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特許71947253Dメモリ構造における高アスペクト比孔形成へのボトムアップアプローチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】3Dメモリ構造における高アスペクト比孔形成へのボトムアップアプローチ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/1158 20170101AFI20221215BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20221215BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20221215BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 21/302 20060101ALI20221215BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01L27/1158
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
H01L21/88 B
H01L21/302 201A
H01L21/302 301
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020512673
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018048342
(87)【国際公開番号】W WO2019050714
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/554,528
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴパルラジャ, プラバラム
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, サスミット シンハー
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-109099(JP,A)
【文献】特開2005-076039(JP,A)
【文献】特開2016-105465(JP,A)
【文献】特開2010-205904(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0125518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11517-11582
H01L 21/336
H01L 21/3205
H01L 21/302
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ構造を形成する方法であって、
構造化された基板のフィーチャ内に金属膜を堆積させることであって、前記構造化された基板が、前記基板の表面から一定の深さで前記基板の中に延びる複数のフィーチャを備える、金属膜を堆積させることと、
前記金属膜を体積膨張させて、前記フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーを形成することと、
前記ピラーの高さより小さい厚さにブランケット膜を堆積させることであって、当該ブランケット膜が、前記ピラーの上部に形成される、ブランケット膜を堆積させることと、
前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去することと、
前記複数のフィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、前記ピラーの高さを、前記ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げることと、
所定の高さの構造を成長させるために、前記金属膜を堆積させること、ピラーを形成すること、前記ブランケット膜を堆積させること、前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去すること、及び前記ピラーの高さを下げることを任意選択的に反復することと、
前記構造化された基板の前記フィーチャからすべての前記ピラーを除去することと
を含む方法。
【請求項2】
前記フィーチャ内に前記金属膜を堆積させることが、前記フィーチャ内に及び前記基板表面に共形金属膜を形成することと、前記基板表面から前記金属膜を除去することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板表面から前記金属膜を除去することが、化学的機械的平坦化(CMP)又は金属選択的エッチングのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属膜を体積膨張させることが、前記金属膜を酸化させること又は窒化させることのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属膜が、タングステンを含み、前記ピラーが、酸化タングステンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ブランケット膜が、複数の交互層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記交互層が、酸化物層、及び金属層又は窒化物層を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ブランケット膜が、非共形堆積によって堆積される