IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

特許7191108基板グリッドを決定するための測定装置及び方法
<>
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図1
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図2
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図3
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図4
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図5
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図6
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図7
  • 特許-基板グリッドを決定するための測定装置及び方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】基板グリッドを決定するための測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20221209BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20221209BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
G01B11/00 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020537177
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2018085276
(87)【国際公開番号】W WO2019149423
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】18154053.5
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/773,576
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビジネン,フランシスカス,ゴデフリドゥス,キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ハルセボス,エド,マリア
(72)【発明者】
【氏名】メゲンス,ヘンリカス,ヨハネス,ランベルタス
(72)【発明者】
【氏名】ソハ,ロベルト,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン,ユーピン
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502134(JP,A)
【文献】特表2016-519765(JP,A)
【文献】特表2016-528549(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0148121(US,A1)
【文献】国際公開第2000/057126(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/182235(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/009036(WO,A1)
【文献】特表2017-537352(JP,A)
【文献】米国特許第09134256(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0161863(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0102753(US,A1)
【文献】Menchtchikov, et.al.,Reduction in overlay error from mark asymmetry using simulation, ORION, and alignment models,PROCEEDINGS OF SPIE,米国,SPIE,2018年03月20日,Vol.10587,p.p.105870C-1~105870C-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30、21/64-21/66
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造プロセスにさらされ且つプロセス歪みを有するターゲットを含む基板の測定から取得されたオーバーレイ測定エラーを補正するための値を算出するための方法であって、前記オーバーレイ測定エラーは、前記プロセス歪みの結果であり、前記方法は、
前記基板をアライメントするために使用される1つ又は複数のアライメントマークにおける非対称性を示すアライメント非対称データを取得することと、
前記オーバーレイ測定エラーにアライメント非対称データを相関させるモデルを取得することと、
前記オーバーレイ測定エラーを補正するための値を取得するために、フィードフォワード補正として、前記アライメント非対称データ及び前記モデルを用いることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記アライメント非対称データは、第1の特性を備えた放射を用いて測定された場合の前記1つ又は複数のアライメントマークの第1の測定された位置、及び、第2の特性を備えた放射を用いて測定された場合の前記1つ又は複数のアライメントマークの第2の測定された位置、における差を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の特性と前記第2の特性との間で変えられる前記特性は、波長及び/又は偏光である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オーバーレイ測定エラーから前記オーバーレイの測定用の補正を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オーバーレイの前記測定は、単一照明特性測定で実施された前記ターゲットの測定に基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記モデルを較正するために較正ステージを実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記較正ステージは、シミュレートされたターゲット及びシミュレートされたアライメントマークと、前記シミュレートされたターゲット及び前記シミュレートされたアライメントマークのシミュレートされた測定応答と、を含むシミュレートされた訓練データを用いて実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記較正ステージは、前記モデルが、前記アライメント非対称データに基づいて、前記オーバーレイ測定エラーを特徴付けできるように、前記モデルを較正する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モデルは、ニューラルネットワークを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アライメント非対称データは、前記製造プロセスが仕様内にあるかどうかを決定するために更に用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記製造プロセスが仕様内にあるかどうかに関する前記決定に基づいて、前記オーバーレイを測定するためのメトロロジ動作への修正を決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記オーバーレイを測定するためのメトロロジ動作の取得数を低減することであって、各取得が、異なる照明特性で実施されることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記アライメント非対称データをアライメント非対称閾値と比較すること、及び、前記比較に基づいて前記基板を分類すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の前記分類は、前記比較に基づいて、前記基板が、仕様内又は外にあるかどうかを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年1月30日に出願された欧州出願第18154053.5号及び2018年11月30日に出願された米国出願第62/773,576号の優先権を主張し、それらの出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本記載は、基板グリッドを決定するための測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)などの装置の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)にあるパターン(「デザインレイアウト」又は「デザイン」と呼ばれることも多い)を、基板(例えば、ウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、基板にパターンを投影するために電磁放射を使用し得る。この放射の波長により、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。波長が4~100nmの範囲、例えば6.7nm又は13.5nmである極端紫外線(EUV)の放射を使用するリソグラフィ装置であれば、例えば、波長が193nmである放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することが可能である。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置の古典的な解像限界より小さい寸法を有するフィーチャをプロセスするために、低kリソグラフィが用いられ得る。そのようなプロセスでは、解像度の式は、CD=k×λ/NAで表され得、ここで、λは、使用される放射線の波長であり、NAは、リソグラフィ装置の投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」であり(一般には印刷される最小フィーチャサイズであるが、この場合にはハーフピッチ)、kは、経験的な解像度ファクタである。一般に、kが小さいほど、特定の電気的な機能性及び性能を達成するために回路設計者が計画した形状及び寸法に似せたパターンを基板上に複写することが困難になる。このような困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置及び/又はデザインレイアウトに適用され得る。そのようなステップとして、例えば、NAの最適化、照明方式のカスタマイズ、位相シフトパターニング装置の使用、デザインレイアウトの様々な最適化、例えば、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC)又は他の一般的に「解像度向上技術」(RET)と定義される方法があるが、これらに限定されない。さらに又は代わりに、低kでのパターン複写を改善するために、リソグラフィ装置の安定性を管理する厳格管理ループが用いられ得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006] リソグラフィ装置における基板の露光に先立って、基板の変形の表現を提供する基板グリッドを生成するために、幾つかの基板アライメントマークの位置を測定することが知られている。
【0007】
[0007] 本明細書で説明される実施形態は、EUVリソグラフィ装置での使用を有し得る。実施形態は、深紫外線(DUV)リソグラフィ装置及び/又は別の形式ツールでの使用を有し得る。
【0008】
[0008] 態様において、基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するように構成されたリソグラフィ装置における基板の露光に先立って、基板の変形を表す基板グリッドを決定するための方法であって、基板上の複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャ用の位置データを取得することと、複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャの少なくとも1つのフィーチャ用の非対称データを取得することと、位置データに基づいて基板グリッドを決定することと、基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するために、露光プロセスの少なくとも一部を制御するための基板グリッド及び非対称データをリソグラフィ装置に送ることと、を含む方法が提供される。
【0009】
