(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】混合装置
(51)【国際特許分類】
B01F 21/10 20220101AFI20221214BHJP
C02F 1/68 20060101ALI20221214BHJP
B01F 23/43 20220101ALI20221214BHJP
B01F 23/23 20220101ALI20221214BHJP
B01F 35/221 20220101ALI20221214BHJP
B01F 35/82 20220101ALI20221214BHJP
B01F 35/90 20220101ALI20221214BHJP
B01F 27/00 20220101ALI20221214BHJP
【FI】
B01F21/10
C02F1/68 510A
C02F1/68 520C
C02F1/68 530A
C02F1/68 530K
C02F1/68 530L
B01F23/43
B01F23/23
B01F35/221
B01F35/82
B01F35/90
B01F27/00
(21)【出願番号】P 2018191691
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】新井 賢
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-245425(JP,A)
【文献】特開2018-058044(JP,A)
【文献】特開2012-110817(JP,A)
【文献】特開2014-217803(JP,A)
【文献】特開2003-117365(JP,A)
【文献】特開2003-117364(JP,A)
【文献】特開平10-324502(JP,A)
【文献】特表2013-528949(JP,A)
【文献】特開昭63-012391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-27/96、35/00-35/95
C02F 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水と二酸化炭素とを混合させた混合液を供給する混合装置であって、
純水供給源から純水を流入させる入口と、
加工装置に混合液を流出させる出口と、
該入口に接続された一端部を有する第1の配管と、
該出口に接続された一端部を有する第2の配管と、
二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素を用いて飽和炭酸水を生成する飽和炭酸水生成手段と、
該飽和炭酸水生成手段によって生成された飽和炭酸水を該第1の配管に注入する定量ポンプと、
該第1の配管の他端部および該第2の配管の他端部に接続され、該第1の配管内の流体を羽根の回転によって混合して、混合液として該第2の配管に吐出する混合ポンプと、
該第1の配管に配設される第1の分岐部と、
該第2の配管に配設される第2の分岐部と、
該第1の分岐部と該第2の分岐部とに接続され、該混合ポンプから吐出される混合液を該第2の分岐部から該第1の分岐部に流す循環配管と、
該第2の配管における該第2の分岐部と該出口との間に配設され、該出口から流出される混合液の流出量を検出する流量センサと、
該出口から流出される混合液の流出量と該定量ポンプによって該第1の配管に注入される飽和炭酸水の量との関係を示すデータテーブルと、
飽和炭酸水の注入量が、該流量センサによって検出された混合液の流出量に基づいて該データテーブルを参照して決定される量となるように、該定量ポンプを制御する第1の制御部と、を備え、
該混合ポンプは、該定量ポンプによって注入される飽和炭酸水と該純水供給源から供給される純水と該循環配管を介して供給される混合液とを該羽根の回転によって混合して、混合液として該第2の配管に吐出するように構成されており、
該飽和炭酸水生成手段は、該混合ポンプから吐出される混合液の一部、あるいは、該純水供給源から供給される純水の一部に二酸化炭素を混合することにより、飽和炭酸水を生成する、
混合装置。
【請求項2】
該循環配管に配設され、混合液の比抵抗値を測定する第2の比抵抗計と、
該第2の比抵抗計によって測定された比抵抗値が予め設定した値になるように、該定量ポンプによる飽和炭酸水の注入量を制御する第2の制御部と、をさらに備える、
請求項
1記載の混合装置。
【請求項3】
該第2の配管における該混合ポンプと該第2の分岐部との間に配設され、混合液の温度を予め設定した設定温度に調整する温調手段をさらに備える、
請求項
2記載の混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削ブレードでウェーハを切削する切削装置では、加工によって発熱する切削ブレードを冷却するとともに、加工で生じた加工屑をウェーハ上から除去するために、加工液を供給しつつ加工が遂行される。半導体デバイスにごく微量の不純物でも残留すると、その品質に重大な影響が生じるため、加工液として純水が使用される。
【0003】
ところが、一般に、純水は、10MΩ・cm以上の比抵抗値を有しており、非常に高い絶縁性をもつ。このため、純水の流動による摩擦によって、静電気が発生することがある。このような静電気は、回路素子の静電破壊、および、加工中の回路素子に切削屑等の微粒子が付着することの原因となりうる。
【0004】
