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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】EUVリソグラフィシステムの配置構成
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230106BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020528215
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018079893
(87)【国際公開番号】W WO2019101488
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】102017221143.1
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー キーリー
(72)【発明者】
【氏名】ウルフガング メルケル
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-544534(JP,A)
【文献】特開2009-021566(JP,A)
【文献】特開2009-016640(JP,A)
【文献】特表2015-523611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射EUV放射を反射するように構成された光学有効面(62)を有する反射光学要素(60)と、前記光学有効面(62)を清掃する試薬を生成するフィラメント配置構成(65)とを備え、前記フィラメント配置構成(65)は、グロー又は加熱要素として構成された少なくとも1つのフィラメント(66)を備える、EUVリソグラフィ装置の配置構成であって、前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記反射光学要素(60)の前記光学有効面(62)の間近に前記光学有効面(62)に沿って配置され、前記少なくとも1つのフィラメント(66)の厚さは、3mm未満であり、前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記光学有効面(62)から5mm~50mmの範囲の距離に配置され、
前記反射光学要素(60)は、リソグラフィ装置(10)における動作中、ファセットミラーの上流に配置され、前記ファセットミラーは、第2の方向(y)よりも第1の方向(x)において大きな寸法を有するファセット(92)を備え、前記第2の方向(y)は前記第1の方向に直交し、前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記ファセット(92)の前記第1の方向(x)に実質的に平行する方向に延びることを特徴とする配置構成。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)の前記厚さは、2mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の配置構成。
【請求項3】
前記フィラメント配置構成(65)は、前記光学有効面(62)に沿って均一に分布して配置された複数のフィラメント(66)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の配置構成。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記光学有効面(62)の中心(64)と前記光学有効面(62)の半径方向外縁領域(68)との間に実質的に半径方向に延びるように位置決めされることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記光学有効面(62)の中心(64)に対して実質的に接線方向に延びるように位置決めされることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項6】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、遠視野で使用されない前記EUV放射の一部を反射する前記光学有効面(62)の領域に沿って延びることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、抵抗加熱要素として構成されることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)は、前記フィラメント(66)に電流を供給する少なくとも1つの電気供給導体(74、78、80;110、112)に接続されることを特徴とする請求項に記載の配置構成。
【請求項9】
前記少なくとも1つの供給導体(74、78、80;110、112)は、前記少なくとも1つのフィラメント(66)のホルダとして構成されることを特徴とする請求項に記載の配置構成。
【請求項10】
前記少なくとも1つの供給導体(74、78、80)は、前記光学有効面(62)の中心(64)と半径方向外縁領域(68)との間に半径方向に、前記光学有効面(62)に沿って延びることを特徴とする請求項8又は9に記載の配置構成。
【請求項11】
