光素子から出射されたレーザ光を通す窓が設けられたケースと、当該ケース外に設けられ、前記窓を通ったレーザ光を速軸方向で集束する第一光学素子と、前記第一光学素子を経由したレーザ光を、前記速軸方向でのビーム幅が前記第一光学素子の入射面における前記速軸方向でのビーム幅よりも狭い状態で、前記速軸方向でコリメートし、前記第一光学素子による前記速軸方向でのレーザ光の集束点よりも当該第一光学素子の近くに位置された、第二光学素子と、を備える。
【0007】
前記発光装置では、前記第一光学素子は、少なくとも前記速軸方向において凸レンズであり、前記第二光学素子は、少なくとも前記速軸方向において凹レンズであってもよい。
【0008】
前記発光装置では、前記第一光学素子は、レーザ光の速軸方向と交差した仮想中心面に対する面対称形状を有したレンズであってもよい。
【0009】
前記発光装置では、前記第一光学素子は、レーザ光の光軸に沿う中心軸に対する軸対称形状を有したレンズであってもよい。
【0010】
前記発光装置は、前記第一光学素子を経由したレーザ光を遅軸方向でコリメートする第三光学素子を備えてもよい。
【0011】
前記発光装置では、前記第三光学素子は、前記第一光学素子と前記第二光学素子との間に位置されてもよい。
【0012】
前記発光装置は、レーザ光の光軸方向に略沿う表面を有したベースを備え、前記第一光学素子および前記第二光学素子は、前記表面上に位置し、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方は、前記表面から突出した突出部に、接合部を介して固定されてもよい。
【0013】
前記発光装置では、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方は、前記突出部に、複数箇所でそれぞれ前記接合部を介して固定されてもよい。
【0014】
前記発光装置では、前記接合部は、前記光軸に沿う方向において、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方と、前記突出部との間に介在してもよい。
【0015】
前記発光装置では、前記接合部は、前記光軸に沿う方向と交差する方向において、前記第一光学素子および前記第二光学素子のうち少なくとも一方と、前記突出部との間に介在してもよい。
【0016】
前記発光装置では、前記突出部は、前記発光素子であってもよい。
【0017】
前記発光装置は、前記接合部に向かう前記レーザ光の漏れ光を遮る遮蔽部を備えてもよい。
【0018】
前記発光装置では、前記遮蔽部は、前記漏れ光を当該漏れ光の入射方向の反対方向から外れた方向に反射する反射部を有してもよい。
【0019】
前記発光装置では、前記遮蔽部は、前記漏れ光のエネルギを吸収する吸収部を有してもよい。
【0020】
前記発光装置では、前記第一光学素子は、前記発光素子に固定されてもよい。
【0021】
前記発光装置では、前記ケースは気密封止されてもよい。
【0022】
また、本発明の光源ユニットは、例えば、前記発光装置と、前記発光装置から出射された光を一つの光ファイバの入力部へ導く光学部品と、を備える。
【0023】
前記光源ユニットは、第一方向に向けてレーザ光を出射する前記発光素子と、当該発光素子からのレーザ光を前記第一方向に向けて透過する前記第一光学素子および前記第二光学素子と、を含む第一サブユニットと、前記第一サブユニットから前記第一方向に離れて位置し、前記第一方向の反対方向に向けてレーザ光を出射する前記発光素子と、当該発光素子からのレーザ光を前記第一方向の反対方向に向けて透過する前記第一光学素子および前記第二光学素子と、を含む第二サブユニットと、前記第一サブユニットからの前記レーザ光の漏れ光および前記第二サブユニットからの前記レーザ光の漏れ光のうち少なくとも一方の漏れ光を遮蔽する遮蔽部と、を備えてもよい。
【0024】
前記光源ユニットでは、前記遮蔽部は、前記第一サブユニットと前記第二サブユニットとの間に位置してもよい。
【0025】
また、本発明の光源装置は、例えば、前記光源ユニットを備える。
【0026】
また、本発明の光ファイバレーザは、例えば、前記光源装置と、前記光源装置から出射されたレーザ光を増幅する光増幅ファイバと、を備える。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、発光素子がケース内に収容されるとともに、発光素子から出射された光をコリメートするレンズがケース外に設けられた構成において、ビーム径をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、第1実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な側面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な側面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態の発光装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態の光源ユニットの例示的かつ模式的な平面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図であって、第一光学素子の取付構造を示す図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図であって、第二光学素子の取付構造を示す図である。
【
図11】
図11は、第5実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図であって、第一光学素子の取付構造を示す図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な背面図であって、第一光学素子の取付構造を示す図である。
【
図13】
図13は、第6実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な背面図であって、第一光学素子の取付構造を示す図である。
【
図14】
図14は、第7実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図15】
図15は、第7実施形態の光源ユニットに含まれる遮蔽部の例示的かつ模式的な側面図である。
【
図16】
図16は、第8実施形態の光源ユニットに含まれる遮蔽部の例示的かつ模式的な側面図(一部断面図)である。
【
図17】
