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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20221213BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G03G21/16 109
G03G21/16 133
G03G15/00 550
G03G15/00 680
G03G21/16 152
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018221855
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020086199
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】秋田 涼佑
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-036349(JP,A)
【文献】特開平11-160947(JP,A)
【文献】特開2002-248834(JP,A)
【文献】実開昭55-164638(JP,U)
【文献】特開2007-027550(JP,A)
【文献】特開2010-210834(JP,A)
【文献】特開2008-021436(JP,A)
【文献】特開平11-261252(JP,A)
【文献】特開2010-049020(JP,A)
【文献】特開2015-215588(JP,A)
【文献】特開2018-066794(JP,A)
【文献】特開2001-345566(JP,A)
【文献】特開平07-228465(JP,A)
【文献】実開平04-119936(JP,U)
【文献】特開2011-176632(JP,A)
【文献】特開2010-197688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 29/00-29/70
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体が電源に接続された状態で前記電源から前記画像形成装置本体に対して電力の供給・遮断をおこなうための主電源スイッチと、
開閉可能な外装カバーと、
前記外装カバーが開放されたときに、装置内部に設置された本体側板の一部又は全部が露呈しないように、前記本体側板の一部又は全部を覆う内装カバーと、
前記外装カバーの開閉に連動してオン・オフ又はオフ・オンされることなく手動で操作可能なスイッチを具備して、前記外装カバーが開放された状態で前記内装カバーに形成した開口から前記スイッチが露呈するように前記本体側板に保持されるスイッチモジュールと、
を備え、
前記スイッチは、前記画像形成装置本体に設置された電気部品を使用するときにオンされて、前記電気部品を使用しないときにオフされ、
前記外装カバーが開放された状態で前記スイッチを操作できないようにするためのキャップ部材が、前記スイッチを覆うように着脱可能に設置され、
前記本体側板は、前記スイッチモジュールの一部を前記内装カバーから離れる方向に埋め込むための穴部又は凹部が形成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記外装カバーが閉鎖された状態で、前記外装カバーと前記内装カバーとの間の空間において、前記スイッチが前記開口から前記外装カバーの側に突出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外装カバーが閉鎖された状態で、前記外装カバーと前記内装カバーとの間の空間において、前記開口の周囲に前記スイッチよりも前記外装カバーの側に突出する縁部が、前記内装カバーに形成され、
前記縁部に嵌合して前記スイッチを覆う前記キャップ部材が着脱可能に設置され、
前記外装カバーが閉鎖された状態で、前記キャップ部材は、前記外装カバーに干渉しないことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記スイッチモジュールは、前記スイッチと、前記スイッチから延伸されたハーネスと、前記スイッチに接続されたハウジングと、前記スイッチと前記ハウジングとを保持するブラケットと、を具備し、
前記スイッチモジュールの前記ブラケットが前記本体側板に固定して保持されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記内装カバーと前記本体側板との間の空間において、前記ハーネスを保持するためのクランプが、前記ブラケットと前記本体側板とにそれぞれ設置されたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記本体側板は、金属材料で形成された板状部材であって、
前記板状部材に打ち抜き加工を施すことによって前記穴部を形成するか、又は、前記板状部材に絞り加工を施すことによって前記凹部を形成するか、したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電気部品は、除湿ヒータであって、
前記除湿ヒータを使用するときに、前記画像形成装置本体が前記電源に接続されて、前記主電源スイッチがオンされた状態で、又は、前記主電源スイッチのオン・オフとは関係なく、前記スイッチがオンされることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、装置内の電気部品などに供給する電力をオン・オフするためのスイッチが、主電源スイッチとは別に設置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、省エネ用電源スイッチと間違えて主電源スイッチが操作される不具合を防止することを目的として、画像形成装置の外装カバーに凹部を形成して、その凹部内に隠れるように主電源スイッチを設置する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、画像形成装置において、主電源スイッチに比べて使用頻度の少ないスイッチを、開閉可能な外装カバーを開放して内装カバーが露呈した状態の装置内部に設置する要望があった。
