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特許7196016情報処理装置及びその作動方法並びに内視鏡システム及びその作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその作動方法並びに内視鏡システム及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20221219BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20221219BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61B1/045 610
A61B1/00 640
G02B23/24 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019098425
(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公開番号】P2020192007
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁田 典雅
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/044432(WO,A1)
【文献】特開2011-200410(JP,A)
【文献】特開平05-084218(JP,A)
【文献】特開2004-202217(JP,A)
【文献】特開平01-043227(JP,A)
【文献】特開2011-087910(JP,A)
【文献】特開2006-325672(JP,A)
【文献】国際公開第2019/053804(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/194422(WO,A1)
【文献】特開昭63-311937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する光源装置の識別情報と、前記光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得する識別情報取得部と、
前記光源装置の識別情報と前記照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、前記光源装置の識別情報に対応する前記光源スペクトルを取得する光源スペクトル取得部と、
前記内視鏡の識別情報と前記内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、前記内視鏡の識別情報に対応する前記内視鏡の光学特性を取得する内視鏡光学特性取得部と、
白色板の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うカラー情報処理部と、
前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するカラー情報出力部とを有し、
前記内視鏡の光学特性には、前記内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、前記内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、
前記ホワイトバランス用演算処理は、
前記白色板の反射スペクトルと、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトルと、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性である前記撮像センサの分光感度及び前記ライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、
前記ホワイトバランス用演算処理に必要な波長域の前記白色板の反射スペクトルが予め記憶されている情報処理装置。
【請求項2】
照明光を発する光源装置の識別情報と、前記光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得する識別情報取得部と、
前記光源装置の識別情報と前記照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、前記光源装置の識別情報に対応する前記光源スペクトルを取得する光源スペクトル取得部と、
前記内視鏡の識別情報と前記内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、前記内視鏡の識別情報に対応する前記内視鏡の光学特性を取得する内視鏡光学特性取得部と、
白色板の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うカラー情報処理部と、
前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するカラー情報出力部とを有し、
前記内視鏡の光学特性には、前記内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、前記内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、
前記粘膜色用演算処理は、
粘膜色の反射スペクトルと、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトルと、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性である前記撮像センサの分光感度及び前記ライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、
前記粘膜色用演算処理に必要な波長域の前記粘膜色の反射スペクトルが予め記憶されている情報処理装置。
【請求項3】
前記光源スペクトルテーブルは、前記照明光のピーク波長を含む光源特徴データと前記光源装置の識別情報との関係を記憶し、
前記光源スペクトル取得部は、
前記光源装置の識別情報に対応する前記光源特徴データを用いて、予め定められている標準の光源スペクトルを補正することにより、前記光源装置の識別情報に対応する前記光源スペクトルを取得する請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記内視鏡光学特性テーブルは、前記内視鏡が有する撮像センサの特定色画素のピーク感度を含む内視鏡特徴データと前記内視鏡の識別情報との関係を記憶し、
前記光源スペクトル取得部は、
前記内視鏡の識別情報に対応する前記内視鏡特徴データとを用いて、予め定められている標準の内視鏡光学特性を補正することにより、前記内視鏡の光学特性を取得する請求項1ないしいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないしいずれか1項記載の情報処理装置に接続されている内視鏡システムにおいて、
前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を取得するカラー情報取得部と、
前記ホワイトバランス用情報に基づいて、ホワイトバランス処理を行うホワイトバランス処理部を備える内視鏡システム。
【請求項6】
粘膜色に影響を受ける生体情報の算出に用いる生体情報算出用テーブルを用いて、前記生体情報を算出する生体情報算出部と、
前記粘膜色用情報に基づいて、前記生体情報算出用テーブルを更新する生体情報算出用テーブル更新部を備える請求項記載の内視鏡システム。
【請求項7】
識別情報取得部が、照明光を発する光源装置の識別情報と、前記光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得するステップと、
光源スペクトル取得部が、前記光源装置の識別情報と前記照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、前記光源装置の識別情報に対応する前記光源スペクトルを取得するステップと、
内視鏡光学特性取得部が、前記内視鏡の識別情報と前記内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、前記内視鏡の識別情報に対応する前記内視鏡の光学特性を取得するステップと、
カラー情報処理部が、白色板の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うステップと、
カラー情報出力部が、前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するステップとを有し、
前記内視鏡の光学特性には、前記内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、前記内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、
前記ホワイトバランス用演算処理は、
前記白色板の反射スペクトルと、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトルと、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性である前記撮像センサの分光感度及び前記ライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、
前記ホワイトバランス用演算処理に必要な波長域の前記白色板の反射スペクトルが、情報処理装置に予め記憶されている情報処理装置の作動方法。
【請求項8】
識別情報取得部が、照明光を発する光源装置の識別情報と、前記光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得するステップと、
光源スペクトル取得部が、前記光源装置の識別情報と前記照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、前記光源装置の識別情報に対応する前記光源スペクトルを取得するステップと、
