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特許7192117基板上の限界寸法測定の方法、および基板上の電子デバイスを検査し、カッティングするための装置
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  • 特許-基板上の限界寸法測定の方法、および基板上の電子デバイスを検査し、カッティングするための装置 図1
  • 特許-基板上の限界寸法測定の方法、および基板上の電子デバイスを検査し、カッティングするための装置 図2
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  • 特許-基板上の限界寸法測定の方法、および基板上の電子デバイスを検査し、カッティングするための装置 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】基板上の限界寸法測定の方法、および基板上の電子デバイスを検査し、カッティングするための装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/22 20060101AFI20221212BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20221212BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20221212BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20221212BHJP
   G01B 15/00 20060101ALI20221212BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/305 A
H01J37/28 B
H01J37/20 A
G01B15/00 K
H01L21/66 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021527842
(86)(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2018082230
(87)【国際公開番号】W WO2020104031
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ベルンハルト ゲー.
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-503890(JP,A)
【文献】国際公開第2016/092641(WO,A1)
【文献】特表2017-535787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/28
H01J 37/22
H01L 21/66
G01B 15/04
H01J 37/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の限界寸法測定のための方法であって、
前記基板の主表面がXY平面内にある状態で、前記基板を支持することと、
前記基板の前記主表面の平面に対して42°から48°の第1の角度で角度を付けられた集束イオンビームカラムでノッチをカッティングすることと、
前記基板の前記主表面の前記平面に対して89°から91°の第2の角度で角度を付けられた光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡で、前記ノッチに隣接する1つ以上の構造の第1の寸法および第2の寸法であって、前記XY平面内にある第1の寸法および第2の寸法のうちの少なくとも1つを、原寸に比例して測定することと、
前記光軸を有する前記第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡で、前記ノッチ内に露出する1つ以上の構造の第3の寸法であって、前記XY平面に対して角度を付けられた方向第3の寸法を原寸に比例して測定することと、
を含み、
前記第3の寸法を原寸に比例して測定することは、前記ノッチ内に露出する前記1つ以上の構造の、前記光軸を有する前記第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡の画像化平面内で測定される寸法を、前記第3の寸法として特定することを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の寸法または前記第2の寸法が、前記XY平面内における前記基板上の距離である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
画像を得るために、前記ノッチを含む前記基板の領域を画像化することをさらに含み、前記第1の寸法および前記第2の寸法のうちの少なくとも1つを測定することが、前記画像に基づき、前記第3の寸法を測定することが、前記画像に基づく、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の寸法、前記第2の寸法、および前記第3の寸法のうちの少なくとも1つを測定することが、前記画像の強度信号によって測定される限界寸法測定である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
原寸に比例して測定された前記第1の寸法または前記第2の寸法の所望の寸法を決定することと、
前記所望の寸法に基づいて、原寸に比例して測定された前記第3の寸法を補正することと、
をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の角度および前記第2の角度が、固定されている、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基板を支持するためのステージが、X方向、Y方向、およびZ方向の移動ならびに前記XY平面内での回転に限定される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
基板を検査し、前記基板上の電子デバイスをカッティングするための装置であって、
真空チャンバ、
前記真空チャンバ内に配置されたステージであって、前記電子デバイスを上に有する前記基板を支持するように構成されたステージ、
前記ステージの上方の集束イオンビームカラムであって、前記基板の主表面の平面に対して42°から48°の第1の角度で角度を付けられたビーム経路を有する集束イオンビームカラム
前記集束イオンビームカラムに隣接し、前記基板の前記主表面の前記平面に対して89°から91°の第2の角度で角度を付けられた光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡、および
プロセッサと、前記プロセッサによって実行されると、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を前記装置に実行させる命令を格納するメモリと、を備えるコントローラ
