(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-07
(45)【発行日】2022-12-15
(54)【発明の名称】裏面基板薄化を使用して形成された半導体プラグを有する三次元メモリデバイス及びそれを形成するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11582 20170101AFI20221208BHJP
H01L 27/11575 20170101ALI20221208BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221208BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20221208BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20221208BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L29/78 371
H01L27/00 301C
(21)【出願番号】P 2021521793
(86)(22)【出願日】2018-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2018111391
(87)【国際公開番号】W WO2020082227
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】リウ・シャシャ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ・リホン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・エンボ
(72)【発明者】
【氏名】ル・フェン
(72)【発明者】
【氏名】シュ・チャンビン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0097006(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0240811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358927(US,A1)
【文献】特開2010-034112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0126253(US,A1)
【文献】米国特許第09576967(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11517-11582
H01L 21/336
H01L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)メモリデバイスであって、
交互に配置された導電層および誘電体層を備えるメモリスタックと、
前記メモリスタックを貫通して垂直に延びるチャネル構造であって、
前記チャネル構造の下部内のチャネルプラグと、
前記チャネル構造の側壁に沿ったメモリフィルムと、
前記メモリフィルムを覆い、前記チャネルプラグと接触している半導体チャネルとを備える、チャネル構造と、
底面が前記メモリスタックの
上面の上方にあり、前記半導体チャネルの上方にある、前記半導体チャネルと接触している半導体プラグを備える半導体層とを備える、三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項2】
前記メモリフィルムが、前記チャネル構造の上面および下面に沿って延びない、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記半導体層が、単結晶シリコンを含む、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記半導体プラグが、エピタキシャル成長させたシリコンプラグである、請求項3に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記半導体プラグが、堆積されたポリシリコンプラグまたはケイ化物プラグである、請求項3に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
前記半導体チャネルの上端が、前記半導体プラグの底面と接触している、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項7】
前記半導体プラグの上面が、前記半導体層の上面と同一平面上にある、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項8】
前記メモリスタックがその上方に配設される基板と、
前記基板と前記メモリスタックとの間の垂直の接合インターフェースとをさらに備える、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項9】
前記半導体層の上方に周辺デバイスをさらに備える、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項10】
前記基板と前記メモリスタックとの間に垂直に周辺デバイスをさらに備える、請求項8に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項11】
三次元(3D)メモリデバイスであって、
第1の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を備える第1のメモリデッキと、
前記第1のメモリデッキ上のエッチング停止層と、
前記エッチング停止層上に第2の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を備える第2のメモリデッキと、
前記第1および第2のメモリデッキならびに前記エッチング停止層を貫通して垂直に延びるチャネル構造と、
底面が前記第2のメモリデッキの上面の上方にあり、前記チャネル構造と接触している半導体プラグとを備える、三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項12】
前記エッチング停止層が、金属または半導体を含む、請求項11に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項13】
前記チャネル構造が、
前記チャネル構造の下部内のチャネルプラグと、
前記チャネル構造の側壁に沿ったメモリフィルムと、
前記メモリフィルムを覆い、前記チャネルプラグおよび前記半導体プラグと接触している半導体チャネルとを備える、請求項11に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項14】
3次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法であって、
交互に配置された犠牲層および誘電体層を備える誘電体スタックを第1の基板の前側に形成することと、
前記誘電体スタックを貫通するチャネル穴を形成することと、
前記チャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上にメモリフィルムおよび半導体チャネルを形成することと、
前記誘電体スタック内の前記犠牲層を導電層で置き換えることにより、交互に配置された前記導電層および誘電体層を備えるメモリスタックを形成することと、
前記第1の基板の前記前側
が第2の基板に向くように前記第1の基板を
前記第2の基板に取り付けることと、
前記第1の基板の裏面から前記第1の基板を薄化して、前記チャネル穴の前記底面上の前記メモリフィルムおよび半導体チャネルの一部を除去することと、
前記薄化された第1の基板内に半導体プラグを形成して、前記半導体チャネルに接触することとを含む、方法。
【請求項15】
取り付ける前に、前記チャネル穴の上部内にチャネルプラグを形成して、前記半導体チャネルに接触することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記半導体プラグを形成することが、前記薄化された第1の基板内の前記メモリフィルムおよび半導体チャネルの一部を除去してくぼみを形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体プラグを形成することが、前記くぼみ内に前記半導体プラグを堆積させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体プラグを形成することが、前記薄化された第1の基板から前記くぼみ内に前記半導体プラグをエピタキシャル成長させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体スタックを形成することが、
第1の複数の交互に配置された犠牲層および誘電体層を備える第1の誘電体デッキを前記第1の基板の前記前側に形成することと、
前記第1の誘電体デッキ上にエッチング停止層を形成して、前記第1の誘電体デッキを覆うことと、
第2の複数の交互に配置された犠牲層および誘電体層を備える第2の誘電体デッキを前記エッチング停止層上に形成することとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
取り付ける前に、前記第2の基板上に周辺デバイスを形成することと、または
前記半導体プラグを形成した後、前記薄化された第1の基板の上方に周辺デバイスを形成することとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、三次元(3D)メモリデバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレーナ型メモリセルは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、および製造プロセスを改善することにより、より小さなサイズに縮小されてきている。しかし、メモリセルの最小寸法(feature size)が下限に近づくにつれて、プレーナプロセスおよび製造技術は、困難でコストがかかってくるようになってきている。その結果、プレーナ型メモリセルのメモリ密度は、上限に近づいている。
【0003】
