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特許7191949超音波システムおよび超音波システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】超音波システムおよび超音波システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020521173
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2019019232
(87)【国際公開番号】W WO2019225417
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018100919
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】坪田 圭司
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516465(JP,A)
【文献】特開2015-107200(JP,A)
【文献】特開2017-213427(JP,A)
【文献】特開2010-044520(JP,A)
【文献】特開2012-105968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0119731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得された超音波画像を第1画像として画像表示領域に表示する表示部と、
前記画像表示領域に重ねて配置されたタッチセンサを含み且つユーザのタッチによる入力操作を行うための操作部と、
前記画像表示領域において前記ユーザによる複数のタッチ位置がある場合に、
前記画像表示領域に表示されている前記第1画像のうち、前記画像表示領域に配置されている操作可能なターゲットに最も近いタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像を表す第2画像を生成する第2画像生成部と、
記複数のタッチ位置とは異なる前記画像表示領域内の位置で且つ前記複数のタッチ位置から最も離れた位置を、前記第2画像を表示するための表示位置として決定する第2画像表示位置決定部と
を備え、
前記第1画像が表示されている前記画像表示領域が前記ユーザによりタッチされた場合に、前記画像表示領域に表示されている前記第1画像に重畳して、前記第2画像生成部により生成された前記第2画像が前記第2画像表示位置決定部により決定された前記表示位置に表示される超音波システム。
【請求項2】
前記第2画像生成部は、
前記画像表示領域内に表示される前記第2画像の大きさを設定する画像サイズ設定部と、
前記第1画像から、前記定められた領域に対応し且つ前記画像サイズ設定部により設定された大きさの画像を切り出す画像切り出し部と
を含む請求項に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記画像サイズ設定部は、前記第2画像の大きさを定められた大きさに設定する請求項に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記画像表示領域は、互いに直交する第1方向と第2方向とに延びる矩形の領域であり、
前記画像サイズ設定部は、前記第2画像の前記第1方向における寸法を前記画像表示領域の前記第1方向における寸法の1/2以下に設定し、前記第2画像の前記第2方向における寸法を前記画像表示領域の前記第2方向における寸法の1/2以下に設定する請求項に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記画像サイズ設定部は、前記第2画像の大きさを、統計データに基づく指の幅の平均値以上の大きさに設定する請求項に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記第2画像生成部は、前記ユーザの指により前記画像表示領域がタッチされた場合に前記画像表示領域をタッチした前記ユーザの指の幅を検出する指幅検出部を含み、
前記画像サイズ設定部は、前記指幅検出部により検出された前記ユーザの指の幅に基づいて前記第2画像の大きさを設定する請求項に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記ユーザの操作に応じて、前記第2画像生成部により生成された前記第2画像の大きさおよび前記第2画像表示位置決定部により決定された前記第2画像の表示位置の少なくとも一方を変更して前記画像表示領域に表示させる第2画像調整部をさらに備える請求項1~のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記第2画像生成部は、前記第1画像のうち前記定められた領域と等倍の画像を生成する請求項1~のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項9】
前記第2画像生成部は、前記第1画像のうち前記定められた領域を拡大した画像を生成する請求項1~のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項10】
前記画像表示領域は、上縁部および下縁部を有する矩形の領域であり、
前記第2画像表示位置決定部は、前記画像表示領域のうち、前記タッチ位置から前記画像表示領域の前記下縁部に垂直に引かれた垂線上の領域を除いた位置に前記第2画像の表示位置を決定する請求項1~のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項11】
互いに無線接続された超音波プローブと診断装置本体とを備え、
前記超音波プローブは、
振動子アレイと、
前記振動子アレイから超音波を送信し且つ前記振動子アレイにより取得された受信信号に基づいて音線信号を生成する送受信部と、
前記送受信部により生成された前記音線信号に基づいて画像情報データを生成する画像情報データ生成部と、
前記画像情報データ生成部により生成された前記画像情報データを前記診断装置本体に無線送信する無線通信部と
を含み、
前記診断装置本体は、
前記超音波プローブから無線送信された前記画像情報データに基づいて前記超音波画像を表示する前記表示部と、
前記操作部と、
前記第2画像生成部と、
前記第2画像表示位置決定部と
を含む請求項1~10のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項12】
前記画像情報データは、前記送受信部により生成された前記音線信号に超音波の反射位置の深度に応じた減衰補正および包絡線検波処理を施した信号である請求項11に記載の超音波システム。
【請求項13】
前記画像情報データは、前記送受信部により生成された前記音線信号に超音波の反射位置の深度に応じた減衰補正および包絡線検波処理を施し、且つ、定められた画像表示方式に従って変換された超音波画像信号である請求項11に記載の超音波システム。
【請求項14】
取得された超音波画像を第1画像として画像表示領域に表示し、
前記画像表示領域においてユーザによる複数のタッチ位置がある場合に、
前記画像表示領域に表示されている前記第1画像のうち、前記画像表示領域に配置されている操作可能なターゲットに最も近いタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像を表す第2画像を生成し、
記複数のタッチ位置とは異なる前記画像表示領域内の位置で且つ前記複数のタッチ位置から最も離れた位置を、前記第2画像を表示するための表示位置として決定し、
前記第1画像が表示されている前記画像表示領域が前記ユーザによりタッチされた場合に、前記画像表示領域に表示されている前記第1画像に重畳して、前記第2画像を前記表示位置に表示する超音波システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波システムおよび超音波システムの制御方法に係り、特に、タッチセンサを備えた超音波システムおよび超音波システムの制御方法に関する。
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信し、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年、例えば、特許文献1に開示されているように、ユーザが入力操作を行うための操作部にタッチセンサを備えた超音波システムが普及している。タッチセンサは、一般的に、表示部の表示画面に重ね合わせて配置され、ユーザの指およびスタイラスペン等を表示画面に接触または近接させる、いわゆるタッチ操作による入力操作を行うためのものである。特許文献1に開示されている超音波システムでは、ユーザがタッチした表示画面上の位置を含む一定の領域を表すタッチ領域画像を表示画面上の定められた位置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-516465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている超音波システムでは、表示画面内において、超音波画像を表示するための領域の他にタッチ領域画像を表示するための領域を設け、タッチ領域画像を表示するための領域を常に表示しているため、超音波画像を表示するための領域が狭くなる等、超音波画像を有効に表示できないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像を有効に表示することができる超音波システムおよび超音波システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波システムは、取得された超音波画像を第1画像として画像表示領域に表示する表示部と、画像表示領域に重ねて配置されたタッチセンサを含み且つユーザのタッチによる入力操作を行うための操作部と、画像表示領域に表示されている第1画像のうち、ユーザによるタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像を表す第2画像を生成する第2画像生成部と、タッチ位置に基づいて、タッチ位置とは異なる画像表示領域内の位置で且つ第2画像を表示するための表示位置を決定する第2画像表示位置決定部とを備え、第1画像が表示されている画像表示領域がユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域に表示されている第1画像に重畳して、第2画像生成部により生成された第2画像が第2画像表示位置決定部により決定された表示位置に表示されることを特徴とする。
【0008】
第2画像生成部は、画像表示領域内に表示される第2画像の大きさを設定する画像サイズ設定部と、第1画像から、定められた領域に対応し且つ画像サイズ設定部により設定された大きさの画像を切り出す画像切り出し部とを含むことができる。
この際に、画像サイズ設定部は、第2画像の大きさを定められた大きさに設定することができる。
【0009】
さらに、画像表示領域は、互いに直交する第1方向と第2方向とに延びる矩形の領域であり、画像サイズ設定部は、第2画像の第1方向における寸法を画像表示領域の第1方向における寸法の1/2以下に設定し、第2画像の第2方向における寸法を画像表示領域の第2方向における寸法の1/2以下に設定することができる。
