IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日産化学工業株式会社の特許一覧 ▶ ペプチドリーム株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】ペプチド化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/06 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
C07K1/06
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019546756
(86)(22)【出願日】2018-10-03
(86)【国際出願番号】 JP2018037032
(87)【国際公開番号】W WO2019069978
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2017193309
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018134575
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018180501
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506269633
【氏名又は名称】ペプチドリーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】長屋 昭裕
(72)【発明者】
【氏名】半田 道玄
(72)【発明者】
【氏名】安田 直彦
(72)【発明者】
【氏名】吉野 円香
(72)【発明者】
【氏名】小林 豊
(72)【発明者】
【氏名】舛屋 圭一
【審査官】進士 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-513663(JP,A)
【文献】国際公開第1993/005065(WO,A1)
【文献】特表2010-516296(JP,A)
【文献】Tetrahedron Letters, 2004, Vol. 45, pp.3585-3588
【文献】J. Org. Chem., 2015, Vol.80, pp.40-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、AAはアミノ酸又はペプチド由来の基を表し、PはN末端保護基を表し、RSiはC末端保護基を表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよいが
但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、
Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100である]
で表されるアミノ酸又はペプチドのN末端の保護基を、除去する工程
を含む、アミノ酸又はペプチドの製造方法。
【請求項2】
下記工程(1)及び(2):
(1)
式(II):
【化2】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよいが
但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、
Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程;
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程
を含む、ペプチドの製造方法。
【請求項3】
下記工程(1)及び(2):
(1)
式(II):
【化3】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表すが
但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、
Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程;
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程
を含む、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項4】
下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(II):
【化4】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよいが
但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、
Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程;
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程;
(3)
工程(2)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程
を含む、ペプチドの製造方法。
【請求項5】
下記工程(1)乃至(3):
(1)
式(II):
【化5】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表すが
但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、
Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程;
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程;
(3)
工程(2)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程
を含む、請求項4に記載のペプチドの製造方法。
【請求項6】
工程(3)で得られたペプチドのC末端保護基を除去する工程を含む、請求項4又は5に記載のペプチドの製造方法。
【請求項7】
さらに下記工程(4)及び(5):
(4)
工程(3)又は工程(5)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程;
(5)
工程(4)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程
の繰り返しを1以上含む、請求項4又は5に記載のペプチドの製造方法。
【請求項8】
工程(5)で得られたペプチドのC末端保護基を除去する工程を含む、請求項7に記載のペプチドの製造方法。
【請求項9】
Si基中の炭素原子の総数が10乃至40である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級の脂肪族炭化水素基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であって、かつ前記2つとは異なる基である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級の脂肪族炭化水素基である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、2級若しくは3級のC3-6アルキル基、又はC3-6シクロアルキル基である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項13】
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級のC3-6アルキル基、又はC3-6シクロアルキル基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級若しくは3級のC3-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基であって、かつ前記2つとは異なる基である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級のC4-6アルキル基である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、t-ブチル基、i-プロピル基、s-ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項16】
、R及びRの内、1つが、t-ブチル基又はクミル基であり、残りの2つが、互いに独立して、t-ブチル基、i-プロピル基、s-ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
、R及びRの内、2つが、t-ブチル基であり、残りの1つが、i-ブチル基、ベンジル基、オクタデシル基又は(トリメチルシリル)メチル基である、請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
Si基が、ジ-s-ブチル-t-ブチルシリル基、ジ-t-ブチルイソブチルシリル基、ジ-t-ブチルオクタデシルシリル基、ベンジル-ジ-t-ブチルシリル基、トリ-t-ブチルシリル基、ジ-i-プロピル-t-ブチルシリル基、ジ-i-プロピルクミルシリル基、ジ-シクロペンチルクミルシリル基、ジ-シクロヘキシルクミルシリル基、ジ-s-ブチルクミルシリル基又はジ-t-ブチル{(トリメチルシリル)メチル}シリル基である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
Si基が、ジ-t-ブチルフェネトキシシリル基又はジ-t-ブチルフェニルシリル基である、請求項1、2、4、6乃至のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
アミノ酸又はペプチドがα-アミノ酸で構成される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項21】
N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドのN末端の保護基が、カルバメート系保護基である、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項22】
N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドのN末端の保護基が、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基又はt-ブトキシカルボニル基である、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項23】
下記式(III):
【化6】

[式中、R、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す)を表し、R、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよいが但し、R 、R 及びR の内、2つ又は3つは、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、Si基中の炭素原子の総数は、10乃至100であり、波線は、アミノ酸又はペプチドのC末端残基との結合位置である]
で表される基の、ペプチドのN末端伸長反応におけるアミノ酸又はペプチドのC末端保護基としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリル系保護基を用いる、ペプチドの新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリル系保護基は、カルボキシ基の保護基として容易に着脱できることから、多くの有機合成反応で用いられている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
ペプチド合成における代表的な使用例としては、C末端側をシリル系保護基で一時保護してN末端側を固相支持体に結合させた後、シリル系保護基を脱保護し、C末端側からペプチド鎖を伸長する方法が挙げられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
なお、C末端側からペプチド鎖を伸長する方法では、カルボキシ基を活性化した際に、アズラクトン(オキサゾロン)の形成によるラセミ化が進行することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表平4-502908号
【文献】国際公開第93/05065号
【非特許文献】
【0004】
【文献】サイエンス オブ シンセシス、2002年、4巻、293-303頁
【文献】続 医薬品の開発、1991年、14巻、3-10頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、C末端側にシリル系保護基を用いて、N末端側からペプチド鎖を伸長する、ペプチドの新規な製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
上記特許文献1や非特許文献1で使用されているC末端側に結合したシリル系保護基、例えば、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基は、水やアルコール等の溶媒中で容易に脱保護されることが知られており、C末端とシリル系保護基の結合を維持したままN末端保護基の脱保護又は精製工程を行う、N末端側からペプチド鎖を伸長する方法には不向きである。
また、上記特許文献2で使用されている、C末端側に結合したトリ-t-ブトキシシリル基は、弱い酸性条件で脱保護されることが知られており、ペプチド合成においてはその使用が制限され、特に、C末端とシリル系保護基の結合を維持したままN末端保護基の脱保護又は精製工程を行う、N末端側からペプチド鎖を伸長する方法については検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構造を有するシリル系保護基を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下を特徴とするものである。
【0008】
[1]
下記工程を含む、アミノ酸又はペプチドの製造方法。
式(I):
【化1】

[式中、AAはアミノ酸又はペプチド由来の基を表し、PはN末端保護基を表し、RSiはC末端保護基を表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、
Si基中の炭素原子の総数は、8以上である。]
で表されるアミノ酸又はペプチドのN末端の保護基を、除去する工程。
【0009】
[2]
下記工程(1)及び(2)を含む、ペプチドの製造方法。
(1)
式(II):
【化2】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、
Si基中の炭素原子の総数は、8以上であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している。]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
(2) 工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程。
【0010】
[3]
下記工程(1)及び(2)を含む、[2]に記載のペプチドの製造方法。
(1)
式(II):
【化3】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、
Si基中の炭素原子の総数は、8以上であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している。]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程。
【0011】
[4]
下記工程(1)乃至(3)を含む、ペプチドの製造方法。
(1)
式(II):
【化4】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)を表し、
、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、
Si基中の炭素原子の総数は、8以上であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している。]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程。
(3)
工程(2)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
【0012】
[5]
下記工程(1)乃至(3)を含む、[4]に記載のペプチドの製造方法。
(1)
式(II):
【化5】

[式中、
Yは、N末端が無保護のアミノ酸又はN末端が無保護のペプチドを表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、
Si基中の炭素原子の総数は、8以上であり、
Si基は、Y中のアミノ酸又はペプチドのC末端と結合している。]
で表されるC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
(2)
工程(1)で得られたペプチドのN末端の保護基を、除去する工程。
(3)
工程(2)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
【0013】
[6]
工程(3)で得られたペプチドのC末端保護基を除去する工程を含む、[4]又は[5]に記載のペプチドの製造方法。
【0014】
[7]
さらに下記工程(4)及び(5)の繰り返しを1以上含む、[4]又は[5]に記載のペプチドの製造方法。
(4)
工程(3)又は工程(5)で得られたペプチドのN末端の保護基を除去する工程。
(5)
工程(4)で得られたペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程。
【0015】
[8]
工程(5)で得られたペプチドのC末端保護基を除去する工程を含む、[7]に記載のペプチドの製造方法。
【0016】
[9]
Si基中の炭素原子の総数が10乃至100である、[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0017】
[10]
Si基中の炭素原子の総数が10乃至40である、[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0018】
[11]
、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基である、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0019】
[12]
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級の脂肪族炭化水素基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であって、かつ前記2つとは異なる基である、[11]に記載の製造方法。
【0020】
[13]
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級の脂肪族炭化水素基である、[11]に記載の製造方法。
【0021】
[14]
、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、2級若しくは3級のC3-6アルキル基、又はC3-6シクロアルキル基である、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0022】
[15]
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級のC3-6アルキル基、又はC3-6シクロアルキル基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級若しくは3級のC3-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基であって、かつ前記2つとは異なる基である、[14]に記載の製造方法。
【0023】
[16]
、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級のC4-6アルキル基である、[14]に記載の製造方法。
【0024】
[17]
、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、t-ブチル基、i-プロピル基、s-ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0025】
[18]
、R及びRの内、1つが、t-ブチル基又はクミル基であり、残りの2つが、互いに独立して、t-ブチル基、i-プロピル基、s-ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である、[17]に記載の製造方法。
【0026】
[19]
、R及びRの内、2つが、t-ブチル基であり、残りの1つが、i-ブチル基、ベンジル基、オクタデシル基又は(トリメチルシリル)メチル基である、[17]に記載の製造方法。
【0027】
[20]
Si基が、ジ-s-ブチル-t-ブチルシリル基、ジ-t-ブチルイソブチルシリル基、ジ-t-ブチルオクタデシルシリル基、ベンジル-ジ-t-ブチルシリル基、トリ-t-ブチルシリル基、ジ-i-プロピル-t-ブチルシリル基、ジ-i-プロピルクミルシリル基、ジ-シクロペンチルクミルシリル基、ジ-シクロヘキシルクミルシリル基、ジ-s-ブチルクミルシリル基又はジ-t-ブチル{(トリメチルシリル)メチル}シリル基である、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0028】
[21]
Si基が、ジ-t-ブチルフェネトキシシリル基又はジ-t-ブチルフェニルシリル基である、[1]、[2]、[4]、[6]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0029】
[22]
、R及びRが、-OR(Rは、3級の脂肪族炭化水素基を表す。)である、[1]、[2]、[4]、[6]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0030】
[23]
Si基が、トリ-t-ブトキシシリル基である、[1]、[2]、[4]、[6]乃至[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0031】
[24]
アミノ酸又はペプチドがα-アミノ酸で構成される、[1]乃至[23]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0032】
[25]
N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドのN末端の保護基が、カルバメート系保護基である、[1]乃至[24]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0033】
[26]
N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドのN末端の保護基が、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基又はt-ブトキシカルボニル基である、[1]乃至[24]のいずれか1つに記載の製造方法。
【0034】
[27]
下記式(III):
【化6】

[式中、R、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)を表し、R、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、RSi基中の炭素原子の総数は、8以上であり、波線は、アミノ酸又はペプチドのC末端残基との結合位置である。]
で表される基の、ペプチドのN末端伸長反応におけるアミノ酸又はペプチドのC末端保護基としての使用。
【発明の効果】
【0035】
本発明により、シリル系保護基を用いたペプチドの新規な製造方法を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0037】
本明細書における「n-」はノルマル、「i-」はイソ、「s-」及び「sec-」はセカンダリー、「t-」及び「tert-」はターシャリー、「c-」はシクロ、「p-」はパラ、「Bu」はブチル、「Pr」はプロピル、「Pen」はペンチル、「Hex」はヘキシル、「Bn」はベンジル、「Ph」はフェニル、「Boc」はt-ブトキシカルボニル、「Cbz」はベンジルオキシカルボニル、「Fmoc」は9-フルオレニルメトキシカルボニル、「Ts」はp-トルエンスルホニル、「Trt」はトリチル、「Ac」はアセチル、「Tf」はトリフルオロメタンスルホニル、「TMS」はトリメチルシリル、「TBS」はt-ブチルジメチルシリル、「TIPS」はトリイソプロピルシリル、「BIBS」はジ-t-ブチルイソブチルシリル、「IPBS」はジ-i-プロピル-t-ブチルシリル、「IPCS」はジ-i-プロピルクミルシリル、「CPCS」はジ-シクロペンチルクミルシリル、「CHCS」をはジ-シクロヘキシルクミルシリル、「SBCS」はジ-sec-ブチルクミルシリルを意味する。なお、「t-Bu」及び「tBu」はともに、「ターシャリーブチル」、「s-Bu」及び「sBu」はともに、「セカンダリーブチル」を意味する。
【0038】
本明細書において、「C1837」又は「オクタデシル」という用語は、特に説明がない限り、直鎖のオクタデシル基、すなわちCH(CH17-の構造を有する基を意味する。
【0039】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0040】
「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などが挙げられる。また、「C3-6アルキル基」とは、炭素数が3乃至6個であり、「C4-6アルキル基」とは、炭素数が4乃至6個である、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。
【0041】
「C1-40アルキル基」とは、炭素数が1乃至40個である直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、トリアコンチル基、テトラコンチル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基(以下、2,3-ジヒドロフィチル基ということもある。)などが挙げられる。
【0042】
「C1-6アルコキシ基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味し、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0043】
「C1-40アルコキシ基」とは、炭素数が1乃至40個である直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味し、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基、トリアコンチルオキシ基、テトラコンチルオキシ基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシルオキシ基(以下、2,3-ジヒドロフィチルオキシ基ということもある。)などが挙げられる。
【0044】
「C1-6アルコキシカルボニル基」とは、炭素数が1乃至6個である直鎖又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基を意味し、具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0045】
「C2-6アルケニル基」とは、炭素数が2乃至6個である直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基を意味し、具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基などが挙げられる。
【0046】
「C2-6アルキニル基」とは、炭素数が2乃至6個である直鎖又は分岐鎖状のアルキニル基を意味し、具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基などが挙げられる。
【0047】
「C3-6シクロアルキル基」とは、炭素数が3乃至6個であるシクロアルキル基を意味し、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0048】
「C3-6シクロアルコキシ基」とは、炭素数が3乃至6個であるシクロアルコキシ基を意味し、具体例としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0049】
「C6-14アリール基」とは、炭素数が6乃至14個である芳香族炭化水素基を意味し、その具体例としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、ビフェニル基などが挙げられる。
【0050】
「C6-14アリールオキシ基」とは、炭素数が6乃至14個であるアリールオキシ基を意味し、具体例としては、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、2-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、ビフェニルオキシ基などが挙げられる。
【0051】
「C7-10アラルキル基」とは、炭素数が7乃至10個であるアラルキル基を意味し、具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、1-ナフチルプロピル基などが挙げられる。
【0052】
「トリC1-6アルキルシリル基」とは、同一又は異なる3個の前記「C1-6アルキル基」がシリル基に結合した基を意味し、具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ジ-t-ブチルイソブチルシリル基などが挙げられる。
【0053】
「トリC1-6アルキルシリルオキシ基」とは、同一又は異なる3個の前記「C1-6アルキル基」がシリルオキシ基に結合した基を意味し、具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、ジ-t-ブチルイソブチルシリルオキシ基などが挙げられる。
【0054】
「モノC1-6アルキルアミノ基」とは、1個の前記「C1-6アルキル基」がアミノ基に結合した基を意味し、具体例としては、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、モノ-n-プロピルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、モノ-n-ブチルアミノ基、モノイソブチルアミノ基、モノ-t-ブチルアミノ基、モノ-n-ペンチルアミノ基、モノ-n-ヘキシルアミノ基などが挙げられる。
【0055】
「ジC1-6アルキルアミノ基」とは、同一又は異なる2個の前記「C1-6アルキル基」がアミノ基に結合した基を意味し、具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-t-ブチルアミノ基、ジ-n-ペンチルアミノ基、ジ-n-ヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピル-N-メチルアミノ基、N-n-ブチル-N-メチルアミノ基、N-イソブチル-N-メチルアミノ基、N-t-ブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-n-ペンチルアミノ基、N-n-ヘキシル-N-メチルアミノ基、N-エチル-N-n-プロピルアミノ基、N-エチル-N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチル-N-エチルアミノ基、N-エチル-N-イソブチルアミノ基、N-t-ブチル-N-エチルアミノ基、N-エチル-N-n-ペンチルアミノ基、N-エチル-N-n-ヘキシルアミノ基などが挙げられる。
【0056】
「5-10員複素環基」とは、環を構成する原子の数が5乃至10個であり、かつ環を構成する原子中に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より独立して選ばれる1乃至4個のヘテロ原子を含有する単環系又は縮合環系の複素環基を意味する。この複素環基は飽和、部分不飽和、不飽和のいずれであってもよく、具体例としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピロール基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、アゼパニル基、オキセパニル基、チエパニル基、アゼピニル基、オキセピニル基、チエピニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリニル基、ピラジニル基、モルホリニル基、チアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、クロメニル基、イソクロメニル基などが挙げられる。
【0057】
「脂肪族炭化水素基」とは、直鎖、分岐鎖状又は環状の、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基等が挙げられ、具体例としては、C1-40アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C7-10アラルキル基等が挙げられる。
【0058】
「芳香族炭化水素基」とは、単環又は複数の環から構成される炭化水素基であり、少なくとも一つの環が芳香族性を示す基を意味し、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、インデニル基、フェナセニル基、インダニル基等が挙げられる。
【0059】
「置換基を有していてもよい」とは、無置換であるか、又は任意の数の任意の置換基で置換されていることを意味する。
【0060】
上記の「任意の置換基」は、本発明が対象とする反応に悪影響を与えない置換基であれば特に種類は限定されない。
【0061】
「置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、C6-14アリール基、C6-14アリールオキシ基、5-10員複素環基、ヒドロキシ基、C1-40アルコキシ基、C3-6シクロアルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基、N-アセチルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、N-メチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、好ましくは、C6-14アリール基、C1-40アルコキシ基、ジC1-6アルキルアミノ基、トリC1-6アルキルシリル基、トリC1-6アルキルシリルオキシ基であり、より好ましくは、C6-14アリール基、C1-40アルコキシ基、トリC1-6アルキルシリル基である。
【0062】
「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、C1-40アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C6-14アリール基、C6-14アリールオキシ基、5-10員複素環基、ヒドロキシ基、C1-40アルコキシ基、C3-6シクロアルコキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基、N-アセチルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、N-メチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基等が挙げられ、好ましくは、C1-40アルキル基、C1-40アルコキシ基、ジC1-6アルキルアミノ基であり、より好ましくはC1-40アルキル基、C1-40アルコキシ基である。
【0063】
「R、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成する」の表記は、R、R及びRの内2つが一緒になってC4-6のアルキレン鎖を形成することにより、それらが結合するSi原子と共に5-7員環を形成することを意味し、具体例としては、シロラン、シリナン、シレパン等が挙げられる。
【0064】
本明細書中、「特定の構造を有するシリル系保護基」とは、下記式(III):
【化7】

