(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】CNS状態の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4545 20060101AFI20221219BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221219BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221219BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20221219BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20221219BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61K9/14
A61K9/20
A61K47/38
A61P25/08
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020511399
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2018032949
(87)【国際公開番号】W WO2019045121
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-18
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】西 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】近藤 伸一
【審査官】伊藤 良子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-528904(JP,A)
【文献】国際公開第2014/163161(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/092100(WO,A1)
【文献】Takeda,Takeda and Ovid Therapeutics Announce Innovative Clinical Development and Commercialization Collaboration for TAK-935 in Rare Pediatric Epilepsies,2017年01月18日,https://www.takeda.com/newsroom/newsreleases/2017/Takeda-and-Ovid-Therapeutics-Announce-Innovative-Clinical-Development-and-Commercialization/
【文献】Study of TAK-935 as an Adjunctive Therapy in Participants With developmental and/or Epileptic Encephalopathies,Clinical Trials.gov archive,2017年08月28日,NCT03166215
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 25/00-25/36
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する、
哺乳動物におけるてんかん性脳症の治療用医薬組成物。
【請求項2】
(i
)けいれん発作もしくは転倒発作の頻度を減少、および/または(ii
)血漿24HCレベルを減少させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
経口投与用である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
てんかん性脳症が、ドラベ症候群、早期ミオクロニー脳症、ランドウ・クレフナー症候群以外の徐波睡眠時持続性棘徐波を示すてんかん、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、視床下部てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、レノックス・ガストー症候群、ドゥーズ症候群、非進行性脳症におけるミオクロニー状態、大田原症候群または早期幼児てんかん性脳症、ウェスト症候群、グリシン脳症、15q重複症候群および結節性硬化症ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX, KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2AおよびGRIN2Bの変異を伴う発作の群より選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
てんかん性脳症が、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群、結節性硬化症ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX、KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2AおよびGRIN2Bの変異を伴う発作の群より選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
てんかん性脳症が、ドラベ症候群である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
てんかん性脳症が、レノックス・ガストー症候群である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
てんかん性脳症が、15q重複症候群である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
てんかん性脳症が、サイクリン依存性キナーゼ様5の変異を伴う発作である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、単回単位用量として経口投与されることを特徴とする、請求項
3に記載の医薬組成物。
【請求項11】
単回単位用量が、約100 mg以上、約800 mg以下である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
単回単位用量が、約100 mg、約150 mg、約200 mg、約300 mg、約400 mg、約600 mgおよび約800 mgからなる群より選ばれる、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
