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特許7196567管理システム、遠隔機器管理システム、表示制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】管理システム、遠隔機器管理システム、表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20221220BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20221220BHJP
   H04L 41/00 20220101ALI20221220BHJP
   H04L 43/00 20220101ALI20221220BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F3/14 320A
G06F3/14 320C
H04L41/00
H04L43/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018223057
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020087151
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】永尾 元裕
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185519(JP,A)
【文献】特開2014-021867(JP,A)
【文献】国際公開第2006/121161(WO,A1)
【文献】特開2003-319433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0203906(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 3/14
H04L 41/00
H04L 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルネットワーク内に存在する機器と通信可能な仲介装置と、ファイアウォールを介して通信を行う管理システムであって、
前記仲介装置の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報、当該位置情報に対応する前記仲介装置と通信可能な機器を識別するための機器識別情報を関連づけて記憶する第1の記憶手段と、
前記機器の状態を示す機器状態情報を、前記仲介装置から受信する受信手段と、
前記位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する前記記憶された位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた前記機器識別情報に係る前記機器の前記機器状態情報を示す機器特定画像と、を含む第1の管理画像を、表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え
前記第1の記憶手段は、前記位置情報および当該位置情報に対応する前記仲介装置を識別するための仲介装置識別情報を関連づけて記憶し、
前記受信手段は、前記仲介装置の状態を示す装置状態情報を、当該仲介装置から受信し、
前記表示制御手段は、前記地図情報と、当該地図情報に対応する前記位置情報が示す位置に、当該位置情報に関連づけられた前記仲介装置識別情報に係る前記仲介装置の前記装置状態情報を示す仲介装置特定画像とを含む第2の管理画像を、前記表示部に表示させる管理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記記憶された機器識別情報および仲介装置識別情報に基づいて、前記仲介装置と前記機器の接続関係を示す第3の管理画像を、前記表示部に表示させる請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の管理システムであって、
前記表示部に表示された所定の画像に対する選択を受け付ける第1の受付手段を備え、
前記表示制御手段は、前記受け付けられた選択に応じて、前記所定の画像から、前記第1の管理画像、前記第2の管理画像または前記第3の管理画像へ前記表示部の表示を切り替える管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の管理システムであって、
前記第1の受付手段は、前記第2の管理画像に含まれる前記仲介装置特定画像の選択を受け付け、
前記表示制御手段は、前記仲介装置特定画像の選択が受け付けられた場合、前記第2の管理画像から前記第1の管理画像へ前記表示を切り替える管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管理システムであって、
特定の管理者からの所定の管理画面の表示要求を受け付ける第2の受付手段と、
前記特定の管理者を識別するための管理者識別情報、当該特定の管理者の属性を示す属性情報を関連づけて記憶する第2の記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記管理者識別情報に関連づけられた属性情報に基づいて、前記第1の管理画像と前記第2の管理画像のいずれか一方を前記表示部に表示させる管理システム。
【請求項6】
請求項3または4に記載の管理システムであって、
前記第1の受付手段は、前記第1の管理画像に含まれる前記機器特定画像の選択を受け付け、更に、
前記選択が受け付けられた前記機器特定画像に係る前記機器に対する所定の制御を行うための機器制御要求を、当該機器と通信可能な前記仲介装置へ送信する送信手段を備える管理システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記仲介装置と接続されている通信セッションを介して、前記機器制御要求を、前記仲介装置へ送信し、
前記受信手段は、前記機器制御要求に対する応答として、前記機器状態情報を、前記仲介装置から受信する請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の管理システムと、前記仲介装置とを備える遠隔機器管理システムであって、
前記仲介装置は、
前記機器制御要求を、前記管理システムから受信する管理システム通信手段と、
前記受信された機器制御要求を、前記機器へ送信する機器通信手段と、を備え、
前記管理システム通信手段は、前記機器制御要求に対する応答として前記機器から送信された前記機器状態情報を、前記管理システムへ送信する遠隔機器管理システム。
【請求項9】
ローカルネットワーク内に存在する機器と通信可能な仲介装置と、ファイアウォールを介して通信を行う管理システムが実行する表示制御方法であって、
前記仲介装置の位置を示す位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得された位置情報、当該位置情報に対応する前記仲介装置と通信可能な機器を識別するための機器識別情報を関連づけて記憶部に記憶させ、前記位置情報および当該位置情報に対応する前記仲介装置を識別するための仲介装置識別情報を関連づけて記憶させる記憶制御ステップと、
前記機器の状態を示す機器状態情報および前記仲介装置の状態を示す装置状態情報を、当該仲介装置から受信する受信ステップと、
前記位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する前記記憶された位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた前記機器識別情報に係る前記機器の前記機器状態情報を示す機器特定画像と、を含む第1の管理画像を、表示部に表示させ、前記地図情報と、当該地図情報に対応する前記位置情報が示す位置に、当該位置情報に関連づけられた前記仲介装置識別情報に係る前記仲介装置の前記装置状態情報を示す仲介装置特定画像とを含む第2の管理画像を、前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行する表示制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、遠隔機器管理システム、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)等のローカルネットワーク内に存在する機器をローカルネットワーク外から遠隔管理する遠隔機器管理システムが知られている。遠隔機器管理システムは、例えば、機器から機器情報を取得可能な仲介装置をローカルネットワーク内に設けている。そして、ローカルネットワーク外に位置する管理サーバは、仲介装置との間でファイアウォールを介して通信を行うことで、機器の遠隔管理を実現している。
【0003】
このような遠隔機器管理システムにおいて、ネットワークの管理者は、仲介装置から送信された機器の状態を示す状態情報に基づいて、異常が発生した機器を特定する。例えば、特許文献1には、通信路に接続された複数のノード装置のそれぞれに対して、接続状態を検出するための監視要求を所定時間間隔で送信し、所定時間内に応答が返信された場合には正常接続状態として状態情報を更新し、更新された各ノード装置の状態情報とネットワーク構成図を表示する内容が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法では、複数のノード装置である仲介装置と機器の階層関係を端末に表示させることはできるが、管理対象の機器がどこに設置されているのかを表示によって直観的に把握させることができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る管理システムは、ローカルネットワーク内に存在する機器と通信可能な仲介装置と、ファイアウォールを介して通信を行う管理システムであって、前記仲介装置の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報、当該位置情報に対応する前記仲介装置と通信可能な機器を識別するための機器識別情報を関連づけて記憶する第1の記憶手段と、前記機器の状態を示す機器状態情報を、前記仲介装置から受信する受信手段と、前記位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する前記記憶された位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた前記機器識別情報に係る前記機器の前記機器状態情報を示す機器特定画像と、を含む第1の管理画像を、表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、前記第1の記憶手段は、前記位置情報および当該位置情報に対応する前記仲介装置を識別するための仲介装置識別情報を関連づけて記憶し、前記受信手段は、前記仲介装置の状態を示す装置状態情報を、当該仲介装置から受信し、前記表示制御手段は、前記地図情報と、当該地図情報に対応する前記位置情報が示す位置に、当該位置情報に関連づけられた前記仲介装置識別情報に係る前記仲介装置の前記装置状態情報を示す仲介装置特定画像とを含む第2の管理画像を、前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遠隔機器管理システムにおいて、管理対象の機器の状態と位置を直観的に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムの概略の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る仲介装置および機器の機能構成の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る機器との通信に用いる通信定義の概略モデルの一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る仲介装置管理テーブルの一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係るエリア管理テーブルの一例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る論理構成管理テーブルの一例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る物理構成管理テーブルの一例を示す図である。
図14】第1の実施形態に係る遠隔操作管理テーブルの一例を示す図である。
図15】第1の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。
図16】第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置への仲介装置の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図17】(a)(b)第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける、遠隔機器管理装置と仲介装置との間の通信セッションの確立処理の一例を示すシーケンス図である。
図18】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける、遠隔機器管理装置と仲介装置との間の通信セッションの状態遷移の概略の一例を示す図である。
図19】第1の実施形態に係る管理システムにおける管理画面の表示処理の一例を示すシーケンス図である。
図20】第1の実施形態に係る管理者端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図21】第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置における論理構成画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。
図22】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される論理構成画面の一例を示す図である。
図23】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される論理構成画面の一例を示す図である。
図24】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される論理構成画面の一例を示す図である。
図25】第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置における物理構成画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。
図26】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される物理構成画面の一例を示す図である。
図27】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される物理構成画面の一例を示す図である。
図28】第1の実施形態に係る管理者端末に表示される物理構成画面の一例を示す図である。
図29】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける遠隔機器管理装置から機器に対する制御処理の一例を示すシーケンス図である。
図30】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける遠隔機器管理装置から送信される機器制御要求のデータ構造の一例を示す図である。
図31】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける機器状態情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。
図32】第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける機器から遠隔機器管理システムへの機器状態情報の通知処理の一例を示すシーケンス図である。
図33】第2の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。
図34】第2の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。
図35】第2の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。
図36】第2の実施形態に係る遠隔操作管理テーブルの一例を示す図である。
図37】第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける遠隔機器管理装置から機器に対する制御処理の一例を示すシーケンス図である。
図38】第3の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。
図39】第3の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。
図40】第3の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。
図41】第3の実施形態に係る遠隔機器管理装置における管理画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。
図42】第4の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。
図43】第4の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。
図44】第4の実施形態に係る遠隔機器管理装置への仲介装置の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図45】第4の実施形態に係る遠隔機器管理装置への仲介装置の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図46】その他の実施形態に係る遠隔機器管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
