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特許7196600情報処理システム、サーバ装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、サーバ装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221220BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221220BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221220BHJP
   G06F 8/61 20180101ALI20221220BHJP
【FI】
G06F3/12 375
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
G06F3/12 385
B41J29/38
G06F8/61
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018245976
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020107125
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 太一
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-025906(JP,A)
【文献】特開2018-185685(JP,A)
【文献】特開2013-030141(JP,A)
【文献】特開2001-236328(JP,A)
【文献】特開2016-063380(JP,A)
【文献】特開2011-155392(JP,A)
【文献】特開2015-179893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 8/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理が定義された処理手順を実行するアプリケーションを提供するサーバ装置と、前記処理手順を設定する端末装置とがネットワークを介して接続される情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記処理手順の設定画面を前記端末装置に表示させる設定画面提供部と、
前記設定画面で設定された前記処理手順を確認し、前記処理手順の修正が必要な場合、前記処理手順の実行に必要な処理を前記処理手順に追加する処理手順管理部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記設定画面を表示する表示部を有し、
前記処理手順管理部は、前記処理手順で処理可能なデータ形式と、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式とを比較し、
前記設定画面提供部は、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式が前記処理手順で処理できないデータ形式を含む場合、前記電子データを前記処理手順で処理できるようにするための複数の選択肢を前記設定画面に表示させ、
前記処理手順から一部の処理を削除することにより前記電子データを処理可能である場合、前記複数の選択肢は、前記処理手順から前記一部の処理を削除する選択肢を含む、
情報処理システム。
【請求項2】
記複数の選択肢は、前記電子データを前記処理手順で処理可能なデータ形式に変換する変換処理を前記処理手順に追加する選択肢を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記アプリケーションはウェブアプリケーションであり、
前記情報処理システムは、ウェブブラウザを介して前記アプリケーションを利用する1つ以上の電子機器を含み、
前記設定画面は、前記アプリケーションを利用する前記電子機器の種類又は属性を設定する設定項目を含む、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
複数の処理が定義された処理手順を実行するアプリケーションを提供するサーバ装置であって、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続され、前記処理手順を設定する端末装置に前記処理手順の設定画面を表示させる設定画面提供部と、
前記設定画面で設定された前記処理手順を確認し、前記処理手順の修正が必要な場合、前記処理手順の実行に必要な処理を前記処理手順に追加する処理手順管理部と、
を有し、
前記処理手順管理部は、前記処理手順で処理可能なデータ形式と、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式とを比較し、
前記設定画面提供部は、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式が前記処理手順で処理できないデータ形式を含む場合、前記電子データを前記処理手順で処理できるようにするための複数の選択肢を前記設定画面に表示させ、
前記処理手順から一部の処理を削除することにより前記電子データを処理可能である場合、前記複数の選択肢は、前記処理手順から前記一部の処理を削除する選択肢を含む、
ーバ装置。
【請求項5】
複数の処理が定義された処理手順を実行するアプリケーションを提供するサーバ装置が実行する情報処理方法であって、
前記サーバ装置が、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続され、前記処理手順を設定する端末装置に前記処理手順の設定画面を表示させる設定画面提供処理と、
前記設定画面で設定された前記処理手順を確認し、前記処理手順の修正が必要な場合、前記処理手順の実行に必要な処理を前記処理手順に追加する処理手順管理処理と、
を実行し、
前記処理手順管理処理は、前記処理手順で処理可能なデータ形式と、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式とを比較し、
前記設定画面提供処理は、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式が前記処理手順で処理できないデータ形式を含む場合、前記電子データを前記処理手順で処理できるようにするための複数の選択肢を前記設定画面に表示させ、
前記処理手順から一部の処理を削除することにより前記電子データを処理可能である場合、前記複数の選択肢は、前記処理手順から前記一部の処理を削除する選択肢を含む、
報処理方法。
【請求項6】
複数の処理が定義された処理手順を実行するアプリケーションを管理するサーバ装置に、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続され、前記処理手順を設定する端末装置に前記処理手順の設定画面を表示させる設定画面提供処理と、
