(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-14
(45)【発行日】2022-12-22
(54)【発明の名称】計装基板装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01K 1/14 20210101AFI20221215BHJP
G01K 1/024 20210101ALI20221215BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G01K1/14 L
G01K1/024
H01L21/66 T
(21)【出願番号】P 2021121972
(22)【出願日】2021-07-26
(62)【分割の表示】P 2018565882の分割
【原出願日】2017-06-14
【審査請求日】2021-07-26
(32)【優先日】2016-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サン メイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン アール
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ラン
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516400(JP,A)
【文献】特開2012-112845(JP,A)
【文献】特開2007-139757(JP,A)
【文献】特開2014-232668(JP,A)
【文献】特開2007-208249(JP,A)
【文献】特表2002-516596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
底部基板と、上部基板とを含み、前記上部基板は、前記底部基板に機械的に連結され、前記底部基板と前記上部基板の少なくとも1つは、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または二酸化ケイ素の少なくとも1つから構成される、基板アセンブリと、
電子アセンブリと、
外側エンクロージャと内側エンクロージャを含み、前記外側エンクロージャは、前記内側エンクロージャを取り囲み、前記内側エンクロージャは、少なくとも前記電子アセンブリを取り囲む、入れ子式エンクロージャアセンブリと、
前記内側エンクロージャの外面と前記外側エンクロージャの内面との間のキャビティ内に配置される、断熱材と、
前記電子アセンブリと通信可能に連結されたセンサアセンブリであり、1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記基板アセンブリ全体の1つ以上の位置で前記基板アセンブリ内に配置され、前記1つ以上のセンサは、前記基板アセンブリ全体の前記1つ以上の位置で1つ以上の測定パラメータを取得するように構成され、前記電子アセンブリは、前記1つ以上のセンサから前記1つ以上の測定パラメータを受信するように構成される、センサアセンブリと、
を備え
、前記底部基板および前記上部基板は、溶接または接合の少なくとも1つによりシールされる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記1つ以上のセンサは、温度を示す1つ以上のパラメータを取得するように構成される1つ以上の熱センサを含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記1つ以上の熱センサは、1つ以上の熱電対装置を含む、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、前記1つ以上の熱センサは、1つ以上の抵抗温度装置を含む、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記1つ以上のセンサは、圧力を示す1つ以上のパラメータを取得するように構成される1つ以上の圧力センサを含む、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記1つ以上のセンサは、対象とする化学物質の存在を示す1つ以上のパラメータを取得するように構成される1つ以上の化学センサを含む、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記1つ以上のセンサは、放射の存在を示す1つ以上のパラメータを取得するように構成される1つ以上の放射センサを含む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記底部基板または前記上部基板の少なくとも1つは、セラミック、サーメット、結晶材料、またはガラスの少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記エンクロージャアセンブリは、前記基板アセンブリに機械的に連結される、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記エンクロージャアセンブリは、溶接または接合の少なくとも1つにより前記基板アセンブリにシールされる、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記電子アセンブリは、
1つ以上のプロセッサと、
通信回路と、
メモリと、
電源と、
を含む、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、ダミーエンクロージャアセンブリをさらに含み、前記ダミーエンクロージャアセンブリは、前記基板アセンブリの中心に前記装置の質量中心を維持する位置で前記基板アセンブリに配置される、装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、前記1つ以上のセンサのそれぞれが、センサ基板の上または中に配置され、前記センサ基板は、前記基板アセンブリの前記底部基板と上部基板との間に配置される、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記センサ基板は、シリコン基板、炭化ケイ素基板、窒化ケイ素基板、窒化ガリウム基板、ヒ化ガリウム基板、ゲルマニウム基板、または、ガリウムおよびインジウムの基板のうち少なくとも1つを含む、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置であって、前記断熱材は、多孔性固体材料を含む、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記断熱材は、不透明である、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、前記断熱材は、吸収性である、