(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】窒化膜の成膜方法、および窒化膜の成膜装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/318 20060101AFI20221216BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20221216BHJP
C23C 16/452 20060101ALI20221216BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
H01L21/318 B
H01L21/31 C
C23C16/452
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2019180849
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2019002170
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 博紀
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-093551(JP,A)
【文献】特開2017-168786(JP,A)
【文献】特開2005-093677(JP,A)
【文献】特開2018-186174(JP,A)
【文献】特開2016-213289(JP,A)
【文献】国際公開第2015/199111(WO,A1)
【文献】特開2018-029120(JP,A)
【文献】特開2015-133506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/318
H01L 21/31
C23C 16/452
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)窒化される元素を含む原料ガスを基板に供給し、前記元素を含む層を前記基板に形成する工程と、
(B)水素ガスを含む改質ガスをプラズマ化し、プラズマ化した前記改質ガスで、前記元素を含む層を改質する工程と、
(C)窒素を含む窒化ガスを熱で活性化し、熱で活性化した前記窒化ガスで、前記元素を含む層を熱窒化する工程と
、
(D)炭素、酸素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる少なくとも1つ以上の不純物を含む導入ガスを前記基板に供給し、前記元素を含む層に対して前記不純物を導入する工程と、
を含むサイクルを複数回繰り返
し、
各前記サイクルにおいて、前記(D)を前記(B)の後のみに実行し前記(B)の前には実行しない、窒化膜の成膜方法。
【請求項2】
各前記サイクルにおいて、
前記(A)と前記(B)と前記(D)と前記(C)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B)と前記(D)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行する、請求項1に記載の窒化膜の成膜方法。
【請求項3】
前記改質ガスは、水素ガスと、不活性ガスとを含む、請求項1
または2に記載の窒化膜の成膜方法。
【請求項4】
(A)窒化される元素を含む原料ガスを基板に供給し、前記元素を含む層を前記基板に形成する工程と、
(B´)不活性ガスを含む改質ガスをプラズマ化し、プラズマ化した前記改質ガスで、前記元素を含む層を改質する工程と、
(C)窒素を含む窒化ガスを熱で活性化し、熱で活性化した前記窒化ガスで、前記元素を含む層を熱窒化する工程と
、
(D)炭素、酸素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる少なくとも1つ以上の不純物を含む導入ガスを前記基板に供給し、前記元素を含む層に対して前記不純物を導入する工程と、
を含むサイクルを複数回繰り返
し、
各前記サイクルにおいて、前記(D)を前記(B´)の後のみに実行し前記(B´)の前には実行しない、窒化膜の成膜方法。
【請求項5】
各前記サイクルにおいて、
前記(A)と前記(B´)と前記(D)と前記(C)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B´)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B´)と前記(D)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行する、請求項4に記載の窒化膜の成膜方法。
【請求項6】
前記サイクルを複数回繰り返す間、前記基板の温度は550℃未満である、請求項1~
5のいずれか1項に記載の窒化膜の成膜方法。
【請求項7】
処理容器と、
前記処理容器の内部に収容される基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器の内部に、窒化される元素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給機構と、
前記処理容器の内部に、水素ガスを含む改質ガスを供給する改質ガス供給機構と、
前記改質ガスをプラズマ化するプラズマ発生機構と、
前記処理容器の内部に、窒素を含む窒化ガスを供給する窒化ガス供給機構と、
前記処理容器の内部に、前記元素を含む層に対して炭素、酸素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる少なくとも1つ以上の不純物を導入する導入ガスを供給する導入ガス供給機構と、
前記加熱部と、前記原料ガス供給機構と、前記改質ガス供給機構と、前記プラズマ発生機構と、前記窒化ガス供給機構と
、前記導入ガス供給機構とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
(A)前記原料ガスを基板に供給し、前記元素を含む層を前記基板に形成する工程と、
(B)プラズマ化した前記改質ガスで、前記元素を含む層を改質する工程と、
(C)熱で活性化した前記窒化ガスで、前記元素を含む層を熱窒化する工程と
、
(D)前記導入ガスを前記基板に供給し、前記元素を含む層に対して前記不純物を導入する工程と、
を含むサイクルを複数回繰り返し実行
し、
前記制御部は、各前記サイクルにおいて、前記(D)を前記(B)の後のみに実行し、前記(B)の前には実行しない、窒化膜の成膜装置。
【請求項8】
前記制御部は、各前記サイクルにおいて、
前記(A)と前記(B)と前記(D)と前記(C)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B)と前記(D)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行する、請求項7に記載の窒化膜の成膜装置。
【請求項9】
前記改質ガスは、水素ガスと、不活性ガスとを含む、請求項
7又は8に記載の窒化膜の成膜装置。
【請求項10】
処理容器と、
前記処理容器の内部に収容される基板を加熱する加熱部と、
前記処理容器の内部に、窒化される元素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給機構と、
前記処理容器の内部に、不活性ガスを含む改質ガスを供給する改質ガス供給機構と、
前記改質ガスをプラズマ化するプラズマ発生機構と、