前記設定画面で設定された前記処理手順を確認し、前記処理手順の修正が必要な場合、前記処理手順の実行に必要な処理を前記処理手順に追加する処理手順管理処理と、
を実行させ
前記処理手順管理処理は、前記処理手順で処理可能なデータ形式と、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式とを比較し、
前記設定画面提供処理は、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式が前記処理手順で処理できないデータ形式を含む場合、前記電子データを前記処理手順で処理できるようにするための複数の選択肢を前記設定画面に表示させ、
前記処理手順から一部の処理を削除することにより前記電子データを処理可能である場合、前記複数の選択肢は、前記処理手順から前記一部の処理を削除する選択肢を含む、
ログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、サーバ装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の電子機器とサーバ装置とを含み、電子機器が取得した画像等の電子データに対して、複数の処理が定義されたワークフロー(処理手順)に従って一連の処理を実行する情報処理システムが知られている。
【0003】
例えば、複数の処理が定義されたワークフローを実行するアプリケーションをサーバ装置が提供し、電子機器からサーバ装置が提供するアプリケーションを利用することによりワークフローを実行する情報処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術によれば、電子機器を利用する利用者は、管理者等によって予め作成されたアプリケーションを利用して、必要に応じてパラメータ等を設定することにより、電子データに対して所定のワークフローを容易に実行することができる。
【0005】
しかし、アプリケーションを作成する管理者等は、特定の状況を想定してアプリケーションを作成するため、例えば、管理者等が想定した電子データとは異なる入力データが入力されたときには、アプリケーションが正しく動作しない場合がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、所定の処理手順を実行するアプリケーションを提供する情報処理システムにおいて、予め想定した入力データとは異なる入力データに対してもアプリケーションを正しく動作させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、複数の処理が定義された処理手順を実行するアプリケーションを提供するサーバ装置と、前記処理手順を設定する端末装置とがネットワークを介して接続される情報処理システムであって、前記サーバ装置は、前記処理手順の設定画面を前記端末装置に表示させる設定画面提供部と、前記設定画面で設定された前記処理手順を確認し、前記処理手順の修正が必要な場合、前記処理手順の実行に必要な処理を前記処理手順に追加する処理手順管理部と、を有し、前記端末装置は、前記設定画面を表示する表示部を有し、前記処理手順管理部は、前記処理手順で処理可能なデータ形式と、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式とを比較し、前記設定画面提供部は、前記処理手順の処理対象となる電子データのデータ形式が前記処理手順で処理できないデータ形式を含む場合、前記電子データを前記処理手順で処理できるようにするための複数の選択肢を前記設定画面に表示させ、前記処理手順から一部の処理を削除することにより前記電子データを処理可能である場合、前記複数の選択肢は、前記処理手順から前記一部の処理を削除する選択肢を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、所定の処理手順を実行するアプリケーションを提供する情報処理システムにおいて、予め想定した入力データとは異なる入力データに対してもアプリケーションを正しく動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る設定画面の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るアプリケーションの更新処理の例を示すシーケンス図である。
図7】第1の実施形態に係るワークフローの確認処理の例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係るワークフローの確認処理の例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係る確認画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。情報処理システム100は、例えば、サービス提供サーバ101、情報端末102、及び1つ以上の電子機器103等が、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク104を介して通信可能に接続されている。
【0012】
サービス提供サーバ(サーバ装置)101は、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。サービス提供サーバ101は、複数の処理が定義されたワークフロー(処理手順)を実行するアプリケーション(ウェブアプリケーション)を、ネットワーク104を介して接続される電子機器103等に提供する。
【0013】
ここで、ワークフローとは、例えば、画像データ等の処理対象となる電子データに対して、入力処理、変換処理、出力処理等の所定の処理を実行する複数のコンポーネントを組み合わせた一連の処理を定義した情報である。また、コンポーネントは、ワークフローに含まれる各処理を実行するプログラムであり、プラグインと呼ばれる場合もある。
【0014】
情報端末(端末装置)102は、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。アプリケーションを管理する管理者(又はユーザ)等は、情報端末102が備えるウェブブラウザを利用して、サービス提供サーバ101が提供するウェブページにアクセスし、アプリケーションや、ワークフローの設定を行うことができる。
【0015】
電子機器103は、ウェブブラウザを備え、サービス提供サーバ101が提供するウェブページにアクセスして、アプリケーションを利用することにより、サービス提供サーバ101に様々なワークフローを実行させる機器である。ここでは、一例として、電子機器103が、スキャン機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等を一つの筐体に搭載したMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置であるものとして、以下の説明を行う。