もしくは、画像サイズ設定部は、第2画像の大きさを、統計データに基づく指の幅の平均値以上の大きさに設定することもできる。
【0010】
また、第2画像生成部は、ユーザの指により画像表示領域がタッチされた場合に画像表示領域をタッチしたユーザの指の幅を検出する指幅検出部を含み、画像サイズ設定部は、指幅検出部により検出されたユーザの指の幅に基づいて第2画像の大きさを設定することもできる。
また、ユーザの操作に応じて、第2画像生成部により生成された第2画像の大きさおよび第2画像表示位置決定部により決定された第2画像の表示位置の少なくとも一方を変更して画像表示領域に表示させる第2画像調整部をさらに備えることができる。
【0011】
また、第2画像生成部は、第1画像のうち定められた領域と等倍の画像を生成することができる。
もしくは、第2画像生成部は、第1画像のうち定められた領域を拡大した画像を生成することもできる。
【0012】
また、計測カーソルを第1画像に重畳して表示し且つ計測カーソルに基づいて超音波画像の計測を行う計測部を有し、第2画像生成部は、ユーザにより計測カーソルがタッチされた場合に、計測カーソルを含む第2画像を生成することができる。
この際に、第2画像生成部は、画像表示領域において複数のタッチ位置がある場合に、計測カーソルに最も近いタッチ位置を含む定められた領域に対応する第2画像を生成することが好ましい。
【0013】
また、第2画像表示位置決定部は、画像表示領域において複数のタッチ位置がある場合に、画像表示領域内で且つ複数のタッチ位置から最も離れた位置を第2画像の表示位置として決定することが好ましい。
また、画像表示領域は、上縁部および下縁部を有する矩形の領域であり、第2画像表示位置決定部は、画像表示領域のうち、タッチ位置から画像表示領域の下縁部に垂直に引かれた垂線上の領域を除いた位置に第2画像の表示位置を決定することが好ましい。
【0014】
また、超音波システムは、互いに無線接続された超音波プローブと診断装置本体とを備え、超音波プローブは、振動子アレイと、振動子アレイから超音波を送信し且つ振動子アレイにより取得された受信信号に基づいて音線信号を生成する送受信部と、送受信部により生成された音線信号に基づいて画像情報データを生成する画像情報データ生成部と、画像情報データ生成部により生成された画像情報データを診断装置本体に無線送信する無線通信部とを含み、診断装置本体は、超音波プローブから無線送信された画像情報データに基づいて超音波画像を表示する表示部と、操作部と、第2画像生成部と、第2画像表示位置決定部とを含むことができる。
【0015】
この際に、画像情報データは、送受信部により生成された音線信号に超音波の反射位置の深度に応じた減衰補正および包絡線検波処理を施した信号であることが好ましい。
もしくは、画像情報データは、送受信部により生成された音線信号に超音波の反射位置の深度に応じた減衰補正および包絡線検波処理を施し、且つ、定められた画像表示方式に従って変換された超音波画像信号であってもよい。
【0016】
本発明の超音波システムの制御方法は、取得された超音波画像を第1画像として画像表示領域に表示し、画像表示領域に表示されている第1画像のうち、ユーザによるタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像を表す第2画像を生成し、タッチ位置に基づいて、タッチ位置とは異なる画像表示領域内の位置で且つ第2画像を表示するための表示位置を決定し、第1画像が表示されている画像表示領域がユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域に表示されている第1画像に重畳して、第2画像を表示位置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、超音波システムが、画像表示領域に重ねて配置されたタッチセンサを含み且つユーザのタッチによる入力操作を行うための操作部と、画像表示領域に表示されている第1画像のうち、ユーザによるタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像を表す第2画像を生成する第2画像生成部と、タッチ位置に基づいて、タッチ位置とは異なる画像表示領域内の位置で且つ第2画像を表示するための表示位置を決定する第2画像表示位置決定部とを備え、第1画像が表示されている画像表示領域がユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域に表示されている第1画像に重畳して、第2画像生成部により生成された第2画像が第2画像表示位置決定部により決定された表示位置に表示されるため、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像をより有効に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る超音波システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1において表示部に設定された画像表示領域および外部領域を模式的に示す図である。
図4】本発明の実施の形態1における第2画像を模式的に示す図である。
図5】本発明の実施の形態1における第2画像生成部の内部構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態1の変形例における第2画像を模式的に示す図である。
図7】本発明の実施の形態1の他の変形例における第2画像を模式的に示す図である。
図8】指の幅を模式的に示す図である。
図9】本発明の実施の形態2における画像表示領域を模式的に示す図である。
図10】本発明の実施の形態2における第2画像を模式的に示す図である。
図11】本発明の実施の形態2の変形例における第2画像を模式的に示す図である。
図12】本発明の実施の形態2の他の変形例における第2画像を模式的に示す図である。
図13】本発明の実施の形態3における第2画像を模式的に示す図である。
図14】本発明の実施の形態4における第2画像生成部の内部構成を示すブロック図である。
図15】本発明の実施の形態4における第2画像を模式的に示す図である。
図16】本発明の実施の形態5に係る超音波システムの構成を示すブロック図である。
図17】本発明の実施の形態6に係る超音波システムの構成を示すブロック図である。
図18】本発明の実施の形態7に係る超音波システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に本発明の実施の形態1に係る超音波システム1の構成を示す。図1に示すように、超音波システム1は、超音波プローブ2と診断装置本体3を備えており、超音波プローブ2と診断装置本体3は、無線通信により互いに接続されている。
【0020】
超音波システム1の超音波プローブ2は、振動子アレイ11を備えており、振動子アレイ11に、送信部12および受信部13がそれぞれ接続されている。送信部12および受信部13は、送受信部14を構成しており、送信部12および受信部13に超音波送受信制御部15が接続されている。受信部13には、信号処理部16、画像処理部17および無線通信部18が順次接続されている。信号処理部16および画像処理部17は、画像情報データ生成部19を構成している。
【0021】
また、無線通信部18に、通信制御部20が接続されている。また、超音波送受信制御部15、信号処理部16、画像処理部17および通信制御部20に、プローブ制御部21が接続されている。また、超音波プローブ2は、バッテリ22を内蔵している。さらに、送受信部14、超音波送受信制御部15、画像情報データ生成部19、通信制御部20およびプローブ制御部21によりプローブ側プロセッサ25が構成されている。
【0022】
超音波システム1の診断装置本体3は、無線通信部32を備えており、無線通信部32に、表示制御部33および表示部34が順次接続されている。また、無線通信部32には、通信制御部35、計測部36および第2画像生成部37がそれぞれ接続されており、計測部36および第2画像生成部37は、それぞれ表示制御部33に接続している。また、第2画像生成部37には、計測部36および第2画像表示位置決定部38が接続されている。また、表示部34に重ねて操作部40が配置されている。
【0023】
また、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38および操作部40に、本体制御部39が接続されており、本体制御部39に、格納部41が、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
さらに、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38および本体制御部39により、本体側プロセッサ42が構成されている。
【0024】
超音波プローブ2の振動子アレイ11は、1次元または2次元に配列された複数の超音波振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信部12から供給される駆動電圧号に従って超音波を送信すると共に被検体からの反射波を受信して受信信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した素子を用いて構成される。
【0025】
送受信部14の送信部12は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、超音波送受信制御部15からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ11の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ11の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0026】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、振動子アレイ11に向かって伝搬する。このように振動子アレイ11に向かって伝搬する超音波は、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子により受信される。この際に、振動子アレイ11を構成するそれぞれの超音波振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号である受信信号を受信部13に出力する。
【0027】
送受信部14の受信部13は、超音波送受信制御部15からの制御信号に従って、振動子アレイ11から出力される受信信号の処理を行う。図2に示すように、受信部13は、増幅部26、AD(Analog Digital)変換部27およびビームフォーマ28が直列接続された構成を有している。増幅部26は、振動子アレイ11を構成するそれぞれの振動子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部27に送信する。AD変換部27は、増幅部26から送信された受信信号をデジタル化された素子データに変換し、これらの素子データをビームフォーマ28に送出する。ビームフォーマ28は、超音波送受信制御部15からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、設定された音速に従う各素子データにそれぞれの遅延を与えて加算(整相加算)を施す、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が生成される。
