(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】改善された降伏電圧能力を有する集積チップ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/088 20060101AFI20230111BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230111BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20230111BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230111BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230111BHJP
H01L 27/12 20060101ALI20230111BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20230111BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20230111BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230111BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230111BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20230111BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20230111BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230111BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H01L27/088 331E
H01L29/78 301D
H01L29/78 301R
H01L29/78 626C
H01L29/78 627D
H01L27/12 B
H01L21/76 L
H01L27/088 331G
H01L27/088 331A
H01L27/088 331B
H01L27/04 H
H01L21/88 J
H01L29/78 623Z
H01L29/44 Y
H01L29/06 301G
H01L29/06 301F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002280
(22)【出願日】2022-01-11
【審査請求日】2022-01-11
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】▲チン▼ ▲ヒン▼志
(72)【発明者】
【氏名】林 東陽
(72)【発明者】
【氏名】柳 瑞興
(72)【発明者】
【氏名】雷 明達
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0270333(US,A1)
【文献】特開平11-195712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0200134(US,A1)
【文献】特開平7-326658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/3205
H01L 21/336
H01L 21/76
H01L 21/822
H01L 27/088
H01L 29/06
H01L 29/41
H01L 29/78
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積チップであって、
ハンドル基板上に設けられた素子基板と、前記素子基板及び前記ハンドル基板の間に配置された絶縁体層と、を備えた半導体基板と、
ドレイン領域及びソース領域の間で、前記素子基板上に設けられたゲート電極と、
前記素子基板及び前記絶縁体層を通じて延設され、前記ハンドル基板に接触する導電ビアと、
前記素子基板内に配置され、横方向で前記ゲート電極及び前記導電ビアの間に配置された第1の隔離セグメントを備える第1の隔離構造と、
前記素子基板内で、前記第1の隔離セグメント及び前記導電ビアの間に配置されたコンタクト領域と、
前記第1の隔離セグメントの直上に設けられ、前記コンタクト領域に電気的に連結する導電ゲート電極と、を備える集積チップ。
【請求項2】
前記素子基板内に配置された第1のウェル領域と、
前記素子基板内に配置され、第1の接触面にて、前記第1のウェル領域と隣接する第2のウェル領域であって、前記第2のウェル領域は、第1の導電型を有し、前記第1のウェル領域は、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、前記ゲート電極は、前記第1の接触面の直上に設けられる前記第2のウェル領域と、
前記素子基板内に配置され、第2の接触面にて、前記第2のウェル領域と隣接する第3のウェル領域であって、前記第3のウェル領域は、前記第2の導電型を有し、前記導電ゲート電極は、前記第2の接触面の直上に設けられる前記第3のウェル領域と、をさらに備える請求項1に記載の集積チップ。
【請求項3】
前記ドレイン領域は、前記第2のウェル領域内に配置され、前記ソース領域は、前記第1のウェル領域内に配置され、前記コンタクト領域は、前記第3のウェル領域内に配置されることで、前記導電ゲート電極が、前記コンタクト領域により、前記第3のウェル領域に電気的に連結されるようにする請求項2に記載の集積チップ。
【請求項4】
前記第1の隔離セグメントは、前記コンタクト領域の側壁から前記ドレイン領域の側壁まで、連続的に延設され、前記導電ゲート電極は、横方向で前記第1の隔離セグメントの対向する外側壁の間に離間する請求項1に記載の集積チップ。
【請求項5】
前記素子基板上に設けられる相互接続構造をさらに備え、前記相互接続構造は、誘電構造内に配置された複数の導電コンタクト及び複数の導電配線を備え、前記導電ゲート電極は、前記導電コンタクト及び前記導電配線により、前記コンタクト領域に連結される請求項1に記載の集積チップ。
【請求項6】
集積チップであって、
絶縁体層の上に設けられた素子基板と、前記絶縁体層の下に設けられたハンドル基板と、
前記素子基板内に配置された第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間している前記第1のウェル領域、前記第2のウェル領域、及び前記第3のウェル領域と、
前記素子基板上に配置され、ゲート電極、ソース領域、及びドレイン領域を備える高電圧トランジスタであって、前記ゲート電極は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の直上に配置される前記高電圧トランジスタと、
前記素子基板内に配置され、前記ハンドル基板に電気的に連結される導電ビアであって、前記導電ビアは、前記第3のウェル領域と隣接する前記導電ビアと、
前記素子基板上で、前記導電ビア及び前記高電圧トランジスタの間に配置される導電終端構造であって、前記導電終端構造は、前記第3のウェル領域内に配置されるコンタクト領域と、前記第2のウェル領域及び前記第3のウェル領域の間の第2の接触面の上に設けられる導電ゲート電極とを備え、前記導電ゲート電極は、前記コンタクト領域により、前記第3のウェル領域に電気的に連結される前記導電終端構造と、を備える集積チップ。
【請求項7】
前記素子基板内に配置された第1の隔離構造をさらに備え、前記第1の隔離構造は、第2の隔離セグメントから横方向にオフセットした第1の隔離セグメントを備え、前記第1の隔離セグメントは、前記素子基板から前記導電ゲート電極を離間し、前記ゲート電極は、前記第2の隔離セグメントの少なくとも一部の直上に設けられる請求項
6に記載の集積チップ。
【請求項8】
前記コンタクト領域は、前記第1の隔離セグメントの外側壁に隣接し、前記導電ゲート電極の対向する外側壁は、前記高電圧トランジスタに向かう方向において、前記第1の隔離セグメントの外側壁から横方向にオフセットする請求項
7に記載の集積チップ。
【請求項9】
集積チップを製造する方法であって、
素子基板内に第1の隔離構造を形成する工程であって、前記素子基板は、ハンドル基板の上に設けられた絶縁体層の上に設けられる工程と、
前記素子基板を通じて、前記ハンドル基板まで延設された導電ビアを形成する工程と、
前記素子基板をドープして、前記素子基板内に第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域を形成する工程であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間する工程と、
前記素子基板上方にゲート電極を形成する工程であって、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の上に設けられる工程と、
前記第1の隔離構造上方に導電ゲート電極を形成する工程と、
前記素子基板をドープして、前記素子基板内にソース領域、ドレイン領域、及びコンタクト領域を形成する工程であって、前記ゲート電極は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記コンタクト領域は、前記第3のウェル領域内において、前記導電ビア及び前記導電ゲート電極の間に配置される工程、とを備える方法。