3Dメモリアーキテクチャは、プレーナ型メモリセル内の密度の制限に対処することができる。3Dメモリアーキテクチャは、メモリアレイと、メモリアレイとの間で信号を制御するための周辺デバイスとを含む。
【発明の概要】
【0004】
3Dメモリデバイスおよびそれを形成するための方法の実施形態が、本明細書に開示される。
【0005】
1つの例では、3Dメモリデバイスは、交互に配置された導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、メモリスタックを貫通して垂直に延びるチャネル構造と、メモリスタックの上方の半導体層とを含む。チャネル構造は、チャネル構造の下部内のチャネルプラグと、チャネル構造の側壁に沿ったメモリフィルムと、メモリフィルムを覆い、かつチャネルプラグと接触している半導体チャネルとを含む。半導体層は、半導体チャネルの上方にある、半導体チャネルと接触している半導体プラグを含む。
【0006】
別の例では、3Dメモリデバイスは、第1の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を含む第1のメモリデッキと、第1のメモリデッキ上のエッチング停止層と、エッチング停止層上に第2の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を含む第2のメモリデッキと、第1および第2のメモリデッキならびにエッチング停止層を通って垂直に延びるチャネル構造と、第2のメモリデッキの上面の上方にあり、かつチャネル構造と接触している半導体プラグとを含む。
【0007】
さらに別の例では、3Dメモリデバイスを形成するための方法が、開示されている。交互に配置された犠牲層および誘電体層を含む誘電体スタックが、第1の基板の前側に形成される。チャネル穴が、誘電体スタックを貫通して形成される。メモリフィルムおよび半導体チャネルが、チャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上に形成される。交互に配置された導電層および誘電体層を含むメモリスタックは、誘電体スタック内の犠牲層を導電層で置き換えることによって形成される。第1の基板は、第2の基板に取り付けられる。第1の基板の前側は、第2の基板に向いている。第1の基板は、第1の基板の裏面から薄化されて、チャネル穴の底面上のメモリフィルムおよび半導体チャネルの一部を除去する。半導体プラグが、薄化された第1の基板内に形成されて、半導体チャネルに接触する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明と一緒になって、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作製し、使用できるようにする役割を果たす。
【
図1】例示的な3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、別の例示的な3Dメモリデバイスの断面である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3D】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3E】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3F】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3G】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3H】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3I】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3J】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3K】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3L】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図3M】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスの図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0010】
特有の構成および配置について論じているが、これは例示の目的でのみ行われていることを理解されたい。当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を使用できることを認識するであろう。当業者には、本開示が様々な他の用途にも使用できることが明らかであろう。
【0011】
本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「典型的な実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、説明する実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が、必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含んでいなくてもよいことを示すことが、留意される。さらに、そのような言い回しは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明されている場合、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような機能、構造、または特性を実行することは、当業者の知識の範囲内である。
【0012】
通常、用語は、少なくとも部分的には文脈内での使用から理解され得る。例えば、本明細書で使用する「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的には文脈に応じて、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味で説明するために使用されてよく、または特徴、構造、または特性の組み合わせを複数の意味で説明するために使用されてもよい。同様に、「1つ(a)」、「1つ(an)」、または「その(the)」などの用語は、少なくとも部分的には文脈に応じて、単一の用法を伝えるか、または複数の用法を伝えると理解され得る。さらに、「に基づく」という用語は、排他的な要素のセットを伝えることを必ずしも意図しないと理解されてよく、その代わりに、ここでも少なくとも部分的には文脈に応じて、必ずしも明示的に説明していない追加の要素の存在を可能にすることができる。
【0013】
本開示における「上」、「上方」、および「覆って」の意味は、「の上」が何かの「直接上にある」ことを意味するだけでなく、間に中間特徴または層を有して何かの上にあるという意味も含み、「上方」または「覆って」は、何かの「上方」または何かを「覆って」の意味だけでなく、間に中間特徴または層を有さずに(すなわち何かの上に直接に)何かの上方にあるまたは何かを覆うことを意味するように広範に解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0014】
さらに、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などのような空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、1つの要素または特徴と別の要素(複数可)または特徴(複数可)との関係を図に示すように説明するために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを包含することが意図されている。装置は他の方向に向けられ(90度または他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子も同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【0015】
本明細書で使用する場合、「基板」という用語は、その上に後続の材料層が付加される材料を指す。基板自体をパターン化することができる。基板の上部に追加された材料をパターン化することもでき、またはパターン化せずに残すこともできる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの幅広い半導体材料を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェーハなどの非導電性材料から作製され得る。
【0016】
本明細書で使用する場合、「層」という用語は、厚みのある領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるか若しくは上にある構造の全体を覆って延びることができ、または下にあるか若しくは上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有することができる。さらに、層は、連続構造の厚さよりも薄い厚さを有する均一または不均一な連続構造の領域であることができる。例えば、層は、連続構造の上面と底面との間、または上面および底面にある水平面の任意の対間に位置することができる。層は、水平方向、垂直方向、および/またはテーパー面に沿って延びることができる。基板は、層であることができ、その中に1つまたは複数の層を含むことができ、および/またはその上、上方、および/またはその下方に1つまたは複数の層を有することができる。層は、複数の層を含むことができる。例えば、相互接続層は、(相互接続線および/またはビアコンタクトが内部に形成される)1つまたは複数の導体およびコンタクト層と、1つまたは複数の誘電体層とを含むことができる。
【0017】
本明細書で使用する場合、「公称/名目上」という用語は、製品またはプロセスの設計段階中に設定される構成要素またはプロセス工程の特性またはパラメータの所望の値または目標値を、その所望の値より上および/または下の値の範囲を伴って指す。値の範囲は、製造プロセスまたは公差のわずかな変動によるものになり得る。本明細書で使用する場合、「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変動し得る所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば、値の10~30%(例えば、±10%、±20%、または±30%)内で変動する所与の量の値を示すことができる。
