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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20221209BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20221209BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20221209BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221209BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
C07D401/14
A61P35/00
A61K31/427
A61K31/4439
A61K31/496
A61K31/506
A61K31/454
C07D417/14
A61K31/5377
C07D417/12 CSP
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019566634
(86)(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2018064399
(87)【国際公開番号】W WO2018220149
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】17174334.7
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/514,244
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/543,438
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514099673
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェスキー, ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】リッチ, アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ルーハー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー, サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】デュプレシ, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル, イヴォン アリス
(72)【発明者】
【氏名】クーン, ベルント
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-502246(JP,A)
【文献】国際公開第2017/004383(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/14
C07D 417/12
A61P 35/00
A61K 31/427
A61K 31/4439
A61K 31/496
A61K 31/506
A61K 31/454
C07D 417/14
A61K 31/5377
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Cは、ヘテロアリールであり、
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)-(CH-N(R,R)、
ii)-(C=O)-N(R,R)、
iii)ハロゲン、
iv)-NH-(C=O)-C1-6-アルキル、および
v)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、および
ii)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと共にヘテロシクリルを形成し、そのヘテロシクリルは任意選択で、Rによって置換され、
は、互いに独立して、
i)-OH、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
kは0、1または2であり、
nは0、1、2または3であり;
mは0、1または2であり、
pは0または1である;
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式中、
Aが、アリールまたはヘテロアリールであり、
Bが、アリールまたはヘテロアリールであり、
Cが、ヘテロアリールであり、
が、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
が、互いに独立して、
i)-(CH-N(R,R)、
ii)-(C=O)-N(R,R)、
iii)-NH-(C=O)-C1-6-アルキル、および
iv)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
が、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
が、互いに独立して、
i)H、および
ii)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
が、互いに独立して、
i)H、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと共にヘテロシクリルを形成し、
kが0、1または2であり、
nが0、1、2または3であり;
mが0、1または2であり、
pが0または1である、
請求項1に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Aが、アリールである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが、フェニルである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Bが、アリールである、請求項1~のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Bが、フェニルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Bが、ヘテロアリールである、請求項1~のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Bが、ピリジニルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Cが、ヘテロアリールである、請求項1~のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Cが、チアゾリルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
nが0、1または2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
nが0または2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
mが1である、請求項1~12のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
が、-(C=O)-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH)、-CH-(4-メチルピペラジニル)、-CH-(4-アセチルピペラジニル)、-CH-(4-エチルピペラジニル)、-CH-(4-ヒドロキシ-ピペリジル)、-CH-(モルホリニル)、-CHNH、-CH-ピペラジニル、Cl、-N(H,C=OCH)、または-NH ある、請求項1~13のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
が、-(C=O)-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH )、-CH -(4-アセチルピペラジニル)、-CH -(4-エチルピペラジニル)、-CH -(モルホリニル)、-CH -NH 、-CH -ピペラジニル、-N(H,(C=O)CH )または-NH である、請求項1~13のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[7-フルオロ-1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アセトアミド-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-ヒドロキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドトリフルオロアセテート、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(アミノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)-3-ピリジル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、および
N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド
から成る群から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
治療的活性物質としての使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
んの治療および/または予防措置における使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
非小細胞肺がんの治療および/または予防措置における使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
んの治療および/または予防措置のための医薬の製造における使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
非小細胞肺がんの治療および/または予防措置のための医薬の製造における使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される補助物質を含む、薬学的組成物。
【請求項23】
請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、がんの治療および/または予防措置のための医薬
【請求項24】
請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、非小細胞肺がんの治療および/または予防措置のための医薬。
【請求項25】
んに罹患しているEGFR活性化変異を有する患者の治療および/または予防処置において、前記患者におけるEGFR活性化変異状態を判定すること、および、次いで、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、前記患者に投与することを含む、医薬としての使用のための、請求項1~16のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGFR変異体を含むTMLR、TMLRCS、LR、LRCSの選択的アロステリック阻害剤である化合物、それらの製造、それらを含む薬学的組成物および治療的活性物質としてのそれらの使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
HERファミリー受容体チロシンキナーゼは、細胞の成長、分化および生存のメディエーターである。受容体ファミリーには、4つの異なるメンバー、すなわち、上皮増殖因子受容体(EGFR、ErbBl、またはHER1)HER2(ErbB2)、HER3(ErbB3)およびHER4(ErbB4)が含まれる。リガンドが結合すると、受容体はホモおよびヘテロダイマーを形成し、それに続いて内因性チロシンキナーゼ活性の活性化が、受容体自動リン酸化および下流シグナル伝達分子の活性化につながる(Yardenら)。過剰発現または変異によるEGFRの調節解除は、大腸がん、膵臓がん、神経膠腫、頭頚部がんおよび肺がん、特に非小細胞肺がん(NSCLC)を含む多くの種類のヒトがんに関連付けられており、いくつかのEGFR標的薬剤が長年にわたり開発されてきた(Ciardielloら)。エルロチニブ(Tarceva(登録商標))は、EGFRチロシンキナーゼの可逆的阻害剤であり、多くの国々で、再発性NSCLCの治療に対して承認された。
【0003】
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の印象的な単剤活性は、腫瘍が体細胞のキナーゼドメイン変異を担持するNSCLC患者のサブセットにおいて認められるが、野生型EGFRの患者において、臨床的ベネフィットは、大きく減少する(Paezら)。最も一般的なEGFRの体細胞変異は、Δ746-750のエクソン19欠失が最も一般的な突然変異であり、またL858Rによるエクソン21アミノ酸の置換が最も高頻度な変異である(Sharmaら)。
【0004】
治療耐性が高頻度で起こり、多くは受容体のATP部位内での二次的T790M変異を原因とする。開発された変異体選択的な不可逆的阻害剤の中には、T790M変異体に対して高度に活性なものがあるが、その有効性は、これらの阻害剤と主要な共有結合を形成するシステイン残基である、C797Sの後天的変異によって損なわれることがある(Thressら)。C797S変異は、Wangにより、T790M標的EGFR阻害剤に対する耐性の主要なメカニズムであると報告された(Wangら)。オシメルチニブへの耐性の原因となる追加の変異はYangにより、例えばL718Qが記述されている(Yangら)。
【0005】
最も入手しやすいEGFRチロシンキナーゼ阻害剤は、キナーゼのATP部位を標的とするため、異なった働き、例えば薬剤耐性EGFR変異体を標的とすることによる新規の治療剤に対するニーズが存在する。しかし、野生型受容体はそのままの状態を維持する。
【0006】
最近の研究は、アロステリック部位を意図的に標的とすることは、変異体選択的阻害剤をもたらすかもしれないことを示唆している(Jiaら)。
【0007】
