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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】画像転送装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20221212BHJP
   A61B 6/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/02 301H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021508714
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 JP2019044392
(87)【国際公開番号】W WO2020194845
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2019057800
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 將高
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195622(JP,A)
【文献】特開2006-095054(JP,A)
【文献】特開2008-237369(JP,A)
【文献】特開2005-287891(JP,A)
【文献】特表2013-527503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0213725(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109857307(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055、6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する再構成部と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する表示制御部と、
前記表示制御部が、最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を前記表示部に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する判断部と、
前記判断部が、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断した場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する転送部とを備えた画像転送装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記表示制御部が、前記予め定められた数の断層画像を前記表示部に表示してから、さらに一定時間経過した場合に、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する請求項に記載の画像転送装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記表示制御部が、前記予め定められた数の断層画像を前記表示部に表示してから、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する請求項に記載の画像転送装置。
【請求項4】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する再構成部と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する表示制御部と、
前記表示制御部が、最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を前記表示部に同時に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する判断部と、
前記判断部が、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断した場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する転送部とを備えた画像転送装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記表示制御部が、前記複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を前記表示部に同時に表示してから、さらに一定時間経過した場合に、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する請求項に記載の画像転送装置。
【請求項6】
前記判断部は、前記表示制御部が、前記複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を前記表示部に同時に表示してから、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する請求項に記載の画像転送装置。
【請求項7】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する再構成部と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する表示制御部と、
操作者の視線を検知する視線検知部と、
前記表示制御部が前記表示部に前記断層画像を表示中に、前記操作者が前記表示部を一定時間見たことを検知した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断する判断部と、
前記判断部が、前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断した場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する転送部とを備えた画像転送装置。
【請求項8】
前記転送部は、前記操作者による前記トモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前、または前記操作者による前記複数の断層画像の前記外部装置への転送の指示の前に、前記複数の断層画像を前記外部装置に転送する請求項1から7のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項9】
前記トモシンセシス撮影と同一ポジショニングで前記被写体を単純撮影することにより、前記被写体の単純2次元画像が取得される場合において、前記転送部は、前記操作者による前記トモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前、または前記操作者による前記複数の断層画像の前記外部装置への転送の指示の前に、前記複数の断層画像を前記外部装置に転送する請求項1から7のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項10】
コンピュータが、放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成し、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示し、
最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を前記表示部に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断し、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する画像転送方法。
【請求項11】
コンピュータが、放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成し、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示し、
