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特許7206355ダイナミックランダムアクセスメモリビット線金属を滑らかにするための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】ダイナミックランダムアクセスメモリビット線金属を滑らかにするための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20230110BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20230110BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20230110BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20230110BHJP
【FI】
H01L21/88 Q
H01L21/88 R
H01L27/108 601
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179120
(22)【出願日】2021-11-02
(65)【公開番号】P2022077978
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】17/096,099
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パンダ, プリヤダルシ
(72)【発明者】
【氏名】ファン, イン ソク
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0126844(US,A1)
【文献】特開2010-225989(JP,A)
【文献】特表2013-507008(JP,A)
【文献】特開2006-324363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0261441(US,A1)
【文献】特表2018-516465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/8242
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ構造体のビット線金属の上面を滑らかにする方法であって、
基板上のポリシリコン層上におよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層を堆積することと、
前記チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの第1の窒化チタン層を堆積することと、
前記基板をおよそ700℃からおよそ850℃の温度でアニーリングすることと、
アニーリング後に、前記第1の窒化チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの第2の窒化チタン層を堆積することと、
前記第2の窒化チタン層上にルテニウムのビット線金属層を堆積することと、
前記ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、
アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、前記ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ビット線金属層上におよそ350℃からおよそ400℃の堆積温度でキャップ層を堆積することと、
前記キャップ層上におよそ500℃を超える堆積温度でハードマスク層を堆積することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャップ層が、窒化ケイ素又は炭窒化ケイ素のうちの1つ又は複数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記キャップ層が、およそ30オングストロームからおよそ50オングストロームである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記キャップ層が、化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスによって堆積される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ハードマスク層が窒化ケイ素を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ハードマスク層が、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して堆積される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ビット線金属層上におよそ400℃未満の堆積温度でハードマスク層を堆積することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ハードマスク層が、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して堆積される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ビット線金属層が、1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)粗さを有する上面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
メモリ構造体を形成する方法であって、
基板上のポリシリコン層上にバリア金属層を形成することと、
前記バリア金属層をおよそ700℃からおよそ850℃の温度でアニーリングすることと、
前記バリア金属層上にバリア層を形成することと、
前記バリア層上にビット線金属層を堆積することと、
前記ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、
アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、前記ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記バリア金属層が、前記ポリシリコン層上に形成されたおよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層、及び前記チタン層上に形成されたおよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バリア金属層をアニーリングすることが、前記ポリシリコン層上にケイ化チタン層を形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バリア層が、およそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ビット線金属層が、1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)上面粗さを有する結晶粒成長金属層である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、およそ350℃からおよそ400℃の堆積温度で、前記ビット線金属層上にキャップ層を形成することと、
低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して、およそ500℃を超える堆積温度で、前記キャップ層上にハードマスク層を形成することと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記キャップ層が、およそ30オングストロームからおよそ50オングストロームである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
およそ400℃未満の堆積温度で、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して、前記ビット線金属層上にハードマスク層を堆積することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
メモリ構造体のビット線金属の上面を滑らかにする方法であって、
プラズマ気相堆積(PVD)チャンバを使用して、基板上のポリシリコン層上におよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層を堆積することと、
前記基板をアニーリングすることであって、前記チタン層を前記堆積することと前記基板を前記アニーリングすることとの間に真空破壊を伴わずに、およそ700℃からおよそ850℃の温度で前記基板をアニーリングすることと、
アニーリングの後に、前記チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層を堆積することと、
