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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】マイクロリソグラフィ照明ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221214BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20221214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221214BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
G02B5/18
F21S2/00 412
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018568401
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017062748
(87)【国際公開番号】W WO2018001652
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】102016211511.1
(32)【優先日】2016-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】デギュンター マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ビーリング スティグ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110379(JP,A)
【文献】特開2017-150849(JP,A)
【文献】特開2008-053464(JP,A)
【文献】特開2009-200388(JP,A)
【文献】特開2012-196613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
B05C 7/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロリソグラフィ処理でウェーハ上に与えられたフォトレジストの後露光に使用可能なマイクロリソグラフィ照明ユニットであって、
光入射面上の少なくとも1つの光源(121、321、421、521)と、
前記光源によって発生した電磁放射線を前記フォトレジスト内に結合するための導光及び光混合要素(110、310、410、510)と、
を有し、
この導光及び光混合要素(110、310、410、510)は、互いに対向する側面の第1の対を有し、その最大間隔は第1の値を有し、これらの側面上での前記電磁放射線の多重反射が起こり、
前記導光及び光混合要素(110、310、410、510)は、互いに対向する側面の第2の対を有し、その最大間隔は第2の値を有し、前記電磁放射線は、前記光入射面から光出口面へ進む間、前記第2の対の側面で反射されず、
前記電磁放射線の光伝播方向での前記導光及び光混合要素(110、310、410、510)の最大広がりは、第3の値を有し、この第3の値は、前記第1の値よりも大きく、かつ前記第2の値よりも小さい、
照明ユニット。
【請求項2】
前記第2の値は、前記第1の値よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記導光及び光混合要素(110、310、410、510)は、前記電磁放射線に対して透明である材料で作られた固体ブロックの形態に構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記第1の対の側面での前記多重反射は、少なくとも1つの内部全反射を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記第1の対の側面は、ミラー面であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記第1の対の側面は、それらが互いに平行であるようには配置されないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記電磁放射線を測定するための少なくとも1つの強度センサ(131、331、431)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項8】
複数の光源(121、321、421、521)の光源配置(120、320、420、520)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記導光及び光混合要素(310)は、屈折力を備えた光出口面(340)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記導光及び光混合要素(510)は、回折又は屈折構造(550)を備えた光出口面を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の照明ユニット。