【0028】
プローブ側プロセッサ25の超音波送受信制御部15は、送受信部14の送信部12および受信部13を制御することにより、プローブ制御部21から指示された検査モードおよび走査方式に基づいて、超音波ビームの送信および超音波エコーの受信を行う。ここで、検査モードとは、B(輝度)モード、M(モーション)モード、CD(カラードプラ)モード、PD(パワードプラ)モード、PW(パルスドプラ)モード、CW(連続波ドプラ)モード等、超音波診断装置において使用可能な検査モードのうちのいずれかを示し、走査方式とは、電子セクタ走査方式、電子リニア走査方式、電子コンベックス走査方式等の走査方式のうちのいずれかを示すものとする。
【0029】
画像情報データ生成部19の信号処理部16は、受信部13のビームフォーマ28により生成された音線信号に対して、超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織に関する断層画像情報である信号を生成する。
画像情報データ生成部19の画像処理部17は、信号処理部16により生成された信号を、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換し、生成された画像信号に対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施すことにより超音波画像信号を生成した後、超音波画像信号を画像情報データとして超音波プローブ2の無線通信部18に送出する。
【0030】
超音波プローブ2の無線通信部18は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含む回路等により構成されており、診断装置本体3の無線通信部32と無線通信を行う。この際に、超音波プローブ2の無線通信部18は、画像情報データ生成部19の画像処理部17により生成された超音波画像信号に基づいてキャリアを変調することにより超音波画像信号を表す伝送信号を生成し、生成された伝送信号を、診断装置本体3の無線通信部32に無線送信する。キャリアの変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅偏移変調)、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation:16直角位相振幅変調)等が用いられる。
【0031】
プローブ側プロセッサ25のプローブ制御部21は、予め記憶しているプログラム等に基づいて、超音波プローブ2の各部の制御を行う。
超音波プローブ2のバッテリ22は、超音波プローブ2に内蔵されており、超音波プローブ2の各回路に電力を供給する。
プローブ側プロセッサ25の通信制御部20は、プローブ制御部21により設定された送信電波強度で超音波画像信号の伝送が行われるように超音波プローブ2の無線通信部18を制御する。
【0032】
診断装置本体3の無線通信部32は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含む回路等により構成されており、超音波プローブ2の無線通信部18と無線通信を行う。この際に、診断装置本体3の無線通信部32は、例えば、超音波プローブ2の無線通信部18から無線送信された超音波画像信号を表す伝送信号を、アンテナを介して受信し、受信した伝送信号を復調することにより、超音波画像信号を出力する。
本体側プロセッサ42の通信制御部35は、超音波プローブ2の無線通信部18からの伝送信号の受信が行われるように、診断装置本体3の無線通信部32を制御する。
【0033】
本体側プロセッサ42の表示制御部33は、本体制御部39の制御の下、診断装置本体3の無線通信部32から出力された超音波画像信号に所定の処理を施して、超音波画像を第1画像として表示部34に表示させる。また、表示制御部33は、超音波画像の他に、後述するように、計測部36により生成された計測カーソル、第2画像生成部37により生成された第2画像等を表示部34に表示させる。
【0034】
診断装置本体3の表示部34は、表示制御部33の制御の下、超音波画像等を表示する。この際に、図3に示すように、表示部34には、超音波画像を表示するための画像表示領域RDが設定され、この画像表示領域RD内に超音波画像が表示される。ここで、画像表示領域RDは、互いに直交する第1方向D1と第2方向D2とに延び、上縁部UEと下縁部BEを有する矩形の領域である。また、表示部34においては、画像表示領域RDの外側に外側領域REが設定され、この外側領域RE内にユーザの入力操作に使用されるボタンが表示されることができる。図3に示す例では、外側領域REに、超音波画像をフリーズ表示するためのフリーズボタンB1と、画像表示領域RDに表示されている超音波画像を保存するための保存ボタンB2が表示されている。
また、表示部34は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含む。
【0035】
診断装置本体3の操作部40は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、表示部34に重ねて配置されたタッチセンサを含んでいる。タッチセンサは、表示部34の表示画面に重ね合わせて配置され、ユーザの指およびスタイラスペン等を表示画面に接触または近接させる、いわゆるタッチ操作による入力操作を行うためのものである。操作部40のタッチセンサを介してユーザにより入力された入力情報は、本体制御部39に送出される。
【0036】
本体側プロセッサ42の計測部36は、超音波画像上の距離および面積等を計測する。この際に、計測部36は、例えば、図3に示すように、超音波画像U上の距離を計測するための計測カーソルC1を生成し、表示部34の画像表示領域RDに表示された超音波画像Uに計測カーソルC1を重畳して表示させる。このようにして表示された、超音波画像Uの計測に用いられる計測カーソルC1は、ユーザにタッチされたままドラッグされることにより移動され、計測部36は、移動された計測カーソルC1の位置等に基づいて超音波画像U上の距離を計測することができる。
【0037】
本体側プロセッサ42の第2画像生成部37は、表示部34の画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置と、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uに基づいて第2画像を生成し、生成された第2画像を画像表示領域RDに表示させる。ここで、第2画像とは、図4に示すように、超音波画像Uのうち、ユーザによるタッチ位置を含む定められた領域に対応する部分的な画像である。第2画像生成部37は、図5に示すように、画像サイズ設定部43と画像切り出し部44を有しており、画像サイズ設定部43と画像切り出し部44とは、互いに接続されている。
【0038】
第2画像生成部37の画像サイズ設定部43は、本体制御部39による制御の下、第2画像の大きさを設定するものであり、例えば、第2画像の大きさを定められた大きさに設定する。
第2画像生成部37の画像切り出し部44は、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uから、ユーザによるタッチ位置を含み且つ画像サイズ設定部43により設定された大きさを有する領域の画像を切り出して第2画像を生成する。
【0039】
ここで、図4に示す例では、画像表示領域RDが、左上領域UL、右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRの4つの領域に分割されており、第2画像Sは、この4つの領域のうちユーザの指Fによりタッチされた左下領域BLの超音波画像Uと等倍すなわち左下領域BLの超音波画像Uが切り出された画像である。
【0040】
本体側プロセッサ42の第2画像表示位置決定部38は、表示部34の画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置で、第2画像Sを表示するための表示位置を決定する。図4に示す例では、第2画像表示位置決定部38は、ユーザの指Fにタッチされた画像表示領域RDの左下領域BLとは異なる右上領域URを、第2画像Sの表示位置として決定している。このように、第2画像Sの表示位置がユーザのタッチ位置とは異なる位置に決定されることにより、第2画像Sがユーザによるタッチ操作を妨げずに、指F等に隠れたタッチ位置をユーザに対して明確に把握させることができる。
【0041】
本体側プロセッサ42の本体制御部39は、格納部41等に予め記憶されているプログラムおよび操作部40を介したユーザの入力操作に基づいて、診断装置本体3の各部の制御を行う。
【0042】
診断装置本体3の格納部41は、診断装置本体3の動作プログラム等を格納するものであり、格納部41として、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory:リードオンリーメモリ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)等の半導体メモリ、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
【0043】
ここで、超音波プローブ2において、送受信部14、超音波送受信制御部15、画像情報データ生成部19、通信制御部20およびプローブ制御部21を有するプローブ側プロセッサ25と、診断装置本体3において、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38および本体制御部39を有する本体側プロセッサ42は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
【0044】
また、プローブ側プロセッサ25の送受信部14、超音波送受信制御部15、通信制御部20およびプローブ制御部21を部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。また、本体側プロセッサ42の表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38および本体制御部39も同様に、部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。
【0045】
次に、本発明の実施の形態1に係る超音波システム1の動作について説明する。ここで、以下では説明のために、超音波診断画像上の距離が計測される際の超音波システム1の動作について説明する。
まず、プローブ側プロセッサ25の超音波送受信制御部15は、プローブ制御部21の制御の下、定められた検査モードに基づいて振動子アレイ11における超音波の送受信がなされるように送受信部14を制御する。ここで、以下では、説明のために、超音波診断に使用される定められた検査モードとしてBモードが使用されるものとする。
