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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/472 20060101AFI20221226BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20221226BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
A61F13/472 200
A61F13/532 200
A61F13/533 100
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020094953
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021186280
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智之
(72)【発明者】
【氏名】北川 雅史
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 俊幸
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-103719(JP,A)
【文献】特開2007-037660(JP,A)
【文献】特開2006-034496(JP,A)
【文献】特開2014-233603(JP,A)
【文献】特開2019-022785(JP,A)
【文献】特開2018-102827(JP,A)
【文献】特開2017-060781(JP,A)
【文献】特開2019-162401(JP,A)
【文献】特開2017-074281(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0254556(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
着用者の膣口と対向する股下域と、
前記股下域よりも後方に位置する後側域と、
前記股下域よりも前方に位置する前側域と、
前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、
着用物品に接合するための接合部と、を有する吸収性物品であって、
前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部と、を有し、
前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の後端縁との間に延びる後股下域を有し、
前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前記前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも前記幅方向の長さが長い幅広部と、を有しており、
前記幅広部の少なくとも一部は、前記後股下域に配置されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記幅広部の後端縁は、前記股下域の前記後端縁と、前記股下域の前記後端縁から後側に120mmの位置と、の間に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記後側域には、前記幅方向の外側に膨らんだヒップフラップが設けられており、
前記吸収隆起部の後端縁は、前記股下域よりも後側、かつ前記ヒップフラップの最大幅の位置よりも前側に位置する、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記ヒップフラップに設けられたフラップコア部を有し、
前記吸収隆起部の内側辺は、前記吸収隆起部の前記前後方向の中心から後側に向かって前記幅方向の外側に延びており、
前記フラップコア部は、前記吸収隆起部の前記後端縁から前記吸収隆起部の前記内側辺に沿って延びる後側延長線上に配置されている、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
着用者の膣口と対向する股下域と、
前記股下域よりも後方に位置する後側域と、
前記股下域よりも前方に位置する前側域と、
前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、
着用物品に接合するための接合部と、を有する吸収性物品であって、
前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部を有し、
前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の前端縁との間に延びる前股下域を有し、
前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前記前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも幅方向の長さが長い幅広部と、を有しており、
前記幅広部の少なくとも一部は、前記前股下域に配置されている、吸収性物品。
【請求項6】
前記幅広部の前端縁は、前記股下域の前記前端縁と、前記股下域の前端縁から前側に20mmの位置と、の間に配置されている、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記幅広部の前記幅方向の長さは、前記基準部から前記前後方向の外側に向かって長くなっている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
少なくとも前記吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されており、
前記圧搾部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心である物品幅中心に対する一方側に配置された第1圧搾部と、前記物品幅中心に対する他方側に配置された第2圧搾部と、を有し、
前記第1圧搾部及び前記第2圧搾部は、前記吸収中央部に少なくとも配置され、前記前後方向に対して傾斜して延び、前記前後方向に沿って延びる仮想線に対して線対称である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
少なくとも前記吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されており、
前記圧搾部は、前記吸収中央部において、非肌面側から肌面側に向かって凹んでいる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収コアの非肌面には、厚み方向に凹む吸収凹部が形成されており、
前記吸収凹部は、前記吸収中央部において前記吸収性物品の前記幅方向の中心である物品幅中心を跨ぎ、前記前後方向に沿って延びている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収凹部の前記前後方向の外端縁は、前記吸収隆起部の前記前後方向の外端縁よりも前記前後方向の内側に位置する、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収隆起部は、前記吸収中央部よりも非肌面側に突出した隆起非肌側領域を有する、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記吸収隆起部は、前記隆起非肌側領域と、前記吸収中央部よりも肌面側に突出した隆起肌側領域と、を有し、
前記隆起非肌側領域の密度は、前記隆起肌側領域の密度よりも高い、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記吸収コアは、前記吸収中央部よりも後側において前記吸収中央部よりも厚みが厚い吸収後部を有しており、
前記吸収後部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心である物品幅中心を跨っている、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記吸収コアよりも肌面側に配置され、着用者の肌に当接する表面シートを有し、
前記表面シートにおける前記吸収中央部と重なる領域には、機能性材料が設けられている、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記吸収コアには、複数の溝部が設けられており、
前記溝部は、前記吸収隆起部に設けられた隆起溝部と、前記吸収中央部に設けられた中央溝部と、を有しており、
前記隆起溝部の溝幅は、前記中央溝部の溝幅よりも狭い、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向の内側に向かって凹む括れ部を有しており、
前記括れ部は、少なくとも前記股下域に配置されており、
