(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】融着機
(51)【国際特許分類】
G02B 6/255 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
G02B6/255
(21)【出願番号】P 2019107645
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】田邉 明夫
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-088040(JP,A)
【文献】特開2009-037244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0272405(US,A1)
【文献】特開2004-191597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0150754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
6/255
6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ同士を接続する融着機であって、
前記融着機は、光ファイバの融着及び加熱を行うことが可能な融着機構部と、前記融着機構部とは着脱可能であり、前記融着機構部の操作を行うことが可能な機能拡張部と、
を具備し、
前記融着機構部は、光ファイバの融着を行う融着部と、光ファイバの接続部の加熱を行う加熱部と、前記融着部及び前記加熱部に電力を供給することが可能な第1バッテリと、を具備し、
前記機能拡張部は、前記融着機構部が装着された際に、前記融着部及び前記加熱部の操作を行うことが可能な操作部と、前記融着機構部へ電力を供給可能な第2バッテリと、を具備し、
前記融着機構部を前記機能拡張部から外して使用する際には、前記融着機構部は、前記第1バッテリで駆動可能であり、前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着して使用する際には、前記融着機構部は、前記第2バッテリで駆動可能であることを特徴とする融着機。
【請求項2】
前記第2バッテリの容量は、前記第1バッテリの容量よりも大きく、
前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着した際に、前記第2バッテリから、前記第1バッテリへ充電が可能であることを特徴とする請求項1記載の融着機。
【請求項3】
前記機能拡張部は、充電制御部を有し、前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着した状態で前記機能拡張部を電源に接続した際に、前記充電制御部は、前記第1バッテリを優先して充電し、前記第1バッテリの充電が所定以上完了した状態で、前記第2バッテリの充電を開始することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の融着機。
【請求項4】
前記融着機構部は、第1記憶部を有し、前記融着機構部を前記機能拡張部から外して使用する際には、融着履歴情報又は加熱履歴情報を前記第1記憶部に記憶可能であり、
前記機能拡張部は、第2記憶部を有し、前記第2記憶部は、前記第1記憶部から転送される前記融着履歴情報又は前記加熱履歴情報を蓄積可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の融着機。
【請求項5】
前記融着機構部は、第1記憶部を有し、前記第1記憶部は、前記操作部で設定され、前記機能拡張部から転送される融着条件情報又は加熱条件情報を記憶可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の融着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ同士を融着接続するための融着機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士の接続には、融着機が用いられる。融着機は、一対のホルダに保持された光ファイバ同士を突き合わせて、電極間に配置し、アークによって光ファイバ同士の先端を融着して、光ファイバ同士を接続するものである。
【0003】
