(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】基板処理システム、半導体装置の製造方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20221212BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20221212BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20221212BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/316 X
C23C16/44 B
C23C16/42
(21)【出願番号】P 2020159826
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八幡 橘
(72)【発明者】
【氏名】松井 俊
(72)【発明者】
【氏名】大橋 直史
(72)【発明者】
【氏名】高崎 唯史
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-045880(JP,A)
【文献】特開2009-094424(JP,A)
【文献】特開2014-154751(JP,A)
【文献】特開2009-049316(JP,A)
【文献】特開2001-044185(JP,A)
【文献】特開2001-193914(JP,A)
【文献】特開2004-346378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/312-21/32
H01L 21/365
H01L 21/469-21/475
H01L 21/67-21/683
H01L 21/86
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容する複数の処理容器と、
前記複数の処理容器それぞれに接続され、処理ガスを供給するガス供給管と、
前記複数の処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部と、
前記ガス供給管内の雰囲気を排気し、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された、前記第1排気部とは別の第2排気部と、
前記第2排気部の後段に設けられ前記第2排気部が排気したガスを貯留するタンクと、
a)前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給して前記基板を処理するステップと、
b)前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から前記第2排気部に前記処理ガスを排気するステップと、
を実行するよう前記切替バルブと前記第1排気部と前記第2排気部とを制御可能に構成された制御部と、
を有する基板処理システム。
【請求項2】
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記第2排気部は、前記原料ガス供給管と前記反応ガス供給管の少なくとも1つに設けられた前記切替バルブを介して接続され、
前記制御部は、
前記b)処理において、前記原料ガスと前記反応ガスの少なくもいずれかを前記第2排気部で排気するよう前記原料ガス供給管と前記反応ガス供給管の少なくともいずれかに設けられた前記切替バルブを制御可能に構成される、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記第2排気部は、前記原料ガス供給管に設けられた前記切替バルブを介して接続され、
前記制御部は、
前記b)処理において、前記原料ガスを前記第2排気部で排気するよう前記切替バルブを制御可能に構成される、
請求項1又は2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記反応ガス供給管に第2切替バルブを介して接続された、前記第1排気部とは別の第3排気部を有し、
前記制御部は、
前記反応ガスを前記第3排気部で排気するように前記第2切替バルブを制御可能に構成される
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記第1排気部の後段に除害装置が設けられ、
前記第2排気部は、前記除害装置に接続される
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記タンクの圧力を測定する圧力測定部と、
前記制御部の制御内容を表示可能な表示部と、を有し、
前記制御部は、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記表示部に前記タンク内の圧力を報知可能に構成される
請求項
1に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、上位装置と通信可能な通信部を有し、
前記制御部は、前記タンク内の圧力をモニタし、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記上位装置に前記タンク内の圧力を報知するよう前記通信部を制御する
請求項
1に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記タンク内の圧力を測定する圧力測定部と、
前記第2排気部の後段に切替バルブを介し、前記タンクと並列に設けられたバイパスラインと、
を有し、
前記制御部は、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記第2排気部から前記バイパスラインに前記第2排気部が排気したガスが流れる様に前記切替バルブを制御可能に構成される
請求項
1に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記タンクは前記第2排気部が設けられた排気ラインから脱着可能に構成される
請求項
1乃至
8のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記タンクを所定温度に温度調整する温度調整部を有する
請求項
1乃至
9のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記原料ガス供給管内の雰囲気を排気する原料ガス排気管と、
前記反応ガス供給管内の雰囲気を排気する反応ガス排気管と、
前記原料ガス排気管と前記反応ガス排気管のいずれか一方を前記第2排気部に連通させる切替バルブと、
を有する請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記第2排気部は、少なくともガス排気管と排気ポンプとを有し、
前記ガス排気管を所定温度に温度調整する加熱部を有する
請求項
1乃至11のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記ガス排気管は、原料ガスを排気する原料ガス排気管であって、
前記制御部は、前記原料ガスが前記ガス排気管内に付着しない温度に前記ガス排気管を加熱するよう前記加熱部を制御可能に構成される
請求項
12に記載の基板処理システム。
【請求項14】
基板が収納された複数の処理容器それぞれに接続されたガス供給管から前記処理容器に処理ガスを供給して前記基板を処理する工程と、
前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された前記処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部とは別の第2排気部に前記処理ガスを排気
し、前記第2排気部の後段に設けられたタンクで前記排気したガスを貯留する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項15】
基板が収納された複数の処理容器それぞれに接続されたガス供給管から前記処理容器に処理ガスを供給して前記基板を処理する手順と、
前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された前記処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部とは別の第2排気部に前記処理ガスを排気
し、前記第2排気部の後段に設けられたタンクで前記排気したガスを貯留する手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造において、例えば基板の表面に所望の酸化膜を形成する成膜処理のような、基板処理が行われることが知られている。特許文献1には、成膜用の原料ガスや反応ガスといった処理ガスを、ガス供給管から、基板が収容された処理容器(処理室)に供給して基板を処理する基板処理システムが開示されている。また、処理容器には、基板処理に伴い、処理容器内の雰囲気を排気する排気部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、基板の処理のために処理ガスが処理容器に供給された後、後続の基板の処理における処理ガスの量や品質を一定に保持するため、ガス供給管内の雰囲気は一旦排気される必要がある。
【0005】
しかし、ガス供給管内の雰囲気を排気する排気管が、処理容器内の雰囲気を排気する排気部に接続されている場合、処理容器内からの排気ガスとガス供給管内からの排気ガスの合流部分で排気ガスの流れが滞留して、処理容器の排気管内に排気ガスが大量に堆積してしまう。
【0006】
このため、基板の処理後に処理容器内に残った処理ガスを、排気部で十分に排気できない場合がある。そして、後続の基板の処理の際、処理容器内に残った処理ガスによって例えば、処理ガスの濃度が設定濃度より濃くなる等、基板処理の処理条件が変動する。結果、基板の膜厚が不必要に厚くなるといった、半導体装置の製品の品質が低下するという問題が生じる。
【0007】
また、残った処理ガスが処理容器の内壁に付着することによって、内壁面上に不必要な被膜が形成される場合がある。被膜が厚くなると基板の処理に影響が生じるため、被膜を除去するメンテナンス作業を行う必要が生じるが、メンテナンス作業中は対象の処理容器を、製造に使用できない。このため、製造ラインの製造能力が低下し、半導体装置の歩留まりが低下するという課題が生じる。
【0008】
特に、複数の処理容器を有する基板処理システムの場合、それぞれの処理容器における基板の搬送、成膜及び搬出等のそれぞれの処理がタイミングを少しずつずらして実施されることで、無駄な時間が削減され製造効率が高められている。このため、複数の処理容器を有する基板処理システムでは、上記のような、処理容器の排気部における排気ガスの堆積に起因する問題が、複数の処理容器のそれぞれにおいて生じるため、基板処理システム全体で見ると影響が大きくなる。
【0009】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであって、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によれば、
基板を収容する複数の処理容器と、複数の処理容器それぞれに接続され、処理ガスを供給するガス供給管と、複数の処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部と、ガス供給管内の雰囲気を排気し、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された、第1排気部とは別の第2排気部と、
a)ガス供給管から処理容器に処理ガスを供給して基板を処理するステップと、
b)ガス供給管から処理容器に処理ガスを供給していない間、ガス供給管から第2排気部に処理ガスを排気するステップと、
を実行するよう切替バルブと第1排気部と第2排気部とを制御可能に構成された制御部と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る技術によれば、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係る基板処理システムの横断面の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る基板処理システムの縦断面の概略図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る基板処理システムの真空搬送ロボットの概略図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る基板処理システムの概略構成図である。
【
図5】本開示の実施形態に係るチャンバの縦断面の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る基板処理システムのコントローラの概略構成図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る第1基板処理工程のフロー図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る第1基板処理工程のシーケンス図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る基板処理システムで行われる基板処理工程のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態に係る基板処理システムは、基板を収容する複数の処理容器と、ガス供給管と、第1排気部と、第2排気部と、ガス供給管と第1排気部と第2排気部とを制御する制御部と、を有する。以下に本開示の実施形態を図面に即して具体的に説明する。