【0046】
この際に、超音波送受信制御部15の制御の下、送受信部14の送信部12からの駆動信号に従って振動子アレイ11の複数の超音波振動子から超音波ビームが被検体内に送信される。送信された超音波ビームに基づく被検体からの超音波エコーは、各超音波振動子により受信され、アナログ信号である受信信号が受信部13に出力され、増幅部26で増幅され、AD変換部27でAD変換されて受信データが取得される。この受信データに対して、ビームフォーマ28により受信フォーカス処理が施されることにより、超音波画像のそれぞれのフレームに対応する音線信号が生成される。
【0047】
受信部13のビームフォーマ28により生成された音線信号は、画像情報データ生成部19の信号処理部16により減衰の補正および包絡線検波処理がなされ、被検体内の組織に関する断層画像情報である信号となる。画像情報データ生成部19の画像処理部17は、信号処理部16により生成された信号をラスター変換し、さらに、各種の必要な画像処理を施すことにより、画像情報データとして超音波画像信号を生成する。
【0048】
このようにして画像情報データ生成部19において生成された超音波画像信号は、超音波プローブ2の無線通信部18に送出され、超音波プローブ2の無線通信部18から診断装置本体3の無線通信部32に向けて伝送信号として無線送信される。
超音波プローブ2の無線通信部18から無線送信された伝送信号は、診断装置本体3の無線通信部32により復調され、超音波画像信号として本体側プロセッサ42の表示制御部33および計測部36に送出される。
【0049】
表示制御部33に送出された超音波画像信号は、表示制御部33の制御の下、診断装置本体3の表示部34において、第1画像である超音波画像Uとして表示される。この際に、図3に示すように、表示部34において、超音波画像Uを表示するための画像表示領域RDと、画像表示領域RDの外側の外側領域REが設定されており、画像表示領域RD内に超音波画像Uが表示される。
【0050】
このように、表示部34の画像表示領域RDに超音波画像Uが表示されている状態において、例えば、操作部40を介してユーザにより超音波画像U上における距離の計測を行う旨の指示がなされると、本体側プロセッサ42の計測部36により、距離の計測を行うための計測カーソルC1が生成され、生成された計測カーソルC1が表示制御部33を介して表示部34に表示される。これにより、図3に示すように、計測カーソルC1が超音波画像Uに重畳して表示される。
【0051】
ここで、表示部34の画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合、例えば、画像表示領域RD上の超音波画像Uに重畳して表示されている計測カーソルC1がユーザによりタッチされた場合に、第2画像生成部37は、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置と、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uとに基づいて、定められた大きさを有する第2画像Sを生成する。
【0052】
この際に、例えば、図4に示すように、画像表示領域RDを互いに同一の大きさを有する左上領域UL、右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRの4つの領域に分割し、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43により、第2画像Sの大きさが画像表示領域RD内の4つの領域の大きさと同一の大きさに設定される。また、第2画像生成部37の画像切り出し部44により、ユーザの指Fにタッチされた左下領域BLの超音波画像Uが切り出されることにより、第2画像Sが生成される。そのため、図4に示す例においては、第2画像Sの第1方向D1における寸法は、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法の1/2であり、第2画像Sの第2方向D2における寸法は、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法の1/2である。これにより、第2画像Sを、ユーザの指Fと重ならない位置に表示することができる。
【0053】
また、図4に示すように、第2画像生成部37は、超音波画像Uに重畳表示されている計測カーソルC1がユーザによりタッチされた場合に、画像切り出し部44により切り出された画像に対して計測カーソルC1と同一の計測カーソルC2が重畳された画像を、第2画像Sとして生成することができる。ここで、第2画像S内の計測カーソルC2は、超音波画像Uに重畳して表示されている計測カーソルC1と連動して移動することができる。例えば、超音波画像Uに重畳して表示されている計測カーソルC1がユーザによりタッチされ、移動された場合に、第2画像S内の計測カーソルC2も計測カーソルC1と同様に移動される。
【0054】
また、第2画像表示位置決定部38は、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD上の位置を、第2画像Sを表示するための表示位置として決定する。例えば、図4に示すように、ユーザの指Fによりタッチされた画像表示領域RDの左下領域BLとは異なる左上領域UL、右上領域UR、右下領域BRのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定する。図4に示す例では、画像表示領域RDの右上領域URが第2画像Sの表示位置として決定されている。第2画像表示位置決定部38は、このようにして決定された第2画像Sの表示位置を表す情報を、第2画像生成部37に送出する。
【0055】
このようにして第2画像Sが生成され、第2画像Sの表示位置が決定されると、第2画像生成部37は、図4に示すように、生成された第2画像Sを、表示制御部33を介して表示部34の画像表示領域RDにおける決定された表示位置に表示する。また、例えば、ユーザの指Fが画像表示領域RDをタッチしたまま移動し、ユーザのタッチ位置が左下領域BLから左上領域ULに移動した場合には、第2画像表示位置決定部38により、ユーザがタッチしている左上領域ULとは異なる右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRのいずれか1つが第2画像Sの新たな表示位置として決定され、第2画像生成部37により第2画像Sが、新たに決定された表示位置に表示される。
このようにして、第2画像Sがユーザによるタッチ操作を妨げずに、指F等に隠れたタッチ位置がユーザに明確に示される。
【0056】
また、第2画像Sは、ユーザの指Fが画像表示領域RDに接触または近接し、操作部40のタッチセンサがユーザの指Fを検知している間は画像表示領域RD上に表示され、ユーザの指Fが画像表示領域RDから離れ、操作部40のタッチセンサがユーザの指Fを検知できない場合には、画像表示領域RD上から消去される。このように、ユーザが画像表示領域RDをタッチした場合にのみ、第2画像Sが画像表示領域RDに表示されたるため、超音波画像Uが有効に表示される。
【0057】
以上から、実施の形態1の超音波システム1によれば、本体側プロセッサ42の第2画像生成部37により、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uのうちユーザのタッチ位置を含む定められた領域に対応する第2画像Sが生成され、第2画像表示位置決定部38により、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置が、第2画像Sを表示するための表示位置として決定され、画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域RD内の表示位置に第2画像Sが表示されるため、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像Uを有効に表示することができる。
【0058】
なお、実施の形態1では、図3に示すように、画像表示領域RDは矩形の形状を有しているが、画像表示領域RDの形状はこれに限定されない。例えば、画像表示領域RDは、円形状、楕円形状、多角形状等の任意の形状を有することができる。また、第2画像Sについても、画像表示領域RDと同様に、矩形に限定されず、任意の形状を有することができる。
【0059】
また、実施の形態1において第2画像生成部37は、画像表示領域RDが分割された左上領域UL、右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRのいずれか1つの領域の超音波画像Uを切り出して第2画像を生成しているが、第2画像Sの生成方法は、これに限定されない。例えば、図示しないが、第2画像生成部37は、左上領域UL、右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRのいずれか1つの領域の超音波画像Uを拡大した画像を第2画像Sとして生成することができる。また、この際に、第2画像生成部37は、例えば、拡大された画像を定められた大きさに切り出すことにより第2画像Sを生成することもできる。
このようにして、第2画像Sにおけるユーザのタッチ位置をより明確に表すことができる。
【0060】
また、例えば、図6に示すように、第2画像生成部37は、超音波画像Uのうちタッチ位置を中心として定められた大きさを有する領域を表す画像を第2画像Sとして生成することができる。図6に示す例では、図4に示される第2画像Sと同様に、第2画像Sの第1方向D1における寸法が画像表示領域RDの第1方向D1における寸法の1/2であり、第2画像Sの第2方向D2における寸法が画像表示領域RDの第2方向D2における寸法の1/2である。また、第2画像表示位置決定部38は、この場合でも、ユーザの指Fによりタッチされている左下領域BLとは異なる左上領域UL、右上領域UR、右下領域BRのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定する。
【0061】
また、例えば、図7に示すように、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第1方向D1における寸法を画像表示領域RDの第1方向D1における寸法の1/2よりも小さくし、第2画像Sの第2方向D2における寸法を画像表示領域RDの第2方向D2における寸法の1/2よりも小さくするように、第2画像Sを生成することができる。ここで、ユーザのタッチ位置と第2画像Sとの間の距離が離れるほど、第2画像Sがユーザによるタッチ操作の妨げにならないため、第2画像表示位置決定部38は、ユーザの指Fがタッチしている左下領域BLとは異なる左上領域ULの隅、右上領域URの隅、右下領域BRの隅のいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定することが望ましい。
【0062】