そこで、特許文献1および2に開示されている技術では、純水と二酸化炭素との混合液を加工液として用いることにより、加工液の比抵抗値を、例えば0.1~1MΩ・cm程度に落としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-110817号公報
【文献】特開2011-245425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に記載のような混合液を生成する混合装置は、スタティックミキサー(ミキシングタンク)を用いて、混合液中の二酸化炭素濃度が均一となるように、純水に二酸化炭素を混合させている。
このスタティックミキサーがあるため、混合装置の小型化が困難であるという課題がある。
本発明の目的は、混合装置を小型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる混合装置(第1混合装置)は、純水と二酸化炭素とを混合させた混合液を供給する混合装置であって、純水供給源に接続された一端部を有する第1の配管と、二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素を用いて飽和炭酸水を生成する飽和炭酸水生成手段と、該飽和炭酸水生成手段によって生成された飽和炭酸水を、該第1の配管に注入する定量ポンプと、該第1の配管の他端部に接続され、該定量ポンプによって注入される飽和炭酸水と該純水供給源から供給される純水とを羽根の回転によって混合して、混合液として加工装置に向けて吐出する混合ポンプと、該混合ポンプから吐出される混合液の比抵抗値を測定する比抵抗計と、該比抵抗計によって測定された比抵抗値が予め設定した値になるように、該定量ポンプによる飽和炭酸水の注入量を制御する制御部と、を備え、該飽和炭酸水生成手段は、該混合ポンプから吐出される混合液の一部、あるいは、該純水供給源から供給される純水の一部に二酸化炭素を混合することにより、飽和炭酸水を生成する。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる混合装置(第2混合装置)は、純水と二酸化炭素とを混合させた混合液を供給する混合装置であって、純水供給源から純水を流入させる入口と、加工装置に混合液を流出させる出口と、該入口に接続された一端部を有する第1の配管と、該出口に接続された一端部を有する第2の配管と、二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素を用いて飽和炭酸水を生成する飽和炭酸水生成手段と、該飽和炭酸水生成手段によって生成された飽和炭酸水を該第1の配管に注入する定量ポンプと、該第1の配管の他端部および該第2の配管の他端部に接続され、該第1の配管内の流体を羽根の回転によって混合して、混合液として該第2の配管に吐出する混合ポンプと、該第1の配管に配設される第1の分岐部と、該第2の配管に配設される第2の分岐部と、該第1の分岐部と該第2の分岐部とに接続され、該混合ポンプから吐出される混合液を該第2の分岐部から該第1の分岐部に流す循環配管と、該第2の配管における該第2の分岐部と該出口との間に配設され、該出口から流出される混合液の流出量を検出する流量センサと、該出口から流出される混合液の流出量と該定量ポンプによって該第1の配管に注入される飽和炭酸水の量との関係を示すデータテーブルと、飽和炭酸水の注入量が、該流量センサによって検出された混合液の流出量に基づいて該データテーブルを参照して決定される量となるように、該定量ポンプを制御する第1の制御部と、を備え、該混合ポンプは、該定量ポンプによって注入される飽和炭酸水と該純水供給源から供給される純水と該循環配管を介して供給される混合液とを該羽根の回転によって混合して、混合液として該第2の配管に吐出するように構成されており、該飽和炭酸水生成手段は、該混合ポンプから吐出される混合液の一部、あるいは、該純水供給源から供給される純水の一部に二酸化炭素を混合することにより、飽和炭酸水を生成する。
【0009】
また、第2混合装置は、該循環配管に配設され、混合液の比抵抗値を測定する第2の比抵抗計と、該第2の比抵抗計によって測定された比抵抗値が予め設定した値になるように、該定量ポンプによる飽和炭酸水の注入量を制御する第2の制御部と、をさらに備えてもよい。
【0010】
また、第2混合装置は、該第2の配管における該混合ポンプと該第2の分岐部との間に配設され、混合液の温度を予め設定した設定温度に調整する温調手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
第1混合装置では、混合ポンプが、純水供給源から供給される純水と定量ポンプによって注入される飽和炭酸水とを羽根の回転によって混合することによって、純水と飽和炭酸水との混合液を生成し、加工装置に向けて吐出する。したがって、第1混合装置は、大きなスタティックミキサーを備えることなく、混合液を生成し、加工装置に送ることができる。このため、第1混合装置を小型化することが可能となる。
【0012】
また、第1混合装置では、制御部が、比抵抗計によって計測された比抵抗値が予め設定した値になるように、定量ポンプによる飽和炭酸水の注入量を制御する。これにより、第1混合装置は、混合液の比抵抗値を適切な値に設定することが容易である。
【0013】
第2混合装置でも、第1混合装置と同様に、混合ポンプが、純水と飽和炭酸水とを羽根の回転によって混合するので、大きなスタティックミキサーを備えることなく、混合液を生成して加工装置に送ることができる。このため、第2混合装置を小型化することが可能となる。
