(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】賦香製品の香りの強さの表示方法、表示デバイス及び表示システム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20221212BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221212BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G09G5/36 510A
G09G5/00 510B
(21)【出願番号】P 2018206129
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 良太
(72)【発明者】
【氏名】源治 万裕心
(72)【発明者】
【氏名】河原 麻衣子
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/089590(WO,A1)
【文献】石田寛,外1名,“気流を考慮・活用した匂い提示”,平成27年電気学会全国大会講演論文集 ,一般社団法人電気学会,2015年,3-S28,p.9-12
【文献】長谷川俊雄,“香りでオフィス空間をデザインする ―インテリジェントビルへの導入―”,FRAGRANCE JOURNAL,フレグランス ジャーナル社,1989年,Vol.17, No.9,p.45-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイスにおいて、処理部が、建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示する工程を含む、表示方法
であって、前記香り指数が下式によって算出される、表示方法:
[数1]
香り指数=10×LogX
X:賦香製品の香りを認知閾値未満になるまで無臭空気で希釈したときの希釈倍率(香気濃度)。
【請求項2】
前記香りの認知可能範囲が、賦香製品から揮散される香りの強さを示す賦香指数に応じた範囲として表示され、前記賦香指数は、前記賦香製品の香り指数と、香気情報と、前記賦香製品を配置する前記建物内の空間情報に基づいて決定される、請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記賦香指数に応じた範囲が、同じ賦香指数で張られた等値線で示される、請求項
2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記認知可能範囲が賦香指数に応じた色の濃さで着色される、請求項
2又は3に記載の表示方法。
【請求項5】
前記賦香指数に応じた範囲が時系列の推移で示される、請求項
2から
4のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項6】
前記賦香製品が、前記賦香指数に応じた範囲と、消臭効果を示す消臭指数の範囲
が識別可能に表示される、請求項
2から
5のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項7】
建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示する表示デバイス
であって、前記香り指数が下式によって算出される、表示デバイス:
[数1]
香り指数=10×LogX
X:賦香製品の香りを認知閾値未満になるまで無臭空気で希釈したときの希釈倍率(香気濃度)。
【請求項8】
建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータを生成する処理デバイスと、
前記区画情報上に、香りの認知可能範囲を表示する表示デバイス
を備える、表示システム
であって、前記香り指数が下式によって算出される、表示システム:
[数1]
香り指数=10×LogX
X:賦香製品の香りを認知閾値未満になるまで無臭空気で希釈したときの希釈倍率(香気濃度)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賦香製品の香りの強さの表示方法、賦香製品の香りの強さを表示するための表示デバイス及び賦香製品の香りの強さを表示するための表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドラッグストアなどの店頭にはルーム用芳香剤を始めとする多くの賦香製品が陳列されているが、従来その選択は、ユーザーが賦香製品の香りを直接嗅いで香りの種類や強さを指標として行われているのが一般的である。しかし、ユーザーが賦香製品を使用する屋内の広さや間取りは、ユーザー毎に様々であり、またユーザーが希望する香りの強度もユーザー毎に様々である。このため、賦香製品を購入する際に、それを配置する屋内の広さや間取りに応じて、あらかじめ所定の強度の香りを有する賦香製品を選択することができると、期待通りの芳香効果を持続的に得ることができるため好ましいと考えられる。
【0003】