前記処理容器の内部に、窒素を含む窒化ガスを供給する窒化ガス供給機構と、
前記処理容器の内部に、前記元素を含む層に対して炭素、酸素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる少なくとも1つ以上の不純物を導入する導入ガスを供給する導入ガス供給機構と、
前記加熱部と、前記原料ガス供給機構と、前記改質ガス供給機構と、前記プラズマ発生機構と、前記窒化ガス供給機構と
、前記導入ガス供給機構とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
(A)前記原料ガスを基板に供給し、前記元素を含む層を前記基板に形成する工程と、
(B´)プラズマ化した前記改質ガスで、前記元素を含む層を改質する工程と、
(C)熱で活性化した前記窒化ガスで、前記元素を含む層を熱窒化する工程と
(D)前記導入ガスを前記基板に供給し、前記元素を含む層に対して前記不純物を導入する工程と、
を含むサイクルを複数回繰り返し実行
し、
前記制御部は、各前記サイクルにおいて、前記(D)を前記(B´)の後のみに実行し、前記(B´)の前には実行しない、窒化膜の成膜装置。
【請求項11】
前記制御部は、各前記サイクルにおいて、
前記(A)と前記(B´)と前記(D)と前記(C)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B´)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行するか、
前記(A)と前記(B´)と前記(D)と前記(C)と前記(D)をこの順番で実行する、請求項10に記載の窒化膜の成膜装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記サイクルを複数回繰り返す間、前記基板の温度を550℃未満に保つ、請求項
7~
11のいずれか1項に記載の窒化膜の成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化膜の成膜方法、および窒化膜の成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シリコン窒化膜の形成方法が記載されている。この形成方法は、反応物形成工程と、塩素除去工程と、シリコン窒化膜形成工程とを1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返す。反応物形成工程では、基板が収容された反応室内にジクロロシランを供給し、基板にジクロロシランと反応した反応物を形成する。塩素除去工程では、プラズマ発生室に水素を供給して水素ラジカルを形成し、形成した水素ラジカルをプラズマ発生室から反応室に供給する。シリコン窒化膜形成工程では、プラズマ発生室にアンモニアを供給してアンモニアラジカルを形成し、形成したアンモニアラジカルをプラズマ発生室から反応室内に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、低温で窒化膜を形成でき、且つ、窒化膜が形成される下地のダメージを低減できる、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る窒化膜の成膜方法は、
(A)窒化される元素を含む原料ガスを基板に供給し、前記元素を含む層を前記基板に形成する工程と、
(B)水素ガスを含む改質ガスをプラズマ化し、プラズマ化した前記改質ガスで、前記元素を含む層を改質する工程と、
(C)窒素を含む窒化ガスを熱で活性化し、熱で活性化した前記窒化ガスで、前記元素を含む層を熱窒化する工程と、
(D)炭素、酸素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる少なくとも1つ以上の不純物を含む導入ガスを前記基板に供給し、前記元素を含む層に対して前記不純物を導入する工程と、
を含むサイクルを複数回繰り返し、
各前記サイクルにおいて、前記(D)を前記(B)の後のみに実行し前記(B)の前には実行しない。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、低温で窒化膜を形成でき、且つ、窒化膜が形成される下地のダメージを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る成膜装置を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る処理ユニットを示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るプラズマ発生機構を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示す窒化膜の成膜の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示す1サイクルの動作タイミングの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、1サイクルの動作タイミングの変形例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施例1、比較例3および比較例4で得られたシリコン窒化膜の膜厚の平均値を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例4および比較例5で得られたシリコン窒化膜の膜厚の平均値を示す図である。
【
図11】
図11は、
図10に示す成膜装置を用いた成膜方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0009】
(成膜装置)
図1は、一実施形態に係る成膜装置を示す図である。成膜装置1は、ALD(Atomic Layer Deposition)法で、窒化膜を基板に形成する。窒化膜は、例えばシリコン窒化膜である。シリコン窒化膜は、原料ガス(例えばジクロロシランガス)と、窒化ガス(例えばアンモニアガス)とを交互に基板に供給することにより、基板上に形成される。成膜装置1は、例えば、処理ユニット10と、除害装置50と、排気源51と、制御部100とを備える。
【0010】
図2は、一実施形態に係る処理ユニットを示す図である。
図2に示す処理ユニット10は、多数枚の基板に対して一括で熱処理を行うバッチ式の縦型熱処理装置である。但し、処理ユニット10は、縦型熱処理装置には限定されない。例えば、処理ユニット10は、基板2を1枚ずつ処理する枚葉式の装置であってもよい。また、処理ユニット10は、セミバッチ式の装置であってもよい。セミバッチ式の装置は、回転テーブルの回転中心線の周りに配置した複数枚の基板2を、回転テーブルと共に回転させ、異なるガスが供給される複数の領域を順番に通過させる。
【0011】
図2に示されるように、処理ユニット10は、基板2が処理される空間を内部に形成する処理容器11と、処理容器11の下端の開口を気密に塞ぐ蓋体20と、基板2を保持する基板保持具30とを有する。基板2は、例えば半導体基板であって、より詳細には例えばシリコンウエハである。基板保持具30は、ウエハボートとも呼ばれる。
【0012】
処理容器11は、下端が開放された有天井の円筒形状の処理容器本体12を有する。処理容器本体12は、例えば石英により形成される。処理容器本体12の下端には、フランジ部13が形成される。また、処理容器11は、例えば円筒形状のマニホールド14を有する。マニホールド14は、例えばステンレス鋼により形成される。マニホールド14の上端にはフランジ部15が形成され、そのフランジ部15には処理容器本体12のフランジ部13が設置される。フランジ部15とフランジ部13との間には、Oリング等のシール部材16が配置される。
