(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】表示システムおよび充電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20221220BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20221220BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20221220BHJP
G06F 1/32 20190101ALI20221220BHJP
【FI】
H02J7/02 F
G06F3/03 400Z
G06F3/041 570
G06F1/32
(21)【出願番号】P 2018220883
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三川 晃尚
(72)【発明者】
【氏名】長野 龍彦
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-127823(JP,A)
【文献】特開平6-311666(JP,A)
【文献】特開平7-200173(JP,A)
【文献】特開2013-74784(JP,A)
【文献】特開2014-32634(JP,A)
【文献】特開2014-174666(JP,A)
【文献】特開2017-135795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102667(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0329527(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
G06F 3/03
G06F 3/041
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバッテリで駆動する指示装置と、
第2のバッテリで駆動し、前記指示装置による入力を受け付ける表示装置と、
前記第2のバッテリから供給される電力を用いて、前記第1のバッテリを充電する充電部と
前記第2のバッテリの残容量に基づいて、前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間を算出する計算部と
を備え、
前記充電部は、
前記第1のバッテリによる前記指示装置の駆動可能時間が、
前記計算部によって算出された前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間に対して所定の関係を満たした場合、前記第1のバッテリの充電を終了する
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記充電部は、
前記第1のバッテリによる前記指示装置の駆動可能時間が、
前記計算部によって算出された前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間
と等しくなった場合、前記第1のバッテリの充電を終了する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記充電部は、
前記第1のバッテリによる前記指示装置の駆動可能時間が、
前記計算部によって算出された前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間よりも所定の時間だけ長くなった場合、前記第1のバッテリの充電を終了する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記充電部は、
前記表示装置が前記第2のバッテリで駆動されている場合、前記第1のバッテリによる前記指示装置の駆動可能時間が、
前記計算部によって算出された前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間に対して所定の関係を満たしたとき、前記第1のバッテリの充電を終了し、
前記表示装置がAC電源で駆動されている場合、前記第1のバッテリが満充電となったとき、前記第1のバッテリの充電を終了する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項5】
第1のバッテリで駆動する指示装置と、第2のバッテリで駆動し、前記指示装置による入力を受け付ける表示装置と、前記第2のバッテリから供給される電力を用いて、前記第1のバッテリを充電する充電部と
、前記第2のバッテリの残容量に基づいて、前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間を算出する計算部とを備えた表示システムにおける充電制御方法であって、
前記第1のバッテリによる前記指示装置の駆動可能時間が、
前記計算部によって算出された前記第2のバッテリによる前記表示装置の駆動可能時間に対して所定の関係を満たした場合、前記第1のバッテリの充電を終了する