しかし、スイッチ、ハーネス、ハウジング、ブラケットなどがモジュール化されたスイッチモジュールは、スイッチ以外の部分が比較的大きくて、外装カバーと内装カバーとの間の隙間を大きく設定しないと、スイッチモジュールを装置内部に設置することが難しかった。そのため、画像形成装置が大型化してしまっていた。
このような不具合は、特許文献1の技術を応用して、内装カバーに凹部を設けて、その部分に隠れるようにスイッチモジュールを設置したとしても、充分に解消できなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、画像形成装置を大型化することなく、開閉可能な外装カバーを開放して内装カバーが露呈した状態の装置内部にスイッチを設置することができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における画像形成装置は、画像形成装置本体が電源に接続された状態で前記電源から前記画像形成装置本体に対して電力の供給・遮断をおこなうための主電源スイッチと、開閉可能な外装カバーと、前記外装カバーが開放されたときに、装置内部に設置された本体側板の一部又は全部が露呈しないように、前記本体側板の一部又は全部を覆う内装カバーと、前記外装カバーの開閉に連動してオン・オフ又はオフ・オンされることなく手動で操作可能なスイッチを具備して、前記外装カバーが開放された状態で前記内装カバーに形成した開口から前記スイッチが露呈するように前記本体側板に保持されるスイッチモジュールと、を備え、前記スイッチは、前記画像形成装置本体に設置された電気部品を使用するときにオンされて、前記電気部品を使用しないときにオフされ、前記外装カバーが開放された状態で前記スイッチを操作できないようにするためのキャップ部材が、前記スイッチを覆うように着脱可能に設置され、前記本体側板は、前記スイッチモジュールの一部を前記内装カバーから離れる方向に埋め込むための穴部又は凹部が形成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置を大型化することなく、開閉可能な外装カバーを開放して内装カバーが露呈した状態の装置内部にスイッチを設置することができる、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】(A)画像形成装置を示す概略斜視図と、(B)外装カバーが開放された状態の画像形成装置を示す概略斜視図と、である。
図3】画像形成装置から内装カバーとスイッチモジュールとが取り外されて本体側板が露呈した状態を示す概略斜視図である。
図4】スイッチモジュールを示す斜視図である。
図5】スイッチモジュールを示す断面図である。
図6】画像形成装置本体にスイッチモジュールが設置された状態を示す断面図である。
図7】(A)内装カバーからスイッチが露呈した状態を示す斜視図と、(B)その内装カバーにキャップ部材が設置された状態を示す斜視図と、である。
図8】変形例としての、画像形成装置本体にスイッチモジュールが設置された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1において、100は画像形成装置としてのプリンタ、1は表面にトナー像が形成される感光体ドラム、7はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム1上に照射する露光部(書込み部)、9は感光体ドラム1上に担持されたトナー像を転写ニップ部(転写位置)に搬送されるシートPに転写する転写ローラ、12は用紙等のシートPが収納された給紙部(給紙カセット)、14は給紙部12に収納されたシートPの含水分量を減ずるための除湿ヒータ、16は感光体ドラム1と転写ローラ9とが当接する転写ニップ部に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、を示す。
感光体ドラム1の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置2、などが配設されている。
【0011】
図1を参照して、画像形成装置100における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置100の露光部7に画像情報が送信されると、露光部7からその画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、感光体ドラム1の表面に向けて発せられる。
一方、感光体ドラム1は、矢印方向(時計方向)に回転している。そして、まず、感光体ドラム1の表面は、帯電ローラ4との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム1上には、帯電電位(-900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1の表面は、露光光Lの照射位置に達する。そして、露光光Lが照射された部分の電位が潜像電位(0~-100V程度である。)となって、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0012】
その後、静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達する。そして、現像装置5から感光体ドラム1上にトナーが供給されて、感光体ドラム1上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム1の表面は、転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に達する。そして、転写ローラ9との転写ニップ部で、電源部から転写ローラ9に転写バイアス(トナーの極性とは異なる極性のバイアスである。)が印可されることによって、レジストローラ16により搬送されたシートP上に、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写される(転写工程である。)。