内視鏡光学特性取得部が、前記内視鏡の識別情報と前記内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、前記内視鏡の識別情報に対応する前記内視鏡の光学特性を取得するステップと、
カラー情報処理部が、白色板の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うステップと、
カラー情報出力部が、前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するステップとを有し、
前記内視鏡の光学特性には、前記内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、前記内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、
前記粘膜色用演算処理は、
粘膜色の反射スペクトルと、前記光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトルと、前記内視鏡光学特性取得部にて取得した前記内視鏡の光学特性である前記撮像センサの分光感度及び前記ライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、
前記粘膜色用演算処理に必要な波長域の前記粘膜色の反射スペクトルが、情報処理装置に予め記憶されている情報処理装置の作動方法。
【請求項9】
請求項7または8記載の情報処理装置の作動方法に合わせて行われる内視鏡システムの作動方法において、
カラー情報取得部が、前記ホワイトバランス用情報、又は、前記粘膜色用情報の少なくとも一方を取得するステップと、
ホワイトバランス処理部が、前記ホワイトバランス用情報に基づいて、ホワイトバランス処理を行うステップとを有する内視鏡システムの作動方法。
【請求項10】
生体情報算出部が、粘膜色に影響を受ける生体情報の算出に用いる生体情報算出用テーブルを用いて、前記生体情報を算出する場合において、生体情報算出用テーブル更新部が、前記粘膜色用情報に基づいて、前記生体情報算出用テーブルを更新するステップを有する請求項記載の内視鏡システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトバランスなどに関連する処理を行う情報処理装置及びその作動方法並びに内視鏡システム及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、医療画像を用いて診断することが広く行われている。例えば、医療画像を用いる医療画像処理システムとして、光源装置、内視鏡、及びプロセッサ装置を備える内視鏡システムがある。内視鏡システムでは、観察対象に対して照明光を照射し、照明光で照明された観察対象を撮像することにより、医療画像としての内視鏡画像を取得する。内視鏡画像は、モニタに表示され、診断に使用される。
【0003】
光源装置については、同じ機種であっても、個体ごとに、光源スペクトルに若干の違いがある。同様にして、内視鏡についても、同じ機種であっても、個体ごとに、撮像センサの分光感度又はライトガイドの透過特性などの光学特性に若干の違いがある。また、光源装置と内視鏡の製造工程は別々の場合であることが一般的である。そこで、内視鏡の診断前には、個体ごとの光源装置又は内視鏡の違いを無くすために、白色板などを撮影して白色の基準を合わせるホワイトバランス処理などのキャリブレーション(特許文献1、2参照)が行われている。
【0004】
例えば、特許文献2では、内視鏡、光源装置、及び、プロセッサ装置の組み合わせが過去に使用されている組み合わせである場合には、組み合わせに対応するホワイトバランスデータを用いて、ホワイトバランス処理を行う一方、組み合わせが過去に使用されていない組み合わせである場合には、補正データを用いて補正した補正後のホワイトバランスデータを用いて、ホワイトバランス処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-200410号公報
【文献】国際公開第2015/194422号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のホワイトバランス処理で用いている補正データは、白色板の反射スペクトルなどを考慮して得られたデータであるかどうかは不明である。そのため、特許文献1のホワイトバランス処理は、白色チャートを実際に撮像してホワイトバランス処理を行う場合と比較して、ホワイトバランス処理の精度が低くなる可能性がある。そこで、白色板などを実際に撮像する場合と同等の精度でホワイトバランス処理などを行うことが求められていた。
【0007】
本発明は、白色板などを実際に撮像する場合と同等の精度でホワイトバランス処理などを行うことができる情報処理装置及びその作動方法並びに内視鏡システム及びその作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、照明光を発する光源装置の識別情報と、光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得する識別情報取得部と、光源装置の識別情報と照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、光源装置の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する光源スペクトル取得部と、内視鏡の識別情報と内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、内視鏡の識別情報に対応する内視鏡の光学特性を取得する内視鏡光学特性取得部と、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した前記光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うカラー情報処理部と、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するカラー情報出力部とを有し、内視鏡の光学特性には、内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、ホワイトバランス用演算処理は、白色板の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、ホワイトバランス用演算処理に必要な波長域の白色板の反射スペクトルが予め記憶されている。
本発明の情報処理装置は、照明光を発する光源装置の識別情報と、光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得する識別情報取得部と、光源装置の識別情報と照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、光源装置の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する光源スペクトル取得部と、内視鏡の識別情報と内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、内視鏡の識別情報に対応する内視鏡の光学特性を取得する内視鏡光学特性取得部と、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うカラー情報処理部と、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するカラー情報出力部とを有し、内視鏡の光学特性には、内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、粘膜色用演算処理は、粘膜色の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、粘膜色用演算処理に必要な波長域の粘膜色の反射スペクトルが予め記憶されている。
【0009】
内視鏡の光学特性には、内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれることが好ましい。ホワイトバランス用演算処理は、白色板の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含むことが好ましい。粘膜色用演算処理は、粘膜色の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含むことが好ましい。
【0010】
光源スペクトルテーブルは、照明光のピーク波長を含む光源特徴データと前記光源装置の識別情報との関係を記憶し、光源スペクトル取得部は、光源装置の識別情報に対応する光源特徴データを用いて、予め定められている標準の光源スペクトルを補正することにより、光源装置の識別情報に対応する光源スペクトルを取得することが好ましい。
【0011】
内視鏡光学特性テーブルは、内視鏡が有する撮像センサの特定色画素のピーク感度を含む内視鏡特徴データと内視鏡の識別情報との関係を記憶し、光源スペクトル取得部は、内視鏡の識別情報に対応する内視鏡特徴データとを用いて、予め定められている標準の内視鏡光学特性を補正することにより、内視鏡の光学特性を取得することが好ましい。
【0012】
上記記載の本発明の情報処理装置に接続されている内視鏡システムにおいて、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を取得するカラー情報取得部と、ホワイトバランス用情報に基づいて、ホワイトバランス処理を行うホワイトバランス処理部を備える。粘膜色に影響を受ける生体情報の算出に用いる生体情報算出用テーブルを用いて、生体情報を算出する生体情報算出部と、粘膜色用情報に基づいて、生体情報算出用テーブルを更新する生体情報算出用テーブル更新部を備えることが好ましい。
【0013】
