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  • 特許-測定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20221219BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01B11/02 H
H01L21/66 P
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019069665
(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公開番号】P2020169822
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 真也
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161733(JP,A)
【文献】特開2015-23239(JP,A)
【文献】特開2003-139523(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0778462(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00-11/30
H01L21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状の被加工物の表面側の外周部に設けられた段差部の高さと幅とを測定する測定方法であって、
該段差部を露出させる様に、該被加工物の裏面側を下方から保持テーブルで保持する保持ステップと、
該被加工物の上方且つ該被加工物の該表面の外周縁よりも外側にカメラ部の対物レンズを配置し、該被加工物の該表面に直交する高さ方向から該被加工物の外周側に向かって該対物レンズの光軸を所定角度だけ傾けた状態で、該段差部を撮像する撮像ステップと、
該撮像ステップで得られた画像に基づいて、該段差部の該高さと該幅とを算出する算出ステップと、
を備えることを特徴とする測定方法。
【請求項2】
該算出ステップでは、
該段差部の高さの最上点を点A、
該高さ方向で該点Aの直下に位置する頂点を点B、
該点Bを通り、該高さ方向に直交する該段差部の幅方向の外周縁を点C、
該点Bを通り該光軸に平行な直線と該点Aを通り該直線に垂直な垂線との交点を点D、
該点Bを通る該直線と該点Cを通り該直線に垂直な垂線との交点を点E、
とした場合に、該撮像ステップで得た線分ADと線分CEとの長さに基づいて、該段差部の該高さと該幅とを算出することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円盤状の被加工物の表面側の外周部を除去して段差部を形成する所謂エッジトリミング工程後に、段差部の高さ及び幅を測定する測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等の円盤状の被加工物の表面及び裏面の外周部には、通常、外周縁が面取りされた面取り部(即ち、ベベル部)が形成される。面取り部を設けることにより、搬送の際における外周部の割れや欠けの発生が防止される。
【0003】
ところで、面取り部が形成された被加工物を裏面側から研削して薄化すると、被加工物の外周部が鋭利な形状(所謂ナイフエッジ形状)となるので、被加工物の外周部に欠けが生じやすくなる。
【0004】
そこで、研削時に外周部で欠けが発生する確率を低減するべく、裏面側を研削する前に、表面側の外周部を除去して段差部を形成する所謂エッジトリミング工程が知られている(例えば、特許文献1参照)。エッジトリミング工程で表面側の外周部に段差部を形成しておけば、裏面側の研削中に表面側にナイフエッジ形状が形成されないので、研削後に被加工物の外周部で欠けが生じる確率を低減できる。
【0005】
エッジトリミング工程では、段差部の高さ及び幅が重要な管理項目となる。段差部の高さ及び幅は、例えば、研削後の外周部に生じる欠けの、数、形状及び大きさ等に影響し得る。また、研削後に外周部に生じた欠けが、表面側に形成されている複数のデバイスを含む領域(デバイス領域)に達する場合、被加工物の品質が低減されてしまう。
【0006】
それゆえ、段差部の高さ及び幅を正確に測定する必要がある。例えば、段差部の高さ及び幅は、レーザ変位計を用いて測定される。より具体的には、被加工物の外周部を水平方向(即ち、表面に平行な方向)から測定することにより、段差部の高さが測定される。また、被加工物の外周部を垂直方向(即ち、表面に直交する方向)から測定することにより、段差部の幅が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2000-173961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被加工物の外周部を水平方向及び垂直方向からそれぞれ測定する場合、2回の測定が必要であるので手間がかかる。