[式中、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)を表し、R、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、RSi基中の炭素原子の総数は、8以上である。]
で表される、アミノ酸又はペプチドのC末端と結合する保護基を意味する。
【0065】
「RSi基中の炭素原子の総数」とは、R、R及びRがそれぞれ有する炭素原子数の合計であり、R、R及びRの内、少なくとも一つが置換基を有している場合は、その置換基中の炭素原子数も含まれる。
【0066】
式(II)において、好ましくは、R、R及びRが、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、R、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは、R、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、2級若しくは3級のC3-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基であり、より更に好ましくは、R、R及びRの内、2つ又は3つが、互いに独立して、t-ブチル基、s-ブチル基、i-プロピル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。
【0067】
式(II)において、R、R及びRの別の態様としては、好ましくは、R、R及びRが、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、R、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級の脂肪族炭化水素基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級若しくは3級の脂肪族炭化水素基であって、かつ前記2つとは異なる基であり、更に好ましくは、R、R及びRの内、2つが、互いに独立して、2級若しくは3級のC3-6アルキル基、又はC3-6シクロアルキル基であり、残りの1つが、置換基を有していてもよい2級のC3-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基であって、かつ前記2つとは異なる基であり、より更に好ましくは、R、R及びRの内、1つが、t-ブチル基又はクミル基であり、残りの2つが、互いに独立して、t-ブチル基、i-プロピル基、s-ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。
【0068】
式(II)において、R、R及びRの別の態様としては、好ましくは、R、R及びRが、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、R、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは、R、R及びRの内、2つが、互いに独立して、3級のC4-6アルキル基であり、より更に好ましくは、R、R及びRの内、2つが、t-ブチル基であり、残りの1つが、i-ブチル基、ベンジル基、オクタデシル基又は(トリメチルシリル)メチル基である。
【0069】
N末端保護基の脱保護工程が塩基性又は中性条件の場合、式(II)において、R、R及びRの別の態様としては、互いに独立して、-ORである。Rは、好ましくは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは、C1-6アルキル基であり、より更に好ましくは、3級のC4-6アルキル基であり、特に好ましくは、t-ブチル基である。
【0070】
3級の脂肪族炭化水素基は、好ましくはt-ブチル基、α,α-ジメチルベンジル基(クミル基)、テキシル基又は1-アダマンチル基であり、より好ましくはt-ブチル基又はα,α-ジメチルベンジル基であり、特に好ましくはt-ブチル基である。
【0071】
2級の脂肪族炭化水素基は、好ましくはイソプロピル基、2-ブチル基、3-ペンチル基、シクロペンチル基又はシクロへキシル基であり、より好ましくイソプロピル基、シクロペンチル基又はシクロへキシル基である。
【0072】
式(III)において、RSi基中の炭素原子の総数は、好ましくは10乃至100であり、より好ましくは10乃至40であり、更に好ましくは10乃至26である。
【0073】
本発明で用いる特定の構造を有するシリル系保護基(本発明の保護基)の特徴としては、例えば以下が挙げられる。
(a)N末端Boc基が脱保護される酸性条件(15質量%塩化水素/1,4-ジオキサンなどの試薬の存在下)で、本発明の保護基は安定である(後述の合成例4など参照)。
(b)N末端Cbz基が脱保護される還元条件(10質量%Pd-C、水素ガスなどの試薬の存在下)で、本発明の保護基は安定である(後述の合成例2など参照)。
(c)N末端Fmoc基が脱保護される塩基性条件(ジエチルアミンなどの試薬の存在下)で、本発明の保護基は安定である(後述の合成例3など参照)。
(d)C末端TMS基又はTBS基が脱保護されるシリカゲルカラムクロマトグラフィーの条件下で、本発明の保護基は安定である。
【0074】
「N-保護アミノ酸」及び「N-保護ペプチド」とは、N末端のアミノ基が保護されており、C末端のカルボキシ基が無保護のアミノ酸又はペプチドを意味する。
【0075】
「C-保護アミノ酸」及び「C-保護ペプチド」とは、C末端のカルボキシ基が保護されており、N末端のアミノ基が無保護のアミノ酸又はペプチドを意味する。
【0076】
本発明で使用されるアミノ酸は、アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物であり、好ましくはα-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸又はδ-アミノ酸であり、より好ましくはα-アミノ酸又はβ-アミノ酸であり、更に好ましくはα-アミノ酸である。またこれらのアミノ酸に2以上のアミノ基が存在する場合(例えば、アルギニン、リシン等)、2以上のカルボキシ基が存在する場合(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、又は反応性官能基が存在する場合(例えば、システイン、セリン等)、本発明で使用されるアミノ酸は、ペプチドの形成に関与しないアミノ基、カルボキシ基及び/又は反応性官能基が、保護及び/又は修飾されたアミノ酸も含む。
【0077】
本発明で使用されるアミノ酸のアミノ基は置換されていてもよい。当該アミノ基の置換基は、好ましくは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはC1-6アルキル基又はC7-10アラルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。
【0078】
本発明で使用されるペプチドを構成するアミノ酸は、上述のアミノ酸である。
【0079】
α-アミノ酸の立体構造は特に限定されないが、好ましくはL体である。
【0080】
「一時保護基」とは、ペプチド鎖を伸長する末端側の保護基であり、ペプチド伸長反応(アミド化反応)を行う前に脱保護される保護基を意味し、N末端側からのペプチド鎖の伸長においては、N末端保護基が挙げられる。N末端保護基の具体例としては、カルバメート系保護基(9-フルオレニルメトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、2-(p-ビフェニル)イソプロピルオキシカルボニル基等)、アミド系保護基(アセチル基、トリフルオロアセチル基等)、イミド系保護基(フタロイル基等)、スルホンアミド系保護基(p-トルエンスルホニル基、2-ニトロベンゼンスルホニル基等)、ベンジル基等が挙げられる。
【0081】
本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及したすべての刊行物及び特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物及び方法論を記載及び開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
【0082】
(本発明のペプチドの製造法の具体的な説明)
以下に本発明のペプチドの製造法の各工程(i)乃至(viii)について説明する。
一つの態様として、本発明のペプチドの製造は、以下の工程(i)乃至(viii)として記載されるそれぞれの単位工程により構成される。
一つの態様として、本発明のペプチドの製造は、以下の工程(i)乃至(viii)として記載される単位工程を、すべてまたは適宜組み合わせることで行うことができる。
なお、本具体的な説明は以下に基づき説明される。
(a)工程(i)乃至(viii)の記載におけるR、RおよびRは、上記と同義である。
(b)反応の具体的な条件は、本発明のペプチドの製造が達成される限りにおいて特に制限されない。各反応における好ましい条件は適宜詳述される。
(c)各反応で記載される溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0083】
工程(i):C末端の保護工程
本工程は、特定の構造を有するシリル系保護基を、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドのC末端に導入する工程である。
【0084】
特定の構造を有するシリル系保護基の導入には、シリル系保護化剤を用いることができる。シリル系保護化剤は、下記式(IV)で表される。
【0085】
式(IV):
【化8】

[式中、
Xは、水素原子又はハロゲン原子、シアノ基若しくはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、
、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、-OR(Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)を表し、R、R及びRの内2つが、それらと結合するSi原子と一緒になって5-7員環を形成していてもよく、RSi基中の炭素原子の総数は、8以上である。]で表されるシリル系保護化剤。
【0086】
式(IV)における、R、R及びRは、上記と同義である。
【0087】
本明細書中、「N-保護アミノ酸」及び「N-保護ペプチド」を、「P-AA-OH」と表示する(PはN末端保護基、又は一時保護基ともいう。OHは、C末端カルボキシ基中のヒドロキシを表す。AAはアミノ酸又はペプチド由来の基を表す。)。
【0088】
シリル系保護化剤と、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドとの結合反応は、塩基又は金属触媒の存在下で実施することができる。
【0089】
【化9】

