(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】ウエハダイシングプロセスにおけるパーティクル汚染の軽減
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20230105BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
H01L21/78 S
H01L21/304 641
H01L21/78 M
(21)【出願番号】P 2019565257
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(86)【国際出願番号】 US2018032452
(87)【国際公開番号】W WO2018222377
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ウェイ-ション
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョンネ
(72)【発明者】
【氏名】クマール, アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】イートン, ブラッド
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-528211(JP,A)
【文献】特開2013-207170(JP,A)
【文献】特開2015-233077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハであって、前記ウエハ上に複数の集積回路を有するウエハを、ダイシングする方法であって、
ダイシングテープの上に配置された複数の個片化されたダイになるように前記ウエハをダイシングすることと、
前記ダイシングテープの上の前記複数の個片化されたダイの上および間に材料層を形成することと、
前記ダイシングテープを拡張することであって、前記拡張中に複数のパーティクルが前記材料層上に収集される、前記拡張することと、
を含
み、
前記複数の個片化されたダイになるように前記ウエハをダイシングすることが、レーザアブレーションプロセスを使用すること、またはレーザスクライビングプラスプラズマエッチングハイブリッドダイシングプロセスを使用することを含む方法。
【請求項2】
前記複数のパーティクルの発生源が、前記複数の個片化されたダイを囲む前記ウエハの部分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料層および前記複数のパーティクルを液体媒体で除去することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料層が、水溶性材料層であり、前記材料層および前記複数のパーティクルが、水性媒体で除去される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の個片化されたダイになるように前記ウエハをダイシングしている間、水溶性マスクが前記ウエハ上に配置されており、前記水溶性材料層を前記水性媒体で除去している間に、前記水溶性マスクが除去される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記材料層を形成することが、水溶性材料層を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ダイシングテープを拡張する前に、前記水溶性材料層をベーキングすることを、さらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶性材料層を形成することが、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、デキストラン、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、およびポリエチレンオキシドからなる群から選択される材料を形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記水溶性材料層が、おおよそ1~15ミクロン/分の範囲の水溶液中でのエッチング速度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記水溶性材料層を形成することが、前記水溶性材料層をスピンコーティングすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ダイシングテープが、フレームに収容されている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体処理の分野に関し、特に、各ウエハがその上に複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ処理では、シリコンまたは他の半導体材料で構成されるウエハ(基板とも呼ばれる)上に集積回路が形成される。一般に、半導体、導電体、または絶縁体のいずれかである様々な材料の層が、集積回路を形成するために利用される。集積回路を形成するために、これらの材料は、様々な周知のプロセスを使用して、ドープ、堆積、エッチングされる。各ウエハは、ダイとして知られる集積回路を含む多数の個別領域を形成するように処理される。
【0003】
集積回路形成プロセスに続いて、ウエハは「ダイシング」されて、個々のダイが互いに分離され、パッケージングされるか、またはより大きな回路内でパッケージングされていない形で使用される。ウエハダイシングに使用される2つの主な技術は、スクライビングとソーイングである。スクライビングでは、ダイヤモンドチップスクライブが、事前に形成されたスクライブラインに沿ってウエハ表面を横切って移動する。これらのスクライブラインは、ダイ間のスペースに沿って延びている。これらのスペースは、一般に「ストリート」と呼ばれる。ダイヤモンドスクライブは、ストリートに沿ってウエハ表面に浅いスクラッチを形成する。ローラーなどで圧力をかけると、ウエハが、スクライブラインに沿って分離する。ウエハの割れ目は、ウエハ基板の結晶格子構造に従う。スクライビングは、厚さが約10ミル(1000分の1インチ)以下のウエハに使用することができる。より厚いウエハの場合、現在、ソーイングが、ダイシングのために好ましい方法である。
【0004】
ソーイングでは、毎分高回転数で回転しているダイヤモンドチップソーが、ウエハ表面に接触し、ストリートに沿ってウエハを切断する。ウエハは、フィルムフレーム全体に引き伸ばされた接着フィルムなどの支持部材に取り付けられ、ソーが、縦および横の両方のストリートに繰り返し適用される。スクライビングまたはソーイングの問題の1つは、チップと溝がダイの切断された縁に沿って形成される可能性があることである。さらに、クラックが形成され、ダイの縁から基板に伝わって、集積回路が動作しなくなる可能性がある。正方形または長方形のダイの1つの辺しか結晶構造の<110>方向にスクライビングできないので、チッピングとクラッキングは、スクライビングで特に問題になる。その結果、ダイの他の辺の切断は、ギザギザの分離線を生じさせる。チッピングとクラッキングのせいで、集積回路への損傷を防ぐために、例えば、チップとクラックが、実際の集積回路から離れた場所に維持されるように、ウエハ上のダイ間に追加のスペースが必要である。スペース要件の結果として、標準サイズのウエハ上にはそれほど多くのダイを形成できず、そうでなければ回路に使用することのできたウエハ面積が、無駄になる。ソーの使用は、半導体ウエハ上の面積の無駄を悪化させる。ソーのブレードの厚さは、約15ミクロンである。したがって、ソーで作られた切断部の周囲のクラッキングやその他の損傷が集積回路に害を及ぼさないようにするために、多くの場合、各ダイの回路を300~500ミクロン分離する必要がある。さらに、切断後、各ダイは、ソーイングプロセスから生じるパーティクルやその他の汚染物質を除去するために、かなりの洗浄を必要とする。
【0005】
