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特許7196544情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20221220BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221220BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G06F11/07 193
B41J29/38 102
B41J29/38 301
B41J29/38 701
H04N1/00 002A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018209104
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020077116
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松村 豊
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-117195(JP,A)
【文献】特開2005-219247(JP,A)
【文献】特開2008-015749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置の故障を検知する故障検知部と、
前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行部と、
前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定部と、を有し、
前記リブート実行部は、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する
情報処理装置。
【請求項2】
前記リブート実行部は、前記情報処理装置の起動時に前記故障が発生して、前記リブート処理を実行し、その後、再起動時に再び故障が検知された場合には、前記リブート処理の実行を中止する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リブート実行部は、前記リブート処理の実行を中止するとともに、故障を示す情報を前記表示部に表示させる
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置による情報処理方法であって、
前記情報処理装置の故障を検知する故障検知工程と、
前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行工程と、
前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定工程と、を含み、
前記リブート実行工程では、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する
情報処理方法。
【請求項5】
情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置に処理を実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置の故障を検知する故障検知ステップと、
前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行ステップと、
前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記リブート実行ステップでは、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する処理を、前記情報処理装置に実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の情報処理装置において、故障発生時に、ユーザの操作を介さずに自動でリブート(リセット、再起動)処理を実行するものが知られている。
【0003】
また、自動調整処理に要するトナー等の消耗品や、時間がリブートに伴って浪費されることを防ぐために、自動調整処理中にリブート指令を受け付けた場合には、自動調整処理の完了後にリブート処理を実行させる装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報処理装置の起動時(起動直後)には、情報処理装置に含まれる複数のモジュール毎で起動に要する時間が異なるため、リブートの対象となる全モジュールの起動は同時に完了せず、モジュール毎で順次完了することになる。そして起動が完了していない状態では、適切にリブート処理を実行できない場合がある。
【0005】
上記の特許文献1の装置では、このような起動直後に、全モジュールの起動が完了したか否かを検知する方法や、全モジュールの起動の完了及び未完了とリブート処理の実行との対応関係が開示されていない。そのため、全モジュールが完全に起動されない不安定な状態で、リブート処理が実行される場合があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、情報処理装置の起動直後であっても、故障発生時に自動で適切にリブート処理を実行することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の一態様に係る情報処理装置は、情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置であって、前記情報処理装置の故障を検知する故障検知部と、前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行部と、前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定部と、を有し、前記リブート実行部は、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、情報処理装置の起動直後であっても、故障発生時に自動で適切にリブート処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を機能ブロックで示す図である。