【0014】
以下に、本実施形態に係る基板処理システムを説明する。
(1)基板処理システムの概要構成
本開示の一実施形態に係る基板処理システムの概要構成を、
図1から
図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの構成例を示す横断面図である。
図2は、本実施形態に係る基板処理システムの構成例を示す
図1のα-α’における縦断面図である。
図3は、
図1のアームの詳細を説明した説明図である。
図4は、プロセスモジュールに供給するガス供給系及びガス排気系を説明する説明図である。
図5は、プロセスモジュールに設けられるチャンバを説明する説明図である。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0015】
図1及び
図2において、本開示が適用される基板処理システム1000は、ウエハ200を処理するもので、IOステージ1100、大気搬送室1200、ロードロック室1300、真空搬送室1400、プロセスモジュール110で主に構成される。
【0016】
次に各構成について具体的に説明する。
図1の説明においては、前後左右は、X1方向が右、X2方向が左、Y1方向が前、Y2方向が後とする。なお、ウエハ200の表面には、半導体デバイスが形成され、基板処理システム1000では、半導体デバイス製造の一工程が行われる。ここで、半導体デバイスとは、集積回路や、電子素子単体(抵抗素子、コイル素子、キャパシタ素子、半導体素子)のいずれか、若しくは複数を含むものを言う。また、半導体デバイスの製造途中で必要となるダミー膜であっても良い。
【0017】
(大気搬送室・IOステージ)
図1中の下側に位置する、基板処理システム1000の手前には、IOステージ(ロードポート)1100が設置されている。IOステージ1100上には複数のポッド1001が搭載されている。ポッド1001は、シリコン(Si)基板などの基板(ウエハ200)を搬送するキャリアとして用いられ、ポッド1001内には、未処理の基板や処理済の基板がそれぞれ水平姿勢で複数格納されるように構成されている。
【0018】
ポッド1001にはキャップ1120が設けられ、後述するポッドオープナ1210によって開閉される。ポッドオープナ1210は、IOステージ1100に載置されたポッド1001のキャップ1120を開閉し、基板出し入れ口を開放・閉鎖することにより、ポッド1001に対する基板の出し入れを可能とする。ポッド1001は、図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、IOステージ1100に対して、供給及び排出される。
【0019】
IOステージ1100は、大気搬送室1200に隣接する。大気搬送室1200は、IOステージ1100と異なる面に、後述するロードロック室1300が連結される。
【0020】
大気搬送室1200内には基板を移載する第1搬送ロボットとしての大気搬送ロボット1220が設置されている。
図2に示されているように、大気搬送ロボット1220は、大気搬送室1200に設置されたエレベータ1230によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ1240によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0021】
図2に示されているように、大気搬送室1200の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット1250が設置されている。また、
図1に示されているように、大気搬送室1200の左側には基板に形成されているノッチまたはオリエンテーションフラットを合わせる装置(以下、プリアライナという)1260が設置されている。
【0022】
図1及び
図2に示されているように、大気搬送室1200の筐体1270の前側(
図1中の下側)には、基板を大気搬送室1200に対して搬入搬出するための基板搬入搬出口1280と、ポッドオープナ1210とが設置されている。基板搬入搬出口1280を挟んでポッドオープナ1210と反対側、すなわち筐体1270の外側にはIOステージ(ロードポート)1100が設置されている。
【0023】
ポッドオープナ1210は、IOステージ1100に載置されたポッド1001のキャップ1001aを開閉し、基板出し入れ口を開放・閉鎖することにより、ポッド1001に対する基板の出し入れを可能とする。ポッド1001は、図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、IOステージ1100に対して、供給及び排出される。
【0024】
大気搬送室1200の筐体1270の後ろ側(
図1中の上側)には、ウエハ200をロードロック室1300に搬入搬出するための基板搬入搬出口1290が設けられる。基板搬入搬出口1290は、後述するゲートバルブ1330によって解放・閉鎖されることにより、ウエハ200の出し入れを可能とする。
【0025】
(ロードロック(L/L)室)
ロードロック室1300は、大気搬送室1200に隣接する。ロードロック室1300を構成する筐体1310が有する面のうち、大気搬送室1200とは異なる面には、後述するように、真空搬送室1400が配置される。ロードロック室1300は、大気搬送室1200の圧力と真空搬送室1400の圧力に合わせて筐体1310内の圧力が変動するため、負圧に耐え得る構造に構成されている。
【0026】
筐体1310のうち、真空搬送室1400と隣接する側には、基板搬入搬出口1340が設けられる。基板搬入搬出口1340は、ゲートバルブ1350によって解放・閉鎖されることで、ウエハ200の出し入れを可能とする。
【0027】
さらに、ロードロック室1300内には、ウエハ200を載置する載置面1311(1311a,1311b)を少なくとも二つ有する基板載置台1320が設置されている。載置面1311間の距離は、後述する真空搬送ロボット1700が有するフィンガ間の距離に応じて設定される。
【0028】
(真空搬送室)
基板処理システム1000は、負圧下で基板が搬送される搬送空間となる搬送室としての真空搬送室(トランスファモジュール)1400を備えている。真空搬送室1400を構成する筐体1410は平面視が五角形に形成され、五角形の各辺には、ロードロック室1300及びウエハ200を処理するプロセスモジュール110a~110dが連結されている。真空搬送室1400の略中央部には、負圧下で基板を移載(搬送)する第2搬送ロボットとしての真空搬送ロボット1700が、フランジ1430を基部として設置されている。なお、ここでは、真空搬送室1400を五角形の例を示すが、四角形や六角形などの多角形であっても良い。
【0029】
筐体1410の側壁のうち、ロードロック室1300と隣接する側には、基板搬入搬出口1420が設けられている。基板搬入搬出口1420は、ゲートバルブ1350によって解放・閉鎖されることで、ウエハ200の出し入れを可能とする。
【0030】
真空搬送室1400内に設置される真空搬送ロボット1700は、
図2に示すように、エレベータ1450及びフランジ1430によって真空搬送室1400の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。真空搬送ロボット1700の詳細な構成は後述する。エレベータ1450は、真空搬送ロボット1700が有する二つのアーム1800と1900をそれぞれ独立して昇降可能なよう構成されている。
【0031】
筐体1410の天井であって、筐体1410内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給孔1460が設けられる。不活性ガス供給孔1460には不活性ガス供給管1510が設けられる。不活性ガス供給管1510には上流から順に不活性ガス源1520、マスフローコントローラ1530、バルブ1540が設けられ、筐体1410内に供給する不活性ガスの供給量を制御している。
【0032】
主に、不活性ガス供給管1510、マスフローコントローラ1530、バルブ1540で、真空搬送室1400における不活性ガス供給部1500が構成される。なお、不活性ガス源1520、不活性ガス供給孔1460を不活性ガス供給部1500に含めてもよい。
【0033】
筐体1410の底壁には、筐体1410の雰囲気を排気するための排気孔1470が設けられる。排気孔1470には、排気管1610が設けられる。排気管1610には、上流から順に圧力制御器であるAPC(AutoPressure Controller)1620、ポンプ1630が設けられる。
【0034】
主に、排気管1610、APC1620で真空搬送室1400におけるガス排気部1600が構成される。なお、ポンプ1630、排気孔1470をガス排気部に含めてもよい。
【0035】
不活性ガス供給部1500、ガス排気部1600の協働によって真空搬送室1400の雰囲気が制御される。例えば、筐体1410内の圧力が制御される。
【0036】
図1に示されているように、筐体1410の五枚の側壁のうち、ロードロック室1300が設置されていない側には、ウエハ200に所望の処理を行うプロセスモジュール110a、110b、110c、110dが連結されている。
【0037】
プロセスモジュール110a、110b、110c、110dのそれぞれには、チャンバ100が設けられている。具体的には、プロセスモジュール110aはチャンバ100a、100bが設けられる。プロセスモジュール110bにはチャンバ100c、100dが設けられる。プロセスモジュール110cにはチャンバ100e、100fが設けられる。プロセスモジュール110dにはチャンバ100g、100hが設けられる。
【0038】
筐体1410の側壁のうち、各チャンバ100と向かい合う壁には基板搬入搬出口1480が設けられる。例えば、
図2に記載のように、チャンバ100eと向かい合う壁には、基板搬入搬出口1480eが設けられる。
【0039】
図2のうち、チャンバ100eをチャンバ100aに置き換えた場合、チャンバ100aと向かい合う壁には、基板搬入搬出口1480aが設けられる。
【0040】
同様に、チャンバ100fをチャンバ100bに置き換えた場合、チャンバ100bと向かい合う壁には、基板搬入搬出口1480bが設けられる。
【0041】
ゲートバルブ1490は、
図1に示されているように、処理室ごとに設けられる。具体的には、チャンバ100aとの間にはゲートバルブ1490aが、チャンバ100bとの間にはゲートバルブ1490bが設けられる。チャンバ100cとの間にはゲートバルブ1490cが、チャンバ100dとの間にはゲートバルブ1490dが設けられる。チャンバ100eとの間にはゲートバルブ1490eが、チャンバ100fとの間にはゲートバルブ1490fが設けられる。チャンバ100gとの間にはゲートバルブ1490gが、チャンバ100hとの間にはゲートバルブ1490hが設けられる。
【0042】
各チャンバ100は、各ゲートバルブ1490によって解放・閉鎖されることで、基板搬入搬出口1480を介したウエハ200の出し入れを可能とする。
【0043】
続いて、真空搬送室1400に搭載される真空搬送ロボット1700について、
図3を用いて説明する。
図3は
図1の真空搬送ロボット1700を拡大した図である。
【0044】
真空搬送ロボット1700は、二つのアーム1800とアーム1900を備える。アーム1800は、先端に二つのエンドエフェクタ1810とエンドエフェクタ1820が設けられたフォークポーション(Folk portion)1830を有する。フォークポーション1830の根元にはミドルポーション1840が、軸1850を介して接続される。
【0045】
エンドエフェクタ1810とエンドエフェクタ1820には、それぞれのプロセスモジュール110から搬出されるウエハ200が載置される。
図2においては、プロセスモジュール110cから搬出されるウエハ200が載置される例を示す。
【0046】
ミドルポーション1840のうち、フォークポーション1830と異なる箇所には、ボトムポーション1860が軸1870を介して接続される。ボトムポーション1860は、軸1880を介してフランジ1430に配置される。
【0047】
アーム1900は、先端に二つのエンドエフェクタ1910とエンドエフェクタ1920が設けられたフォークポーション1930を有する。フォークポーション1930の根元にはミドルポーション1940が、軸1950を介して接続される。
【0048】
エンドエフェクタ1910とエンドエフェクタ1920には、ロードロック室1300から搬出されるウエハ200が載置される。
【0049】
ミドルポーション1940のうち、フォークポーション1930と異なる箇所には、ボトムポーション1960が軸1970を介して接続される。ボトムポーション1960は、軸1980を介してフランジ1430に配置される。