がん、特にEGFR変異体を含むT790MおよびC797Sの治療および/または予防処置に有用な、EGFR変異体を含むTMLR、TMLRCS、LR、LRCSを特異的に阻害する選択的分子の生成において、まさしくニーズがある。
【0008】
国際公開第2009158369号は、特定の複素環式抗菌剤を記述している。国際公開第2016183534号10は、EBNA1阻害剤として適切な特定の複素環式化合物を記述している。国際公開第2011128279号は、mGluR5モジュレーターとして適切な特定の複素環式化合物を記述している。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、式1のイソインドリン-アセチレン、またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、置換基および変数は、以下および請求項において記述の通りであり、あるいは、その薬学的に許容される塩である。
【0010】
本発明の化合物は、がんの治療および/または予防処置に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、式1の化合物およびその薬学的に許容される塩、前述の化合物の調製物、それらを含む医薬およびそれらの製造ならびに、がん、特に非小細胞肺がんの治療および/または予防措置における前述の化合物の使用を提供する。
【0012】
本説明において使用される一般的用語の以下の定義は、当該用語が単独で出現するか、他の語群との組合せで出現するかには関わらず、適用される。
【0013】
別途指定のない限り、明細書および請求項を含め、本出願において使用される以下の用語は、下記の定義を有する。明細書および付属の請求項において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段、明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0014】
用語「C1-6-アルキル」は、単独でまたは他の語群との組合せで、単一または複数の分枝を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基を意味し、ここでアルキル基は一般に、1から6個の炭素原子を含み、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、イソプロピル(i-プロピル)、n-ブチル、i-ブチル(イソブチル)、2-ブチル(sec-ブチル)、t-ブチル(tert-ブチル)、イソペンチル、2-エチル-プロピル(2-メチル-プロピル)、1,2-ジメチル-プロピル、等を意味する。具体的な基は、メチルである。
【0015】
用語「ハロゲン-C1-6-アルキル」は、単独でまたは他の語群との組合せで、1つまたは複数のハロゲン、特に1~5のハロゲン、より特に1~3のハロゲンによって置換されている、本明細書において定義のC1-6-アルキルを表す。特定のハロゲンは、フルオロである。特定の「ハロゲン-C1-6-アルキル」は、フルオロ-C1-6-アルキルであり、特定の「ハロゲン-C1-3-アルキル」は、フルオロ-C1-3-アルキルである。例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル等である。
【0016】
用語「シアノ」は、単独でまたは他の語群との組合せで、N≡C-(NC-)を表す。
【0017】
用語「アミノ」は、単独でまたは他の語群との組合せで、NHを表す。
【0018】
用語「ヒドロキシ」は、単独でまたは他の語群との組合せで、OHを表す。
【0019】
用語「ハロゲン」は、単独でまたは他の語群との組合せで、クロロ(Cl)、ヨード(I)、フルオロ(F)およびブロモ(Br)を意味する。具体的な基は、Fである。
【0020】
用語「ヘテロアリール」は、単独でまたは他の語群との組合せで、単一の4から8員環、特に5から8員環、または6から14の、特に6から10の還原子を含む複数の縮合環を有し、かつ、N、OおよびS、特に1Nまたは2Nから独立して選択される1,2または3個のヘテロ原子を含む、芳香族炭素環式基であって、この基において、少なくとも1つの複素環式環が芳香族である、芳香族炭素環式基を表す。用語「5員ヘテロアリール」は、N、OおよびS、特に1個のNおよび1個のS、から選択される1または2個のヘテロ原子を含む、単一の5員芳香族環、例えばチアゾリルを表す。具体的な基はチアゾール-2-イルである。用語「6員ヘテロアリール」は、N、OおよびS、特に1個のNから選択される1または2個のヘテロ原子を含む、単一の6員芳香族環、例えばピリジニル、を表す。具体的な基は、2-ピリジルである。「ヘテロアリール」の例には、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、1H-ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、1H-インダゾリル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル(ピラジル)、1H-ピラゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、6,7-ジヒドロ-5H-[1]ピリジニル等が含まれる。具体的な基は、ピリジニルおよびチアゾリルである。
【0021】
用語「C1-6-アルコキシ」は、単独でまたは他の語群との組合せで、単一または複数の分枝を有する直鎖状または分枝状の-O-C1-6-アルキル基を意味し、ここでアルキル基は一般に、1から6個の炭素原子を含み、例えば、メトキシ(OMe、MeO)、エトキシ(OEt)、プロポキシ、イソプロポキシ(i-プロポキシ)、n-ブトキシ、i-ブトキシ(イソブトキシ)、2-ブトキシ(sec-ブトキシ)、t-ブトキシ(tert-ブトキシ)、イソペンチルオキシ(i-ペンチルオキシ)等を意味する。特定の「C1-6-アルコキシ」は、1から4個の炭素原子を有する基である。具体的な基は、メトキシである。
【0022】
用語「ハロゲン-C1-6-アルコキシ」は、単独でまたは他の語群との組合せで、1つまたは複数のハロゲン、特に1~5のハロゲン、より特に1~3のハロゲンによって置換されている、本明細書において定義のC1-6-アルコキシを表す。特定のハロゲンは、フルオロである。特定の「ハロゲン-C1-6-アルコキシ」は、フルオロ-C1-6-アルコキシであり、特定の「ハロゲン-C1-3-アルコキシ」は、フルオロ-C1-3-アルコキシである。具体的な基は、-O-CFである。
【0023】
用語「N-含有ヘテロシクリル」または「ヘテロシクリル」は、ヘテロ原子がNである1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4から9個の環原子の一価の飽和または部分的不飽和の単環式または二環式環系を表す。二環式は、一般に2つの環原子を有する2つの環から成ること、すなわち2つの環を隔てる架橋が単結合または1つまたは2つの環原子の鎖のいずれかであることを意味する。例は、ピロリジニル、ピペリジニルおよびピペラジニルである。
【0024】
用語「アリール」は、6から10個の炭素環原子を含む一価の芳香族炭素環式単環または二環式環系を表す。アリール部分の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。具体的な「アリール」はフェニルである。
【0025】
用語「薬学的に許容される」は、一般に安全、無毒性であり、かつ生物学的にもその他の点でも好ましくないことがなく、獣医学的ならびにヒト用薬学的使用に許容される薬学的組成物の調製において有用である材料の属性を意味する。
【0026】
用語「薬学的に許容される塩」は、ヒトおよび動物の組織と接触しての使用に適した塩を表す。無機および有機酸との適切な塩の例は、酢酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタン-スルホン酸、硝酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸等であるが、これらに限定されるものではない。特定の酸は、ギ酸、トリフルオロ酢酸および塩酸である。具体的な酸は、塩酸、トリフルオロ酢酸およびフマル酸である。
【0027】
用語「薬学的に許容される補助物質」は、担体および製剤の他の成分と適合する希釈剤または賦形剤などの補助物質を表す。
【0028】
用語「薬学的組成物」は、特定の成分をあらかじめ規定された量または比率で含む製品、ならびに特定の成分を特定の量で組み合わせることにより、直接的または間接的に生じる、いかなる製品をも包含する。特に、1つまたは複数の活性成分、および不活性成分を含む任意選択の担体を含む製品、ならびに、いかなる2つ以上の成分の組合せ、複合または凝集から、あるいは1つまたは複数の成分の解離から、あるいは1つまたは複数の成分の他のタイプの反応または相互作用から、直接的または間接的に生じるいかなる製品をも包含する。
【0029】
用語「阻害剤」は、特定の受容体に対する特定のリガンドの結合と競合するか、結合を低減または阻害するか、あるいは特定のたんぱく質の機能の阻害を低減または阻害する化合物を意味する。
【0030】
用語「最大半量阻害濃度」(IC50)は、インビトロ生物学的プロセスの50%阻害を得るために必要な特定の化合物の濃度を意味する。IC50値は、対数的にpIC50値(-log IC50)に変換することができ、より高い値は指数関数的により大きな力価を示す。IC50値は、絶対値ではなく、実験条件、例えば、使用される濃度、に依存する。IC50値は、Cheng-Prusoff式11を用いて、絶対阻害定数(Ki)に変換することができる。
【0031】
「治療的有効量」は、病状を治療するために対象に投与するときに、病状に対するそうした治療をもたらすのに十分な、化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、治療される病状、治療される重症度または疾患、対象の年齢および相対的健康、投与の経路および形態、担当の医療または獣医学施術者の判断、および他の要因に依存して変動することになる。
【0032】
用語「本明細書において定義の」および「本明細書において記述の」は、変数に関する場合、変数の広範な定義、ならびに、存在する場合には、特に、より特に、最も特に、定義を、参照することにより組み込む。
【0033】
用語「処理する」、「接触する」および「反応する」は、化学反応に関する場合、指示されたおよび/または所望の生成物を生成するために適切な条件下で、2つ以上の試薬を、添加または混合することを意味する。指示されたおよび/または所望の生成物を生成する反応は、必ずしも初めに添加された2つの試薬の組合せから直接的に生じるのではなくてよく、すなわち、最終的に、指示されたおよび/または所望の生成物の形成につながる混合物において生成される1つまたは複数の中間体が存在してよいことが理解されるべきである。
【0034】
用語「芳香族」は、文献、特にIUPAC- Compendium of Chemical Terminology, 2nd, A. D. McNaughtおよびA. Wilkinson(編)、Blackwell Scientific Publications、Oxford(1997)において定義の、芳香族性の従来の考えを意味する。
【0035】
用語「薬学的に許容される賦形剤」は、薬学的製品の製剤化において使用される崩壊剤、バインダー、充填剤、溶媒、バッファー、等張化剤、安定剤、抗酸化剤、界面活性剤または潤滑剤などの、治療活性を有さず、かつ無毒性であるいかなる成分をも意味する。
【0036】
化学構造中に不斉炭素が存在する場合には常に、不斉炭素が純粋な立体異性体ならびにその混合物として構造物に包含されることに、すべての立体異性体が関連することが意図される。
【0037】
本発明はまた、薬学的組成物、使用方法、および前述の化合物を調製する方法を提供する。
【0038】
すべての個別の実施形態は、組み合わされてよい。
【0039】
本発明の一実施形態は、式I、
式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Cは、ヘテロアリールであり、
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)-(CH-N(R,R)、
ii)-(C=O)-N(R,R)、
iii)ハロゲン、
iv)-NH-(C=O)-C1-6-アルキル、および
v)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、および
ii)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと共にヘテロシクリルを形成し、そのヘテロシクリルは任意選択で、Rによって置換され、
は、互いに独立して、
i)-OH、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
kは0、1または2であり、
nは0、1、2または3であり;
mは0、1または2であり、
pは0または1である;
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0040】
本発明の特定の一実施形態は、
式中、
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Cは、ヘテロアリールであり、
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)-(CH-N(R,R)、
ii)-(C=O)-N(R,R)、
iii)-NH-(C=O)-C1-6-アルキル、および
iv)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)アミノ、
ii)C1-6-アルキル、
iii)C1-6-アルコキシ、
iv)シアノ、
v)ハロゲン、
vi)ハロゲン-C1-6-アルキル、
vii)ハロゲン-C1-6-アルコキシ、および
viii)ヒドロキシ、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、および
ii)C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
は、互いに独立して、
i)H、
ii)C1-6-アルキル、および
iii)-(C=O)-C1-6-アルキル、
から成る群から選択され;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと共にヘテロシクリルを形成し、
