(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】斜面エッチングプロファイル制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230111BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
H01L21/302 105Z
H05H1/46 A
(21)【出願番号】P 2019560643
(86)(22)【出願日】2018-05-07
(86)【国際出願番号】 US2018031311
(87)【国際公開番号】W WO2018208645
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2017-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スー, ツォンホイ
(72)【発明者】
【氏名】プラバカール, ヴィナイ
(72)【発明者】
【氏名】カジャ, アブドゥル アジズ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジョンミン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0092511(US,A1)
【文献】特表2001-523045(JP,A)
【文献】特開2014-060440(JP,A)
【文献】特開2014-222786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
H01L 21/31
C23C 16/505
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバの内部のカバープレートの上に基板を置くことであって、前記基板がエッジ及び中心を有し、かつ前記エッジ及び前記中心の上に堆積層を含み、前記処理チャンバが、前記基板の上方に配置されたマスク
及び前記基板の周囲及び下に配置されたエッジリングを含む、基板を置くことと、
前記エッジリングを持ち上げて、前記マスクと前記エッジリングとを接触させることと、
前記マスクの外面に沿って前記基板の前記エッジにプラズマを流すことと、
前記エッジにおいて前記基板の上面を前記プラズマに曝露し、前記プラズマで前記エッジから前記堆積層をエッチングすることと、
前記マスクの内面に位置付けられた2つ以上の開口部から前記基板の前記中心にパージガスを流すことと、
前記中心において前記基板の前記上面を前記パージガスに曝露し、前記中心から前記上面に沿って前記エッジに向かって前記パージガスを径方向に流し、前記プラズマ及び前記パージガスの界面にエッチングプロファイルを形成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記プラズマがプロセスガスから生成され、前記方法が、少なくとも前記プロセスガスの流量、前記パージガスの流量、又は両方の前記流量を変更することにより、前記エッチングプロファイルを調整することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プラズマ曝露により前記エッジリングを加熱することと、熱エネルギーを前記エッジリングから前記エッジに伝達することにより前記エッジを加熱することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マスクの前記内面に位置付けられた2つ以上の開口部が、3つ、4つ、又は5つの開口部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カバープレートが基板支持体の上に配置され、前記カバープレートが波状のエッジを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カバープレートが、中心開孔を囲む複数の開口部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エッジが約0.5mmから約5mmの径方向の幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板と前記マスクとの間の距離が100ミル未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマが、N
2、O
2、NF
3、Ar、He、又はそれらの任意の組み合わせを含むプロセスガスから生成され、前記パージガスが、Ar、He、若しくはN
2、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
処理チャンバ内に基板を置くことであって、前記基板がエッジ及び中心を有し、かつ前記エッジ及び前記中心の上に堆積層を含み、前記処理チャンバが、前記基板の周囲及び下に配置されたエッジリング、及び前記基板の上方に配置されたマスクを含む、基板を置くことと、