を備える装置。
【請求項9】
前記ステージが基板受容領域を提供、前記第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡から前記基板受容領域のサイズの30%から70%および少なくとも30cmのうちの少なくとも一方の距離がある第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を、さらに備える、請求項に記載の、基板を検査し、前記基板上の電子デバイスをカッティングするための装置。
【請求項10】
前記真空チャンバが、前記基板受容領域の150%から180%の内側寸法を有する、請求項に記載の、基板を検査し、前記基板上の電子デバイスをカッティングするための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、基板を検査するための装置および方法に関する。さらに、本開示の実施形態は、一般に、(例えば大面積基板上の)電子デバイスを分析するための集束イオンビームシステムに関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、大面積基板などの、ディスプレイ製造用の基板上での自動化された限界寸法(CD)測定のための方法に関する。具体的には、実施形態は、ディスプレイ製造用の基板上での自動化された限界寸法測定のための方法、ディスプレイ製造用の大面積基板を検査する方法、およびディスプレイ製造用の大面積基板を検査するための装置、およびその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]TFT、光起電(PV)デバイスまたは太陽電池およびその他の電子デバイスなどの電子デバイスは、長年にわたり、ディスプレイガラスパネルや薄いフレキシブルメディアなどの大面積基板上に製造されてきた。基板は、ガラス、ポリマー、または電子デバイス形成に適した他の材料でできていてもよい。より大きなサイズの最終製品を製造するため、および/またはデバイス(例えば、ピクセル、TFT、光起電または太陽電池など)あたりの製造コストを削減するために、表面積が1平方メートルよりはるかに大きい、例えば2平方メートル以上の基板上に電子デバイスを製造することに、継続的な努力が向けられている。
【0003】
[0003]TFTなどの、欠陥があると判断された個別デバイスを分析する必要が、しばしばある。例えば、個々のピクセルを切り替えるトランジスタに欠陥があり、これにより、そのピクセルは常にオンまたはオフになる可能性がある。
【0004】
[0004]集束イオンビーム(FIB)システムが、半導体産業、材料科学、そしてますます生物学の分野で分析技術として利用されてきている。半導体産業では、FIBシステムは、ウェハ上のダイの一部(例えば、「サンプル」)の特定場所固有の分析にイオンビームを使用する。
【0005】
[0005]さらに、多くのアプリケーションでは、基板の品質を監視するために、基板が検査される。例えば、コーティング材料の層が堆積されるガラス基板が、ディスプレイ市場向けに製造されている。欠陥は、例えば、基板の処理中に、例えば基板のコーティング中に、発生するかもしれないので、欠陥を確認し、ディスプレイの品質を監視するために、基板の検査が必要である。さらに、パターニングプロセスステップで作製された構造のサイズ、形状、および相対的な位置は、SEMレビュー(例えば限界寸法(CD)の測定)によって監視および制御する必要がある。
【0006】
[0006]ディスプレイは、基板サイズが継続的に大きくなっている大面積基板上に、多くの場合、製造される。さらに、TFTディスプレイなどのディスプレイは、継続的に改善されている。基板の検査は、光学システムによって実行することができる。ただし、TFTアレイの構造などの限界寸法(CD)測定には、光学検査では提供できない解像度が必要である。CD測定は、例えば、構造のサイズまたは構造間の距離を約10ナノメートルの範囲で提供できる。得られた寸法は、所望の寸法と比較することができ、その寸法は、製造プロセスの特性を評価するために重要であると見なすことができる。
【0007】
[0007]ディスプレイ製造用の基板は、典型的には、例えば1m2以上の面積を有するガラス基板である。このような大きな基板上の高解像度画像は、本質的に非常に困難であり、ウェハ業界のほとんどの研究成果は適用できない。さらに、上記に例示的に記載されているCD測定の選択肢は、例えば、結果として生じるスループットが望ましくないので、大面積基板には適していない。
【0008】
[0008]したがって、例えば、大面積基板上のディスプレイの品質に対する要求の高まりに伴い、大面積基板を検査するための改善された装置および方法、例えば具体的には、FIB技術を大面積基板に利用できる(より具体的には、限界寸法測定に利用される)方法および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
[0009]上記に照らして、ディスプレイ製造用の基板上での限界寸法測定のための方法、ディスプレイ製造用の大面積基板を検査する方法、ディスプレイ製造用の大面積基板を検査するための装置、およびその操作方法が提供される。本開示のさらなる態様、利点および特徴は、説明および添付の図面から明らかである。
【0010】
[0010]一態様によれば、基板上での限界寸法測定のための方法が提供される。この方法は、基板の主表面がXY平面にある状態で基板を支持することと、第1の角度で基板の主表面の平面に対して角度を付けられた集束イオンビームカラムを用いてノッチをカッティングすることと、第1の角度とは異なる第2の角度で基板の主表面の平面に対して角度を付けられた光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を用いて、ノッチに隣接する1つ以上の構造の第1の寸法および第2の寸法であって、XY平面にあり、原寸に比例して測定される第1の寸法および第2の寸法の少なくとも1つを測定することと、光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を用いて、XY平面に対して角度を付けられた方向に、1つ以上の構造の第3の寸法を原寸に比例して測定することと、を含む。
【0011】
[0011]別の態様によれば、基板を検査し、基板上の電子デバイスをカッティングするための装置が提供される。この装置は、真空チャンバ、真空チャンバ内に配置され、その上に電子デバイスを有する基板を支持するように構成されたステージ、ステージ上の集束イオンビームカラムであって、基板の主表面の平面に対して第1の角度で角度を付けられたビーム経路を有する集束イオンビームカラム、および集束イオンビームカラムに隣接し、基板の主表面の平面に対して第2の角度で角度を付けられた光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡であって、第2の角度は第1の角度とは異なり、第2の角度は、光学的歪みを低減するように構成され、第1の角度は、電子デバイスの3つの寸法に沿った原寸に比例した限界寸法測定を可能にするように構成される、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を含む。