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去することが、化学的機械的平坦化(CMP)又は選択的エッチング処理のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去することと同時に前記ピラーの高さが下げられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ピラーの高さを下げることが、前記ピラーをエッチング液に曝すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記エッチング液が、金属ハロゲン化物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記構造化された基板の前記フィーチャからすべての前記ピラーを除去することが、前記ブランケット膜又は前記基板に実質的に影響を及ぼすことなく、前記ピラーを金属ハロゲン化物のエッチャントに曝して、前記ピラーを選択的に除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
メモリ構造を形成する方法であって、
複数のフィーチャが内部に形成された表面を有する構造化された基板を設けることであって、前記フィーチャが、前記基板の前記表面から一定の深さで延びる、構造化された基板を設けることと、
前記構造化された基板の前記フィーチャ内に共形金属膜を堆積させ、前記構造化された基板の前記表面にオーバーバーデンを形成することと、
前記金属膜が実質的に前記フィーチャ内のみに残るように、前記基板の前記表面から前記オーバーバーデンを除去することと、
前記基板の前記フィーチャ内の前記金属膜を酸化させ、前記フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーを形成することであって、当該ピラーが、高さ及び上部を有する、ピラーを形成することと、
化物層と窒化物層を交互に含むブランケット膜を堆積させることであって、当該ブランケット膜が、前記ピラーの高さより小さい厚さに堆積され、当該ブランケット膜が、前記ピラーの上部に形成される、ブランケット膜を堆積させることと、
前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去することと、
前記ピラーの前記上部が前記ブランケット膜の前記表面より低くなり、前記フィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、前記ピラーの高さを、前記ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げることと、
所定の高さの構造を成長させるために、前記金属膜を堆積させること、ピラーを形成すること、前記ブランケット膜を堆積させること、前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去すること、及び前記ピラーの高さを下げることを任意選択的に反復することと、
前記構造化された基板の前記フィーチャからすべての前記ピラーを除去することと
を含む方法。
【請求項15】
メモリ構造を形成する方法であって、
(a)複数のフィーチャが内部に形成された表面を有する構造化された基板を設けることであって、前記フィーチャが、前記基板の前記表面から一定の深さで延びる、構造化された基板を設けることと、
(b)前記構造化された基板の前記フィーチャ内に共形金属膜を堆積させ、前記構造化された基板の前記表面にオーバーバーデンを形成することと、
(c)前記金属膜が実質的に前記フィーチャ内のみに残るように、前記基板の前記表面から前記オーバーバーデンを除去することと、
(d)前記基板の前記フィーチャ内の前記金属膜を酸化させ、前記フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーを形成することであって、当該ピラーが、高さ及び上部を有する、ピラーを形成することと、
(e)酸化物層と窒化物層を交互に含むブランケット膜を堆積させることであって、当該ブランケット膜が、前記ピラーの高さより小さい厚さに堆積され、当該ブランケット膜が、前記ピラーの上部に形成される、ブランケット膜を堆積させることと、
(f)前記ピラーの前記上部から前記ブランケット膜を除去することと、
(g)前記ピラーの前記上部が前記ブランケット膜の前記表面より低くなり、前記フィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、前記ピラーの高さを、前記ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げることと、
(h)所定の高さの構造を成長させるために、(b)から(g)を任意選択的に反復することと、
(i)前記構造化された基板の前記フィーチャからすべての前記ピラーを除去することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施態様は、概して、高アスペクト比フィーチャを形成するための方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、概して、3Dメモリ構造のための高アスペクト比の孔又はトレンチを形成するボトムアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]サブハーフミクロンのフィーチャ及びより小さなフィーチャを確実に生産することは、半導体デバイスの次世代の超大規模集積(VLSI)及び極超大規模集積(ULSI)の主要な技術的課題のうちの1つである。しかしながら、回路技術の限界が押し上げられ、VLSI及びULSI技術において縮小する寸法により、処理能力にさらなる要求が突きつけられることになった。基板に信頼度の高いゲート構造を形成することは、VLSI及びULSIの成功にとって重要なことであり、且つ個々の基板やダイの回路密度や品質を高める継続的な取り組みにとって重要なことである。