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、前記断熱材は、エーロゲルを含む、装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置であって、前記断熱材は、セラミック材料を含む、装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置であって、前記断熱材は、1つ以上のガスを含む、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、前記1つ以上のガスは、大気圧より低い圧力で維持される、装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置であって、前記外側エンクロージャの内面上にある前記内側エンクロージャを支持する1つ以上の支持構造部をさらに含む、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、前記1つ以上の支持構造部は、断熱材料から形成される、装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置であって、前記基板
アセンブリに前記外側エンクロージャを支持する、1つ以上の支持構造部をさらに含む、装置。
【請求項25】
請求項1に記載の装置であって、前記内側エンクロージャは、選択された値より大きい熱容量を有する材料から形成される、装置。
【請求項26】
請求項1に記載の装置であって、前記内側エンクロージャは、金属、合金、または複合材料の少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置であって、前記内側エンクロージャは、鉄ニッケルコバルト合金、鉄ニッケル合金、または鉄炭素合金の少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項28】
請求項1に記載の装置であって、前記内側エンクロージャは、1つ以上の結晶材料から形成される、装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記内側エンクロージャは、サファイアまたは結晶水晶の少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項30】
請求項1に記載の装置であって、前記外側エンクロージャは、セラミック、サーメット、結晶材料、またはガラスの少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項31】
請求項1に記載の装置であって、前記外側エンクロージャは、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化ケイ素のうち少なくとも1つから形成される、装置。
【請求項32】
請求項1に記載の装置であって、前記電子アセンブリは、前記1つ以上の取得された測定パラメータからの1つ以上の値を算出するように構成される、装置。
【請求項33】
請求項1に記載の装置であって、前記電子アセンブリに通信可能に連結された遠隔データシステムをさらに含み、前記電子アセンブリは、前記1つ以上の測定パラメータを前記遠隔データシステムに送信するように構成され、前記遠隔データシステムは前記1つ以上のセンサにより取得された、前記1つ以上の取得された測定パラメータからの値を算出するように構成される、装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、前記遠隔データシステムは、前記1つ以上の値を前記基板
アセンブリ上の前記1つ以上の位置にマッピングするように構成される、装置。
【請求項35】
請求項34に記載の装置であって、前記遠隔データシステムは、マッピングされた1つ以上の値をユーザインタフェイスに報告するように構成される、装置。
【請求項36】
装置であって、
底部基板と上部基板とを含み、前記上部基板は、前記底部基板に機械的に連結され、前記底部基板と前記上部基板の少なくとも1つは、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または二酸化ケイ素の少なくとも1つから構成される、基板アセンブリと、
電子アセンブリと、
外側エンクロージャと内側エンクロージャとを含み、前記外側エンクロージャは、前記内側エンクロージャを取り囲み、前記内側エンクロージャは、少なくとも前記電子アセンブリを取り囲む、入れ子式エンクロージャアセンブリと、
前記内側エンクロージャの外面と前記外側エンクロージャの内面との間のキャビティ内に配置される、断熱材と、
前記電子アセンブリと通信可能に連結されたセンサアセンブリであって、1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記基板アセンブリ全体の1つ以上の位置で1つ以上の測定パラメータを取得するように構成され、前記電子アセンブリは、前記1つ以上のセンサから前記1つ以上の測定パラメータを受信するように構成される、センサアセンブリと、
を備え
、
前記底部基板および前記上部基板は、溶接または接合の少なくとも1つによりシールされる、装置。
【請求項37】
方法であって、
基板アセンブリの1つ以上の位置に配置された1つ以上のセンサで測定パラメータのセットを取得することであり、前記基板アセンブリは、底部基板と上部基板とを含み、前記上部基板は、前記底部基板に機械的に連結され、前記底部基板と前記上部基板の少なくとも1つは、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または二酸化ケイ素の少なくとも1つから構成さ
れ、
入れ子式エンクロージャアセンブリ内に配置される電子アセンブリに測定パラメータの前記セットを記憶させることと、
各測定の値を算出することと、
を含
み、前記底部基板および前記上部基板は、溶接または接合の少なくとも1つによりシールされる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として半導体プロセスラインのウエハの監視に関し、詳細には、高温での作動を可能にする複数段エンクロージャアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、「WIRELESS SENSOR WAFER FOR HIGH TEMPERATURE EPI PROCESSES」と題され、Mei Sun、Earl Jensen、Jing Zhou、Ran Liuを発明者として、2016年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/350,688号の、米国特許法第119条(e)の下での優先権を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
