(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】医薬品用粒子の製造装置、及び医薬品用粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 2/04 20060101AFI20221213BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20221213BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221213BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221213BHJP
B05B 1/02 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B01J2/04
A61J3/06 B
A61K9/14
A61K47/34
B05B1/02 102
(21)【出願番号】P 2018069496
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】森永 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】森谷 樹
(72)【発明者】
【氏名】白石 尚輝
(72)【発明者】
【氏名】青木 慎司
(72)【発明者】
【氏名】大島 久慶
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐一
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-059567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0001355(US,A1)
【文献】特開2008-065009(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175432(US,A1)
【文献】特開2009-020418(JP,A)
【文献】特開2011-008229(JP,A)
【文献】特開2016-147225(JP,A)
【文献】特開2018-052922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/06
A61K 47/00 - 47/69
B01J 2/00 - 2/30
G03G 9/00 - 9/113
B05B 1/00 - 3/18
B01D 1/00 - 1/30
B01J 19/00 - 19/32
F26B 3/12
A61K 8/00 - 8/99
A61Q 1/00 - 90/00
A61K 9/00 - 9/72
B41J 2/01
B41J 2/165- 2/20
B41J 2/21 - 2/215
B41J 2/015- 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出装置と、当該吐出装置により吐出された液体を固化して医薬品用粒子を造粒する造粒手段と、を有する医薬品用粒子の製造装置であって、
前記吐出装置は、液体を送液する送液部、及び前記送液部により送液された前記液体を吐出する吐出孔を有する吐出部を有し、前記液体を前記吐出孔から吐出させる送液吐出手段を有し、
前記送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm
2)と最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)が、1以上5以下であり、
前記最大断面積X(mm
2)を有する断面と前記吐出部の重心との距離が、前記最小断面積Y(mm
2)を有する断面と前記吐出部の重心との距離よりも短いことを特徴とする
医薬品用粒子の製造装置。
【請求項2】
前記吐出装置は、前記液体及び前記送液部の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段をさらに有する
、請求項1に記載の
医薬品用粒子の製造装置。
【請求項3】
前記吐出装置は、前記送液吐出手段及び前記振動付与手段を保持する保持手段をさらに有する
、請求項2に記載の
医薬品用粒子の製造装置。
【請求項4】
前記吐出部が、前記液体の吐出方向に対して凸形状である
、請求項1から3のいずれかに記載の
医薬品用粒子の製造装置。
【請求項5】
前記吐出部が、円筒形状である
、請求項1から3のいずれかに記載の
医薬品用粒子の製造装置。
【請求項6】
前記医薬品用粒子を捕集する粒子捕集手段をさらに有する、請求項1から5のいずれかに記載の医薬品用粒子の製造装置。
【請求項7】
前記造粒手段が、前記吐出装置により吐出される液体に対して搬送気流を前記液体に付与する搬送気流付与部をさらに有する、請求項1から6のいずれかに記載の医薬品用粒子の製造装置。
【請求項8】
前記搬送気流が、前記液体の吐出方向に対して略直交方向である、請求項7に記載の医薬品用粒子の製造装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の医薬品用粒子の製造装置を用いて、医薬品用粒子を製造することを特徴とする医薬品用粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品用粒子の製造装置、及び医薬品用粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医薬用粒子、電子写真用のトナー微粒子、液晶パネルのスペーサー粒子や、電子ペーパー用の着色微粒子等では、その粒子の粒子径が均一であること、即ち粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が狭い粒子が求められてきた。
