(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】フォルダブル円偏光板および表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20230104BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230104BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230104BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230104BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230104BHJP
【FI】
G02B5/30
G09F9/00 313
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2019533345
(86)(22)【出願日】2016-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2016015127
(87)【国際公開番号】W WO2018117302
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-06-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】大山 毅
(72)【発明者】
【氏名】李 承▲ヒョン▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲ヒョン▼碩
(72)【発明者】
【氏名】中田 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】石井 融
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】里村 利光
【審判官】関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-163940(JP,A)
【文献】特開2012-77057(JP,A)
【文献】特開2015-143790(JP,A)
【文献】特開2004-309612(JP,A)
【文献】特開2016-139058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/30
G09F9/00
H01L51/50
H01L27/32
H05B33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子と、
前記偏光子の一面に位置し、液晶層を含むフォルダブル可能な補償フィルムと、
を含み、
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する液晶を含み、
前記液晶層の450nm、550nmおよび650nm波長に対する面内位相差は、下記関係式1または2を満たし、
前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収し、
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、50%以上であり、
CIE-L
ab色座標系で反射色相がΔa
*b
*≦5.0を満たし、
前記補償フィルムの400nmおよび550nm波長の光の透過率が、下記関係式3aaを満たす、フォルダブル円偏光板:
[関係式1]
R
e(450nm)<R
e(550nm)≦R
e(650nm)
[関係式2]
R
e(450nm)≦R
e(550nm)<R
e(650nm)
[関係式3aa]
T
2/T
1≦0.4
前記関係式1または2において、
R
e(450nm)は、450nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
R
e(550nm)は、550nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
R
e(650nm)は、650nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
前記関係式3aaにおいて、
T
1は、補償フィルムの550nm波長の光の透過率であり、
T
2は、補償フィルムの400nm波長の光の透過率である。
【請求項2】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する添加剤を含む請求項1に記載のフォルダブル円偏光板。
【請求項3】
前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収する吸光フィルムを含む請求項1に記載のフォルダブル円偏光板。
【請求項4】
前記補償フィルムは、430nm~780nm領域の光を吸収しない請求項1に記載のフォルダブル円偏光板。
【請求項5】
前記補償フィルムの550nmに対する面内位相差は、110nm~180nmである請求項1に記載のフォルダブル円偏光板。
【請求項6】
前記補償フィルムは、単一の液晶層を含む請求項1に記載のフォルダブル円偏光板。
【請求項7】
有機発光表示パネルと、
前記有機発光表示パネルの一面に位置し、偏光子およびフォルダブル補償フィルムを含むフォルダブル円偏光板と、
を含み、
前記有機発光表示パネルは、第1波長領域の光を放出し、
前記補償フィルムは、液晶層を含み、前記第1波長領域より短波長領域の光を吸収し、
