(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】プラズマ処理および/または熱処理を使用して、酸化ハフニウムに基づく強誘電体材料の性能を向上させるための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/316 20060101AFI20221214BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20221214BHJP
H01L 27/11585 20170101ALI20221214BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
H01L21/316 X
H01L21/31 C
H01L27/11585
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2020509491
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(86)【国際出願番号】 US2018045771
(87)【国際公開番号】W WO2019036252
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ヒュンソク・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ・ジョンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ファン・サン
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518639(JP,A)
【文献】特表2009-506537(JP,A)
【文献】特表2010-510677(JP,A)
【文献】特表2008-500741(JP,A)
【文献】特開2013-058559(JP,A)
【文献】特開2005-183940(JP,A)
【文献】特開2004-158481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/31
H01L 27/11585
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)を形成するための方法であって、
基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記基板上にHfO
2層を堆積させること、
前記HfO
2層のプラズマ処理を実施すること
、
前記HfO
2
層を堆積させるサイクルおよび前記HfO
2
層のプラズマ処理実施のサイクルを交互に行うこと、および
前記HfO
2層をアニールして、強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)を形成すること
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層をドープすることをさらに含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記HfO
2層をドープすることは、ケイ素、アルミニウム、イットリ
ウム、ランタン、およびジルコニウムの少なくとも1つで前記HfO
2層をドープすることを含む方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、前記HfO
2層をドープすることは、0~5mol%のドーパント種で前記HfO
2層をドープすることを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層を堆積させることは、HfO
2を前記基板上に堆積させるサイクルおよび前記堆積されたHfO
2をドープするサイクルを交互に行うことを含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層の厚さは、6~12nmである方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、少なくとも1つのプラズマガス種を使用して前記プラズマ処理を実施することを含み、前記少なくとも1つのプラズマガス種は、分子窒素(N
2)、アンモニア(NH
3)、分子酸素(O
2)、オゾン(O
3)、アルゴン(Ar)、ならびにアルゴンおよび分子水素(Ar/H
2)の少なくとも1つを含む方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、分子窒素(N
2)で前記プラズマ処理を実施することを含み、N
2で前記プラズマ処理を実施することは、前記HfO
2層の表面にHfO
xN
yの形成を引き起こす方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、前記プラズマ処理を15~60秒間実施することを含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、500~1200ワットの高周波(RF)電力で前記プラズマ処理を実施することを含む方法。
【請求項12】
請求項1
1に記載の方法であって、前記RF電力は、1~15MHzで提供される方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層をアニールすることは、500~1100℃の温度で前記HfO
2層をアニールすることを含む方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記HfO
2層をアニールすることは、800~1000℃の温度で前記HfO
2層をアニールすることを含む方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記アニールの前に、上部電極を前記HfO
2層上に堆積させることをさらに含む方法。
【請求項16】
請求項1
5に記載の方法であって、前記上部電極は、窒化タンタル、窒化チタン、およびタングステンの少なくとも1つを含む方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記基板上への前記HfO
2層を堆積させることは、前記基板上に形成されている下部層および底部電極の1つに前記HfO
2層を堆積させることを含む方法。
【請求項18】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)を含む基板を処理するための方法であって、
絶縁体層を含む基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、
前記絶縁体層上にHfO
2層を堆積させること、および
前記HfO
2層をアニールして、強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)を形成すること、
を含
み、
前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記熱処理および前記プラズマ処理を連続して実施することを含む、方法。
【請求項19】
請求項1
8に記載の方法であって、前記絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む方法。
【請求項20】
請求項1
8に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理を少なくとも1つ実施することは、前記基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む方法。
【請求項21】
請求項1
8に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記処理チャンバーに、N
2、N
2/H
2、NH
3、O
2、およびO
3の少なくとも1つを提供することを含む方法。
【請求項22】
請求項1
8に記載の方法であって、前記HfO
2層のプラズマ処理を実施することをさらに含む方法。
【請求項23】
請求項1
8に記載の方法であって、前記HfO
2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。
【請求項24】
請求項1
8に記載の方法であって、前記HfO
2層をドープすることをさらに含む方法。
【請求項25】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)を含む基板を処理するための方法であって、
絶縁体層を含む基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記絶縁体層上に少なくとも1つの第1のHfO
2層を堆積させること、
前記少なくとも1つの第1のHfO
2層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、
前記少なくとも1つの第1のHfO
2層上に少なくとも1つの第2のHfO
2層を堆積させること、および
前記少なくとも1つの第2のHfO
2層および前記少なくとも1つの第1のHfO
2層をアニールして、強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2)層を形成すること
を含む方法。
【請求項26】
請求項2
5に記載の方法であって、前記絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む方法。
【請求項27】
請求項2
5に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記熱処理および前記プラズマ処理を連続して実施することを含む方法。
【請求項28】
請求項2
5に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む方法。
【請求項29】
請求項2
5に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記処理チャンバーに、N
2、N
2/H
2、NH
3、O
2、およびO
3の少なくとも1つを提供することを含む方法。
【請求項30】
請求項2
5に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2層は、前記少なくとも1つの第2のHfO
2層を堆積させるために使用されるドーズ時間よりも長いドーズ時間に従って堆積される方法。
【請求項31】
請求項2
5に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2層を堆積させる前に、前記絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施することをさらに含む方法。
【請求項32】
請求項2
5に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2層および前記少なくとも1つの第2のHfO
