(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20221209BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20221209BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
H01L21/306 J
H01L21/304 642F
H01L21/304 645A
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2019002793
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕二
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 義広
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-014470(JP,A)
【文献】特開2007-324567(JP,A)
【文献】特開2018-174258(JP,A)
【文献】特開2006-032641(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2003-0056702(KR,A)
【文献】特表2012-507881(JP,A)
【文献】実開平01-013124(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う処理槽と、
前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、流体を吐出することによって前記処理槽の内部に前記処理液の液流れを発生させる流体供給部と
を備え、
前記流体供給部は、
前記複数の基板の配列方向における異なる領域に前記流体を吐出する複数の吐出経路
と、
前記複数の基板の配列方向と直交する方向に前記複数の吐出経路と並べて配置され、前記流体を吐出する他の吐出経路と
を備え、
前記複数の吐出経路は、前記他の吐出経路と比べて内径が小さい、基板処理装置。
【請求項2】
前記流体供給部は、
前記流体として気体を供給する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記複数の吐出経路を移動させる移動機構
を備える、請求項1
または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う処理槽と、
前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、流体を吐出することによって前記処理槽の内部に前記処理液の液流れを発生させる流体供給部と
を備え、
前記流体供給部は、
前記複数の基板の配列方向における異なる領域に前記流体を吐出する複数の吐出経路と、
前記吐出経路を取り付ける取付プレート
と
を備え、
前記取付プレートは、
複数の取付穴を有し、前記複数の取付穴のうち任意の取付穴に対して前記吐出経路を取り付け可能である
、基板処理装置。
【請求項5】
前記流体供給部は、
互いに区画された複数の吐出領域が設けられた吐出プレート
を備え、
前記複数の吐出領域のそれぞれは、複数の吐出口を有しており、前記複数の吐出経路のうち対応する吐出経路に接続される、請求項1~
4のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記流体供給部は、
前記処理槽の内壁に向かって前記流体を吐出する吐出口
を備える、請求項1~5のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項7】
配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う処理槽と、
前記処理槽の内部において前記複数の基板よりも下方に配置され、
前記複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路を有し、前記流体を吐出することによって前記処理槽の内部に前記処理液の液流れを発生させる流体供給部と、
前記複数の吐出経路を前記複数の基板の配列方向に沿って移動させる移動機構と、
前記流体供給部から吐出される前記流体の吐出時間および吐出流量の少なくとも1つを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記複数の基板を前記処理槽に浸漬させ、前記複数の吐出経路から前記流体を吐出させた状態で、前記移動機構を制御して前記複数の基板間の距離未満のストロークで前記複数の吐出経路を移動させることにより、前記複数の吐出経路の吐出位置を変更させる、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理液が貯留された処理槽に対し、複数の基板で形成したロットを浸漬させることにより、1ロット分の基板を一括して処理する基板処理装置が知られている。
【0003】
この種の基板処理装置では、たとえば基板処理の均一化のために、窒素ガス等の気体を供給する気体供給部を処理槽内に設けて処理槽内に液流れを形成する場合がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、処理槽内に適切な液流れを形成することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による基板処理装置は、処理槽と、流体供給部とを備える。処理槽は、配列された複数の基板を処理液に浸漬させて処理を行う。流体供給部は、処理槽の内部において複数の基板よりも下方に配置され、流体を吐出することによって処理槽の内部に処理液の液流れを発生させる。また、流体供給部は、複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、処理槽内に適切な液流れを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るエッチング用の処理槽の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る気体供給部の斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る気体供給部の断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る気体供給部の側面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態における第1の変形例に係る気体供給部の側面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態における第2の変形例に係る気体供給部の側面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態における第2の変形例に係る気体供給部の平面図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る気体供給部の側面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る気体供給部の斜視図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態における第1の変形例に係る位置調整部の構成を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態における第2の変形例に係る位置調整部の構成を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第4の実施形態に係る気体供給部の断面図である。
【
図14】