図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図5】第1の実施形態に係る表示部のエラー画面の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を機能ブロックで示す図である。
図7】第2の実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】第2の実施形態に係る表示部の故障画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
実施形態では、情報処理装置の一例として、画像形成装置について説明する。
【0012】
<画像形成装置のハードウェア構成>
実施形態に係る画像形成装置10は、図1に示すハードウェア構成により実現される。図1は、画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置10は、本体部100と、操作部200とを有する。
【0014】
また本体部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、NVRAM(Non-volatile memory)104と、ホストI/F(Inter/Face)105とを有する。
【0015】
さらに、本体部100は、操作部I/F106と、NCU(Network Control Unit)107と、プリンタエンジン108と、スキャナエンジン109と、タイマー110とを有する。これらはシステムバス111で相互に電気的に接続されている。
【0016】
RAM102はプログラムやデータを一時保持する。ROM103は各種プログラムやデータ、各種の設定情報等を格納している。CPU101はROM103等からプログラムやデータ、設定情報等をRAM102上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置10全体の制御や機能を実現する。
【0017】
NVRAM104は、画像形成装置10の電源が遮断されている間も、データを保持することができるメモリである。
【0018】
ホストI/F105は、図示を省略する外部ホスト機器から印刷データを受信するインタフェースである。I/Fの種類としては、IEEE1284規格、USB(Universal Serial Bus)等のローカル接続や、有線又は無線によるイーサネット(登録商標)等のネットワーク接続がある。
【0019】
NCU107は一般公衆回線に接続され、FAX受信時等に、NCU107を介してデータの復号化処理等が行われる。
【0020】
プリンタエンジン108は、感光体や定着装置等の画像形成部を有し、CPU101の指示に応じて、用紙等の記録媒体に対する画像の形成や、画像が形成された記録媒体の出力等を行う。スキャナエンジン109は、画像読取部を有し、原稿から画像データを読み取る。タイマー110は経過時間を計測する。
【0021】
次に、操作部200は、CPU201と、メモリ202とを有し、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報を表示する表示装置である。尚、各種の情報とは、受け付けた操作に応じた情報、画像形成装置10の動作状況を示す情報、及び設定状態等を示す情報である。
【0022】
CPU201はメモリ202からプログラムやデータ、設定情報等を読み出し、処理を実行することで、操作部200全体の制御や機能を実現することができる。
【0023】
ここで、操作部200は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)や、タッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro luminescence)表示装置等で構成される。また、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。尚、上記タッチパネルにおけるタッチは、「操作」の一例である。
【0024】
[第1の実施形態]
<第1の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能構成について説明する。
【0025】
第1の実施形態に係る画像形成装置10は、図2に示す機能ブロック等により実現される。図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成の一例を機能ブロックで示す図である。
【0026】
尚、以下の機能ブロック図に示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部又は一部を、任意の単位で機能的又は物理的に分散・結合して構成してもよい。尚、ここではリブート対応に関する部分のみを示している。
【0027】
図2に示すように、画像形成装置10の備える本体部100は、モジュール群150と、システム制御部151と、操作制御部152とを有する。