【0050】
エンドエフェクタ1810、エンドエフェクタ1820は、エンドエフェクタ1910、エンドエフェクタ1920よりも高い位置に配置される。
【0051】
真空搬送ロボット1700は軸を中心とした回転や、アームの延伸が可能である。
【0052】
(プロセスモジュール)
続いて各プロセスモジュール110の内、プロセスモジュール110aについて、
図1、
図2、
図4を例にして説明する。
図4はプロセスモジュール110aとプロセスモジュール110aに接続されるガス供給部と、プロセスモジュール110aに接続されるガス排気部との関連を説明する説明図である。
【0053】
ここではプロセスモジュール110aを例にしているが、他のプロセスモジュール110b、プロセスモジュール110c、プロセスモジュール110dにおいても同様の構造であるため、ここでは説明を省略する。
【0054】
図4に記載のように、プロセスモジュール110aには、ウエハ200を処理するチャンバ100aとチャンバ100bが設けられる。チャンバ100aとチャンバ100bの間には隔壁2040aが設けられ、それぞれのチャンバ内の雰囲気が混在しないように構成される。
【0055】
図2に記載のチャンバ100eと同様に、チャンバ100aと真空搬送室1400が隣り合う壁には基板搬入搬出口2060aが設けられている。
【0056】
各チャンバ100にはウエハ200を支持する基板支持部210が設けられている。
【0057】
プロセスモジュール110aには、チャンバ100aとチャンバ100bのそれぞれに処理ガスを供給するガス供給部が接続されている。ガス供給部は、第1ガス供給部(原料ガス供給部)、第2ガス供給部(反応ガス供給部)、第3ガス供給部(第1パージガス供給部)、第4ガス供給部(第2パージガス供給部)などで構成される。各ガス供給系の構成について説明する。
【0058】
(第1ガス供給部)
図4に示すように、処理ガス源113からプロセスモジュール110aの間には、バッファタンク114、とマスフローコントローラ(MFC)115a,115bと、処理室側バルブ116(116a,116b)がそれぞれ設けられている。また、これらは、処理ガス共通管112や、原料ガス供給管111a,111bなどで接続されている。これら、処理ガス共通管112、MFC115a,115b、処理室側バルブ116(116a,116b)、第1ガス供給管(原料ガス供給管111a,111b)で第1ガス供給部が構成される。なお、処理ガス源113を第1ガス供給系に含めるように構成しても良い。また、基板処理システムに設けられるプロセスモジュールの数に応じて、同様の構成を増減させて構成しても良い。
【0059】
ここで、MFCは、電気的な質量流量計と流量制御を組み合わせて構成された流量制御装置であっても良いし、ニードルバルブや、オリフィス等の流量制御装置であっても良い。後述するMFCも同様に構成されても良い。ニードルバルブや、オリフィス等の流量制御装置で構成した場合、ガス供給を高速でパルス的に切り替えることが容易となる。
【0060】
(第2ガス供給部)
図4に示すように、反応ガス供給源123からプロセスモジュール110aの間には、活性化部としてのリモートプラズマユニット(RPU)124、MFC125a,125b、処理室側バルブ126(126a,126b)が設けられている。これらの各構成は、反応ガス共通管122と第2ガス供給管(反応ガス供給管121a,121b)などで接続されている。これら、RPU124、MFC125a,125b、処理室側バルブ126(126a,126b)、反応ガス共通管122、反応ガス供給管121a,121bなどで、第2ガス供給部が構成される。なお、反応ガス供給源123を第2ガス供給部に含めるように構成しても良い。また、基板処理システムに設けられるプロセスモジュールの数に応じて、同様の構成を増減させて構成しても良い。
【0061】
本実施形態では、ガス供給管は、複数の処理容器それぞれに接続され、処理ガスを供給する。原料ガスを供給する原料ガス供給管111a,111bと、反応ガスを供給する反応ガス供給管121a,121bと、を有する。
【0062】
(第3ガス供給部(第1パージガス供給部))
図4に示すように、第1パージガス(不活性ガス)源133からプロセスモジュール110aの間には、MFC135a,135b、処理室側バルブ136(136a,136b),バルブ176a,176b、186a,186bなどが設けられている。これらの各構成は、パージガス(不活性ガス)共通管132、パージガス(不活性ガス)供給管131a,131bなどで接続されている。これら、MFC135a,135b、処理室側バルブ136(136a,136b)、不活性ガス共通管132、不活性ガス供給管131a,131bなどで、第3ガス供給系が構成されている。なお、パージガス(不活性ガス)源133を第3ガス供給部(第1パージガス供給部)に含めるように構成しても良い。また、基板処理システムに設けられるプロセスモジュールの数に応じて、同様の構成を増減させて構成しても良い。
【0063】
(第4ガス供給部(第2パージガス供給部))
図4に示すように、第4ガス供給部は、原料ガス供給管111a,111b、反応ガス供給管121a,121bそれぞれを介して各処理室110e,110fに不活性ガスを供給可能に構成される。第2パージガス(不活性ガス)源143から各供給管の間には、第4パージガス供給管141a,141b,151a,151b、MFC145a,145b,155a,155b、バルブ146a,146b,156a,156bなどが設けられている。これらの構成によって第4ガス供給部(第2パージガス供給部)が構成される。なお、ここでは、第3ガス供給部と第4ガス供給部のガス源を別々に構成したが、まとめて1つだけ設けるように構成しても良い。
【0064】
また、プロセスモジュール110aには、チャンバ100a内の雰囲気とチャンバ100b内の雰囲気とをそれぞれ排気するガス排気部が接続されている。
図4に示す様に、排気ポンプ223aとチャンバ100a,100bの間には、APC(Auto Pressure Controller)222a、共通ガス排気管225a、処理室排気管224a,224b、等が設けられている。これら、APC222a、共通ガス排気管225a、処理室排気管224a,224bでガス排気部が構成される。この様に、チャンバ100a内の雰囲気とチャンバ100b内の雰囲気は、1つの排気ポンプで排気されるように構成される。なお、処理室排気管224a,224bそれぞれの排気コンダクタンスを調整可能なコンダクタンス調整部226a,226bを設けても良く、これらをガス排気部の一構成としても良い。また、排気ポンプ223aをガス排気部の一構成としても良い。
【0065】
次に、本実施形態に係るチャンバ100について説明する。チャンバ100は、
図5に示されているように、枚葉式基板処理システムとして構成されている。チャンバでは、半導体デバイス製造の一工程が行われる。なお、チャンバ100a,100b,100c,100d,100e,100f,100g,100hは、
図5に示す構成と同様に構成される。ここでは、チャンバ100aを例として説明する。
【0066】
図5に示すとおり、チャンバ100は、処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料または、石英により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200を処理する処理空間(処理室)201、搬送空間203が形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板204が設けられる。
図5中、上部容器202aに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも上方の空間を処理空間(処理室ともいう)201と呼び、下部容器202bに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも下方の空間を搬送空間と呼ぶ。
【0067】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ1490に隣接した基板搬入搬出口1480が設けられており、ウエハ200は基板搬入搬出口(搬送空間203)を介して図示しない搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。更に、下部容器202bは接地されている。
【0068】
処理室201内には、ウエハ200を支持する基板支持部210が設けられている。基板支持部210は、ウエハ200を載置する基板載置面211と、基板載置面211を表面に持つ基板載置台212を有する。なお、基板支持部210には、加熱部としてのヒータ213を設けても良い。加熱部を設けることにより、基板を加熱させ、基板上に形成される膜の品質を向上させることができる。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられていても良い。
【0069】
基板載置台212は、シャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、更には処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び支持台(基板載置台212)を昇降させることにより、基板載置面211上に載置されるウエハ200を昇降させることが可能となっている。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
【0070】
基板載置台212は、ウエハ200の搬送時には、基板載置面211が基板搬入搬出口1480の位置(ウエハ搬送位置)となるよう基板支持台まで下降し、ウエハ200の処理時には
図1で示されるように、ウエハ200が処理室201内の処理位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。
【0071】
具体的には、基板載置台212をウエハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン207の上端部が基板載置面211の上面から突出して、リフトピン207がウエハ200を下方から支持するようになっている。また、基板載置台212をウエハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン207は基板載置面211の上面から埋没して、基板載置面211がウエハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン207は、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。なお、リフトピン207に昇降機構を設けて、基板載置台212とリフトピン207が相対的に動くように構成してもよい。
【0072】
(排気系)
次に、本実施形態に係る第1排気部及び第2排気部について説明する。
<第1排気部>
第1排気部220は、複数の処理室(処理容器)内の雰囲気を排気する。
図5に示したように、処理室201(上部容器202a)の内壁には、処理室201の雰囲気を排気する第1排気部としての排気口221が設けられている。排気口221には処理室排気管224が接続されており、真空ポンプ223が順に直列に接続されている。主に、排気口221と、処理室排気管224とによって、第1排気部(排気ライン)220が構成される。なお、真空ポンプ223を第1排気部に含めるように構成しても良い。
【0073】
(ガス導入口)
上部容器202aの側壁には処理室201内に各種ガスを供給するための第1ガス導入口241aが設けられている。第1ガス導入口241aには、第1ガス供給管(原料ガス供給管111a)が接続されている。また、処理室201の上部に設けられるシャワーヘッド234の上面(天井壁)には、処理室201内に各種ガスを供給するための第2ガス導入口241bが設けられている。第2ガス導入口241bには第2ガス供給管(反応ガス供給管121b)が接続されている。第1ガス供給部の一部として構成される第1ガス導入口241a及び第2ガス供給部の一部として構成される第2ガス導入口241bに接続される各ガス供給ユニットの構成については後述する。なお、第1ガスが供給される第1ガス導入口241aをシャワーヘッド234の上面(天井壁)に設けて、第1ガスを、第1バッファ空間232aの中央から供給する様に構成しても良い。中央から供給することで、第1バッファ空間232a内のガス流れが中心から外周に向かって流れ、空間内のガス流れを均一にし、ウエハ200へのガス供給量を均一化させることができる。
【0074】
(ガス分散ユニット)
シャワーヘッド234は、第1のバッファ室(第1バッファ空間)232a、第1の分散孔234a、第2のバッファ室(空間)232b及び第2の分散孔234bにより構成されている。シャワーヘッド234は、第2ガス導入口241bと処理室201との間に設けられている。第1ガス導入口241aから導入される第1ガスはシャワーヘッド234の第1バッファ空間232a(第1分散部)に供給される。更に、第2ガス導入口241bはシャワーヘッド234の蓋231に接続され、第2ガス導入口241bから導入される第2のガスは蓋231に設けられた孔231aを介してシャワーヘッド234の第2バッファ空間232b(第2分散部)に供給される。シャワーヘッド234は、例えば、石英、アルミナ、ステンレス、アルミなどの材料で構成される。