図14は、第5の実施形態に係る気体供給部を上方から見た斜視図である。
【
図15】
図15は、第5の実施形態に係る気体供給部を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示による基板処理装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示による基板処理装置が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。
【0011】
処理液が貯留された処理槽に対し、複数の基板で形成したロットを浸漬させることにより、1ロット分の基板を一括して処理する基板処理装置が知られている。
【0012】
この種の基板処理装置では、基板処理の均一化のために、窒素ガス等の気体を供給する気体供給部を処理槽内に設けて処理槽内に液流れを形成する場合がある。具体的には、従来の基板処理装置では、処理槽内に均一な液流れを形成するために、複数の基板の配列方向に沿って複数の吐出口が設けられた気体供給部を処理槽内の下部に配置して、各吐出口から気体を同一の流量で吐出していた。
【0013】
しかしながら、上記のように気体を均一に吐出させたとしても、処理槽に形成される液流れには局所的な偏りが生じる場合があった。たとえば、1つのロットを形成する複数の基板は互いに隙間をあけて配列されるが、ある隙間には気体が多く入り込むことで十分な液流れが形成される一方、別の隙間には気体があまり入り込まず液流れの形成が不十分となるおそれがあった。そこで、処理槽内に適切な液流れを形成することができることが期待されている。
【0014】
(第1の実施形態)
<基板処理装置の構成>
まず、実施形態に係る基板処理装置の構成について
図1を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る基板処理装置1の平面図である。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る基板処理装置1は、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部7とを備える。
【0016】
キャリア搬入出部2は、キャリアステージ20と、キャリア搬送機構21と、キャリアストック22、23と、キャリア載置台24とを備える。
【0017】
キャリアステージ20は、外部から搬送された複数のキャリア9を載置する。キャリア9は、複数(たとえば、25枚)のウェハWを水平姿勢で上下に並べて収容する容器である。キャリア搬送機構21は、キャリアステージ20、キャリアストック22、23およびキャリア載置台24間でキャリア9の搬送を行う。
【0018】
キャリア載置台24に載置されたキャリア9からは、処理される前の複数のウェハWが後述する基板搬送機構30によりロット処理部6に搬出される。また、キャリア載置台24に載置されたキャリア9には、処理された複数のウェハWが基板搬送機構30によりロット処理部6から搬入される。
【0019】
ロット形成部3は、基板搬送機構30を有し、ロットを形成する。ロットは、1または複数のキャリア9に収容されたウェハWを組合せて同時に処理される複数(たとえば、50枚)のウェハWで構成される。1つのロットを形成する複数のウェハWは、互いの板面を対向させた状態で一定の間隔をあけて配列される。
【0020】
基板搬送機構30は、キャリア載置台24に載置されたキャリア9とロット載置部4との間で複数のウェハWを搬送する。
【0021】
ロット載置部4は、ロット搬送台40を有し、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットを一時的に載置(待機)する。ロット搬送台40は、ロット形成部3で形成された処理される前のロットを載置する搬入側ロット載置台41と、ロット処理部6で処理されたロットを載置する搬出側ロット載置台42とを有する。搬入側ロット載置台41および搬出側ロット載置台42には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで載置される。
【0022】
ロット搬送部5は、ロット搬送機構50を有し、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部でロットの搬送を行う。ロット搬送機構50は、レール51と、移動体52と、基板保持体53とを有する。
【0023】
レール51は、ロット載置部4およびロット処理部6に渡って、X軸方向に沿って配置される。移動体52は、複数のウェハWを保持しながらレール51に沿って移動可能に構成される。基板保持体53は、移動体52に設けられ、起立姿勢で前後に並んだ複数のウェハWを保持する。
【0024】
ロット処理部6は、起立姿勢で前後に並んだ複数のウェハWを1ロットとして、エッチング処理や洗浄処理、乾燥処理などを行う。ロット処理部6には、2台のエッチング処理装置60と、洗浄処理装置70と、基板保持体洗浄処理装置80と、乾燥処理装置90とが、レール51に沿って並んで設けられる。
【0025】
エッチング処理装置60は、ロットのエッチング処理を行う。洗浄処理装置70は、ロットの洗浄処理を行う。基板保持体洗浄処理装置80は、基板保持体53の洗浄処理を行う。乾燥処理装置90は、ロットの乾燥処理を行う。なお、エッチング処理装置60、洗浄処理装置70、基板保持体洗浄処理装置80および乾燥処理装置90の台数は、
図1の例に限られない。
【0026】
エッチング処理装置60は、エッチング用の処理槽61と、リンス用の処理槽62と、基板昇降機構63,64とを備える。
【0027】
処理槽61は、起立姿勢で配列された1ロット分のウェハWを収容可能であり、エッチング用の処理液(以下、「エッチング液」とも呼称する。)が貯留される。処理槽61の詳細については後述する。
【0028】
処理槽62には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。基板昇降機構63,64には、ロットを形成する複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0029】
エッチング処理装置60は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構63で保持し、処理槽61のエッチング液に浸漬させてエッチング処理を行う。エッチング処理は、たとえば、1時間~3時間程度行われる。
【0030】
処理槽61においてエッチング処理されたロットは、ロット搬送部5によって処理槽62に搬送される。そして、エッチング処理装置60は、搬送されたロットを基板昇降機構64にて保持し、処理槽62のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。処理槽62においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で洗浄処理装置70の処理槽71に搬送される。
【0031】
洗浄処理装置70は、洗浄用の処理槽71と、リンス用の処理槽72と、基板昇降機構73,74とを備える。洗浄用の処理槽71には、洗浄用の処理液(たとえば、SC-1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)など)が貯留される。
【0032】
リンス用の処理槽72には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。基板昇降機構73,74には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0033】
洗浄処理装置70は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構73にて保持し、処理槽71の洗浄液に浸漬させることによって洗浄処理を行う。