kは0、1または2であり、
nは0、1、2または3であり;
mは0、1または2であり、
pは0または1である、
本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0041】
本発明の特定の一実施形態は、Aがアリール、特にフェニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0042】
本発明の特定の一実施形態は、Aがアリールである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0043】
本発明の特定の一実施形態は、Aがフェニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0044】
本発明の特定の一実施形態は、Aがピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0045】
本発明の特定の一実施形態は、Bがアリール、特にフェニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0046】
本発明の特定の一実施形態は、Bがアリールである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0047】
本発明の特定の一実施形態は、Bがフェニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0048】
本発明の特定の一実施形態は、Bがヘテロアリール、特にピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0049】
本発明の特定の一実施形態は、Bがヘテロアリールである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0050】
本発明の特定の一実施形態は、Bがピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0051】
本発明の特定の一実施形態は、Bがフェニルまたはピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0052】
本発明の特定の一実施形態は、Cがヘテロアリール、特にチアゾリルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0053】
本発明の特定の一実施形態は、Cがヘテロアリールである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0054】
本発明の特定の一実施形態は、Cがヘテロアリール、特にチアゾリルまたはピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0055】
本発明の特定の一実施形態は、Cがチアゾリルまたはピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0056】
本発明の特定の一実施形態は、Cがピリジニルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0057】
本発明の特定の一実施形態は、nが0、1または2である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0058】
本発明の特定の一実施形態は、nが0である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0059】
本発明の特定の一実施形態は、nが1である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0060】
本発明の特定の一実施形態は、nが2である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0061】
本発明の特定の一実施形態は、mが1である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0062】
本発明の特定の一実施形態は、mが0である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0063】
本発明の特定の一実施形態は、pが0である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0064】
本発明の特定の一実施形態は、pが1である、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0065】
本発明の特定の一実施形態は、Rがハロゲンである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0066】
本発明の特定の一実施形態は、RがFである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0067】
本発明の特定の一実施形態は、Rが-(C=O)-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH)、-CH-(4-メチルピペラジニル)、-CH-(4-アセチルピペラジニル)、-CH-(4-エチルピペラジニル)、-CH-(4-ヒドロキシ-ピペリジル)、-CH-(モルホリニル)、-CHNH、-CH-ピペラジニル、Cl、-N(H,C=OCH)、または-NH、特に-C=O-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH)、-CH-(4-アセチルピペラジニル)、-CH-(4-エチルピペラジニル)、-CH-モルホリニル、-CH-NH、-CH-ピペラジニル、-N(H,(C=O)CH)または-NHである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0068】
本発明の特定の一実施形態は、Rが-(C=O)-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH)、-CH-(4-メチルピペラジニル)、-CH-(4-アセチルピペラジニル)、-CH-(4-エチルピペラジニル)、-CH-(4-ヒドロキシ-ピペリジル)、-CH-(モルホリニル)、-CHNH、-CH-ピペラジニル、Cl、-N(H,C=OCH)、または-NHである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0069】
本発明の特定の一実施形態は、Rが-C=O-モルホリニル、-(C=O)N(H,CH)、-CH-(4-アセチルピペラジニル)、-CH-(4-エチルピペラジニル)、-CH-モルホリニル、-CH-NH、-CH-ピペラジニル、-N(H,(C=O)CH)、または-NHである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0070】
本発明の特定の一実施形態は、Rが-NHである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0071】
本発明の特定の一実施形態は、Rが-NHである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0072】
本発明の特定の一実施形態は、Aがフェニルであり、nが0であり、Bがフェニルであり、mが0であり、かつCがチアゾリルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0073】
本発明の特定の一実施形態は、Aがフェニルであり、nが0であり、Bがピリジルであり、mが0であり、かつCがチアゾリルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0074】
本発明の特定の一実施形態は、Aがフェニルであり、nが1であり、Rが-NHであり、Bがフェニルであり、mが0であり、かつCがチアゾリルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0075】
本発明の特定の一実施形態は、Aがフェニルであり、nが1であり、Rが-NHであり、Bがピリジルであり、mが0であり、かつCがチアゾリルである、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0076】
本発明の特定の一実施形態は、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[7-フルオロ-1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アセトアミド-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-ヒドロキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドトリフルオロアセテート、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(アミノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)-3-ピリジル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、および
N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド
から成る群から選択される、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0077】
本発明の特定の一実施形態は、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アセトアミド-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(アミノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)-3-ピリジル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド、および
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
から成る群から選択される、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0078】
本発明の特定の一実施形態は、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アセトアミド-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(アミノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、
(2RS)-2-[6-[2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)-3-ピリジル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド、および
N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド
から成る群から選択される、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0079】
本発明の特定の一実施形態は、治療的活性物質としての使用のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0080】
本発明の特定の一実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療および/または予防措置における使用のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0081】
本発明の特定の一実施形態は、非小細胞肺がんの治療および/または予防措置における使用のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0082】
本発明の特定の一実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療および/または予防措置のための医薬の製造のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0083】
本発明の特定の一実施形態は、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される補助物質を含む薬学的組成物に関する。
【0084】
本発明の特定の一実施形態は、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を患者に投与することによる、がん、特に非小細胞肺がんの治療および/または予防措置のための方法に関する。
【0085】
本発明の特定の一実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患しているEGFR活性化変異を有する患者の治療および/または予防処置において、前記患者におけるEGFR活性化変異状態を判定すること、および、次いで、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、前記患者に投与することを含む、医薬としての使用のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0086】
本発明の特定の一実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患している、cobas(登録商標)EGFR Mutation Test v2により判定されたEGFR活性化変異を有する患者の治療および/または予防処置において、前記患者におけるEGFR活性化変異状態を判定すること、および、次いで、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、前記患者に投与することを含む、医薬としての使用のための、本明細書において記述の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0087】