従来、消臭効果のビジュアルプレゼンテーション方法として、商品の消臭効果を真正または擬似的に提示する方法は知られているものの(特許文献1)、真の賦香製品について、それを配置する空間の間取りに応じて、ユーザーに所望の香り強度を有する賦香製品を選択させるための方法は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて開発されたものであり、真の賦香製品について、それを配置する空間の広さや間取りに応じて、ユーザーに賦香製品の香りの強さの分布を視覚情報として表示する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、賦香製品そのものの「香り指数」とそれを配置する建物の「空間情報」に基づいて算出される賦香製品に関する賦香指数を、空間情報上に表示する方法を見出した。
【0007】
本発明はかかる知見に基づいてさらに研究を重ねて完成したものであり、下記の実施形態を有するものである。
【0008】
(I)表示方法
(I-1)表示デバイスにおいて、処理部が、建物内の区画情報上に、香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示する工程を含む、表示方法。
(I-2)前記香りの認知可能範囲が、賦香製品から揮散される香りの強さを示す賦香指数に応じた範囲として表示され、前記賦香指数は、前記賦香製品の香り指数と、香気情報と、前記賦香製品を配置する前記建物内の空間情報に基づいて決定される、I-1に記載の表示方法。
(I-3)前記香り指数が下式によって算出される、I-1又はI-2に記載の表示方法:
[数1]
香り指数=10×LogX
X:賦香製品の香りを認知閾値未満になるまで無臭空気で希釈したときの希釈倍率(香気濃度)。
(I-4)前記賦香指数に応じた範囲が、同じ賦香指数で張られた等値線で示される、I-1からI-3のいずれか一項に記載の表示方法。
(I-5)前記認知可能範囲が賦香指数に応じた色の濃さで着色される、I-1からI-4のいずれか一項に記載の表示方法。
(I-6)前記賦香指数に応じた範囲が時系列の推移で示される、I-1からI-5のいずれか一項に記載の表示方法。
(I-7)前記賦香製品が、前記賦香指数に応じた範囲と、消臭効果を示す消臭指数の範囲が、1つの表示方法に識別可能に表示される、I-1からI-6のいずれか一項に記載の表示方法。
(II)表示デバイス
建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示する表示デバイス。
(III)表示システム
建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータを生成する処理デバイスと、前記区画情報上に、香りの認知可能範囲を表示する表示デバイスを備える、表示システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表示方法によれば、ユーザーに視覚情報として香りの強さの分布を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図8】表示デバイス及び処理デバイスのハードウェアの構成例を示す。
【
図9】表示システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】表示デバイスの動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.表示方法
本発明のある実施形態は、表示デバイスにおいて、処理部が、建物内の区画情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示する表示方法に関する。表示デバイスにおける表示は、賦香製品を宣伝または広告するために広くユーザー(賦香製品の消費者、顧客、購買者を含む)に対して行われる。好ましくは、賦香製品を取得しようとする者に対して行われる。
【0012】
賦香製品とは、1種または2種以上の賦香製品用香料組成物を含有し、これらの香料成分を大気中に揮散することで香りを発する製品を意味する。具体的には、建物内の空間に香りを揮散させるために、建物内に配置または噴霧して用いられる芳香剤のほか、ハウスホールド製品(洗剤、柔軟仕上げ剤、クリーナー、ワックスなど)、トイレタリー製品(石鹸、シャンプー、入浴剤)、化粧品(皮膚用、頭髪用、メーキャップ用)、及びファインフレグランス製品(香水、オードトワレ、オードパルファンなど)を例示することができる。好ましくは芳香剤である。芳香剤は、その使用する建物内の場所に応じて、部屋用、トイレ用、台所用、シューズボックス用、クローゼット用等があり、制限されないものの、好ましくは部屋用芳香剤である。その形態は特に制限されず、例えば配置型(置き型)、プラグインタイプ、スプレー型、吊り下げ型等を例示することができるが、好ましくは配置型(置き型)である。配置型には液体タイプ、固体タイプ、ゲルタイプ、ビーズタイプ、メンブレンタイプ等があるが、いずれであってもよい。
【0013】
賦香製品用香料組成物は、前述する賦香製品に担持させる香料組成物である。言い換えれば、賦香製品用香料組成物は、賦香製品を調製するために使用される香料組成物である。当該香料組成物は、単一の香料成分が任意の希釈媒体に溶解または分散されてなるものであってもよいが、通常は2種以上の香料成分が任意に組み合わされて希釈媒体に溶解または分散されてなるものである。