【0012】
[0012]別の態様によれば、基板上での限界寸法測定のための方法が提供される。この方法は、画像を得るために、走査荷電粒子ビームデバイスを用いて、基板上に設けられた1つ以上の構造を画像化することであって、走査荷電粒子ビームデバイスの画像化平面は、基板の主表面に平行であり、画像は、基板内に生成されたノッチを含む、画像化することと、画像において3次元座標系の3つの異なる方向に沿って限界寸法を原寸に比例して測定することと、を含む。
【0013】
[0013]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、そのいくつかは、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。当業者への完全かつ実施可能にする開示が、添付の図面への参照を含む本明細書の残りの部分でより具体的に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本明細書に記載の実施形態による、基板を検査するための装置の側面図を示す。
図2】本明細書に記載の実施形態による、基板を検査するための計測システム装置の概略断面図である。
図3】集束イオンビームカラム(FIBカラム)を有する計測システムにおいてサンプルを検査する典型的な構成の側面図を示す。
図4A】本開示の実施形態による集束イオンビームカラムを有する計測システムにおいてサンプルを検査する構成の側面図を示す。
図4B図4Aに対応するシステムを検査するための装置の画像を示す。
図5】本明細書に記載の実施形態により、基板を検査するための、FIBカラムを有する装置の側面図を示し、装置は、振動を低減するための構成要素を含む。
図6】本明細書に記載の実施形態による、画像化荷電粒子ビーム顕微鏡、すなわち、基板を検査するための例示的な装置の側面図を示す。
図7】本開示の実施形態による、(例えばディスプレイ製造用の)大面積基板上での自動化されたCD測定の方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0014]ここで、様々な例示的な実施形態を詳細に参照し、その1つ以上の例を各図に示す。各例は、説明のために提供されており、制限を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴は、他の実施形態で、または他の実施形態と組み合わせて使用されて、さらに別の実施形態をもたらすことができる。本開示はそのような修正および変形を含むことが意図される。
【0016】
[0015]以下の図面の説明内で、同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。個々の実施形態に関する違いのみが説明されている。図面に示されている構造は、必ずしも正確に原寸に比例して描かれているわけではないが、むしろ実施形態のより良い理解に役立つ。
【0017】
[0016]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の基板は、大面積基板、特にディスプレイ市場向けの大面積基板に関する。いくつかの実施形態によれば、大面積基板またはそれぞれの基板支持体は、少なくとも1m2、例えば少なくとも1.375m2のサイズを有し得る。サイズは、約1.375m2(1100mm×1250mm - Gen5)から約9m2、より具体的には約2m2から約9m2、さらには最大12m2であり得る。本明細書に記載の実施形態による構造、装置、および方法が提供される基板または基板受容領域は、本明細書に記載されているような大面積基板であり得る。例えば、大面積の基板またはキャリアは、約1.375m2の基板(1.1m×1.25m)に対応するGEN5、約4.39m2の基板(1.95m×2.25m)に対応するGEN7.5、約5.7m2の基板(2.2m×2.5m)に対応するGEN8.5、または約9m2の基板(2.88m×3130m)に対応するGEN10まであり得る。GEN11およびGEN12ならびに対応する基板面積などのより大きな世代も、同様に実施できる。基板サイズの世代は、固定の業界標準を提供するが、GEN5基板のサイズは、ディスプレイ製造業者ごとにわずかに異なる場合があることを考慮する必要がある。テスト装置の実施形態は、例えば、多くのディスプレイ製造業者のGEN5基板が支持体によって支持され得るようなGEN5基板支持体またはGEN5基板受容領域を有し得る。同じことが、他の基板サイズの世代にも当てはまる。
【0018】
[0017]さらに、当業者は、本開示に記載される利点の1つ以上が、ウェハ、例えばシリコンウェハが基板として利用される半導体産業にも適用可能であり得ることを理解するであろう。したがって、本開示の実施形態は、基板および半導体ウェハ処理などのウェハを扱うアプリケーションの分野に提供され得る。
【0019】
[0018]基板全体または基板全体に分布した領域が測定される、大面積基板の電子ビームレビュー(EBR)は、比較的若い技術である。例えば20nm以下、例えば10nm以下の解像度を達成することは非常に困難であり、ウェハ画像化からの以前の研究成果は、基板サイズの大きな違いを考慮すると適切でない場合がある。単純なアップスケーリングは、例えば必要なスループットのために、上手く行かない。さらに、プロセスおよび装置は、大きな寸法の振動を所望の解像度よりも小さく低減するのに有益に適している。さらに、手動または半自動のプロセスもまた、所望のスループット、ならびに大面積基板の領域全体に分布した位置を測定することの再現性に照らして、適切ではない可能性がある。
【0020】
[0019]現在のディスプレイ製造技術で製造および処理される基板のサイズが大きいことを考えると、基板全体または基板全体に分布した領域を、すなわちガラスを破壊することなく、処理またはテストすることは、特に困難である。基板、例えば大面積基板のサイズは、一貫して増加しているので、より大きな真空チャンバが、基板の処理または画像化に利用されている。ただし、大きな真空チャンバは、小さなチャンバに比べて、不要な振動に敏感である。真空チャンバの振動は、基板を例えば検査することができる解像度を制限する。具体的には、検査システムの解像度よりも小さいサイズの限界寸法は、見えないままであるので、測定できない。
【0021】