【0018】
本明細書で使用する場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリセルトランジスタの垂直に向けられたストリング(本明細書では、NANDメモリストリングなどの「メモリストリング」と呼ばれる)が、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延びるように、横方向に向けられた基板上に存在する、半導体デバイスを指す。本明細書で使用する場合、「垂直/垂直に」という用語は、基板の側面に対して名目上垂直であることを意味する。
【0019】
3D NANDメモリデバイスなどのいくつかの3Dメモリデバイスでは、半導体プラグが、通常、NANDメモリストリングの一方の端部に形成され、NANDメモリストリングのソースを制御するためにトランジスタのチャネルとして作用する。96以上のレベルを有するなどの高度な技術を備えた3D NANDメモリデバイスの製造では、通常、デュアルデッキアーキテクチャが使用される。デュアルデッキアーキテクチャには、半導体プラグの上方の下側デッキ内の下側チャネル穴を一時的に埋める犠牲層を除去すること、および下側および上側チャネル穴を一緒にメモリフィルムおよび半導体チャネルで一度に埋めること(「単一チャネル形成」(SCF)として知られている)が必要とされる。
【0020】
例えば、
図1は、基板102の上方の(下側誘電体デッキ104Aおよび上側誘電体デッキ104Bを含む)デュアルデッキ誘電体スタック104を貫通して垂直に延びるNANDメモリストリング110を形成するための製造段階における、例示的な3Dメモリデバイス100の断面を示す。下側および上側誘電体デッキ104Aおよび104Bのそれぞれは、それぞれが犠牲層106および誘電体層108を含む(本明細書では「誘電体層の対」と呼ばれる)複数の対を含む。すべての製造プロセスが終了すると、誘電体スタック104は、各犠牲層106を導電層で置き換えるゲート置換プロセスによってメモリスタックと置き換えられる。NANDメモリストリング110は、下側誘電体デッキ104Aおよび上側誘電体デッキ104Bそれぞれを貫通して形成された下側チャネル構造112Aおよび上側チャネル構造112Bを含む。NANDメモリストリング110はまた、その下端に半導体プラグ114を含み、その上端にチャネルプラグ116を含む。
図1に示すように、半導体プラグ114は、基板102の一部内、すなわち、基板102の上面の下方に延びる。
【0021】
(まとめて「チャネル構造」112と呼ばれる)下側チャネル構造112Aおよび上側チャネル構造112Bは、その側壁に沿って、かつその底面上にメモリフィルム118および半導体チャネル120を含む。半導体チャネル120をメモリフィルム118の下の半導体プラグ114に接触させるために、「SONOパンチ」プロセスを実施して、下側チャネル構造112Aの底面上のメモリフィルム118を形成するブロッキング層122、蓄積層124、およびトンネリング層126、ならびにチャネル犠牲層(図示せず)を貫通してエッチングする必要がある。SONOパンチプロセスは高エネルギーエッチャントプラズマを使用するので、上側チャネル構造112Bおよび下側チャネル構造112Aがその接合場所において重なるための狭いプロセスマージン(例えば、10nm未満)が存在し、それによってそれらの接合場所における側壁損傷および/または底面上のエッチング不足を回避する。
【0022】
さらに、半導体プラグ114を形成し、SONOパンチプロセスに対応するために、チャネル犠牲層は、最初にメモリフィルム118を覆って堆積され、次にエッチバックされてチャネルプラグ116のためのくぼみを形成し、最終的に半導体チャネル120によって置き換えられる必要があり、それによってプロセスの複雑さおよびコストが増大する。チャネル犠牲層を使用すると、チャネル犠牲層を埋めることによって引き起こされるボイドの形成ならびにウエーハの撓みおよび反り問題により、歩留まりも低下する。いくつかの状況では、チャネル犠牲層の除去はまた、下の半導体プラグ114に損傷を引き起こし、および/またはチャネル穴に残留物を残す場合があり、これは、セル機能障害に直接つながり得る。
【0023】
本開示による様々な実施形態は、3Dメモリデバイス内に半導体プラグを形成するために、従来のSONOパンチプロセスと置き換わることができる裏面基板薄化プロセスを提供する。このプロセスは、上側チャネル穴の重なりのためのマージンをより多く解放することができるため、上側チャネル穴を作製する際のフォトリソグラフの位置合わせおよびエッチングプロセスの課題が緩和される。SONOパンチプロセスおよびチャネル犠牲層を排除することで、底部のエッチング不足、側壁および半導体プラグの損傷、チャネル穴の残留物などによって引き起こされるセルの機能不全のリスクを低減することができる。さらに、いくつかの実施形態では、エッチング停止層が上側誘電体デッキと下側誘電体デッキとの間に形成されて、上側チャネル穴の重なりのシフトによって引き起こされる下側誘電体デッキ内の誘電体層の対を損傷するリスクを低減する。
【0024】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3Dメモリデバイス200の断面を示す。3Dメモリデバイス200は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、ガラス、石英、またはその他の適切な材料を含むことができる基板202を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板202は、キャリア基板である。以下に詳細に説明するように、キャリア基板は、結合、接着、融合などの任意の適切な接合プロセスを使用して、接合インターフェース206において、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の前側に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、キャリア基板は、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の形成後に3Dメモリデバイス200から除去されることが理解される。
図2Aに示すように、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240は、(第1のメモリデッキ204A、第1のメモリデッキ204上のエッチング停止層208、およびエッチング停止層208上の第2のメモリデッキ204Bを含む)メモリスタック204と、メモリスタック204の上方の半導体層210(例えば、薄化された基板)とを含むことができる。半導体層210は、研削、化学機械研磨(CMP)、および/またはエッチングプロセスを使用して基板を薄化することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、接合インターフェース206は、基板202とメモリスタック204との間に垂直にある。いくつかの実施形態によれば、誘電体層などの絶縁層212が、メモリスタック204と半導体層210との間に垂直に配設される。
【0025】
3Dメモリデバイス200内の構成要素の空間的関係をさらに説明するために、x軸およびy軸が
図2Aに含まれることが、留意される。3Dメモリデバイス200の基板202は、x方向(すなわち、横方向)に横方向に延びる2つの側面(例えば、上面および下面)を含む。本明細書で使用する場合、1つの構成要素(例えば、層またはデバイス)が、3Dメモリデバイス(例えば、3Dメモリデバイス200)の別の構成要素(例えば、層またはデバイス)の「上」、「上方」、または「下方」であるかどうかは、基板が3Dメモリデバイスのy方向における最低平面内に配置されたときに、3Dメモリデバイスの基板(例えば、基板202)に対してy方向(すなわち垂直方向)に決定される。空間的関係を説明するための同じ概念が、本開示全体を通じて適用される。
【0026】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス200は、メモリセルが、基板202の上方に垂直に延びるNANDメモリストリング214のアレイの形態で提供される、NANDフラッシュメモリデバイスである。メモリアレイデバイスは、それぞれが(本明細書では「導体層/誘電体層の対」と呼ばれる)導電層203および誘電体層205を含む複数の対を貫通して延びるNANDメモリストリング214を含むことができる。積み重ねられた導電層/誘電体層の対は、本明細書ではメモリスタック204とも呼ばれる。メモリスタック204内の導電層/誘電体層の対の数(例えば、32、64、96、または128)は、3Dメモリデバイス200内のメモリセルの数を決定する。メモリスタック204は、複数の交互に配置された導電層203および誘電体層205を含むことができる。メモリスタック204内の導電層203および誘電体層205は、垂直方向に交互にすることができる。導電層203は、それだけに限定されないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープされたシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む導電性材料を含むことができる。誘電体層205は、それだけに限定されないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘電体材料を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、メモリスタック204は、第1のメモリデッキ204Aおよび第2のメモリデッキ204Bを含むデュアルデッキアーキテクチャを有する。第1および第2のメモリデッキ204Aおよび204Bのそれぞれにおける導電層/誘電体層の対の数は、同じであっても異なっていてもよい。メモリスタック204は、第1のメモリデッキ204Aと第2のメモリデッキ204Bとの間に垂直に配設されたエッチング停止層208をさらに含むことができる。エッチング停止層208は、W、Co、Cu、Al、またはそれらの任意の組み合わせなどの金属を含むことができる。1つの例では、エッチング停止層208は、タングステン層である。エッチング停止層208はまた、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせなどの半導体を含むことができる。エッチング停止層208は、誘電体層205(例えば、酸化ケイ素)を形成する材料とは異なるその他の適切な材料と、導電層203によって置き換えられた別のタイプの誘電体層(例えば、窒化ケイ素)とを含むことができる。エッチング停止層208の厚さは、約20nmから約30nmの間、例えば、20nmから30nmの間(例えば、20nm、21nm、22nm、23nm、24nm、25nm、26nm、27nm、28nm、29nm、30nm、これらの値のいずれかによって下限で境界付けられた任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって規定された任意の範囲)である。エッチング停止層208の厚さは、第1のメモリデッキ204Aを貫通するチャネル穴を形成する際のエッチングに抵抗し、また、以下で詳細に説明するように、チャネル穴の重なりのシフトによる損傷から第2のメモリデッキ204Bの構造を保護するのに十分な厚さであることができる。
