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特許7196610意見評価システム、情報処理システム、意見評価方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】意見評価システム、情報処理システム、意見評価方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20221220BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20221220BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F16/903
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019001344
(22)【出願日】2019-01-08
(65)【公開番号】P2020112877
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】勇 嘉偉
(72)【発明者】
【氏名】川村 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】篠宮 聖彦
(72)【発明者】
【氏名】金崎 克己
(72)【発明者】
【氏名】内藤 昭一
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232769(JP,A)
【文献】特開2014-143668(JP,A)
【文献】特開2011-048746(JP,A)
【文献】特開2017-173874(JP,A)
【文献】特開2011-055160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0101760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のイベントの議題を示す過去議題情報と前記過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報が関連づけられた履歴情報を記憶する記憶手段と、
実行されている特定のイベントにより発生したコンテンツデータ、および前記コンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得する取得手段と、
前記記憶された履歴情報のうち、前記コンテンツデータに示される特定の議題情報と最も類似度の高い特定の過去議題情報を含む特定の履歴情報を決定する決定手段と、
前記決定された特定の履歴情報に含まれる特定の過去意見情報、前記コンテンツデータに示される特定の意見情報、および前記特定の議題情報を用いて、前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々の評価結果を示す複数の意見評価結果情報を算出する意見評価結果算出手段と、
前記算出された複数の意見評価結果情報のうち、前記用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する出力制御手段と、
を備える意見評価システム。
【請求項2】
請求項1に記載の意見評価システムであって、更に、
前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々について、前記特定の議題情報と前記特定の意見情報が示す各意見との関連度を示す関連度スコアを算出する関連度算出手段と、
前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々について、前記特定の過去意見情報と前記特定の意見情報が示す各意見との方向性を示す方向性スコアを算出する方向性算出手段と、を備え、
前記意見評価結果算出手段は、前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々についての前記関連度スコアおよび前記方向性スコアに基づいて、前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々の評価結果を示す複数の意見評価結果情報を算出する意見評価システム。
【請求項3】
前記用途情報が、前記特定のイベントの発散の用途を示す場合、
前記出力制御手段は、前記関連度スコアが高く、かつ前記方向性スコアが低い前記特定の意見評価結果情報を含む前記評価結果データを出力する請求項2に記載の意見評価システム。
【請求項4】
前記用途情報が、前記特定のイベントの収束の用途を示す場合、
前記出力制御手段は、前記関連度スコアおよび前記方向性スコアが高い前記特定の意見評価結果情報を含む前記評価結果データを出力する請求項2に記載の意見評価システム。
【請求項5】
前記評価結果データは、複数の前記特定の意見評価結果情報を含む請求項4に記載の意見評価システム。
【請求項6】
前記評価結果データは、前記特定の意見評価結果情報に関連づけられた優先順位を含む請求項5に記載の意見評価システム。
【請求項7】
前記用途情報が、前記特定のイベントの脱線防止の用途を示す場合、
前記出力制御手段は、前記関連度スコアが低い前記特定の意見評価結果情報を含む前記評価結果データを出力する請求項2に記載の意見評価システム。
【請求項8】
前記コンテンツデータは、画像データ、音声データまたはテキストデータである請求項1乃至7のいずれか一項に記載の意見評価システム。
【請求項9】
前記取得手段は、前記コンテンツデータが前記画像データまたは前記音声データである場合、当該画像データまたは当該音声データから変換されたテキストデータを取得する請求項8に記載の意見評価システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の意見評価システムと、前記意見評価システムと通信ネットワークを介して通信可能な通信端末とを備える情報処理システムであって、
前記通信端末は、
前記通信ネットワークを介して、前記評価結果データを前記意見評価システムから受信する受信手段と、
前記受信された評価結果データに係る評価結果画面を、表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項11】
意見評価システムが実行する意見評価方法であって、
過去のイベントの議題を示す過去議題情報と前記過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報が関連づけられた履歴情報を記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、
実行されている特定のイベントにより発生したコンテンツデータ、および前記コンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得する取得ステップと、
前記記憶された履歴情報のうち、前記コンテンツデータに示される特定の議題情報と最も類似度の高い特定の過去議題情報を含む特定の履歴情報を決定する決定ステップと、
前記決定された特定の履歴情報に含まれる特定の過去意見情報、前記コンテンツデータに示される特定の意見情報、および前記特定の議題情報を用いて、前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々の評価結果を示す複数の意見評価結果情報を算出する意見評価結果算出ステップと、
前記算出された複数の意見評価結果情報のうち、前記用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する出力制御ステップと、
を実行する意見評価方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意見評価システム、情報処理システム、意見評価方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザから受け付けられた質問に基づいて、インターネットやナレッジベース等のデータベースを検索し、質問に関する回答を自動的に取得するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このようなシステムを用いることで、ユーザの疑問に対して、短時間で膨大な情報から関連性のある回答をユーザに提示することができる。
【0003】
また、このような技術を応用し、会議における発言内容等に基づいて、会議の促進を支援する技術も知られている。例えば、特許文献2には、入力された発言内容に基づいて発言の種類を判断し、発言の種類や発言の種類の割合、会議時間や発言の数に基づいて会議を評価する会議支援システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法では、会議等の特定のイベントにおいて発生した発言内容等に含まれるキーワードに基づいて、特定のイベントの進行状況や発言内容自体を評価することができるが、会議シーンや会議フェーズ等の利用用途によっては、ユーザにとって最適でない評価結果が出力されてしまう場合があった。例えば、特定のイベントに参加しているユーザの発想を促進しようとする場合、評価基準が考慮されていなければ特定のイベントにおいて発生したコンテンツデータであるユーザの意見の良し悪しがわからないので、最適な意見の選定、発想すべき方向性の提示が困難であった。したがって、従来の方法では、特定のイベントにより発生した意見のうち、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る意見評価システムは、過去のイベントの議題を示す過去議題情報と前記過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報とが関連づけられた履歴情報を記憶する記憶手段と、実行されている特定のイベントにより発生したコンテンツデータ、および前記コンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得する取得手段と、前記記憶された履歴情報のうち、前記コンテンツデータに示される特定の議題情報と最も類似度の高い特定の過去議題情報を含む特定の履歴情報を決定する決定手段と、前記決定された特定の履歴情報に含まれる特定の過去意見情報、前記コンテンツデータに示される特定の意見情報、および前記特定の議題情報を用いて、前記特定の意見情報が示す複数の意見の各々の評価結果を示す複数の意見評価結果情報を算出する意見評価結果算出手段と、前記算出された複数の意見評価結果情報のうち、前記用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する出力制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定のイベントにより発生した意見のうち、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの利用シーンの一例を説明するための図である。