プラズマダイシングも使用されているが、同様に制約を有し得る。例えば、プラズマダイシングの実施を妨げる1つの制約は、コストであり得る。レジストをパターニングするための標準的なリソグラフィ工程は、実施コストが非常に高くなり得る。プラズマダイシングの実施を妨げている可能性のある別の制約は、ストリートに沿ったダイシングで一般的に遭遇する金属(例えば、銅)のプラズマ処理が、生産上の問題またはスループットの制限を引き起こす可能性があることである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、各ウエハがその上に複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法を含む。
【0007】
一実施形態では、その上に複数の集積回路を有するウエハをダイシングする方法は、ダイシングテープの上に配置された複数の個片化されたダイになるように、ウエハをダイシングすることを含む。この方法は、ダイシングテープの上の複数の個片化されたダイの上および間に材料層を形成することを、さらに含む。この方法は、ダイシングテープを拡張することを、さらに含み、拡張中に複数のパーティクルが材料層上に収集される。
【0008】
一実施形態において、その上に複数の集積回路を有するウエハをダイシングする方法は、ウエハの上に水溶性マスク層を形成することを含み、ウエハは、ダイシングテープの上に配置され、ダイシングテープは、フレームに収容されている。この方法は、水溶性マスク層をレーザスクライビングプロセスでスクライビングして、ウエハの一部を露出させることを、さらに含む。この方法は、プラズマプロセスでウエハの露出部分をエッチングして、ウエハを複数の個片化されたダイになるようにダイシングすることを、さらに含む。この方法は、ダイシングテープの上の複数の個片化されたダイの上および間に水溶性保護層を形成することを、さらに含む。この方法は、フレームからダイシングテープを取り外すことを、さらに含む。この方法は、フレームからダイシングテープを取り外した後に、ダイシングテープを拡張することを、さらに含み、拡張中に複数のパーティクルが水溶性材料層上に収集される。この方法は、ダイシングテープを拡張した後に、水溶性保護層および水溶性マスク層の残りの部分を水性媒体で除去することを、さらに含む。
【0009】
一実施形態では、装置は、ダイシングテープの上に配置された複数の個片化されたダイを含む。水溶性材料層が、ダイシングテープの上の複数の個片化されたダイの上および間に配置されている。複数のパーティクルが、水溶性材料層上にある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による、ウエハの周囲の内側にスクライブラインを有する支持されたウエハを示す。
【
図2】本発明の一実施形態による、ウエハの周囲の外側に延びるスクライブラインを有する支持されたウエハを示す。
【
図3】本発明の一実施形態による、複数の集積回路を含む半導体ウエハをダイシングする方法における工程を表すフローチャートである。
【
図4A-4C】本発明の一実施形態による、
図3のフローチャートの工程に対応する、半導体ウエハをダイシングする方法における様々な工程中の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図を示す。
【
図4D-4F】本発明の一実施形態による、
図3のフローチャートの工程に対応する、半導体ウエハをダイシングする方法における様々な工程中の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図を示す。
【
図5】本発明の一実施形態による、半導体ウエハまたは基板のストリート領域で使用され得る材料のスタックの断面図を示す。
【
図6A-6B】本発明の一実施形態による、半導体ウエハをダイシングする方法における様々な工程の断面図を示す。
【
図6C-6D】本発明の一実施形態による、半導体ウエハをダイシングする方法における様々な工程の断面図を示す。
【
図7】本発明の一実施形態による、ウエハまたは基板のレーザおよびプラズマダイシングのためのツールレイアウトのブロック図を示す。
【
図8】本発明の一実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
半導体ウエハをダイシングする方法が説明される。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、フェムト秒ベースのレーザスクライビングおよびプラズマエッチング条件ならびに材料レジメンなど、多くの特定の詳細が記述されている。本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施できることが、当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態を不必要に曖昧にしないために、集積回路製造などの周知の態様は、詳細には説明されない。さらに、図に示される様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを、理解されたい。
【0012】
本明細書に記載される1つ以上の実施形態は、半導体ダイのパーティクル汚染を有利に軽減するかまたは完全に回避するダイシングアプローチに関する。
【0013】
コンテキストを提供すると、微小電気機械センサ(MEMS)などの多くの半導体チップは、ウエハ製造およびパッケージングプロセス全体を通じて、パーティクル汚染または損傷に対して非常に敏感である。1つの潜在的なそのような懸念は、ウエハダイシングプロセスに関連している。ウエハダイシングプロセスが、ウエハ内側で停止するダイシングスルートレンチとして終点になる場合(
図1)、ダイピッキングのための、ダイシングされたウエハ/テープ拡張の段階で、終点などの、そこを通ってダイシングされていないウエハエッジの部分が、折れてウエハ材料のパーティクルを生成し、個片化されたダイのうちの1つの露出したデバイスにランダムに衝突して、歩留まりを低下させる可能性がある。残念ながら、レーザスクライビングおよびプラズマエッチングハイブリッドダイシングプロセスでは、レーザアブレーションとプラズマエッチングに対するダイシングテープの耐性が、ウエハ材料に比べてはるかに低いので、レーザスクライビングの終点は、通常、ダイシングテープの損傷を回避するために、ウエハ上で終点にならなければならない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による、ウエハの周囲の内側にスクライブラインを有する支持されたウエハを示す。
【0015】
図1を参照すると、基板支持フレーム102は、その中にダイシングテープ104を含む。ウエハ106は、フレーム102内でダイシングテープ上に支持されている。ウエハ106は、個々のダイ107を含む。個々のダイ107は、ウエハ106をスクライビング(ダイシング)することにより個片化される。スクライビングは、ウエハ106の周囲の内側の終点110で終了するスクライブライン108に沿って実行される。スクライビングは、図示のように連続したリングの形をとることができる、スクライビングされていない部分199を残す。
【0016】
ウエハ106の周囲の内側の位置110に終点があることにより、ダイシングテープ104の損傷を回避することができる。スクライビング段階でテープの損傷を回避する理由は、多岐にわたる。基本的に、ダイシングテープ104を突き抜けた場合、ウエハのプラズマエッチングおよびその後のダイシングされたウエハのテープ拡張に必要な真空条件を満足することはできない。プラズマエッチングの観点からは、同様の理由により、ウエハエッチング中のダイシングテープ104のプラズマへの暴露も避ける必要がある。この状況は、レーザスクライビングおよびプラズマエッチングハイブリッドダイシング技術に特有の課題をもたらす可能性がある。
【0017】
対照的に、従来のブレードダイシングが支配的なプロセスでは、ブレードがウエハ全体を横切って切断し、両端がダイシングテープ上で停止することにより、上記の懸念に対処する。一例として、
図2は、本発明の一実施形態による、ウエハの周囲の外側に延びるスクライブラインを有する支持されたウエハを示す。
【0018】