【0014】
本実施形態において、建物は、ヒトが出入りする建築物である限り制限されない。好ましくは、建物は、商業用建築物又は住宅建築物である。より好ましくは、建物は、一戸建て住宅、集合住宅(マンション、アパート、長屋等を含む)等の住宅用建築物である。建物は、1又は複数の区画を含んでいてもよい。1つの区画は、他の区画と壁、ドア、引き戸、襖等で完全、又は不完全に仕切られていていてもよいが、仕切りはなくてもよい。また、前記仕切りは、カウンター、パーティション、カーテン、家具等であってもよい。区画は、部屋、キッチン、バスルーム、トイレ、洗面所、廊下、階段、玄関、押し入れ、クローゼット等を含みうる。これらの建物内の区画は「間取り」と言い換えることもでき、区画の配置は「間取り図」によって表現することができる。
【0015】
建物内の空間情報(以下、単に「空間情報」ともいう)には、建物内の区画の間取り等の1又は複数の区画情報を含む。空間情報は、建物内部全体の情報であってもよく、建物内部の一部の情報であってもよい。空間情報には、少なくとも、前記区画情報の他、空気流入箇所と空気流出箇所の位置情報を含む。また空間情報には、空間温度(気温、室温)、及び喚起回数を含めることができる。
図1に空間情報の例として区画情報を示す。
図1は、住宅用建築物の間取りを示す平面図である。
図1には、玄関Eと、廊下Pと、階段Sと、浴室BRと、洗面所WRと、トイレRRと、キッチンKと、リビングダイニングLDと、和室Rが示されている。また
図1において符号Cは押し入れ又はクローゼット、符号Wは窓等を示し、符号Dはドアを示す。符号D1及びD2は出入り口を示す。キッチンKには排気口DCが設けられている。符号2は、賦香製品の配置位置を示す。賦香製品は、区画情報内のいずれかの区画に配置される。空気流入箇所は、窓W及びドアDであってもよく、吸気口等であってもよい。空気流出箇所は、窓W、ドアD、及び排気口DC等であってもよい。
図1は、IBEC 建築省エネルギー機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)より提供される平面図であるが、区画情報はこれに制限されない。
図1では住宅建築物の1つのフロアを平面図で表しているが、区画情報は、このような図面に限定されない。例えば、
図2に例示するように、区画情報は、建物内の区画の間取りを立体的な見取り図で示してもよい。区画情報として好ましくは、間取り図である。
【0016】
空間情報は、複数準備され、例えば、複数の空間情報の中からユーザーが賦香製品を配置したいと考える空間を反映した区画情報を選択してもよい。ユーザーが自ら準備した区画情報を用いることもできる。
賦香製品が揮散する香りの強さは、香り指数で表すことができる。賦香製品は、製品ごとに決められた香り指数を有するように調整される。
香り指数は、下式により求めることができる:
【0017】
[数1]
香り指数=10×LogX
【0018】
ここで「X」は、被験香料組成物を担持させた賦香製品から揮散される香りを、人間の嗅覚で認知することができなくなるまで(認知閾値未満になるまで)無臭空気で薄めたときの希釈倍率を意味する。つまり、「香り指数」は、賦香製品から揮散される香りを、人間の嗅覚で認知することができなくなるまで無臭空気で薄めたときの希釈倍率(香気濃度)を求め、その常用対数に10を乗じた値を意味する。例えば、賦香製品から揮散される香りを100倍に希釈して香りが認知できなくなった場合、希釈倍率(香気濃度)は100、香り指数は20となる。香りの強さは香気成分の濃度の対数に比例するため、「香り指数」は人間の感覚量に対応した尺度になる。つまり、「香り指数」10と20では希釈倍率(香気濃度)は10倍相違するものの、香りの強さとしては、1段階程度違うように感じられる。「香り指数」は、香りの種類によらず、また個人差(香りに対する嗜好差)が少なく測定できるため、香料組成物の組成(種類)や賦香製品のユーザーを不特定とする本発明の方法に適した好適な指標である。
【0019】
前記希釈倍率(香気濃度)は、測定対象のにおいを無臭空気で希釈して希釈倍率(香気濃度)を求める方法として慣用的に使用されている官能検査法により求めることができる。かかる官能検査法としては、例えばオルファクトメーター法、及び三点比較式臭袋法を例示することができる。三点比較式臭袋法は、賦香製品から揮散される香りを無臭空気で希釈した空気(希釈空気)を入れた袋1個と、無臭空気を入れた袋2個のにおいをパネルに嗅いでもらい、においのある袋を選択してもらうことで実施される。具体的には、最初は香りの濃度を高くしておき、パネル全員が正解するようにし、次に3倍希釈してこの作業を繰り返し、においのある袋を正しく選択できなくなるまで行い、不正解になったときの希釈倍率から香気濃度を求める方法である。オルファクトメーター法は、賦香製品から揮散される香りを無臭空気で希釈した空気(希釈空気)と無臭空気とを比較し、においのある方を選択するのは、先の三点比較式臭袋法と同じであるが、最初に誰もがにおいを感知できないほど、香りを希釈しておき、1.6倍ずつ濃度を高くして正しく検知できたときの希釈倍率から香気濃度を求める方法である。