ことを特徴とする充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムおよび充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、画像処理装置に対し筆記入力を行うことが可能な電子ペンを備えた電子情報ボードシステムにおいて、電子ペンの電池に充電可能な二次電池を用いること、および、電子ペンの電池の残量に応じて画像処理装置の動作を制御することが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の電子情報ボードシステムにおいて、画像処理装置をバッテリ駆動可能とし、且つ、当該バッテリから供給される電力により電子ペンを充電する構成を採用した場合、電子ペンを必要以上に充電してしまい、その結果、画像処理装置の駆動可能時間を必要以上に短くしてしまう虞がある。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、指示装置の充電によって低減する表示装置の駆動可能時間が、必要以上に低減されてしまうことを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の表示システムは、第1のバッテリで駆動する指示装置と、第2のバッテリで駆動し、指示装置による入力を受け付ける表示装置と、第2のバッテリから供給される電力を用いて、第1のバッテリを充電する充電部とを備え、充電部は、第1のバッテリによる指示装置の駆動可能時間が、第2のバッテリによる表示装置の駆動可能時間に対して所定の関係を満たした場合、第1のバッテリの充電を終了する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、指示装置の充電によって低減する表示装置の駆動可能時間が、必要以上に低減されてしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る電子情報ボードシステムの外観を示す斜視図
【
図2】一実施形態に係る電子情報ボードシステムの主要部の構成を示す模式図
【
図3】一実施形態に係る電子情報ボードシステムの制御系の構成を示すブロック図
【
図4】一実施形態に係るディスプレイ部が備えるコントローラの構成を示すブロック図
【
図5】一実施形態に係る電子情報ボードシステムの充電系の構成を示すブロック図
【
図6】一実施形態に係るディスプレイ部による処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔一実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0009】
(電子情報ボードシステム10の構成)
図1は、一実施形態に係る電子情報ボードシステム10の外観を示す斜視図である。
図1に示す電子情報ボードシステム10は、「表示システム」の一例である。電子情報ボードシステム10は、いわゆる電子黒板と呼ばれるものであり、ペン型入力装置100を用いて、文字や図形等の描画オブジェクトを書込み、当該描画オブジェクトを表示することができる装置である。
【0010】
図1に示すように、電子情報ボードシステム10は、ディスプレイ部20およびペン型入力装置100を備える。ディスプレイ部20は、「表示装置」の一例である。ディスプレイ部20は、表示パネル22およびタッチパネル24を有する。
【0011】
表示パネル22は、各種情報(例えば、画像データ、描画データ等)を表示する。表示パネル22としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等を用いることができる。
【0012】
タッチパネル24は、表示パネル22の前面に重ねて設けられている。タッチパネル24は、ペン型入力装置100の接触操作による、各種情報(例えば、文字、図形、画像等)の入力を行うことができる。タッチパネル24としては、例えば、静電容量方式、赤外線方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、弾性超音波方式等のタッチパネルを用いることができる。
【0013】
ペン型入力装置100は、「指示装置」の一例である。ペン型入力装置100は、タッチパネル24に対する接触操作により、ディスプレイ部20に対する各種情報の入力を行うことが可能な入力装置である。
【0014】
(電子情報ボードシステム10の主要部および制御系の構成)
図2は、一実施形態に係る電子情報ボードシステム10の主要部の構成を示す模式図である。
図3は、一実施形態に係る電子情報ボードシステム10の制御系の構成を示すブロック図である。
【0015】
図2および
図3に示すように、ディスプレイ部20は、コントローラ60を備える。コントローラ60は、ディスプレイ部20の各種制御を行う。例えば、コントローラ60は、各種画像(例えば、入力操作されるソフトウェアボタン26、ユーザPC90から取り込まれた画像等)を、表示パネル22に表示させる。また、例えば、コントローラ60は、タッチパネル24から入力された描画オブジェクトを、表示パネル22に表示させる。
【0016】