2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年8月2日に出願された、米国実用新案出願第16/052,963号の優先権を主張するものであり、また、2017年12月1日に出願された米国特許仮出願第62/593,530号および2017年8月18日に出願された米国特許仮出願第62/547,360号の利益を主張するものである。上記に引用されている出願の開示は全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板を処理するための方法に関し、より具体的には、プラズマ処理および/または熱処理を使用して、酸化ハフニウムに基づく強誘電体材料を含むデバイスの性能を向上させるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の状況を一般的に提示するためのものである。本発明者らの研究は、この背景技術にて、ならびにそうでなければ出願時の従来技術とみなされ得ない説明の態様にて説明されている範囲において、本開示に対する先行技術であるとは明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
酸化ハフニウム(HfO2)に基づく材料に強誘電性挙動が発見されたことにより、強誘電体メモリ(FeRAM)に関する研究が盛んになった。ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などの従来型強誘電体材料は、厚さが50ナノメートル(nm)未満の場合、適切なスイッチングウィンドウを示さない。したがって、PZTは、50nm未満である特徴サイズを有するデバイス(例えば50nmよりも薄い膜)には使用することができない。
【0005】
HfO2は、保磁力場が高いため、5nmと薄い厚さまで優れた強誘電性スイッチングヒステリシスを示す。HfO2は、3Dメモリ構造の良好な候補でもある。HfO2は、ゲート誘電体としてCMOS技術に広く使用されている。こうした応用では、HfO2は、共形(conformal)原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される。したがって、HfO2は、現行の3D NAND集積スキームを使用した3D FeRAMへの集積に好適であり得る。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO2)を形成するための方法は、基板を基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、基板上にHfO2層を堆積させること、HfO2層のプラズマ処理を実施すること、およびHfO2層をアニールして、強誘電体酸化ハフニウム(HfO2
)を形成することを含む。
【0007】
他の特徴では、HfO2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される。本方法は、HfO2層をドープすることをさらに含む。HfO2層のドーピングは、ケイ素、アルミニウム、イットリア、ランタン、およびジルコニウムの少なくとも1つでHfO2層をドープすることを含む。HfO2層のドーピングは、0~60mol%のドーパント種でHfO2層をドープすることを含む。HfO2層の堆積は、基板上にHfO2を堆積させるサイクルおよび堆積させたHfO2をドープするサイクルを交互に行うことを含む。HfO2層の厚さは、6~12nmである。本方法は、さらにHfO2層の堆積およびHfO2層のプラズマ処理実施のサイクルを交互に行うことを含む。
【0008】
他の特徴では、プラズマ処理の実施は、少なくとも1つのプラズマガス種を使用して、プラズマ処理を実施することを含む。少なくとも1つのプラズマガス種としては、分子窒素(N2)、アンモニア(NH3)、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、アルゴン(Ar)、ならびにアルゴンおよび分子水素(Ar/H2)の少なくとも1つが挙げられる。プラズマ処理の実施は、分子窒素(N2)を用いてプラズマ処理を実施することを含み、N2を用いたプラズマ処理の実施は、HfO2層の表面上にHfOxNyの形成を引き起こす。
【0009】
他の特徴では、プラズマ処理の実施は、15~60秒間にわたってプラズマ処理を実施することを含む。プラズマ処理の実施は、500~1200ワットの高周波(RF)電力でプラズマ処理を実施することを含む。RF電力は、1~15MHzで提供される。HfO2層のアニールは、500~1100℃の温度でHfO2層をアニールすることを含む。HfO2層のアニールは、800~1000℃の温度でHfO2層をアニールすることを含む。アニールの前に、上部電極をHfO2層に堆積させる。上部電極は、窒化タンタル、窒化チタン、およびタングステンの少なくとも1つを含む。基板上へのHfO2層の堆積は、基板上に形成されている下部層および底部電極の1つにHfO2層を堆積させることを含む。
【0010】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO2)を含む基板を処理するための方法は、絶縁体層を含む基板を基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、絶縁体層上にHfO2層を堆積させること、およびHfO2層をアニールして、強誘電体酸化ハフニウム(HfO2
)を形成することを含む。
【0011】
他の特徴では、絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO2)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、熱処理およびプラズマ処理を連続して実施することを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、N2、N2/H2、NH3、O2、およびO3の少なくとも1つを処理チャンバーに提供することを含む。
【0012】
他の特徴では、本方法は、HfO2層のプラズマ処理を実施することをさらに含む。HfO2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される。本方法は、HfO2層をドープすることをさらに含む。
【0013】
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO2)を含む基板を処理するための方法は、絶縁体層を含む基板を基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、少なくとも1つの第1のHfO2層を絶縁体層上に堆積させること、少なくとも1つの第1のHfO2層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、少なくとも1つの第2のHfO2層を少なくとも1つの第1のHfO2層上に堆積させること、ならびに少なくとも1つの第2のHfO2層および少なくとも1つの第1のHfO2層をアニールして、強誘電体ハフニウム酸化(HfO2
)層を形成することを含む。
【0014】
他の特徴では、絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO2)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、熱処理およびプラズマ処理を連続して実施することを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む。熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つの実施は、N2、N2/H2、NH3、O2、およびO3の少なくとも1つを処理チャンバーに提供することを含む。
【0015】
他の特徴では、少なくとも1つの第1のHfO2層は、少なくとも1つの第2のHfO2層を堆積させるために使用されるドーズ時間よりも長いドーズ時間に従って堆積される。本方法は、少なくとも1つの第1のHfO2層を堆積させる前に、絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施することをさらに含む。少なくとも1つの第1のHfO2層および少なくとも1つの第2のHfO2層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される。
【0016】
本開示が適用可能なさらなる分野は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明白になるだろう。詳細な説明および具体的な例は、例示のために過ぎないことが意図されており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0017】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されることになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本開示による、窒化HfO
2を含む基板の側面断面視である。
【
図1B】本開示による、窒化HfO
2を含む基板の側面断面視である。
【0019】
【
図2】本開示による、HfO
2に基づく強磁性材料の漏洩電流を低減するための方法の一例のフローチャートである。
【0020】
【
図3】本開示による、HfO
2を堆積およびドープするための方法の一例のフローチャートである。
【0021】
【
図4】本開示による、HfO
2を堆積させ、任意選択でドープし、および窒化するための基板処理チャンバーの一例の機能ブロックダイアグラムである。
【0022】
【
図5】本開示による、金属層、強磁性体層、絶縁体層、および半導体層を含む積層体を含む基板の側面断面視である。
【0023】
【
図6】
図5の基板において、HfO
2を堆積させ、任意選択でドープし、および窒化するための方法の一例のフローチャートである。
【0024】
【
図7】本開示による、基板の堆積、任意選択のドーピング、およびプラズマ処理のための別の方法の一例のフローチャートである。
【0025】
【
図8】本開示による、基板の堆積、任意選択のドーピング、およびプラズマ処理のための別の方法の一例のフローチャートである。
【0026】
【
図9】本開示による、基板の堆積、ドーピング、およびプラズマ処理のための方法の一例のフローチャートである。
【0027】
【
図10】プラズマ処理を実施するために変圧器結合プラズマを使用する基板処理システムの機能ブロックダイアグラムである。
【0028】
【