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る履歴情報管理テーブルの一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係るスタンス候補管理テーブルの一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る意見評価結果情報管理テーブルの一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る情報処理システムにおける意見評価処理を開始するための処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】第1の実施形態に係る通信端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る情報処理システムにおける意見評価処理の一例を示すシーケンス図である。
図13】第1の実施形態に係る情報処理システムにおける意見評価処理の一例を示すシーケンス図である。
図14】第1の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
図15】第1の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
図16】第1の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
図17】第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図18】第2の実施形態に係る情報処理システムの利用シーンの一例を説明するための図である。
図19】第2の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
●第1の実施形態●
●システム構成
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す情報処理システム1Aは、意見評価システム5A、通信端末70およびデータベースサーバ90によって構成されている。情報処理システム1Aを構成する各装置は、通信ネットワーク3を介してそれぞれ接続されている。通信ネットワーク3は、例えば、LAN(Local Area Network)、専用線およびインターネット等によって構築される。通信ネットワーク3は、有線だけでなく、Wi-Fi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
【0010】
意見評価システム5Aは、会議等のイベントで用いられる通信端末70に入力された画面データや音声データ等のコンテンツデータに基づいて、実行されているイベントを促進するための意見を評価するシステムである。
【0011】
データベースサーバ90は、意見評価システム5Aによる意見評価処理に用いる複数のテキストデータ(データセット)を記憶するサーバコンピュータである。データベースサーバ90は、データセットを機械学習により特定のカテゴリの属性ごとに分類する分類器としても機能を有する。本実施形態において、情報処理システム1Aは、データベースサーバ90が保持するデータセットを用いて、通信端末70に入力されたデータに基づく会議等のイベントによって発生した意見の評価を行う。データベースサーバ90は、例えば、インターネットを介したWebサーバであってもよいし、社内文書が蓄積された社内データベース等であってもよい。
【0012】
通信端末70は、会議等のイベントにおいて、ユーザが使用する端末である。通信端末70は、例えば、電子黒板70aおよびPC(Personal Computer)70bである。ユーザは、通信端末70にインストールされた会議アプリ等の特定のアプリケーションを用いて会議等のイベントを開催する。電子黒板70aは、例えば、会議中に行われたユーザの発言を集音した音声データや、手書き入力画面等の画面データを、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aへ送信する。また、PC70bは、例えば、意見評価システム5Aによる評価結果である評価結果データを受信することによって、イベントを促進するための評価結果画面850を表示させる。なお、通信端末70は、通信ネットワーク3に接続可能な通信機能を備えていれば、電子黒板70aおよびPC70bに限られない。通信端末70は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、カーナビゲーション装置またはマイク等の集音装置であってもよい。また、図1は、通信端末70が二台存在する場合の例を説明したが、通信端末70の数はこれに限られず、情報処理システム1Aは、例えば、会議の参加者の人数等に応じて、任意の数の通信端末70を有していてもよい。
【0013】
ここで、第1の実施形態に係る情報処理システムが適用される利用シーンについて説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの利用シーンの一例を説明するための図である。図2では、ある会議の場において情報処理システム1Aが利用された状態が示されている。図2は、会議の参加者の一人が電子ペン(スタイラス)を用いて電子黒板70aのタッチパネルディスプレイに会議の内容を書き込んでいる状態が示されている。また、会議の参加者の一人が操作するPC70bから、会議で共有すべき画像が、電子黒板70aに送信されてタッチパネルディスプレイに表示される。このように、情報処理システム1Aは、電子黒板70aやPC70b等の通信端末70を用いて開催される会議の用途で用いられる。意見評価システム5Aは、電子黒板70aに表示された共有画像、電子黒板70aに入力された手書き入力画像、または会議の参加者等の発言を集音することによって取得された音声データ等を用いて、会議を促進するための意見の評価を行い、評価結果を会議の参加者に提示する。
【0014】
なお、図2は、情報処理システム1Aが会議に適用される例を説明したが、情報処理システム1Aは、会議に限られず、所定のイベントに適用されてもよい。例えば、情報処理システム1Aは、会合、集い、寄り合い、相談、打ち合わせ等のイベントに適用されてもよい。
【0015】
●概略
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の概略に説明する。なお、図3は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略を簡略的に説明したものであり、情報処理システム1Aが実現する機能等の詳細は、後述する図面等を用いて説明する。
【0016】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略の一例を示す図である。意見評価システム5Aは、外部入力装置である電子黒板70aおよび外部出力装置であるPC70bと連携している。意見評価システム5Aは、類似情報検索装置10、議題情報取得装置20、意見評価装置30、意見情報取得装置40および出力制御装置50を備えている。
【0017】
電子黒板70aは、会議等の特定のイベントにより発生したコンテンツデータを、議題情報取得装置20および意見情報取得装置40へ送信する。コンテンツデータとは、会議中に電子黒板70aに表示された表示画面、もしくは電子黒板70aのタッチパネル721を用いて手書き入力された手書き入力画面等の画像データ、または会議の参加者の発言をマイク714によって集音することによって取得された音声データ等である。また、電子黒板70aは、コンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を、出力制御装置50へ送信する。
【0018】
議題情報取得装置20および意見情報取得装置40は、受信したコンテンツデータをテキストデータに変換し、変換したテキストデータから議題情報および意見情報をそれぞれ抽出する。類似情報検索装置10は、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報と類似する過去の会議における議題を示す過去議題情報および過去の議題に対する意見を示す過去意見情報を含む特定の履歴情報を、特定のイベントの最適なスタンスを示すスタンス情報として決定する。
【0019】
また、意見評価装置30は、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報、意見情報取得装置40によって抽出された意見情報、および類似情報検索装置10によって決定されたスタンス情報を用いて、特定のイベントにより発生した意見の評価結果を示す意見評価結果情報を算出する。そして、出力制御装置50は、意見評価装置30によって算出された意見評価結果情報のうち、電子黒板70aから送信された用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを、PC70bへ送信する。PC70bは、受信した評価結果データを用いて表示される評価結果画面によって、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0020】
従来の意見評価システムは、ユーザの意見やアイデアを考慮せず、会議等のイベントの議題に対する回答を出力するタイプが多い。会議等のイベントにおいて多数の参加者の間で、特定の議題に対して議論したり、意見を共有したりする場合、システムから正解となる回答を先に教えてもらえば参加者の発想を阻害してしまう。また、会議中または会議前後に会議の参加者の発想を促進しようとする場合、会議により発生した意見の評価基準がわからないので、最適な意見の選定や発想すべき方向性を提示することが難しかった。
【0021】
そこで、情報処理システム1Aは、過去の会議等のイベントによって発生した議題および意見を活かして、現在のイベントの参加者の意見を最優先するとともに、特定のイベントにより発生した意見のうち、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。これにより、情報処理システム1Aは、例えば、会議における議論の質を向上させることができるとともに、会議の生産性や効率を高めることができる。
【0022】
●ハードウエア構成
続いて、図4および図5を用いて、第1の実施形態に係る各装置のハードウエア構成について説明する。
【0023】
〇意見評価システムおよびデータベースサーバのハードウエア構成〇