【0016】
ただし、電子機器103は、画像形成装置に限られず、ウェブブラウザを備え、サービス提供サーバ101が提供するウェブページにアクセス可能な様々な機器であって良い。例えば、電子機器103は、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ、HUD(Head Up Display)装置等の出力装置であっても良い。また、電子機器103は、例えば、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、デジタルカメラ、ウェアラブル端末等の機器であっても良い。さらに、電子機器103は、例えば、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCデスクトップPC等の汎用の情報処理装置であっても良い。
【0017】
なお、上記の情報処理システム100のシステム構成は一例である。例えば、管理者等は、電子機器103が備えるウェブブラウザを利用して、アプリケーションの設定等を行うものであっても良い。また、ユーザは、情報端末102が備えるウェブブラウザを利用して、サービス提供サーバ101が提供するアプリケーションを実行するものであっても良い。さらに、サービス提供サーバ101の機能は、複数のサーバ装置に分散して設けられていても良い。例えば、アプリケーションを管理するサーバ装置と、ワークフローを実行するサーバ装置とは異なるサーバ装置であっても良い。
【0018】
<ハードウェア構成>
続いて、情報処理システム100に含まれる各装置のハードウェア構成について説明する。
【0019】
(サービス提供サーバ、及び情報端末のハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【0020】
サービス提供サーバ101は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。或いは、サービス提供サーバ101は、図2に示すようなハードウェア構成を有する複数のコンピュータ200によって実現される。また、情報端末102は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。
【0021】
コンピュータ200は、例えば、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、ネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
【0022】
これらのうち、CPU201は、コンピュータ200全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU201の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0023】
ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F207は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等が含まれる。ネットワークI/F208は、ネットワーク104を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
【0024】
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW211は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であっても良い。メディアI/F214は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等である。
【0025】
(電子機器のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。ここでは、電子機器103のハードウェア構成の一例として、画像形成装置300のハードウェア構成について説明する。
【0026】
画像形成装置300は、例えば、図3に示されるように、コントローラ310、近距離通信回路320、エンジン制御部330、操作パネル340、ネットワークI/F350等を備えている。
【0027】
これらのうち、コントローラ310は、コンピュータの主要部であるCPU301、システムメモリ(MEM-P)302、ノースブリッジ(NB)303、サウスブリッジ(SB)304、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)305、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)306、HDDコントローラ307、及び、記憶部であるHD308等を有し、NB303とASIC305との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス311で接続した構成となっている。
【0028】
これらのうち、CPU301は、画像形成装置300の全体制御を行う制御部である。NB303は、CPU301と、MEM-P302、SB304、及びAGPバス311とを接続するためのブリッジであり、MEM-P302に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0029】
MEM-P302は、コントローラ310の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM302a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM302bとからなる。なお、RAM302bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0030】
SB304は、NB303とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC305は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス311、PCIバス312、HDDコントローラ307、及びMEM-C306をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC305は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC305の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C306を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部331及びプリンタ部332との間でPCIバス312を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC305には、USBのインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしても良い。