前記括れ部から前記幅方向の内側に延びる領域には、前記吸収隆起部が配置されている、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン等の着用物品に接合される吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、肌当接面側に隆起する隆起部を有し、生理用ナプキン等の着用物品に接合される吸収性物品が開示されている。特許文献1の隆起部は、吸収コアの幅方向の側部と、吸収コアの幅方向の中央と、に設けられている。吸収コアの側部の隆起部は、着用者の膣口よりも側方にフィットする位置に設けられている。膣口から側方に流れた体液を隆起部で吸収することにより、横漏れを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した吸収性物品には、以下の問題点がある。
特許文献1の吸収コアの幅方向の中央の隆起部は、膣口と対向する位置に設けられている。一般的に、膣口は、デリケートな箇所であり、着用者によっては、膣口に隆起部が密着することに起因して違和感が生じることがあった。
【0005】
股下域の前後方向の中心よりも後側に着目すると、着用者の膣口よりも後側に位置する会陰部の近傍は、膣口よりも厚み方向に凹んだ形状であり、吸収性物品との隙間が生じ、横漏れが発生し易い。特許文献1の吸収コアの幅方向の中央の隆起部は、膣口を中心に配置されており、会陰部の近傍に対向して配置されないことがある。そのため、横漏れが発生するおそれがあった。
【0006】
また、股下域の前後方向の中心よりも前側に着目すると、着用者の膣口よりも前側に位置するそけい部の近傍は、膣口よりも厚み方向に凹んだ形状であり、吸収性物品との隙間が生じ、横漏れが発生し易い。特許文献1の吸収コアの幅方向の中央の隆起部は、膣口を中心に配置されており、そけい部の近傍に対向して配置されないことがある。そのため、横漏れが発生するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、膣口に対する違和感を抑制しつつ横漏れを抑制できる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の膣口と対向する股下域と、前記股下域よりも後方に位置する後側域と、前記股下域よりも前方に位置する前側域と、前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、着用物品に接合するための接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部と、を有する。前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の後端縁との間に延びる後股下域を有する。前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも幅方向の長さが長い幅広部を有している。前記幅広部の少なくとも一部は、前記後股下域に配置されている。
【0009】
他態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の膣口と対向する股下域と、前記股下域よりも後方に位置する後側域と、前記股下域よりも前方に位置する前側域と、前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、着用物品に接合するための接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部と、を有する。前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の前端縁との間に延びる前股下域を有する。前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも幅方向の長さが長い幅広部を有している。前記幅広部の少なくとも一部は、前記前股下域に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る吸収性物品の肌面側から見た平面図である。
図2図2は、実施形態に係る吸収性物品の非肌面側から見た平面図である。
図3図3は、実施形態に係る吸収コアの肌面側から見た平面図である。
図4図4は、実施形態に係る吸収コアの非肌面側から見た平面図である。
図5図5は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。
図6図6は、図1に示すD-D線に沿った断面図である。
図7図7は、図5に示す断面(A-A線に沿った断面)を基準とした着用状態(非押圧状態)の模式断面図である。
図8図8は、図4に示す断面(A-A線に沿った断面)を基準とした着用状態(押圧状態)の模式断面図である。
図9図9は、図1に示すB-B線に沿った断面を基準とした着用状態(押圧状態)の模式断面図である。
図10図10は、図1に示すC-C線に沿った断面を基準とした着用状態(押圧状態)の模式断面図である。
図11図11は、着用者を側方から見た側面を基準とした着用状態を説明するための模式図である。
図12図12は、変形例1に係る吸収性物品の肌面側から見た平面図である。
図13図13は、変形例2に係る吸収性物品の肌面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の膣口と対向する股下域と、前記股下域よりも後方に位置する後側域と、前記股下域よりも前方に位置する前側域と、前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、着用物品に接合するための接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部と、を有する。前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の後端縁との間に延びる後股下域を有する。前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも幅方向の長さが長い幅広部を有している。前記幅広部の少なくとも一部は、前記後股下域に配置されている。本態様によれば、一対の吸収隆起部は、吸収中央部を挟んで配置されており、膣口の側方に位置する陰唇部に対向して配置される。吸収隆起部は、陰唇部に密着した状態で、吸収中央部は、膣口に密着し難い。膣口から側方に導かれた体液を吸収隆起部によって引き込むことで、横漏れを抑制できる。また、吸収中央部が膣口に密着し難いため、デリケートな膣口に対する違和感を抑制できる。加えて、着用時に脚によって吸収性物品が挟まれ、吸収中央部が身体側に向かって隆起しても、吸収中央部の厚みが吸収隆起部よりも薄いため、膣口に対して密着し難い。よって、膣口に対して吸収性物品をフィットさせつつデリケートな膣口に対する違和感を抑制できる。また、後股下域に幅広部の少なくとも一部が配置されているため、幅広部によって会陰部近傍に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0012】
好ましい態様によれば、前記幅広部の後端縁は、前記股下域の前記後端縁と、前記股下域の後端縁から後側に120mmの位置と、の間に配置されている。股下域の後端縁と、股下域の後端縁から後側に120mmの位置と、の間の領域は、会陰部近傍及び臀部に対向して配置され易い。会陰部近傍及び臀部近傍に対向する領域において、吸収中央部の隆起した部分を高く形成できるとともに吸収中央部の隆起した部分の幅方向の長さを長く形成できる。よって、会陰部近傍に対するフィット性のみならず臀部近傍に対するフィット性も確保し、横漏れを効果的に抑制できる。
【0013】
好ましい態様によれば、前記後側域には、前記幅方向の外側に膨らんだヒップフラップが設けられており、前記吸収隆起部の後端縁は、前記股下域よりも後側、かつ前記ヒップフラップの最大幅の位置よりも前側に位置する。本態様によれば、ヒップフラップの最大幅の位置は、一般的に臀部の頂点近傍に配置される。臀部の頂点近傍よりも前側のみに吸収隆起部が配置されているため、臀部の頂点に吸収隆起部が当たることに起因する違和感を抑制できる。
【0014】
好ましい態様によれば、前記ヒップフラップに設けられたフラップコア部を有し、前記吸収隆起部の内側辺は、前記吸収隆起部の前記前後方向の中心から後側に向かって前記幅方向の外側に延びており、前記フラップコア部は、前記吸収隆起部の後端縁から前記吸収隆起部の内側辺に沿って延びる後側延長線上に配置されている。着用者の脚によって幅方向の内側に押圧された状態では、吸収隆起部の内側辺が変形基点となって吸収コアが変形し、吸収隆起部の内側辺に沿って折り線が形成される。この折り線は、吸収隆起部の内側辺に沿って形成され、かつ吸収隆起部の内側辺に沿う後側延長線上に延びる。吸収中央部に排出された体液は、吸収中央部において吸収され、吸収中央部において吸収しきれなかった体液は、後側延長線に沿って拡散することがある。このとき、後側延長線上にフラップコア部が設けられているため、後側延長線に沿って拡散した体液を吸収し、ヒップフラップにおける横漏れを抑制できる。
【0015】