前記少なくとも1つの供給導体(80;112)は、前記少なくとも1つのフィラメント(66)に直交して前記光学有効面(62)に沿って延びることを特徴とする請求項8~10の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項12】
前記少なくとも1つの供給導体(112)は、前記光学有効面(62)の外部に配置されることを特徴とする請求項に記載の配置構成。
【請求項13】
前記少なくとも1つのフィラメント(66)を保持する、前記光学有効面に沿って延びる少なくとも1つの好ましくは絶縁又は非導電性の保持要素(120)が配置されることを特徴とする請求項12に記載の配置構成。
【請求項14】
前記配置構成は、バイアス電圧を前記少なくとも1つのフィラメント(66)に印加するように構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の配置構成。
【請求項15】
前記反射光学要素(60)はEUV放射源(16)のコレクタミラー(20)であることを特徴とする請求項1~14の何れか一項に記載の配置構成。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載の配置構成を備えたEUVリソグラフィ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年11月27日の独国特許出願第10 2017 221 143.1号明細書の優先権を主張するものであり、この独国特許出願は参照により本発明に援用される。
【0002】
本発明は、入射EUV放射を反射するように構成された光学有効面を有する反射光学要素と、光学有効面を清掃する試薬を生成するフィラメント配置構成とを備え、フィラメント配置構成は、グロー又は加熱要素として構成された少なくとも1つのフィラメントを備える、EUVリソグラフィ装置の配置構成に関する。
【背景技術】
【0003】
導入部で言及されたタイプの配置構成は米国特許出願公開第2010/0051827A1号明細書から既知である。
【0004】
リソグラフィ装置は一般に、例えば、微細構造の半導体構成要素を生成するように機能する。リソグラフィ装置により、この場合、マスクのパターンが投影放射によりウェーハ上に撮像される。半導体構成要素のリソグラフィ製造中、構造を基板(ウェーハ)上に撮像することができる解像度は、時には投影放射の波長によって制限される。したがって、非常に高い構造密度及び小さな構造寸法を有する集積回路を得るために、極紫外線スペクトル範囲(EUV)での投影放射を使用することが提案されている。EUV放射は、例えば、約13nmの波長を有することができる。
【0005】
EUV放射源は通常、プラズマ源である。プラズマを生成するために、いわゆるターゲットは長波長を有するレーザ光で照射されることが多く、ここでは、例えば、錫(Sn)がターゲットに使用される。次に、生成されたプラズマはEUV放射を放射する。
【0006】
EUVリソグラフィ装置では、EUV範囲の放射を透過するレンズ要素材料はないため、光学要素として専ら反射光学要素が使用される。EUVリソグラフィ装置に存在する反射光学要素は、EUVリソグラフィ装置の光学系の十分に高い全反射率を保証するために、可能な限り高い反射率を有する必要がある。反射光学要素の反射率及び寿命は、望ましくないことに、反射光学要素の光学有効面の汚染によって低減する恐れがある。この場合、ターゲットの最も近くに配置されるコレクタミラーは、汚染により特に負担が掛かる。コレクタミラーは、EUV放射を更なるビーム路に供給するために、プラズマから発せられたEUV放射を捕捉し収集する。特に、ターゲット材料、例えばSnの堆積物及びその化学成分の堆積物がコレクタミラーの光学有効面に形成される恐れがある。しかしながら、炭素化合物等の他の堆積物が、リソグラフィ装置のコレクタミラー及び他の反射光学要素に堆積する恐れもある。
【0007】
EUVリソグラフィ装置の反射光学要素の光学有効面から汚染物を清掃して除去するために、光学面を活性化水素、すなわち、例えばH、H、及び/又はH の形態で存在する水素に接触させることが既知である。それにより、光学有効面上の汚染物を、もはや光学有効面に付着しない容易に揮発する化合物に変換することが可能である。本発明の意味での試薬は、例えば、活性化水素であることができる。
【0008】
リソグラフィ装置の露出動作中に、例えば活性化水素を用いて光学有効要素の光学有効面を清掃できることが望ましい。このために種々の技法が当技術分野で既知である。上記で引用した米国特許出願公開第2010/0051827A1号明細書という文献には、互いに入れ子になった複数のミラーシェルを備えるネスト式コレクタミラーであって、個々のミラーシェルの光学有効面は、かすめ入射を用いて操作される、ネスト式コレクタミラーが記載されている。動作中、汚染物を清掃して除去するために、特に、グローワイヤがEUV放射の影領域に配置されるように、個々のミラーシェルの背面、すなわち、各ミラーシェルの光学有効面とは逆を向いた光学的に非有効な表面に、グローワイヤとして構成された複数のフィラメントを配置することが提案されている。これは、コレクタミラーの光学性能に悪影響を有さないことが意図される。しかしながら、この手法は、非ネスト式ミラー、特にEUV放射を反射する光学有効面を1つしか有さないコレクタミラーには適さず、又はより低い程度でのみ適する。これは、ミラー背面へのフィラメントの配置が光学有効面に対して十分な清掃効果を持たないためである。
【0009】