【0034】
処理槽71において洗浄処理されたロットは、ロット搬送部5によって処理槽72に搬送される。そして、洗浄処理装置70は、搬送されたロットを基板昇降機構74にて保持し、処理槽72のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。処理槽72においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で乾燥処理装置90の処理槽91に搬送される。
【0035】
乾燥処理装置90は、処理槽91と、基板昇降機構92とを有する。処理槽91には、乾燥用の処理ガス(たとえば、IPA(イソプロピルアルコール)など)が供給される。基板昇降機構92には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
【0036】
乾燥処理装置90は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構92で保持し、処理槽91内に供給される乾燥用の処理ガスを用いて乾燥処理を行う。処理槽91で乾燥処理されたロットは、ロット搬送部5でロット載置部4に搬送される。
【0037】
基板保持体洗浄処理装置80は、ロット搬送機構50の基板保持体53に洗浄用の処理液を供給し、さらに乾燥ガスを供給することで、基板保持体53の洗浄処理を行う。
【0038】
制御部7は、基板処理装置1の各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6など)の動作を制御する。制御部7は、スイッチや各種センサなどからの信号に基づいて、基板処理装置1の各部の動作を制御する。
【0039】
この制御部7は、たとえばコンピュータであり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体8を有する。記憶媒体8には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。
【0040】
制御部7は、記憶媒体8に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体8に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部7の記憶媒体8にインストールされたものであってもよい。
【0041】
コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体8としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0042】
<エッチング用の処理槽の構成>
次に、エッチング用の処理槽61について
図2を参照して説明する。
図2は、第1の実施形態に係るエッチング用の処理槽61の構成を示すブロック図である。
【0043】
処理槽61では、所定のエッチング液を用いて、ウェハW上に形成されたシリコン窒化膜(SiN)およびシリコン酸化膜(SiO2)のうちシリコン窒化膜を選択的にエッチングするエッチング処理が行われる。かかるエッチング処理では、リン酸(H3PO4)水溶液にシリコン(Si)含有化合物を添加してシリコン濃度を調整した溶液が、エッチング液として用いられる。
【0044】
エッチング液中のシリコン濃度を調整する手法としては、リン酸水溶液にダミー基板を浸漬させてシリコンを溶解させる方法(シーズニング)や、コロイダルシリカなどのシリコン含有化合物をリン酸水溶液に溶解させる方法を用いることができる。また、リン酸水溶液にシリコン含有化合物水溶液を添加してシリコン濃度を調整してもよい。
【0045】
図2に示すように、エッチング用の処理槽61は、内槽101と、外槽102とを備える。内槽101は、上方が開放された箱形の槽であり、内部にエッチング液を貯留する。複数のウェハWにより形成されるロットは、内槽101に浸漬される。外槽102は、上方が開放され、内槽101の上部周囲に配置される。外槽102には、内槽101からオーバーフローしたエッチング液が流入する。
【0046】
また、処理槽61は、リン酸水溶液供給部103と、シリコン供給部104と、DIW供給部105とを備える。
【0047】
リン酸水溶液供給部103は、リン酸水溶液供給源131と、リン酸水溶液供給ライン132と、流量調整器133とを有する。
【0048】
リン酸水溶液供給源131は、リン酸濃度が所望の濃度に濃縮されたリン酸水溶液を供給する。リン酸水溶液供給ライン132は、リン酸水溶液供給源131と外槽102とを接続し、リン酸水溶液供給源131から外槽102にリン酸水溶液を供給する。
【0049】
流量調整器133は、リン酸水溶液供給ライン132に設けられ、外槽102へ供給されるリン酸水溶液の供給量を調整する。流量調整器133は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0050】
シリコン供給部104は、シリコン供給源141と、シリコン供給ライン142と、流量調整器143とを有する。
【0051】
シリコン供給源141は、シリコン含有化合物水溶液を貯留するタンクである。シリコン供給ライン142は、シリコン供給源141と外槽102とを接続し、シリコン供給源141から外槽102にシリコン含有化合物水溶液を供給する。
【0052】
流量調整器143は、シリコン供給ライン142に設けられ、外槽102へ供給されるシリコン含有化合物水溶液の供給量を調整する。流量調整器143は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。流量調整器143によってシリコン含有化合物水溶液の供給量が調整されることで、エッチング液のシリコン濃度が調整される。
【0053】
DIW供給部105は、DIW供給源151と、DIW供給ライン152と、流量調整器153とを有する。DIW供給部105は、エッチング液を加熱することで蒸発した水分を補給するため、外槽102にDIW(DeIonized Water:脱イオン水)を供給する。
【0054】
DIW供給ライン152は、DIW供給源151と外槽102とを接続し、DIW供給源151から外槽102に所定温度のDIWを供給する。
【0055】
流量調整器153は、DIW供給ライン152に設けられ、外槽102へ供給されるDIWの供給量を調整する。流量調整器153は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。流量調整器153によってDIWの供給量が調整されることで、エッチング液の温度、リン酸濃度およびシリコン濃度が調整される。
【0056】
また、処理槽61は、循環部106と、気体供給部107とを備える。循環部106は、内槽101と外槽102との間でエッチング液を循環させる。循環部106は、循環ライン161と、複数の処理液供給ノズル162と、フィルタ163と、ヒータ164と、ポンプ165とを備える。
【0057】
循環ライン161は、外槽102と内槽101とを接続する。循環ライン161の一端は、外槽102に接続され、循環ライン161の他端は、内槽101の内部に配置された複数の処理液供給ノズル162に接続される。
【0058】
フィルタ163、ヒータ164およびポンプ165は、循環ライン161に設けられる。フィルタ163は、循環ライン161を流れるエッチング液から不純物を除去する。ヒータ164は、循環ライン161を流れるエッチング液を、エッチング処理に適した温度に加熱する。ポンプ165は、外槽102内のエッチング液を循環ライン161に送り出す。フィルタ163、ヒータ164およびポンプ165は、上流側からこの順番で設けられる。
【0059】