このような融着機は、融着部と加熱処理部とを有し、さらに、融着機を操作する操作部と、入力された各種設定やエラー警告などを表示する表示部とを備えるのが一般的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような融着機の表示部は、タッチパネル式の操作部として使用することができる。また、表示部に、融着部において撮像した画像を表示させることもできる。このため、表示部や操作部は、ある程度の大きさがある方が、見やすく、また使用しやすいため便利である。
【0006】
しかし、光ファイバの融着作業は、必ずしも十分な広さを有する場所で行われるわけではない。例えば、電柱の上や、天井裏などの狭い場所で作業を行う必要がある場合がある。このような場合には、小型の融着機が望まれる。
【0007】
しかし、複数の融着機を準備して、作業場所に応じて使い分けるのは効率的ではない。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、作業場所に応じて使用形態を変更することが可能な融着機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達するために本発明は、光ファイバ同士を接続する融着機であって、前記融着機は、光ファイバの融着及び加熱を行うことが可能な融着機構部と、前記融着機構部とは着脱可能であり、前記融着機構部の操作を行うことが可能な機能拡張部と、を具備し、前記融着機構部は、光ファイバの融着を行う融着部と、光ファイバの接続部の加熱を行う加熱部と、前記融着部及び前記加熱部に電力を供給することが可能な第1バッテリと、を具備し、前記機能拡張部は、前記融着機構部が装着された際に、前記融着部及び前記加熱部の操作を行うことが可能な操作部と、前記融着機構部へ電力を供給可能な第2バッテリと、を具備し、前記融着機構部を前記機能拡張部から外して使用する際には、前記融着機構部は、前記第1バッテリで駆動可能であり、前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着して使用する際には、前記融着機構部は、前記第2バッテリで駆動可能であることを特徴とする融着機である。
【0010】
前記第2バッテリの容量は、前記第1バッテリの容量よりも大きく、前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着した際に、前記第2バッテリから、前記第1バッテリへ充電が可能であってもよい。
【0011】
前記機能拡張部は、充電制御部を有し、前記融着機構部を前記機能拡張部へ装着した状態で前記機能拡張部を電源に接続した際に、前記充電制御部は、前記第1バッテリを優先して充電し、前記第1バッテリの充電が所定以上完了した状態で、前記第2バッテリの充電を開始してもよい。
【0012】
前記融着機構部は、第1記憶部を有し、前記融着機構部を前記機能拡張部から外して使用する際には、融着履歴情報又は加熱履歴情報を前記第1記憶部に記憶可能であり、前記機能拡張部は、第2記憶部を有し、前記第2記憶部は、前記第1記憶部から転送される前記融着履歴情報又は前記加熱履歴情報を蓄積可能であってもよい。
【0013】
前記融着機構部は、第1記憶部を有し、前記第1記憶部は、前記操作部で設定され、前記機能拡張部から転送される融着条件情報又は加熱条件情報を記憶可能であってもよい。
【0014】
本発明によれば、融着機の操作部(タッチパネル式も含む)を有する機能拡張部に対して、融着部と加熱部を有する融着機構部を着脱可能とし、融着機構部に第1バッテリを搭載することで、融着機構部を単独でも駆動可能とすることができる。このため、狭隘な場所や高所での作業時には、融着機構部を機能拡張部から取り外して使用することができるとともに、通常の作業場所では、機能拡張部に融着機構部を取り付けた状態で作業を行うことができる。このため、1台の融着機を作業場所に応じて使用形態を変更して使用することができる。
【0015】
また、融着機構部は、一部の狭隘な作業場所等で行う少数回の融着作業に対応可能であれば良いため、第1バッテリのサイズを小型化するができる。このため、融着機構部を小型化及び軽量化することができる。また、機能拡張部に搭載される第2バッテリの容量を、第1バッテリの容量よりも大きくし、融着機構部を機能拡張部へ装着した際に、第2バッテリから第1バッテリへ充電可能とすることで、使用時以外においては、融着機構部の充電を行うことができる。このため、複数の場所に移動して作業を行う場合においても、移動中に第1バッテリの充電を行うことができる。
【0016】
また、機能拡張部に充電制御部を設け、融着機構部を機能拡張部へ装着した状態で機能拡張部を電源に接続した際に、第1バッテリを優先して充電するように制御することで、充電後直ちに融着機構部を単独で使用することができる。