【0003】
粒度分布が狭い粒子の製造方法としては、例えば、樹脂が溶解した樹脂溶液を水などの媒体中に分散させ、重合反応を誘起することにより微粒子を製造するソープフリー重合法などが提案されている。しかし、ソープフリー重合法は、媒体中に分散したまま樹脂粒子を脱溶剤するため製造効率が悪いという問題があった。また、ソープフリー重合法は、重合工程に時間がかかるだけでなく、重合工程後に溶媒と樹脂粒子とを分離した後に洗浄操作を繰り返す必要があるため、多くの時間、資材、エネルギーを要するという問題があった。
【0004】
そこで、従来の問題点を解決するために、例えば、樹脂溶液に振動を付与して吐出孔から吐出し、気相中で液滴を形成し、形成した液滴を固化する粒子の製造装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
また、近年、少量であっても、付加価値の高い微粒子、特に医薬品及び化粧品における微粒子が注目されている。これらの微粒子の研究開発段階においては、微粒子の原液(吐出液と称することがある)は、極めて貴重である。そのため、粒子の製造工程において、原液の浪費を抑えることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安定した液吐出性及び粒子均一性を得ることができ、装置内に残存する吐出液の量を減少させることができ、吐出液の無駄を無くし、液体同士の混合を防止することができる吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための手段としての本発明の吐出装置は、液体を送液する送液部、及び前記送液部により送液された前記液体を吐出する吐出孔を有する吐出部を有し、前記液体を前記吐出孔から吐出させる送液吐出手段を有し、前記送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積Xと最小断面積Yとの比(X/Y)が、1以上5以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、安定した液吐出性及び粒子均一性を得ることができ、装置内に残存する吐出液の量を減少させることができ、吐出液の無駄を無くし、液体同士の混合を防止することができる吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、送液吐出手段の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、送液吐出手段の他の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の吐出装置の一例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、平面板形状の吐出部の一例を示す底面図である。
【
図5】
図5は、本発明の吐出装置の他の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、液体を吐出する方向に対して湾曲している吐出部の一例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す吐出部の他の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の吐出装置の他の一例を示す断面図である。
【
図12】
図12は、粒子の製造装置の他の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、粒子の製造装置の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、安定した液吐出性及び粒子均一性を得ることができ、装置内に残存する吐出液の量を減少させることができ、吐出液の無駄を無くし、液体同士の混合を防止することができる吐出装置について検討したところ、以下の知見を得た。
特許文献1及び2に記載の技術では、吐出前準備、液充填に際して、吐出液として使用できない領域まで貯留部を吐出液で満たす必要があるため、微粒子の原液を浪費してしまうという問題がある。
また、特許文献1及び2に記載の技術では、吐出装置内の液体が空になり、液体を吐出不能となる状態まで吐出液を吐出させたとしても、原液を貯留する貯留部に原液が残存してしまい、先行して行った液体の痕跡が残ってしまう。このため、液体同士が混合してしまう恐れがあるという問題がある。
【0011】
(吐出装置)
本発明の吐出装置は、
液体を送液する送液部、及び前記送液部により送液された前記液体を吐出する吐出孔を有する吐出部を有し、前記液体を前記吐出孔から吐出させる送液吐出手段を有し、
前記送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm2)と最小断面積Y(mm2)との比(X/Y)が、1以上5以下であり、更に必要に応じてその他の手段を有する。
【0012】
本発明の吐出装置においては、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm2)と最小断面積Y(mm2)との比(X/Y)が、1以上5以下であることにより、従来の吐出装置に設けられていた貯留部とみなす構造を無くすことができる。送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm2)と最小断面積Y(mm2)との比(X/Y)が、1以上5以下とすることにより、従来の貯留部の送液吐出手段の軸方向に直交する断面積が大きくなり広がりを有している領域に残りやすかった吐出液を減少させることができるため、異なる液体を用いて装置を使用したときに、液体の混合を防止することができる。