循環部106は、エッチング液を外槽102から循環ライン161および複数の処理液供給ノズル162経由で内槽101内へ送る。内槽101内に送られたエッチング液は、内槽101からオーバーフローすることで、再び外槽102へと流出する。このようにして、エッチング液は、内槽101と外槽102との間を循環する。
【0060】
なお、循環部106は、ヒータ164によってエッチング液を加熱することにより、エッチング液を沸騰状態としてもよい。
【0061】
気体供給部107は、内槽101の内部に配置される。具体的には、気体供給部107は、複数のウェハWおよび複数の処理液供給ノズル162よりも下方に配置される。かかる気体供給部107は、内槽101の内部に気体を吐出することによって内槽101の内部にエッチング液の液流れを発生させる。
【0062】
<気体供給部の構成>
ここで、第1の実施形態に係る気体供給部107の構成について
図3~
図5を参照して説明する。
図3は、第1の実施形態に係る気体供給部107の斜視図である。
図4は、第1の実施形態に係る気体供給部107の断面図である。
図5は、第1の実施形態に係る気体供給部107の側面図である。なお、
図4は、
図5におけるVI-VI線矢視における断面図である。また、
図5は、気体供給部107における第3吐出経路173および第4吐出経路174をX軸正方向側からX軸負方向に見た側面図である。
【0063】
図3に示すように、気体供給部107は、気体の吐出経路として複数(ここでは、8つ)の吐出経路を備える。具体的には、気体供給部107は、2つの第1吐出経路171と、2つの第2吐出経路172と、2つの第3吐出経路173と、2つの第4吐出経路174とを備える。
【0064】
2つの第1吐出経路171は、ウェハWと正対する方向(
図2に示すY軸方向)から見た場合に、ウェハWの中心を通る垂直な線に対して線対称に配置される。2つの第2吐出経路172、2つの第3吐出経路173および2つの第4吐出経路174も同様であり、ウェハWの中心を通る垂直な線に対して線対称に配置される。
【0065】
2つの第1吐出経路171の各々は、内槽101の後方側(Y軸正方向側)に配置され、垂直に延在する部分を有する第1延在部711と、第1延在部711の下端部から内槽101の前方側(Y軸負方向側)に向かって水平に延在する第2延在部712とを備える。第2延在部712は、複数のウェハWの配列方向に沿って延在する。
【0066】
2つの第1延在部711は、流量調整器713を介して気体供給源700に接続される。ここでは、気体供給源700から窒素が供給されるものとするが、気体供給源700から供給される気体は、窒素以外の不活性ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴンなど)であってもよいし、不活性ガス以外の気体であってもよい。流量調整器713は、第1吐出経路171へ供給される窒素の流量を調整する。流量調整器713は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0067】
2つの第2吐出経路172の各々は、内槽101の後方側に配置され、垂直に延在する部分を有する第1延在部721と、第1延在部721の下端部から内槽101の前方側に向かって水平に延在する第2延在部722とを備える。第2延在部722は、複数のウェハWの配列方向に沿って延在する。また、第2延在部722は、第1吐出経路171の第2延在部712よりもウェハWの径方向内側に配置される。
【0068】
2つの第1延在部721は、流量調整器723を介して気体供給源700に接続される。流量調整器723は、第2吐出経路172へ供給される窒素の流量を調整する。流量調整器723は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0069】
2つの第3吐出経路173の各々は、内槽101の後方側に配置され、垂直に延在する部分を有する第1延在部731と、第1延在部731の下端部から内槽101の前方側に向かって水平に延在する第2延在部732とを備える。第2延在部732は、複数のウェハWの配列方向に沿って延在する。また、第2延在部732は、第2吐出経路172の第2延在部722よりもウェハWの径方向内側に配置される。
【0070】
2つの第1延在部731は、流量調整器733を介して気体供給源700に接続される。流量調整器733は、第3吐出経路173へ供給される窒素の流量を調整する。流量調整器733は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0071】
2つの第4吐出経路174の各々は、内槽101の後方側に配置され、垂直に延在する部分を有する第1延在部741と、第1延在部741の下端部から内槽101の前方側に向かって水平に延在する第2延在部742とを備える。第2延在部742は、複数のウェハWの配列方向に沿って延在する。また、第2延在部742は、第3吐出経路173の第2延在部732の上方に配置される。
【0072】
2つの第1延在部741は、流量調整器743を介して気体供給源700に接続される。流量調整器743は、第4吐出経路174へ供給される窒素の流量を調整する。流量調整器743は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0073】
図4に示すように、第1吐出経路171の第2延在部712には、第2延在部712の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って複数(ここでは1つのみ図示)の吐出口715が設けられる。複数の吐出口715は、気体供給源700から供給される窒素がウェハWとウェハWとの間に入り込むように、複数のウェハWの配列方向においてウェハWとウェハWとの間の位置に配置される。
【0074】
第2吐出経路172の第2延在部722には、第2延在部722の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って複数(ここでは1つのみ図示)の吐出口725が設けられる。複数の吐出口725は、気体供給源700から供給される窒素がウェハWとウェハWとの間に入り込むように、複数のウェハWの配列方向においてウェハWとウェハWとの間の位置に配置される。
【0075】
第3吐出経路173の第2延在部732には、第2延在部732の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って複数(ここでは1つのみ図示)の吐出口735が設けられる。複数の吐出口735は、気体供給源700から供給される窒素がウェハWとウェハWとの間に入り込むように、複数のウェハWの配列方向においてウェハWとウェハWとの間の位置に配置される。
【0076】
第4吐出経路174の第2延在部742には、第2延在部742の延在方向に沿って、すなわち、複数のウェハWの配列方向に沿って複数(ここでは1つのみ図示)の吐出口745が設けられる。複数の吐出口745は、気体供給源700から供給される窒素がウェハWとウェハWとの間に入り込むように、複数のウェハWの配列方向においてウェハWとウェハWとの間の位置に配置される。
【0077】
なお、複数の吐出口715,725,735,745は、円筒状の第2延在部712,722,732,742の下半分に設けられる。これにより、第2延在部712,722,732,742の内部へのエッチング液の浸入を抑制することができる。また、複数の吐出口715,725,735,745は、第2延在部712,722,732,742の側部よりも下方かつ第2延在部712,722,732,742の下部よりも上方に設けられる。これにより、吐出口715,725,735,745を第2延在部712,722,732,742の下部に設けた場合と比較して、窒素の吐出方向を揃えることができる。
【0078】