(式中、各記号は上記と同義である。)
【0090】
本工程で使用する塩基は、特に制限は無いが、その例としては、脂肪族アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ピリジン、イミダゾール、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン)、アルカリ金属塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム)等が挙げられる。好ましくは、脂肪族アミン又は芳香族アミンであり、より好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、又はイミダゾールである。
【0091】
本工程で使用する金属触媒は、特に制限は無いが、その例としては、ニッケル触媒(例えば、塩化ニッケル(II))、亜鉛触媒(例えば、塩化亜鉛(II))、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))、ルテニウム触媒(例えば、ドデカカルボニル三ルテニウム)、銅触媒(例えば、水素化トリフェニルホスフィン銅ヘキサマー、酸化銅(I))、マンガン触媒(例えば、デカカルボニル二マンガン(0))等が挙げられる。好ましくは、パラジウム触媒、ニッケル触媒、亜鉛触媒、銅触媒であり、より好ましくは酢酸パラジウム(II)、塩化ニッケル(II)、塩化亜鉛(II)、水素化トリフェニルホスフィン銅ヘキサマーである。
【0092】
本工程で使用する塩基又は金属触媒の使用量は、シリル系保護化剤に対して、好ましくは0.01当量乃至50当量、より好ましくは0.1当量乃至20当量、さらに好ましくは0.2当量乃至5当量である。
【0093】
本工程で使用する溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。好ましくは含ハロゲン炭化水素溶媒、又はエーテル溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はシクロペンチルメチルエーテルである。
【0094】
本工程で使用する溶媒の使用量は、シリル系保護化剤に対して、好ましくは100質量倍以下であり、より好ましくは1質量倍乃至50質量倍であり、さらに好ましくは5質量倍乃至20質量倍である。
【0095】
反応温度は、特に制限は無いが、-20℃から反応混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは-20℃乃至50℃であり、さらに好ましくは-10℃乃至30℃である。
【0096】
工程(ii):N末端の脱保護工程
本工程は、上記工程(i)で得られたアミノ酸又はペプチドのN末端保護基を除去する工程である。
【0097】
N末端保護基としては、ペプチド化学等の技術分野で一般的に用いられる、アミノ基の一時保護基が使用可能であるが、好ましくは、特定の構造を有するシリル系保護基の脱離とは異なる条件により脱離する保護基であり、より好ましくはカルバメート系保護基(9-フルオレニルメトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等)であり、さらに好ましくは9-フルオレニルメトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基である。
【0098】
脱保護条件は、N末端保護基の種類により適宜選択されるが、特定の構造を有するシリル系保護基の脱離とは異なる条件により脱保護するのが好ましい。例えば、9-フルオレニルメトキシカルボニル基の場合は、塩基で処理することにより行なわれ、t-ブトキシカルボニル基の場合は、酸で処理することにより行われ、ベンジルオキシカルボニル基の場合は、中性で、例えば金属触媒の存在下、水素添加することにより行われる。
【0099】
Si基中の炭素原子の総数が8又は9の場合、脱保護条件のpHは中性(6~8)が好ましい。また、RSi基中の炭素原子の総数が10以上の場合、脱保護条件のpHは、特に制限されない。
【0100】
本工程で使用する塩基としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン等が挙げられる。
【0101】
本工程で使用する酸としては、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
【0102】
本工程で使用する金属触媒としては、パラジウム触媒(例えば、5質量%パラジウムカーボン粉末STDタイプ、10質量%パラジウムカーボン粉末PEタイプ、5質量%パラジウムカーボン粉末NXタイプ、5質量%パラジウムカーボン粉末Kタイプ、5質量%パラジウムカーボン粉末PEタイプ、ASCA-2)、白金触媒(例えば、3質量%白金カーボン粉末STDタイプ、3質量%白金カーボン粉末SN101タイプ)、ルテニウム触媒(例えば、5質量%ルテニウムカーボン粉末Aタイプ、5質量%ルテニウムカーボン粉末Bタイプ)、アルミナ粉末が挙げられる。
【0103】
本工程で使用する溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール)、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。好ましくはアルコール溶媒、含ハロゲン炭化水素溶媒、又はエーテル溶媒であり、より好ましくはイソプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はメチル-t-ブチルエーテルである。
【0104】
工程(iii):ペプチド鎖伸長工程
本工程は、工程(ii)で得られたC-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程である。
【0105】
本工程は、縮合剤を使用し、ペプチド化学等の技術分野で一般的に用いられる縮合条件下で行われる。
【0106】
本工程で使用する縮合剤は、特に制限は無いが、その例としては、カルボジイミド系縮合剤(例えば、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド 塩酸塩(EDCI))、クロロホルメート系縮合剤(例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル)、イミダゾール系縮合剤(例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI))、ホスホニウム系縮合剤(例えば、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(商標登録))、ブロモトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBrop(商標登録)))、ウロニウム系縮合剤(例えば、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-5-クロロ-1H-ベンゾトリアゾリウム3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロボレート(HBTU)、(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU))が挙げられる。
【0107】
縮合剤の使用量は、C-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドに対して、好ましくは0.1当量乃至20当量であり、より好ましくは1当量乃至10当量であり、さらに好ましくは1当量乃至5当量である。
【0108】
本工程において、添加剤及び塩基は、反応を妨げない限り適宜使用することができる。
【0109】
本工程で使用する添加剤は、特に制限は無いが、その例としては、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸エチルエステル(HOCt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチル(OxymaPure)等が挙げられる。
【0110】
添加剤の使用量は、C-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドに対して、好ましくは0.01当量乃至20当量であり、より好ましくは0.2当量乃至10当量であり、さらに好ましくは1当量乃至5当量である。
【0111】
本工程で使用する塩基は、特に制限は無いが、その例としては、脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ピリジン)等が挙げられる。好ましくは、脂肪族アミンであり、より好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。
【0112】
塩基の使用量は、C-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドに対して、好ましくは1当量乃至50当量であり、より好ましくは1当量乃至10当量であり、さらに好ましくは1当量乃至5当量である。
【0113】
本工程で使用する溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド等)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)等が挙げられる。好ましくは含ハロゲン炭化水素溶媒、又はエーテル溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はシクロペンチルメチルエーテルである。
【0114】
溶媒の使用量は、C-保護アミノ酸又はC-保護ペプチドに対して、好ましくは100質量倍以下であり、より好ましくは1質量倍乃至50質量倍であり、さらに好ましくは5質量倍乃至20質量倍である。
【0115】
反応温度は、特に制限は無いが、-40℃から反応混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは-20℃乃至50℃であり、さらに好ましくは-10℃乃至30℃である。
【0116】
反応時間は、特に制限は無いが、反応開始乃至72時間が好ましく、より好ましくは0.1時間乃至48時間であり、さらに好ましくは1乃至24時間である。
【0117】
反応の進行の確認は、一般的な液相有機合成反応と同様の方法を適用できる。即ち、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)等を用いて反応を追跡することができる。
【0118】
工程(iv):精製工程
本工程は、上記工程(iii)で得られたペプチドを、沈殿又は分液操作により精製する工程である。
【0119】
沈殿操作では、ペプチドを溶解させる良溶媒、及び/又は不溶化させる貧溶媒を使用することができる。
【0120】
本工程で使用する良溶媒は、得られたペプチドに応じて適宜選択されるが、その例としては、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。好ましくは含ハロゲン炭化水素溶媒、エーテル溶媒又はエステル溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル又は酢酸イソプロピルである。
【0121】
本工程で使用する貧溶媒は、得られたペプチドに応じて適宜選択されるが、その例としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、アミド溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、ニトリル溶媒(例えば、アセトニトリル)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。好ましくはアルコール溶媒、ニトリル溶媒又はエステル溶媒であり、より好ましくはメタノール、アセトニトリル又は酢酸エチルである。
【0122】
分液操作では、ペプチドを溶解させた良溶媒を、目的とするペプチドや含まれ得る不純物に応じて、水、あるいは酸性及び/又は塩基性水溶液で洗浄することにより、不純物を除去することができる。
【0123】
本工程で使用する酸性水溶液は、特に制限は無いが、その例としては、塩酸、硫酸、酢酸水溶液、リン酸水溶液、クエン酸水溶液、塩化アンモニウム水溶液等が挙げられる。好ましくは、塩酸、リン酸水溶液、クエン酸水溶液又は塩化アンモニウム水溶液である。
【0124】
本工程で使用する塩基性水溶液は、特に制限は無いが、その例としては、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水等が挙げられる。好ましくは、炭酸水素ナトリウム水溶液、アンモニア水である。
【0125】
また、本発明のペプチドの製造方法において、工程(iv)で得られたペプチドに対して、下記工程(v)乃至(vii)を所望の回数繰返すことにより、ペプチド鎖をさらに伸長することができる。
(v)精製工程で得られたペプチドのN末端の一時保護基を除去する工程、
(vi)上記工程(v)で得られた、C-保護ペプチドのN末端に、N-保護アミノ酸又はN-保護ペプチドを縮合させる工程、及び
(vii)上記工程(vi)で得られたペプチドを沈殿又は分液する工程。
いずれも、上記工程(ii)乃至(iv)と同様の操作で実施することができる。
【0126】
本工程は、上記工程(ii)や(v)の、N末端の脱保護工程で得られたアミノ酸又はペプチドに対して実施しても良い。
【0127】
本発明のペプチドの製造方法においては、次工程の反応に影響を及ぼさない範囲で工程(iv)又は工程(vii)の精製工程を適宜省略することも可能である。
【0128】
工程(viii):C末端の脱保護工程
本工程は、上記工程(iv)又は(vii)の精製工程により単離されたペプチドから、特定の構造を有するシリル系保護基を除去し、N-保護ペプチドを得る工程である。
【0129】
本工程で使用する脱保護試薬は、特に限定されないが、その例としては、フッ素化剤(例えば、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化水素、フッ化水素-ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド)が挙げられる。
【0130】
脱保護試薬の使用量は、使用するペプチドに対して、好ましくは1当量乃至50当量であり、より好ましくは1当量乃至10当量であり、さらに好ましくは1当量乃至5当量である。
【0131】
本工程で使用する溶媒は、反応を妨げない限り特に限定されないが、その例としては、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール)、含ハロゲン炭化水素溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、アミド系溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、水等が挙げられる。好ましくはアルコール溶媒、含ハロゲン炭化水素溶媒、エーテル溶媒又はアミド系溶媒、水であり、より好ましくはアルコール溶媒、含ハロゲン炭化水素溶媒、エーテル溶媒であり、さらに好ましくはメタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフランである。
【0132】
溶媒の使用量は、使用するペプチドに対して、好ましくは100質量倍以下であり、より好ましくは1質量倍乃至50質量倍であり、さらに好ましくは5質量倍乃至20質量倍である。
【0133】
反応温度は、特に制限は無いが、-20℃から反応混合物の還流温度までが好ましく、より好ましくは-20℃乃至50℃であり、さらに好ましくは-10℃乃至30℃である。
【0134】
各反応において、反応基質がヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基又はカルボニル基を有する場合(特にアミノ酸又はペプチドの側鎖に官能基を有する場合)、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0135】
保護及び脱保護は、一般的に知られている保護基を用いて、保護・脱保護反応(例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第4版(Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(2006年)など参照)を行うことにより実施することができる。
【0136】
本工程で得られたペプチドに対し、上記精製工程(iv)を実施しても良い。
【実施例
【0137】
以下に参考合成例、合成例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0138】
本明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、各表示は、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
【0139】
実施例のプロトン核磁気共鳴(H-NMR)は、特に記述が無い場合は、日本電子(JEOL)社製JNM-ECP300、又は日本電子(JEOL)社製JNM-ECX300、又は、ブルカー(Bruker)社製AscendTM500を用いて重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシド溶媒中で測定し、化学シフトは、テトラメチルシランを内部標準(0.0ppm)としたときのδ値(ppm)で示した。
【0140】
NMRスペクトルの記載において、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「dd」はダブレット オブ ダブレット、「dt」はダブレット オブ トリプレット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「J」はカップリング定数、「Hz」はヘルツ、「CDCl」は重クロロホルム、「DMSO-d6」は重ジメチルスルホキシドを意味する。
【0141】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析は、特に記載が無い場合は、Waters社製ACQUITY UPLC H-Class/QDa、Waters社製ACQUITY UPLC H-Class/SQD2、又は、Shimadzu社製LC-20AD/Triple Tof5600のいずれかを用いて測定した。
【0142】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析の記載において、ESI+はエレクトロスプレーイオン化法のポジティブモードであり、M+Hはプロトン付加体、M+Naはナトリウム付加体を意味する。
【0143】
高速液体クロマトグラフィー/質量分析の記載において、ESI-はエレクトロスプレーイオン化法のネガティブモードであり、M-Hはプロトン欠損体を意味する。
【0144】
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、山善製Hi-Flashカラム、バイオタージ製SNAP Ultra Silica Cartridge、メルク製シリカゲル60又は富士シリシア化学製PSQ60Bのいずれかを用いた。
【0145】
合成例1:H-MePhe-OBIBSの合成
【化10】

(i)Cbz-MePhe-OH(2.50g、7.98mmol)、ジ-t-ブチルイソブチルシラントリフラート(3.08g、8.83mmol)を塩化メチレン(30.0 g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.24g、9.58mmol)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.3g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-MePhe-OBIBS(3.45g、収率85%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;512.38(M+H)+
(ii)Cbz-MePhe-OBIBS(0.60g、1.17mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(6.0g)と混合させ、10質量%Pd-C(60.2mg、0.057mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。濃縮物を塩化メチレン(30.3g)に溶解させ、水(20.0g)を加えて分液した。有機層を濃縮し、H-MePhe-OBIBS(0.42g、収率97%)を得た。
MASS(ESI+)m/z;378.35(M+H)+
【0146】
合成例2:Fmoc-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBSの合成
【化11】

(i)H-MePhe-OBIBS(0.41g、1.08mmol)を塩化メチレン(8.9g)に溶解させ、氷冷下でCbz-MePhe-OH(0.56g、1.77mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.34g、1.76mmol)を加えて3時間攪拌した。室温に戻して2時間攪拌した後、クロロホルム(30.9g)、水(20.2g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.0g)、5質量%クエン酸水溶液(20.1g)、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-MePhe-MePhe-OBIBS(0.65g、収率89%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;673.51(M+H)+
(ii)Cbz-MePhe-MePhe-OBIBS(0.41g,0.61mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(4.0g)に溶解させ、10質量%Pd-C(41.2mg、0.039mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で22時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。濃縮物をクロロホルム(30.0g)に溶解させ、水(20.0g)を加えて分液した。有機層を濃縮し、H-MePhe-MePhe-OBIBS(0.32g、収率99%)を得た。
MASS(ESI+)m/z;539.46(M+H)+
(iii)H-MePhe-MePhe-OBIBS(0.30g、0.56mmol)、Fmoc-MePhe-OH(0.34g、0.84mmol)を塩化メチレン(6.1g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.16g、0.84mmol)を加えて6時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(30.0g)で希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.2g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.1g)の順で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過して得られた溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.49g、収率95%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;922.51(M+H)+
【0147】
合成例3:Boc-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBSの合成
【化12】

(i)Fmoc-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.30g、0.32mmol)を塩化メチレン(6.0g)と混合させ、0℃に冷却して、ジエチルアミン(0.60g、8.2mmol)を加えた後、1時間攪拌した。室温に戻して22時間攪拌した後、クロロホルム(30.1g)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.2g)で2回洗浄して、有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.21g、収率93%)を黄色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;700.44(M+H)+
(ii)H-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.20g、0.28mmol)、Boc-MePhe-OH(0.12g、0.43mmol)を塩化メチレン(4.0g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.083g、0.43mmol)を加えて3時間攪拌した。室温に戻して3時間攪拌した後、得られた反応液を、クロロホルム(30.0g)で希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.2g)、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.25g、収率90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;961.58(M+H)+
【0148】
合成例4:Cbz-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBSの合成
【化13】

(i)Boc-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.18g、0.19mmol)を塩化メチレン(4.0g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(2.0g、8.2mmol)を加えた後、3時間攪拌した。室温に戻して4時間攪拌した後、得られた反応液を、クロロホルム(60.0g)で希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40.3g)を加え分液し、有機層を水(40.1g)で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.16g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;861.53(M+H)+
(ii)H-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.16g、0.18mmol)、Cbz-MePhe-OH(0.038g、0.29mmol)を塩化メチレン(3.2g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.054g、0.28mmol)を加えて7時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(40.2g)で希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30.0g)、飽和塩化アンモニウム水溶液(30.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.19g、収率93%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1156.65(M+H)+
【0149】
合成例5:Cbz-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OHの合成
【化14】

Cbz-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OBIBS(0.15g、0.13mmol)を塩化メチレン(3.0g)と混合させ、0℃に冷却して、1Mフッ化テトラブチルアンモニウム-テトラヒドロフラン溶液(0.14mL、0.14mmol)を加え、2時間攪拌した。得られた反応液に、1M塩酸(20g)、クロロホルム(40.0g)を加え分液し、有機層を1質量%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-MePhe-OH(0.12g、収率95%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;958.47(M+H)+
【0150】
合成例6:H-MePhe-OBIBSの合成
【化15】

(i)Boc-MePhe-OH(0.88g、3.17mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.46g、3.59mmol)を塩化メチレン(13.3g)と混合させ、0℃に冷却して、ジ-t-ブチルイソブチルシラントリフラート(1.00g、2.87mmol)を滴下した後、3時間攪拌した。得られた反応液を、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(10.0g)、飽和塩化アンモニウム水溶液(10.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-OBIBS(1.32g、収率95.9%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;478.46(M+H)+
(ii)Boc-MePhe-OBIBS(0.10g、0.21mmol)を塩化メチレン(2.7g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(0.82g、3.2mmol)を加えた後、5℃で25時間攪拌した。得られた反応液に水(6.0g)を加え分液し、有機層を8質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.0g)で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-MePhe-OBIBS(0.078g、収率99%)を白色固体として得た。
【0151】
合成例7:Boc-Ala-MePhe-MePhe-OBIBSの合成
【化16】

(i)Boc-MePhe-OH(0.50g、1.79mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.35g、1.83mmol)を塩化メチレン(8.9g)と混合させ、0℃に冷却して、H-MePhe-OBIBS(0.42g、1.12mmol)の塩化メチレン溶液(3.1g)を加えた後、0℃で3.5時間攪拌し、Boc-MePhe-OH(0.17g、0.60mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.12g、0.61mmol)を加えて18時間攪拌した。得られた反応液に2M塩酸(2.3mL、4.6mmol)を加えて分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-MePhe-MePhe-OBIBS(0.73g、収率102%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;639.56(M+H)+
(ii)Boc-MePhe-MePhe-OBIBS(0.32g、0.50mmol)を塩化メチレンと混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(3.3g、12.8mmol)を加えた後、5℃で20時間攪拌した。得られた反応液に水(6.0g)を加え分液し、有機層を8質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0g)、水(10.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-MePhe-MePhe-OBIBS(0.25g、収率92%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;539.45(M+H)+
(iii)Boc-Ala-OH(0.16g、0.87mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.17g、0.88mmol)を塩化メチレン(3.7g)と混合させ、0℃に冷却して、H-MePhe-MePhe-OBIBS(0.21g、0.40mmol)の塩化メチレン溶液(3.2g)を加えた後、0℃で3時間攪拌した。得られた反応液に1M塩酸(2.3mL、2.3mmol)を加えて分液し、有機層を8質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.3g)で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-MePhe-MePhe-OBIBS(0.24g、収率85%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;710.57(M+H)+
【0152】
合成例8:Boc-Ala-MePhe-MePhe-OHの合成
【化17】