最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を前記表示部に同時に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断し、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する画像転送方法。
【請求項12】
コンピュータが、放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成し、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示し、
操作者の視線を検知し、
前記表示部に前記断層画像を表示中に、前記操作者が前記表示部を一定時間見たことを検知した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断し、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する画像転送方法。
【請求項13】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する手順と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する手順と、
最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を前記表示部に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断する手順と、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する手順とをコンピュータに実行させる画像転送プログラム。
【請求項14】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する手順と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する手順と、
最後の前記断層画像を前記表示部に表示し、かつ操作者の指示により、前記複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を前記表示部に同時に表示した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断する手順と、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する手順とをコンピュータに実行させる画像転送プログラム。
【請求項15】
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、前記放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、前記複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、前記被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する手順と、
前記順次生成される前記断層画像を表示部に順次表示する手順と、
操作者の視線を検知する手順と、
前記表示部に前記断層画像を表示中に、前記操作者が前記表示部を一定時間見たことを検知した場合に、少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認された判断する手順と、
前記少なくとも1つの前記断層画像が前記操作者により視認されたと判断された場合に、前記複数の断層画像を外部装置に転送する手順とをコンピュータに実行させる画像転送プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トモシンセシス撮影により取得された断層画像を、外部装置に転送する画像転送装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線、ガンマ線等の放射線を用いた放射線画像撮影装置において、患部をより詳しく観察するために、放射線源を移動させて複数の線源位置から被写体に放射線を照射して撮影を行い、これにより取得した複数の投影画像を加算して所望の断層面を強調した断層画像を生成するトモシンセシス撮影が提案されている。トモシンセシス撮影では、撮影装置の特性および必要な断層画像に応じて、放射線源を放射線検出器と平行に移動させたり、円または楕円の弧を描くように移動させたりして、複数の線源位置において被写体を撮影することにより複数の投影画像を取得し、単純逆投影法あるいはフィルタ逆投影法等の逆投影法等を用いてこれらの投影画像を再構成して断層画像を生成する。
【0003】
このような断層画像を被写体における複数の断層面において生成することにより、被写体内において断層面が並ぶ深さ方向に重なり合った構造を分離することができる。このため、従来の単純撮影により取得される2次元画像においては検出が困難であった病変を発見することが可能となる。
【0004】
ところで、トモシンセシス撮影により生成される断層画像は、撮影装置から画像保管サーバおよび画像ビューア等の外部装置に転送されて、保管されたり、診断のために表示されたりする。このように生成された断層画像を外部装置に転送する各種手法が提案されている。例えば、特開2014-195622号公報には、生成された断層画像を撮影装置に接続されたコンソールに順次表示し、放射線技師等の操作者により画質の確認がなされた後に、転送の指示の入力を受けて、コンソールから外部装置に転送する手法が提案されている。
【0005】
一方、放射線画像の外部装置への転送を容易に行うための各種手法が提案されている。例えば、特開2013-034621号公報には、複数回の放射線画像の撮影が行われる場合、操作者による転送の指示を待たずに、次の放射線画像の撮影開始の指示、または複数の解像度の放射線画像を生成する場合における、所定の解像度の放射線画像の表示等のイベントが発生したことを検知して、放射線画像の外部装置への転送を行う手法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、トモシンセシス撮影により取得される断層画像は、解像度が高く、かつ枚数が多いため、データ量が多い。このため、外部装置に転送を完了するまでに長時間を要する。その結果、外部装置の1つである画像ビューアに直ちに断層画像を表示したくても、トモシンセシス撮影を行う検査の完了後に外部装置の断層画像を転送したり、操作者による転送指示があってから断層画像の転送をしたりしたのでは、直ちに断層画像を表示できない。したがって、断層画像を生成された順に外部装置に転送することが考えられる。しかしながら、このように転送された断層画像は、操作者による画像の確認がなされてないものとなる。また、断層画像にボケ等が生じているような場合、断層画像の転送後に再撮影および断層画像の再度の再構成が必要となる。しかしながら、再撮影および断層画像の再度の再構成を行うと、断層画像の転送を再度行う必要がある。
【0007】
一方、特開2013-034621号公報に記載の手法によれば、操作者の指示を待たなくても放射線画像が外部装置に転送される。しかしながら、特開2013-034621号公報に記載の手法は、トモシンセシス撮影により生成される断層画像のように大容量の画像を対象としたものではない。
【0008】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、トモシンセシス撮影を行う検査の完了後に外部装置の断層画像を転送する場合、または操作者の指示により断層画像を外部装置に転送する場合と比較して、外部装置に保存されている断層画像を表示して読影等したいときに、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による画像転送装置は、放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成する再構成部と、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断する判断部と、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断された場合に、複数の断層画像を外部装置に転送する転送部とを備える。
