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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】多重伝送システム及び多重伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 1/00 20060101AFI20221220BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20221220BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20221220BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20221220BHJP
   H04W 28/20 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04J1/00
H04J14/02
H04B10/272
H04W92/12
H04W28/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019076429
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020174326
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶太
(72)【発明者】
【氏名】福井 達也
(72)【発明者】
【氏名】木村 英明
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩文
(72)【発明者】
【氏名】太田 憲行
(72)【発明者】
【氏名】寺田 純
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-532296(JP,A)
【文献】特開2017-212707(JP,A)
【文献】国際公開第2018/113797(WO,A1)
【文献】中尾 彰宏、他8名,5G/IoTアクセス網における周波数利用効率を向上する仮想化技術,電子情報通信学会2018年総合大会講演論文集 通信2 B-8-50,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年03月06日,p.191
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 1/00
H04W 92/12
H04J 14/02
H04B 10/272
H04W 28/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の周波数帯域に対して事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅が割当てられて無線端末と無線通信を行う複数の無線装置と、複数の前記無線装置を事業者ごとに制御する複数の無線制御装置との間の信号を多重化して伝送する多重伝送システムであって、
事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅の割当てを示す割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てる上り伝送帯域及び下り伝送帯域を決定し、それぞれ上り伝送帯域割当情報及び下り伝送帯域割当情報として出力する帯域割当決定部と、
前記下り伝送帯域割当情報に基づいて、複数の前記無線制御装置が複数の前記無線装置に向けて出力した事業者ごとの下り信号、及び前記上り伝送帯域割当情報を多重化する第1の多重部と、
前記第1の多重部が多重化した信号を前記複数の無線装置に向けて送信するとともに、前記複数の無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力して多重化された信号を受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部が受信した多重化された信号を事業者ごとの上り信号に分離する第1の分離部と、
前記第1の通信部が送信した多重化された信号を受信するとともに、前記複数の無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力して多重化された信号を送信する第2の通信部と、
前記第2の通信部が受信した多重化された信号から、事業者ごとの下り信号及び前記上り伝送帯域割当情報を分離する第2の分離部と、
前記第2の分離部が分離した前記上り伝送帯域割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てられた上り伝送帯域を変更する帯域割当変更部と、
前記帯域割当変更部が変更した上り伝送帯域に応じて、複数の前記無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力した事業者ごとの上り信号を多重化する第2の多重部と
を有することを特徴とする多重伝送システム。
【請求項2】
前記第1の多重部及び前記第2の多重部は、
時間多重及び波長多重の少なくともいずれかによって信号を多重化すること
を特徴とする請求項1に記載の多重伝送システム。
【請求項3】