図17は、第9実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図18】
図18は、第9実施形態の光源ユニットに含まれる遮蔽部の例示的かつ模式的な側面図である。
【
図19】
図19は、第10実施形態の光源ユニットの一部の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図20】
図20は、第11実施形態の光源装置の例示的な構成図である。
【
図21】
図21は、第12実施形態の光ファイバレーザの例示的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0030】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0031】
本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0032】
また、各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。
【0033】
なお、
図1~6,14において、レーザ光Lの光路は、実線の矢印で示されている。
【0034】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の発光装置1Aを示す側面図であり、
図2は、発光装置1Aを示す平面図である。
【0035】
[発光装置の構成]
図1,2に示されるように、発光装置1Aは、発光モジュール10と、第一光学素子41Aと、第二光学素子42Aと、第三光学素子43Aと、を備えている。
【0036】
発光モジュール10は、発光ユニット30と、当該発光ユニット30を収容したケース20と、を有している。
【0037】
ケース20は、直方体状の箱であり、発光ユニット30を収容している。ケース20は、壁部材21と、窓部材22と、を有している。壁部材21は、例えば金属材料で作られている。
【0038】
また、ケース20は、ベース21aを有している。ベース21aは、Z方向と交差した板状の形状を有している。ベース21aは、例えば、壁部材21の一部(底壁)である。ベース21aは、例えば、無酸素銅のような、熱伝導率が高い金属材料で作られている。無酸素銅は、銅系材料の一例である。なお、ベース21aは、壁部材21とは別に設けられてもよい。
【0039】
壁部材21のX方向の端部には、開口部21bが設けられている。開口部21bには、レーザ光Lを透過する窓部材22が取り付けられている。窓部材22は、X方向と交差しかつ直交している。発光ユニット30からX方向に出射されたレーザ光Lは、窓部材22を通過して、発光装置1Aの外へ出る。レーザ光Lは、発光装置1AからX方向に出射される。窓部材22は、窓の一例である。
【0040】
壁部材21(ケース20)を構成する複数の部材(不図示)の境界部分、ならびに壁部材21と窓部材22との間の境界部分などは、気体が通過できないようにシールされている。すなわち、ケース20は、気密封止されている。なお、窓部材22は、壁部材21の一部でもある。
【0041】
発光ユニット30は、サブマウント31と、発光素子32と、を有している。
【0042】
サブマウント31は、例えば、Z方向と交差するとともに直交した板状の形状を有している。サブマウント31は、例えば、窒化アルミニウム(AIN)や、セラミック、ガラスのような、熱伝導率が比較的高い絶縁材料で作られうる。サブマウント31上には、発光素子32に電力を供給する電極として、メタライズ層(不図示)が形成されている。
【0043】
図1,2に示されるように、サブマウント31は、ベース21aの頂面21c上に実装されている。発光素子32は、サブマウント31の頂面31a上に実装されている。すなわち、発光素子32は、サブマウント31を介してベース21aに実装されている。
【0044】
発光素子32は、例えば、速軸(FA)と遅軸(SA)とを有した半導体レーザ素子である。発光素子32は、X方向に延びた細長い形状を有している。発光素子32は、X方向の端部に設けられた出射開口(不図示)から、X方向に、レーザ光Lを出射する。発光ユニット30は、発光素子32の速軸がZ方向に沿い、かつ遅軸がY方向に沿うよう、実装される。Z方向は速軸方向の一例であり、Y方向は、遅軸方向の一例である。
【0045】
[各光学素子の構成および配置]
発光素子32から出射されたレーザ光Lは、第一光学素子41A、第二光学素子42A、および第三光学素子43Aをこの順に経由し、少なくともZ方向およびY方向でコリメートされる。第一光学素子41A、第二光学素子42A、および第三光学素子43Aは、いずれもケース20外に設けられている。
【0046】
本実施形態では、第一光学素子41A、第二光学素子42A、および第三光学素子43Aは、X方向にこの順に並んでおり、いずれもレンズである。発光素子32から出射されたレーザ光Lは、第一光学素子41A、第二光学素子42A、および第三光学素子43Aを、この順に通過する。また、発光素子32から出て、第一光学素子41A、第二光学素子42A、および第三光学素子43Aを通過する迄の間、レーザ光Lの光軸は直線状であり、レーザ光Lの速軸方向はZ方向に沿い、かつレーザ光Lの遅軸方向はY方向に沿う。
【0047】
第一光学素子41Aは、窓部材22からX方向に僅かに離間するか、あるいは窓部材22に対してX方向に接している。
【0048】
第一光学素子41Aには、窓部材22を通過したレーザ光Lが入射する。
図1に示されるように、第一光学素子41Aは、少なくともZ方向において、レーザ光Lを集束する。第一光学素子41Aは、少なくともZ方向において凸レンズ、言い換えると少なくともY方向と直交する断面において凸レンズである。
【0049】
本実施形態では、第一光学素子41Aは、一例として、Z方向と交差しかつ直交した平面としての仮想中心面Vc1に対する面対称形状を有している。第一光学素子41Aの入射面41aおよび出射面41bは、Y方向に沿う母線を有しY方向に延びた柱面を有している。入射面41aは、X方向の反対方向に凸の凸曲面である。また、出射面41bは、X方向に凸の凸曲面である。出射面41bは、入射面41aよりも大きく突出している。第一光学素子41Aは、シリンドリカルレンズである。
【0050】
図1に示されるように、第一光学素子41Aからのレーザ光LのZ方向のビーム幅Wzは、X方向に進むにつれて狭くなる。第二光学素子42Aには、第一光学素子41Aを経由して少なくともZ方向において集束されている先細りのレーザ光Lが入射する。なお、ビーム幅は、レーザ光のビームプロファイルにおいて、光強度が所定値以上となる領域の幅である。所定値は、例えばピークの光強度の1/e