【0017】
また、融着機構部に第1記憶部を設けることで、融着機構部を機能拡張部から外して使用した際においても、融着履歴情報又は加熱履歴情報を第1記憶部に記憶可能とすることができる。また、機能拡張部に第2記憶部を設け、融着機構部を機能拡張部に取り付けた際において、第1記憶部から転送される情報を第2記憶部に蓄積可能とすることで、機能拡張部において、各情報を一括管理することができる。
【0018】
また、融着機構部に第1記憶部を設け、機能拡張部から転送される融着条件情報又は加熱条件情報を記憶可能とすることで、融着機構部を機能拡張部に取り付けて条件設定を行った後、融着機構部を機能拡張部から外して使用した際において、当該設定条件によって融着作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、作業場所に応じて使用形態を変更することが可能な融着機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】融着機構部3を機能拡張部5から取り外した状態を示す斜視図。
【
図4】機能拡張部5をケース35と一体化させた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、光ファイバ同士を接続する融着機を示す斜視図である。融着機1は、光ファイバの融着及び加熱を行うことが可能な融着機構部3と、融着機構部3に対して相対的に大型であり、融着機構部3の操作等を行うことが可能な機能拡張部5とを有する。
【0022】
融着機1は、融着機構部3と機能拡張部5とが脱着可能である。
図2は、機能拡張部5から融着機構部3を取り外した状態を示す斜視図である。融着機構部3は、下面にコネクタ(図示せず)が配置され、機能拡張部5に設けられたコネクタ15aと接続可能である。
【0023】
融着機構部3は、光ファイバの融着を行う融着部7と、光ファイバの接続部の加熱を行う加熱部9を有する。また、機能拡張部5は、融着機構部3が装着された際に、融着部7及び加熱部9の操作を行うことが可能な操作部11と、各種の情報を表示する表示部13を有する。
【0024】
融着機1を用いて光ファイバを接続する際には、まず、融着機構部3の融着部7の風防を開き、予め光ファイバが保持された一対のホルダを、内部のホルダ載置部にセットする。これにより、ホルダの先端から突出する光ファイバの先端が、一対の電極間において互いに突き合わせられた状態となる。この状態で、風防を閉じ、一対の電極の間にアークを発生させることで、光ファイバの先端部を溶融して接合することができる。
【0025】
光ファイバ同士の融着が終了すると、光ファイバ同士の接続部に補強部材を配置し、光ファイバとともに加熱部9にセットする。加熱部9において、光ファイバの接続部に配置された補強部材を加熱することで、補強部材の熱収縮チューブが収縮して接続部に固定される。以上により、光ファイバの接続部が補強されて、接続作業が完了する。
【0026】
ここで、光ファイバの種類等に応じて、融着部7における融着条件は異なり、また、補強部材の種類に応じて、加熱部9における加熱条件は異なる。このため、融着機構部3と機能拡張部5とを接続した際には、操作部11によって、接続対象の光ファイバ等の種類や、各種の条件設定の入力が行われる。また、これらの設定条件や、接続作業におけるエラー表示などは、表示部13に表示される。なお、表示部13がタッチパネル式の液晶パネルである場合には、表示部13と操作部11とは一体で構成される場合もある。
【0027】
図3は、融着機1の構成を示すブロック図である。融着機構部3は、融着部7及び加熱部9に電力を供給することが可能な第1バッテリ27と、融着部7及び加熱部9を制御する制御部29(CPU)を有する。また、制御部29には、第1記憶部25が接続される。第1記憶部25は、融着部7の融着条件情報、融着履歴情報、加熱部9の加熱条件情報、加熱履歴情報等を記憶可能である。
【0028】
また、融着機構部3には、簡易的な表示部31が設けられる(
図2参照)。例えば、表示部31としては、融着機構部3の前面に複数の表示ランプが配置される。表示部31は、融着機構部3の電源(図示せず)を入れた際の、電源ON表示及びバッテリ残量や、作業中、作業完了又はエラーなどの状態を表示可能である。なお、表示部31は、制御部29によって制御される。
【0029】