[0009] 態様において、基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するように構成されたリソグラフィ装置において、基板の露光に先立って、基板の変形を表す基板グリッドを決定するように構成された測定装置であって、測定装置は、基板上の複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャ用に位置データを取得するように構成された光学系を含み、光学系は、複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャの少なくとも1つのフィーチャ用に非対称データを取得するように更に構成され、測定装置は、位置データ、又は位置データ及び非対称データの両方に基づいて基板グリッドを決定するように、且つ基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するために露光プロセスの少なくとも一部を制御するための基板グリッド及び非対称データをリソグラフィ装置に送るように、構成される測定装置が提供される。
【0010】
[00010] 態様において、製造プロセスにさらされ且つプロセス歪みを有するターゲットを含む基板の測定から取得されたプロセスパラメータ測定エラー用の値を算出するための方法であって、プロセスパラメータ測定エラーは、プロセス歪みの結果であり、方法は、基板をアライメントするために使用される1つ又は複数のアライメントマークにおける非対称性を示すアライメント非対称データを取得することと、プロセスパラメータ測定エラーにアライメント非対称データを相関させるモデルを取得することと、プロセスパラメータ測定エラーの値を取得するために、アライメント非対称データ及びモデルを用いることと、を含む方法が提供される。
【0011】
[00011] 以下では、添付の概略図面を参照して、本発明の実施形態をあくまで例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[00012]リソグラフィ装置の概略的概要を示す。
図2】[00013]リソグラフィセルの概略的概要を示す。
図3】[00014]半導体製造を最適化する3つの技術間の協力を含むリソグラフィ技術の概略表現を示す。
図4】[00015]フィーチャの位置及び非対称性を決定するための測定装置の概略表現を示す。
図5】[00016]リソグラフィ装置におけるアライメント及びレベリングセンサ並びに露光装置の概略表現を示す。
図6】[00017]オーバーレイを測定するためのメトロロジ装置の概略表現を示す。
図7】[00018]基板グリッド、リソグラフィ装置におけるアライメント、及びオーバーレイの測定を決定するための方法の流れ図を示す。
図8】[00019]本発明の実施形態に従って、オーバーレイ測定エラー用の値を算出するための方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[00020] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用され、そのような電磁放射には、紫外線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する)並びにEUV(例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する極端紫外線)が含まれる。
【0014】
[00021] 本明細書で使用される「レチクル」、「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に作成されるべきパターンに対応するパターン化された断面を、入射する放射ビームに提供するために使用可能な一般的なパターニングデバイスを意味するものとして広義に解釈され得る。これに関連して「ライトバルブ」という用語も使用される場合がある。古典的なマスク(透過型又は反射型のマスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)に加えて、他のそのようなパターニングデバイスの例として、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイがある。
【0015】
[00022] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された(イルミネータとも呼ばれる)照明システムILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築されて、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持部(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されて、特定のパラメータに従って基板支持部を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板支持部(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば、1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0016】
[00023] 稼働中、照明システムILは、放射源SOから(例えば、ビーム送達システムBDを介して)放射ビームを受ける。照明システムILは、放射の誘導、整形及び/又は制御のために様々なタイプの光学コンポーネントを含み得、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型及び/又は他のタイプの光学コンポーネント又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。イルミネータILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAの面において所望の空間強度分布及び角度強度分布をその断面に有するように、放射ビームBを調節するために使用され得る。
【0017】
[00024] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈されたい。そのようなシステムには、使用されている露光放射の必要に応じて及び/又は他の要因(例えば、液浸液の使用又は真空の使用)の必要に応じて、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁型及び/又は静電光学型のシステム又はこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用されている場合、それらは、全てより一般的な用語である「投影システム」PSと同義であると見なされ得る。
【0018】
[00025] リソグラフィ装置LA(又はスキャナー)は、投影システムPSと基板Wとの間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分が、屈折率が比較的高い液体(例えば、水)で覆われ得るタイプであり得、これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、参照によって全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,952,253号に示されている。
【0019】
[00026] リソグラフィ装置LAは、基板支持物WTが2つ以上あるタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)であってもよい。そのような「複数ステージ」マシンでは、それらの基板支持物WTは並行して使用されてよく、及び/又は、それらの基板支持物WTの一方に載っている基板Wが、その基板Wにパターンを露光することに使用されている間に、他方の基板支持物WTに載っている別の基板Wに対して、その別の基板Wのその後の露光の準備の手順が実施されてよい。
【0020】
[00027] 基板支持物WTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含んでよい。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニング装置を保持するように構成されている。センサは、投影システムPSの特性、又は放射ビームBの特性を測定するように構成されてよい。測定ステージは複数のセンサを保持してよい。クリーニング装置は、リソグラフィ装置の一部、例えば、投影システムPSの一部、又は液浸液を供給するシステムの一部をクリーニングするように構成されてよい。測定ステージは、基板支持物WTが投影システムPSから離れているときに、投影システムPSの下を動いてよい。
【0021】
[00028] 稼働中は、放射ビームBが、パターニングデバイス(例えば、支持物MT上に保持されたマスクMA)に入射し、パターニングデバイスMA上にあるパターン(設計レイアウト)によってパターニングされる。放射ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、投影システムPSを通り抜け、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上にフォーカスさせる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIF(例えばLAアライメントセンサ)の支援により、基板支持物WTは正確に動くことが可能であり、例えば、様々なターゲット部分Cが、放射ビームBの経路中のフォーカス及びアライメントされる位置に位置決めされるように正確に動くことが可能である。同様に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めする為に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(これは図1に明示されていない)と、が使用されてよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2、及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされてよい。基板アライメントマークP1、P2は、図示されたように専用ターゲット部分を占有するが、ターゲット部分間の空間に配置されてよい。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分C間に配置される場合には、スクライブラインアライメントマークと呼ばれる。
【0022】
[00029] 図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLC(リソセル又は(リソ)クラスタと呼ばれることもある)の一部をなし得、リソグラフィセルLCは、基板Wに対して露光前プロセス及び露光後プロセスを実施するための装置も含むことが多い。従来、そのような装置として、レジスト層を堆積させる1つ又は複数のスピンコータSC、露光したレジストを現像する1つ又は複数のデベロッパDE、1つ又は複数の冷却プレートCH及び/又は1つ又は複数のベークプレートBK(これらは、例えば、基板Wの温度を調節するものであり、それは、例えば、レジスト層中の溶剤を調節するために行われる)がある。基板ハンドラ(即ちロボット)ROが基板Wを入出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、それらの基板Wを様々なプロセス装置間で動かし、それらの基板Wをリソグラフィ装置LAのローディングベイLBまで送達する。リソセル内のデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、典型的にはトラック制御ユニットTCUの管理下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、監視制御システムSCSによって制御され得、監視制御システムSCSは、リソグラフィ装置LAも(例えば、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して)制御し得る。
【0023】
[00030] リソグラフィ装置LAによって露光される基板Wが、正確且つ確実に露光されるために、基板を検査して、パターン形成された構造の1つ又は複数の特性の値、例えば連続する層間のオーバーレイエラー値、線の太さ、クリティカルディメンジョン値(CD)等を測定することが望ましい。そのために、1つ又は複数の検査ツール(図示せず)が、リソセルLCに含まれ得る。エラーが検出された場合、特に同じバッチ又はロットの他の基板Wが露光又はプロセスされる前に検査が行われる場合に、例えば、連続する基板の露光又は基板Wに対して実施されるべき他の処理ステップに対する調節が行われ得る。
【0024】
[00031] メトロロジ装置とも呼ばれ得る検査装置は、基板Wの1つ又は複数の特性を測定するために使用され、特に異なる基板Wの1つ又は複数の特性の値がどのようにばらつくか、又は同じ基板Wの異なる層に関連する1つ又は複数の特性の値が、層ごとにどのようにばらつくかを決定するために使用される。検査装置は、代わりに、基板W上の欠陥を識別するように構築され得、且つ例えばリソセルLCの一部分であり得るか、又はリソグラフィ装置LAに組み込まれ得るか、又はスタンドアロン装置でさえあり得る。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層内の像)に関する1つ又は複数の特性か、半潜像(露光後ベーク工程PEB後のレジスト層内の像)に関する1つ又は複数の特性か、現像されたレジスト像(レジストの露光部分又は非露光部分が除去されている)に関する1つ又は複数の特性か、又は更に(エッチング等のパターン転写工程後の)エッチングされた像に関する1つ又は複数の特性を測定し得る。