2である。
【0051】
第二光学素子42Aは、レーザ光Lを、Z方向におけるビーム幅Wz2が、第一光学素子41Aへの入射面41aでのZ方向におけるビーム幅Wz1よりも小さい状態で、Z方向においてコリメートする。第二光学素子42Aは、少なくともZ方向において凹レンズ、言い換えると少なくともY方向と直交する断面において凹レンズである。第二光学素子42Aは、コリメートレンズとも称されうる。
【0052】
本実施形態では、第二光学素子42Aは、一例として、Z方向と交差しかつ直交した平面としての仮想中心面Vc2に対する面対称形状を有している。第二光学素子42Aの入射面42aおよび出射面42bは、Y方向に沿う母線を有しY方向に延びた柱面を有している。入射面42aは、X方向の反対方向に凸の凸曲面である。また、出射面42bは、X方向に凹の凹曲面である。Y方向から見た場合、出射面42bのZ方向の中央部は、Z方向の両端部よりもX方向の反対側に位置している。
【0053】
また、第二光学素子42Aは、第一光学素子41Aによるレーザ光LのZ方向の集束点Pczよりも第一光学素子41Aの近くに位置されている。
【0054】
図2に示されるように、発光素子32から出射され第一光学素子41Aおよび第二光学素子42Aを経由したレーザ光LのY方向のビーム幅Wyは、X方向に進むにつれて拡がる。第三光学素子43Aには、第二光学素子42Aを経由してY方向において拡がっている先太りのレーザ光Lが入射する。第三光学素子43Aは、レーザ光Lを、Y方向においてコリメートする。第三光学素子43Aは、少なくともY方向において凸レンズ、言い換えると少なくともY方向と直交する断面において凸レンズである。第二光学素子42Aは、コリメートレンズとも称されうる。
【0055】
本実施形態では、第三光学素子43Aは、一例として、Y方向と交差しかつ直交した平面としての仮想中心面Vc3に対する面対称形状を有している。第三光学素子43Aの入射面43aおよび出射面43bは、Z方向に沿う母線を有しZ方向に延びた柱面を有している。入射面43aは、X方向と直交する平面である。また、出射面43bは、X方向に凸の凸曲面である。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、第一光学素子41Aは、ケース20外に設けられ、ケース20に設けられた窓部材11(窓)を通ったレーザ光Lを、Z方向(速軸方向)で集束する。そして、第二光学素子42Aは、第一光学素子41Aを経由したレーザ光Lを、Z方向でのビーム幅Wz2が第一光学素子41Aの入射面41aにおけるZ方向でのビーム幅Wz1よりも小さい状態で、Z方向においてコリメートする。
【0057】
図1に示されるように、発光素子32から出射されたレーザ光LのZ方向のビーム幅は、X方向に進むにつれて拡がる。このため、仮に、第一光学素子41Aが配置されず、当該第一光学素子41Aが設けられている位置に、当該第一光学素子41Aに替えて、Z方向にコリメートするコリメートレンズ(不図示)が配置された場合、
図1中に二点鎖線で示されるように、より広いビーム幅Wz1でコリメートされたレーザ光Lvが得られる。これに対し、本実施形態では、第一光学素子41Aを経由することによりZ方向に集束されているレーザ光Lを、Z方向のビーム幅Wz2が第一光学素子41Aの入射面41aにおけるZ方向のビーム幅Wz1よりも狭い状態で、第二光学素子42Aによってコリメートする。したがって、本実施形態によれば、コリメートされたレーザ光LのZ方向におけるビーム幅Wzcを、より小さくすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、第二光学素子42Aは、第一光学素子41Aによるレーザ光LのZ方向の集束点Pczよりも第一光学素子41Aの近くに位置されている。
【0059】
仮に、第二光学素子42Aが、集束点Pczよりも第一光学素子41Aの遠くに位置された場合、第一光学素子41Aと第二光学素子42Aとの間のレーザ光Lの光路上に、集束点Pczが出現することになる。この場合、エネルギ密度の高い集束点Pczにおいて塵芥が集積するなどの不都合が生じる虞がある。この点、本実施形態では、第二光学素子42Aが集束点Pczよりも第一光学素子41Aの近くに位置されているため、レーザ光Lが集束点Pczに到達する前に第二光学素子42Aによってコリメートされる。すなわち、本実施形態によれば、レーザ光Lの光路上に集束点Pczが出現しないため、当該集束点Pczによる不都合が生じるのを、回避することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第一光学素子41Aは、少なくともZ方向において凸レンズであり、第二光学素子42Aは、少なくともZ方向において凹レンズである。
【0061】
このような構成によれば、第一光学素子41Aおよび第二光学素子42Aを、比較的簡素な構成によって実現することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第一光学素子41Aは、Z方向と交差した仮想中心面Vc1に対する面対称形状を有したレンズである。
【0063】
このような構成によれば、第一光学素子41Aを、比較的簡素な構成によって実現することができる。
【0064】
また、本実施形態では、発光装置1Aは、第一光学素子41Aを経由したレーザ光LをY方向(遅軸方向)でコリメートする第三光学素子43Aを備えている。
【0065】
このような構成によれば、レーザ光LをY方向においてもコリメートすることができる。
【0066】
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態の発光装置1Bを示す側面図であり、
図4は、発光装置1Bを示す平面図である。
【0067】
図3を
図1と比較し、かつ
図4を
図2と比較すれば明らかとなるように、本実施形態では、第三光学素子43Bの位置が、上記第1実施形態の第三光学素子43Aの位置と相違している。具体的に、第1実施形態では、第三光学素子43Aは、第二光学素子42Aに対して第一光学素子41Aとは反対側に位置されているのに対し、本実施形態では、第三光学素子43Bは、第二光学素子42Aに対して第一光学素子41Aに近い位置、すなわち第一光学素子41Aと第二光学素子42Aとの間に、位置されている。
【0068】