【0013】
<送液吐出手段>
送液吐出手段は、液体を送液する送液部、及び送液部により送液された液体を吐出する吐出孔を有する吐出部を有しており、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm2)と最小断面積Y(mm2)との比(X/Y)が、1以上5以下である。
【0014】
ここで、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm
2)と最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)について、図面を参照して説明する。
図1は、送液吐出手段の一例を示す図である。送液吐出手段10は、液体を送液する送液部11と、送液部11に送液された液体を吐出する吐出孔を有する吐出部12とを有している。
図1に示す送液吐出手段10については、簡略化のために送液部11と吐出部12のみを示している。
まず、送液吐出手段10の軸とは、送液吐出手段10の長軸を意味している。この送液吐出手段10の軸方向に直交する断面は、送液吐出手段10の長軸方向に直交する断面を意味する。このとき、送液吐出手段10内で、送液吐出手段10の軸方向に直交する断面を取ったときに、最大となる最大断面積X(mm
2)と最小となる最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)が1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がより好ましい。最大断面積X(mm
2)と最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)が5以下であると、送液吐出手段に生じる液体の残量を減少させることができる。
【0015】
また、下記式(1)で得られる値Tを長さL(mm)としたとき、最大断面積X(mm
2)及び最小断面積Y(mm
2)が、吐出部の重心位置から送液吐出手段の軸方向へ長さL(mm)の区間における最大断面積X(mm
2)及び最小断面積Y(mm
2)であることが好ましい。
【数1】
【0016】
上記式(1)において、T(μm2)は、吐出部が有する吐出孔(ノズル孔と称することがある)の総面積S(μm2)を定数300で除した値である。このT(μm2)の単位を長さの単位(mm)に置き換えた値を貯留部判断距離L(mm)とする。このとき、吐出部の重心位置と送液吐出手段の軸を直線で結ぶ。このとき、吐出部の重心位置から送液吐出手段の軸方向へ長さL(mm)の区間内における、上記最大断面積X(mm2)及び上記最小断面積Y(mm2)とすることにより、送液吐出手段に生じる液体の残量をより少なくすることができる。
【0017】
図2は、送液吐出手段のその他の一例を示す図である。
図2に示すように、吐出部12の重心位置から送液吐出手段10の軸を直線で結ぶことができないときには、吐出部12の重心位置から送液吐出手段10の軸を最短距離で結び、結ばれた位置から送液吐出手段10の軸方向に沿って貯留部判断距離Lを計算する。
また、吐出部12が三次元構造である場合には、吐出部の重心位置は、吐出部を内部に納めることができる最小の直方体の重心位置とする。
【0018】
-送液部-
送液部としては、液体を送液することができれば、材質、形状、などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
送液部の材質としては、例えば、テフロン(登録商標)、シリコーン、及びポリイミド等の樹脂、ステンレス銅(SUS)及びNi等の金属などが挙げられる。
送液部の形状としては、例えば、円筒形状、多角形形状などが挙げられる。
【0019】
-吐出部-
吐出部は、送液部により送液された液体を吐出する部材である。吐出部により吐出された液体は、吐出の際に付与される吐出の駆動力により、吐出後に液滴を形成する。
吐出部としては、送液部により送液された液体を吐出することができれば、材質、形状、並びに、吐出孔の数、形状、位置などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
吐出部の材質としては、例えば、テフロン(登録商標)、シリコーン、及びポリイミド等の樹脂、ステンレス銅(SUS)及びNi等の金属などが挙げられる。
【0021】
吐出部の形状としては、例えば、平面板形状、円筒の周側面に吐出孔を有している円筒形状、液体を吐出する方向に湾曲している形状(例えば、凸形状など)などが挙げられる。吐出部の形状が、円筒形状や液体を吐出する方向に湾曲している形状であると、吐出する液体から形成される液滴同士の接触による合着を防止することができる。そのため、安定した液吐出性と、製造される粒子の形状の均一性(粒子均一性と称することもある)とを得ることができ、生産性を向上することができる。
【0022】
吐出部の吐出孔の数、形状、位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0023】
なお、吐出部としては、本発明の吐出装置から着脱可能な形状に設計することにより、内部のクリーニング性を向上させることや、吐出部を使い捨て(ディスポーサブル)できる。これにより、同じ装置を用いて液体を操作する場合において、液体が混合するのを防止しやすくすることができる。
【0024】
また、吐出部としては、その表面に撥水処理がされていることが好ましい。撥水処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、コーティング剤などを付与する処理などが挙げられる。コーティング剤としては、例えば、オプツール(指紋付着防止剤、ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。