前記第2の通信部、前記第2の分離部、前記第2の多重部、及び前記帯域割当変更部を複数の事業者それぞれに対して備え、
複数の前記第2の通信部は、
PONを介して前記第1の通信部と通信を行うこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の多重伝送システム。
【請求項4】
事業者ごとの下り信号及び上り信号のトラヒックを収集するトラヒック収集部と、
事業者ごとに利用可能に割当てられる周波数帯域幅を決定する割当決定装置に対し、前記トラヒック収集部が収集したトラヒックに基づいて、事業者ごとに割当てられる周波数帯域幅を変更するように依頼する割当変更依頼部と
をさらに有し、
前記帯域割当決定部は、
前記割当変更依頼部からの依頼に応じて変更された割当情報に基づいて、前記上り伝送帯域及び前記下り伝送帯域を決定すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の多重伝送システム。
【請求項5】
共通の周波数帯域に対して事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅が割当てられて無線端末と無線通信を行う複数の無線装置と、複数の前記無線装置を事業者ごとに制御する複数の無線制御装置との間の信号を多重化して伝送する多重伝送方法であって、
事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅の割当てを示す割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てる上り伝送帯域及び下り伝送帯域を決定し、それぞれ上り伝送帯域割当情報及び下り伝送帯域割当情報として出力する帯域割当決定工程と、
前記下り伝送帯域割当情報に基づいて、複数の前記無線制御装置が複数の前記無線装置に向けて出力した事業者ごとの下り信号、及び前記上り伝送帯域割当情報を多重化する第1の多重工程と、
前記第1の多重工程により多重化された信号から、事業者ごとの下り信号及び前記上り伝送帯域割当情報を分離する第1の分離工程と、
前記第1の分離工程により分離した前記上り伝送帯域割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てられた上り伝送帯域を変更する帯域割当変更工程と、
変更された上り伝送帯域に応じて、複数の前記無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力した事業者ごとの上り信号を多重化する第2の多重工程と、
前記第2の多重工程により多重化された信号を事業者ごとの上り信号に分離する第2の分離工程と
を含むことを特徴とする多重伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重伝送システム及び多重伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーシステムは、基地局の構成を無線制御装置と無線装置に分離して配置することが可能である。このとき、無線制御装置-無線装置間は、光装置及び光ファイバを有する光区間を介して結ばれる。光装置及び光ファイバを有する光区間は、モバイルフロントホール(MFH:Mobile Fronthaul)と呼ばれる。
【0003】
セルラーシステムを運用する利用者(以下では事業者とする)は、複数存在しうる。また、各事業者が別々にMFHを構築すると、光装置及び光ファイバも事業者数分必要となる。そこで、各事業者が設置する無線装置及び無線制御装置の位置が近い場合には、共有で用いる光装置及び共有で用いる光ファイバを設置し、当該共有で用いる光装置及び光ファイバによって複数事業者の信号を収容することとすれば、効率的なMFH構築が可能となる。
【0004】
このとき、複数の事業者の信号を波長多重することと、時間多重することが考えられる。波長多重だけの場合、事業者ごとに個別の波長を用いることとなる。しかし、波長多重だけでなく、時間多重も用いて、1つの波長を事業者間で共通利用する方が、所要波長数が少なく経済的である。
【0005】
近年、無線通信に適した周波数資源は、逼迫している。一方で、無線通信に割当てられた周波数帯域幅の全てが常に利用されているわけではなく、場所・時間・事業者によって、利用状況に偏りがある。
【0006】
そこで、周波数資源を複数の事業者で共用とし、各事業者への周波数帯域幅の割当を利用状況に応じて動的に変更することが検討されている。例えば、トラヒックの多い事業者に周波数帯域幅を多く割当て、トラヒックの少ない事業者に少なく周波数帯域を割当てることにより、1つの周波数資源を有効活用することができる。
【0007】
以下、事業者数をn、全事業者で共有する周波数資源の周波数帯域幅をB、各事業者に割当てられた周波数帯域幅をx(1≦i≦n)とする。セルラーシステムのように、全国に広く展開されるシステムの場合、複数の事業者が同一の時間・場所でサービスを展開すると考えられる。しかし、同じ周波数帯域を複数の事業者が利用するためには、空間分離をするために多数のアンテナが必要であり、実現が困難である。
【0008】
したがって、複数の事業者が同一の時間・場所において、それぞれ異なる周波数帯域を使ってサービス展開すると考えられるため、x+x+・・・+x=B(0≦x≦B,1≦i≦n)となる。ここで、i番目の事業者がMFHに求める帯域(MFH帯域)をf(x)とすると、全事業者が求める合計MFH帯域は、f(x)+f(x)+・・・f(x)となる。周波数帯域幅が広いほど求めるMFH帯域も大きくなるため、f(x)(1≦i≦n)は、単調増加関数である。