【0013】
そして、転写工程後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置2との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレードによって感光体ドラム1上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、クリーニング装置2内に回収される(クリーニング工程である。)。
こうして、感光体ドラム1上における一連の作像プロセスが終了する。
【0014】
一方、感光体ドラム1と転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、給紙部12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙ローラ15によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、シートPは、レジストローラ16の位置に達する。そして、レジストローラ16の位置に達したシートPは、感光体ドラム1上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ部(転写ローラ9と感光体ドラム1との当接位置である。)に向けて搬送される。
【0015】
そして、転写工程後のシートPは、転写ニップ部(転写ローラ9)の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体100から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0016】
以下、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置100の構成・動作について詳述する。
本実施の形態における画像形成装置100は、図3(A)に示すように、複数の外装カバーで覆われている。そして、図3(B)に示すように、前方の外装カバーの一部が、開閉可能な外装カバー90(開閉カバー)として構成されている。
詳しくは、この外装カバー90は、支軸90a(回転中心軸)を中心にして回動可能に、画像形成装置本体100に保持されている。そして、外装カバー90は、支軸90aを中心に図1の反時計方向に回動することで閉鎖状態(図1図3(A)の状態である。)になったり、支軸90aを中心に図1の時計方向に回動することで開放状態(図3(B)の状態である。)になったり、することになる。
【0017】
そして、本実施の形態では、図3(B)に示すように、外装カバー90が開放状態であるときに、内装カバー80やスイッチ41(除湿ヒータスイッチ)が露呈するとともに、プロセスカートリッジ(感光体ドラム1、現像装置5、帯電ローラ4、クリーニング装置2が一体化されたユニットである。)が画像形成装置本体100に対して着脱可能に露呈するように構成されている。そして、外装カバー90を開放した状態で、プロセスカートリッジを新品のものに交換することになる。また、図1に示すように、外装カバー90を閉鎖した状態で、先に図1を用いて説明した画像形成プロセス(プリント動作)がおこなわれることになる。
なお、図2に示すように、画像形成装置100の側方には、主電源スイッチ30(メインスイッチ)が露呈するように配置されている。主電源スイッチ30は、ロッカースイッチである。そして、画像形成装置100が商用電源に接続された状態で、主電源スイッチ30をオン・オフすることにより、商用電源から画像形成装置100への電力供給をおこなったり遮断したりすることになる。
【0018】
ここで、本実施の形態における画像形成装置100は、図2(B)に示すように、外装カバー90が開放されたときに、内装カバー80が露呈するように構成されている。
この内装カバー80は、外装カバー90が開放されたときに、装置内部に設置された本体側板70(図3図6参照)の一部又は全部が露呈しないように、本体側板70の一部又は全部を覆うためのものである。本実施の形態において、内装カバー80や外装カバー90は樹脂材料で形成されていて、本体側板70は金属材料で形成された板状部材である。
本体側板70は、画像形成装置100の骨格となる筐体(構造体)の一部として機能するものであって、種々の構成部材(例えば、ユニット、ステー、電子部品、ハーネス、クランプなどである。)がネジや溶接などで固定されたりもする。内装カバー80を設けることにより、それらの構成部材にユーザーが触れて、怪我をしたり、構成部材を破損させたりする不具合を防止することができる。
なお、図3を参照して、内装カバー80は、ネジ110(化粧ビス)によって本体側板70に固定設置されている。
【0019】
また、本実施の形態における画像形成装置100は、図2(B)に示すように、外装カバー90が開放されたときに、主電源スイッチ30とは異なるスイッチ41(除湿ヒータスイッチ)が露呈するように構成されている。
スイッチ41(除湿ヒータスイッチ)は、主電源スイッチ30に比べて、使用頻度(オンオフ操作をおこなう頻度)が少ないスイッチであるため、開閉可能な外装カバー90を開放して内装カバー80が露呈した状態の装置内部に設置することで、操作者が外装部に設置された主電源スイッチ30と間違って操作してしまう不具合を軽減することができる。
【0020】
このスイッチ41は、ロッカースイッチであって、画像形成装置100が商用電源に接続されて主電源スイッチ30がオンされた状態で(又は、主電源スイッチ30のオン・オフとは関係なく)、除湿ヒータ14(図1参照)への電力供給をおこなったり遮断したりするためのものである。