他態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の膣口と対向する股下域と、前記股下域よりも後方に位置する後側域と、前記股下域よりも前方に位置する前側域と、前記股下域、前記前側域、及び前記後側域に配置される吸収コアと、着用物品に接合するための接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記股下域における前記吸収コアの前記幅方向の側部に配置された一対の吸収隆起部と、前記吸収隆起部間に挟まれ、前記吸収隆起部よりも厚みが薄い吸収中央部と、を有する。前記股下域は、前記股下域の前記前後方向の中心と前記股下域の前端縁との間に延びる前股下域を有する。前記吸収中央部は、基準部と、前記基準部よりも前後方向の外側に位置し、前記基準部よりも幅方向の長さが長い幅広部を有している。前記幅広部の少なくとも一部は、前記前股下域に配置されている。本態様によれば、一対の吸収隆起部は、吸収中央部を挟んで配置されており、膣口の側方に位置する陰唇部に対向して配置される。吸収隆起部は、陰唇部に密着した状態で、吸収中央部は、膣口に密着し難い。が膣口から側方に導かれた体液を吸収隆起部によって引き込むことで、横漏れを抑制できる。また、吸収中央部が膣口に密着し難いため、デリケートな膣口に対する違和感を抑制できる。加えて、着用時に脚によって吸収性物品が挟まれ、吸収中央部が身体側に向かって隆起しても、吸収中央部の厚みが吸収隆起部よりも薄いため、膣口に対して密着し難い。よって、膣口に対して吸収性物品をフィットさせつつデリケートな膣口に対する違和感を抑制できる。また、前股下域に幅広部の少なくとも一部が配置されているため、幅広部によってそけい部近傍に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0016】
好ましい態様によれば、前記幅広部の前端縁は、前記股下域の前記前端縁と、前記股下域の前端縁から前側に20mmの位置と、の間に配置されている。股下域の前端縁と、前記股下域の前端縁から前側に20mの位置と、の間の領域は、そけい部近傍に対向して配置され易い。そけい部近傍に対向する領域において、吸収中央部の隆起した部分を高く形成できるとともに吸収中央部の隆起した部分の幅方向の長さを長く形成でき、横漏れを効果的に抑制できる。
【0017】
好ましい態様によれば、前記幅広部の幅方向の長さは、前記基準部から前記前後方向の外側に向かって長くなっている。本態様によれば、吸収中央部の隆起した際の高さが基準部から前後方向の外側に向かって高くなるとともに、吸収中央部の隆起した部分の幅方向の長さが長くなる。徐々に吸収隆起部の形状が変化するため、身体に対するフィット性を確保し易い。
【0018】
好ましい態様によれば、前記吸収中央部の曲げ剛性は、前記吸収隆起部の曲げ剛性よりも高い。吸収性物品を装着する際は、一般的に、身体から離れた位置の着用物品に吸収性物品を接合し、着用物品を介して吸収性物品を身体側に引き上げる。このとき、吸収性物品は、脚に対して擦れたり、着用物品に押圧されたりして、力がかかり変形し易い。吸収中央部の曲げ剛性が比較的高いため、装着時に吸収中央部に意図しない変形が生ずることを抑制できる。よって、着用時における吸収中央部の意図した変形を実現でき、会陰部近傍又はそけい部に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0019】
好ましい態様によれば、少なくとも前記吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されており、前記圧搾部は、前記吸収性物品の幅方向の中心である物品幅中心に対する一方側に配置された第1圧搾部と、前記物品幅中心に対する他方側に配置された第2圧搾部と、を有し、前記第1圧搾部及び前記第2圧搾部は、前記吸収中央部に少なくとも配置され、前記前後方向に対して傾斜して延び、前記前後方向に沿って延びる前後仮想線に対して線対称である。本態様によれば、吸収中央部には、第1圧搾部及び第2圧搾部による変形基点が形成され、厚み方向により変形し易くなる。第1圧搾部及び第2圧搾部が前後方向に対して傾斜して延びているため、幅方向内側に向かう力が吸収性物品にかかった際に当該幅方向に沿う力を前後方向に沿って伝達し、当該力によって変形する領域を前後方向に広げることができる。また、第1圧搾部及び第2圧搾部は、物品幅中心に対する両側に設けられているため、吸収中央部の幅方向の全体にわたって変形し易くなる。よって、前後方向及び幅方向の広い範囲で吸収中央部を変形させ、身体に対するフィット性を高めることができる。
【0020】
好ましい態様によれば、少なくとも前記吸収コアが厚み方向に圧搾された圧搾部が形成されており、前記圧搾部は、前記吸収中央部において、非肌面側から肌面側に向かって凹んでいる。本態様によれば、吸収中央部の圧搾部が非肌面側から肌面側に凹んでいるため、吸収中央部の非肌面の曲げ剛性が吸収中央部の肌面側の曲げ剛性よりも高くなる。そのため、吸収中央部が厚み方向に変形する際に、肌面側に向かって隆起し易い。よって、身体に対するフィット性を高め、横漏れを抑制できる。
【0021】
好ましい態様によれば、前記吸収コアの非肌面には、厚み方向に凹む吸収凹部が形成されており、前記吸収凹部は、前記吸収中央部において前記吸収性物品の幅方向の中心である物品幅中心を跨ぎ、前記前後方向に沿って延びている。本態様によれば、吸収凹部が肌面側に向かって凹んでいるため、その変形基点は、肌面側に向かって凸状になる。よって、吸収中央部は、物品幅中心において吸収凹部を基点に肌面側に向かって凸状に変形し易くなる。
【0022】
好ましい態様によれば、前記吸収凹部の前記前後方向の外端縁は、前記吸収隆起部の前記前後方向の外端縁よりも前記前後方向の内側に位置する。本態様によれば、吸収凹部の外端縁と吸収隆起部の外端縁と間の領域では、吸収凹部による変形基点が形成されず、吸収凹部の外端縁より前後方向の内側の領域と比較して、吸収中央部が隆起した部分の高さを抑えることができる。吸収中央部の隆起状態が前後方向の外側に向かって徐々に低くなり、局所的に高さが変化する構成と比較して身体に対する隙間を抑制できる。
【0023】
好ましい態様によれば、前記吸収隆起部は、前記吸収中央部よりも非肌面側に突出した隆起非肌側領域を有する。本態様によれば、吸収コアの幅方向に沿った断面において、吸収コアの非肌面は、幅方向の側部(吸収隆起部が配置された部分)が厚み方向に膨らみ、幅方向の中央部(吸収中央部が配置された部分)が凹んでいる。このような断面において幅方向の外側から内側に向かう力がかかると、吸収隆起部の隆起非肌側領域は、幅方向の内側に移動し、吸収コアの外側部は、非肌面側が肌面側よりも幅方向の内側に移動し、吸収コアの幅方向の中央部は、肌面側に向かって隆起し易くなる。よって、身体に対するフィット性を高め、横漏れを抑制できる。
【0024】
好ましい態様によれば、前記吸収隆起部は、前記隆起非肌側領域と、前記吸収中央部よりも肌面側に突出した前記隆起肌側領域と、を有し、前記隆起非肌側領域の密度は、前記隆起肌側領域の密度よりも高い。本態様によれば、隆起非肌側領域の密度が比較的高いため、隆起肌側領域から隆起非肌側領域に体液を引きこむことができる。また、体液が、非肌面側(隆起肌側領域から隆起非肌側領域)に引き込まれるため、吸収性物品の肌面の液量を減少させ、液戻り量を低減することができる。
【0025】
好ましい態様によれば、前記吸収コアよりも肌面側に配置され、着用者の肌に当接する表面シートを有し、前記表面シートにおける前記吸収中央部と重なる領域には、機能性材料が設けられている。本態様によれば、吸収中央部と重なる領域は、身体に対して過度に密着し難く、身体に対して擦れることに起因して機能性材料が脱落することを抑制できる。よって、機能性材料の機能を持続し易い。
【0026】
好ましい態様によれば、前記吸収コアには、複数の溝部が設けられており、前記溝部は、前記吸収隆起部に設けられた隆起溝部と、前記吸収中央部に設けられた中央溝部と、を有しており、前記隆起溝部の溝幅は、前記中央溝部の溝幅よりも狭い。本態様によれば、隆起溝部及び中央溝部が設けられているため、複数の変形基点を介して吸収隆起部及び吸収中央部を身体に沿うようにしなやかに変形させることができる。また、中央溝部の溝幅が広いため、中央溝部において周囲に体液を拡散し、吸収コアの広い範囲で体液を拡散できる。一方、隆起溝部の溝幅が狭いため、吸収隆起部において体液の拡散を抑制し、横漏れを抑制できる。
【0027】
好ましい態様によれば、前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向の内側に向かって凹む括れ部を有しており、前記括れ部は、少なくとも前記股下域に配置されており、前記括れ部から前記幅方向の内側に延びる領域には、前記吸収隆起部が配置されている。股下域は、着用者の脚によって挟まれ易い。当該股下域において括れ部が設けられているため、吸収コアの外側縁が着用者の曲線状の脚回りにフィットし易い。また、括れ部から前記幅方向の内側に延びる領域に吸収隆起部が設けられているため、脚に括れ部がフィットすることで、括れ部を介して吸収隆起部を身体側に押し当てて、吸収隆起部を身体にフィットさせることができる。
【0028】
(2)実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、母乳パッド、大人用失禁パッド、糞便パッド又は汗取りシートのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、使用者の下着のような着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0029】
