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特許7195778成膜装置、クリーニングガスノズル、クリーニング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】成膜装置、クリーニングガスノズル、クリーニング方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
C23C16/44 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018117042
(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公開番号】P2019218605
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100192773
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 亮
(72)【発明者】
【氏名】茶谷 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】三浦 豊
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/137397(WO,A1)
【文献】特開2002-060949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出する複数のガイドガス開口を有する2基以上のクリーニングガスノズルと、
前記2基以上のクリーニングガスノズルの前記ガイドガス開口に、ガイドガス流路を介してそれぞれ接続されたガイドガス供給源と、
前記クリーニングガスノズルそれぞれにおいて、前記複数のガイドガス開口からの前記ガイドガスの噴出を独立に制御するガイドガス制御手段と、
を備え、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されており、
前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガスノズルに備えられており、前記ガイドガス開口近傍における前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガス開口の周縁位置から中心位置に向かって前記クリーニングガス開口の軸線に向けて傾斜するように配置されており、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面に対して鉛直な方向における開口寸法が、同方向における前記クリーニングガス開口と等しいか、これより大きく設定されている、ことを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記基板支持部の対向する2辺部のそれぞれに前記クリーニングガスノズルが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記クリーニングガスノズルは、前記クリーニングガス導入管から前記クリーニングガス開口まで連通するクリーニングガス流路を有し、
前記クリーニングガス流路は、前記クリーニングガス開口側が前記クリーニングガス導入管側に比べて縮径されているとともに、前記クリーニングガス噴出方向が湾曲するように湾曲部が設けられ、
前記クリーニングガス開口よりも前記成膜室側には、前記湾曲部に対して、前記成膜室内側に向かって拡径する拡径部が設けられる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
【請求項4】
成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを供給するガイドガス供給源と、
を有する成膜装置に設けられるクリーニングガスノズルであって、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出する複数のガイドガス開口を有しており、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されており、
更に前記クリーニングガスノズルには、前記ガイドガスをガイドガス開口に供給するガイドガス流路が備えられており、
前記ガイドガス開口近傍における前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガス開口の周縁位置から中心位置に向かって前記クリーニングガス開口の軸線に向けて傾斜するように配置され、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面に対して鉛直な方向における開口寸法が、同方向における前記クリーニングガス開口と等しいか、これより大きく設定され、
前記ガイドガス開口に供給する前記ガイドガス流量がそれぞれ独立して切り替え可能とされている、ことを特徴とするクリーニングガスノズル。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の成膜装置におけるクリーニング方法であって、
前記クリーニングガスノズルの前記クリーニングガス開口から前記シャワープレートに向けて前記クリーニングガスを噴出する工程と、
前記ガイドガス開口から前記ガイドガスを噴出して前記クリーニングガスの噴出方向を設定する工程と、
前記クリーニングガスが前記シャワープレートよりも前記基板支持部と反対側に侵入しないように前記シャワープレートから侵入防止ガスを噴出する工程と、を有することを特徴とするクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成膜装置、クリーニングガスノズル、クリーニング方法に関し、特に、成膜室の外部でクリーニングガスを励起してラジカルを生成させ、そのラジカルを含んだクリーニングガスを、シャワープレートを介さずに直接成膜室内に導入する際に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プラズマCVD装置などの成膜装置において、成膜工程を繰り返していくと、成膜対象である基板以外の部分(基板を載置支持する支持部や成膜室の内壁など)にも膜が付着堆積していく。そこで、この膜を取り除くクリーニングが成膜工程とは別に行われる。
【0003】
このとき、ラジカルを含むクリーニングガスを、成膜時に使うシャワープレートを介さずに直接成膜室内に導入することで、シャワープレートの小孔をラジカルが通過する際のラジカルの消滅を防いでクリーニング効率の向上を図るようにしているものが知られている。
【0004】
さらに、本出願人は、例えば特許文献1のように、大型化した基板を処理する装置に対応可能なものとして、ガス導入口が基板支持部の四隅にそれぞれ向けられた少なくとも4本のクリーニングガス導入管と、成膜室の外部に設けられクリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源とを備える成膜装置を出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-213551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の特許文献1記載の技術では、ガス導入口からクリーニングガスの噴出方向が固定されているため、処理する基板の大型化に伴ってクリ-ニングすべきチャンバが大きくなると、クリーニング時間が長くなるため、クリーニングガスが直接吹き付ける部分に与える影響が大きくなる場合があるという問題があった。