●第1の実施形態●
●システム構成
図1は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムのシステム構成の一例を示す図である。遠隔機器管理システム1は、管理システム3、ローカルネットワーク7、ファイアウォール9および外部サーバ200を含む。ローカルネットワーク7は、インターネットを介して管理システム3と接続されている。ローカルネットワーク7と管理システム3は、ファイアウォール9をインターフェースとして接続されている。
【0010】
ローカルネットワーク7は、オフィス、会議室、倉庫、工場または特定の生産ライン等のネットワーク環境において形成される通信ネットワークである。ローカルネットワーク7は、例えば、インターネットを経由しない社内LAN(Local Area Network)である。ローカルネットワーク7は、仲介装置30、MFP(Multi-Function Peripheral:複合機)500a、PJ(Projector:プロジェクタ)500b、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)500c、PC(Personal Computer:パソコン)500d、センサデバイス500e(例:外部と通信可能な、電子天秤・気圧計・加速度計・電流計・温度計・光度計・人感センサ・カメラ・照度計)を含む。MFP500a、PJ500b、IWB500c、PC500d、センサデバイス500eは、管理システム3における遠隔管理の対象となる管理対象機器である。なお、以下の説明で使用する機器500は、これらの管理対象機器の総称である。
【0011】
ファイアウォール9は、管理システム3(インターネット)からの特定のパケットのみをローカルネットワーク7内に通過させる機能を有する。これにより、ファイアウォール9は、ローカルネットワーク7への意図しないまたは不正なアクセスをブロックすることが可能となる。また、ファイアウォール9は、仲介装置30からのパケットを管理システム3に転送する機能を有する。
【0012】
管理システム3は、ローカルネットワーク7内に存在する仲介装置30および機器500を管理するためのシステムである。管理システム3は、遠隔機器管理装置10および複数の管理者端末90(90a、90b、90c、以下区別する必要のないときは管理者端末90と称する。)を含む。
【0013】
遠隔機器管理装置10は、複数のローカルネットワーク7に存在する仲介装置30および機器500の情報を管理するためのサーバコンピュータである。遠隔機器管理装置10は、ファイアウォ-ル9を介して仲介装置30と接続され、ローカルネットワーク7内の機器500を、仲介装置30を介して遠隔管理する。管理の一例として、遠隔機器管理装置10は、MFP500aから、トナー残量・印刷枚数等の状態に関する情報を取得することが可能である。また、遠隔機器管理装置10は、MFP500aに蓄積されたドキュメントデータの印刷を実行させるための指示が可能である。また、遠隔機器管理装置10は、PJ500b、IWB500c、およびPC500dに対して、電源のONまたはOFFを制御することが可能である。さらに、遠隔機器管理装置10は、センサデバイス500eに対して、当該センサデバイス500eによって取得された情報を取得することが可能である。なお、遠隔機器管理装置10は、一台のサーバコンピュータによって構成されてもよく、複数のサーバコンピュータによって構成されてもよい。
【0014】
管理者端末90は、仲介装置30の設置担当者または機器500の保守担当者等の遠隔機器管理システム1の管理者が使用するノートPC等の端末である。管理者端末90は、遠隔機器管理装置10によって管理される機器500の機器状態情報を表示させることで、遠隔機器管理システム1の管理者に機器500の情報を提供する。また、複数の管理者端末90は、異なる拠点からそれぞれ遠隔機器管理装置10へアクセスすることができる。管理者端末90aではアプリ900a、管理者端末90bではアプリ900b、管理者端末90cではアプリ900c(以下、アプリ900a~cのそれぞれを区別しない場合、アプリ900という。)が動作している。遠隔機器管理装置10は、例えば、ローカルネットワーク7の使用環境や機器500の種別に応じて、提供するアプリケーションの内容を設定することができ、管理者端末90ごとに提供するアプリケーションを管理している。なお、管理者端末90は、例えば、タブレット端末、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末またはディスクトップPC等のWebブラウザを搭載した端末であってもよい。また、管理者端末90は、ローカルネットワーク7内において、仲介装置30と直接通信可能な構成であってもよい。例えば、仲介装置30の設置担当者が現場で仲介装置30の設置作業を行う場合、設置担当者が使用する管理者端末90は、仲介装置30とローカルネットワーク7内で直接通信を行うことで、仲介装置30の設置作業を円滑に行うことができる。
【0015】
仲介装置30は、遠隔機器管理装置10と、ローカルネットワーク7における機器500との間の通信を仲介する装置である。仲介装置30は、遠隔機器管理装置10からファイアウォール9を超えて、ローカルネットワーク7内にメッセージを送信するために常時セッションを維持するための責務を持ち、ローカルネットワーク7内のセキュリティを担保しつつ遠隔機器管理装置10と管理(監視)対象の機器500との双方向の通信を実現する。仲介装置30は、機器500およびファイアウォール9と、有線または無線LAN等を介して通信可能である。仲介装置30は、遠隔機器管理装置10からの指示を受けて機器500にアクセスしたり、機器500からのアラート通知を遠隔機器管理装置10に送信したり、予め設定されたスケジュールに基づき機器500の情報取得通知や死活監視(例えば、機器500が通信可能であるかどうか等)を行う。仲介装置30は、単体として機能するボックス型(箱型)の通信装置であってもよく、MFP500a等の機器に内蔵されていてもよい。
【0016】
また、仲介装置30は、インターネット上にある遠隔機器管理装置10と、ファイアウォール9を経由して通信可能である。すなわち、仲介装置30は、ファイアウォール(をインターフェースとするローカルネットワーク7)内に位置し、管理システム3を構成する遠隔機器管理装置10は、ファイアウォール(をインターフェースとするローカルネットワーク7)外に位置するといえる。
【0017】
機器500(MFP500a、PJ500b、IWB500c、PC500dおよびセンサデバイス500e)は、ローカルネットワーク7内に位置し、かつファイアウォール(をインターフェースとするローカルネットワーク7)内に位置する。機器500は、管理システム3によるメンテナンスやカウンタ検針等が行われる管理対象の機器である。また、機器500は、人感センサ等のネットワーク機能を備えていない端末に、ネットワーク機能を備えた機器を取り付けてもよい。
【0018】
外部サーバ200は、管理システム3に対して、所定のサービスまたはアプリケーションを提供する装置である。外部サーバ200は、例えば、WebAPI(Web Application Programming Interface)等を用いて、外部所定のサービスまたはアプリケーションを用いて利用可能な地図情報を、管理システム3へ提供する。
【0019】
なお、管理システム3は、遠隔機器管理装置10と管理者端末90の機能を一台の装置によって実行される構成であってもよい。また、図1は、管理システム3が、一つのローカルネットワーク7内に位置する複数の機器500を遠隔管理する例を示すが、管理システム3が、複数のローカルネットワーク7内のそれぞれに位置する機器500を遠隔管理する構成にしてもよい。また、図1は、一台の仲介装置30が一つのローカルネットワーク7内に位置する例を示すが、一つのローカルネットワーク内に二台以上の仲介装置30が位置する構成にしてもよい。この場合、仲介装置30ごとに担う機能を分担してもよい。
【0020】
●概略
ここで、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムの構成の概略に説明する。なお、図2は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムの概略を簡略的に説明したものであり、遠隔機器管理システム1が実現する機能等の詳細は、後述する図面等を用いて説明する。
【0021】
図2は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムの概略の一例を示す図である。図2に示す遠隔機器管理システム1は、システムの管理者に管理対象の機器500の状態と位置を直観的に把握させることができるシステムである。図2に示す遠隔機器管理システム1には、異なる拠点に複数のローカルネットワーク7(7A,7B,7C)が形成されている。これらのローカルネットワーク7には、遠隔機器管理装置10とファイアウォ-ルを介した通信を行う仲介装置30(30A,30B,30C)と、仲介装置30と通信可能に接続された管理対象の機器500(500A,500B,500C,500D)が設けられている。
【0022】
遠隔機器管理装置10は、それぞれのローカルネットワーク7に設けられた仲介装置30から、定期的に仲介装置30の状態を示す装置状態情報または機器500の状態を示す機器状態情報を受信する。遠隔機器管理装置10は、それぞれの仲介装置30との間で、WebSocket通信またはポーリングといった双方向の通信セッションを維持することで、装置状態情報および機器状態情報を取得することができる。
【0023】
まず、システムの管理者は、管理者端末90を用いて、管理者端末90にインストールされたアプリ900にログインする(ステップS1)。次に、遠隔機器管理装置10は、管理者端末90に表示させる管理画面を生成するため、予め記憶された仲介装置30に関する仲介装置情報、機器500に関する機器情報、および仲介装置30が設置された位置を示すエリア情報を対応づける(ステップS2)。また、遠隔機器管理装置10は、外部サーバ200から各ローカルネットワーク7が形成された位置に対応する領域を含む地図情報を取得する。
【0024】
さらに、遠隔機器管理装置10は、ステップS2において対応づけた情報および取得した地図情報を用いて、管理者端末90に表示させる管理画面を描画生成する(ステップS3)。管理画面とは、遠隔機器管理装置10によって監視(管理)される仲介装置30または機器500の状態を、管理者端末90を使用する管理者に提示するための表示画面である。遠隔機器管理装置10は、地図情報に対応する仲介装置30が設置された位置に、仲介装置30に対応する機器500の機器状態情報を示す機器特定画像930を含む物理構成画面910b(後述する図27参照)を管理画面として生成する。そして、管理者端末90は、遠隔機器管理装置10によって描画された管理画面を表示する(ステップS4)。これにより、管理者端末90を使用する管理者は、管理対象の機器500を状態と位置を、一つの画面で直観的に把握することができる。
【0025】
従来の遠隔機器管理システムは、管理対象の機器の状態を管理者に知らせるための、管理者が使用する管理者端末90に機器状態情報を表示させていたが、管理対象の機器がどこに設置されているのかを表示によって直観的に把握させることができなかった。また、管理対象の機器の位置を特定するためには、遠隔機器管理装置10は、機器500を特定するためのコンソール画面へのアクセスや機器500との間でSSH(Secure SHell)接続を行う必要があるため、システムの管理者の手間が掛かっていた。
【0026】
そこで、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理対象の機器500の状態を示す機器状態情報を、機器500と通信を行う仲介装置30が設置された位置に対応する地図上の位置に表示させることで、システムの管理者に管理対象の機器500の状態と位置を直観的に把握させる。また、システムの管理者は、管理者端末90に表示された管理画面上から、管理対象の仲介装置30または機器500の状態異常等を認識した場合、管理画面上に表示された情報より即時に対処可能となるため、メンテナンスのための物理的な移動や作業が不要となり、作業効率性を向上させることができる。
【0027】
●ハードウエア構成
続いて、第1の実施形態に係る各装置のハードウエア構成について説明する。遠隔機器管理システム1を構成する各装置は、一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、一般的なコンピュータのハードウエア構成例について説明する。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図3に示すコンピュータ1000のハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を有していてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003、ストレージ1004、キーボード1005、ディスプレイインターフェース(I/F)1006、メディアインターフェース(I/F)1007、ネットワークインターフェース(I/F)1008、GPS(Global Positioning Systems)受信回路1009およびバス1010等を有する。
【0029】
CPU1001は、ROM1002やストレージ1004等に格納されたプログラムやデータをRAM1003上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ1000の各機能を実現する演算装置である。例えば、遠隔機器管理装置10および管理者端末90は、それぞれにインストールされたアプリケーションプログラムをCPU1001が実行することによって、本発明に係る表示制御方法を実現する。
【0030】
ROM1002は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。ROM1002は、例えば、フラッシュROM等により構成される。ROM1002は、多種の用途に対応したSDK(Software Development Kit)がインストールされており、SDKのアプリケーションを用いて、コンピュータ1000の機能やネットワーク接続等を実現することが可能である。
【0031】
RAM1003は、CPU1001のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ1004は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスである。ストレージ1004は、例えば、OS(Operation System)、アプリケーションプログラムおよび各種データ等を記憶する。
【0032】
キーボード1005は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。入力手段は、キーボード1005のみならず、例えば、マウス、タッチパネルまたは音声入力装置等であってもよい。ディスプレイI/F1006は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ1006aに対するカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字または画像等の各種情報の表示を制御する。ディスプレイ1006aは、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。管理者端末90のディスプレイ1006aは、表示部の一例である。
【0033】
メディアI/F1007は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、光学ディスクまたはフラッシュメモリ等の記録メディア1007aに対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0034】
ネットワークI/F1008は、コンピュータ1000をネットワークに接続し、他のコンピュータや、電子機器等とデータの送受信を行うためのインターフェースである。ネットワークI/F1008は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)等の通信インターフェースである。また、ネットワークI/F1008は、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、Zigbee(登録商標)、EnOcean、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、NFC(Near Field Communication)、ミリ波無線通信、赤外線通信、QRコード(登録商標)、可視光、環境音または超音波等の通信インターフェースを備えてもよい。
【0035】
GPS受信回路1009は、GPS衛星または屋内GPSとしてのIMES(Indoor MEssagingSystem)によって装置または端末の位置情報(緯度、経度、および高度)を含んだGPS信号を受信する。
【0036】
バスライン1010は、上記の各構成要素に共通に接続され、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU1001、ROM1002、RAM1003、ストレージ1004、キーボード1005、ディスプレイI/F1006、メディアI/F1007、ネットワークI/F1008およびGPS受信回路1009は、バスライン1010を介して相互に接続されている。
【0037】
なお、第1の実施形態に係る各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。例えば、遠隔機器管理装置10は、キーボード1005等の入力手段およびディスプレイ1006aを備えていない構成であってもよい。また、機器500は、各機器の種別に応じた機能やサービスを提供するためのモジュール等を備える構成であってもよい。
【0038】
●機能構成