前記窒化チタン層上にルテニウムのビット線金属層を堆積することと、
前記ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、
前記ビット線金属の前記上面が1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)粗さを有するように、アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、前記ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することと
を含む、方法。
【請求項20】
前記ビット線金属層上におよそ350℃からおよそ400℃の堆積温度でキャップ層を堆積すること、及び前記キャップ層上におよそ500℃を超える堆積温度でハードマスク層を堆積すること、又は
前記ビット線金属層上におよそ400℃未満の堆積温度でハードマスク層を堆積すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス及び電子デバイス製造の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、滑らかな上面を有するビット線を含む電子デバイス及びその形成方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]最新の集積回路の導電性相互接続層は、概して、非常に微細なピッチと高密度である。集積回路の金属相互接続層を最終的に形成する前駆体金属膜中の単一の小さな欠陥が、集積回路の動作の完全性に深刻なダメージを与えるように配置される可能性がある。ビット線積層体堆積は、多くの潜在的な問題に直面している。金属と窒化ケイ素のハードマスクの表面反応は、ハードマスクの形成において発生する高い堆積温度のために起こり得る。ビット線抵抗は、ビット線内へのケイ素の相互拡散、及び窒化ケイ素ハードマスク内への金属原子により、増加する可能性がある。加えて、結晶粒成長金属は、形成中の高温によって引き起こされる金属表面の粗さのために使用することが困難となり得る。
【0003】
[0003]よって、発明者は、ビット線金属の上面を滑らかにするための方法及び装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004]ビット線金属の上面を滑らかにするための方法及び装置が、本明細書で提供される。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、メモリ構造体のビット線金属の上面を滑らかにする方法は、基板上のポリシリコン層上におよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層を堆積することと、チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの第1の窒化チタン層を堆積することと、基板をおよそ700℃からおよそ850℃の温度でアニーリングすることと、アニーリング後に、第1の窒化チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの第2の窒化チタン層を堆積することと、第2の窒化チタン層上にルテニウムのビット線金属層を堆積することと、ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することとを含む。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、方法は、さらに、ビット線金属層上におよそ350℃からおよそ400℃の堆積温度でキャップ層を堆積することと、キャップ層上におよそ500℃を超える堆積温度でハードマスク層を堆積することであって、キャップ層が、窒化ケイ素又は炭窒化ケイ素のうちの1つまたは複数を含み、キャップ層が、およそ30オングストロームからおよそ50オングストロームであり、キャップ層が、化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスによって堆積され、ハードマスク層が窒化ケイ素を含み、ハードマスク層が、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスによって堆積される、ハードマスク層を堆積することと、ビット線金属層上におよそ400℃未満の堆積温度でハードマスク層を堆積することであって、ハードマスク層が、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスによって堆積され、且つ/又は、ビット線金属層が、1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)上面粗さを有する、ハードマスク層を堆積することと、を含む。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、メモリ構造体を形成する方法は、基板上のポリシリコン層上にバリア金属層を形成することと、バリア金属層をおよそ700℃からおよそ850℃の温度でアニーリングすることと、バリア金属層上にバリア層を形成することと、バリア層上にビット線金属層を堆積することと、ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することとを含み得る。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、方法は、さらに、バリア金属層が、ポリシリコン層上に形成されたおよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層、及びチタン層上に形成されたおよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層であること、バリア金属層をアニーリングすることが、ポリシリコン層にケイ化チタン層を形成すること、バリア層が、およそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層であること、ビット線金属層が、1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)上面粗さを有する結晶粒成長金属層であること、およそ350℃からおよそ400℃の堆積温度で、化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスを使用して、ビット線金属層上にキャップ層を形成すること、及び、およそ500℃を超える堆積温度で、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して、キャップ層上にハードマスク層を形成すること、キャップ層が、およそ30オングストロームからおよそ50オングストロームであること、並びに/又は、およそ400℃未満の堆積温度で、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセスを使用して、ビット線金属層上にハードマスク層を堆積することを含み得る。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、メモリ構造体のビット線金属の上面を滑らかにする方法は、プラズマ気相堆積(PVD)チャンバを使用して、基板上のポリシリコン層上におよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームのチタン層を堆積することと、チタン層を堆積することと基板をアニーリングすることとの間に真空破壊を伴わずに、およそ700℃からおよそ850℃の温度で基板をアニーリングすることと、アニーリングの後に、チタン層上におよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの窒化チタン層を堆積することと、窒化チタン層上にルテニウムのビット線金属層を堆積することと、ビット線金属層をおよそ550度からおよそ650度の温度でアニーリングすることと、ビット線金属の上面が1.15nm以下の二乗平均平方根(RMS)粗さを有するように、アニーリング中、およそ3分間からおよそ6分間、ビット線金属層を水素ベースの環境中に浸漬することとを含む。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、方法は、ビット線金属層上におよそ350℃からおよそ400℃の堆積温度でキャップ層を堆積すること、及びキャップ層上におよそ500℃を超える堆積温度でハードマスク層を堆積すること又はビット線金属層上におよそ400℃未満の堆積温度でハードマスク層を堆積することをさらに含み得る。
【0011】
[0011]他の実施形態及びさらなる実施形態を、以下に開示する。
【0012】
[0012]上記で簡潔に要約されており、かつ以下で詳述する本原理の実施形態は、付随する図面に示している本原理の例示的な実施形態を参照することにより理解され得る。しかし、本原理は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本原理の典型的な実施形態のみを例示しており、ゆえに、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013]本原理のいくつかの実施形態による、改善された特性を有するDRAMメモリにおけるダイナミックメモリセルの回路図を示す。