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、50%以上であり、
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する液晶を含み、
前記液晶層の450nm、550nmおよび650nm波長に対する面内位相差は、下記関係式1または2を満たし、
前記円偏光板は、CIE-L
ab色座標系で反射色相がΔa
*b
*≦5.0を満たし、
前記補償フィルムの400nmおよび550nm波長の光の透過率は、下記関係式3aaを満たす、フォルダブル可能な有機発光表示装置:
[関係式1]
R
e(450nm)<R
e(550nm)≦R
e(650nm)
[関係式2]
R
e(450nm)≦R
e(550nm)<R
e(650nm)
[関係式3aa]
T
2/T
1≦0.4
前記関係式1または2において、
R
e(450nm)は、450nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
R
e(550nm)は、550nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
R
e(650nm)は、650nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
前記関係式3aaにおいて、
T
1は、補償フィルムの550nm波長の光の透過率であり、
T
2は、補償フィルムの400nm波長の光の透過率である。
【請求項8】
前記第1波長領域は、430nm~780nmである請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記補償フィルムは、前記第1波長領域の光を吸収しない請求項
8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する添加剤を含む請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収する吸光フィルムを含む請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記補償フィルムは、単一の液晶層を含み、
前記液晶層の550nmに対する面内位相差は、110nm~180nmである請求項
7に記載の有機発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
フォルダブル円偏光板および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、主に使用されている表示装置は、自ら発光する発光表示装置と別途の光源を必要とする受光型表示装置に分けられ、これらの画質を改善するための方法として位相差フィルムなどの補償フィルムがよく使用される。
【0003】
発光型表示装置、例えば有機発光表示装置(organic light emitting diodedisplay、OLED display)の場合、電極などの金属による外部光の反射により視認性とコントラスト比が落ちることがある。これを減らすために、偏光子と補償フィルムを使用して線偏光を円偏光に変えることにより、有機発光表示装置によって反射した外部光が外側に漏れることを防止することができる。
【0004】
しかし、現在開発されている補償フィルムは、理想的な位相差と一致しないため、反射した外部光が外側に漏れることがある。また、有機発光表示装置は液晶表示素子と異なりフォルダブル特性に優れるため、フォルダブル用途への展開が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一具現例は、フォルダブル可能な有機発光表示装置において外部光の反射防止効果をさらに改善することができるフォルダブル円偏光板を提供する。
【0006】
他の具現例は、フォルダブル可能な有機発光表示装置に適用可能なフォルダブル補償フィルムを提供する。
【0007】
他の具現例は、前記フォルダブル補償フィルムまたは前記フォルダブル円偏光板を備えた表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一具現例によると、偏光子と、前記偏光子の一面に位置し、液晶層を含むフォルダブル可能な補償フィルムとを含み、前記液晶層の450nm、550nmおよび650nm波長に対する面内位相差は、下記関係式1または2を満たし、前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収し、CIE-Lab色座標系で反射色相がΔa*b*≦5.0を満たすフォルダブル円偏光板を提供する。
【0009】
[関係式1]
Re(450nm)<Re(550nm)≦Re(650nm)
【0010】
[関係式2]
Re(450nm)≦Re(550nm)<Re(650nm)
【0011】
前記関係式1または2において、
Re(450nm)は、450nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(550nm)は、550nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(650nm)は、650nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差である。
【0012】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する液晶を含むことができる。