続いて、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムの機能構成について説明する。まず、図4を用いて、管理システム3を構成する遠隔機器管理装置10および管理者端末90の機能構成を説明する。図4は、第1の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。図4に示す遠隔機器管理装置10により実現される機能は、仲介装置通信部11、コマンド管理部12、判断部13、通信管理部14、監視情報管理部15、Webサーバ部16、地図情報管理部17、画面情報生成部18、外部サーバ通信部19、記憶・読出部21および記憶部100を含む。
【0039】
仲介装置通信部11は、仲介装置30との間で各種データ(情報)をやり取りする機能である。仲介装置通信部11は、ローカルネットワーク7の内部に位置する仲介装置30との間のファイアウォ-ル9を経由した通信を制御する。仲介装置通信部11は、仲介装置30から遠隔機器管理装置10に対して常時通信(常時接続)可能なように通信セッション(WebSocket等)を維持しておき、仲介装置30との間で、各種データ(情報)を送受信する。また、仲介装置通信部11は、仲介装置30から送信された遠隔機器管理装置10へのポーリングを受信し、当該ポーリングに対する応答を仲介装置30へ送信する。本実施形態では、どちらの方法をとってもよい。
【0040】
仲介装置通信部11は、例えば、Webサーバ部16によって発行されたコマンドを、仲介装置30へ送信する。仲介装置通信部11から送信されるコマンドは、例えば、仲介装置30または機器500に対する所定の要求を示す要求情報の一例である。仲介装置30と遠隔機器管理装置10との間で常時通信(接続)可能な通信セッション(WebSocket等)が確立されていない場合、遠隔機器管理装置10は、Webサーバ部16によって発行されたコマンドを、未送信または送信完了といったステータスでコマンドの送信状態を管理する。また、仲介装置通信部11は、仲介装置30へ送信したコマンドに対する応答、または機器500から自発的に送信された機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を、仲介装置30から受信する。受信された情報は、Webサーバ部16に送信され、Webクライアントを用いて管理者端末90に表示される。仲介装置通信部11は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。仲介装置通信部11は、受信手段の一例である。また、仲介装置通信部11は、送信手段の一例である。
【0041】
コマンド管理部12は、Webサーバ部16によって発行されたコマンドを管理する機能である。コマンド管理部12は、例えば、Webサーバ部16によって生成されたコマンド、および仲介装置30または機器500によるコマンドの実行結果を管理する。コマンド管理部12は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0042】
判断部13は、仲介装置30および管理(監視)対象の機器500から送信される情報に基づいて、仲介装置30および機器500の状態を判断する機能である。判断部13は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0043】
通信管理部14は、ローカルネットワーク7に存在する仲介装置30および機器500との通信を管理する機能である。通信管理部14は、例えば、遠隔機器管理システム1において利用可能な通信プロトコルの情報を管理する。また、通信管理部14は、通信プロトコルのそれぞれにおいて定義された通信パラメータの情報を管理する。通信管理部14は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0044】
監視情報管理部15は、仲介装置30に関する仲介装置情報および機器500に関する機器情報を管理する機能である。監視情報管理部15は、例えば、仲介装置30または機器500へ状態情報の取得要求を送信するタスクスケジュールを管理する。また、監視情報管理部15は、例えば、機器500から送信された機器500の状態を示す機器状態情報に基づいて、機器500の状態を管理する。監視情報管理部15は、例えば、図3に示したCPU1001により実行されるプログラム等によって実現される。監視情報管理部15は、取得手段の一例である。
【0045】
Webサーバ部16は、Webアプリケーションのサーバ部としての機能を担う機能である。Webサーバ部16は、Webクライアント部91からの要求をHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)等の通信プロトコルを利用してWebAPIで受け付け、要求に従った処理を行ってWebクライアント部91へ応答する。利用される通信プロトコルは、これに限られず、FTP(File Transfer Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)またはSNMP(Simple Network Management Protocol)等のプロトコルを用いてもよい。
【0046】
また、Webサーバ部16は、遠隔機器管理装置10から仲介装置30または機器500との通信が必要な場合に、仲介装置30または機器500に送信するコマンドを発行(生成)する。発行されるコマンドは、機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報の取得または電源のON/OFF等の制御命令である。これらのコマンドは、仲介装置30または機器500に対する所定の要求を示す要求情報の一例である。Webサーバ部16は、仲介装置通信部11によって受信されたコマンド結果を、Webクライアント部91の画面上にリアルタイムに通知するためにWebSocket等の機能を有していてもよい。Webサーバ部16は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0047】
地図情報管理部17は、外部サーバ通信部19によって受信された地図情報を管理する機能である。地図情報管理部17は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0048】
画面情報生成部18は、管理者端末90に表示させる管理画面を生成する機能である。管理画面とは、遠隔機器管理装置10によって監視(管理)される仲介装置30または機器500の状態を、管理者端末90を使用する管理者に提示するための表示画面である。画面情報生成部18は、例えば、監視情報管理部15によって管理される仲介装置情報および機器情報等を用いて、管理画面である論理構成画面710および物理構成画面910a,910bを生成する。画面情報生成部18は、例えば、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0049】
外部サーバ通信部19は、外部サーバ200との間で各種データ(情報)をやり取りする機能である。外部サーバ通信部19は、外部サーバ200が提供する所定のサービスまたはアプリケーションを用いて利用可能な地図情報を、外部サーバ200から受信する。外部サーバ通信部19は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0050】
記憶・読出部21は、記憶部100に各種データを記憶し、記憶部100から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部21および記憶部100は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。また、記憶部100は、図3に示したROM1002またはストレージ1004によって実現される。さらに、記憶部100は、仲介装置管理テーブル110、機器管理テーブル120a、エリア管理テーブル130、アカウント管理テーブル140a、論理構成管理テーブル150、物理構成管理テーブル160および遠隔操作管理テーブル170aを記憶している。仲介装置管理テーブル110、機器管理テーブル120a、エリア管理テーブル130、アカウント管理テーブル、論理構成管理テーブル150、物理構成管理テーブル160および遠隔操作管理テーブル170aの詳細は、後述する。記憶部100は、第1の記憶手段の一例である。また、記憶部100は、第2の記憶手段の一例である。
【0051】
続いて、管理者端末90の機能構成について説明する。図4に示す管理者端末90により実現される機能は、Webクライアント部91、受付部92および位置情報取得部93を含む。
【0052】
Webクライアント部91は、Webアプリケーションのクライアント部としての役割を担う機能である。Webクライアント部91は、Webブラウザで動作するHTML(HyperText Markup Language)、またはJavaScript(登録商標)、CSS(Cascading Style Sheets)といった言語で記述されたプログラムが実行されることによって実現される。Webクライアント部91は、例えば、後述する論理構成画面710(図22乃至図24参照)、物理構成画面910a,910b(図26乃至図27参照)または機器状態表示画面950を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させる。また、Webクライアント部91は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。Webクライアント部91は、表示制御手段の一例である。
【0053】
受付部92は、図3に示したキーボード1005等の入力手段に対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部92は、例えば、Webクライアント部91によってディスプレイ1006aに表示された表示画面に示される各種項目に対する選択を受け付ける。受付部92は、例えば、図3に示したキーボード1005およびCPU1001で実行されるプログラム等によって実現される。受付部92は、第1の受付手段の一例である。また、受付部92は、第2の受付手段の一例である。
【0054】
位置情報取得部93は、管理者端末90の位置情報を取得する機能である。位置情報取得部93は、例えば、GPS受信回路1009を用いて、管理者端末90の位置を示す緯度および経度の情報を含む位置情報を取得する。位置情報取得部93は、例えば、図3に示したGPS受信回路1009およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0055】
続いて、図5を用いて、ローカルネットワーク7に属する各装置の機能構成を説明する。図5は、第1の実施形態に係る仲介装置および機器の機能構成の一例を示す図である。図5に示す仲介装置30により実現される機能は、管理装置通信部31、機器通信部32、受付部33、表示制御部34、機器情報管理部35、通信管理部36、コマンド実行部37、記憶・読出部38および記憶部300を含む。
【0056】
管理装置通信部31は、遠隔機器管理装置10との間で各種データ(情報)をやり取りする機能である。管理装置通信部31は、例えば、遠隔機器管理装置10から送信された機器500に対して所定の処理の実行を要求するコマンドを受信する。また、管理装置通信部31は、例えば、遠隔機器管理装置10から送信されたコマンドに対する応答(処理の実行結果)を、遠隔機器管理装置10へ送信する。さらに、管理装置通信部31は、仲介装置30のステータス(状態)を示す装置状態情報、または機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を、遠隔機器管理装置10へ送信する。管理装置通信部31は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。管理装置通信部31は、管理システム通信手段の一例である。
【0057】
機器通信部32は、機器500との間で各種データ(情報)をやり取りする機能である。機器通信部32は、通信管理部36によって管理される動作種別、通信プロトコルおよびパラメータ等の通信定義を用いて、機器500と通信を行う。また、機器通信部32は、例えば、管理装置通信部31によって受信されたコマンドを、機器500へ送信する。さらに、機器通信部32は、例えば、機器500から送信された、コマンドに対する応答を受信する。機器通信部32は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。機器通信部32は、機器通信手段の一例である。
【0058】
受付部33は、図3に示したキーボード1005等の入力手段に対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部33は、例えば、図3に示したキーボード1005およびCPU1001で実行されるプログラム等によって実現される。
【0059】
表示制御部34は、図3に示したディスプレイ1006aに各種画面情報を表示させる機能である。表示制御部34は、例えば、ユーザによる入力操作を受け付ける操作画面等を、ディスプレイ1006aに表示させる。表示制御部34によって表示される表示画面は、例えば、仲介装置30をローカルネットワーク7に設置するために必要な設定を行うためのUI(user interface)である。仲介装置30は、表示制御部34によって表示されるUIを用いて、遠隔機器管理装置10と通信するためのIPアドレス、サブネットマスクもしくはデフォルトゲートウェイ等のパラメータ、および遠隔機器管理装置10のURL(Uniform Resource Locator)もしくはプロキシサーバ(認証サーバ)等の設定を行う。また、仲介装置30は、表示制御部34によって表示されるUIを用いて、遠隔機器管理装置10との疎通確認、および通信を開始するための手続きを実行する。表示制御部34は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0060】
機器情報管理部35は、仲介装置30と通信可能な機器500に関する機器情報を管理する機能である。機器情報管理部35は、例えば、機器500へ機器状態情報の取得要求を送信するタスクスケジュールを管理する。また、機器情報管理部35は、例えば、機器500から送信された機器500の状態を示す機器状態情報に基づいて、機器500の状態を管理する。
【0061】
さらに、機器情報管理部35は、仲介装置30のリソース状態を管理する。機器情報管理部35は、例えば、仲介装置30のメモリ不足、ストレージ不足、または書き込みエラー等の障害(異常)の兆候を検知する。また、機器情報管理部35は、例えば、予め設定されたスケジュールに基づいて、定期的にリソース状態の監視結果を含む仲介装置30の状態を示す装置状態情報を生成する。機器情報管理部35は、例えば、図3に示したCPU1001により実行されるプログラム等によって実現される。
【0062】
通信管理部36は、ローカルネットワーク7に属する機器500と通信するための通信定義を管理する機能である。通信管理部36は、例えば、管理装置通信部31によって受信された設定要求情報に基づいて、特定の機器500との通信定義を設定・管理する。通信管理部36は、例えば、通信定義として、機器500との通信に用いる動作種別、通信プロトコルおよび通信パラメータを管理する。例えば、動作種別は、機器500の識別子(シリアル番号)の取得、機器500の機器状態情報の取得、遠隔機器管理装置10との疎通確認、管理対象(監視対象)の機器500の追加または削除等である。通信プロトコルは、HTTP、SNMPまたはICMP(Ping)等の標準プロトコルのみならず、ModBusまたは独自プロトコル等の既存のファームウエアに組み込まれている通信プロトコル以外の通信プロトコルも含む。パラメータは、各通信プロトコルに共通なものとしてタイムアウト時間またはリトライ回数があり、HTTP特有なパラメータとしてメソッド、リソースURI(Uniform Resource Identifier)、ヘッダまたはボディ、SNMP特有なパラメータとしてOID(オブジェクト識別子)、バージョン、コマンド種別、またはコミュニティ名等がある。
【0063】
また、通信管理部36は、遠隔機器管理装置10とのファイアウォール9を介した通信セッションを管理する。通信管理部36は、遠隔機器管理装置10から送信されるコマンドを受信するため、常時接続(通信)可能な通信セッション(WebSocket等)が維持されているかを監視する。そして、通信管理部36は、常時通信可能な通信セッションが切断されている場合には、通信セッションの再接続を行う。通信管理部36は、例えば、図3に示したCPU1001により実行されるプログラム等によって実現される。
【0064】
コマンド実行部37は、遠隔機器管理装置10によって発行された仲介装置30への所定の処理の命令であるコマンドを実行する機能である。コマンドは、例えば、仲介装置30のステータス(状態)を示す装置状態情報の取得または電源のON/OFF等の制御命令である。コマンド実行部37は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0065】
記憶・読出部38は、記憶部300に各種データを記憶し、記憶部300から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部38および記憶部300は、例えば、図3に示したROM1002、ストレージ1004およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。記憶部300は、機器管理テーブル310を記憶している。機器管理テーブル310の詳細は、後述する。
【0066】
続いて、機器500の機能構成について説明する。図5に示す機器500により実現される機能は、通信部501、機器状態情報生成部502、コマンド実行部503、記憶・読出部504および記憶部600を含む。
【0067】