Boc-Ala-MePhe-MePhe-OBIBS(0.093g、0.13mmol)をメタノール(0.40g)、テトラヒドロフラン(1.3g)と混合させ、0℃に冷却して、フッ化カリウム(0.015g、0.26mmol)を加えた後、18時間攪拌した。得られた反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液(1.0g)、水(4.0g)、塩化メチレン(5.4g)を加え分液し、水層に塩化メチレン(5.4g)を加え抽出した。有機層を合わせ、0.25M塩酸(8.0mL)で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-MePhe-MePhe-OH(0.064g、収率96%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;534.31(M+Na)+
【0153】
合成例9:H-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化18】

(i)Boc-Arg(Ts)-OH(0.80g、1.87mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.29g、2.24mmol)を塩化メチレン(16.0g)と混合させ、0℃に冷却して、ジ-t-ブチルイソブチルシラントリフラート(0.72g、2.06mmol)を滴下した後、室温で2時間攪拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12g、0.94mmol)、ジ-t-ブチルイソブチルシラントリフラート(0.33g、0.94mmol)をそれぞれ加えて1時間攪拌した。得られた反応液に水(10.0g)、10質量%クエン酸水溶液(6.0g)、水(6.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Ts)-OBIBS(0.98g、収率83%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.86(2H,d,J=6.7Hz),0.95(6H,d,J=6.4Hz),1.04(9H,s),1.04(9H,s),1.41(9H,s),1.55-1.72(3H,m),1.80-2.09(2H,m),2.39(3H,s),3.05-3.50(2H,br),4.15-4.30(1H,m),5.32(1H,d,J=8.3Hz),6.15-6.95(2H,br),7.21(2H,d,J=8.0Hz),7.74(2H,d,J=8.0Hz)
MASS(ESI+)m/z;627.5(M+H)+
(ii)Boc-Arg(Ts)-OBIBS(0.63g、1.00mmol)を塩化メチレン(12.6g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(1.22g、5.00mmol)を加えた後、0℃で12.5時間攪拌し、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(1.22g、5.00mmol)を加えて4時間攪拌した。得られた反応液に5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(10.1g)を加え分液し、有機層をさらに水(8.0g)で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Arg(Ts)-OBIBS(0.50g、収率95%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.87(2H,d,J=6.9Hz),0.94(3H,d,J=6.6Hz),0.95(3H,d,J=6.6Hz),1.04(9H,s),1.04(9H,s),1.41(9H,s),1.55-2.09(5H,m),2.38(3H,s),3.12-3.25(2H,br),3.43(1H,dd,J=8.71,4.51Hz),6.28-6.75(2H,br),7.22(2H,d,J=8.1Hz),7.76(2H,d,J=8.1Hz)
MASS(ESI+)m/z;527.4(M+H)+
【0154】
合成例10:Boc-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化19】

(i)H-Arg(Ts)-OBIBS(0.49g、0.93mmol)、Boc-Ala-OH(0.35g、1.86mmol)を塩化メチレン(19.6g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.36 g、1.86mmol)を加えた後、0℃で1.5時間攪拌した。得られた反応液に水(10.0g)を加えて分液し、微量のN,N-ジメチル-4-アミノピリジン、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0g)を加えて分液した。得られた有機層をさらに水(10.0g)で洗浄し、有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.64g、収率99%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.86(2H,d,J=6.6Hz),0.94(3H,d,J=6.6Hz),0.94(3H,d,J=6.6Hz),1.04(9H,s),1.04(9H,s),1.34(3H,d,J=7.2Hz),1.41(9H,s),1.55-1.72(3H,m),1.90-2.09(2H,m),2.39(3H,s),3.05-3.50(2H,br),4.05-4.20(1H,m),4.45-4.55(1H,m),5.12(1H, br),6.20-6.55(3H,br),6.91(1H,d,J=8.4Hz),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7.75(2H,d,J=8.4Hz)
MASS(ESI+)m/z;698.6(M+H)+
(ii)Boc-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.63g、0.90mmol)を塩化メチレン(12.6g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(1.10g、4.50mmol)を加えた後、5℃で16.5時間攪拌し、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(9.1g)を加え分液し、有機層をさらに10質量%食塩水で2回洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過して得られた溶液を濃縮し、H-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.50g、収率93%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.88(2H,d,J=6.9Hz),0.94(3H,d,J=6.6Hz),0.95(3H,d,J=6.6Hz),1.04(9H,s),1.05(9H,s),1.34(3H,d,J=7.2Hz),1.50-1.80(3H,m),1.90-2.09(2H,m),2.38(3H,s),3.00-3.60(2H,br),3.54(1H,dd,J=6.6,13.8Hz),4.46-4.52(1H,m),5.12(1H, br),6.35-6.90(3H,br),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7.75(2H,d,J=8.4Hz),8.11(1H,br)
MASS(ESI+)m/z;598.4(M+H)+
(iii)H-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.47g、0.79mmol)、Boc-Arg(Ts)-OH(0.51g、1.19mmol)を塩化メチレン(18.8g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.23g、1.19mmol)を加えた後、0℃で2時間攪拌した。得られた反応液に水(10.0g)を加えて分液し、微量のN,N-ジメチル-4-アミノピリジン、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、10質量%食塩水、5質量%クエン酸水溶液を加えて分液した。得られた有機層をさらに水及び食塩水で洗浄し、有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.72g、収率91%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.85(2H,d,J=6.6Hz),0.93(6H,d,J=6.6Hz),1.02(18H,s),1.42(12H,s),1.55-1.75(7H,m),1.85-2.09(2H,m),2.39(6H,s),2.80-3.90(4H,br),4.20-4.55(3H,br),5.85-7.00(6H,br),7.21(2H,d,J=8.1Hz),7.45-7.80(5H,br)
MASS(ESI+)m/z;1008.6(M+H)+
【0155】
合成例11:Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化20】

(i)Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.69g、0.68mmol)を塩化メチレン(13.7g)と混合させ、5℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(0.83g、3.4mmol)を加えた後、5℃で19時間攪拌し、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液し、有機層をさらに10質量%食塩水、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、アンモニア水を加え分液し、さらに10質量%食塩水にて有機層を洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過して得られた溶液を濃縮し、H-Arg(Ts)-Ala‐Arg(Ts)-OBIBS(0.58g、収率94%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.84(2H,d,J=6.6Hz),0.92(6H,d,J=6.6Hz),1.02(18H,s),1.39(12H,s),1.45-1.68(16H,m),2.36(9H,s),3.0-3.60(7H,br),4.00-4.90(3H,br),6.00-7.10(9H,br),7.18(7H,d,J=7.8Hz),7.68(8H,m)
MASS(ESI+)m/z;908.6(M+H)+
(ii)H-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.57g、0.63mmol)、Boc-Arg(Ts)-OH(0.40g、0.95mmol)を塩化メチレン(22.8g)と混合させ、1℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.18 g、0.95mmol)を加えた後、0℃で1.5時間攪拌した。得られた反応液に水を加えて分液し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.64g、収率78%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.85(2H,d,J=6.6Hz),0.93(6H,d,J=6.6Hz),1.02(18H,s),1.42(12H,s),1.55-1.75(7H,m),1.85-2.09(2H,m),2.39(6H,s),2.80-3.90(4H,br),4.20-4.55(3H,br),5.85-7.00(6H,br),7.21(2H,d,J=8.1Hz),7.45-7.80(5H,br)
MASS(ESI+)m/z;1318.6(M+H)+
【0156】
合成例12:Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化21】

(i)Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.63g、0.48mmol)を塩化メチレン(12.6g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(0.58g、2.4mmol)を加えた後、5℃で19.5時間攪拌し、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(0.31g、1.3mmol)を加えた後、さらに3時間攪拌した。5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液し得られた溶液を濃縮し、H-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala‐Arg(Ts)-OBIBS(0.60g、収率104%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.84(2H,d,J=6.6Hz),0.91(6H,d,J=6.6Hz),1.01(18H,s),1.31(3H,d,J=6.6Hz),1.75-2.10(17H,m),2.36(9H,s),3.00-3.60(7H,br),4.00-4.85(3H,br),6.00-7.10(9H,br),7.19(7H,d,J=7.2Hz),7.4-8.4(8H,br)
MASS(ESI+)m/z;1218.6(M+H)+
(ii)H-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.58g、0.48mmol)、Boc-Arg(Ts)-OH(0.31g、0.72mmol)を塩化メチレン(23.3g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.14 g、0.72mmol)を加えた後、0℃で1時間攪拌した。得られた反応液に水を加えて分液し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.67g、収率86%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.84(2H,d,J=6.0Hz),0.91(6H,d,J=5.8Hz),1.00(18H,s),1.38(12H,br),1.45-2.09(16H,br),2.36(12H,s),2.80-3.40(8H,br),3.90-4.85(4H,br),5.65-7.10(12H,br),7.19(8H,d,J=7.2Hz),7.4-8.1(11H,br)
MASS(ESI+)m/z;1628.7(M+H)+
【0157】
合成例13:Boc-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化22】

(i)Boc-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.66g,0.41mmol)を塩化メチレン(13.2g)と混合させ、5℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(0.79g、3.3mmol)を加えた後、5℃で17.5時間攪拌した。5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液し得られた溶液を濃縮し、H-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala‐Arg(Ts)-OBIBS(0.59g、収率95%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.84(2H,d,J=6.6Hz),0.90(6H,d,J=6.6Hz),0.99(18H,s),1.29(3H,br),1.7-2.1(18H,m),2.33(9H,s),2.7-3.6(9H,br),3.9-4.9(4H,br),5.9-6.9(11H,br),6.9-7.2(10H,br),7.4-8.5(12H,br)
MASS(ESI+)m/z;1528.7(M+1)+
(ii)H-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.57g、0.37mmol)、Boc-Ala-OH(0.11g、0.56mmol)を塩化メチレン(22.8g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.11g、0.56mmol)を加えた後、0℃で1時間攪拌した。得られた反応液に水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.645g、収率102%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.83(2H,d,J=6.3Hz),0.91(6H,d,J=6.0Hz),1.00(18H,s),1.3-1.5(15H,br),1.6-2.1(17H,br),2.36(12H,s),2.7-3.90(8H,br),4.2-4.8(6H,br),5.8-7.1(11H,br),7.18(9H,d,J=6.9Hz),7.4-8.1(12H,br)
MASS(ESI+)m/z;1699.7(M+H)+
【0158】
合成例14:Fmoc-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化23】

(i)Boc-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.63g、0.37mmol)を塩化メチレン(12.6g)と混合させ、6℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(0.72g、3.0mmol)を加えた後、6℃で15時間攪拌した。5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄して得られた溶液を濃縮し、H-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.58g、収率98%)を白色固体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.83(2H,d,J=6.6Hz),0.90(6H,d,J=6.3Hz),0.99(18H,s),1.27(6H,br),1.7-2.1(20H,m),2.34(12H,s),2.7-3.6(10H,br),3.9-4.9(4H,br),5.9-6.9(12H,br),6.9-7.2(10H,br),7.4-8.5(13H,br)
MASS(ESI+)m/z;1599.7(M+H)+
(ii)H-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.57g、0.36mmol)、Fmoc-Cys(Trt)-OH(0.31g、0.54mmol)を塩化メチレン(22.8g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.10g,0.54mmol)を加えた後、0℃で2時間攪拌した。得られた反応液に水を加えて分液して濃縮し、酢酸エチルへ溶媒置換を2回実施して析出した固体を濾過し、乾燥させてFmoc-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.71g、収率92%)を白色固体として得た。
H-NMR(DMSO-d6)
δppm:0.81(2H,d,J=6.9Hz),0.90(6H,d,J=6.6Hz),0.99(18H,s),1.16(6H,m),1.3-1.8(16H,br),1.95(1H,m),2.31(12H,br),2.41(2H,m),2.9-3.2(8H,br),4.1-4.4(10H,m),6.4-7.1(9H,br),7.27(30H,m),7.6-7.8(12H,m),7.8-8.1(6H,br),8.24(1H,br)
MASS(ESI+)m/z;2166.9(M+H)+
【0159】
合成例15:Ac-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBSの合成
【化24】

(i)Fmoc-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.59g,0.27mmol)を塩化メチレン(11.7g)と室温で混合し、ジエチルアミン(0.99g、13.5mmol)を加えた後、16.5時間攪拌した。20質量%塩化アンモニウム水溶液を加え2回分液し、有機層を5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、酢酸エチルへ2回溶媒置換して得られた固体を濾過、乾燥してH-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala‐Arg(Ts)-OBIBS(0.43g、収率81%)を白色固体として得た。
H-NMR(DMSO-d6)
δppm:0.81(2H,d,J=6.3Hz),0.90(6H,d,J=6.6Hz),0.99(18H,s),1.16(6H,m),1.3-1.8(17H,br),1.93(1H,m),2.31(14H,br),2.9-3.2(9H,br),4.1-4.4(6H,m),6.4-7.1(9H,br),7.27(27H,m),7.61(9H,m),7.8-8.1(5H,br),8.21(1H,br),
MASS(ESI+)m/z;1944.8(M+H)+
(ii)H-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.37g、0.19mmol)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(0.14g、1.14mmol)を塩化メチレン(14.8g)と混合させ、0℃に冷却して、無水酢酸(0.14g、0.54mmol)を加えた後、0℃で2.5時間攪拌した。得られた反応液に水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後に濃縮して、酢酸エチルへ溶媒置換を2回実施して析出した固体を濾過し、乾燥させてAc-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.38g、収率100%)を白色固体として得た。
H-NMR(DMSO-d6)
δppm:0.81(2H,d,J=6.6Hz),0.90(6H,d,J=6.3Hz),0.99(18H,s),1.16(6H,m),1.3-1.8(17H,br),1.84(3H,s),1.95(1H,m),2.32(14H,m),2.9-3.2(8H,br),4.1-4.4(7H,m),6.4-7.1(9H,br),7.27(28H,m),7.62(8H,m),7.8-8.1(5H,br),8.1-8.3(1H,br)
MASS(ESI+)m/z;1986.8(M+H)+
【0160】
合成例16:Ac-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OHの合成
【化25】

Ac-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OBIBS(0.36g,0.18mmol)をメタノール(7.2g)と室温で混合し、フッ化セシウム(0.14g、0.90mmol)を加えた後、23時間攪拌した。リン酸を加え1時間攪拌後、固体を濾過、乾燥し、得られた固体を水で懸濁洗浄した後、濾過、乾燥してAc-Cys(Trt)-Ala-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Arg(Ts)-Ala-Arg(Ts)-OH(0.27g、収率85%)を白色固体として得た。
H-NMR(DMSO-d6)
δppm:1.15(3H,d,J=7.2Hz),1.21(3H,d,J=7.5Hz),1.3-1.8(16H,br),1.84(3H,s),2.32(14H,m),2.9-3.2(8H,br),3.69(1H,m),4.1-4.4(6H,br),6.4-7.1(8H,br),7.27(26H,m),7.62(9H,m),7.8-8.2(6H,br),8.2-8.3(1H,br)
MASS(ESI+)m/z;1788.7(M+H)+
【0161】
合成例17:H-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolaneの合成
【化26】

(i)1-(t-ブチル)シロラン(0.75g、5.29mmol)を塩化メチレン(20.9g)に溶解させ、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸(0.69g、4.6mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応液をCbz-Phe-Phe-OH(1.57g、3.51mmol)、イミダゾール(0.36g、5.27mmol)の塩化メチレン(10.6g)溶液に0℃で加え、室温に戻して1.5時間攪拌した。得られた反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(8.0g)、水(8.0g)加えて分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(1.59g、収率77%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;587.36(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.75g、1.71mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(10.4g)に溶解させ、10質量%Pd-C(80mg、0.08mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、1時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.63g、収率100%)を褐色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;453.38(M+H)+
【0162】
合成例18:Fmoc-Ser(Bn)-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolaneの合成
【化27】