【0025】
-その他の手段-
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、振動付与手段、保持手段などが挙げられる。
【0026】
--振動付与手段--
振動付与手段としては、液体及び送液部の少なくともいずれかに振動を付与することができれば、その形状などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レイリー分裂タイプ吐出手段などが挙げられる。レイリー分裂タイプ吐出手段としては、例えば、特許第4647506号公報に記載の吐出手段などが挙げられる。具体的には、リング状、直方体状、又は積層型の振動子などが挙げられる。振動子としては、例えば、バルクPZTなどが挙げられる。
【0027】
振動付与手段は、液体及び送液部の少なくともいずれかに振動を付与することにより、吐出部から吐出する液体を液滴化する。振動付与手段は、上記吐出部と同様に着脱可能な形状に設計することにより、吐出部と同様にクリーニング性を向上させることや、吐出部を使い捨て(ディスポーサブル)できる。これにより、同じ装置を用いて液体を操作する場合において、液体が混合するのを防止しやすくすることができる。
【0028】
--保持手段--
保持手段としては、振動付与手段を送液吐出手段に固定及び保持することができれば、その形状、材質、大きさについて、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、保持手段としては、送液吐出手段における吐出部、振動付与手段を着脱可能な構造に設計することにより、吐出装置が安定した液吐出性及び粒子均一性を得ることができ、装置内に残存する吐出液の量を減少させることができ、吐出液の無駄を無くし、液体同士の混合を防止することができるという効果を向上させることができる。
【0029】
以下、本発明の吐出装置について、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0030】
図3は、本発明の吐出装置の一例を示す断面図である。
図3に示す吐出装置1は、送液部11及び吐出部12からなる送液吐出手段と、振動付与手段13としてリング状振動子と、保持手段14とを有している。
図5及び
図9に示す本発明の吐出装置の他の態様においても特に説明がない限り、同様の構成を有している。なお、本実施形態における振動付与手段としては、特許第4647506号公報に記載の吐出手段を使用している。
また、
図3、
図5、及び
図9に示す吐出装置においては、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm
2)と最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)を、1以上5以下とした。このような構成にすることにより、従来の吐出装置における貯留部を有しない吐出装置とすることができる。
【0031】
図3に示す吐出装置1は、
図4に示す平面板状の吐出部12を有している。
図3に示す吐出装置1では、送液部11の先端で、突出した送液部11と保持部材14に挟み込まれる形でリング状振動子が保持及び固定されている。また、保持部材14により、吐出部12が送液部11の先端に係合可能である構造であり、液漏れを防止し、かつ着脱可能な形状に設計されている。また、液漏れを防止するために、通常のパッキンなどを用いてシールドしてもよい。また、保持部材14を介さずに、接着、接合などを用いて振動付与手段を固定してもよい。
【0032】
図5は、本発明の吐出装置の他の一例を示す断面図である。
図5に示す吐出装置1では、吐出部12が液体15の吐出方向に湾曲している形状を有している。また、
図5に示す吐出装置1は、振動付与手段13であるリング状のバルクPZTが保持部材14に接着している。
図5に示す吐出装置1は、吐出部12が湾曲している形状であることにより、液体が互いに異なる角度で吐出するため、吐出後の液体の接触を防止することができ、安定した液吐出性と、粒子均一性とを得ることができる。
図6は
図5に示す吐出部の拡大図である。
図6に示す吐出部12の湾曲形状としては、
図7に示すように、その湾曲の態様は一軸方向でもよく、
図8に示すように二軸方向での凸形状であってもよい。なお、
図5に示す吐出装置1においても、吐出部12は着脱可能な形状に設計されている。
【0033】
図9は、本発明の吐出装置の他の一例を示す断面図である。
図9に示す吐出装置1では、
図1の吐出装置において、
図10に示す円筒形状の吐出部12に変更した一例であり、円筒の周側面に設けた吐出孔から液体15を吐出する。吐出部を円筒形状にすることにより、吐出した液体及び形成される液滴の軌道間の距離が離れるため、異なる孔から吐出した液体から形成される液滴同士の合着を防ぐことができ、生産性、安定した液吐出性と、粒子均一性とを得ることができる。
【0034】
このように、本発明の吐出装置では、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm2)と最小断面積Y(mm2)との比(X/Y)を、1以上5以下とすることによって、従来の吐出装置における貯留部の送液吐出手段の軸方向に直交する断面積が大きくなり広がりを有している領域に残りやすかった吐出液の量を減少させることができるため、従来必要であった、共洗い作業などによる吐出液の無駄を無くし、液体同士の混合を防止することができる。また、本発明の吐出装置では、吐出部の形状を任意に選択することができるため、安定した液吐出性と、粒子均一性を得ることができる。