まず、図4を用いて、意見評価システム5Aおよびデータベースサーバ90のハードウエア構成について説明する。図3に示した意見評価システム5Aを構成する各装置およびデータベースサーバ90は、一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、図4を用いて、一般的なコンピュータのハードウエア構成例について説明する。図4は、第1の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。コンピュータ600は、CPU(Central Processing Unit)601、ROM(Read Only Memory)602、RAM(Random Access Memory)603、HD(Hard Disk)604、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ605、記録メディア606、メディアI/F607、ネットワークI/F609、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ614、およびバスライン610を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU601は、コンピュータ600全体の動作を制御する。ROM602は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU601の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。HD604は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ605は、CPU601の制御にしたがってHD604に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。メディアI/F607は、フラッシュメモリ等の記録メディア606に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。ネットワークI/F609は、通信ネットワーク3を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。ネットワークI/F609は、例えば、無線LANの通信インターフェースである。また、ネットワークI/F609は、有線LAN、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、ミリ波無線通信の通信インターフェースを備えていてもよい。DVD-RWドライブ614は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW613に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。また、DVD-RWドライブ614は、ブルーレイディスクに対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するブルーレイドライブであってもよい。
【0025】
また、コンピュータ600は、バスライン610を備えている。バスライン610は、図4に示されているCPU601等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0026】
〇通信端末のハードウエア構成〇
次に、図5を用いて、電子黒板70aおよびPC70b等の通信端末70のハードウエア構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。図5に示す通信端末70は、CPU701、ROM702、RAM703、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)704、電源スイッチ705、加速度・方位センサ706およびメディアI/F708を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU701は、通信端末70全体の動作を制御する。ROM702は、IPL等のCPU701の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。EEPROM704は、CPU701の制御にしたがって、通信端末70用プログラム等の各種データの読み出しまたは書き込みを行う。電源スイッチ705は、通信端末70の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。加速度・方位センサ706は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F708は、フラッシュメモリ等の記録メディア707に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0028】
また、通信端末70は、ネットワークI/F711、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ712、撮像素子I/F713、マイク714、スピーカ715、音入出力I/F716、ディスプレイ717、ディスプレイI/F718、外部機器接続I/F719、近距離通信回路720、近距離通信回路720のアンテナ720a、タッチパネル721およびキーボード722を備えている。
【0029】
これらのうち、ネットワークI/F711は、通信ネットワーク3を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。ネットワークI/F711は、例えば、無線LANの通信インターフェースである。また、ネットワークI/F711は、有線LANの通信インターフェースを備えていてもよい。CMOSセンサ712は、CPU701の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F713は、CMOSセンサ712の駆動を制御する回路である。マイク714は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F716は、CPU701の制御に従ってマイク714およびスピーカ715との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ717は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL等の表示部の一種であり、タッチパネルの機能を有している。タッチパネル721は、利用者が通信端末70を操作するための入力手段の一種である。ディスプレイI/F718は、ディスプレイ717に画像を表示させる回路である。外部機器接続I/F719は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路720は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、3G、LTE、4G、5Gまたはミリ波無線通信等の通信回路である。キーボード722は、文字、数値または各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。また、通信端末70は、バスライン710を備えている。バスライン710は、図5に示すCPU701等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0030】
なお、図4および図5を用いて説明した各装置または端末のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
【0031】
●機能構成
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システム1Aの機能構成について説明する。図6は、第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【0032】
〇意見評価システムの機能構成〇
まず、意見評価システム5Aの機能構成について説明する。図3に示したように、意見評価システム5Aは、類似情報検索装置10、議題情報取得装置20、意見評価装置30、意見情報取得装置40および出力制御装置50によって構成される。
【0033】
〇類似情報検索装置の機能構成
類似情報検索装置10によって実現される機能は、送受信部11、クロール制御部12、履歴情報抽出部13、スタンス決定部14、記憶・読出部19および記憶部1000を含む。
【0034】
送受信部11は、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部11は、例えば、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報を、議題情報取得装置20から受信する。また、送受信部11は、例えば、通信ネットワーク3を介して、クロール制御部12による検索結果を、データベースサーバ90から受信する。送受信部11は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0035】
クロール制御部12は、ユーザのニーズに応じた検索範囲を設定してクロール動作を実行する機能である。クロール制御部12は、例えば、送受信部11によって受信された議題情報に基づいて、データベースサーバ90に対する検索範囲を設定する。また、クロール制御部12は、設定した検索範囲に応じたクエリを生成し、送受信部11を介してデータベースサーバ90へ検索リクエストを送信する。クロール制御部12は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0036】
履歴情報抽出部13は、送受信部11によって受信された検索結果の情報から、過去のイベントの議題を示す過去議題情報と過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報を、履歴情報として抽出する機能である。履歴情報抽出部13は、例えば、社内データベースを用いて検索された検索結果である文書データ(議事録,報告書,発表資料等)から、履歴情報を抽出する。履歴情報抽出部13は、抽出した履歴情報を、記憶・読出部19を介して記憶部1000に記憶させる。履歴情報抽出部13は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0037】
スタンス決定部14は、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報に基づいて、実行されているイベントの最適なスタンスを決定する機能である。スタンス決定部14は、後述する履歴情報管理DB1001に記憶された履歴情報のうち、送受信部11によって受信された議題情報と最も類似度の高い履歴情報を、実行されているイベントの最適なスタンスとして決定する。スタンス決定部14は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。スタンス決定部14は、決定手段の一例である。
【0038】
記憶・読出部19は、記憶部1000に各種データを記憶し、記憶部1000から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部19は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等により実現される。記憶部1000は、図4に示したROM602またはHD604により実現される。また、記憶部1000には、履歴情報管理DB1001およびスタンス候補管理DB1003が構築されている。
【0039】
〇〇履歴情報管理テーブル
図7は、第1の実施形態に係る履歴情報管理テーブルの一例を示す図である。記憶部1000には、図7に示すような履歴情報管理テーブルによって構成されている履歴情報管理DB1001が構築されている。この履歴情報管理テーブルでは、履歴情報抽出部13によって抽出された履歴情報が記憶されている。すなわち、履歴情報管理テーブルは、過去の会議等のイベントによって発生した議題を示す過去議題情報、およびこの議題に対する意見を示す過去意見情報が関連づけられて記憶されている。
【0040】