希釈空気の調製に関して、三点比較式臭袋法は、賦香製品から揮散される香りを、ポリエステル製のバッグ(におい袋)とガラス製注射器を用いて手作業で希釈して調製する方法であるのに対して、オルファクトメーター法は、コンプレッサーやフローコントローラー等から構成される希釈装置(オルファクトメーター)により連続的に希釈して調製する方法であるため、手希釈による三点比較式臭袋法と比較して測定精度(再現性)が高いという利点がある。このため、「香り指数」は、オルファクトメーターを用いたオルファクトメーター法により求めた希釈倍率(香気濃度)に基づいて算出することが好ましい。なお、制限されないものの、オルファクトメーターとして、島津製作所社製のにおい識別装置FF-2020(FF-2020 Sシステム)に搭載されているにおい希釈混合装置(FDL-1)を例示することができる。なお、使用される無臭空気は、三点比較式臭袋法及びオルファクトメーター法のいずれも定法に従って例えば活性炭を通して臭い成分を除去した空気を用いることができる。
【0020】
なお、希釈倍率(香気濃度)は、前述する官能検査法に代えて、例えば前述する島津製作所社製のにおい識別装置等のように分析機器を用いて求めることもできる。におい識別装置は、人間の官能評価と同じようににおいの質と強さを表現できる装置である。これを用いることにより、においの強さや質を数値化することができるため、人間の官能評価に代えて客観的に、被験賦香製品用香料組成物を担持させた賦香製品から揮散される香りについて、人間の嗅覚で認知することができなくなる閾値(認知閾値)を決定することができる。つまり、当該におい識別装置等を用いた機器分析手法によって算出される認知閾値を下回るまで、被験香料組成物を担持させた賦香製品から揮散される香りを無臭空気で薄めることで、希釈倍率(X)を算出することができ、当該希釈倍率(X)から前記式にあてはめて香り指数を求めることができる。
【0021】
以上のことから、本発明における「認知閾値未満になるまで」でいう「認知閾値」は前述する官能検査法によって求められる閾値であってもよいし、前述する機器分析手法によって求められる閾値でもよい。好ましくは官能検査法によって求められる閾値であり、より好ましくはオルファクトメーター法によって求められる閾値である。
【0022】
斯くして求められた賦香製品の香り指数は、必要に応じて、パーソナルコンピュータ10の入力部111に入力することで、被験香料組成物を担持させた賦香製品について「香り指数」を用意することができる。
【0023】
香り指数は、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲として、表示デバイス等に表示され得る。好ましくは、前記香りの認知可能範囲は、賦香製品から揮散される香りの強さを示す賦香指数に応じた範囲として表示される。
【0024】
ここで賦香指数は、賦香製品を建物内部に配置した場合に、当該賦香製品から建物内の空間(大気中)に揮散された香りの強さ(例えば、希釈、又は濃縮された香料組成物の単位容積あたりの存在量、若しくは香り指数で表される)を反映した値である。賦香製品から揮散される香りは、大気の流動がない場合、基本的には賦香製品の配置位置から遠ざかるほど大気による希釈率が高くなるため、賦香製品から揮散される香りの強さを反映する賦香指数もそれに応じて小さくなる。実際の建物内の空間では、ドアの開閉、換気等による大気の流動が起こる。このため、賦香指数は、賦香製品の香り指数と、当該賦香製品の建物内の配置位置と、当該建物内の空間情報等を考慮して、当該建物内の個々の区画における大気による希釈率から求めることが必要となる。建物内の個々の区画において香りがどのように希釈されるかについては、例えば、構造格子系汎用三次元熱流体解析システムSTREAM(登録商標)等のコンピュータプログラムを使って、シミュレートすることができる。
【0025】
シミュレーションを行う場合には、例えば、空間情報として、空間や区画の広さ等、空気の流入箇所、空気の流出箇所等の間取り情報、換気回数及び室温等の環境情報等を入力してもよい。また、香りの設定条件に関する情報(以下、「香気情報」ともいう)として、少なくとも香気成分濃度又は香り指数、香気成分の揮散量(単位時間あたりに揮散する量)、香気成分の質量、香気成分の密度、及び香気成分の拡散係数を入力してもよい。また香気情報には、賦香製品の位置情報も含まれる。当該賦香製品の位置情報は香り揮散の起点になる。ここで賦香製品の位置情報としては、例えば、賦香製品において香料組成物を担持した基材が外に露出して外気と接している場合はその露出表面積、及びその露出部分の空間における位置座標(例えば、座標はx,y,zで表され、y軸を高さ方向とする場合、x軸とz軸はy軸と直交し、かつz軸はx軸に直交する)が含まれる。なお、被験香料組成物は通常、複数の香料成分の組み合わせからなるため、前述する香気情報のうち、香料組成物の質量、香料組成物の密度及び拡散係数を算出することは難しい場合がある。この場合は、香料組成物の質量及び密度に代えて空気の質量及び密度を、また拡散係数としてアンモニアなどの他の気体の拡散係数を代用してもよい。賦香指数は、空間情報と香気情報とに基づいて、コンピュータプログラムによってシミュレートされ、空間内の各位置の賦香指数を視覚情報として示すデータが、賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するためのデータとして生成される。また、香気情報および空間情報からどこまで拡散するか判定するため、ユーザーの生活空間における賦香製品を配置する適切な位置についても確認することができる。