【0035】
(粒子の製造装置)
本発明の粒子の製造装置は、本発明の吐出装置と、吐出装置により吐出された液体を固化して粒子を造粒する造粒手段と、を有し、さらに必要に応じてその他の手段を有する。
【0036】
<造粒手段>
造粒手段は、本発明の吐出装置により吐出された液体を固化して粒子を造粒する手段である。
液体を固化させるには、液体の性状次第により考え方は異なるが、基本的に液体を乾燥し、固体状態にできれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、液体が固体原材料を揮発可能な溶媒に溶解乃至分散させたものであれば、液体吐出後、搬送気流中で液滴を乾燥させる、すなわち溶媒を揮発させることにより実施することもできる。溶媒の乾燥にあたっては、吐出する液体の温度や蒸気圧、搬送気流に用いる気体の種類等を適宜選択して乾燥状態を調整することができる。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、粒子を回収後に別工程で追加乾燥させてもよい。また、上述した方法に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用により実施することもできる。
造粒手段としては、液体を乾燥することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液体中の溶媒を乾燥させるための搬送気流付与部などが挙げられる。搬送気流付与部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、搬送気流発生装置等が挙げられる。
【0037】
搬送気流は、吐出された液体から形成される液滴同士を気流によって乾燥させながら粒子を捕集するための気流である。均一な粒度分布の粒子を得るためには、吐出された液滴同士の距離を保つ必要がある。しかしながら、吐出された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、急激に失速する。失速した液滴には後から吐出された液滴が追いついてしまい、結果として合体し、最終的に1つの粒子になってしまう(以下、この現象を合着と称することがある)ことがある。この現象は定常的に発生するため、捕集した粒子の粒径分布が広くなってしまう。合着を防ぐためには、液滴同士を接触させないように搬送気流によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶことが好ましい。
搬送気流を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて気流を付与する方向などを適宜選択することができ、例えば、液体の吐出方向に対して略直交する方向から搬送気流を付与する方法などが挙げられる。搬送気流を液体の吐出方向に対して略直交する方向から付与することにより、液滴同士の合着を防止することができる。
搬送気流に用いる気体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素等の不燃性気体であることが好ましい。
【0038】
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粒子捕集手段などが挙げられる。
【0039】
<<粒子捕集手段>>
前記粒子捕集手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サイクロン、バックフィルターなどが挙げられる。少量の粉体であればカスケードインパクター等の捕集手段も有効である。
【0040】
以下、本発明の粒子の製造装置について、図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明の粒子の製造装置は、これらの態様に制限されるものではない。
【0041】
図11は、粒子の製造装置の一例を示す図である。粒子の製造装置2は、本発明の吐出装置1と、乾燥塔21と、粒子捕集手段22とを有する。粒子の製造装置2は、液体供給管17から供給された液体を吐出装置1により吐出し、液滴化し、乾燥塔21に吐出する。吐出された液滴16は、搬送気流24及び吸引気流25によって、液滴16同士の合着を防止しつつ、乾燥塔21内で固形成分を残して乾燥され、粒子となって粒子捕集手段22に搬送後、粒子貯留部23に回収される。
図11の粒子捕集手段22としては、サイクロン機構を用いて粒子を捕集しており、捕集された粒子はサイクロン下方の粉体貯留部に溜り、溶剤を含む気流は冷凍機等へ搬送される。なお、液滴の吐出方向や搬送気流の方向は乾燥塔に達しない範囲で適宜調整することができる。
【0042】
図12は、粒子の製造装置の他の一例を示す図である。粒子の製造装置2は、
図11に示す吐出装置1を乾燥塔21に設置した場合を示している。この場合、液滴の吐出方向は、搬送気流と略直交する気流を付与することで、液滴同士の合着を効率よく防止することができる。
【0043】
図13は、粒子の製造装置の他の一例を示す図である。粒子の製造装置2は、
図11に示す粒子の製造装置において、吐出装置1の吐出部を円筒形状のものに変更することができる。この場合においても、吐出した液滴同士の合着を効率よく防止することができる。
【0044】