図11A】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図11B】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図11C】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図11D】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図11E】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図11F】本開示による、絶縁体層を前処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【0029】
【
図12A】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図12B】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図12C】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図12D】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図12E】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【
図12F】本開示による、1つまたは複数のHfO
2層を処理することを含む例示的プロセスの側面断面視である。
【0030】
【
図13】本開示による、絶縁体層を前処理するためのおよび/または1つもしくは複数のHfO
2層を処理するための方法の一例のフローチャートである。
【0031】
図面において、参照番号は、類似のおよび/または同一の要素を特定するために再使用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
しかしながら、HfO2の熱安定性は、FeRAM応用を商業化するための障害である。600~650℃の温度は、堆積させたままの非晶質HfO2を強誘電体相へと結晶化させるのに十分な程度に高温であるが、多くの集積スキームは、少なくとも1000℃のサーマルバジェットを必要とする。より高いプロセス温度は、漏洩電流および/またはデバイスの短絡を増加させることにより、HfO2に基づくFeRAMを劣化させる。
【0033】
高温アニール後の漏洩の原因としては、上部電極/HfO2界面における欠陥発生が挙げられる。漏洩電流の別の原因は、HfO2の膜亀裂が挙げられる。HfO2が亀裂すると、上部および底部電極(典型的にはTiN)からの原子が、HfO2へと自由に拡散することができ、それにより最終的にはデバイスの故障が引き起こされる。
【0034】
本開示による方法は、HfO2に基づく強誘電体材料の漏洩電流を低減する。下記にさらに記載されている他のステップに加えて、本開示による方法は、ドープまたは非ドープHfO2を下部層上に堆積させること、および分子窒素(N2)、アンモニア(NH3)、分子酸素(O2)、オゾン(O3)、アルゴン(Ar)、ならびに/またはアルゴンおよび分子水素(Ar/H2)プラズマを使用してHfO2膜のプラズマ処理を実施することを含む。その後、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、イリジウム(Ir)、またはタングステン(W)などの上部電極を、処理したHfO2膜上に堆積させる。基板を、500℃から1100℃までの範囲の所定温度での急速熱アニールを使用してアニールする。同様の手法を、金属、強磁性体、絶縁体、および半導体(MFIS)層を含む積層体に使用することができる。
【0035】
プラズマ処理を使用して、HfO
2に基づく強誘電体材料の熱安定性を向上させる。プラズマ処理はHfO
2膜を高密度化し、それによりその後の高温アニール中の収縮(容積減少)および亀裂が少なくなる。
図2、3、および6では、プラズマ処理は、窒化を含む。
図7~9には、Ar、Ar/H
2、O
2、O
3、および/またはNH
3を使用する他のプラズマ処理が開示されている。
【0036】
例えば、N2プラズマの使用は、HfO2の表面にHfOxNyを形成する。HfO2表面の窒化は、その後の処理ステップでの上部電極/HfO2界面における欠陥の発生を低減し、それにより漏洩電流が軽減される。
【0037】
他の例では、HfO2のALDサイクル前におよび/またはサイクル間にプラズマおよび/または熱処理プロセスにより基板を前処理することにより、漏洩がさらに低減され、デバイスのメモリウィンドウの幅が広がる。
【0038】
ここで
図1Aおよび1Bを参照すると、本開示による、酸化ハフニウム(HfO
2)に基づく強誘電体材料を含むデバイスの一例が示されている。
図1Aでは、基板10は、1つまたは複数の下部層12、および下部層12に配置された底部電極14を含む。一部の例では、底部電極14は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、イリジウム(Ir)、またはタングステン(W)を含むが、他の電極材料を使用することができる。一部の例では、底部電極14は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積される。
【0039】
HfO2層16を堆積させる。一部の例では、堆積されたHfO2層16は、5nmから12nmまでの範囲の厚さを有する。一部の例では、HfO2層16を、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Yt)、ジルコニウム(Zr)、および/またはランタン(La)からなる群から選択されるドーパント種を使用してドープする。一部の例では、HfO2層16は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積させるが、他のプロセスを使用することができる。例えば、熱ALDまたはプラズマALDを使用することができる。一部の例では、HfO2層16をドープしない。他の例では、選択されたドーパント種の0mol%超から60mol%以下までの所定のドーピングレベルでHfO2層16をドープする。一部の例では、選択されたドーパント種の3mol%から5mol%までの所定のドーピングレベルでHfO2層16をドープする。
【0040】
一部の例では、T回のALDスーパーサイクルを実施して、ドープHfO2層を堆積させ、Tは1よりも大きな整数である。各ALDスーパーサイクルは、N回のALD HfO2サイクル、およびドーパント種のM回のALDサイクルを含み、T、N、およびMは、0よりも大きな整数である。スーパーサイクルの各々内のN回のALD HfO2サイクルおよびドーパント種のM回のALDサイクルは、任意の順序で実施することができる。一部の例では、プラズマ処理は、T回のスーパーサイクルの2つもしくは複数の間に、および/またはT回のスーパーサイクル後に実施される。
【0041】
HfO2層16のプラズマ処理を実施する。例えば、窒素ガス種を含むプラズマによりHfO2層16を窒化する。例えば、分子窒素(N2)ガスを使用してもよい。一部の例では、15秒から60秒までの範囲の所定期間中に窒化を実施する。一部の例では、RF電力は、100Wから15kWまでの範囲であってもよい。一部の例では、プラズマ電力は、500Wから1200Wまでの範囲である。一部の例では、RF周波数は、1MHzから15MHzまでの範囲であってもよい。一部の例では、RF周波数は、2.0MHzおよび/または13.56MHzである。
【0042】
窒化後、上部電極18をHfO2層16上に堆積させる。一部の例では、上部電極18は、TiN、TaN、Ir、またはWを含むが、他の電極材料を使用することができる。一部の例では、上部電極18は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積させる。
【0043】
上部電極18を堆積させた後、500℃から1100℃までの範囲の所定温度で基板10をアニールする。他の例では、アニール温度は、800℃から1000℃までの範囲である。アニール後、上部電極18をパターン化する。例えば、マスク20を使用してもよい。ウェットエッチングまたはドライエッチングを使用して上部電極をエッチングする。一部の例では、任意選択で、マスク20をエッチング後に除去する。他の例では、マスクを除去しない。
【0044】
図1Bには、デバイスの具体的な例が示されている。基板30は、ケイ素(Si)層32を含む。TiN製の底部電極34をSi層32上に配置する。SiドープHfO
2層36を底部電極34上に堆積させる。SiドープHfO
2層36を、本明細書に記載のプラズマ処理の1つを使用して処理し、その後TiN製の上部電極38をSiドープHfO
2層36上に堆積させる。基板30を所定温度でアニールする。上部電極38を、白金(Pt)などの不活性金属層40を使用してパターン化し、ウエットまたはドライエッチングを使用してエッチングする。
【0045】
ここで
図2を参照すると、方法60は、基板を準備することを含む。64では、底部電極層(TiN、TaN、Ir、またはWを含む)を基板上に堆積させる。66では、ドープまたは非ドープHfO
2層を底部電極層上に堆積させる。68では、プラズマおよび窒素種を使用してHfO
2層を窒化する。72では、上部電極層(TiN、TaN、Ir、またはWを含む)を、窒化されたHfO
2層上に堆積させる。74では、500℃から1100℃までの範囲の所定温度への急速熱アニールを使用して、基板を処理する。一部の例では、上部電極を、78にてパターン化し、82にてエッチングする。
【0046】
ここで
図3を参照すると、T回のALDスーパーサイクルを使用してドープHfO
2層を堆積させるための方法90が示されている。92では、N回のALD HfO
2サイクルを実施し、ドーパント種のM回のALDサイクルを実施する(T、N、およびMは、0よりも大きな整数である)。理解し得ることだが、N回のALD HfO
2サイクルおよびドーパント種のM回のALDサイクルは、所与のスーパーサイクル中に任意の順序で実施することができる。96では、本方法は、追加のスーパーサイクルを実施する必要がある場合には92へと戻るか、またはT回のスーパーサイクルが完了した場合には終了する。
【0047】
ここで
図4を参照すると、原子層堆積法(ALD)を使用してHfO
2層を堆積させ、任意選択でドープし、HfO
2層を窒化するための例示的な基板処理システム100が示されている。HfO
2層の堆積およびドーピングならびにその後の窒化は、この例では同じ処理チャンバーで実施されているが、個別の処理チャンバーを使用することができる。例えば、窒化は、変圧器結合プラズマ(transformer coupled plasma)(TCP)チャンバー(例えば、
図10に示されているように)、プラズマ化学蒸着(PECVD)チャンバー、高圧CVD(HPCVD)チャンバー、および/または遠隔プラズマ源を使用するチャンバーで実施することもできる。
【0048】
基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成要素を取り囲み、RFプラズマを含有する処理チャンバー102を含む。基板処理システム100は、上方電極104および静電チャック(ESC)106などの基板支持体を含む。作動中、基板108はESC106上に配置される。
【0049】