【0025】
[00032] 典型的には、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、処理における重要なステップであり、且つ基板W上の構造の寸法測定及び配置に高い精度を必要とする。この高い精度の保証を支援するために、図3に概略的に示されたように、3つのシステムが、制御環境において組み合わされてもよい。これらのシステムの1つは、リソグラフィ装置LAであり、リソグラフィ装置LAは、メトロロジツールMET(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)に(仮想的に)接続される。そのような制御環境の目標は、全体的なプロセスウィンドウを強化するために、これらの3つのシステム間の協調を最適化すること、及びリソグラフィ装置LAによって実施されるパターニングがプロセスウィンドウ内にとどまることの保証を支援するために、厳格管理ループを提供することである。プロセスウィンドウは、プロセスパラメータ(例えば、ドーズ、フォーカス、オーバーレイ)の範囲を規定し、この範囲内で特定の製造プロセスが、規定の結果(例えば、機能する半導体デバイス)を産出し、典型的には、この範囲内でリソグラフィプロセス又はパターニングプロセスのプロセスパラメータが変動し得る。
【0026】
[00033] コンピュータシステムCLは、パターニングされるデザインレイアウト(の一部)を使用することにより、何れの解像度向上技術を使用すべきかを予測することが可能であり、且つ計算機リソグラフィのシミュレーション及び計算を実施して、パターニングプロセスのプロセスウィンドウ全体の最大化を達成するパターニングデバイス(例えばマスク)レイアウト及びリソグラフィ装置設定を決定することが可能である(図3において第1のスケールSC1の両方向矢印で示されている)。典型的には、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニング可能性に適合するように用意される。コンピュータシステムCLは、プロセスウィンドウ内の何れの箇所でリソグラフィ装置LAが現在動作しているかを(例えば、メトロロジツールMETからの入力を使用して)検出することにより、(例えば、準最適な処理のために)欠陥が存在する可能性があるかどうかを予測することが更に可能である(図3において第2のスケールSC2の「0」を指す矢印で示されている)。
【0027】
[00034] メトロロジツールMETは、正確なシミュレーション及び予測を可能にする入力をコンピュータシステムCLに与えることが可能であり、(例えば、リソグラフィ装置LAの較正ステータスにおいて)起こり得るドリフトを識別するフィードバックをリソグラフィ装置LAに与えることが可能である(図3において第3のスケールSC3の複数の矢印で示されている)。
【0028】
[00035] リソグラフィ装置LAは、基板上にパターンを正確に再現するように構成される。施されるフィーチャの位置及び寸法は、ある許容範囲内にあるべきである。位置エラーは、オーバーレイエラー(しばしば「オーバーレイ」と呼ばれることが多い)ゆえに発生し得る。オーバーレイは、第2の露光中の第2のフィーチャに対して、第1の露光中の第1のフィーチャを配置する際のエラーである。リソグラフィ装置は、パターニングに先立って、各基板を基準に正確にアライメントすることによって、オーバーレイエラーを低減又は最小化することを目指す。これは、アライメントセンサを用いて、基板上のアライメントマークの位置を測定することによって行われる。アライメント手順に関するより多くの情報は、米国特許出願公開第2010-0214550号で見つけることができ、その米国特許出願公開は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。パターン寸法測定(CD)エラーは、例えば、基板が、リソグラフィ装置の焦点面に対して正確に位置決めされない場合に発生し得る。焦点位置エラーは、基板表面の非平坦性に関連付けられてもよい。リソグラフィ装置は、レベルセンサを用い、パターニングに先立って基板表面トポグラフィを測定することによって、焦点位置エラーを低減又は最小化する。基板高さ補正は、基板上へのパターニングデバイスパターンの正確な撮像(フォーカシング)の保証を支援するために、後続のパターニング中に適用される。レベルセンサシステムに関するより多くの情報は、米国特許出願公開第2007-0085991号で見つけることができ、その米国特許出願公開は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0029】
[00036] リソグラフィ装置LA及びメトロロジ装置METに加えて、1つ又は複数の他の処理装置が、デバイス製造中に同様に用いられてもよい。エッチングステーション(図示せず)は、レジストへのパターンの露光後に基板を処理する。エッチステーションは、レジスト層の下にある1つ又は複数の層へとレジストからパターンを転写する。典型的には、エッチングは、プラズマ媒質の適用に基づく。1つ又は複数のローカルエッチング特性が、例えば、基板の温度制御を用いて、又は電圧制御リングを用いてプラズマ媒質を管理して、制御されてもよい。エッチング制御に関するより多くの情報は、国際公開第2011/081645号及び米国特許出願第2006-0016561号で見つけることができ、それらの出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0030】
[00037] デバイス(ICなど)の製造中に、フィーチャの1つ又は複数の特性の値が、ある制御限界内にとどまるように、リソグラフィ装置又はエッチングステーションなどの1つ又は複数の処理装置を用いて基板を処理するためのプロセス条件は、安定したままであることが望ましい。プロセスの安定性は、製品フィーチャであるデバイス機能部分のフィーチャに特に重要である。安定した処理の保証を支援するために、プロセス制御能力が、適所にあるべきである。プロセス制御は、プロセス補正用の手段の処理データ及び実装形態の監視を伴い、例えば、処理データの特性に基づいて処理装置を制御する。プロセス制御は、しばしば「高度プロセス制御(APCとも呼ばれる)」と呼ばれるメトロロジ装置METによる周期的な測定に基づいてもよい。APCに関するより多くの情報は、米国特許出願公開第2012-0008127号で見つけることができ、その米国特許出願公開は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。典型的なAPC実装形態は、1つ又は複数の処理装置に関連するドリフトを監視し補正するために、基板上のメトロロジフィーチャに関する周期的な測定を伴う。メトロロジフィーチャは、製品フィーチャのプロセス変動に対する応答を反映する。プロセス変動に対するメトロロジフィーチャの感度は、製品フィーチャと比較して異なってもよい。その場合に、いわゆる「メトロロジ対デバイス」オフセット(MTDとも呼ばれる)が算定されてもよい。製品フィーチャの挙動を模倣するために、メトロロジターゲットは、セグメント化されたフィーチャを組み込み、特定のジオメトリ及び/又は寸法を備えたフィーチャ(単数又は複数)を支援してもよい。注意深く設計されたメトロロジターゲットは、製品フィーチャと同様の方式でプロセス変動に応答するべきである。メトロロジターゲット設計に関するより多くの情報は、国際公開第2015/101458号で見つけることができ、その出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0031】
[00038] メトロロジターゲットが存在し及び/又は測定される基板及び/又はパターニングデバイスにわたる位置の分散は、「サンプリングスキーム」と呼ばれることが多い。典型的には、サンプリングスキームは、関係するプロセスパラメータの予想される指紋に基づいて選択される。プロセスパラメータが変動すると予想される基板上のエリアは、典型的には、プロセスパラメータが一定であると予想されるエリアよりも密にサンプリングされる。更に、リソグラフィプロセスのスループット(例えば、単位時間当たりに処理される基板数)に対するメトロロジ測定の許容可能な影響に基づいて実行され得るメトロロジ測定の数には制限がある。注意深く選択されたサンプリングスキームは、スループットに影響すること及び/又はレチクル若しくは基板上の大きすぎるエリアをメトロロジフィーチャに割り当てることなしに、リソグラフィプロセスを正確に制御することにとって重要である。メトロロジターゲットの最適な位置決め及び/又は測定と関係する技術は、「スキーム最適化」と呼ばれることが多い。スキーム最適化に関するより多くの情報は、国際公開第2015/110191号及び同第2018/069015号で見つけることができ、それらの出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0032】
[00039] メトロロジ測定データに加えて、同様に文脈データが、プロセス制御用に使用されてもよい。文脈データは、選択された処理ツール(処理装置のプールからの)、処理装置の特定の特性、処理装置の設定、パターニングデバイスパターンの設計、及び/又は処理条件に関係する測定データ(例えば基板ジオメトリ)における1つ又は複数に関係するデータを含んでもよい。プロセス制御目的に文脈データを使用する例は、国際公開第2017/140532号及び同第2017/060080号で見つけることができ、それらの出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。文脈データは、文脈データが、現在制御されるプロセスステップの前に実行されたプロセスステップに関係する場合に、フィードフォワード方式で処理を制御又は予測するために使用されてもよい。しばしば文脈データは、1つ又は複数の製品フィーチャ特性に統計的に相関される。これは、1つ又は複数の製品フィーチャ特性の改善された又は最適な値を達成することを考慮して、1つ又は複数の処理装置の文脈駆動制御を可能にする。文脈データ及びメトロロジデータはまた、例えば、制御及び/又は診断目的に一層有用なより多くの詳細な(緻密な)データが利用可能になる程度まで、乏しいメトロロジデータを豊かにするために組み合わされてもよい。文脈データ及びメトロロジデータを組み合わせることに関するより多くの情報は、国際公開第2017/144379号で見つけることができ、その出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0033】
[00040] プロセスの監視が、プロセスと関係するデータの取得に基づくので、(ロット当たり又は基板当たりの)データサンプリング速度及びサンプリング密度は、パターン再現の所望の精度レベルに依存する。低k1のリソグラフィプロセス用に、小さい基板対基板プロセス変動さえ、重要になり得る。次に、文脈データ及び/又はメトロロジデータは、基板ごとにプロセス制御を可能にするのに十分であるべきである。追加として、プロセス変動が、基板にわたって特性の変動を生じさせる場合に、文脈及び/又はメトロロジデータの密度は、基板にわたって十分に分散されるべきである。しかしながら、メトロロジ(測定)用に利用可能な時間は、プロセスの所望のスループットを考慮して制限される。この制限の結果として、メトロロジツールは、選択された基板及び/又は基板にわたる選択された位置においてのみ測定してもよい。どの基板が測定されるべきかを決定する戦略は、国際公開第2018/072980号及び同第2018/072962号に更に記載され、それらの出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0034】
[00041] 実際には、(基板又は複数の基板にわたる)プロセスパラメータに関係する測定値の乏しいセットから、より密な値のマップを導き出すことが必要になり得る。典型的には、測定値のそのような密なマップは、プロセスパラメータの予想された指紋に関連するモデルと協力して、乏しい測定データから導き出されてもよい。測定データのモデル化に関するより多くの情報は、国際公開第2013/092106号で見つけることができ、その出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0035】
[00042] リソグラフィプロセスでは、例えばプロセス制御及び検証のために作成された構造の頻繁な測定を行うことが望ましい。そのような測定を行うためのツールは、典型的にはメトロロジツールと呼ばれる。走査電子顕微鏡又は様々な形式のスキャトロメータメトロロジツールを含む、そのような測定を行うための異なるタイプのメトロロジツールが知られている。スキャトロメータは、万能道具であり、それらは、スキャトロメータの対物レンズの瞳に、若しくはその瞳との共役面にセンサを有することによって(測定は、通常、瞳ベースの測定と呼ばれる)、又は像面に若しくは像面との共役面にセンサを有することによって(この場合に、測定は、通常、像若しくはフィールドベースの測定と呼ばれる)、リソグラフィプロセスのパラメータの測定を可能にする。そのようなスキャトロメータ及び関連する測定技術は、米国特許出願公開第2010-0328655号、同第2011-102753号、同第2012-0044470号、同第2011-0249244号、及び同第2011-0026032号、並びに欧州特許出願公開第1628164号に更に記載されている。前述の特許出願公開のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。前述のスキャトロメータは、軟X線放射、極端紫外線放射、可視光~近赤外線波長範囲からの放射を使用して格子を測定してもよい。