本発明の情報処理装置の作動方法は、識別情報取得部が、照明光を発する光源装置の識別情報と、光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得するステップと、光源スペクトル取得部が、光源装置の識別情報と照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、光源装置の識別情報に対応する光源スペクトルを取得するステップと、内視鏡光学特性取得部が、内視鏡の識別情報と内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、内視鏡の識別情報に対応する内視鏡の光学特性を取得するステップと、カラー情報処理部が、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うステップと、カラー情報出力部が、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するステップとを有し、内視鏡の光学特性には、内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、ホワイトバランス用演算処理は、白色板の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、ホワイトバランス用演算処理に必要な波長域の白色板の反射スペクトルが、情報処理装置に予め記憶されている
本発明の情報処理装置の作動方法は、識別情報取得部が、照明光を発する光源装置の識別情報と、光源装置に接続される内視鏡の識別情報とを取得するステップと、光源スペクトル取得部が、光源装置の識別情報と照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブルを参照して、光源装置の識別情報に対応する光源スペクトルを取得するステップと、内視鏡光学特性取得部が、内視鏡の識別情報と内視鏡の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブルを参照して、内視鏡の識別情報に対応する内視鏡の光学特性を取得するステップと、カラー情報処理部が、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する第1処理、又は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する第2処理の少なくとも一方を行うステップと、カラー情報出力部が、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を出力するステップとを有し、内視鏡の光学特性には、内視鏡が有する撮像センサの分光感度、及び、内視鏡が有するライトガイドの透過特性が含まれ、粘膜色用演算処理は、粘膜色の反射スペクトルと、光源スペクトル取得部にて取得した光源スペクトルと、内視鏡光学特性取得部にて取得した内視鏡の光学特性である撮像センサの分光感度及びライトガイドの透過特性とをそれぞれ掛け合わせる演算を含み、粘膜色用演算処理に必要な波長域の粘膜色の反射スペクトルが、情報処理装置に予め記憶されている。
【0014】
上記記載の本発明の情報処理装置の作動方法に合わせて行われる内視鏡システムの作動方法において、カラー情報取得部が、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報の少なくとも一方を取得するステップと、ホワイトバランス処理部が、ホワイトバランス用情報に基づいて、ホワイトバランス処理を行うステップとを有する。生体情報算出部が、粘膜色に影響を受ける生体情報の算出に用いる生体情報算出用テーブルを用いて、生体情報を算出する場合において、生体情報算出用テーブル更新部が、粘膜色用情報に基づいて、生体情報算出用テーブルを更新するステップを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、白色板などを実際に撮像する場合と同等の精度でホワイトバランス処理などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】内視鏡システムの外観図である。
図2】第1実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図3】紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rのスペクトルを示すグラフである。
図4】生体情報画像処理部の機能を示すブロック図である。
図5】信号比B1/G2、R2/G2と酸素飽和度との関係を示すグラフである。
図6】酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数を示すグラフである。
図7】酸素飽和度の算出方法を示す説明図である。
図8】生体情報算出用テーブルの更新方法を示す説明図である。
図9】情報処理装置の機能を示すブロック図である。
図10】光源スペクトルテーブルを示す説明図である。
図11】ピーク波長が異なる光源スペクトルSPT1、SPT2を示す説明図である。
図12】内視鏡光源特性テーブルを示す説明図である。
図13】撮像センサ44の分光感度を示すグラフである。
図14】ライトガイドの透過特性を示すグラフである。
図15】ホワイトバランス用情報である特定のゲインGcb、Gcg、Gcrの取得方法を示す説明図である。
図16】粘膜色情報である代表信号比Br/Gr,Rr/Grの取得方法を示す説明図である。
図17】内視鏡と光源装置とがプロセッサ装置に新たに接続された場合において行われる処理等を示すフローチャートである。
図18】光源特徴データにおける赤色光Rのピーク波長PWcと、標準の光源スペクトルにおける赤色光Rのピーク波長PWsとを示すグラフである。
図19】内視鏡特徴データにおける撮像センサ44のB画素のピーク感度BPScと、標準の内視鏡光学特性におけるB画素のピーク感度BPSsとを示すグラフである。
図20】第2実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図21】回転フィルタの平面図である。
図22】第3実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
図23】第3実施形態の通常光のスペクトルを示すグラフである。
図24】第3実施形態の第1照明光のスペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1において、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、ユーザーインターフェース19とを有する。内視鏡12は、光源装置14と光学的に接続され、且つ、プロセッサ装置16と電気的に接続される。また、光源装置14とプロセッサ装置16とは電気的に接続されている。内視鏡12は、観察対象の体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12c及び先端部12dとを有している。湾曲部12cは、操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより湾曲動作する。先端部12dは、湾曲部12cの湾曲動作によって所望の方向に向けられる。
【0018】
内視鏡システム10においては、内視鏡12をプロセッサ装置16に接続すると、内視鏡12の識別情報(ID(Identification)など)がプロセッサ装置16に入力される。同様にして、光源装置14をプロセッサ装置16に接続すると、光源装置14の識別情報が、プロセッサ装置16に入力される。プロセッサ装置16では、内視鏡12の識別情報又は光源装置14の識別情報を用いて、ホワイトバランス処理などのキャリブレーションモードを行う。
【0019】
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、モードの切り替え操作に用いるモード切替SW(モード切替スイッチ)12fと、観察対象の静止画の取得指示に用いられる静止画取得指示部12gとが設けられている。
【0020】
なお、内視鏡システム10は、通常光モード、生体情報算出モード、キャリブレーションモードの3つのモードを有している。通常光モードでは、通常光を観察対象に照明して撮像することによって、自然な色合いの通常画像をモニタ18に表示する。特殊光モードでは、観察対象に含まれるヘモグロビンの酸素飽和度などの生体情報を算出して画像化した生体情報画像をモニタ18に表示する。キャリブレーションモードでは、内視鏡12が光源装置14及びプロセッサ装置に装着された場合などに用いられ、ホワイトバランスの調整、又は、生体情報の算出に用いる生体情報算出用テーブル64bを更新する。
【0021】
プロセッサ装置16は、モニタ18及びユーザーインターフェース19と電気的に接続される。モニタ18は、観察対象の画像や、観察対象の画像に付帯する情報などを出力表示する。ユーザーインターフェース19は、機能設定などの入力操作を受け付ける。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報などを記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
【0022】
図2において、光源装置14は、光源部20と、光源部20を制御する光源制御部21とを備えている。光源部20は、例えば、複数の半導体光源を有し、これらをそれぞれ点灯または消灯し、点灯する場合には各半導体光源の発光量を制御することにより、観察対象を照明する照明光を発する。本実施形態では、光源部20は、V-LED(Violet Light Emitting Diode)20a、B-LED(Blue Light Emitting Diode)20b、G-LED(Green Light Emitting Diode)20c、R-LED(Red Light Emitting Diode)20d、及び、BL-LD(Blue Long-wavelength Laser Diode)20eの5色のLEDを有する。
【0023】