【0007】
特に、このクリーニングガスが直接吹き付ける部分に与えるダメージにより、成膜特性、あるいは、パーティクル発生に影響を及ぼす可能性があり、これを改善したいという要求があった。
【0008】
さらに、1mを超えるような大型化した基板に対応する成膜室を効率的にクリーニングする場合には、上記のダメージが大きくなり、基板を支持するヒータとシャワープレートとの距離変化などによる成膜特性の均一性が無視できない場合があるとともに、クリーニング速度を向上させることが成膜室全体のクリーニング時間の短縮につながる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.クリーニングにおけるチャンバ内のダメージ発生を低減すること。
2.クリーニング時間の短縮を図ること。
3.クリーニングによる成膜特性の均一性低下を防止すること。
4.成膜室内を均一にクリーニングすること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の成膜装置は、成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出する複数のガイドガス開口を有する2基以上のクリーニングガスノズルと、
前記2基以上のクリーニングガスノズルの前記ガイドガス開口に、ガイドガス流路を介してそれぞれ接続されたガイドガス供給源と、
前記クリーニングガスノズルそれぞれにおいて、前記複数のガイドガス開口からの前記ガイドガスの噴出を独立に制御するガイドガス制御手段と、
を備え、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されており、
前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガスノズルに備えられており、前記ガイドガス開口近傍における前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガス開口の周縁位置から中心位置に向かって前記クリーニングガス開口の軸線に向けて傾斜するように配置されており、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面に対して鉛直な方向における開口寸法が、同方向における前記クリーニングガス開口と等しいか、これより大きく設定されている、
ことにより上記課題を解決した。
また、本発明において、前記基板支持部の対向する2辺部のそれぞれに前記クリーニングガスノズルが設けられている手段を採用することもできる。
前記クリーニングガスノズルは、前記クリーニングガス導入管から前記クリーニングガス開口まで連通するクリーニングガス流路を有し、
本発明は、前記クリーニングガス流路は、前記クリーニングガス開口側が前記クリーニングガス導入管側に比べて縮径されているとともに、前記クリーニングガス噴出方向が湾曲するように湾曲部が設けられ、
前記クリーニングガス開口よりも前記成膜室側には、前記湾曲部に対して、前記成膜室内側に向かって拡径する拡径部が設けられる、ことができる。
本発明のクリーニングガスノズルは、成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを供給するガイドガス供給源と、
を有する成膜装置に設けられるクリーニングガスノズルであって、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出する複数のガイドガス開口を有しており、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されており、
更に前記クリーニングガスノズルには、前記ガイドガスをガイドガス開口に供給するガイドガス流路が備えられており、
前記ガイドガス開口近傍における前記ガイドガス流路は、前記クリーニングガス開口の周縁位置から中心位置に向かって前記クリーニングガス開口の軸線に向けて傾斜するように配置され、
前記ガイドガス開口は、前記シャワープレートの面に対して鉛直な方向における開口寸法が、同方向における前記クリーニングガス開口と等しいか、これより大きく設定され、
前記ガイドガス開口に供給する前記ガイドガス流量がそれぞれ独立して切り替え可能とされている、
ことにより上記課題を解決した。
また、本発明のクリーニング方法は、上記のいずれか記載の成膜装置におけるクリーニング方法であって、
前記クリーニングガスノズルの前記クリーニングガス開口から前記シャワープレートに向けて前記クリーニングガスを噴出する工程と、
前記ガイドガス開口から前記ガイドガスを噴出して前記クリーニングガスの噴出方向を設定する工程と、
前記クリーニングガスが前記シャワープレートよりも前記基板支持部と反対側に侵入しないように前記シャワープレートから侵入防止ガスを噴出する工程と、を有することができる。
【0011】
本発明の成膜装置は、成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出するガイドガス開口を有するクリーニングガスノズルと、
前記クリーニングガスノズルの前記ガイドガス開口に接続されたガイドガス供給源と、 を備えることにより、ガイドガス供給源から供給されたガイドガスをガイドガス開口から噴出することで、クリーニングガス開口から噴出されるラジカルを含んだクリーニングガスの噴出方向を制御して、シャワープレートの基板支持部と対向する面において、一箇所に集中してクリーニングガスが吹きつけないようにクリーニングをおこなうことができる。これにより、シャワープレートの広い範囲を順次クリーニングガスによりクリーニングして、特にシャワープレートにおいて成膜時に付着した反応生成物を面内均一状態に除去することが可能となる。
【0012】
本発明において、前記ガイドガス開口が、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されることにより、クリーニングガス開口の両サイドに位置するそれぞれのガイドガス開口からのガイドガス噴出状態を制御することで、ガイドガスの噴出方向と逆側にクリーニングガスの噴出方向を変化させることが可能となる。これにより、シャワープレートの面内方向で任意の方向にクリーニングガスの噴出方向を変化させて、ラジカルを含んだクリーニングガスがシャワープレートの基板支持部と対向する面の面内方向でなるべく広範囲に吹きつけ位置を変化させるように調整することができる。この結果、ラジカルの吹き付け位置においてシャワープレートにダメージが発生することを防止できる。
【0013】
ここで、クリーニングガス開口の両側位置とは、シャワープレートの面内方向にクリーニングガスの噴出方向を変化させることができるようにガイドガスを噴出可能であれば、厳密にシャワープレートの面内方向位置と一致する必要はない。特に、シャワープレートの面内方向において、噴出されたガスのクリーニングガスノズルからの到達距離を変化させる場合には、シャワープレートの面内方向と鉛直となる法線方向に対してその配置を変化させるか、ガイドガス開口の配置個数を適宜設定することも可能である。