図2】[0014]本原理のいくつかの実施形態による、膜積層体の断面図を示す。
図3】[0015]本原理のいくつかの実施形態による、膜積層体を形成する方法である。
図4】[0016]本原理のいくつかの実施形態による、滑らかなビット線金属層を有する膜積層体を形成する方法である。
図5】[0017]本原理のいくつかの実施形態による、バリア金属層の断面図である。
図6】[0018]本原理のいくつかの実施形態による、クラスタツールのトップダウン図である。
図7】[0019]本原理のいくつかの実施形態による、基板製造方法である。
図8】[0020]本原理のいくつかの実施形態による、基板の断面図である。
図9】[0021]本原理のいくつかの実施形態による、ビット線金属層の上面を滑らかにする方法である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0022]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されることがある。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0015】
[0023]ビット線積層体と、抵抗及びビット線表面粗さが低減されたビット線積層体を形成するための方法とが提供される。本開示の1つ又は複数の実施形態は、有利には、ノードを縮小する必要があるにもかかわらず、抵抗が低下する問題に対処する。いくつかの実施形態では、ビット線の抵抗は、既存のビット線金属とのよりクリーンな界面を提供することによって、及びビット線金属の表面粗さを低減することによって、低減される。本開示のいくつかの実施形態は、有利には、ビット線金属の選択における柔軟性、窒化ケイ素ハードマスク堆積のための温度の柔軟性、より低い抵抗をもたらすクリーンな金属-誘電体界面を確実にすること、又は新しいビット線金属による高温窒化ケイ素ハードマスク堆積チャンバの汚染リスクを最小限に抑えるか又は排除することのうちの1つ又は複数を提供する。
【0016】
[0024]本開示のいくつかの実施形態は、選択の金属が結晶粒成長特性を示す場合に、ビット線金属表面の粗面化を防止するために、キャップ層を使用する低温堆積方法を提供する。いくつかの実施形態では、高密度非多孔性膜は、高温で良好な拡散バリアとして作用するために使用される。いくつかの実施形態は、窒化ケイ素(SiN)又は炭窒化ケイ素(SiCN)などの誘電体材料を提供し、ビット線金属及びSiNハードマスクのための良好な拡散バリアとして作用することによって、RC時定数への悪影響を最小化又は排除するためのキャップ膜として作用する。いくつかの実施形態は、結晶粒成長金属の堆積前に金属層をアニーリングして、結晶粒成長金属の表面粗さを減少させ、抵抗を低減することを含む。いくつかの実施形態は、ビット線金属層に使用される結晶粒成長材料をアニーリングして、低い抵抗を維持しながら表面粗さを低減することを含む。RC時定数は、完全充電のパーセンテージまで抵抗器を介してコンデンサを充電することに関連する時間、又は初期電圧の一部までコンデンサを放電するための時間である。RC時定数は、回路抵抗と回路容量の積に等しい。本発明のいくつかの実施形態は、有利には、低温(例えば、500℃未満)での堆積プロセスを提供する。いくつかの実施形態は、膜堆積中の表面反応を最小限に抑えるか又は排除するために、下位のビット線金属との互換性のある堆積プロセスを提供する。
【0017】
[0025]開示の1つ又は複数の実施形態は、概して、ビット線構造及び/又はゲート積層体において実施され得るように、薄膜高融点金属(例えば、タングステン)から形成される1つ又は複数の低抵抗特徴を含む構造を提供する。いくつかの実施形態は、ビット線積層体を形成するための方法を含む。例として、本開示の実施形態に従って形成されるビット線積層体構造は、DRAMタイプの集積回路などのメモリタイプの半導体デバイスであり得る。
【0018】
[0026]図1は、DRAMメモリに使用され得るような1トランジスタ-1コンデンサのセル(one transistor one capacitor cell)の概略回路図100を示す。図1に示すメモリセルは、蓄電コンデンサ110と選択トランジスタ120とを含む。選択トランジスタ120は、電界効果トランジスタとして形成され、第1のソース/ドレイン電極121及び第2のソース/ドレイン電極123を有し、その間に活性領域122が配置される。活性領域122の上には、ゲート絶縁層又は誘電体層124、典型的には熱成長酸化物、及びゲート電極/金属125(メモリデバイスではワード線と呼ばれる)があり、これらはまとまってプレートコンデンサのように作用し、第1のソース/ドレイン電極121と第2のソース/ドレイン電極123との間に電流伝導チャネルを形成又はブロックするために、活性領域122内の電荷密度に影響を及ぼし得る。
【0019】
[0027]選択トランジスタ120の第2のソース/ドレイン電極123は、金属線114を介して蓄電コンデンサ110の第1の電極111に接続される。蓄電コンデンサ110の第2の電極112は、次に、DRAMメモリセル配置の蓄電コンデンサに共通であり得るコンデンサプレートに接続される。蓄電コンデンサ110の第2の電極112は、金属線115を介して電気接地に接続することができる。選択トランジスタ120の第1のソース/ドレイン電極121は、さらに、電荷の形で蓄電コンデンサ110に蓄積された情報を書き込み、読み出すことができるように、ビット線116に接続されている。書き込み又は読み出しの動作は、選択トランジスタ120のワード線117又はゲート電極125、及び第1のソース/ドレイン電極121に接続されるビット線116を介して制御される。書き込み又は読み出しの動作は、第1のソース/ドレイン電極121と第2のソース/ドレイン電極123との間の活性領域122内に電流伝導チャネルを生成するために、電圧を印加することによって生じる。
【0020】
[0028]図2は、本開示の1つ又は複数の実施形態によるメモリデバイス200の一部を示す。図3は、図2に示されるメモリデバイス200を形成するための例示的な処理方法300を示す。当業者は、図面に示された膜積層体が、メモリデバイスの例示的な部分(ビット線部分)であることを認識するだろう。図2及び図3を参照すると、メモリデバイス200の形成は、工程310において、上に膜積層体205を形成することができる基板210を提供することを含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「提供される」という用語は、基板が処理のために利用可能にされる(例えば、処理チャンバ内に配置される)ことを意味する。
【0021】
[0029]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、処理が作用する表面又は表面の一部分を表している。文脈に別途記載がない限り、基板についての言及は、基板の一部だけについて言及し得る。さらに、基板への堆積に対する言及は、ベア基板と、1つまたは複数の膜又は特徴が表面上に堆積又は形成された基板との、両方を意味し得る。本明細書において使用される「基板(substrate)」とは、製造プロセス中にその上に膜処理が実行される、任意の基板、又は基板上に形成された任意の材料面を指す。例えば、処理が実施され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった、他の任意の材料を含む。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されない。基板表面を研磨し、エッチングし、還元し、酸化させ、ヒドロキシル化し、アニールし、かつ/又はベイクするために、基板は前処理プロセスに曝露されることがある。本開示では、基板の表面上に直接的に膜処理を行うことに加えて、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述するように、基板上に形成された下層に実施されることもある。「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈に記載されるこのような下層を含むことを意図している。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0022】
[0030]いくつかの実施形態では、提供される基板210は、ポリシリコン層215及びビット線金属層240を備える膜積層体205を含む。いくつかの実施形態では、提供される基板210は、ポリシリコン層215を備え、ビット線金属層240は、方法300の一部として形成される。いくつかの実施形態では、基板210は、シリコンウエハ上に酸化物層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、酸化物層は、シリコンウエハ上に形成された自然酸化物である。いくつかの実施形態では、酸化物層は、シリコンウエハ上に意図的に形成され、自然酸化膜の厚さよりも大きい厚さを有する。酸化物層は、熱酸化、プラズマ酸化、及び大気条件への曝露を含むが、これらに限定されない、当業者に知られた任意の適切な技術によって形成することができる。