履歴情報管理テーブルは、過去意見情報、過去議題情報および過去会議情報を関連づけて記憶・管理している。過去意見情報は、過去の意見を識別するための過去意見ID、意見内容、発言者および発言日時の情報を含む。意見内容には、この意見の内容が記されたテキストデータの表題が示されている。また、過去議題情報は、過去の議題を識別するための過去議題IDおよび議題内容を含む。議題内容には、この議題の内容が記されたテキストデータの表題が示されている。さらに、過去会議情報は、過去の会議を識別するための過去会議IDと会議名を含む。ここで、過去意見情報に含まれる意見内容および過去議題情報に含まれる議題内容に示されるテキストデータは、類似情報検索装置10および意見評価装置30の検索対象となる。なお、過去会議情報は、過去イベント情報の一例であり、履歴情報管理テーブルは、過去会議情報を含まない構成であってもよい。履歴情報管理DB1001は、記憶手段の一例である。
【0041】
〇〇スタンス候補管理テーブル
図8は、第1の実施形態に係るスタンス候補管理テーブルの一例を示す図である。記憶部1000には、図7に示すようなスタンス候補管理テーブルによって構成されているスタンス候補管理DB1003が構築されている。このスタンス候補管理テーブルは、履歴情報管理テーブルに含まれる履歴情報を、実行されているイベントによって発生した議題情報との類似度に基づいて順位(類似議題ランク)付けしたものである。スタンス候補管理テーブルは、実行されているイベントによって発生した議題情報との類似度が高い順に過去議題情報が順位付けされている。また、スタンス候補管理テーブルは、同一の過去議題情報に対して複数の過去意見情報が関連づけられている。スタンス候補管理テーブルは、複数の過去意見情報のうち、実行されているイベントのスタンスとして過去に採用実績のある過去意見情報の優先度が高くなるように順位付けされている。図8に示すスタンス候補管理テーブルの例において、スタンス決定部14は、類似議題ランクが最も高い過去議題ID「a0004」および過去意見ID「i0004」からなる履歴情報を、最適なスタンスとして決定する。
【0042】
〇議題情報取得装置の機能構成
議題情報取得装置20によって実現される機能は、送受信部21および議題情報抽出部22を含む。送受信部21は、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部21は、例えば、電子黒板70aを用いて実行されているイベントにおいて発生したコンテンツデータを、通信ネットワーク3を介して電子黒板70aから受信する。実行されているイベントによって発生したコンテンツデータは、例えば、画像データ、音声データまたはテキストデータである。送受信部21は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0043】
議題情報抽出部22は、送受信部21によって受信されたコンテンツデータから、議題情報を抽出する機能である。議題情報抽出部22は、例えば、コンテンツデータが画像データである場合、OCR(Optical Character Recognition)処理を実行し、OCR処理の結果として得られるテキストデータから文字情報を抽出する。また、議題情報抽出部22は、例えば、コンテンツデータが音声データである場合、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータから文字情報を抽出する。そして、議題情報抽出部22は、抽出された文字列から、予め設定された所定の文字列を用いて議題情報を抽出する。議題情報抽出部22は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。議題情報取得装置20は、取得手段の一例である。
【0044】
〇意見評価装置の機能構成
意見評価装置30によって実現される機能は、送受信部31、関連度算出部32、方向性算出部33、評価結果算出部34、記憶・読出部39および記憶部3000を含む。送受信部31は、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部31は、例えば、意見情報取得装置40によって抽出された意見情報を、意見情報取得装置40から受信する。また、送受信部31は、類似情報検索装置10によって決定されたスタンスであるペア情報を、類似情報検索装置10から受信する。送受信部31は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0045】
関連度算出部32は、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報と、意見情報取得装置40によって取得された意見情報との関連度を示す関連度スコアを算出する機能である。関連度算出部32は、例えば、議題情報と意見情報のテキストをベクトル化し、ベクトル間の距離によって議題情報と意見情報の関連度スコアを算出する。関連度算出部32は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。関連度算出部32は、関連度算出手段の一例である。
【0046】
方向性算出部33は、スタンス決定部14によって決定されたスタンス情報(履歴情報)に含まれる過去意見情報と意見情報取得装置40によって取得された意見情報との方向性を示す方向性スコアを算出する機能である。方向性算出部33は、例えば、スタンス情報に含まれる過去意見情報と意見情報のテキストをベクトル化し、ベクトル間の角度によって過去意見情報と意見情報の方向性(近さ)を表す方向性スコアを算出する。方向性算出部33は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。方向性算出部33は、方向性算出手段の一例である。
【0047】
評価結果算出部34は、スタンス決定部14によって決定されたスタンス情報(履歴情報)に含まれる過去意見情報、議題情報取得装置20によって取得された議題情報、および意見情報取得装置40によって抽出された意見情報を用いて、実行されているイベントにより発生した意見の評価結果を示す意見評価結果情報を算出する機能である。評価結果算出部34は、例えば、関連度算出部32によって算出された関連度スコアと方向性算出部33によって算出された方向性スコアの合計スコアを算出し、議題情報に対する複数の意見を順位付けする。評価結果算出部34は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。評価結果算出部34は、意見評価結果算出手段の一例である。
【0048】
記憶・読出部39は、記憶部3000に各種データを記憶し、記憶部3000から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部39は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等により実現される。記憶部3000は、図4に示したROM602またはHD604により実現される。また、記憶部3000には、意見評価結果情報管理DB3001が構築されている。
【0049】
〇〇意見評価結果情報管理テーブル
図9は、第1の実施形態に係る意見評価結果情報管理テーブルの一例を示す図である。記憶部3000には、図9に示すような意見評価結果情報管理テーブルによって構成されている意見評価結果情報管理DB3001が構築されている。この意見評価結果管理テーブルには、該当する議題情報に対する複数の意見情報がランク付けされた意見評価結果情報が記憶されている。意見評価結果情報管理テーブルは、意見情報取得装置40によって抽出された意見情報を識別するための意見ID、議題情報取得装置20によって抽出された議題情報を識別するための議題ID、スタンス情報に含まれる過去意見情報を識別するための過去意見ID、スタンス情報に含まれる過去議題情報を識別するための過去議題ID、意見IDに対応する意見情報と議題IDに対応する議題情報との関連度、過去意見IDに対応する過去意見情報と意見IDに対応する意見情報との方向性、および関連度を示す関連度スコアと方向性を示す方向性スコアの合計値を関連づけて記憶している。意見評価結果情報管理テーブルに含まれる関連度には、関連度算出部32によって算出された関連度スコアが記憶されている。また、意見評価結果情報管理テーブルに含まれる方向性には、方向性算出部33によって算出された方向性スコアが記憶されている。さらに、意見評価結果情報管理テーブに含まれる合計値は、評価結果算出部34によって算出された関連度スコアと方向性スコアの合計値が記憶されている。評価結果算出部34は、算出した合計値のスコアが大きい順番に、実行されているイベントによって生じた意見を示す意見情報がランク付けされた意見評価結果情報を算出する。評価結果算出部34は、算出した意見評価結果情報を、送受信部31を介して、出力制御装置50へ送信する。
【0050】
〇意見情報取得装置の機能構成
意見情報取得装置40によって実現される機能は、送受信部41および意見情報抽出部42を含む。送受信部41は、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部41は、例えば、電子黒板70aを用いて実行されているイベントにおいて発生したコンテンツデータを、通信ネットワーク3を介して電子黒板70aから受信する。実行されているイベントによって発生したコンテンツデータは、例えば、画像データ、音声データまたはテキストデータである。送受信部41は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0051】
意見情報抽出部42は、送受信部41によって受信されたコンテンツデータから、意見情報を抽出する機能である。意見情報抽出部42は、例えば、コンテンツデータが画像データである場合、OCR処理を実行し、OCR処理の結果として得られるテキストデータから文字情報を抽出する。また、意見情報抽出部42は、例えば、コンテンツデータが音声データである場合、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータから文字情報を抽出する。意見情報抽出部42は、抽出された文字列から、予め設定された所定の文字列を用いて意見情報を抽出する。意見情報抽出部42は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0052】
〇出力制御装置の機能構成
出力制御装置50によって実現される機能は、送受信部51、判断部52および生成部53を含む。送受信部51は、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部51は、例えば、電子黒板70aを用いて実行されているイベントにより発生したコンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を、通信ネットワーク3を介して電子黒板70aから受信する。また、送受信部51は、意見評価装置30によって算出された意見評価結果情報を、意見評価装置30から受信する。さらに、送受信部51は、後述する生成部53によって生成された評価結果データを、通信ネットワーク3を介して通信端末70(例えば、PC70b)へ送信する。送受信部51は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。送受信部51は、取得手段の一例である。
【0053】
判断部52は、送受信部51によって受信された用途情報および意見評価結果情報に基づいて、ユーザに提示する意見を判断する機能である。判断部52は、例えば、送受信部51によって受信された意見評価結果情報のうち、用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を、ユーザに提示する意見として選出する。判断部52は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。
