(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、ファイル一覧表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/16 20190101AFI20221220BHJP
G06F 16/14 20190101ALI20221220BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20221220BHJP
【FI】
G06F16/16
G06F16/14
G06F3/0482
(21)【出願番号】P 2018181062
(22)【出願日】2018-09-26
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 亜由美
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058559(JP,A)
【文献】特開2005-086265(JP,A)
【文献】特開2015-177197(JP,A)
【文献】特開2008-310939(JP,A)
【文献】特開2007-272684(JP,A)
【文献】特開2004-326416(JP,A)
【文献】特開2010-282431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0126432(US,A1)
【文献】国際公開第2005/081112(WO,A1)
【文献】垣谷 広輝,ファイル名を利用したソースコードの機能別グループ化,レクチャーノート/ソフトウェア学38 ソフトウェア工学の基礎XIX ,株式会社近代科学社,2012年12月31日,pp.243~244
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/048-3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル一覧を電子機器に表示させる情報処理装置であって、
ファイル名に利用する単語のファイル名辞書への登録要求をユーザから受け付ける登録受付手段と、
登録済みの単語を記憶する
前記ファイル名辞書に、前記登録要求を受け付けた前記単語を登録して記憶する単語記憶手段と、
前記ファイル一覧に含まれる1つ以上のファイルを、前記ファイルのファイル名に利用されている前記登録済みの単語でグルーピングし、前記ファイル一覧に含まれるファイルをグループごとに前記電子機器に表示させる
場合に、前記ファイルのファイル名のうちグルーピングに利用した前記登録済みの単語の部分を省略して表示する画面制御手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記ファイル名辞書に登録済みの単語を利用してユーザから前記ファイル名の設定を受け付けるファイル名設定受付手段、を更に有すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画面制御手段は、前記ファイルのファイル名に前記登録済みの単語が複数利用されている場合に、所定の規則に従い選択した1つの前記登録済みの単語でグルーピングすること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画面制御手段は、前記ファイルのファイル名に前記登録済みの単語が複数利用されている場合に、複数の前記登録済みの単語で階層的にグルーピングすること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子機器とファイル一覧を前記電子機器に表示させる情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
ファイル名に利用する単語のファイル名辞書への登録要求をユーザから受け付ける登録受付手段と、
登録済みの単語を記憶する
前記ファイル名辞書に、前記登録要求を受け付けた前記単語を登録して記憶する単語記憶手段と、
前記ファイル一覧に含まれる1つ以上のファイルを、前記ファイルのファイル名に利用されている前記登録済みの単語でグルーピングし、前記ファイル一覧に含まれるファイルをグループごとに前記電子機器に表示させる
場合に、前記ファイルのファイル名のうちグルーピングに利用した前記登録済みの単語の部分を省略して表示する画面制御手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項6】
ファイル一覧を電子機器に表示させる情報処理装置で実行されるファイル一覧表示方法であって、
ファイル名に利用する単語のファイル名辞書への登録要求をユーザから受け付ける登録受付ステップと、
登録済みの単語を記憶する
前記ファイル名辞書に、前記登録要求を受け付けた前記単語を登録して記憶する単語記憶ステップと、
前記ファイル一覧に含まれる1つ以上のファイルを、前記ファイルのファイル名に利用されている前記登録済みの単語でグルーピングし、前記ファイル一覧に含まれるファイルをグループごとに前記電子機器に表示させる
場合に、前記ファイルのファイル名のうちグルーピングに利用した前記登録済みの単語の部分を省略して表示する画面制御ステップと、
を有するファイル一覧表示方法。
【請求項7】
ファイル一覧を電子機器に表示させる情報処理装置を、
ファイル名に利用する単語のファイル名辞書への登録要求をユーザから受け付ける登録受付手段、
登録済みの単語を記憶する
前記ファイル名辞書に、前記登録要求を受け付けた前記単語を登録して記憶する単語記憶手段、