【0014】
また、クリーニングガス開口がシャワープレートの面内方向に沿ってクリーニングガスを噴出するように設定されている場合には、クリーニングガスノズルにおいて、クリーニングガス開口からシャワープレートよりも離間する側にガイドガス開口を設けることができる。
【0015】
さらに、同様に、クリーニングガス開口からシャワープレートよりも離間する側に偏った位置にガイドガス開口を設けることができる。あるいは、クリーニングガス開口からシャワープレートよりも離間する側でガイドガス開口の設置個数を多く設けることなどができる。
【0016】
このような構成を採用することにより、クリーニングガス開口からシャワープレートよりも離間する側からガイドガスを多く噴出してクリーニングガスをシャワープレートの所定位置に到達させることが可能となる。
【0017】
本発明は、それぞれの前記ガイドガス開口からの前記ガイドガスの噴出を制御するガイドガス制御手段を備えることにより、クリーニングガス開口の両サイドに位置するそれぞれのガイドガス開口からのガイドガス噴出状態を制御して、ラジカルを含んだクリーニングガスがシャワープレートの基板支持部と対向する面の面内方向でなるべく広範囲に吹きつけ位置を変化させるように調整することが可能となる。
【0018】
また、本発明において、前記基板支持部の対向する2辺部のそれぞれに前記クリーニングガスノズルが設けられていることにより、効率よくシャワープレート全体をクリーニングすることができる。
この際、一方のクリーニングガスノズルからのガス噴出方向と、他方のクリーニングガスノズルからのガス噴出方向とを、意図的に異ならせることで、クリーニング時間を短縮することが可能となる。
【0019】
本発明のクリーニングガスノズルは、成膜室と、
前記成膜室内に配設された略矩形の基板支持部と、
前記基板支持部に対向して配設され、成膜ガスを前記成膜室内に導入するための多数の小孔を有するシャワープレートと、
前記シャワープレートを介さずに直接前記成膜室内に連通されたクリーニングガス導入管と、
前記成膜室の外部に設けられ、前記クリーニングガス導入管に接続されたラジカル生成源と、
前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを供給するガイドガス供給源と、
を有する成膜装置に設けられるクリーニングガスノズルであって、
前記クリーニングガス導入管に接続され、前記クリーニングガスを前記基板支持部と前記シャワープレートとの間で前記シャワープレートに向けて噴出するクリーニングガス開口を有するとともに、前記クリーニングガス開口周囲に配置され、前記クリーニングガスの噴出方向をガイドするガイドガスを噴出するガイドガス開口を有することにより、ガイドガス供給源から供給されたガイドガスをガイドガス開口から噴出することで、クリーニングガス開口から噴出されるラジカルを含んだクリーニングガスの噴出方向を制御して、シャワープレートの基板支持部と対向する面において、一箇所に集中してクリーニングガスが吹きつけないようにクリーニングをおこなうことができる。これにより、シャワープレートの広い範囲を順次クリーニングガスによりクリーニングして、特にシャワープレートにおいて成膜時に付着した反応生成物を面内均一状態に除去することが可能となる。
【0020】
また、前記ガイドガス開口が、前記シャワープレートの面内方向となる前記クリーニングガス開口の両側位置にそれぞれ配置されることにより、クリーニングガス開口の両サイドに位置するそれぞれのガイドガス開口からのガイドガス噴出状態を制御することで、ガイドガスの噴出方向と逆側にクリーニングガスの噴出方向を変化させることが可能となる。これにより、シャワープレートの面内方向で任意の方向にクリーニングガスの噴出方向を変化させて、ラジカルを含んだクリーニングガスがシャワープレートの基板支持部と対向する面の面内方向でなるべく広範囲に吹きつけ位置を変化させるように調整することができる。この結果、ラジカルの吹き付け位置においてシャワープレートにダメージが発生することを防止できる。
【0021】
また、本発明のクリーニング方法は、上記のいずれか記載の成膜装置におけるクリーニング方法であって、
前記クリーニングガスノズルの前記クリーニングガス開口から前記シャワープレートに向けて前記クリーニングガスを噴出する工程と、
前記ガイドガス開口から前記ガイドガスを噴出して前記クリーニングガスの噴出方向を設定する工程と、
前記クリーニングガスが前記シャワープレートよりも前記基板支持部と反対側に侵入しないように前記シャワープレートから侵入防止ガスを噴出する工程と、
を有することにより、
クリーニングガス開口の両サイドに位置するそれぞれのガイドガス開口からのガイドガス噴出状態を制御することで、ガイドガスの噴出方向と逆側にクリーニングガスの噴出方向を変化させ、シャワープレートの面内方向で任意の方向にクリーニングガスの噴出方向を設定して、ラジカルを含んだクリーニングガスがシャワープレートの基板支持部と対向する面の面内方向でなるべく広範囲に吹きつけ位置を変化可能なように調整することができ、ラジカルの吹き付け位置においてシャワープレートにダメージが発生することを防止できるとともに、クリーニング中にシャワープレートから侵入防止ガスを噴出することで、クリーニングガスが前記シャワープレートよりも前記基板支持部と反対側に侵入しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、クリーニングにおけるチャンバ内のダメージ発生を低減し、クリーニング時間の短縮を図り、クリーニングによる成膜特性の均一性低下を防止し、成膜室内を均一にクリーニングすることができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る成膜装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
図2】本発明に係る成膜装置の第1実施形態を示す横断面図である。
図3】本発明に係るクリーニングガスノズルの第1実施形態を示す上側から見た横断面図である。
図4】本発明に係るクリーニングガスノズルの第1実施形態を示す縦断面図である。
図5】本発明に係るクリーニングガスノズルの第1実施形態を示す成膜室内側から見た正面図である。
図6】本発明に係るクリーニングガスノズルの第1実施形態におけるガス噴出状態を示す横断面図である。
図7】本発明に係るクリーニングガスノズルの第1実施形態におけるガス噴出状態を示す横断面図である。
図8】本発明に係るクリーニングガスノズルの実施形態における他の例を示す正面図である。
図9】本発明に係るクリーニングガスノズルの実施形態における他の例を示す正面図である。
図10】本発明に係るクリーニングガスノズルの実施形態における他の例を示す正面図である。
図11】本発明に係る成膜装置の実施形態における他の例を示す横断面図である。
図12】本発明に係る成膜装置の実施形態における他の例を示す横断面図である。
図13】本発明に係る実施例を示す図である。
図14】本発明に係る実施例を示す図である。