【0009】
は、無線装置-無線制御装置間のインタフェース、無線装置-無線端末間の周波数利用効率等に依存する。以下、無線装置-無線制御装置間のインタフェースとしてeCPRI(enhanced common public radio interface)のsplit Dを例にとり説明する。
【0010】
制御信号を無視し、周波数帯域幅を20MHz、空間多重数を2、変調多値数を256QAMとすると、MFH帯域は、約270Mbpsであり、MFH帯域は、周波数帯域幅及び周波数利用効率に比例する線形関数である。
【0011】
例えば、1番目の事業者が無線通信で用いる最大の変調方式が256QAM、2番目の事業者が無線通信で用いる最大の変調方式が64QAMであるとする。このとき、f(x)は、f(x)の約4/3倍となる(0≦x≦B)。また、1番目の事業者が無線通信で用いるアンテナ数及び最大空間多重数が8、2番目の事業者が無線通信で用いるアンテナ数及び最大空間多重数が4の場合、f(x)は、f(x)の約2倍と考えられる。一方で、1番目の事業者と2番目の事業者が無線通信で用いる周波数利用効率や空間多重数等の条件が同じ場合、f(x)とf(x)は、ほぼ同一と考えられる。
【0012】
このときの多重伝送システム1の構成例を図8に示す。図8に示すように、多重伝送システム1は、例えば、3つの事業者の無線装置2-1~2-3、3つの事業者の無線制御装置3-1~3-3、事業者間で共有される多重伝送装置4-1,4-2、及び割当決定装置5を有する。なお、無線装置2-1~2-3のように複数ある構成のいずれかを特定しない場合には、単に無線装置2などと略記する。
【0013】
無線装置2-1~2-3は、各事業者がそれぞれ無線端末と無線で通信を行うために配置された装置である。無線制御装置3-1~3-3は、各事業者がそれぞれ割当てられた周波数帯域幅に基づいて無線通信の制御を行うために配置された装置である。割当決定装置5は、各事業者に割当てる周波数帯域幅を決定し、各事業者(例えば無線制御装置3-1~3-3)に対して通知する。
【0014】
多重伝送装置4-1,4-2は、各事業者がそれぞれ無線装置2-1~2-3と無線制御装置3-1~3-3との間の通信を行うために、事業者間で共用される装置である。
【0015】
多重伝送装置4-1は、通信部4-1a、多重部4-1b、及び分離部4-1cを有する。通信部4-1aは、例えば電気・光変換を行って多重伝送装置4-2に対する双方向の通信を行う。ここで、通信部4-1aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より小さい場合、1波長での伝送が可能である。また、通信部4-1aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より大きい場合、複数波長を用いる。なお、多重伝送装置4-1は、電気・光変換の処理だけでなく、フレーム変換、FEC処理及び暗号化等を合わせて実施してもよい。
【0016】
多重部4-1bは、無線制御装置3-1~3-3から受信した信号に対して、同じ波長で伝送する信号同士を予め定められた時間帯域に割当てて時間多重し、通信部4-1aに対して出力する。
【0017】
分離部4-1cは、通信部4-1aを介して多重伝送装置4-2から入力された信号を波長ごとに時間分離し、無線制御装置3-1~3-3に対して出力する。分離部4-1cは、多重部4-1bと一体に構成されてもよい。
【0018】
多重伝送装置4-2は、通信部4-2a、多重部4-2b、及び分離部4-2cを有する。通信部4-2aは、例えば電気・光変換を行って多重伝送装置4-1に対する双方向の通信を行う。ここで、通信部4-2aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より小さい場合、1波長での伝送が可能である。また、通信部4-2aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より大きい場合、複数波長を用いる。なお、多重伝送装置4-2は、電気・光変換の処理だけでなく、フレーム変換、FEC処理及び暗号化等を合わせて実施してもよい。
【0019】
多重部4-2bは、無線装置2-1~2-3から受信した信号に対して、同じ波長で伝送する信号同士を予め定められた時間帯域に割当てて時間多重し、通信部4-2aに対して出力する。
【0020】
分離部4-2cは、通信部4-2aを介して多重伝送装置4-1から入力された信号を波長ごとに時間分離し、無線装置2-1~2-3に対して出力する。分離部4-2cは、多重部4-2bと一体に構成されてもよい。
【0021】
なお、上り信号及び下り信号は、波長多重により多重化して1つの光ケーブル内で送信することも、波長多重せずに2つの光ケーブルで送信することも可能であるが、物理的に別のリソースを用いるという点で同じであるため、ここではこれらを区別しない。また、MFH帯域は、各事業者がMFHに求める所要帯域の最大値とする。
【0022】