【請求項10】
前記素子基板上方に相互接続構造を形成し、誘電構造内に配置された複数の導電コンタクト及び複数の導電配線を備える工程であって、前記導電ゲート電極は、前記相互接続構造により、前記コンタクト領域に電気的に接続される工程をさらに備える請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された降伏電圧能力を有する集積チップ及びその製造方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
最近の集積チップは、半導体基板(例えば、シリコン)上に形成された数百万~数十億の半導体素子を備える。集積チップ(IC)は、ICの用途に応じて、多数の異なる種別のトランジスタ素子を使用することがある。近年、セルラー及び無線周波数(RF)装置の市場が拡大するにつれ、結果として、高電圧トランジスタ素子の使用が著しく増加している。例えば、高電圧トランジスタ素子は、高降伏電圧(例えば、約50V超)や高周波数を取り扱う能力を有するため、RF送受信チェーンにおけるパワーアンプで頻繁に使用される。
【発明の概要】
【技術的課題】
【0003】
高電界、及び/又は、導電ビアとソース/ドレイン領域との間の電圧差により、隔離構造、及び/又は、素子基板を損傷してしまうことがあるため、結果として高電圧トランジスタの故障を生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態において、本願は、集積チップであって、ハンドル基板上に設けられた素子基板と、前記素子基板及び前記ハンドル基板の間に配置された絶縁体層と、を備えた半導体基板と、ドレイン領域及びソース領域の間で、前記素子基板上に設けられたゲート電極と、前記素子基板及び前記絶縁体層を通じて延設され、前記ハンドル基板に接触する導電ビアと、前記素子基板内に配置され、横方向で前記ゲート電極及び前記導電ビアの間に配置された第1の隔離セグメントを備える第1の隔離構造と、前記素子基板内で、前記第1の隔離セグメント及び前記導電ビアの間に配置されたコンタクト領域と、前記第1の隔離セグメントの直上に設けられた導電ゲート電極と、を備え、前記導電ゲート電極は、前記コンタクト領域に電気的に連結される集積チップを提供する。
【0005】
いくつかの実施形態において、本願は、集積チップであって、絶縁体層の上に設けられた素子基板と、前記絶縁体層の下に設けられたハンドル基板と、前記素子基板内に配置された第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間している前記第1のウェル領域、前記第2のウェル領域、及び前記第3のウェル領域と、前記素子基板上に配置され、ゲート電極、ソース領域、及びドレイン領域を備える高電圧トランジスタであって、前記ゲート電極は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の直上に配置される前記高電圧トランジスタと、前記素子基板内に配置され、前記ハンドル基板に電気的に連結される導電ビアであって、前記導電ビアは、前記第3のウェル領域と隣接する前記導電ビアと、前記素子基板上で、前記導電ビア及び前記高電圧トランジスタの間に配置される導電終端構造であって、前記導電終端構造は、前記第3のウェル領域内に配置されるコンタクト領域と、前記第2のウェル領域及び前記第3のウェル領域の間の第2の接触面の上に設けられる導電ゲート電極とを備え、前記導電ゲート電極は、前記コンタクト領域により、前記第3のウェル領域に電気的に連結される前記導電終端構造と、を備える集積チップを提供する。
【0006】
いくつかの実施形態において、本願は、集積チップを製造する方法であって、素子基板内に第1の隔離構造を形成する工程であって、前記素子基板は、ハンドル基板の上に設けられた絶縁体層の上に設けられる工程と、前記素子基板を通じて、前記ハンドル基板まで延設された導電ビアを形成する工程と、前記素子基板をドープして、前記素子基板内に第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域を形成する工程であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間する工程と、前記素子基板上方にゲート電極を形成する工程であって、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の上に設けられる工程と、前記第1の隔離構造上方に導電ゲート電極を形成する工程と、前記素子基板をドープして、前記素子基板内にソース領域、ドレイン領域、及びコンタクト領域を形成する工程であって、前記ゲート電極は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記コンタクト領域は、前記第3のウェル領域内において、前記導電ビア及び前記導電ゲート電極の間に配置される工程、とを備える方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
高電圧トランジスタの降伏電圧能力を改善することができるため、集積チップの性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに読むことで最もよく理解される。当分野の標準的な慣行によると、種々の特徴が正寸でない。実際のところ、種々の特徴の臨界寸法は、討論を明確に行うため、任意で増減され得る。
【
図1】
図1Aは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置された導電終端構造を備える集積チップのいくつかの実施形態の断面図を示している。
図1Bは、
図1Aの集積チップのいくつかの実施形態の上面図を示している。
図1Cは、
図1Aの集積チップのいくつかの他の実施形態の上面図を示している。
【
図2】
図2は、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置された導電終端構造を備える集積チップのいくつかの他の実施形態の断面図を示している。
【
図3】
図3Aは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップのいくつかの異なる実施形態の断面図を示している。
図3Bは、
図3Aの集積チップのいくつかの実施形態の上面図を示している。
図3Cは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップのいくつかの他の実施形態の断面図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップの動作に対応するグラフの種々の実施形態を示す。
【
図5】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図6】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図7】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図8】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図9】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図10】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図11】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。
【
図12】
図12は、高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備える集積チップを形成するための方法のいくつかの実施形態を示すフローチャートを示している。
【詳細な説明】
【0009】
本開示は、本開示の異なる特徴を実現するために、多数の異なる実施形態、又は例を提供するものである。本開示を簡易化するために、構成要素及びアレンジメントの具体的な例を、以下に説明する。当然のことながら、これらは単なる例であって、限定を意図するものでない。例えば、以降の説明の中で、第1の特徴の上方又は上に第2の特徴が形成される場合、第2の特徴と第1の特徴が直接接触して形成される実施形態を含んでもよく、且つ、第2の特徴と第1の特徴との間に追加の特徴が形成されて、第2の特徴と第1の特徴が直接接触しなくてもよい実施形態も含んでよい。さらに、本開示は、種々の例において、参照数字、及び/又は、文字を反復することがある。この反復は、簡易さ及び明確さを目的とするものであり、それ自体が、検討される種々の実施形態間、及び/又は、構成間の関係を指示するものでない。
【0010】
さらに、「下側」、「下方」、「下」、「上」、「上方」等の空間的に相対的な用語は、本明細書において、図中に示される1つの要素又は特徴の、他の要素又は特徴に対する関係を説明する際、説明を簡易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、、使用中又は動作中の素子について、図中に描かれる向きに加え、異なる向きを網羅することが意図されるものである。素子は、他の向きに向いていてもよく(90°回転されるか、又はその他の向き)、本明細書において使用される空間的に相対的な記述は、これに応じて同様に解釈されてもよい。