半導体デバイスプロセス環境における、プロセス条件の許容誤差は小さくなり続けているため、改善されたプロセス監視システムに対する要望が高まり続けている。プロセスシステム内での温度均一性(例えば、エピタキシチャンバ)がそのような条件の1つとして挙げられる。現在の方法では、現在のプロセス技術を要する過酷な条件下(例えば、高温)において、関連するチャンバを汚染せずに温度を監視することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2010/0155098号
【文献】米国特許第5919383号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、計装ウエハを使用して半導体デバイスプロセスラインの条件を監視する、高温測定を可能にするシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ以上の実施形態による、高温プロセスアプリケーションの測定パラメータを取得する装置が開示される。一実施形態において、装置は、底部基板と上部基板とを含む基板アセンブリを含む。別の実施形態において、上部基板は、底部基板に機械的に連結される。別の実施形態において、装置は、電子アセンブリを含む。別の実施形態において、装置は、外側エンクロージャと内側エンクロージャとを含む、入れ子式エンクロージャアセンブリを含む。別の実施形態において、外側エンクロージャは、内側エンクロージャを取り囲む。別の実施形態において、内側エンクロージャは、少なくとも電子アセンブリを取り囲む。別の実施形態において、内側エンクロージャの外面と外側エンクロージャの内面との間のキャビティ内に断熱材が配置される。別の実施形態において、装置は、電子アセンブリと通信可能に連結される、センサアセンブリを含む。別の実施形態において、センサアセンブリは、1つ以上のセンサを含む。別の実施形態において、1つ以上のセンサは、基板アセンブリ全体の1つ以上の位置で、基板アセンブリ内に配置される。別の実施形態において、1つ以上のセンサは、基板アセンブリ全体の1つ以上の位置で、1つ以上の測定パラメータを取得するように構成される。別の実施形態において、電子アセンブリは、1つ以上のセンサから、1つ以上の測定パラメータを受け取るように構成される。本開示の1つ以上の実施形態による、高温プロセスアプリケーションの測定パラメータを取得する装置が開示される。一実施形態において、装置は、底部基板と上部コーティング層とを含む、基板アセンブリを含む。別の実施形態において、装置は、電子アセンブリを含む。別の実施形態において、装置は、外側エンクロージャと内側エンクロージャとを含む、入れ子式エンクロージャアセンブリを含む。別の実施形態において、外側エンクロージャは内側エンクロージャを取り囲み、内側エンクロージャは、少なくとも電子アセンブリを取り囲む。別の実施形態において、内側エンクロージャの外面と外側エンクロージャの内面との間のキャビティ内に断熱材が配置される。別の実施形態において、センサアセンブリは、電子アセンブリと通信可能に連結され、センサアセンブリは、1つ以上のセンサを含む。別の実施形態において、1つ以上のセンサは、底部基板全体の1つ以上の位置で基板アセンブリの底部基板に配置され、上部コーティング層は、少なくとも、底部基板に配置される1つ以上のセンサを覆う。別の実施形態において、1つ以上のセンサは、基板アセンブリ全体の1つ以上の位置で、1つ以上の測定パラメータを取得するように構成される。一実施形態において、電子アセンブリは、1つ以上のセンサから、1つ以上の測定パラメータを受け取るように構成される。
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態よる、高温プロセスアプリケーションにおける測定パラメータを取得する方法が開示される。一実施形態において、その方法は、基板アセンブリの1つ以上の位置に配置される、1つ以上のセンサで測定パラメータのセットを取得することを含む。別の実施形態において、その方法は、入れ子式エンクロージャアセンブリ内に配置された電子アセンブリに測定パラメータのセットを記憶させることを含む。別の実施形態において、その方法は、各測定パラメータの値を算出することを含む。
【0008】
上記の概要および以下の詳細な説明はともに、例証および説明のためだけに用いられ、請求された発明を必ずしも限定するものではないことが理解される。添付される図面は、明細書に組み込まれ、また、明細書の一部として構成され、概要とともに本発明の実施形態を示し、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面を参照することにより、当業者は本開示の多くの利点をより詳細に理解するだろう。
【0010】
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリを備える計装基板装置の上面図である。
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリおよび計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリおよび計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリおよび計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリおよび計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1F】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリおよび計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1G】本開示の1つ以上の実施形態による、計装基板装置の簡略化された断面図である。
【
図1H】本開示の1つ以上の実施形態による、センサとともに構成される計装基板装置の簡略化された上面図である。
【
図1I】本開示の1つ以上の実施形態による、センサとともに構成される計装基板装置の簡略化された上面図である。
【
図1J】本開示の1つ以上の実施形態による、センサとともに構成される計装基板装置の簡略化された上面図である。
【
図1K】本開示の1つ以上の実施形態による、遠隔データシステムと通信するように配置される計装基板装置の上面図である。
【
図1L】本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリ内に収容される電子アセンブリのブロック図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、計装基板装置を含むプロセスチャンバのブロック図である。