【0036】
[00043] 1つの配置では、スキャトロメータは、角度分解スキャトロメータである。そのようなスキャトロメータでは、再構築方法は、格子の1つ又は複数の特性の値を再構築又は計算するために、測定信号に適用されてもよい。そのような再構築は、例えば、散乱された放射線とターゲット構造の数学モデルとの相互作用をシミュレーションすること、及びシミュレーション結果を測定結果と比較することから結果として生じ得る。数学モデルのパラメータは、シミュレーションされた相互作用が、実際のターゲットから観察された回折パターンと同様の回折パターンを生成するまで調節される。
【0037】
[00044] さらなる実施形態では、スキャトロメータは、分光スキャトロメータである。そのような分光スキャトロメータでは、放射線源から放射された放射線がターゲットに向かい、ターゲットから反射又は散乱した放射線がスペクトロメータ検出器に向かい、スペクトロメータ検出器が、鏡面反射した放射線のスペクトルを測定する(即ち強度を波長の関数として測定する)。このデータから、検出されたスペクトルを引き起こしているターゲットの構造又はプロファイルを再構築することが可能であり、この再構築は、例えば、厳密結合波理論及び非線形回帰により、又はシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較により可能である。
【0038】
[00045] スキャトロメータは、反射スペクトル及び/又は検出構成における非対称性を測定することによって、2つのアライメントがずれた格子又は周期構造のオーバーレイを測定するように適合され、非対称性は、オーバーレイの程度に関係付けられる。この2つの(典型的には一部が重なり合っている)格子構造は、例えば、異なる2つの層(必ずしも連続する層ではない)において施され得、且つ基板上のほぼ同じ位置に形成され得る。スキャトロメータは、何れの非対称性も明確に識別可能であるように、例えば欧州特許出願公開第1628164号(参照により、その全体において本明細書に組み込まれる)に記載されているような対称検出構成を有し得る。これは、格子のアライメントのずれを測定する直接的な方法を提供する。周期構造の非対称性を通して測定することによって、ターゲットとしての周期構造を含む2つの層間のオーバーレイエラーを測定するための更なる例は、国際公開第2011/012624号及び米国特許出願公開第2016-0161863号で見つけることができ、それらの出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0039】
[00046] 図4は、測定装置(以下では、フィードフォワードメトロロジクラスタ(FFMC)10と呼ばれる)を示し、それは、基板12が露光用にリソグラフィ装置LAに送られる前に、基板12の測定を行うように配置される。FFMC10は、フォトレジスト堆積ツールの後に且つリソグラフィ装置LAの前に配置されてもよい。FFMC10は、第1のステージ14及び第2のステージ16を有する2重ステージシステムであってもよい。
【0040】
[00047] FFMC10の第1のステージ14は、アライメントセンサ18を含む。典型的には、第1のステージ14はまた、レベルセンサと典型的には呼ばれる他のセンサシステム(例えばアライメントセンサ18)に対する基板のレベリングを提供するセンサシステムを含んでもよい。何れかのクラスのレベルセンサ、例えばガス(例えば空気)ゲージ、光学レベルセンサ、スタンプベースのセンサ(基板との機械的相互作用に基づいた)等が利用されてもよい。典型的には、レベルセンサは、基板と他のセンサとの間の単一の距離数は提供しないが、しかしそれは、基板の高さプロファイルを決定するために、複数の位置で基板の高さをサンプリングする。アライメントセンサ18は、複数の第1のフィーチャの位置データを測定するように構成され、複数の第1のフィーチャは、この例示的な場合に、アライメントマークである。アライメントマークは、特定のピッチを有する回折格子を含んでもよい。典型的には、アライメントマークのピッチは、アライメントマークの位置を測定するために使用される放射の波長より実質的に大きく、従って、アライメントセンサ18は、望ましくは0.9以下の低開口数(NA)を有してもよい。第1のフィーチャの位置を測定するためのアライメントセンサの要求されるNAを考慮して、これらの第1のフィーチャは、本明細書では「低NAアライメントマーク」と呼ばれる。
【0041】
[00048] アライメントセンサ18が、低NAセンサであることは有利になり得る。何故なら、アライメント及びレベリングが、同じ基板上で行われ、且つスペースが、レベリングを実行するために、レベルセンサと基板12との間に必要とされるからである。
【0042】
[00049] 複数の低NAアライメントマークの位置データを取得するために、アライメントセンサ18は、(例えばアライメントセンサ18に対して基板12を移動させることによって)基板12にわたって走査される。
【0043】
[00050] FFMC10の第2のステージ16は、複数の低NAアライメントマークの位置を測定するように構成された1つ又は複数の、この例示的な場合には3つのメトロロジセンサ20(即ち光学系)を含む。メトロロジセンサ20はまた、複数の低NAアライメントマークのフィーチャの非対称性を測定してもよい。他の例において、第2のステージ16は、3つより多いか又は少ないメトロロジセンサ20を含んでもよい。
【0044】
[00051] メトロロジセンサ20は、例えば0.9より大きいNAを有する高開口数(NA)光学系を含んでもよい。即ち、メトロロジセンサ20の1つ又は複数は、高NAセンサである。従って、図7のステップ102に示されたように、低NAアライメントマーク用の位置及び非対称データは、例えば0.9より大きいNAを有するセンサを含む高NA光学系を使用して取得されてもよい。
【0045】
[00052] メトロロジセンサ20は、アライメントセンサ18と比較された場合に、基板12に比較的接近して位置してもよく、従って、比較的大きいNAを有することができる。
【0046】
[00053] メトロロジセンサ20は、例えば、メトロロジセンサ20の像面において低NAアライメントマークを検出することによって低NAアライメントマークの位置データを測定し、且つメトロロジセンサ20の瞳面において低NAアライメントマークを観察することによって非対称データを測定してもよい。
【0047】
[00054] 特に、解析は、低NAアライメントマークから散乱された放射に対して実行される。低NAアライメントマークからの散乱放射の回折(角度)スペクトルに関連する強度における非対称性は、低NAアライメントマークの非対称性を決定できるようにする。メトロロジセンサ20は、散乱放射の回折スペクトルを検出することができるために、高NAセンサであってもよい。
【0048】
[00055] 多数の(例えば3つの)メトロロジセンサ20の使用によって、低NAアライメントマークの増加した数を制限のある時間枠内で測定できるようになる。メトロロジセンサ20は、基板12がそれらの真下に位置するように、互いに対して離間されてもよい。3つのセンサ20を有することによって、3つの別個の低NAアライメントマークからの3つの測定を同時に行うことができるようになる。これは、(例えばメトロロジセンサ20に対して基板12を移動することにより)、例えば、メトロロジセンサ20によって、基板12の走査中に200の低NAアライメントマークを測定できるようにし得る。
【0049】
[00056] 他の例において、メトロロジセンサ20の1つは、IR(赤外線)センサであってもよい。そのようなIRセンサの例は、欧州特許出願第17181375.1号で与えられ、その欧州特許出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。IRセンサは、基板12の不透明な層を通過する波長を有する放射を検出するように構成されてもよい。これは、他のメトロロジセンサ20を用いては不可能なフィーチャ(例えばアライメントマーク)の測定を行えるようにする。他の例において、メトロロジセンサの1つは、基板12の上部(例えば不透明)層の下から測定を行えるようにする何れかの適切なセンサであってもよい。
【0050】
[00057] 図7は、実施形態に従って方法のフローを表す。複数の(例えば低NA)アライメントマーク用の第1の位置データが、(例えば、低及び/又は高NAセンサを用いて)取得される(ステップ100)。次に、(例えば低NA)アライメントマークの非対称データが、例えば高NAセンサを用いて取得される(ステップ102)。
【0051】
[00058] ステップ104は、位置データ及び任意選択的に非対称データに基づいて基板グリッドを決定することを含む。基板12は、それがさらされたプロセスから変形された可能性があり、基板グリッドは、これらの変形が位置する場所を示す。しかしながら、低NAアライメントマークもまた、基板12がさらされたプロセスから変形された可能性がある。即ち、低NAアライメントマークは、非対称性を有し得る。これは、低NAアライメントマークからの位置データが正確ではない可能性があり、従って、変形を表す基板グリッドが、正確ではない可能性があることを意味する。低NAアライメントマークからの非対称データは、低NAアライメントマークの非対称性を補正するために、且つ従って改善された基板グリッド(非対称性を補正された基板グリッド)を提供するために用いられてもよい。換言すれば、非対称データは、基板グリッドに対する低NAアライメントマークの非対称性の影響を低減又は最小化するために用いられてもよい。そのようなものとして、非対称性を補正された基板グリッドは、位置及び非対称性のデータから決定されたものとして、基板12の変形を表す一層正確な基板グリッドを含み得る。
【0052】
[00059] ステップ106では、この非対称性を補正された基板グリッドは、リソグラフィ装置に送られる。代替としてステップ106では(又は追加として)、未補正の基板グリッド(位置測定だけに基づいた基板グリッド)が決定され、非対称データと一緒にリソグラフィ装置に送られてもよい。
【0053】
[00060] そのようなものとして、ひとたび基板グリッドが決定され、非対称データが測定されると、基板12は、非対称性を補正された基板グリッド及び/又は未補正の基板グリッド並びに非対称データと一緒に、図4で矢印22によって示されたようにリソグラフィ装置LAに送られる。
【0054】
[00061] ステップ106で送付された基板グリッドが、非対称性を補正されていない場合に、非対称性を補正された基板グリッドは、リソグラフィ装置によって/その内部で決定されてもよい。これは、1つ又は複数のフィーチャを基板上に作製ために基板を露光する後続のステップ108を制御するために基板グリッドが用いられる前に、行われるべきである。
【0055】
[00062] 図5は、LAの第1のステージ24及びLAの第2のステージ26を有するリソグラフィ装置を示す。LAの第1のステージ24では、LAアライメントセンサ28(以下ではLAアライメントセンサ28と呼ばれる)が提供される。LAアライメントセンサ28は、低NAセンサであってもよい。LAの第2のステージ26では、露光装置30が提供される。基板の露光後に、基板は、矢印32によって示されたように、メトロロジ装置(例えばオーバーレイ測定装置)に移送されてもよい。
【0056】
[00063] 例えば図1に示された位置測定システムIFと共に、LAアライメントセンサ28は、リソグラフィ装置LAにおいて基板12をアライメントし、且つリソグラフィ装置(「リソグラフィ装置基板グリッド」)内で測定されるような基板グリッドを更に決定するために用いられる。
【0057】
[00064] 説明されたように、FFMC10によって決定されたような基板グリッドが、非対称性を補正された基板グリッドである場合に、この既に正確な基板グリッドは、(例えばリソグラフィ装置基板グリッドを備えた)リソグラフィ装置におけるアライメントプロセスによって決定されるような基板グリッドにマップされてもよい。非対称性を補正された基板グリッドをリソグラフィ装置基板グリッドにマップすることによって取得された基板グリッドは、基板12上に1つ又は複数のフィーチャを作製するために、露光プロセスの少なくとも一部を制御するために使用されてもよい(図7のステップ108)。これは、基板グリッド及び非対称データ(図7のステップ110)に基づいて、例えば非対称性を補正された基板グリッドに基づいて、リソグラフィ装置LAにおいて基板12をアライメントすることを含んでもよい。
【0058】