【0013】
蓋体20は、マニホールド14の下端の開口に、Oリング等のシール部材21を介して気密に取り付けられる。蓋体20は、例えばステンレス鋼により形成される。蓋体20の中央部には、蓋体20を鉛直方向に貫通する貫通穴が形成される。その貫通穴には、回転軸24が配置される。蓋体20と回転軸24の隙間は、磁性流体シール部23によってシールされる。回転軸24の下端部は、昇降部25のアーム26に回転自在に支持される。回転軸24の上端部には、回転プレート27が設けられる。回転プレート27上には、保温台28を介して基板保持具30が設置される。
【0014】
基板保持具30は、複数枚の基板2を鉛直方向に間隔をおいて保持する。複数枚の基板2は、それぞれ、水平に保持される。基板保持具30は、例えば石英(SiO2)または炭化珪素(SiC)により形成される。昇降部25を上昇させると、蓋体20および基板保持具30が上昇し、基板保持具30が処理容器11の内部に搬入され、処理容器11の下端の開口が蓋体20で密閉される。また、昇降部25を下降させると、蓋体20および基板保持具30が下降し、基板保持具30が処理容器11の外部に搬出される。また、回転軸24を回転させると、回転プレート27と共に基板保持具30が回転する。
【0015】
処理ユニット10は、4本のガス供給管40A、40B、40C、40Dを有する。ガス供給管40A、40B、40C、40Dは、例えば石英(SiO2)により形成される。ガス供給管40A、40B、40C、40Dは、処理容器11の内部にガスを供給する。本実施形態では4種類のガスが用いられるので、4本のガス供給管40A、40B、40C、40Dが設けられる。ガスの種類については後述する。なお、1本のガス供給管が複数種類のガスを順番に吐出してもよい。また、複数本のガス供給管が同じ種類のガスを同時に吐出してもよい。
【0016】
ガス供給管40A、40B、40Cは、例えば、処理容器11の内部に鉛直に配置される鉛直管41A、41B、41Cを有する。その鉛直管41A、41B、41Cは、鉛直方向に間隔をおいて複数の給気口42A、42B、42Cを有する。複数の給気口42A、42B、42Cは、ガスを水平に吐出する。ガス供給管40A、40B、40Cは、マニホールド14を水平に貫通する水平管43A、43B、43Cを有する。水平管43A、43B、43Cに供給されたガスは、鉛直管41A、41B、41Cに送られ、給気口42A、42B、42Cから水平に吐出される。一方、ガス供給管40Dは、マニホールド14を水平に貫通する水平管43Dを有する。水平管43Dに供給されたガスは、マニホールド14の内部に水平に吐出される。
【0017】
処理ユニット10は、排気管45を有する。排気管45は、処理容器11の内部を排気する。処理容器11の内部を排気すべく、処理容器本体12には排気口18が形成される。その排気口18は、給気口42A、42B、42Cと対向するように配置される。給気口42A、42B、42Cから水平に吐出されたガスは、排気口18を通った後、排気管45から排気される。
【0018】
排気管45は、
図1に示すように、処理容器11と除害装置50とを接続し、処理容器11から排気されるガスを除害装置50に送る。除害装置50は、排気ガスの有害成分を除去したうえで排気ガスを大気に放出する。排気管45の途中には、上流側から下流側に向けて、開閉弁47と排気源51とがこの順で設けられる。開閉弁47は、排気管45の内部を開閉する。開閉弁47は、処理容器11の内部の気圧を制御する圧力制御弁を兼ねる。排気源51は、真空ポンプを含み、処理容器11の内部のガスを、吸引して、除害装置50に送る。
【0019】
処理ユニット10は、
図2に示すように、処理容器加熱部60を有する。処理容器加熱部60は、処理容器11の内部を加熱することにより、処理容器11の内部に供給されるガスの処理能力を向上する。処理容器加熱部60は、処理容器11の外部に配置され、処理容器11の外側から処理容器11の内部を加熱する。例えば、処理容器加熱部60は、処理容器本体12を取り囲むように円筒形状に形成される。処理容器加熱部60は、例えば電気ヒータで構成される。
【0020】
処理ユニット10は、
図1に示すように、原料ガス供給機構70と、改質ガス供給機構75と、窒化ガス供給機構80と、パージガス供給機構85とを有する。原料ガス供給機構70は、処理容器11の内部に原料ガスを供給する。原料ガスは、窒化される元素(例えばシリコン)を含むものである。
【0021】
原料ガスとしては、例えば、ジクロロシラン(DCS:SiH2Cl2)ガスが用いられる。なお、本実施形態の原料ガスはDCSガスであるが、本開示の技術はこれに限定されない。原料ガスとしては、DCSガスの他に、例えば、モノクロロシラン(MCS:SiH3Cl)ガス、トリクロロシラン(TCS:SiHCl3)ガス、シリコンテトラクロライド(STC:SiCl4)ガス、ヘキサクロロジシラン(HCDS:Si2Cl6)ガス等も使用可能である。これらのガスを基板2に供給することにより、シリコン(Si)を含むSi含有層を基板2に形成できる。Si含有層は、Siの他にハロゲン元素を含む。原料ガスがハロゲン元素を含むからである。
【0022】
原料ガス供給機構70は、原料ガス供給源71と、原料ガス配管72と、原料ガス流量制御弁73とを有する。原料ガス配管72は、原料ガス供給源71とガス供給管40Aとを接続し、原料ガス供給源71からガス供給管40Aに原料ガスを送る。原料ガスは、鉛直管41Aの給気口42Aから、基板2に向けて水平に吐出される。原料ガス流量制御弁73は、原料ガス配管72の途中に設けられ、原料ガスの流量を制御する。
【0023】
改質ガス供給機構75は、処理容器11の内部に改質ガスを供給することにより、Si含有層を改質する。Si含有層の改質は、例えば、Si含有層に含まれるハロゲン元素を除去することを含む。ハロゲン元素を除去することで、Siの未結合手(Dangling Bond)を形成できる。その結果、Si含有層を活性化でき、Si含有層の窒化を促進できる。改質ガスは、水素(H2)ガスまたは/および不活性ガスを含む。改質ガスは、水素ガスのみ、不活性ガスのみ、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスのいずれでもよい。不活性ガスとしては、Arガス等の希ガス、N2ガス等を用いることができる。なお、改質ガスとしてN2ガスを用いる場合、Si含有層の窒化を抑制できる条件で改質を行う。
【0024】
改質ガス供給機構75は、改質ガス供給源76と、改質ガス配管77と、改質ガス流量制御弁78とを有する。改質ガス配管77は、改質ガス供給源76とガス供給管40Bとを接続し、改質ガス供給源76からガス供給管40Bに改質ガスを送る。改質ガスは、鉛直管41Bの給気口42Bから、基板2に向けて水平に吐出される。改質ガス流量制御弁78は、改質ガス配管77の途中に設けられ、改質ガスの流量を制御する。
【0025】
窒化ガス供給機構80は、処理容器11の内部に窒化ガスを供給することにより、Si含有層を窒化する。窒化ガスとしては、例えば、アンモニア(NH3)ガス、有機ヒドラジン化合物ガス、アミン系ガス、NOガス、N2Oガス、またはNO2ガスが用いられる。有機ヒドラジン化合物ガスとしては、例えば、ヒドラジン(N2H4)ガス、ジアゼン(N2H2)ガス、またはモノメチルヒドラジン(MMH)ガスなどが用いられる。アミン系ガスとしては、例えば、モノメチルアミンガスなどが用いられる。