(i)H-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.58g、1.28mmol)、Cbz-Ala-OH(0.44g、1.96mmol)を塩化メチレン(7.7g)に溶解させ、氷冷下で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.35g、1.84mmol)を加えて1.5時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(5.8g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.8g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.535g、収率65%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;658.41(M+H)+
(ii)Cbz-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.50g、0.77mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(8.3g)に溶解させ、10質量%Pd-C(55mg、0.052mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、2.5時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.440g、収率110%)を褐色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;524.42(M+H)+
(iii)H-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.401g、0.766mmol)、Fmoc-Ser(Bn)-OH(0.484g、1.16mmol)を塩化メチレン(5.3g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.224g、1.17mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(4.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Ser(Bn)-Ala-Phe-Phe-O(t-Bu)Silolane(0.213g、収率30%)を無色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;923.57(M+H)+
【0163】
合成例19:H-Phe―Phe―OTIPSの合成
【化28】

(i)Cbz-Phe-Phe-OH(1.01g、2.26mmol)、TIPS-Cl(0.55g、2.85mmol)を塩化メチレン(20.2g)と混合させ、0℃に冷却して、イミダゾール(0.18g、2.64mmol)を加えて2時間攪拌した。室温に戻して2時間攪拌した後、得えられた反応液にクロロホルム、水を加えて分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OTIPS(1.20g、収率88%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;603.32(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OTIPS(0.50g、0.83mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(5.0g)、t-ブチルメチルエーテル(10.0g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.30g)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で5時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-OTIPS(0.40g、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;616.35(M+H)+
【0164】
合成例20:Fmoc-Phe-Phe-Phe-Phe-OTIPSの合成
【化29】

(i)Cbz-Phe-OH(0.23g、0.77mmol)を塩化メチレン(3.0g)に溶解させ、氷冷下で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.15g、0.78mmol)を加えた後、H-Phe-Phe-OTIPS(0.27g、0.58mmol)の塩化メチレン(3.0g)溶液を滴下して2時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-OTIPS(0.30g、収率68%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;749.39(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-Phe-OTIPS(0.25g,0.33mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(5.0g)、t-ブチルメチルエーテル(2.5g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.10g)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-Phe-OTIPS(0.21g、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;469.29(M+H)+
(iii)Fmoc-Phe-OH(0.15g、0.39mmol)を塩化メチレン(2.0g)に溶解させ、氷冷下で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.08g、0.42mmol)を加えた後、H-Phe-Phe-Phe-OTIPS(0.20g、0.32mmol)の塩化メチレン(2.5g)溶液を滴下して3時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-Phe-OTIPS(0.25g、収率77%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;985.49(M+H)+
【0165】
合成例21:Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu) (Me)の合成
【化30】

ジ-t-ブチルメチルシラン(0.50g、3.16mmol)を塩化メチレン(2.5g)に溶解させ、0℃でトリフルオロスルホン酸(0.47g、3.16mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応液をCbz-Phe-Phe-OH(1.55g、3.48mmol)、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(0.49g、3.79mmol)の塩化メチレン(5.0g)溶液に0℃で加えた後、1時間攪拌した。得られた反応液を、t-ブチルメチルエーテルで希釈した後、5質量%炭酸水素カリウムで2回洗浄し、さらに水で洗浄した。得られた有機層を5質量%クエン酸で洗浄し、さらに水で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Me)(1.90g、収率100%)を無色油状物して得た。
MASS(ESI+)m/z;603.4(M+H)+
【0166】
合成例22:H-Phe-Phe-Phe―OSi(tBu) (Me)の合成
【化31】

(i)Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Me)(1.90g、3.16mmol)を40℃で塩化メチレン(9.5g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(19.0g)に溶解させ、10質量%Pd-C(170mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、2時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮液を塩化メチレン(15.0g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.91g、4.74mmol)とBoc-Phe-OH(1.09g、4.11mmol)を加えて16時間攪拌した。得られた反応液を、メチルシクロペンチルエーテルで希釈した後、水で洗浄し、10質量%炭酸水素カリウム水溶液(5.0g)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(0.02g)を加えて分液した.得られた有機層を水で2回洗浄し、10質量%クエン酸水溶液で洗浄した後、水で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Me)(2.08g、収率92%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;716.49(M+H)+
(ii)Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Me)(1.70g、2.37mmol)を塩化メチレン(34.0g)に溶解させ、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(4.62g、19.0mmol)を加えた後、17時間攪拌した。得られた反応液を、10質量%炭酸水素カリウム水溶液で洗浄し、さらに水で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Me)(1.24g、収率85%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;616.39(M+H)+
【0167】
参考合成例1:HSi(sBu) (tBu)の合成
【化32】

0℃でヘプタン(6.8g)と1.0Mのs-ブチルリチウム-ヘキサン溶液(17.5mL、18mmol)を混合させた後、t-ブチルトリクロロシラン(1.00g、5.22mmol)のヘプタン(6.8g)溶液を加え、90℃で4時間攪拌した。得られた反応液を、0℃に冷却して、2-プロパノール(0.78g)、ヘプタン(14g)、水(20g)を加え、分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、HSi(sBu)(tBu)(0.46g、収率44%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.86-0.98(12H,m),1.01(9H,s),1.07-1.38(6H,m)
【0168】
合成例23:H-Phe-OSi(sBu) (tBu)の合成
【化33】

(i)HSi(sBu)(tBu)(0.41g、2.06mmol)を塩化メチレン(6.8g)に溶解させ、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸(0.31g、2.1mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応液を、Cbz-Phe-OH(0.51g、1.72mmol)、イミダゾール(0.18g、2.64mmol)の塩化メチレン(3.3g)溶液に0℃で加えた後、室温で2時間攪拌した。得られた反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(4.0g)、水(1.0g)を加えて分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.822g、収率97%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;498.35(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.60g、1.20mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(8.3g)に溶解させ、10質量%Pd-C(59.3mg、0.06mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、5時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.382g、収率88%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;364.45(M+H)+
【0169】
合成例24:Fmoc-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu) (tBu)の合成
【化34】

(i)Cbz-Phe-OH(0.47g、1.56mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.29g、1.53mmol)を塩化メチレン(2.7g)に溶解させ、氷冷下でH-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.33g、0.92mmol)を加えて40分攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(3.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Si(sBu)(tBu)(0.589g、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;645.47(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.58g、0.89mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(8.1g)に溶解させ、10質量%Pd-C(54.5mg、0.05mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、3時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.48g、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;511.43(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.46g、0.89mmol)、Fmoc-Ser(Bn)-OH(0.56g、1.34mmol)を塩化メチレン(6.0g)に溶解させ、氷冷下で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.26g、1.37mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(5.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.76g、収率93%)を淡黄色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;910.59(M+H)+
【0170】
合成例25:Boc-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu) (tBu)の合成
【化35】

(i)Fmoc-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.567g、0.623mmol)を塩化メチレン(7.6g)と混合させ、0℃でジエチルアミン(0.92g、12.5mmol)を加えた後、5℃で18時間攪拌した。得られた反応液に4質量%塩酸(6.0g)を加え分液した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.348g、収率81%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;688.52(M+H)+
(ii)H-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.320g、0.465mmol)、Boc-Ala-OH(0.132g、0.697mmol)を塩化メチレン(4.3g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.141g、0.738mmol)を加えて1時間攪拌した。この混合液に、Boc-Ala-OH(0.019g、0.10mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.017g、0.088mmol)を加えて40分攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(3.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.356g、収率89%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;859.54(M+H)+
【0171】
合成例26:Fmoc-Pro-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OHの合成
【化36】

(i)Boc-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.322g、0.375mmol)を塩化メチレン(4.3g)に溶解させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(2.7g、10.4mmol)を加えた後、同温度で20時間攪拌した。得られた反応液を、5質量%塩化ナトリウム水溶液(4.0g)、8質量%塩化ナトリウム水溶液(5.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3.0g)、水(5.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.225g、収率79%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;759.58(M+H)+
(ii)H-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.22g、0.29mmol)、Fmoc-Pro-OH(0.20g、0.59mmol)を塩化メチレン(2.9g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.12g、0.60mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(2.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Pro-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.32g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1078.59(M+H)+
(iii)Fmoc-Pro-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OSi(sBu)(tBu)(0.13g、0.12mmol)をメタノール(0.55g)、テトラヒドロフラン(1.8g)と混合させ、0℃にてフッ化カリウム(0.01g、0.25mmol)を加えた後、3時間攪拌した。得られた反応液に7質量%塩化ナトリウム水溶液(3.0g)、塩化メチレン(2.7g)を加えて分液した。得られた水層に塩化メチレン(3.0g)を加え2回抽出し、有機層を混合した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Pro-Ala-Ser(Bn)-Phe-Phe-OH(0.08g、収率72%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;880.49(M+H)+
【0172】
参考合成例2:Cbz-Phe―OSi(tBu) (Bn)の合成
【化37】

(i)ジ-t-ブチルクロロシラン(0.10g、0.58mmol)をテトラヒドロフラン(0.9g)と混合させ、0℃に冷却して、2.0Mベンジルマグネシウムクロリド-テトラヒドロフラン溶液(0.34mL、0.68mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。この溶液を0℃に冷却して、ベンジルマグネシウムクロリド-テトラヒドロフラン溶液(0.17mL、0.34mmol)を加え、室温で30分攪拌した。得られた反応液に、10質量%塩化アンモニウム水溶液(3.0g)、トルエン(4.0g)を加え分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジ-t-ブチルベンジルシラン(0.11g、収率83%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.99(18H,s),2.22(2H,d,J=3.5Hz),3.56(1H,t,J=3.5Hz),7.03-7.28(5H,m)
(ii)ジ-t-ブチルベンジルシラン(0.07g、0.31mmol)を塩化メチレン(1.1g)に溶解させ、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸(0.05g、0.32mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を、Cbz-Phe-OH(0.08g,0.27mmol)、イミダゾール(0.03g、0.41mmol)の塩化メチレン(0.5g)溶液に0℃で加え、室温に戻して5時間攪拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(1.0g)、水(1.0g)で分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.09g、収率66%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;532.11(M+H)+
【0173】
合成例27:Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu) (Bn)の合成
【化38】

Cbz-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.15g、0.28mmol)を40℃で2,2,2-トリフルオロエタノール(3.0g)に溶解させ、10質量%Pd-C(15 mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、2時間攪拌した。10質量%Pd-C(20 mg)をさらに加えた後、水素ガス雰囲気下、4時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮液を塩化メチレン(1.1g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.11g、0.56mmol)とCbz-Phe-OH(0.17g、0.56mmol)を加えて約2時間攪拌した。得られた反応液を、塩化メチレンで希釈した後、5質量%塩酸で洗浄し、さらに水で3回洗浄した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.18g、収率96%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;679.48(M+H)+
【0174】
合成例28:Boc-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu) (Bn)の合成
【化39】

Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.17g、0.25mmol)を40℃で塩化メチレン(3.4g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(0.34g)に溶解させ、10質量%Pd-C(17mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、2時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮液を塩化メチレン(1.4g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.10g、0.50mmol)とCbz-Phe-OH(0.10g、0.50mmol)を加えて4時間攪拌した。得られた反応液を、塩化メチレンで希釈した後、水で3回洗浄した。得られた有機層を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.18g、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;716.14(M+H)+
【0175】
合成例29:Fmoc-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu) (Bn)の合成
【化40】

Boc-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.18g、0.25mmol)を室温で塩化メチレン(5.4g)に溶解させ、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(0.49g、2.0mmol)を加えた後、25時間攪拌した。得られた反応液を、塩化メチレンで希釈した後、10質量%炭酸水素カリウム水溶液で洗浄し、さらに水で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮した後、塩化メチレン(1.54 g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.096 g、0.50 mmol)とFmoc-Cys(Trt)-OH(0.29 g、0.50 mmol)を加えて3時間攪拌した。得られた反応液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.27g、収率90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1183.54(M+H)+
【0176】
合成例30:Cbz-MeAla-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu) (Bn)の合成
【化41】

Fmoc-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.15g、0.13mmol)を室温で塩化メチレン(4.5g)に溶解させ、ジエチルアミン(0.46g、6.5mmol)を加えた後、7時間攪拌した。得られた反応液を、塩化メチレンで希釈した後、5質量%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水で2回洗浄した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体を得た。得られた固体を塩化メチレン(1.22g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.05g、0.26mmol)とFmoc-Cys(Trt)-OH(0.06g、0.26mmol)を加えて2時間攪拌した。得られた反応液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-MeAla-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.11g、収率75%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1180.94(M+H)+
【0177】
合成例31:Cbz-MeAla-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OHの合成
【化42】

Cbz-MeAla-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OSi(tBu)(Bn)(0.10g,0.08mmol)を室温でメタノール(4.0g)に溶解させ、フッ化カリウム(0.05g、0.8mmol)を加えた後、2時間攪拌した。得られた反応液を、酢酸エチルで希釈した後、シリカゲルを加えて攪拌し、ろ過した。得られたシリカゲルをメタノールで洗浄した後、洗浄液を濃縮し、Cbz-MeAla-Cys(Trt)-Ala-Phe-Phe-OH(0.08g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI-)m/z;946.49(M-H)-
【0178】
参考合成例3:ジ-t-ブチルオクタデシルシランの合成
【化43】

オクタデシルトリクロロシラン(22.5g、58.0mmol)をn-ヘプタン(237mL)と混合させ、1.6Mのt-ブチルリチウムペンタン溶液(136mL、21.7mmol)を室温で滴下した。得られた反応液を100℃で還流し、留出するペンタンとヘプタンの混合液(123g)を抜き出した後、100℃で22時間攪拌した。得られた反応液を0℃に冷却して、イソプロピルアルコール(1.9g)を加え、ヘキサン(50mL)で希釈した後、水(50mL)、飽和食塩水(25mL)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジ-t-ブチルオクタデシルシラン(21.7g、収率91%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.57-0.64(2H、m)、0.88(3H、t、J=6.7Hz)、1.00(18H、s)、1.23-1,29(30H、m)、1.39-1.49(2H、m)、3.29(1H、t、J=2.6Hz)
【0179】
合成例32:H-Phe-OSi(tBu) (C 18 37 )の合成
【化44】

(i)ジ-t-ブチルオクタデシルシラン(0.32g、8.02mmol)を塩化メチレン(2.0g)と混合させ、0℃に冷却して、トリフルオロメタンスルホン酸(0.12g、8.02mmol)を滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を0℃に冷却して、Cbz-Phe-OH(0.20g、6.68mmol)とイミダゾール(0.07g、10.2mmol)の塩化メチレン(2.0g)溶液を滴下した後、室温で20時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20.0g)、水の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.42g、収率89%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;694.52(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.11g、1.58mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(2.0g)、塩化メチレン(2.0g)と混合させ、10質量%Pd-C(11.9mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で20時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.08g、収率97%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;560.48(M+H)+
【0180】
合成例33:Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (C 18 37 )の合成
【化45】