【0009】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、エッジトリミング工程で形成された段差部の高さ及び幅を測定する場合に、測定回数を低減できる測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、円盤状の被加工物の表面側の外周部に設けられた段差部の高さと幅とを測定する測定方法であって、該段差部を露出させる様に、該被加工物の裏面側を下方から保持テーブルで保持する保持ステップと、該被加工物の上方且つ該被加工物の該表面の外周縁よりも外側にカメラ部の対物レンズを配置し、該被加工物の該表面に直交する高さ方向から該被加工物の外周側に向かって該対物レンズの光軸を所定角度だけ傾けた状態で、該段差部を撮像する撮像ステップと、該撮像ステップで得られた画像に基づいて、該段差部の該高さと該幅とを算出する算出ステップと、を備える測定方法が提供される。
【0011】
また、好ましくは、該算出ステップでは、該段差部の高さの最上点を点A、該高さ方向で該点Aの直下に位置する頂点を点B、該点Bを通り、該高さ方向に直交する該段差部の幅方向の外周縁を点C、該点Bを通り該光軸に平行な直線と該点Aを通り該直線に垂直な垂線との交点を点D、該点Bを通る該直線と該点Cを通り該直線に垂直な垂線との交点を点E、とした場合に、該撮像ステップで得た線分ADと線分CEとの長さに基づいて、該段差部の該高さと該幅とを算出する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る測定方法によれば、撮像ステップで、被加工物の上方且つ被加工物の表面の外周縁よりも外側にカメラ部の対物レンズを配置し、被加工物の表面に直交する高さ方向から被加工物の外周側に向かって対物レンズの光軸を所定角度だけ傾けた状態で段差部を撮像する。そして、撮像ステップで得られた画像に基づいて、段差部の高さと幅とを算出する。それゆえ、段差部を1回撮像することにより、段差部の高さと幅とを算出できるので、レーザ変位計を用いて被加工物の外周部を水平方向及び垂直方向から測定する場合に比べて、測定回数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(A)は段差部が形成された被加工物の斜視図であり、図1(B)は保持ステップ及び撮像ステップを示す一部断面側面図である。
図2図2(A)は算出ステップの第1の例を示す図であり、図2(B)は算出ステップの第2の例を示す図である。
図3】測定方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、被加工物11の表面11a側の外周部を除去して段差部11b(図1(A)参照)を形成する段差部形成ステップ(即ち、エッジトリミング工程)(S10)について説明する。
【0015】
段差部形成ステップ(S10)で加工される被加工物11は、例えば、200μmから1000μm程度の所定の厚さを有し、シリコン(Si)で形成された円盤状のウェーハである。なお、被加工物11は、シリコンに限定されず、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等の他の半導体で形成されてもよい。
【0016】
被加工物11の表面11a側は、格子状に配置された複数の分割予定ラインによって複数の領域に区画されており、各領域にはIC(integrated circuit)、LSI(large-scale integrated circuit)等のデバイス(不図示)が形成されている。また、複数のデバイスが形成されたデバイス領域の外周を囲む様に、デバイスが形成されていない外周余剰領域が存在する。
【0017】
次に、図1(B)を利用して、段差部形成ステップ(S10)で用いる切削装置2について説明する。切削装置2は、被加工物11を保持する保持テーブル10と、被加工物11を切削する切削ユニット(不図示)とを有する。
【0018】
保持テーブル10は、所謂ポーラスチャックテーブルであり、保持テーブル10の上部には、多孔質材料で形成されたポーラス板が設けられている。ポーラス板の表面は、概ね平坦であり、ポーラス板の孔は、保持テーブル10の内部に形成された吸引路(不図示)等を介して真空ポンプ等の吸引源(不図示)に接続されている。
【0019】
吸引源を動作させると、吸引路を介してポーラス板の表面(即ち、保持面10a)には負圧が発生する。保持テーブル10上に載置された被加工物11は、この負圧により保持面10aで保持される。
【0020】
保持テーブル10の下方には、モータ等の第1の回転駆動源(不図示)が配置されている。保持テーブル10は、第1の回転駆動源に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な直線を回転軸として回転できる。
【0021】
切削ユニットは、スピンドル(不図示)を有する。スピンドルの一端には、モータ等の第2の回転駆動源(不図示)が接続されており、スピンドルの他端には、外周側面に切り刃を有する円盤状の切削ブレード(不図示)が装着されている。第2の回転駆動源を動作させると、切削ブレードは、スピンドルを回転軸として回転する。
【0022】
切削装置2は、切削ユニットの近傍に設けられたカメラ部12を有する。カメラ部12は、例えば、対物レンズ12aと、対物レンズ12aからの光を受光するCCDイメージセンサ等の撮像素子(不図示)とを含む。