図1は、実施形態に係る吸収性物品の肌面側T1から見た平面図である。図2は、実施形態に係る吸収性物品の非肌面側T2から見た平面図である。図3は、吸収コアの肌面側T1から見た平面図である。図4は、吸収コアの非肌面側T2から見た平面図である。図5は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。図6は、図1に示すD-D線に沿った断面図である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。吸収性物品1は、前後方向L、幅方向W及び厚み方向Tを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。厚み方向Tは、肌面側T1と非肌面側T2に延びる方向である。
【0030】
吸収性物品1は、股下域S2、前側域S1及び後側域S3を有する。股下域S2は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向して配置される領域である。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、股下域S2は着用物品の股下に配置され、着用者の両脚の間に配置される領域である。前側域S1は、股下域S2よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S3は、股下域S2よりも後方に位置する。後側域S3の後端縁は、吸収性物品1の後端縁を規定する。股下域S2は、股下域S2の前後方向Lの中心である股下中心S2CLと股下域S2の前端縁との間に延びる前股下域S21と、股下中心S2CLと股下域S2の後端縁との間に延びる後股下域S22と、を有する。
【0031】
股下域S2には、ウイング25が設けられてよい。ウイング25は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に延出し、使用時に着用物品の非肌面側T2に折り畳まれる。ウイング25は、表面シート21と裏面シート22を有してよい。ウイング25の前端縁は、ウイング25の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング25の前端縁は、股下域S2と前側域S1との境界を規定してもよい。ウイング25の後端縁は、ウイング25の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング25の後端縁は、股下域S2と後側域S3との境界を規定してもよい。また、ウイング25の内側縁は、ウイングの付け根であり、ウイング25の前端縁とウイング25の後端縁を繋ぐ仮想線となる。また、ウイング25を有しない吸収性物品1にあっては、吸収性物品1の前後方向Lの長さが最も長い位置において、吸収性物品1を前後方向Lに3等分した領域のそれぞれが、前側域S1、股下域S2及び後側域S3を構成してもよい。
【0032】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0033】
後側域S3には、ヒップフラップ27が設けられてよい。ヒップフラップ27は、後側域S3において幅方向Wの外側に膨らんでいる。ヒップフラップ27は、円弧状であってもよいし、複数の曲線からなる波状であってもよい。ヒップフラップ27は、使用時に着用物品の非肌面側T2に折り畳まれず、臀部に対向して配置される。ヒップフラップ27は、表面シート21と裏面シート22を有してよい。
【0034】
吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート21と、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート22と、表面シート21と裏面シート22の間の吸収コア31と、を含む。表面シート21は、吸収コア31よりも肌面側T1に配置され、使用中に着用者の肌の方に向いて配置される。表面シート21は、繊維を有する不織布又は織布によって構成されてよい。表面シート21は、液透過性シートから構成されていてよい。裏面シート22は、液不透過性シートを含んでいてよい。図1及び図5等に示すように、表面シート21は、吸収コア31の幅方向Wの中央を覆うセンターシート21Cと、センターシート21Cの外側部に重なるサイドシート21Sと、と有してよい。センターシート21Cは、サイドシート21Sよりも肌面側T1に配置されてよい。サイドシート21Sの内側縁は、幅方向Wの外側に折り返されてよい。また、変形例において、折り返されたサイドシート21S間には、弾性部材が配置されてよい。
【0035】
吸収コア31は、吸収性物品1の前後方向Lに沿って延びている。吸収コア31は、水分を吸収可能な吸収材料を有する。吸収材料は、パルプ、高吸収性ポリマー(SAP)を例示できる。図5に示すように、吸収コア31は、コアラップ24によって覆われていてよい。コアラップ24は、例えばティッシュにより構成することができる。吸収コア31は、前側域S1、股下域S2及び後側域S3に配置されてよい。吸収コア31については、後述にて詳細に説明する。
【0036】
図2に示すように、吸収性物品1の非肌面側T2(裏面シート22の非肌面)には、接合部50が設けられてよい。接合部50は、吸収性物品1を着用物品に接合するための粘着剤が設けられた領域である。接合部50は、吸収コア31と重なる領域に配置された本体接合部51と、ウイング25に設けられたウイング接合部52と、ヒップフラップ27に設けられたフラップ接合部53と、を有してよい。本体接合部51は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて配置されている。なお、変形例において、本体接合部51は、幅方向Wに延び、かつ前後方向Lに間隔を空けて配置されていてもよい。接合部50は、図示しない剥離シート又は個包装シートによって使用前に覆われていてよい。
【0037】
吸収性物品1は、少なくとも吸収コア31が厚み方向Tに圧搾された圧搾部80を有してよい。圧搾部80は、少なくとも吸収コア31が厚み方向Tに圧搾されていればよく、コアラップ24も厚み方向Tに圧搾されていてもよいし、表面シート21も厚み方向Tに圧搾されていてもよい。本実施の形態の圧搾部80は、表面シート21、コアラップ24、及び吸収コア31が厚み方向Tに圧縮された部分である。吸収コア31のみを厚み方向Tに圧縮した構成と比較して、密度がより高くなり、変形基点として機能し易くなる。また、センターシート21Cとサイドシート21Sは、圧搾部80を介して一体化されていてよい。サイドシート21Sは、下着の非肌面側T2に巻き込まれ、下着に固定されるため、着用時にずれ難い。サイドシート21Sとセンターシート21Cが一体化され、センターシート21Cと吸収コア31が圧搾部80を介して強固に結合するため、吸収コア31がよりよれ難くなる。圧搾部80は、少なくとも股下域S2に配置された中央圧搾部81と、前側域S1に配置された前側圧搾部82と、を有してよい。図3に示すように、中央圧搾部81は、第1圧搾部811、第2圧搾部812及び第3圧搾部813を有し、本発明の「圧搾部」を構成する。第1圧搾部811は、吸収性物品の幅方向Wの中心である物品幅中心1WCに対する一方側に配置されており、格子状である。第2圧搾部812は、物品幅中心1WCに対する他方側に配置されており、格子状である。第3圧搾部813は、吸収隆起部34の内側辺に沿って配置されており、円弧状である。第1圧搾部811、第2圧搾部812及び第3圧搾部813は、股下域S2に少なくとも配置されていればよいが、本実施の形態では、股下域S2、前側域S1及び後側域S3に跨っている。
【0038】
次いで、吸収コア31について詳細に説明する。吸収コア31は、吸収隆起部34と、吸収中央部32と、吸収前部36と、吸収後部38と、を有してよい。吸収隆起部34は、股下域S2における吸収コア31の外側部(幅方向Wの側部)に一対で配置されている。なお、吸収隆起部34は、吸収コア31の外側縁31Eと離間し、外側縁31Eよりも幅方向Wの内側に配置されてもよいし、吸収コア31の外側縁31Eに配置されていてもよい。本実施の形態の吸収隆起部34は、吸収コア31の外側縁31Eと離間し、外側縁31Eよりも幅方向Wの内側に配置されている。吸収隆起部34は、少なくとも股下域S2に配置されていればよく、股下域S2と前側域S1に跨がっていてもよいし、股下域S2と後側域S3に跨がっていてもよい。本実施の形態の吸収隆起部34は、股下域S2、前側域S1、及び後側域S3に跨がっている。
【0039】
吸収隆起部34は、左右に離間して一対で配置されている。一対の吸収隆起部34は、部分的に互いに連なっていてもよいが、好適には、吸収隆起部34の前後方向Lの全域に亘って互いに離間してよい。吸収隆起部34の内側辺は、前後方向Lの中心が幅方向の内側に向かって突出する湾曲形状である。変形例において吸収隆起部34の内側辺は、前後方向Lに沿う直線状であってよいし、前後方向Lの中心が幅方向の外側に向かって突出する湾曲形状であってもよい。吸収隆起部34の外側辺は、前後方向Lに沿う直線状である。変形例において、吸収隆起部34の外側辺は、前後方向Lの中心が幅方向Wの外側に向かって突出する湾曲形状であってもよいし、幅方向の内側に向かって突出する湾曲形状であってもよい。