図2を参照すると、基板支持フレーム202は、その中にダイシングテープ204を含む。ウエハ206は、フレーム202内でダイシングテープ上に支持されている。ウエハ206は、個々のダイ207を含む。個々のダイ207は、ウエハ206をスクライビング(ダイシング)することにより個片化される。ソーイングが、ウエハ206の周囲の外側の終点210で終了するスクライブライン208に沿って実行される。そのようなプロセスは、連続したリング199の形成を排除するが、本開示に記載される1つ以上の理由など、レーザスクライビング/プラズマエッチングアプローチがブレードダイシングアプローチよりも好ましい多数の理由がある。
【0019】
したがって、一実施形態では、ダイ個片化のためにレーザスクライビングおよびプラズマエッチングハイブリッドダイシングアプローチが採用される。ただし、このプロセスは、
図1に関連して説明したように、ウエハの周囲の内側で終了する最初のレーザスクライビングを含む。ダイピックで、ダイシングテープが拡張され、一実施形態では、個片化されたダイを囲む連続したリング199を壊す。連続したリング199が壊れると、個片化されたダイの1つ以上に害を及ぼす可能性のあるパーティクルが生成される。本明細書で説明される1つ以上の実施形態は、そのようなダイシングテープ拡張プロセス中に生成されたパーティクルによる個片化されたダイへの損傷を軽減または完全に回避するアプローチを提供する。
【0020】
特定の実施形態では、ダイシングテープ拡張プロセス中に生成されたパーティクルによる個片化されたダイへの損傷を軽減または完全に回避するアプローチは、フレームによって支持されたダイシングテープ上にウエハを最初に取り付けることを含む。マスクがウエハ上に付けられる。レーザスクライビングが実行され、ウエハの周囲で終点になる。プラズマエッチングプロセスが、レーザスクライビングによって開始された個片化を完了させる。マスク層が、個片化/ダイシングされたウエハ上に(個片化されたダイのみ、またはウエハの残りの全ての部分のいずれかに)コーティングされる。コーティングの程度は、ダイシングマスクがどれだけ残っているか、および/またはダイの側壁を保護する必要があるかどうかに依存し得る。その後、ダイシングテープの拡張を実行して、ダイと、ウエハエッジにおける接続した領域とを分離する。一実施形態では、パーティクルが生成され、コーティングされたマスク層の上部に収集される。その後、ウエハ洗浄を実行して、コーティングされたマスクおよびその上のパーティクルを除去することができる。さらなる処理は、テープ拡張およびダイピックが後に続く、ダイシングテープのUV硬化を、含むことができる。
【0021】
一実施形態では、上記プロセスは、個片化されたダイをテープ拡張プロセス中に保護するためのポストダイシングマスクを実施し、ポストダイシングマスクは、個片化されたダイを損傷する生成されたパーティクルとは対照的に、パーティクルを収集する。一実施形態では、個片化されたダイのみが、ポストダイシングマスクでコーティングされ、ウエハの連続した外側リングのクラッキングまたは壊れる際に生成されたパーティクルは、個片化されたダイ上のポストダイシングマスクの表面に捕捉される。別の実施形態では、個片化されたダイと、ウエハの残った周囲の連続した外側リングとの両方が、ポストダイシングマスクでコーティングされ、ウエハの連続した外側リングのクラッキングまたは壊れる際に生成されたパーティクルは、連続した外側リング上のポストダイシングマスク部分の下に閉じ込められる。
【0022】
一態様では、最初のレーザスクライビングとその後のプラズマエッチングを含むハイブリッドウエハまたは基板ダイシングプロセスが、ダイ個片化のために実施されてもよい。レーザスクライビングプロセスは、マスク層、有機および無機誘電体層、ならびにデバイス層をきれいに除去するために、使用されてもよい。その後、レーザエッチングプロセスは、ウエハもしくは基板の露出、または部分的なエッチングで終了することができる。その後、ダイシングプロセスのプラズマエッチング部分を使用して、バルク単結晶シリコンなどの、ウエハまたは基板のバルクを貫通してエッチングし、ダイまたはチップの個片化またはダイシングをもたらすことができる。
【0023】
従来のウエハダイシングアプローチは、純粋に機械的な分離に基づくダイヤモンドソー切断、最初のレーザスクライビングとその後のダイヤモンドソーダイシング、またはナノ秒もしくはピコ秒レーザダイシングを含む。厚さ50ミクロンのバルクシリコン個片化などの、薄いウエハまたは基板の個片化では、従来のアプローチは、低いプロセス品質しかもたらさなかった。薄いウエハまたは基板からダイを個片化するときに直面する可能性のある課題のいくつかは、異なる層間のマイクロクラックの形成または層剥離、無機誘電体層のチッピング、厳密なカーフ幅制御の保持、または正確なアブレーション深さ制御を含むことができる。本発明の実施形態は、上記課題の1つ以上を克服するのに有用であり得るハイブリッドレーザスクライビングおよびプラズマエッチングダイ個片化アプローチを含む。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、半導体ウエハをダイシングして個別化または個片化された集積回路にするために、レーザスクライビング、例えばフェムト秒ベースのレーザスクライビング、およびプラズマエッチングの組み合わせが使用される。一実施形態では、フェムト秒ベースのレーザスクライビングは、完全ではないにしても本質的に非熱的プロセスとして使用される。例えば、フェムト秒ベースのレーザスクライビングは、熱損傷ゾーンがないか、またはごくわずかであるように、局所化することができる。一実施形態では、本明細書のアプローチは、超低k膜を有する個片化された集積回路に使用される。従来のダイシングでは、このような低k膜に対応するために、ソーの速度を落とす必要があり得る。さらに、半導体ウエハは、現在多くの場合、ダイシングの前に薄くされる。したがって、一実施形態では、フェムト秒ベースのレーザを用いたマスクパターニングおよび部分的なウエハスクライビングと、それに続くプラズマエッチングプロセスとの組み合わせが、実用的である。一実施形態では、レーザを用いた直接描画は、フォトレジスト層のリソグラフィパターニング工程の必要性を排除することができ、非常に少ないコストで実施することができる。一実施形態では、貫通ビアタイプのシリコンエッチングを使用して、プラズマエッチング環境でのダイシングプロセスを完了する。
【0025】
したがって、本発明の一態様では、フェムト秒ベースのレーザスクライビングとプラズマエッチングの組み合わせを使用して、半導体ウエハをダイシングして個片化された集積回路にすることができる。一例として、
図3は、本発明の一実施形態による、複数の集積回路を含む半導体ウエハをダイシングする方法における工程を表すフローチャート300である。
図4A~
図4Fは、本発明の一実施形態による、半導体ウエハをダイシングする方法の実行中における、フローチャート300の工程に対応する、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図を示す。
【0026】
フローチャート300の工程302および対応する
図4Aを参照すると、マスク402が、半導体ウエハまたは基板404の上に設けられる。マスク402は、半導体ウエハ404の表面に形成された集積回路406を覆い保護する層から構成される。マスク402は、各集積回路406の間に形成された間にあるストリート407も覆う。半導体ウエハまたは基板404は、ダイシングテープ498上に配置される。示されているようなダイシングテープ498は、例えば、金属またはプラスチック、または他の材料のリングでフレームが付けられた、フレーム付きダイシングテープの一部であってもよい。このようなダイシングテープは、フレームに収容されていると呼ばれる場合がある。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、マスク402を形成することは、限定されないがフォトレジスト層またはIラインパターニング層などの、層を形成することを含む。例えば、フォトレジスト層などのポリマー層は、その他の点ではリソグラフィプロセスでの使用に適した材料で構成されてもよい。一実施形態では、フォトレジスト層は、限定されないが、248ナノメートル(nm)レジスト、193nmレジスト、157nmレジスト、極端紫外線(EUV)レジスト、またはジアゾナフトキノン感光剤を含むフェノール樹脂マトリックスなどのポジ型フォトレジスト材料で構成される。別の実施形態では、フォトレジスト層は、限定されないが、ポリシスイソプレンおよびポリビニルシンナメートなどのネガ型フォトレジスト材料で構成される。しかしながら、他の実施形態では、非感光性および/または低コストの材料が、マスク402として使用される。一実施形態では、マスクは、半導体ウエハの上にマスクを均一にスピンオンすることにより形成され、マスクは、集積回路のバンプまたはピラーを覆い保護する層を含む。