さらに、本発明は、すべての光学異性体、すなわちジアステレオ異性体、ジアステレオマー混合物、ラセミ混合物、それらの対応するエナンチオマーおよび/または互変異性体すべて、ならびにそれらの式Iの化合物の溶媒和物を含む。
【0088】
式Iの化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含んでよく、したがってラセミ体、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個別ジアステレオマーとして生じることがある。分子上の種々の置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在してよい。そうした各不斉中心は、独立して、2つの光学異性体を生成し、混合物中で発生しうるすべての光学異性体およびジアステレオマーが、純粋なまたは部分的に生成された化合物として、本発明に含まれることが意図されている。本発明は、これら化合物のそうした異性体形態すべてを包含するよう意図されている。これらのジアステレオマーの個別の合成またはそれらのクロマトグラフィー分離は、当該技術分野で既知の通り、本明細書において開示の方法の適切な変更によって達成されてよい。それらの絶対立体化学は、必要に応じて既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬によって誘導体化されている結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶解析によって決定されてよい。所望であれば、化合物のラセミ混合物を、個々のエナンチオマーが単離されるように、分離してよい。分離は、当該技術分野で周知の方法、例えば化合物のラセミ混合物の鏡像異性的に純粋な化合物へのカップリングによりジアステレオマー混合物を形成し、続いて個々のジアステレオマーを、分別再結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的方法によって分離するなどの方法、で行われてよい。
【0089】
光学的に純粋なエナンチオマーが提供される実施形態において、光学的に純粋なエナンチオマーは、化合物が>90重量%の所望の異性体、好ましくは>95重量%の所望の異性体、より好ましくは>99重量%の所望の異性体を含み、前記重量%は、化合物の異性体の全重量に対するものであることを意味する。キラル的に純粋なまたはキラル的に濃縮された化合物は、キラル選択的合成またはエナンチオマーの分離によって調製されてよい。エナンチオマーの分離は、最終生成物に対して、または別法として適切な中間体に対して行われてよい。
【0090】
式Iの化合物は、実施例に記述の模式図に従って調製されてよい。出発物質は市販されているものであり、あるいは既知の方法に従って調製されてよい。
【0091】
式Iの化合物の調製は、さらに模式図1および実施例においてより詳細に記述される。
【0092】
一般式Iのイソインドリン-アセチレンベースの化合物は、例えば、式1の適切に置換された酸および式2の適切に置換されたアミンのTBTUなどのカップリング剤によるアミドカップリングにより、式3の所望のアミド誘導体を産生することによって得ることができる。脱保護に続いて式5のヨードまたはブロモ2-(ブロモメチル)安息香酸メチルによる環化によって所望のイソインドリン6を生じる。式7の適切に置換されたアセチレンとの薗頭カップリングにより、所望の、一般式Iのイソインドリン-アセチレンベースの化合物が形成される(模式図1)。
【0093】
一般的に言えば、式Iの化合物を合成するために使用される一連の工程は、特定の事例において、また変更されてもよい。
【0094】
一般的に言えば、式Iの化合物を合成するために使用される一連の工程は、特定の事例において、また変更されてもよい。
【0095】
酸との相対する薬学的に許容される塩は、当業者に既知の標準的方法、例えば、式Iの化合物を適切な溶媒、例えばジオキサンまたはテトラヒドロフランなどに溶解し、適切な量の相対する酸を添加すること、によって得ることができる。生成物は通常、濾過またはクロマトグラフィーによって単離することができる。式Iの化合物の、塩基による、薬学的に許容される塩への変換は、そうした化合物のそうした塩基による処理により行うことができる。そうした塩を形成するのが可能な方法の一つは、例えば1/n当量の塩基性塩、例えば、式中M=金属またはアンモニウムカチオン、かつn=水酸化物アニオンの数である、M(OH)など、を適切な溶媒(例えば、エタノール、エタノール-水混合物、テトラヒドロフラン-水混合物)中の化合物溶液に添加することによるものである、かつ溶媒をエバポレーションまたは凍結乾燥により除去するものである。特定の塩は、塩酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩である。
【0096】
それらの調製が実施例に記述されていない限りでは、式Iの化合物ならびにすべての中間体生成物は類似の方法に従ってまたは本明細書に記述の方法に従って、調製されうる。出発物質は、市販の、当技術分野で既知のものであり、または当技術分野で既知の方法またはそれに類似の方法によって調製されうる。
【0097】
本発明における一般式Iの化合物は、インビボで親化合物に戻る変換が可能な誘導体を提供するために、官能基において誘導体化されてよいことが理解されよう。
【0098】
薬理的試験
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、有用な薬理的特性を有する。化合物は、以下に示す試験に従って、調査された。
【0099】
HTRFホスホEGFRアッセイ(細胞)
細胞株および培地
H1975細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(米国バージニア州マナサス)より入手された。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco)で補充した、フェノールレッド不含、0.3mg/mlグルタミン、100IU/mlペニシリン、および100mg/mlストレプトマイシン(Gibco)含有の完全培地RPMI 1640中、37℃、5%CO存在下で保持した。化合物を、フェノールレッド不含、0.3mg/mlグルタミン、100IU/mlペニシリン、および100mg/mlストレプトマイシン(Gibco)含有の飢餓培地RPMI 1640培地に希釈した。
【0100】
プロトコール
細胞を、384-ウェル白色プレート(8000細胞/ウェル)中で、8μlの完全培地/ウェルを用いて一晩、培養した。細胞を20μlの飢餓培地で2回洗浄した。プレートを組織上でタッピングして培地を除去し、続いて8μlの新しい飢餓培地/ウェルを添加した。次に、飢餓培地中に半対数希釈した一連の化合物またはDMSOを含む、4μl/ウェルの3×化合物溶液を細胞に添加した。37℃、5%CO下で6時間保持後、4μl/ウェルの補充した溶解バッファーを化合物混合物に添加することによって細胞を溶解し、続いて振盪しながら室温で30分間インキュベートした。溶解物を-20℃で一晩、保存した。翌日、プレートを解凍し、2μlの抗-ホスホ-EGFRクリプテートおよび検出バッファー中に調製した2μlの抗-ホスホ-EGFR-d2抗体溶液を加えた。次いで、プレートを、室温で少なくとも4時間インキュベートし、その後PHERAstar FXプレートリーダー(BMG Labtech)を用いて、620および665nmで蛍光発光を読み取った。
【0101】
薬学的組成物
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、治療的活性物質として、例えば薬学的調製物の形態で使用することができる。薬学的調製物は、経口で、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハードおよびソフトゼラチンカプセル、溶液、エマルションまたは懸濁液の形態で、投与されてよい。しかし、投与はまた、直腸的に、例えば座薬の形態で、または非経口的に、例えば注射液の形態で、行われてよい。
【0102】
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、薬学的調製物の製造のために薬学的に不活性な、無機または有機担体によって処理されてよい。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩、等が、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠およびハードゼラチンカプセルに対するそうした担体として、使用されてよい。ソフトゼラチンカプセルに対する適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、油脂、半固体および液体ポリオール等である。しかし活性物質の性質によって、ソフトゼラチンカプセルの場合には、通常、担体が必要とされない。溶液およびシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油等である。座薬に適切な担体は、例えば、天然油または硬化油、ワックス、油脂、半液体または液体ポリオール等である。
【0103】
薬学的調製物は、さらに、薬学的に許容される補助物質、例えば防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、バッファー、マスキング剤または抗酸化剤等、を含むことができる。薬学的調製物はまた、さらに他の治療的に有用な物質をも含むことができる。
【0104】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩および治療的に不活性な担体を含む医薬もまた、本発明によって提供され、その製造のための工程として、1つまたは複数の式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩をもたらすこと、所望であれば、1つまたは複数の治療的に有用なその他の物質を1つまたは複数の治療的に不活性な担体と共にガレヌス投与形態にもたらすことを含む。
【0105】
用量は、幅広い限度内で変動してよく、当然、特定の各事例において、個々の必要性に適合させなければならないことになる。経口投与の場合、成人に対する用量は、1日当たり、一般式Iの化合物で約0.01mgから約1000mgの範囲で、またはその薬学的に許容される塩の対応する量の範囲で変動してよい。1日用量は、単一用量としてまたは分割用量で投与されてよく、さらに、それが指示されていることが認められる場合、上限値を超えてもよい。
【0106】
以下の実施例は、本発明を限定することなく例証するが、その代表としての働きをするに過ぎない。薬学的調製物は、好都合には、約1~500mg、特に1~100mgの式Iの化合物を含む。本発明の組成物の実施例は:
【実施例
【0107】
実施例A
以下の組成の錠剤を、通常の方法で製造する:
【0108】
製造手順
1. 成分1、2、3および4を混合し、精製水で顆粒化する。
2. 顆粒を50℃で乾燥する。
3. 適切な微粉砕装置に顆粒を通す。
4. 成分5を添加し、3分間混合する;適切な圧縮機で圧縮する。
【0109】
実施例B-1
以下の組成のカプセルを製造する:
【0110】
製造手順
1. 成分1、2および3を適切なミキサーで30分間混合する。
2. 成分4および5を添加し、3分間混合する。
3. 適切なカプセルに充填する。
【0111】
式Iの化合物、ラクトースおよびコーンスターチを、先ずミキサー内で、次いで粉砕機内で混合する。混合物をミキサーに戻す;そこにタルクを添加し、十分に混合する。混合物を機械で適切なカプセル、例えばハードゼラチンカプセル、に充填する。
【0112】
実施例B-2
以下の組成のソフトゼラチンカプセルを製造する:
【0113】
製造手順
式Iの化合物を、他の成分の温かい溶融物中に溶解し、その混合物を適切な寸法のソフトゼラチンカプセルに充填する。充填したソフトゼラチンカプセルを通常の手順に従って処理する。
【0114】
実施例C
以下の組成の座薬を製造する:
【0115】
製造手順
座薬塊をガラスまたは鋼鉄容器中で融解し、十分に混合して、45℃に冷却する。その後直ちに、微細粉末化した式Iの化合物を添加し、それが完全に分散するまで攪拌する。混合物を適切な寸法の座薬型に注入し、放冷する;次いで、座薬を型から取り出し個別にワックスペーパーまたは金属箔に詰める。
【0116】
実施例D
以下の組成の注射液を製造する:
【0117】
製造手順
式Iの化合物を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部分)の混合物に溶解する。酢酸でpHを5.0に合わせる。水の残量を加えて体積を1.0mlに合わせる。溶液を濾過し、適切な過剰量を用いてバイアルに充填し、滅菌する。
【0118】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する:
【0119】
製造手順
式Iの化合物を、ラクトース、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、ポリビニルピロリドンの水中混合物により顆粒化する。顆粒をステアリン酸マグネシウムおよび香味添加剤と混合し、サシェに充填する。
【0120】
実験部分
以下の実施例は、本発明の例証のために提供される。実施例は本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではなく、単にそれを代表するものとみなされるべきである。
【0121】
実施例1
(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチルN-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート
(2RS)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-フェニル酢酸(9.5g、37.8mmol)を75mlの酢酸エチルおよび10mlのDMFに溶解した。チアゾール-2-アミン(3.79g、37.8mmol、1当量)、ヒューニッヒ塩基(14.7g、19.8ml、113mmol、3当量)およびプロピルホスホン酸無水物溶液(酢酸エチル中50%)(36.1g、33.8ml、56.7mmol、1.5当量)を室温で滴下した。混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、エバポレートし、乾固させた。所望のtert-ブチルN-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(12g、収率95%)が明黄色固体として得られた、MS:m/e=334.5(M+H)。