コントローラ60は、USB(Universal Serial Bus)ソケット72およびUSBケーブル70を介して、または、入力ソケット82およびVGA(Video Graphics Array)ケーブル80(または、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル、Display Portケーブル等)を介して、ユーザPC90と接続可能である。
【0017】
コントローラ60は、ユーザPC90のモニタ92に表示されている画像と同一の画像を、表示パネル22に表示させることができる。さらに、コントローラ60は、画像が表示された状態の表示パネル22に対し、タッチパネル24から入力された描画オブジェクトを、重ねて表示させることができる。
【0018】
また、コントローラ60は、通信回線200およびネットワークソケット202を介して、インターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワーク204に接続可能である。
【0019】
ユーザPC90は、ストレージ94(例えば、磁気ディスク装置等)を備える。ストレージ94は、各種コンテンツを格納する。ユーザは、ストレージ94に格納されたコンテンツの中から所望のコンテンツを選択し、当該コンテンツをモニタ92に表示させることができる。また、ユーザは、ディスプレイ部20にも当該コンテンツを表示させて、当該コンテンツに対し、ペン型入力装置100を用いて、文字や図形を書き込むことができる。
【0020】
また、
図3に示すように、電子情報ボードシステム10は、ペン信号受信部210を備える。ペン信号受信部210は、ペン型入力装置100から出力される信号を受信する。ペン型入力装置100から出力される信号には、例えば、書込みを示す情報、消去を示す情報、筆圧情報、傾き情報、ペン側バッテリ101の残量情報等が含まれる。
【0021】
(コントローラ60の構成)
図4は、一実施形態に係るディスプレイ部20が備えるコントローラ60の構成を示すブロック図である。
【0022】
図4に示すように、コントローラ60は、コントローラオペレーティングシステム部220、アプリケーション部230、映像入力デバイス部240、およびタッチパネルドライバ部250を備える。
【0023】
タッチパネルドライバ部250は、タッチパネル24に対するペン型入力装置100の接触位置(座標位置)を示す座標位置情報を、コントローラオペレーティングシステム部220に伝送する。また、タッチパネルドライバ部250は、ペン信号受信部210によってペン型入力装置100から受信された信号を、コントローラオペレーティングシステム部220に伝送する。
【0024】
コントローラオペレーティングシステム部220は、コントローラ60で行う制御処理を管理および実行するメイン制御部である。
【0025】
アプリケーション部230は、表示パネル22よる表示に関する制御処理、および、タッチパネル24による入力に関する制御処理を行う。アプリケーション部230は、イベント信号判断部231、映像入力処理部232、画像描画処理部234、画面消去処理部236、および画面操作処理部238を有する。
【0026】
イベント信号判断部231は、コントローラオペレーティングシステム部220から入力されるイベント信号を監視して、入力されたイベント信号に応じた制御処理を行う。
【0027】
映像入力処理部232は、ユーザPC90から映像入力デバイス部240を介して入力された画像を、表示パネル22に表示するための制御処理を行う。
【0028】
画像描画処理部234は、イベント信号判断部231を介して入力される座標位置情報に基づいて、描画オブジェクトのグラフィック画像を生成し、当該グラフィック画像を表示パネル22に表示させる。
【0029】
画面消去処理部236は、イベント信号判断部231を介して入力される座標位置情報に基づいて、表示パネル22に既に表示されているグラフィック画像を消去する。
【0030】
画面操作処理部238は、イベント信号判断部231を介して入力される座標位置情報に基づいて、表示パネル22に表示されるソフトウェアボタンに対する操作内容を判断し、当該操作内容に応じた処理を行う。
【0031】
コントローラ60は、
図4に示す構成を有することにより、ペン型入力装置100によって書き込まれた描画オブジェクト(文字、図形等)を表示パネル22に表示させたり、当該描画オブジェクトを表示パネル22から消去したりすることができる。
【0032】
(電子情報ボードシステム10の充電系の構成)
図5は、一実施形態に係る電子情報ボードシステム10の充電系の構成を示すブロック図である。
【0033】
図5に示すように、ペン型入力装置100は、ペン側バッテリ101を備える。ペン側バッテリ101は、「第1のバッテリ」の一例である。ペン型入力装置100は、ペン側バッテリ101から供給される電力を用いて、各種電気的な動作を行うことが可能となっている。
【0034】
例えば、赤外線方式のタッチパネル24を用いている場合、ペン型入力装置100は、ペン側バッテリ101から供給される電力を用いて、当該ペン型入力装置100のペン先がタッチパネル24に触れた際に、当該ペン型入力装置100の一部を発光させて、当該接触をタッチパネル24に検知させることができる。