【0003】
[0003]次世代のデバイス及び構造の製造を可能にするために、半導体チップにおいてフィーチャの3次元(3D)積層が用いられることが多い。特に、半導体チップにおいて3次元(3D)構造を形成するためにフィン電界効果トランジスタ(FinFET)がよく用いられる。トランジスタを従来の2次元の代わりに3次元に配置することによって、複数のトランジスタを互いにかなり接近させて集積回路(IC)内に配置することができる。
【0004】
[0004]高アスペクト比(HAR)構造の形成は、通常、様々なエッチング処理によって達成される。形成される構造のアスペクト比が増加するにつれて、不均一な形状の構造が形成される傾向が大きくなる。
【0005】
[0005]したがって、当該技術分野では、均一性が改善された高アスペクト比構造を形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の1つ以上の実施形態は、メモリ構造を形成する方法を対象とする。金属膜は、構造化された基板のフィーチャ内に堆積される。構造化された基板は、基板の表面から一定の深さで基板の中に延びる複数のフィーチャを備えている。金属膜が体積膨張させられることにより、フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーが形成される。ブランケット膜は、ピラーの高さより小さい厚さに堆積される。ブランケット膜は、ピラーの上部に形成される。ブランケット膜は、ピラーの上部から除去される。フィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、ピラーの高さは、ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げられる。所定の高さの構造を成長させるために、金属膜を堆積させること、ピラーを形成すること、ブランケット膜を堆積させること、ピラーの上部からブランケット膜を除去すること、及びピラーの高さを下げることが任意選択的に反復される。構造化された基板のフィーチャからすべてのピラーが除去される。
【0007】
[0007]本開示の追加の実施形態は、メモリ構造を形成する方法を対象とする。複数のフィーチャが内部に形成された表面を有する構造化された基板が設けられる。フィーチャは、基板の表面から一定の深さで延びる。構造化された基板のフィーチャ内に共形金属膜が堆積され、構造化された基板の表面にオーバーバーデンが形成される。金属膜が実質的にフィーチャ内のみに残るように、基板の表面からオーバーバーデンが除去される。基板のフィーチャ内の金属膜が酸化され、フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーが形成される。ピラーは、高さ及び上部を有する。交互する酸化物層と窒化物層を含むブランケット膜が堆積される。ブランケット膜は、ピラーの高さより小さい厚さに堆積される。ブランケット膜は、ピラーの上部に形成される。ブランケット膜は、ピラーの上部から除去される。ピラーの上部がブランケット膜の表面より低くなり、フィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、ピラーの高さは、ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げられる。所定の高さの構造を成長させるために、金属膜を堆積させること、ピラーを形成すること、ブランケット膜を堆積させること、ピラーの上部からブランケット膜を除去すること、及びピラーの高さを下げることが任意選択的に反復される。構造化された基板のフィーチャからすべてのピラーが除去される。
【0008】
[0008]本開示のさらなる実施形態は、メモリ構造を形成する方法を対象とする。当該方法は、(a)複数のフィーチャが内部に形成された表面を有する構造化された基板を設けることであって、フィーチャが、基板の表面から一定の深さで延びる、構造化された基板を設けることと、(b)構造化された基板のフィーチャ内に共形金属膜を堆積させ、構造化された基板の表面にオーバーバーデンを形成することと、(c)金属膜が実質的にフィーチャ内のみに残るように、基板の表面からオーバーバーデンを除去することと、(d)基板のフィーチャ内の金属膜を酸化させ、フィーチャから真っ直ぐ延びるピラーを形成することであって、当該ピラーが、高さ及び上部を有する、ピラーを形成することと、(e)交互する酸化物層と窒化物層を含むブランケット膜を堆積させることであって、当該ブランケット膜が、ピラーの高さより小さい厚さに堆積され、当該ブランケット膜が、ピラーの上部に形成される、ブランケット膜を堆積させることと、(f)ピラーの上部からブランケット膜を除去することと、(g)ピラーの上部がブランケット膜の表面より低くなり、フィーチャが少なくとも部分的に再形成されるように、ピラーの高さを、ブランケット膜の厚さより低くなるように、下げることと、
(h)所定の高さの構造を成長させるために、(b)から(g)を任意選択的に反復することと、(i)構造化された基板のフィーチャからすべてのピラーを除去することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
[0009]本開示の上述のフィーチャを詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【0010】