[0020]本開示の実施形態によれば、基板上の限界寸法測定のための方法が提供される。この方法は、基板の主表面がXY平面にある状態で基板を支持することと、第1の角度で基板の主表面の平面に対して角度を付けられた集束イオンビームカラムを用いて、ノッチをカッティングすることと、を含む。ノッチにおける1つ以上の構造の第1の寸法および第2の寸法の少なくとも1つが、第1の角度とは異なる第2の角度で基板の主表面の平面に対して角度を付けられた第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を用いて測定され、第1の寸法および第2の寸法は、XY平面にあり、原寸に比例して測定される。1つ以上の構造の第3の寸法が、光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を用いて、原寸に比例して測定される。1つ以上の構造の第3の寸法は、光軸を有する第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡を用いて、XY平面に対して角度を付けられた方向に、原寸に比例して測定することができる。例えば、第3の方向は、Z方向にすることができる。X、Y、およびZは、3次元座標系を規定できる。
【0022】
[0021]原寸に比例して3つの寸法を測定すると、例えばデカルト座標系(X、Y、およびZ)に沿って寸法を測定すると、スケーリング誤差を減少またはゼロにすることができる。補正計算誤差を回避できる。さらに、追加的または代替的に、全ての寸法が1つの画像で測定されるので、検査システムのスループットを増加させることができ、かつ/または画像の帯電もしくは画像の炭化を低減することができる。したがって、特にX、Y、およびZ間の関係について、より高い精度の限界寸法測定を提供することができる。例えば、画像は、FIBによってカッティングされたノッチを含む領域の画像であり得る。
【0023】
[0022]図1は、本明細書に記載の実施形態による、基板を検査するための装置の側面図を示す。装置100は、真空チャンバ120を含む。装置100は、基板160を支持することができる基板支持体110をさらに含む。装置100は、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130を含む。さらに、装置は、第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140を含むことができる。図1に示される例では、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130および第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140は、基板支持体110の上方に配置されている。
【0024】
[0023]図1にさらに示されるように、基板支持体110は、x方向150に沿って延びている。図1の図面平面において、x方向150は、左右方向である。基板160が、基板支持体110上に配置されている。基板支持体110は、x方向150に沿って移動可能であり、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130および第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140に対して真空チャンバ120内で基板160を変位させる。したがって、基板160の領域が、CD測定のために、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の下、または第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140の下に配置されることができる。この領域は、基板上のコーティングされた層の中または上に含まれるCD測定のための構造を含み得る。本開示の実施形態によれば、集束イオンビームカラム(例えば、図2および図5を参照)が提供される。ノッチが、基板上のコーティングされた層に、例えば、基板上に設けられたTFTなどの電子デバイスに生成されることができる。基板支持体110はまた、y方向(図示せず)に沿って移動可能であり得、その結果、基板160は、以下で論じられるように、y方向に沿って移動され得る。基板160を保持している基板支持体110を真空チャンバ120内で適切に変位させることにより、基板160の全範囲を真空チャンバ120内で測定することができる。本開示の実施形態によれば、特に大面積基板の場合、基板を支持するためのステージは、X方向、Y方向、およびZ方向の移動、ならびにXY平面内での回転に限定することができる。
【0025】
[0024]第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130は、第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140から、例えばx方向150に沿って距離135だけ、離されている。図1に示される実施形態では、距離135は、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の中心と第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140の中心との間の距離である。詳細には、距離135は、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡によって規定される第1の光軸131と、第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140によって規定される第2の光軸141との間の、x方向150に沿った距離である。第1の光軸131および第2の光軸141は、z方向151に沿って延びている。第1の光軸131は、例えば、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の対物レンズによって規定され得る。同様に、第2の光軸141は、例えば、第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140の対物レンズによって規定され得る。
【0026】
[0025]図1にさらに示されるように、真空チャンバ120は、x方向150に沿って内側幅121を有する。内側幅121は、真空チャンバ120の左側の壁123から真空チャンバ120の右側の壁122まで、x方向に沿って真空チャンバ120を横断するときに得られる距離であり得る。本開示の任意選択の態様は、特にSEM画像が大面積基板上で得られる実施形態において、例えばx方向150に関する装置100の寸法に関する。実施形態によれば、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130と第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140との間のx方向150に沿った距離135は、少なくとも30cm、例えば少なくとも40cmであり得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、真空チャンバ120の内側幅121は、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130と第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140との間の距離135の250%から450%の範囲にあり得る。その結果、限界寸法測定のための高解像度画像を提供することができる。