【0054】
生成部53は、送受信部51によって受信された用途情報、および判断部52によって選出された意見情報を用いて、実行されているイベントにより生じた意見の評価結果を示す評価結果データを生成する機能である。生成部53は、用途情報に示される用途内容に応じて、異なる評価結果データを生成する。用途内容に応じて異なる評価結果データの詳細は、後述する(図14図16参照)。生成部53は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。また、出力制御装置50、出力制御手段の一例である。
【0055】
〇通信端末の機能構成〇
続いて、通信端末70の機能構成について説明する。通信端末70によって実現される機能は、送受信部71、受付部72および表示制御部73を含む。送受信部71は、通信ネットワーク3を介して、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部71は、例えば、意見評価システム5Aによって生成された評価結果データを、通信ネットワーク3を介して受信する。送受信部71は、図5に示したネットワークI/F711およびCPU701で実行されるプログラム等によって実現される。送受信部71は、受信手段の一例である。
【0056】
受付部72は、図5に示したタッチパネル721等の入力手段に対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部72は、図5に示したCPU701で実行されるプログラム等によって実現される。
【0057】
表示制御部73は、図5に示したディスプレイ717に各種画面情報を表示させる機能である。表示制御部73は、例えば、送受信部71によって受信された評価結果データに係る評価結果画面850(850a,850b,850c)を、ディスプレイ717に表示させる。表示制御部73は、図5に示したCPU701で実行されるプログラム等によって実現される。表示制御部73は、表示制御手段の一例である。
【0058】
〇データベースサーバの機能構成〇
続いて、データベースサーバ90の機能構成について説明する。データベースサーバ90によって実現される機能は、送受信部91、記憶・読出部92および記憶部9000を含む。送受信部91は、通信ネットワーク3を介して、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部91は、例えば、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5から送信された検索リクエストを受信する。また、送受信部91は、受信した検索リクエストに応じた検索結果を、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aへ送信する。送受信部91は、図5に示したネットワークI/F711およびCPU701で実行されるプログラム等によって実現される。
【0059】
記憶・読出部92は、記憶部9000に各種データを記憶し、記憶部9000から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部92は、図5に示したCPU701で実行されるプログラム等により実現される。記憶部9000は、図5に示したROM702またはEEPROM704により実現される。
【0060】
●第1の実施形態における処理または動作
続いて、第1の実施形態における情報処理システム1Aにおける処理または動作について説明する。意見評価システム5Aを構成する各装置および通信端末70は、本発明の一実施形態に係る意見評価方法を実行させる専用のアプリケーションプログラムをインストールしている。意見評価システム5Aを構成する各装置は、例えば、インストールされたアプリケーションプログラムをCPU601が実行することによって、本発明に係る意見評価方法を実現する。以下、図3に示したように、情報処理システム1Aが電子黒板70aを用いて実行される会議に適用される例を説明する。まず、図10および図11を用いて、意見評価処理を開始するための処理について説明する。図10は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおける意見評価処理を開始するための処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図10に示す処理は、電子黒板70aを用いた会議を開始する際に行われる例を説明するが、会議の実行中に行われる構成であってもよい。
【0061】
ステップS11において、電子黒板70aの送受信部71は、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aを構成する出力制御装置50へ、意見評価処理を開始するための評価開始要求を送信する。電子黒板70aの送受信部71は、例えば、電子黒板70aのディスプレイ717に表示された所定の入力画面に対する入力を受付部72が受け付けることによって、評価開始要求を送信する。これにより、意見評価システム5Aを構成する出力制御装置50の送受信部51は、評価開始要求を受信する。
【0062】
ステップS12において、出力制御装置50の送受信部51は、評価開始要求を受信した場合、意見評価処理の初期設定に用いるメニュー画面データを電子黒板70aへ送信する。これにより、電子黒板70aの送受信部71は、メニュー画面データを受信する。
【0063】
ステップS13において、電子黒板70aの表示制御部73は、送受信部71によって受信されたメニュー画面データに係るメニュー画面810を、ディスプレイ717に表示させる。図11は、第1の実施形態に係る通信端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。図11に示すメニュー画面810は、イベントの一例である、会議名「開発定例会議」の会議が行われる場合に使用される。図11に示すメニュー画面810は、意見評価処理に用いる過去の会議によって生じたコンテンツデータの検索対象となる検索エンジンを選択する検索対象選択領域811、実行される会議によって発生したコンテンツデータを利用する用途を選択するための利用用途選択領域813、意見評価処理を開始する場合に押下されるOKボタン815、および初期設定を中止する場合に押下されるキャンセルボタン817が含まれている。検索対象選択領域811には、例えば、社内文書検索およびインターネット検索が検索エンジンとして選択可能に示されている。また、利用用途選択領域813には、例えば、会議の発散促進、会議の収束支援、および会議の脱線防止が利用用途として選択可能に示されている。検索対象選択領域811に示される検索エンジンは、一つのみ選択可能であってもよいし、同時に複数の検索エンジンが選択されてもよい。一方で、利用用途選択領域813に示される利用用途は、実行される会議において、一つのみ選択可能である。なお、検索対象選択領域811に示される検索エンジンおよび利用用途選択領域813に示される利用用途は、会議の実行中であっても、このメニュー画面810を用いて適宜変更可能である。また、検索対象選択領域811および利用用途選択領域813に選択可能に示される検索エンジンおよび利用用途は、これに限られず、会議の種別や会議の内容に応じて適宜修正・変更されてもよい。
【0064】
ステップS14において、電子黒板70aの受付部72は、ディスプレイ717に表示されたメニュー画面810に対して、検索エンジンおよび用途情報の選択を受け付ける。具体的には、受付部72は、メニュー画面810の検索対象選択領域811に含まれる検索エンジンの項目の選択を受け付ける。また、受付部72は、メニュー画面810も利用用途選択領域813に含まれる利用用途の項目の選択を受け付ける。
【0065】
ステップS15において、電子黒板70aの送受信部71は、受付部72によって受け付けられた選択結果を、通信ネットワーク3を介して意見評価システム5Aを構成する出力制御装置50へ送信する。具体的には、送受信部71は、例えば、受付部72によって検索対象選択領域811および利用用途選択領域813に含まれるそれぞれの項目が選択された状態で、OKボタン815の選択が受け付けられることによって、選択された項目を示す情報を含む選択結果を、出力制御装置50へ送信する。これにより、出力制御装置50の送受信部51は、電子黒板70aから送信された選択結果を受信する。
【0066】
これにより、意見評価システム5Aは、意見評価処理に用いる検索エンジンおよび会議によって発生したコンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得することができる。
【0067】
次に、図12乃至図16を用いて、会議により発生した意見をリアルタイムで評価する意見評価処理について説明する。図12および図13は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおける意見評価処理の一例を示すシーケンス図である。
【0068】
ステップS31において、電子黒板70aの送受信部71は、会議により発生したコンテンツデータを、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aを構成する議題情報取得装置20へ送信する。ここで、コンテンツデータとは、会議中に電子黒板70aに表示された表示画面、もしくは電子黒板70aのタッチパネル721を用いて手書き入力された手書き入力画面等の画像データ、または会議の参加者の発言をマイク714によって集音することによって取得された音声データ等である。なお、コンテンツデータは、キーボード722等の入力手段を用いて電子黒板70aに入力されたテキストデータであってもよい。これにより、議題情報取得装置20の送受信部21は、電子黒板70aから送信されたコンテンツデータを受信する。
【0069】
ステップS32において、議題情報取得装置20の議題情報抽出部22は、送受信部21によってコンテンツデータから議題情報を抽出する。具体的には、コンテンツデータが画像データである場合、議題情報抽出部22は、例えば、OCR処理を実行し、OCR処理の結果として得られるテキストデータから文字情報を抽出する。また、コンテンツデータが音声データである場合、議題情報抽出部22は、例えば、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータから文字情報を抽出する。そして、議題情報抽出部22は、抽出された文字列から、予め設定された所定の文字列を用いて議題情報を抽出する。ここで、予め設定された所定の文字列は、会議の議題として関係性の高い文字列として議題情報取得装置20に予め設定されたものである。
【0070】
ステップS33において、議題情報取得装置20の送受信部21は、議題情報抽出部22によって抽出された議題情報を、意見評価システム5Aを構成する類似情報検索装置10へ送信する。これにより、類似情報検索装置10の送受信部11は、議題情報取得装置20から送信された議題情報を受信する。
【0071】