【0014】
また、第2混合装置では、第1の制御部が、定量ポンプから第1の配管への飽和炭酸水の注入量を、加工装置への混合液の流出量に基づいてデータテーブルを参照して決定される量となるように制御するので、混合液の比抵抗値を適切な値に設定することが容易である。
【0015】
さらに、第2混合装置が第2の分岐部分と第1の分岐部とをつなぐ循環配管を有しているため、純水供給源から流入された純水と、定量ポンプからの飽和炭酸水と、循環配管からの混合液とが、混合ポンプによって混合されて混合液となり、加工装置に供給される。これにより、加工装置に流出される混合液の比抵抗値を、より適切に設定することができる。
【0016】
すなわち、第2混合装置では、混合ポンプによって混合される水の一部が、循環配管を介して混合ポンプに供給された既存の混合液であり、少なくとも一度は、第1の制御部による比抵抗値の制御を受けている。したがって、純水供給源から供給されたばかりの純水および飽和炭酸水のみを混合して混合液を生成する場合に比べて、混合液の比抵抗値を安定させることができる。
【0017】
また、第2混合装置が、循環配管中の混合液の比抵抗値を測定する第2の比抵抗計および第2の制御部を備える場合、第2の制御部が、計測された比抵抗値が所定値になるように、定量ポンプによる飽和炭酸水の注入量を制御するので、混合液の比抵抗値を適切な値に設定することが、より容易である。
【0018】
さらに、第2混合装置が温調手段を有している場合、温調手段によって混合液の温度を適切に調整できるため、加工装置における加工精度を高めることができる。さらに、この構成では、温調手段によって温度調整される混合液の一部が、循環配管を介して混合ポンプに供給された既存の混合液であり、少なくとも一度は温調手段によって温度調整されている。したがって、純水供給源から供給されたばかりの純水および飽和炭酸水のみを含む混合液を温度調整する場合に比べて、純水供給源から供給される純水の温度が変化しても、加工装置に供給される混合液の温度を適切に調整することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態にかかる混合装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示した混合装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図3】他の実施形態にかかる混合装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示した混合装置に用いられるデータテーブルを示す図である。
【
図5】
図3に示した混合装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図3に示した混合装置の他の変形例の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図5に示した混合装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔実施形態1〕
図1に示すように、本実施形態にかかる混合装置1は、純水供給源3からの純水を用いて、純水と二酸化炭素との混合液を生成して加工装置5に供給する。混合装置1は、通常、純水供給源3および加工装置5とともに、工場内に設置される。
【0021】
加工装置5は、混合装置1から供給された混合液を加工液および/または冷却液として用いて加工を実施する装置である。加工装置5としては、たとえば、半導体ウェーハなどの被加工物を切削ブレードによって切削加工する切削装置、および、被加工物を研削ホイールによって研削加工する研削装置を挙げることができる。
【0022】
なお、加工装置5に供給される混合液は、加工時に摩擦による静電気が生じにくいように、所定濃度の二酸化炭素を含んでいることが好ましい。
【0023】
まず、混合装置1の構成について説明する。
図1に示すように、混合装置1は、純水供給源3に接続された入口15、入口15の下流側に配された混合液生成部16、混合液生成部16の下流側で加工装置5に接続された出口18、および、各種の部材を制御する制御部13を備えている。
【0024】
入口15は、純水供給源3からの純水を混合装置1に流入させる。出口18は、混合装置1から加工装置5に混合液を流出させる。
【0025】
混合液生成部16は、入口15および出口18に接続された配管部19、および、配管部19に配された混合ポンプ23、流量センサ24、比抵抗計27および飽和炭酸水生成手段29を含んでいる。
【0026】
配管部19は、純水供給源3と混合ポンプ23との間の配管である第1の配管21、第1の配管21に設けられた合流器31、混合ポンプ23と出口18との間の配管である第2の配管22、および、第2の配管22に設けられた分流器33を含んでいる。第1の配管21の一端部は、入口15を介して純水供給源3に接続されており、第1の配管21の他端部は、混合ポンプ23の上流側(吸い込み側)に接続されている。第2の配管22の一端部は、出口18を介して加工装置5に接続されており、第2の配管22の他端部は、混合ポンプ23の下流側(吐出側)に接続されている。
【0027】
さらに、配管部19は、分流器33と飽和炭酸水生成手段29との間に接続された第3の配管37、および、飽和炭酸水生成手段29と合流器31との間に接続された第4の配管39を備えている。