【0028】
図2Aに示すように、NANDメモリストリング214は、メモリスタック204を貫通して垂直に延びるチャネル構造216を含むことができる。チャネル構造216は、2つの開口部が互いに重なっているチャネル穴を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、各開口部は、第1および第2のメモリデッキ204Aおよび204Bのうちの1つを貫通して形成される。重なりのシフトは、
図2Aに示すように、2つの開口部が正確に位置合わせされていない場合に発生し得る。チャネル穴は、半導体材料(例えば、半導体チャネル222として)および誘電体材料(例えば、メモリフィルム220として)によって充填され得る。いくつかの実施形態では、半導体チャネル222は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または単結晶シリコンなどのシリコンを含む。いくつかの実施形態では、メモリフィルム220は、トンネリング層228、(「電荷トラップ層」としても知られる)蓄積層226、およびブロッキング層224を含む複合層である。チャネル構造216の残りの空間は、酸化ケイ素などの誘電体材料を含むキャッピング層230によって部分的または完全に充填され得る。いくつかの実施形態によれば、メモリフィルム220は、チャネル構造216の側壁に沿って配設され、半導体チャネル222は、メモリフィルム220を覆って配設される。チャネル構造216は、円筒形状(例えば、柱形状)を有することができる。いくつかの実施形態によれば、キャッピング層230、半導体チャネル222、トンネリング層228、蓄積層226、およびブロッキング層224は、この順序で、柱の中心から外面に向かって径方向に配置される。トンネリング層228は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。蓄積層226は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ブロッキング層224は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(高k)誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。1つの例では、メモリフィルム220は、酸化ケイ素/酸窒化ケイ素(または酸化ケイ素)/酸化ケイ素(「ONO」)の複合層を含むことができ、半導体フィルムは、ポリシリコン層(「S」)を含むことができるので、チャネル構造216は、いわゆる「SONO」構造を含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、メモリスタック204内の導電層203は、NANDメモリストリング214内のメモリセルのゲート導体として機能する。導電層203は、複数のNANDメモリセルの複数の制御ゲートを含むことができ、(例えば、メモリスタック204の階段構造内で)メモリスタック204の縁部で終わるワードラインとして横方向に延びることができる。いくつかの実施形態では、NANDメモリストリング214内のメモリセルトランジスタは、タングステンから作製されたゲート導体(すなわち、チャネル構造216に当接する導電層203の部分)、チタン/窒化チタン(Ti/TiN)またはタンタル/窒化タンタル(Ta/TaN)を含む接着層(図示せず)、高k誘電体材料から作製されたゲート誘電体層(図示せず)と、チャネル構造216とを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、NANDメモリストリング214のチャネル構造216は、NANDメモリストリング214の下部(例えば、下端)内にチャネルプラグ218をさらに含む。チャネルプラグ218は、半導体チャネル222の下部と接触することができる。本明細書で使用する場合、基板202が3Dメモリデバイス200の最低平面内に配置されたとき、構成要素(例えば、NANDメモリストリング214)の「上端」は、y方向に基板202から遠く離れた端部であり、構成要素(例えば、NANDメモリストリング214)の「下端」は、y方向に基板202に近い方の端部である。チャネルプラグ218は、半導体材料(例えば、ポリシリコン)または導電性材料(例えば、金属)を含むことができる。いくつかの実施形態では、チャネルプラグ218は、接着層としてのTi/TiNまたはTa/TaNおよび導体層としてのタングステンで充填されたくぼみを含む。いくつかの実施形態では、チャネルプラグ218は、NANDメモリストリング214のドレインとして機能する。
【0031】
いくつかの実施形態では、NANDメモリストリング214は、NANDメモリストリング214の上部(例えば、上端)に半導体プラグ232をさらに含む。半導体プラグ232は、NANDメモリストリング214のソース選択ゲートによって制御されるチャネルとして機能することができる。半導体プラグ114の一部が基板102から誘電体スタック104内に延びる
図1とは異なり、
図2Aに示すように、半導体プラグ232の全体は、半導体層210内、かつメモリスタック204の上面の上方にあることができる。いくつかの実施形態では、半導体プラグ232の底面は、メモリスタック204の上面の上方にあり、半導体プラグ232の上面は、半導体層210の上面と同一平面上にある。半導体プラグ232の厚さは、半導体層210の厚さ以下であることができる。
【0032】
図1に示すように、半導体プラグ114を形成するためのSONOパンチプロセスにより、メモリフィルム118は、下側チャネル構造112Aの底面(すなわち、半導体プラグ114と接触する表面)に沿って横方向に延び、半導体チャネル120は、下側チャネル構造112Aの底面上のメモリフィルム118の部分を通って、さらに半導体プラグ114内に延びて回路をつなぐ。
図2Aに示すように、SONOパンチプロセスを裏面基板薄化プロセスに置き換えて半導体プラグ232を形成することにより、メモリフィルム220は、チャネル構造216の上面および下面に沿って横方向に延びず、半導体チャネル222の上端は、半導体プラグ232の底面と接触して回路をつなぐ。いくつかの実施形態では、半導体プラグ232は、チャネル構造216(およびメモリフィルム220およびその半導体チャネル222)の上端の上方にあり、それと接触している。
【0033】
いくつかの実施形態では、半導体プラグ232は、エピタキシャル成長させたシリコンプラグであり、これは、選択的エピタキシャル成長(SEG)プロセスによって形成することができ、それにより、「SEGプラグ」としても知られている。半導体プラグ232は、半導体層210からエピタキシャル成長させた、シリコンなどの半導体材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体層210は、メモリスタック204およびチャネル構造216がその上に形成された薄化されたシリコン基板であり、半導体プラグ232は、半導体層210と同じ材料である単結晶シリコンを含むことが理解される。換言すれば、半導体プラグ232は、半導体層210と同じ材料で作製されるエピタキシャル成長させた半導体層を含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体プラグ232は、半導体層210のドーピング濃度よりも高いドーピング濃度で、p型またはn型ドーパントでドープされ得る。いくつかの実施形態では、半導体プラグ232は、堆積されたポリシリコンプラグまたはケイ化物プラグである。半導体プラグ232は、半導体層210内にくぼみを含むことができ、このくぼみは、ポリシリコンで充填されるか、またはケイ化銅、ケイ化コバルト、ケイ化ニッケル、ケイ化チタン、およびケイ化タングステンなどのケイ化物によって自己配向ケイ化物(サリサイド)プロセスによって充填される。
【0034】
3Dメモリデバイス200は、非モノリシック3Dメモリデバイスの一部であることができ、その内部では、構成要素(例えば、周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)を異なる基板上に別々に形成し、次いで、例えば、面同士を合わせて結合させることができる。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス200は、周辺デバイスおよび基板を有する周辺デバイスチップ234を含む。周辺デバイスは、3Dメモリデバイス200の動作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、および/または混合信号周辺回路を含むことができる。例えば、周辺デバイスは、ページバッファ、デコーダ(例えば、行デコーダおよび列デコーダ)、センス増幅器、ドライバ、チャージポンプ、電流もしくは電圧基準、または回路の任意の能動的もしくは受動的構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、またはコンデンサ)の1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、周辺デバイスは、(「CMOSチップ」としても知られている)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を使用して、周辺デバイスチップ234の基板上に形成される。