前記エッジリングを持ち上げて、前記マスクと前記エッジリングとを接触させることと、
前記マスクの外面に沿って前記基板の前記エッジにプラズマを流すことと、
前記エッジにおいて前記基板の上面を前記プラズマに曝露し、前記プラズマで前記エッジから前記堆積層をエッチングすることと、
前記マスクの内面に位置付けられた2つ以上の開口部から前記基板の前記中心にパージガスを流すことと、
前記中心において前記基板の前記上面を前記パージガスに曝露し、前記中心から前記上面に沿って前記エッジに向かって前記パージガスを径方向に流し、前記プラズマ及び前記パージガスの界面にエッチングプロファイルを形成することと、
プラズマ曝露により前記エッジリングを加熱することと、前記エッジリングから前記エッジに熱エネルギーを伝達することにより前記エッジを加熱することと
を含む方法。
【請求項11】
前記プラズマがプロセスガスから生成され、前記方法が、少なくとも前記プロセスガスの流量、前記パージガスの流量、又は両方の前記流量を変更することにより、前記エッチングプロファイルを調整することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記マスクの前記内面に位置付けられた前記2つ以上の開口部が、3つ、4つ、又は5つの開口部を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記エッジが約0.5mmから約5mmの径方向の幅を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記基板と前記マスクとの間の距離が100ミル未満である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
基板支持体と、
前記基板支持体の上に配置されたカバープレートと、
前記カバープレートの周囲及び下に配置されたエッジリングと、
前記カバープレートの上方に配置されたマスクであって、前記マスクが、外面、内面、及び前記内面に位置付けられた2つ以上の開口部を含む、マスクと、
前記基板支持体を垂直に移動させて、前記マスクと前記エッジリングとを接触させるように構成されたリフト機構と、
前記マスクの前記外面と流体連結している遠隔プラズマシステムと
を含む処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、基板を処理するための方法及び装置に関する。より詳細には、本明細書に記載の実施形態は、斜面エッチング処理のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、集積回路、フラットパネルディスプレイ、磁気媒体、及びその他のデバイスを製造するための多くの半導体製造プロセスで一般的に使用される。プラズマ又はイオン化ガスは、遠隔プラズマ源(RPS)の内部で生成され、処理チャンバに流入し、次いでワークピースに適用されて、堆積、エッチング、注入などのプロセスを実行する。
【0003】
しかし、基板の側面や角など、基板の傾斜した直線状のエッジは、処理中に基板の他の部分で受ける条件とは異なりうる条件を受ける。これらの異なる条件は、膜の厚さ、エッチングの均一性、及び/又は膜応力などの処理パラメータに影響する。基板の中心とエッジとの間のエッチング速度及び/又は膜の厚さ若しくは応力といった膜の特性の違いが顕著になり、デバイスの特性が最適化されなくなる可能性がある。
【0004】
したがって、当技術分野で必要とされるのは、斜面エッチング処理のための改善された方法及び装置である。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で記載及び議論される実施形態は、一般に、基板を処理するための方法及び装置に関する。より詳細には、実施形態は、斜面エッチング処理のための方法及び装置に関する。1つ又は複数の実施形態では、方法は、処理チャンバの内部のカバープレートの上に基板を置くことであって、基板はエッジ(例えば、斜面エッジ又は真っ直ぐなエッジ)及び中心を有し、エッジ及び中心に堆積層を含む、基板を置くことを含む。処理チャンバは、基板の上方に配置されたマスクを含む。方法はまた、マスクの外面に沿って基板のエッジにプラズマを流し、エッジの基板の上面をプラズマに曝露し、プラズマでエッジから堆積層をエッチングすることを含む。方法は、マスクの内面に位置付けられた2つ以上の開口部から基板の中心にパージガスを流すことと、中心の基板の上面をパージガスに曝露し、中心から上面に沿ってエッジに向かってパージガスを径方向に流し、プラズマ及びパージガスの界面にエッチングプロファイルを形成することとを更に含む。
【0006】