【0023】
[0031]いくつかの実施形態では、工程310で提供される基板210は、ポリシリコン層215上にバリア金属層220(導電層とも呼ばれる)をさらに含む。バリア金属層220は、任意の適切な導電性材料とすることができる。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ケイ化チタン(TiSi)、又はケイ化タンタル(TaSi)のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層220はチタンを含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、本質的にチタンからなる。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、タンタルを含むか、又は本質的にタンタルからなる。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、ケイ化チタンを含むか、又は本質的にケイ化チタンからなる。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、ケイ化タンタルを含むか、又は本質的にケイ化タンタルからなる。このように使用される場合、「本質的に~からなる」という用語は、対象となる膜が、原子ベースで、約95%、98%、99%又は99.9%以上の記載された元素又は組成物を含むことを意味する。例えば、本質的にチタンからなるバリア金属層220は、堆積時に約95%、98%、99%又は99.5%以上のチタンである膜を有する。
【0024】
[0032]いくつかの実施形態では、工程310で提供される基板210は、導電層(バリア金属層220)上にバリア層230をさらに含む。バリア層230は、バリア金属層220とビット線金属層240との間に形成することができる。いくつかの実施形態では、方法300は、ビット線金属層240がバリア層230上に形成される工程310の前の工程を含む。バリア層230は、任意の適切なバリア層材料とすることができる。いくつかの実施形態では、バリア層230は、バリア金属層220の窒化物又は酸化物のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、バリア層230は、本質的にバリア金属層220の窒化物からなる。例えば、本質的に窒化チタンからなるバリア層230は、膜中のチタン原子と窒素原子との合計が、堆積時の原子ベースでバリア層230の約95%、98%、99%又は99.5%以上を構成することを意味する。
【0025】
[0033]いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、チタン(Ti)を含み、バリア層230は、窒化チタン(TiN)を含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、本質的にチタンからなり、バリア層230は、本質的に窒化チタンからなる。1つ又は複数の実施形態では、バリア金属層220は、コバルト(Co)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ケイ素(Si)、又はタングステン(W)のうちの1つ又は複数から選択される金属を含む。1つ又は複数の特定の実施形態では、バリア金属層220(導電性材料)は、チタン(Ti)、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、又はルテニウム(Ru)のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、バリア層230は、バリア金属層220中の金属の窒化物、酸窒化物、炭窒化物、又は酸炭窒化物を含む。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、タンタル又はケイ化タンタルを含み(又は本質的にこれからなり)、バリア層230は、窒化タンタルを含む(又は本質的にこれからなる)。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、チタン又はケイ化チタンを含み(又は本質的にこれからなり)、バリア層230は、窒化チタンを含む(又は本質的にこれからなる)。
【0026】
[0034]いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、方法300の工程310で提供される基板に含まれる。ビット線金属層240は、当業者に知られている任意の適切な技術によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、又はモリブデン(Mo)のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの特定の実施形態では、ビット線金属層240は、ルテニウム又はタングステンのうちの1つ又は複数を含むか、又は本質的にこれらからなる。ルテニウムは、ビット線金属層においてタングステンの代わりとなるために、異なる処理を必要とする。タングステンは、通常、ルテニウムよりも低い表面粗さ及び抵抗を有する。発明者は、以下に説明する方法によって、抵抗性を低く保ちながらルテニウムの表面粗さを改善し、ルテニウムがタングステンに代わることが可能になることを発見した。ビット線金属層240の厚さは、変更することができる。いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、約100Åから約300Åの範囲、又は約120Åから約250Åの範囲、又は約140Åから約200Åの範囲、又は約160Åから約180Åの範囲の厚さを有する。ビット線金属層240は、当業者に知られている任意の適切な技術によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、化学気相堆積、原子層堆積又は物理的気相堆積のうちの1つ又は複数によって堆積される。
【0027】
[0035]工程320では、ビット線金属層240の上にキャップ層250が形成される。いくつかの実施形態のキャップ層250は、後続のハードマスク260層の形成に通常使用されるよりも低い温度で堆積される。任意の特定の動作理論に束縛されることなく、発明者は、より低い堆積温度は、ビット線金属層240内へのキャップ層250素子の拡散を最小化すると考えている。いくつかの実施形態では、発明者は、キャップ層250の低温堆積は、ビット線金属層240界面における結晶粒成長を最小化し、結果として生じるビット線金属層240の抵抗に及ぼす結晶粒度及び粗さの影響を最小化すると考えている。
【0028】
[0036]キャップ層250は、当業者に知られている任意の適切な技術によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、化学気相堆積又は原子層堆積のうちの1つ又は複数によって堆積される。いくつかの実施形態のキャップ層250は、後続のハードマスク260と同じ化合物を含む。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素又は炭化ケイ素のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、本質的に窒化ケイ素からなる。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、本質的に炭窒化ケイ素からなる。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、本質的に炭化ケイ素からなる。キャップ層250の厚さは、ハードマスク260の高温形成の影響を最小限に抑えるために、変更することができる。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、約30Åから約50Åの範囲の厚さを有する。キャップ層250の堆積温度は、例えば、形成されるデバイスの熱収支を保持するように制御することができる。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、約500℃、又は約450℃、又は約400℃、又は約350℃、又は約300℃以下の温度で形成される。いくつかの実施形態では、キャップ層250は、約350℃から約550℃の範囲、又は約400℃から約500℃の範囲の温度で形成される。
【0029】
[0037]工程330において、キャップ層250上にハードマスク260が形成される。いくつかの実施形態のハードマスク260は、約500℃超、約600℃超、約650℃超、約700℃超、又は約750℃超の温度の炉内で形成される、いくつかの実施形態では、ハードマスク260は、キャップ層250と同じ組成物を含む。いくつかの実施形態では、キャップ層250及びハードマスク260は、窒化ケイ素、酸化ケイ素又は窒化ケイ素を含むか、又は本質的にこれらを含む。いくつかの実施形態では、ハードマスク260は、キャップ層250とは異なる密度を有する。いくつかの実施形態では、ハードマスク260は、ハードマスク260とは異なる多孔性を有する。いくつかの実施形態では、ハードマスク260は、キャップ層250とは異なる堆積温度を有する。