図15】本発明に係る実施例を示す図である。
図16】本発明に係る実施例を示す図である。
図17】本発明に係る実施例を示す図である。
図18】本発明に係る実施例を示す図である。
図19】本発明に係る実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る成膜装置、クリーニングガスノズル、クリーニング方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における成膜装置を示す縦断面図であり、図2は、本実施形態における成膜装置を上側から見た横断面図であり、図において、符号1は、成膜装置である。
【0025】
本実施形態に係る成膜装置1は、図1に示すように、内部空間が成膜室10として機能する真空槽2を備えている。真空槽2の上壁部にはカソード電極4が設けられ、このカソード電極4と対向して、成膜室10内にアノード電極3が配設されている。カソード電極4は高周波電源8と接続され、アノード電極3は接地されている。
【0026】
アノード電極3の上面は、図2に示すように略矩形状(正方形でもよいし長方形でもよい)を呈し、基板支持部3aとして機能する。また、略矩形状とは、図示のように角が直角に限らない。また、角が多少丸くなった(曲線状になった)ものや面取りされたものも含む。
【0027】
カソード電極4の上部を貫くように成膜ガス導入管6が接続されている。カソード電極4の下部には、多数の小孔が形成されたシャワープレート5が取り付けられている。
成膜ガス導入管6には、バルブ12と成膜ガス供給源11が接続されている。
【0028】
シャワープレート5は基板支持部3a及びこれに載置される基板9と対向する位置に配される。シャワープレート5の平面形状は、例えば略矩形状の基板9に合わせて略矩形状を呈している。また、シャワープレート5の平面寸法は基板9の平面寸法より一回り程度大きく設定される。
【0029】
真空槽2の底部には、図1に示すように、排気口7が形成されている。排気口7は、図示しない真空ポンプや配管などからなる真空排気系に接続されている。
【0030】
真空槽2側壁部2b,2cには、図1に示すように、真空槽2内、特に、シャワープレート5をクリーニングするためのクリーニングガスをシャワープレート5に向けて噴出するクリーニングガスノズル20が貫通状態として設けられている。
【0031】
クリーニングガスノズル20は、図2に示すように、平面視して略矩形の真空槽2において、長辺となる対向位置の側壁部2bと側壁部2cとに、それぞれの中央位置となるように貫通配置されている。
【0032】
クリーニングガスノズル20には、図1図2に示すように、バルブ22の設けられたクリーニングガス導入管23を介してラジカル生成源21が接続されている。
クリーニングガスノズル20には、また、図1図2に示すように、バルブ(ガイドガス制御手段)25の設けられたガイドガス導入管26を介してガイドガス供給源24が接続されている。
【0033】
同様に、クリーニングガスノズル20には、また、図1図2に示すように、バルブ(ガイドガス制御手段)28の設けられたガイドガス導入管29を介してガイドガス供給源27が接続されている。
クリーニングガスノズル20は、上述した成膜用のシャワープレート5を介さずに、直接成膜室10内に連通している。
【0034】
ラジカル生成源21は、図示しないクリーニングガス供給源から、例えば、NF,Cl,BClなどのクリーニングガスが供給されて、クリーニングガス供給源から流れてくるクリーニングガスを一時的に収容するチャンバを有し、このチャンバ内でクリーニングガスを、例えば400kHz程度の高周波により活性化するものとされる。
【0035】
ガイドガス供給源24,27は、例えば、Ar,N,O等とされるガイドガスを供給可能なものとされる。
【0036】
バルブ12,22,バルブ(ガイドガス制御手段)25,28は、いずれも制御部15に接続され、それぞれのガス供給量を制御可能とされている。
制御部15は、バルブ(ガイドガス制御手段)25と、バルブ(ガイドガス制御手段)28とに対して、それぞれ開閉動作および流量調節動作を独立に制御可能とすることができる。
【0037】
また、制御部15は、クリーニング時に、バルブ22と、バルブ(ガイドガス制御手段)25,28とに対して、それぞれ開閉動作および流量調節動作を独立に制御して、クリーニングガスおよびガイドガスを噴出させることができる。
【0038】
さらに、制御部15は、クリーニング時に、バルブ12に対して、開閉動作および流量調節動作を制御して、成膜ガス供給源11から成膜ガス導入管6を介してガイドガスと同種のガスを、後述する侵入防止ガスとして供給することができる。
【0039】
なお、図において、制御部15は、バルブ12,バルブ22,バルブ(ガイドガス制御手段)25,28のみに接続するように示しているが、成膜ガス供給源11、ラジカル生成源21およびガイドガス供給源24,27に接続され、これらからのガス発生量および供給量を制御するように構成されてもよい。
さらに、制御部15は、成膜装置1の他の構成を制御する機能を有することもできる。
【0040】
図3は、本実施形態におけるクリーニングガスノズルを上側から見た横断面図であり、図4は、本実施形態におけるクリーニングガスノズルの縦断面図であり、図5は、本実施形態におけるクリーニングガスノズルを成膜室内側から見た正面図である。
クリーニングガスノズル20は、図3図5に示すように、真空槽2側壁部2b,2cを貫通するとともに、その真空槽2外側端にクリーニングガス導入管23が接続され、真空槽2内側端にクリーニングガス開口201が設けられている。
【0041】
また、クリーニングガスノズル20には、その外側端から内側端まで貫通するように、クリーニングガス導入管23からクリーニングガス開口201まで連通するクリーニングガス流路202を有している。
クリーニングガス開口201は、略円形輪郭となるように設けられる。また、クリーニングガス流路202は、略円形輪郭断面となるように設けられる。
【0042】
クリーニングガス流路202は、クリーニングガス開口201側がクリーニングガスノズル20の外側端に比べて縮径されているとともに、シャワープレート5側にクリーニングガス噴出方向が湾曲するように湾曲部203が設けられている。湾曲部203が縮径されていることで、クリーニングガス開口201からのクリーニングガスの噴出が勢いよく噴出するようにその縮径度合いが設定される。
湾曲部203以外のクリーニングガス流路202は、その軸方向で略均一な内径寸法とされている。
【0043】
クリーニングガスノズル20のクリーニングガス開口201よりも真空槽2内側には、クリーニングガス上流位置よりも縮径された湾曲部203に対して、真空槽2内側に向かって拡径する拡径部204が設けられる。
【0044】
クリーニングガス流路202の両側位置には、それぞれ、このクリーニングガス流路202と略平行なガイドガス流路205,206が設けられる。
ガイドガス流路205,206の真空槽2内側端には、それぞれガイドガス開口207,208が設けられている。
【0045】
ガイドガス流路205,206は、その軸方向で略均一な内径寸法とされている。
ガイドガス流路205,206は、クリーニングガスノズル20の外側端よりも真空槽2内側位置でガイドガス導入管26,29に接続されている。