【0013】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する添加剤を含むことができる。
【0014】
前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収する吸光フィルムを含むことができる。
【0015】
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、約15%以上であることができる。
【0016】
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、約50%以上であることができる。
【0017】
前記補償フィルムの400nmおよび550nm波長の光の透過率は、下記関係式3を満たすことができる。
【0018】
[関係式3]
T2/T1≦0.6
【0019】
前記関係式3において、
T1は、補償フィルムの550nm波長の光の透過率であり、
T2は、補償フィルムの400nm波長の光の透過率である。
【0020】
前記補償フィルムは、430nm~780nm領域の光を実質的に吸収しないことができる。
【0021】
前記補償フィルムの550nmに対する面内位相差は、約110nm~180nmであることができる。
【0022】
前記補償フィルムは、単一の液晶層を含むことができる。
【0023】
他の具現例によると、有機発光表示パネルと、前記有機発光表示パネルの一面に位置し、偏光子および補償フィルムを含むフォルダブル円偏光板とを含み、前記有機発光表示パネルは、第1波長領域の光を放出し、前記補償フィルムは、液晶層を含み、前記第1波長領域より短波長領域の光を吸収し、前記液晶層の450nm、550nmおよび650nm波長に対する面内位相差は、下記関係式1または2を満たし、前記円偏光板は、CIE-Lab色座標系で反射色相がΔa*b*≦5.0を満たすフォルダブル可能な有機発光表示装置を提供する。
【0024】
[関係式1]
Re(450nm)<Re(550nm)≦Re(650nm)
【0025】
[関係式2]
Re(450nm)≦Re(550nm)<Re(650nm)
【0026】
前記関係式1または2において、
Re(450nm)は、450nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(550nm)は、550nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(650nm)は、650nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差である。
【0027】
前記第1波長領域は、約430nm~780nmであることができる。
【0028】
前記補償フィルムは、前記第1波長領域の光を実質的に吸収しないことができる。
【0029】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する液晶を含むことができる。
【0030】
前記液晶層は、420nm以下の波長領域の光を吸収する添加剤を含むことができる。
【0031】
前記補償フィルムは、420nm以下の波長領域の光を吸収する吸光フィルムを含むことができる。
【0032】
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、15%以上であることができる。
【0033】
前記補償フィルムの400nm波長の光の吸収率は、50%以上であることができる。
【0034】
前記補償フィルムの400nmおよび550nm波長の光の透過率は、下記関係式3を満たすことができる。
【0035】
[関係式3]
T2/T1≦0.6
【0036】
前記関係式3において、
T1は、補償フィルムの550nm波長の光の透過率であり、
T2は、補償フィルムの400nm波長の光の透過率である。
【0037】
前記補償フィルムは、単一の液晶層を含むことができる。
【0038】
前記液晶層の550nmに対する面内位相差は、110nm~180nmであることができる。
【発明の効果】
【0039】
外部光の反射防止効果をさらに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】一具現例に係る有機発光表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図2】円偏光板の外部光反射防止効果を示す概略図である。
【
図3】実施例1~4に係る補償フィルムの波長による光透過度を示すグラフである。
【
図4】実施例12、13に係る有機発光表示装置の波長による発光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、具現例について技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する具現例に限定されない。
【0042】
図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似した部分に対しては、同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは、他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという場合は、その間にまた他の部分がないことを意味する。
【0043】
以下、図面を参考して一具現例に係る補償フィルムを説明する。
【0044】
図1は、一具現例に係る有機発光表示装置を概略的に示す断面図である。
【0045】
図1を参考すると、一具現例に係る有機発光表示装置500は、有機発光表示パネル100と円偏光板200とを含む。