また、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43は、統計データに基づく指の幅の平均値を予め保持しておき、第2画像Sの大きさを、予め保持されている指の幅の平均値以上の大きさに設定することができる。例えば、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第1方向D1における寸法を、図8に示すように、第2指の遠位関節の横幅W1の平均値以上とすることができ、第2画像Sの第2方向D2における寸法を、第2指の先端から遠位関節までの縦幅W2の平均値以上とすることができる。ここで、統計データに基づく指の幅の平均値とは、タッチ操作に用いられる指の幅の平均値であり、国立研究開発法人産業技術総合研究所が発行している、河内まき子:AIST日本人の手の寸法データ(2012年)等に記載されているデータに基づいて予め保持されることができる。また、統計データに基づく指の幅の平均値は、例えば、表示部34の画像表示領域RDをタッチする人種、性別等の条件に応じて適宜設定されることができる。このように、第2画像Sの大きさを、指の幅の平均値以上の大きさに設定することにより、超音波画像Uをより有効に表示することができる。
【0063】
また、例えば、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第1方向D1における寸法を計測カーソルC1の第1方向D1における寸法よりも大きく設定することができ、第2画像Sの第2方向D2における寸法を計測カーソルC1の第2方向D2における寸法よりも大きく設定することができる。
【0064】
また、例えば、画像サイズ設定部43は、画像表示領域RDにおける左上領域UL、右上領域UR、左下領域BL、右下領域BRの4つの領域のうち、ユーザがタッチした領域の大きさよりも大きくなるように、第2画像Sの大きさを設定することができる。この場合に、第2画像表示位置決定部38は、第2画像Sとユーザのタッチ位置が重ならないように第2画像Sの表示位置を決定する。
このような場合でも、第2画像Sをユーザのタッチ位置に重ならないように表示することができるため、超音波画像Uを有効に表示することができる。
【0065】
また、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43は、統計データに基づく指の幅の平均値を用いて第2画像Sの大きさの上限を設定することができる。例えば、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第1方向D1における寸法を、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法から、第2指の横幅W1の平均値を減じて、2で除した値以下とすることができる。また、例えば、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第2方向D2における寸法を、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法から、第2指の縦幅W2の平均値を減じて、2で除した値以下とすることができる。これにより、ユーザのタッチ位置に関わらず、第2画像Sを、ユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。
【0066】
また、図4では、画像表示領域RDの左下領域BLがユーザの指Fによりタッチされている態様が示されているが、画像表示領域RDの左上領域ULおよび右上領域URがユーザの指Fによりタッチされた場合には、画像表示領域RDの左下領域BLおよび右下領域BRが指Fに隠れて視認され難くなるおそれがある。そのため、第2画像表示位置決定部38は、左上領域ULがユーザの指Fによりタッチされている場合には、左上領域ULおよび左下領域BLとは異なる右上領域URおよび右下領域BRのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定し、右上領域URがユーザの指Fによりタッチされている場合には、右上領域URおよび右下領域BRとは異なる左上領域ULおよび左下領域BLのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定することができる。
【0067】
このように、第2画像表示位置決定部38は、画像表示領域RDのうち、ユーザのタッチ位置から第2方向D2における下方の領域、すなわち、ユーザのタッチ位置から画像表示領域RDの下縁部BEに垂直に引かれた垂線上の領域を除いた位置に第2画像Sの表示位置を決定することができる。
【0068】
実施の形態2
実施の形態1では、表示部34の画像表示領域RDが4つの領域に分割されているが、これに限定されず、画像表示領域RDを4つよりも多くの領域に分割し、分割された複数の領域に基づいて第2画像Sの生成、第2画像Sの表示位置の決定を行うこともできる。
例えば、図9に示すように、画像表示領域RDは、第1方向D1に4分割され且つ第2方向D2に3分割されることにより、領域R1~領域R12の12個の領域に分割されることができる。図9に示す例では、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12は、互いに同一の大きさを有しており、第1方向D1において左から2つ目の列で且つ第2方向D2において最も下方に位置する領域R10に計測カーソルC1が配置されている。
【0069】
この状態において、表示部34の画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合、例えば、画像表示領域RD上の超音波画像Uに重畳表示されている計測カーソルC1がユーザによりタッチされた場合に、第2画像生成部37は、実施の形態1における態様と同様に、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置と、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uとに基づいて、定められた大きさを有する第2画像Sを生成する。例えば図10に示すように、画像表示領域RD内の12個の領域のうち領域R10に配置された計測カーソルC1がユーザの指Fによりタッチされた場合に、第2画像生成部37により、ユーザの指Fにタッチされた領域R10の超音波画像Uを切り出した画像が第2画像Sとして生成される。図10に示す例では、第2画像Sは、超音波画像Uに重畳表示されている計測カーソルC1と同一の計測カーソルC2を含んでいる。
【0070】
また、第2画像表示位置決定部38は、実施の形態1における態様と同様に、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD上の位置を、第2画像Sを表示するための表示位置として決定する。例えば、図10に示すように、画像表示領域RD内の12個の領域のうち、ユーザの指Fによりタッチされた領域R10とは異なる11個の領域のいずれかを第2画像Sの表示位置として決定する。図10に示す例では、画像表示領域RD内の12個の領域のうち、画像表示領域RDの右上の隅に位置する領域R4が第2画像Sの表示位置として決定されている。
【0071】
第2画像表示位置決定部38は、このようにして決定された第2画像Sの表示位置を表す情報を第2画像生成部37に送出する。第2画像生成部37は、図10に示すように、生成された第2画像Sを、表示制御部33を介して、表示部34の画像表示領域RDにおける決定された表示位置に表示する。
【0072】
以上から、表示部34の画像表示領域RDが4つよりも多い複数の領域に分割される場合であっても、実施の形態1の態様と同様に、本体側プロセッサ42の第2画像生成部37により、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uのうちユーザのタッチ位置を含む定められた領域に対応する第2画像Sが生成され、第2画像表示位置決定部38により、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置が、第2画像Sを表示するための表示位置として決定され、画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域RD内の表示位置に第2画像Sが表示されるため、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像Uを有効に表示することができる。
【0073】
なお、実施の形態2の態様に対しても、実施の形態1において示されている種々の態様を適用することができる。
例えば、第2画像生成部37は、画像表示領域RD内の12個の領域のうち、ユーザによりタッチされた領域の超音波画像Uを拡大した画像を第2画像Sとして生成することができる。
【0074】
また、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43は、統計データに基づく指の幅の平均値を予め保持しておき、実施の形態1の態様と同様に、指の幅の平均値に基づいて第2画像Sの第1方向D1における寸法の上限値と、第2画像Sの第2方向D2における寸法の上限値を設定することができる。
また、第2画像生成部37は、予め保持されている指の幅の平均値以上の大きさに設定することができる。
【0075】
また、実施の形態2では、第2画像表示位置決定部38は、画像表示領域RD内の12個の領域のうち、ユーザによりタッチされた領域とは異なる領域を第2画像Sの表示位置として決定するが、例えば、ユーザのタッチ位置から最も遠い領域を第2画像Sの表示位置として決定することができる。図10に示す例では、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12のうち、ユーザのタッチ位置である領域R10から最も遠い領域である領域R4に第2画像Sが表示されている。
【0076】
また、例えば、図10に示す例において、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12のうち、ユーザの指Fによりタッチされた領域R10に隣接する領域R5、R6、R7、R9、R11の5つの領域をさらに除いた位置、すなわち領域R1~R4、R8、R12の5つの領域のうちのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として設定することができる。このように、第2画像表示位置決定部38により、ユーザによりタッチされた領域と、ユーザによりタッチされた領域に隣接する領域とを除いた位置が第2画像Sの表示位置として決定される。これにより、ユーザのタッチ位置の周辺の超音波画像Uを常に表示させながら、第2画像Sの表示位置をユーザのタッチ位置から離れた位置に決定することができるため、超音波画像Uをより有効に表示させることができる。
【0077】
また、画像表示領域RD内の12個の領域のうち1つがユーザによりタッチされた場合に、第2画像表示位置決定部38は、ユーザによりタッチされた領域から第2方向D2における下方の領域、すなわち、ユーザのタッチ位置から画像表示領域RDの下縁部BEに垂直に引かれた垂線上の領域を除いた位置のいずれかを第2画像Sの表示位置として決定することができる。例えば、図11に示されるように、領域R4がユーザにタッチされた場合には、第2画像表示位置決定部38は、ユーザのタッチ位置から画像表示領域RDの下縁部BEに垂直に引かれた垂線NL上の領域R4、R8およびR12の3つの領域を除いた9つの領域のうちのいずれか1つを第2画像Sの表示位置として決定する。図11では、領域R1に第2画像Sが表示されている。