【0035】
また、例えば、静電容量方式のタッチパネル24を用いている場合、ペン型入力装置100は、ペン側バッテリ101から供給される電力を用いて、当該ペン型入力装置100のペン先に電荷を持たせることができる。これにより、ペン型入力装置100は、ペン先がタッチパネル24に触れた際に、タッチパネル24上の静電容量を変化させて、当該接触をタッチパネル24に検知させることができる。
【0036】
また、例えば、ペン型入力装置100は、ペン側バッテリ101から供給される電力を用いて、ディスプレイ部20と無線通信を行うことができる。これにより、例えば、ペン型入力装置100は、当該ペン型入力装置100に関する各種情報(例えば、書込みを示す情報、消去を示す情報、筆圧情報、傾き情報、ペン側バッテリ101の残量情報等)を含む信号を、ディスプレイ部20に送信することができる。なお、ペン型入力装置100による無線通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)等を用いることができる。
【0037】
なお、ペン側バッテリ101としては、各種二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等)を用いることができる。
【0038】
一方、ディスプレイ部20は、ディスプレイ本体側バッテリ30、本体側バッテリ充電部31およびペン側バッテリ充電部32を備える。また、ディスプレイ部20は、バッテリ駆動判定部261、ディスプレイ電池残量計算部262、およびペン充電量計算部263を備える。
【0039】
ディスプレイ本体側バッテリ30は、「第2のバッテリ」の一例である。ディスプレイ本体側バッテリ30は、ディスプレイ部20を駆動するための電力を供給する。ディスプレイ部20は、ディスプレイ本体側バッテリ30を備えることにより、AC電源を有しない場所であっても使用可能である。ディスプレイ本体側バッテリ30としては、各種二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等)を用いることができる。
【0040】
本体側バッテリ充電部31は、AC電源から供給される電力を用いて、ディスプレイ本体側バッテリ30を充電する。
【0041】
ペン側バッテリ充電部32は、「充電部」の一例である。ペン側バッテリ充電部32は、ホルダ32Aを有しており、当該ホルダ32Aにペン型入力装置100が装着されることにより、ペン型入力装置100を充電する。ペン側バッテリ充電部32は、ディスプレイ本体側バッテリ30から供給される電力を用いて、ペン型入力装置100を充電する。ホルダ32Aは、ペン型入力装置100を保持可能な構造を有している。これにより、ホルダ32Aは、ペン型入力装置100が使用されないとき、ペン型入力装置100の保管場所として機能する。
【0042】
バッテリ駆動判定部261、ディスプレイ電池残量計算部262、およびペン充電量計算部263は、ペン側バッテリ充電部32によるペン型入力装置100の充電を制御する機能である。
【0043】
バッテリ駆動判定部261は、ディスプレイ部20がバッテリ駆動であるか否かを判断する。すなわち、バッテリ駆動判定部261は、ディスプレイ部20がディスプレイ本体側バッテリ30によって駆動されている場合、「ディスプレイ部20がバッテリ駆動である」と判断する。一方、バッテリ駆動判定部261は、ディスプレイ部20がAC電源によって駆動されている場合、「ディスプレイ部20がバッテリ駆動ではない」と判断する。
【0044】
ディスプレイ電池残量計算部262は、ディスプレイ本体側バッテリ30の残容量に基づいて、ディスプレイ部20の稼働可能時間を算出する。例えば、ディスプレイ電池残量計算部262は、「ディスプレイ本体側バッテリ30の残容量/ディスプレイ部20の稼働中における単位時間あたりの消費電力」により、ディスプレイ部20の稼働可能時間を算出する。
【0045】
ペン充電量計算部263は、ディスプレイ電池残量計算部262によって算出されたディスプレイ部20の稼働可能時間に基づいて、ペン型入力装置100に対する充電量を算出する。具体的には、ペン充電量計算部263は、ペン側バッテリ101によるペン型入力装置100の駆動可能時間が、ディスプレイ本体側バッテリ30によるディスプレイ部20の駆動可能時間に対して所定の関係を満たすように、ペン型入力装置100(ペン側バッテリ101)に対する充電量を算出する。例えば、ペン充電量計算部263は、「ペン型入力装置100の駆動可能時間≒ディスプレイ部20の駆動可能時間」となるように、ペン型入力装置100(ペン側バッテリ101)に対する充電量を算出する。
【0046】
なお、上記したディスプレイ部20の各機能は、例えば、ディスプレイ部20において、補助記憶装置に記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより実現される。このプログラムは、予めディスプレイ部20に導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されてディスプレイ部20に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