1日2回または1日1回経口投与される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
1日2回経口投与される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
約100 mg以上、約800 mg以下の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンを1日用量として、1日2回経口投与することを特徴とする、請求項
3に記載の医薬組成物。
【請求項16】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンが、1日2回約50 mg、1日2回約100 mg、1日2回約200 mg、1日2回約300 mgおよび1日2回約400 mgからなる群より選ばれる用法に従って経口投与される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンが、1日2回約400 mgの用法に従って経口投与される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
ヒト用である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
成人用、年少者用、子供用、または幼児用である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
1種以上の追加の抗てんかん薬を含有する追加の組成物とともに投与されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
追加の抗てんかん薬が、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、フェンフルラミン、ビガバトリン、およびゾニサミドからなる群より選ばれる、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
1種以上の追加の抗てんかん薬および薬学的に許容可能な担体をさらに含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項23】
追加の抗てんかん薬が、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム,ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、およびゾニサミドの群より選ばれる、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
錠剤の形態である、請求項3に記載の医薬組成物であって、
内部顆粒として、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩、微結晶性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含有する、医薬組成物。
【請求項25】
外部顆粒として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムをさらに含有する、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
コーティング層をさらに有する、請求項25に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の治療方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
用語てんかん性脳症は、てんかん症候群の異質グループであり、ここでてんかん性活動それ自体、原因となる病状のみ(例、皮質奇形)から予想され得る以上の重篤な認知機能障害および行動障害に寄与し得、そして経時的に悪化し得る。これらの障害は、一般的に幼年期および青年期において診断され、それらの病因、発作型、脳波像、認知障害、および予後が異なるが、一貫しかつ顕著な神経発達に対する影響を共有する。
【0003】
特許文献1は、以下に式(I)として示される、優れたCH24H阻害作用を有する化合物、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンを記載する:
式(I)
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の優れた治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の新規な治療方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下を提供する:
[1]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の治療方法。
[2]てんかん性脳症が、ドラベ症候群(DS)、早期ミオクロニー脳症、徐波睡眠時持続性棘徐波を示すてんかん(ランドウ・クレフナー症候群以外)、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、視床下部てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、ドゥーズ症候群(ミオクロニー失立発作)、非進行性脳症におけるミオクロニー状態、大田原症候群または早期幼児てんかん性脳症、ウェスト症候群、グリシン脳症、15q重複症候群(Dup 15q)および結節性硬化症(TSC)ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX、KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2AおよびGRIN2Bの変異を伴う発作の群より選ばれる、上記[1]の方法。
[3]てんかん性脳症が、ドラベ症候群(DS)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、結節性硬化症(TSC)ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX、KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2AおよびGRIN2Bの変異を伴う発作の群より選ばれる、上記[1]の方法。
[4]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の投与が、(i)哺乳動物における発作の頻度の減少および/または(ii)哺乳動物における血漿24HCレベルの減少を生じる、上記[1]~[3]のいずれかの方法。
[5]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、経口投与される、上記[1]~[4]のいずれかの方法。