【0011】
集積チップは、多くの場合、多数の異なる電圧で動作するように設計されたトランジスタを備える。高電圧トランジスタは、高い降伏電圧(例えば、約20ボルト(V)超、約80V超、又はその他の好適な値の降伏電圧)で動作するように設計される。高電圧トランジスタは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板上に実装されることがあり、ラッチアップフリー動作、高実装密度、低漏れ電流等、性能を向上する。例えば、SOI基板は、ハンドル基板と、素子基板と、素子基板及びハンドル基板の間に配置された絶縁体層とを備えてもよい。高電圧トランジスタは、ソース領域及びドレイン領域の間で素子基板に沿って配置されたゲート構造を備えてもよい。第1の導電型(例えば、p型)を有する第1のウェル領域が、ゲート構造下方の素子基板内に配置され、ドレイン領域に当接する。第2の導電型(例えば、n型)を有する第2のウェル領域が、素子基板内に配置され、第1のウェル領域からソース領域まで延設される。また、導電ビアは、素子基板及び絶縁体層を通じて延設され、ハンドル基板に接触し、この導電ビアは、ハンドル基板を付勢するように構成される。動作中、バイアス電圧がゲート構造に付与され、チャンネル領域をゲート構造下方で第1ウェル領域を通じて延ばす電界を生じてもよい。バイアス電圧が比較的高い場合(例えば、約60~70V超)、高電界が素子基板内に生成される。この高電界の悪影響を抑制する努力として、ハンドル基板は、導電ビアによって接地に電気的に連結されてもよい。これにより、高電界の悪影響を抑制し、高電圧トランジスタの降伏電圧を上昇させる。
【0012】
導電ビアは、多数の異なる方法で形成可能である。例えば、導電ビアは、ドレイン領域と第1のウェル領域とに横方向に隣接して形成されてもよく、隔離構造が、第1のウェル領域を導電ビアから離間させるようにする。このような構成において、高い負のバイアス電圧(例えば、約-60V以上)をドレイン領域に付与するとき、高電界が、素子基板において、ドレイン領域と第1ウェル領域とに、存在するであろう。しかしながら、ドレイン領域が導電ビアに近接しているため、高電界、及び/又は、導電ビアとドレイン領域との間の電圧差が、隔離構造、及び/又は、素子基板に損傷を与えることがあり、この結果として、高電圧トランジスタの故障を招くことがある。或いは、導電ビアは、ソース領域と第2のウェル領域とに横方向に隣接して形成されてもよく、隔離構造が、第2のウェル領域を導電ビアから離間させるようにしてもよい。このような構成において、高い正のバイアス電圧(例えば、約+60V以上)をゲート構造、及び/又は、ソース領域に付与するとき、高電界が、素子基板において、ドレイン領域と第2のウェル領域とに存在するであろう。しかしながら、ソース領域が導電ビアに近接しているため、高電界、及び/又は、導電ビアとソース領域との間の電圧差が、隔離構造、及び/又は、素子基板に損傷を与えることがあり、この結果として、高電圧トランジスタの故障を招くことがある。したがって、高電圧トランジスタの降伏電圧は、高電圧トランジスタのソース領域、及び/又は、ドレイン領域に対する導電ビアのレイアウトに基づき、抑制されることがある。
【0013】
したがって、本開示は、高電圧トランジスタの降伏電圧能力を上げるように構成された導電終端構造を備える集積チップを含む、集積チップに関する。この集積チップは、絶縁体層の上に設けられた素子基板と、絶縁体層の下に設けられたハンドル基板と、を備える。第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域が、素子基板内に配置される。第2のウェル領域は、第1のウェル領域と第3のウェル領域との間に配置される。高電圧トランジスタは、素子基板上に配置され、ドレイン領域とソース領域との間で離間したゲート電極を備える。ゲート電極は、第1のウェル領域と第2のウェル領域との間の第1の接触面の上に設けられる。さらに、導電ビアが、素子基板内に配置され、ハンドル基板に電気的に連結される。導電終端構造は、ハンドル基板上において、導電ビアとドレイン領域との間に配置される。導電終端構造は、第3のウェル領域内に配置されたコンタクト領域と、第2のウェル領域と第3のウェル領域との間の第2の接触面の上に設けられた導電ゲート電極と、を備える。導電ゲート電極は、コンタクト領域によって、第3のウェル領域に電気的に連結される。高圧トランジスタ素子の動作中、ゲート電極によって生成された電界が、ドレイン領域、及び/又は、第2のウェル領域に蓄積されてもよい。導電終端構造は、ゲート電極によって生成される電界に作用し、素子基板の表面に沿って電界の強度を低減する(例えば、ドレイン、及び/又は、第2のウェル領域に蓄積された電界強度を低減する)ように構成される。これにより、蓄積された電界が、素子基板や、素子基板内に配置された他の構造を損傷するのを抑制し、高電圧トランジスタの降伏電圧能力を上げる。
【0014】
図1Aは、高電圧トランジスタ122に横方向に隣接して配置された導電終端構造121を備える集積チップ100のいくつかの実施形態の断面図を示している。
【0015】
集積チップ100は、半導体基板102上に配置された高電圧トランジスタ122を備える。種々の実施形態において、半導体基板102は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)として構成され、ハンドル基板104と、素子基板108と、ハンドル基板104及び素子基板108の間に配置された絶縁体層106と、を備える。第1のウェル領域116、第2のウェル領域118、及び第3のウェル領域120は、素子基板108内に配置される。第2のウェル領域118は、横方向で第1のウェル領域116と第3のウェル領域120との間に配置される。種々の実施形態において、第2のウェル領域118は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、第1及び第3のウェル領域116及び120は、各々、第1の導電型とは反対の第2の導電型(例えば、n型)を有する。種々の実施形態において、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型であるか、もしくはその逆である。第1の隔離構造110は、素子基板108の上面から素子基板108の上面下方の地点まで延設される。第1の隔離構造110は、第1の隔離セグメント110aと、第2の隔離セグメント110bと、を備える。さらに、第2の隔離構造112は、素子基板108の上面から絶縁体層106まで延設される。種々の実施形態において、第1及び第2の隔離構造110及び112は、半導体基板102上、及び/又は、半導体基板102内に配置された素子を互いに電気的に絶縁するように構成される。
【0016】
高電圧トランジスタ122は、素子基板108上に配置され、絶縁体層106により、ハンドル基板104から離間する。種々の実施形態において、高電圧トランジスタ122は、ソース領域126と、ドレイン領域132と、ゲート電極130と、半導体基板102及びゲート電極130の間に配置されたゲート誘電層128と、を備える。ゲート電極130は、素子基板108上に設けられ、横方向でソース領域126とドレイン領域132との間に配置される。ソース領域126は、第1のウェル領域116内に配置され、本体コンタクト領域124と横方向に隣接する。さらに、ドレイン領域132が、第2のウェル領域118内に配置され、第2の隔離セグメント110bにより、ソース領域126から横方向に離間する。種々の実施形態において、ゲート電極130は、第2の隔離セグメント110bの一部の直上に設けられ、第1のウェル領域116と第2のウェル領域118との間の第1の接触面113の直上に設けられる。いくつかの実施形態において、ソース領域126及びドレイン領域132は、各々、第1の導電型(例えば、p型)を有し、本体コンタクト領域124は、第2の導電型(例えば、n型)を有する。このような実施形態において、高電圧トランジスタ122は、pチャンネル金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ、pチャンネル横方向拡散金属酸化膜半導体(p-LDMOS)トランジスタ、又はその他の好適な素子として構成される。さらに他の実施形態において、高電圧トランジスタ122は、nチャンネルMOS(NMOS)トランジスタ、nチャンネルLDMOS(n-LDMOS)トランジスタ、又はその他の好適な素子として構成されてもよい。さらに、導電ビア114(
図1Bに示されるような、高電圧トランジスタを包囲する連続リングとして明らかであってもよく、又は
図1Cに示されるような、高電圧トランジスタを全体で包囲する1つ以上の導電ピラーとして明らかであってもよい)が、半導体基板102内に配置され、素子基板108の上面から、絶縁体層106を通じて、ハンドル基板104の上面まで連続的に延設される。導電ビア114は、第2の隔離構造112により、素子基板108から離間し、ハンドル基板104を付勢するように構成される。例えば、導電ビア114は、ハンドル基板104を接地(例えば、0V)、接地ノード、接地端子等に電気的に連結するように構成される。導電ビア114によってハンドル基板104を接地に連結することにより、高電圧トランジスタ122の安定性及び降伏電圧が向上され得る。さらに他の実施形態において、導電ビア114は、ガードリングと称され得る。