【0010】
なお、本開示による画像転送装置においては、転送部は、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示の前に、複数の断層画像を外部装置に転送するものであってもよい。
【0011】
また、本開示による画像転送装置においては、モシンセシス撮影と同一ポジショニングで被写体を単純撮影することにより、被写体の単純2次元画像が取得される場合において、転送部は、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示の前に、複数の断層画像を外部装置に転送するものであってもよい。
【0012】
「単純撮影」とは、被写体に1回放射線を照射して、被写体の透過像である1枚の2次元画像、すなわち単純2次元画像を取得する撮影方法である。また、「操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前または作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示の前に複数の断層画像を転送する」とは、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示がなくても、転送部が自動で複数の断層画像を外部装置に転送することを意味する。
【0013】
また、本開示による画像転送装置においては、順次生成される断層画像を表示部に順次表示する表示制御部をさらに備えるものとし、
判断部は、表示制御部が、最後の断層画像を表示部に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0014】
「最後の断層画像」とは、順次生成される複数の断層画像のうちの最後に生成される断層画像である。例えば、被写体の下側の断層面から上側の断層面に向けて断層画像を順次生成する場合には、最後の断層画像は一番上の断層面の断層画像となる。一方、被写体の上側の断層面から下側の断層面に向けて断層画像を順次生成する場合には、最後の断層画像は一番下の断層面の断層画像となる。
【0015】
また、本開示による画像転送装置においては、順次生成される断層画像を表示部に順次表示する表示制御部をさらに備えるものとし、
判断部は、表示制御部が、最後の断層画像を表示部に表示し、かつ操作者の指示により、最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を表示部に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0016】
この場合、判断部は、表示制御部が、予め定められた数の断層画像を表示部に表示してから、さらに一定時間経過した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0017】
またこの場合、判断部は、表示制御部が、予め定められた数の断層画像を表示部に表示してから、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0018】
また、本開示による画像転送装置においては、順次生成される断層画像を表示部に順次表示する表示制御部をさらに備えるものとし、
判断部は、表示制御部が、最後の断層画像を表示部に表示し、かつ操作者の指示により、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部に同時に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0019】
この場合、判断部は、表示制御部が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部に同時に表示してから、さらに一定時間経過した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0020】
またこの場合、判断部は、表示制御部が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部に同時に表示してから、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0021】
また、本開示による画像転送装置においては、順次生成される断層画像を表示部に順次表示する表示制御部と、
操作者の視線を検知する視線検知部とをさらに備えるものとし、
判断部は、表示部に断層画像を表示中に、操作者が表示部を一定時間見たことを検知した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するものであってもよい。
【0022】
本開示による画像転送方法は、放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成し、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断し、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断された場合に、複数の断層画像を外部装置に転送する。
【0023】
なお、本開示による画像転送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【0024】
本開示による他の画像転送装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、
記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサとを備え、プロセッサは、
放射線源を検出部の検出面に対して相対的に移動させ、放射線源の移動による複数の線源位置において被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を撮影装置に行わせることにより生成された、複数の線源位置のそれぞれに対応する複数の投影画像を再構成することにより、被写体の複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を順次生成し、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断し、
少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断された場合に、複数の断層画像を外部装置に転送する処理を実行する。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、トモシンセシス撮影を行う検査の完了後に外部装置に断層画像を送信する場合、または操作者の指示により外部装置に断層画像を送信する場合と比較して、送信した断層画像を外部装置において表示して読影等をしたいときに、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の実施形態による画像転送装置を適用した放射線画像撮影システムの概略構成図
図2】マンモグラフィ装置を図1の矢印A方向から見た図
図3】本実施形態において、コンソールを構成するコンピュータに画像転送プログラムをインストールすることにより実現された画像転送装置の概略構成を示す図
図4】投影画像の取得を説明するための図
図5】断層画像の生成を説明するための図
図6】画像表示画面を示す図
図7】最後の断層画像が表示された画像表示画面を示す図
図8】複数の断層画像が同時に表示された画像表示画面を示す図