図3に示すように、V-LED20aは、中心波長405±10nm、波長範囲380~420nmの紫色光Vを発生する。B-LED20bは、中心波長460±10nm、波長範囲420~500nmの青色光Bを発生する。G-LED20cは、波長範囲が480~600nmに及ぶ緑色光Gを発生する。R-LED20dは、中心波長620~630nmで、波長範囲が600~650nmに及ぶ赤色光Rを発生する。BL-LD20eは、中心波長が470±10nm、波長範囲460~480nmの青色狭帯域光BLを発する。
【0024】
光源制御部21は、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、及びR-LED20dを制御する。光源制御部21は、通常光モード時と生体情報算出モード時とでそれぞれ異なる発光制御を行う。一方、光源制御部21は、キャリブレーションモード時には、照明光を用いずに、演算処理のみで、ホワイトバランスの調整、又は、生体情報算出用テーブルの更新を行うことから、光源部20に対する発光制御は行わない。
【0025】
光源制御部21は、通常光モード時には、照明光として、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光R間の光強度比がVc:Bc:Gc:Rcとなる通常光を発光するように、各LED20a~20dを制御する。
【0026】
また、光源制御部21は、生体情報算出モードでは、生体情報の一つである酸素飽和度を算出するために、照明光としての第1照明光と第2照明光を、特定の間隔で繰り返し発光を行う。具体的には、生体情報算出モードでは、BL-LED20eを点灯することにより、第1照明光として、青色狭帯域光BLを発光する。また、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dを同時に点灯することによって、第2照明光として、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rを同時に発光する。なお、第2照明光は、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rに加えて、紫色光Vを発光してもよい。
【0027】
なお、本明細書において、光強度比は、少なくとも1つの半導体光源の比率が0(ゼロ)の場合を含む。したがって、各半導体光源のいずれか1つまたは2つ以上が点灯しない場合を含む。例えば、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光R間の光強度比が1:0:0:0の場合のように、半導体光源の1つのみを点灯し、他の3つは点灯しない場合も、光強度比を有するものとする。
【0028】
各LED20a~20eが発する光は、ミラーやレンズなどで構成される光路結合部23を介して、ライトガイド25に入射される。ライトガイド25は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と、光源装置14及びプロセッサ装置16を接続するコード)に内蔵されている。ライトガイド25は、光路結合部23からの光を、内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。
【0029】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮像光学系30bが設けられている。照明光学系30aは照明レンズ32を有しており、ライトガイド25によって伝搬した照明光は照明レンズ32を介して観察対象に照射される。撮像光学系30bは、対物レンズ42、撮像センサ44を有している。照明光を照射したことによる観察対象からの光は、対物レンズ42を介して撮像センサ44に入射する。これにより、撮像センサ44に観察対象の像が結像される。
【0030】
撮像センサ44としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサを利用可能である。また、原色の撮像センサ44の代わりに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(グリーン)の補色フィルタを備えた補色撮像センサを用いても良い。補色撮像センサを用いる場合には、CMYGの4色の画像信号が出力されるので、補色-原色色変換によって、CMYGの4色の画像信号をRGBの3色の画像信号に変換することにより、撮像センサ44と同様のRGB各色の画像信号を得ることができる。
【0031】
撮像センサ44は、撮像制御部45によって駆動制御される。撮像制御部45における制御は、各モードによって異なっている。通常光モードでは、撮像制御部45は、通常光で照明された観察対象を撮像するように、撮像センサ44を制御する。これにより、撮像センサ44のB画素からBc画像信号が出力され、G画素からGc画像信号が出力され、R画素からRc画像信号が出力される。なお、キャリブレーションモードでは、観察対象の撮像は行われないことから、撮像制御部45による撮像制御は行われない。
【0032】
生体情報算出モードでは、撮像制御部45は、第1照明光と第2照明光の切替に合わせて、撮像センサ44を制御する。これにより、第1照明光の照明時には、撮像センサ44のB画素からB1画像信号が出力され、G画素からG1画像信号が出力され、R画素からR1画像信号が出力される。また、第2照明光の照明時には、撮像センサ44のB画素からB2画像信号が出力され、G画素からG2画像信号が出力され、R画素からR2画像信号が出力される。1フレーム分のB1画像信号、G1画像信号、及びR1画像信号と1フレーム分のB2画像信号、G2画像信号、及びR2画像信号とを含む少なくとも2フレーム分の画像信号が、1フレームの生体情報画像を生成するために必要な画像信号とされる。
【0033】
CDS/AGC(Correlated Double Sampling/Automatic Gain Control)回路46は、撮像センサ44から得られるアナログの画像信号に相関二重サンプリング(CDS)や自動利得制御(AGC)を行う。CDS/AGC回路46を経た画像信号は、A/D(Analog/Digital)コンバータ48により、デジタルの画像信号に変換される。A/D変換後のデジタル画像信号がプロセッサ装置16に入力される。
【0034】
プロセッサ装置16は、画像取得部50と、DSP(Digital Signal Processor)52と、ノイズ低減部54と、画像処理切替部56と、画像処理部58と、映像信号生成部60とを備えている。画像処理部58は、通常画像生成部62と、生体情報画像生成部とを備えている。
【0035】
画像取得部50は、内視鏡12から入力される医療画像の一つである内視鏡画像の画像信号を取得する。取得した画像信号はDSP52に送信される。DSP52は、受信した画像信号に対して、欠陥補正処理、オフセット処理、ホワイトバランス処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理、及びYC変換処理等の各種信号処理を行う。欠陥補正処理では、撮像センサ44の欠陥画素の信号が補正される。オフセット処理では、欠陥補正処理を施した画像信号から暗電流成分を除いて、正確な零レベルを設定する。ホワイトバランス処理はホワイトバランス処理部52aにおいて行われ、オフセット処理後の各色の画像信号に特定のゲインを乗じることにより各画像信号の信号レベルを整える。これにより、観察対象の白色を撮像した場合に画像上で正確に白色が表示されるようになる。
【0036】
ホワイトバランス処理は、通常光モードと生体情報算出モードとで異なっている。通常光モードのホワイトバランス処理では、特定のゲインとして、各色の画像信号のうちBc画像信号に対して乗じるためのゲインGcb、Gc画像信号に対して乗じるためのGcg、及び、Rc画像信号に対して乗じるためのGcrが用いられる。また、生体情報算出モードのホワイトバランス処理では、特定のゲインとして、生体情報画像の表示に用いる画像信号のうちB2画像信号に対して乗じるためのG2b、G2画像信号に対して乗じるためのG2g、及び、R2画像信号に対して乗じるためのG2rが用いられる。なお、ホワイトバランス処理で用いる特定のゲインはDSP内部のデジタルゲインとしているが、内視鏡12の処理回路で用いられるアナログゲインとしてもよい。
【0037】
ホワイトバランス処理によって画像上で正確に白色を表示するための特定のゲインは、内視鏡12の光学特性と光源装置14の光源スペクトルによって異なる。即ち、内視鏡12と光源装置の組み合わせによって、特定のゲインは異なる。プロセッサ装置16は、内視鏡12と光源装置14の組み合わせを判定する組み合わせ判定部70を有している。組み合わせ判定部70によって、内視鏡12と光源装置14との組み合わせが、プロセッサ装置16にて登録済みであると判定した場合には、DSP52は、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する特定のゲインをゲイン記憶部71から読み出して、ホワイトバランス処理を行う。組み合わせ判定部70は、プロセッサ装置16に接続されている内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報を取得し、それら内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報の組み合わせの有無によって、登録済みか否かを判定する。
【0038】
一方、組み合わせ判定部70によって、内視鏡12と光源装置14との組み合わせが、プロセッサ装置16にて登録済みでないと判定した場合には、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する特定のゲインを取得するために、識別情報出力部72が、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報とを、プロセッサ装置16に接続された外部の情報処理装置に出力する。情報処理装置80では、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報を用いて、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する特定のゲインを、ホワイトバランス用情報として取得する。プロセッサ装置16内のカラー情報取得部74は、情報処理装置80で得られた特定のゲインを取得する。DSP56は、カラー情報取得部74にて取得した特定のゲインを用いて、ホワイトバランス処理を行う。情報処理装置80の詳細については、後述する。