【0017】
相互接続構造は、素子基板108上に設けられ、誘電構造140と、複数の導電コンタクト142と、複数の導電配線144と、を備える。導電コンタクト及び配線142及び144が、誘電構造140内に配置され、半導体基板102上に配置された素子(例えば、高電圧トランジスタ122)に電気的接続を付与するように構成される。種々の実施形態において、導電終端構造121は、横方向で高電圧トランジスタ122と導電ビア114との間に配置される。いくつかの実施形態において、導電終端構造121は、第3のウェル領域120と、第3のウェル領域120内に配置されたコンタクト領域136と、導電ゲート電極134と、周辺ゲート誘電層133と、を備える。第3のウェル領域120及びコンタクト領域136は、各々、第2の導電型(例えば、n型)を有し、これは、第2のウェル領域118の第1導電型(例えば、p型)とは反対で、導電終端構造121のP-N接合デイオード構造が、第2のウェル領域118と第3のウェル領域120との間に存在するようにする。導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造は、例えば、電流の流れをコンタクト領域136に向かわせるように構成される。さらなる実施形態において、コンタクト領域136は、導電配線144と導電コンタクト142とにより、導電ゲート電極134に電気的に連結される。周辺ゲート誘電層133は、導電ゲート電極134を素子基板108から離間させる。さらに、周辺ゲート誘電層133及び導電ゲート電極134は、第1の隔離構造110の第1の隔離セグメント110aの直上に設けられる。導電ゲート電極134は、第2のウェル領域118と第3のウェル領域120との間の第2の接触面115の直上に設けられる。
【0018】
いくつかの実施形態において、高電圧トランジスタ122のゲート電極130は、バイアス電圧を受けると、横方向でソース領域126とドレイン領域132との間に配置されたチャンネル領域127内での電荷キャリア(例えば、電子又は電子ホール)の動きを制御する電界を生成するように構成される。例えば、動作中、ゲート-ソース電圧が、ソース領域126に対してゲート電極130に選択的に付与可能であり、これによって、チャンネル領域127内に導電チャンネルを形成する。さらに、ゲート-ソース電圧が付与されて導電チャンネルが形成される一方で、ドレイン-ソース電圧が付与され、ソース領域126とドレイン領域132との間で電荷キャリを移動させる。種々の実施形態において、チャンネル領域127は、ソース領域126から隣接した第2のウェル領域118(例えば、いくつかの実施形態において、ドリフト領域、及び/又は、「ドレイン延長領域」と称される)まで横方向に延設されてもよい。
【0019】
種々の実施形態において、集積チップ100の動作中、導電終端構造121は、ゲート電極130によって生成された電界に作用するように構成される。これにより、部分的に、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を向上することで、集積チップ100の性能を上げる。いくつかの実施形態において、高電圧トランジスタ122の動作中、高い負の電圧(例えば、約-60V以上)がドレイン領域132に付与されてもよく、高電界が、素子基板108において、ドレイン領域132と第2のウェル領域118とに存在するであろう。導電ゲート電極134及びコンタクト領域136は、ドレイン領域132、及び/又は、第2のウェル領域118にて、電界、及び/又は、電位を減衰するように構成される。例えば、電荷キャリアは、第2のウェル領域118からコンタクト領域136まで移動してもよく(例えば、導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造を横切って移動する)、導電ゲート電極134に蓄積されてもよい。これにより、部分的に、素子基板108の表面に沿った電界強度を低減することで、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を上げてもよい。
【0020】
さらに、導電ゲート電極134の第1の側壁134s1は、横方向距離L1、第1の隔離セグメント110aの外側壁より横方向にオフセットする。種々の実施形態において、第1の横方向距離L1は、約0マイクロメートル(μm)~0.2μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。第1の横方向距離L1が比較的短い(例えば、約0μm未満)と、導電ゲート電極134及び周辺ゲート誘電層133は、コンタクト領域136、及び/又は、第3のウェル領域120の少なくとも一部の直上に設けられる。これにより、部分的に、周辺ゲート誘電層133を通じて導電ゲート電極134内に電荷キャリアをトンネルすると、周辺ゲート誘電層133を損傷したり、及び/又は、高電圧トランジスタ122の性能を下げたりすることがある。第1の横方向距離L1が比較的大きいと(例えば、約0.2μm超)、導電ゲート電極134の全体の大きさが実質的に低減されることで、素子基板108の表面に沿った電界強度を低減する能力を抑制する。これにより、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を低減することがある。
【0021】
図1Bは、
図1AのA-A’線に沿った集積チップ100のいくつかの実施形態の上面図である。
【0022】
いくつかの実施形態において、
図1Bの上面図に示される通り、ソース領域126、ゲート電極130、第2のウェル領域118、ドレイン領域132、導電ゲート電極134、第3のウェル領域120、コンタクト領域136、第1の隔離構造110、第2の隔離構造112、及び導電ビア114は、同心のリング形状領域/構造である。上述の領域/構造は、
図1Bにおいて上方から見ると、矩形リング形状であるが、上述の領域/構造は、例えば、正方形リング形状、三角形リング形状、円形リング形状、楕円形リング形状、又はその他の何らかの閉路形状であってもよいことが理解されるであろう。したがって、いくつかの実施形態において、導電ゲート電極134は、ゲート電極130を連続的に横方向に包囲する。さらに他の実施形態において、ソース領域126、ゲート電極130、第2のウェル領域118、ドレイン領域132、導電ゲート電極134、第3のウェル領域120、コンタクト領域136、第1の隔離構造110、第2の隔離構造112、及び導電ビア114は、互いに対して同心であり、及び/又は、各々、本体コンタクト領域124の中心に対して同心である。種々の実施形態において、第3のウェル領域120は、周辺終端ウェル領域と称されてもよく、及び/又は、コンタクト領域136は、周辺終端コンタクト領域と称されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1のウェル領域116は、本体コンタクト領域124の中心から第1の接触面113まで連続的に延設されてもよい。したがって、上方から見ると、第1の接触面113を表す破線の矩形は、例えば、第1のウェル領域116の外周に対応してもよく、第2のウェル領域118の内周に対応してもよい。さらに他の実施形態において、第2のウェル領域118は、第1の接触面113から第2の接触面115まで連続的に延設される。したがって、上方から見ると、第2の接触面115を表す破線の矩形は、例えば、第2のウェル領域118の外周に対応してもよく、第3のウェル領域120の内周に対応してもよい。
【0024】
図1Cは、いくつかの他の実施形態の上面図を示しており、導電ビア114が、ゲート電極130及び導電ゲート電極134を全体的に包囲する複数の導電ピラーを備える。
図1Cは、
図1AのA-A’線に沿った集積チップ100の上面図のいくつかの実施形態を示している。さらに他の実施形態において、第2の隔離構造112は、複数の導電ピラーのうちの各導電ピラーを連続的に包囲する。複数の導電ピラーのうちの各導電ピラーは、例えば、ハンドル基板(
図1Aの104)に接触してもよく、及び/又は、接地(例えば、0V)、接地ノード、接地端子等に電気的に連結されてもよい。
【0025】
図2は、高電圧トランジスタ122に横方向に隣接して配置された導電終端構造121を備える集積チップ200のいくつかの他の実施形態の断面図を示している。集積チップ200は、
図1A~
図1C(及びその逆)の集積チップ100のいくつかの態様を備えており、したがって、
図1A~
図1Cに関して以上に説明した特徴、及び/又は、参照符号は、
図2の集積チップ200にも適用可能である。
【0026】