前記ファイル一覧に含まれる1つ以上のファイルを、前記ファイルのファイル名に利用されている前記登録済みの単語でグルーピングし、前記ファイル一覧に含まれるファイルをグループごとに前記電子機器に表示させる
場合に、前記ファイルのファイル名のうちグルーピングに利用した前記登録済みの単語の部分を省略して表示する画面制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、ファイル一覧表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示部を備えた画像形成装置などの電子機器では、表示部にファイル一覧を表示する場合がある。
【0003】
例えば、ファイル名、楽曲名、伴奏スタイル名、或いは、音色名などを表す文字列を表示器に表示するとき、文字列全体の幅が表示領域よりも大きく該文字列全体を表示することができない場合に、文字列の一部を省略して当該文字列を表示する電子音楽装置は従来からあった(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子機器では、ファイル名が長く、画面内に収まりきらない場合はファイル名の末尾や中間を三点リーダ等で省略して表示していた。したがって、従来の電子機器では省略部分にファイルを識別するために重要な情報が含まれていた場合、ユーザがファイルを選択できなくなる可能性があった。
【0005】
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みなされたもので、ユーザが分かり易いファイル一覧を電子機器に表示させることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本願請求項1は、ファイル一覧を電子機器に表示させる情報処理装置であって、ファイル名に利用する単語のファイル名辞書への登録要求をユーザから受け付ける登録受付手段と、登録済みの単語を記憶する前記ファイル名辞書に、前記登録要求を受け付けた前記単語を登録して記憶する単語記憶手段と、前記ファイル一覧に含まれる1つ以上のファイルを、前記ファイルのファイル名に利用されている前記登録済みの単語でグルーピングし、前記ファイル一覧に含まれるファイルをグループごとに前記電子機器に表示させる場合に、前記ファイルのファイル名のうちグルーピングに利用した前記登録済みの単語の部分を省略して表示する画面制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施の形態によれば、ユーザが分かり易いファイル一覧を電子機器に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る機器の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図5】ファイル名辞書登録画面の一例のイメージ図である。
【
図6】ファイル名辞書使用画面の一例のイメージ図である。
【
図7】ファイル一覧表示処理の一例のフローチャートである。
【
図8】ファイル一覧表示画面の一例のイメージ図である。
【
図9】ファイル一覧表示画面の他の例のイメージ図である。
【
図10】ファイル一覧表示画面の他の例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示す情報処理システム1は、サービス提供システム10と、機器20と、PC端末30と、外部ストレージシステム40を含み、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能に接続されている。
【0011】
サービス提供システム10は、一台以上の情報処理装置で実現され、ネットワークN1を介して、各種のサービスを提供する。本実施形態に係るサービス提供システム10が提供するサービスの具体例については後述する。
【0012】
機器20は、ユーザが使用する各種の電子機器である。機器20は、例えば画像形成装置である。画像形成装置は、MFP(Multifunction Peripheral)やプリンタ、スキャナ又はファクシミリなどである。なお、機器20は表示機能を備えた電子機器であれば画像形成装置に限られない。機器20はプロジェクタ、インタラクティブホワイトボード、デジタルサイネージ、ヘッドアップディスプレイ、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電などであってもよい。機器20は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、携帯情報端末、デジタルカメラなどであってもよい。インタラクティブホワイトボードは、相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する電子機器である。また、デジタルサイネージは出力装置の一例である。ユーザは機器20を用いてサービス提供システム10が提供する各種のサービスを利用することができる。
【0013】
PC端末30は、例えばユーザが使用するパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン、タブレット端末等である。ユーザは、PC端末30を用いて、サービス提供システム10が提供する各種のサービスを利用することができる。
【0014】
外部ストレージシステム40は、ネットワークN1を介してオンラインストレージと呼ばれる外部ストレージサービスを提供するコンピュータシステムである。外部ストレージサービスとは、ネットワークN1を介して、ストレージの記憶領域を貸し出すサービスである。本実施形態において外部ストレージシステム40が貸し出す記憶領域は、ファイルの記憶領域となる。