【0027】
[0026]本明細書に記載のいくつかの実施形態によって提供されるように、寸法が縮小された真空チャンバを有することの利点は、振動のレベルが真空チャンバのサイズの関数として増加するので、真空チャンバの1つ以上の振動を低減できることである。したがって、基板の振動振幅も有利に低減することができる。
【0028】
[0027]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、大面積基板を検査するための装置は、コントローラ180をさらに含むことができる。コントローラ180は、基板支持体110に、詳細には基板支持体の変位ユニットに接続することができる(参照番号182を参照)。さらに、コントローラ180は、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130および第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140などの画像化荷電粒子ビーム顕微鏡の走査偏向器アセンブリ184に接続することができる。
【0029】
[0028]コントローラ180は、中央処理装置(CPU)、メモリ、および例えばサポート回路を備える。大面積基板を検査するための装置の制御を容易にするために、CPUは、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであり得る。メモリは、CPUに結合されている。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フロッピーディスク、ハードディスク、またはローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージなどの1つ以上の容易に利用可能なメモリデバイスであり得る。サポート回路が、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPUに結合され得る。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路および関連するサブシステムなどを含む。検査プロセス命令および/または基板上に設けられた電子デバイスにノッチを生成するための命令が、一般に、レシピとして通常知られているソフトウェアルーチンとしてメモリに格納される。ソフトウェアルーチンはまた、CPUによって制御されているハードウェアから離れて配置された第2のCPU(図示せず)によって格納および/または実行されてもよい。ソフトウェアルーチンは、CPUによって実行されると、汎用コンピュータを、画像化プロセス中に基板支持体の位置決めや荷電粒子ビーム走査を制御するなどの、装置の動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。本開示の方法および/またはプロセスは、ソフトウェアルーチンとして実装されるものとして説明されているが、そこに開示されている方法ステップのいくつかは、ソフトウェアコントローラばかりでなくハードウェアでも実行され得る。したがって、実施形態は、コンピュータシステム上で実行されるソフトウェアに実装されてもよいし、特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェア実装としてハードウェアに実装されてもよいし、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装されてもよい。コントローラは、本開示の実施形態による基板上の限界寸法測定のための方法を実行または実施することができる。
【0030】
[0029]本明細書で使用される画像化荷電粒子ビーム顕微鏡は、2keV以下、詳細には1keV以下の入射エネルギーを有する低エネルギー荷電粒子ビームを生成するように適合され得る。高エネルギービームと比較して、低エネルギービームは、限界寸法測定中にディスプレイバックプレーン構造に衝撃を与えたり劣化させたりすることはない。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらに別の実施形態によれば、荷電粒子エネルギー、例えば電子エネルギーは、粒子ビーム源と基板との間で5keV以上、例えば10keV以上に増加させることができる。カラム内で荷電粒子を加速すると、荷電粒子間の相互作用が減少し、電気光学部品の収差が減少するので、画像化走査荷電粒子ビーム顕微鏡の分解能が向上する。
【0031】
[0030]図2は、計測システム200の概略断面図である。計測システム200は、その中に図1に記載されたステージまたは基板支持体110を有する真空チャンバ205を含む。ステージまたは基板支持体110は、その上に電子デバイス(図示せず)を有する大面積基板を支持する。真空チャンバ205は、真空チャンバ205内の負圧を維持する真空ポンプ210と流体的に結合されている。FIBカラム145および画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130が、ステージすなわち基板支持体110の上の真空チャンバ205内に少なくとも部分的に配置されている。計測システム200はまた、二次電子検出器215を含む。二次電子検出器215は、FIBカラム145を使用した電子デバイスのカッティング中の画像化に利用される。
【0032】
[0031]図3に示される例に関して説明されるFIBカラムを有する従来のLAB SEMとは対照的に、本開示の実施形態は、光軸が基板の主表面に実質的に垂直になるように配向された1つ以上の測定荷電粒子ビーム顕微鏡を提供する。さらに、集束イオンビーム(FIB)カラムが、約45°である第1の角度に配向されている。
【0033】
[0032]図3に例示的に示されるような、FIBカラムを有する従来のLAB SEMの場合、典型的には、サンプルまたは基板160は、画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130に対して傾斜している。基板は、任意の角度に傾斜させることができる。例えば、FIBカラムを基板の主表面に垂直にすることは(参照番号345を参照)、集束イオンビームでカッティングされたノッチの表面が集束イオンビームの中心の周りの360°で平らになるので、有利である。荷電粒子ビーム330は、典型的には、顕微鏡で検査されるノッチの表面307に垂直である光軸(走査偏向を無視して)に沿って導かれる。したがって、構造305の寸法306を測定することができる。ただし、構造305の層の厚さを得るために、例えば30°であり得るFIBカッティング角度を考慮して補正が適用される。さらに、任意の基板傾斜を考慮して、SEM観察角度に基づく補正も必要となる場合がある。