【0026】
例えば表1に示すように、シミュレーションによって算出される単位空間(例えば、部屋等の賦香製品が配置された区画)の特定位置における香料組成物の存在量(mg)を賦香指数に置き換え、置き換えた賦香指数の値に基づいて等値線を引いたものである。このように、建物の区画情報(例えば、建物の間取り図)上に、賦香製品の配置場所、及びその周辺領域における賦香指数を等値線にて反映すると、建物内における賦香製品から揮散される香りの強さを、賦香指数の分布として表示することができる。
【0027】
【0028】
例えば、
図3では、空間の各点における賦香指数について、同じ賦香指数を示す範囲に等値線を張ることで、賦香指数の分布を賦香指数に応じた範囲の視覚情報として示している。
図3には、賦香製品の配置位置2が示されているが、賦香製品の配置位置2の表示は任意である。
図3では、賦香製品の配置位置2の近くに位置する出入り口D1から大気の流入があり、リビングダイニングLDとキッチンKとの間の出入り口D2から大気が流出する。このような空間におけるシミュレーションでは、賦香指数が最も高い場所(賦香製品から揮散された香りがもっとも強い場所)は、賦香製品の配置位置2とずれることが示されている。このように賦香指数の分布は、賦香製品の配置位置2や、出入り口D1や出入り口D2の位置といった間取り(区画情報)からのみでは必ずしも正確に予測することはできない。空間における賦香指数の分布を正確に予測するために、さらに大気の流れといった空間情報を加味して実際にシミュレーションすることが必要となる。
【0029】
図4から
図7に賦香指数の分布を賦香指数に応じた範囲の視覚情報として示す際のバリエーションを示す。
図4から
図7では、便宜上、区画1内に賦香製品の配置位置からヒトが認知可能な香りの下限濃度(「認知閾値」とも言う)に相当する賦香指数を示す位置4までの範囲3(認知可能範囲3)を円形で示している。
図4において位置4は、認知可能範囲3とその範囲外の境界となる賦香指数を示す範囲に等値線(点線)が張られ、認知可能範囲3は、グレーで示されているが、これに制限されない。このパターンでは、賦香指数に応じた範囲が、賦香製品の配置位置から認知閾値の賦香指数までを示す香りの認知可能範囲として示され、前記認知可能範囲が他の範囲と識別可能に表示される。
【0030】
図5(a)は、認知可能範囲3を等値線のみで示す例である。等値線のパターンは実線、破線等であってもよい。
図5(b)は、特定の同じ賦香指数を示す地点4までの範囲を、賦香指数の程度(例えば、値の大小)によらず、単色で着色して示す例である。ここで、色には白及び黒を含むものとする。また、
図5(c)は、特定の同じ賦香指数を示す地点4までの範囲を、賦香指数の程度に依存しない複数の色で着色されて表示される例、例えばハッチングで示す例である。
図5(b)及び
図5(c)は、等値線を張っていないが、等値線と組み合わせてもよい。
【0031】
図6(a)から
図6(c)は、認知可能範囲3について、認知可能範囲を賦香指数に応じた色の濃さで着色する例である。このパターンは、賦香指数の値に応じて段階的な色調で着色して範囲を示す例である。
図6(a)は、第1の賦香指数を示す範囲である第1の等値線5aと、第1の賦香指数よりも小さい第2の賦香指数を示す範囲である第2の等値線5bと、認知可能範囲3とその範囲外の境界となる第3の賦香指数を示す範囲である第3の等値線5cとで表されている。
図6(b)は、第1の賦香指数を示す範囲である第1の等値線5aと、第1の賦香指数よりも小さい第2の賦香指数を示す範囲である第2の等値線5bと、認知可能範囲3とその範囲外の境界となる第3の賦香指数を示す範囲である第3の等値線5cとで表されている。さらに、賦香製品の配置位置2から第1の等値線5aまでの第1の範囲6aと、第1の等値線5aから第2の等値線5bまでの第2の範囲6bと、第2の等値線5bから第3の等値線5cまでの第3の範囲6cが、賦香指数の値が小さくなるにつれ、淡く着色されるようにグラデーションで表されている。これはそれぞれの範囲が同じ賦香指数であるか、同程度の賦香指数であることを意図している。
図6(c)は、
図6(b)の例から等値線5a,5b,5cを除いた例である。
図5及び
図6において、賦香製品の配置位置2の表示は任意である。
【0032】
賦香指数に応じた範囲は、例えば、賦香製品を配置してからの時間に応じて、賦香製品が配置された区画内の換気の状況やドアの開閉等に応じて、気温の変化等に応じて時系列で示されてもよい。時系列で賦香指数に応じた範囲を示す場合、静止画を切り替えてもよいが、動画で表示してもよい。
【0033】