図1A】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1F】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1G】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1H】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1I】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1J】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1K】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1L】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図1M】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理の部分的概略断面図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態に係る処理シーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0012]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明で提示される構成又は処理ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
[0013]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「基板(substrate)」及び「ウエハ(wafer)」という用語は、交換可能に使用されており、いずれも処理が作用する表面又は表面の一部のことを指す。これも当業者には当然のことであるが、基板に対して言及がなされるとき、文脈上他のことが明示されない限り、基板の一部のみを指す場合がある。さらに、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、1つ以上の膜又はフィーチャが上部に堆積又は形成された基板との両方を意味し得る。
【0013】
[0014]本明細書で使用される「基板」とは、製造処理中に膜処理が実行される任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実施され得る基板表面には、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレーター(silicon on insulator:SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった、他の任意の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化(又はさもなければ化学官能性を付与するためにターゲット化学部分(chemical moieties)を生成又はグラフトする)、アニール、且つ/又はベークする前処理プロセスに曝されてもよい。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された任意の膜処理ステップは、以下でより詳細に開示される基板上に形成された下層にも実施され得る。「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の曝露面が基板表面となる。所与の基板表面が何を含むかは、どのような膜が堆積されるか、及び使用される特定の化学的性質に左右される。
【0014】
[0015]本開示の実施形態は、進歩的なボトムアップカラム/ピラー成長を使用して、3Dメモリ構造において高アスペクト比(HAR)孔を形成する方法を有利に提供する。幾つかの実施形態は、均一に成形されたHARフィーチャを形成する方法を有利に提供する。幾つかの実施形態は、ピラー成長及び選択的エッチング処理を使用して、HARフィーチャを形成する方法を有利に提供する。幾つかの実施形態では、タングステンが、基板の孔又はトレンチの構造上に堆積され、(例えば、酸化により)体積膨張し、孔又はトレンチから出て成長するピラーを形成する。当該ピラーは、適切な金属(例えば、タングステン)から選択的に成長したボトムアップピラー(bottom-up pillars)である。当該ピラーは、特定の化学的性質(例えば、WCl、WCl)によって選択的に除去することができる。
【0015】
[0016]図1Aから図1Mは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、高アスペクト比フィーチャを形成している間の電子デバイス構造の断面図を示す。図2は、図1Aから図1Mに示す高アスペクト比フィーチャを形成するための例示的な処理フローを示す。
【0016】
[0017]方法100は、構造化された基板112が処理のために設けられる処理110から始まる。このように使用される表現「設けられる(provided)」とは、基板が、さらなる処理のためにある位置又は環境内に配置されることを意味する。図1Aに示すように、基板112は、表面113を有し、少なくとも1つのフィーチャ114を含む。図面に示される実施形態は、2つのフィーチャ114を示しているが、当業者であれば、2つより多くのフィーチャ又は2つより少ないフィーチャがあってもよいことを理解するであろう。フィーチャ114の形状は、トレンチ及び円筒状ビアを含む任意の適切な形状であってもよいが、これに限定されない。幾つかの実施形態では、フィーチャ114は、孔又はビアである。このように使用される用語「フィーチャ(feature)」は、任意の意図的な表面の凸凹を意味する。フィーチャ114は、任意の適切アスペクト比(フィーチャの深さとフィーチャの幅との比)を有してもよく、ピラー形成の基礎として機能することになる。ピラーの形成は、高アスペクト比の孔の形成処理の整合に使用される。
【0017】