工程2:(2RS)-2-アミノ-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
tert-ブチルN-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(実施例1、工程1)(12g、37mmol)を100mlのMeOHに溶解し、HCl(ジオキサン中4N)(27.7ml、111mmol、3当量)を室温で添加した。混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固し、次の工程で直接使用した。所望の(2RS)-2-アミノ-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(定量的収率)が灰色固体として得られた、MS:m/e=234.4(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例1、工程2)(1.22g、4.51mmol)を15mlのジオキサンおよび2.5mlのDMAに溶解した。2-(ブロモメチル)-5-ヨード安息香酸メチル(CAS 1310377-56-0)(1.6g、4.51mmol、1当量)およびトリエチルアミン(2.28g、3.14ml、22.5mmol、5当量)を室温で添加した。混合物を100℃で2時間、攪拌した。反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層をブラインで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から100:0の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(870mg、収率41%)を黄色固体として得た、MS:m/e=475.9(M+H)。
工程4:(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)(50mg、0.105mmol)およびフェニルアセチレン(16.1mg、17.3μl、0.158mmol、1.5当量)を2mlのTHFに溶解した。トリエチルアミン(16mg、22μl、0.158mmol、1.5当量)、ビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリド(3.7mg、0.005mmol、0.05当量)、トリフェニルホスフィン(2.8mg、0.01mmol、0.1当量)およびヨウ化銅(I)(0.2mg、0.001mmol、0.01当量)を添加し、混合物を60℃で2時間、攪拌した。反応混合物を蒸発乾固し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から100:0の勾配で溶出して精製した。所望の(2RS)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(30mg、収率63%)が明褐色固体として得られた、MS:m/e=450.0(M+H)。
【0122】
実施例2
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)および3-エチニルピリジンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=451.4(M+H)。
【0123】
実施例3
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色泡として得られた、MS:m/e=466.6(M+H)。
【0124】
実施例4
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチルN-[(1RS)-1-(3-フルオロフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート
(2RS)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(3-フルオロフェニル)酢酸およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=352.4(M+H)。
工程2:(2RS)-2-アミノ-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
tert-ブチルN-[(1RS)-1-(3-フルオロフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(実施例4、工程1)から出発して、実施例1、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=252.4(M+H)。
工程3:(2RS)-2(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例4、工程2)および5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチルから出発して、実施例1、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色泡として得られた、MS:m/e=446.4/448.4(M+H)。
工程4:(2RS)-2[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-フルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例4、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=484.5(M+H)。
【0125】
実施例5
(2RS)-2[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチルN-[(1RS)-1-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート
(2RS)-2(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(2,5-ジフルオロフェニル)酢酸およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=370.5(M+H)。
工程2:(2RS)-2-アミノ-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
tert-ブチルN-[(1RS)-1-(2,5-ジフルオロフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(実施例5、工程1)から出発して、実施例1、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=270.5(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例5、工程2)および5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチルから出発して、実施例1、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色泡として得られた、MS:m/e=464.4/466.4(M+H)。
工程4:(2RS)-2[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例5、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=502.5(M+H)。
【0126】
実施例6
(2RS)-2[6-[2-[4-(アミノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)および(4-エチルフェニル)メタンアミン塩酸塩から出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=479.6(M+H)。
【0127】
実施例7
(2RS)-2[6-[2-(6-アセトアミド3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例3)および酢酸から出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色半固体として得られた、MS:m/e=508.5(M+H)。
【0128】
実施例8
(2RS)-2[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-カルバルデヒド
1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-カルバルデヒド(1g、7.53mmol)を10mlのDCMに溶解した。ヒューニッヒ塩基(1.95g、 2.63ml、15.1mmol、2当量)および(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(1.63g、1.73ml、9.8mmol、1.3当量)を室温で滴下した。混合物を室温で70時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で抽出し、DCMで2回抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から50:50の勾配で溶出して精製し、所望の1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-カルバルデヒド(1.6g、収率80%)を無色油として得た、MS:m/e=267.4(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトニトリル
1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-カルバルデヒド(実施例8、工程1)(1.6g、6.02mmol)を20mlのアセトニトリルに溶解した。2-(アミノメチル)-5-ブロモ安息香酸メチル塩酸塩(1.69g、6.02mmol、1当量)、ヒューニッヒ塩基(1.95g、2.63ml、15.1mmol、2.5当量)およびトリメチルシリルシアニド(0.7g、0.96ml、7.22mmol、1.2当量)を室温で添加した。混合物を75℃で17時間、攪拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を、水およびブラインで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から50:50の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトニトリル(1.66g、収率57%)を黄色固体として得た、MS:m/e=487.5/489.5(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトニトリル(実施例8、工程2)(1.66g、3.4mmol)を12mlのエタノールに溶解した。KOH(2M水溶液)(8.5ml、17mmol、5当量)を室温で添加した。混合物を100℃で4時間、攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、8mlの酢酸でpH5に中和した。混合物を水で2回、および酢酸エチルで2回抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。所望の(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸(1.7g、収率78%、純度80%)を明黄色泡として得た、MS:m/e=506.4/508.5(M+H)。
工程4:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸(実施例8、工程3)およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色泡として得られた、MS:m/e=588.5/590.5(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトアミド(実施例8、工程4)および5-エチニルピリジン-2-アミンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色半固体として得られた、MS:m/e=626.7(M+H)。
工程6:(2RS)-2[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトアミド(実施例8、工程5)から出発して、実施例1、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色半固体として得られた、MS:m/e=496.1(M+H)。
【0129】
実施例9
N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド
工程1:5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボン酸
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)および5-エチニルピコリン酸から出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明緑色固体として得られた、MS:m/e=495.5(M+H)。
工程2:N-メチル-5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボキサミド
5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボン酸(実施例9、工程1)およびメチルアミンから出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=508.5(M+H)。
【0130】
実施例10
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