【0030】
[0038]いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、タングステンを含むか、又は本質的にタングステンからなり、キャップ層250又はハードマスク260の1つ又は複数は、窒化ケイ素を含むか、又は本質的に窒化ケイ素からなる。いくつかの実施形態では、ビット線金属層240は、ルテニウムを含むか、又は本質的にルテニウムからなり、キャップ層250又はハードマスク260の1つ又は複数は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素を含むか、又は本質的に酸化ケイ素又は窒化ケイ素からなる。いくつかの実施形態では、ハードマスク260の要素は、ビット線金属層240内に移動することが実質的に防止される。例えば、ハードマスク260がケイ素原子及び窒素原子を含む場合、ケイ素原子又は窒素原子は、ビット線金属層240内に移動することが実質的に防止される。このように使用される際に、「実質的に防止される」という用語は、ハードマスク260要素の約10%以下又は5%以下が、キャップ層250を通ってビット線金属層240内に移動することを意味する。
【0031】
[0039]発明者は、キャップ層250の形成の前に、結晶粒成長金属をアニーリングして、抵抗を低減するとき、アニーリングは、下層のバリア金属層220をケイ化することになることを発見した。さらに、ケイ素はバリア層230内に拡散される。結晶粒成長金属をアニーリングすることにより生じたさらなる応力は、バリア層230の表面232を破裂させる。ビット線金属層240の結晶粒成長金属が、バリア層230の破裂した表面上で成長するとき、バリア層230の破裂した表面は、ビットライン金属層240も粗面化された上面242を有するようにする。ビット線金属層240の上面242の粗さは、ビット線金属層240の抵抗に直接影響を及ぼす。発明者は、バリア層230の形成前に、バリア金属層220をアニーリングすることにより、ビット線金属層240の結晶粒成長金属のアニーリングによって生じたケイ化の影響が有意に低減又は排除され、それにより、ビット線金属層240の上面242はより滑らかになり、抵抗を低減することを発見した。
【0032】
[0040]図4は、滑らかなビット線金属層240を有する膜積層体を形成する方法400である。工程402では、基板210上のポリシリコン層215上にバリア金属層220が形成される。いくつかの実施形態では、バリア金属層220は、初めにおよそ30オングストロームからおよそ50オングストロームの導電性材料502(例えば、チタン、タンタル等)を堆積し、次いでおよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームの酸素バリア層504を堆積することにより、形成される(図5の500を参照)。堆積とアニーリング用で別個のチャンバを用いるプロセスでは、基板210は、チャンバ間を移送されるときに、大気に曝露される。酸素バリア層504(例えば、窒化チタン、窒化タンタル等)は、基板210が移送される時に導電性材料502が酸化するのを防ぐ。いくつかの実施形態では、図6に示される一体型ツール600は、堆積プロセスとアニーリングプロセスとの間に空気侵入を伴わずに処理を提供するのに使用され得る。一体型クラスタツール600を用いる実施形態では、酸素バリア層504堆積プロセスは除去され得るが、これは、基板が大気に決して曝露されず、堆積された導電性材料603が酸化されることがないためである。
【0033】
[0041]工程404において、バリア金属層220は、およそ700℃からおよそ850℃の温度でアニーリングされる。バリア金属層220の組成に応じて、温度は変化し得る。バリア金属層220のアニーリング中、導電性材料502はケイ化され、酸素バリア層504は、ケイ素を酸素バリア層504を通して移動させ、表面506を破裂させる場合がある。バリア金属層220のアニーリングは、バリア金属層アニーリングプロセスを用いないおよそ2.2nmの表面粗さRMSに対して、およそ1.7nmの改善された表面粗さRMS(二乗平均平方根)(原子間力顕微鏡(AFM)によって測定)を有するルテニウムビット線金属層をもたらす。工程406では、バリア層230は、バリア金属層220上に形成される。バリア層230は、厚さがおよそ15オングストロームからおよそ40オングストロームであり得る。表面506の欠陥は、バリア層230の堆積によって閉塞され、それによって、粗さ及び抵抗をするのに役立てることができる。バリア層230は、例えば、バリア金属層220に使用される導電性材料502の窒化物の変種を含み得る。
【0034】
[0042]工程408において、ビット線金属層240は、バリア層230上に形成される。ビット線金属層240は、図9の方法900に示される水素アニーリングプロセスを使用してバリア層230の表面上で成長する、限定されないが、ルテニウム等の結晶粒成長金属で構成されている。簡潔には、ルテニウムは、例示的な結晶粒成長金属材料として方法900で使用されているが、限定することを意図していない。ブロック902では、ルテニウムビット線金属層が、堆積チャンバ内の基板上に堆積される。堆積チャンバには、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、又は原子層堆積チャンバ等が含まれ得る。いくつかの実施形態では、ルテニウムビット線金属層は、厚さがおよそ100オングストロームからおよそ300オングストロームであり得る。いくつかの実施形態では、ルテニウムビット線金属層は、厚さがおよそ200オングストロームであり得る。
【0035】
[0043]ブロック904では、堆積プロセス後、基板は、例えば急速熱処理(RTP)チャンバ等のアニーリングチャンバへ移送される。ブロック906では、基板はその後およそ550℃からおよそ650℃の温度でアニーリングされる。ブロック908では、アニーリングプロセス中、基板は、およそ3分間からおよそ6分間、水素ベースの環境中に浸漬される。水素ベースの環境は、水素ガス及び/又は水素ラジカルによって提供される。方法900の水素アニーリングプロセスは、ルテニウムビット線金属層の結晶粒成長をより遅い反応速度で主に水平成長して促進し、ルテニウムルテニウムビット線金属層のより低い抵抗及びより滑らかな上面をもたらす。水素アニーリングプロセスの反応速度が遅いため、より長いアニーリング時間が使用される。方法900の水素アニーリングプロセスは、ルテニウムビット線金属層の表面粗さを1.7nmのRMSから(バリア金属層アニーリングプロセスを使用するRMS改善。下記を参照)1.15nm以下のRMSへさらに改善する。いくつかの実施形態では、ルテニウムビット線金属層は、およそ4分間550℃でアニーリングされて、およそ5.55ohms/cm2のシート抵抗(Rs)とともに、およそ1.1nmの表面粗さRMSが得られる。いくつかの実施形態では、ルテニウムビット線金属層は、およそ5分間600℃でアニーリングされて、およそ5.5ohms/cm2のRsとともに、およそ1.15nmの表面粗さRMSが得られる。浸漬持続時間を長くすることは、表面の滑らかさを維持しながらRsを減少させるのに役立つ。発明者は、浸漬持続時間を短くすることによって、Rsの増加を犠牲にするが、表面粗さは減少され得ることを発見した。同様に、浸漬持続時間を長くすることによって、表面粗さの増加を犠牲にするが、Rsは改善され得る。バランスは、許容される表面粗さRMS値で許容されるRs値が得られるように、選択される。
【0036】
[0044]水素アニーリングプロセスは、窒素又はアルゴンアニーリングプロセスの抵抗(Rs)レベルをさらに維持しながら、典型的な窒素又はアルゴンアニーリングプロセスに対して、20%から30%改善された上面の滑らかさを有する。抵抗を低く保つための高エネルギーアニーリングプロセスを通じて、より良好な結晶粒成長が得られ、水素環境によってより滑らかな上面がもたらされる。浸漬持続時間を長くすることにより(窒素又はアルゴンアニーリングプロセスと比較して)、より滑らかな上面とともに低い抵抗が維持されるように、結晶粒成長が遅くなることが可能になる。長い持続時間(例えば、7分間以上)に700℃を超える温度を用いることによって、表面粗さの増加(例えば、1.4nmのRMS)を犠牲にするが、Rs値は減少することになる。アニーリングプロセスの3つの主要パラメータである、持続時間、温度、及び周囲のガスを変更することにより、さまざまなレベルのRs及び表面の滑らかさを得ることができる。
【0037】