【0015】
なお、
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えばサービス提供システム10はファイルの記憶領域を有していてもよい。また、サービス提供システム10は一台のサーバ環境上で実現してもよいし、複数のコンピュータシステムに分けて実現してもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
サービス提供システム10及びPC端末30は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
【0017】
図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0018】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0019】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0020】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)などがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0021】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0022】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0023】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。サービス提供システム10及びPC端末30は例えば
図2に示すようなコンピュータ500のハードウェア構成により、後述する各種処理を実現できる。
【0024】
《機器》
情報処理システム1に含まれる機器20が画像形成装置である場合のハードウェア構成は例えば
図3に示すようになる。
図3は本実施形態に係る機器の一例のハードウェア構成図である。
図3に示す機器20は、コントローラ601、操作パネル602、外部I/F603、通信I/F604、プリンタ605及びスキャナ606などを備える。
【0025】
コントローラ601はCPU611、RAM612、ROM613、NVRAM614及びHDD615などを備える。ROM613は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM612はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM614は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD615は各種プログラムやデータが格納されている。
【0026】
CPU611は、ROM613やNVRAM614、HDD615などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM612上に読み出し、処理を実行することで、機器20全体の制御や機能を実現する。
【0027】
操作パネル602は、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F603は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体603aなどがある。これにより、機器20は外部I/F603を介して記録媒体603aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体603aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0028】
通信I/F604は、機器20をネットワークN1などのネットワークに接続させるためのインタフェースである。これにより、機器20は通信I/F604を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ605は印刷データを被搬送物に印刷するための印刷装置である。例えば被搬送物は紙、コート紙、厚紙、OHP、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔など、紙に限定されない。また、スキャナ606は原稿から画像データ(電子データ)を読み取るための読取装置である。
【0029】
<ソフトウェア構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成を示す図である。
図4に示す機器20はブラウザ22が搭載されている。機器20のユーザは、ブラウザ22からサービス提供システム10を利用し、後述するファイル一覧の表示などを行う。
図4に示すPC端末30はブラウザ32が搭載されている。PC端末30のユーザは、ブラウザ32からサービス提供システム10を利用し、後述するファイル名辞書の登録などを行う。
【0030】
このように機器20及びPC端末30はブラウザ22又は32を有していれば良く、例えば、サービス提供システム10が提供する各種サービスを利用するための専用のアプリケーションプログラム等を有している必要はない。
【0031】
図4に示すサービス提供システム10は、Webサービス処理部50と、サービス処理部60と、外部サービス連携部70と、辞書管理部80と、を有する。これら各機能部はサービス提供システム10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU506に実行させる処理により実現される。