[00065] FFMC10によって決定されるような基板グリッドが、非対称性をまだ補正されていなかった場合に、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィ装置基板グリッド及びFFMC10によって測定されるような基板グリッドに対するアライメントマークの非対称性の影響を低減又は最小化するために、基板グリッド及び非対称データを用いてもよい。マークの測定に基づいて基板グリッドの精度を改善するために非対称データを用いる一般的な方法が、米国特許第9778025号に開示され、その米国特許は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0059】
[00066] 基板12がリソグラフィ装置LAに送られる前に、低NAアライメントマークの位置データ及び非対称データを測定することによって、リソグラフィ装置LAにおいて実行できるよりも多くのアライメントマークを測定できるようになる。その理由は、例えばリソグラフィ装置LAにおいて基板12の最大のスループットを可能にするために、(露光中には)製作途中の測定用に設定される時間制限が存在するからである。例えば、FFMC10を用いることによって、リソグラフィ装置LAにおいて行うことができる約40だけの異なるアライメントマーク測定と比べて、例えば、アライメントマークのx-y位置の200~600の測定を行うことができるようになる。測定されるマークが多ければ、(ある基板変形を表す)決定された基板グリッドの精度は、それだけよくなる。
【0060】
[00067] 他の例において、メトロロジセンサ20は、第2のフィーチャの位置データを測定してもよく、第2のフィーチャは、例示的な場合にメトロロジターゲットを含んでもよい。メトロロジターゲットは、(例えばレジスト(より一般的)に、又はエッチングプロセスの後で)リソグラフィプロセスによって形成された複合格子の集合であってもよい。典型的には、格子における構造のピッチ及び線幅は、メトロロジターゲットから来る回折次数を捕捉することができるように、測定光学部品(特に光学部品のNA)に基づいて選択される。
【0061】
[00068] 回折された放射は、2つの層(「オーバーレイ」とも呼ばれる)間の位置シフトを決定するために用いられてもよく、又はリソグラフィプロセスによって生成されるような格子のジオメトリの少なくとも一部を再構築するために用いられてもよい。この再構築は、リソグラフィプロセスの品質のガイダンスを提供するために用いられてもよく、且つリソグラフィプロセスの少なくとも一部を制御するために用いられてもよい。メトロロジターゲットは、オーバーレイターゲットであってもよい。オーバーレイターゲットは、特定のピッチを備えた回折格子であってもよく、オーバーレイターゲットは、通常、アライメントマークより小さい。他の例において、メトロロジセンサ20は、第2のフィーチャの非対称データを測定してもよい。第2のフィーチャ(例えばメトロロジターゲット)の機能は、この文献では、アライメント目的と最も関連付けられ、且つ第2のフィーチャが、高NAセンサ(メトロロジセンサ)を用いて測定される必要があるので、それらは、この文献では高NAアライメントマークと呼ばれる。高NAアライメントマークは、典型的には、基板にわたって密に分散され、且つ個別の露光フィールドに匹敵する空間規模で、基板変形の特徴付けを可能にするほどに密に分散される。高NAアライメントマークは、例えば、露光フィールド内のダイ間のスクライブレーンに、及び/又は露光フィールド間のスクライブレーンに配置される。換言すれば、高NAアライメントマークに関連する位置の測定は、基板グリッドのより高い解像度の(典型的にはフィールド内の)特徴付けを可能にし得る。
【0062】
[00069] フィールド内の高NAアライメントマーク位置は、基板にわたる個別フィールドの露光を最適化又は改善するためにターゲットとされる制御を決定するために用いられてもよい。フィールド内のメトロロジデータは、どのオーバーレイが測定されるか(オーバーレイマークの下部格子は、2層にわたって分散される)に関して、基板12の同じ層に関連付けられてもよい。フィールド内のデータは、基板12にわたって高空間周波数でサンプリングされてもよい。(全てのフィールドの)アライメントデータは、基板12及びアライメントマーク(低NA又は高NAアライメントマークの何れか)の変形用に解析されてもよい。フィールド内の高NAアライメントマークの位置は、(最初に低NAアライメントマーク位置測定に基づいて)基板グリッドに更に追加されてもよい。
【0063】
[00070] 実際上、FFMC10において測定されるようなフィールド内の高NAアライメントマークの位置は、露光装置30に送られる。追加のデータは、基板グリッドの基板対基板変動の特徴付け、及びリソグラフィ装置を用いる露光中に実行される空間的な補正の精度を改善する。これは、例えば、露光後に測定されるようなオーバーレイ品質の基板対基板変動を減少させる。全ての既存のフィードバック、フィードフォワード、及び高度プロセス制御ループは、その場にとどまり得る。
【0064】
[00071] 非対称性測定は、低NAアライメントマーク及び高NAアライメントマークの両方から行うことができる。高NAアライメントマークは、一般的に、低NAアライメントマークより小さいピッチを有する。両方のマークタイプの非対称性に対する処理(例えば化学機械平坦化(CMP))の影響は、通常、同一ではない。典型的には、より小さいピッチマークの非対称性は、より大きいピッチマークに関連する非対称性ほど処理に対して敏感ではない。従って、低NA及び高NAアライメントマークの両方用の専用非対称性測定が、典型的には用いられる。しかしながら、以下で説明される実施形態では、この要件は、緩和されるか又は除去されてもよい。
【0065】
[00072] 低NAアライメントマーク位置データ及び高NAアライメントマーク位置の両方が利用可能な場合に、それらは、利用可能な非対称データを用いて個別に補正され、且つ補正後に、高解像度基板グリッドを画定するためにマージされてもよい。前に説明されたように、この高解像度基板グリッドは、リソグラフィ装置基板グリッドにマップされ、且つ続いて基板の露光中にリソグラフィ装置LAを制御するために用いられてもよい。
【0066】
[00073] 前に、基板グリッドには基板対基板変動が存在した。何故なら、不十分な高周波空間情報(例えば1~10mmの空間解像度を有する情報)しかなかったからである。本明細書で説明される概念は、高解像度基板グリッドを提供し、従って問題をかなり緩和する。更に、フィールド内の基板対基板補正能力が存在しなかった。高解像度基板グリッドは、フィールド内の情報を含み、従ってまたこの問題は、かなり低減される。リソグラフィ装置内で行われるアライメント測定は、低NAアライメントマークの位置測定に制限され、従ってリソグラフィ装置のオーバーレイ制御用に使用されるメトロロジターゲットの位置に直接は対応しなかった。オーバーレイ測定用に使用されるターゲットと典型的には同一である高NAアライメントターゲットの位置測定を含むことが提案される。従って、本発明の実施形態は、測定されるオーバーレイの基板対基板変動を低減する際に、より高い有効性を示すと期待されるアライメント測定に基づいて、リソグラフィ装置を制御する効率的な方法を提供する。
【0067】
[00074] 典型的には、FFMC10アライメント結果とリソグラフィ装置LAのアライメント結果のそれらとを一致させるために、較正が実行される。この較正は、主として、FFMC10とリソグラフィ装置LAとの間のセンサ対センサの差及び基板テーブルWT対基板テーブルWTの差をカバーする。FFMC10アライメントデータは、リソグラフィ装置LAのアライメントデータにマップされる。アライメントデータは、基準基板上のアライメントマーカから取られ、その後、較正パラメータの記憶が続いてもよく、又は代替としてアライメントデータは、FFMC及びリソグラフィ装置を通過する各基板用のアライメントマーカから取られてもよい。
【0068】
[00075] メトロロジセンサ20の1つは、メトロロジセンサ20によって行われた位置測定をLAアライメントセンサ28によって行われた位置測定と相関させるために、LAアライメントセンサ28に対して較正されてもよい。次に、低NAアライメントマーク位置は、FFMC10及びリソグラフィ装置LAの両方によって測定される必要があろう。代替として、メトロロジセンサ20は、FFMC10の第1のステージ上のアライメントセンサ18に対して較正されてもよい。アライメントセンサ18が、リソグラフィ装置内のLAアライメントセンサ28に対して較正される場合に、メトロロジセンサ20も、アライメントセンサ28に対して較正される。
【0069】
[00076] 複数の高NAアライメントマークに関連する位置データの少なくとも1つの選択されたものが、複数の低NAアライメントマークに関連する位置データに対して較正されてもよい。位置データの少なくとも1つの選択されたものは、リソグラフィ装置LAにおける基板12のアライニング中に取得された更なる位置データに対して較正されてもよい。一般に、低NAアライメントマークの共通セットに関連する位置が、FFMC10の第1のステージ上のアライメントセンサ18、リソグラフィ装置LAのアライメントセンサ、及びFFMC10の第2のステージ上のメトロロジセンサ20によって測定されることが望ましい。リソグラフィ装置LAにおける基板12のアライニング中に取得された更なる位置データは、位置データの少なくとも1つの選択されたものに対して較正されてもよい。
【0070】
[00077] 図6は、ステージ34を含むオーバーレイ測定装置36を示す。オーバーレイは、基板12の1つの層上のフィーチャが、基板12の別の層における下にあるフィーチャの上に、どれくらい正確に作製されるかの尺度である。
【0071】
[00078] 高NAアライメントマークの非対称データを用いることによって、より優れたオーバーレイ測定が可能になる。その理由は、高NAアライメントマークの非対称性が、オーバーレイターゲットの非対称性と同じだと思われるからである。従って、高NAアライメントマークの非対称データは、オーバーレイを測定するためにメトロロジ装置36に送られてもよい(図7のステップ112)。図7のステップ114において、オーバーレイデータは、ステップ112からのオーバーレイ測定及び非対称データに基づいて、決定することができる。高NAアライメントマークの非対称データの利用は、オーバーレイターゲットの位置が、より正確に決定され得るので、オーバーレイ測定の精度の向上をもたらす。オーバーレイ測定精度を改善するために非対称データがどのように用いられるかという例が、米国特許第9134256号に開示され、その特許は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。
【0072】
[00079] 非対称データは、オーバーレイ測定装置36において行われるように、オーバーレイ測定に対するオーバーレイターゲットの非対称性の影響を低減又は最小化するために用いられる。改善されたオーバーレイ測定は、向上したフィードバック精度をリソグラフィ装置LAに提供する。
【0073】
[00080] 2つの主な光学OV(オーバーレイ)メトロロジ概念、即ち、像ベースのOVメトロロジ(IBO)及び回折ベースのOVメトロロジ(DBO)が存在する。IBOの場合に、OVターゲットは、製品層においてX及びY格子から空間的に分離されたX及びYレジスト格子でできている。DBOは、上部及び下層における格子を用いるが、しかしIBOとは対照的に、格子は、互いの横ではなく、互いの上に配置される。格子が完全にアライメントされる場合に(=ゼロオーバーレイエラー)、それらは、対称散乱特性を備えた対称複合格子を形成する。しかしながら、小さいアライメントずれ(オーバーレイエラー≠0)は、回折された放射の強度において非対称性を生成する非対称複合格子を生成する。
【0074】
[00081] 前に、基板当たりの底部格子非対称性(BGA)における変動ゆえに、メトロロジ測定には基板対基板変動が存在した。今や、BGAは、FFMC内で、メトロロジセンサ20を用いて、オーバーレイ測定に先立って測定され得る。今や、オーバーレイデータの決定は、オーバーレイデータにおけるより小さい測定された基板対基板変動につながる、オーバーレイターゲットの(メトロロジセンサ20によって提供されるような)下部格子部に関連する非対称データを用い得る。
【0075】
[00082] 上記の説明は、FFMC10が、リソグラフィ装置LAの外部に位置することを示したが、他の例において、FFMC10は、リソグラフィ装置LAに位置してもよく、又はリソグラフィ装置LAの一部であってもよい。リソグラフィ装置LAにおけるアライメントは、露光前のメトロロジに似ていると考えられてもよい。リソグラフィ装置LAにおけるアライメントシステムは、例えば高NAセンサを用いることによって、低NAアライメントマーク及び高NAアライメントマークの位置並びにマークの非対称性の両方を測定でき得る。
【0076】
[00083] アライメントマーク(例えば低NAアライメントマーク)などの第1のフィーチャにおけるプロセス歪み(例えばプロセス非対称性)を決定する実施形態であって、第2のフィーチャ(例えば、オーバーレイを測定するために用いられるオーバーレイターゲットなどのメトロロジターゲット)におけるプロセス歪み(例えばプロセス非対称性)用のオーバーレイなどのプロセスパラメータの測定を補正するために、第1のフィーチャにおけるプロセス歪みを用いる更なる実施形態が、今説明される。プロセス非対称性は、フロア傾斜又は側壁角度非対称性などの影響を処理することによって引き起こされた非対称性である。これは、アライメントマークにおけるただ1つの非対称性であるはずである。しかしながら、オーバーレイターゲットは、測定されているオーバーレイ及び何れかの意図的なバイアス(存在する場合には)によって引き起こされる他の非対称性を典型的には含む。この実施形態では、アライメントマークにおける非対称性は、FFMC10を用いて測定されてもよい。しかしながら、より完全に説明される別の実施形態では、アライメントマークにおける非対称性は、(例えば露光用に基板をアライメントするために、LAアライメントセンサ28を用いる標準アライメントプロセスの一部として)リソグラフィ装置LAを用いて測定される。そのようなものとして、この実施形態は、FFMC10の使用を含んでも含まなくてもよい。