【0026】
窒化ガス供給機構80は、窒化ガス供給源81と、窒化ガス配管82と、窒化ガス流量制御弁83とを有する。窒化ガス配管82は、窒化ガス供給源81とガス供給管40Cとを接続し、窒化ガス供給源81からガス供給管40Cに窒化ガスを送る。窒化ガスは、鉛直管41Cの給気口42Cから、基板2に向けて水平に吐出される。窒化ガス流量制御弁83は、窒化ガス配管82の途中に設けられ、窒化ガスの流量を制御する。
【0027】
パージガス供給機構85は、処理容器11の内部にパージガスを供給することにより、処理容器11の内部に残留する原料ガス、改質ガス、および窒化ガスを除去する。パージガスとしては、例えば不活性ガスが用いられる。不活性ガスとしては、Arガス等の希ガス、またはN2ガスが用いられる。
【0028】
パージガス供給機構85は、パージガス供給源86と、パージガス配管87と、パージガス流量制御弁88とを有する。パージガス配管87は、パージガス供給源86とガス供給管40Dとを接続し、パージガス供給源86からガス供給管40Dにパージガスを送る。パージガスは、水平管43Dから、マニホールド14の内部に水平に吐出される。パージガス流量制御弁88は、パージガス配管87の途中に設けられ、パージガスの流量を制御する。
【0029】
図3は、一実施形態に係るプラズマ発生機構を示す図である。
図3に示すように、処理容器本体12の周方向一部には、開口部17が形成される。その開口部17を囲むように、収容部19が設けられる。収容部19は、処理容器本体12から径方向外方に突き出すように形成され、例えば鉛直方向視でU字状に形成される。
【0030】
収容部19は、改質ガス用の鉛直管41Bと、窒化ガス用の鉛直管41Cとを収容する。改質ガスは、鉛直管41Bの給気口42Bから開口部17に向けて水平に吐出され、開口部17を介して処理容器本体12の内部に供給される。同様に、窒化ガスは、鉛直管41Cの給気口42Cから開口部17に向けて水平に吐出され、開口部17を介して処理容器本体12の内部に供給される。
【0031】
一方、原料ガス用の鉛直管41Aは、収容部19の外部であって、処理容器本体12の内部に配置される。
【0032】
なお、後述する比較例2において窒化ガスをプラズマ化する目的で、本実施形態では窒化ガス用の鉛直管41Cを収容部19の内部に配置したが、本開示の技術はこれに限定されない。後述する実施例1~4では、窒化ガスをプラズマ化しないので、窒化ガス用の鉛直管41Cは、原料ガス用の鉛直管41Aと同様に、収容部19の外部であって、処理容器本体12の内部に配置されてもよい。
【0033】
プラズマ発生機構90は、例えば、収容部19を挟むように配置される一対の電極91、92と、一対の電極91、92の間に高周波電圧を印加する高周波電源93とを有する。一対の電極91、92は、改質ガス用の鉛直管41Bと同様に、鉛直方向に細長く形成される。
【0034】
一対の電極91、92の間に高周波電圧を印加することにより、収容部19の内部空間に高周波電界が印加される。改質ガスは、収容部19の内部空間において、高周波電界によってプラズマ化される。改質ガスが水素ガスを含む場合、水素ガスがプラズマ化され、水素ラジカルが生成される。また、改質ガスが窒素ガスを含む場合、窒素ガスがプラズマ化され、窒素ラジカルが生成される。さらに、改質ガスがアルゴンガスを含む場合、アルゴンガスがプラズマ化され、アルゴンラジカルが生成される。これらの活性種は、開口部17を介して処理容器本体12の内部に供給され、Si含有層を改質する。
【0035】
Si含有層の改質は、例えば、Si含有層に含まれるハロゲン元素を除去することを含む。ハロゲン元素を除去することで、Siの未結合手を形成できる。その結果、Si含有層を活性化でき、Si含有層の窒化を促進できる。Si含有層の窒化は、本実施形態ではSi含有層の改質の後で行われる。
【0036】
Si含有層を改質するので、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層の熱窒化を低温(例えば600℃以下)で実施できる。窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、下地へのダメージを低減できる。仮に窒化ガスをプラズマ化すれば、Si含有層を改質することなく低温でSi含有層を窒化可能であるが、下地へのダメージが大きくなってしまう。プラズマ化した窒化ガスは、Si含有層と反応しやすい反面、Si含有層を超えて下地とも反応しやすいからである。また、窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、処理容器11からの堆積物の剥離を抑制でき、処理容器11の洗浄処理の頻度を低減できる。プラズマ化した窒化ガスは、処理容器11に堆積した堆積物とも反応しやすく、堆積物を剥離しやすいからである。堆積物が処理容器11から剥離してしまうと、剥離した堆積物がパーティクルとして基板2に付着してしまう。
【0037】
図1に示すように、成膜装置1は、制御部100を備える。制御部100は、例えばコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリなどの記憶媒体102とを備える。記憶媒体102には、成膜装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部100は、記憶媒体102に記憶されたプログラムをCPU101に実行させることにより、成膜装置1の動作を制御する。また、制御部100は、入力インターフェース103と、出力インターフェース104とを備える。制御部100は、入力インターフェース103で外部からの信号を受信し、出力インターフェース104で外部に信号を送信する。
【0038】
かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されていたものであって、その記憶媒体から制御部100の記憶媒体102にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどが挙げられる。なお、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、制御部100の記憶媒体102にインストールされてもよい。
【0039】
(成膜方法)
図4は、一実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。
図4に示す工程は、制御部100による制御下で、基板2を替えて繰り返し実施される。
【0040】
成膜方法は、基板2を処理容器11の内部に搬入する搬入工程S11を有する。搬入工程S11では、先ず、処理容器11の外部で、搬送装置が複数の基板2を基板保持具30に載せる。基板保持具30は、複数の基板2を鉛直方向に間隔をおいて水平に保持する。次いで、昇降部25を上昇させ、蓋体20および基板保持具30を上昇させる。基板保持具30と共に基板2が処理容器11の内部に搬入され、処理容器11の下端の開口が蓋体20で密閉される。
【0041】