図9】本実施形態において第1の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図10】本実施形態において第2の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図11】本実施形態において第3の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図12】本実施形態において第4の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図13】本実施形態において第5の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図14】本実施形態において第6の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図15】本実施形態において第7の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャート
図16】カメラを設けた表示部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。図1は本開示の実施形態による画像転送装置を適用した放射線画像撮影システムの概略構成図、図2は放射線画像撮影システムに含まれるマンモグラフィ装置を図1の矢印A方向から見た図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム1は、コンソール2およびマンモグラフィ装置10を備える。コンソール2は、表示部3および入力部4を備える。
【0029】
本実施形態の放射線画像撮影システム1は、コンソール2を介して外部のシステム(例えば、RIS:Radiology Information System)から入力された、検査のための撮影の指示(撮影オーダ)に基づいて、医師および放射線技師等の操作者の操作により、マンモグラフィ装置10により、乳房のトモシンセシス撮影を行って、乳房の複数の断層面における断層画像を取得する機能を有する。なお、トモシンセシス撮影は、トモシンセシス撮影を行う検査の撮影オーダがあった場合に行われる。本実施形態においては、マンモグラフィ装置10はトモシンセシス撮影および単純撮影の双方を行って、乳房の断層画像および2次元の乳房画像を生成することが可能なものである。なお、2次元の乳房画像は単純撮影により取得される乳房画像を意味する。
【0030】
マンモグラフィ装置10は、不図示の基台に対して回転軸11により連結されたアーム部12を備えている。アーム部12の一方の端部には撮影台13が、その他方の端部には撮影台13と対向するように放射線照射部14が取り付けられている。アーム部12は、放射線照射部14が取り付けられた端部のみを回転することが可能に構成されており、これにより、撮影台13を固定して放射線照射部14のみを回転することが可能となっている。なお、アーム部12の回転は、コンソール2により制御される。
【0031】
撮影台13の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線検出器15が備えられている。放射線検出器15は放射線の検出面15Aを有する。また、撮影台13の内部には、放射線検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプ、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路、および電圧信号をデジタル信号に変換するAD(Analog-to-Digital)変換部等が設けられた回路基板等も設置されている。なお、放射線検出器15が検出部に対応する。また、本実施形態においては、検出部として放射線検出器15を用いているが、放射線を検出して画像に変換することができれば、放射線検出器15に限定されるものではない。
【0032】
放射線検出器15は、放射線画像の記録および読み出しを繰り返して行うことができるものであり、X線等の放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(Thin Film Transistor)スイッチをオンおよびオフすることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のもの、または読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0033】
放射線照射部14の内部には、放射線源16が収納されている。放射線源16は放射線としてX線を出射するものであり、放射線源16から放射線を照射するタイミングおよび放射線源16における放射線発生条件、すなわちターゲットおよびフィルタの材質の選択、管電圧並びに照射時間等は、コンソール2により制御される。
【0034】
また、アーム部12には、撮影台13の上方に配置されて乳房Mを押さえつけて圧迫する圧迫板17、圧迫板17を支持する支持部18、および支持部18を図1および図2の上下方向に移動させる移動機構19が設けられている。なお、圧迫板17と撮影台13との間隔、すなわち圧迫厚はコンソール2に入力される。
【0035】
表示部3は、CRT(Cathode Ray Tube)または液晶モニタ等の表示装置であり、後述するように取得された投影画像、断層画像および合成2次元画像の他、操作に必要なメッセージ等を表示する。なお、表示部3は音声を出力するスピーカを内蔵するものであってもよい。
【0036】
入力部4はキーボード、マウスまたはタッチパネル方式等の入力装置からなり、操作者によるマンモグラフィ装置10の操作のための入力を受け付ける。また、検査が完了した場合には、検査が完了した旨の指示も受け付ける。また、トモシンセシス撮影を行うために必要な、撮影条件等の各種情報の入力および情報の修正の指示も受け付ける。本実施形態においては、操作者が入力部4から入力した情報に従って、マンモグラフィ装置10の各部が動作する。
【0037】
コンソール2には、トモシンセシス撮影を行うための撮影プログラムの他、本実施形態による画像転送プログラムがインストールされている。本実施形態においては、コンソール2は、操作者が直接操作するワークステーションあるいはパーソナルコンピュータでもよいし、それらとネットワークを介して接続されたサーバコンピュータでもよい。画像転送プログラムは、DVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録されて配布され、その記録媒体からコンピュータにインストールされる。もしくは、ネットワークに接続されたサーバコンピュータの記憶装置、あるいはネットワークストレージに、外部からアクセス可能な状態で記憶され、要求に応じてコンピュータにダウンロードされ、インストールされる。
【0038】
図3はコンソール2に本実施形態による画像転送プログラムをインストールすることにより実現される画像転送装置の概略構成を示す図である。図3に示すように、画像転送装置は、標準的なコンピュータの構成として、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22およびストレージ23を備えている。
【0039】
ストレージ23は、ハードディスクドライブまたはSSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスからなり、マンモグラフィ装置10の各部を駆動するためのトモシンセシス撮影プログラムおよび画像転送プログラムを含む各種情報が記憶されている。また、トモシンセシス撮影により取得された投影画像、および後述するように生成された断層画像も記憶される。
【0040】
メモリ22には、各種処理をCPU21に実行させるために、ストレージ23に記憶されたプログラム等が一時的に記憶される。撮影プログラムおよび画像転送プログラムは、CPU21に実行させる処理として、マンモグラフィ装置10にトモシンセシス撮影を行わせて、複数の線源位置のそれぞれに対応する乳房Mの複数の投影画像を取得する画像取得処理、複数の投影画像を再構成することにより、被写体である乳房Mの複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像を生成する再構成処理、順次生成される断層画像を表示部に順次表示する表示制御処理、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断する判断処理、および少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断された場合に、複数の断層画像を外部装置に転送する転送処理を規定する。