【0077】
[00084] 現在、リソグラフィ装置において、アライメントマーク測定(例えばLAアライメントセンサ28による)から、オーバーレイ測定装置36などのメトロロジデバイス(例えばスキャトロメトリデバイス)上で実施されたオーバーレイ測定へのアライメントマーク非対称性のフィードフォワードはなくてもよい。アライメントセンサ及びメトロロジセンサの物理学が、典型的には類似しているので、即ち格子からの+/-1回折次数の干渉に基づいているので、アライメントマーク及びオーバーレイターゲットそれぞれにおけるマーク非対称性から、オーバーレイ測定に対してアライメント位置測定に幾らかの相関があると仮定することは合理的である。
【0078】
[00085] 既に言及したように、LAアライメントセンサ28が、典型的には、オーバーレイ測定装置36によって測定されたターゲット(例えば高NAオーバーレイターゲット)とは異なる(例えば、より大きい)ピッチを有するターゲット(例えば低NAアライメントマーク)を測定するので、アライメント測定に対する非対称性の影響は、オーバーレイ測定に対する非対称性の影響とは異なる。アライメントマークにおける非対称性は、アライメントエラーを引き起こし、アライメントエラーは、今度は、オーバーレイ測定におけるエラーを引き起こし、そのエラーは、オーバーレイターゲットにおけるプロセス(非オーバーレイ/バイアス)非対称性から結果として生じるオーバーレイ測定における何れかのエラーに追加される。
【0079】
[00086] アライメントマークにおけるプロセス非対称性は、ローディング効果ゆえに、オーバーレイターゲットにおけるプロセス非対称性とは典型的には異なる。更に、これらのプロセス非対称性の1つ又は両方は、製品内プロセス非対称性と異なってもよい。時には、製品内プロセス非対称性は存在しないが、アライメント及びオーバーレイにはプロセス非対称性が存在し、非対称性は、これらの2つでは異なる。加えて、アライメントマーク非対称性から結果として生じるアライメントエラーは、オーバーレイターゲットプロセス非対称性ゆえにオーバーレイ測定エラーとは典型的には異なる。何故なら、オーバーレイ測定及びアライメント測定が、典型的には、測定されているそれぞれのフィーチャにおける非対称性に対して異なる感度を有するからである。結果として、アライメントマーク非対称性から結果として生じる、且つオーバーレイターゲットプロセス非対称性から結果として生じるオーバーレイ測定エラーの複雑な結合が存在する。これらの影響を切り離す方法が説明される。
【0080】
[00087] 測定されたアライメントグリッド
【数1】
は、真のアライメントグリッド
【数2】
(即ちマーク非対称性ゆえのエラーのないアライメントグリッド)及びアライメントマーク非対称性から結果として生じる、測定されたアライメントグリッドのアライメント非対称成分
【数3】
(エラー成分)の関数fである。即ち、
【数4】
【0081】
[00088] 測定されたオーバーレイ
【数5】
は、真のオーバーレイ
【数6】
(即ちターゲットにおけるプロセス非対称性ゆえのエラーのないオーバーレイ)、測定されたアライメントグリッド
【数7】
、及びオーバーレイターゲットプロセス非対称性(何れかのバイアスを含むオーバーレイによる以外の非対称性)から結果として生じる、測定されたオーバーレイのオーバーレイ非対称成分
【数8】
(エラー成分)の関数gである。即ち、
【数9】
【0082】
[00089] この実施形態の目標は、測定されたオーバーレイ
【数10】
から真のオーバーレイ
【数11】
を決定することである。
【0083】
[00090] アライメント位置ずれAPD及び特に色対色アライメント位置ずれ(以下ではC2C APD)は、オーバーレイ非対称成分
【数12】
と相関されるアライメントマークの品質メトリックであることが認められた。APD及びC2C APDは、それぞれ、アライメントマークの非対称性の尺度である。例えば、このデータは、APD技術を用いて、又は別の方法で測定されてもよい。APD技術は、米国特許第8982347号及び国際公開第2018/033499号で開示され、それらの特許及び出願のそれぞれは、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。C2C APDは、2つの波長用のアライメント位置における差である。より具体的には、幾つかのアライメントセンサは、典型的には、放射の一連の異なる波長(色)でアライメントマークを照明し、且つアライメントマーク非対称性によって引き起こされたアライメントエラーを補正するために、C2C APDなどの色対色解析を実行する。異なる色で取得された信号間の比較は、マーク非対称性の存在を示し定量化することができる。
【0084】
[00091] 従って、C2C APDが、例えばアライメント測定からのフィードフォワード補正として、オーバーレイ測定を補正するために用いられることが提案される。C2C APDデータに基づいて、オーバーレイターゲットにおけるプロセス非対称性の影響用の補正は、オーバーレイ測定を補正するために、オーバーレイ測定装置(又はオーバーレイ測定装置からのオーバーレイデータを処理する処理装置)にフィードフォワードされてもよい。このように、オーバーレイ測定に対する、オーバーレイターゲットプロセス非対称性及びアライメントマーク非対称性の影響を分離することが可能になる。
【0085】
[00092] 図8は、この実施形態による方法を説明する流れ図である。測定されたアライメントグリッド
【数13】
800が取得される。アライメントグリッド
【数14】
は、真のアライメント
【数15】
及びアライメント非対称成分
【数16】
の関数である。少なくとも2つの異なる波長、例えば(所与の偏光pol用の)λ及びλ用の測定されたアライメントグリッド
【数17】
間の差を含むC2C APDデータ810が取得される。即ち、
【数18】
である。オーバーレイ非対称成分
【数19】
は、適切な関数hの適用を介して、C2C APDデータ810及び測定されたオーバーレイデータ820
【数20】
から決定され、ここで、
【数21】
である。測定されたアライメントグリッド
【数22】
800は、C2C APDデータ810を導き出すために用いられる測定と同じ測定から取得され得る。
【0086】
[00093] 次に、真のオーバーレイ
【数23】
830(オーバーレイ非対称成分
【数24】
の影響用に補正された)は、適切な関数gの適用を介して、測定されたオーバーレイデータ820
【数25】
、測定されたアライメントグリッド800
【数26】
、及びオーバーレイ非対称成分
【数27】
から計算することができ、ここで、
【数28】
である。このように、フィードフォワードオーバーレイ非対称性補正は、アライメントデータ(より具体的にはC2C APDデータ810)から決定され、且つオーバーレイ測定値を補正するために適用される。
【0087】
[00094] 訓練又はモデル化段階が、関数h及びgを決定するために実施されるべきである。これらの関数は、機械学習訓練及び/又は適切なモデルを通して決定されてもよい。モデルは、例えば、オーバーレイターゲットの予想された変形特性(非対称性)にC2C APDデータを相関させることによって構築されてもよい。適切なモデル化技術は、D4Cと略記される「制御用設計」として知られている技術を含んでもよく、それは、米国特許出願公開第2016-0140267号に記載されており、その米国特許出願公開は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。D4C方法では、リソグラフィプロセスの個別ステップは、物理的な基板処理をシミュレートするために、単一プロセスシーケンスにモデル化される。そのプロセスシーケンスは、要素ごとにデバイスジオメトリを「構築する」のではなく、デバイスジオメトリの生成を全体として行う。これは、メトロロジターゲットを構築するために、3次元回路図エディタにおいて純粋にグラフィカル体積要素を用いる従来のアプローチとは異なる。方法は、シミュレーション領域における堅牢なメトロロジターゲットの自動生成を可能にし、シミュレーション領域は、様々なリソグラフィプロセス及びプロセス摂動を収容することができる。
【0088】
[00095] そのようなものとして、較正ステージは、(例えば、共通のシミュレートされた堆積、露光、及び/又はエッチングプロセス等によって形成された)1つ又は複数の共通基板上で同じ(シミュレートされた)処理及び製造ステップにさらされた様々なアライメントマーク及びオーバーレイターゲット(例えば、様々な異なる設計パラメータ、ピッチ等を有する)をシミュレートすること(例えば、前述のD4Cモデル化技術又は他の適切な方法を用いて)を含み得る。シミュレーションは、マーク及びターゲットにおいて、様々なステップの影響を変え、及び/又は非対称性のいろいろな程度及び/若しくはタイプを変え得る。次に、シミュレートされたアライメントマーク及びオーバーレイターゲット、並びに対応するシミュレートされた測定データ(例えば、シミュレートされたC2C APDデータを取得するための、シミュレートされたアライメントマークのシミュレートされたアライメント測定からのデータ、及びシミュレートされたオーバーレイデータを取得するための、シミュレートされたオーバーレイターゲットのシミュレートされたオーバーレイ測定からのデータ)は、訓練データとして用いることができる。代替及び/又は追加として、訓練データは、物理的フィーチャに対する実際の測定(即ち実際の測定されたデータに対する機械学習)を含んでもよい。
【0089】
[00096] 次に、機械学習技術は、シミュレートされた(及び/又は測定された)アライメントマーク及びオーバーレイターゲット、並びにシミュレートされた(及び/又は測定された)測定データ(例えばシミュレートされたフィーチャからのシミュレートされた測定データ並びに周知の真値及び非対称性から)の関連するパラメータから関数h及びgを決定するために用いることができる。例えば、訓練データは、訓練データから関数g及びhを決定するために、ニューラルネットワーク又はブーリアンネットワークを訓練することが可能である(この訓練は、特定の又は別の測定レシピであってもよい)。
【0090】
[00097] ひとたびこれらの関数が決定されると、それらは、望ましくないプロセス非対称性、即ちアライメント測定(例えばより具体的にはC2C APD測定)のプロセス非対称性から決定されたフィードフォワード補正に基づいた(何れかの意図的なバイアスを含む)オーバーレイ以外の影響からの非対称性の影響用にオーバーレイ測定(例えば、単一波長オーバーレイ測定)を補正するために、製造設定において使用することができる。
【0091】
[00098] 代替として、適切な機械学習ネットワーク(ニューラルネットワーク又はブーリアンネットワーク)は、他の測定データ、例えばC2C APD測定データ
【数29】
810、アライメント非対称成分
【数30】
(例えばアライメントマーク非対称データ800から決定されたような)、及び測定されたオーバーレイ
【数31】
820から直接に真のオーバーレイ
【数32】
を決定するために、訓練データを用いて訓練することが可能である。そのような実施形態では、次に、訓練されたネットワークは、測定から直接に真のオーバーレイ
【数33】
を推論することが可能である。そのような訓練実施形態は、よりよく働き、及び/又はシミュレートされたデータではなく、実際の測定データを用いることを要求し得る。
【0092】
[00099] 測定されたオーバーレイが、単一波長オーバーレイデータを含んでもよいことが、上記で言及された。現在、オーバーレイは、オーバーレイ測定からオーバーレイマーク非対称性を取り除くために、(少なくとも)3波長方法(HMQと呼ばれる)を用いて測定されてもよい。HMQの更なる詳細は、国際公開第2015/018625号で見つけることができ、その出願は、参照により、その全体において本明細書に組み込まれる。非常に簡潔に言うと、HMQは、多数の波長を備えた+dバイアスサブターゲット及びa-dバイアスサブターゲットを含むターゲットを測定すること、及び第2のサブターゲット構造用の非対称性測定に対する第1のサブターゲット用の非対称性測定のプロットを通してラインを適合させることを含み、線形回帰モデルは、必ずしも原点を通るように適合されない。このラインの原点からのオフセット(原点DTOまでの距離とも呼ばれる)は、ターゲットプロセス非対称性を表す。
【0093】