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、計装基板装置全体の温度の算出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図に示される、開示する発明の主題の詳細をここで参照する。
【0012】
図1Aから
図3を全体的に参照すると、本開示による、計装基板全体の温度測定のためのシステムおよび方法が記載される。
【0013】
本開示の実施形態は、高温(例えば、600℃~800℃)で作動可能な計装基板装置に関する。このような計装基板装置は、高温で作動する半導体プロセスチャンバ(例えば、エピタキシチャンバ)で利用されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の計装基板装置は、第1エンクロージャと第2エンクロージャ(例えば、熱シールド)とを含む、入れ子式エンクロージャアセンブリを含み、これにより、オンボード電子アセンブリ(すなわち、電子パッケージ)および/または他の高感度デバイスは、計装基板装置が、800℃もの高温にさらされる場合でも、電子アセンブリの温度を約150℃以下に維持する目的で入れ子式エンクロージャアセンブリに収容される。2016年9月27日に出願された米国特許出願第15/277,753号に記載される計装基板の使用は、その全体を本明細書の一部として援用する。
【0014】
図1A~
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、基板アセンブリ102全体の温度を取得する、計装基板装置100を示す。
図1Aは、入れ子式エンクロージャアセンブリ104を備える計装基板装置100の上面図を示し、
図1Bは、入れ子式エンクロージャアセンブリ104と計装基板装置100の簡略化した断面図を示す。
【0015】
一実施形態において、計装基板装置100は、基板アセンブリ102と、センサアセンブリ105と、入れ子式エンクロージャアセンブリ104とを含む。
【0016】
一実施形態において、基板アセンブリ102は、上部基板107と底部基板109とを含む。例えば、
図1Bに示すように、上部基板107は、底部基板109に機械的に連結されてもよい。基板アセンブリ102の上部基板107および/または底部基板109は、公知の基板を含んでもよい。一実施形態において、基板アセンブリ102の上部基板107および/または底部基板109は、ウエハを含む。例えば、基板アセンブリ102の上部基板107および/または底部基板109は、ガラスウエハ(例えば、溶融石英ガラスウエハ、ホウケイ酸ガラスウエハなど)、結晶ウエハ(例えば、結晶石英ウエハまたはシリコンウエハ)、または1つ以上の化合物から形成されたウエハ(例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素など)を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、基板アセンブリ102は、1つ以上のシリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または二酸化ケイ素(例えば、石英)から形成されるウエハなどの、半導体プロセス環境においてごくわずかな汚染を引き起こす基板を備えてもよいが、それらに限定されない。
【0017】
一実施形態において、下方基板109は、上方基板107に機械的に連結される。例えば、下方基板109は、上方基板107に溶着されてもよい。別の例として、下方基板109は、上方基板107に結合されてもよい。別の実施形態において、1つ以上のセンサ基板135は、上方基板107と下方基板109との間に配置されるため、1つ以上のセンサ基板135は、上部基板107と下方基板109との間にシールされる(例えば、密閉シール)。1つ以上のセンサ基板135は、公知の材料から形成されてもよい。例えば、1つ以上のセンサ基板135は、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、ゲルマニウム、または、ガリウムおよびインジウムの化合物を含む適切な材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。例えば、
図1Kに示すように、1つ以上のセンサ基板135は、上方基板107と下方基板109との間の1つ以上のシリコンディスクを含んでもよいが、これに限定されない。1つ以上のセンサ基板135を利用して、研究されるプロセスアプリケーションの最中に、所定のプロセスチャンバにより処理される基板/ウエハの種類の熱伝導を助け、種々の材料特性(例えば、熱伝導、熱膨張、光学的特性など)を再現しやすくしてもよいことに留意されたい。1つ以上のセンサ124と入れ子式エンクロージャアセンブリ104との間のワイヤライン126の接続は、基板アセンブリ102内にシール(例えば、密閉シール)されてもよい。例えば、1つ以上のセンサ124と入れ子式エンクロージャアセンブリ104との間のワイヤライン126の接続は、上方基板107により覆われ、下方基板109に機械的に連結される。
【0018】
一実施形態において、
図1Bに示すように、入れ子式エンクロージャアセンブリ104は、内側エンクロージャ114と外側エンクロージャ116とを含む。例えば、内側エンクロージャ114は内側熱シールドから、外側エンクロージャ116は外側熱シールドからそれぞれ構成されてもよい。別の実施形態において、電子アセンブリ125(例えば、プロセッサ、メモリ、電源、通信回路など)を、内側エンクロージャ114内に配置してもよく、そうすることにより、内側エンクロージャ114は、外側エンクロージャ116内に配置され、入れ子式エンクロージャ構造を形成してもよい。
【0019】
一実施形態において、内側エンクロージャ114は、高い熱容量(例えば、体積で)を有する材料から形成される。例えば、内側エンクロージャ114は、鉄ニッケルコバルト合金、ニッケル鉄合金、または鉄炭素合金などの1つ以上の合金から形成されてもよいがこれらに限定されない。例えば、内側エンクロージャ114は、コバール、インバー、またはステンレス鋼を含む1つ以上の材料から形成されてもよい。コバールから形成される内側エンクロージャ114の場合、内側エンクロージャ114の電子アセンブリ125(および電子アセンブリ125の構成要素)が、内側エンクロージャ114の温度に密接に従う。別の例として、内側エンクロージャ114は、サファイアまたは結晶石英などの1つ以上の結晶材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。
【0020】
別の実施形態において、外側エンクロージャ116は、セラミック、複合材料、またはガラスを含む1つ以上の材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。別の実施形態において、外側エンクロージャ116は、ごくわずかな汚染を引き起こす材料から形成されてもよい。例えば、外側エンクロージャ116は、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、または酸化ケイ素を含む、1つ以上の低汚染材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。