第1吐出経路171に設けられた複数の吐出口715および第2吐出経路172に設けられた複数の吐出口725は、複数のウェハWにおける全ての隙間に対応して配置される。すなわち、たとえば1つロットが50枚のウェハWで構成される場合、第1吐出経路171および第2吐出経路172には、それぞれ49個の吐出口715,725が設けられる。
【0079】
一方、
図5に示すように、第3吐出経路173に設けられた複数の吐出口735は、複数のウェハWのうち、処理槽61の前方側に配置される半分のウェハWの隙間に対応して配置される。また、第4吐出経路174に設けられた複数の吐出口745は、複数のウェハWのうち、処理槽61の後方側に配置される半分のウェハWの隙間に対応して配置される。これにより、処理槽61の前方側に配置される半分のウェハWには、第3吐出経路173からの窒素が供給され、処理槽61の後方側に配置される半分のウェハWには、第4吐出経路174からの窒素が供給されることとなる。
【0080】
このように、第1の実施形態に係る気体供給部107は、複数のウェハWの配列方向における異なる領域に窒素を吐出する複数の吐出経路、ここでは、第3吐出経路173および第4吐出経路174を有する。第3吐出経路173および第4吐出経路174は、それぞれ異なる流量調整器733,743に接続されており、窒素の吐出時間や吐出流量を個別に制御可能である。したがって、たとえば処理槽61の前方側と後方側とで液流れに偏りがある場合、制御部7は、流量調整器733,743を制御して第3吐出経路173と第4吐出経路174とで窒素の吐出時間や吐出流量を異ならせることで液流れの偏りを抑制することができる。このように、第1の実施形態に係る基板処理装置1によれば、複数のウェハWの配列方向において窒素を均等な吐出時間や吐出流量で吐出する場合と比較して、より適切な液流れを処理槽61内に形成することができる。
【0081】
また、
図4に示すように、第3、第4吐出経路173,174の第1延在部731,741および第2延在部732,742は、第1、第2吐出経路171,172の第1延在部711,721および第2延在部712,722と比較して内径(流路径)が小さい。これにより、第1延在部731,741および第2延在部732,742の圧力損失を、第1延在部711,721および第2延在部712,722の圧力損失よりも高くすることができる。このため、第3吐出経路173および第4吐出経路174からより低い流量で窒素を吐出させることができる。言い換えれば、第3吐出経路173および第4吐出経路174から吐出可能な窒素の最低流量を低くすることができる。したがって、エッチング液の液流れをより微細に制御することが可能となる。
【0082】
<気体供給部の変形例>
次に、上述した第1の実施形態に係る気体供給部107の変形例について
図6~
図8を参照して説明する。
図6は、第1の実施形態における第1の変形例に係る気体供給部の側面図である。
図7は、第1の実施形態における第2の変形例に係る気体供給部の側面図である。
図8は、第1の実施形態における第2の変形例に係る気体供給部の平面図である。
【0083】
図6に示すように、第1の変形例に係る気体供給部107Aは、第3吐出経路173Aと、第3吐出経路173Aの上方に配置された第4吐出経路174Aとを備える。第3吐出経路173Aの第2延在部732Aには、複数のウェハWの配列方向における中央の領域に複数の吐出口735Aが設けられる。また、第4吐出経路174Aの第2延在部742Aには、複数のウェハWの配列方向における前方の領域に複数の吐出口745Aを有するとともに、複数のウェハWの配列方向における後方の領域に複数の吐出口746Aを有する。
【0084】
このように構成することで、複数のWの配列方向における前方および後方の領域と中央の領域とで窒素の吐出時間や吐出流量を異ならせることができる。
【0085】
また、
図7および
図8に示すように、第2の変形例に係る気体供給部107Bは、第3吐出経路173B、第4吐出経路174Bおよび第5吐出経路175Bを備える。
【0086】
第3吐出経路173Bは、第1延在部731Bと第2延在部732Bとを備え、第1延在部731Bには、流量調整器733Bを介して気体供給源700が接続され、第2延在部732Bには、複数の吐出口735Bが設けられる。第4吐出経路174Bは、第1延在部741Bと第2延在部742Bとを備え、第1延在部741Bには、流量調整器743Bを介して気体供給源700が接続され、第2延在部742Bには、複数の吐出口745Bが設けられる。第5吐出経路175Bは、第1延在部751Bと第2延在部752Bとを備え、第1延在部751Bには、流量調整器753Bを介して気体供給源700が接続され、第2延在部752Bには、複数の吐出口755Bが設けられる。第3吐出経路173Bの第2延在部732B、第4吐出経路174Bの第2延在部742Bおよび第5吐出経路175Bの第2延在部752Bは、複数のウェハWの配列方向に沿ってこの順番に並べられる。
【0087】
このように構成することにより、複数のウェハWの配列方向における前方の領域、中央の領域および後方の領域をそれぞれ個別に制御することが可能となる。
【0088】
<気体供給部のその他の変形例>
第1の実施形態および第1および第2変形例では、複数のウェハWの配列方向と直交する方向に配列された複数の吐出経路のうち、最も内側に配置される吐出経路を複数のウェハWの配列方向に分割することとした。しかし、これに限らず、複数のウェハWの配列方向に分割される吐出経路は、複数のウェハWの配列方向と直交する方向に並べられた複数の吐出経路のうち、最も外側に配置される吐出経路であってもよいし、その他の吐出経路であってもよい。
【0089】
また、第1の実施形態および第1および第2変形例では、複数のウェハWの配列方向と直交する方向に配列された複数の吐出経路のうち、一部の吐出経路を複数のウェハWの配列方向に分割することとした。しかし、これに限らず、複数のウェハWの配列方向と直交する方向に配列された複数の吐出経路の全てが複数のウェハWの配列方向に分割されてもよい。
【0090】
また、第1の実施形態および第1および第2変形例では、複数のウェハWの配列方向に分割される吐出経路が、2等分または3等分される場合の例について説明したが、分割の態様は、必ずしも等分であることを要しない。
【0091】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る気体供給部の構成について
図9を参照して説明する。
図9は、第2の実施形態に係る気体供給部の側面図である。
【0092】
図9に示すように、第2の実施形態に係る気体供給部107Cは、第3吐出経路173Cと、第3吐出経路173Cの上方に配置された第4吐出経路174Cとを備える。
【0093】
第2の実施形態に係る第3吐出経路173Cの第2延在部732Cには、内槽101の内壁111に向かって窒素を吐出する吐出口736Cが設けられる。吐出口736Cは、複数のウェハWの配列方向において内槽101の内壁111に対向する1枚目のウェハWと内壁111との間に配置される。
【0094】
同様に、第2の実施形態に係る第4吐出経路174Cの第2延在部742Cには、内槽101の内壁111に向かって窒素を吐出する吐出口746Cが設けられる。吐出口746Cは、複数のウェハWの配列方向において内槽101の内壁111に対向する1枚目のウェハWと内壁111との間に配置される。
【0095】
内槽101の内部に形成される液流れは、内槽101の内壁111に対向する1枚目のウェハWと内壁111との間と、ウェハWとウェハWとの間とで異なる場合がある。たとえば、ウェハWとウェハWとの間には、エッチング液の上昇流が形成されるのに対し、1枚目のウェハWと内壁111との間には、エッチング液の下降流が形成されることがある。
【0096】