ステップS34において、類似情報検索装置10の送受信部11は、通信ネットワーク3を介して、検索リクエストを、データベースサーバ90へ送信する。具体的には、類似情報検索装置10のクロール制御部12は、送受信部11によって受信された議題情報と、図10のステップS14によって選択された検索エンジンの項目とに基づいて、外部のデータソースに対する検索範囲を設定する。ここで、設定される検索範囲は、現在実行されている会議との関係性のある情報が記憶されている可能性の高い範囲である。クロール制御部12は、例えば、議題情報に示されるキーワードを用いて、適切な検索範囲を設定する。また、クロール制御部12は、設定した検索範囲に応じたクエリを生成する。そして、送受信部11は、クロール制御部12によって生成されたクエリに基づく検索リクエストを、データベースサーバ90へ送信する。例えば、図10のステップS14によって選択された検索エンジンが「社内文書検索」である場合、送受信部11は、社内文書を管理する構内サーバ(データベースサーバ90)へ検索リクエストを送信する。また、例えば、図10のステップS14によって選択された検索エンジンが「インターネット検索」である場合、インターネット上の所定の検索エンジンに対応するWebサーバ(データベースサーバ90)へ検索リクエストを送信する。これにより、データベースサーバ90の送受信部91は、類似情報検索装置10から送信された検索リクエスト受信する。なお、図10のステップS14によって選択された検索エンジンの情報は、電子黒板70aから出力制御装置50へ送信(ステップS15)された後、予め出力制御装置50から類似情報検索装置10へ送信されているものとする。
【0072】
ステップS35において、データベースサーバ90の送受信部91は、受信した検索リクエストに対応する記憶部9000に記憶された情報を、検索結果として類似情報検索装置10へ送信する。これにより、類似情報検索装置10の送受信部11は、送信した検索リスエストに対する応答となる検索結果を受信する。
【0073】
ステップS36において、類似情報検索装置10の履歴情報抽出部13は、送受信部11によって受信された検索結果を用いて、過去の会議の議題を示す過去議題情報と過去の会議の議題に対する意見を示す過去意見情報を、履歴情報として抽出する。履歴情報抽出部13は、検索結果であるテキストデータに含まれる文字列と、会議の議題として関係性の高い文字列として履歴情報抽出部13に予め設定された文字列とに基づいて、過去議題情報を抽出する。また、履歴情報抽出部13は、検索結果であるテキストデータに含まれる文字列と、会議の議題に対する意見として関係性の高い文字列として履歴情報抽出部13に予め設定された文字列とに基づいて、過去意見情報を抽出する。そして、履歴情報抽出部13は、抽出した過去議題情報および過去意見情報のペアを、履歴情報をして抽出する。過去議題情報および過去意見情報は、それぞれテキスト形式で抽出される。また、履歴情報抽出部13は、送受信部11によって受信された検索結果に応じて、複数の履歴情報を抽出する。
【0074】
ステップS37において、類似情報検索装置10の記憶・読出部19は、履歴情報抽出部13によって抽出された複数の履歴情報を、履歴情報管理DB1001(図7参照)に記憶・管理させる。
【0075】
ステップS38において、類似情報検索装置10のスタンス決定部14は、履歴情報抽出部13によって抽出された履歴情報、および送受信部11によって受信された議題情報に基づいて、会議の最適なスタンスを決定する。具体的には、まず、スタンス決定部14は、履歴情報抽出部13によって抽出された複数の履歴情報を、議題情報との類似度に基づいて順位付けする。スタンス決定部14は、履歴情報に含まれる過去議題情報に示される文字列と、議題情報に示される文字列との一致度に基づいて、類似度を算出する。そして、スタンス決定部14は、算出した類似度に応じて、過去議題情報を順位(類似議題ランク)付けする。また、スタンス決定部14は、最も類似度の高い過去議題情報に関連づけられた複数の過去意見情報のうち、最も優先度の高い過去意見情報を、会議の最適なスタンスとして決定する。ここで、複数の過去意見情報の順位付けは、会議のスタンスとして過去に採用実績のある過去意見情報の優先度が高くなるように順位付けされる。スタンス決定部14は、順位付けされた履歴情報を、記憶・読出部19を介して、スタンス候補管理DB1003(図8参照)に記憶させる。
【0076】
ステップS39において、類似情報検索装置10の送受信部11は、スタンス決定部14によって決定されたスタンスを示すスタンス情報、およびステップS33によって受信された議題情報を、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aを構成する意見評価装置30へ送信する。これにより、意見評価装置30の送受信部31は、類似情報検索装置10から送信されたスタンス情報および議題情報を受信する。
【0077】
図13に示すステップS40において、電子黒板70aの送受信部71は、会議により発生したコンテンツデータを、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5Aを構成する意見情報取得装置40へ送信する。電子黒板70aから送信されるコンテンツデータは、ステップS31に示したコンテンツデータと同様である。これにより、意見情報取得装置40の送受信部41は、電子黒板70aから送信されたコンテンツデータを受信する。なお、ステップS31およびステップS40に示す電子黒板70aからのコンテンツデータの送信は、会議中に新たなコンテンツデータが発生するたびに行われてもよいし、予め設定された頻度に応じて行われてもよい。電子黒板70aは、会議中において、コンテンツデータを、意見評価システム5Aに繰り返し送信する。
【0078】
ステップS41において、意見情報取得装置40の意見情報抽出部42は、送受信部41によってコンテンツデータから意見情報を抽出する。具体的には、コンテンツデータが画像データである場合、意見情報抽出部42は、例えば、OCR処理を実行し、OCR処理の結果として得られるテキストデータから文字情報を抽出する。また、コンテンツデータが音声データである場合、意見情報抽出部42は、例えば、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータから文字情報を抽出する。そして、意見情報抽出部42は、抽出された文字列から、予め設定された所定の文字列を用いて意見情報を抽出する。ここで、予め設定された所定の文字列は、会議の議題に対する意見として関係性の高い文字列として意見情報取得装置40に予め設定されたものである。
【0079】
ステップS42において、意見情報取得装置40の送受信部41は、意見情報抽出部42によって抽出された意見情報を、意見評価装置30へ送信する。これにより、意見評価装置30の送受信部31は、意見情報取得装置40から送信された意見情報を送信する。なお、ステップS40~ステップS42の処理と図12に示したステップS31~ステップS39の処理の順序は、前後してもよく、または並行して行われてもよい。また、ステップS31~ステップS42の処理は、電子黒板70aからコンテンツデータが送信されるたびに繰り返し行われる。
【0080】
ステップS43において、意見評価装置30の関連度算出部32は、送受信部31によって受信された議題情報と意見情報の関連度を示す関連度スコアを算出する。具体的には、関連度算出部32は、送受信部31によって受信された議題情報および意見情報のテキストデータをベクトル化する。関連度算出部32は、議題情報に対応するベクトルと意見情報に対応するベクトルとの間の距離を用いて、議題情報と意見情報の関連度スコアを算出する。関連度算出部32は、例えば、算出した関連度スコアが予め設定された閾値よりも低い場合、会議により発生した意見が議題とは無関係であると判断し、関連度の算出に用いた意見情報に対して、ステップS42に示す方向性算出部33による処理を行わない。一方で、関連度算出部32は、例えば、算出した関連度スコアが予め設定された閾値以上である場合、関連度の算出に用いた意見情報に対して、ステップS42に示す方向性算出部33による処理を行う。
【0081】
ステップS44において、意見評価装置30の方向性算出部33は、送受信部31によって受信されたスタンス情報に含まれる過去意見情報と意見情報との方向性を示す方向性スコアを算出する。具体的には、方向性算出部33は、例えば、スタンス情報に含まれる過去意見情報のテキストデータおよび意見情報のテキストデータをベクトル化する。方向性算出部33は、過去意見情報に対応するベクトルと意見情報に対応するベクトルとの間の角度を用いて、過去意見情報と意見情報の方向性(近さ)を示す方向性スコアを算出する。
【0082】
ステップS45において、意見評価装置30の評価結果算出部34は、関連度算出部32によって算出された関連度スコア、および方向性算出部33によって算出された方向性スコアを用いて、会議により発生した意見の評価結果を算出する。具体的には、評価結果算出部34は、関連度スコアと方向性スコアの合計スコアを算出する。そして、評価結果算出部34は、電子黒板70aから随時送信されるコンテンツデータから抽出された複数の意見情報を、算出した合計スコアを用いて順位付けする。評価結果算出部34は、算出した合計スコアを用いて順位(評価ランク)付けされた複数の意見情報を含む評価結果を意見評価結果情報として、記憶・読出部39を介して、意見評価結果情報管理DB3001(図9参照)に記憶させる。
【0083】
ステップS46において、意見評価装置30の送受信部31は、評価結果算出部34によって算出された評価結果である意見評価結果情報、意見評価システム5Aを構成する出力制御装置50へ送信する。これにより、出力制御装置50の送受信部51は、意見評価装置30から送信された意見評価結果情報を受信する。
【0084】
ステップS47において、出力制御装置50の生成部53は、送受信部51によって受信された意見評価結果情報、および図10のステップS15によって受信された選択結果に含まれる用途情報に基づいて、評価結果データを生成する。具体的には、まず、出力制御装置50の判断部52は、用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を、ユーザに提示する意見として選出する。例えば、用途情報に示される用途内容が会議の発散促進である場合、判断部52は、送受信部51によって受信された意見評価結果情報のうち、関連度スコアが高く、方向性スコアが低い意見評価結果情報を、ユーザに提示する意見として選出する。
【0085】
また、例えば、用途情報に示される用途内容が会議の収束支援である場合、判断部52は、送受信部51によって受信された意見評価結果情報のうち、評価ランクが最も高い意見評価情報を、ユーザに提示する意見として選出する。図9に示した意見評価結果管理テーブルの例では、判断部52は、収束支援の用途である場合、意見ID「i0100」に対応する意見情報を選出する。
【0086】
さらに、例えば、用途情報に示される用途内容が会議の脱線防止である場合、判断部52は、送受信部51によって受信された意見評価結果情報のうち、関連度スコアが低い意見評価結果情報を選出する。判断部52は、例えば、関連度スコアが予め設定された閾値以下である場合、会議の脱線リスクが高いと判断し、該当する意見評価結果情報を選出する。そして、生成部53は、判断部52によって選出された意見評価結果情報を含む評価結果データを生成する。
【0087】