通信部501は、仲介装置30との間で各種データ(情報)をやり取りする機能である。通信部501は、HTTPまたはSNMP等の通信プロトコルを用いて、仲介装置30と通信を行う。また、通信部501は、シリアル通信であってもよい。通信部501は、例えば、図3に示したネットワークI/F1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0068】
機器状態情報生成部502は、機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を生成する機能である。機器状態情報生成部502は、例えば、仲介装置30からの要求に応じて、仲介装置30へ送信するための機器状態情報を生成する。機器状態情報は、機器500のリソース状態を示す情報や稼働状態に関する情報を含むログ情報等である。機器状態情報生成部502は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0069】
コマンド実行部503は、遠隔機器管理装置10によって発行された機器500への所定の処理の命令であるコマンドを実行する機能である。コマンドは、例えば、機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報の取得または電源のON/OFF等の制御命令である。コマンド実行部503は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
【0070】
記憶・読出部504は、記憶部600に各種データを記憶し、記憶部600から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部504および記憶部600は、例えば、図3に示したROM1002、ストレージ1004およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。記憶部600は、仲介装置30の宛先を示す仲介装置宛先情報610を記憶している。仲介装置宛先情報610は、例えば、仲介装置30のIPアドレスである。
【0071】
○通信定義○
ここで、図6および図7を用いて、機器500との通信に用いる通信定義について説明する。図6は、第1の実施形態に係る機器との通信に用いる通信定義の概略モデルの一例を示す図である。図6に示す通信定義は、仲介装置30の通信管理部36によって管理されるものであり、機器500との間で通信される各種情報のデータ構造を概略的に示したものである。遠隔機器管理装置10の監視対象(管理対象)である機器500(管理対象機器)は、機器500の種別を示すモデル名、機器500の機器識別子であるシリアルNo、機器500を識別するための機器ID、機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報、および遠隔機器管理装置10が機器500を管理対象とするかを示す管理対象情報を送信する。遠隔機器管理装置10は、機器500から送信されるモデル名およびシリアルNoを用いて、機器500を特定することができる。また、機器IDは、モデル名とシリアルNoを含む。なお、機器IDは、モデル名とシリアルNoとは異なる情報であり、機器IDを用いて機器500が特定される構成であってもよい。
【0072】
また、図6に示す通信定義は、動作定義として、機器種別ごとに複数の動作種別を有している。動作種別とは、例えば、機器500の機器識別子(シリアルNo)の取得、機器状態情報の取得、仲介装置30との疎通確認、管理対象の機器500の追加または削除等である。
【0073】
さらに、各動作種別は、複数の通信プロトコルから構成される。機器500において使用できる通信プロトコルは、ICMP(Ping)、SNMPまたはHTTP(ボディ部はJSON(Java(登録商標)Script Object Notation))等の標準プロトコルであり、各通信プロトコルは、一つにつき一回の通信を意味する。つまり、機器500は、一つの動作種別に対して複数回の通信を行う構成とすることができる。パラメータは、例えば、共通なものとしてタイムアウト時間やリトライ回数を含み、HTTP特有なパラメータとして、メソッド、リソースURI、ヘッダ、ボディ等を含む。また、SNMP特有なパラメータは、例えば、OID(オブジェクト識別子)、バージョン、コマンド種別(Get/GetBulk)、コミュニティ名等を含む。
【0074】
図7は、第1の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。図7に示すデータ構造は、遠隔機器管理装置10によって提供され管理者端末90において実行されるアプリ900が有するデータ構造(ER図(Entity Relationship Diagram))である。アプリ900は、アプリ900に登録され遠隔機器管理装置10と通信可能な仲介装置30の情報を示す仲介装置情報、遠隔機器管理装置10と通信可能な仲介装置30が管理している機器500の情報を示す機器情報および、緯度および経度の情報からなる位置情報を含むエリア情報を有している。また、アプリ900は、仲介装置情報とエリア情報を、仲介装置IDおよびエリアIDによって関連づけている。さらに、アプリ900は、仲介装置情報と機器情報を、仲介装置IDおよび機器IDによって関連づけている。なお、アプリ900が有する各情報は、遠隔機器管理装置10が保持する以下の各テーブルによって記憶・管理されている。
【0075】
○仲介装置管理テーブル○
図8は、第1の実施形態に係る仲介装置管理テーブルの一例を示す図である。仲介装置管理テーブル110は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。仲介装置管理テーブル110は、遠隔機器管理装置10とファイアウォール9を介して通信可能な仲介装置30に関する各種情報を記憶している。
【0076】
仲介装置管理テーブル110は、仲介装置ID、仲介装置名、仲介装置30の宛先を示す宛先情報の一例であるIPアドレス、仲介装置30のステータス(状態)を示す装置状態情報、仲介装置30と通信可能な機器500を識別するための機器ID、および仲介装置30が設置された拠点(エリア)を特定するためのエリアIDを関連づけて記憶している。仲介装置管理テーブル110において関連づけられている仲介装置ID、仲介装置名、IPアドレス、装置状態情報、機器IDおよびエリアIDは、仲介装置情報を構成する。遠隔機器管理装置10は、仲介装置管理テーブル110を用いて、仲介装置30の宛先情報(IPアドレス)と、仲介装置30と通信可能な機器500を特定することができる。仲介装置IDおよび仲介装置名は、仲介装置識別情報の一例である。なお、仲介装置識別情報には、仲介装置IDまたは仲介装置名のいずれかが含まれていればよい。
【0077】
○機器管理テーブル○
図9は、第1の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。機器管理テーブル120aは、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。機器管理テーブル120aは、遠隔機器管理装置10による管理対象(監視対象)となる機器500に関する各種情報を記憶している。
【0078】
機器管理テーブル120aは、機器ID、機器名、機器500の宛先を示す宛先情報の一例であるIPアドレス、および機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を関連づけて記憶している。機器管理テーブル120aにおいて関連づけられている機器ID、機器名、IPアドレスおよび機器状態情報は、機器情報を構成する。遠隔機器管理装置10は、機器管理テーブル120aを用いて、機器500の宛先情報(IPアドレス)を特定することができる。機器IDおよび機器名は、機器識別情報の一例である。なお、機器識別情報には、機器IDまたは機器名のいずれかが含まれていればよい。
【0079】
○エリア管理テーブル○
図10は、第1の実施形態に係るエリア管理テーブルの一例を示す図である。エリア管理テーブル130は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。エリア管理テーブル130は、仲介装置30および機器500が設置される拠点(エリア)を特定するためのエリア情報を記憶している。
【0080】
エリア管理テーブル130は、エリアID、エリア名、およびエリアの位置を特定するための位置情報を関連づけて記憶している。エリア管理テーブル130において関連づけられているエリアID、エリア名および位置情報は、エリア情報を構成する。このうち、位置情報は、関連づけられているエリアIDまたはエリア名によって識別されるエリアの位置を特定するための緯度および経度の情報を含む。なお、エリア識別情報は、エリアIDまたはエリア名のいずれかが含まれていればよい。
【0081】
○アカウント管理テーブル○
図11は、第1の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。アカウント管理テーブル140aは、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。アカウント管理テーブル140aは、管理者端末90を使用する管理者がアプリ900を利用するためのアカウント情報を記憶している。
【0082】
アカウント管理テーブル140aは、アプリ900を利用するアカウントを識別するためのアカウントIDおよびパスワードを関連づけて記憶している。遠隔機器管理装置10は、アカウント管理テーブル140aを用いて、アプリ900を利用する管理者の認証処理を行う。アカウントIDは、管理者識別情報の一例である。なお、アカウントIDは、アカウント名、社員番号、または日本の社会保障・税番号制度におけるマイナンバ等であってもよい。また、アカウントIDは、管理者端末90を識別するための管理者端末ID、管理者端末名または製造番号等の管理者端末識別情報であってもよい。
【0083】
○論理構成管理テーブル○
図12は、第1の実施形態に係る論理構成管理テーブルの一例を示す図である。論理構成管理テーブル150は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。論理構成管理テーブル150は、管理者端末90に後述する論理構成画面710を表示させるための論理構成画面データを記憶している。
【0084】
論理構成管理テーブル150は、論理構成画面710を識別するための画面ID、仲介装置ID、仲介装置IDによって識別される仲介装置30と通信可能に接続されている機器500を識別するための機器ID、および仲介装置IDによって識別される仲介装置30が設置されたエリアを識別するためのエリアIDを関連づけて記憶している。論理構成管理テーブル150に示される論理構成画面データは、画面情報生成部18によって生成される。また、管理者端末90は、同一の画面IDに関連づけられた各種情報を用いて、図22に示す論理構成画面710を表示させる。
【0085】
○物理構成管理テーブル○
図13は、第1の実施形態に係る物理構成管理テーブルの一例を示す図である。物理構成管理テーブル160は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。物理構成管理テーブル160は、管理者端末90に後述する物理構成画面910a,910bを表示させるための物理構成画面データを記憶している。
【0086】
物理構成管理テーブル160は、物理構成画面910a,910bを識別するための画面ID、共通する物理構成画面データを用いて形成される共通画面を識別するための共通画面ID、複数の共通画面における画面階層を示すレイヤ、仲介装置IDによって識別される仲介装置30と通信可能に接続されている機器500を識別するための機器ID、仲介装置IDによって識別される仲介装置30が設定されたエリアを識別するためのエリアID、および地図情報を関連づけて記憶している。このうち、地図情報には、例えば、WebAPI等を用いて地図情報を提供する外部サーバ200のURLが含まれる。
【0087】
○遠隔操作管理テーブル○
図14は、第1の実施形態に係る遠隔操作管理テーブルの一例を示す図である。遠隔操作テーブル170は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に記憶・管理されている。遠隔操作管理テーブル170は、管理システム3から機器500の遠隔操作を行うための操作内容を示す遠隔操作情報を記憶している。
【0088】
遠隔操作管理テーブル170は、操作名、操作ID、操作内容、通信プロトコルおよび通信パラメータを関連づけて記憶している。このうち、操作内容には、遠隔操作の対象となる具体的な制御内容が含まれる。また、通信プロトコルおよび通信パラメータは、遠隔操作を行う際に機器500との間の通信に用いる通信プロトコルおよび通信パラメータの情報が含まれる。操作名および操作IDは、遠隔操作識別情報の一例である。
【0089】
○機器管理テーブル○
図15は、第1の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。機器管理テーブル310は、仲介装置30の記憶部300に記憶・管理されている。機器管理テーブル310は、仲介装置30と通信可能に接続された機器500に関する各種情報を記憶している。
【0090】
機器管理テーブル310は、機器ID、機器名、機器500の宛先を示す宛先情報の一例であるIPアドレス、および機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を関連づけて記憶している。機器管理テーブル310において関連づけられている機器ID、機器名、IPアドレスおよび機器状態情報は、機器情報を構成する。仲介装置30は、機器管理テーブル310を用いて、機器500の宛先情報(IPアドレス)を特定することができる。機器IDおよび機器名は、機器識別情報の一例である。なお、機器識別情報には、機器IDまたは機器名のいずれかが含まれていればよい。
【0091】
●第1の実施形態の処理および動作
○遠隔機器管理装置と仲介装置の通信セッションの確立処理○
○仲介装置の登録処理
続いて、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システム1の処理または動作について説明する。まず、図16乃至図18を用いて、遠隔機器管理装置10と仲介装置30との間の通信セッションを確立および維持するための処理について説明する。図16は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置への仲介装置の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【0092】
まず、ステップS11において、仲介装置30の管理装置通信部31は、新たに設置する仲介装置30の遠隔機器管理装置10への登録を要求する仲介装置登録要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。仲介装置登録要求には、通信管理部36によって設定されたネットワーク情報が含まれる。ネットワーク情報は、仲介装置30のIPアドレス、および仲介装置30と通信可能な機器500を識別するための機器IDを含む。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、仲介装置30から送信された仲介装置登録要求を受信する。
【0093】
ステップS12において、遠隔機器管理装置10は、仲介装置通信部11によって受信された仲介装置登録要求における登録対象となる仲介装置30の位置情報を取得する(取得ステップの一例)。具体的には、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、記憶部100に予め記憶された仲介装置30の契約情報から仲介装置30の設置場所を参照し、仲介装置30の設置場所の緯度および経度の情報を含む位置情報を取得する。仲介装置30の契約情報とは、仲介装置30の設置場所および契約番号等を含む仲介装置30の設置作業時の契約と一意に紐づく情報である。これにより、管理システム3は、仲介装置30の位置情報を直接入力する手間を省き、仲介装置30の設置担当者(管理者)の作業効率を高めることができる。また、仲介装置30の契約情報は、サーバ装置等の別のシステムで保持されており、管理システム3は、そのシステムと連携して仲介装置30の位置情報を取得する構成であってもよい。
【0094】
なお、仲介装置登録要求に仲介装置30の位置情報が含まれる場合、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、仲介装置通信部11によって受信された仲介装置登録要求に含まれる位置情報を取得する。この場合、仲介装置30の管理装置通信部31は、受付部33が設置担当者(管理者)による入力によって受け付けた位置情報を含む仲介装置登録要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。
【0095】
ステップS13において、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、ステップS12によって取得された位置情報に対応するエリアIDを取得する。具体的には、監視情報管理部15は、取得された位置情報を検索キーとして、エリア管理テーブル130を検索することにより、対応する位置情報が存在するかを照合する。そして、対応する位置情報が存在する場合、監視情報管理部15は、対応する位置情報に関連づけられたエリアIDを取得する。一方で、対応する位置情報が存在する場合、監視情報管理部15は、新たにエリアIDを生成し、生成したエリアIDを取得する。そして、監視情報管理部15は、生成したエリアIDと取得された位置情報を関連づけてエリア情報としてエリア管理テーブル130に記憶する。
【0096】
ステップS14において、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、ステップS11によって受信された仲介装置登録要求に含まれるIPアドレスおよび機器ID、並びにステップS13によって取得されたエリアIDを含む仲介装置情報を、記憶・読出部21を介して仲介装置管理テーブル110に記憶させる(記憶制御ステップの一例)。その際、監視情報管理部15は、新たに登録する仲介装置30を識別するための仲介装置IDを発行する。