機能拡張部5には、融着機構部3へ電力を供給可能な第2バッテリ19と、融着部7、加熱部9、操作部11及び表示部13等を制御する制御部23(CPU)と、融着機1の充電を制御するための充電制御部21を有する。また、制御部23には、第2記憶部17が接続される。第2記憶部17は、融着部7の融着条件情報、融着履歴情報、加熱部9の加熱条件情報、加熱履歴情報等を記憶可能である。
【0030】
また、前述したように、融着機構部3と機能拡張部5とは、コネクタ15a、15bで接続される。コネクタ15a、15bによって、融着機構部3と機能拡張部5との間で、電力の授受や各種情報の通信等を行うことができる。
【0031】
次に、融着機1の機能について説明する。通常の使用時には、融着機構部3は機能拡張部5に取り付けられた状態で運搬及び使用が行われる。融着機構部3を機能拡張部5へ装着して使用する際には、融着機構部3は、第2バッテリ19で駆動可能である。すなわち、機能拡張部5の第2バッテリ19からコネクタ15a、15bを介して融着機構部3へ電力供給がなされる。なお、第2バッテリ19は、第1バッテリ27と比較して、十分に容量が大きく、例えば数百回の接続作業が行うことができる。
【0032】
一方、融着機構部3を機能拡張部5から外して使用する際には、融着機構部3は、第1バッテリ27で駆動可能である。第1バッテリ27は、小型であるため、数十回程度の接続しか対応できないが、一カ所の狭隘な作業場所等での接続作業が可能であれば良いため、容量よりも小型軽量であることが要求される。
【0033】
融着機構部3を機能拡張部5から外して使用した後に、融着機構部3を機能拡張部5へ装着すると、第2バッテリ19から、第1バッテリ27へ充電が可能である。例えば、充電制御部21は、融着機構部3を機能拡張部5へ装着すると、第1バッテリ27の容量が所定以下であれば、第2バッテリ19から、第1バッテリ27へ充電が行われる。したがって、次の作業場所への移動時には、第1バッテリ27の充電が自動で行われ、次の作業場所において、融着機構部3を機能拡張部5から外して使用する際には、融着機構部3は、第1バッテリ27で駆動可能である。
【0034】
なお、融着機1は、機能拡張部5を外部電源に接続することで使用及び充電を行うことができる。ここで、融着機構部3を機能拡張部5へ装着した状態で機能拡張部5を外部電源に接続した際には、充電制御部21は、第1バッテリ27と第2バッテリ19の残容量を検知し、第1バッテリを27を優先して充電するように制御される。このため、短時間で融着機構部3を取り外して使用が可能となる。充電制御部21は、第1バッテリ27の充電が所定以上完了すると、第2バッテリ19の充電を開始する。以上により、第1バッテリ27と第2バッテリ19の充電を行うことができる。
【0035】
なお、第2記憶部17には、各種の融着条件情報及び加熱条件情報等が保存されており、接続する光ファイバの種類等に応じて、操作部11及び表示部13を用いて設定を行うことができる。例えば、融着機構部3を機能拡張部5へ装着した状態で、操作部11によって設定を行うと、制御部23は、各情報を融着機構部3へ転送する。制御部29は、機能拡張部5から転送される融着条件情報又は加熱条件情報を第1記憶部25へ一時的に記憶させる。
【0036】
その後、融着機構部3を機能拡張部5から取り外して使用する際には、制御部29は、第1記憶部25に記憶された条件情報によって、融着条件および加熱条件を設定し、接続作業を行うことができる。
【0037】
また、融着機構部3を機能拡張部5から取り外して融着および加熱作業を行う際には、制御部29は、融着履歴情報及び加熱履歴情報を第1記憶部25に記憶させる。融着履歴情報は、融着を実施するたびに、融着条件、時間、さらに、内部カメラで撮像した画像又は動画等を含むものである。同様に、加熱履歴情報は、加熱を実施するたびに、加熱条件および時間等を含むものである。
【0038】
その後、融着機構部3を機能拡張部5へ装着すると、制御部29は、第1記憶部に記憶された融着履歴情報及び加熱履歴情報を読み出し、融着機構部へ転送する。制御部23は、第1記憶部25から転送される融着履歴情報及び加熱履歴情報を第2記憶部17へ記憶させる。なお、上述の情報の通信は、融着履歴情報又は加熱履歴情報の一方のみでもよい。
【0039】
このように、第2記憶部17は、全ての情報を一括して蓄積することが可能である。このため、融着機構部3に設置される第1記憶部25は、小容量でもよい。
【0040】
以上、本実施の形態によれば、融着機構部3を機能拡張部5から取り外して使用することができる。このため、狭隘な作業場所や高所などでの作業時には、融着機構部3を取り外して持ち運ぶことができる。この際、融着機構部3が第1バッテリ27を有するため、融着機構部3のみで接続作業を行うことができる。
【0041】