【0031】
MEM-C306は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD308は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD308は、CPU301の制御に従ってHD308に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス311は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P302に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0032】
近距離通信回路320には、例えば、1つ以上の近距離無線通信部320aが備わっている。近距離無線通信部320aは、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の規格に従って通信を行う無線回路、アンテナ、制御回路等を含む。
【0033】
エンジン制御部330は、例えば、スキャナ部331及びプリンタ部332等によって構成されている。スキャナ部331は、原稿等を読み取る読取装置である。プリンタ部332は、印刷データを印刷媒体に印刷する印刷装置である。スキャナ部331又はプリンタ部332には、例えば、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0034】
操作パネル340は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部340a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作ボタン340bを備えている。コントローラ310は、画像形成装置300全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル340からの入力等を制御する。
【0035】
なお、画像形成装置300は、操作パネル340のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0036】
また、ネットワークI/F350は、ネットワーク104を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路320及びネットワークI/F350は、PCIバス312を介して、ASIC305に電気的に接続されている。
【0037】
<機能構成>
図4は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。図4に示すように、情報端末102は、ウェブブラウザ401を備えている。管理者等は、ウェブブラウザ401を用いてサービス提供サーバ101が提供する所定のウェブページにアクセスし、各種のワークフローを実行するアプリケーションの登録、設定等を行うことができる。例えば、情報端末102は、図2のCPU201でウェブブラウザ401を実行することにより、情報端末102を、サービス提供サーバ101が提供する設定画面等を表示する表示部として機能させる。
【0038】
電子機器103は、ウェブブラウザ402を備えている。ユーザは、ウェブブラウザ402を用いてサービス提供サーバ101が提供する所定のウェブページにアクセスし、各種のワークフローを実行するアプリケーションを利用することができる。なお、ウェブブラウザ401、及びウェブブラウザ402は、一般的なウェブブラウザを適用することができる。
【0039】
(サービス提供サーバの機能構成)
サービス提供サーバ101は、例えば、図2のCPU201、又は複数のコンピュータ200で1つ以上のプログラムを実行することにより、入出力サービス部410、ウェブサービス部420、ドキュメントサービス部430、及びポータルサービス部440等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0040】
また、サービス提供サーバ101は、アプリ情報記憶部450、及びポータル画面情報記憶部460等の記憶部を有する。アプリ情報記憶部450、及びポータル画面情報記憶部460は、例えば、HDD240等によって実現される。また、アプリ情報記憶部450、及びポータル画面情報記憶部460のうちの少なくとも一部は、例えば、ストレージサーバ等の情報処理装置によって実現されるものであっても良い。
【0041】
入出力サービス部410は、サービス提供サーバ101が提供するアプリケーション(ウェブアプリケーション)の管理、及びアプリケーションの実行等に関する処理を行う。入出力サービス部410は、例えば、図4に示すようにアプリ管理部411、処理手順管理部412、コンポーネント管理部413、及びロジック処理部414等を含む。
【0042】
アプリ管理部411は、複数の処理が定義されたワークフロー(処理手順)を実行するアプリケーションを管理する。例えば、アプリ管理部411は、複数のアプリケーションの情報を、アプリ情報記憶部450のアプリ情報451に記憶して管理する。このアプリ情報451には、各アプリケーションが実行するワークフローの情報(例えば、ワークフローに定義された1つ以上の処理、及び各処理の処理順序等)、及び各アプリケーションの設定情報等が記憶される。
【0043】
また、アプリ管理部411は、例えば、ロジック処理部414、ウェブサービス部420、ポータルサービス部440等からの要求に応じて、アプリ情報451に記憶したアプリケーションの情報(ワークフローの情報、設定情報等)を提供する。
【0044】
さらに、アプリ管理部411は、ポータルサービス部440からの要求に応じて、アプリケーションの情報を、アプリ情報記憶部450のアプリ情報451に記憶する。これにより、複数の処理が定義されたワークフローを実行するアプリケーションが、サービス提供サーバ101に登録される。或いは、これにより、登録済のアプリケーションに対する変更、設定等が反映される。
【0045】
処理手順管理部412は、アプリ管理部411によって、アプリ情報記憶部450のアプリ情報451に記憶される各アプリケーションのワークフロー(処理手順)を管理する。例えば、処理手順管理部412は、ユーザによって変更されたアプリケーションのワークフローを確認し、ワークフローの修正が必要な場合、ワークフローの実行に必要な処理(コンポーネント)をワークフローに追加する。
【0046】
具体的な一例として、処理手順管理部412は、ワークフローで処理可能なデータ形式と、ワークフローの処理対象となる電子データのデータ形式とを比較する。また、処理手順管理部412は、当該電子データのデータ形式がワークフローで処理できないデータ形式を含む場合、当該電子データをワークフローで処理可能なデータ形式に変換する変換処理(コンポーネント)をワークフローに追加する。