【0032】
また、サービス提供システム10は辞書情報保持部90を有する。辞書情報保持部90はHDD508を用いて実現可能である。なお、辞書情報保持部90は、サービス提供システム10とネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されてもよい。
【0033】
サービス処理部60は、サービス提供システム10が提供するサービスに関する処理を行う。Webサービス処理部50は、機器20のブラウザ22又はPC端末30のブラウザ32からアクセスされる。Webサービス処理部50は、ユーザが機器20のブラウザ22又はPC端末30のブラウザ32を利用して各種サービスを利用するための処理を行う。Webサービス処理部50は、画面構成部52と、アプリ実行部54とを有する。
【0034】
画面構成部52は、ユーザが機器20のブラウザ22又はPC端末30のブラウザ32に表示させる画面を構築する。これにより、機器20のブラウザ22又はPC端末30のブラウザ32には、サービス提供システム10が提供するサービスを利用するための画面が表示される。アプリ実行部54は、機器20のブラウザ22又はPC端末30のブラウザ32からの要求に応じて、サービス処理部60に対して、各種サービスの実行要求を送信する。
【0035】
外部サービス連携部70は、外部ストレージシステム40に対してファイル一覧の参照やファイルのダウンロード・アップロードなどの各種要求を行う。辞書管理部80は後述するファイル名辞書を管理する。辞書管理部80は辞書情報保持部90へのファイル名辞書の登録、削除又は参照などを行う。辞書情報保持部90はファイル名辞書を辞書情報として保持する。
【0036】
なお、Webサービス処理部50、サービス処理部60、外部サービス連携部70、辞書管理部80及び辞書情報保持部90等は、それぞれが異なるコンピュータ500により実現されていても良い。
【0037】
<処理>
《ファイル名辞書登録》
本実施形態に係る情報処理システム1においてユーザは、PC端末30のブラウザ32に表示された例えば
図5のようなファイル名辞書登録画面1000から、ファイル名に利用する単語をファイル名辞書に登録したり、ファイル名辞書から削除したり、することができる。
図5はファイル名辞書登録画面の一例のイメージ図である。
【0038】
図5(A)はファイル名辞書登録画面1000の一例である。
図5(B)はカテゴリ分類機能が追加されたファイル名辞書登録画面1000の一例である。Webサービス処理部50の画面構成部52は辞書情報保持部90が保持するファイル名辞書を利用することによりファイル名辞書登録画面1000の画面データを生成する。Webサービス処理部50は生成したファイル名辞書登録画面1000の画面データをPC端末30に送信することで、
図5のようなファイル名辞書登録画面1000をPC端末30のブラウザ32に表示させることができる。
【0039】
ユーザはファイル名辞書登録画面1000の単語欄1002に、ファイル名に利用したい単語(テキスト)を入力して登録ボタン1008を押下することで、ファイル名辞書への新たな単語の登録要求を行うことができる。PC端末30のブラウザ32からファイル名辞書への新たな単語の登録要求を受け付けたサービス提供システム10のWebサービス処理部50は辞書管理部80に要求し、ファイル名辞書へ新たな単語を登録させる。
【0040】
また、ユーザはファイル名辞書登録画面1000の登録済み辞書欄1004に表示されている登録済みの単語から削除したい単語を選択して削除ボタン1010を押下することにより、ファイル名辞書からの単語の削除要求を行うことができる。ファイル名辞書からの単語の削除要求を受け付けたWebサービス処理部50は、辞書管理部80にファイル名辞書から単語を削除させる。
【0041】
図5(B)は
図5(A)のファイル名辞書登録画面1000にカテゴリ分類機能が追加された画面例である。ユーザは、ファイル名に利用したい単語を単語欄1002に入力すると共に、その単語と紐付けたいカテゴリをカテゴリ欄1006から選択して、登録ボタン1008を押下することで、ファイル名辞書への新たな単語の登録要求をカテゴリと紐付けて行うことができる。
【0042】
PC端末30のブラウザ32からカテゴリと紐付けるファイル名辞書への新たな単語の登録要求を受け付けたサービス提供システム10のWebサービス処理部50は、辞書管理部80にファイル名辞書への新たな単語を、カテゴリと紐付けて登録させる。
【0043】
また、ユーザはカテゴリ欄1006からカテゴリを選択することで、選択されたカテゴリに紐付く単語をファイル名辞書登録画面1000の登録済み辞書欄1004に選択表示させることができる。
【0044】
《ファイル名辞書使用》
本実施形態に係る情報処理システム1においてユーザは、機器20のブラウザ22に表示された例えば
図6のようなファイル名辞書使用画面1100から、ファイル名辞書に登録済みの単語を利用できる。
図6はファイル名辞書使用画面の一例のイメージ図である。
【0045】
Webサービス処理部50の画面構成部52は辞書情報保持部90が保持するファイル名辞書を利用することでファイル名辞書使用画面1100の画面データを生成する。Webサービス処理部50は生成したファイル名辞書使用画面1100の画面データを機器20に送信することで、
図6のようなファイル名辞書使用画面1100を機器20のブラウザ22に表示させることができる。
【0046】