集積チップ200は、半導体基板102上に配置された高電圧トランジスタ122を備える。高電圧トランジスタ122は、例えば、無線周波数(RF)部品や、ゲートドライバ(絶縁ゲート双極トランジスタ(IGBT))/パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Power MOSFET)等の高電圧アプリケーション、スマートパワー/高電圧素子、圧力センサ、アクチュエータ、加速度計、ジャイロスコープ、又はその他何らかの好適な用途等、種々の用途において使用されてもよい。いくつかの実施形態において、半導体基板102は、SOI基板として構成され、ハンドル基板104と、素子基板108と、ハンドル基板104及び素子基板108の間に配置された絶縁体層106と、を備えてもよく。いくつかの実施形態において、絶縁体層106は、例えば、酸化シリコン、シリコン過剰酸化物(SRO)、他の何らかの酸化物、他の何らかの誘電体、又は以上のうちのいずれかの組み合わせであるか、又はこれを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハンドル基板104及び素子基板108は、例えば、バルク基板(例えば、バルクシリコン基板)、シリコン、単結晶シリコン、ドープシリコン、又はその他の好適な半導体材料であるか、又はこれを含んでもよい。ハンドル基板104は、例えば、第1の導電型(例えば、p型)であり、ドープ濃度が原子約1014~1016個/cm3の範囲であるか、又はその他の好適な値であってもよい。種々の実施形態において、ハンドル基板104及び素子基板108は、各々、約1~100オーム-センチメートル(Ω・cm)の範囲内か、又はその他の好適な値の抵抗を有してもよい。いくつかの実施形態において、ハンドル基板104の抵抗が比較的低い場合(例えば、約1Ω・cm未満)、高電圧トランジスタ122の降伏電圧が低減されることがある。さらに他の実施形態において、ハンドル基板104の抵抗が比較的高い場合(例えば、約100Ω・cm超)、高電圧トランジスタ122の降伏電圧が増加されることがある。
【0027】
第1の隔離構造110は、素子基板108内に配置され、素子基板108の上面から素子基板108の上面下方の位置まで連続的に延設される。第1の隔離構造110は、例えば、シャロートレンチ隔離(STI)構造又はその他の好適な隔離構造として構成されてもよい。第1の隔離構造110は、非ゼロの距離で互いに横方向に離間した、第1の隔離セグメント110aと、第2の隔離セグメント110bと、を備える。さらに、第2の隔離構造112は、素子基板108の上面から絶縁体層106まで連続的に延設される。第2の隔離構造112は、例えば、ディープトレンチ隔離(DTI)構造又はその他の好適な隔離構造として構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2の隔離構造110及び112は、例えば、各々、窒化シリコン、炭化シリコン、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸炭化シリコン、その他の好適な誘電材料、又は以上の任意の組み合わせであってもよく、又はこれを含んでもよい。
【0028】
高電圧トランジスタ122は、ソース領域126、ドレイン領域132、ゲート電極130、及びゲート誘電層128を備える。ソース領域126及びドレイン領域132は、素子基板108内に配置され、第1の隔離構造110の第2の隔離セグメント110bにより、互いに横方向に離間される。種々の実施形態において、ドレイン領域132は、第1の隔離構造110の第1及び第2の隔離セグメント110a及び110bに当接する。さらに、ゲート電極130は、素子基板108の上方に配置され、横方向でソース領域126及びドレイン領域132の間に離間する。ゲート誘電層128は、ゲート電極130及び素子基板108の間に配置される。種々の実施形態において、高電圧トランジスタ122は、pチャンネル金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ、pチャンネル横方向拡散金属酸化膜半導体(p-LDMOS)トランジスタ、又はその他の好適な素子として構成される。このような実施形態において、ソース領域126及びドレイン領域132は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、原子約1014~1016個/cm3の範囲内か、又はその他の好適な値のドープ濃度を有してもよい。さらなる実施形態において、ゲート電極130は、例えば、ポリシリコン、及び/又は、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、その他の好適な導電材料、又は以上の任意の組み合わせ等、金属ゲート材料であるか、又はこれを含んでもよい。さらに他の実施形態において、ゲート誘電層128は、例えば、二酸化シリコン、高誘電率材料等であるか、又はこれを含んでもよい。本明細書において使用される高誘電率材料とは、誘電率が3.9超の誘電材料である。
【0029】
低濃度ドープ領域202は、素子基板108内に配置され、ソース領域126の第1側に当接する。本体コンタクト領域124は、素子基板108内に配置され、ソース領域126の第2側に当接し、ソース領域126の第1側は、ソース領域126の第2側の反対である。種々の実施形態において、低濃度ドープ領域202は、原子約1012~1014個/cm3の範囲内か、又はその他の好適な値のドープ濃度を有する第1の導電型(例えば、p型)を有する。さらなる実施形態において、本体コンタクト領域124は、原子約1014~1016個/cm3の範囲内か、又はその他の好適な値のドープ濃度を有する第2の導電型(例えば、n型)を有する。種々の実施形態において、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型であるか、又はその逆である。
【0030】
導電ビア114は、半導体基板102の上面からハンドル基板104の上面まで連続的に延設され、導電ビア114がハンドル基板104に連結されるようにする。種々の実施形態において、第2の隔離構造112が、導電ビア114を横方向に取り囲み、第2の隔離構造112が、半導体基板102上/内に配置された素子から、導電ビア114を電気的に絶縁するようにする。いくつかの実施形態において、導電ビア114は、基板貫通ビア(TSV)として構成されてもよく、又は基板貫通ビア(TSV)と称されてもよい。さらに他の実施形態において、導電ビア114は、ハンドル基板104を基準ノード、基準端子、接地ノード、接地端子等に電気的に連結してもよい。種々の実施形態において、基準端子、及び/又は、基準ノードが、0V又はその他の好適な値で付勢されてもよい。さらなる実施形態において、導電ビア114は、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、他の好適な導電材料、又は以上の任意の組み合わせであるか、又はこれを含んでもよい。
【0031】
第1のウェル領域116、第2のウェル領域118、及び第3のウェル領域120は、素子基板108内に配置される。第2のウェル領域118は、横方向で第1のウェル領域116と第3のウェル領域120との間に配置される。種々の実施形態において、第2のウェル領域118は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、第1及び第3のウェル領域116及び120は、各々、第2の導電型(例えば、n型)を有する。種々の実施形態において、第1、第2、及び第3のウェル領域116、118、及び120は、各々、原子約1011~1013個/cm3の範囲内であるか、又はその他の好適な値のドープ濃度を有する。ドレイン領域132は、第2のウェル領域118内に配置され、これに当接する。種々の実施形態において、第2のウェル領域118は、ドリフト領域(または、「ドレイン延長領域」)として構成され、比較的低いドープ濃度を有することで、高い動作電圧においてより高い抵抗を付与する。さらに、高電圧トランジスタ122のゲート電極130の少なくとも一部が、第2のウェル領域118の少なくとも一部の直上に設けられる。さらに、低濃度ドープ領域202、ソース領域126、及び本体コンタクト領域124が、第1のウェル領域116内に配置される。
【0032】
相互接続構造は、素子基板108の上に設けられ、誘電構造140と、複数の導電コンタクト142と、複数の導電配線144と、を備える。導電コンタクト及び配線142及び144は、誘電構造140内に配置され、半導体基板102上、及び/又は、半導体基板102内に配置された素子(例えば、高電圧トランジスタ122)に電気的接続を付与するように構成される。例えば、ソース領域126及び本体コンタクト領域124は、2つ以上の導電コンタクト142と、少なくとも1つの導電配線144とにより、互いに電気的に連結されてもよい。誘電構造140は、1つ以上の誘電層を備えてもよい。種々の実施形態において、1つ以上の誘電層は、例えば、酸化物、二酸化シリコン、低誘電率材料、窒化シリコン、炭化シリコン、その他の好適な誘電材料、又は上の任意の組み合わせ等であるか、又はこれを含んでもよい。本明細書において使用される低誘電率材料は、誘電率が3.9未満の誘電材料である。さらなる実施形態において、誘電コンタクト及び配線142及び144は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル、ルテニウム、タングステン、他の導電材料、又はこれらの任意の組み合わせであるか、又はこれを含んでもよい。
【0033】