【0028】
一実施形態では、半導体ウエハまたは基板404は、製造プロセスに耐えるのに適した材料であって、その上に半導体処理層を適切に配置することができる材料で、構成される。例えば、一実施形態では、半導体ウエハまたは基板404は、限定されないが、結晶シリコン、ゲルマニウムまたはシリコン/ゲルマニウムなどの、IV族系の材料で構成される。特定の実施形態では、半導体ウエハ404を提供することは、単結晶シリコン基板を提供することを含む。詳細な実施形態では、単結晶シリコン基板には、不純物原子がドープされている。別の実施形態では、半導体ウエハまたは基板404は、例えば発光ダイオード(LED)の製造に使用されるIII-V材料基板などの、III-V材料で構成される。
【0029】
一実施形態では、半導体ウエハまたは基板404には、集積回路406の一部として、その上またはその中に半導体デバイスのアレイが配置されている。そのような半導体デバイスの例は、シリコン基板に製造され誘電体層に入れられたメモリデバイスまたは相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタを含むが、これらに限定されない。複数の金属配線が、デバイスまたはトランジスタの上、および周囲の誘電体層に形成されて、デバイスまたはトランジスタを電気的に結合して集積回路406を形成するために使用されてもよい。ストリート407を構成する材料は、集積回路406を形成するために使用される材料と同類または同じであってもよい。例えば、ストリート407は、誘電体材料、半導体材料、およびメタライゼーションの層で構成されてもよい。一実施形態では、1つ以上のストリート407は、集積回路406の実際のデバイスと同様のテストデバイスを含む。
【0030】
フローチャート300の工程304および対応する
図4Bを参照すると、マスク402は、レーザスクライビングプロセスでパターニングされ、間隙410を備えたパターニングされたマスク408を提供し、集積回路406間の半導体ウエハまたは基板404の領域を露出させる。このように、レーザスクライビングプロセスは、集積回路406の間に元々形成されていたストリート407の材料を除去するために使用される。本発明の一実施形態によれば、レーザスクライビングプロセスでマスク402をパターニングすることは、
図4Bに示されるように、集積回路406間の半導体ウエハ404の領域の中に部分的にトレンチ412を形成することを含む。
【0031】
一実施形態では、レーザスクライビングプロセスでマスク406をパターニングすることは、フェムト秒の範囲のパルス幅を有するレーザを使用することを含む。具体的には、可視スペクトルに紫外(UV)および赤外(IR)範囲を加えた範囲(全体で広帯域光スペクトル)の波長のレーザを使用して、フェムト秒ベースのレーザ、すなわち、フェムト秒(10-15秒)のオーダーのパルス幅を持つレーザを提供することができる。一実施形態では、アブレーションは、波長に依存しない、または本質的に依存しないので、マスク402、ストリート407、および場合によっては半導体ウエハまたは基板404の一部の膜などの複合的な膜に適している。
【0032】
きれいなレーザスクライブ切断を達成するために、チッピング、マイクロクラック、および層剥離を最小限に抑えるレーザスクライビングおよびダイシングプロセスを成功させるのに、パルス幅などのレーザパラメータの選択が重要であり得る。レーザスクライブ切断がきれいになるほど、最終的なダイ個片化のために実行され得るエッチングプロセスが、順調になる。半導体デバイスのウエハでは、様々な材料タイプ(例えば、導体、絶縁体、半導体)と厚さの多くの機能層が、通常その上に配置される。そのような材料は、ポリマーなどの有機材料、金属、または二酸化ケイ素および窒化ケイ素などの無機誘電体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0033】
ウエハまたは基板上に配置された個々の集積回路間のストリートは、集積回路自体と同様または同じ層を含んでもよい。例えば、
図5は、本発明の一実施形態による、半導体ウエハまたは基板のストリート領域で使用され得る材料のスタックの断面図を示す。
【0034】
図5を参照すると、ストリート領域500は、シリコン基板の上部502、第1の二酸化ケイ素層504、第1のエッチング停止層506、第1の低K誘電体層508(例えば、二酸化ケイ素の誘電率4.0より低い誘電率を有する)、第2のエッチング停止層510、第2の低K誘電体層512、第3のエッチング停止層514、非ドープシリカガラス(USG)層516、第2の二酸化ケイ素層518、およびフォトレジストの層520を含み、相対的な厚さが描かれている。銅メタライゼーション522が、第1のエッチング停止層506と第3のエッチング停止層514との間に、第2のエッチング停止層510を貫通して配置される。特定の実施形態では、第1、第2、および第3のエッチング停止層506、510、および514は、窒化ケイ素から成り、低K誘電体層508および512は、炭素ドープ酸化ケイ素材料から成る。
【0035】
従来のレーザ照射(ナノ秒ベースまたはピコ秒ベースのレーザ照射など)では、ストリート500の材料は、光吸収およびアブレーションメカニズムの点でまったく異なる挙動を示す。例えば、二酸化ケイ素などの誘電体層は、通常の条件下では、商業的に利用可能な全てのレーザ波長に対して本質的に透過性である。対照的に、金属、有機物(例えば、低K材料)、およびシリコンは、特にナノ秒ベースまたはピコ秒ベースのレーザ照射に応答して、非常に簡単に光子を結合させることができる。
【0036】
一実施形態では、フェムト秒レーザベースのプロセスのパラメータは、材料の一般的なエネルギー吸収特性が特定の条件下で大きく異なることがあるにしても、無機および有機誘電体、金属、ならびに半導体に対して本質的に共通のアブレーション効果を有するように、選択することができる。例えば、二酸化ケイ素の吸収率は非線形であり、適切なレーザアブレーションパラメータの下で、有機誘電体、半導体、および金属の吸収率とより一致させることができる。そのような一実施形態では、高強度および短パルス幅のフェムト秒ベースのレーザプロセスを使用して、二酸化ケイ素層と、有機誘電体、半導体、または金属のうちの1つ以上とを含む層のスタックをアブレーションする。特定の実施形態では、おおよそ400フェムト秒以下のパルスが、フェムト秒ベースのレーザ照射プロセスで使用されて、マスク、ストリート、およびシリコン基板の一部が除去される。
【0037】
対照的に、無機誘電体、有機誘電体、半導体、または金属のうちの2つ以上を含むスタック構造において、最適でないレーザパラメータが選択されると、レーザアブレーションプロセスは、層剥離の問題を発生させる可能性がある。例えば、レーザは、測定可能なほどに吸収されることなく、高バンドギャップエネルギー誘電体(バンドギャップが約9eVの二酸化ケイ素など)を貫通する。しかしながら、レーザエネルギーは、下にある金属またはシリコン層に吸収され、金属またはシリコン層の著しい気化を引き起こす可能性がある。気化は、高圧を発生させて、上にある二酸化ケイ素誘電体層を持ち上げて、深刻な層間剥離およびマイクロクラックを潜在的に引き起こす可能性がある。一実施形態では、ピコ秒ベースのレーザ照射プロセスは、複合スタックにマイクロクラックおよび層剥離を引き起こすが、フェムト秒ベースのレーザ照射プロセスは、同じ材料スタックのマイクロクラックまたは層剥離を引き起こさないことが実証されている。
【0038】