【0035】
図2Aに示すように、周辺デバイスチップ234(および周辺デバイスおよびその基板)は、例えば、ハイブリッド結合プロセスによって接合されて、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の半導体層210の上方に配設され得る。これにより、基板202は、3Dメモリデバイス200のデバイス基板として機能することができる。
図2Aには示していないが、いくつかの実施形態では、基板202は、キャリア基板であり、これは、後で3Dメモリデバイス200の最終製品から除去される。それにより、周辺デバイスチップ234は、例えば、ハイブリッド結合プロセスによって接合されて、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の下方に配設され得る。したがって、周辺デバイスチップ234の基板は、3Dメモリデバイス200のデバイス基板として作用することができる。
【0036】
図2Aには示していないが、3Dメモリデバイス200は、ミドルエンドオブライン(MEOL)のための相互接続および/またはバックエンドオブライン(BEOL)相互接続のための相互接続層をさらに含むことができることが理解される。相互接続層は、(「金属間誘電体(IMD)層」としても知られる)1つまたは複数の層間誘電体(ILD)層内に、横方向相互接続線および垂直ビアコンタクトなどの相互接続を含むことができる。相互接続層は、パッドアウトのための接触パッドおよび再分配層をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、相互接続層は、3Dメモリデバイス200と外部回路との間で電気信号を転送し、ローカル相互接続によってメモリアレイデバイスおよび/または周辺デバイスに電気的に接続される。相互接続層は、3Dメモリデバイス200内の任意の適切な位置、例えば、基板202と薄化されたメモリアレイデバイスチップ240との間に垂直に、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240と周辺デバイスチップ234との間に垂直に、および/または周辺デバイスチップ234の上方に配設され得る。
【0037】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3Dメモリデバイス201の断面を示す。上記の
図2Aに説明した3Dメモリデバイス200と同様に、3Dメモリデバイス201は、SONOパンチプロセスの代わりに、裏面基板薄化プロセスを使用して半導体層210内に形成された半導体プラグ232を含む。周辺デバイスチップ234が、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の上方に配設される、上記の
図2Aに説明した3Dメモリデバイス200とは異なり、
図2Bでは、周辺デバイスチップ234は、3Dメモリデバイス201内の、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の下方に配設される。3Dメモリデバイス200および201の両方における対応する構造(例えば、材料、製造プロセス、機能など)の詳細は、以下で繰り返されない場合があることが理解される。
【0038】
周辺デバイスチップ234は、基板202と、基板202上および/または基板202内に形成された周辺デバイス236とを含むことができる。この例では、基板202はキャリア基板ではなく、3Dメモリデバイス201の最終製品から除去することはできない。そうではなく、基板202は、いくつかの実施形態によれば、3Dメモリデバイス201のデバイス基板であり周辺デバイスチップ234のデバイス基板でもある。周辺デバイス236は、3Dメモリデバイス201の動作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、および/または混合信号周辺回路を含むことができる。例えば、周辺デバイス236は、ページバッファ、デコーダ(例えば、行デコーダおよび列デコーダ)、センス増幅器、ドライバ、チャージポンプ、電流もしくは電圧基準、または回路の任意の能動的もしくは受動的構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサ)の1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、周辺デバイス236は、基板202とメモリスタック204との間に垂直に配設される。
【0039】
いくつかの実施形態では、(周辺デバイス236およびその基板202を含む)周辺デバイスチップ234は、接合インターフェース206において面同士を合わせて、薄化されたメモリアレイデバイスチップ240に結合される。接合インターフェース206は、周辺デバイスチップ234および薄化されたメモリアレイデバイスチップ240が(「金属/誘電体ハイブリッド結合」としても知られている)ハイブリッド結合を使用して結合される結合インターフェースであることができ、ハイブリッド結合は、直接結合技術(例えば、はんだまたは接着剤などの中間層を使用せずに表面間に結合を形成する)であり、金属間結合および誘電体間結合を同時に得ることができる。接合インターフェース206は、基板202とメモリスタック204との間に垂直にある。
【0040】
図2Bには図示しないが、3Dメモリデバイス201は、MEOL相互接続および/またはBEOL相互接続のための相互接続層をさらに含むことができることが理解される。相互接続層は、1つまたは複数のILD層内の横方向相互接続線および垂直ビアコンタクトなどの相互接続を含むことができる。相互接続層は、パッドアウトのための接触パッドおよび再分配層をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、相互接続層は、3Dメモリデバイス201と外部回路との間で電気信号を転送し、ローカル相互接続によってメモリアレイデバイスおよび/または周辺デバイスに電気的に接続される。相互接続層は、3Dメモリデバイス201内の任意の適切な位置内に、例えば、周辺デバイス236と薄化されたメモリアレイデバイスチップ240との間に垂直に、および/または薄化されたメモリアレイデバイスチップ240の半導体層210の上方に配設され得る。
【0041】
図3A~
図3Mは、本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な製造プロセスを示す。
図4A~
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、裏面基板薄化を使用して半導体プラグを有する3Dメモリデバイスを形成するための例示的な方法400のフローチャートを示す。
図3A~
図3Mおよび
図4A~
図4Bに示す3Dメモリデバイスの例は、
図2A~
図2Bに示す3Dメモリデバイス200および201を含む。
図3A~
図3Mおよび
図4A~
図4Bを一緒に説明する。方法400に示す工程は網羅的ではないこと、および図示する工程のいずれかの前、後、または間で他の工程を実施できることが理解される。さらに、工程のいくつかは、同時に、または
図4A~
図4Bに示すものとは異なる順序で実施され得る。
【0042】
図4Aを参照すれば、方法400は、工程402で開始し、ここでは第1の誘電体デッキが、基板上に形成される。基板は、シリコン基板であることができる。第1の誘電体デッキは、第1の複数のインターリーブされた犠牲層および誘電体層を含むことができる。
図3Aを参照すれば、第1の誘電体層306および(「犠牲層」として知られる)第2の誘電体層308の(本明細書では一緒になって「誘電体層の対」と称される)複数の対を含む第1の誘電体デッキ304Aが、シリコン基板302の前側に形成される。いくつかの実施形態では、絶縁層303が、第1の誘電体デッキ304Aの形成の前に、シリコン基板302上に酸化ケイ素などの誘電体材料を堆積することによって、または熱酸化によって、第1の誘電体デッキ304Aとシリコン基板302との間に形成される。いくつかの実施形態によれば、第1の誘電体デッキ304Aは、交互に配置された犠牲層308および誘電体層306を含む。誘電体層306および犠牲層308は、代替的に、シリコン基板302上に堆積されて、第1の誘電体デッキ304Aを形成することができる。いくつかの実施形態では、各誘電体層306は、酸化ケイ素の層を含み、各犠牲層308は、窒化ケイ素の層を含む。第1の誘電体デッキ304Aは、それだけに限定されないが、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって形成され得る。
【0043】
方法400は、
図4Aに示すように、工程404に進み、ここでは、第1の誘電体デッキを貫通して垂直に延びる第1の開口部が、形成される。いくつかの実施形態では、第1の開口部を形成するために、ガウジングが、第1の基板の一部を貫通して形成される。いくつかの実施形態では、犠牲層が、第1の開口部を埋めるために形成される。
【0044】
図3Aに示すように、第1のチャネル穴310Aは、第1の誘電体デッキ304Aを貫通して垂直に延びるように形成された開口部である。いくつかの実施形態では、複数の開口部が第1の誘電体デッキ304Aを貫通して形成され、それにより、各開口部は、後のプロセスで個々のNANDメモリストリングを形成するための場所になる。いくつかの実施形態では、第1のチャネル穴310Aを形成するための製造プロセスは、ウェットエッチングおよび/または深掘りイオン反応性エッチング(DRIE)などのドライエッチングを含む。いくつかの実施形態では、第1のチャネル穴310Aは、シリコン基板302の上部内にさらに延びて、第1のチャネル穴310Aのガウジング311を形成する。第1の誘電体デッキ304Aを貫通するエッチングプロセスは、シリコン基板302の上面で停止しなくてもよく、シリコン基板302の一部をエッチングし続けることができる。いくつかの実施形態では、第1の誘電体デッキ304Aを貫通するエッチング後に、別個のエッチングプロセスを使用してシリコン基板302の一部をエッチングして、ガウジング311を形成する。以下に詳細に説明するように、第1のチャネル穴310Aのガウジング311の深さは、スリット開口部およびコンタクト開口部などのシリコン基板302を通るその他の構造のガウジングよりも大きく、それによって後の裏面基板薄化プロセスが他の構造を損傷しないことを確実にする。