【0047】
例えば、管理者等が、画像形成装置300から入力データを入力することを想定してワークフローを作成した場合、スキャン結果はPDF(Portable Document Format)で扱うことが多いため、PDFファイルを処理対象とするワークフローが作成される。このワークフローを、例えば、スマートフォン、デジタルカメラ等のモバイル機器から実行すると、入力データとして、カメラで撮影した画像が用いられることが多いため、ワークフローが正常に実行できない場合がある。
【0048】
そこで、処理手順管理部412は、ユーザ等によってアプリケーションの情報が変更されると、アプリケーションのワークフローを確認し、例えば、入力データをPDF形式の電子データに変換する変換処理(コンポーネント)をワークフローに追加する。これにより、当該アプリケーションを、モバイル機器からでも実行することができるようになる。
【0049】
コンポーネント管理部413は、ワークフローで実行可能な様々な処理を実行する複数のコンポーネントを管理する。例えば、コンポーネント管理部413は、ドキュメントサービス部430に含まれるPDF処理部431、コード処理部432、外部サービス処理部433、データ形式変換部434、・・・等のコンポーネントを管理する。なお、PDF処理部431、コード処理部432、外部サービス処理部433、データ形式変換部434等は、入力処理、変換処理、出力処理等を実行する様々なコンポーネントの一例である。
【0050】
例えば、処理手順管理部412は、コンポーネント管理部413から、サービス提供サーバ101で利用可能なコンポーネントの情報を取得することができる。
【0051】
ロジック処理部414は、例えば、ウェブサービス部420からの要求に応じて、アプリ管理部411が管理するアプリケーションの情報(ワークフローの情報、設定情報等)を取得する。また、ロジック処理部414は、アプリ管理部411から取得したアプリケーションの情報に基づいて、アプリケーションを実行する。例えば、ロジック処理部414は、アプリケーションの情報に基づいて、ドキュメントサービス部430のPDF処理部431、コード処理部432、外部サービス処理部433、データ形式変換部434、・・・等のコンポーネントに、順次に処理を実行させる。これにより、ワークフローに定義された一連の処理が順次に実行される。
【0052】
ウェブサービス部420は、ユーザが電子機器103のウェブブラウザ402を用いて、サービス提供サーバ101が提供するアプリケーション(ウェブアプリケーション)を利用するための処理を行う。例えば、ウェブサービス部420は、ウェブブラウザ402に対してウェブアプリケーションを提供するアプリケーションサーバとして機能する。なお、ウェブサービス部420は、例えば、図4に示すように画面構成部421、及びアプリ実行部422を含む。
【0053】
画面構成部421は、ウェブブラウザ402からの要求に応じて、ウェブブラウザ402に、サービス提供サーバ101が提供するアプリケーションを利用するための表示画面(以下、アプリ画面と呼ぶ)を表示させる。
【0054】
アプリ実行部422は、アプリ画面に対するユーザの操作に応じて、入出力サービス部410に対して、アプリケーションの実行を要求する。
【0055】
ドキュメントサービス部430は、ロジック処理部414からの制御に応じて、例えば、PDF処理部431、コード処理部432、外部サービス処理部433、データ形式変換部434等のコンポーネントを用いて、ワークフローに定義された一連の処理を実行する。
【0056】
PDF処理部431は、例えば、入力されたPDFファイルを、ページ毎に分割して出力するPDF分割等の処理を実行する。コード処理部432は、例えば、指定された情報(例えば、文字列等)を表すQRコード(登録商標)を作成し、電子データに付加するQRコード結合等の処理を実行する。外部サービス処理部433は、例えば、電子データを外部サービスにアップロードする外部サービスアップロード等の処理を実行する。データ形式変換部434は、例えば、PDFファイル以外の電子データを、PDF形式に変換するPDF変換処理等を実行する。
【0057】
なお、PDF処理部431、コード処理部432、外部サービス処理部433、データ形式変換部434、・・・等は、ドキュメントサービス部430に含まれるコンポーネントの一例である。ドキュメントサービス部430は、上記の各コンポーネントとは異なる様々なコンポーネントを有していても良い。
【0058】
ポータルサービス部440は、ユーザが情報端末102のウェブブラウザ401を用いてアプリケーションの登録、変更、設定等を行うための処理を行う。なお、ポータルサービス部440には、例えば、図4に示すように、設定画面提供部441、及びアプリ登録部442等が含まれる。
【0059】
設定画面提供部441は、例えば、ウェブブラウザ401等からの要求に応じて、ポータル画面情報記憶部460に記憶されているポータル画面情報461を返信する。これにより、設定画面提供部441は、情報端末102のウェブブラウザ401に、例えば、図5(a)~(d)に示すような設定画面(UI:User Interface)を表示させることができる。
【0060】
これらの設定画面は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(
Extensible Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheets)、JavaScript(登録商標)等の言語によって作成されている。したがって、情報端末102のユーザは、設定画面に対して所定の操作を行うことにより、アプリケーションの登録操作、変更操作、設定操作等を行うことができる。なお、各設定画面についての説明は後述する。
【0061】
アプリ登録部442は、設定画面提供部441からの要求に応じて、アプリケーション登録、変更、設定等をアプリ管理部411に要求する。例えば、アプリ登録部442は、設定画面提供部441が提供する設定画面において、アプリケーションの登録、変更、設定等の操作が行われると、アプリケーションの登録、変更、設定等をアプリ管理部411に要求する。
【0062】
アプリ情報記憶部450は、各アプリケーションが実行するワークフローの情報(例えば、ワークフローに定義された1つ以上の処理、及び各処理の処理順序等)、及び各アプリケーションの設定情報等を含むアプリ情報451を記憶する。
【0063】
ポータル画面情報記憶部460は、ウェブブラウザ401等に、例えば、図5(a)~(d)に示すような設定画面を表示させるためのポータル画面情報461を記憶する。
【0064】
なお、図4に示す情報処理システム100の機能構成は一例である。例えば、入出力サービス部410、ウェブサービス部420、ドキュメントサービス部430、及びポータルサービス部440等は、それぞれが異なるコンピュータ200によって実現されるものであっても良い。また、コンポーネント管理部413は、ドキュメントサービス部430に含まれていても良い。