これに対し、第2の実施形態に係る気体供給部107Cは、内槽101の内壁111に向けて窒素を吐出する吐出口736C,746Cを備えることにより、1枚目のウェハWと内壁111との間に形成される下降流を抑制することができる。したがって、第2の実施形態に係る気体供給部107Cによれば、内槽101の内壁111に対向する1枚目のウェハWと内壁111との間と、ウェハWとウェハWとの間とで液流れに偏りが生じることを抑制することができる。
【0097】
ここでは、気体供給部107Cが、内槽101における前方の内壁111に向けて窒素を吐出する吐出口736C,746Cを備える場合の例について説明した。これに限らず、気体供給部107Cは、内槽101における後方の内壁または側方の内壁に向けて窒素を吐出する吐出口を備えていてもよい。
【0098】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る気体供給部の構成について
図10を参照して説明する。
図10は、第3の実施形態に係る気体供給部の斜視図である。
【0099】
図10に示すように、第3の実施形態に係る気体供給部107Dは、2つの第1吐出経路171Dと、2つの第2吐出経路172Dと、2つの第3吐出経路173Dと、2つの第4吐出経路174Dとを備える。第1吐出経路171D、第2吐出経路172D、第3吐出経路173Dおよび第4吐出経路174Dは、それぞれ、第1延在部711D,721D,731D,741Dと、第2延在部712D,722D,732D,742Dとを備える。第2延在部712D,722D,732D,742Dには、複数の吐出口(ここでは、図示せず)が設けられる。また、第2延在部732Dに設けられる複数の吐出口は、前方側に配置される半分のウェハWの隙間に対応して配置され、第2延在部742Dに設けられる複数の吐出口は、後方側に配置される半分のウェハWの隙間に対応して配置される。
【0100】
また、第3の実施形態に係る気体供給部107Dは、第1吐出経路171D、第2吐出経路172D、第3吐出経路173Dおよび第4吐出経路174Dの位置を調整するための位置調整部176Dを備える。
【0101】
第3の実施形態に係る位置調整部176Dは、取付プレート761を備える。取付プレート761には、複数の取付穴762が形成される。複数の取付穴762は、たとえば、複数のウェハWの配列方向および同配列方向に直交する方向に沿って配列される。各取付穴762は、第1延在部711D,721D,731D,741Dが挿通可能な大きさに形成される。したがって、取付プレート761は、第1~第4吐出経路171D~174Dを任意の位置に取り付け可能である。なお、各取付穴762は、第3吐出経路173Dの第1延在部731Dおよび第4吐出経路174Dの第1延在部741Dをまとめて挿通可能であるものとする。
【0102】
また、位置調整部176Dは、第1延在部711D,721D,731D,741Dを取付穴762に固定するための固定部763を備える。
【0103】
このように、第3の実施形態に係る気体供給部107Dによれば、位置調整部176Dを備えるため、第1吐出経路171D、第2吐出経路172D、第3吐出経路173Dおよび第4吐出経路174Dの位置を調整することができる。したがって、たとえば、予め取得しておいた複数のウェハWのエッチング処理の結果に基づいて、第1吐出経路171D、第2吐出経路172D、第3吐出経路173Dおよび第4吐出経路174Dの配置を最適化することができる。これにより、複数のウェハWのエッチング処理がより均一化されるようなエッチング液の液流れを処理槽61の内部に形成することが可能となる。
【0104】
なお、固定部763は、第1延在部711D,721D,731D,741Dを鉛直方向における複数の固定位置にて固定可能に構成されてもよい。このように構成することで、第1吐出経路171D、第2吐出経路172D、第3吐出経路173Dおよび第4吐出経路174Dの高さ位置も調整することができる。
【0105】
<位置調整部の変形例>
次に、上述した位置調整部176Dの変形例について
図11および
図12を参照して説明する。
図11は、第3の実施形態における第1の変形例に係る位置調整部の構成を示す斜視図である。また、
図12は、第3の実施形態における第2の変形例に係る位置調整部の構成を示す斜視図である。
【0106】
図11に示すように、第3の実施形態における第1の変形例に係る気体供給部107Eは、位置調整部176Eを備える。位置調整部176Eは、ねじ軸764と、保持部765と、駆動部766とを備える。保持部765は、2つの第1吐出経路171E、2つの第2吐出経路172E、2つの第3吐出経路173Eおよび2つの第4吐出経路174Eを保持する。
【0107】
ねじ軸764および駆動部766は、保持部765を移動させる移動機構の一例である。ねじ軸764は、複数のウェハWの配列方向(Y軸方向)に沿って延在する。駆動部766は、ねじ軸764を軸まわりに回転させることによって保持部765を複数のウェハWの配列方向に沿って移動させる。
【0108】
なお、ここでは図示を省略するが、ねじ軸764および駆動部766を含む移動機構は、ねじ軸764を軸支する軸受、保持部765を複数のウェハWの配列方向に移動可能に支持するガイドレールなどを含んで構成される。
【0109】
第1の変形例に係る位置調整部176Eは、ねじ軸764および駆動部766を用いて保持部765を移動させる。これにより、2つの第1吐出経路171E、2つの第2吐出経路172E、2つの第3吐出経路173Eおよび2つの第4吐出経路174Eを複数のウェハWの配列方向に沿って移動させることができる。
【0110】
これにより、第1の変形例に係る気体供給部107Eは、複数のウェハWの配列方向における2つの第1吐出経路171E、2つの第2吐出経路172E、2つの第3吐出経路173Eおよび2つの第4吐出経路174Eの位置を最適化することができる。位置の最適化は、たとえば、予め取得しておいた複数のウェハWのエッチング処理の結果に基づいて事前に行うことができる。すなわち、複数のウェハWのエッチング量が均等になるように、複数のウェハWの配列方向における2つの第1吐出経路171E、2つの第2吐出経路172E、2つの第3吐出経路173Eおよび2つの第4吐出経路174Eの位置を調整すればよい。
【0111】
また、位置調整部176Eによる位置調整は、エッチング処理中に行われてもよい。たとえば、制御部7は、複数のウェハWを内槽101に浸漬させ、第1~第4吐出経路171E~174Eから窒素を吐出させた状態で、位置調整部176Eを制御して第1~第4吐出経路171E~174Eの吐出位置を変更させてもよい。この場合、制御部7は、たとえば、複数のウェハW間の距離未満のストローク(たとえば、複数のウェハW間の距離の半分のストローク)で第1~第4吐出経路171E~174Eの吐出位置を変更させる。第1~第4吐出経路171E~174Eの位置変更の態様は、2つの地点を往復させるものであってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0112】
このように、制御部7は、エッチング処理中に複数のウェハWの配列方向に沿って第1~第4吐出経路171E~174Eの吐出位置を変更してもよい。これにより、複数のウェハW間の隙間のうち、一部の隙間に窒素が多く入り込み、他の一部の隙間には窒素があまり入り込まないといった窒素の供給量の偏りを抑制することができる。したがって、複数のウェハW間におけるエッチング量の均一化を図ることができる。
【0113】
図12に示すように、第3の実施形態における第2の変形例に係る気体供給部107Fは、位置調整部176Fを備える。位置調整部176Fは、ねじ軸767と、複数の保持部768と、駆動部769とを備える。複数(ここでは6つ)の保持部768は、それぞれ第1吐出経路171F、第2吐出経路172F、第3吐出経路173Fおよび第4吐出経路174F、第3吐出経路173Fおよび第4吐出経路174F、第2吐出経路172F、第1吐出経路171Fを保持する。なお、位置調整部176Fは、第1~第4吐出経路171F~174Fの全てを保持する1つの保持部を備えていてもよい。