工程1:tert-ブチル4-(4-エチニルベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート
4-エチニルベンズアルデヒド(400mg、3.07mmol)を15mlのDCMに溶解した。tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(687mg、3.7mmol、1.2当量)およびトリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(780mg、3.7mmol、1.2当量)を室温で添加した。混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を水で抽出し、DCMで2回抽出した。有機層を、ブラインで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から50:50の勾配で溶出して精製し、所望のtert-ブチル4-(4-エチニルベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(670mg、収率73%)を無色油として得た、MS:m/e=301.5(M+H)。
工程2:tert-ブチル4-[[4-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]フェニル]メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)およびtert-ブチル4-(4-エチニルベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(実施例10、工程1)から出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオレンジ色固体として得られた、MS:m/e=648.9(M+H)。
工程3:(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
tert-ブチル4-[[4-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]フェニル]メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート(実施例10、工程2)から出発して、実施例1、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明褐色固体として得られた、MS:m/e=546.5(M+H)。
【0131】
実施例11
(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[6-[2-[(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例1、工程3)および4-エチニルベンズアルデヒドから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオレンジ色固体として得られた、MS:m/e=478.6(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-[(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例11、工程1)およびモルホリンから出発して、実施例10、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=549.7(M+H)。
【0132】
実施例12
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例10)および酢酸から出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=588.6(M+H)。
【0133】
実施例13
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例10)(30mg、0.05mmol)を1mlのアセトニトリルに溶解した。炭酸カリウム(57mg、0.41mmol、8当量)およびヨードエタン(9.6mg、0.06mmol、1.2当量)を室温で添加した。混合物を65℃で4時間攪拌した。反応混合物を水で抽出し、DCMで2回抽出した。有機層を、ブラインで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、ジクロロメタン:メタノール100:0から85:15の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(13mg、収率44%)を無色固体として得た、MS:m/e=576.8(M+H)。
【0134】
実施例14
(2RS)-2-[6-[2-[6-(モルホリン-4-カルボニル)-3-ピリジル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-フェニル-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
5-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-2-オキソ-1-フェニル-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]ピリジン-2-カルボン酸(実施例9、工程1)およびモルホリンから出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=564.6(M+H)。
【0135】
実施例15
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチル[(1RS)-1-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート
(2RS)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)酢酸から出発して、実施例1、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=382.5(M+H)。
工程2:(2RS)-2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド塩酸塩
tert-ブチル[(1RS)-1-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(実施例15、工程1)から出発して、実施例1、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明緑色固体として得られた、MS:m/e=282.4(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(6-ヨード-1-オキソイソインドリン-2-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド塩酸塩(実施例15、工程2)および2-(ブロモメチル)-5-ヨード安息香酸メチルから出発して、実施例1、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=524.4(M+H)。
工程4:(2RS)-2-(6-((6-アミノピリジン-3-イル)エチニル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(6-ヨード-1-オキソイソインドリン-2-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド(実施例15、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色油として得られた、MS:m/e=514.6(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-((6-アミノピリジン-3-イル)エチニル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド(実施例15、工程4)(80mg、0.16mmol)を2.5mlのジクロロメタンに溶解した。BBr3(ジクロロメタン中1M)(0.62mg、0.62mmol、4当量)を室温で添加した。混合物を25℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(56mg、3.1mmol、20当量)でクエンチし、粗生成物溶液を直接、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、ジクロロメタン:メタノール100:0から80:20の勾配で溶出して精製し、所望の、(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソイソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(56mg、収率72%)を明黄色固体として得た、MS:m/e=500.0(M+H)。
【0136】
実施例16
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート
6-ブロモイソインドリン-1-オン(CAS 675109-26-9)(1.61g、 7.58mmol、1.05当量)を32mlのTHF中に懸濁させ、0~5℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(318mg、7.94mmol、1.1当量)を、0~5℃で添加した。反応混合物を室温で15分間攪拌し、次いで0~5℃に冷却した。8.0mlのTHFに溶解したメチル(2RS)-2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)アセテート(CAS 1368458-30-3)(2.00g、7.22mmol)を、0~5℃で滴下した。添加完了後に、氷浴を除去し、反応混合物を室温で2時間、攪拌した。反応混合物を、飽和NHCl溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。水層を、酢酸エチルで逆抽出した。有機層を、水およびブラインで洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から50:0の勾配で溶出して精製し、所望のメチル(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(2.202g、収率75%)を黄色泡として得た、MS:m/e=408.0/410.0(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸
メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(実施例16、工程1)(2.200g、5.39mmol)を10mlのTHFおよび10mlのメタノールに溶解した。水酸化リチウム一水和物(678mg、16.2mmol、3当量)を添加し、次いで10mlの水を添加して、反応混合物を室温で2時間、攪拌した。有機溶媒を減圧下で除去した。水性残留物を5%クエン酸溶液で酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。水層を、酢酸エチルで逆抽出した。有機層を、水およびブラインで洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。所望の(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(2.056g、収率97%)が黄色固体として得られた、MS:m/e=394.1/396.1(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(実施例16、工程2)(2.050g、5.2mmol)およびチアゾール-2-アミン(651mg、6.5mmol、1.3当量)を13mlのDMFに溶解した。ヒューニッヒ塩基(2.81g、3.8ml、21.8mmol、4.2当量)を添加し、次いでTBTU(2g、6.24mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を室温で4日間、攪拌した。反応混合物を水で希釈した(沈殿物が形成された)。懸濁液を0~5℃に冷却し、30分間、攪拌した。冷懸濁液を濾過し、水および最少量の酢酸エチルで濯いだ。生成したオフホワイトの固体を、ローターバップを用いて乾燥し、次いで高真空下に置き、(2RS)-2(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(2.210g、収率89%)を得た、MS:m/e=476.0/478.0(M+H)。
工程4:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例16、工程3)(110mg、0.231mmol)を2.3mlのDMFに溶解し、3-エチニルピリジン(35mg、0.339mmol、1.5当量)、トリエチルアミン(72.6mg、0.10ml、0.717mmol、3.1当量)、トリフェニルホスフィン(6mg、0.023mmol、0.10当量)、ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリド(8mg、0.0114mmol、0.05当量)およびヨウ化銅(I)(2mg、0.0105mmol、0.05当量)を添加し、反応混合物を90℃で6時間、攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で抽出した。水層を、酢酸エチルで2回、逆抽出した。有機層を水で4回、ブラインで1回、洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物をisolute(登録商標)に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、ジクロロメタン:メタノール100:0から95:5の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(61mg、収率53%)を明黄色固体として得た、MS:m/e=499.2(M+H)。