【0065】
<処理の流れ>
続いて、本発明の各実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0066】
[第1の実施形態]
(アプリケーションの更新処理)
図6は、第1の実施形態に係るアプリケーションの更新処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、ユーザが、情報端末102を用いてサービス提供サーバ101にアクセスし、サービス提供サーバ101が提供するアプリケーションを更新したとき等に、情報処理システム100が実行する処理の例を示している。
【0067】
ステップS601において、ユーザは、情報端末102のウェブブラウザ401を用いて、サービス提供サーバ101が提供するポータル画面の表示操作を行う。例えば、ユーザは、ウェブブラウザ401に、サービス提供サーバ101のポータルサービス部440が提供するウェブサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)情報を入力することにより、ポータル画面の表示操作を行う。
【0068】
ステップS602において、情報端末102のウェブブラウザ401は、ユーザによるポータル画面の表示操作を受け付けると、ポータル画面の表示要求を、サービス提供サーバ101のポータルサービス部440に送信する。
【0069】
ステップS603において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、ポータル画面の表示要求を受信すると、ポータル画面情報記憶部460のポータル画面情報461から、ポータル画面を表示するためのポータル画面情報を取得する。
【0070】
ステップS604において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、取得したポータル画面情報を、要求元のウェブブラウザ401に送信する。
【0071】
ステップS605において、情報端末102のウェブブラウザ401は、設定画面提供部441から送信されたポータル画面情報を受信し、受信したポータル画面情報に基づいて、ポータル画面を表示する。ここで表示されるポータル画面は任意の構成であって良いが、アプリケーションの更新を行うアプリ更新画面の表示を要求する操作ボタン等が含まれているものとする。
【0072】
ステップS606において、ユーザは、情報端末102のウェブブラウザ401を用いて、アプリ更新画面の表示操作を行う。例えば、ユーザは、ポータル画面に含まれる、アプリ更新画面の表示を要求する操作ボタン等を選択する。
【0073】
ステップS607において、情報端末102のウェブブラウザ401は、ユーザによるアプリ更新画面の表示操作を受け付けると、アプリ更新画面の表示要求を、サービス提供サーバ101のポータルサービス部440に送信する。
【0074】
ステップS608、S609において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、ポータル画面の表示要求を受信すると、アプリ管理部411から、アプリ管理部411が管理しているアプリケーション情報を取得する。このアプリケーションの情報には、例えば、各アプリケーションが実行するワークフローの情報(例えば、ワークフローに定義された1つ以上の処理、及び各処理の処理順序等)、及び各アプリケーションの設定情報等が含まれる。
【0075】
ステップS610において、設定画面提供部441は、取得したアプリケーションの情報を用いて、例えば、図5(a)に示すようなアプリ更新画面510を作成し、作成したアプリ更新画面510を、要求元のウェブブラウザ401に送信する。
【0076】
ステップS611において、ウェブブラウザ401は、設定画面提供部441から受信したアプリ更新画面510を表示する。図5(a)の例では、アプリ更新画面510には、サービス提供サーバ101が提供する複数のアプリケーションから、更新対象となるアプリケーションを選択するための複数の選択ボタン511が表示されている。例えば、ユーザは、いずれかの選択ボタン511を選択することにより、更新対象となるアプリケーションを選択することができる。なお、アプリ更新画面510は、設定画面の一例である。
【0077】
ステップS612において、アプリケーションの更新操作を行うものとする。例えば、ユーザは、図5(a)に示すようなアプリ更新画面510から、いずれかの選択ボタン511を選択し、「詳細設定」のタブ512を選択することにより、図5(b)に示すようなアプリケーションの詳細設定画面520を表示させることができる。
【0078】
図5(b)に示す詳細設定画面520において、選択されたアプリケーションは、サービス提供サーバ101のアプリ情報451に登録済なので、ワークフローは既に定義されている。したがって、詳細設定画面520の「フローイメージ」のエリア521には、更新対象となるアプリケーションのワークフローのイメージが図示されている。図5(b)の例では、一例として、PDFファイルの先頭ページを切り出して、切り出したページにQRコードを埋め込み、QRコードを埋め込んだページを電子データとして外部サービスへアップロードする処理を実行するワークフローが表示されている。
【0079】
また、ユーザは、図5(b)に示す詳細設定画面520において、「モバイル実行」のエリア522のチェックボックスを有効にすることにより、アプリケーションをモバイル機器からでも利用できるように設定を変更することができる。なお、このチェックボックスは、更新対象となるアプリケーションを利用する電子機器103の種類又は属性を設定する設定項目の一例である。また、詳細設定画面520は、設定画面の一例である。
【0080】
このチェックボックスが有効に設定されると、例えば、図5(c)に示すような確認画面530が表示される。ユーザは、この確認画面530において、「OK」ボタン531を選択することにより、アプリケーションの更新操作を行うことができる。
【0081】
なお、上記の操作は、アプリケーションの更新操作の一例である。アプリケーションの更新操作は、上記の操作とは異なる操作であっても良い。
【0082】
ステップS613において、情報端末102のウェブブラウザ401は、アプリケーションの更新操作を受け付けると、更新されたワークフローの確認を要求する更新確認要求を、ポータルサービス部440に送信する。この更新確認要求には、例えば、アプリケーションを識別する識別情報、及び更新されたアプリケーションの情報(ワークフロー情報、設定情報等)が含まれる。
【0083】
ステップS614において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、更新確認要求を受信すると、更新されたワークフローの確認を入出力サービス部410に要求する。これにより、入出力サービス部410は、例えば、ステップS615~S617に示すようなワークフローの確認処理600を実行する。