[6]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、単回単位用量として投与される、上記[1]~[5]のいずれかの方法。
[7]単回単位用量が、少なくとも約0.8 mg/kgである、上記[6]の方法。
[8]単回単位用量が、約2 mg/kgと約12 mg/kgとの間である、上記[6]または[7]の方法。
[9]単回単位用量が、約0.8mg/kg、約2 mg/kg、約3 mg/kg、約3.33 mg/kg、約4 mg/kg、約5 mg/kg、約6 mg/kg、約10 mg/kg、および約12 mg/kgからなるより選ばれる、上記[6]~[8]のいずれかの方法。
[10]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、1日2回(BID)または1日1回(QD)の投薬のいずれかの用法に従って投与される、上記[1]~[9]のいずれかの方法。
[11]哺乳動物が、ヒトである、上記[1]~[10]のいずれかの方法。
[12]ヒトが、成人(18歳以上)、年少者(12歳と17歳との間、終点を含む)、子供(2歳と11歳との間、終点を含む)、幼児(1ヶ月と1歳との間、終点を含む)である、上記[11]の方法。
[13]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、単回単位用量として投与される、上記[11]または[12]の方法。
[14]単回単位用量が、約1350 mg未満である、上記[13]の方法。
[15]単回単位用量が、約50 mgと約800 mgとの間である、上記[13]または[14]の方法。
[16]単回単位用量が、約100 mgと約800 mgとの間である、上記[13]~[15]のいずれかの方法。
[17]単回単位用量が、約100 mg、約150 mg、約200 mg、約300 mg、約400 mg、約600 mgおよび約800 mgからなる群より選ばれる、上記[13]~[16]のいずれかの方法。
[18]有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩が、1日2回投与される、上記[11]の方法。
[19](4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンが、約100 mgと約800 mgとの間の1日用量で投与される、上記[18]の方法。
[20](4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンが、1日2回約50 mg、1日2回約100 mg、1日2回約200 mg、1日2回約300 mgおよび1日2回約400 mgからなる群より選ばれる用法に従って投与される、上記[18]または[19]の方法。
[21](4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンが、1日2回約400 mgの用法に従って投与される、上記[18]~[20]のいずれかの方法。
[22]有効量の追加の抗てんかん薬を含有する追加の組成物を投与することをさらに含む、上記[1]~[21]のいずれかの方法。
[23]追加の抗てんかん薬が、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、フェンフルラミン、ビガバトリン、およびゾニサミドからなる群より選ばれる、上記[22]の方法。
[24]組成物が、1種以上の追加の抗てんかん薬および薬学的に許容可能な担体をさらに含有する、上記[1]~[21]のいずれかの方法。
[25]追加の抗てんかん薬が、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム,ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、およびゾニサミドの群より選ばれる、上記[24]の方法。
[26]てんかん性脳症を治療するための、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物。
[27]てんかん性脳症の治療に使用するための、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩。
【発明の効果】
【0009】
有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物は、てんかん性脳症の予防または治療に有用である。本発明によれば、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の優れた治療方法が提供され得る。
(発明の詳細な説明)
【0010】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0011】
本発明の局面は、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の治療方法に関する。
【0012】
いくつかの実施態様において、てんかん性脳症は、ドラベ症候群(DS、幼年期における重篤なミオクローヌスてんかん)、早期ミオクロニー脳症、徐波睡眠時持続性棘徐波を示すてんかん(ランドウ・クレフナー症候群以外)、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、視床下部(笑い)てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、ドゥーズ症候群(ミオクロニー失立発作)、非進行性脳症におけるミオクロニー状態、大田原症候群または早期幼児てんかん性脳症、ウェスト症候群、グリシン脳症、15q重複症候群(Dup15q)および結節性硬化症(TSC)ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX、KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2A、GRIN2B、GRIN2D、CACNA1A、GABABRA1、GABRB1、GABRB2、GABRB3、GABRG2、ATP1A2、SLC2A1、SLC6A1、STXBP1およびSYNGAP1の変異を伴う発作の群より選ばれる。
【0013】
いくつかの実施態様において、てんかん性脳症は、ドラベ症候群(DS)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、および結節性硬化症(TSC)の群より選ばれる。
【0014】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の投与は、(i)哺乳動物における発作の頻度の減少および/または(ii)哺乳動物における血漿24HCレベルの減少を生じる。
【0015】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。