例示のために過ぎないが、上方電極104は、プロセスガスを導入および分配するシャワーヘッド109を含んでいてもよい。シャワーヘッド109は、処理チャンバーの上部表面に接続される1つの端部を含む軸部分を含んでいてもよい。底部部分は、一般に円柱状であり、処理チャンバーの上部表面から離間されている位置の軸部分の反対側の端部から放射状外側に伸長する。シャワーヘッドの底部部分の基板側表面またはフェイスプレートは、プロセスガスまたはパージガスが通過して流れる複数の穴を含む。あるいは、上方電極104は、導電性プレートを含んでいてもよく、プロセスガスは、別の様式で導入してもよい。
【0050】
ESC106は、下方電極として作動する導電性底部プレート110を含む。底部プレート110は、加熱プレート112を支持し、加熱プレート112は、セラミック多区画加熱プレートに相当してもよい。耐熱層114が、加熱プレート112と底部プレート110との間に配置されていてもよい。底部プレート110は、底部プレート110を通して冷却剤を流すための1つまたは複数の冷却剤チャネル116を含んでいてもよい。
【0051】
RF発生システム120は、RF電圧を発生させ、上方電極104および下方電極(例えばESC106の底部プレート110)の1つに出力する。上方電極104および底部プレート110の他方は、アース付きDC、アース付きAC、または未接続であってもよい。例示のために過ぎないが、RF発生システム120は、マッチングおよび配電ネットワーク124により、上方電極104または底部プレート110へと給送されるRF電圧を発生させるRF電圧発生器122を含んでいてもよい。他の例では、プラズマは、電磁誘導でまたは遠隔的に発生させてもよい。
【0052】
ガス搬送システム130は、1つまたは複数のガス供給源132-1、132-2、...および132-N(総称してガス供給源132)を含み、Nはゼロよりも大きな整数である。ガス供給源は、1つまたは複数の堆積前駆体およびそれらの混合物を供給する。ガス前駆体は、HfO2層および/または他の層の前駆体ガスを含んでいてもよい。また、ガス供給源は、パージガス、ならびにプラズマ窒化のための窒素種および/または他のプラズマ処理用の他のガス種(Ar、Ar/H2、NH3、O2、O3など)を含むガスを供給してもよい。また、気化前駆体を使用してもよい。ガス供給源132は、バルブ134-1、134-2、および134-N(総称してバルブ134)、ならびにマスフローコントローラ136-1、136-2、および136-N(総称してマスフローコントローラ136)によりマニフォールド138に接続されている。マニフォールド138の出力は、処理チャンバー102へと給送される。例示のために過ぎないが、マニフォールド138の出力は、シャワーヘッド109へと給送される。一部の例では、任意選択のオゾン発生器140が、マスフローコントローラ136とマニフォールド138との間に提供されていてもよい。一部の例では、基板処理システム100は、液体前駆体搬送システム141を含んでいてもよい。液体前駆体搬送システム141は、図示されるようにガス搬送システム130内に組み込まれていてもよく、またはガス搬送システム130の外部にあってもよい。液体前駆体搬送システム141は、バブラー、直接液体注入、蒸気吸引などにより、室温で液体および/または固体である前駆体を提供するように構成されている。
【0053】
温度コントローラ142が、加熱プレート112に配置された複数の熱制御要素(TCE)144に接続されていてもよい。例えば、TCE144としては、これらに限定されないが、多区画加熱プレートの各区画に対応するそれぞれのマイクロTCEおよび/または多区画加熱プレートの複数の区画にわたって設置されているマイクロTCEのアレイが挙げられてもよい。温度コントローラ142を使用して、複数のTCE144を制御し、ESC106および基板108の温度を制御してもよい。
【0054】
温度コントローラ142は、冷却剤アッセンブリ146と通信して、チャネル116を通る冷却剤流動を制御してもよい。例えば、冷却剤アッセンブリ146は、冷却剤ポンプおよびレザバーを含んでいてもよい。温度コントローラ142は、冷却剤アッセンブリ146を操作して、冷却剤を選択的にチャネル116に流し、ESC106を冷却する。
【0055】
バルブ150およびポンプ152を使用して、反応物を処理チャンバー102から排出してもよい。システムコントローラ160を使用して、基板処理システム100の構成要素を制御してもよい。ロボット170を使用して、基板をESC106上に搬送し、基板をESC106から取り除いてもよい。例えば、ロボット170は、ESC106とロードロック172との間の基板の移送を行ってもよい。温度コントローラ142は、個別のコントローラとして示されているが、システムコントローラ160内に実装されていてもよい。温度コントローラ142は、本開示の原理によるESC106の温度を評価するための1つまたは複数のモデルを実装するようにさらに構成されていてもよい。
【0056】
一般に、より多くの窒素が高プラズマ電力でHfO2表面に組み込まれると、それに伴って膜亀裂がより少なくなる。しかしながら、漏洩電流は、組み込まれた窒素の量に厳密には従わない場合がある。例えば、1000Wのプラズマにより処理された1つの試料は、わずか500Wにより処理された別の試料よりも漏洩が大きい場合がある。また、より高いプラズマ電力は、HfO2膜構造を破損する場合があり、それにより引いては漏洩電流が増加する。加えて、HfNは強誘電性ではないため、プラズマ窒化プロセスは、残留分極(Pr)を減少させる場合がある。
【0057】
逆に、500Wでのプラズマ時間を延長すると、1000℃/1秒アニール後に漏洩電流が低減されるが、15秒間では、漏洩電流の軽減が十分ではない場合がある。例えば、HfO2は、典型的には60秒間のプラズマ後に過剰窒化され、漏洩電流は10-8Aと低い。しかしながら、プラズマ時間が60秒間よりも長い場合、HfO2の強誘電性特性は著しく劣化する場合がある(例えば、Pr=7μC/cm2)。
【0058】
ここで
図5を参照すると、HfO
2の窒化および任意選択のドーピングは、金属、強磁性体、絶縁体、および半導体(MFIS)層を含む積層体にも使用することができる。基板200は、1つまたは複数の拡散領域214を含んでいてもよい半導体層210などの1つまたは複数の下部層を含む。絶縁体層220を、半導体層210上に堆積させる。一部の例では、絶縁体層220は、二酸化ケイ素(SiO
2)または窒化シリコン(SiN)を含む。ドープまたは非ドープHfO
2層224(上記に記載のような)を含む強磁性体層を、絶縁体層220上に堆積させる。ドープまたは非ドープHfO
2層224を、選択されたプラズマ処理を使用して処理する。金属層228を、ドープまたは非ドープHfO
2層224上に堆積させる。一部の例では、金属層228は、TiN、TaN、Ir、またはWを含む。金属層228を堆積させた後、500℃から1100℃までの範囲の温度で急速熱アニールを使用して基板をアニールする。
【0059】
ここで
図6を参照すると、
図5の積層体において、HfO
2を堆積させ、任意選択でドープし、および窒化するための方法250が示されている。252では、半導体基板を準備する。254では、絶縁体層を半導体基板上に堆積させる。一部の例では、絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2)または窒化シリコン(SiN)を含む。256では、ドープまたは非ドープHfO
2層を絶縁体層上に堆積させる。268では、窒素種を含むプラズマを使用してHfO
2層を窒化する。272では、金属層をHfO
2層上に堆積させる。一部の例では、金属層は、TiN、TaN、Ir、またはWを含む。274では、基板に対して、500℃から1100℃までの範囲の温度で急速熱アニールを実施する。一部の例では、金属層を、278にてパターン化し、282にてエッチングする。
【0060】
一部の例では、絶縁体層、ドープまたは非ドープHfO2層、および窒化は、同じ処理チャンバーで、または異なる処理チャンバーを使用して実施される。絶縁体層、ドープもしくは非ドープHfO2層、および/または金属層は、上記に記載のプロセスのいずれかを使用して堆積させることができる。
【0061】
ここで
図7を参照すると、基板のプラズマ処理中に他のガス種を使用して、漏洩電流を低減することができる。より詳しくは、アンモニア(NH
3)、分子酸素(O
2)、アルゴン(Ar)、またはアルゴンおよび分子水素の混合物(Ar/H
2)を含むガス種を使用することができる。
図7では、方法330は、基板を準備することを含む。33
4では、底部電極層(TiN、TaN、Ir、またはWを含む)を基板上に堆積させる。336では、ドープまたは非ドープHfO
2層を底部電極層上に堆積させる。338では、N
2、NH
3、O
2、O
3、Ar、および/またはAr/H
2からなる群から選択されるプラズマガス種によるプラズマを使用して、HfO
2層を処理する。340では、上部電極層(TiN、TaN、Ir、またはWを含む)を、窒化されたHfO
2層上に堆積させる。342では、500℃から1100℃までの範囲の温度への急速熱アニールを使用して、基板を処理する。上部電極を、344にてパターン化し、346にてエッチングする。
【0062】
ここで
図8を参照すると、
図5の積層体において、HfO
2を堆積させ、任意選択でドーピングし、およびプラズマ処理をするための方法350が示されている。352では、半導体基板を準備する。354では、絶縁体層を、半導体基板上に堆積させる。一部の例では、絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO2)または窒化シリコン(SiN)を含む。356では、ドープまたは非ドープHfO
2層を絶縁体層上に堆積させる。358では、N
2、NH
3、Ar、
O
3
、O
2、および/またはAr/H
2からなる群から選択されるプラズマガス種によるプラズマを使用して、HfO
2層を処理する。360では、金属層をHfO
2層上に堆積させる。一部の例では、金属層は、TiN、TaN、Ir、またはWを含む。362では、基板に対して、500℃から1100℃までの範囲の温度で急速熱アニールを実施する。一部の例では、金属層を、364にてパターン化し、366にてエッチングする。
【0063】
一部の例では、絶縁体層、ドープまたは非ドープHfO2層、およびプラズマ処理は、同じ処理チャンバーで、または異なる処理チャンバーを使用して実施される。絶縁体層、ドープもしくは非ドープHfO2層、および/または金属層は、上記に記載のプロセスのいずれかを使用して堆積させることができる。
【0064】
ここで
図9を参照すると、その間にプラズマ処理が行われるT回のALDスーパーサイクルを使用して、ドープHfO
2層を堆積させるための方法400が示されている。402では、N回のALD HfO
2サイクルを実施し、ドーパント種のM回のALDサイクルを実施し、T、N、およびMは、0よりも大きな整数である。理解し得ることだが、N回のALD HfO