【0075】
なお、シャワーヘッド234の蓋231を導電性のある金属で形成して、第1バッファ空間232a、第2バッファ空間232b又は処理室201内に存在するガスを励起するための活性化部(励起部)としても良い。この際には、蓋231と上部容器202aとの間には絶縁ブロック233が設けられ、蓋231と上部容器202aの間を絶縁している。活性化部としての電極(蓋231)には、整合器251と高周波電源252を接続し、電磁波(高周波電力やマイクロ波)が供給可能に構成されても良い。
【0076】
第2バッファ空間232bに、供給された第2ガスの流れを形成するガスガイド235が設けられていても良い。ガスガイド235は、孔231aを中心としてウエハ200の径方向に向かうにつれ径が広がる円錐形状である。ガスガイド235の下端の水平方向の径は第1の分散孔234a及び第2の分散孔234bの端部よりも更に外周にまで延びて形成される。
【0077】
第1バッファ空間232aの内壁上面には、第1バッファ空間232aの雰囲気を排気する第1シャワーヘッド排気部としてのシャワーヘッド排気口240aが設けられている。シャワーヘッド排気口240aにはシャワーヘッド排気管236が接続されており、シャワーヘッド排気管236には、バルブ237x、第1バッファ空間232a内を所定の圧力に制御するバルブ237が順に直列に接続されている。主に、シャワーヘッド排気口240a、バルブ237a、シャワーヘッド排気管236により、第1シャワーヘッド排気部が構成される。
【0078】
第2バッファ空間232bの内壁上面には、第2バッファ空間232bの雰囲気を排気する第2シャワーヘッド排気部としてのシャワーヘッド排気口240bが設けられている。シャワーヘッド排気口240bにはシャワーヘッド排気管236が接続されており、シャワーヘッド排気管236には、バルブ237y、第2バッファ空間232b内を所定の圧力に制御するバルブ237が順に直列に接続されている。主に、シャワーヘッド排気口240b、バルブ237y、シャワーヘッド排気管236により、第2シャワーヘッド排気部が構成される。
【0079】
<第2排気部>
本実施形態の第2排気部は、ガス供給管内の雰囲気を排気する、第1排気部とは別の排気部として設けられている。このため、
図4に示すように、第2排気部300は、原料ガスを、処理室内に通すこと無く排気する。具体的には、第2排気部300は、原料ガス供給管111a内の雰囲気を排気する原料ガス排気管301aを有する。
【0080】
原料ガス排気管301aは、処理室側バルブ116aの前で原料ガス供給管111aに接続されている。原料ガス排気管301aの原料ガス供給管111aと反対側の端部は、処理ガス排気管305aに接続されている。
【0081】
<第3排気部>
本実施形態の第3排気部は、ガス供給管内の雰囲気を排気する、第1排気部、第2排気部とは別の排気部として設けられる。
図4に示す様に、第3排気部400は、反応ガスを処理室内に通すこと無く排気する。具体的には、第3排気部400は、反応ガス供給管121b内の雰囲気を排気する反応ガス排気管301bを有する。
【0082】
反応ガス排気管301bは、処理室側バルブ126a(126b)の前で反応ガス供給管121bに接続されている。反応ガス排気管301bの反応ガス供給管121bと反対側の端部は、処理ガス排気管305bに接続されている。なお、反応ガス排気管301bは、第1排気部と第2排気部とは別の排気部として設けられ、本開示の「第3排気部」に相当する。
【0083】
原料ガス排気管301aには、第1切替バルブ303aが設けられている。第1切替バルブ303aは、原料ガス排気管301aを第2排気部300に連通させる。反応ガス排気管301bには、第2切替バルブ303bが設けられている。第2切替バルブ303bは、反応ガス排気管301bを第3排気部400を介して第2排気部300に連通させる。本実施形態の第1切替バルブ303a及び第2切替バルブ303bは、本開示の「切替バルブ」に相当する。なお、本開示では、切替バルブは、原料ガス排気管301aと反応ガス排気管301bのいずれか一方を第2排気部に連通させればよい。また、個数も2個に限定されず、任意である。
【0084】
原料ガス供給管111aの第1切替バルブ303a、及び、反応ガス排気管301bの第2切替バルブ303bは、後述する制御部に接続されている。なお、本実施形態では、第2排気部300と第3排気部400との両方が設けられているが、本開示では、第2排気部300と第3排気部400の少なくとも1つ設けられれば良い。
【0085】
また、第2排気部300は、加熱部304を有する。加熱部304は、原料ガス排気管301aに接続され、原料ガス排気管を所定温度に温度調整する。また、加熱部304は、制御部に接続されている。なお、本開示では、原料ガス排気管301aを加熱するよう加熱部304とは別に、或いは加熱部304と共に、反応ガス排気管301bを加熱する加熱部が設けられてもよい。
【0086】
また、第2排気部300は、処理ガス排気管305aに接続された第2排気ポンプ307aを有する。主に、原料ガス排気管301aと、処理ガス排気管305aとによって、第2排気部(排気ライン)300が構成される。なお、第2排気ポンプ(真空ポンプ)307aを第2排気部300に含めるように構成しても良い。
【0087】
第2排気部300の後段には、第2排気部300が排気したガスを貯留するタンク309aが設けられている。タンク309aは第2排気部300が設けられた排気ラインから脱着可能に構成される。タンク309aには、タンク309aの圧力を測定する圧力測定部311aと、タンク309aを所定温度に温度調整する温度調整部312とが設けられている。圧力測定部311aは、制御部に接続され、測定された圧力は、制御部に送信される。温度調整部312は、制御部に接続され、制御部による温度調整によって、タンク309a内の排気ガスを、気体、液体、固体の所定の相状態に維持可能になる。
【0088】
第2排気部300の後段には、バイパスライン315aが、タンク309aと並列に設けられている。
図4に示すように、第1排気部220の後段であって、共通ガス排気管225aの排気ポンプ223aの下流側(
図4中の下側)には、除害装置320が設けられている。また、タンク309a及びバイパスライン315aが共通ガス排気管225aの除害装置320の上流側に接続されることによって、第2排気部300は、除害装置320に接続される。また、タンク309aの上流側には、ライン切替バルブ313a,313bが設けられ、ライン切替バルブ313aを閉じ、ライン切替バルブ313bを開くことにより、タンク309aへガスを流すことなく、バイパスライン315aへ流すことができる。なお、ここでは、ライン切替バルブ313a,313bをそれぞれ別々のバルブで構成した例を示したが、これに限らず、三方弁などの一つのバルブで構成しても良い。
【0089】
続いて、第3排気部400は、処理ガス排気管305bに接続された第2排気ポンプ307bを有する。主に、反応ガス排気管301bと、処理ガス排気管305bとによって、第3排気部(排気ライン)400が構成される。なお、第2排気ポンプ(真空ポンプ)307bを第3排気部400に含めるように構成しても良い。
【0090】
第3排気部400の後段には、バイパスライン315bが、タンク309bと並列に設けられている。タンク309b及びバイパスライン315bが共通ガス排気管225aの除害装置320の上流側に接続されることによって、第3排気部400は、除害装置320に接続される。また、タンク309bの上流側には、ライン切替バルブ313c,313dが設けられ、ライン切替バルブ313cを閉じ、ライン切替バルブ313dを開くことにより、タンク309bへガスを流すことなく、バイパスライン315bへ流すことができる。なお、ここでは、ライン切替バルブ313c,313dをそれぞれ別々のバルブで構成した例を示したが、これに限らず、三方弁などの一つのバルブで構成しても良い。
【0091】
なお、ここでは、第2排気部300と第3排気部400とを、プロセスモジュール110aに接続している構成について説明したが、これに限るものでは無い。プロセスモジュール110aに接続されている第2排気部300と第3排気部400とを他のプロセスモジュール110b,110c,110dに接続する様に構成しても良い。
【0092】
続いて、第1ガス供給部である第1バッファ空間232aと第2ガス供給部である第2バッファ空間232bとの関係について説明する。第1バッファ空間232aから処理室201へ複数の第1の分散孔234aが延びている。第2バッファ空間232bから処理室201へ複数の分散孔234bが延びている。第1バッファ空間232aの上側に第2バッファ空間232bが設けられている。このため、
図5に示すように、第1バッファ空間232a内を第2バッファ空間232bからの分散孔(分散管)234bが貫通するように処理室201へ延びている。
【0093】
(供給系)
シャワーヘッド234の蓋231に接続されたガス導入孔241には、ガス供給部が接続されている。ガス供給部からは、処理ガス、反応ガス、パージガスが供給される。
【0094】
(制御部)
図5に示すようにチャンバ100は、チャンバ100の各部の動作を制御するコントローラ260を有している。
【0095】
コントローラ260の概略を
図6に示す。本開示の制御部(制御手段)であるコントローラ260は、CPU(Central Processing Unit)260a、RAM(Random Access Memory)260b、記憶装置260c、I/Oポート260dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM260b、記憶装置260c、I/Oポート260dは、内部バス260eを介して、CPU260aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ260には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置261や、外部記憶装置262が接続可能に構成されている。
【0096】
入出力装置261には、制御部の制御内容を表示可能な表示部としての出力装置が含まれている。入出力装置261の出力装置及びネットワーク263は、本開示の「通信部」に相当し、制御部の上位装置264との通信を可能にする。
【0097】
記憶装置260cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置260c内には、基板処理システムの動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプログラムレシピ等が読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ260に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プログラムレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM260bは、CPU260aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0098】
I/Oポート260dは、ゲートバルブ1330,1350,1490、昇降機構218、ヒータ213、圧力調整器222,238、真空ポンプ223、整合器251、高周波電源252等に接続されている。また、後述の、搬送ロボット105、大気搬送ユニット102、ロードロックユニット103、マスフローコントローラ(MFC)115(115a,115b),125(125a,125b,125x),135(135a,135b,135x),145(145a,145b,145x),155(155a,155b),165(165a,165b)、バルブ237(237e,237f)、処理室側バルブ116(116a,116b),126(126a,126b,),136(136a,136b),176(176a,176b),186(186a,186b)、タンク側バルブ160,ベントバルブ170(170a,170b)、リモートプラズマユニット(RPU)124、加熱部304、第1切替バルブ303a、第2切替バルブ303b、圧力測定部311a、温度調整部312、ライン切替バルブ313a,313b,313c,313d、等にも接続されていても良い。
【0099】