【0046】
ガイドガス開口207,208は、クリーニングガス開口201の周囲近傍に配置され、ガイドガス開口207,208の断面中心とクリーニングガス開口201との断面中心に対して、シャワープレート5の面と平行になる位置に配置される。
あるいは、ガイドガス開口207とクリーニングガス開口201とガイドガス開口208とが、シャワープレート5の面と平行な位置に配置されている。
【0047】
ガイドガス開口207,208は、略矩形輪郭を有し、シャワープレート5の面に対して鉛直な方向が長辺となるように拡径部204表面に配置される。また、ガイドガス開口207,208は、クリーニングガス開口201に対してシャワープレート5の面と平行な方向位置で、クリーニングガス開口201に対してなるべく近接するように配置される。同時に、複数のガイドガス開口207,208は、クリーニングガス開口201の外周を取り囲むように拡径部204表面に開口するように配置される。
【0048】
ガイドガス開口207,208近傍のガイドガス導入管26,29は、クリーニングガス開口201の軸線に向けて傾斜するように配置されている。
これにより、ガイドガス開口207およびガイドガス開口208は、単にクリーニングガス開口201の近傍に配置されているだけで、ガイドガスを吹き出すことによってクリーニングガスを所定の方向に噴射することができる。さらに、クリーニングガス開口201から噴出されたクリーニングガスを、ガイドガス開口207とガイドガス開口208とを結ぶ方向に変化させてフレキシブルに制御することができる。
【0049】
つまり、ガイドガス開口207,208近傍におけるガイドガス流路205,206は、図3図5に示すように、クリーニングガス開口201の周縁位置から中心位置に向かって傾斜するように配置されている。このように、ガイドガスの噴射方向が、ガイドガス開口207,208近傍におけるガイドガス流路205,206は、クリーニングガスノズル20の周縁位置から内向きかつ斜め前方向きとなるように配置されていることになる。
上記のようにガイドガス流路205,206が配置されていることで、クリーニングガス開口201の中央を進行するクリーニングガス流れにガイドガスの流れを吹き付けることができ、クリーニングガスの進行する向きを変えやすくなるように設定されている。
【0050】
また、ガイドガス開口207とガイドガス開口208とは、クリーニングガス流路202の軸線に対して、いずれも内向きかつ斜め前方向きで、ガイドガス開口207とガイドガス開口208との傾斜角度を、クリーニングガス流路202の軸線に対してほぼ対称に配置することができる。
【0051】
ここで、ガイドガス開口207,208およびガイドガス流路205,206は、クリーニングガス流路202の軸線をとおり、シャワープレート5の面に対して鉛直な面に対して対称な配置とされることが好ましい。
【0052】
ガイドガス開口207,208は、シャワープレート5の面に対して鉛直な方向における開口寸法が、同方向におけるクリーニングガス開口201と略等しいか、これより大きく設定されている。
【0053】
なお、ガイドガス開口207,208におけるシャワープレート5の面に対して鉛直な方向における開口寸法は、噴出されたクリーニングガスがシャワープレート5に向かうとともに、クリーニングガスの噴出方向が、後述するように、シャワープレート5の面と平行な方向に変更可能で、噴出されたクリーニングガスがシャワープレート5に向かう状態を維持できれば、この構成に限られるものではない。
【0054】
なお、本実施形態においては、拡径部204の真空槽2内側面にガイドガス開口207,208が配置されている構成を示したが、このような拡径部204は必須ではない。
拡径部204がなくてもガイドガス開口207,208が斜め前方向きにガイドガスを噴出できるように設けられていればよい。
【0055】
さらに、ガイドガス開口207,208は、上記以外の向き、すなわちたとえばクリーニングガス流前方向きやクリーニングガス開口201の中心を向くような向きに設けられていても、クリーニングガスの進行する向きに影響を与えることができるのであれば、他の配置とすることも可能である。
例えば、ガイドガス開口207,208が、クリーニングガス開口201の縁部に接して配置する構成などが例示できる。
【0056】
本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、図3図5に矢印C0で示すように、ラジカル生成源21から供給されたクリーニングガスをクリーニングガス開口201から噴出することができる。なお、この図3図5に矢印で示したクリーニングガスC0は、ガイドガスが噴出されていない場合を示している。
このとき、湾曲部203が形成されたクリーニングガス開口201から噴出されることで、図4に示すように、クリーニングガスC0は、噴出方向がシャワープレート5側向き、つまり、図において噴出方向が上側向きに傾斜するように設定される。
【0057】
図6は、本実施形態におけるクリーニングガスノズルにおけるガス噴出状態を示す横断面図であり、図7は、本実施形態におけるクリーニングガスノズルにおけるガス噴出状態を示す横断面図である。
本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、図6に矢印G1で示すように、ガイドガス供給源24(図1図2参照)から供給されたガイドガスをガイドガス開口207から噴出することができる。このとき、クリーニングガス開口201からクリーニングガスを噴出している場合には、図6に矢印C1で示すように、クリーニングガス開口201から噴出するクリーニングガスの噴出方向が変化する。
【0058】
具体的には、クリーニングガス開口201の軸線である噴出方向C0に対して、ガイドガス開口207と反対側向きにクリーニングガスC1が噴出する。なお、このクリーニングガスC1噴出方向は、ガイドガス開口207から噴出するガイドガスG1の噴出状態(流速・ガス流量)を、制御部15によって制御されたバルブ(ガイドガス制御手段)25によって変化させることで制御可能となっている。
【0059】
本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、図7に矢印G2で示すように、ガイドガス供給源27(図1図2参照)から供給されたガイドガスをガイドガス開口208から噴出することができる。このとき、クリーニングガス開口201からクリーニングガスを噴出している場合には、図7に矢印C2で示すように、クリーニングガス開口201から噴出するクリーニングガスの噴出方向が変化する。
【0060】
具体的には、クリーニングガス開口201の軸線である噴出方向C0に対して、ガイドガス開口208と反対側向きにクリーニングガスC2が噴出する。なお、このクリーニングガスC2噴出方向は、ガイドガス開口208から噴出するガイドガスG2の噴出状態(流速・ガス流量)を、制御部15によって制御されたバルブ(ガイドガス制御手段)28によって変化させることで制御可能となっている。
【0061】
本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、図6図7に示すように、制御部15によって、マスフローコントローラとされるバルブ25,28を制御することで、クリーニングガスの噴出方向C0,C1,C2を制御する。