本実施形態の別の態様として、賦香製品が消臭効果を示す場合、消臭効果を示す消臭指数の範囲を賦香指数に応じた範囲と共に空間情報上に表示してもよい。消臭効果は、賦香製品が消臭成分を含む場合の消臭効果でもよく、賦香製品用香料成分によるマスキング消臭による効果であってもよい。消臭効果は、例えば、賦香製品から揮散される芳香空気(消臭成分を含んでも良い)と悪臭空気とを混合し、悪臭空気のみの臭気強度からの臭気強度の低下、もしくは悪臭臭気のみの臭気指数からの臭気指数の低下を確認することによって評価することができる。臭気強度、もしくは臭気指数の低下した数値を消臭指数として用いることで、空間情報上に賦香製品の消臭効果範囲を表示することができる。
【0034】
消臭効果も香りと同様に賦香製品から離れるにしたがって希釈される。消臭効果がどのように希釈されるかについては、香りの場合と同様に、構造格子系汎用三次元熱流体解析システムSTREAM(登録商標)等のコンピュータプログラムを使って、シミュレートし、視覚情報に変換することができる。
【0035】
賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するためのデータは、データの生成後に後述する表示デバイス10の処理部101が自動的に表示してもよいが、ヒトがマニュアルで表示デバイス10に前記データの表示を開始する指令を与え表示してもよい。
【0036】
2.表示デバイス・表示システム
本発明のある実施形態は、上記表示方法により生成された賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するためのデータに基づいて、建物内の空間情報上に、前記建物内のいずれかの区画に配置された賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示する表示デバイス10に関する。また、表示デバイス(表示装置)10は、建物内の空間情報上に、前記建物内のいずれかの区画に配置された賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するためのデータを生成する処理デバイス(演算装置)20と、表示システム1000を構成してもよい。
【0037】
2-1.表示システムのハードウェア構成
図7に、表示デバイス10と、処理デバイス20の概略図を含む、表示システム1000の構成例を示す。表示デバイス10には、前記データを表示するための出力部112が接続される。また、表示デバイス10には、ヒトが表示デバイス10に入力を行うための入力部111が接続されていてもよい。処理デバイス20には、空間情報上に賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するための出力部212が接続される。また、処理デバイス20には、ヒトが処理デバイスに入力を行うための入力部211が接続されていてもよい。表示システム1000において、表示デバイス10と処理デバイス20はネットワーク99を介して接続されている。ネットワーク99は、有線であっても無線であってよい。
【0038】
図8に表示デバイス10のブロック図を示す。表示デバイス10は、入力部111と、出力部112と、記憶媒体113とに接続されていてもよい。
【0039】
表示デバイス10において、処理部101と、主記憶部102と、ROM(read only memory)103と、補助記憶部104と、通信インタフェース(I/F)105と、入力インタフェース(I/F)106と、出力インタフェース(I/F)107と、メディアインターフェース(I/F)108は、バス109によって互いにデータ通信可能に接続されている。主記憶部102と補助記憶部104とを合わせて、単に記憶部と呼ぶこともある。記憶部は、生成されたデータや、後述するアプリケーションプログラムを記憶する。
【0040】
処理部101は、表示デバイス10のCPUである。処理部101は、GPUであってもよい。処理部101が、補助記憶部104又はROM103に記憶されているコンピュータプログラムを実行し、取得されるデータの処理を行うことにより、表示デバイス10が機能する。
【0041】
ROM103は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成され、処理部101により実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータが記録されている。処理部101はMPU101としてもよい。ROM103は、表示デバイス10の起動時に、処理部101によって実行されるブートプログラムや表示デバイス10のハードウェアの動作に関連するプログラムや設定を記憶する。
【0042】
主記憶部102は、SRAM又はDRAMなどのRAM(Random access memory)によって構成される。主記憶部102は、ROM103及び補助記憶部104に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶部102は、処理部101がこれらのコンピュータプログラムを実行するときの作業領域として利用される。
【0043】