2サイクルおよびドーパント種のM回のALDサイクルは、所与のスーパーサイクル中に任意の順序で実施することができる。404では、N
2、NH
3、Ar、O
2、O
3、および/またはAr/H
2からなる群から選択されるプラズマガス種によるプラズマを使用して、HfO
2層を処理する。406では、本方法は、追加のスーパーサイクルを実施する必要がある場合には402へと戻るか、またはT回のスーパーサイクルが完了した場合には終了する。
【0065】
ここで
図10を参照すると、本開示による、TCPプラズマ処理を実施するための基板処理システム510の一例が示されている。基板処理システム510は、コイル駆動回路511を含む。一部の例では、コイル駆動回路511は、RF発生源512および同調回路513を含む。同調回路513は、1つまたは複数の誘導コイル
516に直接接続されていてもよい。あるいは、同調回路513は、任意選択の反転回路515により、コイル516の1つまたは複数に接続されていてもよい。同調回路513は、RF発生源512の出力を、所望の周波数および/または所望の位相に同調させ、コイル516のインピーダンスと一致させ、TCPコイル516間に電力を分割する。反転回路515は、TCPコイル516の1つまたは複数を流れる電流の極性を選択的に切り替えるために使用される。反転回路515の例は、Satoらによる「Systems And Methods For Reversing RF Current Polarity At One Output Of A Multiple Output RF Matching Network」という題名の2015年3月30日に出願された同一出願人による米国特許出願第14/673,174号明細書に図示および記載されている。
【0066】
一部の例では、TCPコイル516と誘電体窓524との間には、誘電体窓の温度を高温および/または低温空気流動で制御するために、プレナム520が配置されていてもよい。誘電体窓524は、処理チャンバー528の1つの側面に沿って配置される。処理チャンバー528は、基板支持体(または台座)532をさらに含む。基板支持体532は、静電チャック(ESC)、または機械的チャック、または他のタイプのチャックを含んでいてもよい。プロセスガスを処理チャンバー528に供給し、処理チャンバー528内部でプラズマ540を発生させる。プラズマ540は、基板534の露出表面をエッチングする。RF発生源550およびバイアスマッチング回路552を使用して、作動中に基板支持体532にバイアスをかけ、イオンエネルギーを制御してもよい。
【0067】
ガス搬送システム556を使用して、プロセスガス混合物を処理チャンバー528へと供給してもよい。ガス搬送システム556は、プロセスおよび不活性ガス供給源557、バルブおよびマスフローコントローラなどのガス計量システム558、ならびにマニフォールド559を含んでいてもよい。ガス搬送システム560を使用して、ガス562をバルブ561を介してプレナム520へと搬送してもよい。ガスは、TCPコイル516および誘電体窓524を冷却するために使用される冷却気体(空気)を含んでいてもよい。加熱器/冷却器564を使用して、基板支持体532を所定温度に加熱/冷却してもよい。排気システム565は、パージまたは排出により処理チャンバー528から反応物を除去するためのバルブ566およびポンプ567を含む。
【0068】
コントローラ554を使用して、エッチングプロセスを制御してもよい。コントローラ554は、システムパラメータをモニターし、ガス混合物の搬送、プラズマのストライキング、維持、および消去、反応物の除去、ならびに冷却気体の供給などを制御する。加えて、下記で詳細に記載されるように、コントローラ554は、コイル駆動回路511、RF発生源550、およびバイアスマッチング回路552などの種々の態様を制御してもよい。
実施例
【0069】
TCPチャンバーでのHfO2のプラズマ処理を、4.2mol%のSiドーピングで試験した。堆積させたままのHfO2は、1000℃/1秒のアニール後に10-7Aの漏洩電流を示した。N2プラズマによる処理は、同じ1000℃/1秒のアニールを使用しても漏洩電流を10-8Aへと1桁減少させた。NH3、Ar、およびAr/H2ガス種を使用した他のプラズマ処理も試験した。NH3およびAr/H2プラズマ処理は、1000℃/1秒のアニール後に漏洩電流を2分の1に減少させた。より低いアニール温度(例えば、800℃)では、プラズマ処理(N2、NH3、Ar、およびAr/H2)はすべて、プラズマ処理を行わない試料と比較して漏洩電流を改善させた。プラズマ窒化は、強誘電体HfO2の残留分極(Pr)をわずかに低下させた。しかしながら、Pr値(15~17μC/cm2)は、目的仕様である15μC/cm2を依然として満たす。NH3およびAr/H2プラズマでも同じ結果が達成される。
【0070】
また、より高いドーピング(例えば、HfO2中5.7mol%のSi)による試料を同じプラズマ処理で研究した。より高いドーピング濃度は、初期サイクルでのウェイクアップ効果のため最適ではない。N2プラズマは、5.7mol%のSiを有するHfO2での漏洩電流を改善したが、NH3、Ar、およびAr/H2プラズマは、漏洩電流を増加させた。ArおよびAr/H2プラズマで処理した試料は、わずか1000回のスイッチサイクルで故障する。
【0071】
上部電極堆積前のHfO2のプラズマ処理は、HfO2表面の欠陥を軽減するが、バルクHfO2膜の欠陥は、別の漏洩電流の原因になる場合がある。したがって、本明細書に記載の方法の一部では、HfO2堆積のスーパーサイクル間にプラズマ処理を用いて、膜内の欠陥をさらに軽減する。例えば、8nmのHfO2後の単一回プラズマ処理ではなく、1、2、または4nm毎のHfO2堆積後に、基板をプラズマ処理に曝す。
【0072】
N2プラズマに加えて、Ar/H2およびNH3プラズマも、1000℃のアニール後、HfO2での漏洩電流を減少させる。N2プラズマは、漏洩電流改善に最も効果的な環境である。HfO2堆積およびプラズマ処理のスーパーサイクルは、強誘電体材料での漏洩電流をさらに減少させる能力を有する。他の例では、プラズマのタイプは、容量結合プラズマ(CCP)、下流もしくは遠隔プラズマ、またはマイクロ波プラズマに変えることができる。
基板の前処理および/またはHfO2層の処理
【0073】
他の例では、HfO2のALDのサイクル前におよび/またはサイクル間にプラズマおよび/または熱処理プロセスにより基板を前処理することにより、漏洩がさらに低減され、デバイスのメモリウィンドウの幅が広がる。例えば、強誘電体電界効果トランジスター(FeFET)では、強誘電体HfO2を、Si基板上に形成される金属層(例えば、上部電極)と誘電体層(例えば、絶縁体/界面層)との間に配置して、MFIS膜積層構造を形成する。絶縁体層は、MFIS膜積層体の性能特性にとって重要である。強誘電体材料での電荷反転は、フラットバンド電圧をシフトさせ、C-V曲線でのヒステリシスを引き起こし、トランジスターの閾値電圧(Vth)をシフトさせる。絶縁体層および/または絶縁体層と強誘電体材料との界面における欠陥は、電荷注入を引き起こす場合があり、それによりフラットバンド電圧がシフトし、強誘電体材料のC-Vヒステリシスに対して反対方向にC-Vヒステリシスが引き起こされる(C-Vヒステリシスの打ち消しが引き起こされる)。したがって、強誘電体材料の性能を向上させるには、絶縁体層および/または絶縁体層と強誘電体材料との界面における欠陥を最小限に抑えることが望ましい。
【0074】
下記に記載されるようなプラズマ処理および/または熱処理による基板の前処理は、下記により詳細に記載されるように、絶縁体層および/または絶縁体層と強誘電体材料との界面における欠陥を低減して、漏洩を低減させ、デバイスのメモリウィンドウの幅を広げる。前処理方法としては、熱処理、プラズマ処理、ならびに/または熱処理およびプラズマ処理の連続が挙げられる。処理のガス環境としては、N2、N2/H2、NH3、O2、および/またはO3が挙げられてもよい。基板は、ALD処理チャンバーで、またはALD処理チャンバーへと移送する前に別のチャンバーで前処理してもよい。一部の例では、絶縁体層の表面に対してHfO2(例えば、0.1~2.0nmのHfO2)の1つまたは複数のALDサイクルを実施した後で、前処理プロセスを実施してもよい。他の例では、ALDを実施する前におよびALDの1つまたは複数のサイクルの後に、基板に対して前処理プロセスを実施してもよい。処理プロセスを実施する前の1つまたは複数のALDサイクルの堆積条件は、その後のALDサイクルの堆積条件と異なっていてもよい。例えば、処理プロセスを実施する前の1つまたは複数のALDサイクルのオゾンドーズ時間は、その後のサイクルのオゾンドーズ時間よりも長くてもよい。
【0075】
ここで
図11A、11B、11C、11D、11E、および11Fを参照すると、(HfO
2)に基づく強誘電体材料をデバイス600に形成するための例示的プロセスが示されている。
図11Aでは、デバイス600は、基板(例えば、1つまたは複数の下部層)604、および下部層604上に配置されている界面/絶縁体層608(以下、絶縁体層と呼ぶ)を含む。例えば、下部層604は、ケイ素(Si)を含む。一部の例では、絶縁体層608は、二酸化ケイ素(SiO
2)またはケイ素オキシ窒化物(SiON)誘電体を含む。一部の例では、絶縁体層608は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積される。他の例では、絶縁体層608は、Siの熱酸化により形成してもよい。例えば、SiON、SiO
2のプラズマ窒化などを形成するために、窒素種(例えば、N
2OまたはN
2)を有する酸素環境下でSiの熱酸化をさせることにより絶縁体層608を形成してもよい。絶縁体層608は、その後のステップを実施するために使用されるチャンバーとは異なる処理チャンバーで堆積させてもよい。
【0076】
図11Bに示されているように、絶縁体層608の前処理を実施する。前処理は、絶縁体層608の堆積と同じまたは異なる処理チャンバーで実施してもよい。前処理は、熱処理、プラズマ処理、ならびに/または熱処理およびプラズマ処理の連続(例えば、熱処理ステップを行った後にプラズマ処理ステップを行う)を含んでいてもよい。前処理は、絶縁体層608の表面から欠陥(例えば、未結合炭化水素夾雑物)を除去する。例えば、空気への曝露は、絶縁体層608の表面上への炭化水素の吸収を引き起こす場合がある。前処理は、炭化水素夾雑物と処理チャンバー内のガスとの結合を促進する。その後、接合した炭化水素を処理チャンバーから除去(例えば、パージ)してもよい。
【0077】
熱処理は、プロセスガスを処理チャンバー内へと流しつつ、基板の温度を上昇させる(例えば、温度コントローラ142を使用して)ことを含んでいてもよい。例えば、基板を、1分間から最大で30分間、200から600℃までの温度に上昇させてもよい。一部の例では、基板を、300から400℃までの温度に上昇させる。プロセスガスとしては、N2、N2/H2、NH3、O2、および/またはO3が挙げられてもよい。温度が高いと、炭化水素夾雑物とプロセスガスとの結合が促進される。
【0078】