飽和炭酸水生成手段29は、二酸化炭素を用いて飽和炭酸水を生成し、第4の配管39に吐出する。
【0028】
合流器31は、第1の配管21における混合ポンプ23の上流側に設けられている。合流器31では、入口15および第1の配管21を介して純水供給源3から流入された純水と、第4の配管39からの飽和炭酸水とが合流する。合流した純水および飽和炭酸水は、第1の配管21を混合ポンプ23に向かって流れる。
【0029】
混合ポンプ23は、第1の配管21と第2の配管22との間に配置されている。混合ポンプ23は、羽根を回転させることにより、第1の配管21に配置された合流器31からの純水および飽和炭酸水を吸い込んで混合(たとえば撹拌混合)することによって、純水と飽和炭酸水との混合液を生成する。混合ポンプ23は、生成した混合液を、加工装置5に向けて第2の配管22に吐出する。混合ポンプ23は、たとえばターボ型ポンプであり、特に、過流ポンプであることが好ましい。混合ポンプ23として過流ポンプを用いることにより、第2の配管22の圧力変動に瞬時に対応することができ、第2の配管22の圧力を一定に保ち、加工装置5が必要とする流量の混合液を吐出することができる。
【0030】
流量センサ24は、第2の配管22における混合ポンプ23の下流側に配設されており、混合ポンプ23からの混合液の吐出量を測定する。
【0031】
分流器33は、流量センサ24の下流側に設けられている。分流器33では、第2の配管22内の混合液の水流が、比抵抗計27および出口18を介して加工装置5に向かう水流と、第3の配管37内を飽和炭酸水生成手段29に向かう水流とに分岐される。なお、飽和炭酸水生成手段29に向かう混合液は比較的に少量であり、混合液の大部分は加工装置5に向かう。
【0032】
比抵抗計27は、混合ポンプ23から吐出され、分流器33および出口18を介して加工装置5に向かう混合液の比抵抗値を測定する。
【0033】
飽和炭酸水生成手段29は、混合ポンプ23から吐出されて第3の配管37から供給される混合液に二酸化炭素を混合することによって飽和炭酸水を生成し、第4の配管39に吐出する。
【0034】
飽和炭酸水生成手段29は、二酸化炭素供給源である二酸化炭素ボンベ41、二酸化炭素ボンベ41からの二酸化炭素(炭酸ガス)の供給量を制御するレギュレータ43、第3の配管37とレギュレータ43とに接続された中空糸膜45、および、中空糸膜45と第4の配管39とに接続された定量ポンプ47を備えている。
【0035】
中空糸膜45には、レギュレータ43を介して二酸化炭素が供給されるとともに、第3の配管37を介して混合液が供給される。中空糸膜45は、供給された二酸化炭素と混合液とを混ぜることによって、飽和炭酸水を生成する。
【0036】
定量ポンプ47は、たとえばダイヤフラム式ポンプであり、規定の量の液体を送ることができるように構成されている。定量ポンプ47は、中空糸膜45によって生成された飽和炭酸水を、第4の配管39および合流器31を介して、第1の配管21に注入する。
【0037】
制御部13は、定量ポンプ47によって第1の配管21に注入される飽和炭酸水の量を制御する。すなわち、制御部13は、比抵抗計27によって測定された混合液の比抵抗値が予め設定された所定値になるように、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を制御する。
【0038】
次に、混合装置1の動作について説明する。
混合装置1の入口15は、純水供給源3に対して開放されている。したがって、混合装置1内の混合液量が減って、混合装置1内の水圧(配管部19内の水圧)が低下して入口15の水圧が下がると、純水供給源3から入口15に純水が流入する。
【0039】
また、出口18に接続されている加工装置5は、被加工物に対する加工の際に、必要に応じて、混合液を出口18から取り出す。このため、出口18から加工装置5に混合液が流出するか否かは、加工装置5の動作状況に応じて決定される。
【0040】
本実施形態では、加工装置5内には、出口18に接続された図示しないバルブが設けられている。加工装置5による加工が開始されると、このバルブが開放されて、出口18から加工装置5に混合液が流出する。
【0041】
加工装置5による加工がなされていない場合、加工装置5のバルブは閉じられたままである。このため、出口18から加工装置5には混合液は流出しない。この場合、混合装置1内の水圧は実質的に変化しないので、純水供給源3から入口15への純水の流入もない。
【0042】
一方、加工装置5による加工が開始されると、加工装置5の図示しないバルブが開放されるとともに、混合装置1の混合ポンプ23が駆動される。これにより、混合ポンプ23が、第1の配管21の水および飽和炭酸水を吸い込んで、混合液として第2の配管22に吐出する。混合液は、第2の配管22および分流器33等を介して、加工装置5に流出する。混合ポンプ23から第2の配管22に吐出される混合液の量は、たとえば、0~15L/minである。混合ポンプ23の駆動は、たとえば、制御部13によって制御される。たとえば、制御部13は、加工装置5のバルブが開放されたことを検知したときに、混合ポンプ23の駆動を開始する。
【0043】
また、混合ポンプ23から吐出された混合液の一部は、分流器33および第3の配管37を介して、飽和炭酸水生成手段29の中空糸膜45に流れ込む。分流器33から中空糸膜45に流れ込む混合液の量は、たとえば、0~60mL/minである。
【0044】