【0046】
有機発光表示装置500はフォルダブルが可能な可撓性素子であってもよい。
【0047】
有機発光表示パネル100は、フルカラー(full color)を表現するための複数の単位画素群を含み、複数の単位画素群は、行および/または列によって交互に配置されることができる。各単位画素群は、複数の画素を含み、例えば2×2マトリックス、3×1マトリックスなどの多様な配列を有することができる。各単位画素群は、例えば、赤色画素、緑色画素および青色画素を含むことができ、例えば白色画素をさらに含むことができる。単位画素群の構成および配置は、多様に変形することができる。
【0048】
図1を参考すると、有機発光表示パネル100は、ベース基板110、ベース基板110上に配列されている薄膜トランジスターアレイQ
1、Q
2、Q
3(thin film transistor array)、有機発光ダイオード150および対向基板170を含む。
【0049】
ベース基板110は、ガラス基板、高分子基板または半導体基板であることができる。前記高分子基板は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、これらの共重合体、これらの誘導体またはこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されず、高分子基板を使用する場合、フレキシブル素子を効果的に具現することができる。
【0050】
薄膜トランジスターアレイQ1、Q2、Q3は、各画素ごとに配置されているスイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3および駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3を含み、スイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3および駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3は、電気的に連結されている。
【0051】
スイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3は、制御端子、入力端子および出力端子を有し、制御端子はゲート線に連結され、入力端子はデータ線に連結され、出力端子は駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3に連結されている。スイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3は、ゲート線に印加する走査信号に応答して、データ線に印加するデータ信号を駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3に伝達することができる。
【0052】
駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3も、制御端子、入力端子および出力端子を有し、制御端子はスイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3に連結され、入力端子は駆動電圧線に連結され、出力端子は有機発光ダイオード150に連結されている。駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3は、制御端子と出力端子との間にかかる電圧によってその大きさが変わる出力電流を流すことができる。
【0053】
薄膜トランジスターアレイQ1、Q2、Q3上には、絶縁層111が形成されている。絶縁層111は、スイッチング薄膜トランジスターQS1、QS2、QS3および駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3の一部を露出する複数の接触口を有する。
【0054】
絶縁層111上には有機発光ダイオード150が形成されている。有機発光ダイオード150は、第1色を表わす第1有機発光ダイオード、第2色を表わす第2有機発光ダイオード、および第3色を表わす第3有機発光ダイオードを含むことができる。ここで、第1色、第2色および第3色は、それぞれ三原色の一つであることができる。
【0055】
有機発光ダイオード150は、下部電極120、有機層130および上部電極140を含む。下部電極120は、第1~第3有機発光ダイオードにそれぞれ位置する第1下部電極120a、第2下部電極120bおよび第3下部電極120cを含み、有機層130は、第1色の光を放出する有機層130a、第2色の光を放出する有機層130bおよび第3色の光を放出する有機層130cを含む。上部電極140は、第1~第3有機発光ダイオードに共通する共通電極であることができる。第1有機発光ダイオード、第2有機発光ダイオードおよび第3有機発光ダイオードの間には、例えばポリイミドのような絶縁物質で作られた隔壁160が形成されている。
【0056】
下部電極120は、駆動薄膜トランジスターQD1、QD2、QD3の出力端子に連結され、上部電極140は共通電圧に連結されている。
【0057】
下部電極120と上部電極140のいずれか一つはアノード(anode)であり、他の一つはカソード(cathode)である。例えば、下部電極120がアノードであってもよく、上部電極140がカソードであってもよい。アノードは、正孔(hole)が注入される電極で高い仕事関数(work function)を有する導電物質で作られることができ、カソードは、電子(electron)が注入される電極で低い仕事関数を有する導電物質で作られることができる。