独国特許出願公開第10 2008 040 720 A1号明細書に記載されるように、当技術分野における他の手法は、例えば、清掃ガス、例えば分子水素の供給源と、グローワイヤと、原子水素及び/又は分子水素の放出器とを備える1つ又は複数の清掃ヘッドであって、清掃デバイスの流出口は、清掃すべき有効光学要素の反射領域外部に配置されるように位置決めされる、1つ又は複数の清掃ヘッドを提供している。
【0010】
米国特許出願公開第2017/0064800A1号明細書は、EUV放射を法線入射するように構成されたコレクタミラーの場合、EUVコレクタミラーの中心の周りに対称にコレクタミラーの光学有効面の外縁領域の間近に、光学有効面の外部に、グローワイヤの形態の複数のフィラメントを配置することを提案している。その場合、熱いグローワイヤは分子水素を、光学有効面に堆積したSnをエッチングで除去する活性化水素、例えば水素ラジカルに変換する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
EUVリソグラフィ装置の光学有効面を清掃する多くの手法にも拘わらず、反射光学要素の光学有効面への清掃効果を改善した、導入部で言及したタイプの配置構成がなお必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
導入部で言及した配置構成に関しては、この目的は、少なくとも1つのフィラメントが反射光学要素の光学有効面の間近に光学有効面に沿って配置されることにより達成され、ここで、少なくとも1つのフィラメントの厚さ及び/又は位置は、少なくとも光学有効面により反射したEUV放射の遠視野における少なくとも1つのフィラメントの光学的影響を最小にするように選ばれる。
【0013】
従来技術では、光学有効面を清掃する熱フィラメントにおいて生成された試薬のエッチング速度が、フィラメントからの距離の増大に伴って大幅に低減することは認識されていなかった。したがって、本発明は、光学有効面外部にフィラメント配置構成を配置するという概念から離れた。本発明によれば、フィラメント配置構成は、反射光学要素の清掃すべき光学有効面の間近に配置される。したがって、フィラメント配置構成の清掃効果は有意に改善する。本発明による配置構成のフィラメントは光学有効面の反射領域に配置されるため、本発明による配置構成は、少なくとも1つのフィラメントの厚さ及び/又は位置の適宜選択により、少なくも光学有効面により反射されたEUV放射の遠視野における少なくとも1つのフィラメントの光学的影響を更に最小にするように作られる。ここでの位置は、少なくとも1つのフィラメントの向きも意味すると理解されたい。「光学有効面により反射したEUV放射の遠視野」は、反射光学要素から遠く離れたEUVの放射野又は波面を意味すると理解されたい。極めて重要なのは、フィラメントが反射光学要素の間近において反射EUV放射への光学的影響を有するか否かではなくむしろ、波面の生じ得る外乱が、EUVリソグラフィ装置の撮像系の画像面、すなわち、露出すべきウェーハの平面において明らかになるか否かである。光学有効面に沿った少なくとも1つのフィラメントの厚さ及び/又は位置の適宜選択により、ウェーハ平面におけるEUV放射の波面が各露出で必要とされる仕様以内であるような程度まで、反射EUV放射へのそのような有害な光学的影響を最小にすることが可能になる。
【0014】
フィラメント配置構成は、例えば、蛇行するよう光学有効面にわたり分布するように配置することができるような長い長さを有する1つのフィラメントを備えることができる。しかしながら、フィラメント配置構成はまた、表面に沿って分布するように配置された複数の個々のフィラメントを備えることもでき、ここで、フィラメント又はフィラメントの一部は互いに接続することができる。
【0015】
本発明による配置構成は、反射光学要素がEUV光源のコレクタミラーであり、特に、そのようなコレクタミラーが、法線入射に向けて設計されたコレクタミラーである場合に特に有利である。
【0016】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つのフィラメントの厚さは3mm未満、好ましくは2mm未満、より好ましくは1mm未満である。
【0017】
少なくとも1つのフィラメントの厚さが薄いほど、光学有効面により反射されるEUV放射の遠視野における影響は低くなる。
【0018】
更なる好ましい実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、光学有効面から5mm~50mmの範囲の距離に配置される。
【0019】
光学有効面から少なくとも1つのフィラメントを離間することには、第1に、反射EUV放射への光学的影響がより小さく、第2に、その結果、光学有効面への少なくとも1つのフィラメントの熱的影響が低減するという利点がある。熱的影響は、光学要素を適宜冷却することにより更に低減又はなくすことができる。離間は5mm~30mmの範囲、更には5mm~20mmの範囲であることができる。
【0020】
更なる好ましい実施形態では、フィラメント配置構成は、光学有効面に沿って均一に分布するように配置された複数のフィラメントを備える。
【0021】
この場合、均一な清掃効果が光学有効面にわたり確立されることが有利である。第2に、それにより、光学有効面にわたり不均一に分布する、光学有効面上のフィラメントの熱的影響を回避することも可能である。
【0022】