CPU260aは、記憶装置260cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置261からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置260cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU260aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、ゲートバルブ205の開閉動作、昇降機構218の昇降動作、ヒータ213への電力供給動作、圧力調整器222(222a),238の圧力調整動作、真空ポンプ223のオンオフ制御、リモートプラズマユニット124のガスの活性化動作、MFC115(115a,115b),125(125a,125b),135(135a,135b)の流量調整動作、バルブ237(237e,237f),処理室側バルブ116(116a,116b),126(126a,126b,126c,126d),136(136a,136b),176(176a,176b),186(186a,186b)、タンク側バルブ160、ベントバルブ170(170a,170b)のガスのオンオフ制御、整合器251の電力の整合動作、高周波電源252のオンオフ制御等を制御するように構成されている。
【0100】
また、CPU260aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、第2排気部300の第1切替バルブ303a、第3排気部400の第2切替バルブ303b及びライン切替バルブ313a,313bの開閉動作を制御するように構成されている。
具体的には、CPU260aは、
a)ガス供給管(原料ガス供給管111a、反応ガス供給管121)から処理容器に処理ガスを供給して基板を処理するステップと、
b)ガス供給管から処理容器に処理ガスを供給していない間、ガス供給管から第2排気部300に処理ガスを排気するステップと、
を実行するよう、ガス供給管(原料ガス供給管111a、反応ガス供給管121)と第1排気部220と第2排気部300と第3排気部400とを制御する。
【0101】
本開示では、CPU260aは、上記のb)処理において、原料ガスを第2排気部300で排気することと、反応ガスを第3排気部400で排気することの少なくともいずれかを制御可能に構成されればよい。また、CPU260aは、タンク309a内の圧力が所定値以上になった後、第2排気部300からバイパスライン315aに第2排気部300が排気したガスが流れる様にライン切替バルブ313a,313bを制御可能に構成される。また、CPU260aは、タンク309bの圧力が所定値以上になった後、第3排気部400からバイパスライン315bに第3排気部400が排気したガスが流れる様にライン切替バルブ313c、313dを制御可能に構成される。
【0102】
また、CPU260aは、タンク309a、309b内の圧力をモニタし、タンク309a、309b内の圧力が所定値以上になった後、上位装置264にタンク309a、309b内の圧力を報知するよう通信部を制御する。また、CPU260aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、加熱部304及び温度調整部312の温度調整動作を制御するように構成されている。具体的には、CPU260aは、原料ガスが原料ガス排気管301a内及びタンク309a内に付着しない温度に原料ガス排気管301aを加熱するよう加熱部304を制御可能に構成される。
【0103】
なお、コントローラ260は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていても良い。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)262を用意し、係る外部記憶装置262を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ260を構成することができる。
【0104】
なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置262を介して供給する場合に限らない。例えば、ネットワーク263(インターネットや専用回線)等の通信手段を用い、外部記憶装置262を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置260cや外部記憶装置262は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置260c単体のみを含む場合、外部記憶装置262単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合が有る。
【0105】
(2)第1基板処理工程
次に、上述の基板処理システムの処理炉を用いて半導体装置(半導体デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜であって、例えばシリコン含有膜としてのシリコン酸化(SiO)膜を成膜するシーケンス例について
図7及び
図8を参照して説明する。なお、以下の説明において、基板処理システムを構成する各部の動作はコントローラ260により制御される。
【0106】
なお、本明細書において、「ウエハ」という言葉を用いた場合には、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等とその積層体(集合体)」を意味する場合(すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合)がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハに形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
【0107】
従って、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハに形成されている層や膜等に対して、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合が有る。また、本明細書において「ウエハに形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハ最表面の上に所定の層(又は膜)を形成する」ことを意味する場合が有る。
【0108】
なお、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も「ウエハ」という言葉を用いた場合と同様であり、その場合、上記説明において、「ウエハ」を「基板」に置き換えて考えればよい。
【0109】
以下に、第1基板処理工程S200Aについて説明する。
【0110】
(基板搬入工程S201)
第1基板処理工程S200Aに際しては、先ず、ウエハ200を処理室201に搬入させる。具体的には、基板支持部210を昇降機構218によって下降させ、リフトピン207が貫通孔214から基板支持部210の上面側に突出させた状態にする。また、処理室201内を所定の圧力に調圧した後、ゲートバルブ1490を開放し、ゲートバルブ1490からリフトピン207上にウエハ200を載置させる。ウエハ200をリフトピン207上に載置させた後、昇降機構218によって基板支持部210を所定の位置まで上昇させることによって、ウエハ200が、リフトピン207から基板支持部210へ載置されるようになる。
【0111】
(減圧・昇温工程S202)
続いて、処理室201内が所定の圧力(真空度)となるように、処理室排気管224を介して処理室201内を排気する。この際、圧力センサが測定した圧力値に基づき、圧力調整器222(222a)としてのAPCバルブの弁の開度をフィードバック制御する。また、温度センサ(不図示)が検出した温度値に基づき、処理室201内が所定の温度となるようにヒータ213への通電量をフィードバック制御する。具体的には、基板支持部210をヒータ213により予め加熱しておき、ウエハ200又は基板支持部210の温度変化が無くなってから一定時間置く。この間、処理室201内に残留している水分あるいは部材からの脱ガス等が有る場合は、真空排気やN2ガスの供給によるパージによって除去しても良い。これで成膜プロセス前の準備が完了することになる。なお、処理室201内を所定の圧力に排気する際に、一度、到達可能な真空度まで真空排気しても良い。
【0112】
(成膜工程S301A)
続いて、ウエハ200にSiO膜を成膜する例について説明する。特に、本実施形態に係る基盤処理における第1処理ガス(原料ガス)排気工程S401及び第2処理ガス(反応ガス)排気工程S402を含む成膜工程S301Aの詳細について、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0113】
ウエハ200が基板支持部210に載置され、処理室201内の雰囲気が安定した後、
図7及び
図8に示す、S203~S207のステップが行われる。
【0114】
(第1ガス供給工程S203)
第1ガス供給工程S203では、第1ガス供給部から処理室201内に第1ガス(原料ガス)としてのアミノシラン系ガスを供給する。アミノシラン系ガスとしては、例えば、ビスジエチルアミノシラン(H2Si(NEt2)2、Bis(diethylamino)silane:BDEAS)ガスがある。具体的には、タンク側バルブ160を開き、アミノシラン系ガスをガス源からチャンバ100に供給する。その際、処理室側バルブ116aを開き、MFC115aで所定流量に調整する。流量調整されたアミノシラン系ガスは、第1バッファ空間232aを通り、シャワーヘッド234のガス供給孔(第1の分散孔234a)から、減圧状態の処理室201内に供給される。また、排気系による処理室201内の排気を継続し処理室201内の圧力を所定の圧力範囲(第1圧力)となるように制御する。このとき、ウエハ200に対してアミノシラン系ガスが供給されることとなるアミノシラン系ガスは、所定の圧力(第1圧力:例えば100Pa以上20000Pa以下)で処理室201内に供給する。このようにして、ウエハ200にアミノシランを供給する。アミノシランが供給されることにより、ウエハ200上に、シリコン含有層が形成される。
【0115】
(第1処理ガス排気工程S401)
ウエハ200上にシリコン含有層が形成された後、第1ガス供給管(原料ガス供給管111a)の処理室側バルブ116aを閉じ、アミノシラン系ガスの供給を停止する。そして、第1切替バルブ303aを開き、上記b)のステップとして、第1ガス供給管から処理容器にアミノシラン系ガス(原料ガス)を供給していない間、第1ガス供給管から第2排気部300に原料ガスを排気する。
【0116】
ライン切替バルブ313aが開き、ライン切替バルブ313bが閉じている場合、排気された原料ガスは、タンク309aに蓄積される。また、ライン切替バルブ313aが閉じ、ライン切替バルブ313bが開いている場合、排気された原料ガスは、バイパスライン315aを流れ、除害装置320を経由して外部に排気される。
【0117】
図8に示すように、本実施形態の第1処理ガス(原料ガス)排気工程S401は、第1ガス供給工程S203が行われていない、第1パージ工程S204、第2処理ガス供給工程S205、第2処理ガス排気工程S402及び第2パージ工程S206の間に亘って行われる。なお、本開示では、第1処理ガス排気工程は、第1ガス供給工程が行われていない間全体に亘って行われる必要はなく、少なくとも、第1ガス供給工程が行われていない間の一定時間内に行われればよい。例えば、第1パージ工程S204の間だけ、第1処理ガス排気工程S401が行われてもよい。
【0118】
また、基板処理システム全体が有する複数本の第1ガス供給管のうち、特定の1本以上の第1ガス供給管において第1処理ガス排気工程S401が行われる状態と、他の第1ガス供給管において第1処理ガス排気工程S401が行われない状態とが、同時に形成されてもよい。
【0119】
(第1パージ工程S204)
第1処理ガス排気工程S401で説明したように、第1ガス供給管(原料ガス供給管111a)の処理室側バルブ116aを閉じ、アミノシラン系ガスの供給を停止する。原料ガスを停止することで、処理室201中に存在する原料ガスや、第1バッファ空間232aの中に存在する原料ガスが処理室排気管224から排気されることにより、第1パージ工程S204が行われる。
【0120】
また、パージ工程では、単にガスを排気(真空引き)してガスを排出すること以外に、不活性ガスを供給して、残留ガスを押し出すことによる排出処理を行うように構成しても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を組み合わせて行っても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を交互に行うように構成しても良い。
【0121】
なお、このとき、シャワーヘッド排気管236の、バルブ237を開き、シャワーヘッド排気管236を介して、第1バッファ空間232a内に存在するガスをシャワーヘッド排気管236から排気しても良い。なお、排気中に、バルブ227とバルブ237により、シャワーヘッド排気管236と第1バッファ空間232a内の圧力(排気コンダクタンス)を制御する。排気コンダクタンスは、第1バッファ空間232aにおけるシャワーヘッド排気管236からの排気コンダクタンスが、処理室201を介した処理室排気管224への排気コンダクタンスよりも高くなるようにバルブ227とバルブ237を制御しても良い。このように調整することで、第1バッファ空間232aの端部である第1ガス導入口241aからもう一方の端部であるシャワーヘッド排気口240aに向けたガス流れが形成される。このようにすることで、第1バッファ空間232aの壁に付着したガスや、第1バッファ空間232a内に浮遊したガスが処理室201に進入することなくシャワーヘッド排気管236から排気できるようになる。なお、処理室201から、第1バッファ空間232a内へのガスの逆流を抑制するように第1バッファ空間232a内の圧力と処理室201の圧力(排気コンダクタンス)を調整しても良い。