【0041】
そして、CPU21が撮影プログラムおよび画像転送プログラムに従いこれらの処理を実行することで、コンピュータ2は、画像取得部31、再構成部32、表示制御部33、判断部34、および転送部35として機能する。
【0042】
画像取得部31は、撮影プログラムにしたがって、マンモグラフィ装置10にトモシンセシス撮影を行わせることにより、複数の投影画像を取得する。すなわち、画像取得部31は、アーム部12を回転軸11の周りに回転させることにより放射線源16を移動させ、放射線源16の移動による複数の線源位置において、トモシンセシス撮影用の予め定められた撮影条件により被写体である乳房Mに放射線を照射し、乳房Mを透過した放射線を放射線検出器15により検出して、複数の線源位置における複数の投影画像Gi(i=1~n、nは線源位置の数であり、例えばn=15)を取得する。
【0043】
図4は投影画像Giの取得を説明するための図である。図4に示すように、放射線源16をS1、S2、S3・・・、Snの各線源位置に移動し、各線源位置において放射線源16を駆動して乳房Mに放射線を照射し、乳房Mを透過したX線を放射線検出器15により検出することにより、各線源位置S1~Snに対応して、投影画像G1、G2、G3・・・、Gnが取得される。なお、各線源位置S1~Snにおいては、同一の線量の放射線が乳房Mに照射される。取得された複数の投影画像Giは、表示制御部33に順次出力され、かつストレージ23に順次保存される。
【0044】
再構成部32は、複数の投影画像Giを再構成することにより、乳房Mの所望とする断層面を強調した断層画像を順次生成する。具体的には、再構成部32は、単純逆投影法あるいはフィルタ逆投影法等の周知の逆投影法等を用いて複数の投影画像Giを再構成して、図5に示すように、乳房Mの複数の断層面のそれぞれにおける複数の断層画像Dj(j=1~m)を順次生成する。この際、乳房Mを含む3次元空間における3次元の座標位置が設定され、設定された3次元の座標位置に対して、複数の投影画像Giの対応する画素位置の画素値が再構成されて、その座標位置の画素値が算出される。なお、断層画像Djの生成の順序は、乳房Mにおける最も上にある断層面の断層画像D1からであってもよく、乳房Mにおける最も下にある断層面の断層画像Dmからであってもよい。再構成部32により順次生成される断層画像は、順次表示制御部33に出力され、かつストレージ23に順次保存される。
【0045】
表示制御部33は、再構成部32が順次生成した断層画像Djを生成された順に表示部3に表示する。なお、表示制御部33は、画像取得部31が取得した投影画像Giも取得された順に表示部3に表示する。図6は表示部3に表示される画像表示画面を示す図である。表示制御部33は、まず画像表示画面40の画像表示領域41に、投影画像Giを取得された順に表示する。すべての投影画像Giの取得が完了し、再構成部32が断層画像Djの生成を開始すると、表示制御部33は、生成された断層画像Djを画像表示領域41に順次表示する。
【0046】
なお、画像表示画面40は、撮影メニュー表示領域42を有する。撮影メニュー表示領域42には、撮影オーダー毎の撮影メニューを表すアイコンが並べられて表示されている。図6においては4つのアイコン42A~42Dが選択可能に表示されている。なお、現在撮影および断層画像の生成が行われている撮影メニューのアイコンには、他の撮影メニューと識別可能なように、色が変更されたり、枠が付与されたりする。図6においては、左から2番目のアイコン42Bの色が変更されている状態を、ハッチングを付与することにより示している。また、撮影が終了した撮影メニューのアイコンにも他の撮影メニューと識別可能なように、色が変更されたり、枠が付与されたりする。図6においては、一番左のアイコン42Aに、撮影が終了していることを枠46を付与することにより示している。
【0047】
一方、画像表示画面40には、スライドバー43およびスケール44が表示される。スライドバー43はつまみ43Aを有し、スライドバー43におけるつまみ43Aの位置を変更することにより、画像表示領域41に表示する断層画像の断層面の高さを指示することができる。具体的には、操作者が入力部4から指示を行ってつまみ43Aを左右に移動させると、表示制御部33は、画像表示領域41に表示される断層画像Djを、つまみ43Aの位置に応じて切り替え表示する。なお、断層画像Djの生成中は、断層画像Djが生成された順に画像表示領域41に表示されるため、断層画像Djの生成が完了するまで、つまみ43Aは左から右に移動し続ける。また、本実施形態においては、入力部4がマウスを有する場合、マウスホイールの操作によっても、表示される断層画像Djを切り替えることが可能である。
【0048】
スケール44は、生成される断層画像Djの枚数を表すものである。図6においては「15」の数字が表示されている。これは、現在表示中の断層画像Djが15枚目の断層画像D15であることを示している。なお、断層画像Djの生成中は、スケール44の数字は順次増加し、断層画像Djの生成が完了すると、生成された断層画像Djの枚数において停止する。なお、本実施形態においては、50枚の断層画像Djを生成するものとする。このため、50枚目の断層画像D50が生成されると、画像表示領域41には図7に示すように断層画像D50が表示され、スライドバー43のつまみ43Aは一番右端に移動した状態となる。また、スケール44の数字は50で停止する。
【0049】
判断部34は、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断する。少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かの判断は、本実施形態においては以下の第1から第7の態様が挙げられる。
【0050】
第1の態様においては、判断部34は、表示制御部33が、すべての断層画像Djの生成が完了して最後の断層画像を表示部3に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。ここで、順次生成される複数の断層画像Djのうち、最後に生成された断層画像を最後の断層画像と称するものとする。なお、最後の断層画像とは、乳房Mにおける下側の断層面から上側の断層面に向けて断層画像を生成する場合には、最も上の断層面の断層画像である。一方、乳房Mにおける上側の断層面から下側の断層面に向けて断層画像を生成する場合には、最も下の断層面の断層画像が最後の断層画像である。第1の態様では、判断部34は、上記図7に示すように、表示制御部33が、最後の断層画像D50を画像表示画面40の画像表示領域41に表示すると、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0051】
第2の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、表示制御部33が、最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を表示部3に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。具体的には、判断部34は、図7に示すように、表示制御部33が、最後の断層画像D50を画像表示画面40の画像表示領域41に表示し、その後に、操作者の指示により、最後の断層画像D50とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を、表示制御部33が画像表示領域41に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。この際、操作者は、スライドバー43のつまみ43Aを操作することにより、画像表示領域41に表示される断層画像を切り替える。または、入力部4がマウスを有する場合、マウスホイールを回転させることにより、画像表示領域41に表示される断層画像を切り替える。
【0052】