成膜方法は、基板2に窒化膜を形成する成膜工程S12を有する。成膜工程S12では、処理容器11の内部の気圧が設定値になるように処理容器11の内部を排気しながら、処理容器11の内部に複数種類のガスを順番に供給し、基板保持具30と共に回転する基板2に窒化膜を形成する。成膜工程S12では、処理容器加熱部60が処理容器11の内部を加熱することにより、成膜速度を向上する。成膜工程S12の後、パージガスを供給し、続いて処理容器11の内部の排気を止め、処理容器11の内部の気圧を常圧に戻す。
【0042】
成膜方法は、基板2を処理容器11の外部に搬出する搬出工程S13を有する。搬出工程S13では、昇降部25を下降させ、蓋体20および基板保持具30を下降させる。蓋体20が処理容器11の下端の開口を開放し、基板保持具30と共に基板2が処理容器11の外部に搬出される。その後、搬送装置が、基板2を基板保持具30から取り外す。次いで、昇降部25を上昇させ、蓋体20および基板保持具30を上昇させる。基板保持具30が処理容器11の内部に搬入され、処理容器11の下端の開口が蓋体20で密閉される。
【0043】
図5は、
図4に示す窒化膜の成膜の一例を示すフローチャートである。
図5に示す工程S121~S127は、制御部100による制御下で、実施される。
図6は、
図5に示す1サイクルの動作タイミングの一例を示す図である。
【0044】
成膜工程S12は、例えば、下記のサイクルを、サイクル数が目標回数に達するまで繰り返す。サイクルは、例えば、パージ(工程S121)、Si含有層の形成(工程S122)、パージ(工程S123)、Si含有層の改質(工程S124)、パージ(工程S125)、およびSi含有層の窒化(工程S126)を含む。サイクルを繰り返し実施する間、基板2の温度は例えば400℃以上600℃以下であり、処理容器11の内部の気圧は例えば13Pa以上665Pa以下である。
【0045】
パージ(工程S121)は、
図6に示す時刻t0から時刻t1まで行われる。この工程S121では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、パージガス供給機構85によってパージガスを処理容器11の内部に供給する。これにより、処理容器11の内部に残留するガスを、パージガスで置換する。パージガスの流量は、例えば10sccm以上5000sccm以下である。工程S121の時間は、例えば3秒以上10秒以下である。パージガスは、パージガス供給機構85に限らず、他のガス供給機構からも供給されてよい。また、
図6に示すように、パージガスは、時刻t0から時刻t6まで休みなく処理容器11の内部に供給される。パージガスは、工程に適した流量で供給される。
【0046】
Si含有層の形成(工程S122)は、
図6に示す時刻t1から時刻t2まで行われる。この工程S122では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、原料ガス供給機構70によって原料ガスを処理容器11の内部に供給する。原料ガスは、例えばDCSガスである。これにより、Si含有層が基板2上に形成される。原料ガスの流量は、例えば10sccm以上3000sccm以下である。工程S122の時間は、例えば1秒以上10秒以下である。
【0047】
パージ(工程S123)は、
図6に示す時刻t2から時刻t3まで行われる。この工程S123では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、パージガス供給機構85によってパージガスを処理容器11の内部に供給する。これにより、処理容器11の内部に残留するガスを、パージガスで置換する。パージガスの流量は、例えば10sccm以上5000sccm以下である。工程S123の時間は、例えば3秒以上10秒以下である。パージガスは、パージガス供給機構85に限らず、他のガス供給機構からも供給されてよい。
【0048】
Si含有層の改質(工程S124)は、
図6に示す時刻t3から時刻t4まで行われる。この工程S124では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、改質ガス供給機構75によって改質ガスを処理容器11の内部に供給する。また、この工程S124では、プラズマ発生機構90によって改質ガスをプラズマ化する。改質ガスは、例えば水素ガスと窒素ガスとの混合ガスである。プラズマ化した改質ガスで、Si含有層を改質する。Si含有層の改質は、例えば、Si含有層に含まれるハロゲン元素を除去することを含む。ハロゲン元素を除去することで、Siの未結合手を形成できる。その結果、Si含有層を活性化でき、Si含有層の窒化を促進できる。改質ガスの流量は、例えば10sccm以上5000sccm以下である。高周波電源93の電力は、例えば50W以上300W以下である。工程S124の時間は、例えば3秒以上60秒以下である。
【0049】
パージ(工程S125)は、
図6に示す時刻t4から時刻t5まで行われる。この工程S125では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、パージガス供給機構85によってパージガスを処理容器11の内部に供給する。これにより、処理容器11の内部に残留するガスを、パージガスで置換する。パージガスの流量は、例えば500sccm以上5000sccm以下である。工程S125の時間は、例えば3秒以上10秒以下である。パージガスは、パージガス供給機構85に限らず、他のガス供給機構からも供給されてよい。
【0050】
Si含有層の窒化(工程S126)は、
図6に示す時刻t5から時刻t6まで行われる。この工程S126では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、窒化ガス供給機構80によって窒化ガスを処理容器11の内部に供給する。この工程S126では、プラズマ発生機構90によって窒化ガスをプラズマ化しない。窒化ガスは、例えばアンモニアガスである。熱で活性化したアンモニアガスで、Si含有層を熱窒化する。窒化ガスの流量は、例えば10sccm以上10000sccm以下である。工程S126の時間は、例えば5秒以上120秒以下である。
【0051】
サイクル数が目標回数未満である場合(工程S127、NO)、シリコン窒化膜の膜厚の平均値が目標値に未達であるので、制御部100は工程S121以降の処理を再び実施する。一方、サイクル数が目標回数である場合(工程S127、YES)、シリコン窒化膜の膜厚の平均値が目標値に到達しているので、制御部100は今回の処理を終了する。
【0052】
なお、本実施形態でのサイクルは、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の前に含むが、本開示の技術はこれに限定されない。サイクルは、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の後に含んでもよい。この場合、n+1(nは1以上の自然数)回目のサイクルのSi含有層の形成(工程S122)の前に、n回目のサイクルのSi含有層の窒化(工程S126)で窒化されなかった部分を改質できる。改質した部分を、n+1回目のサイクルのSi含有層の窒化(工程S126)で窒化できる。
【0053】
図7は、1サイクルの動作タイミングの変形例を示す図である。本変形例のサイクルは、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の前と、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の後との両方に含む。
図7に示す1サイクルの動作タイミングは、
図6に示す1サイクルの動作タイミングとは、時刻t0から時刻t6までは同じである。以下、