中空糸膜45に流れ込んだ混合液は、二酸化炭素ボンベ41からレギュレータ43を介して取り入れられた二酸化炭素と混合されて、飽和炭酸水となる。飽和炭酸水は、定量ポンプ47によって、第4の配管39および合流器31を介して、第1の配管21に注入される。
【0045】
また、加工装置5が水を必要としていない状態から水を必要とする状態に変化した瞬間、加工装置5への混合液の流出により、混合装置1内の水圧が瞬間的に減少し、配管部19内の水圧が下がるので、純水供給源3から入口15に純水が流入する。純水供給源3から入口15に流入する純水の量は、加工装置5に流出する混合液の量と実質的に等しい。入口15からの純水は、第1の配管21に流入して合流器31を通過する。
【0046】
第1の配管21における合流器31の下流側では、純水供給源3から流入された純水と、第4の配管39からの飽和炭酸水とが、混合ポンプ23によって混合されて、純水と飽和炭酸水との混合液となり、出口18および加工装置5に向けて、第2の配管22に吐出される。第2の配管22への混合液の吐出量は、流量センサ24によって計測される。
【0047】
また、混合ポンプ23から吐出された混合液の大部分は、流量センサ24および分流器33を介して出口18に向かう。比抵抗計27は、この混合液の比抵抗値を計測し、計測結果を制御部13に伝達する。
【0048】
そして、制御部13は、比抵抗計27によって計測された比抵抗値が所定値になるように、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を制御する。
すなわち、制御部13は、比抵抗計27によって計測された比抵抗値が所定値よりも低い場合には、定量ポンプ47を制御して、定量ポンプ47からの飽和炭酸水の注入量を減らす。一方、制御部13は、計測された比抵抗値が所定値よりも高い場合には、定量ポンプ47を制御して、定量ポンプ47からの飽和炭酸水の注入量を増やす。さらに、制御部13は、たとえば、計測された比抵抗値が所定値に近い許容範囲にある場合には、定量ポンプ47からの飽和炭酸水の注入量を維持する。
【0049】
以上のように、混合装置1では、混合ポンプ23が、純水供給源3から供給される純水と定量ポンプ47によって注入される飽和炭酸水とを羽根の回転によって混合することによって、純水と飽和炭酸水との混合液を生成し、加工装置5に向けて第2の配管22に吐出する。したがって、混合装置1では、大きなスタティックミキサーを備えることなく、混合液を生成し、加工装置5に送ることができる。このため、混合装置1を小型化することが可能となる。
【0050】
また、混合装置1では、制御部13が、比抵抗計27によって計測された比抵抗値が所定値になるように、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を制御する。これにより、混合装置1では、混合液の比抵抗値を適切な値に設定することが容易である。
【0051】
なお、混合装置1は、
図1に示した分流器33および第3の配管37に代えて、
図2に示すように、分流器35および第5の配管36を備える構成であってもよい。
分流器35は、第1の配管21における入口15と合流器31との間に設けられている。第5の配管36は、分流器35と中空糸膜45との間に設けられている。
【0052】
この構成では、純水供給源3から入口15を介して第1の配管21に流入される純水の大部分(たとえば0~15L/min)は、分流器35を経て、第1の配管21内を合流器31に向かって流れる。一方、純水の一部(たとえば、0~60mL/min)は、分流器35および第5の配管36を介して、中空糸膜45に供給される。
【0053】
中空糸膜45は、第5の配管36から供給された純水と二酸化炭素ボンベ41からレギュレータ43を介して供給された二酸化炭素とを混合して、飽和炭酸水を生成する。そして、定量ポンプ47が、生成された飽和炭酸水を、合流器31を介して第1の配管21に注入する。
【0054】
このように、飽和炭酸水生成手段29は、混合ポンプ23から吐出される混合液の一部、あるいは、純水供給源3から供給される純水の一部に二酸化炭素を混合することにより、飽和炭酸水を生成することができる。
【0055】
また、本実施形態では、飽和炭酸水生成手段29が、二酸化炭素供給源である二酸化炭素ボンベ41およびレギュレータ43を備えているけれども、飽和炭酸水生成手段29は、二酸化炭素供給源を備える必要はない。たとえば、飽和炭酸水生成手段29の中空糸膜45は、混合装置1の外部のCO2供給モジュールから二酸化炭素の供給を受けるように構成されていてもよい。
【0056】
〔実施形態2〕
図3に示すように、本実施形態にかかる混合装置2は、
図1に示した混合装置1の構成において、混合液生成部16に代えて混合液生成部17を備えているとともに、メモリ14を新たに備えている。
なお、本実施形態では、
図1および
図2に示した混合装置1の部材と同様の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
混合液生成部17は、
図1に示した混合液生成部16の構成において、配管部19、流量センサ24および比抵抗計27に代えて、配管部20、流量センサ53および2つの比抵抗計51、55を備えている。
【0058】
配管部20は、
図1に示した配管部19の構成において、第3の配管37と第4の配管39とに接続された循環配管38を備えている。循環配管38は、第3の配管37、第4の配管39および比抵抗計51を介して、合流器31と分流器33とに接続されている。循環配管38は、混合ポンプ23から吐出される混合液の一部を、分流器33から合流器31に流す。この混合液は、第1の配管21に流出される。