ここで、本実施形態においては、表示制御部33は、表示された断層画像に対してフラグを付与するものとする。本実施形態においては、断層画像が生成されると、生成した断層画像についてのデータベースがストレージ23に生成される。表示制御部33は、最後の断層画像が生成された後に、操作者の指示により画像表示画面40の画像表示領域41に表示された断層画像に対して、データベースのフラグに「1」を付与する。なお、表示されていない断層画像については、フラグは「0」となる。第2の態様においては、判断部34は、すべての断層画像についてのフラグを監視し、最後の断層画像以外の予め定められた数の断層画像にフラグが付与された場合、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0053】
また、第2の態様においては、1以上の任意の数を予め定められた数として設定することが可能である。予め定められた数は入力部4から数値を入力することにより設定してもよく、すべての断層画像、すべての断層画像の1/k1(k1は自然数)に対応する枚数、または乳房Mの圧迫厚の1/k2(k2は自然数)に対応する枚数のように設定することも可能である。ここで、表示された断層画像の数の判断は、断層画像に付与されたフラグの数により判断すればよい。
【0054】
なお、本実施形態においては、表示されている断層画像(例えば最後の断層画像)から所望とされる断層面の断層画像が表示されるまでつまみ43Aを操作したりマウスホイールを操作したりすると、2つの断層画像の間に存在する断層画像が切り替えられて順次画像表示領域41に表示される。しかしながら、これらの断層画像の表示は一瞬であり、操作者が所望とされる断層面の断層画像を視認のために表示する時間と比較すると、明らかに短い。このため、本実施形態においては、「断層画像を表示する」とは、予め定められた時間、例えば0.5秒以上断層画像を表示することを意味する。すなわち、本実施形態においては、予め定められた時間以上断層画像が表示された場合に、その断層画像にフラグ「1」を付与するものとする。
【0055】
第3の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、表示制御部33が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。2以上の断層画像を表示部3に同時に表示するとは、図8に示すように、画像表示画面40の画像表示領域41に、2以上(ここでは12枚)の断層画像を同時に表示することを意味する。なお、図8に示す画像表示画面40の撮影メニュー表示領域42には、左右の矢印45が表示されている。操作者が入力部4を用いて右向きの矢印を選択すると、次の12枚の断層画像が画像表示領域41に表示され、左向きの矢印を選択すると、前の12枚の断層画像が画像表示領域41に表示される。この場合、表示制御部33は、表示部3に表示したすべての断層画像に対してフラグを付与する。
【0056】
第4の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、表示制御部33が、最後の断層画像の断層面とは異なる予め定められた数の断層面の断層画像を表示部3に表示した場合において、さらに表示後に一定時間経過した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0057】
第5の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、表示制御部33が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示した場合において、さらに表示後に一定時間経過した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0058】
第4および第5の態様において、一定時間は例えば2~3秒とすることができる。一定時間は、入力部4からの入力によって予め設定すればよい。なお、一定時間の起点としては、第4の態様の場合、操作者による表示する断層画像の切り替えの操作が停止した時点とすればよい。また、第5の態様の場合、2以上の断層画像の同時の表示が完了した時点とすればよい。
【0059】
第6の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、最後の断層画像の断層面とは異なる予め定められた数の断層面の断層画像を表示部3に表示した場合において、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0060】
第7の態様においては、判断部34は、すべての断層画像Djの生成が完了した後に、操作者の指示により、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示した場合において、さらに予め定められた操作を受け付けた場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断する。
【0061】
第6および第7の態様において、予め定められた操作としては、次の撮影に移るための操作、および異なる撮影画像の表示の指示の操作等が挙げられる。
【0062】
次の撮影に移るための操作とは、撮影メニュー表示領域42に表示された複数のアイコンにおいて、現在断層画像が表示されている撮影メニューの次の撮影メニューのアイコンを選択することが挙げられる。例えば、図7に示すように、撮影メニュー表示領域42に表示されている複数のアイコン42A~42Dのうち、現在断層画像を表示中の撮影メニューのアイコン42Bの右側にある、次の撮影メニューのアイコン4Cを選択する操作が挙げられる。この場合、選択したアイコン4Cに対応する撮影メニューによる撮影が行われることとなる。
【0063】
異なる撮影画像の表示の指示の操作とは、撮影メニュー表示領域42に表示された複数のアイコンのうち、撮影が終了している撮影メニューのアイコンを選択することが挙げられる。例えば、図7に示すように、撮影メニュー表示領域42に表示されている複数のアイコン42A~42Dのうち、現在断層画像を表示中の撮影メニューのアイコン42Bの左側にある、撮影が終了している撮影メニューのアイコン4Aを選択する操作が挙げられる。この場合、選択したアイコン4Aに対応する撮影メニューにより取得した断層画像が画像表示領域41に表示されることとなる。
【0064】
転送部35は、外部装置とネットワーク接続されたインタフェースを有する。転送部35は、判断部34が、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断した場合に、複数の断層画像を画像保管サーバおよび画像ビューア等の外部装置に転送する。具体的には、現在行っている撮影メニューによるトモシンセシス撮影を行う検査が完了し、検査が完了したことを操作者が入力部4から指示する前、または複数の断層画像の外部装置への転送を操作者が入力部4から指示する前に、複数の断層画像を外部装置に転送する。これにより、本実施形態においては、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示を入力部4が受け付ける前、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示を入力部4が受け付ける前に、複数の断層画像が外部装置に転送される。このため、操作者がトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示を行った時、または操作者が複数の断層画像の外部装置への転送の指示を行った時には、すべての断層画像の外部装置への転送が完了しているか、または複数の断層画像の外部装置への転送中となる。
【0065】
なお、撮影メニューによっては、トモシンセシス撮影およびトモシンセシス撮影と同一ポジショニングでの単純撮影の組み合わせが指定される場合がある。なお、同一ポジショニングとは、乳房を被写体とする場合、トモシンセシス撮影と単純撮影とが同一圧迫条件下にあることを意味する。この場合、撮影はトモシンセシス撮影および単純撮影の順に行われる。この場合においても、判断部34による判断は、トモシンセシス撮影により取得される断層画像の表示に関連して行われるため、本実施形態においては、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示の前、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示の前に、転送部35が断層画像を外部装置に転送する。また、単純撮影はトモシンセシス撮影の後に行われるため、単純撮影により取得される単純2次元画像の視認は、トモシンセシス撮影により取得される断層画像の表示の後となる。このため、操作者による単純撮影を行う検査の完了の指示の前に、転送部35が断層画像を外部装置に転送することとなる。