【0039】
ホワイトバランス処理後の各色の画像信号には、色再現性を高めるリニアマトリクス処理が施される。その後、ガンマ変換処理によって、各画像信号の明るさや彩度が整えられる。リニアマトリクス処理後の画像信号には、デモザイク処理(等方化処理,同時化処理とも言う)が施され、補間により各画素の欠落した色の信号を生成される。デモザイク処理によって、全画素がRGB各色の信号を有するようになる。DSP52は、デモザイク処理後の各画像信号にYC変換処理を施し、輝度信号Yと色差信号Cb及び色差信号Crをノイズ低減部54に出力する。
【0040】
ノイズ低減部54は、DSP56でデモザイク処理等を施した画像信号に対して、例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等によるノイズ低減処理を施す。ノイズを低減した画像信号は、画像処理切替部56に入力される。
【0041】
画像処理切替部56は、設定されているモードによって、ノイズ低減部54からの画像信号の送信先を、通常画像生成部62と、生体情報画像処理部64とのいずれかに切り替える。具体的には、通常光モードにセットされている場合には、ノイズ低減部54からの画像信号を通常画像生成部62に入力する。特殊光モードにセットされている場合には、ノイズ低減部54からの画像信号を生体情報画像処理部64に入力する。
【0042】
通常画像生成部62は、入力した1フレーム分のRc画像信号、Gc画像信号、Bc画像信号に対して、通常画像用画像処理を施す。通常画像用画像処理には、3×3のマトリクス処理、階調変換処理、3次元LUT(Look Up Table)処理等の色変換処理、色彩強調処理、空間周波数強調等の構造強調処理が含まれる。通常画像用画像処理が施されたRc画像信号、Gc画像信号、Bc画像信号は、通常画像として映像信号生成部60に入力される。
【0043】
生体情報画像処理部64は、入力した2フレーム分のR1画像信号、G1画像信号、及びB1画像信号とR2画像信号、G1画像信号、及びB1画像信号に対して、生体情報画像用画像処理を施す。生体情報画像用画像処理は、例えば、酸素飽和度を算出して、酸素飽和度画像を生成する酸素飽和度画像用画像処理である。酸素飽和度画像用画像処理の詳細については、後述する。生体情報画像処理部64にて生成された生体情報画像は、映像信号生成部60に入力される。なお、本実施形態では、生体情報画像処理部64では、酸素飽和度画像を生成するが、血液量を画像化した血液量画像、酸素飽和度の信頼度に関する信頼度画像などその他の生体情報画像を生成してもよい。
【0044】
映像信号生成部60は、画像処理部58から出力される通常画像又は生体情報画像を、モニタ18においてフルカラーで表示可能にする映像信号に変換する。変換済みの映像信号はモニタ18に入力される。これにより、モニタ18には通常画像又は生体情報画像が表示される。
【0045】
次に、酸素飽和度画像用画像処理の詳細について説明する。図4に示すように、生体情報画像処理部64は、信号比算出部64aと、生体情報算出用テーブル64bと、生体情報算出部64cと、生体情報画像生成部64dと、生体情報算出用テーブル更新部64eとを備えている。信号比算出部64aは、生体情報算出部64cで酸素飽和度の算出のために用いる信号比を算出する。具体的には、信号比算出部64aは、生体情報算出モードで得られた画像信号のうち、B1画像信号とG2画像信号の信号比B1/G2と、R2画像信号とG2画像信号の信号比R2/G2と、G2画像信号とB2画像信号の信号比G2/B2とをそれぞれ画素毎に算出する。
【0046】
生体情報算出用テーブル64bは、信号比算出部64aが算出する各信号比と、酸素飽和度との相関関係を記憶している。この相関関係を、縦軸Log(B1/G2)、横軸Log(R2/G2)で形成される特徴空間上で表した場合、図5に示すように、特徴空間上において、酸素飽和度が同じ部分を繋ぎあわせた等値線が、ほぼ横軸方向に沿って、形成されている。また、等値線は、酸素飽和度が大きくなるほど、縦軸方向に対して、より下方側に位置している。例えば、酸素飽和度が100%の等値線EL1は、酸素飽和度が0%の等値線EL2よりも下方に位置している。
【0047】
なお、特徴空間における等値線の位置及び形状は、光散乱の物理的なシミュレーションによって予め得られる。また、生体情報算出用テーブル64bでは、信号比B1/G2、R2/G2と酸素飽和度との相関関係を記憶しているが、信号比B1/G2、R2/G2との相関関係に限らず、B1画像信号、G2画像信号、R2画像信号に基づく特定の演算(例えば、差分処理)を行って得られる演算値と酸素飽和度との相関関係を記憶するようにしてもよい。
【0048】
上記相関関係は、図6に示す酸化ヘモグロビン(グラフ78)や還元ヘモグロビン(グラフ79)の吸光特性や光散乱特性と密接に関連し合っている。例えば、青色狭帯域光BLの波長帯域470±10nmのように、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光係数の差が大きい波長帯域では、ヘモグロビンの酸素飽和度によって吸光量が変化するため、酸素飽和度の情報を取り扱いやすい。したがって、中心波長470nm青色狭帯域光BLの光に対応するB1画像信号を含む信号比B1/G2を用いることで、酸素飽和度の算出が可能となる。しかしながら、信号比B1/G2は酸素飽和度だけでなく、血液量にも依存度が高い。そこで、信号比B1/G2に加えて、主として血液量に依存して変化する信号比R2/G2を用いることで、血液量に影響されることなく、酸素飽和度を正確に求めることができる。なお、G2画像信号に含まれる緑色光の波長帯域540±20nmは、ヘモグロビンの吸光係数が比較的高いため、血液量によって吸光量が変化しやすい波長帯域である。
【0049】
生体情報算出部64cは、生体情報算出用テーブル64bに記憶した相関関係を参照し、信号比B1/G2,R2/G2に対応する酸素飽和度を画素毎に算出する。例えば、図7に示すように、生体情報算出用テーブル64bに記憶した相関関係を参照した場合、特定画素の信号比B1*/G2*,R2*/G2*に対応する酸素飽和度は「40%」である。したがって、生体情報算出部64cは、酸素飽和度を「40%」と算出する。
【0050】
なお、信号比B1/G2,R2/G2が極めて大きくなったり、極めて小さくなったりすることはほとんどない。すなわち、信号比B1/G2、R2/G2の各値の組み合わせが、酸素飽和度100%の上限の等値線EL1(図5参照)よりも下方に分布したり、反対に、酸素飽和度0%の下限の等値線EL2(図5参照)よりも上方に分布したりすることはほとんどない。但し、上限の等値線EL1より下方に分布する場合には酸素飽和度を100%とし、下限の等値線EL2より上方に分布する場合には生体情報算出部64cは酸素飽和度を0%とする。また、信号比B1/G2,R2/G2に対応する点が上限の等値線EL1と下限の等値線EL2との間に分布しない場合には、その画素における酸素飽和度の信頼度が低いことが分かるように表示をしたり、酸素飽和度を算出しないようにしたりしても良い。
【0051】
生体情報画像生成部64dは、生体情報算出部64cで算出した酸素飽和度を用いて、酸素飽和度を画像化した酸素飽和度画像を生成する。具体的には、生体情報画像生成部64dは、B2画像信号,G2画像信号,及びR2画像信号を取得し、これらの画像信号に対して酸素飽和度に応じたゲインを画素毎に施す。そして、ゲインを施したB2画像信号,G2画像信号,及びR2画像信号を用いてRGB画像データを生成する。例えば、生体情報画像生成部64dは、酸素飽和度が60%以上の画素ではB2画像信号,G2画像信号,及びR2画像信号のいずれにも同じゲイン「1」を乗じる。これに対して、酸素飽和度が60%未満の画素では、B2画像信号に対して「1」未満のゲインを乗じ、G2画像信号及びR2画像信号に対しては「1」以上のゲインを乗じる。このゲイン処理後のB2画像信号,G2画像信号,及びR2画像信号を用いて生成したRGB画像データが酸素飽和度画像である。
【0052】
生体情報画像生成部64dが生成した酸素飽和度画像では、高酸素の領域(酸素飽和度が60~100%の領域)では、通常観察画像と同様の色で表される。一方、酸素飽和度が特定値を下回る低酸素の領域(酸素飽和度が0~60%の領域)は、通常観察画像とは異なる色(疑似カラー)で表される。
【0053】
なお、本実施形態では、生体情報画像生成部64dは、低酸素の領域のみ疑似カラー化するゲインを乗じているが、高酸素領域でも酸素飽和度に応じたゲインを施し、酸素飽和度画像の全体を疑似カラー化しても良い。また、低酸素領域と高酸素領域を酸素飽和度60%で分けているがこの境界も任意である。
【0054】
生体情報算出用テーブル更新部64eは、酸素飽和度の算出精度が観察対象の粘膜の色によって影響を受けることから、粘膜の色に対応させるために、生体情報算出用テーブル64bを更新する。粘膜の色は、内視鏡12の光学特性と光源装置14の光源スペクトルによって異なる。即ち、内視鏡12と光源装置の組み合わせによって、粘膜の色は異なる。組み合わせ判定部70によって、内視鏡12と光源装置14との組み合わせが、プロセッサ装置16にて登録済みであると判定した場合には、生体情報算出用テーブル更新部64eは、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する粘膜色用情報を粘膜色記憶部76から読み出して、生体情報算出用テーブル64bを更新する。
【0055】