【0122】
また、第1パージ工程では、真空ポンプ223の動作を継続し、処理室201内に存在するガスを真空ポンプ223から排気する。なお、処理室201から処理室排気管224への排気コンダクタンスが、第1バッファ空間232aへの排気コンダクタンスよりも高くなるようにバルブ227とバルブ237を調整しても良い。このように調整することで、処理室201を経由した処理室排気管224に向けたガス流れが形成され、処理室201内に残留するガスを排気することができる。また、ここで、バルブ136aを開き、MFC135aを調整し、不活性ガスを供給することによって、不活性ガスを確実に基板上に供給することが可能となり、基板上の残留ガスの除去効率を向上させることができる。
【0123】
所定の時間経過後、バルブ136aを閉じて、不活性ガスの供給を停止すると共に、バルブ237を閉じて第1バッファ空間232aからシャワーヘッド排気管236への流路を遮断する。
【0124】
より好ましくは、所定時間経過後、真空ポンプ223を引き続き作動させつつ、バルブ237を閉じることが望ましい。このようにすると、処理室201を経由した処理室排気管224に向けた流れがシャワーヘッド排気管236の影響を受けないので、より確実に不活性ガスを基板上に供給することが可能となり、基板上の残留ガスの除去効率を更に向上させることができる。
【0125】
なお、処理室から雰囲気をパージすることは、単に真空引きしてガスを排出すること以外に、不活性ガスの供給によるガスの押し出し動作も意味する。よって、第1パージ工程で、第1バッファ空間232a内に、不活性ガスを供給して、残留ガスを押し出すことによる排出動作を行うように構成しても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を組み合わせて行っても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を交互に行うように構成しても良い。
【0126】
また、このとき処理室201内に供給するN2ガスの流量も大流量とする必要は無く、例えば、処理室201の容積と同程度の量を供給しても良い。この様にパージすることで、次の工程への影響を低減できる。また、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、製造スループットを向上させることができる。また、N2ガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
【0127】
このときのヒータ213の温度は、ウエハ200への原料ガス供給時と同様に200~750℃、好ましくは300~600℃、より好ましくは300~550℃の範囲内の一定の温度となるように設定する。各不活性ガス供給系から供給するパージガスとしてのN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば100~20000sccmの範囲内の流量とする。パージガスとしては、N2ガスの他、Ar,He,Ne,Xe等の希ガスを用いても良い。なお、本開示における「200~750℃」のような数値範囲の表記は、下限値および上限値がその範囲に含まれていることを意味する。よって、例えば、「200~750℃」とは、「200℃以上750℃以下」を意味する。他の数値範囲についても同様である。
【0128】
(第2処理ガス供給工程S205)
第1ガスパージ工程の後、処理室側バルブ126を開け、ガス導入孔(第2ガス導入口241b)、第2バッファ空間232b、複数の分散孔234bを介して、処理室201内に第2のガス(反応ガス)としての、酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガスは例えば、酸素ガス(O2)やオゾンガス(O3)、水(H2O)、亜酸化窒素ガス(N2O)等が有る。ここでは、O2ガスを用いる例を示す。第2バッファ空間232b、分散孔234bを介して処理室201に供給するので、基板上に均一にガスを供給することができる。そのため、膜厚を均一にすることができる。なお、第2のガスを供給する際に、活性化部(励起部)としてのリモートプラズマユニット(RPU)124を介して、活性化させた第2のガスを処理室201内に供給可能に構成しても良い。
【0129】
このとき、O2ガスの流量が所定の流量となるようにマスフローコントローラ125を調整する。なお、O2ガスの供給流量は、例えば、100sccm以上10000sccm以下である。また、圧力調整器238を適正に調整することにより、第2バッファ空間232b内の圧力を所定の圧力範囲内とする。また、O2ガスがRPU124内を流れているときは、RPU124をON状態(電源が入った状態)とし、O2ガスを活性化(励起)させるように制御する。
【0130】
O2ガスが、ウエハ200上に形成されているシリコン含有層に供給されると、シリコン含有層が改質される。例えば、シリコン元素またはシリコン元素を含有する改質層が形成される。なお、RPU124を設けて、活性化したO2ガスをウエハ200上に供給することによって、より多くの改質層を形成することができる。
【0131】
改質層は、例えば、処理室201内の圧力、O2ガスの流量、ウエハ200の温度、RPU124の電力供給具合に応じて、所定の厚さ、所定の分布、シリコン含有層に対する所定の酸素成分等の侵入深さで形成される。
【0132】
所定の時間経過後、処理室側バルブ126を閉じ、O2ガスの供給を停止する。
【0133】
(第2処理ガス排気工程S402)
O2ガスの供給を停止した後、第2切替バルブ303bを開き、上記b)のステップとして、第2ガス供給管(反応ガス供給管121b)から処理容器にO2ガス(反応ガス)を供給していない間、第2ガス供給管から第3排気部400に反応ガスを排気する。ライン切替バルブ313cが開き、ライン切替バルブ313dが閉じている場合、排気された反応ガスは、タンク309bに蓄積される。また、ライン切替バルブ313cが閉じ、ライン切替バルブ313dが開いている場合、排気された反応ガスは、バイパスライン315bを流れ、除害装置320を経由して外部に排気される。
【0134】
図8に示すように、本実施形態の第2処理ガス(反応ガス)排気工程S402は、第2処理ガス供給工程S205が行われていない、第1パージ工程S204、第2処理ガス供給工程S205、第1処理ガス排気工程S401及び第2パージ工程S206の間に亘って行われる。なお、本開示では、第2処理ガス排気工程は、第2ガス供給工程が行われていない間全体に亘って行われる必要はなく、少なくとも、第2ガス供給工程が行われていない間で一定時間内に行われればよい。例えば、第1パージ工程S204の間だけ、第2処理ガス排気工程S402が行われてもよい。
【0135】
また、基板処理システム全体が有する複数本の第2ガス供給管のうち、特定の1本以上の第2ガス供給管において第2処理ガス排気工程S402が行われる状態と、他の第2ガス供給管において第2処理ガス排気工程S402が行われない状態とが、同時に形成されてもよい。
【0136】
(第2パージ工程S206)
第2処理ガス排気工程S402で説明したように、O2ガスの供給を停止することで、処理室201中に存在するO2ガスや、第2バッファ空間232aの中に存在するO2ガスを第1の排気部から排気する。O2ガスが排気されることにより、第2パージ工程S206が行われる。第2パージ工程S206としては、上述の第1パージ工程S204と同様の工程が行われる。
【0137】
第2パージ工程S206では、真空ポンプ223の動作を継続し、処理室201内に存在するガスを処理室排気管224から排気する。なお、処理室201から処理室排気管224への排気コンダクタンスが、第2バッファ空間232bへの排気コンダクタンスよりも高くなるようにバルブ227とバルブ237を調整しても良い。このように調整することで、処理室201を経由した処理室排気管224に向けたガス流れが形成され、処理室201内に残留するガスを排気することができる。また、ここで、処理室側バルブ136bを開き、MFC135bを調整し、不活性ガスを供給することによって、不活性ガスを確実に基板上に供給することが可能となり、基板上の残留ガスの除去効率が高くなる。
【0138】
所定の時間経過後、処理室側バルブ136bを閉じて、不活性ガスの供給を停止すると共に、バルブ237bを閉じて第2バッファ空間232bとシャワーヘッド排気管236の間を遮断する。
【0139】
より好ましくは、所定時間経過後、真空ポンプ223を引き続き作動させつつ、バルブ237bを閉じることが望ましい。このように構成すると、処理室201を経由したシャワーヘッド排気管236に向けた流れが処理室排気管224の影響を受けないので、より確実に不活性ガスを基板上に供給することが可能となり、基板上の残留ガスの除去効率を更に向上させることができる。
【0140】
なお、処理室から雰囲気をパージすることは、単に真空引きしてガスを排出すること以外に、不活性ガスの供給によるガスの押し出し動作も意味する。よって、パージ工程で、第2バッファ空間232b内に、不活性ガスを供給して、残留ガスを押し出すことによる排出動作を行うように構成しても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を組み合わせて行っても良い。また、真空引きと不活性ガスの供給を交互に行うように構成しても良い。
【0141】
また、このとき処理室201内に供給するN2ガスの流量も大流量とする必要は無く、例えば、処理室201の容積と同程度の量を供給しても良い。この様にパージすることで、次の工程への影響を低減できる。また、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、製造スループットを向上させることができる。また、N2ガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
【0142】
このときのヒータ213の温度は、ウエハ200への原料ガス供給時と同様に200~750℃、好ましくは300~600℃、より好ましくは300~550℃の範囲内の一定の温度となるように設定する。各不活性ガス供給系から供給するパージガスとしてのN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば100~20000sccmの範囲内の流量とする。パージガスとしては、N2ガスの他、Ar,He,Ne,Xe等の希ガスを用いても良い。
【0143】
(判定工程S207)
第1パージ工程S206の終了後、コントローラ260は、上記の成膜工程S301Aの内、S203~S206が所定のサイクル数nが実行されたか否かを判定する。即ち、ウエハ200上に所望の厚さの膜が形成されたか否かを判定する。上述したステップS203~S206を1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行う(ステップS207)ことにより、ウエハ200上に所定膜厚のシリコン及び酸素を含む絶縁膜、すなわち、SiO膜を成膜することができる。なお、上述のサイクルは、複数回繰返すことが好ましい。これにより、ウエハ200上に所定膜厚のSiO膜が形成される。
【0144】
所定回数実施されていないとき(No判定のとき)は、S203~S206のサイクルを繰り返す。所定回数実施されたとき(Y判定のとき)は、成膜工程S301を終了し、搬送圧力調整工程S208と基板搬出工程S209を実行する。
【0145】
なお、上述の第1ガス供給工程S203や第2ガス供給工程S205においては、第1ガスを供給する際には第2分散部である第2バッファ空間232bに不活性ガスを供給し、第2ガスを供給する際には第1分散部である第1バッファ空間232aに不活性ガスを供給するようにすれば、それぞれのガスが異なるバッファ空間に逆流することを防ぐことができる。
【0146】
(搬送圧力調整工程S208)
搬送圧力調整工程S208では、処理室201内や搬送空間203が所定の圧力(真空度)となるように、処理室排気管224を介して処理室201内や搬送空間203内を排気する。この時の処理室201内や搬送空間203内の圧力は、真空搬送室1400内の圧力以上に調整される。なお、この搬送圧力調整工程S208の間や前や後で、ウエハ200の温度が所定の温度まで冷却するようにリフトピン207で保持するように構成しても良い。
【0147】
(基板搬出工程S209)
搬送圧力調整工程S208で処理室201内が所定圧力になった後、ゲートバルブ1490を開き、搬送空間203から真空搬送室1400にウエハ200を搬出する。
【0148】
この様な工程で、ウエハ200の処理が行われる。
ところで、