なお、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、第三光学素子43Bは、一例として、Y方向と交差しかつ直交した平面としての仮想中心面Vc3に対する面対称形状を有している。第三光学素子43Bの入射面43aおよび出射面43bは、Z方向に沿う母線を有しZ方向に延びた柱面を有している。入射面43aは、X方向と直交する平面である。また、出射面43bは、X方向に凸の凸曲面である。
【0069】
また、本実施形態における第一光学素子41Aおよび第二光学素子42Aの構成および配置は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
以上のように、本実施形態では、第三光学素子43Bは、第一光学素子41Aと第二光学素子42Aとの間に位置されている。
図3に示されるように、本実施形態では、第三光学素子43Bは、第一光学素子41Aと第二光学素子42Aとの間に位置されているため、ビーム幅Wyがより狭い状態で、レーザ光LをY方向にコリメートすることができる。したがって、本実施形態によれば、コリメートされたレーザ光LのY方向におけるビーム幅Wycを、より小さくすることができる。
【0071】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態の発光装置1Cを示す側面図であり、
図6は、発光装置1Cを示す平面図である。
【0072】
図6を
図2と比較し、かつ
図5を
図1と比較すれば明らかとなるように、本実施形態では、第一光学素子41Cの構成が、上記第1実施形態の第一光学素子41Aの構成と相違している。具体的に、第1実施形態では、第一光学素子41Aは、Z方向と交差しかつ直交した平面としての仮想中心面Vc1に対する面対称形状を有したレンズであるのに対し、本実施形態では、第一光学素子41Cは、光軸に沿う中心軸Axに対する軸対称形状を有したレンズである。
【0073】
第一光学素子41Cは、中心軸Ax周りの回転体として構成される。第一光学素子41Cは、当該中心軸AxがX方向に沿うとともにレーザ光Lの光軸と重なるように配置される。第一光学素子41Cの入射面41aおよび出射面41bは、それぞれ、X方向に延びた中心軸Ax周りの回転面を有している。出射面41bは、X方向に凸の凸曲面である。出射面41bは、入射面41aよりも大きく突出している。
【0074】
また、本実施形態でも、第二光学素子42Aは、第一光学素子41Cによるレーザ光LのZ方向の集束点Pczよりも第一光学素子41Cの近くに位置されている。
【0075】
なお、
図6に示されるように、第一光学素子41Cと第二光学素子42Aとの間に、レーザ光LのY方向における集束点Pcyが出現するが、当該集束点Pcyでのエネルギ密度はそれほど高くないため、塵芥の集積のような問題は生じ無い。
【0076】
以上のように、本実施形態では、第一光学素子41Cは、レーザ光Lの光軸に沿う中心軸Axに対する軸対称形状を有したレンズである。
【0077】
本実施形態によれば、レーザ光Lが、Z方向とY方向との間の方向においても集束されるため、レーザ光Lの収差が小さくなるという効果が得られる。また、本実施形態によれば、第一光学素子41Cを、比較的簡素な構成によって実現することができる。
【0078】
[第4実施形態]
[光源ユニットの構成]
図7は、複数の第3実施形態の発光装置1Cを備えた第4実施形態の光源ユニット100A(100)の平面図であり、
図8は、
図7のVIII-VIII断面図である。なお、
図8において、光フィルタ102、ミラー103、および集光レンズ104,105は、側面図として示されている。
【0079】
光源ユニット100Aには、一例として、第3実施形態の発光装置1Cが実装されている。光源ユニット100Aは、ベース101と、複数の発光装置1Cと、複数のミラー103と、集光レンズ104,105と、光フィルタ102と、ハウジングベース106と、光ファイバ107と、を備えている。光フィルタ102、ミラー103、および集光レンズ104,105は、光学部品の一例である。各発光装置1Cは、発光モジュール10と、第一光学素子41Cと、第二光学素子42Aと、第三光学素子43Aと、を含む。
【0080】
ミラー103は、発光装置1CからのX方向に進む光を、Y方向に反射する。ミラー103は、偏向部品の一例である。ミラー103で反射された光は、集光レンズ104,105で集光される。
【0081】
ここで、
図7に示されるように、発光装置1C(すなわち、発光モジュール10、第一光学素子41C、第二光学素子42A、および第三光学素子43A)とミラー103とを含むサブユニット100aは、Y方向に略等間隔で並んでいる。また、
図8に示されるように、複数のサブユニット100aは、互いにZ方向にずれて配置されている。集光レンズ104に近いほど、サブユニット100aのベース101の底面101aからのZ方向の距離が短くなるよう、構成されている。したがって、
図8に示されるように、ベース101の表面101bには、Y方向に向かうにつれてZ方向の反対方向にずれる段差が設けられている。各段差は、Z方向と交差しかつ直交し、X方向およびY方向に略沿って延びている。サブユニット100aは、表面101bの各段差上に実装されている。
【0082】
このような構成において、各サブユニット100a(各ミラー103)からの光は、集光レンズ104の入射面で、Z方向に等間隔で並ぶ。各サブユニット100aからの光は、集光レンズ104、光フィルタ102、および集光レンズ105を経由して、光ファイバ107の入力部107aへ入力される。光ファイバ107は、ハウジングベース106に設けられたファイバ支持部106aに支持されている。
【0083】
なお、光源ユニット100Aの発光装置1Cは、他の実施形態の発光装置1A,1Bに置き換え可能である。
【0084】
図9は、第一光学素子41Cの取付構造を示す平面図である。
図9に示されるように、第一光学素子41Cは、発光モジュール10のケース20に接合部50を介して固定されている。このような構成により、ケース20を利用して、第一光学素子41Cの取付構造を、比較的簡素な構成によって実現することができる。ケース20を有した発光モジュール10は、表面101b上に取り付けられており、当該表面101bからZ方向に突出している。発光モジュール10は、突出部の一例である。また、接合部50は、固定部とも称されうる。Z方向は、表面101bと交差した方向の一例である。
【0085】
接合部50は、例えば、合成樹脂材料で作られた接着剤である。接合部50は、電磁波硬化性の接着剤や、熱硬化性の接着剤であってもよい。
【0086】
接合部50は、ケース20のY方向両側の側面21dとX方向の前面21eとの間の角部21fと、第一光学素子41Cのレーザ光の光路から外れた周縁部との間に介在し、当該角部21fと周縁部とを接合している。