また、無線装置2-1~2-3と無線制御装置3-1~3-3との間のインタフェースがCPRIの場合、MFHに求められる所要帯域は、固定である。一方、無線装置2-1~2-3と無線制御装置3-1~3-3との間のインタフェースがeCPRIの場合、無線端末数や無線環境によってMFHに求める所要帯域が変動しうる。しかし、この変動は、無線制御装置3-1~3-3のスケジューリング周期に依存し、1ms程度の非常に短い周期で変動するため、ここでは当該周期に追従した帯域割当を考えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】特許第5876941号公報
【非特許文献】
【0024】
【文献】電波割当先、分単位で自動変更 5Gにらみ総務省、[online]、2018/10/10、日本経済新聞、[2019/02/27検索]、インターネット<URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36313720Q8A011C1MM8000/>
【文献】全国の道路トンネル・鉄道トンネル・医療機関へ、大都市圏の地下鉄・地下街へ、携帯電話サービス用の中継設備を構築しています。、[online]、公益社団法人移動通信基盤整備協会、[2019/02/27検索]、インターネット<URL:http://www.jmcia.or.jp/business/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従来技術では、多重部4-1b,4-2b及び分離部4-1c,4-2cは、各事業者のMFH帯域を伝送するのに十分な伝送帯域を割当てればよい。ここで、1つの周波数資源を複数の事業者で共用する場合、各事業者が用いる周波数帯域幅が変動するため、MFH帯域も0≦f(x)≦f(B)、0≦f(x)≦f(B)、0≦f(x)≦f(B)と変動する。
【0026】
各事業者に固定的に時間帯域を割当てる従来技術では、例えば事業者#1にf(B)、事業者#2にf(B)、事業者#3にf(B)のように、各事業者が求めうる最大のMFH帯域を割当てる必要がある。このため、所要MFH帯域が大きくなってしまい、効率が悪い。一方、各事業者に動的にMFH帯域を割当てようとしても、この周波数割当の変動を多重伝送装置4-1,4-2が把握する仕組みが無いため、実施することができない。
【0027】
本発明は、MFH帯域を効率的に活用することができる多重伝送システム及び多重伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の一態様にかかる多重伝送システムは、共通の周波数帯域に対して事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅が割当てられて無線端末と無線通信を行う複数の無線装置と、複数の前記無線装置を事業者ごとに制御する複数の無線制御装置との間の信号を多重化して伝送する多重伝送システムであって、事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅の割当てを示す割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てる上り伝送帯域及び下り伝送帯域を決定し、それぞれ上り伝送帯域割当情報及び下り伝送帯域割当情報として出力する帯域割当決定部と、前記下り伝送帯域割当情報に基づいて、複数の前記無線制御装置が複数の前記無線装置に向けて出力した事業者ごとの下り信号、及び前記上り伝送帯域割当情報を多重化する第1の多重部と、前記第1の多重部が多重化した信号を前記複数の無線装置に向けて送信するとともに、前記複数の無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力して多重化された信号を受信する第1の通信部と、前記第1の通信部が受信した多重化された信号を事業者ごとの上り信号に分離する第1の分離部と、前記第1の通信部が送信した多重化された信号を受信するとともに、前記複数の無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力して多重化された信号を送信する第2の通信部と、前記第2の通信部が受信した多重化された信号から、事業者ごとの下り信号及び前記上り伝送帯域割当情報を分離する第2の分離部と、前記第2の分離部が分離した前記上り伝送帯域割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てられた上り伝送帯域を変更する帯域割当変更部と、前記帯域割当変更部が変更した上り伝送帯域に応じて、複数の前記無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力した事業者ごとの上り信号を多重化する第2の多重部とを有することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の一態様にかかる多重伝送システムは、前記第1の多重部及び前記第2の多重部は、時間多重及び波長多重の少なくともいずれかによって信号を多重化することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の一態様にかかる多重伝送システムは、前記第2の通信部、前記第2の分離部、前記第2の多重部、及び前記帯域割当変更部を複数の事業者それぞれに対して備え、複数の前記第2の通信部は、PONを介して前記第1の通信部と通信を行うことを特徴とする。
【0031】
また、本発明の一態様にかかる多重伝送システムは、事業者ごとの下り信号及び上り信