【0062】
(成膜工程)
以上のように構成される成膜装置1を用いた成膜時には、成膜室10内を排気口7を介して排気して減圧した後、制御部15によってバルブ12を開き、成膜ガス供給源11から成膜ガスを成膜ガス導入管6を介してシャワープレート5に供給し、このガスがシャワープレート5の多数の小孔を通って、基板9に対して均一に噴出される。
【0063】
そして、高周波電源8によってカソード電極4に高周波電力を印加して、導入された成膜ガスを分解・反応させて、基板9上に薄膜を堆積させる。このとき、クリーニングガス導入管23,ガイドガス導入管26,29のバルブ22,25,28は制御部15によって閉じられている。
なお、本実施形態の成膜工程において、成膜される膜組成は特に限定されないが、後述するように、侵入防止ガスとしてのAr等をシャワープレート5に供給可能とされることが必要である。
【0064】
(クリーニング工程)
成膜室10内のクリーニング時には、排気口7を介して成膜室10内を減圧した後、まず、制御部15は、クリーニング時に、バルブ12に対して、開閉動作および流量調節動作を制御して、成膜ガス供給源11から成膜ガス導入管6を介してガイドガスと同種のガスを、侵入防止ガスとして供給する。
【0065】
この状態で、クリーニングガスとして例えばNFガスとキャリアガスとしてArガスを各ラジカル生成源21に供給し、例えば400kHzの高周波を利用してここでNFガスに高周波を印加して、フッ素ラジカルを生成させる。
【0066】
このフッ素ラジカルを含んだクリーニングガスは、制御部15によって開とされたバルブ22、およびクリーニングガス導入管23を通ってクリーニングガスノズル20から成膜室10内に直接噴出される。
【0067】
クリーニングガスノズル20から噴出されたフッ素ラジカルは、シャワープレート5表面に吹き付けられて、シャワープレート5表面に形成された被クリーニング物質(反応生成物)と化学反応することにより、シャワープレート5表面をクリーニングする。同時に、クリーニングガスは、成膜室10内の他の部分にも到達して、成膜室10内をクリーニングする。
【0068】
取り除かれた被クリーニング物質はクリーニングガスと共に排気口7から排気される。ラジカルは、コンダクタンスが小さいシャワープレート5を通らずに、直接被クリーニング空間である成膜室10内にクリーニングガスノズル20から導入されるので、生成されたラジカルが成膜室10に至る前に消滅するのを防いで、効率よくクリーニングを行うことができる。
【0069】
ここで、クリーニングガスノズル20からフッ素ラジカルを含むクリーニングガスを噴出するクリーニング時には、次の3状態を連続的に切り替え可能である。
【0070】
1.制御部15によりバルブ12を開状態として、バルブ25,28を閉状態として、図3図5に示すように、クリーニングガス開口201からクリーニングガスを噴出方向C0として噴出する状態。
【0071】
2.制御部15によりバルブ12を開状態として、バルブ25を開状態(open)とし、バルブ28を閉状態(close)として、ガイドガス開口207からガイドガスを噴出方向G1として噴出するとともに、図6に示すように、クリーニングガス開口201から噴出方向C1としてクリーニングガスを噴出する状態。
【0072】
3.制御部15によりバルブ12を開状態として、バルブ25を閉状態(close)とし、バルブ28を開状態(open)として、ガイドガス噴出口208からガイドガスを噴出方向G2として噴出するとともに、図7に示すように、クリーニングガス開口201から噴出方向C2としてクリーニングガスを噴出する状態。
【0073】
ここで、連続的に切り替え可能とは、噴出方向C2から噴出方向C0を介して噴出方向C1まで角度が切れ目なく連続的に可変であることを意味する。
【0074】
この際、制御部15によりバルブ25,28の開状態を制御することで、ガイドガス流量(噴出量・噴出速度)を制御して、図6に示す噴出方向C1から、図7に示す噴出方向C2まで、クリーニングガスの噴出方向を変化させることができる。
これにより、シャワープレート5におけるクリーニングガスが到達して吹き付けられる箇所を、クリーニングガスノズル20の噴出方向C0と一致する正面に対して、左右に振ることが可能となる。
【0075】
さらに、制御部15によりバルブ12における流量調節をおこなうことで、シャワープレート5におけるクリーニングガスが到達して吹き付けられる箇所における、クリーニングガスノズル20からの離間距離、つまり、吹き付けられる箇所をクリーニングガスノズル20から遠くに変化するように設定することもできる。
【0076】
本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、クリーニング時に、クリーニングガスノズル20から噴出するクリーニングガスの噴出方向C0,C1,C2を制御して、シャワープレート5におけるクリーニングガスが到達して吹き付けられる箇所を所定の状態となるように制御することができる。
【0077】
これにより、クリーニング時に、シャワープレート5に対してクリーニングガスが到達する箇所を走査可能として、シャワープレート5における特定の点にクリーニングガスが集中して吹き付けられ、クリーニングガスのラジカルによって該当部分にダメージが発生することを防止できる。
【0078】
これにより、シャワープレート5のダメージ部分において、クリーニング後における基板9に対する成膜処理で、成膜状態が変動し、結果的に成膜特性が変動してしまうことを防止することができる。
【0079】
しかも、クリーニングガスの噴出方向を可変とすることで、シャワープレート5の面内の大半となる箇所に直接クリーニングガスを到達させて、クリーニングガスにおけるラジカル濃度が低減していない状態でクリーニング処理をおこなわせることができるため、クリーニング時間を短縮して、クリーニング効率を向上することができる。また、クリーニングガスにおけるラジカル濃度が低減した状態でしか吹き付けられない部分を低減して、クリーニング効率を向上し、全体のクリーニング時間を短縮することができる。
また、局所的に過剰なクリーニングは、成膜時に影響を与えるパーティクル発生源となる可能性があるが、これを防止することが可能となる。
【0080】
なお、本実施形態におけるクリーニングガスノズル20においては、図5に示すように、ガイドガス開口207,208を、クリーニングガス201に対して図中で左右となる位置に一箇所ずつ設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、それ以外の構成も可能である。
【0081】
図8は、本実施形態のクリーニングガスノズルにおける他の例を示す正面図である。
例えば、図8に示すように、ガイドガス開口207a,207bおよびガイドガス開口208a,208bのようにクリーニングガス開口201の図における左右位置で、それぞれ上下の二箇所に分割されていることができる。
【0082】
この場合、4箇所のガイドガス開口207a,207b,208a,208bには、いずれも独立してガイドガスを供給可能とされることができ、ガイドガス供給源24,29および制御部15によって制御されたバルブ(ガイドガス制御手段)25,28に対応した構成よって、それぞれ独立して変化させることが可能となることが好ましい。