他の実施形態では、方法は、基板を処理チャンバ内に置くことであって、基板が、エッジ(例えば、斜面又は真っ直ぐなエッジ)及び中心を有し、エッジ及び中心に堆積層を含む、基板を置くことを含む。処理チャンバはまた、基板の周囲及び下に配置されたエッジリングと、基板の上方に配置されたマスクを含む。方法はまた、マスクの外面に沿って基板のエッジにプラズマを流し、エッジの基板の上面をプラズマに曝露し、プラズマでエッジから堆積層をエッチングすることを含む。方法は、マスクの内面に位置付けられた2つ以上の開口部から基板の中心にパージガスを流すことと、中心の基板の上面をパージガスに曝露し、中心から上面に沿ってエッジに向かってパージガスを径方向に流し、プラズマ及びパージガスの界面にエッチングプロファイルを形成することとを更に含む。また、この方法は、プラズマ曝露によりエッジリングを加熱することと、エッジリングからエッジに熱エネルギーを伝達することによりエッジを加熱することとを含む。
【0007】
1つ又は複数の実施形態では、エッチングプロセスのための処理チャンバが提供され、基板支持体、基板支持体上に配置されたカバープレート、及びカバープレートの周囲及び下に配置されたエッジリングを含む。処理チャンバはまた、カバープレートの上方に配置されたマスクを含み、外面、内面、及び内面に配置された2つ以上の開口部を含む。処理チャンバは、マスクの外面と流体連結している遠隔プラズマシステムを含む。
【0008】
1つ又は複数の例では、プラズマは、1つ又は複数のプロセスガスから点火される又はそうでなければ生成され、方法は、少なくともプロセスガスの流量、パージガスの流量、又は両方の流量を変更することにより、エッチングプロファイルを調整することを更に含む。マスクの内面に位置付けられた2つ以上の開口部は、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の開口部を含むことができる。プロセスガスは、N2、O2、NF3、Ar、He、若しくはそれらの任意の組み合わせであるか又はそれらを含むことができ、パージガスは、Ar、He、若しくはN2、又はそれらの任意の組み合わせであるか又はそれらを含むことができる。
【0009】
いくつかの例では、カバープレートは、基板支持体の上に配置することができ、カバープレートは、スカラップ状(波状(scalloped))のエッジを有することができ、及び/又はカバープレートは、中心開孔を囲む複数の開口部を含むことができる。他の例では、基板とマスクとの間の距離は、100ミル未満とすることができ、エッジは、1.5mm未満といった、約0.5mmから約5mmの径方向の幅を有することができる。
【0010】
本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付の図面が本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、よって本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書で議論及び説明される1つ又は複数の実施形態による処理チャンバ100の概略断面図を示す。
【
図2】本明細書で議論及び説明される1つ又は複数の実施形態による、
図1のチャンバで利用されるマスクの概略底面図を示す。
【
図3】本明細書で説明及び記載される1つ又は複数の実施形態による、
図1のチャンバで利用されるエッジリングの概略底面図を示す。
【
図4】本明細書で説明及び説明される1つ又は複数の実施形態による、
図1のチャンバで利用されるカバープレートの概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、基板を処理するための方法及び装置に関する。より具体的には、本明細書で議論及び説明される実施形態は、斜面エッチング処理のための方法及び装置に関する。1つ又は複数の実施形態において、方法は、処理チャンバ内部に基板を置くことであって、基板はエッジ(例えば、斜面エッジ又は真っ直ぐなエッジ)及び中心を有し、エッジ及び中心に堆積層を含む、基板を置くことを含む。処理チャンバは、基板の上方に配置されたマスクを含む。方法はまた、マスクの外面に沿って基板のエッジに1つ又は複数のプロセスガスから生成されたプラズマを流し、エッジの基板の上面をプラズマに曝露し、プラズマでエッジから堆積層をエッチングすることを含む。方法は、マスクの内面に位置付けられた2つ、3つ、4つ、又はそれより多い開口部、孔、又はポートから基板の中心にパージガス(例えばAr)を流すことと、中心の基板の上面をパージガスに曝露し、中心から上面に沿ってエッジに向かってパージガスを径方向に流し、プラズマ及びパージガスの界面にエッチングプロファイルを形成することとを更に含む。
【0013】