さらに、捕集した粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合はこれを低減するために必要に応じて、二次乾燥が行われる。二次乾燥としては流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。例えば、薬剤粒子を得る場合には、有機溶剤が薬剤中に残留すると、薬剤の結晶形が経時的に変化し、薬効に変化が生じ、求められる効果が得られないことがある。また、毒性の高い溶剤を使用するときは、残留溶剤がある濃度以下でないと、薬として認められない。そのため、残留溶剤は悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施することが好ましい。
【0045】
(粒子)
本発明の粒子は、本発明の粒子の製造装置を用いて製造される。
【0046】
-用途-
本発明の粒子は、安全性、及び安定性に優れるため、例えば、日用品、医薬品、化粧品、電子写真用トナー等の用途として幅広く適用される。
本発明の粒子の用途としては、例えば、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほうべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、接着剤用充填剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒及びその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどが挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
【0048】
(実施例1)
PLGA7501(和光純薬工業社製)1gと、アセトン(和光純薬工業社製)49gを、撹拌装置(装置名:マグネチックスターラー、アズワン株式会社製)を用いて、1,000rpmにて24時間混合撹拌し、溶解させ、溶液Aを得た。
図11の粒子の製造装置2を用いて、下記に示す吐出装置A及び吐出条件で溶液Aを吐出させ、乾燥及び固化し、PLGA粒子を得た。
―吐出条件―
吐出装置:吐出装置A
吐出孔の内径:5μm
吐出孔の数:680個
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm
2):38mm
2
最小断面積Y(mm
2):38mm
2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=1.0
貯留部(液室)の有無:なし
吐出部の形状:凸形状
液押し圧:0.2MPa
励震周波数:300kHz
搬送気流方向:送液吐出手段における溶液Aの送液方向と順方向
搬送気流温度:40℃
【0049】
(実施例2)
実施例1において、
図13の粒子の製造装置2を用いて、吐出部の形状を円筒形状に変更し、X/Y=1.5の吐出装置Bに変更し、液体吐出方向に対して、直交する方向に搬送気流を付与した以外は、実施例1と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
吐出装置:吐出装置B
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm
2):60mm
2
最小断面積Y(mm
2):38mm
2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=1.5
貯留部(液室)の有無:なし
吐出部の形状:円筒形状
搬送気流方向:液体吐出方向に対して直交方向
【0050】
(実施例3)
実施例1において、
図12の粒子の製造装置2を用いて、吐出部の形状を平板形状に変更し、X/Y=3.0の吐出装置Cに変更し、それ以外は、実施例1と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
吐出装置:吐出装置C
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm
2):115mm
2
最小断面積Y(mm
2):38mm
2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=3.0
貯留部(液室)の有無:なし
吐出部の形状:平板形状
搬送気流方向:液体吐出方向に対して直交方向
【0051】
(実施例4)
実施例3において、X/Y=4.0の吐出装置Dに変更した以外は、実施例3と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
吐出装置:吐出装置D
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm2):112mm2
最小断面積Y(mm2):28mm2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=4.0
貯留部(液室)の有無:なし
【0052】
(実施例5)
実施例4において、
図11の粒子の製造装置2を用いて、吐出部の形状を平板形状に変更し、吐出部の液滴吐出方向に対して、同一方向の搬送気流を付与した以外は、実施例4と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
搬送気流方向:液体吐出方向と同一方向
【0053】
(比較例1)
実施例5において、X/Y=6.0の吐出装置Eに変更し、搬送気流を液滴吐出方向に対して同一方向の気流を付与した以外は、実施例3と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
吐出装置:吐出装置E
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm2):78mm2
最小断面積Y(mm2):13mm2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=6.0
搬送気流方向:液滴吐出方向と同一方向
【0054】
(比較例2)