【0021】
一実施形態において、内側エンクロージャ114は、蓋113と基部115とを備え、それにより蓋113は、基部115から取り外され内側エンクロージャ114の内側部分へアクセス可能になってもよい。別の実施形態において、外側エンクロージャ116は、蓋117と基部119とを備え、それにより蓋117は、基部119に機械的に連結され、外側エンクロージャ116をシールする。例えば、溶着部121は、蓋117を基部119に機械的に連結し、外側エンクロージャ116をシール(例えば、密閉シール)してもよい。別の例として、基部119は、蓋117に結合して、接着剤により外側エンクロージャ116をシール(例えば、密閉シール)してもよい。
【0022】
別の実施形態において、入れ子式エンクロージャアセンブリ104は、内側エンクロージャ114と外側エンクロージャ116との間に配置される断熱材120を含む。断熱材120を内側エンクロージャ114と外側エンクロージャ116との間に組み込むと、外側エンクロージャ116の外側の上昇した温度環境(例えば、半導体プロセスチャンバ)から内側エンクロージャ114内の領域への熱伝導を低減させるために役立つことを留意されたい。例えば、断熱材120は、内側エンクロージャ114の外面と外側エンクロージャ116の内面との間のキャビティ内に配置されてもよい。別の実施形態において、断熱材120は、多孔性固体材料を含んでもよいが、これに限定されない。例えば、断熱材120は、1つ以上のエーロゲル材料(例えば、シリカエーロゲル材料)であってもよい。例えば、エーロゲル材料は、約98.5%もの高多孔性を有するように形成することができる。別の例として、断熱材120は、セラミック材料(例えば、多孔性セラミック材料)であってもよい。セラミック系断熱材を焼結する間、多孔度はポア形成剤の使用を通じて調整されてもよいことに留意されたい。セラミック材料の多孔度が、50~99%の多孔度範囲で製造されてもよいことにさらに留意されたい。例えば、セラミック材料の多孔度が、95~99%の範囲の多孔度を有するように製造されてもよい。
【0023】
別の実施形態において、断熱材120は、不透明である。例えば、断熱材120は、外側エンクロージャ116の内面と内側エンクロージャ114の外面とのボリュームを通過する放射を吸収する材料を含んでもよいが、これに限定されない。例えば、断熱材120は、炭素ドープしたエーロゲル材料を含んでもよいが、これに限定されない。
【0024】
別の実施形態において、断熱材120は、低圧ガス(すなわち、真空圧に保たれたガス)であることにより、そのガスは周囲の圧力(すなわち、プロセスチャンバの圧力)よりも小さい圧力で維持される。この点に関し、内側エンクロージャ114の外面と外側エンクロージャ116の内面との間のボリュームは、外側エンクロージャ116および内側エンクロージャ114からの熱伝導を最小化するために、真空圧に維持されてもよい。別の実施形態において、断熱材120は、周囲の圧力とほぼ同等であるが大気圧以下の圧力に維持されるガスである。別の実施形態において、断熱材120は、周囲の圧力よりも高いが大気圧未満の圧力に維持されるガスである。本開示の目的のために、「真空圧」は、周囲の圧力よりも低い圧力の意味として解釈される。
【0025】
一実施形態において、内側エンクロージャ114は、断熱材120により外側エンクロージャ116の内面に支持される。例えば、内側エンクロージャ114は、1つ以上のエーロゲル材料により外側エンクロージャ116の内面に支持されてもよい。例えば、内側エンクロージャ114は、シリカエーロゲル材料により外側エンクロージャ116の内面に支持されてもよい。
【0026】
別の実施形態において、
図1Cに示すように、内側エンクロージャ114は、外側エンクロージャ116の内底面に配置される低熱伝導媒体層120により支持される。例えば、低熱伝導媒体層120は、1つ以上の多孔性材料を含んでもよい。例えば、低熱伝導媒体層120は、エーロゲル材料(例えば、シリカエーロゲル材料)を含んでもよい。別の例としては、低熱伝導媒体層は、不透明であってもよい(例えば、多孔性セラミック材料)。
【0027】
別の実施形態において、外側エンクロージャ116は、1つ以上の支持構造部123により基板アセンブリ102に支持される。別の実施形態において、1つ以上の支持構造部123(例えば、単一の支持脚、複数の支持脚、プラットフォーム)は、基板アセンブリ102と外側エンクロージャ116との間の熱伝導を制限するために、低熱伝導係数を有する媒体から形成されてもよい。例えば、1つ以上の支持構造部123は、セラミック、複合材料、結晶材料、またはガラスなどの低熱伝導媒体から形成されてもよいが、これらに限定されない。例えば、1つ以上の支持構造部123は、シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化シリコンを含む1つ以上の材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。別の実施形態において、支持構造部123は、外側エンクロージャ116と上方基板107とに機械的に連結される。例えば、溶接部121は、支持構造部123を外側エンクロージャ116と上方基板107とに機械的に連結してもよい。別の例としては、支持構造部が外側エンクロージャ116と上方基板107とに結合されてもよい。別の実施形態において、1つ以上の支持構造部123は、1つ以上のワイヤライン126がセンサアセンブリ105を電子アセンブリ125に接続する1つ以上の通路を形成してもよい。例えば、1つ以上の支持構造部123は、1つ以上のワイヤライン126がセンサアセンブリ105を電子アセンブリ125に接続する、1つ以上の通路を形成する1つ以上のリング構造または管構造(例えば、中空脚構造)を含んでもよいが、これに限定されない。さらに、支持構造部123は、外側エンクロージャ116と上方基板107とに連結されたリング構造であってもよい。例えば、支持構造部123は、シール(例えば、密閉シール)を形成する外側エンクロージャ116と上方基板107とに溶接されるリング構造として構成されてもよい。別の例として、支持構造部123は、シール(例えば、密閉シール)を形成する外側エンクロージャ116と上方基板107とに結合されるリング構造として構成されてもよい。
【0028】
別の実施形態において、
図1Dに示すように、外側エンクロージャ116は基板アセンブリ102に機械的に連結される。例えば、外側エンクロージャ116は、上方基板107に溶接され、シール(例えば、密閉シール)を形成する。別の例として、外側エンクロージャ116は、上方基板107に結合され、シール(例えば、密閉シール)を形成する。外側エンクロージャ116を上方基板107に機械的に連結すると、プロセスチャンバにさらされる外側エンクロージャ116の表面積が減少することに留意されたい。