【0097】
ステップS15において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、監視情報管理部15によって仲介装置30が登録されたことを通知するための登録結果通知を、仲介装置30へ送信する。この登録結果通知には、監視情報管理部15によって登録された仲介装置情報の内容が含まれる。これにより、仲介装置30の管理装置通信部31は、遠隔機器管理装置10から送信された登録結果通知を受信する。
【0098】
そして、ステップS16において、仲介装置30の管理装置通信部31と遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、セッションの確立処理を行い、通信セッションを確立させる。この場合、仲介装置30の管理装置通信部31と遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、WebSocket等の常時通信可能な通信セッションを確立する。そのため、遠隔機器管理装置10は、仲介装置30を介して、仲介装置30と通信可能な機器500へ各種コマンドを送信することが可能となる。
【0099】
ここで、図17および図18を用いて、仲介装置30と遠隔機器管理装置10との間の通信セッションの確立および維持の流れについて説明する。図17(a)は、遠隔機器管理装置と仲介装置との間の通信セッションの確立処理の一例を示すシーケンス図である。
【0100】
ステップS21において、仲介装置30の管理装置通信部31は、図16に示したステップS15によって登録結果通知を受信した場合、遠隔機器管理装置10との間の双方向通信を実現するため、WebSocketセッション(常時通信可能な通信セッション)の確立要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、WebSocketセッション(常時通信可能な通信セッション)の確立要求を受信する。そして、ステップS22において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、セッション確立が成立したかどうかを示すセッション確立成否を、仲介装置30へ送信する、セッション確立が成立した場合、仲介装置30と遠隔機器管理装置10は、WebSocketセッション(常時通信可能な通信セッション)を確立する。セッション確立に失敗した場合、仲介装置30は、再度セッション確立を試み、図17(a)に示す処理を繰り返す。
【0101】
図17(b)は、遠隔機器管理装置と仲介装置との間で確立された通信セッションを維持するための処理の一例を示すシーケンス図である。ステップS26において、仲介装置30の管理装置通信部31は、図17(a)に示した処理によって遠隔機器管理装置10とのWebSocketセッションが確立された場合、定期的にセッション維持のためのWebSocket Pingを、遠隔機器管理装置10へ送信する。そして、ステップS27において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、受信したWebSocket Pingに対する応答を、仲介装置30へ送信する。仲介装置30は、遠隔機器管理装置10からの応答を受信できない場合、図17(a)に示した処理を再度実行する。これにより、仲介装置30と遠隔機器管理装置10は、確立したWebSocketセッションを維持することができる。WebSocketセッションの確立状態においては、遠隔機器管理装置10から仲介装置30へファイアウォール9を介した通信を行うことができる。
【0102】
図18は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける、遠隔機器管理装置と仲介装置との間の通信セッションの状態遷移の概略の一例を示す図である。遠隔機器管理装置10は、仲介装置30の登録が完了した場合、仲介装置30へ接続要求を送信する。そして、仲介装置30は、接続確認のメッセージを遠隔機器管理装置10へ送信することで、遠隔機器管理装置10との間の通信セッションを確立させる。その後、仲介装置30は、定期的に遠隔機器管理装置10との疎通確認を行い、通信セッションが切断された場合、通信エラーのメッセージを遠隔機器管理装置10へ送信する。そして、遠隔機器管理装置10は、仲介装置30との間における通信セッションが切断された場合、再度接続要求を仲介装置30へ送信することで、再度仲介装置30との間における通信セッションを確立させる。このように、遠隔機器管理装置10は、登録した仲介装置30に対して、通信エラーで通信セッションが切断されるたびに、再接続を試みるので、仲介装置30との間の通信セッションを常に維持することができる。
【0103】
○管理画面の表示処理○
続いて、図19乃至図30を用いて、管理システム3を構成する管理者端末90に、仲介装置30および機器500に関する情報を示す管理画面を表示させる処理について説明する。図19は、第1の実施形態に係る管理システムにおける管理画面の表示処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図19において、遠隔機器管理装置10は、装置状態情報および機器状態情報を、予め仲介装置30から取得しているものとして説明する。
【0104】
ステップS31において、管理者端末90のWebクライアント部91は、アプリ900へのログイン要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。具体的には、管理者端末90の受付部92は、Webクライアント部91によって管理者端末90のディスプレイ1006aに表示された所定の設定画面に対する管理者(例えば、保守担当者)の入力操作によって、アカウントIDおよびパスワードの入力を受け付ける。Webクライアント部91は、受付部92によって受け付けられたアカウントIDおよびパスワードを含むログイン要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、ログイン要求を受信する。
【0105】
ステップS32において、遠隔機器管理装置10の判断部13は、Webサーバ部16によって受信されたログイン要求に含まれる情報に基づいて。管理者端末90を使用する管理者の認証処理を実行する。具体的には、記憶・読出部21は、記憶部100に記憶されたアカウント管理テーブル140aにおいて、Webサーバ部16によって受信されたアカウントIDおよびパスワードの組に対応するアカウントIDおよびパスワードの組を検索する。対応する組がある場合には、判断部13は、要求元の管理者を正当な管理者であると判断する。対応する組がない場合には、判断部13は、要求元の管理者を不当な(正当でない)管理者であると判断する。正当でない場合、Webサーバ部16は、管理者端末90に対して正当でない旨の通知を行うが、ここでは、要求元の管理者が正当である場合について説明を続ける。
【0106】
ステップS33において、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18は、アプリ900において実行させる所定の管理機能の選択画面であるメニュー画面データを生成する。ステップS34において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、画面情報生成部18によって生成されたメニュー画面データを、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、メニュー画面データを受信する。
【0107】
ステップS35において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受信したメニュー画面データを用いて、管理者端末90のディスプレイ1006aに、図20に示すメニュー画面800を表示させる。図20は、第1の実施形態に係る管理者端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。図20に示すメニュー画面800には、遠隔機器管理装置10によって監視(管理)される仲介装置30または機器500の状態を表示させる管理画面の形式を示す管理画面形式選択領域810、仲介装置30に関する情報を管理するための仲介装置管理領域830、および管理者端末90を用いた管理処理を中止する場合に押下されるキャンセルボタン850を含む。また、管理画面形式選択領域810には、仲介装置30と機器500の階層関係(ノードリンク)を示した論理構成画面を
表示する場合に押下される論理構成図ボタン811、および仲介装置30および機器500の関する情報が、仲介装置30が設置された位置を示す位置情報に基づいてマッピングされた物理構成画面を表示する場合に押下される物理構成図ボタン813が含まれる。さらに、仲介装置管理領域830には、仲介装置30を新たに設置する場合に押下される新規設置ボタン831、遠隔機器管理装置10に登録された仲介装置情報の内容を変更する場合に押下される登録内容変更ボタン833が含まれる。
【0108】
ステップS36において、管理者端末90の受付部92は、メニュー画面800の管理画面形式選択領域810に含まれる論理構成図ボタン811または物理構成図ボタン813の選択を受け付ける。ステップS37において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受付部92によって受け付けられた管理画面形式を含む管理画面表示要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、管理画面表示要求を受信する。
【0109】
ステップS38において、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18は、Webサーバ部16によって受信された管理画面表示要求に含まれる管理画面形式に応じて、管理者端末90に表示させる管理画面に係る管理画面データを生成する。管理画面とは、遠隔機器管理装置10によって監視(管理)される仲介装置30または機器500の状態を、管理者端末90を使用する管理者に提示するための表示画面である。管理画面には、後述する論理構成画面710および物理構成画面910a,910bが含まれる。それぞれの管理画面形式における管理画面データの生成処理の詳細は、後述する。
【0110】
ステップS39において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、画面情報生成部18によって生成された管理画面データを、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、管理画面データを受信する。ステップS40において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受信した管理画面データを用いて、WebAPI等を用いて、管理者端末90のディスプレイ1006aに管理画面を表示させる(表示制御ステップの一例)。
【0111】
ここで、図19のステップS38に示した管理画面データの生成処理の詳細について説明する。まず、図21乃至図24を用いて、画面情報生成部18によって管理画面データとしての論理構成画面データを生成する処理について説明する。図21は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置における論理構成画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0112】
ステップS38-1aにおいて、記憶・読出部21は、仲介装置管理テーブル110に記憶された仲介装置情報を読み出す。ステップS38-2aにおいて、記憶・読出部21は、読み出した仲介装置情報に含まれる機器IDを検索キーとして、機器管理テーブル120aを検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた機器情報を読み出す。
【0113】
ステップS38-3aにおいて、画面情報生成部18は、読み出した仲介装置情報および機器情報を用いて、論理構成画面710を表示させるための論理構成画面データを生成する。具体的には、画面情報生成部18は、仲介装置情報および機器情報に含まれる各情報を木構造に連結し、レンダリングすることで、仲介装置30と機器500の階層関係(ノードリンク)を示した論理構成画面データを生成する。レンダリングとは、Webページ記述用の言語(HTML、CSSまたはXML(Extensible Markup Language)等)で記述されたデータを解釈し、実際に画面に表示される文字や画像データ等の配置を計算する処理である。
【0114】
ステップS38-4aにおいて、記憶・読出部21は、生成した論理構成画面データを、論理構成管理テーブル150へ記憶する。具体的には、記憶・読出部21は、生成した論理構成画面データに示されるそれぞれの階層関係を、同一の画面IDに関連づけて記憶する。
【0115】
図22は、第1の実施形態に係る管理者端末に表示される論理構成画面の一例を示す図である。図22に示す論理構成画面710は、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18によって生成された論理構成画面データを用いて表示される画面である。論理構成画面710は、仲介装置30と機器500の接続関係(階層関係、ノードリンク)を示す。また、論理構成画面710は、装置状態情報または機器状態情報に応じて、仲介装置30および機器500のそれぞれの状態を色分け等で視覚的に判別できるようになっている。論理構成画面710は、第3の管理画像の一例である。さらに、管理者端末90の受付部92は、例えば、ディスプレイ1006aに表示された論理構成画面710に含まれる物理構成図ボタン713への選択がポインタ720によって受け付けられることにより、ディスプレイ1006aに表示される管理画面を、後述する物理構成画面910a,910bに切り替えることができる。
【0116】
また、管理者端末90は、受付部92によって論理構成画面710に含まれるノードのいずれかに対する選択がポインタ720を用いて受け付けられることにより、図23に示す遠隔操作選択領域730を表示させる。遠隔操作選択領域730には、予め遠隔操作管理テーブル170aに登録された遠隔操作の内容を選択するための選択アイコン(例えば、遠隔操作A~遠隔操作C)が含まれる。管理者端末90は、受付部92によって選択アイコンのいずれかに対する選択がポインタ720を用いて受け付けられることにより、図24に示す遠隔操作情報750を表示させる。遠隔操作情報750は、選択された遠隔操作を実行するための通信プロトコルおよび通信パラメータに関する情報、並びに遠隔操作を実行する場合に押下される実行ボタン753、遠隔操作を中止する場合に押下されるキャンセルボタン755を含む。
【0117】
これにより、管理システム3は、管理(監視)対象となる仲介装置30および機器500の階層関係と仲介装置30および機器500の状態を示す情報とを表示させるので、管理者に視覚的に管理対象の仲介装置30および機器500の情報を把握させることができる。
【0118】
続いて、図25乃至図28を用いて、画面情報生成部18によって管理画面データとしての物理構成画面データを生成する処理について説明する。図25は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理装置における物理構成画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。物理構成画面とは、仲介装置30および機器500の関する情報が、仲介装置30が設置された位置を示す位置情報に基づいて、所定の地図上にマッピングされた表示画面である。
【0119】
ステップS38-1bにおいて、記憶・読出部21は、仲介装置管理テーブル110に記憶された仲介装置情報を読み出す。ステップS38-2bにおいて、記憶・読出部21は、読み出した仲介装置情報に含まれる機器IDを検索キーとして、機器管理テーブル120aを検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた機器情報を読み出す。
【0120】
ステップS38-3bにおいて、記憶・読出部21は、読み出した仲介装置情報に含まれるエリアIDを検索キーとして、エリア管理テーブル130を検索することにより、対応するエリアIDが関連づけられたエリア情報を読み出す。
【0121】
ステップS38-4bにおいて、外部サーバ通信部19は、ステップS38-3bによって読み出されたエリア情報に含まれる位置情報に対応する領域を含む地図情報を、外部サーバ200から受信する。外部サーバ通信部19は、WebAPI等を用いて、外部サーバ200が提供する所定のサービスまたはアプリケーションを用いて利用可能な地図情報を、外部サーバ200から受信する。
【0122】
ステップS38-5bにおいて、画面情報生成部18は、外部サーバ通信部19によって受信された知財情報、並びに記憶・読出部21によって読み出された仲介装置情報、機器情報およびエリア情報を用いて、物理構成画面910a,910bを表示させるための物理構成画面データを生成する。具体的には、画面情報生成部18は、仲介装置情報に含まれるエリアIDに関連づけられたエリア情報に含まれる位置情報が示す緯度および経度に対応する地図情報上の位置に、仲介装置情報および機器情報に含まれる各情報を表示させるように、物理構成画面データを生成する。
【0123】
ステップS38-6bにおいて、記憶・読出部21は、画面情報生成部18によって生成された物理構成画面データを、物理構成管理テーブル160へ記憶する。具体的には、記憶・読出部21は、生成された物理構成画面データを、レイヤごとに関連づけて記憶する。
【0124】