【0016】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、任意選択的に、少なくとも約0.8 mg/kg、約2 mg/kgと約12 mg/kgとの間、約2 mg/kg、約3 mg/kg、約3.33 mg/kg、約4 mg/kg、約5 mg/kg、約6 mg/kg、約10 mg/kg、または約12 mg/kgの単回単位用量として投与される。
【0017】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日用量として、1日2回(BID)約50 mg、約100 mg BID、約200 mg BIDまたは約300 mg BIDの間で投与される。
【0018】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回(BID)または1日1回(QD)投薬のいずれかの用法に従って投与される。
【0019】
いくつかの実施態様において、哺乳動物はヒトであり、任意選択的に、成人(18歳以上)、年少者(12歳と17歳との間、終点を含む)、子供(2歳と11歳との間、終点を含む)、幼児(1ヶ月と1歳との間、終点を含む)である。さらなる実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、任意選択的に、約1350 mg未満、約50 mgと約800 mgとの間、(好ましくは約100 mgと約800 mgとの間)、約50 mg、約100 mg、約150 mg、約200 mg、約300 mg、約400 mg、約600 mgまたは約800 mgの単回単位用量として投与される。
【0020】
いくつかの実施態様において、哺乳動物はヒトであり、任意選択的に、成人(18歳以上)、年少者(12歳と17歳との間、終点を含む)、子供(2歳と11歳との間、終点を含む)、または幼児(1ヶ月と1歳との間、終点を含む)である。さらなる実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、任意選択的に、約50 mg BID、100 mg BID、200 mg BID、300 mg BID、または400 mg BID(好ましくは300 mg BIDまたは400 mg BID)で1日2回投与される。
【0021】
いくつかの実施態様において、本方法は、有効量の追加の抗てんかん薬、任意選択的に、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、ゾニサミド、エベロリムス、アロプレグナロン、セノバメート、塩酸フェンフルラミン、ガナキソロン、免疫グロブリン(ヒト)、ADX-71149、アルプラゾラム、アタルレン、塩酸{えんさん}ブスピロン、カンナビジバリン、DP-VPA、塩酸ナルゾタン、PF-06372865、BM-MSCs(自己移植)、CPP-115、E-2730、フペルジンA、ラジプロジル、SAGE-217、SAGE-516、[11C]UCB-J、AN2/AVex-73、AVL-5189、アルファ1-24コルチコトロピン、CUR-1916、LY-3130481、MP-101、塩酸{えんさん}メトホルミン、SAGE-689、SF-0034またはTRP-005を含有する追加の組成物を投与することをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施態様において、組成物は、1種以上の追加の抗てんかん薬、任意選択的に、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、またはゾニサミド、および薬学的に許容可能な担体、任意選択的に、賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、可溶化剤、懸濁剤、等張剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、抗酸化剤、着色剤、および甘味剤をさらに含有する。
【0023】
異常コレステロール代謝は、てんかん障害/症候群に関与する。脳において、コレステロールは、コレステロール24-ヒドロキシラーゼ(CH24H)(これは、ニューロンにおいて特異的かつ構成的に発現される)によって24S-ヒドロキシコレステロール(24HC)に代謝される。24HCは、リポタンパク質を介して脳から離れ、そして胆汁中に排泄される。
【0024】
正常状態下、細胞外グルタミン酸は、星状膠細胞の細胞膜中に脂質ラフト構造を効率的に保持するのに十分なコレステロールレベルを必要とする近接する星状膠細胞上にグルタミン酸輸送体によって隔離される。中枢神経系(CNS)が損傷すると、CH24Hは反応性星状膠細胞およびミクログリアにおいて誘導される。これは、星状細胞グルタミン酸恒常性の崩壊および細胞外グルタミン酸レベルの大きな増加を引き起こす。CH24H酵素は、原形質膜脂質ラフトの完全性に必須のコレステロールを24HCに変換するので、24HCの血中濃度は増加し、そしてさらに原因となる病態生理学的過程に寄与し得る。過剰の細胞外グルタミン酸および24HCレベルは、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体チャネルの持続的活性化を介してまたは受容体のポジティブアロステリックモジュレーターとしてのいずれかで興奮毒性において主要な役割を果たすと考えられる。これらの過程は、てんかん障害において観察される亢進されたグルタミン酸作動性{さん さどう せい}活性への寄与において等しく重要であり得る。遺伝子の差次的発現および/または神経可塑性の変化などの神経化学過程は、子供において成人とは異なる速度で生じる。この変化速度は、発作に遺伝的にかかりやすい子供においてさらなる非特異的な危険性を示し得る。例えば、24HCのレベルは、成人と比較した場合、小さな子供において3倍まで高くあり得る;従って、子供の脳における24HCの増加したレベルが稀なてんかん症候群において観察される、より重篤なけいれんに関係している可能性がある。
式(I)として以下に示される化合物(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンは、US特許第8,648,079号に記載されている:
式(I)
【0025】
【0026】
式(I)の化合物は、CH24H阻害剤である。
この開示の局面は、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット;好ましくはヒト)におけるてんかん性脳症の治療方法に関する。
【0027】