【0029】
別の実施形態において、
図1Dに示すように、低放射および/または高反射層118a(例えば、コーティング)は、内側エンクロージャ114の外面に配置される。別の実施形態において、低放射および/または高反射層118b(例えば、コーティング)は、外側エンクロージャ116の内面に配置される。別の実施形態において、低放射および/または高反射層118aは、内側エンクロージャ114の外面に隣接して配置される断熱材120に配置される。別の実施形態において、低放射および/または高反射層118bは、外側エンクロージャ116の内面に隣接して配置される断熱材120に配置される。
【0030】
外側エンクロージャ116の内面に隣接して高反射層が配置される場合、高反射層118bは、プロセスチャンバの壁またはプロセスチャンバに存在してもよい放熱ランプから外側エンクロージャ116に当たる熱放射の大半を反射させるのに役立つことに留意されたい。さらに、内側エンクロージャ114の外面に隣接して配置される高反射層が存在することにより、外側エンクロージャ116の内面から内側エンクロージャ114に当たる熱放射の大半を反射させるのに役立つ。さらに、外側エンクロージャ116の内面に隣接して配置される低放射材料を利用すると、外側エンクロージャ116により発せられる放射熱エネルギーの量を減少させるのに役立ち、それにより、内側エンクロージャ114により吸収され得る利用可能な放射熱エネルギー量が減少する。さらに、外側エンクロージャ116の内面に隣接して配置される低放射材料を利用すると、内側エンクロージャ114により発せられる放射熱エネルギー量を減少させるのに役立ち、それにより、内側エンクロージャ114内の電子アセンブリ125に吸収および伝導され得る利用可能な放射熱エネルギー量が減少する。
【0031】
別の実施形態において、層118aおよび/または層118bは、金、銀、またはアルミニウムなどの高反射および低放射材料であるが、これらに限定されない。別の実施形態において、層118aおよび/または層118bは、積層誘電体膜から形成される高反射および低放射材料であってもよい。例えば、層118aおよび/または層118bは、酸化物、炭化物、または窒化物を含む材料から形成される高反射性および低放射性積層誘電体膜であってもよいが、これに限定されない。
【0032】
図1Aを再び参照して、一実施形態において、電子アセンブリ125は、センサアセンブリ105に連結される。別の実施形態において、センサアセンブリ105は、1つ以上のセンサ124を含む。別の実施形態において、センサ124は、基板アセンブリ102全体に1つ以上の位置で配置され、1つ以上のワイヤライン接続部126を介して電子アセンブリ125に接続される。この点に関し、1つ以上の電子アセンブリ125は、基板アセンブリ102の1つ以上の位置に配置される1つ以上のセンサ124からの値を示す1つ以上の測定パラメータ(例えば、熱電対からの電圧、抵抗温度デバイスからの抵抗、圧力センサからの電圧(または別の信号)、放射センサからの電圧(または別の信号)、化学センサなどからの電圧(または別の信号))を取得してもよい。別の実施形態において、電子アセンブリ125は、遠隔データシステム103と通信可能に連結される。別の実施形態において、電子アセンブリ125は、複数の測定パラメータを遠隔データシステム103へ送信する。
【0033】
1つ以上のセンサ124は、公知の測定デバイスを備えてもよいことに留意されたい。例えば、1つ以上のセンサ124は、熱センサ、圧力センサ、放射センサ、および/または化学センサを含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、温度測定を行う場合、1つ以上のセンサ124は、1つ以上の熱電対(TC)デバイス(例えば、熱電接点)、または、1つ以上の抵抗温度デバイス(RTD)(例えば、薄膜RTD)を含んでもよいが、これらに限定されない。別の例において、圧力測定を行う場合、1つ以上のセンサ124は、圧電センサ、静電容量センサ、光学センサ、電位差測定センサなどを含んでもよいが、これらに限定されない。別の例において、放射測定を行う場合、1つ以上のセンサは、1つ以上の光検出器(例えば、光電池、フォトレジスタなど)または他の放射検出器(例えば、固体検出器)を含んでもよいが、これらに限定されない。別の例において、化学測定を行う場合、1つ以上のセンサ124は、1つ以上のケミレジスタ(chemiresistor)、ガスセンサ、pHセンサなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0034】
別の実施形態において、計装基板装置100は、ダミーエンクロージャアセンブリ108を含む。例えば、ダミーエンクロージャアセンブリ108を、入れ子式エンクロージャアセンブリ104の重量を相殺するための釣合い重りとして機能させるために、基板アセンブリ102の選択位置に配置してもよい。例えば、基板アセンブリ102の中心から入れ子式エンクロージャアセンブリ104への距離と同距離に、ダミーエンクロージャアセンブリ108を入れ子式エンクロージャアセンブリ104の反対側に配置してもよい。ダミーエンクロージャアセンブリ108を入れ子式エンクロージャアセンブリ104の反対位置に配置することは、計装基板装置100の質量中心を基板アセンブリ102の中心で維持するのに役立つことに留意されたい。別の実施形態において、図示されていないものの、入れ子式エンクロージャアセンブリ104は、計装基板装置100の質量中心を基板アセンブリ102の中心で維持するために、基板アセンブリ102の中心に配置されてもよい。
【0035】
図1Eは、入れ子式エンクロージャアセンブリ104および計装基板装置100の簡略化した断面図である。一実施形態において、外側エンクロージャ116は、一体部品として形成される(例えば、カップ構造)。例えば、外側エンクロージャ116は、溶融石英ガラスの単一要素から形成されてもよい。一実施形態において、単一要素の外側エンクロージャ116は、基板アセンブリ102に機械的に連結されてもよい。例えば、単一要素の外側エンクロージャ116は、上方基板107に溶接または結合されてもよい。単一要素である外側エンクロージャ116の構成は、計装基板装置100のために低背化されることに留意されたい。
【0036】
図1Fは、入れ子式エンクロージャアセンブリ104および計装基板装置100の簡略化した断面図である。一実施形態において、上方基板107の中心部は、除去される。別の実施形態において、断熱材140のさらなる層を、底部基板109および上方基板107の中心部に配置して、断熱をさらに高めてもよい。さらに、高反射材142のさらなる層を、さらなる断熱材140と底部基板109との間に配置してもよく、そうすることにより、高反射材142と断熱材140とで上方基板107の中心部が満たされる。