具体的には、粘膜色用情報を、Br/Gr,Rr/Grの2つの代表信号比とする場合には、生体情報算出用テーブル更新部64eは、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する代表信号比Br/Gr,Rr/GrとデフォルトのBd/Gd,Rd/Gdとの差分ΔB/G,ΔR/Gを算出する。そして、図8に示すように、差分ΔB/G,ΔR/Gの分だけ、酸素飽和度100%の上限の等値線EL1と酸素飽和度0%の下限の等値線EL2などの酸素飽和度の算出に用いる領域の情報(図5参照)をシフトさせる。これにより、生体情報算出用テーブル64bの更新が完了する。
【0056】
一方、組み合わせ判定部70によって、内視鏡12と光源装置14との組み合わせが、プロセッサ装置16にて登録済みでないと判定した場合には、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する粘膜色用情報を取得するために、識別情報出力部72が、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報とを、情報処理装置に出力する。情報処理装置80では、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報を用いて、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する粘膜色用情報を取得する。カラー情報取得部74は、情報処理装置80で得られた粘膜色用情報を取得する。生体情報算出用テーブル更新部64eは、カラー情報取得部74にて取得した粘膜色用情報を用いて、生体情報算出用テーブル64bの更新を行う。生体情報算出用テーブル64bの更新は上記と同様である。情報処理装置80の詳細については、後述する。
【0057】
情報処理装置80の詳細について説明する。情報処理装置80はプロセッサ装置16と有線又は無線で接続されており、図9に示すように、識別情報取得部81と、光源スペクトル取得部82と、内視鏡光学特性取得部83と、カラー情報処理部84と、カラー情報出力部85とを有する。
【0058】
識別情報取得部81は、プロセッサ装置16の識別情報から出力された内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報を取得する。光源スペクトル取得部82は、光源装置14の識別情報と照明光の光源スペクトルとの関係を記憶する光源スペクトルテーブル82aを参照して、光源装置14の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する。光源スペクトルテーブル82aには、図10に示すように、光源装置14の識別情報IDL1、IDL2、・・・、IDLn毎に、各識別情報に対応する照明光の光源スペクトルSPT1、SP2、・・・、SPTnが記憶されている。各識別情報に対応する光源スペクトルは、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rのピーク波長など、ホワイトバランス用情報又は粘膜色用情報を算出するために必要な光源スペクトルに関する全ての情報を含んでいる(図3参照)。また、各識別情報に対応する光源スペクトルはそれぞれスペクトルが異なっていることが多い。例えば、光源スペクトルSPT1における赤色光Rのピーク波長RPW1は、図11に示すように、光源スペクトルSPT2における赤色光Rのピーク波長RPW2よりも数nm短波長側に位置している。なお、光源スペクトル取得部82にて取得する光源スペクトルとしては、通常光の光源スペクトルと第2照明光の光源スペクトルの両方を取得することが好ましい。また、光源スペクトルテーブル82aに、光源装置14の識別情報に対応する光源スペクトルが無い場合には、情報処理装置80は、ネットワークを介して、外部の光源スペクトルサーバ(図示しない)から、識別情報に対応する光源スペクトルを取得する。
【0059】
内視鏡光学特性取得部83は、内視鏡12の識別情報と内視鏡12の光学特性との関係を記憶する内視鏡光学特性テーブル83aを参照して、内視鏡12の識別情報に対応する内視鏡12の光学特性を取得する。内視鏡12の光学特性は、光源装置14からの光を受受光して内視鏡12から出射するまでの間の光の分光透過特性、及び、観察対象からの光を受光して撮像センサ44にて受光するまでの間の光の分光透過特性で表される。具体的には、内視鏡12の光学特性には、内視鏡12が有する撮像センサ44の分光感度、及び、内視鏡12が有するライトガイド25の透過特性を含むことが好ましい。内視鏡光学特性テーブル83aには、図12に示すように、内視鏡12の識別情報IDS1、IDS2、・・・、IDSn毎に、各識別情報に対応する撮像センサ44の分光感度SD1、SD2、・・・、SDnとライトガイド25の透過特性PC1、PC2、・・・、PCnが記憶されている。なお、各識別情報に対応する撮像センサ44の分光感度とライトガイド25の透過特性とは、それぞれ異なっていることが多い。また、内視鏡光学特性テーブル83aに、内視鏡12の識別情報に対応する内視鏡の光学特性が無い場合には、情報処理装置80は、ネットワークを介して、外部の内視鏡光学特性サーバ(図示しない)から、識別情報に対応する内視鏡12の光学特性を取得する。
【0060】
各識別情報に対応する撮像センサ44の分光感度については、図13に示すように、撮像センサ44のB画素の分光感度BSD、G画素の分光感度GSD、R画素の分光感度など、ホワイトバランス用情報又は粘膜色用情報を算出するために必要な撮像センサ44の分光感度に関する全ての情報を含んでいる。また、各識別情報に対応するライトガイド25の透過特性については、図14に示すように、各波長域における透過率など、ホワイトバランス用情報又は粘膜色用情報を算出するために必要なライトガイド25の透過特性に関する全ての情報を含んでいる。
【0061】
カラー情報処理部84は、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部82にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部83にて取得した内視鏡の光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報として、例えば、特定のゲインを取得する第1処理を行う。具体的には、通常光モード用のホワイトバランス処理にて用いる特定のゲインGcb、Gcg、Gcrを取得する場合には、図15に示すように、予め情報処理装置80にて記憶されている白色板の反射スペクトルWSPTと、光源スペクトルSPT(通常光と第2照明光の光源スペクトル)と、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のB画素の分光感度BSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、特定ゲイン算出用のB演算値を得る。同様にして、白色板の反射スペクトルWSPTと、光源スペクトルSPTと、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のG画素の分光感度GSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、特定ゲイン算出用のG演算値を得る。また、白色板の反射スペクトルWSPTと、光源スペクトルSPTと、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のR画素の分光感度RSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、特定ゲイン算出用のR演算値を得る。
【0062】
そして、特定ゲイン算出用のB演算値とG演算値とR演算値とについてそれぞれ最高画素値にするための係数Kb、Kg、Krを算出する。例えば、最高画素値が255である場合には、Kb=255/B演算値、Kg=255/G演算値、Kr=255/R演算値となる。以上のように算出される係数Kb、Kg、Krが、通常光モード用のホワイトバランス処理にて用いる特定のゲインGcb、Gcg、Gcrに相当する。特定のゲインGcb、Gcg、Gcrは、ホワイトバランス用情報として、カラー情報出力部85によって、プロセッサ装置16に出力される。なお、生体情報算出用のホワイトバランス処理にて用いる特定のゲインG2b、G2g、G2rを取得する場合についても、上記と同様の手順で算出し、プロセッサ装置16に出力を行う。
【0063】
なお、ホワイトバランス用情報については、プロセッサ装置16とネットワークを介して接続された外部の情報処理サーバ(図示しない)にて上記と同様のホワイトバランス用演算処理を行い、その演算により得られたホワイトバランス用情報を、情報処理装置80に保存するようにしてもよい。即ち、情報処理装置80は、ホワイトバランス用演算処理を行わず、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応するホワイトバランス用情報の保存のみを行う。同様にして、下記の粘膜色用情報についても、外部の情報処理サーバにて粘膜色用演算処理を行い、その演算により得られた粘膜色用情報を、情報処理装置80に保存するようにしてもよい。
【0064】
カラー情報処理部84は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部82にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部83にて取得した内視鏡の光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報として、例えば、内視鏡12と光源装置14の組み合わせに対応する代表信号比Br/Gr,Rr/Grを取得する第2処理を行う。なお、カラー情報処理部84は、第1処理又は第2処理の少なくとも一方を行うことが好ましい。
【0065】