【0040】
吸収隆起部34は、吸収中央部32よりも厚い厚みを有していればよく、吸収隆起部34内で厚みが変化してもよい。なお、吸収中央部32から吸収隆起部34にかけて徐々に厚みが変化する形態にあっては、股下域S2の前後方向L及び幅方向Wの中心における吸収コア31の厚みを基準として、当該基準に対する10%の範囲までの部分を吸収中央部32とすることができる。吸収隆起部34は、吸収中央部32よりも厚い厚みを有する部分であり、吸収隆起部34の端縁(前端縁、後端縁、内側縁、及び外側縁)は、吸収中央部32と同じ厚みの部分となる。また、吸収コア31において厚みが厚い部分は、吸収コア31を構成する吸収材料の坪量が多い部分であってもよいし、吸収材料の坪量が周囲と同じであるが密度が低い部分であってもよいし、周囲よりも多くの吸収層が積層された領域であってもよい。
【0041】
吸収中央部32は、吸収隆起部34間に挟まれた部分であって、吸収隆起部34よりも薄い厚みを有する部分である。吸収中央部32の前端縁32Fは、左右の吸収隆起部34の前端縁34Fを繋ぐ仮想線に一致する。吸収中央部32の後端縁32Rは、左右の吸収隆起部34の後端縁34Rを繋ぐ仮想線に一致する。吸収中央部32は、股下域S2における物品幅中心1WCを含んでいる。図3及び図5に示すように、股下域S2の前後方向Lにおける中心である股下中心S2CLにおいて、吸収中央部32は、吸収コア31を幅方向Wに三等分した領域のうち、幅方向Wの中央に位置する領域の全体に配置されてよい。股下中心S2CLにおいて、吸収中央部32の幅方向Wの長さ32Wは、各吸収隆起部34の幅方向Wの長さ34Wよりも長くてよい。変形例において、股下中心S2CLにおいて、吸収中央部32の幅方向Wの長さ32Wは、各吸収隆起部34の幅方向Wの長さ34Wよりも短くてもよい。
【0042】
吸収中央部32は、基準部32Bと、基準部32Bよりも前後方向Lの外側に位置し、基準部32Bよりも幅方向Wの長さが長い幅広部32Sと、を有する。基準部32Bは、吸収中央部32において最も幅方向Wの長さが短い部分であってもよい。基準部32Bは、吸収隆起部34の内側辺によって挟まれた部分であってよく、前後方向Lに一定の長さを有していてもよい。幅広部32Sの幅方向Wの長さは、一定であってもよいし、変化していてもよい。本実施の形態の幅広部32Sの幅方向Wの長さは、基準部32Bから前後方向Lの外側に向かって長くなっている。幅広部32Sは、基準部32Bよりも前側に位置する前幅広部32SFと、基準部32Bよりも後側に位置する後幅広部32SRの少なくともいずれかを有してよい。すなわち、前幅広部32SFのみが設けられていてもよいし、後幅広部32SRのみが設けられていてもよいし、前幅広部32SFと後幅広部32SRの両方が設けられていてもよい。基準部32Bは、前股下域S21に位置してもよいし、後股下域S22に位置してもよい。また、前幅広部32SF及び後幅広部32SRのそれぞれは、前股下域S21のみに配置されていてもよいし、後股下域S22のみに配置されていてもよいし、前股下域S21及び後股下域S22の両方に設けられていてもよい。
【0043】
本実施の形態の吸収コア31は、吸収材料の坪量が異なる領域を複数有している。本実施の形態においては、吸収隆起部34が最も高い坪量(500g/m2)を有し、吸収前部36及び吸収後部38が次に高い坪量(400g/m2)を有し、それ以外の領域(吸収中央部32を含む)が低い坪量(200g/m2)を有している。すなわち、吸収隆起部34の吸収材料の坪量及び吸収前部36の吸収材料の坪量は、吸収中央部32の吸収材料の坪量よりも高くてよい。また、吸収中央部32は、吸収隆起部34よりも少ない吸収材料を有しているが、変形例において、吸収材料を有していなくてもよい(坪量が0であってもよい)。他の変形例において、複数の吸収層によって吸収コア31が構成され、吸収隆起部34の層数が吸収中央部32の層数よりも多くてもよい。また、吸収コア31は、複数のスリット(坪量が0の部分)を有してよい。複数のスリットは、前後方向L及び幅方向Wに沿って複数形成され、吸収コア31は、複数のブロックの集合体によって構成されてよい。複数のブロックのうち、厚みが厚いブロックが吸収隆起部34を構成し、厚みが薄いブロックが吸収中央部32を構成してもよいし、複数のブロックを有する区画が複数設けられ、最も厚みが厚いブロックを有する区画が吸収隆起部34を構成し、最も厚みが薄いブロックを有する区画が吸収中央部32を構成してもよい。このように、複数のスリットによって分断された複数のブロックを有する吸収コア31によれば、各ブロックが変形し易く、身体に追従し易い。よって、身体に対する追従性と横漏れを抑制する効果を両立できる。本実施の形態の吸収コアは、吸収前部36、吸収隆起部34、及び吸収後部38以外の領域の厚みは、吸収中央部32の厚みと実質的に同じである。すなわち、吸収中央部32と吸収後部38の間の領域の厚み、及び、吸収中央部32と吸収前部36の間の領域の厚みは、吸収中央部32の厚みと実質的に同じであってよい。
【0044】
ここで、本明細書における「吸収コアの厚み及び坪量」の測定は、測定圧3g/cm2、直径10mmの測定端子を有する厚み計(株式会社 尾崎製作所社製 Peacockダイヤルシックネスゲージ)を用いることができる。複数の吸収性物品がパッケージに収容された形態にあっては、同じパッケージから5つの吸収性物品を取り出し、その状態にて20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において12時間放置したサンプルを用いる。個包装シート等によって包装された吸収性物品においては包装体を開封し、折り畳まれた吸収性物品を展開して、吸収性物品の坪量を測定する部分の厚みを測定する。次いで、坪量を測定する部分を吸収性物品から切り出し、切り出した部分の重量を測定する。次いで、切り出した部分から吸収コアを取り除き、表面シート及び裏面シート等、吸収コア以外の厚み及び重量を測定する。なお、吸収コアが接着剤等で残っている場合には、トルエン等ですべて取り除き、24時間常温で乾燥させた後に測定する。最初に測定した吸収性物品の厚みから吸収コア以外の厚みを除き、吸収コアの厚みを測定する。また、切り出した部分の重量から吸収コア以外の重量を除き、坪量を測定する部分の面積に基づいて坪量を算出する。なお、吸収コアの坪量を測定する領域が複数あり、当該複数の領域が同一のシート(表面シート、コアラップ等)によって覆われている場合には、当該シートの坪量が同じであるとみなすことができるため、坪量を測定する部分を吸収性物品から切り出した後、シートを剥がさずに吸収コアの坪量を測定してもよい。すなわち、吸収コアの厚みを比較する場合、複数の測定位置において、同一のシート(表面シート、コアラップシート等)によって覆われている場合には、シート厚みは同じとみなし、厚みの大小を比較してもよい。
【0045】
次いで、図7から図11に基づいて、このように構成された吸収性物品の着用状態の作用効果について詳細に説明する。図7から図11は、着用物品としての下着Sに吸収性物品1を装着した状態である。図7は、図5に示す断面(A-A線に沿った断面)を基準とした着用状態(非押圧状態)の模式断面図である。図8は、図5に示す断面(A-A線に沿った断面)を基準とした着用状態(押圧状態)の模式断面図である。図9は、図1に示すB-B線に沿った断面を基準とした着用状態(非押圧状態)の模式断面図である。図10は、図1に示すC-C線に沿った断面を基準とした着用状態(非押圧状態)の模式断面図である。押圧状態は、両脚によって挟まれた状態や横向きに寝た状態等における幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に押圧された状態であり、非押圧状態は、幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に押圧されていない状態である。図11は、着用者を側方から見た側面を基準とした着用状態を説明するための模式図である。図7から図11において、着用者の身体の外形をラインBLで示しており、身体の部位をB1~B6で示している。また、図7から図11においては、説明の便宜上、吸収性物品1の外形のみを示しており、各構成部材の境界を示していない。
【0046】
本実施の形態の吸収性物品1は、膣口に対する違和感を抑制しつつ横漏れを抑制できるように構成されている。図7及び図8に示すように、股下中心S2CLは、着用状態において、両脚によって挟まれた空間内で膣口B1及び陰唇部B2に対向して配置される。このとき、吸収隆起部34は、股下域S2の側部に位置し、吸収中央部32を挟んで配置されている。吸収隆起部34は、膣口B1の側方に位置する陰唇部B2に対向して配置される。一般的に、陰唇部B2は、膣口B1よりも吸収性物品1側に膨らんでいる。吸収隆起部34は、吸収中央部32よりも厚い厚みを有する。そのため、吸収隆起部34は、陰唇部B2に密着し易い。吸収隆起部34が膣口B1から側方に導かれた体液を引き込むことで、横漏れを抑制できる。また、一対の吸収隆起部34は、吸収中央部32を挟んで配置され、互いに離間している。各吸収隆起部34のそれぞれが左右の陰唇部B2に密着した状態を維持することで、意図せずに吸収隆起部34が膣口に当たることを抑制できる。デリケートな膣口B1に吸収隆起部34が当たることに起因する違和感を抑制し、装着感を向上できる。