除湿ヒータ14は、給紙部12に対向する位置に配置されている。除湿ヒータ14は、給紙部12に収納されたシートPの含水分量が多くなってしまって、シートPに大きなカールが生じて搬送不良が発生したり、転写ニップ部での転写工程が良好におこなわれなかったりするのを防止するためのものである。高湿度となる環境であるとき、ユーザーやサービスマンなどの操作者の操作によってスイッチ41がオンされて、除湿ヒータ14に電力が供給されると、除湿ヒータ14の輻射熱によってシートPの含水分量が減ぜられて、そのような不具合が抑止されることになる。また、通常の環境であるときには、操作者の操作によってスイッチ41がオフされて、除湿ヒータ14に電力供給が遮断されることで、電力の無駄な消費が防止されるとともに、シートPが無駄に除湿されることによる不具合が抑止されることになる。
【0021】
このように操作者が操作可能なスイッチ41(除湿ヒータスイッチ)は、図3図5等に示すように、スイッチモジュール40(スイッチユニット)に設けられている。そして、図6をも参照して、スイッチモジュール40は、外装カバー90が開放された状態で内装カバー80に形成した開口80aからスイッチ41が露呈するように、本体側板70に保持されている。
【0022】
詳しくは、図4図5等を参照して、スイッチモジュール40は、スイッチ41、ハウジング43、ブラケット42、ハーネス44などで構成されている。
スイッチ41は、そのベース部41aがブラケット42の開口部42aに嵌合されて、ブラケット42に保持されている。
ハウジング43は、スイッチ41に接続されるように構成されている。そして、ハウジング43の内部に、スイッチ41の端子41bと、端子41bに接続されたハーネス44(スイッチ41から延伸されたハーネス44である。)の一部と、が収納されている。
ブラケット42は、板金に種々の曲げ加工が施されていて、スイッチ41とハウジング43とを保持するように構成されている。ブラケット42には、スイッチ41を保持するための開口部42aの他、ブラケット42を本体側板70に固定設置するための引掛部42b、ネジ用穴部42cや、クランプ47を設置するためのクランプ用穴部42d、などが形成されている。
ハーネス44は、スイッチ41から延伸するように設置されている。ハーネス44は、その一端側がスイッチ41の端子41bに接続され、その他端側が装置本体100の電源ユニットに接続されている。
【0023】
そして、このように構成されたスイッチモジュール40のブラケット42が本体側板70に固定して保持されることになる。
詳しくは、図6に示すように、ブラケット42(スイッチモジュール40)は、その引掛部42bが本体側板70の引掛穴70cに引っ掛けられた状態で、そのネジ用穴部42cを介して本体側板70の雌ネジ部70bにネジ115が螺合されることで、本体側板70に固定される。
【0024】
ここで、図6に示すように、本体側板70には、スイッチモジュール40の一部(両矢印Dで示す範囲の部分である。)を内装カバー80から離れる方向(図6の右方)に埋め込むための穴部70aが形成されている。
この穴部70aは、金属材料からなる板状部材である本体側板70に、打ち抜き加工を施すことによって形成したものである。
そして、図6に示すように、外装カバー90が閉鎖された状態で、外装カバー90と内装カバー80との間の空間(両矢印Nで示す範囲の空間である。)において、スイッチ41が内装カバー80の開口80aから外装カバー90の側に突出するように構成されている。
【0025】
このように、本実施の形態では、本体側板70に穴部70aを設けて、スイッチモジュール40の一部が本体側板70よりも装置内部に入り込む空間を確保しているため、高さ方向(図5の左右方向である。)の長さ(図5の寸法H参照)が比較的大きなスイッチモジュール40を装置内部に設置する場合であっても、図6に示す外装カバー90と内装カバー80との隙間Nや、内装カバー80と本体側板70との隙間Mを大きく設定しなくても、スイッチモジュール40を装置内部に設置することができる。そのため、スイッチモジュール40を装置内部に設置することにより画像形成装置100が大型化してしまう不具合も軽減することができる。
すなわち、本体側板70にスイッチモジュール40の一部が入り込む穴部70aを設けない場合には、図5の範囲Hで示す部分が、図6の範囲M(本体側板70と内装カバー80との空間)に入り込まなければならないため、図6の範囲Mが大きくなり、外装カバー90の位置も図6の左方側にシフトしてしまうことになり、装置が大型化してしまう。
これに対して、本実施の形態では、スイッチモジュール40の図6の範囲Dの部分(本体側板70に対するブラケット42の設置面から突出するハウジング43の部分である。)が穴部70aを介して本体側板70の右方に埋め込まれるように設置されるため、そのような不具合を軽減することができる。
また、このように構成することで、スイッチモジュール40が設置される部分だけ外装カバー90を外側に突出させるように構成する必要もなく、外装カバー90と内装カバー80との隙間N(空間)を全域にわたってほぼ均一に構成することが可能になる。
【0026】
ここで、本実施の形態では、図6に示すように、内装カバー80と本体側板70との間の空間において、ハーネス44を保持するためのクランプ47(保持部材)が、ブラケット42と本体側板70とにそれぞれ設置されている。なお、図6では、理解を容易とするため、ブラケット42に設置されたクランプ47や、ハーネス44の一部を実線にて図示している。
詳しくは、スイッチモジュール40のブラケット42には、その側面にクランプ用穴部42dが形成されていて、そのクランプ用穴部42dにクランプ47の嵌合部がはめ込まれて、クランプ47がブラケット42に保持されている。また、本体側板70にも、クランプ用穴部70dが形成されていて、そのクランプ用穴部70dにクランプ47の嵌合部がはめ込まれて、クランプ47が本体側板70に保持されている。なお、本体側板70には、電源ユニットの近傍まで間隔をあけて複数のクランプ47が配置されている。