【0114】
ねじ軸767および駆動部769は、複数の保持部768を移動させる移動機構の一例である。ねじ軸767は、複数のウェハWの配列方向と直交する方向(X軸方向)に沿って延在する。駆動部769は、ねじ軸767を軸まわりに回転させることによって複数の保持部768を複数のウェハWの配列方向に沿ってまとめて移動させる。
【0115】
第2の変形例に係る位置調整部176Fは、ねじ軸767および駆動部769を用いて複数の保持部768を移動させる。これにより、2つの第1吐出経路171F、2つの第2吐出経路172F、2つの第3吐出経路173Fおよび2つの第4吐出経路174Fを複数のウェハWの配列方向と直交する方向に沿って移動させることができる。
【0116】
これにより、第2の変形例に係る気体供給部107Fは、複数のウェハWの配列方向と直交する方向における第1~第4吐出経路171F~174Fの位置を最適化することができる。
【0117】
位置調整部176Fによる位置調整は、予め取得しておいた複数のウェハWのエッチング処理の結果に基づいて事前に行われてもよいし、エッチング中に行われてもよい。エッチング中に行う場合、制御部7は、複数のウェハWを内槽101に浸漬させ、第1~第4吐出経路171F~174Fから窒素を吐出させた状態で、位置調整部176Fを制御して第1~第4吐出経路171F~174Fの吐出位置を変更させてもよい。
【0118】
このように、制御部7は、エッチング処理中に複数のウェハWの配列方向と直交する方向に沿って第1~第4吐出経路171F~174Fの吐出位置を変更してもよい。これにより、1枚のウェハWの面内おける窒素の供給量の偏りを抑制することができる。したがって、ウェハWの面内におけるエッチング量の均一化を図ることができる。
【0119】
第1の変形例では、位置調整部176Eが第1~第4吐出経路171E~174Eを一体的に移動させる場合の例について説明したが、位置調整部176Eは、第1~第4吐出経路171E~174Eを個別に移動させる構成であってもよい。この場合、気体供給部107Eは、第1吐出経路171Eを保持して移動させる移動機構、第2吐出経路172Eを保持して移動させる移動機構、第3吐出経路173Eおよび第4吐出経路174Eを保持して移動させる移動機構を備えていればよい。第2の変形例についても同様である。すなわち、気体供給部107Fは、第1吐出経路171Fを保持して移動させる移動機構、第2吐出経路172Fを保持して移動させる移動機構、第3吐出経路173Fおよび第4吐出経路174Fを保持して移動させる移動機構を備えていればよい。
【0120】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る気体供給部の構成について
図13を参照して説明する。
図13は、第4の実施形態に係る気体供給部の断面図である。なお、
図13に示す気体供給部107Gは、第1の実施形態に係る第1~第4第1吐出経路171~174と同様の第1~第4第1吐出経路171G~174Gを備えるものとするが、他の実施形態と同様の第1~第4第1吐出経路を備えていてもよい。
【0121】
図13に示すように、制御部7は、流量調整器713~743(
図3参照)を制御して、
図13における上図に示す第1吐出状態と、
図13における下図に示す第2吐出状態とを切り替えてもよい。第1吐出状態は、第1~第4第1吐出経路171G~174Gのうち一部の吐出経路、ここでは、2つの第1吐出経路171G、2つの第3吐出経路173Gおよび2つの第4吐出経路174Gから窒素が吐出される状態である。また、第2吐出状態は、2つの第2吐出経路172Gから窒素が吐出される状態である。
【0122】
このように、制御部7は、第1~第4第1吐出経路171G~174Gのうち一部の吐出経路から窒素が吐出される第1吐出状態と、他の一部の吐出経路から窒素が吐出される第2吐出状態とを切り替えてもよい。これにより、ウェハWの面内におけるエッチング量の均一化を図ることができる。なお、第1吐出状態および第2吐出状態の切り替えは、1回のエッチング処理中に1回だけ行われてもよし、複数回行われてもよい。
【0123】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る気体供給部の構成について
図14および
図15を参照して説明する。
図14は、第5の実施形態に係る気体供給部を上方から見た斜視図である。また、
図15は、第5の実施形態に係る気体供給部を下方から見た斜視図である。
【0124】
図14および
図15に示すように、第5の実施形態に係る気体供給部107Hは、第1~第9吐出経路171H~179Hと、吐出プレート177とを備える。吐出プレート177には、互いに区画された複数(ここでは、9つ)の吐出領域178H1~178H9が設けられている。
【0125】
吐出領域178H1~178H9には、それぞれ第1~第9吐出経路171H~179Hが接続される。吐出領域178H1の上面には複数の吐出口715Hが形成され、吐出領域178H2の上面には複数の吐出口725Hが形成され、吐出領域178H3の上面には複数の吐出口735Hが形成される。また、吐出領域178H4の上面には複数の吐出口745Hが形成され、吐出領域178H5の上面には複数の吐出口755Hが形成され、吐出領域178H6の上面には複数の吐出口765Hが形成される。また、吐出領域178H7の上面には複数の吐出口775Hが形成され、吐出領域178H8の上面には複数の吐出口785Hが形成され、吐出領域178H9の上面には複数の吐出口795Hが形成される。
【0126】
吐出領域178H1~178H9は、吐出プレート177に対し、たとえば3×3の行列状に配置される。具体的には、吐出領域178H1,178H2,178H3が複数のウェハWの配列方向に沿って並べて配置され、吐出領域178H8,178H4,178H9が複数のウェハWの配列方向に沿って並べて配置される。また、吐出領域178H7,178H6,178H5が複数のウェハWの配列方向に沿って並べて配置される。
【0127】
このように、第5の実施形態に係る気体供給部107Hは、複数のウェハWの下方の領域を複数(ここでは、9つ)の吐出領域178H1~178H9に分割することで、吐出領域178H1~178H9ごとに窒素の吐出時間、吐出流量を制御することができる。たとえば、制御部7は、予め取得しておいた複数のウェハWのエッチング処理の結果に基づいて、吐出領域178H1~178H9における窒素の吐出時間および吐出流量の少なくとも1つを制御することができる。
【0128】
また、吐出プレート177は、第1~第9吐出経路171H~179Hに対して着脱可能である。したがって、たとえば、予め取得しておいた複数のウェハWのエッチング処理の結果に応じて、吐出領域178H1~178H9の配置や形状が異なる複数の吐出プレート177の中から最適な吐出プレート177を選択することが可能である。これにより、複数のウェハW間におけるエッチング処理のさらなる均一化を図ることができる。
【0129】
なお、第5の実施形態に係る吐出プレート177には、第2の実施形態に係る気体供給部107Cのように、内槽101の内壁111に向かって窒素を吐出する吐出口が設けられてもよい。この場合、内壁111に向かって窒素を吐出する吐出口は、たとえば、吐出領域178H1,178H7,178H8に設けられる。また、第5の実施形態に係る気体供給部107Hは、第3の実施形態に係る気体供給部107E,107Fと同様、第1~第9吐出経路171H~179Hを移動させる移動機構を備えていてもよい。
【0130】
(その他の実施形態)
上述してきた各実施形態では、気体供給部107,107A~107Hが窒素等の気体を吐出する場合の例について説明したが、気体供給部107,107A~107Hは、気体に限らず、液体を吐出してもよい。