図7に示す1サイクルの動作タイミングと、
図6に示す1サイクルの動作タイミングとの相違点について説明する。
【0054】
本変形例のサイクルは、時刻t6から時刻t7まで、時刻t2から時刻t3までと同様に、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、パージガス供給機構85によってパージガスを処理容器11の内部に供給する。これにより、処理容器11の内部に残留するガスを、パージガスで置換する。但し、
図7に示すように、パージガスは、時刻t0から時刻t8まで休みなく処理容器11の内部に供給される。
【0055】
本変形例のサイクルは、時刻t7から時刻t8まで、時刻t3から時刻t4と同様に、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、改質ガス供給機構75によって改質ガスを処理容器11の内部に供給する。また、時刻t7から時刻t8まで、プラズマ発生機構90によって改質ガスをプラズマ化する。改質ガスは、例えば水素ガスと窒素ガスとの混合ガスである。プラズマ化した改質ガスで、Si含有層を改質する。
【0056】
本変形例のサイクルは、時刻t5から時刻t6まで行われるSi含有層の窒化(工程S126)の後に、再び、Si含有層の改質を含む。n+1(nは1以上の自然数)回目のサイクルのSi含有層の形成(工程S122)の前に、n回目のサイクルのSi含有層の窒化(工程S126)で窒化されなかった部分を改質できる。改質した部分を、n+1回目のサイクルのSi含有層の窒化(工程S126)で窒化できる。
【0057】
(実施例と比較例)
実施例1では、
図5に示すサイクル(工程S121~S126)を
図6に示す動作タイミングで77回実施することにより、シリコン窒化膜をシリコンウエハ上に形成した。原料ガスとしては、DCSガスを使用した。改質ガスとしては、H
2ガスを91体積%、N
2ガスを9体積%含むものを用いた。改質ガスは、プラズマ化した。窒化ガスとしては、NH
3ガスを使用した。窒化ガスは、プラズマ化しなかった。パージガスとしては、N
2ガスを使用した。サイクルを繰り返す間、シリコンウエハの温度は550℃に維持した。
【0058】
比較例1では、Si含有層の改質(工程S124)とその直前のパージ(工程S123)を行わなかったこと、およびシリコンウエハの温度を630℃に維持したこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0059】
比較例2では、Si含有層の改質(工程S124)とその直前のパージ(工程S123)を行わなかったこと、およびSi含有層の窒化(工程S126)において窒化ガスをプラズマ化したこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。つまり、比較例2では、Si含有層の窒化(工程S126)において窒化ガスをプラズマ化したこと、およびシリコンウエハの温度を550℃に維持したこと以外、比較例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0060】
実施例1、比較例1および比較例2の、成膜条件と、シリコン窒化膜の評価結果とを表1に示す。なお、実施例1、比較例1および比較例2のいずれも、成膜直後のステップカバレッジ性は良好であった。
【0061】
【0062】
「塩素含有率」は、シリコン窒化膜の単位体積に占める塩素元素の数である。塩素含有率は、二次イオン質量分析法(SIMS)で測定した。膜密度は、X線反射率法(XRR)で測定した。「WER」は、ウエットエッチングレートである。ウエットエッチング液としては、フッ酸濃度が0.5%の希フッ酸(DHF)を使用した。なお、実施例1、比較例1および比較例2のいずれも、ウエットエッチング後のステップカバレッジ性は良好であった。「Jg@5MV/cm」は、単位面積当たりのリーク電流を表す。
【0063】
表1において、実施例1と比較例1とを比較すれば明らかなように、実施例1によれば、Si含有層を改質したので、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層の熱窒化を低温(例えば600℃以下)で実施できた。実施例1でSi含有層の改質が行われたことは、塩素含有率が低いことからも分かる。また、実施例1によれば、膜質(膜密度やWER)は同程度にも関わらずリーク電流が小さかったことから、低温での熱窒化によって下地へのダメージを低減できたことが分かる。下地ダメージは、リーク電流に影響を与える要素である。
【0064】
また、表1において、実施例1と比較例2とを比較すれば明らかなように、実施例1によれば、Si含有層の窒化を低温ですべく、窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、下地へのダメージを低減できた。下地へのダメージを低減できたことは、リーク電流が小さいことが示唆している。
【0065】
なお、シリコンウエハの温度を500℃に維持したこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成したところ、実施例1と同じ膜密度のシリコン窒化膜が得られた。膜密度が同じあることは、膜質が同じことを示唆する。この結果から、本開示の技術によれば、シリコンウエハの温度が550℃未満でも、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層を窒化できることが分かる。シリコンウエハの温度が550℃未満であれば、シリコンウエハに予め形成される電子回路等の熱劣化をより抑制できる。
【0066】
ところで、実施例1では、上述の如く、
図5に示すサイクル(工程S121~S126)を
図6に示す動作タイミングで77回実施することにより、シリコン窒化膜をシリコンウエハ上に形成した。シリコン窒化膜の膜厚の平均値は73.72Åであり、1サイクル当たりの成膜速度は0.96Åであった。
【0067】
比較例3では、Si含有層の改質(工程S124)とその直前のパージ(工程S123)を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして処理を行った。シリコン窒化膜の膜厚の平均値は13.97Åであり、1サイクル当たりの成膜速度は0.18Åであった。
【0068】
比較例4では、Si含有層の窒化(工程S126)とその直前のパージ(工程S125)を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして処理を行った。シリコン窒化膜の膜厚の平均値は17.97Åであり、1サイクル当たりの成膜速度は0.23Åであった。
【0069】
実施例1、比較例3および比較例4の、成膜条件と、シリコン窒化膜の評価結果とを表2に示す。また、実施例1、比較例3および比較例4で得られたシリコン窒化膜の膜厚の平均値を
図8に示す。
【0070】
【0071】
表2および
図8において、実施例1と比較例3とを比較すれば明らかなように、実施例1によれば、Si含有層の熱窒化の前にSi含有層の改質を行うので、Si含有層の熱窒化を促進でき、成膜速度を向上できたことが分かる。比較例3では、Si含有層の改質が行われないので、成膜速度が低過ぎて、目標値の膜厚を得るのが困難であった。
【0072】
また、表2および
図8において、実施例1と比較例3と比較例4とを比較すれば明らかなように、実施例1のSi含有層の改質は、Si含有層の窒化を抑制できる条件で行われたことが分かる。比較例4では、比較例3と同程度にしか、成膜が進まなかったからである。