【0058】
下部電極120と上部電極140の少なくともいずれか一つは、発光した光が外部に出られる透明または半透明導電物質で作られることができ、例えば、ITOまたはIZOのような導電性酸化物薄膜および/またはAg、Al薄膜のような金属薄膜であることができる。
【0059】
有機層130は発光層を含み、付帯層をさらに含むことができる。
【0060】
発光層は、下部電極120と上部電極140に電圧が印加されたとき、赤色、緑色または青色の可視光線領域の光を固有に出せる有機物質を含むことができる。発光層は、第1波長領域の光を放出することができ、前記第1波長領域の光は、例えば約430nm~780nmであることができる。発光層は、例えば約430nm~500nm領域の青色光を放出する青色発光層、約500nm~580nm領域の緑色光を放出する緑色発光層、および約580nm~780nm領域の赤色光を放出する赤色発光層を含むことができる。
【0061】
付帯層は、電子と正孔のバランスを合わせるための正孔伝達層(hole transporting layer)、正孔注入層(hole injecting layer)、電子注入層(electron injecting layer)および/または電子伝達層(electron transporting layer)を含むことができるが、これに限定されるものではない。有機層130は、実質的に一方向に配向された有機分子を含むことができ、有機層130の有機分子は、例えば真空蒸着のような蒸着により形成することができる。
【0062】
図1では、有機層130が各画素ごとに分離されている例を示したが、これに限定されず、有機層130が有機発光ダイオード150に共通層で形成された構造であってもよく、例えば第1色の光を出す発光層、第2色の光を出す発光層、および第3色の光を出す発光層が積層された構造であってもよい。この場合、有機層130の下部または上部に色フィルター(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0063】
対向基板170は、例えば封止基板であることができる。封止基板は、ガラス、金属および/または高分子で作られることができ、高分子は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、これらの共重合体、これらの誘導体および/またはこれらの組み合わせであることができる。封止基板は、有機発光ダイオード150を封止して外部から水分および/または酸素が流入することを防止することができる。ベース基板110と対向基板170は、シーリング材50によって結合することができる。
【0064】
図1では、有機発光表示パネル100の一例の構造を例示したが、有機発光表示パネル100の構造は多様であることができ、公知された何れの有機発光表示パネルも適用することができる。
【0065】
円偏光板200は、有機発光表示パネル100の一面に位置し、有機発光表示パネル100から光が出る側に位置することができる。
図1では、対向基板170側に光が出る前面発光(top emission)構造を例示して、円偏光板200が対向基板170の一面に配置された例を示したが、これに限定されず、ベース基板110側に光が出る背面発光(bottom emission)構造の場合、円偏光板200は、ベース基板110の外側に配置されてもよい。
【0066】
円偏光板200はフォルダブル円偏光板であってもよい。
【0067】
円偏光板200は、偏光子300および補償フィルム400を含む。
【0068】
偏光子300は、外部から入射する光(以下、「入射光」という)を線偏光に変換させる線状偏光子(linear polarizer)であることができる。
【0069】
偏光子300は、例えば延伸したポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)で作られた偏光板であることができ、前記偏光板は、例えばポリビニルアルコールフィルムを延伸し、これにヨードまたは異色性染料を吸着させた後、ホウ酸処理および洗浄などの方法で形成することができる。
【0070】
偏光子300は、例えば高分子と異色性染料を溶融混合(melt blend)して準備された偏光フィルムであることができ、前記偏光フィルムは、例えば高分子と異色性染料を混合し、前記高分子の溶融点以上の温度で溶融してシートで製作する方法で形成することができる。前記高分子は、疎水性高分子であることができ、例えばポリオレフィンであることができる。
【0071】
補償フィルム400は、偏光子300を通過した線偏光した光を円偏光させて位相差を発生させることができ、例えばλ/4プレートであることができる。前記λ/4プレートは、550nm波長(以下、「基準波長」という)の入射光に対して、例えば約110nm~180nmの面内位相差(in-plane retardation、Re)を有することができる。
【0072】
補償フィルム400はフォルダブル補償フィルムであってもよい。
【0073】
補償フィルム400は、液晶層を含み、選択的に基材、及び/又は配向膜を含む。
【0074】
基材は、例えばガラス基板または高分子基板であることができる。前記高分子基板は、光学等方性を有することができ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、これらの誘導体および/またはこれらの組み合わせで作られた基板であることができるが、これに限定されるものではない。基材は、場合によって省略してもよい。
【0075】