誘電体層を直接アブレーションできるようにするために、光子を強力に吸収することにより、導電性材料と同様な振る舞いをするように、誘電体材料のイオン化を行う必要があり得る。吸収により、誘電体層の最終的なアブレーションの前に、レーザエネルギーの大部分が、下にあるシリコンまたは金属層に入り込むのを、阻止することができる。一実施形態では、無機誘電体のイオン化は、無機誘電体材料において光子イオン化および衝突イオン化を開始させるのに十分なレーザ強度である場合に、実行可能である。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、適切なフェムト秒ベースのレーザプロセスは、通常様々な材料で非線形相互作用をもたらす高いピーク強度(放射照度)によって、特徴付けられる。そのような一実施形態では、フェムト秒レーザ源は、おおよそ10フェムト秒から500フェムト秒の範囲のパルス幅を有するが、好ましくは100フェムト秒から400フェムト秒の範囲である。一実施形態では、フェムト秒レーザ源は、おおよそ1570ナノメートルから200ナノメートルの範囲の波長を有するが、好ましくは540ナノメートルから250ナノメートルの範囲である。一実施形態では、レーザおよび対応する光学システムは、おおよそ3ミクロンから15ミクロンの範囲の焦点スポットをワーク面に提供するが、好ましくは、おおよそ5ミクロンから10ミクロンの範囲である。
【0040】
ワーク面での空間的なビームプロファイルは、シングルモード(ガウシアン)の場合もあれば、成形されたトップハットプロファイルの場合もある。一実施形態では、レーザ源は、おおよそ200kHzから10MHzの範囲のパルス繰り返し数を有するが、好ましくは、おおよそ500kHzから5MHzの範囲である。一実施形態では、レーザ源は、おおよそ0.5uJから100uJの範囲のパルスエネルギーをワーク面に送達するが、好ましくは、おおよそ1uJから5uJの範囲である。一実施形態では、レーザスクライビングプロセスは、おおよそ500mm/秒から5m/秒の範囲の速度でワークピース表面に沿って実行されるが、好ましくは、おおよそ600mm/秒から2m/秒の範囲である。
【0041】
スクライビングプロセスは、シングルパスのみで、またはマルチパスで実行されてもよいが、一実施形態では、好ましくは1~2パスで実行されてもよい。一実施形態では、ワークピース中のスクライビング深さは、おおよそ5ミクロンから50ミクロンの範囲の深さであり、好ましくは、おおよそ10ミクロンから20ミクロンの範囲の深さである。レーザは、所定のパルス繰り返し数の単一パルス列またはパルスバースト列のいずれかで適用することができる。一実施形態では、生成されたレーザビームのカーフ幅は、おおよそ2ミクロンから15ミクロンの範囲であるが、シリコンウエハのスクライビング/ダイシングでは、デバイス/シリコン界面で測定して、好ましくは、おおよそ6ミクロンから10ミクロンの範囲である。
【0042】
無機誘電体(例えば、二酸化ケイ素)のイオン化を達成し、かつ無機誘電体の直接アブレーションの前に下層の損傷によって引き起こされる層剥離とチッピングを最小限に抑えるために、十分に高いレーザ強度を提供するなどの利益および利点を有するレーザパラメータが、選択されてもよい。また、アブレーションの幅(例えば、カーフ幅)と深さが正確に制御され、産業用アプリケーションにとって意味のあるプロセススループットを提供するように、パラメータが選択されてもよい。上記のように、フェムト秒ベースのレーザは、ピコ秒ベースおよびナノ秒ベースのレーザアブレーションプロセスと比較して、このような利点を提供するのにはるかに適している。ただし、フェムト秒ベースのレーザアブレーションのスペクトルであっても、特定の波長が、他の波長よりも優れたパフォーマンスを提供する場合がある。例えば、一実施形態では、UV範囲に近いまたはUV範囲内の波長を有するフェムト秒ベースのレーザプロセスは、IR範囲に近いまたはIR範囲内の波長を有するフェムト秒ベースのレーザプロセスよりもきれいなアブレーションプロセスを提供する。特定のそのような実施形態では、半導体ウエハまたは基板のスクライビングに適したフェムト秒ベースのレーザプロセスは、おおよそ540ナノメートル以下の波長を有するレーザに基づいている。特定のそのような実施形態では、おおよそ540ナノメートル以下の波長を有するレーザのおおよそ400フェムト秒以下のパルスが、使用される。しかしながら、代替の実施形態では、デュアルレーザ波長(例えば、IRレーザとUVレーザの組み合わせ)が使用される。
【0043】
レーザスクライビングを使用して、マスクをパターニングするだけでなく、ダイを個片化するために、ウエハまたは基板を完全に貫通してスクライビングする場合、ダイシングまたは個片化プロセスは、上記のレーザスクライビング後に停止させることができることを、理解されたい。そのような一実施形態では、
図4Cに関連して以下で説明されるプラズマエッチングプロセスは省略され、プロセスは、
図4Dに関連して説明される工程で再び始まる。したがって、一実施形態では、個片化を達成するためのプラズマエッチングなどのさらなる個片化処理は、不要である。しかしながら、完全な個片化のためにレーザスクライビングのみが実施されるのではない場合には、
図4Cに関連して説明されるような以下の実施形態が、考慮され得る。
【0044】
任意選択の実施形態では、レーザスクライビングプロセスの後で、プラズマエッチング個片化プロセスの前に、中間のマスク開口後洗浄工程が、実行される。一実施形態では、マスク開口後洗浄工程は、プラズマベースの洗浄プロセスである。一例では、以下で説明するように、プラズマベースの洗浄プロセスは、間隙410によって露出された基板404のトレンチ412に対して非反応性である。
【0045】
一実施形態によれば、プラズマベースの洗浄プロセスは、洗浄プロセス中に露出領域がエッチングされないか、または無視できる程度にしかエッチングされないという点で、基板404の露出領域に対して非反応性である。そのような一実施形態では、非反応性ガスプラズマ洗浄のみが、使用される。例えば、マスク圧縮とスクライビングされた開口部の洗浄の両方のための高バイアスプラズマ処理を実行するために、Arまたは別の非反応性ガス(または混合物)が使用される。このアプローチは、マスク402などの水溶性マスクに適し得る。別のそのような実施形態では、別個のマスク圧縮(表面層の緻密化)工程およびスクライビングされたトレンチの洗浄工程が使用され、例えば、マスク圧縮のためのArまたは非反応性ガス(または混合物)の高バイアスプラズマ処理が最初に実行され、その後、レーザスクライビングされたトレンチのAr+SF6プラズマ洗浄が実行される。この実施形態は、マスク材料が厚すぎるためにAr洗浄がトレンチ洗浄にとって不十分である場合に、適し得る。
【0046】
フローチャート300の工程306および対応する
図4Cを参照すると、半導体ウエハ404が、パターニングされたマスク408内の間隙410を通ってエッチングされて、(個片化されたダイを形成するために)集積回路406を個片化する。本発明の一実施形態によれば、半導体ウエハ404をエッチングすることは、フェムト秒ベースのレーザスクライビングプロセスで形成されたトレンチ412をエッチングして、
図4Cに示すように、最終的に半導体ウエハ404を完全に貫通してエッチングすることを含む。そのような一実施形態では、
図4Cに示すように、エッチングによりダイシングテープ498の一部が露出する。
【0047】
一実施形態では、半導体ウエハ404をエッチングすることは、プラズマエッチングプロセスを使用することを含む。一実施形態では、シリコン貫通ビアタイプのエッチングプロセスが、使用される。例えば、特定の実施形態では、半導体ウエハ404の材料のエッチング速度は、毎分25ミクロンより大きい。超高密度プラズマ源が、ダイ個片化プロセスのプラズマエッチング部分に使用され得る。そのようなプラズマエッチングプロセスを実行するのに適したプロセスチャンバの例は、米国カリフォルニア州サニーベールのアプライドマテリアルズから入手可能なApplied Centura(登録商標)Silvia(商標)Etchシステムである。Applied Centura(登録商標)Silvia(商標)Etchシステムは、容量性と誘導性のRF結合を組み合わせており、容量性結合のみの場合よりも、はるかに独立したイオン密度とイオンエネルギーの制御が可能であり、磁気の強化によってもたらされる改善さえある。この組み合わせにより、イオンエネルギーからのイオン密度の効果的な分離が可能になり、非常に低い圧力でも、損傷を与える可能性のある高いDCバイアスレベルなしで比較的高密度のプラズマを実現できる。これにより、プロセスウィンドウが非常に広くなる。しかしながら、シリコンをエッチングすることができる任意のプラズマエッチングチャンバが、使用されてもよい。例示的な実施形態では、本質的に正確なプロファイル制御および実質的にスカラップのない側壁を維持しながら、従来のシリコンエッチング速度の約40%を超えるエッチング速度で単結晶シリコン基板またはウエハ404をエッチングするために、ディープシリコンエッチングが使用される。特定の実施形態では、シリコン貫通ビアタイプのエッチングプロセスが、使用される。エッチングプロセスは、反応性ガスから生成されたプラズマに基づいており、反応性ガスは、一般に、SF