【0047】
(ディスプレイ部20による処理の手順)
図6は、一実施形態に係るディスプレイ部20による処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すフローチャートでは、まず、ペン側バッテリ充電部32のホルダ32Aにペン型入力装置100が装着されると(ステップS601)、ペン側バッテリ充電部32が、ペン型入力装置100の充電を開始する(ステップS602)。
【0049】
次に、バッテリ駆動判定部261が、ディスプレイ部20がバッテリ駆動であるか否かを判断する(ステップS603)。ステップS603において、バッテリ駆動ではない(すなわち、AC電源駆動である)と判断された場合(ステップS603:No)、ペン側バッテリ充電部32は、ペン型入力装置100が満充電となるまで、ペン型入力装置100を充電する(ステップS604)。その後、ペン側バッテリ充電部32が、ペン型入力装置100の充電を終了し(ステップS608)、電子情報ボードシステム10は、
図6に示す一連の処理を終了する。
【0050】
一方、ステップS603において、バッテリ駆動であると判断された場合(ステップS603:Yes)、ディスプレイ電池残量計算部262が、ディスプレイ本体側バッテリ30の残容量に基づいて、ディスプレイ部20の稼働可能時間を算出する(ステップS605)。
【0051】
そして、ペン充電量計算部263が、ステップS605で算出されたディスプレイ部20の稼働可能時間に基づいて、ペン型入力装置100に対する充電量を算出する(ステップS606)。
【0052】
ここでは、ペン充電量計算部263が、「ペン型入力装置100の稼働可能時間≒ディスプレイ部20の稼働可能時間」となるように、ペン型入力装置100に対する充電量を算出する。
【0053】
続いて、ペン側バッテリ充電部32が、ステップS606で算出された充電量の充電を、ペン型入力装置100に対して行う(ステップS607)。すなわち、ペン側バッテリ充電部32は、「ペン型入力装置100の稼働可能時間≒ディスプレイ部20の稼働可能時間」となるまで、ペン型入力装置100の充電を行う。その後、ペン側バッテリ充電部32が、ペン型入力装置100の充電を終了し(ステップS608)、電子情報ボードシステム10は、
図6に示す一連の処理を終了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の電子情報ボードシステム10では、ペン側バッテリ充電部32が、ディスプレイ本体側バッテリ30から供給される電力を用いて、ペン型入力装置100を充電する。この際、ペン側バッテリ充電部32は、ペン側バッテリ101によるペン型入力装置100の駆動可能時間が、ディスプレイ本体側バッテリ30によるディスプレイ部20の駆動可能時間と略等しくなった場合、ペン側バッテリ101の充電を終了する。
【0055】
これにより、本実施形態の電子情報ボードシステム10は、ペン型入力装置100を必要以上に充電しないようにすることができ、すなわち、ディスプレイ本体側バッテリ30のバッテリ残量を必要以上に減らさないようにすることができるため、ディスプレイ部20の駆動可能時間をできるだけ長くすることができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態では、「ペン型入力装置100の駆動可能時間≒ディスプレイ部20の駆動可能時間」となるようにペン型入力装置100の充電量を制御しているが、これに限らない。
【0058】
例えば、「ペン型入力装置100の駆動可能時間=ディスプレイ部20の駆動可能時間」となるように、ペン型入力装置100の充電量を制御してもよい。また、例えば、「ペン型入力装置100の駆動可能時間=ディスプレイ部20の駆動可能時間+α」(但し、α=任意の所定値)となるように、ペン型入力装置100の充電量を制御してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、「表示システム」の一例として電子情報ボードシステム10(電子黒板)を用いているが、これに限らない。すなわち、本発明の「表示システム」は、「指示装置」、「表示装置」、および「充電部」を備えるものであれば、如何なるシステムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 電子情報ボードシステム(表示システム)
20 ディスプレイ部(表示装置)
22 表示パネル
24 タッチパネル
30 ディスプレイ本体側バッテリ(第2のバッテリ)
31 本体側バッテリ充電部
32 ペン側バッテリ充電部(充電部)
32A ホルダ
60 コントローラ
100 ペン型入力装置(指示装置)
101 ペン側バッテリ(第1のバッテリ)
261 バッテリ駆動判定部
262 ディスプレイ電池残量計算部
263 ペン充電量計算部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】