[0045]工程410において、キャップ層250は、場合によっては、およそ350℃からおよそ400℃の温度でビット線金属層240上に形成される。低いプロセス温度は、膜積層体205の熱収支を保持すること及びビット線金属層表面の粗さを低減することに役立つ。発明者は、温度が低すぎる場合はキャップ層250の密度が不十分であり、温度が高すぎる場合はビット線金属層の表面粗さが増加することを発見した。温度はまた、ビット線金属層材料に依拠しており、適宜調整される。工程412において、ハードマスク260は、キャップ層250が存在するとき、上記のとおりおよそ650℃の温度でキャップ層250上に形成される。キャップ層が存在しない場合、ハードマスク260は、400℃未満の温度で形成されて、膜積層体205の熱収支を保持し得る。キャップ層250が存在しないときにハードマスク260を形成するのに使用される低温は、堆積時間の増加(例えば、ハードマスクはおよそ1350オングストロームの厚さであり得る)及びハードマスク260のより低い密度によるトレードオフである。
【0038】
[0046]個別のプロセスで実施される本明細書に記載される方法は、クラスタツール、例えば、図6に関して以下に記載されるクラスタツール600又は一体型ツールでも実施され得る。クラスタツール600を使用することの利点は、堆積と処理との間に、真空破壊がなく、実質的なプロセスラグがないことである。クラスタツール600の例には、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から市販されているENDURA(登録商標)一体型ツールが含まれる。しかしながら、本明細書に記載の方法は、適切な処理チャンバを有する他のクラスタツールを用いて、又は、他の適切な処理チャンバ内で実践され得る。例えば、いくつかの実施形態では、上述の独創的な方法は、プロセス間に真空破壊がないように、クラスタツール内で有利に実施され得る。例えば、真空破壊の排除は、プロセス間の基板の汚染(酸化)を制限又は防止し得る。
【0039】
[0047]図6は、ポリプラグ後製造などの基板製造用に構成されたクラスタツール600の図である。クラスタツール600は、1つまたは複数の移送モジュール(図6に示すVTM;VTM601及びVTM602)と、フロントエンドモジュール604と、複数の処理チャンバ/モジュール606、608、610、612、614、616、及び618と、プロセスコントローラ(コントローラ620)を含む。図6に示すような、1つを超えるVTMを用いる実施形態では、1つまたは複数のパススルーチャンバが提供されて、1つのVTMから別のVTMへの真空移送を容易にし得る。図6に示すものと一致する実施形態では、2つのパススルーチャンバが提供され得る(例えば、パススルーチャンバ640及びパススルーチャンバ642)。フロントエンドモジュール604は、例えばFOUP(前方開口型統一ポッド)又は他の適切な基板含有ボックス若しくはキャリアから、クラスタツール600を使用して処理されることになる1つまたは複数の基板を受け取るよう構成されたローディングポート622を含む。ローディングポート622は、3つのローディングエリア624a-624cを含み、これらは、1つまたは複数の基板をロードするのに使用され得る。しかしながら、これより多いか又は少ないローディングエリアが使用されてもよい。
【0040】
[0048]フロントエンドモジュール604は、ローディングポート622上にロードされた基板を移送するのに使用される大気移送モジュール(ATM)626を含む。より具体的には、ATM626は、ATM626をローディングポート622に接続するドア635(ファントムで表示)を通って、ローディングエリア624a-624cからATM626へ基板を移送するよう構成された1つまたは複数のロボットアーム628(ファントムで表示)を含む。典型的には、各ローディングポート(624a-624c)につき1つのドアがあり、個々のローディングポートからATM626への基板移送が可能になる。ロボットアーム628は、ATM626をエアロック630a、630bに接続するドア632(ファントムで表示、各エアロックにつき1つずつ)を通って、ATM626からエアロック630a、630bへ基板を移送するようにも構成されている。エアロックの数は2つより多くても少なくてもよいが、説明のみを目的として、2つのエアロック(630a及び630b)が示されており、各エアロックは、エアロックをATM626に接続するためのドアを有する。
【0041】
[0049]エアロック630a、630bは、コントローラ620の制御下で、大気圧環境又は真空圧環境のいずれかに維持され、VTM601、602から/へ移送されている基板の中間又は一時的な保持空間として機能し得る。VTM601は、真空破壊なしに、すなわち、VTM602、複数の処理チャンバ606、608、及びパススルーチャンバ640及び642内に真空圧環境を維持しながら、基板をエアロック630a、630bから複数の処理チャンバ606、608のうちの1つまたは複数へ、又は1つまたは複数のパススルーチャンバ640及び642へ移送するよう構成されたロボットアーム638(ファントムで表示)を含む。VTM602は、真空破壊なしに、すなわち、VTM602、及び複数の処理チャンバ606、608、610、612、614、616、及び618内に真空圧環境を維持しながら、基板をエアロック630a、630bから複数の処理チャンバ606、608、610、612、614、616、及び618のうちの1つまたは複数へ移送するよう構成されたロボットアーム638(ファントムで表示)を含む。ある実施形態では、エアロック630a、630bは省略することができ、コントローラ620は、基板を直接ATM626からVTM602へ移動させるよう構成され得る。
【0042】
[0050]ドア634、例えばスリットバルブドアは、個々のエアロック630a、630bをVTM601に接続する。同様に、ドア636、例えばスリットバルブドアは、各処理モジュールを個々の処理モジュールが連結されるVTM(例えば、VTM601又はVTM602のいずれか)に接続する。複数の処理チャンバ606、608、610、612、614、616、及び618は、典型的には本明細書に記載の基板のポリプラグ後製造に関する1つまたは複数のプロセスを実施するよう構成される。
【0043】
[0051]コントローラ620は、クラスタツール600の全体的な動作を制御し、クラスタツール600の動作に関するデータ又はコマンド/命令を記憶するためのメモリ621を含む。例えば、コントローラ620は、それぞれATM626、VTM601、VTM602のロボットアーム628、638、639が、基板をVTM601から/へ、及びVTM601とVTM602との間で移送することを制御する。コントローラ620は、ドア632、634、636の開閉を制御し、エアロック630a、630bの圧力を制御し、例えば、エアロック630a、630b内の大気圧環境/真空圧環境のいずれかを基板移送プロセスに望ましいように維持する。コントローラ620はまた、以下により詳細に記載するように、それに関する動作を実施するための個別の処理チャンバ606、608、610、612、614、616、及び618の動作も制御する。
【0044】
[0052]図7は、クラスタツール600を使用して、1つまたは複数のDRAMビット線積層体プロセス、ポリプラグ後製造を実施するための方法である。例示のみを目的として、図8は、例えば、ポリプラグ802がクラスタツール600の外部の基板800上に形成された後の、ポリプラグ802を含む基板800の一部の断面図を示す。図7の方法を実施する前に、基板800は、ローディングエリア624a-624cのうちの1つまたは複数を介して、ローディングポート622上にロードされ得る。ATM626のロボットアーム628は、コントローラ620の制御下で、ポリプラグ802を有する基板800をローディングエリア624aからATM626へ移送することができる。
【0045】
[0053]コントローラ620は、一方または両方のエアロック630a、630bが使用されているかどうかに応じて、エアロック630a、630bの少なくとも一つが大気圧環境にあるかどうかを決定することができる。説明のために、エアロック630aのみが使用されていると想定されている。コントローラ620が、エアロック630aは大気圧環境にあると決定する場合、コントローラ620は、ATM626をエアロック630aに接続するドア(632の一部)を開くことができる。反対に、コントローラ620が、エアロック630aは大気圧環境にないと決定する場合、コントローラ620は、エアロック630a内の圧力を大気圧環境に調整することができ(例えば、エアロック630a、630bに作動可能に接続され、コントローラ620によって制御される圧力制御バルブを介して)、エアロック630a内の圧力を再検査することができる。コントローラは、ロボットアーム628に対して、基板800をATM626からエアロック630aへ移送するように、ドア632を閉めるように、エアロック630a内の圧力を、例えば、VTM601内部の真空圧環境に一致するか又は実質的に一致する真空圧環境に調整するように命令することができる。
【0046】