【0087】
ケース20と第一光学素子41Cとは、複数箇所において、それぞれ接合部50を介して接合されている。
図9に示される二つの接合部50は、Y方向に互いに離間している。また、
図9に示される二つの接合部50のうち少なくとも一つからZ方向の反対方向に離れた位置にも接合部50(不図示)が存在し、ケース20と第一光学素子41Cとが三つまたは四つの接合部50によって接合されている。なお、
図9に示される二つの接合部50のうち少なくとも一つがZ方向の反対方向に或る程度の長さだけ延びていてもよい。この場合、ケース20と第一光学素子41Cとが二つの接合部50によって接合されている。したがって、ケース20と第一光学素子41Cとは二つ以上の接合部50によって接合されうる。
【0088】
仮に、第一光学素子41Cが、当該第一光学素子41Cとベース101の表面101bとの間に介在する接合部50のみによって片持ち支持された場合、第一光学素子41CのZ方向に対する微少な傾き(倒れ)によって、第一光学素子41Cからのレーザ光の光軸が、X方向に対してZ方向またはZ方向の反対方向にずれてしまう虞がある。この場合、各サブユニット100a(各ミラー103)からの光が、集光レンズ104の所期の位置からZ方向に外れた位置に入射し、レーザ光のZ方向の収束性が低くなる虞がある。
【0089】
この点、本実施形態では、第一光学素子41Cは、接合部50を介して発光モジュール10のケース20と接合されている。このような構成によれば、ケース20が第一光学素子41Cを支持することができるため、第一光学素子41CのZ方向に対する傾きを抑制することができ、レーザ光のZ方向の傾き、ひいては空間結合されたレーザ光のZ方向の収束性の低下を、抑制することができる。
【0090】
また、上述したように、本実施形態では、第一光学素子41Cとケース20とは、Z方向に離れた複数の接合部50を介して接合されている。このような構成によれば、第一光学素子41CのZ方向に対する傾きをより一層抑制することができ、レーザ光のZ方向の傾き、ひいてはレーザ光の収束性の低下を、より一層抑制することができる。ベース101は、ベースの一例であり、表面101bは、第一面の一例である。
【0091】
また、本実施形態では、接合部50は、中心軸Ax(光軸)に沿う方向(X方向)において、第一光学素子41Cとケース20との間に介在している。このような構成により、仮に接合部50の収縮や膨張等が生じた場合にあっても、第一光学素子41Cはケース20に対して相対的にX方向に平行移動しやすくなる。言い換えると、第一光学素子41Cは傾き難くなる。
【0092】
また、本実施形態では、複数の接合部50は、互いに中心軸Axを挟んで配置されている。複数の接合部50が互いに中心軸Axを挟んで配置されるとは、中心軸Axに沿う方向(X方向)に見た場合に、複数の接合部50が中心軸Axを通る仮想直線(仮想平面、不図示)を挟んで互いに反対側に配置されることを意味する。このような構成により、仮に接合部50の収縮や膨張等が生じた場合にあっても、第一光学素子41CはX方向に平行移動しやすくなる。言い換えると、第一光学素子41Cは傾き難くなる。また、本実施形態では、複数の接合部50は、X方向に見た場合に、中心軸Axの周りの2箇所以上に配置されうる。このような構成により、仮に接合部50の収縮や膨張等が生じた場合にあっても、第一光学素子41Cはケース20に対して相対的に並進運動しやすくなる。言い換えると、第一光学素子41Cは傾き難くなる。
【0093】
また、接合部50は、X方向と交差する仮想平面、例えばYZ平面に沿って、所要の面積をもって広がってもよい。この場合、仮に接合部50の収縮や膨張等が生じた場合にあっても、当該面積が広いほど、第一光学素子41Cはケース20に対して相対的に並進運動しやすくなる。言い換えると、第一光学素子41Cは傾き難くなる。
【0094】
図10は、第二光学素子42Aの取付構造を示す平面図である。
図10に示されるように、第二光学素子42Aは、表面101bからZ方向に突出したポスト101cに、接合部50を介して取り付けられている。ポスト101cは、一例として、四角柱状の形状を有しているが、円柱状など、他の形状を有してもよい。ポスト101cは、突出部の一例である。ポスト101cは、第二光学素子42Aに対してY方向の両側に配置されている。
【0095】
また、本実施形態では、
図10に示される接合部50からZ方向の反対方向に離れた位置にも接合部50(不図示)が存在し、二つの接合部50によってポスト101cと第二光学素子42Aとが接合されている。
【0096】
ポスト101cは、ベース101の表面101b上に、例えば接着剤やはんだのような接合材を介して取り付けられてもよいし、溶接されてもよいし、ねじのような固定具を介して取り付けられてもよいし、ベース101と一体に構成されてもよい。接着剤は、電磁波硬化性の接着剤や、熱硬化性の接着剤であってもよい。
【0097】
このような構成によれば、ポスト101cが第二光学素子42Aを支持することができるため、第二光学素子42AのZ方向に対する傾きを抑制することができ、レーザ光のZ方向の傾き、ひいては空間結合されたレーザ光のZ方向の収束性の低下を、抑制することができる。なお、第三光学素子43Aも、ポスト101cと同様のポスト(不図示)によって支持されてもよい。
【0098】
[第5実施形態]
図11は、第5実施形態の光源ユニット100B(100)の一部の平面図であって、第一光学素子41Cの取付構造を示す図である。また、
図12は、第一光学素子41Cおよびポスト101c、すなわち第一光学素子41Cの取付構造を、X方向に見た背面図である。
図11,12に示される第一光学素子41Cの取付構造を除き、光源ユニット100Bは、第4実施形態の光源ユニット100Aと同様の構成を備えている。
【0099】
図11,12に示されるように、本実施形態では、第一光学素子41Cは、表面101bからZ方向に突出したポスト101cに、複数の接合部50を介して接合されている。ポスト101cは、第二光学素子42Aに対してY方向の両側に配置されている。各ポスト101cにおいて、二つの接合部50が、Z方向に離間して配置されている。各ポスト101cにおける接合部50の数は、二つには限定されず、三つであってもよい。また、
図12に示されるように、二つの接合部50は、ポスト101cの上端と下端とに配置されているが、これには限定されず、ポスト101cの上端および下端から離れた位置に配置されてもよい。
【0100】