[0018]少なくとも1つのフィーチャ114は、基板112の上面113において開口を形成する。フィーチャ114は、上面113から、深さDへと、底面まで延びる。フィーチャ114は、フィーチャ114の幅Wを画定する第1の側壁及び第2の側壁を有する。側壁と底面によって形成される開口領域は、間隙(gap)とも呼ばれる。
【0018】
[0019]図1B及び図1Cに示すように、手順120及び130では、構造化された基板112のフィーチャ114内に金属膜122が形成又は堆積される。図1Cに示すように、金属膜122の上部123が、基板112の表面113と同一平面上になるか、又はその下方に位置するように、金属膜122を形成することができる。図示の実施形態では、フィーチャ114内の金属膜122の形成は、図1B及び図1Cに示すように、堆積手順及びオーバーバーデン(overburden、被り部分)除去手順を含む。当業者であれば、当該処理は、フィーチャ114内で堆積が生じるように、オーバーバーデンを形成しない単一の処理であり得ることを理解するであろう。
【0019】
[0020]図1Bに示す手順120では、金属膜122は、フィーチャ114内に及び基板112の表面113に堆積され、それにより、オーバーバーデン124が形成される。オーバーバーデンは、フィーチャ114の外側で表面113上に形成される膜の一部として定義される。
【0020】
[0021]金属膜122の堆積は、熟練した技術者に知られている任意の適切な技法又は処理によって行うことができる。幾つかの実施形態では、フィーチャ114が、継ぎ目がほとんどないか又は全くない状態で充填され、オーバーバーデン124が形成されるように、共形金属膜(conformal metal film)122は堆積される。本明細書で使用する「共形性(conformal)」又は「共形的(conformally)」という用語は、膜の平均的な厚さに対して1%未満の変形を有する厚さで露出面に付着し、その面を均一に覆う層のことを指す。例えば、1000Åの厚さの膜は、その厚さの変形が10Å未満になる。この厚みと変形は、凹部の端部、角部、側部、及び底部を含む。例えば、本開示の様々な実施形態において、ALDによって堆積された共形層は、複雑な表面上の実質的に均一な厚さの堆積領域の上にカバレッジをもたらすことになる。幾つかの実施形態では、金属膜122は、原子層堆積(ALD)処理によって堆積される。
【0021】
[0022]金属膜122は、後続の電気化学的酸化処理によって体積膨張させることができる任意の適切な金属を含み得る。適切な金属には、2より大きい、2.25より大きい、又は2.5より大きいピリング-ベッドワース比(Pilling-Bedworth ratio)を有する金属が含まれるが、これらに限定されない。ピリング-ベッドワース比とは、金属酸化物の基本セルの体積と、酸化物が形成される対応金属の基本セルの体積との比を指す。ピリング-ベッドワース比は、Voxide/Vmetalとして定義される。ここで、Vは堆積である。金属酸化物のピリング-ベッドワース比を決定するために、Voxideは、金属酸化物の分子質量に金属の密度を乗じたものに等しく、Vmetalは、酸化物の1分子当たりの金属の原子数に金属の原子質量を乗じたものに酸化物の密度を乗じたものに等しい。このような膜の例としては、Co、Mo、W、Ta、Ti、Ru、Rh、Cu、Fe、Mn、V、Nb、Hf、Zr、Y、Al、Sn、Cr、Os、U、及び/又はLaのうちの1つ以上が含まれる。幾つかの実施形態では、金属は、2より大きい、2.25より大きい、又は2.5より大きいピリング-ベッドワース比を有する。幾つかの実施形態では、金属は、Mo、Os、及びVからなる群から選択される。幾つかの特定の実施形態では、金属は、タングステンを含む。幾つかの特定の実施形態では、金属膜は、実質的にタングステンからなる。このように使用される「実質的にタングステンからなる(consists essentially of tungsten)」という表現は、バルク金属膜(すなわち、基板又は膜の表面の隣なりに界面領域を含まない金属膜)が、原子ベースで約95%、98%、又は99%以上のタングステンであることを意味する。
【0022】
[0023]手順130では、オーバーバーデン124を含む金属膜122を形成した後、金属膜122は、基板表面113から除去される。言い換えると、金属膜122のオーバーバーデン124が基板表面113から除去される。図1Cに示すように、オーバーバーデン124を除去した後、基板表面113及び金属膜122の上部123が露出する。金属膜122は、フィーチャ114内に完全に含まれるように、上面113から除去される。金属膜122は、任意の適切なエッチング処理によって除去され得る。幾つかの実施形態では、金属膜122は、化学的機械的平坦化(CMP)処理によって除去される。
【0023】
[0024]幾つかの実施形態では、実質的にすべての金属膜122がフィーチャ114内で形成される。このように使用される表現「実質的にすべて(substantially all)」とは、膜の約95%、98%、又は99%以上が、重量基準でフィーチャ114内に形成されることを意味する。
【0024】
[0025]幾つかの実施形態では、金属膜122は、フィーチャ114内に選択的に堆積され、基板112の上面113には堆積されない。これらの実施形態では、基板122は、図1Bのような外観を呈することなく、図1Aから図1Cへと流れるように処理されることになる。幾つかの実施形態では、当該方法は、金属膜122を、フィーチャ114の深さD以下の高さHまで、トレンチ内に選択的に堆積させることを含む。一実施形態では、金属膜122は、トレンチの容量の少なくとも10%を充填する。他の実施形態では、金属膜122は、トレンチの容量の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%を充填する。幾つかの実施形態では、フィーチャ114内に堆積された金属膜122は、フィーチャ114の深さの約98%、95%、90%、80%、70%、60%、又は50%以下の高さを有する。