【請求項11】
マイクロリソグラフィ投影露光方法であって、
少なくとも部分的にフォトレジストがその上に塗布された基板(41)を設ける段階と、
照明デバイスと投影レンズとを有するマイクロリソグラフィ投影露光装置(10)を設ける段階と、
複数の投影段階で前記投影露光装置によって各場合に1つのマスク構造を前記フォトレジストの領域の上に投影する段階と、
を含み、
これらの投影段階のうちの少なくとも1つの後に、請求項1から10のいずれか1項に記載の照明ユニットを用いた前記フォトレジストの後露光が行われる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、2016年6月27日出願のドイツ特許出願DE 10 2016 211 511.1の優先権を主張するものである。この出願の内容は、これにより引用によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、マイクロリソグラフィ処理においてウェーハ上に与えられたフォトレジストの後露光(post-exposure)のためのマイクロリソグラフィ照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロリソグラフィは、例えば、集積回路又はLCDのような微細構造化構成要素を生成するのに使用される。マイクロリソグラフィ処理は、照明デバイスと投影レンズとを含むいわゆる投影露光装置において実施される。照明デバイスによって照明されたマスク(レチクル)の像は、この場合に、感光層(フォトレジスト)で被覆されて投影レンズの像平面に配置された基板(例えば、シリコンウェーハ)の上にマスク構造を基板の感光コーティングに転写するために投影レンズによって投影される。
【0004】
ここで、電磁放射線の効率的な利用の目的に対してフォトレジストの感度を高めるために個々のリソグラフィ段階の後に各場合にウェーハの又はそこに位置付けられたフォトレジストの無構造照明(すなわち、構造化マスクを用いない)をマイクロリソグラフィ処理において実施することが公知である。単なる例として、この処理では365nmの波長を有するUV放射線を使用することが可能であり、マスク構造を転写することなく実施されるフォトレジストのそれぞれの照明は、典型的に、均一であるか又は比較的大きい空間波長(例えば、1mm未満のもの)にわたって小さい振幅変動(例えば、10%未満)のみで変化するかのいずれかである強度分布を用いて達成される。
【0005】
その結果、この追加照明(フォトレジストの「後露光」と呼ぶこともできる)に起因して、実際のリソグラフィ段階において放射される(例えば、EUV)放射線のより良い利用及びしたがってマイクロリソグラフィ投影露光装置の高いスループットを取得することが可能である。
【0006】
従来技術に関して、単なる例として非特許文献1を参照されたい。
【0007】
上述のフォトレジストの追加照明又は「後露光」を実施することができるためには、追加照明ユニットが必要であり、その構成は、この後露光中にフォトレジスト内に結合される電磁放射線の強度、均一性、及び線量安定性に関する既存の要件に関して大いなる課題を表している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】S.Tagawa他著「光増感化学増幅レジスト(PS-CAR)処理による超高感度強化(Super High Sensitivity Enhancement by Photo-Sensitized Chemically Amplified Resist (PS-CAR) Process)」、Journal of Photopolymer Science and Technology、第26巻第6号(2013年)825ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
マイクロリソグラフィ処理でのスループットを高めるためにウェーハ上に位置するフォトレジストの可能な限り制御された恐らくは特に均一な後露光を比較的簡単な構成を用いて可能にするマイクロリソグラフィ照明ユニットを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項1の特徴によって達成される。
【0011】
マイクロリソグラフィ処理でウェーハ上に与えられるフォトレジストの後露光のための本発明によるマイクロリソグラフィ照明ユニットは、少なくとも1つの光源と、光源によって発生した電磁放射線をフォトレジスト内に結合するための導光及び光混合要素(light-guiding and light-mixing element)とを含み、導光及び光混合要素は、互いに対向する側面の第1の対を有し、その最大間隔は、第1の値を有し、これらの側面上での電磁放射線の複数の反射(多重反射)(multiple reflections)が起こり、導光及び光混合要素は、互いに対向する側面の第2の対を有し、その最大間隔は、第2の値を有し、電磁放射線の光伝播方向での導光及び光混合要素の最大広がりは、第3の値を有し、この第3の値は、第1の値よりも大きく、かつ第2の値よりも小さい。