ステップS48において、出力制御装置50の送受信部51は、通信ネットワーク3を介して、生成部53によって生成された評価結果データを、通信ネットワーク3を介して、PC70bへ送信する。そして、PC70bの送受信部71は、出力制御装置50から送信された評価結果データを受信する。
【0088】
ステップS49において、PC70bの表示制御部73は、送受信部71によって受信された評価結果データを用いて、ディスプレイ717に評価結果画面を表示させる。ここで、図14乃至図16を用いて、ユーザが選択した用途に応じた評価結果画面について説明する。図14乃至図16は、第1の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
【0089】
図14は、発散促進用の評価結果画面の一例を示す。図14に示す評価結果画面850aは、会議によって生じたコンテンツデータを発散の用途で利用する場合に出力制御装置50によって生成された評価結果データに基づいて表示される。評価結果画面850aは、現在の議題(議題情報)と現在の意見(意見情報)とともに、過去の関連議題(過去議題情報)と採用された意見(過去議題情報)が示されている。評価結果画面850aに示されるそれぞれの情報は、意見評価結果情報のうち、判断部52によって選出された関連度スコアが高く、方向性スコアが低い意見評価結果情報に含まれる情報である。また、評価結果画面850aには、過去議題情報および過去意見情報から抽出されたキーワードを用いて生成されるユーザに対するアドバイスが示されている。この抽出されたキーワードをユーザに提供することで、評価結果画面850aは、現在の会議で発生した意見とは別方向の意見(アイデア)のヒント(気づき)を与えることができる。
【0090】
会議の参加者は、会議中の発散フェーズにおいて、発想が行き詰った場合、会議の議題に対してこれまで出た意見では不十分であるので、他の意見(アイデア)を出す必要がある。そこで、情報処理システム1Aは、意見評価システム5Aによって生成された評価結果データに対応する評価結果画面850aをPC70b(通信端末70)に表示させることによって、発散の判断基準に基づいた最適な意見をユーザに提示することができる。また、意見評価システム5Aは、会議において発生した意見(意見情報)を評価し、過去の会議における意見(過去意見情報)との方向性を判断する上での根拠または発散方向を示すことで、会議の参加者に新たな気づきを与えることができる。
【0091】
図15は、収束支援用の評価結果画面の一例を示す。図15に示す評価結果画面850bは、会議によって生じたコンテンツデータを収束の用途で利用する場合に出力制御装置50によって生成された評価結果データに基づいて表示される。評価結果画面850bは、現在の議題(議題情報)と現在の複数の意見(複数の意見情報)とともに、意見の優先順位とその理由、過去の関連議題(過去議題情報)および採用された意見(過去議題情報)が示されている。評価結果画面850bに示されるそれぞれの情報は、意見評価結果情報のうち、判断部52によって選出された評価ランクが最も高い意見評価結果情報に含まれる情報である。また、評価結果画面850aは、会議で発生した意見を比較するため、評価ランクの最も高い意見評価結果情報に示される意見情報(例えば、意見B)のほかに、その他の意見評価情報に含まれる任意の意見情報(例えば、意見A,意見C)も含まれる。意見の優先順位は、意見評価結果情報の評価ランク(図9参照)に対応する。すなわち、評価結果画面850bは、評価ランクが一番高い意見の味方となり、類似情報検索装置10のスタンス決定部14によって決定されたスタンス(特定の履歴情報)をその理由として示す。一方で、評価結果画面850bは、評価ランクの低い意見を推薦しないことを示す。
【0092】
会議の参加者は、会議中の収束フェーズにおいて、収束機会や収束基準を喪失した場合、会議において発生した多くの意見の中からより良い意見を絞り込む基準がないため、会議の時間内に意思決定できず、非効率で生産性が悪い。そこで、意見評価システム5Aは、過去の会議における最も類似した議題で採用された最適な意見を軸にして、現在の意見との関連度および方向性を算出し、会議により発生した意見の優先順位をつける。そのため、情報処理システム1Aは、意見評価システム5Aによって生成された評価結果データに対応する評価結果画面850bをPC70b(通信端末70)に表示させることによって、収束の判断基準に基づいた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0093】
図16は、脱線防止用の評価結果画面の一例を示す。図16に示す評価結果画面850cは、会議によって生じたコンテンツデータを脱線防止の用途で利用する場合に出力制御装置50によって生成された評価結果データに基づいて表示される。評価結果画面850cは、現在の議題(議題情報)と現在の複数の意見(複数の意見情報)とともに、会議の脱線に対する警告とその理由意見、過去の関連議題(過去議題情報)および採用された意見(過去議題情報)が示されている。評価結果画面850cに示されるそれぞれの情報は、意見評価結果情報のうち、判断部52によって選出された関連度が低い意見評価結果情報に含まれる情報である。
【0094】
脱線防止用の評価結果画面850cは、会議の進行役が使用するとより効果的である。会議によって発生した意見が会議の議題と関係ない場合、その状態が継続すると、会議が本筋からそれてしまい、会議が時間内に終わらない可能性がある。そこで、意見評価システム5Aは、会議によって発生した議題と議題に対する意見との関連度スコアを算出し、関連度スコアが予め定められた閾値以下になると、会議が本筋から脱線している可能性が高いと判断する。ここでの閾値は、例えば、関連度スコアの評価ランクが10位以下等である。そのため、情報処理システム1Aは、意見評価システム5Aによって生成された評価結果データに対応する評価結果画面850cをPC70b(通信端末70)に表示させることによって、会議の進行役がその場で速やかに対策を図ることができ、会議の議題からの脱線を防止するとともに脱線リスクを低減させることができる。
【0095】
●第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係る意見評価システム5Aは、過去の会議等の特定のイベントにおける議題を示す過去議題情報および過去の議題に対する意見である過去意見情報を含む複数の履歴情報のうち、特定のイベントのスタンスとしての履歴情報を決定する。また、意見評価システム5Aは、決定した履歴情報、実行されている特定のイベントによって発生した議題を示す議題情報および議題に対する意見を示す意見情報を用いて、特定のイベントによって発生した意見を評価する意見評価結果情報を算出する。そして、意見評価システム5Aは、算出された意見評価結果情報、および特定のイベントによって発生したコンテンツデータの利用用途を示す用途情報に基づいて、特定のイベントによって発生した最適な意見を含む評価結果データを出力する。そして、通信端末70は、意見評価システム5Aから出力された評価結果データに基づいて、評価結果画面850a,850b,850cのいずれかをディスプレイ717に表示させる。これにより、情報処理システム1Aは、特定のイベントにより発生した意見のうち利用用途に応じた最適な意見を示す評価結果画面850a,850b,850cを、通信端末70に表示させることで、特定のイベントを促進するための適切な情報をユーザに提示することができる。
【0096】
●第1の実施形態の変形例●
次に、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムについて説明する。第1の実施形態の変形例に係る情報処理システム1Bは、意見評価システム5Bが一台のコンピュータによって構築される点において、上記で説明した情報処理システム1Aと異なる。
【0097】
ここで、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システム1Bの機能構成について説明する。なお、図6に示した情報処理システム1Aの機能と同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図17は、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。図17に示す意見評価システム5Bによって実行される機能は、類似情報検索部501、議題情報取得部502、意見評価部503、意見情報取得部504、出力制御部505、送受信部506、記憶・読出部509および記憶部5000を含む。
【0098】
類似情報検索部501は、図6に示した意見評価システム5Aを構成する類似情報検索装置10と同様の機能を有し、クロール制御部12、履歴情報抽出部13、スタンス決定部14を含む。議題情報取得部502は、図6に示した意見評価システム5Aを構成する議題情報取得装置20と同様の機能を有し、議題情報抽出部22を含む。意見評価部503は、図6に示した意見評価システム5Aを構成する意見評価装置30と同様の機能を有し、関連度算出部32、方向性算出部33および評価結果算出部34を含む。意見情報取得部504は、図6に示した意見評価システム5Aを構成する意見情報取得装置40と同様の機能を有し、意見情報抽出部42を含む。出力制御部505は、図6に示した意見評価システム5Aを構成する出力制御装置50と同様の機能を有し、判断部52および生成部53を含む。
【0099】
送受信部506は、通信ネットワーク3を介して、外部装置と各種データの送受信を行う機能である。送受信部506は、例えば、通信端末70から送信されたコンテンツデータを、通信ネットワーク3を介して受信する。また、送受信部506は、例えば、通信端末70から送信された用途情報を、通信ネットワーク3を介して受信する。さらに、送受信部506は、例えば、クロール制御部12によって生成された検索リクエストを、通信ネットワーク3を介してデータベースサーバ90へ送信する。また、送受信部506は、例えば、生成部53によって生成された評価結果データを、通信ネットワーク3を介して通信端末70へ送信する。送受信部506は、図4に示したネットワークI/F609およびCPU601で実行されるプログラム等によって実現される。送受信部506は、取得手段の一例である。
【0100】
記憶・読出部509は、記憶部5000に各種データを記憶し、記憶部5000から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部509は、図4に示したCPU601で実行されるプログラム等により実現される。記憶部5000は、図4に示したROM602またはHD604により実現される。また、記憶部5000には、履歴情報管理DB1001、スタンス候補管理DB1003および意見評価結果情報管理DB3001が構築されている。なお、記憶部5000に構築されている履歴情報管理DB1001、スタンス候補管理DB1003および意見評価結果情報管理DB3001は、意見評価システム5Aに含まれる履歴情報管理DB1001、スタンス候補管理DB1003および意見評価結果情報管理DB3001と同様の構成である。これによって、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システム1Bは、一台のコンピュータによって構築された意見評価システム5Bによって、意見評価システム5Aと同様の機能を実現することができる。なお、図17は、情報処理システム1Bが一台のコンピュータによって実現される例を説明したが、情報処理システム1Bによって実現される各機能を、複数台のコンピュータによって実現可能な構成であってもよい。