図26は、第1の実施形態に係る管理者端末に表示される物理構成画面の一例を示す図である。図26に示す物理構成画面910aは、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18によって生成された物理構成画面データを用いて表示される画面である。物理構成画面910aは、例えば、物理構成管理テーブル160において画面ID「B001」、共通画面ID「p01」およびレイヤ「1」に関連づけられた各データを用いて生成される。物理構成画面910aは、仲介装置30が設置された位置を示す位置情報に基づいて、地図情報が示す地図上に、各仲介装置30の装置状態情報がマッピングされた表示画面である。また、物理構成画面910aは、装置状態情報を示す仲介装置特定画像920(920A,920B,920C)を含む。物理構成画面910aは、第2の管理画像の一例である。仲介装置特定画像920(920A,920B,920C)は、仲介装置30のそれぞれの状態を色分け等で視覚的に判別できるようになっている。さらに、管理者端末90の受付部92は、例えば、ディスプレイ1006aに表示された物理構成画面910aに含まれる論理構成図ボタン711への選択がポインタ720によって受け付けられることにより、ディスプレイ1006aに表示される管理画面を、図22に示した論理構成画面710に切り替えることができる。
【0125】
また、管理者端末90は、受付部92によって物理構成画面910aに含まれる仲介装置特定画像920(920A,920B,920C)のいずれかに対する選択がポインタ720を用いて受け付けられることにより、ディスプレイに表示される画面を図27に示す物理構成画面910bに切り替える。物理構成画面910bは、仲介装置30が設置された位置を示す位置情報に基づいて、地図情報が示す地図上に、各仲介装置30と接続された機器500の機器状態情報がマッピングされた表示画面である。また、物理構成画面910bは、機器状態情報を示す機器特定画像930(930A,930B,930C)を含む。物理構成画面910bは、第1の管理画像の一例である。機器特定画像930(930A,930B,930C)は、機器500のそれぞれの状態を色分け等で視覚的に判別できるようになっている。このように、物理構成画面910は、図22に示した論理構成画面710と異なり、装置状態情報と機器状態情報が同じ画面上に表示されるのではなく、管理者端末90は、図26に示す物理構成画面910aに示される地図上のいずれかの仲介装置特定画像920(920A,920B,920C)が選択されると、それに関連づけられた機器500の機器状態情報を示す物理構成画面910bを表示させる。また、物理構成画面910bは、例えば、物理構成管理テーブル160において画面ID「B002」、共通画面ID「p01」およびレイヤ「2」に関連づけられた各データを用いて生成される。
【0126】
さらに、管理者端末90は、受付部92によって物理構成画面910bに含まれる機器特定画像930(930A,930B,930C)のいずれかに対する選択がポインタ720を用いて受け付けられることにより、図28に示す機器状態表示画面950を表示させる。機器状態表示画面950は、受付部92によって選択が受け付けられた特定の機器500の機器状態情報の詳細を示す。機器状態表示画面950は、例えば、仲介装置Bに接続された機器Dの機器状態情報を示している。
【0127】
これにより、管理システム3は、仲介装置30または機器500の状態と位置を示す物理構成画面910aまたは910bを管理者端末90に表示させることにより、システムの管理者に、異常状態等で遠隔制御を行うべき仲介装置30または機器500の位置を、直観的に把握させることができる。
【0128】
なお、物理構成画面910a,910bの表示方法は、図19のステップS39に示したようなWebAPIを用いた方法に限られず、メルカトル図法の地図画像を静的に表示させた上で、位置情報を示す緯度および経度をメルカトル図法用に変換した座標を算出し、地図画像上に重畳させることで物理構成画面910a,910bを表示させてもよい。
【0129】
また、図10に示したエリア管理テーブル130に含まれる位置情報は、緯度および経度の情報に限られず、例えば、仲介装置30が設置された拠点(エリア)の住所、または仲介装置30が設置された拠点の近傍の地図上で特定可能なスポット(例えば、学校、会社、店舗、地名、ランドマーク等)の名称等であってもよい。この場合も、画面情報生成部18は、位置情報に示される位置に対応する地図上の位置に、仲介装置30および機器500に関する情報をマッピングする。
【0130】
さらに、管理システム3は、地図情報に加え、屋内のフロアマップを用いて、物理構成画面910a,910bを表示させることで、仲介装置30および機器500の位置をより詳細に表示させることができる。この場合、管理システム3は、エリア管理テーブル130に含まれる位置情報に、緯度および経度の情報に加え、特定のフロアマップに対応する階数やフロア上の位置に関する情報を記憶させる。
【0131】
○機器との通信○
○機器制御要求の送信処理
続いて、図29乃至図31を用いて、遠隔機器管理装置と機器500との通信処理について説明する。まず、図29を用いて、遠隔機器管理装置10から機器500へ送信される機器制御要求に応じた通信処理について説明する。図29は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける遠隔機器管理装置から機器に対する制御処理の一例を示すシーケンス図である。
【0132】
ステップS51において、管理者端末90の受付部92は、Webクライアント部91によってディスプレイ1006aに表示された管理画面に対する入力操作によって、遠隔操作対象の機器500の選択を受け付ける。受付部92は、例えば、図22に示した論理構成画面710または図27に示した物理構成画面910bに含まれる機器500が指定されることで、特定の機器500に遠隔操作の選択を受け付ける。
【0133】
ステップS52において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受付部92によって選択された特定の機器500に対する遠隔操作要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。遠隔操作要求には、遠隔操作対象の機器500の機器ID、および要求する遠隔操作を識別するための操作IDが含まれる。これにより、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、管理者端末90から送信された遠隔操作要求を受信する。
【0134】
ステップS53において、遠隔機器管理装置10のコマンド管理部12は、Webサーバ部16によって遠隔操作要求が受信された場合、コマンドIDを発行する。そして、ステップS54において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、コマンド管理部12によって発行されたコマンドIDを、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、コマンドIDを受信する。
【0135】
ステップS55において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、Webサーバ部16によって受信された遠隔操作要求に含まれる機器IDを検索キーとして、仲介装置管理テーブル110を検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた仲介装置情報を読み出す。また、記憶・読出部21は、Webサーバ部16によって受信された遠隔操作要求に含まれる機器IDを検索キーとして、機器管理テーブル120aを検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた機器情報を読み出す。
【0136】
さらに、ステップS56において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、Webサーバ部16によって受信された遠隔操作要求に含まれる操作IDを検索キーとして、遠隔操作管理テーブル170aを検索することにより、対応する操作IDが関連づけられた遠隔操作情報を読み出す。
【0137】
ステップS57において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、記憶・読出部21によって読み出された仲介装置情報によって特定される仲介装置30へ、機器500に対する所定の制御を行うための機器制御要求を送信する。ここで、機器制御要求には、記憶・読出部21によって読み出された遠隔操作情報が含まれる。ここで、遠隔機器管理装置10から送信される機器制御要求のデータ構造の一例を図30に示す。図30に示すように、遠隔機器管理装置10は、HTTPリクエストのボディに会いに、仲介装置30から機器500への遠隔操作内容を記述する。図30に記述される通信プロトコルまたは通信パラメータの情報は、遠隔操作情報に含まれる情報である。これにより、仲介装置30の管理装置通信部31は、遠隔機器管理装置10から送信された機器制御要求を受信する。
【0138】
ステップS58において、仲介装置30の機器通信部32は、管理装置通信部31によって受信された機器制御要求を機器500へ送信する。これにより、機器500の通信部501は、仲介装置30から送信された機器制御要求を受信する。
【0139】
ステップS59において、機器500のコマンド実行部503は、通信部501によって受信された機器制御要求に示される所定の制御を実行する。ステップS60において、機器500の通信部501は、コマンド実行部503による制御結果を示す制御結果通知を、仲介装置30へ送信する。この制御結果通知には、制御結果の情報とともに、機器500の状態を示す機器状態情報が含まれる。これにより、仲介装置30の機器通信部32は、機器500から送信された制御結果通知を受信する。
【0140】
ステップS61において、仲介装置30の管理装置通信部31は、機器通信部32によって受信された制御結果通知を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、送信した機器制御要求に対する応答となる制御結果通知を、仲介装置30から受信する(受信ステップの一例)。
【0141】
ステップS62において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、仲介装置通信部11によって受信された制御結果通知を、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、送信した遠隔操作要求に対する応答となる制御結果通知を受信する。その後、管理者端末90のWebクライアント部91は、遠隔機器管理装置10から送信された制御結果通知に示される内容を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させる等の方法によって、管理者端末90を使用する管理者に制御結果通知を提示してもよい。管理者端末90を使用する管理者は、ステップS54によって取得されたコマンドIDと提示された制御結果通知を照合することにより、要求した遠隔操作とその結果を合わせて確認することができる。これにより、遠隔機器管理システム1は、機器500の保守担当者等のシステムの管理者に、機器500の制御結果を知らせることができる。
【0142】
これにより、遠隔機器管理システム1は、管理者端末90に表示された論理構成画面710または物理構成画面910a,910bに表示される機器500の状態および位置に応じて、管理者に遠隔制御を行う機器500を選択させることができるので、管理者の手間を低減させることができるとともに、遠隔制御が必要な機器500への異常の解消またはメンテナンス等の処置を実行することができる。
【0143】
○機器状態情報の取得処理
次に、図31を用いて、仲介装置30からの要求によって機器500の機器情状態報を取得する処理について説明する。図31は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける機器状態情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。図31は、予め指定した時刻または一定間隔で、仲介装置30が機器500の機器状態情報を定期的に取得して遠隔機器管理装置10に通知する場合の処理を説明する。
【0144】
ステップS201において、仲介装置30の記憶・読出部38は、記憶部300に記憶された機器管理テーブル310に含まれる、機器状態情報取得要求の送信先となる機器500の機器IDに関連づけられたIPアドレスを読み出す。
【0145】
ステップS202において、仲介装置30の機器通信部32は、記憶・読出部21によって読み出されたIPアドレスを用いて、機器状態情報取得要求を機器500へ送信する。これにより、機器500の通信部501は、仲介装置30から送信された機器状態情報取得要求を受信する。
【0146】
ステップS203において、機器500の機器状態情報生成部502は、機器500のステータス(状態)を示す機器状態情報を生成する。機器状態情報は、機器500のリソース状態を示す情報や稼働状態に関する情報を含むログ情報等である。
【0147】
ステップS204において、機器500の通信部501は、機器状態情報生成部502によって生成された機器状態情報を、仲介装置30へ送信する。これにより、仲介装置30の機器通信部32は、送信した機器状態情報取得要求に対する応答となる機器状態情報を受信する。
【0148】
ステップS205において、仲介装置30の管理装置通信部31は、機器通信部32によって受信された機器状態情報を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、仲介装置30から送信された機器状態情報を受信する(受信ステップの一例)。
【0149】
なお、管理者端末90のWebクライアント部91は、遠隔機器管理装置10から送信された機器状態情報に示される内容を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させる等の方法によって、管理者端末90を使用する管理者に機器状態情報を提示してもよい。これにより、遠隔機器管理システム1は、機器500の保守担当者等のシステムの管理者に、機器500の状態を知らせることができる。
【0150】
○機器状態情報の通知処理
次に、図32を用いて、機器500から自発的に機器状態情報を通知する場合の処理について説明する。機器500は、故障等の異常を検知した場合、異常状態を管理者へ知らせるための所定のイベント通知を送信する。図32は、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける機器から遠隔機器管理装置への機器状態情報の通知処理の一例を示すシーケンス図である。
【0151】
ステップS301において、機器500の記憶・読出部504は、記憶部600に記憶された仲介装置宛先情報610を読み出す。ステップS302において、機器500の通信部501は、記憶・読出部504によって読み出された仲介装置宛先情報610によって識別される仲介装置30へ、イベント通知を送信する。このイベント通知には、機器500の機器状態情報生成部502によって生成された、機器500の状態を示す機器状態情報が含まれる。これにより、仲介装置30の機器通信部32は、機器500から送信されたイベント通知を受信する。
【0152】
ステップS303において、仲介装置30の管理装置通信部31は、機器通信部32によって受信されたイベント通知を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、仲介装置30から送信されたイベント通知を受信する(受信ステップの一例)。
【0153】
なお、管理者端末90のWebクライアント部91は、遠隔機器管理装置10から送信されたイベント通知に示される内容を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させてもよい。これにより、遠隔機器管理システム1は、機器500の保守担当者等のシステムの管理者に、機器500から通知された機器500の状態を知らせることができる。
【0154】
●第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、仲介装置30の装置状態情報および機器500の機器状態情報を、仲介装置30が設置された位置に対応する地図上の位置に表示させることで、システムの管理者に、仲介装置30または機器500の状態と位置を直観的に把握させることができる。また、遠隔機器管理システム1は、機器500に異常が発生した場合に、異常が発生した機器500の位置を示す物理構成画面910bを管理者に提示することで、異常が発生している問題箇所を容易に特定させることができるので、管理者の手間を低減させることができる。
【0155】
●第2の実施形態●
次に、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムについて説明する。第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、機器500に対する遠隔操作の内容を機器500の種別ごとに予め設定しておき、管理システム3から機器500の遠隔操作をする場合に、設定された遠隔操作の内容に基づいて機器制御を行うシステムである。これにより、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理者が操作内容を指定することなく、制御対象の機器500の種別に応じた操作内容に基づく機器制御を行うことができる。
【0156】
●機能構成
図33は、第2の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に、機器管理テーブル120aに変えて機器管理テーブル120bが記憶され、遠隔操作管理テーブル170aに変えて遠隔操作管理テーブル170bが記憶されている点である。機器管理テーブル120bおよび遠隔操作管理テーブル170bの詳細は、後述する。
【0157】
〇通信定義〇
図34は、第2の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。図34に示すデータ構造は、図7に示した第1の実施形態に係るアプリ900が有するデータ構造に加え、機器500の種別を示す機器種別および機器種別ごとに遠隔操作に内容を設定するための遠隔操作情報を有している。また、図34に示すデータ構造は、ER図であるが、遠隔機器管理装置10は、機器種別に関する遠隔操作の内容を設定として記憶・管理している。ここで、機器500の種別とは、図1で示したようなMFP、PJ、IWB、PC、センサデバイス等の機器の種別(種類)である。なお、アプリ900が有する各情報は、遠隔機器管理装置10が保持する以下の各テーブルによって記憶・管理されている。