【0066】
次いで、本実施形態において行われる処理について説明する。まず第1の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図9は本実施形態において第1の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。操作者による処理開始の指示を入力部4が受け付けるとトモシンセシス撮影が行われて、画像取得部31が複数の投影画像Giを取得する(ステップST1)。表示制御部33は、取得された投影画像Giを表示部3に順次表示する(ステップST2)。次いで、再構成部32が、複数の投影画像Giを再構成することにより、乳房Mの複数の断層面における複数の断層画像Djを順次生成する(ステップST3)。表示制御部33は、生成された断層画像Djを表示部3に順次表示する(ステップST4)。
【0067】
判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST5)。ステップST5が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。ステップST5が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST6)、処理を終了する。
【0068】
これにより、第1の態様においては、複数の断層画像という大容量の画像データを、操作者によるトモシンセシス撮影を行う検査の完了の指示、または操作者による複数の断層画像の外部装置への転送の指示を待たずして外部装置に転送することができる。このため、操作者が検査完了を指示した時点、または複数の断層画像の外部装置への転送を指示した時点においては、複数の断層画像の転送が終了しているか転送がすでに開始されている。したがって、本実施形態の第1の態様によれば、トモシンセシス撮影の完了後に外部装置に断層画像を送信する場合、または操作者の指示により断層画像を外部装置に転送する場合と比較して、外部装置に保存されている断層画像を表示して読影等したいときに、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。
【0069】
次いで、第2の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図10は本実施形態において第2の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。なお、第2の態様および以下に説明する第3から第7の態様においては、断層画像が順次表示されるまでの処理は第1の態様と同一である。このため、図10および以下に説明する図11から図15においては、第1の態様におけるステップST4以降の処理についてのみ説明する。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST11)。ステップST11が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0070】
ステップST11が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(異なる断層画像表示;ステップST12)。ステップST12が否定されると、ステップST12の処理を繰り返す。ステップST12が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST13)、処理を終了する。
【0071】
これにより、第2の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0072】
次いで、第3の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図11は本実施形態において第3の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST21)。ステップST21が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0073】
ステップST21が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示したか否かを判断する(2以上の断層画像同時表示;ステップST22)。ステップST22が否定されると、ステップST22の処理を繰り返す。ステップST22が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST23)、処理を終了する。
【0074】
これにより、第3の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0075】
次いで、第4の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図12は本実施形態において第4の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST31)。ステップST31が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0076】
ステップST31が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(異なる断層画像表示;ステップST32)。ステップST32が否定されると、ステップST32の処理を繰り返す。ステップST32が肯定されると、判断部34は、断層画像の表示後に一定時間経過したか否かを判定する(ステップST33)。ステップST33が否定されるとステップST32に戻る。ステップST33が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST34)、処理を終了する。
【0077】
これにより、第4の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、断層画像を切り替え表示したのみでは、操作者による断層画像の確認中である場合がある。しかしながら、断層画像が表示されてからある程度の時間が経過していれば、断層画像の確認が終了している場合が多い。第4の態様においては、断層画像の表示後に一定時間経過してから、断層画像を外部装置に転送するようにしたため、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0078】
次いで、第5の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図13は本実施形態において第5の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST41)。ステップST41が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0079】
ステップST41が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示したか否かを判断する(2以上の断層画像同時表示;ステップST42)。ステップST42が否定されると、ステップST42の処理を繰り返す。ステップST42が肯定されると、判断部34は、断層画像の表示後に一定時間経過したか否かを判定する(ステップST43)。ステップST43が否定されるとステップST42に戻る。ステップST43が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST44)、処理を終了する。
【0080】