【0028】
モジュール群150は、本体部100に含まれる制御モジュールであり、システム制御部151及び操作制御部152以外の制御モジュールである。
【0029】
システム制御部151は、モジュール群150等の全モジュールのリブート時のモジュール間調停や、エラー画面の表示指令等のシステム全般を制御する制御モジュールである。このシステム制御部151には、故障検知部153と、判定部154と、計時部155と、リブート実行部156とが含まれる。またリブート実行部156には、動作抑制部157と、表示指令部158とが含まれる。
【0030】
故障検知部153は、画像形成装置10の故障を検知し、検知結果を示す信号を判定部154及び計時部155に出力する。故障検知部153は、各モジュールからエラー信号等を入力し、画像形成装置10の故障を検知することができる。
【0031】
判定部154は、故障検知部153で故障が検知された場合に、全モジュールの起動が完了したか否かを判定し、判定結果を示す信号をリブート実行部156に出力する。また判定部154は、起動済のモジュールを検知し、起動済のモジュールを特定する信号をリブート実行部156に出力するようにしてもよい。判定部154のこれらの機能は、各モジュールの動作状態を示すステータス信号を参照すること等によって、実現することができる。
【0032】
計時部155は、故障検知部153からの入力信号に基づき、故障が検知された後の経過時間を計測し、経過時間を示す信号をリブート実行部156に出力する。
【0033】
リブート実行部156は、全モジュールの起動が完了したと判定部154が判定した場合に、動作抑制部157により各モジュールの動作の抑制処理を実行した後、画像形成装置10のリブート(リセット、再起動)処理を実行する。ここで動作抑制には、モジュールによる新たな動作の抑制、プロセス間通信の抑制、ROM103等のメモリへのアクセスの抑制等が含まれる。
【0034】
本実施形態に係るリブート実行部156は、画像形成装置10の起動時(起動直後)に故障が検知された場合であって、全モジュールの起動が完了していないと判定部154が判定した場合は、各モジュールの動作抑制処理、及びリブート処理の実行を保留する。そして故障の発生を表示するエラー画面を表示させるための表示指令を、表示指令部158を介して操作制御部152に出力する。ここで、エラー画面は、「所定の情報」の一例である。
【0035】
尚、上記の「起動」には、ユーザによる電源スイッチのON操作等に応じた画像形成装置10の起動と、画像形成装置10のリブートに伴う再起動とが含まれる。
【0036】
その後、リブート実行部156は、全モジュールの起動が完了したと判定部154が判定した場合、又は計時部155が計測した故障検知後の経過時間が所定の時間となった場合(故障検知から所定の時間が経過した場合)に、表示部252が表示中のエラー画面を非表示にするための非表示指令を、表示指令部158を介して操作制御部152に出力する。そして保留中のリブート処理の実行を再開する。
【0037】
ここで、故障検知から所定の時間が経過した場合には、リブート実行部156は、判定部154により検知された起動済のモジュールのみに動作抑制処理を実行し、その後、リブート処理を実行してもよい。
【0038】
操作制御部152は、操作部200とのインタフェースを制御する制御モジュールである。リブート実行部156によるエラー画面の表示指令は、操作制御部152を介して操作部200に出力される。
【0039】
一方、操作部200は、監視部251と、表示部252とを有する。
【0040】
監視部251は、本体部100とのインタフェースを制御する制御モジュールであり、表示指令部158によるエラー画面の表示指令を、操作制御部152から入力する。
【0041】
表示部252は、エラー画面等を表示する制御モジュールであり、監視部251から入力した表示指令に応じて、エラー画面を表示する。
【0042】
尚、本実施形態では、操作部200に表示部252が含まれる例を示したが、操作部200と別に表示部252を設ける構成としてもよい。
【0043】
<第1の実施形態に係る画像形成装置の動作>
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の動作を説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0045】
先ず、ステップS301において、画像形成装置10は、ユーザによる電源スイッチのON操作等に応じて起動される。
【0046】
続いて、ステップS302において、故障検知部153は、起動中の画像形成装置10の故障を検知する。
【0047】
故障が検知された場合(ステップS302、Yes)、その旨を示す信号を入力した判定部154は、ステップ303において、全モジュールの起動が完了したか否かを判定し、判定結果を示す信号をリブート実行部156に出力する。
【0048】
ステップS303において、全モジュールが起動していないと判定された場合(ステップS303、No)、その旨を示す信号を入力したリブート実行部156は、ステップS304において、動作抑制処理及びリブート処理を実行せず、保留する。
【0049】
続いて、ステップS305において、リブート実行部156は、故障の発生を表示するエラー画面の表示指令を操作制御部152に出力する。操作制御部152は、リブート実行部156から入力した表示指令を監視部251に出力し、監視部251は、操作制御部152から入力した表示指令を表示部252に出力する。表示部252は、監視部251から入力した表示指令に応じて、エラー画面を表示する。
【0050】