【0012】
一実施形態により、第2の値は、第1の値よりも少なくとも2倍、特に少なくとも5倍、より具体的には少なくとも10倍だけ大きい。
【0013】
本発明は、特に、後露光に使用される電磁放射線が望ましい(特に導光及び光混合又は均一化の両方の)効果を得るのに特に適切であるように選択された寸法を有する導光及び光混合要素を通じて結合される方式でのリソグラフィ処理における又は個々のリソグラフィ段階の後のフォトレジストの後露光のための照明ユニットを実施する概念に基づいている。
【0014】
本発明による要素の導光器としての効果は、ここでは、特に、光源と後露光中に観察されることになるウェーハとの間の作動距離を比較的大きく選択することができ、その結果、第1に光源(例えば、LED配置)に生じるウェーハ又はフォトレジスト内へのパワー散逸に起因する望ましくない熱の導入と、同じく光源のドライバ電子機器の電界に起因するウェーハ上に生じるマイクロ電子回路に対する望ましくない影響又はそこでの変化とが回避されることである。
【0015】
本発明による構成の別の利点は、電磁放射線を生成するのに使用される光源(例えば、LED配置)とウェーハの間の確実な分離が実施可能になることに起因する本発明による後露光中のウェーハの望ましくない汚染の回避又は減少にある。
【0016】
本発明により、導光及び光混合要素の比較的短い広がりに沿った後露光に使用される放射線の「狭窄(constriction)」に対応する効果は、1又は複数の光源上への追加光学要素の比較的複雑で高価な取り付けをそのために必要とすることなく実質的に達成される。
【0017】
その結果、本発明による照明ユニットは、ウェーハへの導光及び同じく光混合又は光均一化の2つの望ましい効果の組合せを達成するのに使用され、既に(少なくとも部分的に)構造化されたウェーハに対する望ましくない影響は、同時に回避される。
【0018】
一実施形態により、電磁放射線は、第2の対の側面では反射されない。
【0019】
一実施形態により、導光及び光混合要素は、電磁放射線に対して透明である材料で作られた固体ブロック(solid block)の形態に構成される。
【0020】
一実施形態により、第1の対の側面での複数の反射は、少なくとも1つの内部全反射(total internal reflection)を含む。
【0021】
一実施形態により、第1の対の側面はミラー面である。
【0022】
一実施形態により、第1の対の側面は、互いに平行であるようには配置されない。
【0023】
一実施形態により、照明ユニットは、電磁放射線を測定するための少なくとも1つの強度センサを有する。
【0024】
一実施形態により、照明ユニットは、複数の光源からなる光源配置を有する。
【0025】
一実施形態により、導光及び光混合要素は、屈折力を備えた光出口面を有する。
【0026】
一実施形態により、導光及び光混合要素は、回折又は屈折構造を備えた光出口面を有する。
【0027】
本発明は、更に、マイクロリソグラフィ投影露光方法に関し、本方法は、少なくとも部分的にフォトレジストがその上に塗布された基板を設ける段階と、照明デバイスと投影レンズとを有するマイクロリソグラフィ投影露光装置を設ける段階と、複数の投影段階で投影露光装置によって各場合に1つのマスク構造をフォトレジストの領域の上に投影する段階とを含み、これらの投影段階のうちの少なくとも1つの後に、上述の特徴を有する照明ユニットを用いたフォトレジストの後露光が行われる。
【0028】
本発明の更に別の構成は、本発明の説明及び従属請求項から集めることができる。
【0029】
本発明を添付図面に示す例示的実施形態に基づいて以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図2】a)及びb)は、本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図3】a)及びb)は、本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図4】a)及びb)は、本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図5】本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図6】本発明の様々な実施形態を説明するための概略図である。