号のトラヒックを収集するトラヒック収集部と、事業者ごとに利用可能に割当てられる周波数帯域幅を決定する割当決定装置に対し、前記トラヒック収集部が収集したトラヒックに基づいて、事業者ごとに割当てられる周波数帯域幅を変更するように依頼する割当変更依頼部とをさらに有し、前記帯域割当決定部は、前記割当変更依頼部からの依頼に応じて変更された割当情報に基づいて、前記上り伝送帯域及び前記下り伝送帯域を決定することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の一態様にかかる多重伝送方法は、共通の周波数帯域に対して事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅が割当てられて無線端末と無線通信を行う複数の無線装置と、複数の前記無線装置を事業者ごとに制御する複数の無線制御装置との間の信号を多重化して伝送する多重伝送方法であって、事業者ごとに利用可能な周波数帯域幅の割当てを示す割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てる上り伝送帯域及び下り伝送帯域を決定し、それぞれ上り伝送帯域割当情報及び下り伝送帯域割当情報として出力する帯域割当決定工程と、前記下り伝送帯域割当情報に基づいて、複数の前記無線制御装置が複数の前記無線装置に向けて出力した事業者ごとの下り信号、及び前記上り伝送帯域割当情報を多重化する第1の多重工程と、前記第1の多重工程により多重化された信号から、事業者ごとの下り信号及び前記上り伝送帯域割当情報を分離する第1の分離工程と、前記第1の分離工程により分離した前記上り伝送帯域割当情報に基づいて、事業者それぞれに割当てられた上り伝送帯域を変更する帯域割当変更工程と、変更された上り伝送帯域に応じて、複数の前記無線装置が複数の前記無線制御装置に向けて出力した事業者ごとの上り信号を多重化する第2の多重工程と、前記第2の多重工程により多重化された信号を事業者ごとの上り信号に分離する第2の分離工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、MFH帯域を効率的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態にかかる多重伝送システムの構成例を示す図である。
図2】(a)は、従来技術における動作例を示す図である。(b)は、多重伝送システムの第1動作例を示す図である。
図3】(a)は、従来技術における動作例を示す図である。(b)は、多重伝送システムの第2動作例を示す図である。
図4】(a)は、従来技術における動作例を示す図である。(b)は、多重伝送システムの第3動作例を示す図である。
図5】第2実施形態にかかる多重伝送システムの構成例を示す図である。
図6】第3実施形態にかかる多重伝送システムの構成例を示す図である。
図7】第4実施形態にかかる多重伝送システムの構成例を示す図である。
図8】多重伝送システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、図面を用いて多重伝送システムの第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態にかかる多重伝送システム10の構成例を示す。図1に示すように、多重伝送システム10は、例えば、3つの事業者(事業者#1~#3)の無線装置20-1~20-3、3つの事業者の無線制御装置30-1~30-3、事業者間で共有される多重伝送装置40-1,40-2、及び割当決定装置50を有する。なお、事業者の数は、複数であれば3つに限定されない。
【0036】
そして、多重伝送システム10は、共通の周波数帯域に対して利用者ごとに利用可能な周波数帯域幅が割当てられて無線端末と無線通信を行う無線装置20-1~20-3と、無線装置20-1~20-3を利用者ごとに制御する無線制御装置30-1~30-3との間の信号を多重化して伝送する。
【0037】
例えば、無線装置20-1~20-3は、各事業者がそれぞれ無線端末と無線で通信を行うために配置された装置である。無線制御装置30-1~30-3は、各事業者がそれぞれ割当てられた周波数帯域幅に基づいて無線通信の制御を行うために配置された装置である。
【0038】
割当決定装置50は、各事業者に割当てる周波数帯域幅を割当情報として決定し、各事業者(例えば無線制御装置30-1~30-3)及び多重伝送装置40-1に対して割当情報を通知する。割当決定装置50は、割当情報を決定する周期を任意の時間に設定されてよい。
【0039】
多重伝送装置40-1,40-2は、各事業者がそれぞれ無線装置20-1~20-3と無線制御装置30-1~30-3との間の通信を行うために、事業者間で共用される装置である。
【0040】
多重伝送装置40-1は、通信部401a、多重部401b、分離部401c、割当情報取得部401d及び帯域割当決定部401eを有する。
【0041】
通信部401aは、例えば電気・光変換を行って多重伝送装置40-2に対する双方向の通信を行う。具体的には、通信部401aは、多重部401bから入力される信号を多重伝送装置40-2に対して送信し、多重伝送装置40-2から受信した信号を分離部401cに対して出力する。
【0042】
ここで、通信部401aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より小さい場合、1波長での伝送が可能である。また、通信部401aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より大きい場合、複数波長を用いる。なお、多重伝送装置40-1は、電気・光変換の処理だけでなく、フレーム変換、FEC処理及び暗号化等を合わせて実施してもよい。