【0131】
上述してきたように、実施形態に係る基板処理装置1は、処理槽61と、流体供給部(一例として、気体供給部107,107A~107H)とを備える。処理槽61は、配列された複数の基板(一例として、ウェハW)を処理液(一例として、エッチング液)に浸漬させて処理(一例として、エッチング処理)を行う。流体供給部は、処理槽61の内部において複数の基板よりも下方に配置され、流体(一例として、窒素)を吐出することによって処理槽61の内部に処理液の液流れを発生させる。また、流体供給部は、複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路(一例として、第3吐出経路173,173A~173G、第3吐出経路174,174A~174G、第1~第9吐出経路171H~179H)を有する。
【0132】
このように、複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路を設けることで、複数の基板の配列方向において流体を均等な吐出時間、吐出流量で吐出する場合と比較して、より適切な液流れを処理槽61内に形成することができる。
【0133】
流体供給部(一例として、気体供給部107,107A~107H)は、流体として気体を供給してもよい。流体としての気体を処理槽61の内部に供給することで、処理槽61の内部に処理液の液流れを形成することができる。これにより、基板間における処理の均一化、基板の面内における処理の均一化を図ることができる。また、処理液の温度の均一化を図ることができる。
【0134】
流体供給部(一例として、気体供給部107,107A~107H)は、他の吐出経路(一例として、第1吐出経路171,171A~171H、第2吐出経路172,172A~172H)を備えていてもよい。他の吐出経路は、複数の基板の配列方向と直交する方向に複数の吐出経路と並べて配置され、流体を吐出する。この場合、複数の吐出経路は、他の吐出経路と比べて内径が小さくてもよい。
【0135】
これにより、複数の吐出経路の圧力損失を、他の吐出経路の圧力損失よりも高くすることができる。このため、複数の吐出経路からより低い流量で流体を吐出させることができる。言い換えれば、複数の吐出経路から吐出可能な流体の最低流量を低くすることができる。したがって、処理液の液流れをより微細に制御することが可能となる。
【0136】
流体供給部(一例として、気体供給部107H)は、吐出プレート177を備えていてもよい。吐出プレート177は、互いに区画された複数の吐出領域(一例として、吐出領域178H1~178H9)を備える。また、複数の吐出領域のそれぞれは、複数の吐出口(一例として、吐出口715H,725H,735H,745H,755H,765H,775H,785H,795H)を有しており、複数の吐出経路のうち対応する吐出経路に接続される。これにより、吐出領域ごとに流体の吐出時間、吐出流量を制御することができる。また、たとえば、予め取得しておいた複数の基板の処理結果に応じて、吐出領域の配置や形状が異なる複数の吐出プレートの中から最適な吐出プレートを選択することで、基板処理のさらなる均一化を図ることができる。
【0137】
実施形態に係る基板処理装置1は、複数の吐出経路(一例として、第1~第4吐出経路171E~174E、第1~第4吐出経路171F~174F)を移動させる移動機構(一例として、位置調整部176E,176F)を備えていてもよい。
【0138】
これにより、複数の基板の配列方向における複数の吐出経路の位置を最適化することができる。たとえば、複数の基板の処理が均等になるように、複数の基板の配列方向における複数の吐出経路の位置を調整することができる。
【0139】
流体供給部(一例として、気体供給部107C)は、処理槽61の内壁111に向かって流体を吐出する吐出口(一例として、吐出口736C,746C)を備えていてもよい。これにより、1枚目の基板と内壁111との間に形成される下降流を抑制することができる。したがって、内壁111に対向する1枚目の基板と内壁111との間と、基板と基板との間とで液流れに偏りが生じることを抑制することができる。
【0140】
流体供給部(一例として、気体供給部107D)は、吐出経路を取り付ける取付プレート761を備えていてもよい。取付プレート761は、複数の取付穴762を有し、複数の取付穴762のうち任意の取付穴762に対して吐出経路を取り付け可能である。したがって、たとえば、予め取得しておいた複数の基板の処理結果に基づいて、複数の吐出経路の配置を最適化することができる。これにより、複数の基板の処理がより均一化されるような処理液の液流れを処理槽61の内部に形成することが可能となる。
【0141】
実施形態に係る基板処理装置は、処理槽61と、流体供給部(一例として、気体供給部107,107A~107H)と、制御部7とを備える。処理槽61は、配列された複数の基板(一例として、ウェハW)を処理液(一例として、エッチング液)に浸漬させて処理(一例として、エッチング処理)を行う。流体供給部は、処理槽61の内部において複数の基板よりも下方に配置され、流体(一例として、窒素)を吐出することによって処理槽61の内部に処理液の液流れを発生させる。制御部7は、流体供給部から吐出される流体の吐出時間および吐出流量の少なくとも1つを制御する。また、流体供給部は、複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路(一例として、第3吐出経路173,173A~173G、第3吐出経路174,174A~174G、第1~第9吐出経路171H~179H)を有する。
【0142】
このように、複数の基板の配列方向における異なる領域に流体を吐出する複数の吐出経路を設けることで、複数の基板の配列方向において流体を均等な吐出時間、吐出流量で吐出する場合と比較して、より適切な液流れを処理槽61内に形成することができる。また、制御部が、複数の吐出経路から吐出される流体の吐出時間、吐出流量を個別に制御することで、処理槽61内の液流れをより適切に制御することができる。
【0143】
実施形態に係る基板処理装置1は、複数の吐出経路(一例として、第1~第4吐出経路171E~174E、第1~第4吐出経路171F~174F)を移動させる移動機構(一例として、位置調整部176E,176F)を備えていてもよい。この場合、制御部7は、複数の基板を処理槽61に浸漬させ、複数の吐出経路から流体を吐出させた状態で、移動機構を制御して複数の吐出経路を移動させることにより、複数の吐出経路の吐出位置を変更させるようにしてもよい。
【0144】
このように、複数の基板の処理中に複数の吐出経路を移動機構を用いて移動させることにより、複数の基板間または基板の面内における処理の均一化を図ることができる。
【0145】
移動機構(一例として、位置調整部176E)は、複数の吐出経路(一例として、気体供給部107E)を複数の基板の配列方向に沿って移動させてもよい。
【0146】
これにより、複数の基板間の隙間のうち、一部の隙間に流体が多く入り込み、他の一部の隙間には流体があまり入り込まないといった流体の供給量の偏りを抑制することができる。したがって、複数の基板間における処理の均一化を図ることができる。
【0147】
制御部7は、複数の基板間の距離未満のストロークで複数の吐出経路を移動させてもよい。これにより、複数の基板間における流体の供給量の偏りを適切に抑制することができる。
【0148】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0149】
W ウェハ
1 基板処理装置
61 処理槽
101 内槽
107 気体供給部
171 第1吐出経路
172 第2吐出経路
173 第3吐出経路
174 第4吐出経路
715,725,735,745 吐出口