[000100] しかしながら、全体的なオーバーレイ測定用のMAM(移動-取得-測定)時間は、測定される波長の数に正比例する傾向がある(例えば、3つの波長測定用のMAMは、単一波長測定のMAMのおよそ3倍である)。現在のオーバーレイ測定の長いMAM時間ゆえに、ロット当たりたった1つの基板上でオーバーレイを測定するだけであることが典型的である。提案される方法は、3つの波長が必要とされ得ないので、(HMQ)オーバーレイ用のMAM(移動-取得-測定)時間を著しく低減するために用いられ、それによって、測定速度及び従ってスループットを増加させることが可能である。そのようなものとして、測定は、単一照明特性の測定だけ(例えば単一波長測定だけ)を含み得る。代替又は追加として、提案される方法は、より多くのオーバーレイターゲットを正確に測定できるようにすることによって、オーバーレイ及び産出における改善を推進するために用いられ得る。
【0094】
[000101] この実施形態の方法は、現在のHMQ方法の精度を更に改善し得る。典型的には、ロット当たり1つの基板だけが、クラスタスループットを低減せずに、オーバーレイ測定においてサンプリングされる。アライメント位置測定は、基板ごとに測定されるが、ロットごとにより多くの基板がサンプリングされる必要があるかどうか又は基板ごとに異なるポイントが測定されるべきであるかどうかを決定するために、オーバーレイ測定において用いることができる。
【0095】
[000102] より具体的には、C2C APDが、オーバーレイ非対称成分
【数34】
と相関され、従って、HMQ DTOと相関されることが分かる。HMQ方法論を用いると、DTO用の許容範囲が決定され得る(例えば、それは、閾値DTO、即ちDTOthresと比較することができる)。DTOが、許容範囲外であること(例えば、abs(DTO)>DTOthres)が決定された場合に、これは、オーバーレイマークに多くのプロセス非対称性が存在することを示すことになろう。閾値DTOthres用の値は、個別に決定することができる。閾値DTOthresと産出との間に相関がありそうである。次のステップとして、(既に説明されたように)関数hが決定される。加えて、今回はC2C APD用の第2の閾値が決定され(アライメント非対称閾値C2C APDthres)、ここでC2C APDthresは、DTOthresの関数である。この関数は、hによって決定することができる。従って、C2C APDが、C2C APDthresより大きいことが決定された場合に、基板は、大きいオーバーレイエラーに帰着する可能性が強い大きな非対称性を有するものとしてフラグを立てられ得る。そのようなものとして、これは、分類機械学習方法であると見なすことができ、アライメント測定は、オーバーレイ測定用のプロセスモニタ(例えば規格内又は規格外の)として使用することができる。これは、産出を改善するはずである。
【0096】
[000103] 前の段落で説明されたように、アライメント測定又はオーバーレイ測定は、典型的には、メトロロジ構造によって散乱された回折次数を検出することに基づく。そのようなメトロロジ構造の例は、アライメントマーク及びオーバーレイマーク(少なくとも底部格子を含む)である。回折次数内に含まれるエネルギは、メトロロジ構造の回折効率に依存する。この回折効率は、メトロロジ構造のピッチ及び負荷サイクルに部分的に依存し、且つメトロロジ構造が埋め込まれるスタック特性に部分的に依存する。
【0097】
[000104] 言及されたメトロロジシステムは、入力として、回折次数強度(又はエネルギ)の測定値を有するメトリックに基づいて、メトロロジ構造に関連する関心のある特性を一般に導き出す。例えば、オーバーレイマークによって散乱された一次及びマイナス一次回折次数間の強度における差の計算にオーバーレイ測定を基づかせることは、一般的な慣例である。従って、オーバーレイ測定の場合に、メトリックは、2つの回折次数強度間の差である。典型的には、オーバーレイメトロロジツール又はアライメント測定システムを用いる測定は、瞳面における又はその近くに配置されたセンサによって供給される信号に基づき、例えば、回折次数は、センサ表面がある平面で空間に分離される。
【0098】
[000105] 個別回折次数の正確な測定を容易にするために、メトロロジ構造を照明するために用いられる光源の照明瞳を構成することが必要になり得る。照明瞳は、例えば一次及びマイナス一次回折次数間、及び一次回折次数及びゼロ次数間のオーバーラップが存在しないか又は非常に制限されるように、構成されてもよい。
【0099】
[000106] 差メトリックは、メトロロジ構造の全体的な回折効率と共にスケールし、全体的な回折効率は、スタックの特性によって、且つ特にスタック、及びメトロロジ構造を照明するために用いられる光の特性(波長、偏光モード)の相互作用によって大部分は決定される。小さい回折効率の場合に、メトロロジシステムによって生成された信号は、小さすぎて差メトリックの正確な測定はできない。
【0100】
[000107] しかしながら、十分に大きい回折効率は、メトロロジ構造の照明用に使用される光の適切な波長及び/又は偏光モードを選択することによって達成され得る。例えば、一次回折次数の強度の測定は、複数の波長及び/又は偏光モード用に実施されてもよい。別の例において、一次及びマイナス一次次数の強度の合計メトリックは、一連の波長及び/又は偏光モードにわたって測定されてもよく、その後、波長及び/又は偏光モードは、一次及びマイナス一次次数内に含まれる強度に関連する最適な合計メトリックに基づいて選択されてもよい。合計メトリックは、複数の波長及び/又は偏光モードで測定されるような回折次数の強度を含む非対称データ(前の段落の何れかで開示されたような)に基づいて決定されてもよい。また、非対称データは、複数のフィーチャによって、例えばアライメントマーク及びオーバーレイ(底部格子)マークによって散乱された回折次数の強度データを含んでもよい。
【0101】
[000108] ひとたび波長及び/又は偏光モードの最適な範囲が、上記合計メトリックに基づいて決定されると、オーバーレイメトロロジツール及び/又はアライメント測定システム両方のより最適な構成が達成され得る。例えば、オーバーレイメトロロジツールによって測定されるような合計メトリックを最適化することによって決定された最適な波長及び偏光モードは、アライメント測定システム又はスキャトロメータ(例えば、半導体製造プロセスのオーバーレイを測定することによって構成された)など、メトロロジツールの設定を最適化するように構成されたコンピュータシステムに伝達されてもよい。コンピュータシステムは、続いて、アライメントマークのより正確な位置測定を産出する最適化されたアライメント測定レシピを提供してもよい。
【0102】
[000109] 光の波長及び/又は偏光モードに対する合計メトリックの関数依存性は、(例えば、CMPツール、堆積ツール、又はエッチングツールによって実施される)処理ステップにおける変化ゆえに、スタック特性の展開を監視するために更に用いられてもよい。例えば、使用されるCMPツールが、時間においてドリフトする場合に、スタック内に含まれた層の厚さは、変化しそうである。結果として、スタック特性(例えば層の厚さ)とメトロロジ構造の回折効率との間に強い結合が存在するので、最大合計メトリックの点から見て、光の最適な波長もまた、同じように変化しそうである。従って、合計メトリックの値、並びにその関連する光の最適な波長及び/又は偏光モードの両方は、半導体デバイスを製造する際に適用される処理ステップの監視用に使用されてもよい。
【0103】
[000110] 多くの場合に、合計メトリックの値及び/又は最適な波長に関する知識は、1つ又は複数のスタックパラメータの正確に決定された値にリンクされてもよい。例えば、スタック厚とメトロロジ構造の回折効率との間のモデル化された関係は、利用可能であり得る。モデル化された関係は、合計メトリックにおける観察された変化をスタック厚の予想される変化に翻訳するために用いられてもよい。スタック厚における予想される変化は、プロセス制御目的のために、例えばスタック内に含まれる層を施し且つ研磨する際に使用される堆積ツール及び/又はCMPツールに補正制御動作を適用するために使用されてもよい。従ってプロセス監視とは別にまたプロセス制御は、合計メトリック、及び/又は上記合計メトリックを最適化する際に使用される光の光学特性の知識に基づいてもよい。
【0104】
[000111] 合計メトリックが、メトロロジシステムの上記で言及された構成、半導体プロセスの監視、又は半導体製造プロセスの制御を可能にする好ましいメトリックであることが認識される。しかしながら、一般に、少なくともN番目の回折及び-N番目の回折次数の積分強度又は積分エネルギの知識は十分であり得、積分強度又はエネルギは、典型的には、上記合計メトリックを生じるために追加されるが、しかし同様にまた、回折次数の1つが、他の回折次数ほど適切ではないことが分かる場合に、加重総和が検討されてもよい。
【0105】
[000112] 合計メトリックはまた、オーバーレイ、CD、又はフォーカスなど、性能(又は品質)パラメータを示すプロセスパラメータとして用いられてもよい。この場合に、測定された性能パラメータデータに合計メトリックを相関させるモデルが訓練されてもよい。次に、訓練されたモデルは、合計メトリックに基づいて、性能パラメータを予想するために用いられてもよく、合計メトリックは、仮想/ハイブリッドメトロロジシステムの文脈において更に用いられてもよく、合計メトリックは、(例えば性能パラメータの直接測定によって取得されるような)性能パラメータデータをアップサンプリングするために例えば用いられる。実施形態では、モデルは、合計メトリック及び性能パラメータデータで訓練され、モデルは、基板に関連する合計メトリックの知識に基づいて、基板にわたり密な性能パラメータデータを提供するために続いて用いられる。
【0106】
[000113] 更なる実施形態は、以下の番号を付けられた条項のリストで開示される。
1.基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するように構成されたリソグラフィ装置における基板の露光に先立って、基板の変形を表す基板グリッドを決定するための方法であって、
基板上の複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャ用の位置データを取得することと、
複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャの少なくとも1つのフィーチャ用の非対称データを取得することと、
少なくとも位置データに基づいて、基板グリッドを決定することと、
基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するために、露光プロセスの少なくとも一部を制御するための基板グリッド及び非対称データをリソグラフィ装置に送ることと、
を含む、方法。
2.基板グリッドの決定は、基板グリッド及び非対称データを送るステップが、非対称性を補正された基板グリッドを送ることを含むように、非対称データに追加的に基づく、条項1に記載の方法。
3.複数の第1のフィーチャは、アライメントマークを含む、条項1に記載の方法。
4.0.9以下のNAを有するセンサを含む低開口数(NA)光学系を使用して、アライメントマーク用の位置データを取得することを更に含む、条項3に記載の方法。
5.複数の第2のフィーチャは、メトロロジターゲット及び任意選択的にオーバーレイターゲットを含む、条項1~4の何れか一項に記載の方法。
6.複数の第1のフィーチャは、アライメントマークを含み、且つ0.9を超えるNAを有するセンサを含む高NA光学系を使用して、アライメントマーク及び/又はメトロロジターゲット用の非対称データを取得することを更に含む、条項5に記載の方法。
7.高NA光学系は、複数の空間的に分散された高NAセンサを含む、条項6に記載の方法。
8.複数の第1のフィーチャに関連する位置データに対して、複数の第2のフィーチャに関連する位置データの少なくとも1つの選択されたものを較正することを更に含む、条項1~7の何れか一項に記載の方法。
9.リソグラフィ装置における基板のアライニング中に取得された更なる位置データに対して、位置データの少なくとも1つの選択されたものを較正することを更に含む、条項8に記載の方法。
10.位置データの少なくとも1つの選択されたものに対して、リソグラフィ装置における基板のアライニング中に取得された更なる位置データを較正することを更に含む、条項8に記載の方法。
11.基板グリッド及び非対称データに基づいて、リソグラフィ装置において基板をアライメントすることを更に含む、条項1~10の何れか一項に記載の方法。
12.基板グリッド及び非対称データに基づいて、1つ又は複数の更なるフィーチャを基板上に作製するために、リソグラフィ装置における露光プロセスの少なくとも一部を制御することであって、第1及び/又は第2のフィーチャは、第1の層に位置し、1つ又は複数の更なるフィーチャは、第2の又はより高い層に位置することを更に含む、条項1~11の何れか一項に記載の方法。
13.オーバーレイを測定するためのメトロロジ装置に非対称データを送ることを更に含む、条項1~12の何れか一項に記載の方法。
14.非対称データに基づいて、オーバーレイデータを決定することを更に含む、条項13に記載の方法。
15.基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するように構成されたリソグラフィ装置において、基板の露光に先立って基板の変形を表す基板グリッドを決定するための測定装置であって、
測定装置は、基板上の複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャ用に位置データを取得するように構成された光学系を含み、