尚、ステップS304とステップS305の処理の順番は適宜変更可能であり、またステップS304とS305の処理が並行して実行されてもよい。
【0051】
その後、ステップS306において、判定部154は、全モジュールが起動したか否かを判定し、判定結果を示す信号をリブート実行部156に出力する。また計時部155は、故障が検知された後の経過時間を示す信号を、リブート実行部156に出力する。
【0052】
全モジュールが起動したと判定された場合、又は故障が検知された後、所定の時間が経過した場合(ステップS306、Yes)、ステップS307において、リブート実行部156は、エラー画面の非表示指令を操作制御部152に出力する。操作制御部152はリブート実行部156から入力した非表示指令を監視部251に出力し、監視部251は、操作制御部152から入力した非表示指令を表示部252に出力する。表示部252は、監視部251から入力した非表示指令に応じて、表示中のエラー画面を非表示にする。
【0053】
続いて、ステップS308において、リブート実行部156は、保留中の動作抑制処理、及びリブート処理を再開する。
【0054】
尚、ステップS307とステップS308の処理の順番は適宜変更可能であり、またステップS307とS308の処理が並行して実行されてもよい。
【0055】
一方、ステップS302において、故障が検知されなかった場合(ステップS302、No)はステップS308に移行し、リブート実行部156は、動作抑制処理を実行し、その後、リブート処理を実行する。
【0056】
またステップS303において、全モジュールが起動したと判定された場合(ステップS303、Yes)はステップS308に移行し、リブート実行部156は、動作抑制処理を実行し、その後、リブート処理を実行する。
【0057】
以上の動作により、画像形成装置10は、起動直後であっても、全モジュールが完全に起動したされていない不安定な状態でリブート処理が実行されることを防ぎ、故障発生時に、自動で適切にリブート処理を実行することができる。
【0058】
次に、図4は、本実施形態に係る画像形成装置10の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0059】
画像形成装置10が起動されると、ステップS401において、モジュール群150等の全モジュールが起動される。この場合、各モジュールで起動に要する時間が異なるため、全モジュールの起動は同時に完了せず、モジュール毎で順次完了していく。
【0060】
続いて、ステップS402において、システム制御部151は、起動中の画像形成装置10における故障を検知すると、全モジュールの起動が完了したか否かを判定する。
【0061】
全モジュールの起動が完了していない場合は、ステップS403において、システム制御部151は、動作抑制処理及びリブート処理を実行せず、保留する。
【0062】
続いて、ステップS404において、システム制御部151は、エラー画面の表示指令を操作制御部152に出力する。
【0063】
続いて、ステップS405において、操作制御部152は、システム制御部151から入力した表示指令を監視部251に出力し、その後、ステップS406において、監視部251は、操作制御部152から入力した表示指令を表示部252に出力する。
【0064】
続いて、ステップS407において、表示部252は、監視部251から入力した表示指令に応じて、エラー画面を表示する。ここで、図5は表示部252に表示されるエラー画面261の一例を示す図である。図5の例では、画像形成装置10のエラーの発生状況、エラーに対する画像形成装置10の対応、及びユーザへの対応指示を示すメッセージが表示されている。
【0065】
図4に戻り、画像形成装置10の動作の説明を続ける。
【0066】
リブート実行部156がリブート処理を保留した後においても、各モジュールの起動は継続しており、システム制御部151は全モジュールの起動が完了したか否かの判定処理を継続して行っている。
【0067】
そして、全モジュールの起動が完了したと判定された場合、ステップS408において、システム制御部151はエラー画面の非表示指令を操作制御部152に出力する。
【0068】
続いて、ステップS409において、操作制御部152は、システム制御部151から入力した非表示指令を監視部251に出力し、その後、ステップS410において、監視部251は、操作制御部152から入力した非表示指令を表示部252に出力する。
【0069】
続いて、ステップS411において、表示部252は、監視部251から入力した非表示指令に応じて、表示中のエラー画面を非表示にする。
【0070】
続いて、ステップS412において、システム制御部151はモジュール群150に含まれる各モジュールに対して、動作抑制処理を実行する。
【0071】
続いて、システム制御部151は、ステップS413において、操作制御部152に対し動作抑制処理を実行し、ステップ414において、監視部251に対し動作抑制処理を実行し、ステップS415において、表示部252に対し動作抑制処理を実行する。
【0072】
尚、ステップS412~S415の処理の順番は適宜変更可能であり、またステップS412~S415の処理が並行して実行されてもよい。
【0073】
続いて、ステップS416において、システム制御部151は、画像形成装置10のリブート処理を実行する。
【0074】
このように各機能部を連携させることで、画像形成装置10は、起動直後において、全モジュールが完全に起動されていない不安定な状態でリブート処理が実行されることを防ぎつつ、自動で適切なリブート処理を、速やかに実行することができる。
【0075】
<効果等>