【0073】
次に、改質ガスの水素含有率を変更した場合について説明する。なお、実施例1では、上述の如く、改質ガスとしては、H2ガスを91体積%、N2ガスを9体積%含むものを用いた。
【0074】
実施例2では、改質ガスとしてH2ガス100体積%のものを用いたこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0075】
実施例3では、改質ガスとしてN2ガス100体積%のものを用いたこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0076】
実施例1、実施例2、および実施例3の、成膜条件と、シリコン窒化膜の評価結果とを表3に示す。
【0077】
【0078】
表3から明らかなように、実施例2の「WER」が最も小さく、実施例3の「WER」が2番目に小さく、実施例1の「WER」が最も大きかった。この結果から、H2ガスを単独で改質ガスとして用いると、最も高い改質効果を得られることが分かる。
【0079】
次に、原料ガスとしてDCSガス以外のガスを用いた場合について説明する。なお、実施例1では、上述の如く、原料ガスとしては、DCSガスを用いた。
【0080】
実施例4では、原料ガスとしてHCDSガスを用いたこと、およびシリコンウエハの温度を400℃に維持したこと、サイクル数を150回に設定したこと以外、実施例1と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0081】
比較例5では、Si含有層の改質(工程S124)とその直前のパージ(工程S123)を行わなかったことと以外、実施例4と同様にしてシリコン窒化膜を形成した。
【0082】
実施例4および比較例5の、成膜条件と、シリコン窒化膜の評価結果とを表4に示す。また、実施例4および比較例5で得られたシリコン窒化膜の膜厚の平均値を
図9に示す。
【0083】
【0084】
比較例5によれば、原料ガスとしてHCDSガスを用いた場合、Si含有層の改質(工程S124)を行わなくても、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層の熱窒化を400℃で実施できた。但し、実施例4によれば、原料ガスとしてHCDSガスを用いた場合、Si含有層の改質(工程S124)を行うことにより、Si含有層の熱窒化を促進でき、成膜速度を向上できた。
【0085】
次に、成膜する膜が、窒素に加えて、炭素、酸素、ホウ素及びフッ素から選ばれる少なくとも1つの不純物を含む窒化膜である場合について、
図10、
図11及び
図12を参照して説明する。以下、成膜する膜が上記不純物を含まない窒化膜である場合との相違点について主に説明する。
【0086】
図10に示すように、処理ユニット10は、原料ガス供給機構70と、改質ガス供給機構75と、窒化ガス供給機構80と、パージガス供給機構85とに加えて、導入ガス供給機構61を更に有する。導入ガス供給機構61は、処理容器11の内部に導入ガスを供給する。導入ガスは、炭素、酸素、ホウ素及びフッ素から選ばれる少なくとも1つの不純物を含み、シリコン窒化膜などの窒化膜に対して上記不純物を導入する。導入ガス用のガス供給管は、図示を省略するが、
図2に示す原料ガス用のガス供給管40Aと同様に、処理容器11の内部に鉛直に配置される鉛直管を有する。
【0087】
導入ガス供給機構61は、導入ガス供給源62と、導入ガス配管63と、導入ガス流量制御弁64とを有する。導入ガス配管63は、導入ガス供給源62とガス供給管の鉛直管とを接続し、導入ガス供給源62から鉛直管に導入ガスを送る。導入ガス流量制御弁64は、導入ガス配管63の途中に設けられ、導入ガスの流量を制御する。
【0088】
不純物として炭素を導入する場合、導入ガスとして、炭化水素ガスなどが用いられる。炭化水素ガスの具体例としては、例えばC4H6ガスなどが挙げられる。不純物として酸素を導入する場合、導入ガスとして、O2、O3、N2O、NO、CO、CO2などが用いられる。不純物としてホウ素を導入する場合、導入ガスとして、BCl3、B2H6、TDMAB(トリスジメチルアミノボラン)などが用いられる。不純物としてフッ素を導入する場合、導入ガスとして、F2、HF、SiF4などが用いられる。
【0089】
図11に示すように、成膜工程S12は、例えば、下記のサイクルを、サイクル数が目標回数に達するまで繰り返す。サイクルは、例えば、パージ(工程S121)、Si含有層の形成(工程S122)、パージ(工程S123)、Si含有層の改質(工程S124)、パージ(工程S125)、およびSi含有層の窒化(工程S126)に加えて、パージ(工程S131)、および不純物の導入(工程S132)を含む。サイクルを繰り返し実施する間、基板2の温度は例えば400℃以上600℃以下であり、処理容器11の内部の気圧は例えば13Pa以上2000Pa以下である。
【0090】
パージ(工程S131)は、
図12に示す時刻t4から時刻t11まで行われる。この工程S131では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、パージガス供給機構85によってパージガスを処理容器11の内部に供給する。これにより、処理容器11の内部に残留するガスを、パージガスで置換する。パージガスの流量は、例えば10sccm以上5000sccm以下である。工程S131の時間は、例えば3秒以上10秒以下である。パージガスは、パージガス供給機構85に限らず、他のガス供給機構からも供給されてよい。また、
図12に示すように、パージガスは、時刻t0から時刻t6まで休みなく処理容器11の内部に供給される。パージガスは、工程に適した流量で供給される。
【0091】
不純物の導入(工程S132)は、
図12に示す時刻t11から時刻t12まで行われる。この工程S132では、排気源51によって処理容器11の内部を排気しつつ、導入ガス供給機構61によって導入ガスを処理容器11の内部に供給する。導入ガスは、例えばC
4H
6ガスである。これにより、不純物としてCをSi含有層に導入できる。導入ガスの流量は、例えば10sccm以上3000sccm以下である。工程S132の時間は、例えば1秒以上60秒以下である。導入ガスは、プラズマ発生機構90によってプラズマ化しない。
【0092】
本変形例のサイクルは、
図5に示すサイクルと同様に、Si含有層の改質(工程S124)を含む。従って、上記の通り、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層の熱窒化を低温(例えば600℃以下、好ましくは550℃以下)で実施できる。窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、下地へのダメージを低減できる。また、窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、処理容器11からの堆積物の剥離を抑制でき、処理容器11の洗浄処理の頻度を低減できる。
【0093】
また、本変形例のサイクルは、
図5に示すサイクルと同様に、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の前に含む。n回目のサイクルで形成したSi含有層を、その上に新たなSi含有層を形成する前に、改質及び窒化できる。従って、改質及び窒化の効率が良い。