【0034】
[0033]さらに、基板160の傾斜は、構造が顕微鏡の像平面335内にないので、構造301の測定された寸法302および構造303の測定された寸法304の歪み、すなわち光学的歪みをもたらす。したがって、FIBカラムを備えた一般的なLAB SEMは、補正計算を必要とし、その結果、角度による測定誤差が増加する。画像奥行きの遠近法による歪みは、さらに補正が困難である。
【0035】
[0034]図4Aは、本開示の実施形態による、基板上の限界寸法測定のための方法および基板を検査するための装置の実施形態を示す。基板160は、画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の光軸に実質的に垂直である。さらに、矢印445で示される集束イオンビームカラムのカッティング角度は、約45°である。例えば、カッティング角度は、約42°から約48°であり得る。他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、集束イオンビームカラムは、ステージの上方に設けることができる。集束イオンビームカラムは、基板の主表面の平面に対して第1の角度で角度を付けられたビーム経路を有し、その角度は、例えば、約42°から約48°であり得る。
【0036】
[0035]本開示の実施形態によれば、1つの単一のSEM画像においてスケーリング誤差なしに、X次元、Y次元、およびZ次元で測定することが可能である。したがって、スケーリング誤差を低減または回避することができ、補正計算誤差が発生せず、スループットを向上させることができ、かつ/または一般に、特にX、Y、Zの間の、限界寸法測定の精度を向上させることができる。典型的には、基板の主表面に対してFIBのカッティング角度によって提供される第1の角度と、基板の主表面に対して光軸によって提供される第2の角度は、固定されている。
【0037】
[0036]1つ以上の構造を有する電子デバイスの画像化荷電粒子ビーム顕微鏡の例示的な画像を示す図4Bに関して、限界寸法「d」は、45°のカッティング角度のために原寸に比例して描かれている。さらに、限界寸法「e」と限界寸法「f」は、顕微鏡のトップダウン画像のために原寸に比例して描かれている。
【0038】
[0037]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらに別の実施形態によれば、例えば、限界寸法「e」は、構造の所定の寸法または所望の寸法、すなわち電子デバイスの製造中に意図された寸法と比較することができる。限界寸法測定の方法は、所望の寸法を決定することができる。測定された寸法「e」は、所望の寸法「e」で補償することができ、その結果、補償係数が得られる。測定された寸法「d」は、補償係数で補正および/または較正することができる。いくつかの実施形態によれば、基板の主表面に沿って測定された第1の寸法と、主表面に垂直な次元に沿って測定された第3の寸法との間の関係を評価することができる。
【0039】
[0038]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、限界寸法測定のための方法は、1つの画像を取得することを含み得る。例えば、1つの画像は、1つ以上のフレームで提供できる。1つの画像から第1の寸法(X方向)、第2の寸法(Y方向)、および第3の寸法(z方向)が測定され、原寸に比例して測定される。例えば、第3の寸法は、第1の寸法と第2の寸法によって定義された平面、例えばXY平面に対して垂直である、または0°とは異なる角度を有している。
【0040】
[0039]さらに別の実施形態によれば、限界寸法は、信号電子の強度信号によって測定することができる。
【0041】
[0040]本明細書に記載されている他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、基板上の限界寸法測定のための方法が提供される。この方法は、画像を得るために、走査荷電粒子ビームデバイスを用いて、基板上に設けられた1つ以上の構造を画像化することであって、走査荷電粒子ビームデバイスの画像化平面は、基板の主表面に平行であり、画像は、基板内に生成されたノッチを含む、画像化することと、画像において3次元座標系の3つの異なる方向に沿って限界寸法を原寸に比例して測定することと、を含む。3つの異なる方向は、第1の方向、第2の方向および第3の方向を含むことができ、第1の方向および第2の方向は、基板の主表面(例えばXY平面)に平行な平面を規定し、第3の方向は、平面に対して角度を付けられている、詳細には平面にほぼ垂直である。第3の方向は、例えばデカルト座標系の、z方向であり得る。
【0042】
[0041]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、測定された限界寸法は、原寸に比例して測定され、ノッチに隣接する1つ以上の構造の第1の寸法および第2の寸法のうちの少なくとも1つならびに第3の寸法を含み、第3の寸法は層の厚さである。層の厚さは、図4Aに示される構造405の厚さであり得る。層の厚さおよび基板の主表面に平行な限界寸法を原寸に比例して測定することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、画像の焦点深度は、5μmより大きく、および/または30μmより小さくてもよい。
【0043】
[0042]図5は、大面積基板を検査するための装置の別の例を示している。例えば、図2に示される装置において、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130および第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140は、z方向に沿って、すなわちx方向およびy方向に垂直に延びており、xy平面は、基板支持体110に平行である。FIBカラム145が、光軸の角度と比較して異なる、基板の主表面に対する角度で提供され得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、基板の主表面または基板支持体(基板支持体の平面、XY平面)に対するFIBカラムの角度は、42°から48°であり得る。
【0044】