具体的には、キャリブレーションモードにて用いる2つの代表信号比Br/Gr,Rr/Grを取得する場合には、図16に示すように、予め情報処理装置80にて記憶されている粘膜色の反射スペクトルMSPTと、光源スペクトルSPTと、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のB画素の分光感度BSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、代表信号比算出用のB演算値を得る。同様にして、粘膜色の反射スペクトルMSPTと、光源スペクトルSPT(通常光と第2照明光の光源スペクトル)と、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のG画素の分光感度GSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、代表信号比算出用のG演算値を得る。また、粘膜の反射スペクトルWSPTと、光源スペクトルSPTと、ライトガイド25の透過特性PCと、撮像センサ44のR画素の分光感度RSDとをそれぞれ掛け合わせることにより、代表信号比算出用のR演算値を得る。なお、粘膜色の反射スペクトルMSPTは、内視鏡12が上部内視鏡の場合は、食道と胃の粘膜の反射スペクトルの平均を用いることが好ましく、内視鏡12が下部内視鏡の場合には、大腸の反射スペクトルを用いることが好ましい。
【0066】
そして、代表信号比算出用のB演算値、G演算値、R演算値が得られると、B演算値をG演算値で除することにより、代表信号比Br/Grが得られる。また、R演算値をG演算値で除することにより、代表信号比Rr/Grが得られる。これら2つの代表信号比Br/Gr,Rr/Grは、カラー情報出力部85によって、プロセッサ装置16に出力される。
【0067】
次に、内視鏡12と光源装置14とがプロセッサ装置16に新たに接続された場合において行われる処理等について、図17のフローチャートに沿って説明する。内視鏡12と光源装置14がプロセッサ装置16に接続されると、プロセッサ装置16は、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報を読み込む。プロセッサ装置16の組み合わせ判定部70は、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報に基づいて、内視鏡12と光源装置14の組合せが登録済みか否かを判定する。内視鏡12と光源装置14の組合せが登録済みである場合には、登録済みの組み合わせに対応するホワイトバランス用情報として、特定のゲインをゲイン記憶部71から読み出して、ホワイトバランス処理を行う。また、登録済みの組み合わせに対応する粘膜色情報として、代表信号比を粘膜色記憶部76から読み出して、生体情報算出用テーブル64bの更新を行う。
【0068】
一方、内視鏡12と光源装置14の組合せが登録済みでない場合には、識別情報出力部72は、内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報とを外部の情報処理装置80に出力する。光源スペクトル取得部82は、光源スペクトルテーブル82aを参照して、光源装置14の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する。また、内視鏡光学特性取得部83は、内視鏡光学特性テーブル83aを参照して、内視鏡12の識別情報に対応する内視鏡の光学特性を取得する。
【0069】
カラー情報処理部84は、白色板の反射スペクトル、光源スペクトル取得部82にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部83にて取得した内視鏡光学特性に基づくホワイトバランス用演算処理によって、ホワイトバランス用情報を取得する。また、カラー情報処理部84は、粘膜色の反射スペクトル、光源スペクトル取得部82にて取得した光源スペクトル、及び、内視鏡光学特性取得部83にて取得した内視鏡光学特性に基づく粘膜色用演算処理によって、粘膜色用情報を取得する。カラー情報出力部85は、ホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報をプロセッサ装置16に出力する。
【0070】
プロセッサ装置16のカラー情報取得部74は、情報処理装置80からのホワイトバランス用情報、又は、粘膜色用情報を取得する。ホワイトバランス処理部52aは、ホワイトバランス用情報に基づいて、ホワイトバランス処理を行う。また、ホワイトバランス用情報である特定のゲインは、内視鏡12と光源装置14の組合せ(内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報の組み合わせ)と対応付けられて、ゲイン記憶部71に記憶される。また、生体情報算出用テーブル更新部64eは、粘膜色情報である代表信号比Br/Grに基づいて、生体情報算出用テーブル64bを更新する。また、代表信号比Br/Grは、内視鏡12と光源装置14の組合せ(内視鏡12の識別情報と光源装置14の識別情報の組み合わせ)と対応付けられて、粘膜色記憶部76に記憶される。
【0071】
なお、上記実施形態では、光源スペクトルテーブル82aには、ホワイトバランス用情報又は粘膜色用情報を算出するために必要な光源スペクトルの全ての情報を記憶させているが、格納メモリ量の削減する観点から、光源スペクトルの全ての情報を記憶させることに代えて、ピーク波長など光源スペクトルを縮退した光源特徴データを記憶させることが好ましい。ただし、この場合には、ホワイトバランス用演算処理又は粘膜色用演算処理において光源スペクトルの全ての情報が必要になることから、光源スペクトル取得部82は、光源特徴データと標準の光源スペクトルから、光源特徴データに対応する近似の光源スペクトルを生成することが好ましい。
【0072】
具体的には、光源スペクトルテーブル82aは、照明光のピーク波長を含む光源特徴データと光源装置14の識別情報との関係を記憶する。そして、光源スペクトル取得部82は、光源スペクトルテーブル82aを参照して、光源装置14の識別情報に対応する光源特徴データを取得する。そして、光源スペクトル取得部82は、光源特徴データを用いて、予め定められている標準の光源スペクトルを補正することによって、光源装置14の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する。例えば、図18に示すように、光源特徴データにおける赤色光Rのピーク波長PWcが625nmで、標準の光源スペクトルにおける赤色光Rのピーク波長PWsが630nmであり、その他は光源特徴データと標準の光源スペクトルと同じである場合には、標準の光源スペクトルSPTsの赤色光Rのピーク波長を5nmだけ短波長側にシフトさせる補正を行うことによって、光源装置14の識別情報に対応する光源スペクトルを取得する。
【0073】
また、上記実施形態では、内視鏡光学特性テーブル83aには、ホワイトバランス用情報又は粘膜色用情報を算出するために必要な撮像センサ44の分光特性とライトガイド25の透過特性の全ての情報を記憶させているが、格納メモリ量の削減する観点から、撮像センサ44の分光特性とライトガイド25の透過特性の全ての情報を記憶させることに代えて、撮像センサ44のピーク感度など内視鏡12の光学特性を縮退した内視鏡特徴データを記憶させることが好ましい。ただし、この場合には、ホワイトバランス用演算処理又は粘膜色用演算処理において撮像センサ44の分光特性とライトガイド25の透過特性の全ての情報が必要になることから、内視鏡光学特性取得部83は、内視鏡特徴データと標準の内視鏡光学特性から、内視鏡特徴データに対応する近似の内視鏡光学特性を生成することが好ましい。
【0074】
具体的には、内視鏡光学特性テーブル83aは、撮像センサ44の特定色画素のピーク感度を含む内視鏡特徴データと内視鏡12の識別情報との関係を記憶する。そして、内視鏡光学特性取得部83は、内視鏡光学特性テーブル83aを参照して、内視鏡12の識別情報に対応する内視鏡特徴データを取得する。そして、内視鏡光学特性取得部83は、内視鏡特徴データを用いて、予め定められている標準の内視鏡光学特性を補正することによって、内視鏡12の識別情報に対応する内視鏡光学特性を取得する。
【0075】
内視鏡12の光学特性のうち撮像センサ44の分光感度を生成する方法を以下に示す。例えば、図19に示すように、内視鏡特徴データにおける撮像センサ44のB画素のピーク感度BPScが450nmで、標準の内視鏡光学特性におけるB画素のピーク感度BPSsが470nmであり、その他は内視鏡特徴データと標準の内視鏡光学特性と同じである場合には、標準の分光感度BPSsのピーク感度を20nmだけ短波長側にシフトさせる補正を行うことによって、内視鏡12の光学特性のうち撮像センサ44の分光感度を取得する。
【0076】
[第2実施形態]
第2実施形態では、上記第1実施形態で示した4色のLED20a~20eの代わりに、キセノンランプなどの広帯域光源と回転フィルタを用いて観察対象の照明を行う。また、カラーの撮像センサ44に代えて、モノクロの撮像センサで観察対象の撮像を行う。それ以外については、第1実施形態と同様である。
【0077】
図20に示すように、第2実施形態の内視鏡システム100では、光源装置14において、4色のLED20a~20eに代えて、広帯域光源102、回転フィルタ104、フィルタ切替部105が設けられている。また、撮像光学系30bには、カラーの撮像センサ44の代わりに、カラーフィルタが設けられていないモノクロの撮像センサ106が設けられている。
【0078】
広帯域光源102はキセノンランプ、白色LEDなどであり、波長域が青色から赤色に及ぶ白色光を発する。回転フィルタ104には、内側から順に、通常光モード用フィルタ107と、生体情報算出モード用フィルタ108とが設けられている(図21参照)。フィルタ切替部105は、回転フィルタ104を径方向に移動させるものであり、モード切替SW12fにより通常光モードにセットしたときに、通常光モード用フィルタ107を白色光の光路に挿入し、生体情報算出モードにセットしたときに、生体情報算出モード用フィルタ108を白色光の光路に挿入する。
【0079】