図1,4に示す様なチャンバ100を偶数個有する処理装置に、奇数枚のウエハ群が搬送された場合であっても生産性を向上させることが求められる。生産性を向上させる手法としては、例えば、単位時間当たりのウエハ200の処理枚数(処理スループット)を増加させること、プロセス性能を維持させること、メンテナンス時間の短縮、メンテナンス頻度の低減、等が有る。
図1,4に示す処理装置に、奇数枚のウエハ200が搬送された場合には、例えばプロセスモジュール(100a)では一方のチャンバ(100a)でウエハ200の処理を行い、他方のチャンバ(100b)ではウエハ200の処理を行うことが求められる。発明者は、この様にどちらか一方のチャンバで処理する場合において、以下の(A)~(C)の課題を見出した。ここで、奇数枚のウエハ群とは、奇数枚のウエハ200が格納されたポッド1001単体又は、複数個のポッド1001で構成される。
【0149】
(レシピ切替工程)
次に、ウエハ200の有無に応じて、第1基板処理工程S200Aをコンピュータに実行させるプログラム(レシピ)と第2基板処理工程S200Bをコンピュータに実行させるプログラム(レシピ)を切り替えるレシピ切替工程について
図1,2,9を用いて説明する。
【0150】
(枚数カウント工程T101)
まず、IOステージ1100にポッド1001が載置された際に、ポッド1001内に格納されたウエハ200の枚数がカウントされ、枚数情報が、記録媒体に記録される。
【0151】
(基板搬送工程T102)
ポッド1001に格納されたウエハ200を、大気搬送ロボット1220でポッド1001からロードロック室1300に順次搬送する。ロードロック室1300にウエハ200が2枚格納されると、真空搬送ロボット1700が2枚のウエハ200をロードロック室1300から各プロセスモジュール110に搬送する。
【0152】
(第1搬送判定工程T103)
第1搬送判定工程T103では、ポッド1001に格納されたウエハ200が最後の基板、かつ、ロードロック室1300に基板が無い状態か否かを判定する。または、連続処理の最後の基板、かつ、ロードロック室1300に基板が無い状態か否かを判定する。ここで、連続処理とは、ポッド1001が複数個を連続で処理することを言う。ポッド1001内に格納されたウエハ200が最後の基板、かつ、ロードロック室1300に基板が有る状態であれば、L/L配置先変更工程T105を行わせ、ポッド1001に格納されたウエハ200が最後の基板で無い場合や、ロードロック室1300に基板が有る状態の場合は、第2基板搬送工程T104を行わせる。
【0153】
(第2基板搬送工程T104)
第2基板搬送工程T104は、ロードロック室1300にウエハ200が2枚格納された後に行わる。第2基板搬送工程T104では、先ず、ロードロック室1300内を真空搬送室1400と同じ圧力に調圧される。調圧後、ゲートバルブ1350が開かれ、真空搬送ロボット1700が2枚のウエハ200を対象となるプロセスモジュール110に搬送する。プロセスモジュール110に搬送後、第1基板処理工程S200Aが行われる。
【0154】
(L/L配置先変更工程T105)
判定後、ロードロック室1300内にウエハ200が格納されていない場合には、ロードロック室1300内の載置面1311の内の片方に基板を載置させる。この載置場所が、ウエハ200の処理に使われるチャンバ100を決定することになるため、搬送対象となるチャンバに合う載置面1311に載置させる。例えば、チャンバ100a,100c,100e,100gのいずれかで処理させる際には、載置面1311aに載置する。また、チャンバ100b,100d,100f,100hで処理させる際には、載置面1311bに載置させる。なお、n番目のLotでチャンバ100b,100d,100f,100hのいずれかを用いて処理した際には、n+1番目のLotでは、チャンバ100b,100d,100f,100hが用いられる様に、載置面1311bに搬送させるように大気搬送ロボット1220を制御する。この様に、搬送先を変えることによって、チャンバ100の使用回数の偏りを抑制させることができ、チャンバ100のメンテナンスからメンテナンスまでの間の期間を長くすることができる。即ち、メンテナンス頻度を低減し、生産性を向上させることができる。また、単位時間当たりのウエハ200の処理枚数(処理スループット)を増加させることが可能となる。
【0155】
(プログラム変更工程T106)
L/L配置先変更工程T105で、搬送対象となったプロセスモジュール110の内、ウエハ200が搬送されたチャンバ100とウエハ200が搬送されなかったチャンバ100がどちらかを判定する。判定は、例えば、L/Lの配置情報を基に判定される。ウエハ200が搬送されたチャンバでは、第1基板処理工程S200Aを行わせる様にプログラムを実行させて、ウエハ200が搬送されなかったチャンバでは第2基板処理工程S200Bを行わせる様にプログラムを実行させる。
【0156】
なお、ここでは、プログラムの変更をL/Lの配置情報を基に変更する様に構成したが、これに限らず、真空搬送室1400内に設けられた基板検出器1401によって、各チャンバ100への搬送直前にウエハ200の有無を検出してプログラムを変更させるように構成しても良い。また、真空搬送室1400内に設けられた基板検出器1401によって、ウエハ200の有無状態を検出してL/Lの配置情報と一致することを確認し、一致する場合には、搬送処理を継続し、不一致の場合は、搬送処理を停止させると共に、異常状態である情報を入出力装置261とネットワーク263のいずれか又は両方に報知するように構成しても良い。
【0157】
(基板搬出工程T107)
第1基板処理工程S200Aと第2基板処理工程S200Bがそれぞれ終了したウエハ200から順にプロセスモジュール110からポッド1001に搬送させる工程が行われる。
【0158】
(第2基板搬送判定工程T108)
ポッド1001内に未処理のウエハ200が格納されているか否かを判定する。ポッド1001内にウエハ200が格納されている場合は、基板搬送工程T102を行わせ、ポッド1001内に未処理のウエハ200が無い場合は、基板処理工程を終了させる。
【0159】
本実施形態に係る基板処理システムでは、ガス供給管内の雰囲気を排気する第2排気部300が、処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部220とは別に設けられている。第2排気部300によって処理ガスを排気すれば、第1排気部220内に処理ガスが合流することがない。一方、仮に、原料ガス供給管111aや反応ガス供給管121bが、例えば
図5中の第1排気部220の処理室排気管224やシャワーヘッド排気管236に合流して接続されている場合、処理容器内からの排気ガスとガス供給管からの排気ガスとの両方が、第1排気部220内で同時に排気される。結果、第1排気部220の合流部分に排気ガスが、大量に堆積してしまう。
【0160】
このため、第2排気部が第1排気部220とは別に設けられている本実施形態によれば、第2排気部が第1排気部に合流している場合に比べ、合流部分の排気ガスが滞留することがなく、第1排気部220内の排気ガスの流量が増大することが回避できる。よって、本実施形態によれば、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能となる。
【0161】
また、本実施形態では、原料ガスが第2排気部300で排気するよう制御されるので、原料ガスと反応ガスの両方が第1排気部220を通って排気される場合と比べ、第1排気部220に排気ガスが堆積することを防止できる。
【0162】
また、本実施形態では、反応ガスが第3排気部400で排気するよう制御されるので、原料ガスと反応ガスの両方が第1排気部220を通って排気される場合と比べ、第1排気部220に排気ガスが堆積することを防止できる。
【0163】
また、本実施形態では、排気ガスの経路に除害装置が設けられているため、排気ガスの環境への影響を防止できる。
【0164】
また、本実施形態では、第2排気部300の後段に、第2排気部300が排気したガスを貯留するタンク309aが設けられているため、タンク309aの使用によって、排気ガスの取り扱いが容易になる。
【0165】
また、本実施形態では、第3排気部400の後段に、第3排気部400が排気したガスを貯留するタンク309bが設けられているため、タンク309bの使用によって、排気ガスの取り扱いが容易になる。
【0166】
また、本実施形態では、原料ガスを貯留するタンク309aと反応ガスを貯留するタンク309bを別々に設けているため、それぞれのガスを混合させることなく、貯留することができる。
【0167】
また、本実施形態では、圧力測定部311a,311bと制御部(CPU260a)の表示部とが設けられているため、タンク309a,309b内の圧力が所定値以上になった後、表示部によって、タンク309a,309b内の圧力を報知できる。タンク309a,309b内の圧力の報知によってタンク309a,309b内の排気ガスの容量を把握できるので、例えば、タンク309a,309bが満杯になる前に、タンク309a,309bから排気ガスを抜くことが可能になる。
【0168】
また、本実施形態では、制御部(CPU260a)が上位装置264と通信可能な通信部(ネットワーク263)を有するため、制御部以外の上位装置264においても、タンク309a,309b内の排気ガスの容量を把握できる。すなわち、製造ライン内以外でもタンク309a,309b内の排気ガスの容量を監視できるので、複数の監視が可能になる。このため、例えば、タンク309a,309bから排気ガスを抜く作業の実施を看過する懸念を低下させることができる。
【0169】
また、本実施形態では、タンク309a内の圧力が所定値以上になった後、第2排気部300が排気したガスをバイパスライン315aに流し、タンク309aに流さないように切替できる。このため、例えば、タンク309aから排気ガスを抜く際、バイパスライン315aを用いてタンク309aを迂回させることによって、排気ガスを抜く作業等を容易に行うことができる。
【0170】
また、本実施形態では、タンク309b内の圧力が所定値以上になった後、第3排気部400が排気したガスをバイパスライン315bに流し、タンク309bに流さないように切替できる。このため、例えば、タンク309bから排気ガスを抜く際、バイパスライン315bを用いてタンク309bを迂回させることによって、排気ガスを抜く作業等を容易に行うことができる。
【0171】
また、本実施形態では、タンク309aは第2排気部300が設けられた排気ラインから脱着可能であるので、タンク309aの交換や清掃等のメンテナンス作業が容易になる。
【0172】
また、本実施形態では、タンク309bは第3排気部400が設けられた排気ラインから脱着可能であるので、タンク309bの交換や清掃等のメンテナンス作業が容易になる。
【0173】
また、本実施形態では、温度調整部312によって、タンク309a内の排気ガスを、気体、液体、固体の所定の相状態に維持可能になるので、排気ガスを管理し易い。
【0174】
また、本実施形態では、加熱部304によって、原料ガス排気管301a内の排気ガスの状態を変化させることが可能になるので、排気される原料ガスを管理し易い。
【0175】
特に、原料ガスが原料ガス排気管301aの内壁に付着すると、原料ガスの濃度及び性質が変化する場合がある。また、付着によってパーティクルが発生し、パーティクルが排気ガス中に混ざることによって、排気される原料ガスの純度が低下する場合がある。結果、排気される原料ガスを再利用する際、再調整する負担が生じる。原料ガスが原料ガス排気管301aの内壁に付着しないように、加熱部304を用いて排気ガスの状態を制御することによって、排気される原料ガスの品質を維持できる。
【0176】
また、本実施形態によれば、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能な半導体装置の製造方法を提供できる。
【0177】
また、本実施形態によれば、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能な基板処理を実施するプログラムを提供できる。
【0178】
また、本実施形態によれば、複数の処理容器を有する基板処理システムにおいて、処理容器の排気管内に排気ガスが堆積することを防止しつつ、ガス供給管内の雰囲気ガスを排気することが可能な基板処理の実施をコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体を提供できる。
【0179】
<他の実施形態>
なお、上述の実施形態の他に、以下の様に構成しても良い。
例えば、上述の実施形態では、第2排気部300と第3排気部400とを別々に設けたが、第3排気部400を設けずに、反応ガス排気管301bを第2排気部300aに接続して構成しても良い。即ち、第2排気部300で、原料ガスと反応ガスの両方を排気可能な構成とする。
【0180】
この場合、原料ガス排気管301aと反応ガス排気管301bとが処理ガス排気管305aに接続されている。また、処理ガス排気管305aには、1個の第2排気ポンプ307aが設けられている。また、それぞれの排気管の処理ガス排気管305aとの接続箇所には、排気管を切り替える切替バルブが設けられ、切替バルブにより、原料ガスの排気と反応ガスの排気とを切り替えられることが可能になる。すなわち、切替によって、ポンプが疑似的に2個あるかのように1個の第2排気ポンプ307aが使い分けられるので、2個のポンプを用意する必要がなく、1個の用意で済む。