工程5:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例16、工程4)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=485.1(M+H)。
【0137】
実施例17
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例15、工程3)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=510.0(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例17、工程1)(315mg、0.619mmol)を2.0mlのDMFに溶解した。tert-ブチルジメチルクロロシラン(103mg、0.680mmol、1.1当量)を添加し、続いてイミダゾール(50mg、0.734mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間、攪拌した。追加のtert-ブチルジメチルクロロシラン(34mg、0.226mmol、0.365当量)を添加し、続いてイミダゾール(17mg、0.250mmol、0.404当量)を添加した。反応混合物を室温で5時間、攪拌した。反応混合物をMTBEおよび水で抽出した。水層を、MTBEで逆抽出した。有機層を水で3回、ブラインで1回、洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物をisolute(登録商標)に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から50:50の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(282mg、収率73%)をオフホワイトの固体として得た、MS:m/e=624.3(M+H)。
工程3:(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例17、工程2)およびフェニルアセチレンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色固体として得られた、MS:m/e=598.3(M+H)。
工程4:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例17、工程3)(45mg、0.075mmol)を1.2mlのTHFに溶解した。テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1.0M)(79μl、0.079mmol、1.05当量)を室温で添加し、反応混合物を室温で60分間、攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で抽出した。水層を、酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水で3回、ブラインで1回、洗浄した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物をisolute(登録商標)に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、ジクロロメタン:メタノール100:0から95:5の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-(2-フェニルエチニル)イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(27mg、収率74%)を明黄色固体として得た、MS:m/e=484.2(M+H)。
【0138】
実施例18
(2RS)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イルアセトアミド(実施例17、工程2)および5-エチニルピリミジン-2-アミン(CAS 857265-74-8)から出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=615.5(M+H)。
工程2:(R2S)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(2-アミノピリミジン-5-イル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例18、工程1)から出発して、実施例17、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの粉末として得られた、MS:m/e=501.3(M+H)。
【0139】
実施例19
(2RS)-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-(6-ヨード-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-N-チアゾール-2-イルアセトアミド(実施例17、工程2)および2-クロロ-4-エチニルピリジン(CAS 945717-09-9)から出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色固体として得られた、MS:m/e=633.2(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
((2RS)-2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-5-フルオロ-フェニル]-2-[6-[2-(2-クロロ-4-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例19、工程1)から出発して、実施例17、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=519.1(M+H)。
【0140】
実施例20
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(実施例16、工程2)およびピリジン-2-アミン(CAS 504-29-0)から出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=470.2/472.2(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド(実施例20、工程1)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=508.4(M+H)。
工程3:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド(実施例20、工程2)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=494.4(M+H)。
【0141】
実施例21
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)アセテート
(2RS)-2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(CAS 1368458-30-3)および6-ブロモ-7-メチル-イソインドリン-1-オン(CAS 1427394-72-6)から出発して、実施例16、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色泡として得られた、MS:m/e=422.0/424.0(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸
メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)アセテート(実施例21、工程1)から出発して、実施例16、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=408.0/410.0(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(実施例21、工程2)およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=490.0/492.0(M+H)。
工程4:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例21、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明褐色固体として得られた、MS:m/e=528.3(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例21、工程4)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=514.2(M+H)。
【0142】
実施例22
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(実施例21、工程2)およびピリジン-2-アミン(CAS 504-29-0)から出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=484.2/486.2(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド(実施例22、工程1)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=522.2(M+H)。
工程3:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-7-メチル-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-(2-ピリジル)アセトアミド(実施例22、工程2)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=508.2(M+H)。
【0143】
実施例23
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:メチル(2RS)-2-ブロモ-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート
メチル-2-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)アセテート(CAS 26939-01-5)(1.14g、5.31mmol)を20mlのα,α,α-トリフルオロトルエン(CAS 98-08-08)に溶解した。N-ブロモコハク酸イミド(1.13g、6.37mmol、1.2当量)を添加し、続いて2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)(88mg、0.536mmol、0.10当量)を添加した。反応混合物を110℃で90分間、攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、isolute(登録商標)に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、酢酸エチル:ヘプタン0:100から20:80の勾配で溶出して精製し、所望のメチル(2RS)-2-ブロモ-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(1.367mg、収率88%)を明黄色油として得た、MS:m/e=293.1/295.1(M+H)。
工程2:メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート
メチル(2RS)-2-ブロモ-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(実施例23、工程1)および6-ブロモイソインドリン-1-オン(CAS 675109-26-9)から出発して、実施例16、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色泡として得られた、MS:m/e=424.0/425.9(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸
メチル(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)アセテート(実施例23、工程2)から出発して、実施例16、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=409.9/411.9(M+H)。
工程4:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(実施例23、工程3)およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=492.0/494.0(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例23、工程4)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色固体として得られた、MS:m/e=530.2/532.2(M+H)。
工程6:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例23、工程5)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=516.2/518.2(M+H)。
【0144】
実施例24
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-ヒドロキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチルN-[(1RS)-1-(2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート
(2RS)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(CAS 179417-69-7)およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=364.3(M+H)。