【0047】
図9に示すように、着用時に両脚によって吸収性物品が挟まれたり、下着によって身体側に吸収性物品が押圧されたりすると、吸収中央部32は、身体側に向かって隆起し易い。その際、吸収中央部32の厚みが吸収隆起部34よりも薄いため、吸収中央部32が身体側に隆起しても、吸収中央部32が膣口B1に対して密着し難い。より詳細には、吸収中央部32の厚みが薄いため、吸収中央部32が襞状又は肌面側T1に変形し、吸収中央部32の表面が膣口B1に触れることがある。しかし、吸収中央部32の厚みが厚くないため、身体の動きに応じて吸収中央部32が変形し易く、膣口B1に当接し続け難い。よって、膣口B1に対して吸収性物品1をフィットさせつつデリケートな膣口B1に対する違和感を抑制できる。
【0048】
吸収中央部32の幅広部32Sの少なくとも一部は、後股下域S22に配置されてよい。より詳細には、後幅広部32SR及び前幅広部32SFの少なくとも一方は、後股下域S22に配置されている。本実施の形態では、後幅広部32SRが後股下域S22に配置されている。なお、後幅広部32Sは、その全域が後股下域S22に配置されていてもよいし、後股下域S22と前股下域S21を跨っていてもよいし、後股下域S22と後側域S3を跨っていてもよい。後幅広部32SRは、基準部32Bよりも幅方向Wの長さが長い。そのため、吸収中央部32が隆起した状態において、幅広部32Sの高さは、基準部32Bの高さよりも高く、幅広部32Sの幅は、基準部32Bの幅よりも長くなり易い。着用者の膣口B1に対向する股下中心S2CLよりも後側に位置する後股下域S22の近傍には、会陰部B3が配置され易い。図9に示すように、一般的に、着用者の膣口B1よりも後側に位置する会陰部B3近傍は、膣口B1よりも凹んだ形状であって膣口B1よりも側方に位置する。会陰部B3近傍と吸収性物品1との隙間が生じ、横漏れが発生し易い後股下域S22に後幅広部32SRの少なくとも一部が配置されているため、後幅広部32SRによって会陰部B3近傍に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0049】
幅広部32Sの後端縁を構成する後幅広部32SRの後端縁は、股下域S2の後端縁と、股下域S2の後端縁から後側に120mmの位置と、の間に配置されてよい。幅広部32Sは、後股下域S22のみに配置されていてもよいし、後股下域S22と後側域S3に跨ってよい。股下域S2の後端縁と、股下域S2の後端縁から後側に120mmの位置と、の間の領域は、会陰部B3近傍に対向して配置され易く、かつ臀部に対向して配置され易い。会陰部B3近傍及び臀部近傍に対向する領域において、吸収中央部32の隆起した部分を高く形成できるとともに吸収中央部32の隆起した部分の幅方向Wの長さを長く形成できる。よって、会陰部近傍に対するフィット性のみならず、会陰部B3の側方に位置する臀部近傍に対するフィット性も確保し、横漏れを効果的に抑制できる。
【0050】
吸収隆起部34の後端縁34Rは、股下域S2よりも後側、かつヒップフラップ27の最大幅の位置27Mよりも前側に位置してよい。図11に示すように、着用者の膣口B1よりも後側に位置する会陰部B3の近傍は、膣口B1よりも凹んだ形状であり、吸収性物品1との隙間が生じ、横漏れが発生し易い。着用者の会陰部B3の近傍は、股下域S2の後端縁から後側にかけての領域に対向して配置され易い。吸収隆起部34の後端縁34Rが股下域S2よりも後側に配置されているため、会陰部B3の近傍に吸収隆起部34を当てて、横漏れをより抑制できる。また、ヒップフラップ27の最大幅27Mの位置は、一般的に臀部の膨らみ部分の頂点B4近傍に配置される。臀部の膨らみ部分の頂点B4よりも前側のみに吸収隆起部34が配置されているため、臀部の頂点B4に吸収隆起部34が当たることに起因する違和感を抑制できる。また、臀部の頂点B4に吸収隆起部34が当たっていると、臀部の動きが吸収隆起部34を介して股下域S2に伝わることがある。しかし、臀部の動きが吸収隆起部34を介して股下域S2に伝わり難くなり、股下域S2において吸収コア31を身体に当て続けることができる。また、吸収隆起部34の前端縁34Fは、股下域S2内に位置してもよいし、前側域S1に位置してよい。本実施の形態の吸収隆起部34の前端縁34Fは、股下域S2内に位置している。
【0051】
吸収中央部32の幅広部32Sの少なくとも一部は、前股下域S21に配置されてよい。より詳細には、後幅広部32SR及び前幅広部32SFの少なくとも一方は、前股下域S21に配置されている。本実施の形態では、前幅広部32SFが前股下域S21に配置されている。なお、前幅広部32SFは、その全域が前股下域S21に配置されていてもよいし、前股下域S21と後股下域S22を跨っていてもよいし、前股下域S21と前側域S1を跨っていてもよい。前幅広部32SFは、基準部32Bよりも幅方向Wの長さが長い。そのため、吸収中央部32が隆起した状態において、前幅広部32SFの高さは、基準部32Bの高さよりも高く、前幅広部32SFの幅は、基準部32Bの幅よりも長くなり易い。また、着用者の膣口B1に対向する股下中心S2CLよりも前側に位置する前股下域S21の近傍には、そけい部B5が配置され易い。図10に示すように、一般的に、着用者の膣口B1よりも前側に位置するそけい部B5近傍は、膣口B1よりも凹んだ形状であって膣口B1よりも側方に位置する。そのため、そけい部近傍と吸収性物品との隙間が生じ、横漏れが発生し易い。そけい部は、着用者の膣口に対向する股下中心S2CLよりも前側に位置し、前股下域の近傍に位置しやすい。前股下域に幅広部32Sの少なくとも一部が配置されているため、前幅広部32SFによってそけい部B5近傍に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0052】
幅広部32Sの前端縁を構成する前幅広部32SFの前端縁は、股下域S2の後端縁と、股下域S2の後端縁から後側に120mmの位置と、の間に配置されてよい。幅広部32Sは、前股下域S21と前側域S1に跨ってよい。股下域S2の前端縁と、股下域S2の前端縁から前側に20mの位置と、の間の領域は、そけい部B5近傍に対向して配置され易い。そけい部B5近傍に対向する領域において、吸収中央部32の隆起した部分を高く形成できるとともに吸収中央部32の隆起した部分の幅方向Wの長さを長く形成でき、横漏れを効果的に抑制できる。
【0053】
幅広部32Sの幅方向Wの長さは、前後方向Lの外側に向かって長くなってよい。より好適には、幅広部32Sの幅方向Wの長さは、基準部32Bから離れる側に向かって長くなってよい。すなわち、前幅広部32SFの幅方向Wの長さは、基準部32Bから前側に向かって長くなってよく、後幅広部32SRの幅方向Wの長さは、基準部32Bから後側に向かって長くなってよい。吸収中央部32の隆起した際の高さが基準部から前後方向Lの外側に向かって高くなるとともに、吸収中央部32の隆起した部分の幅方向Wの長さが長くなる。徐々に吸収隆起部34の形状が変化するため、身体に対するフィット性を確保し易い。なお、前後方向Lの外側に向かって長くなる形態では、連続的に長さが長くなる構成のみならず、変形例1に示すように、長さが一定の部分を含んで段階的に長くなる構成も含む概念である。より好適には、幅広部32Sの幅方向Wの長さは、前後方向Lの外側に向かって連続的に徐々に長くなってよい。段階的に長さが長くなる構成と比較して、局所的に変化する箇所が形成され難く、より身体に沿い易い。
【0054】
吸収隆起部34は、股下域S2に配置されており、吸収コア31の後端部及び前端部には、吸収端部が設けられてよい。吸収隆起部34の前後方向Lの中心は、股下域S2内に位置してよい。股下域S2の幅方向の側部に、比較的坪量が高い吸収隆起部34が形成されているため、膣もしくは排尿口から幅方向の外側に拡散し、吸収コア31の外側部に導かれた体液を保持でき、横漏れを抑制できる。吸収コア31の後端部及び前端部には、比較的坪量の低い吸収端部が配置されてよい。よって、吸収コア31の後端部及び前端部に比較的坪量が高い部分が形成されず、吸収コア31の端部が身体に沿い難くなることを抑制できる。吸収コア31の端部が身体により沿い易くするために、吸収端部は、吸収コア31の幅方向の全域に設けられてよい。本実施の形態の吸収端部は、吸収コア31の前端縁と吸収前部36の前端縁の間において幅方向の全域に設けられ、吸収コア31の後端縁と吸収後部38の後端縁(第2吸収後部の後端縁)の間において幅方向の全域に設けられている。吸収隆起部34の前後方向の長さは、吸収コアの前後方向の長さに対する1/2以下であってよい。
【0055】
吸収中央部32の曲げ剛性は、吸収隆起部34の曲げ剛性よりも高くてよい。吸収性物品1を装着する際は、一般的に、身体から離れた位置の着用物品Sに吸収性物品1を接合し、着用物品Sを介して吸収性物品1を身体側に引き上げる。このとき、吸収性物品1は、脚に対して擦れたり、着用物品Sに押圧されたりして、力を受けて変形し易い。吸収中央部32の曲げ剛性が比較的高いため、装着時に意図しない変形が吸収中央部32に生ずることを抑制できる。よって、着用時における吸収中央部32の意図した変形を実現でき、会陰部B3近傍又はそけい部B5に対するフィット性を確保し、横漏れを抑制できる。