【0084】
ステップS615において、入出力サービス部410の処理手順管理部412は、更新されたアプリケーションのワークフローについて、修正が必要であるか否かを確認する。
【0085】
一例として、ワークフローが、図5(b)の「フローイメージ」のエリア521に表示されているように、ワークフローが取り扱う入力データがPDFファイルであり、「モバイル実行」のエリア522のチェックボックスが有効に設定されているものとする。また、モバイル機器で扱う電子データが、JPEG、PNG等のPDFファイルとは異なるデータ形式の画像データであるものとする。この場合、更新されたアプリケーションのワークフローは、モバイル機器で扱う電子データを処理できないので、処理手順管理部412は、ワークフローの修正が必要と判断する。
【0086】
ステップS616において、処理手順管理部412は、ワークフローの修正に必要なコンポーネントの情報を、コンポーネント管理部413から取得する。例えば、図5(b)の「フローイメージ」のエリア521に表示されているワークフローを、モバイル機器で利用可能にするためには、ワークフローを開始する前に、電子データをPDFに変換する変換処理を実行するコンポーネントを追加することが考えられる。この場合、処理手順管理部412は、電子データをPDFに変換する変換処理を実行するコンポーネントの情報を、コンポーネント管理部413から取得する。
【0087】
ステップS617において、処理手順管理部412は、取得したコンポーネントの情報等を用いて、ワークフローの更新案を作成する。例えば、処理手順管理部412は、図5(b)の「フローイメージ」のエリア521に表示されているワークフローの例では、図5(d)の「フローイメージ」のエリア541に表示されているワークフローのような更新案を作成する。この例では、「PDF分割」処理の前に、電子ファイルをPDFファイルに変換する「PDF変換」処理を追加している。
【0088】
なお、ステップS615において、ワークフローの修正が不要な場合、及びステップS616において、ワークフローの修正に必要なコンポーネントを取得できない場合の処理については後述する。
【0089】
ステップS618において、処理手順管理部412は、ワークフローの確認結果を、要求元のポータルサービス部440に通知する。例えば、処理手順管理部412は、ステップS617で作成したワークフローの更新案を含むワークフローの確認結果を、ポータルサービス部440の設定画面提供部441に通知する。
【0090】
ステップS619において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、ワークフローの確認結果を含む確認画面を、要求元の情報端末102に送信する。例えば、設定画面提供部441は、ステップS617で作成したワークフローの更新案を含む確認画面を作成し、作成した確認画面を情報端末102のウェブブラウザ401に送信する。
【0091】
ステップS620において、情報端末102のウェブブラウザ401は、ポータルサービス部440から受信した確認画面を表示する。例えば、ウェブブラウザ401は、図5(d)に示すような確認画面540を表示する。図5(d)に示すように、確認画面540の「フローイメージ」のエリア541には、例えば、ステップS617で作成されたワークフローの更新案が表示される。
【0092】
ステップS621において、ユーザが、確認画面540で確認操作を行うものとする。例えば、ユーザは、図5(d)に示すような確認画面540において、「更新」ボタン542を選択することにより、確認操作を行う。
【0093】
ステップS622において、情報端末102のウェブブラウザ401は、確認操作を受け付けると、確認操作を受け付けたことを示す確認操作情報をポータルサービス部440に送信する。
【0094】
ステップS623において、ポータルサービス部440のアプリ登録部442は、確認操作情報を受け付けると、アプリケーションの情報の更新要求を、入出力サービス部410のアプリ管理部411に送信する。この更新要求には、例えば、アプリケーションを識別する識別情報、及び更新されたアプリケーション情報(ワークフロー情報、及び設定情報等)が含まれる。
【0095】
ステップS624において、アプリ管理部411は、アプリケーションの情報の更新要求に応じて、アプリケーションの識別情報に対応するアプリケーションの情報を更新する。
【0096】
ステップS625において、アプリ管理部411は、更新結果をポータルサービス部440に通知する。この更新結果には、例えば、アプリケーションの情報の更新が完了したことを示す情報等が含まれる。
【0097】
ステップS626において、ポータルサービス部440の設定画面提供部441は、アプリケーションの更新結果を含む更新結果画面を情報端末102に送信する。
【0098】
ステップS627において、情報端末102のウェブブラウザ401は、アプリケーションの更新結果を示す更新結果画面を表示する。
【0099】
上記の処理により、サービス提供サーバ101は、例えば、PDFファイルの入力を想定して作成されたアプリケーションに、入力機器としてモバイル機器が追加されると、PDF以外の画像ファイルを処理することができるようにアプリケーションを更新する。
【0100】
(ワークフローの確認処理)
図7は、第1の実施形態に係るワークフローの確認処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS615~S617において、処理手順管理部412が実行するワークフローの確認処理600の具体的な一例を示している。
【0101】
ステップS701において、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローで処理可能な入力データのデータ形式を確認する。一例として、図5(b)の「フローイメージ」のエリア521に表示されているワークフローでは、最初の処理が「PDF分割」となっているので、入力データのデータ形式は「PDF」になる。
【0102】
ステップS702において、処理手順管理部412は、ワークフローの処理対象となる電子データのデータ形式の一覧を確認する。一例として、図5(b)の「モバイル実行」のエリア522のチェックボックスが有効に設定されている場合、入力機器としてモバイル機器も対象となるため、入力データのデータ形式には、PDFに加えて、例えば、JPEG、PNG等のデータ形式が含まれる。
【0103】
ステップS703において、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローが、当該ワークフローの処理対象となる全てのデータ形式を処理可能であるか否かを判断する。全てのデータ形式を処理可能である場合、処理手順管理部412は、処理を終了させる。一方、全てのデータ形式を処理可能でない場合、処理手順管理部412は、処理をステップS704に移行させる。
【0104】