(i)H-Phe-OSi(tBu)(C1837)(1.00g、1.79mmol)を塩化メチレン(20.2g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.64g、2.15mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.42g、2.15mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(1.47g、収率98%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;841.59(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(1.05g,1.25mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(5.1g)、塩化メチレン(5.0g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.20g)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で27時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮した。濃縮物をクロロホルムに溶解させ、水を加えて分液した。有機層を濃縮し、H-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.82g、収率94%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;707.55(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.77g、1.09mmol)、Boc-Phe-OH(0.58g、2.18mmol)を塩化メチレン(16.0g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.42g、2.18mmol)を加えた後、室温で15時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過して得られた溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.99g、収率91%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;954.67(M+H)+
【0181】
合成例34:Fmoc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (C 18 37 )の合成
【化46】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.59g、0.62mmol)を塩化メチレン(12.0g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(3.1g、10.5mmol)を加えて1時間攪拌した後、室温に戻して2時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.15g、収率96%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;854.62(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.50g、0.59mmol)、Fmoc-Phe-OH(0.27g、0.70mmol)を塩化メチレン(10.0g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.14g、0.73mmol)を加えて1時間攪拌した。室温に戻して1時間攪拌した後、得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.67g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1223.76(M+H)+
【0182】
合成例35:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (C 18 37 )の合成
【化47】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.40g、0.33mmol)を塩化メチレン(8.0g)と混合させ、0℃に冷却して、ジエチルアミン(0.72g、9.8mmol)を加えた。室温に戻して5時間攪拌した後、得られた反応液を、クロロホルムで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え分液した。得られた有機層を濃縮し、H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.32g、収率96%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1001.69(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.25g、0.25mmol)、Cbz-Phe-OH(0.09g,0.30mmol)を塩化メチレン(15.0g)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.06g、0.31mmol)を加えて1時間攪拌した。室温に戻して1時間攪拌した後、得られた反応液にメタノール(45.0g)を加えて沈殿させ、ろ過することでCbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(C1837)(0.31g、収率95%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1282.79(M+H)+
【0183】
参考合成例4:H-Si(tBu) (OCH CH Ph)の合成
【化48】

2-フェニルエチルアルコール(4.10g、33.6mmol)を塩化メチレン(10g)と混合させ、0℃にて、トリエチルアミン(5.66g、55.9mmol)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(0.69g、5.67mmol)、ジ-tert-ブチルクロロシラン(5.01g、28.0mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。得られた反応液に、0℃にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20g)を加え分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジ-t-ブチル(2-フェニルエチルオキシ)シラン(6.62g、収率89%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:0.97(18H,s),2.87(2H,d,J=7.4Hz),3.94(2H,d,J=7.4Hz),3.97(1H,s),7.16-7.31(5H,m)
【0184】
合成例36:H-Phe―OSi(tBu) (OCH CH Ph)の合成
【化49】

(i)Cbz-Phe-OH(4.25g、14.2mmol)、ジ-t-ブチル(2-フェニルエチルオキシ)シラン(2.52g、9.51mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(25g)と混合させ、塩化亜鉛(0.27g、2.0mmol)を加えた後、60℃にて30分攪拌した。この反応液に塩化亜鉛(0.27g、2.0mmol)を加えた後、120℃にて20時間攪拌した。得られた反応液に室温にて、5質量%塩化ナトリウム水溶液(20g)、酢酸エチル(32g)を加え、分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(1.53g、収率29%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;562.38(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.81g、1.4mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(11g)に溶解させ、10質量%Pd-C(77mg、0.07mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、3時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.437g、収率71%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;428.39(M+H)+
【0185】
合成例37:Boc-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu) (OCH CH Ph)の合成
【化50】

(i)Cbz-Phe-OH(0.58g、1.92mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.36g、1.90mmol)を塩化メチレン(8.0g)に溶解させ、氷冷下でH-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.41g、0.95mmol)を加えて2時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(4.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPH)(0.678g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;709.45(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.62g、0.87mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(12.5g)に溶解させ、10質量%Pd-C(60mg、0.05mmol)を加えた後、水素ガス雰囲気下、1.5時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.50g、収率100%)を褐色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;575.39(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.49g、0.85mmol)、Boc-Asp(OBn)-OH(0.41g、1.28mmol)を塩化メチレン(9.3g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.25g、1.28mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(5.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.63g、収率84%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;880.53(M+H)+
【0186】
合成例38:Fmoc-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu) (OCH CH Ph)の合成
【化51】

(i)Boc-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.30g、0.34mmol)を塩化メチレン(8.0g)に溶解させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(2.5g、9.6mmol)を加えた後、24時間攪拌した。得られた反応液を水(3.0g)で希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(3.0g)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、H-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.26g、収率99%)を淡黄色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;780.54(M+H)+
(ii)H-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.25g、0.32mmol)、Fmoc-Gly-OH(0.14g、0.48mmol)を塩化メチレン(4.7g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.09g、0.49mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(2.5g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.30g、収率90%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1059.70(M+H)+
【0187】
合成例39:Fmoc-Lys(Cbz)-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OHの合成
【化52】

(i)Fmoc-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.14g、0.14mmol)を塩化メチレン(2.8g)と混合させ、0℃にてジエチルアミン(0.21g、2.83mmol)を加えた後、0℃で3時間攪拌し、さらに室温に戻して5時間攪拌した。得られた反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(1.5g)を加えて分液した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.06g、収率49%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;837.46(M+H)+
(ii)H-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.05g、0.06mmol)、Fmoc-Lys(Cbz)-OH(0.05g、0.09mmol)を塩化メチレン(1.3g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.02g、0.11mmol)を加えて1.5時間攪拌した。得られた反応液を、4質量%塩酸(1.0g)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Lys(Cbz)-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.041g、収率49%)を白色固体として得た。
(iii)Fmoc-Lys(Cbz)-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OSi(tBu)(OCHCHPh)(0.04g、0.03mmol)をメタノール(0.20g)、テトラヒドロフラン(0.67g)と混合させ、0℃でフッ化カリウム(9.4mg、0.16mmol)を加えた後、3時間攪拌した。得られた反応液に水(2.0g)、塩化メチレン(2.0g)を加え分液した。得られた水層に塩化メチレン(3.0g)を加えて3回抽出し、有機層を混合した。得られた有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Lys(Cbz)-Gly-Asp(OBn)-Phe-Phe-OH(0.024g、収率69%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1059.55(M+H)+
【0188】
合成例40:H-Phe-OSi(OtBu) の合成
【化53】

(i)Cbz-Phe-OH(0.30g、1.00mmol)とtert-ブタノール(0.48g)、ピリジン(0.39g、4.9mmol)を混合させ、0℃でテトラクロロシラン(0.17g、1.0mmol)を加え2.5時間攪拌した。ピリジン(0.20g、2.5mmol)、テトラクロロシラン(0.081g、0.48mmol)を加え、15時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、水、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(OtBu)(0.27g、収率49%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;546.2(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(OtBu)(0.22g、0.40mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(2.2g)に溶解させ、10質量%Pd-C(66mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で2時間、35℃で3時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-OSi(OtBu)(0.15g、収率90%)を白色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;412.4(M+H)+
【0189】
合成例41:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu) の合成
【化54】

(i)H-Phe-OSi(OtBu)(70mg、0.17mmol)、Cbz-Phe-OH(76mg、0.25mmol)を塩化メチレン(1.4g)に溶解させ、氷冷下で、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(32mg、0.25mmol)を加えて2時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(3mL)で希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(OtBu)(91mg、収率77%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;693.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(OtBu)(0.090g,0.13mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(1.8g)に溶解させ、10質量%Pd-C(27mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で4.5時間攪拌した。更に10質量%Pd-C(10mg)を加えた後、2時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-Phe-OSi(OtBu)(73mg、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;559.4(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSi(OtBu)(73mg、0.13mmol)、Fmoc-Phe-OH(76mg、0.20mmol)を塩化メチレン(1.5g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(30mg、0.19mmol)を加えて30分攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(3mL)で希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液(1mL)、水(1mL)、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(1mL)で順次洗浄し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(75mg、収率81%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;928.5(M+H)+
【0190】
合成例42:Cbz-Lys(Boc)-Phe-Phe-Phe-OHの合成
【化55】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(63mg、0.068mmol)に塩化メチレン(1.4g)、ジエチルアミン(0.11g、1.50mmol)を加え室温で7時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈し、10質量%塩化アンモニウム水溶液を加え分液した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(43mg、収率90%)を淡黄色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;706.6(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(40mg、0.057mmol)、Cbz-Lys(Boc)-OH(32mg、0.084mmol)を塩化メチレン(1.2g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(13mg、0.085mmol)を加えて1.5時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈し10質量%塩化アンモニウム水溶液で希釈し、分液した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Lys(Boc)-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(55mg、収率90%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;1068.7(M+H)+
(iii)Cbz-Lys(Boc)-Phe-Phe-Phe-OSi(OtBu)(50mg、0.047mmol)をメタノール(0.35g)、テトラヒドロフラン(1.1g)と混合させ、氷冷下フッ化カリウム(4.1mg、0.071mmol)を加えた後、3時間攪拌した。室温に昇温後、3.5時間攪拌し、得られた反応液を濃縮した。クロロホルム(3mL)で希釈し、10質量%塩化アンモニウム水溶液(1mL)を加え分液し、水層にクロロホルムを加え抽出した。有機層を合わせ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Lys(Boc)-Phe-Phe-Phe-OH(29mg、収率76%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;822.4(M+H)+
【0191】
参考合成例5:ジ-t-ブチルフェニルシランの合成
【化56】

ジ-tert-ブチルクロロシラン(1.0g、5.6mmol)をテトラヒドロフラン(5.0g)と混合させ、1.6Mフェニルリチウムブチルエーテル溶液(4.3mL、6.9mmol)を0℃で滴下後、40℃で4時間攪拌した。得られた反応液に、水(7.0g)、ヘキサンを加えて分液し、水層を再度ヘキサンで抽出した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジ-t-ブチルフェニルシラン(1.15g、収率94%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:1.04-1.06(18H,br),3.86(1H,s),7.29-7.39(3H,m),7.55-7.59(2H,m)
【0192】
合成例43:Cbz-Phe-OSi(tBu) (Ph)の合成
【化57】

(i)Cbz-Phe-OH(0.54g、1.81mmol)とジ-t-ブチルフェニルシラン(0.48g、2.18mmol)をテトラヒドロフラン(5.43g)と混合させ、室温で酢酸パラジウム(122mg、0.54mmol)を加え65時間攪拌した。得られた反応液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.17g、収率18%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;518.3(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(tBu)(Ph)(98mg,0.19mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(1.2g)に溶解させ、10質量%Pd-C(8.2mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、30℃で2時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OSi(tBu)(Ph)(72mg、収率100%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;384.3(M+H)+
【0193】
合成例44:Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (Ph)の合成
【化58】

(i)H-Phe-OSi(tBu)(Ph)(70mg、0.18mmol)、Cbz-Phe-OH(82mg、0.27mmol)を塩化メチレン(1.5g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(53mg、0.84mmol)を加えて1時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(2mL)で希釈した後、水(2mL)、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(1mL)を加え分液した。水層を再度クロロホルム(1mL)で抽出し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.11g、収率93%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;665.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.11g、0.17mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(1.1g)に溶解させ、10質量%Pd-C(11mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、35℃で3時間攪拌した。10質量%Pd-C(22mg)を加えた後、38℃で2時間攪拌した。10質量%Pd-C(22mg)を加え、室温で18時間攪拌後、反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(88mg、収率100%)を無色油状物として得た。
MASS(ESI+)m/z;531.4(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(88mg、0.17mmol)、Boc-Phe-OH(66mg、0.25mmol)を塩化メチレン(1.8g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(48mg、0.25mmol)を加えて室温で2時間攪拌した。Boc-Phe-OH(22mg、0.083mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(16mg、0.08mmol)を加えて室温で1.5時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(2mL)で希釈した後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(1mL)、水(1mL)で順次洗浄し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.13g、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;778.4(M+H)+
【0194】
合成例45:Fmoc-Gly-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (Ph)の合成
【化59】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.13g、0.17mmol)を塩化メチレン(2.6g)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(1.29g)を加えた後、室温で2時間攪拌した。得られた反応液に5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和後分液し、有機層をさらに水(1.0g)で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.11g、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;678.5(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.11g、0.17mmol)、Fmoc-Gly-OH(74mg、0.25mmol)を塩化メチレン(2.2g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(48mg、0.25mmol)を加えて0.5時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(2mL)で希釈した後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)、水(1mL)で順次洗浄し、有機層を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Gly-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(Ph)(0.11g、収率71%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;957.6(M+H)+
【0195】
参考合成例6:IPBS-OTfの合成
【化60】

ジ-i-プロピル-t-ブチルシラン(2.59g、15.0mmol)を塩化メチレン(10.0g)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(2.26g、15.0mmol)を滴下した後、30分間撹拌した。生成したジ-i-プロピル-t-ブチルシリルトリフラート(4.82g、15.0mmol)は、単離することなく塩化メチレン溶液として次の反応に用いた。
【0196】
合成例46:Cbz-Phe-OIPBSの合成
【化61】

(i)Cbz-Phe-OH(3.00g、10.0mmol)、ジ-i-プロピル-t-ブチルシリルトリフラート(4.82g、15.0mmol)を塩化メチレン(49.9g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.59g、20.1mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(35.9g)で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、Cbz-Phe-OIPBS(5.43g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;471.2(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OIPBS(5.43g)を2,2,2-トリフルオロエタノール(34.8g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.53g、0.50mmol)とトリエチルシラン(4.66g、40.1mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OIPBS(3.26g、2工程収率97%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;336.4(M+H)+
【0197】
合成例47:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPBSの合成
【化62】

(i)H-Phe-OIPBS(0.50g、1.49mmol)を塩化メチレン(9.9g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.67g、2.24mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.43g、2.24mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(20.1g)、水(20.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(24.5g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(14.9g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OIPBS(0.88g、収率95%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;617.6(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OIPBS(0.87g、1.41mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(9.8g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.075g、0.071mmol)とトリエチルシラン(0.66g、5.64mmol)を加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OIPBS(1.14g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;483.5(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OIPBS(1.14g)を塩化メチレン(9.4g)に溶解させ、氷冷下でFmoc-Phe-OH(0.71g、1.83mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.35g、1.83mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(27.3g)、水(25.1g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(29.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPBS(1.05g、2工程収率87%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;852.7(M+H)+
【0198】
合成例48:Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBSの合成
【化63】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.74g、0.87mmol)を塩化メチレン(7.7g)と室温で混合し、ジエチルアミン(0.64g、8.70mmol)を加えた後、2時間撹拌した。反応液に8質量%塩化水素水溶液(3.0g)を加えた後、塩化メチレン(27.4g)で希釈し分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(13.5g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.51g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;630.5(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.51g、0.82mmol)を塩化メチレン(5.4g)に溶解させ、氷冷下でBoc-Phe-OH(0.24g、0.90mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.17g、0.90mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(26.6g)、水(11.2g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(19.6g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(12.2g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.64g、収率89%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;877.8(M+H)+
【0199】
合成例49:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBSの合成
【化64】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.64g、0.73mmol)を塩化メチレン(4.8g)に溶解させ、氷冷下で15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(5.46g、21.8mmol)を加えた後、20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、得られた反応液を濃縮し、トルエン(9.8g)で2回共沸することでH-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBS塩酸塩(0.60g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;778.6(M+H-HCl)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBS塩酸塩(0.10g)を塩化メチレン(1.6g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.041g、0.14mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.051g、0.14mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.024g、0.18mmol)を加えて30分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(13.3g)、10質量%クエン酸水溶液(5.4g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(11.6g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(7.3g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPBS(0.11g、2工程収率86%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1060.0(M+H)+
【0200】
参考合成例7:IPCS-OTfの合成
【化65】

ジ-i-プロピルクミルシラン(3.52g、15.0mmol)を塩化メチレン(10.0g)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(2.26g、15.0mmol)を滴下した後、30分間撹拌した。生成したジ-i-プロピルクミルシリルトリフラート(5.75g、15.0mmol)は、単離することなく塩化メチレン溶液として次の反応に用いた。
【0201】
合成例50:Cbz-Phe-OIPCSの合成
【化66】