【0056】
本明細書における「曲げ剛性」は、ガーレー剛軟度によって測定された値であってもよい。ガーレー剛軟度の測定は、(株)安田精機製作所製のNo311のガーレー式柔軟度試験機を用いて、JIS-L1096に準拠して測定することが可能である。ガーレー剛軟度の測定のサンプルの幅方向Wの長さは、30mm、前後方向Lの長さは、25mmとすることができる。
【0057】
中央圧搾部81は、物品幅中心1WCに対する一方側に配置された第1圧搾部811と、物品幅中心に対する他方側に配置された第2圧搾部812と、を有してよい。第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、吸収中央部32に少なくとも配置され、前後方向Lに対して傾斜して延び、前後方向Lに沿って延びる仮想線に対して線対称であってよい。第1圧搾部811と第2圧搾部812は、連続しており、一体化していてもよい。吸収中央部32には、第1圧搾部811及び第2圧搾部812による変形基点が形成される。そのため、吸収中央部32は、厚み方向Tにより変形し易くなる。第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、前後方向Lに対して平行でなく、前後方向Lに対して傾斜して延びている。そのため、幅方向W内側に向かう力が吸収性物品にかかった際に当該幅方向Wに沿う力を、第1圧搾部811及び第2圧搾部812を介して前後方向Lに沿って伝達し、当該力によって変形する領域を前後方向Lに広げることができる。また、第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、物品幅中心1WCに対する両側に設けられているため、吸収中央部32の幅方向Wの一方側の領域のみ変形する等、変形の偏りを抑制し、吸収中央部32の幅方向Wの全体にわたって変形し易くなる。よって、前後方向L及び幅方向Wの広い範囲で吸収中央部32を変形させ、身体に対するフィット性を高めることができる。本実施の形態の第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、格子状であり、互いに連なっている。しかし、変形例において、第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、平行に延びる線状のみであって、格子状でなくてもよい。また、第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、吸収隆起部34と離間してよい。吸収隆起部34と吸収中央部32のそれぞれが独立して変形し易くなる。第1圧搾部811及び第2圧搾部812は、股下中心S2CLよりも前後方向Lの外側に少なくとも配置されてよい。会陰部B3又はそけい部B5に対するフィット性をより向上できる。
【0058】
圧搾部80は、吸収中央部32において、非肌面側T2から肌面側T1に向かって凹んでよい。より詳細には、中央圧搾部81の少なくとも一部は、非肌面側T2から肌面側T1に向かって凹んでよい。本実施の形態では、第1圧搾部811、第2圧搾部812及び第3圧搾部813は、いずれも非肌面側T2から肌面側T1に向かって凹んでいる。吸収中央部32の圧搾部80が非肌面側T2から肌面側T1に凹んでいるため、吸収中央部32の非肌面の曲げ剛性が吸収中央部32の肌面側T1の曲げ剛性よりも高くなる。そのため、吸収中央部32が厚み方向Tに変形する際に、肌面側T1に向かって隆起し易い。よって、身体に対するフィット性を高め、横漏れを抑制できる。
【0059】
第3圧搾部813は、吸収隆起部34の内側辺に沿って、吸収中央部32の幅方向Wの中心を挟んで一対で設けられてよい。吸収中央部32の幅方向Wの中心を挟んだ両側に、第3圧搾部813による変形基点を設けることができ、第3圧搾部813間において吸収中央部32がより隆起し易くなる。加えて、第3圧搾部813が吸収中央部32の幅方向Wの中心に設けられていると、吸収中央部32の幅方向Wの中心に折り線が形成され、図8に示すように吸収中央部32が滑らかに隆起し難くなるおそれがある。しかし、第3圧搾部813が吸収中央部32の幅方向Wの中心からずれた位置に設けられているため、吸収中央部32の幅方向Wの中心を含む領域が凸状に隆起し易くなる。また、このように構成された第3圧搾部813によれば、吸収中央部32から吸収隆起部34側(側方)への体液の引き込みを高めることができる。また、吸収中央部32と吸収隆起部34の間の吸収材料の移動を抑制し、それぞれの形状を維持できる。
【0060】
図4及び図5に示すように、吸収コア31の非肌面には、厚み方向Tに凹む吸収凹部39が形成されてよい。吸収凹部39は、吸収中央部32において吸収性物品の幅方向Wの中心である物品幅中心を跨ぎ、前後方向Lに沿って延びてよい。吸収凹部39は、周囲よりも吸収材料の坪量が低い部分であってもよいし、吸収材料の坪量が周囲と同じであるが密度が低い部分であってよい。吸収凹部39は、吸収コア31を厚み方向Tに貫通してなく、吸収材料が配置されていてよい。吸収凹部39は、厚み方向Tに凹んでおり、吸収コア31の変形基点である。また、吸収凹部が肌面側T1に向かって凹んでいるため、図9に示すように、吸収凹部39を基点とした吸収中央部32の変形は、肌面側T1に向かって凸状になる。よって、吸収中央部32は、物品幅中心1WCにおいて吸収凹部39を基点に肌面側T1に向かって凸状に変形し易くなる。
【0061】
吸収凹部39の前後方向Lの外端縁は、吸収隆起部34の前後方向Lの外端縁よりも前後方向Lの内側に位置してよい。すなわち、吸収凹部39の前端縁39Fは、吸収隆起部34の前端縁34Fよりも後側に位置してよく、吸収凹部39の後端縁39Rは、吸収隆起部34の後端縁34Rよりも前側に位置してよい。吸収凹部39の外端縁と吸収隆起部34の外端縁と間の領域では、吸収凹部39による変形基点が形成されず、吸収凹部39の外端縁より前後方向Lの内側の領域と比較して、吸収中央部32が隆起した部分の高さを抑えることができる。吸収中央部32の隆起状態が前後方向Lの外側に向かって徐々に低くなり、局所的に高さが変化する構成と比較して身体に対する隙間を抑制できる。
【0062】
図5に示すように、吸収隆起部34は、吸収中央部32よりも非肌面側T2に突出した隆起非肌側領域342を有してよい。すなわち、吸収中央部32の非肌面は、吸収隆起部34の非肌面よりも肌面側T1に凹んでいてもよい。隆起非肌側領域342は、吸収隆起部34と隣接する吸収中央部32の非肌面よりも非肌面側T2に位置する部分である。吸収コア31の幅方向Wに沿った断面において、吸収コア31の非肌面は、幅方向Wの側部(吸収隆起部が配置された部分)が厚み方向Tに膨らみ、幅方向Wの中央部(吸収中央部32が配置された部分)が凹んでいる。このような断面において幅方向Wの外側から内側に向かう力がかかると、吸収隆起部34の隆起非肌側領域342が幅方向Wの内側に移動し、吸収コア31の外側部は、非肌面側T2が肌面側T1よりも幅方向Wの内側に移動し、吸収コア31の幅方向Wの中央部は、肌面側T1に向かって隆起し易くなる。よって、身体に対するフィット性を高め、横漏れを抑制できる。
【0063】
図5に示すように、吸収隆起部34は、吸収中央部32よりも肌面側T1に突出した隆起肌側領域341を有してよい。すなわち、吸収中央部32の肌面は、吸収隆起部34の肌面よりも非肌面側T2に凹んでよい。隆起肌側領域341は、吸収隆起部34と隣接する吸収中央部32の肌面よりも肌面側T1に位置する部分である。隆起非肌側領域342の密度は、隆起肌側領域341の密度よりも高くてよい。隆起非肌側領域342の密度が比較的高いため、隆起肌側領域341から隆起非肌側領域342に体液を引きこむことができる。また、体液が、非肌面側(隆起肌側領域から隆起非肌側領域側)T2に引き込まれるため、吸収性物品1の肌面の液量を減少させ、液戻り量を低減することができる。
【0064】
隆起非肌側領域342の厚みは、隆起肌側領域341の厚みよりも厚くてよい。隆起非肌側領域342の厚みが隆起肌側領域341よりも厚いため、吸収コア31が幅方向に押圧された際に、隆起非肌側領域342が脚に当たり易く、吸収隆起部34の外側縁34Eの内倒れをより抑制できる。また、吸収隆起部34内の非肌面側において体液を吸収できる吸収容量を確保できる。
【0065】
吸収コア31は、前側域S1において、吸収中央部32よりも厚みが厚い吸収前部36を有してよい。吸収前部36は、少なくとも前側域S1に配置されていればよく、前側域S1のみに設けられてよい。前側域S1は、排泄口よりも前側に位置する恥骨間の膨らみ部分B6(図10及び図11参照)と対向して配置され易い。前側域S1に比較的厚みが厚い吸収前部36が設けられているため、恥骨間の膨らみ部分B6と吸収性物品1が摩擦抵抗によってずれ難くなり、恥骨間の膨らみ部分に対して吸収性物品1をフィットさせることができる。上述のように、後側域S3では、ヒップフラップ27が臀部の頂点に対してフィットし、股下域S2では、吸収隆起部34が左右の陰唇部B2にフィットし、更に前側域S1では、吸収前部36が恥骨間の膨らみ部分B6に対してフィットすることにより、寝姿勢において下着S及び吸収性物品1が重力によって側方にずれ難くなる。よって、膣口B1の側方に吸収隆起部34を当て続け、吸収隆起部34によって体液を吸収することにより、横漏れを抑制できる。