【0078】
また、例えば、図12に示すように、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12のうち第1方向D1において最も左の列で且つ第2方向D2において真中に位置する領域R5と、領域R5に第1方向D1において隣接する領域R6とにまたがる位置がユーザの指Fによりタッチされた場合に、第2画像表示位置決定部38は、領域R5および領域R6とは異なる位置、すなわち領域R1~R4、R7~R12のうちのいずれか1つの領域を第2画像Sの表示位置として決定することができる。また、この際に、第2画像表示位置決定部38は、領域R5、領域R6、領域R5の下方に位置する領域R9、領域R6の下方に位置する領域R10を除いた位置、すなわち領域R1~R4、R7、R8、R11、R12のうちのいずれか1つの領域を第2画像Sの表示位置として決定することができる。
【0079】
このように、画像表示領域RD内の複数の領域のうち、ユーザの指Fが複数の領域にまたがってタッチしている場合には、第2画像表示位置決定部38は、ユーザの指Fによりタッチされている複数の領域とは異なる位置を第2画像Sの表示位置として決定することができる。さらに、第2画像表示位置決定部38は、ユーザの指Fによりタッチされている複数の領域から第2方向D2における下方に位置する領域を除いた位置を、第2画像Sの表示位置として決定することができる。これにより、ユーザのタッチ位置の周辺の超音波画像Uを常に表示させながら、第2画像Sの表示位置をユーザのタッチ位置から離れた位置に決定することができるため、超音波画像Uをより有効に表示させることができる。
【0080】
また、図12に示すように、第2画像生成部37は、実施の形態1に示す態様と同様に、ユーザのタッチ位置を中心として定められた大きさを有する領域の超音波画像Uを第2画像Sとして生成することができる。この場合には、図12に示すように、第2画像生成部37は、ユーザの指Fが画像表示領域RD内の複数の領域にまたがってタッチしていても、ユーザのタッチ位置を含む第2画像Sを生成することができる。
【0081】
また、実施の形態1および実施の形態2では、表示部34の画像表示領域RDが複数の領域に分割されることが示されているが、画像表示領域RDを複数の領域に分割せずに、第2画像Sが生成され、第2画像Sの表示位置が決定されることもできる。この際に、第2画像生成部37は、実施の形態1の態様および実施の形態2の態様と同様に、超音波画像Uのうち、ユーザのタッチ位置を含み、定められた大きさを有する領域に対応する画像を第2画像Sとして生成することができる。また、第2画像表示位置決定部38は、実施の形態1の態様および実施の形態2の態様と同様に、例えば、ユーザのタッチ位置から最も遠い位置等、ユーザのタッチ位置とは異なる位置を第2画像Sの表示位置として決定することができる。
【0082】
実施の形態3
実施の形態1および実施の形態2では、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置が1つであるが、画像表示領域RDに複数のタッチ位置がある場合にも、本発明を適用することができる。
【0083】
例えば、図13に示すように、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12のうち、領域R10に計測カーソルC1が配置されており、ユーザの指F1が領域R10をタッチし、さらに、ユーザの指F2が領域R5をタッチしているとする。この場合に、第2画像生成部37の画像切り出し部44は、例えば、計測カーソルC1が配置されている領域R10における入力操作の方が、計測カーソルC1が配置されていない領域R5における入力操作よりも有用性が高いと判断して、ユーザによりタッチされている領域R5とR10のうち、計測カーソルC1が配置されている領域R10の超音波画像Uを切り出すことにより第2画像Sを生成する。また、図示しないが、例えば、ユーザが領域R2と領域R5をタッチしている場合には、画像切り出し部44は、計測カーソルC1が配置されている領域R10に近い領域R5における入力操作の方が、計測カーソルC1から遠い領域R2における入力操作よりも有用性が高いと判断して、領域R5の超音波画像Uを切り出すことにより第2画像Sを生成する。
【0084】
このように、画像表示領域RD内に複数のタッチ位置があり且つ画像表示領域RD内に計測カーソルC1等の操作可能なターゲットが配置されている場合には、第2画像生成部37の画像切り出し部44は、複数のタッチ位置のうち、計測カーソルC1等の操作可能なターゲットに近いタッチ位置を含む領域の超音波画像Uを切り出して、第2画像Sを生成する。これにより、入力操作の有用性がより高い領域の超音波画像Uを第2画像Sとして生成することができる。
【0085】
また、例えば、図13に示すように、画像表示領域RD内の領域R1~領域R12のうち領域R10がユーザの指F1によりタッチされ、領域R5がユーザの指F2によりタッチされている場合に、本体側プロセッサ42の第2画像表示位置決定部38は、ユーザによりタッチされている領域R5および領域R10とは異なる領域R1~R4、R6~R8、R9、R11、R12のうちいずれか1つの領域を第2画像Sの表示位置として決定することができる。ここで、第2画像Sの表示位置は、ユーザのタッチ操作を妨げないために、ユーザのタッチ位置から離れた位置に設定されることが望ましい。そのため、第2画像表示位置決定部38は、例えば、図13に示されるように、ユーザによりタッチされている領域R5および領域R10から最も遠い領域である領域R4を第2画像Sの表示位置として決定することが望ましい。
【0086】
このように、画像表示領域RD内に複数のタッチ位置がある場合には、第2画像表示位置決定部38は、画像表示領域RD内において、複数のタッチ位置とは異なる位置を第2画像Sの表示位置として決定することができる。第2画像表示位置決定部38は、特に、画像表示領域RDにおいて、複数のタッチ位置から最も遠い位置を第2画像Sの表示位置として決定することが望ましい。
【0087】
以上から、実施の形態3の超音波システムによれば、表示部34の画像表示領域RD内に複数のタッチ位置がある場合でも、実施の形態1の態様および実施の形態2の態様と同様に、本体側プロセッサ42の第2画像生成部37により、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uのうちユーザのタッチ位置を含む定められた領域に対応する第2画像Sが生成され、第2画像表示位置決定部38により、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置が、第2画像Sを表示するための表示位置として決定され、画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域RD内の表示位置に第2画像Sが表示されるため、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像Uを有効に表示することができる。
【0088】
なお、画像表示領域RD内に複数のタッチ位置がある場合でも、実施の形態1および実施の形態2の種々の態様を適用することができる。例えば、第2画像表示位置決定部38は、ユーザのタッチ位置から第2方向D2において下方に位置する領域を除いた位置を、第2画像Sの表示位置として決定することができる。例えば、図13に示す例において、第2画像表示位置決定部38は、領域R5と、領域R5の下方に位置する領域R9と、領域R10とは異なる領域を、第2画像Sの表示位置として決定することができる。
【0089】
実施の形態4
実施の形態1~実施の形態3では、第2画像生成部37の画像サイズ設定部43により、第2画像Sの大きさが定められた大きさに設定されているが、画像表示領域RDを実際にタッチしたユーザの指Fの幅に基づいて第2画像Sの大きさが設定されることもできる。実施の形態4の超音波システムは、図1に示す実施の形態1の超音波システム1において、診断装置本体3の第2画像生成部37の代わりに図14に示す第2画像生成部37Aが備えられたものである。
【0090】
図14に示すように、実施の形態4における第2画像生成部37Aは、図5に示す実施の形態1における第2画像生成部37に指幅検出部45を追加したものであり、指幅検出部45は、画像サイズ設定部43に接続されている。
【0091】
第2画像生成部37Aの指幅検出部45は、ユーザの指Fにより画像表示領域RDがタッチされた場合に、画像表示領域RDをタッチしたユーザの指Fの幅を検出する。この際に、まず、ユーザの指Fが画像表示領域RDをタッチすると、操作部40のタッチセンサは、画像表示領域RD上のどの部分がユーザの指Fによりタッチされたかを検出し、画像表示領域RDのうちユーザの指Fがタッチした領域を表す情報を、本体制御部39に送出する。指幅検出部45は、本体制御部39から、画像表示領域RDのうちユーザの指Fがタッチした領域を表す情報を受け取り、この情報に基づいて、ユーザの指Fの幅を検出する。
【0092】
第2画像生成部37Aの画像サイズ設定部43は、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの幅に基づいて第2画像Sの大きさを設定する。例えば、図15に示すように、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法をX1、指幅検出部45により検出された、ユーザの指Fにおける第2指の遠位関節の横幅をW1、kを2以上の整数とする。例えば、ユーザの指の横幅W1が画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1の1/2よりも小さい場合には、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1を、下記式(1)を用いて設定することができる。
Y1=(X1-2×W1)/k ・・・(1)
これにより、第1方向D1において、第2画像Sを、ユーザの指Fに重ならないように表示することができる。ここで、図15において、実際には画像表示領域RDに超音波画像Uが表示されるが、説明のために、超音波画像Uを省略している。
【0093】
また、例えば、ユーザの指の横幅W1が画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1の1/2よりも大きい場合には、画像サイズ設定部43は、下記式(2)を満たす2以上の整数kを設定し、下記式(2)から、第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1を設定することができる。
Y1=(2×W1-X1)/k ・・・(2)
このようにして、式(2)を用いて第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1を設定することにより、第2画像Sをユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。