図1は、本開示の1つの態様による処理チャンバ100の概略断面図を示す。図示されるように、処理チャンバ100は、基板154といった基板のエッチングに適したエッチングチャンバである。本開示の例示的な態様から利益を得るように適合されうる処理チャンバの例は、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials、Inc.から市販されているProducer(登録商標)処理チャンバ及びPrecision(登録商標)処理チャンバである。他の製造業者からのものを含む他の処理チャンバが、本開示の態様から利益を得るように適合されうることが企図される。
【0014】
処理チャンバ100は、様々なプラズマプロセスに使用されうる。1つの態様では、処理チャンバ100は、1つ又は複数のエッチング剤でドライエッチングを実行するために使用されうる。例えば、処理チャンバは、1つ又は複数のフッ化炭素(例えば、CF4又はC2F6)、O2、NF3、N2又はそれらの組み合わせなどの前駆体からのプラズマの点火に使用されてもよい。別の実施形態では、処理チャンバ100は、1つ又は複数の化学薬剤を用いたプラズマ強化化学気相堆積に使用されてもよい。
【0015】
処理チャンバ100は、チャンバ本体102、リッドアセンブリ106、基板支持アセンブリ104、及びガス出口160を含む。リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102の上端に位置付けられる。
図1のリッドアセンブリ106及び基板支持アセンブリ104は、プラズマ又は熱処理のための任意の処理チャンバとともに使用されうる。また、上記の構成要素には、他の製造業者のチャンバが使用されてもよい。基板支持アセンブリ104は、チャンバ本体102の内部に配置され、リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102に結合され、処理空間(processing volume)120の基板支持アセンブリ104を囲む。チャンバ本体102は、その側壁に形成されたスリットバルブ開口部126を含む。スリットバルブ開口部126は、基板移送のための基板ハンドリングロボット(図示せず)による内部空間120へのアクセスを可能にするために選択的に開閉される。
【0016】
絶縁体110は、セラミック又は金属酸化物、例えば酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムなどの誘電体であってもよく、電極108に接触し、電極108をガス分配器112及びチャンバ本体102から電気的及び熱的に分離する。ガス分配器112は、プロセスガスを処理空間120に進入可能にするための開口部118を特徴とする。プロセスガスは、1つ又は複数の導管114を介して処理チャンバ100に供給されてもよく、プロセスガスは、開口部を通って基板154に流れる前に、ガス混合領域116に進入してもよい。ガス分配器112は、遠隔プラズマ源(RPS)に結合されてもよい。
【0017】
基板支持アセンブリ104は、真空チャック、静電チャック、又は加熱されたペデスタルといった、任意の適切な基板支持体でありうる。1つ又は複数の実施形態では、基板支持体は「L」字形のペデスタルであり、ロードロック設置のためのスペースを節約する。支持アセンブリは、真空チャックライン、加熱ライン、及び基板支持アセンブリ104の温度を調べる熱電対を有する。他の実施形態では、基板支持アセンブリ104は、処理のために基板154を支持するように構成される。リフト機構により、基板支持アセンブリ104は、チャンバ本体102内で、より低い移送位置と複数の上昇したプロセス位置との間を垂直に移動することができる。基板支持アセンブリ104は、金属又はセラミック材料、例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、又は酸化アルミニウム/窒化アルミニウム混合物といった、金属酸化物若しくは窒化物又は酸化物/窒化物混合物から形成されうる。ヒータ122は、基板支持アセンブリ104に結合されてもよい。ヒータ122は、基板支持アセンブリ104内に埋め込まれてもよく、又は基板支持アセンブリ104の表面に結合されてもよい。ヒータ122は、処理チャンバ100の外部に延びる電源に結合されてもよい。
【0018】
反応物ブロッカー又はマスク150は、リッドアセンブリ106の一部であってもよく、又は別個の取り外し可能なピースであってもよい。マスク150は、平坦な底面を備えたドーム形状の本体204を有する。
図1に示されるように、マスク150は、外面151と内面153とを含む。マスク150の外面151は、ガス分配器112及びプラズマ源162(例えば、遠隔プラズマ源)などの処理チャンバ100の上部に向かって面している。プラズマ源162は、マスク150に隣接し、バッフル又はシールド164を含み、プラズマを基板154に方向付ける。シールド164は、上記のようにマスク150の周りに延び、外面151を包囲する。マスク150の内面153は、基板支持アセンブリ104及び基板154などの処理チャンバ100の下部に面している。以下で更に説明するように、マスク150の外面151は、プラズマ及び/又はプロセスガスを基板154のエッジに方向付けるのを助け、マスク150の内面153は、パージガスを基板154の中心に方向付けるのを助ける。