【0043】
割当情報取得部401dは、割当決定装置50が出力する各事業者に割当てる周波数帯域幅を示す割当情報を取得し、帯域割当決定部401eに対して出力する。
【0044】
帯域割当決定部401eは、割当情報取得部401dから入力される割当情報に基づいて、各事業者の上り通信の伝送帯域の割当(上り伝送帯域割当情報)、及び下り通信の伝送帯域の割当(下り伝送帯域割当情報)を含む伝送帯域割当情報を決定する。そして、帯域割当決定部401eは、各事業者の伝送帯域割当情報を多重部401bに対して出力し、各事業者の上り伝送帯域割当情報を分離部401cに対して出力する。
【0045】
多重部401bは、下り伝送帯域割当情報に基づいて、無線制御装置30-1~30-3から受信した信号に対し、同じ波長で伝送する信号同士を予め定められた時間帯域に割当てて時間多重し、通信部401aに対して出力する。また、多重部401bは、下り伝送帯域割当情報に基づいて、伝送帯域割当情報についても同時に多重化し、通信部401aに対して出力する。つまり、多重部401bは、下り伝送帯域割当情報に基づいて、無線制御装置30-1~30-3が無線装置20-1~20-3に向けて出力した利用者ごとの下り信号、及び伝送帯域割当情報を多重化する。なお、多重部401bは、時間多重及び波長多重の少なくともいずれかによって信号を多重化するように構成されてもよい。
【0046】
分離部401cは、例えば上り伝送帯域割当情報に基づいて、通信部401aを介して多重伝送装置40-2から入力された信号を波長ごとに時間分離し、無線制御装置30-1~30-3に対して出力する。例えば、分離部401cは、通信部401aが受信する後述の多重化された信号を利用者ごとの上り信号に分離する。分離部401cは、多重部401bと一体に構成されてもよい。
【0047】
多重伝送装置40-2は、通信部402a、多重部402b、分離部402c及び帯域割当変更部402dを有する。
【0048】
通信部402aは、例えば電気・光変換を行って多重伝送装置401に対する双方向の通信を行う。具体的には、通信部402aは、多重化された多重伝送装置40-1が送信する無線制御装置30-1~30-3からの信号、及び伝送帯域割当情報(下り伝送帯域割当情報及び上り伝送帯域割当情報)を受信する。そして、通信部402aは、無線制御装置30-1~30-3からの信号を分離部402cに対して出力する。また、通信部402aは、多重部402bから入力される信号を多重伝送装置40-1に対して送信する。つまり、通信部402aは、通信部401aが送信した多重化された信号を受信するとともに、無線装置20-1~20-3が無線制御装置30-1~30-3に向けて出力して多重化される後述の信号を送信する。
【0049】
ここで、通信部402aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より小さい場合、1波長での伝送が可能である。また、通信部402aは、求められるMFH帯域が1波長の伝送容量より大きい場合、複数波長を用いる。なお、多重伝送装置4-2は、電気・光変換の処理だけでなく、フレーム変換、FEC処理及び暗号化等を合わせて実施してもよい。
【0050】
帯域割当変更部402dは、後述の分離部402cから入力される上り伝送帯域割当情報に基づいて、各事業者の上り伝送帯域を変更し、上り伝送帯域の変更を多重部402bに対して指示する。また、帯域割当変更部402dは、分離部402cから入力される下り伝送帯域割当情報に基づいて、各事業者の下り伝送帯域を変更し、下り伝送帯域の変更を分離部402cに対して指示する。
【0051】
多重部402bは、帯域割当変更部402dが変更した上り伝送帯域に応じて上り伝送帯域を変更して、無線装置20-1~20-3から受信した信号に対して、同じ波長で伝送する信号同士を予め定められた時間帯域に割当てて時間多重し、通信部402aに対して出力する。なお、多重部402bは、時間多重及び波長多重の少なくともいずれかによって信号を多重化するように構成されてもよい。
【0052】
分離部402cは、帯域割当変更部402dからの指示の応じて下り伝送帯域割当情報を変更して、通信部402aを介して多重伝送装置40-1から入力された信号を波長ごとに時間分離し、無線装置20-1~20-3に対して出力する。例えば、分離部402cは、通信部402aが受信した多重化された信号から、利用者ごとの下り信号及び伝送帯域割当情報を分離する。分離部402cは、分離した利用者ごとの下り信号を無線装置20-1~20-3に対して出力する。また、分離部402cは、上り伝送帯域割当情報を帯域割当変更部402dに対して出力する。分離部402cは、多重部402bと一体に構成されてもよい。
【0053】
次に、多重伝送システム10の具体的な動作例について説明する。
【0054】
図2は、多重伝送システム10の第1動作例を従来技術との比較によって示す。図2(a)は、従来技術における動作例を示す。図2(b)は、多重伝送システム10の第1動作例を示す。図2に示した例においては、f、f及びfが線形関数であり、f(x)=f(x)=f(x)=f(x)、(0≦x≦B)、f(B)=f(x)+f(x)+f(x)である。なお、1波長当たりの伝送容量は、3f(B)以下としている。