【0023】
切削装置2は、保持テーブル10、切削ユニット及びカメラ部12等の動作を制御する制御部(不図示)を有する。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置や、フラッシュメモリ等の記憶装置を含むコンピュータによって構成される。記憶装置に記憶されるプログラム等のソフトウェアに従い処理装置を動作させることによって、制御部は、ソフトウェアと処理装置(ハードウェア資源)とが協働した具体的手段として機能する。
【0024】
段差部形成ステップ(S10)では、まず、表面11a及び裏面11cの外周縁がそれぞれ面取りされて面取り部(即ち、ベベル部)が形成された被加工物11を準備する。次に、裏面11c側が保持面10aに接し表面11a側が露出する様に、被加工物11を保持テーブル10上に載置する。そして、吸引源を動作させて、被加工物11の裏面11c側を保持テーブル10で保持する。
【0025】
次に、第1の回転駆動源を動作させることにより保持テーブル10を回転させる。また、第2の回転駆動源を動作させることによりスピンドルを回転させる。保持テーブル10を回転させた状態で、回転している切削ブレードを被加工物11の表面11a側に切り込ませる。
【0026】
これにより、表面11a側の外周部には、段差部11bが形成される。図1(A)は段差部11bが形成された被加工物11の斜視図である。段差部11bは、被加工物11の外周余剰領域に形成されている。
【0027】
段差部11bは、側面部11b-Aと底面部11b-Bとにより構成される。側面部11b-Aは、被加工物11の厚さ方向に平行に形成された環状の側面であり、表面11aから裏面11cに至らない所定の深さ位置まで形成されている。側面部11b-Aは、表面11aから所定の深さ位置までの長さで規定される高さHを有する。
【0028】
側面部11b-Aの底部には、底面部11b-Bが形成されている。底面部11b-Bは、環状の面であり、表面11aの外周縁11a-Eの外側に位置している。なお、底面部11b-Bの外周縁11b-Cは、段差部形成ステップ(S10)後の被加工物11の外周端部となる。
【0029】
底面部11b-Bは、幅Wを有する。幅Wは、被加工物11を上面視した場合の表面11aに直交する高さ方向Zと、高さ方向Zに直交する半径方向Rと、を通る平面で被加工物11を切断した場合における底面部11b-Bの長さである。なお、幅Wは、側面部11b-Aの底部から外周縁11b-Cまでの距離でもある。
【0030】
側面部11b-Aの高さHは、例えば、150μmであり、底面部11b-Bの幅Wは、例えば、450μmであるが、側面部11b-Aの高さH及び底面部11b-Bの幅Wは、この例に限定されない。勿論、測定前の高さH及び幅Wは、未知である。
【0031】
なお、高さ方向Zと半径方向Rとを通る平面で被加工物11を切断した場合に、側面部11b-Aの底部と底面部11b-Bとの接続部分は、略直角(即ち、90度)の角部(頂点11b-D)となる(図1(B)参照)。
【0032】
次に、図1(B)、図2(A)、図2(B)及び図3を用いて、側面部11b-Aの高さHと底面部11b-Bの幅Wとを測定する測定方法について説明する。なお、図3は、測定方法を示すフロー図である。
【0033】
まず、段差部11bを露出させる様に、被加工物11の裏面11c側を下方から保持テーブル10で保持する(保持ステップ(S20))。本実施形態では、段差部形成ステップで使用した保持テーブル10の保持面10aで裏面11c側を保持するが、段差部形成ステップで使用した保持テーブル10とは異なる保持テーブルを用いて、裏面11c側を保持してもよい。
【0034】
図1(B)は保持ステップ(S20)及び撮像ステップ(S30)を示す一部断面側面図である。なお、図1(B)では、高さ方向Zと半径方向Rとを通る平面で切断された被加工物11の断面が示されている。なお、以下の説明で、点の位置や線の長さは、この断面での位置や長さを意味する。
【0035】
保持ステップ(S20)の後、カメラ部12を用いて段差部11bを撮像する(撮像ステップ(S30))。撮像ステップ(S30)を行う際、カメラ部12(例えば、カメラ部12の対物レンズ12a)は、例えば、被加工物11の上方、且つ、被加工物11の表面11aの外周縁11a-Eよりも外側に配置される。
【0036】
なお、カメラ部12は、撮像ステップ(S30)を行う際、被加工物11の上方、且つ、被加工物11の段差部11bの底面部11b-Bの外周縁11b-Cよりも外側に配置されてもよい。
【0037】
また、カメラ部12の焦点距離を考慮して、カメラ部12は、被加工物11から所定距離だけ離れる様に配置される。例えば、カメラ部12は、被加工物11から1cm以上5cm以下離れる様に配置される。
【0038】
図1(B)に示す様に、カメラ部12の光軸12bは、例えば、高さ方向Zと半径方向Rとを通る平面内に配置される。また、光軸12bは、高さ方向Zから被加工物11の外周側に向かって所定角度θだけ傾けられる。
【0039】
光軸12bは、表面11aの外周縁11a-Eと底面部11b-Bの外周縁11b-Cとを結ぶ直線に対して、略直交する様に配置されることが好ましい。例えば、光軸12bは、高さ方向Zに対して約20度傾けられる。この様に、光軸12bが傾けられた状態で、カメラ部12が、段差部11bを斜め上から撮像する。