【0045】
図3Bに示すように、犠牲層312が、PVD、CVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して堆積されて、(
図3Aに示すガウジング311を含む)第1のチャネル穴310Aを部分的または完全に埋める。犠牲層312は、ポリシリコン、カーボン、フォトレジストなど、後のプロセスで除去することができる任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、犠牲層312は、CMPプロセスを使用して平坦化されて、その上面を第1の誘電体デッキ304Aの上面と同一平面にする。
【0046】
方法400は、
図4Aに示すように工程406に進み、ここではエッチング停止層が、第1の誘電体デッキ上に形成されて、第1の誘電体デッキを覆う。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、第1の開口部内の犠牲層も覆う。
図3Cに示すように、エッチング停止層314が、第1の誘電体デッキ304Aおよび犠牲層312上に形成されて、第1の誘電体デッキ304Aおよび犠牲層312を完全に覆う。いくつかの実施形態では、エッチング停止層314の厚さは、約1nmから約20nmの間、例えば、1nmから20nmの間(例えば、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、13nm、14nm、15nm、16nm、17nm、18nm、19nm、20nm、これらの値のいずれかによって下限で境界付けられた任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって規定された任意の範囲内)である。エッチング停止層314は、PVD、CVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、タングステンなどの金属またはポリシリコンなどの半導体を堆積することによって形成され得る。
【0047】
方法400は、
図4Aに示すように工程408に進み、ここでは第2の誘電体デッキが、エッチング停止層上に形成される。第1の誘電体デッキと同様に、第2の誘電体デッキは、第2の複数の交互に配置された犠牲層および誘電体層を含むことができる。
図3Dを参照すれば、複数の誘電体層の対を含む第2の誘電体デッキ304Bが、第1の誘電体デッキ304Aの上方のエッチング停止層314上に形成される。第2の誘電体デッキ304Bは、それだけに限定されないが、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって形成され得る。
【0048】
方法400は、
図4Aに示すように、工程410に進み、ここでは第2の誘電体デッキを貫通して垂直に延びる第2の開口部が、エッチング停止層によって停止されるまで形成される。
図3Dに示すように、第2のチャネル穴310Bは、エッチング停止層314によって停止されるまで第2の誘電体デッキ304Bを通って垂直に延びるように形成された別の開口部である。第2のチャネル穴310Bは、第1のチャネル穴310Aの少なくとも一部と重なるように(
図3Aに示す)第1のチャネル穴310Aと位置合わせすることができ、それにより、第1および第2のチャネル穴310Aおよび310Bは、犠牲層312が除去された後、接続することができる。いくつかの実施形態では、第2のチャネル穴310Bを形成するための製造プロセスは、ウェットエッチングおよび/またはDRIEなどのドライエッチングを含む。エッチング停止層314は、第1の誘電体デッキ304Aの構造を第2のチャネル穴310Bのエッチングによる損傷から保護することができるので、デュアルデッキ3Dメモリデバイス(例えば、
図1の3Dメモリデバイス100)を形成するための従来の製造プロセスと比較して、位置ずれマージン(すなわち、重なりのシフト)を、本明細書に開示する製造プロセスによって増大させることができる。
【0049】
方法400は、
図4Aに示すように、工程412に進み、ここではエッチング停止層の一部が除去され、それにより、第1および第2の開口部が接続されてチャネル穴を形成する。いくつかの実施形態では、第1の開口部を埋める犠牲層は、エッチング停止層の一部の除去後に露出され、除去される。
図3Eに示すように、第1および第2の開口部310Aおよび310Bが重ねられるエッチング停止層314の部分は、例えば、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングプロセスを使用して除去される。エッチング停止層314のさらなる部分は、等方性エッチングにより、例えば、ウェットエッチングによってエッチバックされ得る(図示せず)。エッチング停止層314の一部が除去されると、(
図3Dに示す)犠牲層312は、第2のチャネル穴310Bから露出され得る。
図3Eに示すように、犠牲層312は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングプロセスによって第1の誘電体デッキ304A内で除去される。犠牲層312の除去後、
図3Fに示すように、第1のチャネル穴310Aは再び開き、第2のチャネル穴310Bと接続されてチャネル穴310を形成する。このチャネル穴は、第1および第2の誘電体デッキ304Aおよび304Bならびにエッチング停止層314を貫通して垂直に延びる。
【0050】
方法400は、
図4Aに示すように、工程414に進み、ここではメモリフィルムおよび半導体チャネルが、チャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上に形成される。いくつかの実施形態では、メモリフィルムは、最初に、チャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上に形成され、半導体チャネルが、メモリフィルムを覆って形成される。いくつかの実施形態では、第1の酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、第2の酸化ケイ素層、およびポリシリコン層が、続いて、この順序でチャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上に堆積されて、メモリフィルムおよび半導体チャネルを形成する。いくつかの実施形態では、キャッピング層が、半導体チャネルの形成後にチャネル穴の残りの空間を埋めるために堆積される。
【0051】
図3Fに示すように、(ブロッキング層320、蓄積層322、およびトンネリング層324を含む)メモリフィルム316および半導体チャネル318が、チャネル穴310の側壁および底面に沿って形成される。いくつかの実施形態では、メモリフィルム316は、最初にチャネル穴310の側壁および底面に沿って堆積され、次に半導体チャネル318が、メモリフィルム316を覆って堆積される。ブロッキング層320、蓄積層322、およびトンネリング層324が、この順で、ALD、CVD、PVD、その他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して堆積されて、メモリフィルム316を形成することができる。次に、半導体チャネル318が、ALD、CVD、PVD、その他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、トンネリング層324上にポリシリコンまたはその他の適切な半導体材料を堆積することによって形成され得る。
【0052】
図3Fに示すように、メモリフィルム316および半導体チャネル318は、チャネル穴310の底面および側壁の両方を覆うことができる。いくつかの実施形態では、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、酸化ケイ素層、およびポリシリコン層(「SONO」構造)が続いて堆積されて、メモリフィルム316および半導体チャネル318を形成する。チャネル犠牲層が、SONOパンチプロセスの後かつ半導体チャネルの堆積前に後で除去されるチャネル犠牲層を使用するいくつかの3Dメモリデバイス(例えば、
図1の3Dメモリデバイス100)とは異なり、メモリフィルム316を覆って堆積された半導体チャネル318は、後のすべての製造プロセスを通じて、また、結果として得られる3Dメモリデバイス内に残る。換言すれば、チャネル犠牲層は、本明細書に開示する製造プロセスにおいてもはや必要とされない。
【0053】
図3Gに示すように、酸化ケイ素層などのキャッピング層326が、CVD、PVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して(
図3Fに示す)チャネル穴310内に形成されて、チャネル穴310の残りの空間を完全にまたは部分的に埋める。いくつかの実施形態では、第2の誘電体デッキ304Bの上面にあるメモリフィルム316、半導体チャネル318、およびキャッピング層326の部分は、CMP、ウェットエッチング、および/またはドライエッチングによって除去され平坦化される。
【0054】
方法400は、
図4Bに示すように、工程416に進み、ここではチャネルプラグが、チャネル穴の上部内に形成されて、半導体チャネルに接触する。
図3Hに示すように、チャネルプラグ328は、(
図3Fに示す)チャネル穴310の上部内に形成される。チャネル穴310の上部内のメモリフィルム316、半導体チャネル318、およびキャッピング層326の一部をウェットエッチングおよび/またはドライエッチングすることによって、チャネル穴310の上部内にくぼみが形成され得る。次に、チャネルプラグ328が、CVD、PVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって、くぼみ内にポリシリコンなどの半導体材料を堆積させることによって形成され得る。これにより、チャネル構造330が形成される。
【0055】
方法400は、