【0094】
また、例えば、画像サイズ設定部43は、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの横幅W1が画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1の1/2よりも大きい場合には、ユーザの指とは異なる手のひら等が画像表示領域RDに接触したと判断し、式(2)を用いた計算を行わずに、エラーであると判断することもできる。この場合には、例えば、画像サイズ設定部43は、実施の形態1の態様および実施の形態2の態様と同様にして、第2画像Sの大きさを定められた大きさに設定することができる。
【0095】
また、例えば、図15に示すように、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法をX2、指幅検出部45により検出された、ユーザの指Fにおける先端から第2指の遠位関節までの縦幅をW2、kを2以上の整数とする。例えば、ユーザの指の縦幅W2が画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2の1/2よりも小さい場合には、画像サイズ設定部43は、第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2を、下記式(3)を用いて設定することができる。
Y2=(X2-2×W2)/k ・・・(3)
これにより、第2方向D2において、第2画像Sを、ユーザの指Fに重ならないように表示することができる。
【0096】
また、例えば、ユーザの指の縦幅W2が画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2の1/2よりも大きい場合には、画像サイズ設定部43は、下記式(4)を満たす2以上の整数kを設定し、下記式(4)から、第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2を設定することができる。
Y2=(2×W2-X2)/k ・・・(4)
このようにして、式(4)を用いて第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2を設定することにより、第2画像Sをユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。
【0097】
また、例えば、画像サイズ設定部43は、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの縦幅W2が画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2の1/2よりも大きい場合には、ユーザの指とは異なる手のひら等が画像表示領域RDに接触したと判断し、式(4)を用いた計算を行わずに、エラーであると判断することもできる。この場合には、例えば、画像サイズ設定部43は、実施の形態1の態様および実施の形態2の態様と同様にして、第2画像Sの大きさを定められた大きさに設定することができる。
【0098】
第2画像生成部37Aの画像切り出し部44は、画像表示領域RDに表示された超音波画像Uのうち、画像サイズ設定部43により設定された第2画像Sの大きさを有し且つユーザのタッチ位置を含む領域の画像を切り出して、第2画像Sを生成する。
【0099】
本体側プロセッサ42の第2画像表示位置決定部38は、ユーザの指Fによるタッチ位置とは異なる位置を、第2画像生成部37Aにより生成された第2画像Sの表示位置として決定する。例えば、第2画像表示位置決定部38は、画像解析の手法等を用いて、第2画像Sがユーザのタッチ位置と重ならない位置で且つユーザのタッチ位置から最も遠い位置を、第2画像Sの表示位置として決定する。図15に示す例では、第2画像Sの表示位置は、画像表示領域RDの右上の隅に決定されている。
【0100】
以上から、実施の形態4の超音波システムによれば、第2画像生成部37が、表示部34の画像表示領域RDをタッチしたユーザの指の幅を検出する指幅検出部45を有し、第2画像生成部37Aの画像サイズ設定部43が、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの幅に基づいて第2画像Sの大きさを設定するため、第2画像Sをユーザの指Fに対してさらに重ならないように表示し、超音波画像Uをさらに有効に表示することができる。
【0101】
なお、第2画像生成部37Aの画像サイズ設定部43による第2画像Sの大きさの設定方法は、式(1)~式(4)を用いる方法には限定されない。例えば、画像サイズ設定部43は、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1から、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの横幅W1を減じて2で除した値を、第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1として設定することができる。すなわち、下記式(5)を用いて第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1を設定することができる。
Y1=(X1-W1)/2 ・・・(5)
【0102】
第2方向D2においても同様に、画像サイズ設定部43は、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2から、指幅検出部45により検出されたユーザの指Fの縦幅W2を減じて2で除した値を、第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2として設定することができる。すなわち、下記式(6)を用いて第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2を設定することができる。
Y2=(X2-W2)/2 ・・・(6)
式(5)および式(6)を用いて第2画像Sの大きさを設定する場合でも、画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置に関わらずに、第2画像Sを、ユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。
【0103】
また、例えば、画像サイズ設定部43は、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1をユーザの指Fの横幅W1で除した値よりも小さく且つ2以上の自然数n1を設定し、画像表示領域RDの第1方向D1における寸法X1を自然数n1でさらに除した値を、第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1として設定することができる。この際に、画像サイズ設定部43は、第1方向D1におけるユーザのタッチ位置を加味して自然数n1の値を設定することにより、第2画像Sを、第1方向D1において、ユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。第2方向D2においても同様にして、画像サイズ設定部43は、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2をユーザの指Fの縦幅W2で除した値よりも小さく且つ2以上の自然数n2を設定し、画像表示領域RDの第2方向D2における寸法X2を自然数n2でさらに除した値を、第2画像Sの第2方向D2における寸法Y2として設定することができる。第2画像Sの第1方向D1における寸法Y1を設定する場合と同様に、画像サイズ設定部43は、第2方向D2におけるユーザのタッチ位置を加味して自然数n2の値を設定することにより、第2画像Sを、第2方向D2において、ユーザのタッチ位置に重ならない位置に表示することができる。
【0104】
実施の形態5
図16に、実施の形態5に係る超音波システム1Aの構成を示す。実施の形態5の超音波システム1Aは、図1に示す実施の形態1の超音波システム1において、診断装置本体3の代わりに診断装置本体3Aを備えたものである。また、実施の形態5における診断装置本体3Aは、図1に示す実施の形態1における診断装置本体3において、本体制御部39の代わりに本体制御部39Aを備え、第2画像調整部51と音声入力部52が追加されたものである。
【0105】
診断装置本体3Aにおいて、第2画像生成部37に第2画像調整部51が接続されており、第2画像調整部51に、表示制御部33が接続されている。また、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38、操作部40、格納部41および第2画像調整部51に、本体制御部39Aが接続されており、本体制御部39Aに、音声入力部52が接続されている。本体制御部39Aと音声入力部52とは、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
さらに、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38.本体制御部39Aおよび第2画像調整部51により、本体側プロセッサ42Aが構成されている。
【0106】
診断装置本体3Aの音声入力部52は、ユーザの音声等を用いた入力操作を行うためのものであり、診断装置本体3Aの周囲の音声を電気信号である音声データに変換するマイクロホンを含む回路等により構成されている。音声入力部52は、マイクロホンにより得られた音声データを認識して、ユーザの音声等により表される指示情報を本体制御部39Aに送出する。
【0107】
本体側プロセッサ42Aの第2画像調整部51は、音声入力部52等を介したユーザの入力操作に応じて、第2画像生成部37により生成された第2画像Sの大きさと、第2画像表示位置決定部38により決定された第2画像Sの表示位置の少なくとも一方を変更して、表示部34の画像表示領域RDに表示させる。
【0108】
例えば、ユーザが指を用いて画像表示領域RDをタッチしながら、音声により「下」と指示を行った場合には、音声入力部52および本体制御部39Aを介して、ユーザの音声により表される指示情報が第2画像調整部51に入力される。第2画像調整部51は、この指示情報に基づいて、画像表示領域RDに現在表示されている第2画像Sの位置を、ユーザのタッチ位置を避けながら画像表示領域RDの下方に移動させる。また、例えば、ユーザが音声により「3mm右」という指示を行った場合には、第2画像調整部51は、画像表示領域RDに現在表示されている第2画像Sの位置を、3mmだけ右方向に移動させる。
また、例えば、ユーザが音声により「大きく」という指示を行った場合には、第2画像調整部51は、第2画像Sがユーザの指に重ならないように、第2画像Sを大きく表示させる。
【0109】
このような音声による操作は、操作部40を介したユーザの入力操作によっても行うことができる。例えば、画像表示領域RDがユーザの指により1度だけタップされることにより、第2画像調整部51は、第2画像Sがユーザの指に重ならないように、第2画像Sを大きく表示させることができる。