【0025】
[0026]手順140では、図1Dに示すように、金属膜122は、体積膨張してピラー132を形成する。ピラー132は、フィーチャ114内の金属膜122を処理して、ピラー132を形成するために膜の材料体積を膨張させることにより、形成することができる。ピラー132は、基板112の上面113を越えて延びる。
【0026】
[0027]金属膜122の膨張は、約10%から約1000%の範囲内、又は約50%から約800%の範囲内、又は約100%から約700%の範囲内にあり得る。幾つかの実施形態では、金属膜122は、約150%、200%、250%、300%、又は350%以上の量まで膨張する。1つ以上の実施形態では、膜を処理すると、膜の体積が少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、又は400%増加する結果となる。複数のフィーチャ114が金属膜122で充填されると、複数のピラー132が形成され得る。
【0027】
[0028]一実施形態では、金属膜122を処理することは、膜を酸化環境に曝すことを含む。幾つかの実施形態では、金属膜122を処理することは、O、O、NO、HO、H、CO、CO、NH、N/Ar、N/He、又はN/Ar/Heのうちの1つ以上を含む酸化剤に膜を曝露することを含む。幾つかの実施形態では、酸化条件には、熱酸化、プラズマ強化酸化、遠隔プラズマ酸化、マイクロ波、及び高周波(例えば、ICP、CCP)が含まれる。
【0028】
[0029]金属膜122の処理は、例えば、膜の組成及び膨張剤に応じて、任意の適切な温度で行われ得る。幾つかの実施形態では、膜膨張は、約25℃から約1100℃の範囲内の温度で行われる。幾つかの実施形態では、膨張は、約250℃、300℃、350℃、400℃、約450℃、500℃、又は約550℃以上の温度で行われる。幾つかの実施形態では、金属膜122の処理は、約450℃、又は400℃、又は350℃、又は300℃、又は約250℃、又は200℃以上の温度で行われる。幾つかの実施形態では、金属膜122は、タングステンを含み、約150℃から約200℃の範囲内の温度で形成される。
【0029】
[0030]図1Dに示すように、膨張の間、フィーチャの形状の忠実度が維持され、ピラー132がフィーチャ114から真っ直ぐ上に成長する。このように使用されている表現「真っ直ぐ上(straight up)」とは、ピラー132の側面が、フィーチャ114の側壁114と実質的に同一平面であることを意味する。表面は、側壁と同一平面にあり、側壁214と表面との接合点で形成される角度は、±10°である。この点に関して、側壁が上面に対して垂直であれば、フィーチャから「真っ直ぐ上に」延びる膨張膜は、基板の上面に対して直交すると説明することができる。
【0030】
[0031]金属膜122をピラー132に変換する反応は、金属膜122内に存在する金属原子の酸化状態を増加させる任意の反応であり得る。適切な反応には、酸化反応、ホウ素化反応、窒化反応、シリサイド化反応、又はゲルマニウム化反応(germaniciding reaction)が含まれるが、これらに限定されない。当業者であれば、金属膜122を処理して、ピラー132を形成するために、他の処理及び反応を用いてもよいことを理解するであろう。
【0031】
[0032]幾つかの実施形態では、金属膜122は、酸化剤又は酸化条件に曝されることによって膨張する。酸化剤は、O、O、NO、HO、H、CO、CO、NH、N/Ar、N/H、N/Ar/He、及びこれらの組合せを含む任意の適切な酸化剤であり得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、酸化条件には、熱酸化、プラズマ強化酸化、遠隔プラズマ酸化、マイクロ波、及び高周波(例えば、ICP、CCP)が含まれる。
【0032】
[0033]幾つかの実施形態では、金属膜122は、窒化剤又は窒化条件に曝され、金属を金属窒化物膜に変換することによって膨張する。窒化剤は、アンモニア、ヒドラジン、NO、N/Arプラズマ、N/Heプラズマ、N/Ar/Heプラズマ、及びこれらの組合せを含む任意の適切な窒化剤であり得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、窒化条件には、熱窒化、プラズマ強化窒化、遠隔プラズマ窒化、マイクロ波、及び高周波(例えば、ICP、CCP)が含まれる。
【0033】
[0034]幾つかの実施形態では、金属膜122は、シリサイド化剤(siliciding agent)又はシリサイド化条件に曝され、金属を金属シリサイド膜に変換することによって膨張する。シリサイド化剤は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、トリメチルシラン、トリメチルシリル置換基を有する化合物、及びこれらの組み合わせを含む任意の適切なシリサイド化剤であり得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、シリサイド化条件は、熱シリサイド化、プラズマ強化シリサイド化(plasma enhanced siliciding)、遠隔プラズマシリサイド化(remote plasma siliciding)、マイクロ波、及び高周波(例えば、ICP、CCP)を含む。
【0034】