【0055】
このとき、伝送帯域を固定的に割当てる従来技術では、最大のf(B)を各事業者へ割当てる必要があり、全体で3f(B)が必要となる。一方、多重伝送システム10では、伝送帯域の割当を伝送帯域割当情報に基づいて変更するので、伝送帯域を効率的に利用でき、全体としてf(B)で済む。
【0056】
図3は、多重伝送システム10の第2動作例を従来技術との比較によって示す。図3(a)は、従来技術における動作例を示す。図3(b)は、多重伝送システム10の第2動作例を示す。図3に示した例においては、f、f及びfが線形関数であり、f(x)>f(x)>f(x)、f(B)>f(B)+f(B)、(0≦x≦B)、f(B)≧f(x)+f(x)+f(x)である。なお、1波長あたりの伝送容量は、f(B)である場合を示している。
【0057】
このとき、従来技術では、全体で2波長必要となる。一方、多重伝送システム10では、伝送帯域の割当を伝送帯域割当情報に基づいて変更する。具体的には、合計所要MFH帯域f(x)+f(x)+f(x)は、事業者#1に全ての周波数帯域幅が割当てられている時に最大となり、その値がf(B)であるため、全体として1波長で済む。
【0058】
図4は、多重伝送システム10の第3動作例を従来技術との比較によって示す。図4(a)は、従来技術における動作例を示す。図4(b)は、多重伝送システム10の第3動作例を示す。図4に示した例においては、f、f及びfが線形関数であり、f(x)>f(x)>f(x)、f(B)/2>f(B)+f(B)、(0≦x≦B)、f(B)≧f(x)+f(x)+f(x)である。なお、1波長あたりの伝送容量は、f(B)/2である場合を示している。
【0059】
このとき、従来技術では、全体で3波長必要となる。一方、多重伝送システム10では、伝送帯域の割当を伝送帯域割当情報に基づいて変更する。具体的には、合計所要MFH帯域f(x)+f(x)+f(x)は、事業者#1に全ての周波数帯域幅が割当てられている時に最大となり、その値がf(B)であるため、全体として2波長で済む。
【0060】
他方、事業者#1に割当てられている周波数帯域幅が小さい場合、f(x)+f(x)+f(x)<f(B)/2となるため、1つの波長で伝送可能な場合もある。このときには、伝送に用いない波長を一時的に停止して、省電力化を図ることができる。
【0061】
次に、多重伝送システムの他の実施形態について説明する。
【0062】
図5は、第2実施形態にかかる多重伝送システム10aの構成例を示す。図5に示すように、多重伝送システム10aは、例えば、3つの事業者の無線装置20-1~20-3、3つの事業者の無線制御装置30-1~30-3、事業者間で共有される多重伝送装置40-1、割当決定装置50、及び光スプリッタ100に接続された事業者間で共有される3つの多重伝送装置40-2を有する。なお、図1に示した多重伝送システム10の構成と実質的に同一の構成には、同一の符号が付してある。
【0063】
多重伝送システム10aは、図1に示した多重伝送システム10に対し、各事業者の無線装置20-1~20-3が互いに離れた位置に配置されている点が異なっている。より具体的には、多重伝送システム10aは、多重伝送装置40-2が無線装置20-1~20-3それぞれに対して配置されており、各事業者の無線装置20と無線制御装置30がP-to-Pではなく、PON(Passive Optical Network)構成によって接続されている点が異なる。
【0064】
つまり、多重伝送システム10aは、通信部402a、多重部402b、分離部402c、及び帯域割当変更部402dを複数の利用者それぞれに対して備え、複数の通信部402aがPONを介して通信部401aと通信を行う。
【0065】
従来、PONにおいて、無線制御装置と連携して上りの所要MFH帯域を計算し、動的に帯域を割当てる手法も検討されている(特許文献1参照)。当該手法は、下り通信の所要MFH帯域を算出することができない。また、特許文献1に記載された例では、多重伝送装置が無線制御装置の情報を取得するために、無線制御装置に新たなインタフェースを設ける必要があり、実装が困難である。
【0066】
一方、多重伝送システム10aは、既に割当決定装置50と無線制御装置30-1~30-3の間で定められたインタフェースでやり取りされている信号を多重伝送装置40-1,40-2でも取得するだけである。よって、当該インタフェースが多重伝送装置40-1,40-2に実装されていればよく、割当決定装置50及び無線制御装置30-1~30-3に新たなインタフェースが実装される必要が無いため、実装が容易である。
【0067】
図6は、第3実施形態にかかる多重伝送システム10bの構成例を示す。図6に示すように、多重伝送システム10bは、例えば、3つの事業者の無線装置20-1~20-3、3つの事業者の無線制御装置30-1~30-3、事業者間で共有される多重伝送装置40b-1,40-2、及び割当決定装置50bを有する。
【0068】
多重伝送装置40b-1は、通信部401a、多重部401b、分離部401c、割当情報取得部401d、帯域割当決定部401e、トラヒック収集部401f、及び割当変更依頼部401gを有する。
【0069】
トラヒック収集部401fは、各事業者の上り信号のトラヒック情報を分離部401cから収集し、各事業者の下り信号のトラヒック情報を多重部401bから収集して、収集したトラヒック情報を割当変更依頼部401gに対して出力する。トラヒック情報は、割当てられた伝送帯域の利用率等である。なお、トラヒック情報の収集周期は、任意の時間に設定されてよい。