補助記憶部104は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等によって構成される。補助記憶部104には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの、処理部101に実行させるための種々のコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムの実行に用いる各種設定データが不揮発性に記憶されている。
【0044】
通信I/F105は、USB、IEEE1394、RS-232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェース、ネットワークインタフェースコントローラ(Network interface controller:NIC)等から構成される。通信I/F105は、処理部101の制御下で、処理デバイス20と通信してもよい。
【0045】
入力I/F106は、例えばUSB、IEEE1394、RS-232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成される。入力I/F106は、入力部111から文字入力、クリック、音声入力等を受け付ける。受け付けた入力内容は、主記憶部102又は補助記憶部104に記憶される。
【0046】
入力部111は、タッチパネル、キーボード、マウス、ペンタブレット、マイク等から構成され、表示デバイス10に文字入力又は音声入力を行う。入力部111は、表示デバイス10の外部から接続されても、表示デバイス10と一体となっていてもよい。
【0047】
出力I/F107は、例えば入力I/F106と同様のインタフェースから構成される。出力I/F107は、処理部101が生成した情報を出力部112に出力する。出力I/F107は、処理部101が生成し、補助記憶部104に記憶した情報を、出力部112に出力する。
【0048】
出力部112は、例えばディスプレイ、プリンター等で構成され、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を空間情報上に表示する。ディスプレイには、パーソナルコンピュータ等に接続可能なモニタ、タブレット端末の表示部、テレビの表示部等を含む。
【0049】
入力部111及び出力部112は、タブレット端末として一体化されていてもよい。この場合表示デバイス10は、ネットワークを介して、タブレット端末にインストールされたブラウザソフトに、空間情報と、賦香指数に応じた範囲を表示する。
【0050】
メディアI/F108は、記憶媒体113に記憶された例えばアプリケーションソフト等を読み出す。読み出されたアプリケーションソフト等は、主記憶部102又は補助記憶部104に記憶される。また、メディアI/F108は、処理部101が生成した情報を記憶媒体113に書き込む。メディアI/F108は、処理部101が生成し、補助記憶部104に記憶した情報を、記憶媒体113に書き込む。
【0051】
記憶媒体113は、フレキシブルディスク、CD-ROM、又はDVD-ROM等で構成される。記憶媒体113は、フレキシブルディスクドライブ、CD-ROMドライブ、又はDVD-ROMドライブ等によってメディアI/F108と接続される。記憶媒体113には、コンピュータがオペレーションを実行するためのアプリケーションプログラム等が格納されていてもよい。
【0052】
処理部101は、表示デバイス10の制御に必要なアプリケーションソフトや各種設定をROM103又は補助記憶部104からの読み出しに代えて、ネットワークを介して取得してもよい。前記アプリケーションプログラムがネットワーク上のサーバコンピュータの補助記憶部内に格納されており、このサーバコンピュータに表示デバイス10がアクセスして、コンピュータプログラムをダウンロードし、これをROM103又は補助記憶部104に記憶することも可能である。
【0053】
また、ROM103又は補助記憶部104には、例えば米国マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザーインタフェース環境を提供するオペレーションシステムがインストールされている。第2の実施形態に係るアプリケーションプログラムは、前記オペレーティングシステム上で動作するものとする。すなわち、表示デバイス10は、パーソナルコンピュータ等であり得る。
【0054】
2-2.処理デバイスのハードウェア構成
処理デバイス20のハードウェアの構成は、表示デバイス10のハードウェア構成と同様である。処理デバイス20については、表示デバイス10の処理部101、主記憶部102、ROM103、補助記憶部104、通信I/F105、入力I/F106、入力部111、出力I/F107、出力部112、メディアI/F108、バス109、記憶媒体113を、処理部201、主記憶部202、ROM203、補助記憶部204、通信I/F205、入力I/F206、入力部211、出力I/F207、出力部212、メディアI/F208、バス209、記憶媒体213と読み替えるものとする。
【0055】
2-2.表示システムの動作
図9に、表示システム1000の動作の例を示す。表示システム1000では、上記表示方法で述べた方法に従って、処理デバイス20が、建物内の空間情報上に、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータの生成処理を行い、表示デバイス10が前記データの表示処理を行う。