[0035]幾つかの実施形態では、金属膜122は、ゲルマニウム剤又はゲルマニウム化条件に曝され、金属を金属ゲルマニサイド膜(metal germanicide film)に変換することによって膨張する。ゲルマニウム化剤は、ゲルマン、ジゲルマン、トリゲルマン、テトラゲルマン、ペンタゲルマン、ヘキサゲルマン、トリメチルゲルマニウム、トリメチルゲルマニル置換基(trimethylgermanyl substituents)を有する化合物、及びこれらの組み合わせを含む任意の適切なゲルマニウム化剤であり得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、ゲルマニサイド条件は、熱ゲルマニサイド化(thermal germaniciding)、プラズマ強化ゲルマニサイド化(plasma enhanced germaniciding)、遠隔プラズマゲルマニサイド化(remote plasma germaniciding)、マイクロ波、及び高周波(例えば、ICP、CCP)を含む。
【0035】
[0036]幾つかの実施形態では、金属膜122は、タングステンを含み、ピラー132は、酸化タングステン(WOx)を含む。幾つかの実施形態では、金属膜122は、実質的にタングステンからなり、ピラー132は、実質的に酸化タングステンからなる。このように使用される「実質的に~からなる(consists essentially of)」という表現は、対象の膜又はピラーが、原子ベースで、上述の1つ又は複数の元素の約95%、98%、又は99%以上であることを意味する。例えば、実質的に酸化タングステンからなるピラーは、ピラーの原子組成の約95%以上の合計量のタングステン原子及び酸素原子を有する。
【0036】
[0037]処理150では、図1Eに示すように、ブランケット膜142が、ピラー132の高さHよりも低い厚さTまで堆積される。ピラー132の高さHは、基板112の表面113(又は図1Jに示すブランケット膜の最上層)から測定される。幾つかの実施形態では、ブランケット膜142は、非共形堆積処理(non-conformal deposition process)(例えば、プラズマ化学気相堆積)によって形成される。ブランケット膜142の形成の間、一定量のブランケット膜144が、ピラー132の上部に形成又は堆積される。
【0037】
[0038]ブランケット膜142は、積層堆積された均質な材料又は材料の組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、図1Eに示すように、ブランケット膜142は、複数の交互層142a、142bを含む。交互層142a、142bは、金属層、窒化物層、又は酸化物層を含む任意の適切な材料であり得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、ブランケット膜142は、互いに交互する、酸化物層と、金属層又は窒化物層のうちの1つ以上の層とを含む。幾つかの実施形態では、ブランケット膜142は、互いに交互する、酸化物層と窒化物層とを含む。
【0038】
[0039]交互層142a、142bの厚さは、任意の適切な厚さであってもよく、各層について同一である場合があり、又は異なる場合がある。幾つかの実施形態では、交互層142Ta、142bは、それぞれほぼ同じ厚さである。層の数は、例えば、ピラー132の高さH及び交互層142a、142bの厚さにより変動し得る。
【0039】
[0040]手順160では、図1Fに示すように、ピラー132の上部のブランケット膜144が除去される。ピラー132の上部におけるブランケット膜144の除去は、CMP又は選択的誘電体エッチング(selective dielectric etch)を含む任意の適切な技法によって行うことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、ブランケット膜144をピラー132から除去すると同時にピラー132の高さHが下がり、それにより、ピラー132の上部133は、ブランケット膜142の上部143と等しくなるか又はそれよりも低くなる。
【0040】
[0041]手順170では、図1Gに示されるように、ピラー132は、ブランケット膜142内に凹設され、それにより、ピラー132の上部143は、ブランケット膜142の上部143より低くなる。ピラー132の高さは、ピラー132がブランケット膜142の厚さTよりも低くなるように、下げられる。凹設されたピラー132は、さらなる処理のために複数のフィーチャ114を少なくとも部分的に再形成する。当業者であれば、凹設されたピラーによって部分的に再形成されたフィーチャ114は、構造化された基板112に最初に設けられたフィーチャと全く同じでないことを理解するであろう。むしろ、部分的に再形成されたフィーチャ114は、ブランケット膜142の初期のフィーチャに幾らか同等の物理的配向をもたらす。
【0041】
ピラー132は、任意の適切なエッチング処理によって凹設され得る。幾つかの実施形態では、ピラー132をエッチングすることは、ピラー132を金属ハロゲン化合物に曝すことを含む。幾つかの実施形態では、金属ハロゲン化合物は、ピラー132とは異なる金属を有する。
【0042】
[0043]幾つかの実施形態では、ピラー132をエッチングすることは、金属ハロゲン化物前駆体とも呼ばれる金属及びハロゲン含有前駆体(例えば、WCl)への曝露を含む。金属ハロゲン化物前駆体は、ピラー132と反応し得る。
【0043】
[0044]幾つかの実施形態では、金属ハロゲン化物前駆体への曝露により、ピラー材料との発熱反応が引き起こされ、基板処理領域内にプラズマは存在しない。1つ以上の実施形態によれば、基板処理領域に入る前に、金属ハロゲン化物前駆体を励起するプラズマはない。
【0044】
[0045]例示的な非限定的な処理では、ピラーは、タングステンを含み、酸素との反応によって成長し、酸化タングステンピラーを形成する。これは、WOの形態をとり得る。WOをWCl(又は場合によってはWCl)に曝露すると、揮発性のWOCl及び/又はWOClが形成され、これは、所定量の又はすべての酸化タングステンが除去されるまで表面から離れる。酸化タングステン部分(又は一般的に酸化金属部分)が一旦除去されると、反応は自然に停止し得る。この処理は、整数回のサイクル繰り返すことができる。各サイクルは、元のタングステン膜を選択可能な量(例えば、1つ又は2つの単層)だけ除去することができる。