配向膜は、後述する液晶層の液晶にプレチルト角度(pretilt angle)を付与して液晶の配向性を制御することができ、例えばポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリアミック酸、ポリイミドまたはこれらの組み合わせで作られることができる。配向膜の表面は、ラビング(rubbing)のような物理的処理または光配向のような光処理によって液晶配向能力を付与することができる。配向膜は、場合によって省略してもよい。
【0076】
液晶層は、光学異方性を有する液晶を含むことができる。
【0077】
液晶は、例えば棒状のネマティック液晶であることができ、正または負の複屈折値(Δn)を有することができる。
【0078】
液晶は、反応性メソゲン液晶であることができ、例えば一つ以上のメソゲンモイエティ(mesogenic moiety)と一つ以上の重合性作用基を有することができる。前記反応性メソゲン液晶は、例えば一つ以上の重合性作用基を有する棒状の芳香族誘導体、プロピレングリコール1-メチル、プロピレングリコール2-アセテートおよびP1-A1-(Z1-A2)n-P2で表される化合物(ここで、P1とP2は重合性作用基で、それぞれ独立してアクリレート(acrylate)、メタクリレート(methacrylate)、アクリロイル(acryloyl)、ビニル(vinyl)、ビニルオキシ(vinyloxy)、エポキシ(epoxy)またはこれらの組み合わせを含むことができ、A1およびA2は、それぞれ独立して1,4-フェニレン(1,4-phenylene)、ナフタレン(naphthalene)-2,6-ジイル(diyl)基またはこれらの組み合わせを含むことができ、Z1は単一結合、-COO-、-OCO-またはこれらの組み合わせを含むことができ、nは0、1または2である)の少なくともいずれか一つを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0079】
液晶は、熱硬化性液晶または光硬化性液晶であることができる。例えば、液晶が光硬化性液晶であるとき、前記光は、約250nm~400nm波長の紫外光であることができる。
【0080】
液晶層は、上述した液晶を含む液晶組成物から形成することができ、液晶組成物は、液晶以外に反応開始剤、界面活性剤、溶解補助剤および/または分散剤のような各種添加剤と溶媒を含むことができる。液晶組成物は、例えばスピンコーティング、スリットコーティングおよび/またはインクジェットのような塗布工程に適用することができ、塗布後に、必要に応じて乾燥工程を適用することができる。
【0081】
補償フィルム400は単一層であることができ、単一液晶層を含むことができる。従って、補償フィルム400の面内位相差は、液晶層の面内位相差と実質的に同一であることができる。
【0082】
液晶層は、波長によって面内位相差が異なることができ、例えば長波長の光に対する面内位相差は、短波長の光に対する面内位相差より大きいことができる。
【0083】
液晶層の450nm、550nmおよび650nm波長に対する面内位相差は、例えば下記関係式1または2を満たすことができる。
【0084】
[関係式1]
Re(450nm)<Re(550nm)≦Re(650nm)
【0085】
[関係式2]
Re(450nm)≦Re(550nm)<Re(650nm)
【0086】
前記関係式1または2において、
Re(450nm)は、450nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(550nm)は、550nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差であり、
Re(650nm)は、650nm波長の入射光に対する液晶層の面内位相差である。
【0087】
このように関係式1または2を満たす液晶層を含むことで、波長依存性を減らして、外部光の反射防止機能を効果的に行うことができる。
【0088】
一方、補償フィルム400は、約420nm以下の波長領域の光を吸収することができ、これにより、短波長領域の光に対する反射防止機能を補完して、反射防止効果をさらに効果的に具現することができる。
【0089】
図2は、円偏光板の外部光反射防止効果を示す概略図である。
【0090】
図2を参考すると、外部から入射する非偏光した光(incident unpolarized light)(以下、「外部光」という)は、偏光子300を通過しながら、二つの偏光直交成分のうち一方の偏光直交成分、つまり、第1偏光直交成分のみが透過し、偏光した光は、補償フィルム400を通過しながら円偏光に変わることができる。前記円偏光した光は、有機発光表示パネル100に含まれた金属電極などによって反射しながら円偏光方向が変わり、前記円偏光した光が補償フィルム400を通過しながら二つの偏光直交成分のうち他方の偏光直交成分、つまり、第2偏光直交成分のみが透過することができる。前記第2偏光直交成分は、偏光子300を通過することができず、外部に光が出ないので、外部光反射防止効果を有することができる。
【0091】
一方、本発明者は、所定波長領域の光に対しては、このような外部光反射防止効果の影響が微小であり、光漏れが発生することを確認し、特に420nm以下の短波長領域の光に対して光漏れが発生して、青みを帯びた(bluish)色を表せることを確認した。そこで、前述したように、補償フィルム400が約420nm以下の短波長領域の光を吸収することができるようにすることで、光漏れの発生を抑制して、反射色感を改善することができる。
【0092】