好ましい実施形態について、光学有効面に沿った少なくとも1つのフィラメントの位置に関して以下に説明する。
【0023】
一実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、光学有効面の中心と光学有効面の半径方向外縁領域との間に実質的に半径方向に延びるように位置決めされる。
【0024】
フィラメント配置構成が複数のフィラメントを備える場合、フィラメント配置構成は、好ましくは、光学有効面の中心に関して中心半径方向対称に実施することができる。
【0025】
更なる実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、光学有効面の中心の周りに実質的に円形に又は部分的に円形に延びるように位置決めされる。
【0026】
その結果、中心に関して回転対称であるフィラメント配置構成を提供することができる。
【0027】
更に別の実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、光学有効面の中心に関して実質的に接線方向に延びるように位置決めされる。
【0028】
上述した実施形態及び/又は半径方向位置決めの上述された更なる実施形態に関連して、反射光学要素がリソグラフィ装置における動作中、第1の方向に垂直する第2の方向よりも第1の方向において大きな寸法を有するファセットミラーの上流に配置される場合、少なくとも1つのフィラメントが、光学有効面に沿ったファセットの第1の方向に実質的に平行する方向に延びることが有利である。
【0029】
少なくとも1つのフィラメントの矩形位置決めの場合、フィラメントがファセットミラーのファセットの長寸法の方向に延びるとき、光学的影響が特に小さいか、又はないことが分かっている。
【0030】
光学的影響はまた、遠視野において使用されないEUV放射の部分を反射する光学有効面の領域に沿って延びる少なくとも1つのフィラメントにより最小にすることができる。
【0031】
この対策は、光学有効面により反射されるEUV放射が全体的に、ウェーハ平面への撮像に寄与しないことを利用することができる。例えば、これは、例えば非反射領域に入射するEUV放射がウェーハ平面の方向においてそれ以上導波されないような、例えばミラーセグメント間のギャップ等の非反射領域を備える既に述べたファセットミラー等のEUV放射セグメント化反射光学要素の更なるビーム路に配置される場合に当てはまる。非反射領域から清掃すべき光学要素-特にコレクタミラー-までビーム路を遡ることにより、遠視野において現れる光学的影響を妨げずに、フィラメントを配置することができる、清掃すべき光学有効面上の領域を特定することが可能である。
【0032】
更なる実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは抵抗加熱要素として構成される。
【0033】
対応する電圧源及び/又は電流源を有する抵抗加熱要素としての少なくとも1つのフィラメントの構成には、例えば熱放射による等のフォラメントの他の加熱方法よりも、例えば、フィラメントを非常に高温まで加熱することができ、したがって、試薬、例えば活性化水素を効率的に生成することができるという優れた利点がある。さらに、外部加熱システムの結果としての漂游熱の影響が回避される。フィラメントはDC電圧又はAC電圧を用いて動作することができる。
【0034】
フィラメントに適する材料と見なし得るものは、特に、例えばタングステン等の高温で気化するか、又は気化するとしてもごく僅かである材料である。
【0035】
少なくとも1つのフィラメントが、好ましくは少なくとも1つのフィラメントのホルダとして構成される、少なくとも1つのフィラメントに電流を供給する少なくとも1つの電気供給導体に接続される場合、更に有利である。
【0036】
この場合、電気供給導体は、少なくとも1つのフィラメントよりも大きな厚さを有することができる。例として、フィラメントは厚さ1mmを有することができ、電気供給導体は厚さ3mmを有することができる。供給導体は、有利なことに、ワイヤとして構成することができる。
【0037】
更なる好ましい実施形態では、少なくとも1つの供給導体は、光学有効面の中心と半径方向外縁領域との間に半径方向に光学有効面に沿って延びる。
【0038】
少なくとも1つの供給導体のこの構成は、有利なことに、少なくとも1つのフィラメントの位置に従って、フィラメントは同様に半径方向に延びるか、又はフィラメントは光学有効面の中心の周りに円形に又は部分的に円形に延びる少なくとも1つのフィラメントの位置の上述した実施形態の1つに選ぶことができる。
【0039】
それぞれ隣接する供給導体間の電圧の極性は、供給導体により生じる電場が互いを相殺するという利点がある交互であることができ、又は同一極性の接続を複数の供給導体に使用することができ、それにより、必要とされる接続数が低減するため、構造を簡易化するという利点がある、電圧の極性は供給導体間で同一であることができる。
【0040】
フィラメントが光学有効面に沿って線形に、すなわち直線に延びる少なくとも1つのフィラメントの位置に関する上述した実施形態の1つでは、好ましくは、供給導体も光学有効面に沿って直線であるが、フィラメントに直交して延びる。
【0041】