これにより、第5の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、複数の断層画像を同時に表示したのみでは、操作者による断層画像の確認中である場合がある。しかしながら、断層画像が表示されてからある程度の時間が経過していれば、断層画像の確認が終了している場合が多い。第5の態様においては、複数の断層画像の同時の表示後に一定時間経過してから、断層画像を外部装置に転送するようにしたため、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0081】
次いで、第6の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図14は本実施形態において第6の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST51)。ステップST51が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0082】
ステップST51が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、最後の断層画像とは異なる断層面における予め定められた数の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(異なる断層画像表示;ステップST52)。ステップST52が否定されると、ステップST52の処理を繰り返す。ステップST52が肯定されると、判断部34は、予め定められた操作を受け付けたか否かを判定する(ステップST53)。ステップST53が否定されるとステップST52に戻る。ステップST53が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST54)、処理を終了する。
【0083】
これにより、第6の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、断層画像を切り替え表示したのみでは、操作者による断層画像の確認中である場合がある。しかしながら、断層画像が表示されてから、操作者が次の撮影に移るための操作、および異なる撮影画像の表示の指示の操作等の操作を行った場合、断層画像の確認が終了している場合が多い。第6の態様においては、断層画像の表示後に予め定められた操作を受け付けてから、断層画像を外部装置に転送するようにしたため、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0084】
次いで、第7の態様による判断を行う場合の処理について説明する。図15は本実施形態において第7の態様による判断を行う場合の処理を示すフローチャートである。ステップST4に続いて、判断部34は、表示制御部33が、最後の断層画像を表示部3に表示したか否かを判断する(ステップST61)。ステップST61が否定されると、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理が繰り返される。
【0085】
ステップST61が肯定されると、判断部34は、さらに、操作者の指示により、表示制御部33が、複数の断層画像のうちの2以上の断層画像を表示部3に同時に表示したか否かを判断する(2以上の断層画像同時表示;ステップST62)。ステップST62が否定されると、ステップST62の処理を繰り返す。ステップST62が肯定されると、判断部34は、予め定められた操作を受け付けたか否かを判定する(ステップST63)。ステップST63が否定されるとステップST62に戻る。ステップST63が肯定されると、転送部35が、生成された複数の断層画像Djを外部装置に転送し(ステップST64)、処理を終了する。
【0086】
これにより、第7の態様においては、第1の態様と同様に、撮影の完了後から断層画像の読影等が可能となるまでの待ち時間を軽減することができる。また、複数の断層画像を同時に表示したのみでは、操作者による断層画像の確認中である場合がある。しかしながら、断層画像が表示されてから、操作者が次の撮影に移るための操作、および異なる撮影画像の表示の指示の操作等を行った場合、断層画像の確認が終了している場合が多い。第7の態様においては、断層画像の表示後に予め定められた操作を受け付けてから、断層画像を外部装置に転送するようにしたため、操作者が断層画像を視認したことの判断を、第1の態様よりもより確実に行うことができる。
【0087】
なお、上記実施形態においては、表示制御部33による断層画像の表示に基づいて、判断部34が少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたか否かを判断しているが、これに限定されるものではない。例えば、図16に示すように表示部3に、表示部3を見ている操作者の視線を検知するための、表示部3を見ている操作者を撮影して操作者の動画像を取得するカメラ6を設けてもよい。この場合、表示部3への断層画像の表示中に、判断部34がカメラ6が取得した動画像に含まれる操作者の目の方向を検出し、目の方向が表示部3を向いている状況が一定時間経過した場合に、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたと判断するようにしてもよい。なお、断層画像を表示部3に表示していないときは、目の方向が表示部3を向いている状況が一定時間経過したとしても、判断部34は、少なくとも1つの断層画像が操作者により視認されたとは判断しないようにする。これにより、表示部3へ断層画像が表示されていないにも拘わらず、断層画像が外部装置に転送されてしまうことを防止できる。
【0088】
また、上記実施形態においては、撮影プログラムにしたがって、画像取得部31がマンモグラフィ装置10に撮影を行わせて投影画像を取得しているが、これに限定されるものではない。撮影プログラムとは別個のプログラムにより複数の投影画像Giを取得してストレージ23または外部保存装置に保存しておくようにしてもよい。この場合、画像取得部31は、ストレージ23または外部保存装置に保存された複数の投影画像Giを、再構成処理等のためにストレージ23または外部保存装置から読み出すものとなる。
【0089】
また、上記実施形態における放射線は、とくに限定されるものではなく、X線の他、α線またはγ線等を適用することができる。
【0090】
また、上記実施形態においては、乳房Mを被写体としているが、これに限定されるものではない。人体の胸部、腹部、頭部および四肢等、任意の部位を被写体とすることができる。
【0091】
また、上記実施形態において、例えば、画像取得部31、再構成部32、表示制御部33、判断部34および転送部35といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0092】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせまたはCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0093】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアとの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0094】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 放射線画像撮影システム
2 コンソール
3 表示部
4 入力部
6 カメラ
10 マンモグラフィ装置
15 放射線検出器
16 放射線源
17 圧迫板
21 CPU
22 メモリ
23 ストレージ
31 画像取得部
32 再構成部
33 表示制御部
34 判断部
35 転送部
40 画像表示画面
41 画像表示領域
42 撮影メニュー表示領域
42A~42D アイコン
43 スライドバー
43A つまみ
44 スケール
45 矢印
46 枠
Dj(j=1~m)、Dk 断層画像
Gi(i=1~n) 投影画像
M 乳房
Si(i=1~n) 線源位置
図1
図2
図3
図4
図5
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図16