また、第一光学素子41Cは、X方向(光軸方向)の中央部において、光軸の径方向外側に張り出した張出部41dを有しており、接合部50は、当該張出部41dのX方向の反対方向の端面41d1とポスト101cとの間に介在している。このような構成により、接合部50がレーザ光の光路に干渉するのを抑制することができる。
【0101】
本実施形態によっても、ポスト101cが第一光学素子41Cを支持することができるため、第一光学素子41CのZ方向に対する傾きを抑制することができ、レーザ光のZ方向の傾き、ひいては空間結合されたレーザ光のZ方向の収束性の低下を、抑制することができる。
【0102】
[第6実施形態]
図13は、第6実施形態の第一光学素子41Cおよびポスト101c、すなわち第一光学素子41Cの取付構造を、X方向に見た背面図である。
図13に示される第一光学素子41Cの取付構造を除き、光源ユニット100C(100)は、第4実施形態の光源ユニット100Aと同様の構成を備えている。
【0103】
図13に示されるように、本実施形態では、Z方向に延びた接合部50によって、第一光学素子41Cとポスト101cとが接合されている。本実施形態のようにZ方向に延びた接合部50によって第一光学素子41Cとポスト101c(突出部)とを接合することにより、複数の接合部50を有しない構成においても、第一光学素子41CのZ方向に対する傾きを抑制することができ、レーザ光のZ方向の傾き、ひいては空間結合されたレーザ光のZ方向の収束性の低下を、抑制することができる。接合部50のZ方向の長さは、第一光学素子41Cの傾きを抑制できる長さであれば良く、第一光学素子41CのZ方向の長さの1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがさらに好ましい。また、接合部50の延びる方向は、Z方向には限定されない。
【0104】
また、本実施形態では、接合部50は、中心軸Axと交差するY方向において、第二光学素子42Aとポスト101cとの間に介在している。このような構成により、仮に接合部50の収縮や膨張等が生じた場合にあっても、第二光学素子42Aはポスト101cに対して相対的にY方向に平行移動しやすくなる。言い換えると、第二光学素子42Aは傾き難くなる。
【0105】
[第7実施形態]
図14は、第7実施形態の光源ユニット100D(100)の概略構成図であって、光源ユニット100Dの内部をZ方向の反対方向に見た平面図である。
【0106】
図14に示されるように、光源ユニット100Dは、ベース101と、当該ベース101に固定された光ファイバ107と、それぞれ発光装置1Cおよびミラー103を含む複数のサブユニット100aと、複数のサブユニット100aからのレーザ光を合成する光合成部108と、を有している。
【0107】
光ファイバ107は、出力光ファイバであって、その端部(不図示)を支持するファイバ支持部106aを介して、ベース101と固定されている。
【0108】
ファイバ支持部106aは、ベース101の一部として当該ベース101と一体的に構成されてもよいし、ベース101とは別部材として構成されたファイバ支持部106aが、例えばねじのような固定具を介してベース101に取り付けられてもよい。
【0109】
ベース101は、ここでは、上記第4実施形態のハウジングベース106に相当する部位も含むものとする。ベース101は、例えば、銅系材料やアルミニウム系材料のような、熱伝導率が高い材料で作られる。また、ベース101は、カバー(不図示)で覆われている。光ファイバ107、サブユニット100a、光合成部108、およびファイバ支持部106aは、ベース101とカバーとの間に形成された収容室内に収容され、封止されている。
【0110】
ベース101の表面101bには、上記第4実施形態と同様に、Y方向に向かうにつれてサブユニット100aの位置がZ方向の反対方向にずれる段差(
図8参照)が設けられている。複数のサブユニット100aがY方向に所定間隔(例えば一定間隔)で並ぶアレイA1,A2のそれぞれについて、サブユニット100aは、各段差上に配置されている。したがって、アレイA1に含まれるサブユニット100aのZ方向の位置は、Y方向に向かうにつれてZ方向の反対方向にずれるとともに、アレイA2に含まれるサブユニット100aのZ方向の位置も、Y方向に向かうにつれてZ方向の反対方向にずれている。
【0111】
複数のサブユニット100aの発光モジュール10から出力されたレーザ光は、光合成部108によって合成される。光合成部108は、コンバイナ108a、ミラー108b、および1/2波長板108c等の光学部品を有している。
【0112】
ミラー108bは、アレイA1のサブユニット100aからのレーザ光を1/2波長板108cを介してコンバイナ108aに向かわせる。1/2波長板108cは、アレイA1からの光の偏波面を回転させる。アレイA2のサブユニット100aからのレーザ光は、コンバイナ108aに直接入力される。
【0113】
コンバイナ108aは、二つのアレイA1,A2からの光を合成して集光レンズ104に向けて出力する。コンバイナ108aは、偏波合成素子とも称されうる。
【0114】
また、ベース101には、サブユニット100a(発光モジュール10)や、ファイバ支持部106a、集光レンズ104,105、コンバイナ108a等を冷却する冷媒通路109が設けられている。冷媒通路109では、例えば、冷却液のような冷媒が流れる。冷媒通路109は、例えば、ベース101の各部品の実装面の近く、例えば直下またはその近傍を通り、冷媒通路109の内面および冷媒通路109内の冷媒(不図示)は、冷却対象の部品や部位、すなわち、サブユニット100a(発光モジュール10)や、ファイバ支持部106a、集光レンズ104,105、コンバイナ108a等と、熱的に接続されている。ベース101を介して冷媒と部品や部位との間で熱交換が行われ、部品が冷却される。なお、冷媒通路109の入口109aおよび出口109bは、一例として、ベース101のY方向の反対方向の端部に設けられているが、他の位置に設けられてもよい。
【0115】
図14に示されるように、アレイA1のサブユニット100a1(100a)においては、X1方向に向かうレーザ光がミラー103でY方向に反射され、アレイA2のサブユニット100a2(100a)においては、X1方向とは反対方向のX2方向に向かうレーザ光がミラー103でY方向に反射される。サブユニット100a1は、第一サブユニットの一例であり、サブユニット100a2は、第二サブユニットの一例である。また、X1方向は第一方向の一例であり、X2方向は、第一方向の反対方向の一例である。
【0116】