6、C
4F
8、CHF
3、XeF
2などのフッ素系ガスであり、または比較的速いエッチング速度でシリコンをエッチングできる他の反応性ガスである。一実施形態では、
図4Cに示されるように、マスク層408は、個片化プロセスの後に除去される。さらに、一実施形態では、
図4Cに示すように、エッチングプロセスおよび/またはマスク除去は、ダイシングテープ498にほとんどまたは全く影響を及ぼさない。
【0048】
フローチャート300の工程308および対応する
図4Dを参照すると、材料層499が、ダイシングテープ498の上の複数の個片化された集積回路406(個片化されたダイ)の上および間に形成される。一実施形態では、個片化されたダイのみが、コーティングされる。別の実施形態では、個片化されたダイおよび連続したリング(例えば、
図1に関連して説明されたリング199)の両方が、材料層499でコーティングされる。
【0049】
一実施形態では、水溶性材料層は、水性媒体に容易に溶解可能である。例えば、一実施形態では、水溶性材料層は、アルカリ溶液、酸性溶液、または脱イオン水のうちの1つ以上に可溶性の材料で構成される。一実施形態では、水溶性材料層は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、デキストラン、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、またはポリエチレンオキシドなどの材料で構成されるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、水溶性材料層は、おおよそ1~15ミクロン/分の範囲の、より詳細には約1.3ミクロン/分の、水溶液中におけるエッチング速度を有する。別の特定の実施形態では、水溶性材料層は、スピンオン技術によって形成される。代替の実施形態では、材料層499は、非水溶性ポリマー層である。
【0050】
フローチャート300の工程310および対応する
図4Eを参照すると、ダイシングテープ498が、反対の方向497に沿って拡張される。ダイシングテープ498の拡張中に、複数のパーティクル496が、材料層499上に収集される。一実施形態では、複数のパーティクル496の発生源は、複数の個片化された集積回路406を囲むウエハの部分である。例えば、一実施形態では、複数の個片化された集積回路406を囲むウエハの連続した部分は、
図1に関連して説明した残りの部分199のように、連続している。連続した部分は、ダイシングテープ498の拡張中にクラッキングするかまたは壊れ、パーティクル496を生成する。
【0051】
再び
図4Eを参照すると、特定の実施形態では、装置は、ダイシングテープ498の上に配置された複数の個片化されたダイ406を含む。水溶性材料層499が、ダイシングテープ498の上の複数の個片化されたダイ406の上および間に配置されている。複数のパーティクル496が、水溶性材料層499上にある。一実施形態では、水溶性材料層499は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、デキストラン、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、またはポリエチレンオキシドなどの材料を含むが、これらに限定されない。一実施形態では、装置は、複数の個片化されたダイ406のそれぞれの上に配置された水溶性マスク(例えば、
図4Eに示されていないが、マスク402)をさらに含み、水溶性マスクは、複数の個片化されたダイ406のそれぞれの上面と水溶性材料層499との間にある。一実施形態では、ダイシングテープ498は、フレームに収容されている。
【0052】
図4Fを参照すると、ダイシングテープ498の拡張に続いて、材料層499およびパーティクル496が除去される。一実施形態では、材料層499およびパーティクル496は、パーティクルが個片化されたダイ406に接触することなく除去され、個片化されたダイ406を損傷から守る。材料層499は、ダイピックプロセスに備えて除去されてもよく、ダイピックプロセスで、個片化されたダイ406が、拡張されたダイシングテープから取り外される。
【0053】
一実施形態では、材料層499およびパーティクル496は、液体媒体によって除去される。一実施形態では、材料層499は、水溶性材料層であり、材料層499および複数のパーティクル496は、水性媒体で除去される。特定のそのような実施形態では、ダイシング前に形成されたマスク402もまた水溶性材料であり、水溶性マスク499およびダイシング前のマスク402の残部の両方が、水性媒体で除去される。一実施形態では、除去は、アルカリ溶液、酸性溶液、または脱イオン水のうちの1つ以上に溶解することにより、達成される。代替の実施形態では、材料層499は、非水溶性材料層であり、有機溶媒を使用して除去される。
【0054】
したがって、本発明の1つ以上の実施形態は、ウエハダイシングの後に、個片化されたダイがダイシングテープ上に残っていることを、最初に含むウエハハンドリングプロセスを含む。確実に水溶性材料がダイ間スペース領域に本質的に充填されるように、水溶性マスク層が、個片化されたダイの上にダイを覆って形成される。一実施形態では、水溶性層は、スピンコーティングされるが、スプレーすることもできる。確実にダイ間の間隙にマスクを十分に充填するために、比較的低粘度の水溶性材料を使用することができる。スピンコーティングは、ダイの破損を避けるために比較的低速で実行されてもよい。一実施形態では、スピンコーティング後、ウエハを低温(例えば、最高で50℃)で穏やかにベーキングして、マスク材料を固化させる。プロセスは、次に、ダイシングテープを拡張することを含む。ダイシングテープが拡張されると、水溶性マスクは、水性処理によってダイから除去され、続いて乾燥処理が行われる。洗浄および乾燥された個片化されたダイは、さらなる組み立ておよび/またはテストのためにピッキングされる準備ができている。
【0055】
したがって、フローチャート300および
図4A~
図4Fを再度参照すると、マスク層を貫通して、ウエハストリート(メタライゼーションを含む)を貫通して、部分的にシリコン基板の中に入る最初のレーザアブレーションによって、ウエハダイシングを実行することができる。レーザパルス幅は、フェムト秒の範囲で選択することができる。その後、シリコン貫通ディーププラズマエッチングによって、ダイ個片化を完了させることができる。次いで、ダイシングテープ拡張プロセス中に生成されるパーティクルから保護するために、得られた個片化されたダイの上に水溶性材料層を配置することができる。ダイシングのための材料スタックの特定の例が、本発明の一実施形態により、
図6A~
図6Dに関連して以下に説明される。
【0056】
図6Aを参照すると、ハイブリッドレーザアブレーションおよびプラズマエッチングダイシングのための材料スタックは、マスク層602、デバイス層604、および基板606を含む。マスク層、デバイス層、および基板は、下にあるダイシングまたはバッキングテープ610に貼り付けられたダイアタッチフィルム608の上に配置される。一実施形態では、マスク層602は、マスク402に関連して上述したフォトレジスト層などのフォトレジスト層である。別の実施形態では、マスク602は、水溶性マスクである。デバイス層604は、1つ以上の金属層(銅層など)および1つ以上の低K誘電体層(炭素ドープ酸化物層など)の上に配置された無機誘電体層(二酸化ケイ素など)を含む。デバイス層604は、集積回路間に配置されたストリートを、さらに含み、ストリートは、集積回路と同じまたは類似の層を含む。基板606は、バルク単結晶シリコン基板である。
【0057】