そして、スイッチモジュール40と電源ユニットとを中継するハーネス44が複数のクランプ47に保持された状態で、本体側板70と内装カバー80との間の空間内で配回されている。
このように構成することにより、本体側板70と内装カバー80との間の空間で、ハーネス44が他の構成部材に引っ掛かる不具合を軽減することができる。
【0027】
ここで、図6図7(A)等を参照して、本実施の形態において、内装カバー80には縁部80bが形成されている。この縁部80bは、外装カバー90が閉鎖された状態で、外装カバー90と内装カバー80との間の空間において、内装カバー80の開口80aの周囲にスイッチ41よりも外装カバー90の側(図6の左方である。)に突出するように形成されている。
そして、図7(B)に示すように、その縁部80bに嵌合してスイッチ41を覆うキャップ部材85が着脱可能に設置されるように構成されている。このキャップ部材85を縁部80bに設置して、外装カバー90を閉鎖しても、キャップ部材85が外装カバー90に干渉することはない。
このように構成されたキャップ部材85を、スイッチ41を使用しないとき(除湿ヒータ14を使用しないときである。)に、縁部80bにセットしておくことで、操作者が誤ってスイッチ41を操作してしまう不具合を防止することができる。
【0028】
<変形例>
図8は、変形例としての画像形成装置本体100にスイッチモジュール40が設置された状態を示す断面図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図8に示すように、変形例では、本体側板70に、スイッチモジュール40の一部を入れ込むための穴部70aの代わりに、凹部70fが設けられている、すなわち、本体側板70には、スイッチモジュール40の一部を内装カバー80から離れる方向に埋め込むための凹部70fが形成されている。この凹部70fは、金属材料で形成された板状部材である本体側板70に、絞り加工を施すことによって形成することができる。
このように本体側板70に凹部70fを形成した場合にも、本実施の形態のものと同様に、画像形成装置100を大型化することなく、開閉可能な外装カバー90を開放して内装カバー80が露呈した状態の装置内部にスイッチ41を設置することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、外装カバー90が開放されたときに、装置内部に設置された本体側板70の一部又は全部が露呈しないように、本体側板70の一部又は全部を覆う内装カバー80が設置されている。また、外装カバー90が開放された状態で内装カバー80に形成した開口80aからスイッチ41が露呈するように本体側板70に保持されるスイッチモジュール40が、設置されている。そして、本体側板70には、スイッチモジュール40の一部を内装カバー80から離れる方向に埋め込むための穴部70a(又は、凹部70f)が形成されている。
これにより、画像形成装置100を大型化することなく、開閉可能な外装カバー90を開放して内装カバー80が露呈した状態の装置内部にスイッチ41を設置することができる。
【0030】
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置100に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置100に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、オフセット印刷機などである。)に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、スイッチ41としてロッカースイッチを用いたが、スイッチ41はこれに限定されず、例えば、トグルスイッチ、押しボタンスイッチ、プッシュスイッチ、などをスイッチ41として用いることもできる。
また、本実施の形態では、スイッチ41として除湿ヒータ14をオン・オフするためのものを用いたが、スイッチ41はこれに限定されず、その他の電気部品をオン・オフするものをスイッチ41として用いることもできる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0033】
なお、本願明細書等において、「本体側板」とは、垂直方向に起立するように設置された板状部材に限らず、その他の方向に設置された板状部材や、天板なども含むものと定義する。
また、本願明細書等において、「本体側板」とは、必ずしも板状部材に限定されることなく、画像形成装置の骨格となる筐体(構造体)の一部又は全部として機能するものであれば良く、例えば、樹脂材料で成型した構造体なども含むものと定義する。
【符号の説明】
【0034】
14 除電ヒータ、
30 主電源スイッチ(メインスイッチ)、
40 スイッチモジュール(スイッチユニット)、
41 スイッチ(除湿ヒータスイッチ)、
41b 端子、
42 ブラケット、
42a 開口部、 42b 引掛部、
42c ネジ用穴部、 42d クランプ用穴部、
43 ハウジング、
44 ハーネス、
47 クランプ、
70 本体側板(筐体)、
70a 穴部、
70b 雌ネジ部、 70c 引掛穴、 70d クランプ用穴部、
70f 凹部、
80 内装カバー、
80a 開口、 80b 縁部(壁部)、
85 キャップ部材、
90 外装カバー(開閉カバー)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
110、115 ネジ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【文献】特開2016-120621号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8