【0019】
図1及び
図2に示されるように、組み合わせると、マスク150は、1つ又は複数の導管114を受け入れる円形開孔を有する。開孔の中心で、出口は、2つ、3つ、又はそれより多い孔、ポート、又は開口部202(3つの開口部が
図2に示される)を含み、マスク150の下面に沿ったすべての方向にパージガス(例えば、Ar、He、N
2又はそれらの混合物)の均一な分布を保証するチョーク(絞り)を形成する。開口部202は、パージガスの1つの開口部のみを有するのとは対照的に、基板154の上面にわたるパージガスのより均一な流路を提供する2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多い孔を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、開口部202は、均一なサイズ及び形状であり、等距離に間隔を空けていてもよい。マスク150は、基板154に接触するか、基板154に比較的接近するように下げられてもよい。マスク150は、石英又は他のセラミック材料であってもよく、必要に応じて、Ni若しくはNiO、又はいくつかの実施形態では、イットリア若しくは酸化イットリアといった耐化学物質又は耐プラズマ物質でコーティングされてもよい。1つ又は複数の実施形態では、マスク150の底面は、例えば周縁部において、エッチングガスラジカルを再結合するための触媒であるニッケルコーティングを含む。マスク150のニッケルコーティングは、エッチングガスラジカルが、マスク150のめっき又は保護エリアの下の膜上を流れるのを低減又は排除する。したがって、マスク150上のニッケルコーティングは、めっきエリアの下の膜を保護するのに役立つ。ニッケルコーティングは、ニッケル、酸化ニッケル、それらの合金、又はそれらの組み合わせであるか、それらを含むことができる。
【0020】
図3は、本開示の1つの態様による、
図1のチャンバで利用されるエッジリング180の概略上面図を示す。1つの実施形態では、エッジリング180は、マスク150の接点に隣接して配置される。エッジリング180は、環状本体306を有する。エッジリング180は、基板アセンブリ104と係合するためのいくつかの開口部304を含む。エッジリング180は、基板アセンブリ104上に配置される。1つ又は複数の実施形態では、エッジリング180は、カバープレート152に隣接して配置されてもよい。エッジリング180は、石英又はアルミナなどのセラミック材料を含んでもよい。エッジリング180は、複数の突起302を有する。突起302は、円形の隆起、正方形、長方形、六角形、又は他の形状であってもよい。突起302は、本体306の周りに配置される。10個の突起302が図示されているが、より多い又はより少ない突起302が存在しうる。突起は、エッジリング180の本体306の外周周辺に等間隔で配置されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、突起302は、基板アセンブリ104及び基板154からの熱伝達を低減する。加えて、エッジリング180は、基板の上部と基板154の底部との間に圧力差を提供する。他の実施形態では、エッジリング180は、基板154の上方に均一なレベリング(高さ設定)を提供する。
【0021】
別の実施形態では、エッジリング180は、基板154の周囲及び下に配置され、エッチングプロセス中に、エッジリング180は、処理チャンバ100内にある間にプラズマ曝露により加熱される。エッジリング180が加熱されると、吸収された熱エネルギーは、エッジリング180から基板154のエッジに伝達される。したがって、基板154のエッジは、エッジリング180からの局所的な加熱により加熱される。エッジは、最小限の接点で加熱面(ヒータ)上で支持されているため、プラズマからのラジカル及び/又はイオンに曝露される表面積は、そうでない場合に曝露されるであろうよりも大きくなる。基板154のエッジとエッジリング180との間の間隙を最小化することにより、エッジリング180及びヒータ表面上のプラズマ濃度が増加する。基板154のエッジの局所的な加熱は、基板上のエッチング速度を増加させる。
【0022】
図4は、本開示の1つの態様による、