一実施形態では、バルク単結晶シリコン基板606は、ダイアタッチフィルム608に貼り付けられる前に、裏面から薄くされる。薄化は、裏面グラインドプロセスによって実行されてもよい。一実施形態では、バルク単結晶シリコン基板606は、おおよそ50~100ミクロンの範囲の厚さに薄くされる。一実施形態では、薄化はレーザアブレーションおよびプラズマエッチングダイシングプロセスの前に実行される、ということに留意することが重要である。一実施形態では、フォトレジスト層602は、約5ミクロンの厚さを有し、デバイス層604は、おおよそ2~3ミクロンの範囲の厚さを有する。一実施形態では、ダイアタッチフィルム608(または薄くされた、もしくは薄いウエハもしくは基板をバッキングテープ610に接着させることができる任意の適切な代替物)は、約20ミクロンの厚さを有する。
【0058】
図6Bを参照すると、マスク602、デバイス層604、および基板606の一部が、フェムト秒ベースのレーザスクライビングプロセス612でパターニングされて、基板606にトレンチ614を形成する。
【0059】
図6Cを参照すると、シリコン貫通ディーププラズマエッチングプロセス616を使用して、トレンチ614をダイアタッチフィルム608まで下方に延長し、ダイアタッチフィルム608の上部を露出させ、シリコン基板606を個片化する。デバイス層604は、シリコン貫通ディーププラズマエッチングプロセス616中、フォトレジスト層602により保護される。
【0060】
図6Dを参照すると、個片化プロセスは、ダイアタッチフィルム608をパターニングすること、バッキングテープ610の上部を露出させること、およびダイアタッチフィルム608を個片化することを、さらに含むことができる。一実施形態では、ダイアタッチフィルムは、レーザプロセスまたはエッチングプロセスによって個片化される。
【0061】
ダイアタッチフィルムがパターニングされているかどうかにかかわらず、一実施形態では、
図6Dに示されるように、個片化されたダイは、水溶性材料層699で覆われる。水溶性材料層699を使用して、ダイシングテープ拡張プロセス中に生成されたパーティクルを収集することができる。
【0062】
さらなる実施形態は、続いて水溶性材料層699を水性媒体に溶解することと、次いで基板606の個片化された部分(例えば、個々の集積回路としての)をバッキングテープ610から取り外すこととを、含んでもよい。一実施形態では、個片化されたダイアタッチフィルム608は、基板606の個片化された部分の裏側に保持される。他の実施形態は、デバイス層604からマスキング層602を除去することを含んでもよい。代替の実施形態では、基板606が約50ミクロンより薄い場合、レーザアブレーションプロセス612を使用して、追加のプラズマプロセスを使用せずに基板606を完全に個片化する。
【0063】
図4A~
図4Fおよび
図6A~
図6Dの態様を包含する特定の実施形態では、その上に複数の集積回路を有するウエハをダイシングする方法は、ウエハの上に水溶性マスク層を形成することを含み、ウエハは、ダイシングテープの上に配置され、ダイシングテープは、フレームに収容されている。この方法は、水溶性マスク層をレーザスクライビングプロセスでスクライビングして、ウエハの一部を露出させることを、さらに含む。この方法は、プラズマプロセスでウエハの露出部分をエッチングして、ウエハを複数の個片化されたダイになるようにダイシングすることを、さらに含む。この方法は、ダイシングテープの上の複数の個片化されたダイの上および間に水溶性保護層を形成することを、さらに含む。この方法は、フレームからダイシングテープを取り外すことを、さらに含む。この方法は、フレームからダイシングテープを取り外した後に、ダイシングテープを拡張することを、さらに含み、拡張中に複数のパーティクルが水溶性材料層上に収集される。この方法は、ダイシングテープを拡張した後に、水溶性保護層および水溶性マスク層の残りの部分を水性媒体で除去することを、さらに含む。
【0064】
別の態様では、再び
図4A~
図4Fを参照すると、複数の集積回路406は、おおよそ10ミクロン以下の幅を有するストリート407によって分離され得る。フェムト秒ベースのレーザスクライビングアプローチの使用は、少なくとも部分的にはレーザの厳しいプロファイル制御によって、集積回路のレイアウトにおけるそのような圧縮を可能にし得る。
【0065】
さらに別の態様では、
図4A~
図4Fを再び参照すると、複数の集積回路406は、制限されないレイアウトで半導体ウエハまたは基板404上に配置されてもよい。一実施形態では、レーザアブレーションおよびプラズマエッチング個片化プロセスの速度は、ダイサイズ、レイアウト、またはストリートの数に依存しない。
【0066】
別の態様では、マスクレスダイシングアプローチが、ダイシングのために使用され、その後、テープ拡張およびダイピック中に保護マスクが使用される。一例では、従来のステルスダイシングプロセスは、マスクコーティング(例えば、プラズマエッチング保護のため、またはテープ拡張中の保護のため)を伴わない。代わりに、ベアウエハがレーザ照射を受け、探知されにくい損傷を引き起こし、損傷した線に沿ってテープ拡張が行われて、ダイが分離され、制御不能な破片が、ダイの前面を損傷する可能性がある。
【0067】
本発明の実施形態によれば、ステルスダイシングプロセスは、マスクレス個片化プロセスとして使用される。そのような一実施形態では、内部損傷線が生成されるステルスダイシング個片化に続いて、保護マスクコーティングが形成され、次いでテープ拡張が実行される。別のそのような一実施形態では、内部損傷線が生成されるステルスダイシング個片化の前に、保護マスクコーティングが形成され、次いでテープ拡張が実行される。いずれの場合も、保護マスクコーティングは、テープ拡張中にダイを保護し、その後、保護マスクコーティングは、その上に捕らえられた破片とともに除去される。
【0068】
単一のプロセスツールが、ハイブリッドレーザアブレーションおよびプラズマエッチング個片化プロセスにおける多くのまたは全ての工程を実行するように構成されてもよい。例えば、
図7は、本発明の一実施形態による、ウエハまたは基板のレーザおよびプラズマダイシングのためのツールレイアウトのブロック図を示す。
【0069】
図7を参照すると、プロセスツール700は、複数のロードロック704が結合されたファクトリインターフェース702(FI)を含む。クラスタツール706が、ファクトリインターフェース702と結合されている。クラスタツール706は、プラズマエッチングチャンバ708などの1つ以上のプラズマエッチングチャンバを含む。レーザスクライブ装置710もまた、ファクトリインターフェース702に結合されている。
図7に示すように、プロセスツール700の全体的な占有面積は、一実施形態では、約3500ミリメートル(3.5メートル)x約3800ミリメートル(3.8メートル)であってもよい。
【0070】
一実施形態では、レーザスクライブ装置710は、フェムト秒ベースのレーザを収容する。フェムト秒ベースのレーザは、上述のレーザアブレーションプロセスなどの、ハイブリッドレーザおよびエッチング個片化プロセスのレーザアブレーション部分を実行するのに適している。一実施形態では、フェムト秒ベースのレーザに対してウエハまたは基板(またはそのキャリア)を移動させるように構成された可動ステージが、さらにレーザスクライブ装置710に含まれている。特定の実施形態では、フェムト秒ベースのレーザも可動である。
図7に示すように、レーザスクライブ装置710の全体的な占有面積は、一実施形態では、約2240ミリメートルx約1270ミリメートルであってもよい。
【0071】
一実施形態では、1つ以上のプラズマエッチングチャンバ708は、複数の集積回路を個片化するために、パターニングされたマスク内の間隙を通ってウエハまたは基板をエッチングするように構成される。そのような一実施形態では、1つ以上のプラズマエッチングチャンバ708は、ディープシリコンエッチングプロセスを実行するように構成される。特定の実施形態では、1つ以上のプラズマエッチングチャンバ708は、米国カリフォルニア州サニーベールのアプライドマテリアルズから入手可能なApplied Centura(登録商標)Silvia(商標)Etchシステムである。エッチングチャンバは、単結晶シリコン基板もしくはウエハ上または内部に収容された集積回路を個片化するために使用されるディープシリコンエッチング用に特別に設計することができる。一実施形態では、高いシリコンエッチング速度を促進するために、高密度プラズマ源が、プラズマエッチングチャンバ708に含まれている。一実施形態では、1つより多いエッチングチャンバが、プロセスツール700のクラスタツール706部分に含まれて、個片化またはダイシングプロセスの高い製造スループットを可能にする。