このようにアレイA1のサブユニット100a1とアレイA2のサブユニット100a2とで、レーザ光が互いに対向する方向に進む場合、アレイA1,A2のうち一方のアレイのサブユニット100a内で他方のアレイに近づく方向に進むレーザ光の漏れ光が、当該他方のアレイのサブユニット100a内のレーザ光に干渉する虞がある。また、上記第4~第6実施形態のように、第一光学素子41Cや、第二光学素子42A、第三光学素子43A等の光学部品が、接合部50を介してベース101と接合されている場合、当該接合部50に漏れ光が照射されると、当該接合部50が損傷してしまう虞もある。漏れ光は、例えば、各光学部品において不本意に反射したり透過したりするレーザ光に由来する。
【0117】
そこで、本実施形態では、アレイA1とアレイA2との間に、漏れ光を遮る遮蔽部101d1が設けられている。
【0118】
図15は、遮蔽部101d1の側面図である。遮蔽部101d1は、表面101bからZ方向に突出している。遮蔽部101d1のZ方向の頂部の位置、すなわち表面101bからの高さは、破線の矢印で示される漏れ光Llを遮断するのに十分な高さに設定されている。例えば、遮蔽部101d1のZ方向の頂部の位置は、少なくともサブユニット100a内に含まれる第一光学素子41C、第二光学素子42A、第三光学素子43AのZ方向の頂部の位置と同じかあるいはよりZ方向の前方に位置している。
【0119】
遮蔽部101d1は、ベース101の表面101b上に、例えば接着剤やはんだのような接合材を介して取り付けられてもよいし、溶接されてもよいし、ねじのような固定具を介して取り付けられてもよいし、ベース101と一体に構成されてもよい。接着剤は、電磁波硬化性の接着剤や、熱硬化性の接着剤であってもよいし、熱伝導率が比較的高い接着剤であるのが好ましい。
【0120】
また、本実施形態では、遮蔽部101d1は、X1方向の端部およびX2方向の端部に、反射面101daを有している。反射面101daは、漏れ光Llの入射方向の反対方向から外れた方向に、漏れ光Llを反射する。すなわち、X2方向に進む漏れ光Llが入射する反射面101daは、当該漏れ光Llを、X1方向から外れた方向、言い換えるとX1方向と傾斜した方向に反射する。また、X1方向に進む漏れ光Llが入射する反射面101daは、当該漏れ光Llを、X2方向から外れた方向、言い換えるとX2方向と傾斜した方向に反射する。すなわち、反射面101daは、いずれも、漏れ光LlをX1方向またはX2方向から反らす。これにより、漏れ光Llの反射面101daでの反射光が、サブユニット100a内で伝送されるレーザ光に干渉するのを抑制することができる。なお、反射面101daは、Z方向に向かうにつれてX1方向およびX2方向のうち一方に向かうように傾斜しているが、傾斜方向はこれには限定されない。また、反射面101daは、例えば、曲面であってもよい。また、曲面である場合、反射面101daは、球面状であってもよいし、円筒面状であってもよい。
【0121】
[第8実施形態]
図16は、第8実施形態の光源ユニット100E(100)に含まれる遮蔽部101d2の側面図(一部断面図)である。
図15に示される遮蔽部101d1に替えて
図16に示される遮蔽部101d2が設けられている点を除き、光源ユニット100Eは、第7実施形態の光源ユニット100Dと同様の構成を備えている。
【0122】
ただし、本実施形態では、遮蔽部101d2の反射面101daには、例えば黒色塗料のような、レーザ光のエネルギを熱エネルギに変換する塗料が塗られている。この場合、反射面101daは、レーザ光のエネルギを吸収する吸収面として機能する。反射面101daは、吸収面の一例である。このような構成によれば、反射面101daにおける反射光の強度をより低くすることができるため、反射光が光源ユニット100D内の他の部位に与える悪影響をより小さくすることができる。
【0123】
また、
図16に示されるように、ベース101には、遮蔽部101d1とZ方向に重なるように、冷媒Cが流れる冷媒通路109が設けられている。冷媒通路109は、冷媒通路109の入口109aから出口109bまでの間の一部の区間が、遮蔽部101d2に対してZ方向と重なる位置を通るように設けられている。当該区間において、冷媒通路109は、例えば、遮蔽部101d2に沿ってY方向に延びている。
【0124】
遮蔽部101d2およびベース101は、例えば、銅系材料やアルミニウム系材料のような、熱伝導率が高い材料で作られており、遮蔽部101d2と冷媒通路109の内面および冷媒Cとが熱的に接続されている。よって、本実施形態によれば、遮蔽部101d2およびベース101を介して冷媒Cと遮蔽部101d2との間で熱交換が行われ、漏れ光Llのエネルギに基づく熱が生じた遮蔽部101d2が冷却され、遮蔽部101d2および当該遮蔽部101d2の周辺の温度が上昇するのを抑制することができる。
【0125】
[第9実施形態]
図17は、第9実施形態の光源ユニット100F(100)に含まれるサブユニット100a1(100a)の平面図である。
図14に示されるサブユニット100aに替えて、
図17に示されるサブユニット100aが設けられている点を除き、光源ユニット100Fは、第7実施形態の光源ユニット100Dと同様の構成を備えている。なお、
図17には、アレイA1のサブユニット100a1が示されているが、アレイA2のサブユニット100a2も、
図17と同様の構成、すなわち、
図17の構成と鏡像関係にある構成を有している。
【0126】
図17に示されるように、第二光学素子42Aは、ポスト101cに、接合部50を介して接合されている。なお、ポスト101cは、第二光学素子42Aに対して、Y方向の両側に設けられているが、片側のみに設けられてもよい。
【0127】
そして、接合部50に対してX1方向に離れた位置に、遮蔽部101d3が設けられている。このような構成により、アレイA1,A2のうち一方のアレイのサブユニット100aに含まれる接合部50に、アレイA1,A2のうち他方のアレイのサブユニット100aからの漏れ光Llが照射され、これにより当該接合部50が損傷するのを、抑制することができる。本実施形態によれば、遮蔽部101d3を、よりコンパクトな構成によって実現できる。
【0128】
図18は、遮蔽部101d3の側面図である。
図18に示されるように、本実施形態でも、遮蔽部101d3は、上記第7実施形態と同様の反射面101daを有している。反射面101daによる漏れ光Llの反射方向は、上記第7実施形態と同様である。これにより、反射面101daでの漏れ光Llの反射光がサブユニット100a内で伝送されるレーザ光に干渉するのを、抑制することができる。なお、遮蔽部101d3は、第8実施形態と同様の構成を有し、吸収部として機能してもよい。