【0181】
また、上述では、切替バルブ303aをMFC115aの上流側に設けた例を示したが、切替バルブ303aの位置は適宜変更しても良い。例えば、MFC115aの後段であって、ガス供給管111a,111bそれぞれのMFC115a,115bの後段(チャンバ100a,100b側)に設ける様に構成しても良い。この場合、切替バルブ303aは、ガス供給管111a,111bそれぞれに設けられる。この様に構成することにより、チャンバ100a,100bそれぞれに供給するガスの流量変動を抑制できる。MFC115a,115bの前段に切替バルブ303aを設けて、処理ガスを第2排気部300に排気した場合、ガス供給管111a,111b内の圧力が低下し、MFC115a,115bそれぞれでの流量制御性が低下する。一方で、切替バルブ303aをMFC115a,115bの後段に設けた場合、ガス供給管111a,111b内であって、MFC115a,115bの前段側の圧力変動が生じ難いため、
図7,
図8に示すガス供給シーケンスを行ったとしても、チャンバ100a,100bそれぞれに供給される流量変動を抑制することができる。即ち、ウエハ200の処理均一性を低下させることを抑制することができる。また、この構成で第1処理ガス排気工程S401を行った後に、第1ガス供給工程S203を行うことにより、MFC115a,115bでの流量制御のふらついている間のガスをチャンバ100a,100bに供給することなく、第2排気部300に排気することが可能となる。MFC115a,115bでの流量制御のふらついている間の原料ガスがウエハ200に供給されることにより、ウエハ200に供給される原料ガスの量が不明確となり、想定した処理を行うことができない場合がある。このように構成することにより、MFC115a,115bで定まった流量の原料ガスがウエハ200に供給されることになり、ウエハ200毎の処理均一性を向上させることが可能となる。
【0182】
また、上述では、切替バルブ303bをMFC125bの上流側に設けた例を示したが、切替バルブ303bも切替バルブ303aと同様にMFC125a,125bの後段に設けても良い。同様の効果を得ることができる。また、第2処理ガス供給工程S205を、第2処理ガス排気工程S402の後に実行することにより、同様の効果を得ることができる。
【0183】
また、上述では、原料ガスと反応ガスを交互に供給して成膜する方法について記したが、原料ガスと反応ガスの気相反応量や副生成物の発生量が許容範囲内であれば、他の方法にも適用可能である。例えば、原料ガスと反応ガスの供給タイミングが重なる様な方法である。
【0184】
また、上述では、2つのチャンバを一組とするプロセスモジュールについて説明したがこれに限らず、3つ以上のチャンバを一組とするプロセスモジュールであっても良い。
【0185】
また、上述では、基板を一枚ずつ処理する枚葉式装置について記したがこれに限らず、処理室に基板を垂直方向または水平方向に複数枚並べるバッチ式装置であっても良い。
【0186】
また、上述では、成膜処理について記したが、他の処理にも適用可能である。例えば、拡散処理、酸化処理、窒化処理、酸窒化処理、還元処理、酸化還元処理、エッチング処理、加熱処理などが有る。例えば、反応ガスのみを用いて、基板表面や基板に形成された膜をプラズマ酸化処理や、プラズマ窒化処理する際にも本開示の技術を適用することができる。また、反応ガスのみを用いたプラズマアニール処理にも適用することができる。
【0187】
また、上述では、半導体装置の製造工程について記したが、実施形態に係る発明は、半導体装置の製造工程以外にも適用可能である。例えば、液晶デバイスの製造工程、太陽電池の製造工程、発光デバイスの製造工程、ガラス基板の処理工程、セラミック基板の処理工程、導電性基板の処理工程、などの基板処理が有る。
【0188】
また、上述では、原料ガスとしてシリコン含有ガス、反応ガスとして酸素含有ガスを用いて、シリコン酸化膜を形成する例を示したが、他のガスを用いた成膜にも適用可能である。例えば、酸素含有膜、窒素含有膜、炭素含有膜、ホウ素含有膜、金属含有膜とこれらの元素が複数含有した膜等が有る。なお、これらの膜としては、例えば、SiN膜、AlO膜、ZrO膜、HfO膜、HfAlO膜、ZrAlO膜、SiC膜、SiCN膜、SiBN膜、TiN膜、TiC膜、TiAlC膜などが有る。これらの膜を成膜するために使われる原料ガスと反応ガスそれぞれのガス特性(吸着性、脱離性、蒸気圧など)を比較して、供給位置やシャワーヘッド234内の構造を適宜変更することにより、同様の効果を得ることができる。
【0189】
<本開示の好ましい態様>
以下に、本開示の好ましい態様について付記する。
【0190】
<付記1>
一態様によれば、
基板を収容する複数の処理容器と、
前記複数の処理容器それぞれに接続され、処理ガスを供給するガス供給管と、
前記複数の処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部と、
前記ガス供給管内の雰囲気を排気し、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された、前記第1排気部とは別の第2排気部と、
a)前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給して前記基板を処理するステップと、
b)前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から前記第2排気部に前記処理ガスを排気するステップと、
を実行するよう前記切替バルブと前記第1排気部と前記第2排気部とを制御可能に構成された制御部と、
を有する基板処理システムが提供される。
【0191】
<付記2>
付記1に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記第2排気部は、前記原料ガス供給管と前記反応ガス供給管の少なくとも1つに設けられた前記切替バルブを介して接続され、
前記制御部は、
前記b)処理において、前記原料ガスと前記反応ガスの少なくもいずれかを前記第2排気部で排気するよう前記原料ガス供給管と前記反応ガス供給管の少なくともいずれかに設けられた前記切替バルブを制御可能に構成される。
【0192】
<付記3>
付記1又は付記2に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記第2排気部は、前記原料ガス供給管に設けられた前記切替バルブを介して接続され、
前記制御部は、
前記b)処理において、前記原料ガスを前記第2排気部で排気するよう前記切替バルブを制御可能に構成される。
【0193】
<付記4>
付記3に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記反応ガス供給管に第2切替バルブを介して接続された、前記第1排気部とは別の第3排気部を有し、
前記制御部は、
前記反応ガスを前記第3排気部で排気するように前記第2切替バルブを制御可能に構成される。
【0194】
<付記5>
付記1乃至付記4のいずれかに記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記第1排気部の後段に除害装置が設けられ、
前記第2排気部は、前記除害装置に接続される。
【0195】
<付記6>
付記1乃至付記4のいずれかに記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記第2排気部の後段に、前記第2排気部が排気したガスを貯留するタンクを有する。
【0196】
<付記7>
付記6の基板処理システムであって、好ましくは、
前記タンクの圧力を測定する圧力測定部と、
前記制御部の制御内容を表示可能な表示部と、を有し、
前記制御部は、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記表示部に前記タンク内の圧力を報知可能に構成される。
【0197】
<付記8>
付記6の基板処理システムであって、好ましくは、
前記制御部は、上位装置と通信可能な通信部を有し、
前記制御部は、前記タンク内の圧力をモニタし、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記上位装置に前記タンク内の圧力を報知するよう前記通信部を制御する。
【0198】
<付記9>
付記6の基板処理システムであって、好ましくは、
前記タンク内の圧力を測定する圧力測定部と、
前記第2排気部の後段に切替バルブを介し、前記タンクと並列に設けられたバイパスラインと、
を有し、
前記制御部は、
前記タンク内の圧力が所定値以上になった後、前記第2排気部から前記バイパスラインに前記第2排気部が排気したガスが流れる様に前記切替バルブを制御可能に構成される。
【0199】
<付記10>
付記6乃至付記9のいずれかに記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記タンクは前記第2排気部が設けられた排気ラインから脱着可能に構成される。
【0200】
<付記11>
付記6乃至付記10のいずれかに記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記タンクを所定温度に温度調整する温度調整部を有する。
【0201】
<付記12>
付記1に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記ガス供給管は、
原料ガスを供給する原料ガス供給管と、
反応ガスを供給する反応ガス供給管と、
を有し、
前記原料ガス供給管内の雰囲気を排気する原料ガス排気管と、
前記反応ガス供給管内の雰囲気を排気する反応ガス排気管と、
前記原料ガス排気管と前記反応ガス排気管のいずれか一方を前記第2排気部に連通させる切替バルブと、
を有する。
【0202】
<付記13>
付記1、付記6乃至付記11に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記第2排気部は、少なくともガス排気管と排気ポンプとを有し、
前記ガス排気管を所定温度に温度調整する加熱部を有する。
【0203】
<付記14>
付記13に記載の基板処理システムであって、好ましくは、
前記ガス排気管は、原料ガスを排気する原料ガス排気管であって、
前記制御部は、前記原料ガスが前記ガス排気管内に付着しない温度に前記ガス排気管を加熱するよう前記加熱部を制御可能に構成される。
【0204】
<付記15>
他の態様によれば、
基板が収納された複数の処理容器それぞれに接続されたガス供給管から前記処理容器に処理ガスを供給して前記基板を処理する工程と、
前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された前記処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部とは別の第2排気部に前記処理ガスを排気する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0205】
<付記16>
更に他の態様によれば、
基板が収納された複数の処理容器それぞれに接続されたガス供給管から前記処理容器に処理ガスを供給して前記基板を処理する手順と、
前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から、切替バルブを介して前記ガス供給管に接続された前記処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部とは別の第2排気部に前記処理ガスを排気する手順と、
をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0206】
<付記17>
更に他の態様によれば、
基板が収納された複数の処理容器それぞれに接続されたガス供給管から前記処理容器に処理ガスを供給して前記基板を処理する手順と、
前記ガス供給管から前記処理容器に前記処理ガスを供給していない間、前記ガス供給管から、前記処理容器内の雰囲気を排気する第1排気部とは別の第2排気部に前記処理ガスを排気する手順と、
をコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【符号の説明】
【0207】
100・・・チャンバ
110・・・プロセスモジュール
200・・・ウエハ(基板)
201・・・処理室
202・・・処理容器
220・・・第1排気部(排気ライン)
300・・・第2排気部(排気ライン)
301a・・・原料ガス排気管
301b・・・反応ガス排気管
303a・・・第1切替バルブ
303b・・・第2切替バルブ
260・・・CPU(制御部)
304・・・加熱部(原料ガス排気管用)
305a,305b・・・処理ガス排気管
307a・・・第2排気ポンプ(真空ポンプ)
307b・・・第3排気ポンプ(真空ポンプ)
309a,309b・・・タンク
311a,311b・・・圧力測定部
312・・・温度調整部(タンク用)
313a,313b・・・ライン切替バルブ
315a,315b・・・バイパスライン
320・・・除害装置