導電終端構造121は、高電圧トランジスタ122のドレイン領域132に横方向に隣接して配置される。種々の実施形態において、導電終端構造121は、第3のウェル領域120と、第2のウェル領域118の少なくとも一部と、第3のウェル領域120内に配置されたコンタクト領域136と、導電ゲート電極134及び周辺ゲート誘電層133を備えた終端ゲート構造と、を備える。周辺ゲート誘電層133は、導電ゲート電極134と素子基板108との間に配置される。いくつかの実施形態において、導電ゲート電極134及び周辺ゲート誘電層133は、第1の隔離構造110の第1の隔離セグメント110aの直上に設けられることで、周辺ゲート誘電層133の底面全体が、第1の隔離セグメント110aの上面に直接接触するようにする。換言すると、このような実施形態において、第1の隔離セグメント110aの上面の少なくとも一部が、周辺ゲート誘電層133の底面全体に直接接触する。さらに、導電ゲート電極134が、横方向にコンタクト領域136及びドレイン領域132の間に配置される。さらなる実施形態において、導電ゲート電極134が、第3のウェル領域120の少なくとも一部の直上に設けられ、第2のウェル領域118の少なくとも一部の直上に設けられる。さらに他の実施形態において、導電ゲート電極134は、高電圧トランジスタ122に向かう方向に、非ゼロ距離にて、コンタクト領域136から横方向にオフセットする。
【0034】
種々の実施形態において、導電終端構造121がドレイン領域132(及び/又は、高電圧トランジスタ122のドリフト領域)に横方向に隣接するとき、第3のウェル領域120及びコンタクト領域136は、各々、第2の導電型(例えば、n型)を有し、これは、第2のウェル領域118(例えば、ドリフト領域)の第1の導電型(例えば、p型)と反対である。したがって、導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造が、第2のウェル領域118と第3のウェル領域120との間に存在する。種々の実施形態において、導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造は、集積チップ200の動作中、第2のウェル領域118からコンタクト領域136、及び/又は、導電ゲート電極134への電荷キャリアの移転を促進する。これにより、素子基板108の表面に沿った電界強度を抑制することで、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を上げる。種々の実施形態において、コンタクト領域136は、2つ以上の導電コンタクト142及び少なくとも1つの導電配線144により、導電ゲート電極134に電気的に連結される。これにより、コンタクト領域136から導電ゲート電極134までの電荷キャリアの移転を促進することにより、高電圧トランジスタ122の高電圧での動作中、導電ゲート電極134が、電荷キャリアを貯留、及び/又は、蓄積してもよい。したがって、高動作電圧における半導体基板102、及び/又は、高電圧トランジスタ122への損傷が抑制されることで、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を向上してもよい。
【0035】
導電ゲート電極134は、例えば、ポリシリコン、及び/又は、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、その他の好適な導電材料、又は以上の任意の組み合わせ等の金属ゲート材料であるか、又はこれを含んでもよい。周辺ゲート誘電層133は、例えば、二酸化シリコン、高誘電率材料等であるか、又はこれを含んでもよい。さらなる実施形態において、導電ゲート電極134は、ゲート電極130と同一の導電材料(例えば、ポリシリコン)を含む。さらなる実施形態において、周辺ゲート誘電層133は、ゲート誘電層128と同一の誘電材料(例えば、高誘電率材料)を含む。種々の実施形態において、コンタクト領域136は、原子約1014~1016個/cm3の範囲内であるか、又はその他の好適な値のドープ濃度を有する。
【0036】
導電ゲート電極134は、第1の側壁134s1と、第1の側壁134s1の反対の第2の側壁134s2と、を備える。種々の実施形態において、周辺ゲート誘電層133の対向する外側壁は、導電ゲート電極134の第1及び第2の側壁134s1及び134s2と並べられる。いくつかの実施形態において、第1の側壁134s1は、第1の隔離セグメント110aの外側壁と並べられる(例えば、第1の横方向距離(
図1のL1)はゼロ)。導電ゲート電極134の第2の側壁134s2は、第2の横方向距離L2、第1の隔離セグメント110aの外側壁から横方向にオフセットする。いくつかの実施形態において、第2の横方向距離L2は、約0.3μm~7μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。第2の横方向距離L2が比較的短い場合(例えば、約0.3μm未満)、導電ゲート電極134の全体サイズが低減されることで、素子基板108の表面に沿った電界強度を低減する能力を抑制する。これにより、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を低減し得る。第2の横方向距離L2が比較的長い場合(例えば、約7μm超)、導電ゲート電極134は、ドレイン領域132に相対的に近くなるか、及び/又は、ドレイン領域132の少なくとも一部の上に設けられ得る。これにより、結果として、電荷キャリアが、ドレイン領域132から周辺ゲート誘電層133を通じて導電ゲート電極134内にトンネルすることとなり、これによって周辺ゲート誘電層133を損傷し、及び/又は、高電圧トランジスタ122の性能を低下させる。更に他の実施形態において、第2の横方向距離L2は、導電ゲート電極134の幅に対応してもよい。
【0037】
さらに、ゲート電極130の側壁130s1は、第3の横方向距離L3で、第2の隔離セグメント110bの外側壁から横方向にオフセットする。いくつかの実施形態において、第3の横方向距離L3は、約0.3μm~7μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。第3の横方向距離L3が比較的短い場合(例えば、約0.3μm未満)、ゲート電極130の全体サイズが実質的に小さくなり、高電圧トランジスタ122の性能を抑制する。第3の横方向距離L3が比較的長い場合(例えば、約7μm超)、ゲート電極130が、ドレイン領域132に比較的近くなり得る。これにより、ソース領域126からドレイン領域132までの電荷キャリアの流れに悪影響を与えることで、高電圧トランジスタ122の性能を抑制する(高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を低下させる)。
【0038】
図3Aは、高電圧トランジスタ122に横方向に隣接して配置される導電終端構造121を備える集積チップ300のいくつかの実施形態の断面図を示している。
図3Aの集積チップ300は、
図1A~
図1Cの集積チップ100のいくつかの実施形態に対応し、高電圧トランジスタ122がNMOSトランジスタとして構成されてもよく。
【0039】
種々の実施形態において、導電終端構造121は、横方向で導電ビア114と高電圧トランジスタ122のソース領域126との間に配置される。ハンドル基板104は、第1の導電型(例えば、p型)を有する。
図3Aに示される通り、高電圧トランジスタ122は、NMOSトランジスタ、nチャンネルLDMOS(n-LDMOS)トランジスタ、又はその他の好適な素子等として構成される。このような実施形態において、本体コンタクト領域124は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、ドレイン領域132、ソース領域126、及び低濃度ドープ領域202は、各々、第1の導電型とは反対の第2の導電型(例えば、n型)を有する。種々の実施形態において、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型である。さらに、第1のウェル領域116は、横方向で第2のウェル領域118と第3のウェル領域120との間に配置される。いくつかの実施形態において、第1のウェル領域116は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、第2及び第3のウェル領域118及び120は、各々、第2の導電型(例えば、n型)を有する。種々の実施形態において、第2のウェル領域118は、ドリフト領域(又は、「ドレイン延長領域」)として構成され、導電終端構造121の第3のウェル領域120が、第1のウェル領域116によって、ドリフト領域から横方向に離間するようにする。
【0040】
種々の実施形態において、導電終端構造121が、ソース領域126、及び/又は、本体コンタクト領域124に横方向に隣接するとき、第3のウェル領域120及びコンタクト領域136は、各々、第2の導電型(例えば、n型)を有し、これは、第1のウェル領域116の第1の導電型(例えば、p型)と反対である。したがって、導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造は、第1のウェル領域116と第3のウェル領域120との間に存在する。種々の実施形態において、導電終端構造121のP-N接合ダイオード構造が、集積チップ300の動作中、第1のウェル領域116からコンタクト領域136、及び/又は、導電ゲート電極134までの電荷キャリアの移転を促進する。これにより、素子基板108の表面に沿って電界強度を抑制することで、高電圧トランジスタ122の降伏電圧能力を上げる。さらに他の実施形態において、第2のウェル領域118(すなわち、ドリフト領域)及び前記導電終端構造121の第3のウェル領域120は、同一の導電型(例えば、n型)を有する。