【0094】
なお、上記の通り、サイクルは、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の形成(工程S122)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の後に含んでもよい。この場合、n回目のサイクルで形成したSi含有層のうち、窒化しなかった部分を、その上に新たなSi含有層を形成する前に、改質できる。改質した部分と、n+1回目で形成したSi含有層とを、n+1回目のサイクルで窒化できる。また、サイクルは、Si含有層の改質(工程S124)を、Si含有層の窒化(工程S126)の前後両方に含んでもよい。
【0095】
本変形例のサイクルは、
図5に示すサイクルとは異なり、不純物の導入(工程S132)を更に含む。本変形例によれば、上記の通り窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、不純物(例えばC)がSi含有層から抜け出すのを抑制できる。仮に窒化ガスをプラズマ化すると、窒化の前に導入した不純物が窒化の際にSi含有層から抜け出してしまうので、不純物の含有量が低下してしまう。
【0096】
また、本変形例のサイクルは、不純物の導入(工程S132)を、Si含有層の改質(工程S124)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の前に含む。n(nは1以上の自然数)回目のサイクルで形成したSi含有層を、その上に新たなSi含有層を形成する前に、改質、炭化及び窒化できる。
【0097】
なお、サイクルは、不純物の導入(工程S132)を、Si含有層の改質(工程S124)の後であって且つSi含有層の窒化(工程S126)の後に含んでもよい。n回目のサイクルで導入された不純物が、n+1回目のサイクルの窒化の際にSi含有層から抜け出すのを抑制できる。また、サイクルは、不純物の導入量を増加すべく、不純物の導入(工程S132)をSi含有層の窒化(工程S126)の前後の両方に含んでもよい。
【0098】
(実施例と比較例)
実施例5では、
図11に示すサイクル(工程S121~S126、S131~S132)を
図12に示す動作タイミングで99回実施することにより、シリコン炭窒化膜をシリコンウエハ上に形成した。原料ガスとしては、DCSガスを使用した。改質ガスとしては、H
2ガスを91体積%、N
2ガスを9体積%含むものを用いた。改質ガスは、プラズマ化した。導入ガスとしては、C
4H
6ガスを使用した。導入ガスは、プラズマ化しなかった。不純物の導入(工程S132)における処理容器11の内部の気圧は1200Pa(9Torr)であった。窒化ガスとしては、NH
3ガスを使用した。窒化ガスは、プラズマ化しなかった。パージガスとしては、N
2ガスを使用した。サイクルを繰り返す間、シリコンウエハの温度は550℃に維持した。
【0099】
実施例6では、不純物の導入(工程S132)における処理容器11の内部の気圧を1200Pa(9Torr)から、1733Pa(13Torr)に変更した以外、実施例5と同様にしてシリコン炭窒化膜を形成した。
【0100】
比較例6では、Si含有層の改質(工程S124)とその直前のパージ(工程S123)を行わなかったこと、およびSi含有層の窒化(工程S126)において窒化ガスをプラズマ化したこと以外、実施例5と同様にしてシリコン炭窒化膜を形成した。
【0101】
比較例7では、Si含有層の窒化(工程S126)において窒化ガスをプラズマ化したこと以外、実施例5と同様にしてシリコン炭窒化膜を形成した。
【0102】
実施例5、実施例6、比較例6および比較例7の、成膜条件と、シリコン炭窒化膜の化学組成の測定結果とを表5に示す。なお、実施例5、実施例6、比較例6および比較例7のいずれも、成膜直後のステップカバレッジ性は良好であった。
【0103】
【0104】
シリコン炭窒化膜の化学組成は、X線光電子分光法(XPS)により測定した。
【0105】
表5から明らかなように、実施例5-6によれば、Si含有層を改質したので、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層の熱窒化を比較的低温の550℃で実施できた。熱窒化が行われたことは、N含有量から明らかである。
【0106】
また、表5において、実施例5と比較例6-7とを比較すれば明らかなように、実施例5によれば、窒化ガスをプラズマ化しなくて済むので、予め導入したCがSi含有層から抜け出すのを抑制できた。
【0107】
なお、シリコンウエハの温度を500℃に維持したこと以外、実施例5と同様にしてシリコン炭窒化膜を形成したところ、実施例5と同じ膜密度のシリコン炭窒化膜が得られた。膜密度が同じあることは、膜質が同じことを示唆する。この結果から、本開示の技術によれば、シリコンウエハの温度が550℃未満でも、窒化ガスをプラズマ化することなく、Si含有層を窒化できることが分かる。シリコンウエハの温度が550℃未満であれば、シリコンウエハに予め形成される電子回路等の熱劣化をより抑制できる。
【0108】
以上説明した通り、成膜する膜は、窒化膜であればよく、窒素に加えて、酸素、炭素、ホウ素、フッ素のいずれか1つ又は複数を含む窒化膜であってもよい。例えば、シリコン窒化膜は、SiNの他に、SiON、SiCN、SiOCN、SiBN、SiBCN、SiBOCN、SiFN、またはSiCFN等であってもよい。酸素、炭素、ホウ素、およびフッ素から選ばれる1つ以上の元素は、Si含有層の改質(工程S124)、Si含有層の窒化(工程S126)、または新たに設けた工程においてSi含有層に取り込まれる。その取り込まれる工程は、窒化膜を形成するサイクル中に行うものであればよい。
【0109】
なお、本明細書では、窒化シリコンを、シリコン(Si)と窒素(N)との比率に関係なく、SiNと表記する。「SiN」は、例えばシリコンと窒素とを3:4で含むもの(Si3N4)を含む。「SiON」、「SiCN」、「SiOCN」、「SiBN」、「SiBCN」、「SiBOCN」、「SiFN」、およびSiCFNについて同様である。
【0110】
以上、本開示に係る成膜方法および成膜装置の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0111】
例えば、成膜する膜は、窒化膜であればよく、シリコン窒化膜には限定されない。例えば、チタン窒化膜、ホウ素窒化膜、タングステン窒化膜、アルミニウム窒化膜などにも、本開示の技術を適用できる。チタン窒化膜を形成する場合、原料ガスとしては例えばTiCl4ガスが用いられる。ホウ素窒化膜を形成する場合、原料ガスとしては例えばBCl3ガスが用いられる。タングステン窒化膜を形成する場合、原料ガスとしては例えばWCl6ガスが用いられる。アルミニウム窒化膜を形成する場合、原料ガスとしては例えばAlCl3ガスが用いられる。
【0112】
また、改質ガスをプラズマ化する方法は、収容部19の内部空間に高周波電界を印加する方法には限定されない。他の誘導結合プラズマ、およびマイクロ波プラズマ等も利用可能である。
【0113】
基板2は、シリコンウエハなどの半導体基板には限定されず、ガラス基板などであってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 成膜装置
2 基板
11 処理容器
70 原料ガス供給機構
75 改質ガス供給機構
80 窒化ガス供給機構
85 パージガス供給機構
90 プラズマ発生機構
100 制御部