しかしながら、フィラメントとは対照的に、電気供給導体はまた、更に好ましい実施形態において提供されるように、光学有効面の完全に外部に配置することもできる。この実施形態では、電気供給導体は、光学有効面により反射されるEUV放射に対して何の光学影響も有さない。上述した実施形態に関連して、少なくとも1つのフィラメントを定位置に保持する1つ又は複数の追加の絶縁又は非導電保持要素を光学有効面に沿って配置することができる。追加の保持要素は、少なくとも1つのフィラメントの配置及び位置決めを安定化させるように機能する。
【0042】
好ましくは、フィラメントはバイアス電圧を用いて動作し、バイアス電圧は、荷電粒子、特に鉄が、光学有効面のダメージを生じさせる恐れがある、光学有効面に向かって加速するのを回避する。
【0043】
本発明によるEUVリソグラフィ装置は、上述した実施形態の1つ又は複数による配置構成を備える。
【0044】
更なる利点及び特徴が以下の説明及び添付図面から明らかになる。
【0045】
上記特徴及び以下のまだ説明されていない特徴が、本発明の範囲から逸脱せずに、各事例で指定された組合せのみならず、他の組合せで又はそれら自体ででも使用可能なことは言うまでもない。
【0046】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示され、図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】EUVリソグラフィ装置の基本図を示す。
図2】例示的な一実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図2Aは平面図を示し、図2Bは反射光学要素を通る断面を示す。
図3】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図3Aは平面図であり、図3Bは反射光学要素の断面を示す。
図4】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図4Aは平面図であり、図4Bは反射光学要素の断面を示す。
図5】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図5Aは平面図であり、図5Bは反射光学要素の断面を示す。
図6】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図6Aは平面図であり、図6Bは反射光学要素の断面を示す。
図7】一例によるEUVリソグラフィ装置のファセットミラーのファセット配置構成を示す。
図8】左側にフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、右側に画像平面における反射光学要素により反射されたEUV放射へのフィラメントの光学的影響を示す図を示す。
図9】左側にフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、右側に画像平面における反射光学要素により反射されたEUV放射へのフィラメントの光学的影響を示す図を示す。
図10】フィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、右側に画像平面における反射光学要素により反射されたEUV放射へのフィラメントの光学的影響を示す図を示す。
図11】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図11Aは平面図を示し、図11Bは反射光学要素の断面を示す。
図12】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図12Aは平面図を示し、図12Bは反射光学要素の断面を示す。
図13】更なる例示的な実施形態によるフィラメントの配置構成を有する反射光学要素を示し、図13Aは平面図を示し、図13Bは反射光学要素の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、全体参照符号10が提供されたEUVリソグラフィ装置を示す。EUVリソグラフィ装置10は、微細構造化半導体構成要素の製造に使用することができる。
【0049】
EUVリソグラフィ装置10は、照明系12及び投影レンズ14を備える。照明系12はEUV放射源16を備える。EUV放射源16は、例えば、例えば錫(Sn)ドーパントにより形成されたターゲット17が、励起源18、例えば赤外線レーザにより励起してプラズマを形成するプラズマベースの放射源である。生成されたプラズマはEUV放射を発し、EUV放射はコレクタミラー20により収集され、EUVビーム路21に供給される。
【0050】
照明系は、放射伝搬方向に更なるミラー22、24、26、28、及び30を備え、これらのミラーを介して、EUV放射源16により生成されたEUV放射は、反射レチクル34が配置された物体平面32に向けられる。
【0051】
EUV放射伝搬方向において、投影レンズ14は、ミラー36、38、40、42、44、及び46を含むミラー配置構成を備え、ミラー配置構成を介して、レチクル34のパターン(ここに図示せず)は、ウェーハ50、例えば半導体基板が配置された画像平面48に撮像される。
【0052】
EUVリソグラフィ装置10が専ら、光学要素として、上記でミラーとして設計された反射光学要素を有することが上記説明から明らかである。
【0053】
EUVリソグラフィ装置の性能のために、反射光学要素、すなわち、上述したミラーが、EUVリソグラフィ装置10の光学系の十分に高い全反射率を保証するために、可能な限り高い反射率を有することが極めて重要である。しかしながら、望ましくないことに、反射光学要素の反射率及び寿命は、反射光学要素の光学有効面の汚染により低減する恐れがある。