【0041】
種々の実施形態において、ドレイン領域132、ソース領域126、及びコンタクト領域136は、第2の導電型(例えば、n型)を有し、原子約1014~1016個/cm3の範囲内であるか、又はその他の好適な値のドープ濃度を有してもよい。さらなる実施形態において、第2及び第3のウェル領域118及び120は、第2の導電型(例えば、n型)を有し、原子約1011~1013個/cm3の範囲内であるか、又はその他の好適な値のドープ濃度を有してもよい。いくつかの実施形態において、第1のウェル領域116は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、原子約1011~1013個/cm3の範囲内であるか、又はその他の任意の好適な値のドープ濃度を有してもよい。
【0042】
図3Bは、
図3AのB-B’線に沿った集積チップ300のいくつかの実施形態の上面図を示している。図示の明確さと簡易さのため、第1の隔離構造110及び第2の隔離構造112が、
図3Bの上面図では省略されている。
【0043】
いくつかの実施形態において、
図3Bの上面図に示される通り、ゲート電極130、ソース電極126、本体コンタクト領域124、第1のウェル領域116、導電ゲート電極134、第3のウェル領域120、コンタクト領域136、及び導電ビア114は、同心のリング形状領域/構造である。上述の領域/構造は、
図3Bにおいて上方から見たとき、矩形リング形状を有しているが、上述した領域/構造はまた、例えば、正方形リング形状、三角形リング形状、円形リング形状、楕円形リング形状、又はその他何らかの閉路形状であってもよい。さらなる実施形態において、ゲート電極130、ソース領域126、本体コンタクト領域124、第1のウェル領域116、導電ゲート電極134、第3のウェル領域120、コンタクト領域136、導電ビア114は、互いに対して同心であり、及び/又は、各々、ドレイン領域132の中心に対して同心ある。
【0044】
図3Cは、
図3A及び
図3Bの集積チップ300のいくつかの他の実施形態の断面図を示しており、導電ゲート電極134の第1の側壁134s1は、第1の隔離構造110の第1の隔離セグメント110aの外側壁と並べられる。
【0045】
図4Aは、
図1A~
図1C、
図2、又は
図3A及び
図3Bの集積チップを動作させるいくつかの実施形態のグラフ400aを示している。グラフ400aは、集積チップに付与される動作条件の一例を提供している。しかしながら、他の動作条件も受け入れ可能であり、グラフ400aは単なる例であることを理解しなければならない。グラフ400aのx軸は、第1の電圧V1に対応し、グラフ400aのy軸は、第2の電圧V2に対応する。
【0046】
図4Aに示される通り、種々の実施形態において、第1の電圧V1は、ソース領域(
図1Aの126)及びゲート電極(
図1Aの130)に付与されるバイアス電圧に対応してもよく、第2の電圧V2は、導電ゲート電極(
図1Aの134)及び/又はコンタクト領域(
図1Aの136)における電圧に対応してもよい。電圧曲線410は、高電圧トランジスタ(
図1Aの122)及び導電終端構造(
図1Aの121)の動作特性を反映している。このような実施形態において、集積チップ(
図1Aの100)の動作中、第1の電圧V1は、ソース領域(
図1Aの126)及びゲート電極(
図1Aの130)の双方に付与され、ハンドル基板(
図1Aの104)は、導電ビア(
図1Aの114)により、接地(例えば、0V)に電気的に連結され、ドレイン領域(
図1Aの132)は、接地(例えば、0V)に電気的に連結される。さらに他の実施形態において、このような動作条件下において、導電ゲート電極(
図1Aの134)における第2の電圧V2の値は、式V2=X×V1によって表されてもよく、Xは、約0.01~0.02の範囲内の正の値、約0.014、又はその他の好適な値である。したがって、電圧曲線410によって示される通り、第1の電圧V1の大きさが大きくなるに連れて、導電ゲート電極(
図1Aの134)における第2の電圧V2の大きさが大きくなる。これは、部分的に、電荷キャリアが導電終点構造(
図1Aの121)のP-Nダイオード構造を導電ゲート電極(
図1Aの134)まで横切るためである。したがって、導電終端構造(
図1Aの121)は、ソース領域(
図1Aの126)及び/又はゲート電極(
図1Aの130)に付与される第1の電圧V1が増加するに連れて、素子基板(
図1Aの108)の表面に沿った電界強度の低減を促進する。
【0047】
種々の実施形態において、第1の電圧V1は、第1の電圧値402から第2の電圧値404まで増加してもよく、第1の電圧値402は、約+5V、+10V、又はその他の好適な値であり、第2の電圧値404は、約+100V、+105V、+110V、又はその他の好適な値である。さらに他の実施形態において、第2の電圧V2は、第3の電圧値406から第4の電圧値408まで増加してもよく、第3の電圧値406は、+0.05V、+0.07V、又はその他の好適な値であり、第4の電圧値408は、約+1.55V、+1.5V、又はその他の好適な値である。
【0048】
図4Bは、
図1A~
図1C、
図2、又は
図3A及び
図3Bの集積チップ動作のいくつかの実施形態のグラフ400bを示している。グラフ400bは、集積チップに付与される動作条件の一例を提供する。しかしながら、他の動作条件が受け入れ可能であり、グラフ400bは単なる例であることを理解しなければならない。グラフ400aのx軸は、第1の電圧V1に対応し、グラフ400aのy軸は、第2の電圧V2に対応する。
【0049】
図4Bに示される通り、いくつかの実施形態において、第1の電圧V1は、ドレイン領域(
図1Aの132)に付与されるバイアス電圧に対応してもよく、第2の電圧V2は、導電ゲート電極(
図1Aの134)及び/又はコンタクト領域(
図1Aの136)における電圧に対応してもよい。電圧曲線412は、高電圧トランジスタ(
図1Aの122)及び導電終点構造(
図1Aの121)の動作特性を反映している。このような実施形態において、集積チップ(
図1Aの100)の動作中、第1の電圧V1がドレイン領域(
図1Aの132)に付与され、ハンドル基板(
図1Aの104)、ソース領域(
図1Aの126)、及びゲート電極(
図1Aの130)は、各々、接地(例えば、0V)に電気的に連結される。このような動作条件下において、導電ゲート電極(
図1Aの134)における第2の電圧V2の値は、例えば、式:V2=Y×V1で表され、Yは、約0.20~0.40の範囲内の正の数、約0.314、又はその他の好適な値である。
【0050】
種々の実施形態において、第1の電圧V1は、第1の電圧値402から第2の電圧値404まで増加してもよく、第1の電圧値402は、約-0.01V、-0.05V、又はその他の好適な値であり、第2の電圧値404は、約-100V、-105V、-110V、又はその他の好適な値である。さらに他の実施形態において、第2の電圧V2は、第3の電圧値406から第4の電圧値408まで増加してもよく、第3の電圧値406は、約-0.05V、-0.05V、又はその他の好適な値であり、第4の電圧値408は、約-30V、-35V、又はその他の好適な値である。
【0051】
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、本開示の高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置された導電終端構造を備える集積チップの形成方法のいくつかの実施形態の種々の図を示している。添え字「A」を付した図面は、種々の形成プロセス中の集積チップの断面図を示している。添え字「B」を付した図面は、添え字「A」を付した図のA-A’線に沿った上面図を示している。
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bに示された種々の図面は、ある方法を参照して説明するが、
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bに示される構造は、その方法に限定されるものでなく、むしろ当該方法とは別個に独立したものであってもよい。
図5A及び
図5B~
図11A及び
図11Bは、一連の工程として説明するが、これらの工程は限定的なものでなく、他の実施形態において、工程の順が変更可能であり、本開示の方法は、他の構造にも適用可能である。他の実施形態において、図示、及び/又は、説明した何らかのプロセスが全体的又は部分的に省略されてもよい。
【0052】
図5A及び
図5Bの断面
図500a及び上面
図500bに示される通り、半導体基板102が設けられる。いくつかの実施形態において、半導体基板102は、SOI基板として構成され、ハンドル基板104と、素子基板108と、ハンドル基板104及び素子基板108の間に配置された絶縁体層106と、を備える。半導体基板102を形成するプロセスには、ハンドル基板104の上方に絶縁体層106を堆積(例えば、熱酸化、物理気相蒸着(PVD)、化学気相蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)等)する工程と、素子基板108を絶縁体層106に接合する工程と、を備える。ハンドル基板104は、第1の導電型(例えば、p型)を有してもよい。種々の実施形態において、ハンドル基板104及び素子基板108は、各々、約1~100オーム-センチメートル(Ω・cm)の範囲内であるか、又はその他の好適な値の抵抗を有してもよい。更に他の実施形態において、素子基板108の厚さは、ハンドル基板104の厚さより厚い。