なお、本実施形態にかかる合流器31は第1の分岐部の一例に相当し、分流器33は第2の分岐部の一例に相当する。
【0059】
混合ポンプ23は、実施形態1と同様に、第1の配管21内の流体を羽根の回転によって混合して、混合液として第2の配管22に吐出する。本実施形態では、混合ポンプ23は、純水供給源3から流入される純水と、定量ポンプ47からの飽和炭酸水と、循環配管38からの混合液とを混合して、純水と飽和炭酸水とを含む混合液として第2の配管22に吐出する。
【0060】
混合液生成部17の比抵抗計51は、第3の配管37における分流器33の下流側に配置されており、第3の配管37を流れる混合液の比抵抗値を測定する。
流量センサ53は、第2の配管22における分流器33と出口18との間に配設され、出口18から加工装置5に流出される混合液の流出量を検出する。
比抵抗計55は、第2の配管22における流量センサ53の下流側に配置されており、出口18を介して加工装置5に流出される混合液の比抵抗値を測定する。比抵抗計51は、第2の比抵抗計の一例に相当する。
【0061】
メモリ14は、出口18から加工装置5に流出される混合液の流出量と、飽和炭酸水生成手段29の定量ポンプ47によって第1の配管21に注入される飽和炭酸水の量との関係を示すデータテーブルDT(
図4参照)を記憶している。
【0062】
図4に示すデータテーブルDTにおける「目標比抵抗値」は、加工装置5に流出される混合液の目標とする比抵抗値である。「流量センサの値(出口から流出する量)」は、流量センサ53によって検出された、出口18からの混合液の実際の流出量である。そして、「飽和炭酸水の注入量」は、目標とする混合液の比抵抗値および混合液の実際の流出量に応じた、第1の配管21への飽和炭酸水の適切な注入量である。
【0063】
なお、
図4に示したデータテーブルDT中の「飽和炭酸水の注入量」に記載されている「spm」という単位は、定量ポンプ47の分解能、すなわち、1分あたりの定量ポンプ47のストローク数(strokes per minute)を示す。
【0064】
制御部13は、本実施形態でも、定量ポンプ47によって第1の配管21に注入される飽和炭酸水の量を制御する。そして、本実施形態では、制御部13は、まず、定量ポンプ47から第1の配管21への飽和炭酸水の注入量を、目標とする混合液の比抵抗値および流量センサ53によって検出された混合液の流出量に基づいてデータテーブルDTを参照して決定される量となるように制御する。
【0065】
その後、制御部13は、比抵抗計51および比抵抗計55の少なくともいずれか一方から、混合液の実際の比抵抗値を取得する。そして、取得した比抵抗値が、目標とする比抵抗値となるように、適宜、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を調整する。
なお、本実施形態では、制御部13は、第1の制御部および第2の制御部の一例に相当する。
また、目標とする混合液の比抵抗値は、ユーザによって制御部13に入力されてもよいし、制御部13にあらかじめ設定されていてもよい。
また、加工装置5に混合液を流出させているときは、比抵抗計55で取得した比抵抗値が目標の比抵抗値になるように飽和炭酸水の注入量を調整させ、加工装置5に混合液を流出していないときは、比抵抗計51で取得した比抵抗値が目標の比抵抗値になるように飽和炭酸水の注入量を調整させてもよい。
また、制御部13は、流量センサ53が検知した混合液の流出量によって、監視する比抵抗値を比抵抗計51から取得するか比抵抗計55から取得するかを切り換えてもよい。
【0066】
次に、混合装置2の動作について説明する。
図3に示した混合装置2でも、
図1に示した混合装置1と同様に、入口15は、純水供給源3に対して開放されている。したがって、混合装置2内の混合液量が減って、混合装置2内の水圧(配管部20内の水圧)が低下して入口15の水圧が下がると、純水供給源3から入口15に純水が流入する。
【0067】
また、本実施形態でも、加工装置5内には、出口18に接続された図示しないバルブが設けられている。加工装置5による加工が開始されると、このバルブが開放されて、出口18から加工装置5に混合液が流出する。
【0068】
加工装置5による加工がなされていない場合、加工装置5のバルブは閉じられているので、出口18から加工装置5には混合液は流出しない。この場合、混合装置2内の水圧は実質的に変化しないので、純水供給源3から入口15への純水の流入もない。
【0069】
一方、加工装置5による加工が開始されると、加工装置5の図示しないバルブが開放されるとともに、混合装置2の混合ポンプ23が駆動される。これにより、混合ポンプ23が、第1の配管21の流体を吸い込んで、混合液として第2の配管22に吐出する。第2の配管22に吐出された混合液は、分流器33に向かう。分流器33に到達した水の一部は、流量センサ53、比抵抗計55および出口18を介して、加工装置5に流出する。
【0070】
なお、混合ポンプ23から第2の配管22に吐出される混合液の量は、たとえば、15~30L/minである。また、分流器33から出口18に向かう混合液の量は、流量センサ53によって計測され、たとえば、0~15L/minである。
【0071】