図7】EUV範囲内の作動に対して設計されたマイクロリソグラフィ投影露光装置の可能な構成を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図7は、一例として与えられてEUV範囲での作動に対して設計された投影露光装置の概略図を示している。
【0032】
図7により、EUVに対して設計された投影露光装置10内の照明デバイスは、視野ファセットミラー3と瞳ファセットミラー4を含む。プラズマ光源1とコレクターミラー2とを含む光源ユニットからの光は、視野ファセットミラー3の上に向けられる。瞳ファセットミラー4の下流の光路内には第1のテレスコープミラー5及び第2のテレスコープミラー6が配置される。下流の光路内には、入射する放射線を6つのミラー21~26を含む投影レンズの物体平面の物体視野上に向ける偏向ミラー7が配置される。物体視野の場所には、感光層(フォトレジスト)で被覆された基板41がウェーハ台40上に置かれた像平面に投影レンズによって結像される反射構造担持マスク31がマスク台30上に配置される。
【0033】
個々のリソグラフィ段階の後にフォトレジスト又はウェーハの後露光(冒頭部で上述した)を実施するのに使用される本発明による照明ユニットの異なる実施形態をここで以下に説明する。この「後露光」により、実際のリソグラフィ段階において放射される(例えば、EUV)放射線のより確実な利用及びしたがってマイクロリソグラフィ投影露光装置の高いスループットを得ることが可能である。
【0034】
最初に、第1の実施形態における本発明による照明ユニットの構成及び機能を図1及び図2a~図2bの概略画像を参照して以下に説明する。
【0035】
図1により、第1の実施形態による照明ユニット100は、例示的実施形態では本発明による後露光に使用される電磁放射線の波長範囲に対して(すなわち、例えば、365nmの波長に対して)十分に透明であるブロックの形態に構成されるが本発明をこれに限定することのない導光及び光混合要素110を有する。
【0036】
例示的実施形態では、このブロック又は導光及び光混合要素110は、石英ガラス(SiO2)で生成される。更に別の実施形態では、対応する波長に対して透明である異なる適切な材料、例えば、フッ化カルシウム(CaF2)を使用することができる。
【0037】
照明ユニット100は、例示的実施形態では複数のLED121の配置の形態にある光源配置120を有し、それらのLED121は、例示的実施形態では導光及び光混合要素110を形成するブロックの光入射面に対応する側面上に装着される。
【0038】
図2a~図2bに最も明確に見ることができるように、LED121によって放出され、透明ブロックに入射する電磁放射線は、(ほぼ損失のない)内部全反射によって基板又はウェーハWの方向に向けられる。
【0039】
ここでは、導光及び光混合要素110を形成するブロックは、それが1つの方向(図2aのx方向)に光源120又はLED121とウェーハWの間の距離と比較して大きい空間広がりを有し、かつこの方向に対して垂直な空間方向(図2aのy方向)にこの広がりと比較して短い空間広がりを有するように、光伝播方向又はウェーハWの位置を基準として配置される。
【0040】
この構成は、導光及び光混合要素110を形成する比較的短い広がりに対応する空間方向(y方向)の相互に対向するブロックの側面上での内部全反射により、光源配置120のLED121から出る光線のこの方向への発散(単なる例として、30°の半開口角に対応する)を引き起こし、図2bによるウェーハWの近くまでの効率的な導光又は実質的に損失のない導光をもたらす。
【0041】
それとは対照的に、比較的大きいブロック広がりを有する空間方向(x方向)には、この方向の相互に対向するブロック側面上での反射は発生せず、この点で図2aに記載の個々のLED121から出る光線の良好な混合を提供する。
【0042】
本発明は、上述した透明ブロックとしての導光及び光混合要素110の実施に限定されない。例えば、更に別の実施形態での関連の要素110は、通過する光のための筐体を形成する互いに対向する側壁から作られるハウジングの形態に構成することもでき、図2bに記載の反射のための役割を受け持つそれらの側壁は反射性のものである。
【0043】
照明ユニット100は、センサ配置130を更に有し、それは、例示的実施形態では、導光及び光混合要素110を形成するブロック上に与えられた傾斜面又は面取り面115に沿って配置されてそれぞれのLED121によって放出された電磁放射線の強度をモニタするのに寄与する複数のフォトダイオード131から形成される。すなわち、個々のLED121の輝度は、それぞれの電流要件に従って追加のコントローラによって調節することができる。
【0044】
このコントローラは、特に、LED121の連続作動にわたるLED121の熱平衡の定常的な維持が必要ではないので、リソグラフィ処理の中断期間中(例えば、ウェーハの交換中)にLED121をオフに切り換えること(したがって、例えば、望ましくない散乱光を回避すること)を有利に可能にする。
【0045】