【0158】
○機器管理テーブル○
図35は、第2の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。図35に示す機器管理テーブル120bは、図9に示した機器管理テーブル120aに示される機器情報に加え、更に、機器ID等に機器種別IDが関連づけて記憶されている。機器種別IDは、管理(監視)対象の機器500の種別を識別するための機器種別識別情報である。
【0159】
○遠隔操作管理テーブル○
図36は、第2の実施形態に係る遠隔操作管理テーブルの一例を示す図である。図36に示す遠隔操作管理テーブル170bは、図15に示した遠隔操作管理テーブル170aに示される遠隔操作情報に加え、更に、操作ID等に機器種別IDが関連づけて記憶されている。遠隔機器管理装置10は、遠隔操作管理テーブル170bによって、遠隔操作に係る操作内容を機器500の種別ごとに関連づけて記憶している。
【0160】
●第2の実施形態の処理および動作
続いて、図37を用いて、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムの処理または動作について説明する。図37は、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムにおける遠隔機器管理装置から機器に対する制御処理の一例を示すシーケンス図である。図37は、機器種別ごとの操作内容が予め遠隔操作管理テーブル170bに設定されているものとして説明する。なお、第2の実施形態において、図37に示す遠隔機器管理装置から機器に対する制御処理以外の処理は、第1の実施形態で説明した各処理の内容と同様であるため、説明を省略する。
【0161】
ステップS71において、管理者端末90の受付部92は、Webクライアント部91によってディスプレイ1006aに表示された管理画面に対する入力操作によって、遠隔操作対象の機器500の選択を受け付ける。受付部92は、例えば、図27に示した物理構成画面910bに含まれる機器特定画像930(930A,930B,930C)のいずれかが選択(指定)されることで、特定の機器500に遠隔操作の選択(指定)を受け付ける。
【0162】
ステップS72において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受付部92によって選択された特定の機器500に対する遠隔操作要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。遠隔操作要求には、遠隔操作対象の機器500の機器IDが含まれる。これにより、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、管理者端末90から送信された遠隔操作要求を受信する。
【0163】
ステップS73において、遠隔機器管理装置10のコマンド管理部12は、Webサーバ部16によって遠隔操作要求が受信された場合、コマンドIDを発行する。そして、ステップS74において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、コマンド管理部12によって発行されたコマンドIDを、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、コマンドIDを受信する。
【0164】
ステップS75において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、Webサーバ部16によって受信された遠隔操作要求に含まれる機器IDを検索キーとして、仲介装置管理テーブル110を検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた仲介装置情報を読み出す。また、記憶・読出部21は、Webサーバ部16によって受信された遠隔操作要求に含まれる機器IDを検索キーとして、機器管理テーブル120aを検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた機器情報を読み出す。
【0165】
さらに、ステップS76において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、ステップS75によって読み出された機器情報に含まれる機器種別IDを検索キーとして、遠隔操作管理テーブル170bを検索することにより、対応する操作IDが関連づけられた遠隔操作情報を読み出す。
【0166】
ステップS77において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、記憶・読出部21によって読み出された仲介装置情報によって特定される仲介装置30へ、機器制御要求を送信する。ここで、機器制御要求には、記憶・読出部21によって読み出された遠隔操作情報が含まれる。なお、遠隔機器管理装置10から送信される機器制御要求のデータ構造は、図30に示した内容と同様であるため、説明を省略する。これにより、仲介装置30の管理装置通信部31は、遠隔機器管理装置10から送信された機器制御要求を受信する。
【0167】
ステップS78において、仲介装置30の機器通信部32は、管理装置通信部31によって受信された機器制御要求を機器500へ送信する。これにより、機器500の通信部501は、仲介装置30から送信された機器制御要求を受信する。
【0168】
ステップS79において、機器500のコマンド実行部503は、通信部501によって受信された機器制御要求に示される所定の制御を実行する。ステップS80において、機器500の通信部501は、コマンド実行部503による制御結果を示す制御結果通知を、仲介装置30へ送信する。これにより、仲介装置30の機器通信部32は、機器500から送信された制御結果通知を受信する。
【0169】
ステップS81において、仲介装置30の管理装置通信部31は、機器通信部32によって受信された制御結果通知を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、送信した機器制御要求に対する応答となる制御結果通知を、仲介装置30から受信する。
【0170】
ステップS82において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、仲介装置通信部11によって受信された制御結果通知を、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、送信した遠隔操作要求に対する応答となる制御結果通知を受信する。その後、管理者端末90のWebクライアント部91は、遠隔機器管理装置10から送信された制御結果通知に示される内容を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させてもよい。これにより、遠隔機器管理システム1は、機器500の保守担当者等のシステムの管理者に、機器500の制御結果を知らせることができる。
【0171】
なお、図37は、遠隔機器管理装置10が遠隔操作要求の対象となる機器500の種別に基づいて操作内容を特定する処理を説明したが、管理システム3は、遠隔操作管理テーブル170bを用いて、遠隔操作要求が受け付けられた機器500の機器種別に関連づけられた操作内容を、例えば、図23に示した遠隔操作選択領域730に含まれるような選択肢として管理者端末90に表示されることにより、管理者に提示してもよい。
【0172】
●第2の実施形態の効果
以上説明したように、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、機器500に対する遠隔操作の内容を機器500の種別ごとに予め管理システム3に設定しておき、管理システム3から機器500の遠隔操作をする場合に、設定された遠隔操作の内容に基づいて機器制御を行う。これにより、第2の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理者が操作内容を指定することなく、制御対象の機器500の種別に応じた操作内容に基づく機器制御を行うことができる。そのため、管理者は、遠隔操作の操作内容または方法を把握していなくとも、機器500の制御またはメンテナンスを行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
【0173】
●第3の実施形態●
次に、第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムについて説明する。第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理者がアプリ900にログインする際に使用するアカウントごとに、管理者端末90に表示させる管理画面の表示内容にフィルタをかけるシステムである。これにより、第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理画面に表示される情報が増加することによる管理者の理解度または検索性の低下を抑制することができる。
【0174】
●機能構成
図38は、第3の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に、アカウント管理テーブル140aに変えてアカウント管理テーブル140bが記憶されている点である。アカウント管理テーブル140bの詳細は、後述する。
【0175】
〇通信定義〇
図39は、第3の実施形態に係るアプリが有するデータ構造の一例を示す図である。図34に示すデータ構造は、図7に示した第1の実施形態に係るアプリ900が有するデータ構造に加え、アプリ900にログインするアカウントの役割(ロール)が設定されたアカウント情報を有している。ここで、ロールとは、例えば、仲介装置30の設置担当者または機器管理者等のアカウントを用いる管理者の役割である。なお、アプリ900が有する各情報は、遠隔機器管理装置10が保持する以下の各テーブルによって記憶・管理されている。
【0176】
○アカウント管理テーブル○
図40は、第3の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。図40に示すアカウント管理テーブル140bは、図11に示したアカウント管理テーブル140aに示される機器情報に加え、更に、アプリ900にログインするアカウント(管理者)の役割を示すロール、およびアカウントにより管理される仲介装置30を識別するための仲介装置IDが関連づけて記憶されている。ロールは、管理者の属性を示す属性情報の一例である。管理システム3は、アカウント情報にロールを関連づけて記憶することで、アカウントを使用する管理者の役割に応じた必要な情報のみを表示させることができる。また、管理システム3は、アカウント情報に仲介装置IDを関連づけて記憶することで、管理対象の仲介装置30に関する情報のみを表示させ、管理対象でない仲介装置30に関する情報を表示させないことができる。このように、管理システム3は、アカウント管理テーブル140bに記憶されたアカウント情報を用いて、管理画面に表示させる情報にフィルタをかけることができる。
【0177】
●第3の実施形態の処理および動作
続いて、図41を用いて、第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムの処理または動作について説明する。図41は、第3の実施形態に係る遠隔機器管理装置における管理画面の生成処理の一例を示すフローチャートである。図41は、管理者端末90を使用する管理者が、自らのアカウントIDを用いてアプリ900にログインしているものとして説明する。また、図41は、アカウント管理テーブル140bに記憶されているロールが、機器管理者または設置担当者である場合の例を説明する。なお、第3の実施形態において、図41に示す管理画面の生成処理以外の処理は、第1の実施形態で説明した各処理の内容と同様であるため、説明を省略する。
【0178】
ステップS91において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、管理者端末90から送信された管理画面表示要求を受信する。当該処理は、図19に示したステップS37の処理に該当する。
【0179】
ステップS92において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、ログインした管理者のアカウントIDを検索キーとして、アカウント管理テーブル140bを検索することにより、対応するアカウントIDが関連づけられたアカウント情報を読み出す。
【0180】
ステップS93において、記憶・読出部21は、ステップS92によって読み出されたアカウント情報に含まれる仲介装置IDを検索キーとして、仲介装置管理テーブル110を検索することにより、対応する仲介装置IDが関連づけられた仲介装置情報を読み出す。
【0181】
ステップS94において、記憶・読出部21は、ステップS93によって読み出された
仲介装置情報に含まれる機器IDを検索キーとして、機器管理テーブル120aを検索することにより、対応する機器IDが関連づけられた機器情報を読み出す。
【0182】
ステップS95において、遠隔機器管理装置10の判断部13は、ステップS92によって読み出されたアカウント情報に含まれるロールが機器管理者である場合、処理をステップS96aへ移行させる。ステップS96aにおいて、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18は、ステップS94によって読み出された機器情報に基づいて、機器500に係る管理画面データを生成する。この場合、画面情報生成部18によって生成される管理画面データには、アプリ900にログインしているアカウントによって管理されている機器500に関する情報のみが含まれる。また、画面情報生成部18によって生成される管理画面データは、図22に示した処理によって生成される論理構成画面データまたは図25に示した処理によって生成される物理構成画面データのいずれであってもよい。
【0183】
一方で、ステップS95において、遠隔機器管理装置10の判断部13は、ステップS92によって読み出されたアカウント情報に含まれるロールが機器管理者でない場合、処理をステップS96bへ移行させる。ステップS96bにおいて、遠隔機器管理装置10の画面情報生成部18は、ステップS93によって読み出された仲介装置情報に基づいて、仲介装置30に係る管理画面データを生成する。この場合、画面情報生成部18によって生成される管理画面データには、アプリ900にログインしているアカウントによって管理されている仲介装置30に関する情報のみが含まれる。
【0184】
ステップS97において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、画面情報生成部18によって生成された管理画面データを、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、管理画面データを受信し、受信した管理画面データに係る管理画面を、管理者端末90のディスプレイ1006aに表示させる。このように、遠隔機器管理装置10は、アプリ900にログインするアカウントに関連づけられたロールによって、管理者端末90に異なる管理画面を表示させる。遠隔機器管理装置10は、ログインしたアカウントが管理する仲介装置30に関する情報のみを、管理画面上に表示させる。また、遠隔機器管理装置10は、ログインしたアカウントのロール(役割)に応じて、仲介装置30に関する情報を表示させるか、機器500に関する情報を表示させるかを判断する。
【0185】
●第3の実施形態の効果
以上説明したように、第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理者がアプリ900にログインする際に使用するアカウントごとに、アカウントのロール(役割)およびアカウントが管理する仲介装置30の情報を関連づけて遠隔機器管理装置10で管理することによって、アプリ900にログインしたアカウントごとに異なる管理画面を管理者端末90に表示させる。これにより、第3の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、管理画面に表示される情報が増加することによる管理者の理解度または検索性の低下を抑制することができる。
【0186】
●第4の実施形態●
続いて、第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムについて説明する。第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、仲介装置30の設置担当者が使用する管理者端末90の位置情報を予め登録し、仲介装置30の設置時には登録された位置情報を仲介装置30の位置情報として設定する。これにより、第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、位置情報の入力の手間を省き、設置担当者の作業効率を向上させることができる。
【0187】
●機能構成
図42は、第4の実施形態に係る管理システムの機能構成の一例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、遠隔機器管理装置10の記憶部100に、アカウント管理テーブル140aに変えてアカウント管理テーブル140cが記憶され、遠隔操作管理テーブル170aに変えて遠隔操作管理テーブル170bが記憶されている点である。遠隔操作管理テーブル170bは、図36に示した内容と同様であるため説明を省略する。
【0188】
○アカウント管理テーブル○