【0070】
割当変更依頼部401gは、トラヒック収集部401fから入力されるトラヒック情報に基づいて、利用者ごとに割当てられる周波数帯域幅の変更依頼を示す割当変更依頼情報を割当決定装置50bに対して出力する。
【0071】
例えば、割当変更依頼部401gは、ある事業者に対して割当てた伝送帯域の利用率が予め定めた閾値を超えた場合に、当該事業者の周波数帯域幅の割当を増やし、その旨を示す割当変更依頼情報を割当決定装置50bに対して出力する。同時に、割当変更依頼部401gは、その他の全ての事業者、若しくは利用率の平均値又は最大値が最も小さい事業者の周波数帯域幅の割当を減らし、その旨を示す割当変更依頼情報を割当決定装置50bに対して出力する。
【0072】
割当決定装置50bは、多重伝送装置40b-1から入力される割当変更依頼情報に基づいて、各事業者に割当てる周波数帯域幅を割当情報として決定し、各事業者(例えば無線制御装置30-1~30-3)及び多重伝送装置40b-1に対して割当情報を通知する。
【0073】
つまり、帯域割当決定部401eは、割当変更依頼部401gからの依頼に応じて割当決定装置50bが変更した割当情報に基づいて、伝送帯域割当情報(下り伝送帯域割当情報及び上り伝送帯域割当情報)を決定することとなる。
【0074】
図7は、第4実施形態にかかる多重伝送システム10cの構成例を示す。図7に示すように、多重伝送システム10cは、共有無線制御装置42-1及び共有無線装置42-2を有する。多重伝送システム10cは、各事業者がそれぞれ異なる無線制御装置30及び無線装置20を備えた上述の実施形態とは異なり、各事業者が共有の共有無線制御装置42-1及び共有無線装置42-2を用いてもよい。
【0075】
共有無線制御装置42-1は、無線制御部30c-1~30c-3、通信部401a、多重部401b、分離部401c、帯域割当決定部401e及び割当決定部50cを有する。
【0076】
無線制御部30c-1~30c-3は、共有無線制御装置42-1内に設けられる点を除き、実質的に上述の無線制御装置30-1~30-3(図1参照)に対応する機能を備える。
【0077】
割当決定部50cは、共有無線制御装置42-1内に設けられる点を除き、実質的に上述の割当決定装置50に対応する機能を備える。すなわち、共有無線制御装置42-1は、内部に割当決定部50cを備えることにより、外部装置としての割当決定装置50を不要としている。
【0078】
共有無線装置42-2は、通信部402a、多重部402b、分離部402c、帯域割当変更部402d、及び無線部20c-1~20c-3を有する。
【0079】
無線部20c-1~20c-3は、共有無線装置42-2内に設けられる点を除き、実質的に上述の無線装置20-1~20-3に対応する機能を備える。
【0080】
なお、事業者の数は、複数であれば3つに限定されない。すなわち、複数の事業者が同一の時間・場所において、それぞれ異なる周波数帯域を使ってサービス展開する場合として、x+x+・・・+x=B(0≦x≦B,1≦i≦n)となる場合を説明したが、これに限定されない。また、上述した各実施形態は、複数の事業者が同一の時間・場所において、同じ周波数帯域を使ってサービス展開する場合にも適用可能である。
【0081】
また、f(x)(1≦i≦n)が単調増加関数であり、周波数帯域幅が広いほど求めるMFH帯域も大きい場合を例に説明したが、上述した各実施形態は、f(x)がいかなる関数であっても適用可能である。
【0082】
このように、多重伝送システム10,10a,10b,10cは、伝送帯域割当情報に基づいて、利用者それぞれに割当てられた伝送帯域を変更するので、MFH帯域を効率的に活用することができる。
【0083】
なお、多重伝送システム10,10a,10b,10cが有する各機能は、専用ハードウェアで実装されてもよいし、CPUを備えたコンピュータとしての機能を有する汎用ハードウェア上にプログラムとして実装されてもよい。すなわち、本発明にかかる多重伝送システム10,10a,10b,10cは、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0084】
以上述べた実施形態は、全て本発明の実施形態を例示的に示すものであって、限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様でも実施することができる。
【符号の説明】
【0085】
10,10a,10b,10c・・・多重伝送システム、20-1~20-3・・・無線装置、20c-1~20c-3・・・無線部、30-1~30-3・・・無線制御装置、30c-1~30c-3・・・無線制御部、40-1,40-2,40b-1・・・多重伝送装置、42-1・・・共有無線制御装置、42-2・・・共有無線装置、50,50b・・・割当決定装置、50c・・・割当決定部、100・・・光スプリッタ、401a,402a・・・通信部、401b,402b・・・多重部、401c,402c・・・分離部、401d・・・割当情報取得部、402d・・・、帯域割当変更部、401e・・・帯域割当決定部、401f・・・トラヒック収集部、401g・・・割当変更依頼部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8