【0101】
●第2の実施形態●
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第2の実施形態に係る情報処理システム1Cは、通信端末70を用いた情報検索等のイベントに適用される。図18は、第2の実施形態に係る情報処理システムの利用シーンの一例を説明するための図である。図18に示す情報処理システム1Cは、ユーザがPC70bに対して行った意見の入力に基づいて、入力された意見を評価するシステムである。情報処理システム1Cは、評価結果をPC70bに表示させるツールとして、外部チャットウエアまたはチャットボット等を利用する。PC70bは、例えば、外部チャットウエアのAPI(Application Programming Interface)を用いて、評価結果をチャット形式で表示させる。
【0102】
図22は、第2の実施形態に係る通信端末に表示される評価結果画面の一例を示す図である。図22に示す評価結果画面850dは、例えば、外部のチャットウエアによって評価結果データが示されている。評価結果画面850bは、現在の議題(議題情報)と現在の複数の意見(複数の意見情報)とともに、過去の関連議題(過去議題情報)および採用された意見(スタンス)が示されている。
【0103】
会議前後における個人発想フェーズにおいて、会議の参加者は、自分の意見の御説得性を客観的に判断できない。そこで、情報処理システム1Cは、PC70bに入力された個人の意見に対して関連する過去の意見を提示し、より良い意見の方向性を明示することができる。また、情報処理システム1Cは、第1の実施形態で示したような会議等のイベントの開始前の事前準備、またはイベントの終了後のアクションアイテムの検討もしくは議事録作成等の際に、イベントで発生した意見に関する気づきをユーザに与えることができる。
【0104】
なお、情報処理システム1Cにおいて、通信端末70から意見評価システム5A,5Bに送信されるコンテンツデータは、ユーザによって通信端末70に入力されたテキストデータである。情報処理システム1Cにおける意見評価処理は、コンテンツデータのデータ形式(データ種別)が異なる点以外は、情報処理システム1A,1Bにおける処理(例えば、図10乃至図13参照)と同様である。
【0105】
●第2の実施形態の効果
以上説明したように、第2の実施形態に係る情報処理システム1Cは、複数のユーザが参加する会議等のイベントのみならず、個人用途においても上述のようなチャットボット等を用いて、意見評価システム5A,5Bによって評価された評価結果を活用することができる。
【0106】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る意見評価システムは、過去のイベントの議題を示す過去議題情報と過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報が関連づけられた履歴情報を履歴情報管理DB1001(記憶手段の一例)に記憶し、実行されている特定のイベントにより発生したコンテンツデータ、およびコンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得する。また、意見評価システム5A,5Bは、履歴情報管理DB1001に記憶された履歴情報のうち、コンテンツデータに示される特定の議題情報と最も類似度の高い特定の履歴情報を特定のイベントにおけるスタンスとして決定し、決定されたスタンスを示すスタンス情報に含まれる特定の過去意見情報、並びにコンテンツデータに示される特定の意見情報および特定の議題情報を用いて、特定のイベントにより発生した意見の評価結果を示す意見評価結果情報を算出する。そして、意見評価システム5A,5Bは、算出された意見評価結果情報のうち、取得された用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する。これにより、意見評価システム5A,5Bは、特定のイベントにより発生した意見のうち、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0107】
また、本発明の一実施形態に係る意見評価システムは、取得されたコンテンツデータに含まれる特定の議題情報と特定の意見情報との関連度を示す関連度スコアを算出し、過去のイベントの議題を示す過去議題情報と特定の意見情報との方向性を示す方向性スコアを算出する。そして、意見評価システム5A,5Bは、算出された関連度スコアおよび方向性スコアに基づいて、特定のイベントにより発生した意見の評価結果を示す意見評価結果情報を算出する。これにより、意見評価システム5A,5Bは、過去のイベントにおける最も類似した議題で採用された最適な意見に基づいて算出された現在の意見との関連度および方向性を用いて、コンテンツデータの利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0108】
さらに、本発明の一実施形態に係る意見評価システムは、取得された用途情報が、特定のイベントの発散の用途を示す場合、算出された関連度スコアが高く、かつ方向性スコアが低い意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する。これにより、意見評価システム5A,5Bは、過去のイベントにおける最も類似した議題で採用された最適な意見に基づいて算出された現在の意見との関連度および方向性を用いて、発散の判断基準に基づいた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0109】
また、本発明の一実施形態に係る意見評価システムは、取得された用途情報が、特定のイベントの収束の用途を示す場合、算出された関連度スコアおよび前記方向性スコアが高い意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する。これにより、意見評価システム5A,5Bは、過去のイベントにおける最も類似した議題で採用された最適な意見に基づいて算出された現在の意見との関連度および方向性を用いて、収束の判断基準に基づいた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0110】
さらに、本発明の一実施形態に係る意見評価システムは、取得された用途情報が、特定のイベントの脱線防止の用途を示す場合、算出された関連度スコアが低い意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する。これにより、意見評価システム5A,5Bは、特定のイベントにおける議題と議題に対する意見との関連度を用いて、脱線防止の判断基準に基づいた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0111】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、意見評価システム5A,5Bと、意見評価システム5A,5Bと通信ネットワーク3を介して通信可能な通信端末70とを備える情報処理システム1A,1B,1Cである。そして、通信端末70は、通信ネットワーク3を介して、意見評価システム5A,5Bから出力された評価結果データを受信し、受信された評価結果データに係る評価結果画面850a,850b,850c,850dを、ディスプレイ717(表示部の一例)に表示させる。これにより、情報処理システム1A,1B,1Cは、特定のイベントにより発生した意見のうち利用用途に応じた最適な意見を示す評価結果画面850a,850b,850c,850dを、通信端末70に表示させることで、特定のイベントを促進するための適切な情報をユーザに提示することができる。
【0112】
さらに、本発明の一実施形態に係る意見評価方法は、意見評価システム5A,5Bが実行する意見評価方法であって、過去のイベントの議題を示す過去議題情報と過去のイベントの議題に対する意見を示す過去意見情報が関連づけられた履歴情報を記憶部1000に記憶させる記憶制御ステップと、実行されている特定のイベントにより発生したコンテンツデータ、およびコンテンツデータを利用する用途を示す用途情報を取得する取得ステップと、記憶された履歴情報のうち、コンテンツデータに示される特定の議題情報と最も類似度の高い特定の履歴情報を決定する決定ステップと、決定された特定の履歴情報に含まれる特定の過去意見情報、並びにコンテンツデータに示される特定の意見情報および特定の議題情報を用いて、特定のイベントにより発生した意見の評価結果を示す意見評価結果情報を算出する意見評価結果算出ステップと、算出された意見評価結果情報のうち、取得された用途情報に示される用途内容に基づいて特定される特定の意見評価結果情報を含む評価結果データを出力する出力制御ステップと、を実行する。これにより、意見評価システム5A,5Bが実行する意見評価方法は、特定のイベントにより発生した意見のうち、利用用途に応じた最適な意見をユーザに提示することができる。
【0113】
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0114】
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、CD-RW(Re-Writable)、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0115】
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog-HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
【0116】
これまで本発明の一実施形態に係る意見評価システム、情報処理システム、意見評価方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0117】
1A,1B,1C 情報処理システム
3 通信ネットワーク
5A,5B 意見評価システム
10 類似情報検索装置
14 スタンス決定部(決定手段の一例)
20 議題情報取得装置(取得手段の一例)
30 意見評価装置
32 関連度算出部(関連度算出手段の一例)
33 方向性算出部(方向性算出手段の一例)
34 評価結果算出部(意見評価結果算出手段の一例)
40 意見情報取得装置(取得手段の一例)
50 出力制御装置(出力制御手段の一例)
51 送受信部(取得手段の一例)
70 通信端末
71 送受信部(受信手段の一例)
73 表示制御部(表示制御手段の一例)
90 データベースサーバ
501 類似情報検索部
502 議題情報取得部(取得手段の一例)
503 意見評価部
504 意見情報取得部(取得手段の一例)
505 出力制御部(出力制御手段の一例)
506 送受信部(取得手段の一例)
509 記憶・読出部
1001 履歴情報管理DB(記憶手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【文献】特開2018―195298号公報
【文献】特開2017―215931号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19