[0054]コントローラ620は、エアロック630aが真空圧環境にあるかどうかを決定することができる。コントローラ620が、エアロック630aは真空圧環境にあると決定する場合、コントローラは、VTM601をエアロック630aに接続するドア634を開くことができる。反対に、コントローラ620が、エアロック630aは真空圧環境にないと決定する場合、コントローラ620は、エアロック630a内の圧力を真空圧環境に調整することができ(例えば、エアロック630a、630bに作動可能に接続され、コントローラ620によって制御される圧力制御バルブを介して)、エアロック630a内の圧力を再検査する。
【0047】
[0055]コントローラ620は、処理チャンバの直接的な制御を用いて、又は代替的に、処理チャンバ及びクラスタツール600に関連するコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、クラスタツール600の動作を制御する。動作中、コントローラ620によって、クラスタツール600のパフォーマンスを最適化するための、個々のチャンバ及びシステムからのデータの収集とフィードバックが可能になる。コントローラ620は、概して、中央処理装置(CPU)619と、メモリ621と、サポート回路625とを含む。CPU619は、工業環境で使用することができる汎用コンピュータプロセッサ任意の形態であり得る。サポート回路625は、従来、CPU619に連結され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などを備え得る。ソフトウェアルーティン(上述の方法など)は、メモリ621に記憶され、CPUに619よって実行されるとき、CPU619を特殊用途コンピュータ(コントローラ620)に変換し得る。ソフトウェアルーチンはまた、クラスタツール600から離れて配置された第2のコントローラ(図示せず)によって記憶及び/又は実行され得る。
【0048】
[0056]メモリ621は、指令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態をとっており、CPU619によって実行されると、半導体処理及び機器の動作を容易にする。メモリ621内の命令は、プログラム製品(例えば、本原理の方法を実装するプログラム)の形態である。プログラムコードは、いくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに適合し得る。一例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用されるためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラムは、態様の機能(本明細書に記載された方法を含む)を規定する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、情報が永久的に記憶される書き込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を保有している場合には、本原理の態様となる。
【0049】
[0057]工程700では、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、基板800をエアロック630aからドア634を通してVTM601へ移送し、ドア634を閉めるように命令する。あるいは、例えば、クラスタツール600内での処理の完了時にアウトバウンド基板を受け取るために、ドア634は開けたままにしておくことができる。工程702では、コントローラ620は、基板の製造が完了され得るように、すなわち、基板800上のポリプラグ802上のビット線積層体の処理の完了のために、ロボットアーム638に対して、基板800を処理チャンバのうちの1つまたは複数に移送するように命令する。例えば、工程702では、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、処理チャンバ606に対応するドア636を開けるように命令することができる。ドアが開けられると、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、基板800を前洗浄チャンバ(例えば、処理チャンバ606)へ移送するように命令することができる(真空破壊を伴わずに、すなわち、基板800が処理チャンバ606、608、610、612、及び614間で移送される間にVTM601及びVTM602内に真空圧環境が維持される)。処理チャンバ606は、1つまたは複数の前洗浄プロセスを実施して、基板800上に存在し得る汚染、例えば、基板800上に存在し得る自然酸化を除去するのに使用され得る。そのような前洗浄チャンバの一つは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から市販されているSiCoNiTM処理ツールである。
【0050】
[0058]次に、工程704において、コントローラ620は、ドア636を開け、ロボットアーム638に対して基板800を次の処理チャンバへ移送するように命令する。例えば、工程704において、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、真空破壊を伴わずに、基板800を前処理チャンバからバリア金属堆積チャンバへ移送するように命令することができる。例えば、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、真空下の基板を処理チャンバ606から、例えば、処理チャンバ608へ移送するように命令することができる。処理チャンバ608は、基板800上でバリア金属堆積プロセスを実施するよう(例えば、バリア金属804を洗浄された基板800及びポリプラグ802上に堆積するために)構成されている。バリア金属は、チタン(Ti)又は(Ta)のうちの一つであり得る。
【0051】
[0059]次に、工程706において、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、真空破壊を伴わずに、基板800をバリア金属堆積チャンバからバリア層堆積チャンバへ又はアニーリングチャンバへ移送するように命令することができる。基板800がアニーリングチャンバへ移送される場合、基板800は、酸化防止堆積用のバリア金属堆積チャンバに戻されることになる(例えば、バリア金属の窒化物の変種)。バリア金属堆積チャンバの後、基板800は、バリア層堆積チャンバへ移送される。例えば、コントローラ620は、ロボットアーム638に対して、真空下の基板を処理チャンバ608からパススルーチャンバ640、642のいずれかに移送するように命令することができ、この時点で、VTM602内部のロボットアーム639は、基板800をピックアップし、例えば、処理チャンバ610へ移動させることができる。処理チャンバ610は、基板800上でバリア層堆積プロセスを実施するよう(例えば、バリア層806をバリア金属804上に堆積するために)構成されている。バリア層は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、又は窒化タングステン(WN)のうちの一つであり得る。
【0052】
[0060]次に、工程708において、コントローラ620は、ロボットアーム639に対して、真空破壊を伴わずに、基板800を処理チャンバ610から、例えば、処理チャンバ612へ移送するように命令することができる。処理チャンバ612は、基板800上でビット線金属堆積プロセスを実施するよう(例えば、ビット線金属層808を706で堆積されたバリア層806上に堆積するために)構成されている。ビット線金属は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、又はロジウム(Rh)のうちの一つであり得る。次に、工程710において、コントローラ620は、ロボットアーム639に対して、真空破壊を伴わずに、基板800を処理チャンバ612から、例えば、処理チャンバ614へ移送するように命令することができる。処理チャンバ614は、基板800上でハードマスク堆積プロセスを実施するよう(例えば、ハードマスク層810を708で堆積されたビット線金属層808上に堆積するために)構成されている。ハードマスクは、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、又は炭化ケイ素(SiC)のうちの一つであり得る。
【0053】
[0061]いくつかの実施形態では、アニーリングプロセスは、705に示すように、バリア層806の堆積の前又は後に、基板800上で実施され得る。アニーリングプロセスは、急速熱処理(RTP)アニール等の任意の適切なアニーリングプロセスであり得る。例えば、基板800を処理チャンバ608から処理チャンバ610へ移送する前に、基板800は、初めに、処理チャンバ616へ移送され得る。処理チャンバ616は、基板800上でアニーリングプロセスを実施するよう構成される。アニーリングプロセスの後、バリア層806を含むアニーリングされた基板800は、真空下でアニーリングチャンバ(例えば処理チャンバ616)からバリア層堆積チャンバ(例えば処理チャンバ610)へ、例えばロボットアーム639を使用して移送され得る。
【0054】