図43は、第4の実施形態に係るアカウント管理テーブルの一例を示す図である。図43に示すアカウント管理テーブル140cは、図11に示したアカウント管理テーブル140aに示される機器情報に加え、更に、アカウントを使用する管理者が位置するエリアを識別するためのエリアIDが関連づけて記憶されている。遠隔機器管理装置10は、管理者端末90の緯度および経度の情報を含む位置情報とエリア管理テーブル130に含まれるエリア情報とに基づいて、アカウント情報に関連づけるエリアIDを特定する。
【0189】
●第4の実施形態の処理および動作
続いて、図44および図45を用いて、第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムの処理または動作について説明する。図44および図45は、第4の実施形態に係る遠隔機器管理装置への仲介装置の登録処理の一例を示すシーケンス図である。なお、第4の実施形態において、図44および図45に示す仲介装置の登録処理以外の処理は、第1の実施形態で説明した各処理の内容と同様であるため、説明を省略する。まず、図44を用いて、仲介装置30の設置担当者(管理者)が、管理システム3へ仲介装置30の設置予約を行う処理を説明する。なお、ステップS101~ステップS105の処理は、図19に示したステップS31~ステップS35の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0190】
ステップS106において、管理者端末90の受付部92は、メニュー画面800(図20参照)の仲介装置管理領域830に含まれる新規設置ボタン831の選択を受け付ける。ステップS107において、管理者端末90のWebクライアント部91は、受付部92によって新規設置ボタン831の選択が受け付けられた場合、新たに仲介装置30設置するための設置予約要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、設置予約要求を受信する。
【0191】
ステップS108において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、設置予約要求が受信された場合、位置情報の取得要求を、管理者端末90へ送信する。これにより管理者端末90のWebクライアント部91は、位置情報取得要求を受信する。
【0192】
ステップS109において、管理者端末90の位置情報取得部93は、GPS受信回路1009を用いて、管理者端末90の位置を示す緯度および経度の情報を含む位置情報を取得する。
【0193】
ステップS110において、管理者端末90のWebクライアント部91は、位置情報取得部93によって取得された位置情報を、遠隔機器管理装置10へ送信する。これにより遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、管理者端末90の位置情報を受信する。
【0194】
ステップS111において、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、ステップS110によって受信された位置情報に対応するエリアIDを取得する。具体的には、監視情報管理部15は、取得された位置情報を検索キーとして、エリア管理テーブル130を検索することにより、対応する位置情報が存在するかを照合する。そして、対応する位置情報が存在する場合、監視情報管理部15は、対応する位置情報に関連づけられたエリアIDを取得する。一方で、対応する位置情報が存在する場合、監視情報管理部15は、新たにエリアIDを生成し、生成したエリアIDを取得する。そして、監視情報管理部15は、生成したエリアIDと取得された位置情報を関連づけてエリア情報としてエリア管理テーブル130に記憶する。
【0195】
ステップS112において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、ステップS111によって取得されたエリアIDを、ログインした管理者のアカウントIDに関連づけてアカウント管理テーブル140cに記憶する。このように、仲介装置30の設置担当者(管理者)は、使用する管理者端末90の位置情報をアカウントIDと関連づけて仲介装置30の設置作業の前に予め登録する。そのため、遠隔機器管理装置10は、仲介装置30の設置担当者(管理者)に位置情報を手動で入力させることなく、管理者端末90の位置情報を設置担当者の位置情報として登録することができる。
【0196】
次に、図45を用いて、仲介装置30の設置担当者(管理者)が仲介装置30の設置作業を行う際の処理を説明する。ステップS121において、仲介装置30の受付部33は、仲介装置30の設置操作の選択を受け付ける。受付部33は、例えば、図3に示した仲介装置30のディスプレイ1006aに表示される所定の表示画面に対する入力操作によって、仲介装置30の設置操作の選択を受け付ける。
【0197】
ステップS122において、仲介装置30の管理装置通信部31は、受付部33によって設置操作の選択が受け付けられた場合、設置要求を、遠隔機器管理装置10へ送信する。ここで、設置要求には、仲介装置30の設置担当者のアカウントIDが含まれる。なお、設置担当者のアカウントIDは、図24で示した処理において設置予約を行った設置担当者のアカウントIDと同一であるものとする。これにより、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、設置要求を受信する。
【0198】
ステップS123において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、仲介装置通信部11によって受信された設置要求に含まれるアカウントIDを検索キーとして、アカウント管理テーブル140cを検索することにより、対応するアカウントIDに関連づけられたエリアIDを読み出す。
【0199】
ステップS124において、遠隔機器管理装置10の監視情報管理部15は、新たに設置する仲介装置30を識別するための仲介装置IDを発行する。ステップS125において、遠隔機器管理装置10の記憶・読出部21は、ステップS123によって読み出されたエリアIDと、監視情報管理部15によって発行された仲介装置IDを関連づけて記憶する。
【0200】
ステップS126において、遠隔機器管理装置10の仲介装置通信部11は、登録完了通知を、仲介装置30へ送信する。これにより、仲介装置30の管理装置通信部31は、登録完了通知を受信する。ステップS127において、遠隔機器管理装置10のWebサーバ部16は、登録完了通知を、管理者端末90へ送信する。これにより、管理者端末90のWebクライアント部91は、登録完了通知を受信する。このように、遠隔機器管理装置10は、予め設定した設置担当者(アカウントID)の位置情報から仲介装置30の位置情報を自動で設定することができる。
【0201】
●第4の実施形態の効果
以上説明したように、第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、仲介装置30の設置担当者が使用する管理者端末90の位置情報を予め登録し、仲介装置30の設置時に登録された位置情報を仲介装置30の位置情報として設定する。これにより、第4の実施形態に係る遠隔機器管理システムは、位置情報の入力の手間を省き、設置担当者の作業効率を向上させることができる。
【0202】
●その他の実施形態●
図46は、その他の実施形態に係る遠隔機器管理システムのシステム構成の一例を示す図である。図46に示す遠隔機器管理システム2において、上記で説明した遠隔機器管理システム1と異なる点は、仲介装置30と通信を行う機器500の種類が異なること、すなわち管理対象の機器500の使用環境が異なることである。機器700は、産業機械700a、撮像装置700b、集音装置700c、医療機器700d、立体物造形装置700e等を含む。
【0203】
産業機械700aは、加工装置、検査装置、搬送装置、ピッキング装置等である。産業機械700aは、機器の識別情報や、稼働状況、異常動作の有無、消耗品の交換時期に関する情報、機器による検査結果等の機器情報を、管理システム3(遠隔機器管理装置10)へ送信する。産業機械700aは、データ形式または画像形式等の種々の情報伝達手段を用いて、機器情報を管理システム3(遠隔機器管理装置10)へ送信する。
【0204】
撮像装置700bと集音装置700cは、例えば、産業機械700aの周辺に設置され、産業機械700aの状態を把握するための装置である。医療機器700dは、眼底検査装置、X線検査装置、血圧計、体脂肪計、視力計、ペースメーカ等である。医療機器700dは、機器の識別情報や、機器の稼働状況、異常動作の有無、機器による測定結果等の機器情報を、管理システム3(遠隔機器管理装置10)へ送信する。医療機器700dは、データ形式または画像形式等の種々の情報伝達手段を用いて、機器情報を管理システム3(遠隔機器管理装置10)へ送信する。
【0205】
立体物造形装置700eは、CAD(Computer Aided Design)データ等の立体物の形状を示す3Dデータを受信し、そのデータに基づいて成形材の層を堆積させることにより立体物を造形する3Dプリンタ等によって構成される。立体物造形装置700eは、造形方式として、材料押出堆積法(FDM(Fused Deposition Modeling))、マテリアルジェッティング、バインダジェッティング、粉末焼結積層造形(SLS(Selective Laser Sintering))、光造形法(SLA(Stereolithography))等を採用する。立体物造形装置700eは、当該機器の識別情報、当該機器の稼働状況、異常動作の有無または当該機器に装着された消耗品の状態等を、数値データ、テキストデータまたは画像データ等の種々のデータ形式を用いて仲介装置30を経由して管理システム3(遠隔機器管理装置10)へ送信する。
【0206】
図46に示す遠隔機器管理システム2において、仲介装置30は、遠隔機器管理装置10とファイアウォール9を介して接続されている。仲介装置30は、機器700内に設けてあるファームウエアを、インターネット接続を利用して更新するファームウエア更新機能を備えていてもよい。
【0207】
図46の例において、遠隔機器管理システム2は、複数の機器700と一台の仲介装置30を含む構成を示しているが、更に他の機器を含んで構成してもよい。例えば、一台の仲介装置30では処理負荷が大きくなる場合、機器700のファームウエア更新のための機能と機器700の遠隔管理を集中的に行う機能を複数の仲介装置に分けて割り当てる構成にしてもよい。
【0208】
なお、遠隔機器管理システム2における管理対象の機器700は、これに限られない。機器700は、例えば、家庭用電化製品(家電)、自動販売機、電源装置、空調システムまたはガス・水道・電気等の計量システム等に通信機能を持たせた機器であってもよい。
【0209】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る管理システムは、ローカルネットワーク7内に存在する機器500と通信可能な仲介装置30と、ファイアウォール9を介して通信を行う管理システム3であって、仲介装置30の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報、当該位置情報に対応する仲介装置30と通信可能な機器500を識別するための機器識別情報を関連づけて記憶する。そして、管理システム3は、機器500の状態を示す機器状態情報を、仲介装置30から受信し、位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた機器識別情報に係る機器500の機器状態情報を示す機器特定画像930と、を含む物理構成画面910b(第1の管理画像の一例)を、ディスプレイ1006a(表示部の一例)に表示させる。これにより、管理システム3は、システムの管理者に管理対象の機器500の状態と位置を直観的に把握させることができる。
【0210】
また、本発明の一実施形態に係る管理システムは、仲介装置30の位置を示す位置情報および当該位置情報に対応する仲介装置30を識別するための仲介装置識別情報を関連づけて記憶し、仲介装置30の状態を示す装置状態情報を仲介装置30から受信し、位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた仲介装置識別情報に係る仲介装置30の装置状態情報を示す仲介装置特定画像920と、を含む物理構成画面910a(第2の管理画像の一例)を、ディスプレイ1006a(表示部の一例)に表示させる。これにより、管理システム3は、システムの管理者に、管理対象の機器500と仲介装置30の状態と位置を直観的に把握させることができる。
【0211】
さらに、本発明の一実施形態に係る管理システムは、記憶された機器識別情報および仲介装置識別情報に基づいて、仲介装置30と機器500の接続関係を示す論理構成画面710(第3の管理画像の一例)を、ディスプレイ1006a(表示部の一例)に表示させる。これにより、管理システム3は、管理(監視)対象となる仲介装置30および機器500の階層関係と仲介装置30および機器500の状態を示す情報とを表示させるので、管理者に視覚的に管理対象の仲介装置30および機器500の情報を把握させることができる。
【0212】
また、本発明の一実施形態に係る管理システムは、特定のアカウント(管理者の一例)からの所定の管理画面の表示要求を受け付け、特定のアカウントを識別するためのアカウントID(管理者識別情報の一例)、当該特定のアカウントのロール(特定の管理者の属性を示す属性情報の一例)を関連づけて記憶し、アカウントIDに関連づけられたロールに基づいて、物理構成画面910b(第1の管理画像の一例)と物理構成画面910a(第2の管理画像の一例)のいずれか一方をディスプレイ1006a(表示部の一例)に表示させる。これにより、管理システム3は、管理画面に表示される情報が増加することによる管理者の理解度または検索性の低下を抑制することができる。
【0213】
さらに、本発明の一実施形態に係る管理システムは、物理構成画面910b(第1の管理画像の一例)に含まれる機器特定画像930の選択を受け付け、選択が受け付けられた機器特定画像930に係る機器500に対して所定の制御を行うための機器制御要求を、機器500と通信可能な仲介装置30へ送信する。これにより、管理システム3は、論理構成画面710または物理構成画面910a,910bに表示される機器500の状態および位置に応じて、管理者に遠隔制御を行う機器500を選択させることができるので、管理者の手間を低減させることができるとともに、遠隔制御が必要な機器500への異常の解消またはメンテナンス等の処置を実行することができる。
【0214】
また、本発明の一実施形態に係る管理システムは、仲介装置30との間のWebSocketセッション(仲介装置30に接続されている通信セッションの一例)を介して、機器500に対して所定の制御を行うための機器制御要求を、仲介装置30へ送信し、機器制御要求に対する応答として、機器500の状態を示す機器状態情報を仲介装置30から受信する。これにより、管理システム3は、仲介装置30との間で常時通信(接続)可能な通信セッションを維持することで、仲介装置30から機器状態情報を取得することができる。
【0215】
さらに、本発明の一実施形態に係る表示制御方法は、ローカルネットワーク7内に存在する機器500と通信可能な仲介装置30と、ファイアウォール9を介して通信を行う管理システム3が実行する表示制御方法であって、仲介装置30の位置を示す位置情報を取得する取得ステップと、取得された位置情報、当該位置情報に対応する仲介装置30と通信可能な機器500を識別するための機器識別情報を関連づけて記憶部100に記憶させる記憶制御ステップと、機器500の状態を示す機器状態情報を、仲介装置30から受信する受信ステップと、位置情報に対応する位置を含む領域を示す地図情報と、当該地図情報に対応する記憶部100に記憶された位置情報が示す位置に当該位置情報に関連づけられた機器識別情報に係る機器500の機器状態情報を示す機器特定画像930と、を含む物理構成画面910b(第1の管理画像の一例)を、ディスプレイ1006a(表示部の一例)に表示させる表示制御ステップと、を実行する。これにより、本発明の一実施形態に係る表示制御方法は、システムの管理者に、管理対象の機器500と仲介装置30の状態と位置を直観的に把握させることができる。
【0216】
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0217】
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、CD-RW(Re-Writable)、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0218】
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog-HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
【0219】
これまで本発明の一実施形態に係る管理システム、遠隔機器管理システム、表示制御方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0220】
1,2 遠隔機器管理システム
3 管理システム
7 ローカルネットワーク
9 ファイアウォール
10 遠隔機器管理装置
11 仲介装置通信部(受信手段の一例、送信手段の一例)
15 監視情報管理部(取得手段の一例)
30 仲介装置
31 管理装置通信部(管理システム通信手段の一例)
32 機器通信部(機器通信手段の一例)
90 管理者端末
91 Webクライアント部(表示制御手段の一例)
92 受付部(第1の受付手段の一例、第2の受付手段の一例)
93 位置情報取得手段
100 記憶部(第1の記憶手段の一例、第2の記憶手段の一例)
500 機器
710 論理構成画面(第3の管理画像の一例)
910a 物理構成画面(第2の管理画像の一例)
910b 物理構成画面(第1の管理画像の一例)
920 仲介装置特定画像
930 機器特定画像
1006a ディスプレイ(表示部の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0221】
【文献】特開2008-148017号公報
図1
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