ステップS704に移行すると、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローが処理できないデータ形式を、処理可能なデータ形式に変換する変換用のコンポーネントがあるか否かを判断する。例えば、処理手順管理部412は、コンポーネント管理部413から、サービス提供サーバ101で利用可能なコンポーネントの情報を取得して、変換用のコンポーネントの有無を判断する。
【0105】
変換用のコンポーネントがある場合、処理手順管理部412は、処理をステップS705に移行させる。一方、変換用のコンポーネントがない場合、処理手順管理部412は、処理をステップS706に移行させる。
【0106】
ステップS705に移行すると、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローで、ワークフローの処理対象となるデータ形式を処理できるように更新する更新案を作成する。一例として、処理手順管理部412は、図5(d)の「フローイメージ」のエリア541に表示されているワークフローのように、「PDF分割」の処理の前に、電子ファイルをPDF形式に変換する「PDF変換」の処理を追加したワークフロー案を作成する。ここで作成されたワークフローの更新案は、例えば、図6のステップS618において、ワークフローの確認結果としてポータルサービス部440に通知され、情報端末102のウェブブラウザ401が表示する確認画面に表示される。
【0107】
ステップS706に移行すると、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローでは、処理できない電子ファイルがあることを示す警告情報(表示情報)を作成する。ここで作成された警告情報は、例えば、図6のステップS618において、ワークフローの確認結果としてポータルサービス部440に通知される。
【0108】
このように、本実施形態に係るサービス提供サーバ101は、例えば、アプリケーションの更新等のタイミングでワークフローの入出力をチェックし、修正が必要な場合に実行に必要な処理をワークフローに追加する。
【0109】
したがって、本実施形態によれば、所定の処理手順を実行するアプリケーションを提供する情報処理システム100において、予め想定した入力データとは異なる入力データに対してもアプリケーションを正しく動作させることができる。
【0110】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、例えば、図6のステップS615~S617において、処理手順管理部412が実行するワークフローの確認処理600の別の一例について説明する。なお、第2の実施形態に係る情報処理システム100のシステム構成、ハードウェア構成、及び機能構成は、第1の実施形態に係る情報処理システム100と同様で良い。
【0111】
<処理の流れ>
(ワークフローの確認処理)
図8は、第2の実施形態に係るワークフローの確認処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS615~S617において、処理手順管理部412が実行するワークフローの確認処理600の別の一例を示している。
【0112】
なお、図8のステップS701~S705の処理は、図7のステップS701~S703の処理と同様なので、ここでは第1の実施形態に係るワークフローの確認処理との相違点を中心に説明する。
【0113】
処理手順管理部412は、ステップS703において、確認対象となるワークフローが、当該ワークフローの処理対象となる全てのデータ形式を処理可能でないと判断された場合、ステップS704、S705の処理に加えて、ステップS801の処理を実行する。
【0114】
ステップS801において、処理手順管理部412は、確認対象となるワークフローを確認し、後段に当該ワークフローの処理対象となるデータ形式を、そのまま処理可能なコンポーネントがあるか否かを判断する。一例として、図5(b)の「フローイメージ」のエリア521に表示されたワークフローにおいて、「PDF分割」処理の後段の「コード結合」処理を実行するコンポーネントが、ワークフローの処理対象となる全てのデータ形式を処理可能であるか否かを判断する。
【0115】
後段に全てのデータ形式を処理可能なコンポーネントがある場合、処理手順管理部412は、処理をステップS802に移行させる。一方、後段に全てのデータ形式を処理可能なコンポーネントがない場合、処理手順管理部412は、処理をステップS803に移行させる。
【0116】
ステップS802に移行すると、処理手順管理部412は、ワークフローの更新案を作成する。例えば、処理手順管理部412は、全てのデータ形式を処理可能なコンポーネントより前のコンポーネントを削除して、ワークフローの更新案を作成する。
【0117】
ステップS803において、処理手順管理部412は、ワークフローの更新案の一覧を作成する。例えば、ステップS705、又はステップS802でワークフローの更新案が作成された場合、ワークフローの更新案の一覧には、作成されたワークフローの更新案が含まれる。
【0118】
ここで作成されたワークフローの更新案の一覧は、例えば、図6のステップS618において、ワークフローの確認結果としてポータルサービス部440に通知され、情報端末102のウェブブラウザ401が表示する確認画面に表示される。
【0119】
図9は、第2の実施形態に係る確認画面の例を示している。この図は、情報端末102のウェブブラウザ401が表示する確認画面901の一例を示している。図9の例では、確認画面901には、例えば、図8のステップS705で作成された更新案902、図8のステップS802で作成された更新案903等が含まれる。また、確認画面901には、例えば、「手動で編集する」、「変更しない」等の他の選択肢が含まれていても良い。
【0120】
このように、第2の実施形態によれば、サービス提供サーバ101は、ワークフローの更新案として複数の選択肢をユーザに提示することができるようになる。
【0121】
以上、本発明の各実施形態によれば、所定の処理手順を実行するアプリケーションを提供する情報処理システム100において、予め想定した入力データとは異なる入力データに対してもアプリケーションを正しく動作させることができるようになる。
【0122】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0123】
100 情報処理システム
101 サービス提供サーバ(サーバ装置)
102 情報端末(端末装置)
401 ウェブブラウザ
412 処理手順管理部
441 設定画面提供部
510 アプリ更新画面(設定画面の一例)
520 詳細設定画面(設定画面の一例)
540 確認画面(設定画面の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【文献】特開2017-157224号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9