【0072】
ファクトリインターフェース702は、外部製造施設とレーザスクライブ装置710およびクラスタツール706との間のインターフェースとなるのに適した大気ポートであってもよい。ファクトリインターフェース702は、ウエハ(またはそのキャリア)を保管ユニット(正面開口式一体型ポッドなど)からクラスタツール706もしくはレーザスクライブ装置710のいずれか、またはその両方に移送するためのアームまたはブレードを備えたロボットを含むことができる。
【0073】
クラスタツール706は、個片化の方法における機能を実行するのに適した他のチャンバを含むことができる。例えば、一実施形態では、追加のエッチングチャンバの代わりに、堆積チャンバ712が含まれる。堆積チャンバ712は、ダイシング後に、複数の個片化されたダイのそれぞれの上および間に、例えばスピンコーティングによって、水溶性材料を堆積させるように、構成されてもよい。別の実施形態では、追加のエッチングチャンバの代わりに、ウェット/ドライステーション714が含まれる。ウェット/ドライステーションは、基板またはウエハのレーザスクライビングおよびプラズマエッチング個片化プロセスに続く、残留物や破片の洗浄、またはマスクの除去に適し得る。一実施形態では、計測ステーションもまた、プロセスツール700の構成要素として含まれる。
【0074】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態によるプロセスを実行するようにコンピュータシステム(または他の電子装置)をプログラムするのに使用できる命令を格納したマシン可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品、すなわちソフトウェアとして提供されてもよい。一実施形態では、コンピュータシステムは、
図7に関連して説明したプロセスツール700と結合されている。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を記憶または伝送するための任意のメカニズムを含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、マシン(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気、光学、音響またはその他の形式の伝搬信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号など))などを含む。
【0075】
図8は、本明細書に記載の方法論のうちのいずれか1つ以上をマシンに実行させるための一組の命令が実行され得るコンピュータシステム800の例示的な形態におけるマシンの図式的表示を示す。代替の実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。マシンは、クライアント/サーバネットワーク環境におけるサーバもしくはクライアントマシンとして動作してもよいし、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作してもよい。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、Webアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって行われるべきアクションを指定する一組の命令(シーケンシャルまたはその他)を実行することができる任意のマシンであってよい。さらに、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語はまた、本明細書に記載の方法論のうちのいずれか1つ以上を実行するための一組(または複数の組)の命令を個別または共同で実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集まりを含むものと、解釈されるべきである。
【0076】
例示的なコンピュータシステム800は、プロセッサ802、メインメモリ804(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)またはラムバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、および二次メモリ818(例えば、データ記憶デバイス)を含み、これらは、バス831を介して互いに通信する。
【0077】
プロセッサ802は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、プロセッサ802は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。プロセッサ802は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ以上の専用処理デバイスであってもよい。プロセッサ802は、本明細書に記載の動作を実行するための処理ロジック826を実行するように構成される。
【0078】
コンピュータシステム800は、ネットワークインターフェースデバイス808を、さらに含むことができる。コンピュータシステム800は、ビデオディスプレイユニット810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)、および信号生成デバイス816(例えば、スピーカー)を、さらに含むことができる。
【0079】
二次メモリ818は、本明細書に記載の方法論または機能のうちのいずれか1つ以上を具現化する命令の1つ以上の組(例えば、ソフトウェア822)が格納されているマシンアクセス可能記憶媒体(またはより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)830を、含むことができる。ソフトウェア822は、コンピュータシステム800による実行中に完全にまたは少なくとも部分的にメインメモリ804内および/またはプロセッサ802内にあってもよく、メインメモリ804およびプロセッサ802もまたマシン可読記憶媒体を構成する。ソフトウェア822は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス808を介してネットワーク820上で送信または受信されてもよい。
【0080】
マシンアクセス可能記憶媒体830は、例示的な実施形態では、単一の媒体であるように示されているが、「マシン可読記憶媒体」という用語は、命令の1つ以上の組を格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むものと、解釈されるべきである。「マシン可読記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実行されて、マシンに本発明の方法論のうちのいずれか1つ以上を実行させる一組の命令を格納またはエンコードすることができる任意の媒体も含むものと、解釈されるべきである。したがって、「マシン可読記憶媒体」という用語は、限定されないが、ソリッドステートメモリ、ならびに光学および磁気媒体を含むものと、解釈されるべきである。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、マシンアクセス可能記憶媒体は、複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法を、データ処理システムに実行させる命令を、格納している。この方法は、ウエハを、ダイシングテープの上に配置された複数の個片化されたダイにダイシングすることを含む。この方法は、ダイシングテープの上の複数の個片化されたダイの上および間に水溶性材料層を形成することを、さらに含む。水溶性材料とその上に集められたパーティクルは、最終的に除去される。
【0082】
かくして、半導体ウエハをダイシングする方法が、開示された。