[0062]あるいは、又は組み合わせて、アニーリングプロセスは、709aに示すように、ビット線金属層808の堆積後且つハードマスク層810をビット線金属層808上に堆積する前に、基板800上で実施され得る。例えば、基板800を処理チャンバ612から処理チャンバ614へ移送する前に、基板800は、初めに、処理チャンバ616(すなわち、アニーリングチャンバ)へ移送され得る。アニーリングプロセス、又は705でアニーリングが事前に実施された場合は別のアニーリングプロセスが、上述のように上にビット線金属層808が堆積された基板800上で実施され得る。アニーリングプロセスが709aで実施されるいくつかの実施形態では、アニーリングされた基板800は、709bに示すように、別の処理チャンバへ移送されて、ビット線金属層808上に堆積された任意選択的なキャッピング層809を有することができる。例えば、ビット線金属層808を含むアニーリングされた基板800は、真空下でアニーリングチャンバ(例えば処理チャンバ616)からキャッピング層堆積チャンバ(例えば処理チャンバ618)へ、例えばロボットアーム639を使用して移送されて、アニーリングされたビット線金属層808上にキャッピング層を堆積し得る。
【0055】
[0063]いくつかの実施形態では、ビット線金属が堆積された後、ルテニウム(Ru)などの一部の金属が結晶粒成長金属である。発明者は、そのようなビット線金属上へハードマスク層を高温で続けて堆積することにより、望ましくないことに、表面粗さが劣化することを観察した。発明者は、ハードマスク層の堆積前にビット線金属層を水素アニーリングすることによって、低温キャップ層の後堆積が、ビット線金属層の表面粗さを有利に改善することができることを発見した。一体型ツール(例えばクラスタツール600)で上記のシーケンスのそれぞれを実行することにより、結晶粒成長のためのアニーリング中のビット線金属の酸化は、さらに有利に回避される。
【0056】
[0064]本明細書に記載されていないさらなるプロセスも基板800上で実施することができ、本明細書に記載されるプロセスのいくつかは省略することができる。
【0057】
[0065]処理チャンバ608、610、612、及び614(及び使用される場合は処理チャンバ616、618)に関連する上記のプロセスが基板800上で実施された後、基板800は、例えば、基板800をパススルーチャンバ640、642へ移送するためのVTM602内のロボットアーム639を使用して、及び基板800をパススルーチャンバ640、642からエアロック630a、630bのうちの一つへ移送するためのVTM601内のロボットアーム638を使用して、VTM602からローディングポート622へ逆送される。ロボットアーム628は、その後、基板800をローディングポート622内のFOUPの空のスロット内に戻すために使用され得る。
【0058】
[0066]本明細書に記載のクラスタツール600及び使用方法は、ユーザが、DRAMビット線プロセス全体を通じて真空圧環境を維持するように構成されている単一の機械を使用して、ポリプラグ上でDRAMビット線プロセスを実施することを有利に可能にする。したがって、基板800後の製造中に基板上で酸化が発生する可能性は、排除されないとしても、低減される。さらに、真空圧環境がDRAMビット線プロセス全体を通じて維持されるため、ビット線金属材料の選択は、金属の結晶粒成長特性に限定されない。
【0059】
[0067]本明細書で論じられる材料及び方法を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)、「1つの(「a」及び「an」)」、「その(the)」並びに類似の指示対象の使用は、本明細書で別途指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中の数値範囲の列挙は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各別個の値を個々に言及する略記法としての役割を果たすことを単に意図しているにすぎず、各値は、本明細書中で個々に列挙されるかのように、明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別途記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意の及びすべての例、又は例示的な文言(例えば、「~など(such as)」)の使用は、単に材料及び方法をより良好に説明することを意図したものであり、特に主張しない限り、範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる文言も、開示された材料及び方法の実施に不可欠なものとして特許請求されていない要素を示すものと解釈すべきではない。
【0060】
[0068]本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」、又は「実施形態」に対する言及は、その実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、この明細書全体の様々な箇所における「1つまたは複数の実施形態では」、「ある種の実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態において」といった表現の表出は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の最適なやり方で組み合わされ得る。
【0061】
[0069]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示に過ぎない。当業者は、本開示の本質及び範囲から逸脱しなければ、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形がなされ得ることを、認識するであろう。よって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改良例及び変形例を含む。
【0062】
[0070]本原理による実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。実施形態は、1つまたは複数のプロセッサによって読み取り及び実行され得る1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を使用して記憶される命令としても実装され得る。コンピュータ可読媒体には、機械(例えば、コンピューティングプラットフォーム又は1つまたは複数のコンピューティングプラットフォーム上で実行される「バーチャルマシン」)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は伝送するための任意の機構が含まれ得る。例えば、コンピュータ可読媒体には、任意の適切な形態の揮発性又は不揮発性のメモリが含まれ得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体には、非一時的なコンピュータ可読媒体が含まれ得る。
【0063】
[0071]上記は本原理の実施形態を対象としているが、本原理の基本的な範囲から逸脱しなければ、本原理の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案され得る。
【符号の説明】
【0064】
100 図
110 コンデンサ
112 電極
114 線
116 線
117 線
120 トランジスタ
121 電極
122 領域
123 電極
124 層
125 電極
200 デバイス
205 積層体
210 基板
215 層
220 層
230 層
232 表面
240 金属層
242 表面
250 層
260 ハードマスク
300 方法
310 工程
320 工程
330 工程
400 度
402 工程
404 工程
406 工程
408 工程
410 工程
412 工程
500 度
502 材料
504 層
506 表面
600 クラスタツール
601 VTM
602 VTM
604 モジュール
606 チャンバ/モジュール
608 チャンバ/モジュール
610 チャンバ/モジュール
612 チャンバ/モジュール
614 チャンバ/モジュール
616 チャンバ/モジュール
618 チャンバ/モジュール
619 CPU
620 コントローラ
621 メモリ
622 ポート
624a-c ローディングエリア
626 ATM
628 ロボットアーム
630a-b ロック
632 ドア
634 ドア
635 ドア
636 ドア
638 ロボットアーム
639 ロボットアーム
640 チャンバ
642 チャンバ
700 コントローラ
702 コントローラ
704 コントローラ
705 アニール
706 コントローラ
708 コントローラ
709a-b 処理
710 コントローラ
800 基板
802 ポリプラグ
804 金属
806 バリア層
808 金属層
809 キャッピング層(copping layer)
810 層
900 方法
902 ブロック
904 ブロック
906 ブロック
908 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9