実施例5において、X/Y=9.0となる吐出装置Fに変更し、搬送気流を吐出方向に対して同一方向の気流を付与した以外は、実施例3と同様にして、PLGA粒子を得た。
―変更した条件―
吐出装置:吐出装置F
貯留部判断距離L(mm):44mm
最大断面積X(mm2):117mm2
最小断面積Y(mm2):13mm2
貯留部判断距離L内における最大断面積Xと最小断面積Yの比:X/Y=9.0
搬送気流方向:液滴吐出方向と同一方向
【0055】
次に、実施例1~5及び比較例1~2で得られた吐出装置及び粒子において、以下のようにして、「吐出装置内残液」、及び「粒度分布(Dv/Dn)」を評価した。結果を表1に示す。
【0056】
(吐出装置内残液)
下記式1に基づいて、吐出装置内に残存している液体の量を定量し、下記評価基準に基づき、吐出装置内残液量を評価した。
「吐出後の吐出装置の重量(g)」-「吐出前の吐出装置の重量(g)」=残液量(g)・・・式1
【0057】
[評価基準]
◎:残液量(g)が0.30(g)未満
○:残液量(g)が0.30(g)以上1.00(g)未満
×:残液量(g)が1.00(g)以上
【0058】
(粒度分布(Dv/Dn))
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(装置名:マイクロトラックMT3000II、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)を測定し、下記評価基準に基づいて、「粒度分布(Dv/Dn)」を評価した。
【0059】
[評価基準]
◎:1.00以上1.20未満
○:1.20以上、1.50以下
×:1.50超
【0060】
<総合評価>
上記の各評価のうち、最も低い判定結果を、総合評価とした。結果を表2に示す。
【0061】
【0062】
実施例1~5に示すように、送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積Xと最小断面積Yとの比(X/Y)が、1以上5以下である吐出装置を用いることにより、吐出装置内残液の量を減少させることができた。また、凸形状や円筒形状の吐出部や、液滴吐出方向に対して略直交する搬送気流を付与することにより、粒子同士の合着を防ぐことができるため、粒度分布が向上することがわかった。
一方、比較例1及び2に示すような送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積Xと最小断面積Yとの比(X/Y)が、5超となる吐出装置では、吐出装置を使用した後に残留する残液が多いことがわかった。そのため、比較例1及び2のような吐出装置を用いた場合には、種類の異なる液体を順次使用する場合には、残液とのコンタミネーション防止のために行う吐出装置内の共洗いを行うために使用する液体の量が多くなり、液体を無駄に消費することになる。
【0063】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 液体を送液する送液部、及び前記送液部により送液された前記液体を吐出する吐出孔を有する吐出部を有し、前記液体を前記吐出孔から吐出させる送液吐出手段を有し、
前記送液吐出手段の軸方向に直交する断面の中で、最大断面積X(mm
2)と最小断面積Y(mm
2)との比(X/Y)が、1以上5以下であることを特徴とする吐出装置である。
<2> 下記式(1)で得られる値Tを長さL(mm)としたとき、
前記最大断面積X(mm
2)及び前記最小断面積Y(mm
2)が、前記吐出部の重心位置から前記送液吐出手段の軸方向へ長さL(mm)の区間における最大断面積X(mm
2)及び最小断面積Y(mm
2)である前記<1>に記載の吐出装置である。
【数1】
<3> 前記液体及び前記送液部の少なくともいずれかに振動を付与する振動付与手段をさらに有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の吐出装置である。
<4> 前記送液吐出手段及び前記振動付与手段を保持する保持手段をさらに有する前記<3>に記載の吐出装置である。
<5> 前記吐出部が、前記液体の吐出方向に対して凸形状である前記<1>から<4>のいずれかに記載の吐出装置である。
<6> 前記吐出部が、円筒形状である前記<1>から<4>のいずれかに記載の吐出装置である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の吐出装置と、
前記吐出装置により吐出された液体を固化して粒子を造粒する造粒手段と、
を有することを特徴とする粒子の製造装置である。
<8> 前記粒子を捕集する捕集手段をさらに有する前記<7>に記載の粒子の製造装置である。
<9> 前記造粒手段が、前記吐出装置により吐出される液体対して搬送気流を前記液体に付与する搬送気流付与部をさらに有する前記<7>から<8>のいずれかに記載の粒子の製造装置である。
<10> 前記搬送気流が、前記液体の吐出方向に対して略直交方向から付与する前記<7>から<9>のいずれかに記載の粒子の製造装置である。
<11> 前記<7>から<10>のいずれかに記載の粒子の製造装置を用いて製造されることを特徴とする粒子である。
【0064】
前記<1>から<6>のいずれかに記載の吐出装置、前記<7>から<10>に記載の粒子の製造装置、及び前記<11>に記載の粒子によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【文献】特開2009-20349号公報
【文献】特許第4647506号公報
【符号の説明】
【0066】
1 吐出装置
10 送液吐出手段
11 送液部
12 吐出部
13 振動付与手段
14 保持手段
15 液体
2 粒子の製造装置
22 粒子捕集手段