以上説明してきたように、本実施形態では、画像形成装置10の起動時に故障が検知された場合であって、全モジュールの起動が完了していないと判定された場合は、リブート処理の実行を保留する。その後、全モジュールの起動が完了したと判定された場合、又は故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、リブート処理の実行を再開する。
【0076】
これにより、全モジュールが完全に起動されない不安定な状態で、リブート処理が実行されることを防ぎ、故障発生時に、自動で適切に画像形成装置10のリブート処理を実行することができる。
【0077】
また、故障が検知された後、所定の時間が経過した場合にリブート処理の実行を再開することで、リブート処理を保留した状態が継続しすぎることを防ぐことができる。この場合には、判定部154により検知された起動済のモジュールのみに対して動作抑制処理を実行することで、動作抑制処理の効率化を図ることができる。
【0078】
また起動時に発生したエラーに関する情報を表示部252に表示させることで、起動中の画像形成装置10の状況を、ユーザに対してタイムリーに且つ正確に提供することができる。これにより画像形成装置10の起動中におけるユーザの誤操作を回避することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る画像形成装置を、図6~9を参照して説明する。尚、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する。
【0080】
本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成装置の起動時に故障が発生して、リブート処理を実行し、その後、再起動時に再び故障が発生した場合には、リブート処理の実行を中止するとともに、表示部に故障を示す情報を表示するものである。
【0081】
<第2の実施形態に係る画像形成装置の機能構成>
本実施形態に係る画像形成装置10aは、図6に示す機能ブロック等により実現される。図6は、本実施形態に係る画像形成装置10aの構成の一例を機能ブロックで示す図である。
【0082】
画像形成装置10aの本体部100aは、リブート実行部156aを備えるシステム制御部151aを有する。またリブート実行部156aは、表示指令部158aを有する。
【0083】
リブート実行部156aは、画像形成装置10aの起動時に故障が発生して、リブート処理を実行し、その後、再起動時に再び故障が検知された場合には、リブート処理の実行を中止する。
【0084】
換言すると、リブート実行部156aは、計時部155で計測された前回故障を検知した時刻からの経過時間が、予め定められた閾値以下の場合には、リブート処理の実行に伴う再起動時に再び故障が検知されたものとみなして、リブート処理の実行を中止する。
【0085】
またリブート実行部156aは、リブート処理の実行を中止した場合には、故障の発生を示す故障画面の表示指令を、表示指令部158aを介して操作部200に出力し、表示部252に表示させる。ここで、故障画面は、「故障を示す情報」の一例である。
【0086】
尚、上記の「中止」は、第1の実施形態における「保留」する場合とは異なり、リブート処理を再開させることなく、取りやめることを意味している。
【0087】
<第2の実施形態に係る画像形成装置の動作>
次に、本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明する。
【0088】
図7は、本実施形態に係る画像形成装置10aの動作の一例を示すフローチャートである。ステップS701~S708の動作は、図3のステップS301~S308の動作とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0089】
ステップS709で、故障検知部153は、リブート処理の実行(ステップS708)に伴う再起動時の画像形成装置10aの故障を検知する。
【0090】
故障が検知された場合(ステップS709、Yes)、故障検知部153はその旨を示す信号を、判定部154を介してリブート実行部156aに出力する。
【0091】
続いて、ステップS710において、リブート実行部156aは動作抑制処理、及びリブート処理を中止する。
【0092】
続いて、ステップS711において、リブート実行部156aは、故障表示画面の表示指令を操作制御部152に出力する。操作制御部152は、リブート実行部156aから入力した表示指令を監視部251に出力し、監視部251は、操作制御部152から入力した表示指令を、表示部252に出力する、表示部252は、監視部251から入力した表示指令に応じて、故障画面を表示する。
【0093】
尚、ステップS710とステップS711の処理の順番は適宜変更可能であり、またステップS710とS711の処理が並行して実行されてもよい。
【0094】
一方、ステップS709において、故障が検知されなかった場合(ステップS709、No)は、ステップS712において、リブート実行部156は動作抑制処理及びリブート処理を実行する。
【0095】
以上の動作により、画像形成装置10aは、リブート処理実行後の再起動時に、再び故障が発生した場合に、リブート処理の実行を中止するとともに、表示部252に故障画面を表示させることができる。
【0096】
次に、図8は、本実施形態に係る画像形成装置10aの動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS801~S816の動作は、図4のステップS401~S416の動作とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0097】