[0043]図5は、本明細書に記載の実施形態による、基板を検査するための装置の側面図を示す。この装置は、変位ユニット410を含む。変位ユニット410は、第1の方向に沿って(例えばx方向150に沿って)基板支持体を変位させ、基板支持体110を第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の下および/または第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140の下に配置するように適合されている。変位ユニット410は、基板支持体110をx方向150に沿って前後に、すなわち、図5において右および左に向かって移動させるように適合させることができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、本明細書に記載の装置は、例えば図5に示す変位ユニット410などの、変位ユニットをさらに含む。変位ユニットは、第1の方向に沿って基板支持体を変位させるように適合させることができる。変位ユニット410は、例えば、基板支持体110が載っている複数の線形アクチュエータ(図示せず)を含むことができる。代替的または追加的に、変位ユニットは、例えば、基板支持体110をx方向150に沿って誘導するための磁気誘導システム(図示せず)を含むことができる。図5に示される概略図では、変位ユニット410は、真空チャンバ120内に配置されている。
【0045】
[0044]変位ユニットは、真空チャンバの第1の端部または壁に近接する位置から真空チャンバの第2の端部または壁に近接する位置まで、第1の方向に沿って基板支持体を変位させるように適合させることができる。変位ユニットは、第1の方向に沿った変位範囲を有することができ、変位ユニットは、変位範囲内の任意のターゲット座標に基板支持体を変位させるように適合させることができる。
【0046】
[0045]図5に示される装置は、y方向152に沿って真空チャンバ120内で基板支持体110を変位させるように適合されたさらなる変位ユニット(図示せず)をさらに含むことができる。変位ユニット410およびさらなる変位ユニットは、基板支持体110をxy平面内で移動させるように適合された共通の変位システムを形成することができる。したがって、基板を保持する基板支持体110をxy平面内で適切に移動させることにより、基板支持体110上に配置された基板の任意の領域が、ターゲット部分のCD測定のために、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130の下、または第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140の下に配置され得る。基板支持体は、さらなる変位ユニットに、または変位ユニットとさらなる変位ユニットによって形成された共通の変位システムに取り付けられてもよい。さらなる変位ユニットは、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡に対して、および/または第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡に対して、基板支持体を変位させるように適合させることができる。さらなる変位ユニットは、第1の方向に沿った変位範囲を有することができ、変位範囲は、基板幅または基板受容領域のそれぞれの幅の150%から180%の範囲にあり得る。真空チャンバは、第1の方向に沿った第1の受容領域寸法の150%から180%の、第1の方向に沿った第1の内側寸法を有し得る。
【0047】
[0046]図5に示される装置100は、真空チャンバ120内に真空を生成するように適合された真空ポンプ420をさらに含む。真空ポンプ420は、接続部430(例えば導管)を介して真空チャンバ120に流体的に結合されており、接続部430は、真空ポンプ420を真空チャンバに接続する。接続部430を介して、真空ポンプ420は、真空チャンバを排気することができる。したがって、例えば10-1mbar以下の圧力が、真空チャンバ内に提供され得る。動作中、真空ポンプ420は、振動する可能性がある。真空ポンプ420および真空チャンバ120に取り付けられた接続部430を介して、真空ポンプ420の機械的振動が、真空チャンバ120に伝達され得る。したがって、望ましくない振動が、真空チャンバ120および/または基板支持体110上に配置された基板(図示せず)に伝達され得る。真空ポンプ420の振動を減衰させるために、振動ダンパー431が、装置100、より具体的には接続部430に含まれている。示されるように、振動ダンパー431は、第1のカップリング432を介して真空ポンプ420に結合され、第2のカップリング433を介して真空チャンバ120に結合される。
【0048】
[0047]図5は、真空チャンバ120の振動を測定するように適合された振動センサ450をさらに示している。例えば、振動センサは、真空チャンバ120の振動の振幅および/または振動数を測定するように適合され得る。振動センサ450は、1つ以上の方向の振動を測定するようにさらに適合され得る。振動センサ450は、光ビームを生成するように適合された光源(図示せず)を含み得る。光ビームは、真空チャンバ120に、例えば、真空チャンバ120の壁に向けられ、光ビームの少なくとも一部が、真空チャンバから反射され得る。振動センサ450は、真空チャンバ120から反射された後の光ビームを検出するための検出器(図示せず)をさらに含み得る。したがって、真空チャンバ120の振動に関する情報が、振動センサ450によって収集され得る。振動センサは、干渉計であってもよい。
【0049】
[0048]いくつかの実施形態によれば、振動センサは、画像化荷電粒子ビーム顕微鏡と基板支持体との間の相対位置に影響を与える振動を測定するように構成される。図5に示されるように、この測定が、真空チャンバで生成される比較的大きな振幅に照らして、真空チャンバで実施され得る。さらに別のまたは追加の実施態様によれば、振動センサ、例えば、干渉計またはピエゾ振動センサが、基板支持体に取り付けられて、画像化荷電粒子ビーム顕微鏡の相対位置(および位置変化)を測定することができ、または画像化荷電粒子ビーム顕微鏡に取り付けられて、基板支持体の相対位置(および位置変化)を測定してもよい。
【0050】
[0049]画像化荷電粒子ビーム顕微鏡と基板支持体との間の相対位置および/または真空チャンバ120の振動に関して振動センサ450によって収集されたデータは、制御ユニット(例えば、図1のコントローラ180)に送信され得る。振動センサ450によって収集されたデータを使用して、制御ユニットは、装置100を制御することができる。具体的には、振動センサ450によって収集されたデータを使用して、制御ユニットは、第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡130、第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡140、変位ユニット410、または装置100に含まれる他の構成要素を制御して、例えば、振動センサ450が真空チャンバの振動範囲が所定の限界を超えていることを示した場合、基板のCD測定を一時的に停止することができる。さらに追加的または代替的に、相対位置の測定から得られる適切な補正係数で画像を補正するために、相対位置の測定が使用されてもよい。
【0051】