【0045】
[0046]幾つかの実施形態では、金属ハロゲン化物前駆体は、金属元素及びハロゲン元素を含む、2つ以上の又は2つのみの異なる元素を含む。金属ハロゲン化物前駆体は、(WCl及びWClの場合のように)金属元素の単一原子のみを含むが、同じハロゲン元素の複数の原子を含み得る。金属ハロゲン化物の金属元素には、諸実施形態では、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、テクネチウム、鉄、アルミニウム、及びガリウムのうちの1つ以上が含まれ得る。幾つかの実施形態では、金属ハロゲン化物の金属元素は、原子番号22、23、24、40、41、42、72、73、又は74を有する。1つ以上の実施形態では、金属元素は、周期表の4族、5族、又は6族の元素を含むか、又は遷移金属であってもよい。ハロゲン元素は、1つ以上の実施形態によれば、F及びClのうちの1つであってもよい。ハロゲン元素は、F、Cl、Br、及び/又はIのうちの1つ以上であってもよい。幾つかの実施形態では、金属及びハロゲン含有前駆体は、フッ素を含まない。適切な金属ハロゲン化物前駆体の幾つかの例には、ペンタハロゲン化バナジウム、ペンタハロゲン化タンタル、ヘキサハロゲン化クロム、ペンタハロゲン化モリブデン、ヘキサハロゲン化モリブデン、ペンタハロゲン化ニオブ、ペンタハロゲン化タングステン、ヘキサハロゲン化タングステン、及びテトラハロゲン化マンガンが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、金属ハロゲン化物前駆体には、ハロゲン化バナジウム、ハロゲン化タンタル、ハロゲン化クロム、ハロゲン化モリブデン、ハロゲン化ニオブ、ハロゲン化タングステン、及び/又はハロゲン化マンガンが含まれるが、これらに限定されず、金属元素の酸化状態は、任意の適切な酸化状態であってよい。
【0046】
[0047]幾つかの実施形態のエッチング処理は、約10:1以上、約15:1以上、約20:1以上、又は約25:1以上の選択性を有する。
【0047】
[0048]幾つかの実施形態では、エッチング処理をより選択的に、精密に、且つ等方的にするために、エッチング処理で使用される局所プラズマは、ほとんどないか、又は全くない。「プラズマフリー」という用語は、本明細書では、基板処理領域にプラズマ出力を印加していない又は実質的に印加していない時の基板処理領域を説明するために使用される。記載されたエッチャント(金属及びハロゲン含有前駆体)は、エネルギー的に好適なエッチング反応経路を有する。この経路により、基板処理領域が、ここでの金属含有材料をエッチングする動作の間、プラズマフリーになることが可能になる。別の言い方をすれば、基板処理領域内の電子温度は、1つ以上の実施形態によると、0.5eV未満、0.45eV未満、0.4eV未満、又は0.35eV未満であり得る。さらに、実施形態において、金属及びハロゲン含有前駆体は、基板処理領域に入る前に、いかなる遠隔プラズマにおいても励起されていない場合がある。例えば、遠隔プラズマ領域又は別個のチャンバ領域が存在し、ハロゲン含有前駆体を基板処理領域に向けて導くために使用される場合、別個のチャンバ領域又は遠隔プラズマ領域は、本明細書で定義されるようにプラズマフリーであり得る。
【0048】
[0049]決定180では、孔のアスペクト比を増加させるために、ブランケット膜142の追加の層を堆積させるべきかどうかを評価する決定が行われ得る。さらなるサイクルが処理されるべきである場合、方法100は、図1Hから1Lに示す手順120から170を繰り返す。さらに堆積させるブランケット膜142がない場合、方法100は、手順190に移る。
【0049】
[0050]手順190では、図1Mに示すように、ピラー132は、構造化された基板112から完全に除去される。ピラー132の除去により、高アスペクト比を有する、ブランケット膜142を貫通する孔152が形成される。ピラー132は、任意の適切な技法によって除去され得る。例えば、幾つかの実施形態のピラー132は、ピラー132の凹設と同様に、金属ハロゲン化物のエッチャントへの曝露によって除去される。幾つかの実施形態では、構造化された基板112のフィーチャ114からすべてのピラー132を除去することは、ブランケット膜142又は基板112に実質的に影響を及ぼすことなく、ピラー132を金属ハロゲン化物のエッチャントに曝し、ピラー132を選択的に除去することを含む。
【0050】
[0051」本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「実施形態」に対する言及は、これらの実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、本明細書を通じて様々な箇所で「1つ以上の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現が登場しても、必ずしも、本開示の同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な態様で組み合わせてもよい。
【0051】
[0052]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱せずに、様々な改変及び変形を本開示の方法及び装置に対して行い得ることは明らかであろう。ゆえに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改変例及び変形例を含むことが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図2