(i)Cbz-Phe-OH(3.00g、10.0mmol)、ジ-i-プロピルクミルシリルトリフラート(5.75g、15.0mmol)を塩化メチレン(49.9g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.59g、20.1mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(40.0g)で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、Cbz-Phe-OIPCS(5.90g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;533.1(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OIPCS(5.90g)を2,2,2-トリフルオロエタノール(34.8g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.53g、0.50mmol)とトリエチルシラン(4.66g、40.1mmol)を加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OIPCS(3.37g、2工程収率85%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;399.4(M+H)+
【0202】
合成例51:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPCSの合成
【化67】

(i)H-Phe-OIPCS(0.50g、1.26mmol)を塩化メチレン(8.4g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.57g、1.89mmol),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.36g、1.89mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(19.7g)、水(20.5g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(14.1g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OIPCS(0.85g、収率99%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;679.6(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OIPCS(0.85g、1.25mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(8.7g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.066g、0.062mmol)とトリエチルシラン(0.58g、4.99mmol)を加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OIPCS(0.98g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;545.5(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OIPCS(0.98g)を塩化メチレン(8.3g)に溶解させ、氷冷下でFmoc-Phe-OH(0.63g、1.62mmol),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.31g、1.62mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(26.6g)、水(28.8g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30.3g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(20.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPCS(1.07g、2工程収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;915.0(M+H)+
【0203】
合成例52:Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCSの合成
【化68】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.83g、0.91mmol)を塩化メチレン(8.0g)と室温で混合し、ジエチルアミン(0.66g、9.06mmol)を加えた後、2時間撹拌した。反応液に8質量%塩化水素水溶液(3.0g)を加えた後、塩化メチレン(29.3g)で希釈し分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(16.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.54g、収率86%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;692.6(M+H)+
ii)H-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.54g、0.78mmol)を塩化メチレン(5.2g)に溶解させ、氷冷下でBoc-Phe-OH(0.23g、0.86mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.16g、0.86mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(18.7g)、水(15.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(16.3g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(13.8g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.59g、収率81%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;939.9(M+H)+
【0204】
合成例53:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCSの合成
【化69】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.59g、0.63mmol)を塩化メチレン(4.1g)に溶解させ、氷冷下で15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(4.74g、19.0mmol)を加えた後、20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、得られた反応液を濃縮し、トルエン(8.7g)で2回共沸することでH-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCS塩酸塩(0.56g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;840.6(M+H-HCl)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCS塩酸塩(0.10g)を塩化メチレン(1.5g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.038g、0.13mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.048g、0.13mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.022g、0.17mmol)を加えて30分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(15.4g)、10質量%クエン酸水溶液(6.8g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(12.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(8.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OIPCS(0.12g、2工程収率93%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1120.9(M+H)+
【0205】
参考合成例8:CPCS-OTfの合成
【化70】

ジ-シクロペンチルクミルシラン(2.00g、6.98mmol)を塩化メチレン(4.6g)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(1.05g、6.98mmol)を滴下した後、30分間撹拌した。生成したジ-シクロペンチルクミルシリルトリフラート(3.03g、6.98mmol)は、単離することなく塩化メチレン溶液として次の反応に用いた。
【0206】
合成例54:Cbz-Phe-OCPCSの合成
【化71】

(i)Cbz-Phe-OH(1.39g、4.65mmol)、ジ-シクロペンチルクミルシリルトリフラート(3.03g、6.98mmol)を塩化メチレン(23.3g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.20g、9.31mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(21.1g)で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25.8g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、Cbz-Phe-OCPCS(3.05g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;584.4(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OCPCS(3.05g)を2,2,2-トリフルオロエタノール(12.9g)及び塩化メチレン(3.1g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.50g、0.47mmol)とトリエチルシラン(2.16g、18.6mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OCPCS(1.91g、2工程収率91%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;450.4(M+H)+
【0207】
合成例55:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCPCSの合成
【化72】

(i)H-Phe-OCPCS(0.75g、1.67mmol)を塩化メチレン(11.1g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.60g、2.00mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.38g、2.00mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(18.0g)、水(24.1g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.5g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(18.4g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OCPCS(1.20g、収率99%)を白色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;731.4(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OCPCS(1.20g、1.64mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(6.1g)及び塩化メチレン(1.5g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.18g、0.16mmol)とトリエチルシラン(0.76g、6.57mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OCPCS(1.49g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;597.4(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OCPCS(1.49g)を塩化メチレン(10.9g)に溶解させ、氷冷下でFmoc-Phe-OH(0.76g、1.97mmol),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.38g、1.97mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(34.7g)、水(30.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(29.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(17.7g)の順で洗浄し、有機層を濃縮した。得られた固体を40質量%酢酸エチル/ヘキサン溶液で2回洗浄し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCPCS(1.50g、2工程収率95%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;966.9(M+H)+
【0208】
合成例56:Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCSの合成
【化73】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCPCS(1.25g、1.29mmol)を塩化メチレン(17.2g)と室温で混合し、ジエチルアミン(0.95g、12.9mmol)を加えた後、3時間撹拌した。反応液に8質量%塩化水素水溶液(5.0g)を加えた後、塩化メチレン(37.4g)で希釈し分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(19.5g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OCPCS(0.84g、収率87%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;744.5(M+H)+
ii)H-Phe-Phe-Phe-OCPCS(0.84g、1.12mmol)を塩化メチレン(7.5g)に溶解させ、氷冷下でBoc-Phe-OH(0.33g、1.24mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.24g、1.24mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(26.6g)、水(18.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(22.4g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15.2g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCS(1.01g、収率91%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;991.7(M+H)+
【0209】
合成例57:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCSの合成
【化74】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCS(0.90g、0.91mmol)を塩化メチレン(6.0g)に溶解させ、氷冷下で15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(6.8g、27.2mmol)を加えた後、20分間撹拌した。室温に戻して更に90分間撹拌した後、得られた反応液を濃縮し、トルエン(7.0g)で2回共沸することでH-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCS塩酸塩(0.87g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;891.6(M+H-HCl)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCS塩酸塩(0.10g)を塩化メチレン(0.7g)とN,N-ジメチルホルムアミド(0.5g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.036g、0.12mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.045g、0.12mmol),N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.028g、0.22mmol)を加えて30分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(14.0g)、8質量%塩化水素水溶液(7.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(13.2g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OCPCS(0.091g、2工程収率72%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1173.7(M+H)+
【0210】
参考合成例9:CHCS-OTfの合成
【化75】

ジ-シクロヘキシルクミルシラン(2.00g、6.36mmol)を塩化メチレン(5.3g)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(0.95g、6.36mmol)を滴下した後、40分間撹拌した。生成したジ-シクロヘキシルクミルシリルトリフラート(2.94g、6.36mmol)は、単離することなく塩化メチレン溶液として次の反応に用いた。
【0211】
合成例58:Cbz-Phe-OCHCSの合成
【化76】

(i)Cbz-Phe-OH(1.27g、4.24mmol)、ジ-シクロヘキシルクミルシリルトリフラート(2.94g、6.36mmol)を塩化メチレン(26.6g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.10g、8.48mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30.0g)で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、Cbz-Phe-OCHCS(3.43g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;612.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OCHCS(3.43g)を2,2,2-トリフルオロエタノール(8.3g)、塩化メチレン(5.3g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.45g、0.42mmol)とトリエチルシラン(2.96g、25.4mmol)を加えた後、室温で4時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OCHCS(1.81g、2工程収率89%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;478.4(M+H)+
【0212】
合成例59:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCHCSの合成
【化77】

(i)H-Phe-OCHCS(0.60g、1.26mmol)を塩化メチレン(8.0g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.45g、1.51mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.29g、1.51mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(8.0g)、水(16.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(25.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OCHCS(0.87g、収率91%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;759.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OCHCS(0.87g、1.14mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(4.2g)、塩化メチレン(2.7g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.12g、0.11mmol)とトリエチルシラン(0.80g、6.85mmol)を加えた後、室温で4時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OCHCS(0.94g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;625.5(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OCHCS(0.94g)を塩化メチレン(6.7g)に溶解させ、氷冷下でFmoc-Phe-OH(0.49g、1.26mmol),1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.24g、1.26mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(6.7g)、水(10.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.84g、2工程収率74%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;994.7(M+H)+
【0213】
合成例60:Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCSの合成
【化78】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.70g、0.70mmol)を塩化メチレン(6.3g)と室温で混合し、ジエチルアミン(1.03g、14.0mmol)を加えた後、4時間撹拌した。反応液に8質量%塩化水素水溶液(10.0g)を加えた後、塩化メチレン(6.7g)で希釈し分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.30g、収率55%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;772.6(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.060g、0.078mmol)を塩化メチレン(2.7g)に溶解させ、氷冷下でBoc-Phe-OH(0.023g、0.085mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.033g、0.085mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.014g、0.11mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(2.7g)、水(10.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.074g、収率94%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1019.7(M+H)+
【0214】
合成例61:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCSの合成
【化79】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.074g、0.073mmol)を塩化メチレン(2.7g)に溶解させ、氷冷下で15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(2.0g、8.03mmol)を加えた後、10分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、得られた反応液を濃縮し、トルエン(8.7g)で2回共沸することでH-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCS塩酸塩(0.058g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;919.7(M+H-HCl)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCS塩酸塩(0.058g)を塩化メチレン(2.7g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.021g、0.069mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.026g、0.069mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.016g、0.126mmol)を加えて10分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(2.7g)、10質量%クエン酸水溶液(10.0g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OCHCS(0.040g、2工程収率54%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1201.8(M+H)+
【0215】
参考合成例10:SBCS-OTfの合成
【化80】

ジ-s-ブチルクミルシラン(2.00g、7.62mmol)を塩化メチレン(5.1g)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(1.14g、7.62mmol)を滴下した後、30分間撹拌した。生成したジ-s-ブチルクミルシリルトリフラート(3.13g、7.62mmol)は、単離することなく塩化メチレン溶液として次の反応に用いた。
【0216】
合成例62:Cbz-Phe-OSBCSの合成
【化81】

(i)Cbz-Phe-OH(1.52g、5.08mmol)、ジ-s-ブチルクミルシリルトリフラート(3.13g、7.62mmol)を塩化メチレン(25.3g)と混合させ、0℃に冷却して、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.31g、10.2mmol)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(21.1g)で洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25.8g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、Cbz-Phe-OSBCS(3.18g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;560.4(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSBCS(3.18g)を2,2,2-トリフルオロエタノール(14.1g)及び塩化メチレン(3.4g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.54g、0.51mmol)とトリエチルシラン(2.36g、20.3mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-OSBCS(2.05g、2工程収率95%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;426.4(M+H)+
【0217】
合成例63:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSBCSの合成
【化82】

(i)H-Phe-OSBCS(0.60g、1.41mmol)を塩化メチレン(9.4g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.51g、1.69mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.32g、1.69mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(16.9g)、水(20.1g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(17.3g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSBCS(0.94g、収率95%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;707.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSBCS(0.94g、1.34mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(4.9g)及び塩化メチレン(1.2g)と混合させ、10質量%Pd-C(0.14g、0.13mmol)とトリエチルシラン(0.62g、5.34mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を濾過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OSBCS(1.05g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;573.5(M+H)+
(iii)H-Phe-Phe-OSBCS(1.05g)を塩化メチレン(8.9g)に溶解させ、氷冷下でFmoc-Phe-OH(0.62g、1.60mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.31g、1.60mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(22.4g)、水(19.4g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(11.1g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSBCS(1.22g、2工程収率97%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;942.7(M+H)+
【0218】
合成例64:Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCSの合成
【化83】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSBCS(1.00g、1.06mmol)を塩化メチレン(14.1g)と室温で混合し、ジエチルアミン(0.78g、10.6mmol)を加えた後、3時間撹拌した。反応液に8質量%塩化水素水溶液(6.0g)を加えた後、塩化メチレン(26.6g)で希釈し分液した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(15.0g)で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OSBCS(0.62g、収率80%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;720.8(M+H)+
ii)H-Phe-Phe-Phe-OSBCS(0.45g、0.63mmol)を塩化メチレン(4.2g)に溶解させ、氷冷下でBoc-Phe-OH(0.18g、0.69mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.13g、0.69mmol)を加えて20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(13.3g)、水(10.6g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15.3g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(8.0g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCS(0.58g、収率96%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;967.7(M+H)+
【0219】
合成例65:Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCSの合成
【化84】

(i)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCS(0.58g、0.60mmol)を塩化メチレン(4.0g)に溶解させ、氷冷下で15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(4.5g、18.0mmol)を加えた後、20分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、得られた反応液を濃縮し、トルエン(6.0g)で2回共沸することでH-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCS塩酸塩(0.58g)を粗生成物として得た。
MASS(ESI+)m/z;867.6(M+H-HCl)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCS塩酸塩(0.10g)を塩化メチレン(0.7g)とN,N-ジメチルホルムアミド(0.5g)に溶解させ、氷冷下でCbz-Phe-OH(0.036g、0.12mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.046g、0.12mmol),N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.029g、0.22mmol)を加えて30分間撹拌した。室温に戻して更に1時間撹拌した後、塩化メチレン(11.8g)、8質量%塩化水素水溶液(6.1g)を加えて分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(12.0g)、飽和塩化ナトリウム水溶液(9.7g)の順で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Phe-Phe-Phe-OSBCS(0.12g、2工程収率96%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1148.8(M+H)+
【0220】
合成例66:H-Phe-OSi(tBu) の合成
【化85】

(i) トリ-tert-ブチルシラン(0.24g、1.2mmol)を塩化メチレン(4.0g)と混合させ、0℃に冷却して、トリフルオロメタンスルホン酸(0.20g、1.3mmol)を滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を0℃に冷却して、Cbz-Phe-OH(0.40g、1.3mmol)とイミダゾール(0.14g、2.1mmol)の塩化メチレン(2.0g)溶液を滴下した後、40℃で15時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液(2mL)、水(2mL)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(0.17g、収率28%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;498.4(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-OSi(tBu)(0.16g、0.32mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(3.2g)と混合させ、10質量%Pd-C(48mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で4時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Phe-OSi(tBu)(0.12g、収率100%)を淡褐色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;364.4(M+H)+
【0221】
合成例67:Boc-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu) の合成
【化86】

(i)H-Phe-OSi(tBu)(120mg、0.33mmol)、Cbz-Val-Pro-OH(138mg、0.40mmol)を塩化メチレン(2.4g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(76mg、0.40mmol)を加えて2時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(3mL)で希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液(2mL)を加え分液し、水層を再度クロロホルムで抽出した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(218mg、収率95%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;694.6(M+H)+
(ii)Cbz-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(0.19g、0.27mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(3.8g)と混合させ、10質量%Pd-C(57mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で3時間攪拌した。更に10質量%Pd-C(19mg)を加えた後、室温で17時間攪拌した。反応液をろ過した後、得られたろ液を濃縮し、H-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(153mg、収率100%)を褐色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;560.5(M+H)+
(iii)H-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(138mg、0.25mmol)、Boc-Ala-OH(56mg、0.30mmol)を塩化メチレン(1.4g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(57mg、0.30mmol)を加えて1.5時間攪拌した。更に、Boc-Ala-OH(19mg、0.10mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19mg、0.10mmol)を加え、7時間撹拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(153mg、収率85%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;731.6(M+H)+
【0222】
合成例68:H-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu) の合成
【化87】