図4Bに示すように、工程418に進み、ここでは交互に配置された導電層および誘電体層を含むメモリスタックが、誘電体スタック内の犠牲層を導電層で置き換えることによって形成される。いくつかの実施形態では、メモリスタックを形成するために、スリット開口部が、誘電体スタックを貫通して形成される。スリット開口部のガウジングは、第1の基板の一部を貫通して形成され得る。いくつかの実施形態では、チャネル穴のガウジングの深さは、スリット開口部のガウジングの深さよりも大きい。
【0056】
図3Iに示すように、スリット開口部(例えば、ゲートラインスリット)は、(
図3Hに示す第1および第2の誘電体デッキ304Aおよび304Bならびにエッチング停止層314を含む)誘電体スタック304を貫通して、ウェットエッチングおよび/またはDRIEなどのドライエッチングプロセスを使用して形成される。いくつかの実施形態では、別個のエッチングプロセスを使用して、スリット開口部をシリコン基板302の一部内に延ばして、スリット開口部のガウジング313を形成する。チャネル穴310のガウジング311の深さは、スリット開口部のガウジング313よりも大きくなり得る。換言すれば、ガウジング313の下端は、ガウジング311の下端よりもシリコン基板302の裏面から遠く離れている。その結果、後の工程でシリコン基板302を裏側から薄化するとき、ガウジング311の下端で薄化が停止したときにスリット開口部のガウジング313の構造を損傷することはない。同様に、シリコン基板302の前側を通る他の開口部(例えば、コンタクト穴)のガウジングの深さは、チャネル穴310のガウジング311の深さよりも小さい。
【0057】
図3Iに示すように、交互に配置された導電層342および誘電体層306を含むデュアルデッキメモリスタック340は、ゲート置換プロセスによって形成される。(
図3Hに示す)誘電体スタック304内の犠牲層308は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングプロセスを使用してエッチング除去され得る。犠牲層308の導電層342による置換は、誘電体層306に選択的な犠牲層308のウェットエッチングおよび/またはドライエッチングによって、ならびに結果として得られた横方向のくぼみを導電層342で埋めることによって実施され得る。いくつかの実施形態では、ウェットエッチング液がスリット開口部を通して適用されて、犠牲層308を除去して、誘電体層306間に横方向のくぼみを残す。横方向のくぼみは、それだけに限定されないが、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、ポリシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む導電性材料によって充填され得る。導電層342は、CVD、ALD、PVD、その他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって充填され得る。導電性材料は、スリット開口部を通して横方向のくぼみ内に堆積され得る。
【0058】
図3Iに示すように、メモリスタック340およびシリコン基板302の一部を通って垂直に延びるスリット構造332(例えば、ゲートラインスリット「GLS」)が、形成される。スリット構造332は、シリコン基板302内の下端にドープされた領域338と、その側壁に沿ったスペーサ336と、スペーサ336によって導電層342から電気的に絶縁されたスリットコンタクト334とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ドープされた領域338は、イオン注入および/または熱拡散によって、スリット開口部のガウジング313を取り囲むシリコン基板302の一部をドープすることによって形成される。いくつかの実施形態では、スペーサ336およびスリットコンタクト334は、続いて、CVD、ALD、PVD、その他の適切なプロセス、またはその任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって、スリット開口部内に誘電体材料(例えば、酸化ケイ素)および導電性材料(例えば、タングステン)を堆積することによって形成される。
【0059】
方法400は、
図4Bに示すように、工程420に進み、ここでは第1の基板が、第2の基板に取り付けられる。第1の基板の前側は、第2の基板に向いている。いくつかの実施形態では、周辺デバイスが、取り付け前に第2の基板上に形成される。いくつかの実施形態では、第2の基板は、その上にデバイスが形成されていないキャリア基板である。
【0060】
図3Jに示すように、シリコン基板302上ですべての前側プロセスが終了すると、すなわち、シリコン基板302の前側のすべてのデバイスおよび構造が形成されると、シリコン基板302の前側に形成された構造およびデバイス(例えばメモリスタック340およびチャネル構造330)は、任意の適切な接合プロセスを使用して接合インターフェース343において基板341に取り付けられる。すなわち、いくつかの実施形態によれば、シリコン基板302が基板341に取り付けられるとき、シリコン基板302の前側は、基板341に向いている。いくつかの実施形態では、基板341は、デバイスまたは構造がその上に形成されていないキャリア基板である。シリコン基板302の前側は、熱結合、接着、融合、その他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、キャリア基板(例えば、裸のシリコンウェーハ)に取り付けられ得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、トランジスタなどの周辺デバイス(図示せず)は、取り付けの前に、それだけに限定されないが、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、ウェットエッチング、薄膜堆積、熱成長、注入、CMP、およびその他の適切なプロセスを含む複数のプロセスによって基板341上または基板内に形成される。周辺デバイスを備えた基板341は、(「金属/誘電体ハイブリッド結合」としても知られている)ハイブリッド結合を使用してシリコン基板302に結合させることができ、ハイブリッド結合は、直接結合技術(例えば、はんだまたは接着剤などの中間層を使用せずに表面間に結合を形成する)であり、金属間結合および誘電体間結合を同時に得ることができる。金属間結合は、接合インターフェース343において接合コンタクト間に形成することができ、誘電体間結合は、接合インターフェース343の残りの領域において誘電体材料間に形成することができる。
【0062】
方法400は、
図4Bに示すように、工程422に進み、ここでは第1の基板は、裏面から薄化されて、チャネル穴の底面上のメモリフィルムおよび半導体チャネルの一部を除去する。
図3Kに示すように、取り付けられたシリコン基板302および基板341を含む結果として生じる構造は、上下逆さまに反転され、それにより、シリコン基板302の裏面は、裏面薄化プロセスのために上向きになり、基板341は、薄化プロセス中、結果として生じる構造を支持することができる。シリコン基板302は、その厚さを減らすために、研削、CMP、エッチング、その他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、(現在は上を向いている)その裏側から薄化され得る。薄化プロセスの速度および/または時間は制御することができ、それにより、チャネル構造330のチャネル穴310の底面上のメモリフィルム316および半導体チャネル318の一部は、薄化プロセスの後で除去される。メモリスタック340が上下逆さまに反転されるので、チャネル構造330の底面は、
図3Kおよびその後の図において上面になることに留意されたい。そうではあるが、この面は、チャネルプラグ328が形成される表面と反対の表面であり、メモリフィルム316および半導体チャネル318が横方向に延びる表面である。薄化プロセスが完了すると、メモリフィルム316および半導体チャネル318は、チャネル構造330の底面または上面に横方向に延びる部材を有さない。これにより、半導体層344が、裏面基板薄化プロセス後、薄化シリコン基板302として形成される。
【0063】
方法400は、
図4Bに示すように、工程424に進み、ここでは、薄化された第1の基板内のメモリフィルムおよび半導体チャネルの一部が、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングプロセスを使用して除去されてくぼみを形成する。
図3Lに示すように、くぼみ346は、半導体層344内のメモリフィルム316、半導体チャネル318、およびキャッピング層326の一部を除去することにより、半導体層344内に形成される。いくつかの実施形態では、メモリフィルム316を取り囲む半導体層344の部分も同様に除去される。エッチング速度および/または時間は、くぼみ346の深さを制御するように制御され得る。いくつかの実施形態では、
図3Lに示すように、くぼみ346の底面およびメモリフィルム316および半導体チャネル318の上端は、メモリスタック340の上面の上方にある。
【0064】
方法400は、
図4Bに示すように、工程426に進み、ここでは半導体プラグが、薄化された第1の基板のくぼみ内に形成されて、半導体チャネルに接触する。半導体プラグは、薄化された第1の基板からエピタキシャル成長させることができる。いくつかの実施形態では、半導体は、くぼみ内に半導体プラグを堆積させることによって形成される。
【0065】
図3Mに示すように、いくつかの実施形態では、半導体プラグ348は、(