[0050]図6は、本明細書に記載の第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡および/または第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡などの画像化荷電粒子ビーム顕微鏡、すなわち荷電粒子ビームデバイス500を示す。荷電粒子ビームデバイス500は、例えば第1のチャンバ21、第2のチャンバ22および第3のチャンバ23を提供する電子ビームカラム20を含む。ガンチャンバとも呼ばれることができる第1のチャンバは、エミッタ31およびサプレッサ32を有する電子ビーム源30を含む。
【0052】
[0051]エミッタ31は、エミッタに電位を提供するための電源531に接続されている。エミッタに提供される電位は、電子ビームが、例えば20keV以上の、エネルギーに加速されるようなものであり得る。したがって、エミッタは、-1kVの電圧の電位にバイアスされて、接地された基板に1keVの入射エネルギーを提供することができる。より高いエネルギーでカラムを通る電子を導くために、上部電極562が、より高い電位で提供される。
【0053】
[0052]図6に示されるデバイスを用いて、電子ビーム(図示せず)が、電子ビーム源30によって生成され得る。ビームは、ビームを成形するように寸法が決められている、すなわちビームの一部を遮断するビーム制限アパーチャ550に位置合わせされ得る。その後、ビームは、一次電子ビームを信号電子ビームから、すなわち信号電子から分離するビーム分離器580を通過することができる。一次電子ビームは、対物レンズによって基板160上に集束され得る。基板160は、基板支持体110上の基板位置に配置されている。電子ビームが基板160に衝突すると、信号電子、例えば、二次および/もしくは後方散乱電子またはX線が、基板160から放出され、これらは、検出器598によって検出することができる。
【0054】
[0053]図6に示される例示的な実施形態では、コンデンサレンズ520およびビーム成形またはビーム制限アパーチャ550が設けられている。二段偏向システム540が、ビームをアパーチャに位置合わせするために、コンデンサレンズとビーム制限アパーチャ550(例えばビーム成形アパーチャ)との間に設けられている。電子は、抽出器またはアノードによってカラム内の電圧まで加速することができる。抽出器は、例えば、コンデンサレンズ520の上部電極によって、または別の電極(図示せず)によって提供され得る。
【0055】
[0054]図6に示されるように、対物レンズは、磁極片64および63を有し、コイル62を有する磁気レンズコンポーネント561であって、一次電子ビームを基板160上に集束させる磁気レンズコンポーネント561を有する。基板160は、基板支持体110上に配置することができる。図6に示される対物レンズは、対物レンズの磁気レンズコンポーネント60を形成する上部磁極片63、下部磁極片64、およびコイル62を含む。さらに、上部電極562および下部電極530は、対物レンズの静電レンズコンポーネントを形成する。
【0056】
[0055]さらに、図6に示される実施形態では、走査偏向器アセンブリ570が設けられている。走査偏向器アセンブリ570(図1の走査偏向器アセンブリ184も参照のこと)は、例えば、磁気走査偏向器アセンブリであり得るが、好ましくは、高ピクセルレート用に構成された静電走査偏向器アセンブリであり得る。走査偏向器アセンブリ570は、図6に示されるように、単段アセンブリであり得る。あるいは、2段または3段の偏向器アセンブリを設けることもできる。各段は、光軸2に沿った異なる位置に設けられている。
【0057】
[0056]下部電極530は、電圧源(図示せず)に接続されている。図6に示される実施形態は、下部磁極片64より下に下部電極530を示している。下部電極は、対物レンズのイマージョンレンズコンポーネントの減速電極、すなわち、リターディングフィールドレンズコンポーネントであり、典型的には、2keV以下(例えば500Vまたは1keV)の基板上への荷電粒子の入射エネルギーを提供する電位にある。
【0058】
[0057]ビーム分離器580は、一次電子と信号電子を分離するように適合されている。ビーム分離器は、信号電子が光軸2から離れて偏向されるように、ウィーンフィルタであり得、および/または少なくとも1つの磁気偏向器であり得る。次に、信号電子は、ビームベンダー591(例えば、半球形ビームベンダー)、およびレンズ595によって検出器598へ導かれる。フィルタ596のようなさらなるエレメントが設けられてもよい。さらに別の修正によれば、検出器は、試料での発射角度に応じて信号電子を検出するように構成されたセグメント化された検出器であり得る。
【0059】
[0058]第1の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡および第2の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡は、例えば、図6に示される荷電粒子ビームデバイス500などの画像化荷電粒子ビーム顕微鏡タイプの荷電粒子ビームデバイスであり得る。
【0060】
[0059]図7は、基板を検査する方法、または基板、特に大面積基板上のCD測定の方法を示している。ノッチが、第1の角度の集束イオンビームでカッティングされる(ボックス702を参照)。第1の角度は、約45°であり得る。1つ以上の画像化荷電粒子ビーム顕微鏡が、XY平面、すなわち、基板ステージに平行な、または基板の主表面に平行な平面内で、原寸に比例して第2の異なる角度で測定する(ボックス704を参照)。第2の角度は、約90°であり得る。第2の角度はまた、荷電粒子ビーム顕微鏡の下に大面積基板の様々な位置を配置することができる一方で、短い作動距離を有するように、有利に選択され得る。例えば、作動距離は、1mm未満、例えば、700μm以下にすることができる。さらに、ボックス706によって示されるように、原寸に比例した寸法の測定が、Z方向に行われる。例えば、3つの寸法が、例えば、3次元座標系の3つの異なる方向で、1つの画像から測定できる。
【0061】
[0060]本開示の実施形態は、以下のいくつかの利点のうちの少なくとも1つを有する。限界寸法の測定値を、特に3次元座標系のX、Y、Zなどの3つの異なる方向で、スケーリング誤差なしで提供できる。補正計算誤差を低減または回避できる。3つの異なる方向のCD測定値を1つの画像から提供できる。スループットを上げることができ、帯電および/または炭化を減らすことができる。したがって、特に3次元座標系の異なる方向、例えば、X、Y、およびZに対して、高精度のCD測定値を提供することができる。さらに、CD測定値は、大面積基板上で高解像度、例えば10nm未満で提供できる。大面積基板上のEBRの解像度の制限を減らして、より高い解像度を可能にすることができる。特に大面積基板において、CD測定が、3次元座標系の3つの異なる方向で提供され得る。
【0062】
[0061]上記はいくつかの実施形態に向けられているが、他のさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7