【0054】
この種の汚染は、例えば、炭素化合物を含むことができるが、ターゲット17のターゲット材料の原子化合物の堆積物も含むことができる。したがって、この種の汚染を光学有効面から清掃して除去することが重要であり、清掃は特にEUVリソグラフィ装置10の動作中に可能であるべきである(in-situ清掃)。このために、EUVリソグラフィ装置10の動作中に汚染を清掃して除去できるようにする反射光学要素の例示的な実施形態の説明を以下に与える。
【0055】
本明細書に記載される例示的な実施形態の基本原理の本質は、加熱又はグローワイヤとして構成された少なくとも1つ又は複数のフィラメントを備えたフィラメント配置構成であって、光学有効面がin situで清掃されるように光学有効面の間近で試薬を生成するために、フィラメントは清掃すべき反射光学要素の光学有効面に沿って配置される、フィラメント配置構成にある。この場合、生成すべき試薬は、例えば、動作中に熱いフィラメントによる分子水素から生成される活性化水素である。この場合、フォラメントは永久的にグローさせる必要はなく、むしろ、これはまた時間間隔を置いて行うことができる。
【0056】
フィラメントは、清掃すべき反射光学要素の光学有効面の間近に光学有効面に沿って配置されるため、それにも関わらず、遠視野、特にEUVリソグラフィ装置10の画像平面48において光学有効面により反射されるEUV放射への光学的影響は可能な限り小さいはずである。
【0057】
図2A及び図2Bは、本発明の原理による反射光学要素60を備えた配置構成の例示的な一実施形態を示す。一般性を何ら制限することなく、反射光学要素60は特に、図1のEUVリソグラフィ装置10のコレクタミラー20であることができる。ターゲット17への近接性により、コレクタミラー20は特に、ターゲット17のターゲット材料の堆積の結果として汚染により負担が掛かる。
【0058】
反射光学要素60は光学有効面62を有する。反射光学要素60がEUVリソグラフィ装置10のコレクタミラー20である、ここに示される例示的な実施形態では、光学有効面62は中心64を有し、中心64において、光学有効面62は穿孔を有し、励起光源18からの励起光は穿孔を透過することができる。光学要素60の光学有効面62は、表面62に入射するEUV放射が集束的に反射するように凹形を有する。要素60は法線入射を用いて動作する。
【0059】
フィラメント配置構成65の複数のフィラメント66は、光学有効面62に沿って均一に分布するように配置され、上記フィラメントはグロー又は加熱ワイヤとして構成される。示される例示的な実施形態では、合計で8つのフィラメント66が、光学有効面62に沿って分布するように配置される。
【0060】
この場合、フィラメント66は、光学有効面62の中心64と外縁領域68との間に半径方向に延びるように位置決めされる。
【0061】
グローワイヤ66は、ここに示されるように、コイルのように実施することができ、ここで、コイルは互いに密に重みが掛かるべきではなく、むしろ、それぞれ隣接するコイル間にギャップがあるべきである。その結果、光学有効面62へのフィラメント66の影の影響は低減する。
【0062】
この場合、個々のフィラメント66の厚さは可能な限り薄く選ばれ、フィラメント66の厚さは、各事例で少なくとも3mm未満、好ましくは2mm未満、又はより好ましくは1mm未満であるべきである。
【0063】
フィラメント66は、非常に高温であっても気化する傾向がない材料から製造することができる。適した材料は、例えば、タングステンである。
【0064】
図2Bから明らかなように、フィラメント66は光学有効面62から離間され、約1cmの距離が適する。一般に、この距離は5mm~50mmの範囲で選ぶことができる。
【0065】
フィラメント66は抵抗加熱要素として構成され、電圧供給源(図示せず)により電圧がフィラメント66に印加され、電圧はDC電圧又はAC電圧であることができる。図3Aでは、例として、電圧供給の極性又は電位分布は「+」及び「-」により示されている。示される例示的な実施形態では、電圧の極性はフィラメント66間で同一であり、それにより、第1に中心64において、第2に縁部領域68においてフィラメント66の電気接触は簡易化される。
【0066】
図2A及び図2Bによる例示的な実施形態におけるフィラメント66の配置構成は、フィラメント66が、ここでは互いに対する角距離を意味するものとして理解すべきである均一距離で光学有効面62に沿って分布するように配置される中心対称配置を構成する。
【0067】
フィラメント66は、縁部領域68においてマウント70に固定することができ、中心近傍領域においてリング形ウェブ72に固定することができ、上記ウェブは中心64において穿孔を区切る。
【0068】
例えば、分子水素Hが反射光学要素60の周囲に適用される結果として、フィラメント66が電流により加熱されると、例えばフィラメント66において活性化水素H、H、及び/又はH が生成され、上記活性化水素は、堆積物が揮発性化合物に変換されることによりエッチングにより汚染物、例えばターゲット17のターゲット材料の堆積物を清掃して除去する。
【0069】
図3A及び図3Bは更なる例示的な実施形態を示し、ここで、図2A及び図2Bと同一の参照符号が、図2A及び図2Bにおける要素と同一又は同等の要素に使用されている。