一例として、補償フィルム400の液晶層は、有機発光表示パネル100から放出する前記第1波長領域の光より短波長領域の光を吸収することができる。例えば、補償フィルム400の液晶層は、約420nm以下の短波長領域の光を吸収することができる。例えば、液晶層に含まれた液晶は、約420nm以下の短波長領域の光を吸収することができる。例えば、液晶層に含まれた反応開始剤、界面活性剤、溶解補助剤および/または分散剤のような添加剤は、約420nm以下の短波長領域の光を吸収することができる。
【0093】
一例として、補償フィルム400は、有機発光表示パネル100から放出する前記第1波長領域の光より短波長領域の光を吸収する吸光部材を含むことができる。例えば、補償フィルム400は、約420nm以下の短波長領域の光を吸収する吸光部材を含むことができる。吸光部材は、例えば吸光フィルムであってもよいが、その形態は特に限定されない。吸光部材は、有機発光表示パネル100から反射する光が通過する地点に位置することができる。
【0094】
補償フィルム400は、約420nm以下の短波長領域の光を吸収することができ、例えば、約400nm波長の光の吸収率は約15%以上であることができる。約400nm波長の光の吸収率は、前記範囲内で例えば約15%乃至100%であることができ、前記範囲内で例えば約50%乃至100%であることができる。
【0095】
補償フィルム400の400nmおよび550nm波長の光の透過率は、例えば下記関係式3を満たすことができる。
【0096】
[関係式3]
T2/T1≦0.6
【0097】
前記関係式3において、
T1は、補償フィルムの550nm波長の光の透過率であり、
T2は、補償フィルムの400nm波長の光の透過率である。
【0098】
補償フィルム400の400nmおよび550nm波長の光の透過率は、例えば下記関係式3aを満たすことができる。
【0099】
[関係式3a]
T2/T1≦0.5
【0100】
補償フィルム400の400nmおよび550nm波長の光の透過率は、例えば下記関係式3aaを満たすことができる。
【0101】
[関係式3aa]
T2/T1≦0.4
【0102】
補償フィルム400は、約430nm~780nm領域の光を実質的に吸収しないことができ、ベース基板110を透過率100%基準とすると、補償フィルム400の約430nm~780nm領域の光の透過率は、約98%乃至100%であることができ、前記範囲内で例えば約99%乃至100%であることができる。このように、補償フィルム400は、可視光線領域の光を実質的にそのまま透過させることで、有機発光表示パネル100から放出する青色光、緑色光および赤色光の損失を防止することができる。
【0103】
このように、約420nm以下の短波長領域の光を吸収する補償フィルム400を具備することで、外部光反射防止効果が微小な短波長領域の光の光漏れを実質的に防止することにより、全波長領域に対してさらに効果的な円偏光効果を具現することができる。これにより、外部光の反射によって色を帯びる反射色感を改善して、有機発光表示装置の表示特性を改善することができる。
【0104】
円偏光板400の反射色感は、CIE-Lab色座標系を使用して表記することができ、CIE-Lab色座標系において、正数a*値は赤色、負数a*値は緑色、正数b*値は黄色、負数b*値は青色を表し、a*とb*の絶対値が大きいほど反射色感が濃いことを表すことができる。
【0105】
円偏光板200の反射色感は、例えばΔa*b*≦5.0を満たすことができる。前記範囲の反射色感は、青みを帯びた色でなくてもよく、実質的に無彩色(neutral gray)であってもよい。上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦4.8を満たすことができ、上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦4.5を満たすことができ、上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦4.2を満たすことができ、上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦4.0を満たすことができ、上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦3.8を満たすことができ、上記の範囲内で例えば、Δa*b*≦3.5を満たすことができる。
【0106】
前記範囲の反射色感を有することで、外部光の反射を実質的に減らして、有機発光表示装置の視認性を改善することができる。例えば、前記範囲の反射色相を有することで、約10%以下の反射度を有することができ、例えば約8%以下の反射度を有することができ、例えば約5%以下の反射度を有することができる。
【実施例】
【0107】
以下、実施例を通じて、上述した具現例をさらに詳しく説明する。但し、下記の実施例は、単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0108】
液晶材料の準備
表1に記載された特性を有する重合性液晶4種(DIC社製造)を準備した。
【0109】
【0110】
補償フィルムの製造
実施例1
TACフィルム上に光配向膜材料(PAM-0021:DIC社製造)をスピンコーティングし、80℃で3分間乾燥した後、100mJ/cm2の偏光UV光を照射して光配向膜を形成した。次いで、光配向膜上に液晶1をスピンコーティングし、80℃で2分間乾燥して、室温まで冷却した後、600mJ/cm2のUV光を照射し、2.0μm厚さの液晶層を形成して、補償フィルムを準備した。
【0111】
実施例2
液晶1の代わりに液晶2を使用した以外は、実施例1と同じ方法で補償フィルムを準備した。
【0112】
実施例3