【0083】
特に、下側のガイドガス開口207b,208bからのガイドガス噴出量を、上側のガイドガス開口207a,208aからのガイドガス噴出量よりも大きくすることで、クリーニングガスの濃度を低下させることなくシャワープレート5に対するクリーニングガスの到達位置をクリーニングガスノズル20近傍へ変化させることができる。
【0084】
同様に、上下側のガイドガス開口207a,208aからのガイドガス噴出量を、下側のガイドガス開口207b,208bからのガイドガス噴出量よりも大きくすることで、クリーニングガスの濃度を低下させることなくシャワープレート5に対するクリーニングガスの到達位置をクリーニングガスノズル20よりも離間した位置へと変化させることが容易となる。
【0085】
図9は、本実施形態のクリーニングガスノズルにおける他の例を示す正面図である。
例えば、図9に示すように、ガイドガス開口207cおよびガイドガス開口208cのようにクリーニングガス開口201の図における左右位置で、それぞれ左右方向における上側からのクリーニングガス開口201までの距離が下側からのクリーニングガス開口201迄の距離よりも大きく設定されていることができる。
【0086】
言い換えると、この例では、図9に示すように、ガイドガス開口207cおよびガイドガス開口208cの基板支持部3a側(図の下端側)が、クリーニングガス開口201下側位置に潜り込むように設定されている。
【0087】
この場合、2箇所のガイドガス開口207c,208cには、いずれも独立してガイドガスを供給可能とされるが、ガイドガス開口207cまたはガイドガス開口208cからガイドガスを噴出するだけで、クリーニングガスの噴出方向が基板支持部3a側へと変化してしまうこと、つまり、シャワープレート5に対するクリーニングガスの到達位置がクリーニングガスノズル20近傍にしか達しないことを防止できる。
【0088】
さらに、この例では、基板支持部3a側へのクリーニングガスの到達を抑制できるため、基板支持部3aへのダメージを防止できる。
【0089】
図10は、本実施形態のクリーニングガスノズルにおける他の例を示す正面図である。
例えば、図10に示すように、ガイドガス開口207d,207e,207f,207g,208d,208e,208f,208gのように、クリーニングガス開口201の周囲位置で、複数のガイドガス開口207d,207e,207f,207g,208d,208e,208f,208gが、上下左右および斜めの位置として囲んだ状態に配置されることができる。
【0090】
このとき、ガイドガス開口207d,207e,207f,207g,208d,208e,208f,208gは、いずれも、それぞれガイドガス供給源24,29および制御部15によって制御されたバルブ(ガイドガス制御手段)25,28に対応した構成よって、それぞれ独立して変化させることが可能となることが好ましい。
【0091】
この場合、8箇所のガイドガス開口207d,207e,207f,207g,208d,208e,208f,208gには、いずれも独立してガイドガスを供給可能とされることで、8箇所のガイドガス開口207d,207e,207f,207g,208d,208e,208f,208gのいずれか一箇所または組み合わせた複数箇所から所定量としてガイドガスを噴出するだけで、クリーニングガスの噴出方向を基板支持部3a側からシャワープレート5側までの所定角度へと設定するとともに、同様に左右方向に設定して、シャワープレート5におけるクリーニングガスが到達して吹き付けられる箇所を所定の状態となるように制御することができる。
【0092】
さらに、本実施形態の成膜装置1においては、クリーニングガスノズル20が、図2に示すように、平面視して略矩形の真空槽2において、長辺となる対向位置の側壁部2bと側壁部2cとに、それぞれの中央位置となるように貫通配置されたが、これ以外の配置とすることも可能である。
【0093】
図11は、本実施形態の成膜装置における他の例を示す横断面図である。
例えば、クリーニングガスノズル20が、図11に示すように、平面視して略矩形の真空槽2において、長辺となる対向位置の側壁部2bと側壁部2cとに、それぞれの中央位置から逆方向にずれた位置となるように貫通配置されることができる。
【0094】
この場合、2箇所のクリーニングガスノズル20には、いずれも独立してクリーニングガスおよびガイドガスを供給可能とされている。
【0095】
この場合、側壁部2bのクリーニングガスノズル20と、側壁部2cのクリーニングガスノズル20とから噴出するクリーニングガスをいずれも独立に制御することで、平面視して略矩形の真空槽2に対応するシャワープレート5の全面に対して、隅々までクリーニングガスが到達可能として噴出することが可能となり、これにより、効率的なクリーニングをすることができる。
【0096】
図12は、本実施形態の成膜装置における他の例を示す横断面図である。
例えば、クリーニングガスノズル20が、図12に示すように、平面視して略矩形の真空槽2において、いずれも短辺となる側壁部2aと長辺となる側壁部2bとの4箇所の角部に、真空槽2の中心側を向いてそれぞれ貫通配置されることができる。
【0097】
この場合、4箇所のクリーニングガスノズル20には、いずれも独立してクリーニングガスおよびガイドガスを供給可能とされている。
【0098】
この場合、側壁部2aの両端角部のクリーニングガスノズル20と、側壁部2bの両端角部のクリーニングガスノズル20とから噴出するクリーニングガスをそれぞれ独立に制御することで、平面視して略矩形の真空槽2に対応するシャワープレート5の全面に対して、隅々までクリーニングガスが到達可能として噴出することが可能となり、これにより、効率的なクリーニングをすることができる。
【0099】
また、上記の実施形態においては、クリーニングガスノズル20に湾曲部203を設け、噴出方向C0がシャワープレート5側に湾曲するように構成したが、クリーニングガス流路202の軸方向と平行な噴出方向とすることもできる。この場合、図8図10に示した構成のように、シャワープレート5側にクリーニングガス噴出方向が湾曲するようにガイドガス噴出方向を設定可能な構成とすることが好ましい。
【0100】
さらに、クリーニングガスノズル20において、拡径部204を設けずに、真空槽2内側に向けて、クリーニングガス開口201が直接開口するようにすることも可能である。この場合、ガイドガス開口207~208gが、いずれも、ガイドガスの噴出方向G1,G2がクリーニングガス流路202の軸方向に向くように、内側に傾斜するように配置することができる。
【実施例
【0101】
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
【0102】
なお、本発明における具体例について説明する。
ここでは、図1図3に示した構成のうち、片側の側壁部2b中央にクリーニングガスノズル20が設けられた成膜装置1において、クリーニングガスおよびガイドガスを噴射してクリーニングをおこなうとともに、その際のガイドガスの流量を変化させた。
以下にクリーニングにおける諸元を示す。
【0103】
クリーニング条件
・圧力:400Pa.