(i)Boc-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(120mg、0.16mmol)を塩化メチレン(2.4g)と混合し、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(1.2g)を加えた後、室温で23時間攪拌した。得られた反応液を濃縮し、H-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)塩酸塩(107mg、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;631(M+H)+
(ii)H-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)塩酸塩(107mg、0.15mmol)、Fmoc-Phe-OH(69mg、0.18mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(25mg、0.19mmol)を塩化メチレン(1.4g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(34mg、0.18mmol)を加えて室温で2時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(146mg、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1000(M+H)+
(iii)Fmoc-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(130mg、0.13mmol)を塩化メチレン(2.0g)と混合させ、0℃に冷却して、ジエチルアミン(0.19g、2.6mmol)を加えた後、室温で3時間、35℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、塩化メチレンで希釈し、10質量%塩化アンモニウム水溶液(2mL)、水の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(97mg、収率97%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;778(M+H)+
【0223】
合成例69:Cbz-Phe-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OHの合成
【化88】

(i)H-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(90mg、0.12mmol)、Cbz-Phe-OH(42mg、0.14mmol)を塩化メチレン(1.8g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(27mg、0.14mmol)を加えて、室温で0.5時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(109mg、収率89%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;1059.7(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OSi(tBu)(55mg、0.052mmol)をメタノール(0.28g)、テトラヒドロフラン(0.83g)と混合させ、0℃でフッ化カリウム(6.0mg、0.10mmol)を加えた後、30℃で22時間攪拌した。フッ化カリウム(12mg、0.20mmol)とメタノール(1mL)加え、更に30℃で4時間撹拌した。得られた反応液を濃縮後、クロロホルムで希釈し、5質量%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-Ala-Val-Pro-Phe-OH(39mg、収率88%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;861.5(M+H)+
【0224】
合成例70:H-Phe-OSi(tBu) (CH TMS)の合成
【化89】

(i) マグネシウム(0.17g、7.0mmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に、ヨウ素(10mg)とジブロモエタン(10μL)を加えた後、30℃で(クロロメチル)トリメチルシラン(0.86g、7.0mmol)を滴下し、65℃で2時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、ジ-tert-ブチルクロロシラン(0.25g、1.4mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に滴下し、65℃で5時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、ヘキサンで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%塩化ナトリウム水溶液の順で分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジ-tert-ブチルシリルメチルトリメチルシラン(0.24g、収率37%)を無色液体として得た。
H-NMR(CDCl
δppm:-0.34(2H,d,J=3.0Hz),0.07(9H,s),0.98(18H,s),3.42(1H,m)
(ii)ジ-tert-ブチルシリルメチルトリメチルシラン(0.17g、0.74mmol)、ジクロロメタン(2.0g)を混合させ、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸(0.11g、0.73mmol)を滴下し、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を0℃に冷却した後、Cbz-Phe-OH(0.20g、0.67mmol)とイミダゾール(91mg、1.3mmol)の塩化メチレン(2.0g)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈し、10質量%塩化アンモニウム水溶液(2mL)、5質量%炭酸水素ナトリウム(2mL)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(0.10g、収率29%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;528.4(M+H)+
(iii)Cbz-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(95mg、0.18mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(1.9g)に溶解させ、10質量%Pd-C(29mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、30℃で5時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(71mg、収率100%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;394.4(M+H)+
【0225】
合成例71:Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (CH TMS)の合成
【化90】

(i)H-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(71mg、0.18mmol)、Cbz-Phe-OH(65mg、0.22mmol)を塩化メチレン(1.4g)と混合させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(42mg、0.22mmol)を加えて0.5時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルム(3mL)で希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液(2mL)、5質量%炭酸水素水ナトリウム溶液(2mL)の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(97mg、収率80%)を無色液体として得た。
MASS(ESI+)m/z;675.5(M+H)+
(ii)Cbz-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(81mg、0.12mmol)を2,2,2-トリフルオロエタノール(1.6g)に溶解させ、10質量%Pd-C(24mg)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で4時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮後、H-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(65mg、収率100%)を褐色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;541.4(M+H)+
(iii)、H-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(65mg、0.12mmol)、Fmoc-Phe-OH(56mg、0.14mmol)を塩化メチレン(1.3g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(28mg、0.15mmol)を加えて30分攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、10質量%塩化アンモニウム水溶液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(99mg、収率100%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;822.5(M+H)+
【0226】
合成例72:H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu) (CH TMS)の合成
【化91】

(i)Fmoc-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(99mg、0.12mmol)を塩化メチレン(2.0g)と混合させ、ジエチルアミン(0.18g、2.5mmol)を室温で加えた後、40℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、クロロホルムで希釈し、10質量%塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて分液した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(74mg、収率89%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;688.5(M+H)+
(ii)H-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(55mg、0.08mmol)、Boc-Phe-OH(25mg、0.094mmol)を塩化メチレン(1.1g)に溶解させ、氷冷下で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19mg、0.099mmol)を加えて30分攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(74mg、収率99%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;935.7(M+H)+
(iii)Boc-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(74mg、0.079mmol)を塩化メチレン(1.5g)に溶解させ、氷冷下、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(0.74g)を加えた後、室温で4時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムで希釈した後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、H-Phe-Phe-Phe-Phe-OSi(tBu)(CHTMS)(65mg、収率98%)を白色固体として得た。
MASS(ESI+)m/z;835.6(M+H)+
【0227】
試験例1:シリル化剤の違いによる、C末端の保護反応の比較
【化92】
【0228】
[試験化合物]
シリル化剤には、トリメチルシリルクロライド(TMS-Cl)、t-ブチルジメチルシリルクロライド(TBS-Cl)、ジ-t-ブチルイソブチルシリルトリフラート(BIBS-OTf)を使用した。
N-保護アミノ酸には、市販のBoc-Phe-OH、Fmoc-Phe-OH、Cbz-Phe-OHを使用した。
【0229】
[試験方法]
N-保護アミノ酸、イミダゾール(1.5当量)を塩化メチレン(20質量倍)と混合させ、0℃に冷却して、シリル化剤(1.2当量)を滴下した後、室温で3時間攪拌した。得られた反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄し、得られた有機層を濃縮後、H-NMR及びLC-MSにて目的物(粗物)の生成の有無を確認した。更に、実施可能な化合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0230】
[試験結果]
TMS-Clを使用した場合には、いずれのN-保護アミノ酸においても、目的物の生成を確認できなかった。また、TBS-Clを用いた場合には、いずれのN-保護アミノ酸においても、粗物で目的物の生成を確認できたが、続くシリカゲルカラムクロマトグラフィーで目的物が分解した。一方、BIBS-OTfを使用した場合には、いずれのN-保護アミノ酸において、目的物を収率良く得ることができた。
【0231】
【表1】
【0232】
【表2】
【0233】
【表3】
【0234】
Boc-Phe-OTBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.25(3H,s),0.26(3H,s),0.91(9H,s),1.42(9H,s),3.03-3.17(2H,m),4.52-4.58(1H,m),4.98(1H,d,J=8.1Hz),7.13-7.31(10H,m)
MASS(ESI+)m/z;380.22(M+H)+
【0235】
Boc-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.86(2H,d,J=6.6Hz),0.96(3H,d,J=6.6Hz),0.97(3H,d,J=6.6Hz),1.04(9H,s),1.05(9H,s),1.38(9H,s),1.94-2.07(1H,m),2.98(1H,dd,J=7.4,14.0Hz),3.22(1H,dd,J=5.5,14.0Hz),4.53-4.60(1H,m),4.93(1H,d,J=8.5Hz),7.18-7.31(10H,m)
MASS(ESI+)m/z;464.31(M+H)+
【0236】
Cbz-Phe-OTBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.25(3H,s),0.26(3H,s),0.90(9H,s),3.01-3.20(2H,m),4.59-4.66(1H,m),5.09(2H,d,J=2.9Hz),5.22(1H,d,J=8.1Hz),7.10-7.39(10H,m)
MASS(ESI+)m/z;414.3(M+H)+
【0237】
Cbz-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.87(2H,d,J=6.6Hz),0.96(3H,d,J=6.6Hz),0.97(3H,d,J=6.3Hz),1.04(9H,s),1.05(9H,s),1.94-2.01(1H,m),3.01(1H,dd,J=7.4,14.0Hz),3.25(1H,dd,J=5.2,14.0Hz),4.60-4.65(1H,m),5.06(2H,d,J=2.9Hz),5.15(1H,d,J=8.5Hz),7.15-7.37(10H,m)
MASS(ESI+)m/z;498.5(M+H)+
【0238】
Fmoc-Phe-OTBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.27(3H,s),0.27(3H,s),0.92(9H,s),3.01-3.22(2H,m),4.21(1H,t,J=7.0Hz),4.31(1H,dd,J=7.0,10.3Hz),4.44(1H,dd,J=7.0,10.3Hz),4.61-4.68(1H,m),5.27(1H,d,J=8.1Hz),7.12(2H,dd,J=1.8、7.7Hz),7.24-7.33(5H,m),7.40(2H,t,J=7.4Hz),7.57(2H,dd,J=3.7、7.4Hz),7.76(2H,d,J=7.7Hz)
MASS(ESI+)m/z;502.3(M+H)+
【0239】
Fmoc-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.87(2H,d,J=6.6Hz),0.97(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,d,J=6.6Hz),1.05(9H,s),1.06(9H,s),1.95-2.08(1H,m),3.04(1H,dd,J=7.0,14.0Hz),3.29(1H,dd,J=5.5,14.0Hz),4.18(1H,t,J=7.0Hz),4.26(1H,dd,J=7.4,10.3Hz),4.39(1H,dd,J=7.4,10.3Hz),4.61-4.68(1H,m),5.23(1H,d,J=8.1Hz),7.18-7.31(7H,m),7.39(2H,t,J=7.4Hz),7.53(2H,t,J=7.0Hz),7.75(2H,d,J=7.0Hz)
MASS(ESI+)m/z;586.4(M+H)+
【0240】
試験例2:シリル系保護基の違いによる、N末端保護基の脱保護反応の比較
【化93】
【0241】
[試験化合物]
試験例1で合成した保護アミノ酸(Boc-Phe-OTBS、Boc-Phe-OBIBS、Cbz-Phe-OTBS、Cbz-Phe-OBIBS、Fmoc-Phe-OTBS、Fmoc-Phe-OBIBS)を、試験化合物として使用した。
【0242】
[試験方法1:Boc基の脱保護反応]
Boc-Phe-OTBS、Boc-Phe-OBIBSを、それぞれ塩化メチレン(20質量倍)と混合させ、0℃に冷却して、15質量%塩化水素-1,4-ジオキサン(10質量倍)を加えた後、室温で5-7時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液、水で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、H-NMR及びLC-MSで目的物の生成の有無を確認した。
【0243】
[試験結果1]
Boc-Phe-OTBSでは、目的物の生成を確認できなかった。一方、Boc-Phe-OBIBSでは、目的物が収率良く得られた。
【0244】
【表4】
【0245】
H-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.89(2H,d,J=7.7Hz),0.99(6H,d,J=6.6Hz),1.07(9H,s),1.07(9H,s),1.98-2.11(1H,m),2.74(1H,dd,J=9.2,13.3Hz),3.24(1H,dd,J=4.4,13.6Hz),3.71(1H,dd,J=4.4,9.2Hz),7.19-7.34(5H,m)
MASS(ESI+)m/z;364.3(M+H)+
【0246】
[試験方法2:Cbz基の脱保護反応]
Cbz-Phe-OTBS、Cbz-Phe-OBIBSを、それぞれ2,2,2-トリフルオロエタノール(20質量倍)と混合させ、10質量%Pd-C(0.2質量倍)を加えた後、水素ガス雰囲気下、室温で24時間攪拌した。反応液をろ過し、得られたろ液を濃縮後、H-NMR及びLC-MSで目的物の生成の有無を確認した。
【0247】
[試験結果2]
Cbz-Phe-OTBSでは、目的物の生成を確認できなかった。一方、Cbz-Phe-OBIBSでは、目的物が収率良く得られた。
【0248】
【表5】
【0249】
なお、試験結果2におけるH-Phe-OBIBSのH-NMR及びLC-MSは、試験結果1のH-NMR及びLC-MSと一致した。
【0250】
[試験方法3:Fmoc基の脱保護反応]
Fmoc-Phe-OTBS、Fmoc-Phe-OBIBSを、それぞれ塩化メチレン(20質量倍)と混合させ、0℃に冷却して、ジエチルアミン(15質量倍)を加えた後、室温で5-7時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-NMR及びLC-MSで目的物の生成の有無を確認した。
【0251】
[試験結果3]
Fmoc-Phe-OTBSでは、目的物の生成を確認できなかった。一方、Fmoc-Phe-OBIBSでは、目的物が収率良く得られた。
【0252】
【表6】
【0253】
なお、試験結果3におけるH-Phe-OBIBSのH-NMR及びLC-MSは、試験結果1のH-NMR及びLC-MSと一致した。
【0254】
試験例3:各N-保護アミノ酸とH-Phe-OBIBSの縮合工程の比較
【化94】
【0255】
[試験化合物]
試験例2で合成したH-Phe-OBIBS、及びN-保護アミノ酸(Boc-Phe-OH、Fmoc-Phe-OH、Cbz-Phe-OH)を使用した。
【0256】
[試験方法]
H-Phe-OBIBS、各N-保護アミノ酸(1.2当量)を塩化メチレン(20質量倍)と混合させ、0℃に冷却して、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.2当量)を加えて3時間攪拌した。得られた反応液を、クロロホルムで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水の順で洗浄した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、H-NMR及びLC-MSで目的物の生成の有無を確認した。
【0257】
[試験結果]
各N-保護アミノ酸において、目的物が収率良く得られた。
【0258】
【表7】
【0259】
Boc-Phe-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.85(2H,d,J=6.6Hz),0.97(6H,d,J=6.6Hz),1.03(9H,s),1.04(9H,s),1.39(9H,s),1.93-2.06(1H,m),2.96-3.09(3H,m),3.22(1H,dd,J=5.5,14.0Hz),4.28-4.34(1H,m),4.72-4.79(1H,m),4.86(1H,brs),6.34(1H,d,d=8.5Hz),7.05-7.08(2H,m),7.14-7.29(8H,m)
MASS(ESI+)m/z;611.38(M+H)+
【0260】
Cbz-Phe-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.86(2H,d,J=6.6Hz),0.97(6H,d,J=6.3Hz),1.04(9H,s),1.05(9H,s),1.94-2.07(1H,m),2.92-3.01(3H,m),3.23(1H,dd,J=5.5,14.0Hz),4.35-4.42(1H,m),4.72-4.79(1H,m),5.06(1H,s),5.14(1H,d,d=7.4Hz),6.28(1H,d,J=7.4Hz),7.03-7.38(15H,m)
MASS(ESI+)m/z;645.5(M+H)+
【0261】
Fmoc-Phe-Phe-OBIBS
H-NMR(CDCl
δppm:0.86(2H,d,J=6.7Hz),0.97(6H,d,J=6.4Hz),1.04(9H,s),1.05(9H,s),1.93-2.04(1H,m),2.92-3.05(3H,m),3.23(1H,dd,J=5.5,14.1Hz),4.17(1H,t,J=7.0Hz),4.28(1H,m),4.38(1H,m),4.43(dd,J=6.7,10.4Hz),4.75(1H,dd,J=7.0,13.2Hz),5.15(1H,d,J=8.0Hz),6.24(1H,d,J=7.0Hz),7.01-7.04(2H,m),7.13-7.33(10H,m),7.40(2H,t,J=7.7Hz),7.45-7.54(2H,m),7.77(2H,d,J=7.7Hz)
MASS(ESI+)m/z;733.6(M+H)+
【産業上の利用可能性】
【0262】
本発明により、ペプチドの高効率な製造方法を提供することができる。