いくつかの実施態様において、てんかん性脳症は、ドラベ症候群(DS、幼年期における重篤なミオクローヌスてんかん)、早期ミオクロニー脳症(ドゥーズ症候群)、徐波睡眠時持続性棘徐波を示すてんかん(ランドウ・クレフナー症候群以外)、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、視床下部(笑い)てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、ドゥーズ症候群(ミオクロニー失立発作)、非進行性脳症におけるミオクロニー状態、大田原症候群または早期幼児てんかん性脳症、ウェスト症候群、グリシン脳症、15q重複症候群(Dup15q)および結節性硬化症(TSC)、ならびにCHD2、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、SCN1A、SCN2A、SCN8A、ARX、KCNA1、KCNA2、KCNT1、KCNQ2、HCN1、PCDH19、GRIN1、GRIN2AおよびGRIN2Bの変異を伴う発作の群より選ばれる。
【0028】
いくつかの実施態様において、てんかん性脳症は、また、発達性およびてんかん性脳症を意味する。
【0029】
いくつかの実施態様において、てんかん性脳症は、ドラベ症候群(DS)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、および結節性硬化症(TSC)の群より選ばれる。
【0030】
本明細書中で使用される用語「治療」は、標的症状に関連する症状または標的症状の原因の予防、軽減、および/または完全解消および/または状態の重篤度の低下を含む。
【0031】
本明細書中で使用される用語「有効量」は、特定の生物学的効果を首尾よく達成するのに有効な量を意図する。本件において、有効量は、てんかん性脳症を治療するのに有効な量である。適切な有効量は、単回投与剤型および/または用法を決定するための当該分野で周知の方法に従って決定され得る。
【0032】
いくつかの実施態様において、本組成物中の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の含有量は、約10%(w/w)から約100%(w/w)まで変化し得る。従って、本組成物は、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩そのものであり得る。
【0033】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の投与は、(i)哺乳動物における発作の頻度の減少および/または(ii)哺乳動物における血漿24HCレベルの減少を生じる。
【0034】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日2回(BID)または1日1回(QD)投薬のいずれかの用法に従って投与される。
【0035】
この文脈における用語「単回単位用量」は、単回投与において提供される有効量をいう。クレームした方法における使用に適した単回単位用量の非限定的な例は、少なくとも約0.8 mg/kg、約2 mg/kgと約12 mg/kgとの間、約2 mg/kg、約3 mg/kg、約3.33 mg/kg、約4 mg/kg、約5 mg/kg、約6 mg/kg、約10 mg/kg、または約12 mg/kgを含む。
【0036】
この文脈における用語「用法」は、特定の継続時間にわたって固定した投与回数にわたって提供される有効量をいう。
【0037】
いくつかの実施態様において、哺乳動物はヒトであり、任意選択的に、成人(18歳以上)、年少者(12歳と17歳との間、終点を含む)、子供(2歳と11歳との間、終点を含む)、幼児(1ヶ月と1歳との間、終点を含む)である。単回単位用量は、治療される哺乳動物に合わせて調整され得ることが好まれる。例えば、ヒトについて、限定されない例示的な単回単位用量は、約1350 mg未満、約50 mgと約800 mgとの間(好ましくは約100 mgと約800 mgとの間)、約100 mg、約150 mg、約200 mg、約300 mg、約400 mg、約600 mgまたは約800 mgを含む。
【0038】
投与の適切な経路および用量およびそれらに適した処方は、当該分野で公知である。クレームした方法に関連する投与経路の限定されない例は、経口および非経口(例、局所、直腸、または静脈内)経路を含む。特定の投与経路に適した剤型の例は、錠剤(糖衣錠、フィルムコート錠、舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒、粉末、トローチ、シロップ、乳剤、懸濁剤、フィルム(例、口腔内崩壊フィルム)などの経口製剤;および注射液(例、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、点滴)などの非経口剤、外用剤(例、皮膚製剤、軟膏)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、点鼻剤、肺製剤(吸入)、点眼剤などを含む。任意選択的に、これらの製剤は、即時放出製剤または徐放製剤などの放出制御製剤(例、徐放マイクロカプセル)であり得る。
【0039】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。
【0040】
いくつかの実施態様において、本方法は、有効量の追加の抗てんかん薬を含有する追加の組成物を投与することをさらに含む。他の実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物は、1種以上の追加の抗てんかん薬をさらに含有する。
【0041】
追加の抗てんかん薬の非限定的な例は、アセタゾラミド、ブリバラセタム、ブロミド、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、酢酸エスリカルバゼピン、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトインナトリウム、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メチルフェノバルビタール、メトスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、およびゾニサミドを含む。
【0042】
いくつかの実施態様において、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含有する。
【0043】
本明細書中で使用される用語「薬学的に許容可能な担体」は、医薬組成物の処方において通常使用される1種以上の有機または無機担体物質を意図する。
【0044】
適切な薬学的に許容可能な担体は、当該分野で周知の方法によって決定され得、例えば、賦形剤、潤滑剤、結合剤および崩壊剤;溶剤、可溶化剤、懸濁剤、等張剤、緩衝剤、および無痛化剤;および/または保存剤、抗酸化剤、着色剤、および甘味剤などの製剤添加剤である。
【0045】
いくつかの実施態様において、薬学的に許容可能な担体は、賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、可溶化剤、懸濁剤、等張剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、抗酸化剤、着色剤、および甘味剤である。