図6のファイル名辞書使用画面1100は例えばユーザがスキャンファイル名等を設定するときに利用される。ユーザはファイル名辞書に登録済みの単語が表示された単語ボタン1104を押下することにより、その単語ボタン1104に対応する登録済みの単語をファイル名欄1102に入力できる。また、ユーザはファイル名欄1102にテキストを自由入力することもできる。ユーザはファイル名辞書使用画面1100において、登録済み単語や自由入力を組み合わせてファイル名を設定できる。このように機器20のブラウザ22からファイル名の設定を受け付けたサービス提供システム10のWebサービス処理部50は例えばスキャンファイルに、機器20のブラウザ22から受け付けたファイル名を設定する。
【0047】
《ファイル一覧表示》
本実施形態に係る情報処理システム1において、サービス提供システム10は例えば
図7に示す手順で機器20のブラウザ22にファイル一覧を表示させる。
図7はファイル一覧表示処理の一例のフローチャートである。ここでは、外部ストレージシステム40の記憶領域に記憶されているユーザのファイル一覧を表示する例を説明する。
【0048】
機器20のブラウザ22からユーザのファイル一覧の表示を要求されると、サービス提供システム10に含まれるWebサービス処理部50の画面構成部52はステップS10に進み、辞書管理部80を経由して、辞書情報保持部90に保持されているファイル名辞書を取得する。
【0049】
ステップS12に進み、画面構成部52は外部ストレージシステム40の記憶領域に記憶されているユーザのファイルを、ステップS10で取得したファイル名辞書に含まれる登録済みの単語ごとに、グルーピングする。
【0050】
なお、ステップS12のファイルのグルーピングは、外部ストレージシステム40の記憶領域に記憶されているユーザのファイルそれぞれについて行われる。画面構成部52はファイル名と登録済みの単語とのテキストのマッチングにより、ファイル名に登録済みの単語が含まれているか否かを判定する。画面構成部52は、登録済みの単語が含まれているファイル名のファイルを、そのファイル名に含まれている登録済みの単語のグループにグルーピングする。
【0051】
1つのファイル名に登録済みの単語が複数含まれている場合、画面構成部52はファイル名の先頭に近い方の登録済み単語(辞書単語)のグループに属するものとする。ファイル名が「○○○○株式会社_申込書_AAA機_201806131502.pdf」というファイルに、2つの登録済み単語「○○○○株式会社」と「AAA機」とが含まれていた場合は、先頭に近い方の登録済み単語「○○○○株式会社」のグループにグルーピングされる。
【0052】
ステップS14に進み、画面構成部52はユーザのファイル一覧に含まれるファイルのファイル名それぞれについて、登録済みの単語(グループ名)の部分を三点リーダなどで省略する。三点リーダは省略の意味を持つ記号の一例である。
【0053】
ステップS16に進み、画面構成部52はグループごとに、後述のファイル一覧表示画面に収まらないファイル名のファイルがあるか否かを判定する。なお、後述のファイル一覧表示画面に収まらないファイル名のファイルがあるか否かの判定は、ステップS14で登録済み単語の部分が省略されたファイル名を表示するのに必要な横幅と、ファイル名表示領域の横幅との比較により行う。
【0054】
後述するファイル一覧表示画面に収まらないファイル名のファイルを含むグループについては、ステップS18において、再度、登録済みの単語でグルーピングされる。画面構成部52はステップS18からステップS14に進み、ステップS18でグルーピングした登録済み単語(グループ名)の部分を三点リーダなどで省略する。
【0055】
ステップS16において、後述するファイル一覧表示画面に収まらないファイル名のファイルが無ければ、画面構成部52はステップS16からステップS20に進み、例えば
図8に示すようなファイル一覧表示画面の画面データを生成し、機器20のブラウザ22に送信することで、ファイル一覧表示画面を機器20のブラウザ22に表示させることができる。
【0056】
図8はファイル一覧表示画面の一例のイメージ図である。
図8(A)は登録済み単語によるグルーピングを行わず、ファイル名の末尾を省略したファイル一覧表示画面の一例である。
図8(A)のファイル一覧表示画面ではファイル名の末尾が省略された結果、1つ目のファイル名と2つ目のファイル名とが同一となり、ユーザが所望のファイルを選択できない可能性が生じる。
【0057】
図8(B)は登録済み単語によるグルーピングを行い、グルーピングした登録済み単語の部分を省略したファイル一覧表示画面の一例である。
図8(B)は、登録済み単語を転用することで、ファイル名の共通部分が省略された、分かり易く把握し易いファイル一覧を機器20に表示させることができる。また、
図8(B)は登録済み単語によりファイルがグルーピングされるため、単語をファイル名辞書に登録することで、ユーザがファイル一覧の表示ルールを簡単に設定できる。
【0058】
さらに、
図8(B)のファイル一覧表示画面では、ファイル名に登録済み単語「○○○○株式会社」が含まれる3つのファイルが表示されている。グルーピングされたファイル名に登録済み単語「○○○○株式会社」が含まれる3つのファイルは、登録済み単語「○○○○株式会社」の部分が三点リーダ「…」により省略されているため、ファイル名の末尾まで表示することができている。
【0059】
また、省略された登録済み単語「○○○○株式会社」の部分はグループ名として表示されているため、元のファイル名に含まれていた情報を一切失っていない。さらに、