液晶1の代わりに液晶3を使用した以外は、実施例1と同じ方法で補償フィルムを準備した。
【0113】
実施例4
液晶1の代わりに液晶4を使用した以外は、実施例1と同じ方法で補償フィルムを準備した。
【0114】
比較例1
市販品の補償フィルム(Teijin、WRS-142)を準備した。
【0115】
評価1
実施例1~4に係る補償フィルムの波長による光透過度を確認した。光透過度は、CM3600d(Konica Minolta社製造)を使用して測定した。
【0116】
その結果は、
図3の通りである。
図3は、実施例1~4に係る補償フィルムの波長による光透過度を示すグラフである。
【0117】
図3において、光透過率は、550nmにおける光透過率を100%として正規化した値である。
【0118】
図3を参考すると、実施例1~4に係る補償フィルムは、約420nm以下の波長領域で低い透過度を示すことを確認することができ、これから実施例1~4に係る補償フィルムは、約420nm以下の波長領域の光を吸収することを確認することができる。一方、実施例1~4に係る補償フィルムは、有機発光表示パネルから放出する光の波長範囲の約450nm以上の波長領域の光をほぼ100%透過可能なことが確認できる。
【0119】
有機発光表示装置の製造
実施例5
有機発光表示パネル(GalaxyS4、Samsung)上に減圧接着剤を塗布し、実施例1に係る補償フィルムと偏光板(SEG1425DU、Nitto Denko社製造)を順次に合紙して有機発光表示装置を製造した。
【0120】
実施例6
実施例1に係る補償フィルムの代わりに実施例2に係る補償フィルムを使用した以外は、実施例5と同じ方法で有機発光表示装置を製造した。
【0121】
実施例7
実施例1に係る補償フィルムの代わりに実施例3に係る補償フィルムを使用した以外は、実施例5と同じ方法で有機発光表示装置を製造した。
【0122】
実施例8
実施例1に係る補償フィルムの代わりに実施例4に係る補償フィルムを使用した以外は、実施例5と同じ方法で有機発光表示装置を製造した。
【0123】
比較例2
実施例1に係る補償フィルムの代わりに比較例1に係る補償フィルムを使用した以外は、実施例5と同じ方法で有機発光表示装置を製造した。
【0124】
評価2
実施例5~8及び比較例2に係る有機発光表示装置の反射色感を評価した。
【0125】
反射色感は、光源D65、8度反射、受光部2度条件で光を供給しながら、分光側色計(CM-3700d、Konica Minolta社)を使用して評価した。
【0126】
反射色感は、CIE-Lab色座標系において、横軸のa*値と縦軸のb*値を使用し、正数a*値は赤色、負数a*値は緑色、正数b*値は黄色、負数b*値は青色を表し、a*とb*の絶対値が大きいほど色が濃い程度を表す。Δa*b*が小さいほど色変異が良好である。
【0127】
【0128】
表2を参考すると、実施例5~8に係る有機発光表示装置は、比較例2に係る有機発光表示装置と比較して反射色感が非常に低くなったことが確認できる。
【0129】
シミュレーション評価I
実施例9~11及び比較例3~5
光吸収特性を有する液晶を適用した補償フィルムと、光吸収特性を有しない液晶を適用した補償フィルムの反射色感の変化を確認するために、シミュレーション評価をした。
【0130】
光吸収特性を有する液晶は、前記液晶1、2および3の光透過度データを使用した。光吸収特性を有しない液晶は、液晶1、2および3の光透過度データにおいて、約420nm以下の波長領域の光透過度がほぼ100%である場合を仮定し、これをそれぞれ液晶A、BおよびCとした。
【0131】
シミュレーション評価結果は、表3の通りである。
【表3】
*PVA:ポリビニルアルコール/染料偏光板(厚さ:60μm)
【0132】
表3を参考すると、光吸収特性を有する液晶を使用した円偏光板は、光吸収特性を有しない液晶を使用した円偏光板と比較して、反射色感が十分に低くなることが確認できる。
【0133】
シミュレーション評価II
実施例12
シミュレーション評価のために、有機発光表示パネル(GalaxyS4、Samsung)上に液晶1で作られた補償フィルム付き有機発光表示装置の構造を設定し、有機発光表示パネルから放出する光(基準例)と補償フィルムを通過した光の波長分布を評価した。
【0134】
実施例13
シミュレーション評価のために、有機発光表示パネル(GalaxyS4、Samsung)上に液晶2で作られた補償フィルム付き有機発光表示装置の構造を設定し、有機発光表示パネルから放出する光(基準例)と補償フィルムを通過した光の波長分布を評価した。
【0135】
図4は、実施例12、13に係る有機発光表示装置の波長による発光特性(Luminance)を示すグラフである。
【0136】
図4を参考すると、実施例12、13に係る有機発光表示装置は、基準例に係る有機発光表示装置と実質的に同一の発光特性を表すことが分かる。これから液晶1または2で作られた補償フィルムは、有機発光表示パネルから放出する光に影響を及ぼさないことが確認できる。これから、補償フィルムは、可視光線領域の光を実質的にそのまま透過させることで、有機発光表示パネルから放出する青色光、緑色光および赤色光の損失が防止可能であることが確認できる。
【0137】
以上により、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付の図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0138】
100:有機発光表示パネル
150:有機発光ダイオード
200:円偏光板
300:偏光子
400:補償フィルム
500:有機発光表示装置