【0037】
図1Gは、本開示の1つ以上の実施形態による、計装基板装置100の一部を簡略化した断面図である。一実施形態において、1つ以上のセンサ124とセンサ基板135は、上方基板107と下方基板109との間にシールされる。例えば、センサ124とセンサ基板135は、基板アセンブリ102の内部にシール(例えば、密閉シール)され、プロセスチャンバのガス136(例えば、窒素、ヘリウムなど)にさらされないようにする。
【0038】
センサ基板135は、いかなる形状を有するように形成されてもよく、底部基板109全体にどのような方法で配置されてもよいことに留意されたい。
図1H~1Jは、本開示の1つ以上の実施形態による、多くの基板センサ構成を示す。簡略化することを目的として、上部基板(107、別の図面)は、1H~1Jに記載されていない。
図1Hに示すように、一実施形態において、センサ基板135のセットは、底部基板109全体に選択された幾何学パターン(例えば、
図1Hに示す交差形)で配置される。さらに、1つ以上のセンサ124は、各センサ基板135の中または下に配置されてもよい。
【0039】
図1Iに示すように、別の実施形態において、1つ以上のセンサ基板135は、下方基板109と上方基板107との間に配置されるリングとして構成される(上方基板は明確化のために図示せず)。例えば、
図1Iに示すように、センサ基板135の媒体のセットは、底部基板109に配置されるさまざまなサイズの同心円として構成されてもよい。さらに、1つ以上のセンサ124は、各リングセンサ基板135の中または下に配置されてもよい。
【0040】
図1Jに示すように、別の実施形態において、単一のセンサ基板135は底部基板109の上に配置され、1つ以上のセンサ124は、センサ基板135の上に配置されてもよい。例えば、
図1Jに示すように、センサ基板135は、中央部が除去されたディスクとして形成されてもよい。
【0041】
上述したセンサ基板135とセンサ124の配置と数は、限定されるものではなく、単に説明を目的として挙げられることが留意される。むしろ、本開示の1つ以上のセンサ基板135および/または1つ以上のセンサ124は、さまざまなパターン、形状、および量で構成されてもよいことが認められる。
【0042】
さらに、本開示の大半が、上部基板を備える計装基板装置100の実施に焦点を当てる一方、この構成は本開示の範囲を限定するものではない。むしろ、本開示の範囲は、多くの等価な実施形態にまで拡張してもよい。例えば、
図1Aおよび1Bを再度参照して、基板アセンブリ102の上部基板107は、上部コーティング材料と交換してもよい。例えば、1つ以上のセンサ基板135および/または1つ以上のセンサ124は、底部基板109に配置されてもよい。1つ以上のセンサ基板135および/または1つ以上のセンサ124を交換した後、コーティング材料を底部基板109、1つ以上の基板135、および/または1つ以上のセンサ124に塗布してもよく、そうすることにより、少なくとも1つ以上のセンサ124がシールされる。例えば、底部基板109、1つ以上の基板135、および/または1つ以上のセンサ124の上に、コーティング材料で二酸化ケイ素薄膜などの高反射性および低放射性薄膜を形成してもよいが、これに限定されない。
【0043】
図1Kは、計装基板装置100と遠隔データシステム103とを含む、計装基板アセンブリシステム150を示す。一実施形態において、1つ以上の電子アセンブリ125は、遠隔データシステム103にワイヤレス通信可能に連結される。1つ以上の電子アセンブリ125は、遠隔データシステム103に適切な方法でワイヤレス通信可能に連結されてもよい。例えば、計装基板装置100は、通信回路106を備えてもよい。通信回路106は、通信分野で公知の通信回路および/または通信デバイスを含んでもよい。例として、通信回路106は、1つ以上の通信アンテナ(例えば、通信コイル)を含んでもよいが、これに限定されない。一実施形態において、通信回路106は、電子アセンブリ125とオフ基板遠隔データシステム103との間の通信リンクを確立するように構成される。さらに、通信回路106は、電子アセンブリ125と通信可能に連結される(例えば、電気的相互接続部127を介する連結)。この点に関し、電子アセンブリ125は、1つ以上のセンサ124により取得された測定パラメータを示す1つ以上の信号を、1つ以上の相互接続部127を介して通信回路106へ送信してもよい。次に、通信回路106は、測定パラメータを示す1つ以上の信号を遠隔データシステム103に中継ぎする。一実施形態において、遠隔データシステム103は、オン基板通信回路106と遠隔データシステム103との間の通信リンクを確立するのに適した通信回路132を含む。例えば、通信回路132は、高周波(RF)信号を用いて、オン基板通信回路106と遠隔データシステム103との間の通信リンクを確立してもよい。さらに説明されるように、センサ測定に関連する値は、電子アセンブリ125および/または遠隔データシステム103により算出されてもよい。
【0044】
一実施形態において、電子アセンブリ125は、1つ以上のセンサ124により取得された1つ以上の測定パラメータに基づき、1つ以上の値を算出する。次に、電子アセンブリ125は、算出された値を遠隔データシステム103に送信してもよい。別の実施形態において、値は遠隔データシステム103により算出されてもよい。この点に関し、電子アセンブリ125は、1つ以上の測定パラメータを遠隔データシステム103に送信する。次に、遠隔データシステム103は、センサ124により取得された1つ以上の測定パラメータに基づき1つ以上の値を算出してもよい。
【0045】
別の実施形態において、遠隔データシステム103は、センサ124により取得された1つ以上の信号に基づき、電子アセンブリ125または遠隔データシステム103により算出された1つ以上の値を、基板アセンブリ102上の取得位置とマッピング(または関連付け)する。別の実施形態において、遠隔データシステム103は、マッピングした値をユーザインタフェイスに報告する。例えば、遠隔データシステム103は、マッピングした値を1つ以上のデスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、手持ち式デバイス、メモリ、またはサーバに報告してもよい。
【0046】