図3Lに示す)くぼみ346を、その側面から、半導体層344(薄化されたシリコン基板302)からエピタキシャル成長させた単結晶シリコンによって充填することによって形成される。エピタキシャル的に半導体プラグ348を形成するための製造プロセスは、それだけに限定されないが、気相エピタキシー(VPE)、液相エピタキシー(LPE)、分子線エピタキシー(MPE)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体プラグ348は、イオン注入および/または熱拡散を使用して、半導体層344よりも高いドーピング濃度まで、n型またはn型ドーパントでドープされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、半導体プラグ348は、CVD、ALD、PVD、その他の適切なプロセス、または任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、ポリシリコン層などの半導体層をくぼみ346内に堆積することによって形成される。いくつかの実施形態では、半導体プラグ348は、サリサイドプロセスによって、すなわち、金属層をくぼみ346内に堆積させ、半導体層344内のシリコンおよび堆積された金属層を熱処理(例えば、アニーリング、焼結、または任意のその他の適切なプロセス)によってケイ化することによって形成される。いくつかの実施形態では、シリコン層と金属層の両方がくぼみ346内に堆積されて、ケイ化プロセスによってくぼみ内にケイ化物プラグを形成する。半導体プラグ348がくぼみ346内に形成されると、これは、半導体チャネル318を含むチャネル構造330に接触することができる。くぼみ346の底面がメモリスタック340の上面の上方にあるいくつかの実施形態では、くぼみ346を埋める半導体プラグ348の底面もまた、メモリスタック340の上面の上方にある。
【0067】
半導体プラグが、薄化された第1の基板内に形成されると、薄化された第1の基板の上方に追加の構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、別個の基板上に形成された周辺デバイスおよび/または相互接続層が、
図3Mに示す構造と面同士を合わせて結合されて、周辺デバイスがメモリアレイデバイスの上方に配設される非モノリシック3Dメモリデバイスを形成する。いくつかの実施形態では、基板341は、キャリア基板であり、このキャリア基板は、除去され、周辺デバイスおよび/または相互接続層を有する別の基板で置き換えられて、周辺デバイスがメモリアレイデバイスの下方に配置される非モノリシック3Dメモリデバイスを形成することができる。いくつかの実施形態では、基板341は周辺デバイスの基板であり、それにより、
図3Mに示す構造は、周辺デバイスがメモリアレイデバイスの下方に配設される非モノリシック3Dメモリデバイスとなる。
【0068】
本開示の1つの態様によれば、3Dメモリデバイスは、交互に配置された導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、メモリスタックを貫通して垂直に延びるチャネル構造と、メモリスタックの上方の半導体層とを含む。チャネル構造は、チャネル構造の下部内のチャネルプラグと、チャネル構造の側壁に沿ったメモリフィルムと、メモリフィルムを覆い、かつチャネルプラグと接触している半導体チャネルとを含む。半導体層は、半導体チャネルの上方にある、半導体チャネルと接触している半導体プラグを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、メモリフィルムは、チャネル構造の上面および下面に沿って延びない。
【0070】
いくつかの実施形態では、半導体層は、単結晶シリコンを含む。半導体プラグは、エピタキシャル成長させたシリコンプラグであることができる。半導体プラグはまた、堆積されたポリシリコンプラグまたはケイ化物プラグであることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、メモリスタックがその上に配置される基板と、基板とメモリスタックとの間の垂直の接合インターフェースとをさらに含む。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、半導体層の上方に周辺デバイスをさらに含む。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、基板とメモリスタックとの間に垂直に周辺デバイスをさらに含む。
【0072】
本開示の別の態様によれば、3Dメモリデバイスは、第1の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を含む第1のメモリデッキと、第1のメモリデッキ上のエッチング停止層と、エッチング停止層上に第2の複数の交互に配置された導電層および誘電体層を含む第2のメモリデッキと、第1および第2のメモリデッキならびにエッチング停止層を貫通して垂直に延びるチャネル構造と、第2のメモリデッキの上面の上方にあり、チャネル構造と接触している半導体プラグとを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、金属または半導体を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、チャネル構造は、チャネル構造の下部内のチャネルプラグと、チャネル構造の側壁に沿ったメモリフィルムと、メモリフィルムを覆い、チャネルプラグおよび半導体プラグと接触している半導体チャネルとを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、メモリフィルムは、チャネル構造の上面および下面に沿って延びない。
【0076】
いくつかの実施形態では、半導体チャネルの上端は、半導体プラグの底面と接触している。
【0077】
いくつかの実施形態では、半導体プラグは、エピタキシャル成長させたシリコンプラグである。いくつかの実施形態では、半導体プラグは、堆積されたポリシリコンプラグまたはケイ化物プラグである。
【0078】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、第1のメモリデッキがその上方に配置される基板と、基板と第1のメモリデッキとの間の垂直の接合インターフェースとを含む。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、半導体プラグの上方に周辺デバイスを含む。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、基板と第1のメモリデッキとの間の垂直に周辺デバイスを含む。
【0079】
本開示のさらに別の態様によれば、3Dメモリデバイスを形成するための方法が、開示される。交互に配置された犠牲層および誘電体層を含む誘電体スタックが、第1の基板の前側に形成される。チャネル穴が、誘電体スタックを貫通して形成される。メモリフィルムおよび半導体チャネルが、チャネル穴の側壁に沿って、かつ底面上に形成される。交互に配置された導電層および誘電体層を含むメモリスタックは、誘電体スタック内の犠牲層を導電層で置き換えることによって形成される。第1の基板は、第2の基板に取り付けられる。第1の基板の前側は、第2の基板に向いている。第1の基板は、第1の基板の裏面から薄化されて、チャネル穴の底面上のメモリフィルムおよび半導体チャネルの一部を除去する。半導体プラグが、薄化された第1の基板内に形成されて、半導体チャネルに接触する。
【0080】
いくつかの実施形態では、取り付ける前に、チャネルプラグが、チャネル穴の上部内に形成されて、半導体チャネルに接触する。
【0081】
いくつかの実施形態では、半導体プラグを形成するために、薄化された第1の基板内のメモリフィルムおよび半導体チャネルの一部が除去されて、くぼみを形成する。半導体プラグは、くぼみ内に堆積させるか、薄化された第1の基板からくぼみ内にエピタキシャル成長させることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、誘電体スタックを形成するために、第1の複数の交互に配置された犠牲層および誘電体層を含む第1の誘電体デッキが、第1の基板の前側に形成され、エッチング停止層が、第1の誘電体デッキに形成されて第1の誘電体デッキを覆い、第2の複数の交互に配置された犠牲層および誘電体層を含む第2の誘電体デッキが、エッチング停止層上に形成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、チャネル穴を形成するために、第1の誘電体デッキを貫通して垂直に延びる第1の開口部が、形成され、第2の誘電体デッキを貫通して垂直に延びる第2の開口部が、エッチング停止層によって停止されるまで形成され、エッチング停止層の一部が除去され、それにより、第1および第2の開口部が接続されてチャネル穴を形成する。
【0084】
いくつかの実施形態では、チャネル穴を形成するために、チャネル穴のガウジングが、第1の基板の一部を貫通して形成される。いくつかの実施形態では、スリット開口部が、誘電体スタックを貫通して形成され、スリット開口部のガウジングが、第1の基板の一部を貫通して形成される。チャネル穴のガウジングの深さは、スリット開口部のガウジングの深さよりも大きい。
【0085】
いくつかの実施形態では、取り付ける前に、周辺デバイスが、第2の基板上に形成される。いくつかの実施形態では、半導体プラグを形成した後、周辺デバイスが、薄化された第1の基板の上方に形成される。
【0086】
特有の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的な性質を明らかにするので、当業者の知識を適用することにより、本開示の全般的な概念から逸脱することなく、過度の実験なしにそのような特有の実施形態を様々な用途に合わせて容易に変更および/または適応させることができる。したがって、そのような適応および変更は、本明細書に提示する教示およびガイダンスに基づいて、開示する実施形態の均等物の意味および範囲内にあることが意図されている。本明細書の言い回しまたは用語は、説明を目的とするものであり、限定ではないため、本明細書の用語または言い回しが、教示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0087】
本開示の実施形態は、特有の機能およびそれらの関係の実装を示す機能的構成ブロックを用いて上記で説明してきた。これらの機能的構成ブロックの境界は、説明の便宜上、ここでは任意に規定されている。特有の機能およびその関係が適切に実行される限り、代替的な境界を規定することができる。
【0088】
概要および要約の項は、本発明者が企図する本開示のすべてではないが1つまたは複数の典型的な実施形態を記載することができ、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲をいずれの形においても限定することを意図しない。
【0089】
本開示の広がりおよび範囲は、上記で説明した典型的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲およびそれらの均等物に従ってのみ規定されなければならない。