【0129】
[第10実施形態]
図19は、第10実施形態の光源ユニット100G(100)に含まれるサブユニット100aの平面図である。
図14に示されるサブユニット100aに替えて、
図19に示されるサブユニット100aが設けられている点を除き、光源ユニット100Gは、第7実施形態の光源ユニット100Dと同様の構成を備えている。なお、
図19には、アレイA1のサブユニット100a1が示されているが、アレイA2のサブユニット100a2も、
図17と同様の構成、すなわち、
図19の構成と鏡像関係にある構成を有している。
【0130】
図19に示されるように、第二光学素子42Aは、遮蔽部101d3に、接合部50を介して接合されている。また、接合部50は、遮蔽部101d3に対して漏れ光の反対側に設けられている。よって、本実施形態でも、遮蔽部101d3は、接合部50に向かう漏れ光Llを遮っている。すなわち、遮蔽部101d3は、第9実施形態の構成におけるポスト101cと遮蔽部101d3とを機能的に統合したものであると言える。本実施形態によっても、遮蔽部101d3により、アレイA1,A2のうち一方のアレイのサブユニット100aに含まれる接合部50に、アレイA1,A2のうち他方のアレイのサブユニット100aからの漏れ光Llが照射され、これにより当該接合部50が損傷するのを、抑制することができる。本実施形態によれば、接合部50への漏れ光Llの照射を抑制できるとともに第二光学素子42Aの傾きを抑制することができる構成を、より簡素な構成によって実現することができる。
【0131】
[第11実施形態]
[光源装置、光ファイバレーザの構成]
図20は、上記第4~第10実施形態のいずれかの光源ユニット100が実装された第11実施形態の光源装置110の構成図である。光源装置110は、励起光源として、複数の光源ユニット100を備えている。複数の光源ユニット100から出射された光(レーザ光)は、光ファイバ107を介して光結合部としてのコンバイナ90に伝搬される。光ファイバ107の出力端は、複数入力1出力のコンバイナ90の複数の入力ポートにそれぞれ結合されている。なお、光源装置110は、複数の光源ユニット100を有するものに限定されるものではなく、少なくとも1つの光源ユニット100を有していればよい。
【0132】
[第12実施形態]
図21は、
図20の光源装置110が実装された光ファイバレーザ200の構成図である。光ファイバレーザ200は、
図20に示された光源装置110およびコンバイナ90と、希土類添加光ファイバ130と、出力側光ファイバ140と、を備える。希土類添加光ファイバ130の入力端及び出力端には、それぞれ高反射FBR120,121(fiber brag grating)が設けられている。
【0133】
コンバイナ90の出力端には、希土類添加光ファイバ130の入力端が接続され、希土類添加光ファイバ130の出力端には、出力側光ファイバ140の入力端が接続されている。なお、複数の光源ユニット100から出力されるレーザ光を希土類添加光ファイバ130に入射させる入射部は、コンバイナ90に換えて他の構成を使用してもよい。例えば、複数の光源ユニット100における出力部の光ファイバ107を並べて配置し、複数の光ファイバ107から出力されたレーザ光を、レンズを含む光学系等の入射部を用いて、希土類添加光ファイバ130の入力端に入射させるように構成してもよい。希土類添加光ファイバ130は、光増幅ファイバの一例である。
【0134】
上述した光源ユニット100、光源装置110、および光ファイバレーザ200によれば、発光装置1Cあるいは発光装置1A,1Bを有することにより、ビームの幅あるいは光径をより小さくできる等の利点が得られる。
【0135】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0136】
例えば、第一光学素子、第二光学素子、第三光学素子は、実施形態に開示されたものには限定されず、例えば、ミラー、プリズム、または回折光学素子のような、光を反射、屈折、または回折させる他の光学素子であってもよい。なお、回折光学素子は、例えば、周期の異なる複数の回折格子を複合して一体に構成したものである。
【0137】
また、発光素子から第三光学素子を出るまでの光路の光軸は、直線状である必要は無く、適宜屈曲されてもよい。
【0138】
また、光源におけるサブユニットや、発光モジュール、各光学素子、光合成部、各光学部品、突出部、遮蔽部等の配置は、上記実施形態には限定されない。また、漏れ光の進行方向も、上述した方向には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、発光装置、光源ユニット、光源装置、および光ファイバレーザに適用することができる。
【符号の説明】
【0140】
1A,1B,1C…発光装置
10…発光モジュール(突出部)
11…窓部材
20…ケース
21…壁部材
21a…ベース
21b…開口部
21c…頂面
21d…側面
21e…前面
21f…角部
22…窓部材
30…発光ユニット
31…サブマウント
31a…頂面
32…発光素子
41A,41C…第一光学素子
41a…入射面
41b…出射面
41d…張出部
41d1…端面
42A…第二光学素子
42a…入射面
42b…出射面
43A,43B…第三光学素子
43a…入射面
43b…出射面
50…接合部
90…コンバイナ
100,100A~100G…光源ユニット
100a…サブユニット
100a1…サブユニット(第一サブユニット)
100a2…サブユニット(第二サブユニット)
101…ベース
101a…底面
101b…表面
101c…ポスト(突出部)
101d1,101d2,101d3…遮蔽部
101da…反射面(吸収面)
102…光フィルタ
103…ミラー
104,105…集光レンズ
106…ハウジングベース
106a…ファイバ支持部
107…光ファイバ
107a…入力部
108…光合成部
108a…コンバイナ
108b…ミラー
108c…1/2波長板
109…冷媒通路
109a…入口
109b…出口
110…光源装置
120,121…高反射FBR
130…希土類添加光ファイバ
140…出力側光ファイバ
200…光ファイバレーザ
Ax…中心軸
A1,A2…アレイ
C…冷媒
L…レーザ光
Lv…レーザ光
Ll…漏れ光
Pcy…集束点
Pcz…集束点
Vc1,Vc2,Vc3…仮想中心面
Wz,Wz1,Wz2…ビーム幅
Wyc…(コリメートされた)ビーム幅
Wzc…(コリメートされた)ビーム幅
X…方向
X1…方向(第一方向)
X2…方向(第一方向の反対方向)
Y…方向
Z…方向