プラズマ処理は、プロセスガス(N2、N2/H2、NH3、O2、O3など)を流すこと、および処理チャンバー内でプラズマをストライキングさせることを含んでいてもよい。プラズマ処理は、基板の温度を上昇させて実施してもよいが、熱処理よりも著しく低い温度で(例えば50℃で)実施してもよい。したがって、プラズマ処理は、より高い熱処理温度を使用せずに、炭化水素夾雑物とプロセスガスとの結合を促進する。プラズマ処理は、1分間から最大で30分間実施してもよい。
【0079】
図11Cに示されているように、HfO
2層612を絶縁体層608上に堆積させ、上部電極616をHfO
2層612上に堆積させる。一部の例では、堆積されたHfO
2層612は、2nmから12nmまでの範囲の厚さを有する。一部の例では、HfO
2層612を、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Yt)、ジルコニウム(Zr)、および/またはランタン(La)からなる群から選択されるドーパント種を使用してドープする。一部の例では、HfO
2層612を、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積させるが、他のプロセスを使用することができる。例えば、熱ALDまたはプラズマALDを使用することができる。一部の例では、HfO
2層612をドープしない。他の例では、選択されたドーパント種の0mol%超から60mol%以下までの所定のドーピングレベルでHfO
2層612をドープする。一部の例では、選択されたドーパント種の3mol%から5mol%までの所定のドーピングレベルでHfO
2層612をドープする。HfO
2層612は、非晶質であってもよい。
【0080】
任意選択でHfO2層612のプラズマ処理を実施してもよい。例えば、窒素ガス種を含むプラズマによりHfO2層612を窒化する。例えば、分子窒素(N2)ガスを使用してもよい。一部の例では、15秒から60秒までの範囲の所定期間中に窒化を実施する。一部の例では、RF電力は、100Wから15kWまでの範囲であってもよい。一部の例では、プラズマ電力は、500Wから1200Wまでの範囲である。一部の例では、RF周波数は、1MHzから15MHzまでの範囲であってもよい。一部の例では、RF周波数は、2.0MHzおよび/または13.56MHzである。
【0081】
上部電極616を、HfO2層612上に堆積させる。一部の例では、上部電極616は、TiN、TaN、Ir、またはWを含むが、他の電極材料を使用することができる(例えば、Pt、Au、Pd、Al、Mo、Ni、Tiなど)。一部の例では、上部電極616は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積される。上部電極616を堆積させた後、デバイス600を、500℃から1100℃までの範囲の所定温度でアニールする。他の例では、アニール温度は、800℃から1000℃までの範囲である。
【0082】
アニールした後、上部電極616を、
図11D、11E、および11Fに示されているように、パターン化する。例えば、
図11Dに示されているように、マスク620を堆積させてもよい。マスク620は、白金(Pt)を含んでいてもよい。上部電極616を、
図11Eに示されているように、ウェットエッチングまたはドライエッチングを使用してエッチングする。一部の例では、マスク620を、任意選択で、
図11Fに示されているようにエッチング後に除去する。他の例では、マスクを除去しない。
【0083】
ここで
図12A、12B、12C、12D、12E、および12Fを参照すると、(HfO
2)に基づく強誘電体材料をデバイス700に形成するための別の例示的プロセスが示されている。
図12Aでは、デバイス700は、基板(例えば、1つまたは複数の下部層)704、および下部層704上に配置されている界面/絶縁体層708(以下、絶縁体層と呼ばれる)を含む。例えば、下部層704は、ケイ素(Si)を含む。一部の例では、絶縁体層708は、二酸化ケイ素(SiO
2)またはケイ素オキシ窒化物(SiON)誘電体を含む。一部の例では、絶縁体層708は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積される。別の例では、絶縁体層708は、Siの熱酸化により形成してもよい。例えば、SiON、SiO
2のプラズマ窒化などを形成するために、窒素種(例えば、N
2OまたはN
2)を有する酸素環境下でSiを熱酸化させることにより絶縁体層708を形成してもよい。絶縁体層708は、その後のステップを実施するために使用されるチャンバーとは異なる処理チャンバーで堆積させてもよい。
【0084】
図12Bに示されているように、絶縁体層708の任意選択の前処理を実施する。前処理は、絶縁体層708の堆積と同じまたは異なる処理チャンバーで実施してもよい。前処理は、熱処理、プラズマ処理、ならびに/または熱処理およびプラズマ処理の連続(例えば、熱処理ステップを行った後にプラズマ処理ステップを行う)を含んでいてもよい。前処理は、
図11Bに上述されているように、絶縁体層708の表面から欠陥(例えば、未結合炭化水素夾雑物)を除去する。
【0085】
図12Cに示されているように、1つまたは複数のALDサイクルを実施して、HfO
2の1つまたは複数の薄層710(例えば、0.1~2.0nmのHfO
2)を絶縁体層708上に堆積させる。例えば、こうした初期ALDサイクルは、180~300℃の温度および0.1~2.0Torrの圧力にて、10~60秒のオゾンドーズ時間、1~5秒の前駆体ドーズ時間、および30~75秒のパージ時間(つまり、前駆体およびオゾンをパージするための)で実施してもよい。一部の例では、オゾンドーズ時間は、
図12Eのオゾンドーズ時間よりも長い。例えば、
図12Cのオゾンドーズ時間は45~60秒であり、
図12Eのオゾンドーズ時間は10~45秒である。初期ALDサイクルのオゾンドーズ時間を長くすることにより、絶縁体層708の界面およびHfO
2の薄層710における酸素空格子点を最小限に抑えてもよい。
【0086】
図12Dに示されているように、HfO
2層の堆積層710の処理を実施する。処理は、
図11Bに上述されているように、熱処理、プラズマ処理、ならびに/または熱処理およびプラズマ処理の連続(例えば、熱処理ステップを行った後にプラズマ処理ステップを行う)を含んでいてもよい。
【0087】
図12Eに示されているように、HfO
2の残りの層を層710上に堆積させてHfO
2層712を形成し、上部電極716をHfO
2層712上に堆積させる。一部の例では、堆積させたHfO
2層712は、2nmから12nmまでの範囲の厚さを有する。一部の例では、HfO
2層712を、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Yt)、ジルコニウム(Zr)、および/またはランタン(La)からなる群から選択されるドーパント種を使用してドープする。一部の例では、HfO
2層712は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積させるが、他のプロセスを使用することができる。例えば、熱ALDまたはプラズマALDを使用することができる。一部の例では、HfO
2層
712をドープしない。他の例では、選択されたドーパント種の0mol%超から60mol%以下までの所定のドーピングレベルでHfO
2層712をドープする。一部の例では、選択されたドーパント種の3mol%から5mol%までの所定のドーピングレベルでHfO
2層712をドープする。HfO
2層712は、非晶質であってもよい。
【0088】
任意選択で、完成したHfO2層712の追加プラズマ処理を実施してもよい。例えば、HfO2層712を、窒素ガス種を含むプラズマにより窒化する。例えば、分子窒素(N2)ガスを使用してもよい。一部の例では、15秒から60秒までの範囲の所定期間中に窒化を実施する。一部の例では、RF電力は、100Wから15kWまでの範囲であってもよい。一部の例では、プラズマ電力は、500Wから1200Wまでの範囲である。一部の例では、RF周波数は、1MHzから15MHzまでの範囲であってもよい。一部の例では、RF周波数は、2.0MHzおよび/または13.56MHzである。
【0089】
上部電極716を、HfO2層712上に堆積させる。一部の例では、上部電極716は、TiN、TaN、Ir、またはWを含むが、他の電極材料を使用することができる(例えば、Pt、Au、Pd、Al、Mo、Ni、Tiなど)。一部の例では、上部電極716は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積させる。上部電極716を堆積させた後、デバイス700を、500℃から1100℃までの範囲の所定温度でアニールする。他の例では、アニール温度は、800℃から1000℃までの範囲である。
【0090】
アニールした後、上部電極716を、
図12Fに示されているように、パターン化する。例えば、
図11D、11E、および11Fに記載されている様式と同様の様式で、マスクを堆積させ、上部電極716をエッチングし、エッチングした後でマスクを除去する。
【0091】
ここで
図13を参照すると、本開示による、絶縁体層を前処理するためのおよび/または1つもしくは複数のHfO
2層を処理するための方法800の一例は、804から始まる。808では、基板を準備する。例えば、1つまたは複数の下部層および絶縁体層を含む基板を、処理チャンバーの基板支持体上に配置する。絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2)またはケイ素オキシ窒化物(SiON)を含んでいてもよい。例えば、界面層は、同じ処理チャンバーまたは異なる処理チャンバー内で原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積させてもよい。
【0092】
812では、絶縁体層の任意選択の前処理を実施する。例えば、前処理は、
図11Bに上述されているように、熱処理および/またはプラズマ処理を含んでいてもよい。HfO
2の堆積層の任意選択の処理が実施される例では、方法800は、816および820へと続く。そうでなければ、方法800は、824へと続く。816では、ALDの1つまたは複数のサイクルを実施して、
図12Cに上述されているようにHfO
2の薄層を堆積させる。820では、HfO
2の堆積層の処理を実施する。例えば、HfO
2の堆積層の処理は、
図12Dに上述されているように、熱処理および/またはプラズマ処理を含んでいてもよい。したがって、812、816、および820では、方法800は、絶縁体層の前処理および/またはHfO
2の堆積薄層の処理を実施する。言い換えれば、方法800は、絶縁体層の前処理のみ、HfO
2の堆積薄層の処理のみ、または絶縁体層の前処理およびHfO
2の堆積薄層の処理の両方を実施してもよい。
【0093】