【0040】
撮像ステップ(S30)の後、側面部11b-Aの高さH及び底面部11b-Bの幅Wが算出される(算出ステップ(S40))。算出ステップ(S40)では、撮像ステップ(S30)で得られた画像に基づいて、上述の制御部が側面部11b-Aの高さH及び底面部11b-Bの幅11b-Wを算出する。
【0041】
図2(A)は、算出ステップ(S40)の第1の例を示す図である。図2(A)では、図1(B)に示す段差部11bの拡大図を示す。図2(A)では、側面部11b-Aの高さHの最上点を点Aと示し、高さ方向Zで点Aの直下に位置する点を点Bと示す。
【0042】
なお、点Aは、表面11aの外周縁11a-Eに対応し、点Bは、上述の角部の頂点11b-Dに対応する。また、点Bを通り、半径方向R(即ち、段差部11bの幅方向)に平行な直線の端部を点Cとする。点Cは、外周縁11b-Cに対応する。
【0043】
更に、点Bを通り光軸12bに平行な直線と、点Aを通り光軸12bに平行な直線に対して垂直な垂線との交点を点Dとする。なお、図2(A)及び図2(B)では、光軸12bに平行な直線の代表例として光軸12bが示されているが、光軸12bが点Bを通らない場合に、光軸12bに平行な直線を用いて点Dを規定してもよい。
【0044】
また、点Bを通り光軸12bに平行な直線と、点Cを通り光軸12bに平行な直線に対して垂直な垂線との交点を点Eとする。この場合に、三角形ABDは、∠ABDが角度θの直角三角形であり、三角形BCEは∠BCEが角度θの直角三角形であるので、三角形ABD及び三角形BCEは、互いに相似な三角形である。
【0045】
算出ステップ(S40)では、撮像ステップ(S30)で得られた画像に基づいて、線分AD及び線分CDの長さを算出する。撮像ステップ(S30)で得られた画像では、1つの画素に相当する実際の長さは予め定められている。例えば、1つの画素に相当する実際の長さは3μmであるが、1つの画素に相当する実際の長さは、カメラ部12と段差部11bとの距離に応じて適宜定められる。
【0046】
線分AD及び線分CEに対応する長さは、撮像ステップ(S30)で得られた画像から算出される。線分AD及び線分CEの長さが算出されれば、線分ADと線分CEとの長さに基づいて線分ABの長さ(即ち、側面部11b-Aの高さH)及び線分BCの長さ(即ち、底面部11b-Bの幅W)も算出される。
【0047】
具体的には、三角関数を用いる場合、高さHは、{(線分ADの長さ)/sinθ}により算出され、幅Wは、{(線分CEの長さ)/cоsθ}により算出される。但し、高さH及び幅Wの算出には、三角関数を用いる例に限定されず、適切な種々の算出方法が用いられてもよい。
【0048】
この様に、本実施形態では、撮像ステップ(S30)で得られた画像に基づいて、段差部11bの高さH及び幅Wを算出できる。それゆえ、レーザ変位計を用いた場合の様に、段差部11bを水平方向及び垂直方向からそれぞれ測定しなくてよく、段差部11bを1回撮像することにより高さH及び幅Wを算出できる。従って、レーザ変位計を用いる場合に比べて測定回数を低減できるので、段差部11bの高さH及び幅Wの測定の手間を低減できる。
【0049】
ところで、図2(B)に示す様に、側面部11b-Aの外周縁11a-Eと底面部11b-Bの外周縁11b-Cとを結ぶ直線(例えば、線分AD)に対して、光軸12bに平行な直線(光軸12bでもよい)が直交する場合、上述の点Dと点Eとは一致する。
【0050】
例えば、高さHが150μmであり、幅Wが450μmである場合、角度θを約18.43度とすると、光軸12bに平行な直線(光軸12bでもよい)は線分ADに対して略直交して、上述の点Dと点Eとは略一致する。
【0051】
図2(B)は算出ステップ(S40)の第2の例を示す図である。図2(B)に示す第2の例でも、図2(A)に示す第1の例と同様に、1回の撮像で得られた画像に基づいて、高さH及び幅Wを算出できる。
【0052】
それゆえ、レーザ変位計を用いた場合の様に、段差部11bを水平方向及び垂直方向からそれぞれ測定しなくてよいので、レーザ変位計を用いる場合に比べて、測定回数を低減できる。従って、段差部11bの高さH及び幅Wの測定の手間を低減できる。
【0053】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。例えば、上述の光軸12bは、図1(B)等に示す様に、高さ方向Zと半径方向Rとを通る一の平面内に配置されているが、カメラ部12を用いて線分AD及び線分CEの長さを測定できれば、光軸12bは必ずしも上述の平面内に配置されていなくてもよい。つまり、光軸12bは、高さ方向Zと半径方向Rとを通る一の平面と交差していてもよい。
【符号の説明】
【0054】
2 切削装置
10 保持テーブル
10a 保持面
11 被加工物
11a 表面
11a-E 外周縁
11b 段差部
11b-A 側面部
11b-B 底面部
11b-C 外周縁
11b-D 頂点
11c 裏面
12 カメラ部
12a 対物レンズ
12b 光軸
H 高さ
R 半径方向
W 幅
Z 高さ方向
図1
図2
図3