また、融着機構部3を機能拡張部5に装着した際に、第1バッテリ27は、大容量の第2バッテリ19によって充電を行うことができる。このため、第1バッテリ27の容量は、一カ所の狭隘な作業場所等で接続作業を行うための必要最小限でよく、融着機構部3を小型軽量化することが可能である。
【0042】
また、外部電源と接続された際に、充電制御部21によって、第1バッテリ27の充電を優先させることで、充電後すぐに融着機構部3を取り外して使用することができる。この際、融着機構部3を取り外した状態でも、第2バッテリ19の充電が可能である。
【0043】
また、機能拡張部5には、表示部13等が配置されるため、各種の設定の際や、画面で設定等を確認する場合には、大きな画面で各種情報を視認することができる。また、操作部11も十分なサイズを確保することができるため、各種の条件設定などの操作も容易である。
【0044】
また、融着機構部3に第1記憶部25が配置されるため、機能拡張部5で設定した各種の条件情報を記憶させることができる。このため、融着機構部3を単独で使用する際の条件設定を機能拡張部5で設定し、この条件によって、融着機構部3のみで光ファイバの接続作業を行うことができる。
【0045】
また、融着作業又は加熱作業を行った際の各履歴情報を第1記憶部25に記憶しておき、機能拡張部5との接続時に第1記憶部25の履歴情報を第2記憶部17に転送することで、第2記憶部17にて一括して全情報を管理することができる。
【0046】
次に、第2の実施形態について説明する。
図4は、融着機1aの斜視図である。なお、以下の説明において、融着機1と同一の機能等を奏する構成については、
図1~
図3と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0047】
融着機1aは、融着機1と略同様の構成であるが、機能拡張部5がケース35と一体で構成される。すなわち、機能拡張部5は、融着機構部3を収容可能なキャリーケース状の形態であり、融着機構部3を機能拡張部5に装着して閉じることで、融着機1aを容易に運搬することができる。
【0048】
ケース35には、機能拡張部5を外部電源や各種のケーブル、USB等と接続することが可能な端子33が設けられ、各種のケーブル等がケース35の内部の緩衝材を貫通する。したがって、機能拡張部5をケース35から取り出すことなく、機能拡張部5を使用することができる。
【0049】
通常の場所で作業を行う場合には、ケース35を開くことで、そのまま光ファイバの接続作業を行うことができる。一方、狭隘な場所等で作業を行う場合には、融着機構部3を取り外して、単独で使用することができる。
【0050】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、機能拡張部5がケース35と一体であるため、ケースから融着機を取り出して使用する必要がない。また、ケース35を開くと、大きなスペースが必要となるが、作業の妨げとなる場合には、融着機構部3を取り外すことで、作業を容易に行うことができる。
【0051】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば、融着機構部3と機能拡張部5のコネクタを取り外した状態で、他のケーブルによって機能拡張部5と接続可能としてもよい。また、融着機構部3のみを持ち運ぶ際のベルトや取手を融着機構部3に設けてもよい。
【0053】
また、第1記憶部25と第2記憶部17は、いずれも着脱可能なメモリであってもよい。また、機能拡張部5には、図示を省略した出力部(例えばUSBコネクタなど)を配置し、第2記憶部17の内部の情報を外部に取り出せてもよい。また、全ての情報を第1記憶部25に集約してもよい。
【0054】
また、機能拡張部5には、無線通信部を配置してもよい。このようにすることで、各情報を無線で他の端末に送信することができ、また、インターネットから無線でソフトのアップデートを行うことができる。また、融着機構部3に無線通信部を配置することで、機能拡張部5と融着機構部3との間で、無線で各種設定を行うことができる。また、融着機構部3を、他の携帯端末から遠隔操作を行うこともできる。
【符号の説明】
【0055】
1、1a………融着機
3………融着機構部
5………機能拡張部
7………融着部
9………加熱部
11………操作部
13………表示部
15a、15b………コネクタ
17………第2記憶部
19………第2バッテリ
21………充電制御部
23、29………制御部
25………第1記憶部
27………第1バッテリ
31………表示部
33………端子
35………ケース