824では、ドープまたは非ドープHfO2層を、絶縁体層(例えば、ALDを使用して)上に、または816および820にて以前に絶縁体層上に堆積させたHfO2の薄層上に堆積させる。828では、任意選択でHfO2層のプラズマ処理を実施してもよい。例えば、HfO2層を、窒素ガス種を含むプラズマにより窒化してもよい。832では、上部電極(例えば、TiN、TaN、Ir、またはW)を、HfO2層上に堆積させる。例えば、上部電極は、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)、または物理蒸着法(PVD)を使用して堆積される。836では、基板、絶縁体層、HfO2層、および上部電極を、500℃から1100℃まで(例えば、800℃から1000℃まで)の範囲の所定温度でアニールして、強誘電体HfO2を形成する。上部電極を、840にてパターン化し(例えば、上部電極上のマスクをパターン化してもよい)、844にてエッチングしてもよい。方法800は848で終了する。
実施例
【0094】
1つの例では、SiO2絶縁体層を、ALD温度(例えば200℃)のALD処理チャンバー内でオゾンを用いて前処理した(つまり、一切のHfO2 ALDサイクルを実施する前に)。この例では、漏洩電流はわずかに低減された。対照的に、5~9回のサイクルHfO2 ALD(例えば0.5~0.9nm)後にオゾンによる処理を実施した例では、漏洩電流は、絶縁体層を前処理した試料と比べてより多量に低減された。漏洩電流の低減は、膜積層体の欠陥がより少ないことを示し、これは、MFISスイッチングにおけるC-Vヒステリシスが向上したことを示唆する。
【0095】
別の例では、HfO2の初期薄層(例えば、2nm)を堆積させるための条件を変化させて、欠陥を減少させてもよい。例えば、初期ALDサイクル中のO3ドーズ時間(例えば、最初の2nmのための)は、処理後に実施されるALDサイクルのO3ドーズ時間より長くてもよい。したがって、強誘電体スイッチングにおける漏洩特徴が抑制される。処理前および処理後のALDサイクルのO3ドーズ時間が同じである例では、FEヒステリシスは、P-E曲線でのFEスイッチングにも関わらず、C-V曲線では観察されなかった。C-Vヒステリシスが存在しないのは、絶縁体/強誘電体界面での欠陥密度が高いことに起因する可能性がある。電荷注入は、FEスイッチングの効果を打ち消す。対照的に、処理前の最初の2nmのHfO2でのO3適用がより長い例では、C-V曲線にて0.2Vのメモリウィンドウが観察された。最初の2nmのO3ドーズ時間を延長すると、界面での欠陥密度が減少し、したがって電荷注射が抑制される。メモリウィンドウが、少しではあるがC-V曲線に生じ、強誘電体スイッチングを示す。
【0096】
別の例では、HfO2 ALDを実施する前に、基板に対して成膜ガスアニール(FGA)ステップを実施した。ALDの前に300℃で実施したFGAは、漏洩のさらなる改善を示さなかった。しかしながら、メモリウィンドウは、FGAを行わなかった試料での~0.3Vから、ALD前にFGAを実施した試料での~0.55Vへと増加した。したがって、本明細書に記載の前処理および処理方法とFGAとの組合せは、メモリウィンドウをさらに増加させてもよい(例えば、1.0Vへと)。
【0097】
こうした記載の例では、試料は、4.2mol%のSiを有する8nmのHfO2層を含んでいた。HfO2の厚さは、2から12nmまで様々であってもよい。HfO2層は、ドープされなくともよく、またはAl、Y、Gd、Sr、La、およびZrなどのドーパントを含有してもよい。ドーパント濃度は、Siの場合0~6mol%と様々であり、他のドーパントは、0~60mol%のより広い範囲を有していてもよい。強誘電体HfO2は、600~1000℃のN2下で金属キャップ(例えば、TiN)を用いてアニールすることにより形成される。
【0098】
先述の説明は、性質が例示であるに過ぎず、いかなる点でも本開示、その出願、または使用を限定することは意図されていない。本開示の幅広い教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、本図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を研究すれば他の改変が明らかになるため、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法内の1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更しない限り、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことが理解されるべきである。さらに、実施形態の各々は、ある特徴を有すると上記に記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載されているそうした特徴の任意の1つまたは複数は、その組合せが明示的に記載されていない場合であっても、他の実施形態のいずれかの特徴におよび/またはいずれかの特徴と組み合わせて実施することができる。言い換えれば、記載されている実施形態は互いに排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態と1つの別のものとの交換は、依然として本開示の範囲内にある。
【0099】
要素間(例えば、モジュール、回路素子、半導体層間など)の空間的および機能的関係性は、「接続されている」、「係合されている」、「繋がっている」、「隣接する」、「~の隣に」、「~の上部に」、「上に」、「下に」、および「設置されている」を含む、種々の用語を使用して記載される。第1および第2の要素間の関係性が上記の開示に記載されている場合、「直接」であると明示的に記載されていない限り、その関係性は、第1および第2の要素間に他の介在要素が存在しない直接的関係性であってもよいが、第1および第2の要素間に1つまたは複数の介在要素が存在する(空間にまたは機能的のいずれでもよい)間接的関係性であってもよい。本明細書で使用される場合、語句「A、B、およびCの少なくとも1つ」は、非排他的論理ORを使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0100】
一部の実施では、コントローラは、上述の例の一部であってもよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバー、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理用構成要素(ウエハ台座、ガス流動システムなど)を含む半導体処理装置を含んでいてもよい。こうしたシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後にそれらの作動を制御するための電子機器と統合されていてもよい。電子機器は、1つまたは複数のシステムの種々の構成要素または下位部品を制御してもよい「コントローラ」と呼ばれる場合がある。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、プロセスガスの搬送、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RFマッチング回路設定、周波数設定、流速設定、流体搬送設定、位置および作動設定、ツールへのおよびツールからのウエハ移送および他の移送ツール、ならびに/または特定のシステムに接続されているかもしくはインターフェースされているロードロックを含む、本明細書に開示されているプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。
【0101】
おおまかに言えば、コントローラは、命令を受け取る、命令を発する、作動を制御する、洗浄作動を可能にする、およびエンドポイント測定を可能にするなどの種々の集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義してもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウエアの形態のチップ、デジタルシグナルプロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)であると定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサーもしくはマイクロコントローラを含んでいてもよい。プログラム命令は、半導体ウエハに対するもしくは関するまたはシステムに対する特定のプロセスを実施するための作動パラメータを定義する種々の個々の設定の形態(またはプログラムファイル)でコントローラと通信する命令であってもよい。作動パラメータは、一部の実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイスの製作中に、1つまたは複数の処理ステップを遂行するように工程技師により定義されるレシピの一部であってもよい。
【0102】
コントローラは、一部の実施では、システムに統合されているか、システムと繋がっているか、そうでなければシステムとネットワークされているか、またはそれらの組合せであるコンピュータの一部であってもよくまたは繋がっていてもよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能にすることができる「クラウド」にあってもよく、またはファブホストコンピュータシステムのすべてまたは一部であってもよい。コンピュータは、製作作動の現在の進行をモニターするために、過去の製作作動の履歴を検討するために、複数の製造作動のトレンドもしくはパフォーマンスメトリックを検討するために、現在の処理のパラメータを変化させるために、現在の処理後の処理ステップを設定するために、または新しいプロセスを開始させるために、システムに対して遠隔アクセスが可能であってもよい。一部の例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよいネットワークを介してプロセスレシピをシステムに提供することができる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでいてもよく、パラメータおよび/または設定は、その後遠隔コンピュータからシステムへと通信される。一部の例では、コントローラは、1つまたは複数の作動中に実施される処理ステップの各々のパラメータを指定する命令をデータの形態で受け取る。パラメータは、実施しようとするプロセスのタイプ、およびコントローラがインターフェースを形成するようにまたは制御するように構成されているツールのタイプの専用であってもよいことが理解されるべきである。したがって、上記に記載されているように、コントローラは、互いにネットワークされており、本明細書に記載のプロセスまたは制御などの共通目的のために作動する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことなどにより、分散されていてもよい。そのような目的のための分散コントローラの一例は、チャンバーでのプロセスを制御するために結合されており遠隔に位置する(プラットフォームレベルでのまたは遠隔コンピュータの一部としてなどの)1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバーにある1つまたは複数の集積回路であるだろう。