【0070】
図2A及び図2Bにおける例示的な実施形態のフィラメント66は、光学有効面62の半径方向に広がり全体にわたり延びるが、図3A及び図3Bにおけるフィラメント配置構成65のフィラメント66は短くなり、すなわち、中心64と縁部領域68との間で光学有効面62に沿って光学有効面62の半径方向に広がり全体にわたり延びない。これは、フィラメント66の光学的影響に関してプラスの影響を有することができる。フィラメント66は電気供給導体74及び78に接続され、電気供給導体74及び78は、フィラメント66に電流を供給するとともに、フィラメント66を光学有効面62からある距離にある位置に保持する。供給導体74は、ワイヤとして構成することができ、したがって、フィラメント66を保持し、フィラメント66に電流を供給する機能を有する。供給導体74、78は、フィラメント66よりも大きな厚さを有することができる。抵抗がより小さいため、導体74、78は電流により加熱されないままであるか、又は加熱されるとしてもごく僅かである。
【0071】
フィラメント66のように、供給導体74、78も中心64と半径方向外縁領域68との間に半径方向に延びる。
【0072】
図4A及び図4Bは更なる例示的な実施形態を示し、ここでも、同一の参照符号が図2A及び図2Bと同一又は同等の要素に使用されている。
【0073】
図4A及び図4Bにおける例示的な実施形態では、各事例で半径方向において、フィラメント配置構成65の2つのフィラメント66は直列に配置され、上記フィラメントは追加の供給導体80を介して相互接続される。そのような配置により、前の例示的な実施形態と比較してフィラメント66の清掃効果を上げることができるが、一方、フィラメント66の光学的影響は図2A及び図2Bにおける例示的な実施形態と比較して小さくなる。
【0074】
図5A及び図5Bは更なる例示的な実施形態を示し、ここでも、図2A及び図2Bと同一の参照符号が、図2A及び図2Bにおける要素と同一又は同等の要素に使用されている。
【0075】
中心対称フィラメント配置構成65が図2A図2B図3A図3B図4A、及び図4Bによる例示的な実施形態に示されるが、図5A及び図5Bによる例示的な実施形態では、フィラメント66は、中心64の周りに回転対称に光学有効面62に沿って分布するように配置される。この場合、フィラメント66は光学有効面62の中心64の周りに円形に延びる。したがって、フィラメント66は光学有効面62に沿って円形の線に沿って延びる。
【0076】
フィラメント66を保持するために、各事例で半径方向外縁領域68と中心64との間に半径方向に延びる電気供給導体80は、光学有効面62に沿って分布するように配置される。ここで、極性(「+」「-」)は、導体80からのそれぞれ隣接する導体間で交互になる。
【0077】
図6A及び図6Bは更なる例示的な実施形態を示し、ここでも、同一の参照符号が図2A及び図2Bと同一又は同等の要素に使用されている。
【0078】
図5A及び図5Bにおける例示的な実施形態とは対照的に、フィラメント配置構成65のフィラメント66は、部分的な円形線のみに沿ってではなく、各円形線全体に沿って光学有効面62に沿って分布するように配置され、ここで、フィラメント66は光学有効面62に沿って4つのセクタに配置される。
【0079】
フィラメント66に電流を供給する導電体80は、中心64と半径方向外縁領域68との間に半径方向に延び、さらに、光学有効面62からある距離のところにフィラメント66を保持するように機能する。
【0080】
フィラメント66の向きを含む位置及び厚さが、遠視野において光学有効面62により反射されるEUV放射に対する少なくとも1つのフィラメント66の光学的影響にいかに影響を及ぼすかについての説明を以下に与える。
【0081】
図1のEUVリソグラフィ装置10等のEUVリソグラフィ装置では、通常、少なくとも1つのファセットミラーが、物体平面32におけるレチクル34の所望のタイプの照明を設定するのに使用される。例として、フィールドファセットミラー及び瞳ファセットミラーが通常、使用され、図1のミラー22はファセットミラーであることができる。
【0082】
図7は、ファセットミラーのファセット配置構成90を例として示す。ファセット配置構成90は複数の個々のファセット92を含み、図7では、ファセット92は白色矩形として示されている。ファセットは、第2の方向(y方向)における広がりよりも第1の方向(x方向)において大きな広がりを有する。ファセット92は、ここで示されるように、反射面を予め画定し、それぞれ6から8つのファセット群94、95、96、97を有する4列に群化することができる。ファセット群94、95、96、97はそれぞれ、例えば、7つのファセット92を有する。
【0083】
図8図10を参照して、図7に示されるファセット配置構成を有するファセットミラーが、例えば、EUVビーム路に配置された場合、フィラメント66の位置及びその厚さが、EUVリソグラフィ装置の遠視野、特に画像平面48において光学有効面62により反射されたEUV放射に対してどのような光学的影響を有するかについての説明を以下に与える。
【0084】
図8は、フィラメント66がファセット92の短寸法、すなわちy方向に平行して延びる場合を示す。
【0085】
図8は、右側に、ウェーハ平面W(横座標)におけるコレクタミラー20の光学有効面62により反射されたEUV放射の均一性Uを示す図を示す。
【0086】