【0046】
このような適切な薬学的に許容可能な担体の非限定的な例は:
賦形剤について:ラクトース、スクロース、D-マンニトール、D-ソルビトール、でんぷん、ゼラチン化でんぷん、デキストリン、結晶性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウムおよびアルミノメタケイ酸マグネシウム;
潤滑剤について:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクおよびコロイド状シリカ;
結合剤について:ゼラチン化でんぷん、スクロース、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、結晶性セルロース、スクロース、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン;
崩壊剤について:ラクトース、スクロース、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルでんぷん、軽質無水ケイ酸および低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;
溶剤について:水、生理食塩水、リンガー溶液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ごま油、とうもろこし油、オリーブ油および綿実油;
可溶化剤について:ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウム;
懸濁剤について:ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、アミノプロピオン酸ラウリル、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、およびモノステアリン酸グリセロールなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性ポリマー;ポリソルベート、およびポリオキシエチレンヒマシ硬化油;
等張剤について:塩化ナトリウム、グリセロール、D-マンニトール、D-ソルビトールおよびグルコース;
緩衝剤について:ホスフェート、アセテート、カーボネート、およびシトレート;
無痛化剤について:ベンジルアルコール;
保存剤について: p-オキシベンゾエート、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、およびソルビン酸;
抗酸化剤について:サルファイトおよびアスコルベート;
着色剤について:水性水溶性食用タール色素(例、着色料赤色2号および3号、着色料黄色4号および5号、着色料青色1号および2号などの着色料)、水不溶性レーキ色素(例、上記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、および天然色素(例、β-カロテン、クロロフィル、ベンガラ);および
甘味剤について:サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸2カリウム、アスパルテーム、およびステビアを含む。
【0047】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの代謝産物の例は、以下に示す化合物を含む:
【0048】
【0049】
本発明は、以下の実施例(しかしこれらに限定されない)によってさらに説明される。
【実施例】
【0050】
実施例1 - 安全性および有効性研究
【0051】
単一用量漸増(SRD)ファーストインヒューマン研究、単一用量陽電子放出断層撮影(PET)標的占有研究、複数回用量漸増(MRD)研究、および単一用量相対バイオアベイラビリティー(BA)および食事影響研究を含む4つの臨床研究を行った。
【0052】
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの薬物動態(PK)および薬力学(PD)をこれらの研究において特徴付けた。
【0053】
PET研究の結果は、血漿24HC濃度の用量依存的減少の臨床的証拠および用量および時間依存的であり、かつ血中24HC濃度に相関したPET占有測定を提供した。表1-1および1-2は安全性評価の結果を示す。
【0054】
【0055】
【0056】
深刻な治療前事象または治療後の有害事象は報告されなかった。
【0057】
これらの研究からの安全性結果は、1350 mg単回用量までの用量が健康な男性および女性被験者において一般的に安全でありかつ良好に許容されることを示す(表1-1および1-2)。
【0058】
さらなる安全性および許容性研究を行い、てんかん性脳症を有するヒト被験者における補助療法として(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの安全性、許容性、薬物動態(PK)、および薬力学(PD)を試験する。
【0059】
研究は、計数可能な運動発作(すなわち、過去3か月の間に1月当たり2回以上)を示す、ドラベ症候群(DS)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、および結節性硬化症(TSC)を含むがこれらに限定されないてんかん性脳症を有する18歳と65歳との間の成人被験者を試験する。
【0060】
研究は20人の被験者を含む。研究は、てんかん性脳症を有する患者における100mg、200mgおよび300mg BID用量対プラセボの安全性および許容性を試験する。有効性(患者または彼らの介護者により完成された毎日の発作日誌を用いた発作の計数)、PKおよび24HCレベルもまた、この研究において集める。
【0061】
スクリーニング訪問において、インフォームドコンセントおよび/または同意(該当する場合)を、被験者および/または被験者の法定代理人から得る。被験者は、スクリーニング手順を受けて、研究エントリー基準に従って研究適格性を評価される。このスクリーニング訪問および続く訪問において、被験者および/または被験者の介護者は、発作日誌を提供され、そしてベースラインから始まって研究の間ずっと毎日の発作データを記録するよう指示される。4週間の間に集められた発作日誌データは、エンドポイント分析のためのベースライン発作データとして用いられる。ベースライン血漿24HCレベルの測定のためのPD血液サンプル収集もまた、スクリーニング訪問において行う。4週ベースライン期間の発作日誌記録は、インフォームドコンセントが署名されたらすぐに始められ得る。4週ベースライン期間の終わりでかつ適格性の確認後、被験者は、無作為化のためにパート1における1日目にクリニックに戻る。被験者がスクリーニング/ベースライン期間の間に適格性基準を満たさない場合、被験者は研究から断絶される。