また、本実施形態では、第3の配管37と第4の配管39とが、循環配管38によって接続されている。このため、配管部20内には、混合ポンプ23による混合液の吸い込みおよび吐出により、第1の配管21→混合ポンプ23→第2の配管22→分流器33→第3の配管37(比抵抗計51)→循環配管38→第4の配管39→合流器31→第1の配管21…のように循環する水流が発生する。
【0072】
したがって、第2の配管22を流れている混合液の一部は、分流器33および第3の配管37に流れ込む。第3の配管37に流れ込んだ混合液の大部分は、循環配管38に流出する。循環配管38に流出する混合液の量は、たとえば、15L/minである。第3の配管37から循環配管38に流出した混合液の比抵抗値は、比抵抗計51によって計測される。循環配管38に流出した混合液は、第4の配管39および合流器31を介して、第1の配管21に入る。
【0073】
また、分流器33から第3の配管37に流れ込んだ混合液の一部は、飽和炭酸水生成手段29の中空糸膜45に供給される。分流器33から中空糸膜45に供給される混合液の量は、たとえば、0~60mL/minである。
【0074】
中空糸膜45に供給された混合液は、二酸化炭素ボンベ41からレギュレータ43を介して取り入れられた二酸化炭素と混合されて、飽和炭酸水となる。生成された飽和炭酸水は、定量ポンプ47によって、第4の配管39および合流器31を介して、第1の配管21に注入される。
【0075】
また、加工装置5への水の流出により、混合装置2内の水圧が瞬間的に減少し、配管部20内の水圧が下がるので、純水供給源3から入口15に純水が流入する。入口15からの純水は、第1の配管21に流入して合流器31を通過する。
【0076】
第1の配管21における合流器31の下流側では、純水供給源3から流入された純水と、定量ポンプ47からの飽和炭酸水と、循環配管38からの混合液とが、混合ポンプ23によって混合されて、純水と飽和炭酸水とを含む混合液となり、第2の配管22に吐出される。
【0077】
制御部13は、分流器33から出口18を介して加工装置5に流出する混合液の流出量を、流量センサ53から取得する。そして、制御部13は、メモリ14に記憶されているデータテーブルDTを参照し、混合液の流出量および目標とする混合液の比抵抗値に応じた、第1の配管21への飽和炭酸水の適切な注入量を特定する。さらに、制御部13は、定量ポンプ47から第1の配管21への飽和炭酸水の注入量を、データテーブルDTを用いて特定された適切な注入量となるように制御する。
【0078】
さらに、制御部13は、比抵抗計51および比抵抗計55の少なくともいずれか一方から、混合液の実際の比抵抗値を取得する。そして、取得した比抵抗値が、目標とする比抵抗値と異なる場合には、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を調整する。
【0079】
すなわち、制御部13は、比抵抗計51,55によって計測された比抵抗値が目標値よりも低い場合には、定量ポンプ47を制御して、定量ポンプ47からの飽和炭酸水の注入量を減らす。一方、制御部13は、計測された比抵抗値が目標値よりも高い場合には、定量ポンプ47を制御して、定量ポンプ47からの飽和炭酸水の注入量を増やす。
【0080】
以上のように、混合装置2でも、実施形態1に示した混合装置1と同様に、混合ポンプ23が、羽根を回転させることにより、純水供給源3から供給される純水と定量ポンプ47によって注入される飽和炭酸水とを吸い込んで混合することによって、純水と飽和炭酸水とを含む混合液を生成し、加工装置5に向けて第2の配管22に吐出する。したがって、混合装置2では、大きなスタティックミキサーを備えることなく、混合液を生成し、加工装置5に送ることができる。このため、混合装置2を小型化することが可能となる。
【0081】
また、混合装置2では、制御部13が、定量ポンプ47から第1の配管21への飽和炭酸水の注入量を、目標とする混合液の比抵抗値および加工装置5への混合液の流出量に基づいてデータテーブルDTを参照して決定される量となるように制御する。さらに、制御部13は、比抵抗計51、55によって計測された比抵抗値が所定値になるように、定量ポンプ47による飽和炭酸水の注入量を制御する。これにより、混合装置2では、混合液の比抵抗値を適切な値に設定することが、より容易である。
【0082】
さらに、混合装置2では、分流器33と合流器31とをつなぐ循環配管38を有している。このため、純水供給源3から流入された純水と、定量ポンプ47からの飽和炭酸水と、循環配管38からの混合液とが、混合ポンプ23によって混合されて混合液となり、加工装置5に供給される。これにより、加工装置5に流出される混合液の比抵抗値を、より適切に設定することができる。
【0083】
すなわち、混合装置2では、混合ポンプ23によって混合される水の一部が、循環配管38を介して混合ポンプ23に供給された既存の混合液であり、すでに配管部20内で循環され、少なくとも一度は、混合ポンプ23によって混合されているとともに、制御部13による比抵抗値の制御を受けている。したがって、純水供給源3から供給されたばかりの純水および飽和炭酸水のみを混合して混合液を生成する場合に比べて、純水および飽和炭酸水に、少なくとも一度は制御部13によって目標とする比抵抗値を有するように調整された既存の混合液を混合することで、混合ポンプ23による混合によって得られる混合液の比抵抗値を、目標とする比抵抗値に近づけられる。これにより、混合液の比抵抗値を安定させることができる。
【0084】
なお、
図5に示すように、混合装置2は、