【0103】
限定ではないが、例示的システムとしては、以下のものが挙げられてもよい:プラズマエッチチャンバーまたはモジュール、堆積チャンバーまたはモジュール、スピンリンスチャンバーまたはモジュール、金属めっきチャンバーまたはモジュール、洗浄チャンバーまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバーまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバーまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバーまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバーまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバーまたはモジュール、イオン打ち込みチャンバーまたはモジュール、トラックチャンバーまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連してもよくまたは使用されてもよい任意の他の半導体処理システム。
【0104】
上記に注記されているように、ツールにより実施しようとする1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスターツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場全体にわたって位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、またはウエハの容器をツール位置および/または半導体製造工場の積卸し所へとまたはから運搬する材料輸送に使用されるツールの1つまたは複数と通信してもよい。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2
)を形成するための方法であって、
基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記基板上にHfO
2
層を堆積させること、
前記HfO
2
層のプラズマ処理を実施すること、および
前記HfO
2
層をアニールして、強誘電体ハフニウムHfO
2
を形成すること
を含む方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。
[適用例3]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層をドープすることをさらに含む方法。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、前記HfO
2
層をドープすることは、ケイ素、アルミニウム、イットリア、ランタン、およびジルコニウムの少なくとも1つで前記HfO
2
層をドープすることを含む方法。
[適用例5]
適用例3に記載の方法であって、前記HfO
2
層をドープすることは、0~5mol%のドーパント種で前記HfO
2
層をドープすることを含む方法。
[適用例6]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層を堆積させることは、HfO
2
を前記基板上に堆積させるサイクルおよび前記堆積されたHfO
2
をドープするサイクルを交互に行うことを含む方法。
[適用例7]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層の厚さは、6~12nmである方法。
[適用例8]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層を堆積させるサイクルおよび前記HfO
2
層のプラズマ処理実施のサイクルを交互に行うことをさらに含む方法。
[適用例9]
適用例1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、少なくとも1つのプラズマガス種を使用して前記プラズマ処理を実施することを含み、前記少なくとも1つのプラズマガス種は、分子窒素(N
2
)、アンモニア(NH
3
)、分子酸素(O
2
)、オゾン(O
3
)、アルゴン(Ar)、ならびにアルゴンおよび分子水素(Ar/H
2
)の少なくとも1つを含む方法。
[適用例10]
適用例1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、分子窒素(N
2
)で前記プラズマ処理を実施することを含み、N
2
で前記プラズマ処理を実施することは、前記HfO
2
層の表面にHfO
x
N
y
の形成を引き起こす方法。
[適用例11]
適用例1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、前記プラズマ処理を15~60秒間実施することを含む方法。
[適用例12]
適用例1に記載の方法であって、前記プラズマ処理を実施することは、500~1200ワットの高周波(RF)電力で前記プラズマ処理を実施することを含む方法。
[適用例13]
適用例12に記載の方法であって、前記RF電力は、1~15MHzで提供される方法。
[適用例14]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層をアニールすることは、500~1100℃の温度で前記HfO
2
層をアニールすることを含む方法。
[適用例15]
適用例1に記載の方法であって、前記HfO
2
層をアニールすることは、800~1000℃の温度で前記HfO
2
層をアニールすることを含む方法。
[適用例16]
適用例1に記載の方法であって、前記アニールの前に、上部電極を前記HfO
2
層上に堆積させることをさらに含む方法。
[適用例17]
適用例16に記載の方法であって、前記上部電極は、窒化タンタル、窒化チタン、およびタングステンの少なくとも1つを含む方法。
[適用例18]
適用例1に記載の方法であって、前記基板上への前記HfO
2
層を堆積させることは、前記基板上に形成されている下部層および底部電極の1つに前記HfO
2
層を堆積させることを含む方法。
[適用例19]
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2
)を含む基板を処理するための方法であって、
絶縁体層を含む基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、
前記絶縁体層上にHfO
2
層を堆積させること、および
前記HfO
2
層をアニールして、強誘電体ハフニウムHfO
2
を形成すること、
を含む方法。
[適用例20]
適用例19に記載の方法であって、前記絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2
)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む方法。
[適用例21]
適用例19に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記熱処理および前記プラズマ処理を連続して実施することを含む方法。
[適用例22]
適用例19に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理を少なくとも1つ実施することは、前記基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む方法。
[適用例23]
適用例19に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記処理チャンバーに、N
2
、N
2
/H
2
、NH
3
、O
2
、およびO
3
の少なくとも1つを提供することを含む方法。
[適用例24]
適用例19に記載の方法であって、前記HfO
2
層のプラズマ処理を実施することをさらに含む方法。
[適用例25]
適用例19に記載の方法であって、前記HfO
2
層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。
[適用例26]
適用例19に記載の方法であって、前記HfO
2
層をドープすることをさらに含む方法。
[適用例27]
基板処理システムにおいて強誘電体酸化ハフニウム(HfO
2
)を含む基板を処理するための方法であって、
絶縁体層を含む基板を、前記基板処理システムの処理チャンバー内に配置すること、
前記絶縁体層上に少なくとも1つの第1のHfO
2
層を堆積させること、
前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施すること、
前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層上に少なくとも1つの第2のHfO
2
層を堆積させること、および
前記少なくとも1つの第2のHfO
2
層および前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層をアニールして、強誘電体ハフニウムHfO
2
層を形成すること
を含む方法。
[適用例28]
適用例27に記載の方法であって、前記絶縁体層は、二酸化ケイ素(SiO
2
)およびケイ素オキシ窒化物(SiON)の1つを含む方法。
[適用例29]
適用例27に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記熱処理および前記プラズマ処理を連続して実施することを含む方法。
[適用例30]
適用例27に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記基板の温度を1~30分間にわたって200~600℃に上昇させることを含む方法。
[適用例31]
適用例27に記載の方法であって、前記熱処理および前記プラズマ処理の少なくとも1つを実施することは、前記処理チャンバーに、N
2
、N
2
/H
2
、NH
3
、O
2
、およびO
3
の少なくとも1つを提供することを含む方法。
[適用例32]
適用例27に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層は、前記少なくとも1つの第2のHfO
2
層を堆積させるために使用されるドーズ時間よりも長いドーズ時間に従って堆積される方法。
[適用例33]
適用例27に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層を堆積させる前に、前記絶縁体層の熱処理およびプラズマ処理の少なくとも1つを実施することをさらに含む方法。
[適用例34]
適用例27に記載の方法であって、前記少なくとも1つの第1のHfO
2
層および前記少なくとも1つの第2のHfO
2
層は、原子層堆積法(ALD)を使用して堆積される方法。