【0062】
研究は2つのパートからなる:
・ パート1は、3つの期間からなる無作為化二重盲検パートである:スクリーニング/ベースライン期間(4-6週)、増量期間(20日)、および維持期間(10日)。300 mg BIDの標的最終用量は20日の増量期間後に達する。
・ パート2は、4つの期間からなる非盲検継続パートである:増量期間(10日)、維持期間(44日)、段階的縮小期間(3-6日)および追跡期間(30日)。
【0063】
研究のパート1は、二重盲検法において発達性および/またはてんかん性脳症を有する成人被験者における安全性、許容性、PK、およびPDを調査するよう設計されている。(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの発作頻度に対する有効性は、予備的様式において調査される。4週ベースライン期間に1回以上の両側運動発作(転倒発作、強直間代性、強直性、両側間代性、無緊張性、ミオクロニー無緊張性、ミオクロニー強直間代性、運動過多性運動性特徴を有する焦点発作)を示す合計20人の成人被験者は、二重盲検治療期間の間に(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノン(n=16)またはマッチングプラセボ(n=4)を1日2回(BID)経口で30日間受けるよう1日目に無作為に割り当てられる。被験者はIP(治験薬)を開始する;1日目から10日目まで100 mg BIDで(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはプラセボ)。100 mg BID投薬を許容することができない被験者は、研究から外される。11日目、被験者はクリニックに戻り、そしてIP用量は200 mg BIDに増加される;この用量レベルは、11日目から20日目まで維持されるが、適用できる場合、研究者の判断に基づいておよび被験者の介護者と相談して200 mg BID用量を許容することができないかまたは安全性への懸念を示す被験者において100 mg BIDに減少される。21日目、被験者はクリニックに戻る;この訪問において、用量を200 mg BIDから300 mg BIDへ増加させることを進める前に、研究者は被験者の安全性データを再検討し、そして、被験者または被験者の法定代理人とベネフィット-リスク評価を議論し、そして、この用量レベルは、21日目から30日目まで維持される。用量は、上記のように、300 mg BID用量を許容することができないかまたは安全性への懸念を示す被験者において、200 mg BIDに減少され得る。用量をより低い用量レベルに減少された被験者は、二重盲検治療期間の終わりまでその用量レベルを続ける。
【0064】
それぞれの用量漸増または漸減の3日後、被験者は治験薬コンプライアンス、併用薬使用、およびAEsをモニターするために電話で連絡を受ける。用量のいかなる変化も、被験者の臨床チャートに記録され、そして被験者の介護者は、投薬カードにそれを書き留めるよう助言される。
【0065】
1日目、PK、PD、抗てんかん薬、および任意選択のPGx血液サンプルは、治験薬の午前の用量前に集められる。PKおよびPD血液サンプルもまた、1日目の午前の用量後1、3、および5時間で集められる。11日目および21日目、PKおよびPD血液サンプル(午前の用量前および午前の用量後約1時間)、抗てんかん薬血液サンプル(午前の用量前)、および発作日誌データが集められる。研究のパート2へと継続することを嫌う被験者は、必要に応じて用量漸減を含む最終訪問、続く30日の追跡期間に直接進む。
【0066】
研究のパート2は、非盲検方法において、てんかん性脳症を有する成人被験者における(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの安全性、許容性、PK、およびPDを調査するよう設計されている。パート1において二重盲検治療期間を完了した全ての被験者は、パート2における非盲検治療期間へと直接継続する選択肢を有する。幾人かの被験者は、プラセボを受けた後に、また、幾人かの被験者は、300 mg BIDまでの(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンを受けた後に、パート2に入り、そして盲検試験を維持し得るので、全ての被験者は、パート2の開始時に(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノン200 mg BIDを始める。31日目、被験者はクリニックに戻り、そして31日目から40日目まで(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノン200 mg BIDを受けるが、適用できる場合、研究者の判断に基づいて、および被験者の介護者と相談して、200 mg BID用量を許容することができないか、または安全性への懸念を示す被験者において、100 mg BIDに減少され得る。研究者の判断に基づいて、および被験者の介護者と相談して、100 mg BID用量を許容することができないか、または安全性への懸念を示す被験者は、研究から断絶される。41日目、被験者は、クリニックに戻り;この訪問において、用量を200 mg BIDから300 mg BIDへ増加させることを進める前に、研究者は被験者の安全性データを再検討し、そして、被験者または被験者の法定代理人とベネフィットリスク評価を議論し、そして、この用量レベルは、用量漸減期のための最終訪問まで維持される。被験者の用量は、臨床状態(すなわち、発作の増加)および研究者の判断に基づいて、41日目前に増加または減少され得る。この用量は、上記のように、300 mg BID用量を許容することができないか、または安全性への懸念を示す被験者において、200 mg BIDに減少され得る。用量をより低い用量レベルに減少された被験者は、用量漸減期のための最終訪問までその用量レベルを続ける。それぞれの用量漸増または漸減の3日後、被験者は治験薬コンプライアンス、併用薬使用、および副作用をモニターするために電話で連絡を受ける。用量のいかなる変化も、被験者の臨床チャートに記録され、そして、被験者の介護者は、投薬カードにそれを書き留めるよう助言される。
【0067】
31日目、PK、PD、抗てんかん薬、およびPGx(1日目に集められた場合)血液サンプルは、治験薬の午前の用量前に集められ、そして発作データもまた集められる。41日目、PK、PD、および抗てんかん薬血液サンプルは、治験薬の午前の用量前に集められ、そして発作データもまた集められる。
【0068】
85日目、被験者は最終訪問のためにクリニックに戻り、そして、3日または6日の漸減期に入る。この訪問において、PK、PD、および抗てんかん薬血液サンプルは、治験薬の午前の用量前に集められ、そして発作データもまた集められる。次いで、被験者は用量漸減期に入り、そして、以下に概要する適用可能な漸減投薬スケジュールに従うよう指示される:
・ 維持期の間の300 mg BIDの被験者について、用量は、3日間(85-87日目)で200 mg BIDまで漸減され、そして続いて3日間(88-90日目)で100 mg BIDまで漸減される。
・ 維持期の間の200 mg BIDの被験者について、用量は、3日間(85-87日目)で100 mg BIDまで漸減される。
・ 維持期の間の100 mg BIDの被験者について、漸減はなく、そして用量は、85日目に中止される。
【0069】
最後の用量直後は、91日目の追跡電話および121日目の追跡訪問からなる30日の追跡期間である。追跡訪問で、被験者は、PDおよびAED血液サンプル採集を含む研究手順のためにクリニックに戻る。
【0070】
パート1および2において、被験者は、用量前のPK、PD、抗てんかん薬、および任意選択のPGx血液サンプルの採集を容易にするために、予定された研究訪問の日に治験薬または併用抗てんかん薬の午前の用量を取らないよう指示される。治験薬および併用抗てんかん薬の午前の用量は、検査室サンプルを採集した後、これらの研究日にクリニックにおいて投与される。
【0071】
午前の時間の間に訪問に来ることができない被験者について、被験者が実行できるように、通常通り午前の用量を取り、そして、午後の時間の間に研究施設に来るよう指示されるべきである。クリニックにいる間、施設は、可能であれば、1-2時間空けて、2つのPKサンプルを得るよう試みるべきである。治験薬の最後の用量からの時間を、PKサンプルの採集時に、eCRFに記録しなければならない。
【0072】
発作データは、121日目の追跡訪問までスクリーニング/ベースライン期間を通してずっと、各被験者および/または被験者の介護人によって発作日誌に毎日記録され、そして各訪問において日誌から集められる。
【0073】
実施例2 前臨床発作モデルデータ
以下の実施例は、ドラベ症候群、発達性てんかん性脳症サブタイプのScn1aマウスモデル(Scn1a+/-マウス)のヘテロ欠損からのデータを提供する。ミオクローヌスおよび全身性強直間代性発作が観察され、これらはヒトにおける症状に関連する。それ故、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンを発作に対するその潜在的効果のために、Scn1a+/-マウスにおいて試験した。誕生後17-18日目に、マウスを離乳させ、そして制限食事または(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノン 0.02% (w/w)を含む食事のいずれかでの2週間の処置を始めた。自発性発作を継続的にモニターした。コントロール群について研究期間の間の発作がない割合は、23.9%であった。対照的に、(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンで処置した群について、研究期間の間の発作がない割合は、91.7%であった。これらの結果は、てんかん性脳症を治療するための(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンの使用を支持する。
【0074】
実施例3 ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群を有する小児患者2歳以上17歳以下)における研究
これは、スクリーニング(病歴情報に基づく)の直前3か月間の1月当たり3回以上のけいれん発作または4回以上の転倒発作および予想されるベースライン期間(発作日誌記録に基づく)の間の最低4週間の3回以上のけいれん発作または4回以上の転倒発作を示すドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群を有する小児患者(2歳以上17歳以下)における多施設無作為化二重盲検プラセボ制御並行群間研究である。けいれん発作は、全身性強直間代性発作、意識障害を伴う焦点発作から両側性強直間代性発作、非痙攣性発作および同時両側性間代性(全身性間代性)発作を含む。転倒発作は、発作またはひとしきりの発作(spell)の時点で患者の位置に依存して、落下、損傷、椅子へのもたれかかり、または表面へ頭部をぶつけることに至る、または落下または損傷に至り得た全身、胴体、または頭部を含むとして定義される。転倒を引き起こす発作の例は、無緊張発作、間代性発作、および強直性発作を含むが、これらに限定されない。
【0075】
約126人の患者は無作為化され、112人の評価可能患者を確保する。無作為化は、2つのカテゴリーによって階層化される:けいれん発作を有するドラベ症候群を有する患者および転倒発作を有するレノックス・ガストー症候群(LGS)を有する患者。階層化を行い、各階層内での治療のバランスを確保する。
【0076】
研究は、年齢に基づいて段階的登録で始める。9歳以上の患者は、安全性の評価のために研究における自由登録前に最初に登録される。独立データモニタリング委員会(iDMC)は、9歳未満の患者の治療を推薦する前に、治療を完了する9歳以上の最初の20人の患者の有害事象(AE)プロフィールを再検討する。
この研究は2つの主要な期間からなる:
・ 4~6週間のスクリーニング/ベースライン期間
・ 14週間の治療期間
- 2週間の増量期間
- 12週間の維持期間
治療期間は増量期間および維持期間からなる。
【0077】
平均3回以上のけいれんを有したドラベ症候群患者またはスクリーニング(病歴情報に基づく)の直前3か月の間に1月当たり平均4回以上の転倒発作およびベースライン期間(発作日誌記録に基づく)の間の最低4週間の間に3回以上のけいれんまたは4回以上の転倒発作を有したLGS患者は、研究への参加に適格である。
参加基準を満たす患者は、14週間の治療期間(2週間の増量期間および12週間の維持期間)のために1:1の比で(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはマッチングプラセボでの二重盲検治療に無作為化される。
【0078】
製剤例
(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンについて、製剤(フィルムコーティング錠)を、以下の明細(表2)に従って製造した。
【0079】
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、有効量の(4-ベンジル-4-ヒドロキシピぺリジン-1-イル)(2,4'-ビピリジン-3-イル)メタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を含有してなる組成物を哺乳動物に投与することを含む、その必要がある哺乳動物におけるてんかん性脳症の効率的な治療方法が提供され得る。
【0081】
本出願は、米国で2017年8月31日に出願された出願番号第62/553,070号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。