図2に示した構成と同様に、分流器33および第3の配管37に代えて、分流器35および第5の配管36を備えてもよい。この構成では、第3の配管37は、循環配管38に接続されている一方、中空糸膜45には接続されていない。
【0085】
分流器35は、第1の配管21における入口15と合流器31との間に設けられている。第5の配管36は、分流器35と中空糸膜45との間に設けられている。
【0086】
この構成では、純水供給源3から入口15を介して第1の配管21に流入される純水の大部分(たとえば0~15L/min)は、分流器35を経て、第1の配管21内を合流器31に向かって流れる。また、純水の一部(たとえば、0~60mL/min)は、分流器35および第5の配管36を介して、中空糸膜45に供給される。
【0087】
中空糸膜45は、第5の配管36から供給された純水と二酸化炭素ボンベ41からレギュレータ43を介して供給された二酸化炭素とを混合して、飽和炭酸水を生成する。定量ポンプ47は、生成された飽和炭酸水を、第4の配管39および合流器31を介して第1の配管21に注入する。
【0088】
このように、飽和炭酸水生成手段29は、混合ポンプ23から吐出される混合液の一部、あるいは、純水供給源3から供給される純水の一部に二酸化炭素を混合することにより、飽和炭酸水を生成することができる。
【0089】
また、本実施形態では、制御部13は、定量ポンプ47から第1の配管21への飽和炭酸水の注入量を、目標とする混合液の比抵抗値および検出された混合液の流出量に基づいてデータテーブルDTを参照して決定される量となるように制御する。これに関し、目標とする混合液の比抵抗値が一定である場合には、制御部13は、定量ポンプ47から第1の配管21への飽和炭酸水の注入量を、流量センサ53によって検出された混合液の流出量に基づいてデータテーブルDTを参照して決定される量となるように制御してもよい。
【0090】
また、混合装置2は、
図6および
図7に示すような構成を有していてもよい。
図6および
図7に示した混合装置2は、それぞれ、
図3および
図5に示した構成において、第2の配管22における混合ポンプ23と分流器33との間に、温調ユニット61および水温計71を備えた構成を有する。
【0091】
温調ユニット61は、第2の配管22における混合ポンプ23の下流側に配設されており、混合ポンプ23から吐出された混合液を、その温度を予め設定した設定温度に調整して吐出する。温調ユニット61は、混合液を冷却する冷却手段63、および、混合液を加熱する加温手段65を備えている。温調ユニット61は、温調手段の一例に相当する。
【0092】
水温計71は、第2の配管22における温調ユニット61の下流側に配設されており、温調ユニット61から吐出された混合液の温度を測定する。そして、制御部13は、水温計71によって測定された混合液の温度が、加工装置5による加工に適切な予め設定した設定温度になるように、温調ユニット61を制御する。
【0093】
すなわち、制御部13は、計測された混合液の温度が設定温度よりも低い場合には、温調ユニット61の加温手段65を制御して、温調ユニット61に流入した水を加熱して、温調ユニット61から吐出する。一方、制御部13は、計測された混合液の温度が設定温度よりも高い場合には、温調ユニット61の冷却手段63を制御して、温調ユニット61に流入した水を冷却して、温調ユニット61から吐出する。さらに、制御部13は、計測された混合液の温度が設定温度に近い許容範囲にある場合には、加熱および冷却を実施することなく、温調ユニット61からそのまま吐出する。
【0094】
この構成では、温調ユニット61によって混合液の温度を適切に調整できるため、加工装置5における加工精度を高めることができる。さらに、温調ユニット61によって温度調整される混合液の一部が、循環配管38を介して混合ポンプ23に供給された既存の混合液であり、すでに配管部20内で循環され、少なくとも一度は温調ユニット61によって温度調整されている。したがって、純水供給源3から供給されたばかりの純水および飽和炭酸水のみを含む混合液を温度調整する場合に比べて、純水供給源3から供給される純水の温度が変化しても、純水および飽和炭酸水に、少なくとも一度は温調ユニット61によって予め設定された設定温度に温度調整された既存の混合液を混合することで、加工装置5に供給される混合液の温度を、設定温度に近づけられる。これにより、加工装置5に供給される混合液の温度を適切に調整することが容易である。
【0095】
なお、
図6および
図7に示した混合装置2では、温調ユニット61は、制御部13によって制御されることなく、自身での制御によって、混合液の温度を調整するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1,2:混合装置、3:純水供給源、5:加工装置、
13:制御部、14:メモリ、
15:入口、18:出口、16,17:混合液生成部、19,20:配管部、
21:第1の配管、22:第2の配管、37:第3の配管、39:第4の配管、
36:第5の配管、38:循環配管、31:合流器、33:分流器、35:分流器、
29:飽和炭酸水生成手段、41:二酸化炭素ボンベ、43:レギュレータ、
45:中空糸膜、47:定量ポンプ、
23:混合ポンプ、24:流量センサ、27:比抵抗計、
51:比抵抗計、53:流量センサ、55:比抵抗計、
61:温調ユニット、63:冷却手段、65:加温手段、71:水温計、
DT:データテーブル、