上述のLED121の輝度のモニタの別の利点は、個々のLEDのあらゆる欠陥を即座に検出することができ、その結果、必要に応じて、不均一な照明及び関連のウェーハWへの損傷を回避するために本発明による後露光を中断することができることである。
【0046】
本発明は、上述のLED121の配置の形態での光源配置120の実施に限定されない。更に別の実施形態では、例えば、放電ランプのような他の適切な光源を類似の方式で配置することができる。更に、単一の(例えば、ストリップ状の)光源を使用することもできる。
【0047】
図3a~図3bは、本発明の更に別の実施形態を示しており、類似か又は実質的に同じ機能を有する構成要素は、図1に対して「200」だけ増した参照記号によって表示している。
【0048】
図3a~図3bの実施形態は、導光及び光混合要素310を形成するブロックのウェーハWに対面する光出口面340に屈折力が与えられる点で図1及び図2a~図2bのものとは異なる。図3a~図3bの例示的実施形態では、光出口面340にこの目的で円筒形形状が与えられる。更に別の実施形態では、望ましい屈折力は、円筒形非球面によって実施するか又は光出口面340をフレネルレンズの形態に構成するか又は回折構造を有するように構成することによっても実施することができる。
【0049】
光出口面340での屈折力は、導光及び光混合要素310を形成するブロックを出る電磁放射線のy方向に沿った平行化をもたらし、その結果、光出口面340とウェーハWの間の作動距離とy方向(ウェーハの変位方向に従う)の照明広がりとの比を更に増大させることができる。したがって、y方向の照明を更に拡幅する必要なくウェーハWからの照明ユニット300の距離を増大させることができる。
【0050】
図4a~図4bは、更に別の実施形態を示しており、ここでもまた、類似であるか又は実質的に同じ機能を有する構成要素は、図3a~図3bに対して「100」だけ増した参照記号によって表示している。
【0051】
図4a~図4bの実施形態は、y方向に相互に対向する導光又は光混合要素410の2つの側面410a、410bが互いに平行であるようには整合せず、ある有限角度だけ傾斜される点で図1及び図2a~図2bとは異なっている。この構成の結果は、側面410a、410bの一方での電磁放射線の各反射においてz方向に対する電磁放射線の角度が変化することであり、その結果、y方向のビーム経路の平行化が同じく達成され、したがって、図3a~図3bと同じく、ウェーハWからの要素410の光出口面の作動距離の増大が可能になる。
【0052】
本発明による照明ユニットを用いたフォトレジスト又はウェーハの照明のシミュレーションの結果を示す図6に示す図は、原理的にあらゆる望ましい強度分布を本発明による照明ユニットによって上述の実施形態に従って設定することができることを示すように意図したものである。
【0053】
ここで、曲線「A」は、光源配置の単一LEDによってx方向に生成される強度分布を表すことを可能にするガウス分布を示している。曲線「B」(同じくx方向に沿ってプロットしたものである)は、光源配置内の全てのLEDのx方向に沿った(すなわち、「照明スリットの長辺」にわたる)強度の重ね合わせ又は総和によって取得可能である例示的プロファイルを示しており、ここで認識可能な局小値は、個々のLEDを減光することによってターゲット様式で調節されている。そのような減光なしでも、したがって、フォトレジストにわたって実質的に一定の強度プロファイルを実施することも可能である。
【0054】
図5は、更に別の実施形態による照明ユニット500の概略図を示しており、ここでもまた、図4a~図4bと類似又は実質的に機能的に同一構成要素は、「100」だけ増した参照記号によって表示している。
【0055】
図5に記載の実施形態は、x方向に沿って(1次元的に)散在する構造550が、導光及び光混合要素510を形成するブロックのウェーハWに対面する光出口面上に形成され、その結果、ウェーハWの照明をx方向又は要素510の大きい方の広がりを有する空間方向に沿って不鮮明化することができ、したがって、照明の更に別の均一化を得ることができる点で図1及び図2a~図2bからのものとは異なっている。拡散スクリーンとして機能する構造550は、回折構造として又は例えば小さいレンズ要素から(屈折効果に従って)構成することができる。
【0056】
本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、当業者には、例えば個々の実施形態の特徴の組合せ及び/又は入れ替えによって多くの変形及び代替実施形態が明らかであろう。したがって、そのような変形及び代替実施形態が本発明によって同時に包含され、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲及びその均等物の意味の範囲でのみ制限されることは当業者には当然のことである。
図1
図2a)】
図2b)】
図3a)】
図3b)】
図4a)】
図4b)】
図5
図6
図7