図1のチャンバで利用されるカバープレート152の概略上面図を示す。カバープレート152は、中心開孔402、複数の開口部404、複数のファスナ410、スカラップ状のエッジ406、及び複数のスポーク408を含む。中心開孔402は、円形開口部、六角形開口部、長方形開口部、又は任意の他の形状の開口部でありうる。複数の開口部404は、中心開孔402の周りで周方向にずれた円形開口部である。複数の開口部404のそれぞれは、中心開孔402よりも小さい。本開示は、8つの開口部404を示すが、複数の開口部404は、8つより多い又は少ない開口部404を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、開口部404は、中心開孔402の周りに等間隔に配置される。別の実施形態では、開口部404同士の間の距離は変化する。複数のスポーク408は、カバープレート152の溝である。複数のスポーク408は、中心開孔402を取り囲む円形溝から径方向に広がる。複数のスポーク408は、スカラップ状のエッジ406に向かって径方向外側に延びる直線的溝である。スカラップ状のエッジ406は、均一なくぼみを有する波状パターンを含む。スカラップ状のエッジ406は、丸いエッジ、正方形のエッジ、又は尖ったエッジを有することがある。スカラップ状のエッジ406は、カバープレート152及びチャックリング180上に置く際の基板の滑りを防止する。
【0023】
動作中、基板をエッチングする方法は、処理チャンバの内部の基板支持体上に基板を置くことにより開始する。基板は、中心及び斜面のエッジを有する。同じチャンバ又は異なるチャンバで堆積プロセスを行った後に、基板は、基板の上面に堆積層(例えば、誘電体層又は任意の他の種類の層)を有する。堆積層は、基板の中心及びエッジの上又は上方に堆積させる又はそうでなければ配置することができる。
【0024】
マスク150を基板154の上方まで下げて、マスク150と基板154との間の小さな間隙を約0.003インチから約0.100インチの範囲に維持する。いくつかの実施形態において、基板154及びエッジリング180は、マスク150に接触するように持ち上げられる。1つ又は複数の実施形態では、基板154とマスク150との間の距離は、100ミル未満、約5ミルから約20ミルの範囲、例えば約10ミルなどである。エッジリング180は、基板154の周囲/下に配置される。他の実施形態では、エッジリング180は、カバープレート152の周りに配置される。別の実施形態において、エッジリング180は、基板アセンブリ104上方に配置される。方法は、基板154の上部及びエッジに隣接してプラズマ及び/又はプロセスガスを流すことにより継続する。プラズマ及び/又はプロセスガスは、1つ又は複数のエッチャントガスであるか、それを含むことができる。プラズマ及び/又はプロセスガスは、堆積層又は材料をエッジでエッチングする。プラズマ及び/又はプロセスガスは、N2、O2、NF3、Ar、He、又はそれらの任意の組み合わせであるか、それらを含むことができる。パージガスは、Ar、He、N2、又はそれらの任意の組み合わせであるか、それらを含むことができる。方法は、基板154の中心周囲のマスク150の開口部202を通してパージガスを流すことを更に含む。
【0025】
1つ又は複数の例では、プロセスガス若しくはエッチャントガスは、イオン化されるか、又はそうでなければRPS若しくは別のプラズマ源によって点火されて、プラズマを生成する。プラズマは、マスク150の上面を流れ追随し、マスク150の周囲から基板154のエッジに向かって流れ、エッジをエッチングする。プラズマが流れてエッチングしている間、パージガスは、マスク150の底面の開口部202から流れ、基板154の中心に向かって流れ、その後、基板の表面に沿って基板のエッジに向かって径方向に流れる。プラズマとパージガスの界面、又はプロセスガスとパージガスの界面は、基板のエッジにある。プラズマ及び/又はプロセスガス及びパージガスの流量は、基板154のエッジで所望のエッチングプロファイルを実現するように調整(独立して増減)又は別な方法で調節される。
【0026】
第1の場所でプラズマ(例えば、エッチャントガス又はプロセスガス)を流し、第2の場所でパージガスを流すことによって、より均一で制御されたエッチングを実現することができる。更に、マスクのさまざまな開口部は小さなフローチョークを作成し、パージガスが確実にすべての方向に均一に分布するようにする。最後に、スカラップ状のカバープレートは、基板の配置及びピックアップ中に安定性を提供する。
【0027】
プラズマは堆積層をエッチングし、基板のエッジを明らかにする。1つ又は複数の例では、エッジ(例えば、斜面エッジ又は直線エッジ)は、約0.5mmから4mm未満、約0.5mmから3未満、約0.5mmから2mm未満、約0.5mmから1.5mm未満、又は約0.5mmから1mm未満といった、約0.5mmから約5mmの径方向の幅を有することができる。
【0028】
上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の及び更なる実施形態を考案することもでき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。