図1Lは、本開示の1つ以上の実施形態による、入れ子式エンクロージャアセンブリ104内に収容された電子アセンブリ125のブロック図を示す。一実施形態において、電子アセンブリ125は、電源112(例えば、1つ以上のバッテリ)を含む。別の実施形態において、電子アセンブリ125は、1つ以上のプロセッサ129を含む。別の実施形態において、電子アセンブリ125は、通信回路128を含む。別の実施形態において、電子アセンブリ125は、1つ以上のプロセッサ129を構成するための、プログラム命令を記憶するためのメモリ媒体131(例えば、メモリ)を含んでもよい。さらに、入れ子式エンクロージャアセンブリ104内に取り囲まれた電子アセンブリ125により取得された測定パラメータは、電子アセンブリ125のメモリ131に記憶されてもよい。本開示の目的として、「プロセッサ」という用語は、メモリ媒体131からの命令を実行する、1つ以上のプロセッサ(例えば、CPU)または論理素子(例えば、ASIC)を有する、あらゆるデバイスを包含するように広く定義されてもよい。この意味において、電子アセンブリ125の1つ以上のプロセッサ129は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成される、マイクロプロセッサ型または論理デバイスを含んでもよい。本開示全体を通じて記載されるステップは、単一のプロセッサ、もしくは、複数のプロセッサにより、実行されてもよいことが認められるべきである。メモリ媒体131は、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートドライブ、フラッシュ、EPROM、EEPROMなどを含んでもよい。
【0047】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、計装基板装置100とともに構成されるプロセスチャンバを示す。一実施形態において、計装基板装置100は、回転可能なプラットフォーム138に配置される。別の実施形態において、プロセスチャンバガス136は、基板アセンブリ102の上を流れる。例えば、先述のように、基板アセンブリ102は、シールされ(例えば、密閉シール)、プロセスチャンバガス136は基板アセンブリ102に入らない。別の実施形態において、1つ以上の加熱源134を使用して、プロセスチャンバを加熱する。例えば、計装基板装置100の上および下の加熱ランプは、プロセスチャンバを加熱する。
【0048】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態により、基板全体の測定パラメータを取得する方法300を示す、フローチャートである。
図3のフローチャートのステップは、限定として解釈されるべきものではなく、例証を目的として提供されることが留意される。
【0049】
一実施形態において、プロセスは、ステップ302から開始される。ステップ304において、プロセスは、測定パラメータのセット(例えば、熱電対(TC)電圧、測温抵抗体(RTD)抵抗など)を、基板アセンブリ102のまわりに配置されたセンサ124のセットで一連の位置において測定することを含む。そして、ステップ306において、測定パラメータを測定した後、その結果は、入れ子式エンクロージャ104に取り囲まれたメモリ(例えば、電子アセンブリ125のメモリ131)に記憶される。ステップ308において、測定パラメータのセットは、遠隔データシステム103へ送信される。例えば、測定データは、通信回路106(例えば、通信アンテナ)を介して高周波(RF)信号により、電子アセンブリ125から遠隔データシステム103にワイヤレスに送信されてもよい。ステップ310において、値は、基板アセンブリ102の各位置に配置された各センサ124により取得された各測定パラメータのために、遠隔データシステム103により算出される。例えば、温度の場合、センサ124の1つと関連する値は、そのセンサで測定された温度を示すパラメータに基づいて算出されてもよい。各センサ124の結果は、その後、基板アセンブリ102の表面にマッピングされてもよいことが留意される。例えば、遠隔データシステム103は(または別のデータシステム)は、一式のセンサ124の各センサによって測定された値と関連付けてもよい。そして、各センサ124の既知の位置に基づき、遠隔データシステム103は、基板アセンブリ102の上面(例えば、X-Y位置)の平面の位置付け機能として、値のデータベースおよび/またはマッピングを基板アセンブリ102の上面に形成することができる。別の実施形態において、値のデータベースおよび/またはマッピングは、ユーザインタフェイス(図示せず)のディスプレイに表される。ステップ312で、プロセスは終了する。
【0050】
方法300のステップは、システム150を介して行われてもよいことが認められる。しかし、システム150により、さまざまなプロセスが行われてもよく、結果として、基板アセンブリ102上の複数の位置で測定値を取得し値を決定する複数のプロセスフローが起こることが考えられるため、システム150は、プロセス300または基板アセンブリ102全体の値を測定する方法の限定として解釈されるべきではないことが認められるべきである。例えば、測定パラメータが1つ以上のセンサ124すべてのために取得された後、電子アセンブリ125は、1つ以上のセンサ124により取得された、各測定パラメータのために値を算出してもよい。
【0051】
本明細書に記載される発明の主題は、他の構成要素の中に含まれる、または、他の構成要素に接続される、別の部品を示すことがある。そのように示されるアーキテクチャは、単なる例証であり、実際のところ、同一の機能性を達成する多くの別のアーキテクチャが実施可能であることが理解される。概念的な意味において、同一の機能性を達成する構成要素の配置は、効果的に「関連付け」られ、所望の機能性が達成される。よって、特定の機能性を達成するために、本明細書で組み合わされた2つの構成要素は、アーキテクチャまたは仲介する構成要素にかかわらず、所望の機能性を達成するように互いに「関連付け」られているとみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために、互いに「接続」または「連結」されているものとしても考えることができ、そのように関連付けられることが可能な2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、互いに「連結可能」なものとしても考えることができる。連結可能なものの具体例には、物理的に相互作用可能および/もしくは物理的に相互作用する構成要素ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能なおよび/もしくはワイヤレスに相互作用する構成要素ならびに/または論理的に相互作用可能および/もしくは論理的に相互作用する構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
上記の説明から本開示および付随する利点の多くが理解され、また、開示された発明の主題から逸脱することなく、または、重要な利点のすべてを損なうことなく、構成要素の形状、構成、配置にさまざまな変更を行ってもよいことが明らかになると考える。記載された形状は、単なる説明のためであり、以下の請求の範囲は、そのような変更を包含し、含めるものと意図される。さらに、本発明は、添付される請求の範囲により定義されることが理解される。