図8のファイル一覧表示画面は各グループに含まれるファイルのファイル名を+ボタンで展開表示し、-ボタンで省略表示することが可能である。ユーザは目的のファイルと無関係であるグループのファイルを省略表示することで、目的のファイルを探しやすくなる。同一のグループ内のファイルの表示順は、ファイル名の順や更新日時の順、データサイズの順などの任意の順番でよい。
【0060】
図9はファイル一覧表示画面の他の例のイメージ図である。
図9(A)は登録済み単語によるグルーピングを行わず、ファイル名の末尾を省略したファイル一覧表示画面の一例である。
図9(A)のファイル一覧表示画面ではファイル名の末尾が省略された結果、1つ目のファイル名と2つ目のファイル名とが同一となり、ユーザが所望のファイルを選択できない可能性が生じる。
【0061】
図9(B)は、登録済み単語により階層的にグルーピングを行い、階層的にグルーピングした登録済み単語の部分を省略したファイル一覧表示画面の一例である。
図9(B)のファイル一覧表示画面では登録済み単語「○○○○株式会社」のグループに、登録済み単語「AAA機」のグループと「BBB機」のグループとが属している。また、登録済み単語「AAA機」のグループにはファイル名が「○○○○株式会社_申込書_AAA機_201806131502.pdf」というファイルとファイル名が「○○○○株式会社_申込書_AAA機_201806151025.pdf」というファイルとが属している例である。
【0062】
図9(B)ではファイル名に含まれる登録済み単語「○○○○株式会社」と「AAA機」と「BBB機」の部分が省略されて表示されている。このように、
図9(B)は登録済み単語によりファイルが階層的にグルーピングされるため、より分かり易く把握し易いファイル一覧を機器20に表示させることができる。
【0063】
なお、階層が多くなり過ぎるとファイル一覧が見づらくなる場合があるため、階層数の上限を設定できるようにしてもよい。また、
図7のフローチャートの処理ではグルーピングするものが無くなるまで、もしくは、階層数の上限までグルーピングを行ったとしてもファイル名がファイル一覧表示画面に収まらない場合もある。その場合は、ファイル一覧画面においてファイル名を右から左へ自動スクロール表示することで、ファイル名を全て表示し、ユーザにファイル名を区別させるようにしてもよい。
【0064】
図10はファイル一覧表示画面の他の例のイメージ図である。スキャンファイル名等を設定する際に、ユーザはファイル名辞書などを使用して任意のファイル名を設定することができる。また、ユーザが何もファイル名を設定しなくても、ファイル名ルールに従ってファイル名を自動で設定するようにしてもよい。
【0065】
このようにファイル名ルールに従ってファイル名を自動で設定する場合は、ファイル名辞書でなく、ファイル名ルールを元にグルーピングすることも可能である。
図10に示すようにファイル名ルールが[プレフィックス]_[yyyyMMddHHmm]_[連番].[拡張子]である場合は、先頭の[プレフィックス」によりグルーピングを行う。
【0066】
ファイル名辞書でグルーピングしたときと同様に、グループ名(プレフィックス)部分は三点リーダなどで省略する。グループ名(プレフィックス)部分を省略してもファイル一覧表示画面にファイル名が収まりきらない場合は、さらに[yyyyMMddHHmm]により階層的にグルーピングを行い、三点リーダなどで省略する部分を増やすことで、ファイル一覧表示画面にファイル名が収まるようにする。
【0067】
以上、本実施形態に掛かる情報処理システム1によれば、ファイル名辞書に登録済みの単語(辞書単語)でファイルをグルーピングし、ファイル一覧表示する際に、グループごとに表示する。また、ファイル一覧表示する際にグループごとにファイルを表示することにより、ファイル名のうち、辞書単語部分はグループ名と同一となるため、その辞書単語部分を三点リーダなどで省略してもファイル名に含まれる情報を失わない。
【0068】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1ではファイル名に含まれる情報を失うことなく、一覧性を保ったままファイル名をファイル一覧表示画面に表示できる。
【0069】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。上記で説明した本実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現できる。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、DSP(digital signal processor)や、FPGA(field programmable gate array)や、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0070】
サービス提供システム10は特許請求の範囲に記載した「ファイル一覧を電子機器に表示させる情報処理装置」の一例である。また、辞書情報保持部90は単語記憶手段の一例である。また、画面構成部52は画面制御手段の一例である。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理システム
10 サービス提供システム
20 機器
22、32 ブラウザ
30 PC端末
40 外部ストレージシステム
50 Webサービス処理部
60 サービス処理部
70 外部サービス連携部
80 辞書管理部
90 辞書情報保持部
N1 ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】