【0056】
処理デバイス20の処理部201は、オペレータ(例えば、賦香製品の開発者)からの処理開始の入力を入力部211から受け付け、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータの生成処理を開始する。
【0057】
ステップS11において、処理部201は、オペレータによる入力部211からの表示対象となる賦香製品の香り指数の入力を受け付けるか、記憶部に記憶されている表示対象となる賦香製品の香り指数を読み出すことで、前記香り指数を取得する。
【0058】
続いて、ステップS12において、処理部201は、空間情報と香気情報を取得する。この情報の取得は、オペレータによる入力部211からの入力を受け付けることによって行ってもよく、記憶部に記憶されている情報を読み出すことで取得してもよい。
【0059】
続いて、ステップS13において、処理部201は、ステップS11で取得した賦香製品の香り指数とステップS12で取得した空間情報と香気情報とに基づいて対象となる空間における賦香指数を算出する。
【0060】
続いて、ステップS14において、処理部201は、賦香製品の賦香指数に応じた範囲を表示するためのデータを生成する。
【0061】
続いて、ステップS15において、処理部201は、通信I/F205を介して、生成したデータを表示デバイス10に送信する。
【0062】
表示デバイス10の処理部101は、ステップS21において通信I/F105を介して、処理デバイス20から送信されたデータを受信する。
【0063】
続いて処理部101は、ステップS22において出力部112にデータを出力し、データを視覚化する。
【0064】
ここで、ステップS11とステップS12を行う順番は逆であってもよい。また処理デバイス20の処理部201は、ステップS14において生成したデータを記憶媒体213に出力するか、補助記憶部204に記憶してもよい。
【0065】
表示デバイス10は、ステップS21において、処理デバイス20からデータを受信する代わりに、メディアI/F108を介して、記憶媒体113からデータを読み込んでもよい。
【0066】
2-3.表示デバイスの動作の別実施形態
表示デバイス10は、単独で賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータと生成処理と表示処理を行ってもよい。
【0067】
表示デバイス10の処理部101は、オペレータ(例えば、賦香製品の開発者)からの処理開始の入力を入力部211から受け付け、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータの生成処理を開始する。
【0068】
ステップS31において、処理部101は、オペレータによる入力部111からの表示対象となる賦香製品の香り指数の入力を受け付けるか、記憶部に記憶されている表示対象となる賦香製品の香り指数を読み出すことで、前記香り指数を取得する。
【0069】
続いて、ステップS32において、処理部101は、空間情報と香気情報を取得する。この情報の取得は、オペレータによる入力部111からの入力を受け付けることによって行ってもよく、記憶部に記憶されている情報を読み出すことで取得してもよい。
【0070】
続いて、ステップS33において、処理部101は、ステップS31で取得した賦香製品の香り指数とステップS32で取得した空間情報と香気情報とに基づいて対象となる空間における賦香指数を算出する。
【0071】
続いて、ステップS34において、処理部101は、賦香製品の香り指数に基づく、香りの認知可能範囲を表示するためのデータを生成する。
【0072】
続いて、ステップS15において、出力部112にデータを出力し、データを視覚化する。
【0073】
ここで、ステップS31とステップS32を行う順番は逆であってもよい。また処理部101は、ステップS14において生成したデータを記憶媒体113に出力するか、補助記憶部104に記憶してもよい。
【0074】
3.コンピュータプログラム
本開示のある実施形態は、コンピュータプログラムに関する。
前記コンピュータプログラムは、
図9に記載のステップS11~S15、又はステップ21及びステップ22に記載の処理をコンピュータに実行させるアプリケーションプラグラムである。あるいは、コンピュータプログラムは、
図10に記載のステップS31~S35に記載の処理をコンピュータに実行させるアプリケーションプラグラムである。
【0075】
さらに、本開示のある実施形態は、前記コンピュータプログラムを記憶した、記憶媒体に関する。すなわち、前記コンピュータプログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等の記憶媒体に記憶される。前記記憶媒体へのプログラムの記憶形式は、前記提示装置が前記プログラムを読み取り可能である限り制限されない。前記記憶媒体への記憶は、不揮発性であることが好ましい。
【符号の説明】
【0076】
表示デバイス10
処理デバイス20
表示システム1000