光学系は、複数の第1のフィーチャ及び/又は複数の第2のフィーチャの少なくとも1つのフィーチャ用に非対称データを取得するように更に構成され、
測定装置は、位置データに基づいて基板グリッドを決定するように、且つ基板上に1つ又は複数のフィーチャを作製するために、露光プロセスの少なくとも一部を制御するための基板グリッド及び非対称データをリソグラフィ装置に送るように構成される、測定装置。
16.複数の第1のフィーチャは、アライメントマークを含む、条項15に記載の測定装置。
17.光学系は、アライメントマーク用の位置データを取得するように構成される、0.9以下のNAを有するセンサを含む低開口数(NA)光学系を含む、条項16に記載の測定装置。
18.複数の第2のフィーチャは、メトロロジターゲット及び任意選択的にオーバーレイターゲットを含む、条項15~17の何れか一項に記載の測定装置。
19.複数の第1のフィーチャは、アライメントマークを含み、光学系は、アライメントマーク及び/又はメトロロジターゲット用の非対称データを取得するように構成される、0.9を超えるNAを有するセンサを含む高NA光学系を含む、条項18に記載の測定装置。
20.高NA光学系は、複数の空間的に分散された高NAセンサを含む、条項19に記載の測定装置。
21.複数の空間的に分散された高NAセンサは、基板の不透明な層を通過する波長を有する放射を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを含み、任意選択的に少なくとも1つのセンサは、IR(赤外線センサ)である、条項20に記載の測定装置。
22.測定装置は、複数の第1のフィーチャに関連する位置データに対して、複数の第2のフィーチャに関連する位置データの少なくとも1つの選択されたものを較正するように構成される、条項15~21の何れか一項に記載の測定装置。
23.条項1の基板グリッド及び非対称データを用いるように構成されたリソグラフィ装置であって、
位置データ及び/又は非対称データに基づいて、リソグラフィ装置において基板をアライメントするように構成される、リソグラフィ装置。
24.非対称データに基づいてオーバーレイデータを決定するように構成されたメトロロジ装置を含む、条項23に記載のリソグラフィ装置。
25.条項15の測定装置を含む、条項23に記載のリソグラフィ装置。
26.製造プロセスにさらされ且つプロセス歪みを有するターゲットを含む基板の測定から取得されたプロセスパラメータ測定エラー用の値を算出するための方法であって、プロセスパラメータ測定エラーは、プロセス歪みの結果であり、方法は、
基板をアライメントするために使用される1つ又は複数のアライメントマークにおける非対称性を示すアライメント非対称データを取得することと、
プロセスパラメータ測定エラーにアライメント非対称データを相関させるモデルを取得することと、
プロセスパラメータ測定エラーの値を取得するために、アライメント非対称データ及びモデルを用いることと、
を含む、方法。
27.プロセスパラメータは、オーバーレイである、条項26に記載の方法。
28.アライメント非対称データは、第1の特性を備えた放射を用いて測定された場合の1つ又は複数のアライメントマークの第1の測定された位置、及び第2の特性を備えた放射を用いて測定された場合の1つ又は複数のアライメントマークの第2の測定された位置における差を含む、条項26又は27に記載の方法。
29.第1の特性と第2の特性との間で変えられる特性は、波長及び/又は偏光である、条項28に記載の方法。
30.プロセスパラメータ測定エラーからプロセスパラメータの測定用の補正を決定することを含む、条項26~29の何れか一項に記載の方法。
31.プロセスパラメータの測定は、単一照明特性測定で実行されたターゲットの測定に基づく、条項30に記載の方法。
32.モデルを較正するために較正ステージを実行することを含む、条項26~31の何れか一項に記載の方法。
33.較正ステージは、シミュレートされたターゲット及びシミュレートされたアライメントマークと、シミュレートされたターゲット及びシミュレートされたアライメントマークのシミュレートされた測定応答と、を含むシミュレートされた訓練データを用いて実行される、条項32に記載の方法。
34.較正ステージは、モデルが、アライメント非対称データに基づいて、プロセスパラメータ測定エラーを特徴付けることができるようにモデルを較正する、条項33に記載の方法。
35.モデルは、ニューラルネットワークを含む、条項26~34の何れか一項に記載の方法。
36.アライメント非対称データは、製造プロセスが仕様内にあるかどうかを決定するために更に用いられる、条項26~35の何れか一項に記載の方法。
37.製造プロセスが仕様内にあるかどうかに関する決定に基づいて、プロセスパラメータを測定するためのメトロロジ動作への修正を決定することを含む、条項36に記載の方法。
38.プロセスパラメータを測定するメトロロジ動作の取得数を低減することであって、各取得が、異なる照明特性で実行されることを含む、条項26~37の何れか一項に記載の方法。
39.アライメント非対称データをアライメント非対称閾値と比較すること、及び、比較に基づいて基板を分類すること、を含む、条項26~37の何れか一項に記載の方法。
40.基板を分類することは、比較に基づいて、基板が、仕様内又は仕様外にあるかどうかを決定することを含む、条項39に記載の方法。
41.リソグラフィ装置、メトロロジ装置、及び条項26~40の何れか一項に記載の方法を実施するように動作可能な少なくとも1つのプロセッサを含む、リソセル。
42.リソグラフィ装置は、アライメント非対称データを取得するために、アライメント測定を実施するように動作可能であり、
メトロロジ装置は、プロセスパラメータを測定するように動作可能であり、
少なくとも1つのプロセッサは、プロセスパラメータ測定エラーの値を用いて、測定されたプロセスパラメータを補正するように動作可能である、条項41に記載のリソセル。
43.半導体製造プロセスにおいて使用されるメトロロジツールを構成するための方法であって、
複数の波長及び/又は偏光モードで照明された基板上の層に施されたメトロロジ構造から散乱されたN番目及び-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存性に基づいて、メトロロジツールを構成することと、を含み、
構成は、メトロロジツール内の放射源の波長及び/又は偏光モードの少なくとも1つの選択されたものを提供する、方法。
44.半導体製造プロセスを監視するための方法であって、
複数の波長及び/又は偏光モードで照明された基板上の層に施されたメトロロジ構造から散乱されたN番目及び-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存の特性に基づいて、半導体製造プロセスを監視することと、
を含む、方法。
45.半導体製造プロセスを制御するための方法であって、
複数の波長及び/又は偏光モードで照明された基板上の層に施されたメトロロジ構造から散乱されたN番目及び-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存に由来する層の特性に基づいて、半導体製造プロセスにおいて使用される処理装置を制御することと、
を含む、方法。
46.取得は、測定装置によって提供された測定データに基づく、条項43~45の何れか一項に記載の方法。
47.測定装置は、アライメントシステムを含む、条項46に記載の方法。
48.メトロロジ構造は、アライメントマークを含む、条項43~47の何れか一項に記載の方法。
49.測定装置は、スキャトロメータを含む、条項46に記載の方法。
50.メトロロジ構造は、オーバーレイマークの底部格子を含む、条項43~49の何れか一項に記載の方法。
51.取得は、測定装置の瞳面内の測定に基づく、条項46に記載の方法。
52.メトロロジ構造の照明は、回折次数間の、及び/又は回折次数とゼロ次数との間のオーバーラップを全く有しないか又は非常に限られたオーバーラップを有するように構成された照明瞳を有する光源を用いる、条項51に記載の方法。
53.取得は、N番目及び-N番目の回折次数内に含まれる積分強度及び/又は積分エネルギの総和を更に含む、条項43~52の何れか一項に記載の方法。
54.非対称データは、複数の波長及び/又は偏光モードで照明された第1及び/又は第2のフィーチャから散乱された個別回折次数の強度データ又はエネルギデータを更に含む、条項1に記載の方法。
55.非対称データに基づいて、複数の波長及び/又は偏光モードにおけるN番目及び/又は-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存の特性に基づいて、半導体製造プロセスを監視することと、
を更に含む、条項54に記載の方法。
56.非対称データに基づいて、複数の波長及び/又は偏光モードにおけるN番目及び/又は-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存に由来する層の特性に基づいて、半導体製造プロセスにおいて使用される処理装置を制御することと、
を更に含む、条項54に記載の方法。
57.非対称データに基づいて、複数の波長及び/又は偏光モードにおけるN番目及び/又は-N番目の回折次数内に含まれる積分強度又は積分エネルギを取得することと、
波長及び/又は偏光モードへの積分強度又は積分エネルギの依存性に基づいて、メトロロジツールを構成することと、を更に含み、
構成は、メトロロジツール内の放射源の波長及び/又は偏光モードの少なくとも1つの選択されたものを提供する、条項54に記載の方法。
【0107】
[000114] 本明細書では、リソグラフィ装置をICの製造で使用することが具体的に参照されているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることが理解されるべきである。可能な他の用途として、一体型光学系、磁区メモリのガイダンスパターン及び検出パターン、平面パネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造がある。
【0108】
[000115] 本明細書では、本発明の実施形態をリソグラフィ装置に関連して具体的に参照している場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用され得る。本発明の実施形態は、パターニングデバイス(例えばマスク)検査装置、メトロロジ装置或いはウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)等の物体を測定又はプロセスする任意の装置の一部をなし得る。これらの装置は、まとめてリソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を用い得る。
【0109】
[000116] 本発明の実施形態を光リソグラフィに関連して使用することをここまで具体的に参照してきたが、本発明は、文脈が許す限り、光リソグラフィに限定されず、他の用途で使用され得、例えばインプリントリソグラフィで使用され得ることが理解される。
【0110】
[000117] いくつかの米国特許、米国特許出願、又は他の材料(例えば論文)が、参照によって組み込まれた範囲において、そのような米国特許、米国特許出願、及び他の材料のテキストは、そのような材料と本明細書で明らかにされる言明及び図面との間の衝突が存在しないという範囲で参照によって組み込まれるだけである。そのような衝突の場合に、そのような参照によって組み込まれた米国特許、米国特許出願、及び他の材料における何れかのそのような衝突するテキストは、本明細書では参照によって特に組み込まれることはない。
【0111】
[000118] ブロック図において、図示されたコンポーネントは、別個の機能ブロックとして表現されるが、しかし実施形態は、本明細書で説明される機能性が、図示されたように組織化されるシステムに制限されない。コンポーネントのそれぞれによって提供される機能性は、現在表現されているのと違った風に組織化されるソフトウェア又はハードウェアモジュールによって提供されてもよく、例えば、そのようなソフトウェア又はハードウェアは、混合されるか、結合されるか、繰り返されるか、分解されるか、分散されるか(例えばデータセンタ内で若しくは地理的に)、又はそうでなければ違った風に組織化されてもよい。本明細書で説明された機能性は、有形の非一時的な機械可読媒体に格納されたコードを実行する1つ又は複数のコンピュータの1つ又は複数のプロセッサによって提供されてもよい。幾つかの場合に、第三者コンテンツ配信ネットワークは、ネットワークを通じて伝達される情報の幾らか又は全てをホストしてもよく、その場合に、情報(例えばコンテンツ)が、供給されるか又は別の方法で提供される範囲で、情報は、コンテンツ配信ネットワークからその情報を検索するために、命令を送信することによって提供されてもよい。
【0112】
[000119] ここまで本発明の特定の実施形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明は、説明された以外の方法で実施され得る。上述の説明は、限定的ではなく、例示的であるものとする。従って、当業者であれば明らかなように、以下に示される特許請求項の範囲から逸脱しない限り、記載された本発明に対する修正形態がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8