リブート処理の実行(ステップS816)に伴い画像形成装置10aが再起動されると、ステップS817において、モジュール群150等の全モジュールが再起動される。再起動時においても、各モジュールで起動に要する時間が異なるため、全モジュールの起動は同時に完了せず、モジュール毎で順次完了していく。
【0098】
続いて、ステップS818において、システム制御部151aは、再起動時の画像形成装置10aの故障を検知すると、ステップS819において、動作抑制処理及びリブート処理を実行せず、中止する。
【0099】
続いて、ステップS820において、システム制御部151aは、操作制御部152に故障画面の表示指令を出力する。
【0100】
続いて、ステップS821において、操作制御部152は、システム制御部151aから入力した表示指令を監視部251に出力し、その後、ステップS822において、監視部251は、操作制御部152から入力した表示指令を、表示部252に出力する。
【0101】
続いて、ステップS823において、表示部252は、監視部251から入力した表示指令に応じて、故障画面を表示する。ここで、図9は表示部252に表示される故障画面262の一例を示す図である。図9の例では、画像形成装置10の故障の発生状況、故障に対する画像形成装置10aの対応、及びユーザへの対応指示を示すメッセージが表示されている。
【0102】
このように各機能部を連携させることで、画像形成装置10aは、リブート処理実行後の再起動時に再び故障が発生した場合に、リブート処理の実行を中止するとともに、表示部252に故障画面を表示させる処理を速やかに実行することができる。
【0103】
<効果等>
以上説明してきたように、本実施形態では、リブート処理実行後の再起動時に再び故障が発生した場合に、リブート処理の実行を中止することで、リブート処理が繰り返し実行されることを防ぎ、時間や電力の浪費を防ぐことができる。
【0104】
またリブート処理実行後の再起動時に発生した故障に関する情報を表示部252に表示させることで、再起動時の画像形成装置10aの状況を、ユーザに対してタイムリーに且つ正確に提供することができる。これにより、画像形成装置10aの再起動時におけるユーザの誤操作を回避することができる。
【0105】
以上、実施形態に係る情報処理装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【0106】
また実施形態は、情報処理方法も含む。例えば、情報処理方法は、情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置による情報処理方法であって、前記情報処理装置の故障を検知する故障検知工程と、前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行工程と、前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定工程と、を含み、前記リブート実行工程では、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する。このような情報処理方法により、上述の情報処理装置と同様の効果を得ることができる。またこのような情報処理方法は、CPU、LSIなどの回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
【0107】
さらに実施形態は、プログラムも含む。例えば、プログラムは、情報を表示する表示部と、処理を実行する複数のモジュールと、を備える情報処理装置で実行されるプログラムであって、前記情報処理装置の故障を検知する故障検知ステップと、前記故障が検知された場合にリブート処理を実行するリブート実行ステップと、前記複数のモジュールの全ての起動が完了したか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記リブート実行ステップでは、前記情報処理装置の起動時に前記故障が検知された場合であって、前記全ての起動が完了していないと判定された場合は、前記リブート処理の実行を保留して前記表示部に所定の情報を表示させた後、前記全ての起動が完了したと判定された場合、又は前記故障が検知された後、所定の時間が経過した場合に、前記所定の情報を非表示にして、前記リブート処理の実行を再開する処理を実行する。このようなプログラムにより、上述の情報処理装置と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0108】
10、10a 画像形成装置(情報処理装置の一例)
100、100a 本体部
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 NVRAM
105 ホストI/F
106 操作部I/F
107 NCU
108 プリンタエンジン
109 スキャナエンジン
110 タイマー
111 システムバス
150 モジュール群
151、151a システム制御部
152 操作制御部
153 故障検知部
154 判定部
155 計時部
156、156a リブート実行部
157 動作抑制部
158、158a 表示指令部
200 操作部
201 CPU
202 メモリ
251 監視部
252 表示部
261 エラー画面(所定の情報の一例)
262 故障画面(故障を示す情報の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【文献】特開2007-257580号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9