工程2:(2RS)-2-アミノ-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩
tert-ブチルN-[(1RS)-1-(2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]カルバメート(実施例24、工程1)(190mg、0.523mmol)を2mlのジクロロメタンに溶解し、HCl(ジオキサン中4N)(1.31ml、5.23mmol、10当量)を室温で添加した。反応混合物を室温で2時間、攪拌した。反応混合物を蒸発乾固し、直接次の工程で使用した。所望の(2RS)-2-アミノ-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(定量的収率)が白色固体として得られた、MS:m/e=264.3(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド塩酸塩(実施例24、工程2)(160mg、0.534mmol)を3mlのDMFに溶解し、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(CAS 79670-17-0)(197mg、0.640mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(270mg、0.37ml、2.67mmol、5当量)を室温で添加した。反応混合物を80℃で16時間、攪拌した。反応混合物を水で抽出し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、シリカゲルカラム上、ジクロロメタン:メタノール100:0から90:10の勾配で溶出して精製し、所望の(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(140mg、収率57%)を明黄色固体として得た、MS:m/e=458.3/460.3(M+H)。
工程4:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例24、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=496.5(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-ヒドロキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(2-メトキシフェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例24、工程4)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=482.4(M+H)。
【0145】
実施例25
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドトリフルオロアセテート
工程1:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)アセトニトリル
3-メトキシピコリンアルデヒドおよび2-(アミノメチル)-5-ブロモ安息香酸メチル塩酸塩から出発して、実施例8、工程2に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明赤色固体として得られた、MS:m/e=357.9/359.9(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)酢酸ナトリウム
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)アセトニトリル(実施例25、工程1)から出発し、水酸化カリウムの替りに水酸化ナトリウムを用いることにより、実施例8、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が黄色固体として得られた、MS:m/e=376.9/378.9(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)酢酸ナトリウム(実施例25、工程2)およびチアゾール-2-アミンから出発して、実施例16、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの固体として得られた、MS:m/e=458.9/460.9(M+H)。
工程4:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例25、工程3)および5-エチニルピリジン-2-アミン(CAS 82454-61-3)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明褐色固体として得られた、MS:m/e=495.1(M+H)。
工程5:(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミドトリフルオロアセテート
(2RS)-2-[6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例25、工程4)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用い、かつ逆相クロマトグラフィー(C18カラム、水中10%から90%のアセトニトリル水溶液+0.1%トリフルオロ酢酸)によって精製することにより、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=481.3(M+H)。
【0146】
実施例26
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[7-フルオロ-1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:3-ブロモ-6-(ブロモメチル)-2-フルオロ安息香酸エチル
3-ブロモ-2-フルオロ-6-メチル安息香酸エチルから出発して、溶媒として酢酸メチルを用いることにより、実施例23、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が無色油として得られた。
工程2:(2RS)-2-(6-ブロモ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド塩酸塩(実施例15、工程2)および3-ブロモ-6-(ブロモメチル)-2-フルオロ安息香酸エチル(実施例26、工程1)から出発して、実施例1、工程3に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=494.1/496.1(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[7-フルオロ-1-オキソ-6-[2-(3-ピリジル)エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例26、工程2)および3-エチニルピリジンから出発して、実施例1、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=503.2(M+H)。
【0147】
実施例27
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例16、工程3)および4-エチニルベンズアルデヒド(CAS 63697-96-1)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明褐色固体として得られた、MS:m/e=526.3(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例27、工程1)およびモルホリンから出発して、実施例10、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色泡として得られた、MS:m/e=597.4(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-(モルホリノメチル)フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例27、工程2)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=583.4(M+H)。
【0148】
実施例28
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例27、工程1)およびピペリジン-4-オール(CAS 5382-16-1)から出発して、実施例10、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色泡として得られた、MS:m/e=611.5(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-ヒドロキシ-1-ピペリジル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例28、工程1)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=597.4(M+H)。
【0149】
実施例29
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:tert-ブチル4-[[4-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-1-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]フェニル]メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート
(2RS)-2(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例16、工程3)およびtert-ブチル4-[(4-エチニルフェニル)メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート(実施例10、工程1)から出発して、実施例16、工程4に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオフホワイトの泡として得られた、MS:m/e=696.7(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
tert-ブチル4-[[4-[2-[3-オキソ-2-[(1RS)-1-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル]イソインドリン-5-イル]エチニル]フェニル]メチル]ピペラジン-1-カルボキシレート(実施例29、工程1)(248mg、0.356mmol)を9mlのメタノールと混合した。HCl(ジオキサン中4N)(891μl、3.56mmol、10当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を蒸発乾固した。残留物を水で希釈し、飽和NaHCO溶液中に注ぎ、ジクロロメタン:メタノール(9:1)混合物で3回抽出した。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固して、所望の(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(定量的収率)をオフホワイトの泡として得た、MS:m/e=596.5(M+H)。
工程3:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[1-オキソ-6-[2-[4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル]エチニル]イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例29、工程2)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=582.4(M+H)。
【0150】
実施例30
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例27、工程1)および1-メチルピペラジン(CAS 109-01-3)から出発して、実施例10、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物がオレンジ色固体として得られた、MS:m/e=610.4(M+H)。
工程2:(2RS)-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例30、工程1)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=596.3(M+H)。
【0151】
実施例31
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
工程1:(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[6-[2-(4-ホルミルフェニル)エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例27、工程1)および1-エチルピペラジン(CAS 5308-25-8)から出発して、実施例10、工程1に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が明黄色固体として得られた、MS:m/e=624.4(M+H)。
工程2:(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド
(2RS)-2-[6-[2-[4-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]エチニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-N-チアゾール-2-イル-アセトアミド(実施例31、工程1)から出発して、実施例15、工程5に記述のものと類似の化学作用を用いて、標題化合物が白色固体として得られた、MS:m/e=610.3(M+H)。
【0152】
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