【0110】
以上から、実施の形態5の超音波システム1Aによれば、表示部34の画像表示領域RDに第2画像Sが表示された状態において、第2画像Sの大きさおよび位置を調整することができるため、超音波診断における利便性を向上させることができる。
【0111】
実施の形態6
図17に、実施の形態6に係る超音波システム1Bの構成を示す。実施の形態6の超音波システム1Bは、図1に示す実施の形態1の超音波システム1において、診断装置本体3の代わりに診断装置本体3Bを備えたものである。また、実施の形態6における診断装置本体3Bは、図1に示す実施の形態1における診断装置本体3において、本体制御部39の代わりに本体制御部39Bを備え、エラー報知部53が追加されたものである。
【0112】
診断装置本体3Bにおいて、第2画像表示位置決定部38にエラー報知部53が接続されており、エラー報知部53に、表示制御部33が接続されている。また、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38、操作部40、格納部41およびエラー報知部53に、本体制御部39Bが接続されている。さらに、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38、本体制御部39およびエラー報知部53により、本体側プロセッサ42Bが構成されている。
【0113】
本体側プロセッサ42Bのエラー報知部53は、第2画像表示位置決定部38が第2画像Sの表示位置を決定することができない場合に、ユーザに対してエラーが生じたことを報知する。例えば、ユーザのタッチ位置に起因して、画像表示領域RD内において、定められた大きさを有する第2画像Sを表示するための十分なスペースが確保できない場合に、エラー報知部53は、画像表示領域RD上に第2画像Sを表示するための十分なスペースが確保できない旨のメッセージを、表示制御部33を介して表示部34に表示することができる。また、例えば、エラー報知部53は、ユーザに対して、画像表示領域RDをタッチしている指Fの位置を移動させる旨のメッセージを、表示部34に表示させることもできる。
【0114】
ここで、エラー報知部53がユーザに向けて表示部34に表示するメッセージとして、テキストおよび画像等を用いることができる。また、図示しないが、診断装置本体3Bに、音声を発生させる音声発生部を設けることにより、エラー報知部53は、音声発生部を介した音声を用いて、ユーザに向けたメッセージを発することもできる。
【0115】
以上から、実施の形態6の超音波システム1によれば、第2画像表示位置決定部38が第2画像Sの表示位置を決定できない場合に、エラー報知部53が、ユーザに対してエラーが生じたことを報知するため、画像表示領域RDに第2画像Sが表示されるように、ユーザに対して注意を促すことができる。
【0116】
実施の形態7
図18に、実施の形態7に係る超音波システム1Cの構成を示す。超音波システム1Cは、超音波プローブ2Cと診断装置本体3Cを備えている。超音波プローブ2Cは、図1に示す実施の形態1における超音波プローブ2において、プローブ制御部21の代わりにプローブ制御部21Cを備え、画像処理部17が除かれたものである。
【0117】
超音波プローブ2Cにおいて、信号処理部16に、無線通信部18が直接接続されており、信号処理部16により、画像情報データ生成部19Cが構成されている。また、超音波送受信制御部15、信号処理部16および通信制御部20に、プローブ制御部21Cが接続されている。さらに、送受信部14、超音波送受信制御部15、画像情報データ生成部19C、通信制御部20およびプローブ制御部21Cにより、プローブ側プロセッサ25Cが構成されている。
【0118】
また、超音波システム1Cの診断装置本体3Cは、図1に示す実施の形態1における診断装置本体3において、本体制御部39の代わりに本体制御部39Cを備え、無線通信部32と表示制御部33との間に画像処理部17を備えたものである。診断装置本体3Cにおける画像処理部17は、図1に示す超音波プローブ2における画像処理部17と同一である。
【0119】
診断装置本体3Cにおいて、無線通信部32に画像処理部17が接続され、画像処理部17に、表示制御部33が接続されている。また、画像処理部17、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38、操作部40および格納部41に、本体制御部39Cが接続されている。
さらに、画像処理部17、表示制御部33、通信制御部35、計測部36、第2画像生成部37、第2画像表示位置決定部38および本体制御部39Cにより、本体側プロセッサ42Cが構成されている。
【0120】
画像情報データ生成部19Cの信号処理部16は、受信部13のビームフォーマ28により生成された音線信号に対して、超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織に関する断層画像情報である信号を、画像情報データとして生成する。
【0121】
超音波プローブ2Cの無線通信部18は、画像情報データ生成部19Cの信号処理部16により生成された信号に基づいてキャリアを変調して画像情報データを表す伝送信号を生成し、生成された伝送信号を、診断装置本体3Cの無線通信部32に無線送信する。
診断装置本体3Cの無線通信部32は、超音波プローブ2Cの無線通信部18から無線送信された伝送信号を復調することにより、画像情報データ生成部19Cの信号処理部16により生成された信号を取得し、この信号を本体側プロセッサ42Cの画像処理部17に送出する。
【0122】
本体側プロセッサ42Cの画像処理部17は、診断装置本体3Cの無線通信部32から送出された信号を、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換し、このようにして生成された画像信号に対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施すことにより超音波画像信号を生成する。さらに、画像処理部17は、生成された超音波画像信号を表示制御部33および計測部36に送出する。
表示制御部33に送出された超音波画像信号は、表示制御部33の制御の下、超音波診断画像として診断装置本体3Cの表示部34に表示される。
【0123】
本体側プロセッサ42Cの第2画像生成部37は、表示部34の画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置と、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uに基づいて第2画像を生成し、生成された第2画像を画像表示領域RDに表示させる。
本体側プロセッサ42Cの第2画像表示位置決定部38は、表示部34の画像表示領域RDにおけるユーザのタッチ位置に基づいて、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置で、第2画像Sを表示するための表示位置を決定する。これにより、第2画像Sがユーザによるタッチ操作を妨げずに、指F等に隠れたタッチ位置をユーザに対して明確に把握させることができる。
【0124】
以上から、実施の形態7の超音波システム1Cによれば、画像処理部17が超音波プローブ2Cではなく診断装置本体3Cに備えられている場合でも、実施の形態1の態様と同様に、本体側プロセッサ42の第2画像生成部37により、画像表示領域RDに表示されている超音波画像Uのうちユーザのタッチ位置を含む定められた領域に対応する第2画像Sが生成され、第2画像表示位置決定部38により、ユーザのタッチ位置とは異なる画像表示領域RD内の位置が、第2画像Sを表示するための表示位置として決定され、画像表示領域RDがユーザによりタッチされた場合に、画像表示領域RD内の表示位置に第2画像Sが表示されるため、タッチ位置をユーザに明確に把握させながら超音波画像Uを有効に表示することができる。
【0125】
なお、上述した実施の形態1~実施の形態6では、画像情報データ生成部19の信号処理部16により減衰の補正および包絡線検波処理が施された後に、画像処理部17によりラスター変換された超音波画像信号が、画像情報データとして超音波プローブ2の無線通信部18から診断装置本体3、3A、3Bに無線送信され、また、実施の形態7では、画像情報データ生成部19Cの信号処理部16により減衰の補正および包絡線検波処理が施された信号が、画像情報データとして超音波プローブ2Cの無線通信部18から診断装置本体3Cに無線送信されたが、このように超音波プローブ2から診断装置本体3、3A、3Bに無線送信される画像情報データ、および、超音波プローブ2Cから診断装置本体3Cに無線送信される画像情報データは、検波後の信号であることが好ましい。ただし、画像情報データは、検波後の信号に限定されるものではない。
【0126】
また、実施の形態1~実施の形態4では超音波プローブ2と診断装置本体3とが無線接続され、実施の形態5では超音波プローブ2と診断装置本体3Aとが無線接続され、実施の形態6では超音波プローブ2と診断装置本体3Bとが無線接続され、実施の形態7では超音波プローブ2Cと診断装置本体3Cとが無線接続されているが、超音波プローブ2と診断装置本体3、3A、3Bとは、それぞれ互いに有線接続されることができ、超音波プローブ2Cと診断装置本体3Cも、互いに有線接続されることができる。例えば、超音波プローブ2および2C、診断装置本体3、3Aおよび3Bに、それぞれ、情報の伝送が可能なケーブルを接続することができる接続端子を設け、超音波プローブ2と診断装置本体3、3Aおよび3B、超音波プローブ2Cと診断装置本体3Cを、それぞれ、ケーブルにより互いに接続することができる。
また、実施の形態1~実施の形態7の態様は、可搬型の超音波診断装置に適用されることができ、据置型の超音波診断装置に適用されることもできる。
【符号の説明】
【0127】
1,1A,1B,1C 超音波システム、2,2C 超音波プローブ、3,3A,3B,3C 診断装置本体、11 振動子アレイ、12 送信部、13 受信部、14 送受信部、15 超音波送受信制御部、16 信号処理部、17 画像処理部、18,32 無線通信部、19,19C 画像情報データ生成部、20,35 通信制御部、21,21C プローブ制御部、22 バッテリ、25 プローブ側プロセッサ、26 増幅部、27 AD変換部、28 ビームフォーマ、33 表示制御部、34 表示部、36 計測部、37 第2画像生成部、38 第2画像表示位置決定部、39,39A,39B,39C 本体制御部、40 操作部、41 格納部、42,42A,42B,42C 本体側プロセッサ、43 画像サイズ設定部、44 画像切り出し部、45 指幅検出部、51 第2画像調整部、52 音声入力部、53 エラー報知部、B1 フリーズボタン、B2 保存ボタン、BE 下縁部、BL 左下領域、BR 右下領域、C1,C2 計測カーソル、D1 第1方向、D2 第2方向、F 指、NL 垂線、R1~R12 領域、RD 画像表示領域、RE 外側領域、S 第2画像、U 超音波画像、UE 上縁部、UL 左上領域、UR 右上領域、W1 横幅、W2 縦幅、X1,X2,Y1,Y2
寸法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18