【0066】
吸収コア31は、後側域S3において、吸収中央部32よりも厚みが厚い吸収後部38を有してよい。吸収後部38は、少なくとも後側域S3に配置されていればよく、後側域S3のみに設けられてよい。本実施の形態の吸収後部38は、第1吸収後部381と、第1吸収後部381と離間しており、第1吸収後部381よりも後側に位置する第2吸収後部382と、を有してよい。なお、吸収後部38は、複数設けられていてもよいし、1個であってもよい。吸収後部38は、物品幅中心1WCを跨ってよい。なお、吸収後部38が複数設けられている形態にあっては、いずれかの吸収後部38(第1吸収後部381又は第2吸収後部382)が物品幅中心1WCを跨ってよい。吸収後部38は、吸収中央部32よりも厚みが厚く、吸収中央部32の変形がそのまま連続せずにフラットな形状を実現し易い。物品幅中心1WCにおける吸収中央部32よりも後側の領域をフラットな形状にすることで、臀裂を幅方向Wに跨ぐ領域に面状の吸収コア31を配置でき、後側への伝え漏れを抑制できる。また、第1吸収後部381と第2吸収後部382の間が離間していることにより、第1吸収後部381と第2吸収後部382の間に緩衝領域を設け、第1吸収後部381と第2吸収後部382を面状で当て続け、後漏れを抑制する効果をより抑制できる。
【0067】
吸収後部38の少なくとも一部は、股下中心S2CLから200mm後方の位置までの範囲に配置されていることが好ましい。着用者の身体の前後方向Lに沿った断面において、臀部間の溝は、会陰部を越えた辺りからはじまり、尾てい骨に至るまで存在し、股下中心S2CLから200mm後方の位置までの範囲に対向して配置され易い。吸収後部38が臀部間の溝に配置され易くなり、後漏れをより抑制できる。
【0068】
表面シート21における吸収中央部32と重なる領域には、機能性材料が設けられよい。より詳細には、吸収中央部32を覆うセンターシート21Cにおける吸収中央部32と重なる領域には、機能性材料が設けられてよい。上述のように、吸収中央部32と重なる領域は、身体に対して過度に密着し難く、身体に対して擦れることに起因して機能性材料が脱落することを抑制できる。よって、機能性材料の機能を持続し易い。なお、機能性材料は、少なくとも吸収中央部32と重なる領域に配置されていればよく、吸収中央部32以外と重なる領域(例えば、吸収隆起部と重なる領域)にも配置されていれもよい。また、機能性材料は、冷感剤、抗菌剤、表面の改質剤、香料を例示できる。
【0069】
次いで、図12及び図13に基づいて、変形例に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の変形例の説明において、上述の吸収性物品と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。図12は、変形例1に係る吸収性物品1Xの肌面側T1から見た平面図である。変形例1に係る吸収性物品1Xは、ヒップフラップ27に設けられたフラップコア部35を有する。フラップコア部35は、吸収材料が配置されており、表面シート21としてのサイドシート21Sと裏面シート22の間に配置されている。なお、フラップコア部35は、吸収コア31と離間していてもよいし、吸収コア31と連なっていてもよい。
【0070】
フラップコア部35は、吸収隆起部34の後端縁34Rから吸収隆起部34の内側辺に沿って延びる後側延長線FLR上に配置されている。着用者の脚によって幅方向Wの内側に押圧された状態では、吸収隆起部34の内側辺が変形基点となって吸収コア31が変形し、吸収隆起部34の内側辺に沿って折り線が形成される。この折り線は、吸収隆起部34の内側辺に沿って形成され、かつ吸収隆起部34の内側辺に沿う後側延長線FLR上に延びる。吸収中央部32に排出された体液は、吸収中央部32において吸収され、吸収中央部32において吸収しきれなかった体液は、後側延長線に沿って拡散することがある。このとき、後側延長線上にフラップコア部が設けられているため、後側延長線に沿って拡散した体液を吸収し、ヒップフラップにおける横漏れを抑制できる。なお、図12に示すような吸収隆起部34の内側辺が段階的に変化する形態にあっては、後側延長線FLRは、吸収隆起部において最も幅が広い部分の内側縁と吸収隆起部の後端縁を結ぶ直線に置き換えることができ、当該後側延長線上にフラップコア部35が配置されてよい。
【0071】
図13は、変形例2に係る吸収性物品1Yの肌面側T1から見た平面図であるの変形例2に係る吸収性物品1Yは、吸収コア31に括れ部37と溝部が設けられている。吸収コア31の外側縁31Eは、幅方向Wの内側に向かって凹む括れ部37を有している。括れ部37は、吸収コア31の外側縁31Eが前後方向Lに隣接する部分よりも幅方向Wの内側に凹んだ部分である。括れ部37は、少なくとも股下域S2に配置されている。括れ部37から方向の内側に延びる領域には、吸収隆起部34が配置されている。変形例2に係る括れ部37は、左右の吸収コア31の外側縁31Eにそれぞれ設けられている。当該形態では、左右の括れ部37によって挟まれた領域に、吸収隆起部34の少なくとも一部が配置されていればよい。股下域S2は、着用者の脚によって挟まれ易い。当該股下域S2において括れ部37が設けられているため、吸収コア31の外側縁31Eが着用者の曲線状の脚回りにフィットし易い。また、括れ部37から前記幅方向Wの内側に延びる領域に吸収隆起部34が設けられているため、脚に括れ部37がフィットすることで、括れ部37を介して吸収隆起部34を身体側に押し当てて、吸収隆起部34を身体にフィットさせることができる好ましくは、着用者の曲線状の脚回りにフィットし易い効果をより得るために、括れ部は、円弧状の曲線形状であってよい。
【0072】
変形例2に係る吸収コア31には、複数の溝部が設けられている。溝部は、周囲と比較して凹んだ部分であればよく、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部であってもよいし、エンボス等によって押圧されたことによって周囲よりも厚みが薄い部分であってもよい。なお、溝部を構成する低坪量部は、吸収材料の坪量が実質的に0であるスリットであってよい。溝部は、吸収隆起部34に設けられた隆起溝部41と、吸収中央部32に設けられた中央溝部42と、を有している。隆起溝部41及び中央溝部42が設けられているため、複数の変形基点を介して吸収隆起部34及び吸収中央部32を身体に沿うようにしなやかに変形させることができる。隆起溝部41の溝幅41Wは、中央溝部42の溝幅42Wよりも狭い。ここで溝幅は、溝が延びる方向(変形例においては幅方向W)に対して直交する方向の溝の長さである。中央溝部42の溝幅42Wが広いため、中央溝部42において周囲に体液を拡散し、吸収コア31の広い範囲で体液を拡散できる。一方、隆起溝部41の溝幅41Wが狭いため、吸収隆起部34において体液の拡散を抑制し、横漏れを抑制できる。また、好適には、隆起溝部41及び中央溝部42のそれぞれは、幅方向Wに延び、前後方向Lに間隔を空けて設けられてよい。複数の変形基点を介して吸収隆起部34及び吸収中央部32が、身体の前後方向Lに延びる丸みに沿い易くなる。よって、身体に対する追従性をより向上できる。なお、隆起溝部41及び中央溝部42は、前後方向Lに延びる溝部のみであってもよいし、前後方向Lに延びる溝部と幅方向Wに延びる溝部の両方であってもよいし、幅方向Wに延びる溝部のみであってもよい。
【0073】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
膣口に対する違和感を抑制しつつ横漏れを抑制できる吸収性物品を提供することができる。
【符号の説明】
【0075】
1、1X、1Y :吸収性物品
1WC :物品幅中心
21 :表面シート
22 :裏面シート
27 :ヒップフラップ
27M :最大幅
31 :吸収コア
32 :吸収中央部
32B :基準部
32S :幅広部
34 :吸収隆起部
341 :隆起肌側領域
342 :隆起非肌側領域
381 :第1吸収後部
35 :フラップコア部
36 :吸収前部
37 :括れ部
38 :吸収後部
39 :吸収凹部
41 :隆起溝部
42 :中央溝部
50 :接合部
51 :本体接合部
52 :ウイング接合部
53 :フラップ接合部
80 :圧搾部
81 :中央圧搾部
82 :前側圧搾部
83 :第3圧搾部
811 :第1圧搾部
812 :第2圧搾部
813 :第3圧搾部
B1 :膣口
B2 :陰唇部
B3 :会陰部
B4 :臀部の膨らみ部分の頂点
B5 :そけい部
B6 :恥骨間の膨らみ部分
FLR :後側延長線
S :着用物品(下着)
S1 :前側域
S2 :股下域
S21 :前股下域
S22 :後股下域
S2CL :股下中心
S3 :後側域
L :前後方向
T :厚み方向
T1 :肌面側
T2 :非肌面側
W :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13