図21に示すように、通常光モード用フィルタ107には、周方向に沿って、白色光のうち広帯域青色光Bを透過させるBフィルタ107a、白色光のうち広帯域緑色光Gを透過させるGフィルタ107b、及び、白色光のうち広帯域赤色光Rを透過させるRフィルタ107cが設けられている。したがって、通常光モード時には、回転フィルタ104が回転することで、照明光である通常光として、広帯域青色光B、広帯域緑色光G、広帯域赤色光Rが交互に観察対象に照射される。
【0080】
生体情報算出モード用フィルタ108には、周方向に沿って、白色光のうち青色狭帯域光を透過させるBnフィルタ108a、白色光のうち広帯域青色光Bを透過させるBフィルタ108b、白色光のうち広帯域緑色光Gを透過させるGフィルタ108c、及び、白色光のうち広帯域赤色光Rを透過させるRフィルタ108dが設けられている。したがって、生体情報算出モード時には、回転フィルタ104が回転することで、照明光である第1照明光としての青色狭帯域光と、照明光である第2照明光としての青色光B、緑色光G、及び赤色光Rとが、それぞれ交互に観察対象に照射される。なお、青色狭帯域光の波長帯域は400~450nmであことが好ましい。
【0081】
内視鏡システム100では、通常光モード時には、広帯域青色光B、広帯域緑色光G、広帯域赤色光Rで観察対象が照明される毎にモノクロの撮像センサ106で観察対象を撮像する。これにより、Bc画像信号、Gc画像信号、Rc画像信号が得られる。そして、それら3色の画像信号に基づいて、上記第1実施形態と同様の方法で、通常画像が生成される。
【0082】
内視鏡システム100では、生体情報算出モード時には、青色狭帯域光、広帯域青色光、広帯域緑色光、及び広帯域赤色光で観察対象が照明される毎にモノクロの撮像センサ106で観察対象を撮像する。これにより、B1画像信号、B2画像信号、G2画像信号、及び、R2画像信号が得られる。そして、それら4色の画像信号に基づいて、上記第1実施形態と同様の方法で、生体情報画像が生成される。
【0083】
[第3実施形態]
第3実施形態では、上記第1実施形態で示した4色のLED20a~20eの代わりに、レーザ光源と蛍光体を用いて観察対象の照明を行う。以下においては、第1実施形態と異なる部分のみ説明を行い、第1実施形態と略同様の部分については、説明を省略する。
【0084】
図22に示すように、第3実施形態の内視鏡システム200では、光源装置14の光源部20において、4色のLED20a~20eの代わりに、短波長の光に相当する中心波長405±10nmの紫色レーザ光を発する紫色レーザ光源203(「405LD」と表記。LDは「Laser Diode」を表す)と、中心波長445±10nmの青色レーザ光を発する青色レーザ光源(「445LD」と表記)204と、中心波長470±10nmの青色狭帯域光を発する青緑色レーザ光源(「473LD」と表記)205とが設けられている。これら各光源203、204、205の半導体発光素子からの発光は、光源制御部208により個別に制御されている。
【0085】
光源制御部208は、通常光モードの場合には、青色レーザ光源204を点灯させる。これに対して、生体情報算出モードの場合には、青緑色レーザ光源205と青色レーザ光源204とを交互に点灯させる。なお、青色レーザ光源204を点灯する場合には、紫色レーザ光源203も合わせて点灯してもよい。
【0086】
なお、紫色レーザ光、青色レーザ光、又は、青色狭帯域光の半値幅は±10nm程度にすることが好ましい。また、紫色レーザ光源203、青色レーザ光源204及び青緑色レーザ光源206は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオードなどの発光体を用いた構成としてもよい。
【0087】
照明光学系30aには、照明レンズ32の他に、ライトガイド25からの青色レーザ光又は青緑色レーザ光が入射する蛍光体210が設けられている。蛍光体210は、青色レーザ光によって励起され、蛍光を発する。したがって、青色レーザ光は励起光に相当する。また、青色レーザ光の一部は、蛍光体210を励起させることなく透過する。青緑色レーザ光は、蛍光体210を励起させることなく透過する。蛍光体210を出射した光は、照明レンズ32を介して、観察対象の体内を照明する。
【0088】
ここで、通常光モードにおいては、主として青色レーザ光が蛍光体210に入射するため、図23に示すように、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体210から励起発光する蛍光を合波した通常光が照明光として観察対象に照明される。この通常光で照明された観察対象を撮像センサ44で撮像することによって、Bc画像信号、Gc画像信号、Rc画像信号からなる通常画像が得られる。
【0089】
また、生体情報算出モードにおいては、青色狭帯域光が蛍光体210に入射することにより、図24に示すように、青色狭帯域光、及び青色狭帯域光により蛍光体210から励起発光する蛍光を合はした第1照明光が観察対象に照明される。また、第1照明光で照明された観察対象を撮像センサ44で撮像することによって、B1画像信号、G1画像信号、R1画像信号が得られる。
【0090】
また、青色レーザ光が蛍光体210に入射することにより、図23に示すように、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体210から励起発光する蛍光を合波した第2照明光が観察対象に照明される。また、第2照明光で照明された観察対象を撮像センサ44で撮像することによって、B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号からなる生体情報画像が得られる。そして、B1画像信号、B2画像信号、G2画像信号、R2画像信号に基づいて、生体情報の算出と生体情報画像の生成が行われる。
【0091】
なお、蛍光体210は、青色レーザ光の一部を吸収して、緑色~黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYKG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl1017)などの蛍光体)を含んで構成されるものを使用することが好ましい。本構成例のように、半導体発光素子を蛍光体210の励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度、色度の変化を小さく抑えることができる。
【0092】
上記実施形態において、画像取得部50、ホワイトバランス処理部52a、ノイズ低減部54、画像処理部58、映像信号生成部60、通常画像生成部62、生体情報画像処理部64、信号比算出部64a、生体情報算出用テーブル64b、酸素飽和度算出部64c、生体情報画像生成部64d、生体情報算出用テーブル更新部64e、組み合わせ判定部70、ゲイン記憶部71、識別情報出力部72、カラー情報取得部74、粘膜色記憶部76、識別情報取得部81、光源スペクトル取得部82、光源スペクトルテーブル82a、内視鏡光学特性取得部83、内視鏡光学特性テーブル83a、カラー情報処理部84、カラー情報出力部85といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0093】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0094】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である
【符号の説明】
【0095】
10 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12e アングルノブ
12f モード切替スイッチ
12g 静止画取得指示部
14 光源装置
16 プロセッサ装置
18 モニタ
19 ユーザーインターフェース
20 光源部
20a V-LED
20b B-LED
20c G-LED
20d R-LED
20e BL-LED
21 光源制御部
23 光路結合部
25 ライトガイド
30a 照明光学系
30b 撮像光学系
32 照明レンズ
42 対物レンズ
44 撮像センサ
45 撮像制御部
46 CDS/AGC回路
48 A/Dコンバータ
50 画像取得部
52 DSP
52a ホワイトバランス処理部
54 ノイズ低減部
56 画像処理切替部
58 画像処理部
60 映像信号生成部
62 通常画像生成部
64 生体情報画像処理部
64a 信号比算出部
64b 生体情報算出用テーブル
64c 生体情報算出部
64d 生体情報画像生成部
64e 生体情報算出用テーブル更新部
70 組み合わせ判定部
71 ゲイン記憶部
72 識別情報出力部
74 カラー情報取得部
76 粘膜色記憶部
78 グラフ
79 グラフ
80 情報処理装置
81 識別情報取得部
82 光源スペクトル取得部
82a 光源スペクトルテーブル
83 内視鏡光学特性取得部
83a 内視鏡光学特性テーブル
84 カラー情報処理部
85 カラー情報出力部
100 内視鏡システム
102 広帯域光源
104 回転フィルタ
105 フィルタ切替部
106 撮像センサ
107 通常光モード用フィルタ
107a Bフィルタ
107b Gフィルタ
107c Rフィルタ
108 生体情報算出モード用フィルタ
108a Bnフィルタ
108b Bフィルタ
108c Gフィルタ
108d Rフィルタ
200 内視鏡システム
203 紫色レーザ光源
204 青色レーザ光源
205 青緑色レーザ光源
208 光源制御部
210 蛍光体
BSD B画素の分光感度
GSD G画素の分光感度
RSD R画素の分光感度
EL1、EL2 等値線
SPT、SPT1、SPT2、SPTn、SPTc 光源スペクトル
SPTs 標準の光源スペクトル
WSPT 白色板の反射スペクトル
MSPT 粘膜色の反射スペクトル
PC ライトガイドの透過特性
PW1、PW2、PWc、PWs 赤色光Rのピーク波長
BPSc B画素のピーク感度
BPSs 標準の内視鏡光学特性におけるB画素のピーク感度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24