・温度:平面200℃
・クリーニングガス:NF
【0104】
噴出条件
・クリーニングガス開口:φ30mm
・クリーニングガスノズル1箇所に付き、7.5slm
入り口より上流で80%がNF2とFに分解した状態で導入されるとし、ガス状態を以下のように設定した。
【0105】
NF:1.5slm
NF:6.0slm(なお中性種として扱う)
F:6.0slm(同上)
【0106】
・ガイドガス:Ar
・ガイドガス開口:4×30mm
・ガイドガス流量:0slm,1slm,5slm,10slmの範囲
【0107】
・シャワープレートからの侵入防止ガス:Ar
・入防止ガス流量:35slm
・シャワープレートと基板支持部との高さ:70mm
基板寸法:1850×1500mm
【0108】
これらの結果を図13図16に示す。
各図において、小さな矢印はクリーニングガスの噴出方向およびガスの流束方向を示し、また、濃淡はクリーニングガスの速度分布を示している。また、大きな矢印USC1.は、クリーニングガスノズル位置を示している。
【0109】
なお、図において、左側のガイドガスノズルからのみガイドガスを噴出している。
同様に、矢印Ar-Side1.は、クリーニングガスノズル中央のクリーニングガス開口に対して、ガイドガスを噴出している左側のガイドガス開口を示している。
【0110】
各図におけるガイドガス噴出量は、以下のとおりである。
図13:ガイドガス流量:0slm
図14:ガイドガス流量:1slm
図15:ガイドガス流量:5slm
図16:ガイドガス流量:10slm
【0111】
これらの結果から、ガイドガスの噴出量を変化させるだけで、クリーニングガスの噴出方向が変化することがわかる。同時に、クリーニングガスノズルから噴出したクリーニングガスの速度が低下していないことがわかる。
特に、クリーニングガスノズルから噴出したクリーニングガスの速度は、直接噴出ガス流である図の中央では、速度低下せずにその速度を維持している。
【0112】
次に、図1図3に示すように、対向する長辺となる側壁部2bおよび側壁部2cの中央にクリーニングガスノズル20がそれぞれ設けられた成膜装置1において、同様にして、クリーニングガスおよびガイドガスを噴射してクリーニングをおこなうとともに、その際のガイドガスの流量を変化させた。
以下にクリーニングにおける諸元を示す。
【0113】
これらの結果を図17図19に示す。
各図において、小さな矢印はクリーニングガスの噴出方向およびガスの流束方向を示し、また、濃淡はクリーニングガスの速度分布を示している。また、上側の大きな矢印USC1.および、下側の大きな矢印USC2.は、それぞれクリーニングガスノズル位置を示している。
【0114】
なお、図18において、上側のクリーニングガスノズルでは左側のガイドガスノズルからのみガイドガスを噴出しており、下側のクリーニングガスノズルでは右側のガイドガスノズルからのみガイドガスを噴出している。
また、図19において、上側のクリーニングガスノズルでは左側のガイドガスノズルからのみガイドガスを噴出しており、下側のクリーニングガスノズルでは左側のガイドガスノズルからのみガイドガスを噴出している。
【0115】
同様に、図17図19において、上側の矢印Ar-Side1.は、矢印USC1.で示す上側のクリーニングガスノズル中央のクリーニングガス開口に対して、ガイドガスを噴出している左側のガイドガス開口を示している。
また、図18において、下側の矢印Ar-Side4.は、矢印USC2.で示す下側のクリーニングガスノズル中央のクリーニングガス開口に対して、ガイドガスを噴出している右側のガイドガス開口を示している。
また、図19において、下側の矢印Ar-Side3.は、矢印USC2.で示す下側のクリーニングガスノズル中央のクリーニングガス開口に対して、ガイドガスを噴出している左側のガイドガス開口を示している。
【0116】
各図におけるガイドガス噴出量は、以下のとおりである。
図17:上側ガイドガス流量:0slm、下側ガイドガス流量:0slm
図18:上側ノズル左ガイドガス流量:10slm、下側ノズル右ガイドガス流量:10slm
図19:上側ノズル左ガイドガス流量:10slm、下側ノズル左ガイドガス流量:210slm
【0117】
これらの結果から、上下のクリーニングガスノズルにおいて、それぞれガイドガスの噴出状態を変化させることで、クリーニングガスの噴出方向が変化することがわかる。同時に、クリーニングガスノズルから噴出したクリーニングガスの速度が低下しない状態でより広範囲にクリーニングガスを吹き付けていることがわかる。
【符号の説明】
【0118】
1…成膜装置
2…真空槽
3…アノード電極
3a…基板支持部
4…カソード電極
5…シャワープレート
6…成膜ガス導入管
7…排気口
8…高周波電源
9…基板
10…成膜室
11…成膜ガス供給源
15…制御部
20…クリーニングガスノズル
21…ラジカル生成源
12,22…バルブ
23…クリーニングガス導入管
24,27…ガイドガス供給源
25,28…バルブ(ガイドガス制御手段)
26,29…ガイドガス導入管
201…クリーニングガス開口
202…クリーニングガス流路
203…湾曲部
204…拡径部
205,206…ガイドガス流路
207,208…ガイドガス開口
207a~208g…ガイドガス開口
C0,C1,C2,G1,G2…噴出方向
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