線100は、均一性Uに求められる仕様を示す。図は、フィラメント厚1mm(点102)、2mm(点104)、及び3mm(点106)でのウェーハ平面におけるEUV放射のU値を示す。図から明らかなように、Uの値は、全てのフィラメント厚1mm、2mm、3mmで求められる仕様から外れており、すなわち、ウェーハ平面Wにおける撮像は、3つ全てのフィラメント厚で、求められる仕様を満たさない。少なくとも1つのフィラメント66の厚さが増大するにつれて、撮像値はますます、仕様への準拠に失敗することも明らかである。
【0087】
次に、図9は、フィラメント66が図7のファセット92の長寸法(x方向)に平行して延びる場合を示す。次に、パラメータUの図は、ウェーハ平面Wにおけるコレクタミラー20の光学有効面62により反射されたEUV放射の均一性Uが、少なくとも1つのフィラメント66の厚さが3mm(図中の右側の点)であっても、仕様(線100)内にあり、すなわち、ウェーハ平面Wにおける撮像が、少なくとも1つのフィラメント66のこの向きを所与として、求められる仕様を満たすことを示す。換言すれば、ファセット92の長寸法に平行する位置を所与として、光学有効面62により反射されたEUV放射の遠視野におけるフィラメント66の光学的影響は、撮像の必要とされる仕様が満たされるように最小である。
【0088】
図10は、フィラメント66が光学有効面62の中心64の周りに円形に延びる場合を示す。
【0089】
図10の図から、フィラメント66の厚さが1mmの場合(図の左側の点)、Uの仕様(線100)を少なくとも概ね満たすことができることが明らかである。
【0090】
図11A及び図11Bは、反射光学要素60の更なる例示的な実施形態を示し、ここで、同一の参照符号が図2A及び図2Bと同一又は同等の要素に使用されている。
【0091】
図11A及び図11Bの例示的な実施形態では、フィラメント配置構成65のフィラメント66は、光学有効面62の中心64に関して直線で接線方向に延び、ここで、フィラメント66の方向は、ファセット92の長方向であるx方向に平行して向けることができる。図9を参照して上述したように、そのような位置のフィラメント66は、遠視野におけるEUV放射に対して、ひいてはEUVリソグラフィ装置10の画像平面48への撮像に対して生じ得る光学的影響に関して有利である。電気供給導体110は、フィラメント66を相互接続し、光学有効面62からある距離にフィラメント66を保持する(図11B参照)。フィラメント66に直交して延びる更なる供給導体112も同様に、フィラメント66に電流を供給するように機能し、接続の極性は「+」及び「-」で示され、供給導体112は、フィラメント66を定位置に保持するように更に機能することができる。導体112はファセット92の長寸法の方向に直交して、すなわちy方向に延びるため、有利なことに、導体112は、光学的影響が同様に最小に抑えられる結果として、各ファセット群94と96との間にギャップ114、116、118(図7参照)を持って配置されるように位置決めすることができる。
【0092】
この後者の位置決め原理は、光学有効面62の1つ又は複数の領域に沿って延びるようにフィラメントが位置決めされ、それにより、遠視野で使用されないEUV放射の部分が反射されることにより、他の例示的な実施形態では、フィラメント66自体に使用することもできる。
【0093】
図12A及び図12Bは、フィラメント配置構成65のフィラメント66が、図11A及び図11Bと同様に、例えば、図7におけるファセット92の長寸法の方向(x方向)において中心に関して接線方向に直線で延びるが、前の例示的な実施形態とは対照的に、フィラメント66はここでは、供給導体112を介して電流供給が光学有効面62外部に転送される間、光学有効面62に沿って各事例で連続して実施される、図11A及び図11Bにおける例示的な実施形態の変更を示す。その結果、y方向に延びる光学有効面62の上の要素を回避することができる。フィラメント66及び供給導体112のこの配置は、例えば、光学的にファセット配置構成90のギャップ114、116、118に入るように図11Aに示される導体112を位置決めすることができない場合、有利である。
【0094】
図13A及び図13Bは、図12A及び図12Bにおける例示的な実施形態の変更を示し、ここでも、同一の参照符号が図12A及び図12Bにおけるものと同一又は同等の要素に使用されている。図12A及び図12Bにおける例示的な実施形態では、長い長さを有するフィラメント66の場合、保持ポイント(マウント70及びリングウェブ72)間での支持が不十分であり、光学有効面62に接触することが起こり得る。図13A及び図13Bの例示的な実施形態では、この問題を解消するために、追加の保持ワイヤ120が提供され、特に図13Bに認められるように、保持ワイヤ120においてフィラメント66は保持される。保持ワイヤ120は導電性ではなく、むしろ、絶縁体として又は外側に絶縁を有する金属線として構成される。フィラメント66のように、保持ワイヤ120は、有利なことに、x方向、すなわち図7におけるファセット92の長寸法の方向において延びることができ、その結果として、遠視野でのEUV放射又はEUV放射による画像平面48への撮像への光学的影響は、図8を参照して説明したように、最小に抑えられる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A-11B】
図12A-12B】
図13A-13B】