【0053】
図6A及び
図6Bの断面
図600a及び上面
図600bに示される通り、第1の隔離構造110及び第2の隔離構造112が、素子基板108内に形成される。いくつかの実施形態において、第1の隔離構造110を形成するプロセスには、素子基板108の上面上方にマスキング層(図示せず)を形成する工程と、マスキング層に応じて素子基板108を選択的にエッチングし、素子基板108の上面内に延設された開口を形成する工程と、(例えば、CVD、PVD、ALD、熱酸化等により)開口に誘電材料を埋める工程と、除去プロセスを実施してマスキング層を除去する工程と、を備えてもよい。いくつかの実施形態において、開口に誘電材料を埋めた後、平坦化プロセス(例えば、化学的機械平坦化(CMP)プロセス)を、誘電材料上に施してもよい。種々の実施形態において、第2の隔離構造112は、第1の隔離構造の形成に関して上述したプロセスと略同様のプロセスで形成されてもよい。さらに他の実施形態において、第1の隔離構造110は、第1の隔離構造110が、非ゼロ距離で、第2の隔離セグメント110bから横方向にオフセットした第1の隔離セグメント110aを備えるように形成される。さらなる実施形態において、第1の隔離セグメント110aの第1の幅w1は、第2の隔離セグメント110bの第2の幅w2より大きい。さらに他の実施形態において、第1の幅w1及び第2の幅w2は、各々、約1μm~10μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。いくつかの実施形態において、
図6Bに示される通り、第1及び第2の隔離構造110及び112は、第1及び第2の隔離構造110及び112が1つ以上のリング形状構造であるか、又はこれを備えるように形成される。
【0054】
図7A及び
図7Bの断面
図700a及び上面
図700bに示される通り、導電ビア114は、素子基板108内に形成される。いくつかの実施形態において、導電ビア114を形成するプロセスには、第2の隔離構造112及び絶縁体層106を選択的にエッチングして、素子基板108の上面からハンドル基板104まで延びるトレンチを形成する工程と、(例えば、CVD、PVD、スパッタリング、電気めっき等により)導電材料(例えば、チタン、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル等)をトレンチ内に堆積する工程と、導電材料内に平坦化プロセス(例えば、CMPプロセス)を実施する工程と、が含まれてもよい。種々の実施形態において、平坦化プロセスは、導電ビア114の上面が、第1の隔離構造110の上面、第2の隔離構造112、及び/又は、素子基板108の上面と同一平面になるように実施される。さらなる実施形態において、第2の隔離構造112は、導電ビア114を横方向に取り囲み、導電ビア114を素子基板108から離間する。いくつかの実施形態において、
図7Bに見てとれる通り、導電ビア114は、リング形状構造となるように形成される。
【0055】
図8A及び
図8Bの断面
図800a及び上面
図800bに示される通り、1つ以上のイオン注入プロセスが素子基板108に実施されて、素子基板108内に1つ以上のドープ領域を形成する。種々の実施形態において、この1つ以上のイオン注入プロセスは、第1のウェル領域116、第2のウェル領域118、及び第3のウェル領域120を形成するように実施されてもよい。いくつかの実施形態において、第2のウェル領域118は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、第1及び第3のウェル領域116及び120は、各々、第1の導電型(例えば、p型)とは反対の第2の導電型(例えば、n型)を有する。さらなる実施形態において、1つ以上のイオン注入プロセスには、各々、素子基板108の上面の上方にマスキング層(図示せず)を形成する工程と、マスキング層にしたがってドーパントを素子基板108内に選択的に注入する工程と、除去プロセスを実施して、マスキング層を除去する工程と、が含まれてもよい。さらに他の実施形態において、第1のイオン注入プロセスが実施されて、第1及び第3のウェル領域116及び120を形成してもよく、別個に第2のイオン注入プロセスが実施されて、第2のウェル領域118を形成してもよい。第1の導電型のp型ドーパントは、例えば、ホウ素、ジフルオロホウ素(例えば、BF
2)、インジウム、他の好適なp型ドーパント、又は以上の任意の組み合わせであるか、又は、これを含んでもよい。さらに、第2の導電型のn型ドーパントは、例えば、リン、砒素、アンチモン、他の好適なn型ドーパント、又は以上の任意の組み合わせであるか、又はこれを含んでもよい。種々の実施形態において、第2のウェル領域118は、ドリフト領域として構成されてもよい。いくつかの実施形態において、
図8Bに見てとれる通り、第2及び第3のウェル領域118及び120は、リング形状領域となるように形成される。
【0056】
図9A及び
図9Bの断面
図900a及び条件
図900bに示される通り、ゲート構造902及び終端ゲート構造904は、素子基板108の上面の上方に形成される。ゲート構造902は、ゲート誘電層128と、ゲート誘電層128の上に設けられるゲート電極130と、を備え、終端ゲート構造904は、周辺ゲート誘電層133と、周辺ゲート誘電層133の上方に設けられる導電ゲート電極134と、を備える。いくつかの実施形態において、ゲート構造902及び終端ゲート構造904を形成するプロセスには、(例えば、CVD、PVD、ALD、熱酸化等により)素子基板108の上面の上方にゲート誘電構造を堆積する工程と、(例えば、CVD、PVD、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき等により)ゲート誘電材料の上方にゲート電極層を堆積する工程と、マスキング層(図示せず)により、ゲート誘電構造及びゲート電極をパターニングすることで、ゲート電極130、ゲート誘電層128、導電ゲート電極134、及び周辺ゲート誘電層133を規定する工程と、が含まれる。したがって、いくつかの実施形態において、ゲート構造902は、終端ゲート構造904と同時に形成されてもよい。ゲート誘電構造は、例えば、二酸化シリコン、高誘電率材料等であるか、又はこれを含んでもよい。ゲート電極層は、例えば、ポリシリコン、及び/又は、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、他の好適な導電材料、又は以上の任意の組み合わせ等の金属ゲート材料であるか、又はこれを含んでもよい。いくつかの実施形態において、
図9Bに見てとれるように、ゲート構造902及び終端ゲート構造904は、リング形状構造となるように形成される。
【0057】
さらなる実施形態において、終端ゲート構造904は、導電ゲート電極134の第1の側壁134s1が、第1の横方向距離L1で、第1の隔離セグメント110aの外側壁から横方向オフセットし、導電ゲート電極134の第2の側壁134s2が、第2の横方向距離L2で、第1の隔離セグメント110aの外側壁から横方向に離間するように形成される。いくつかの実施形態において、第1の横方向距離L1は、約0μm~0.2μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値であり、第2の横方向距離L2は、約0.3μm~7μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。種々の実施形態において、第1の横方向距離L1は、ゼロに等しく、第1の隔離セグメント110aの外側壁が(例えば、
図2に図示、及び/又は説明されるように)導電ゲート電極134の第1の側壁134s1に並べられる。さらに他の実施形態において、ゲート構造902は、ゲート電極130の側壁130s1が、第3の横方向距離L3で、第2の隔離セグメント110bの外側壁から横方向にオフセットするように形成される。いくつかの実施形態において、第3の横方向距離L3は、約0.3μm~7μmの範囲内であるか、又はその他の好適な値である。
【0058】
図10A及び
図10Bの断面
図1000a及び上面
図1000bに示される通り、1つ以上のイオン注入プロセスが、素子基板108上に実施されて、素子基板108内にドープ領域を規定し、素子基板108上に高電圧トランジスタ122及び導電終端構造121を規定する。いくつかの実施形態において、この1つ以上のイオン注入プロセスでは、第1のウェル領域116内に本体コンタクト領域124、ソース領域126、及び低濃度ドープ領域202を形成し、第2のウェル領域118内にドレイン領域132を形成し、第3のウェル領域120内にコンタクト領域136を形成する。いくつかの実施形態において、ソース領域126、低濃度ドープ領域202、及びドレイン領域132は、第1の導電型(例えば、p型)を有し、コンタクト領域136及び本体コンタクト領域124は、第2の導電型(例えば、n型)を有する。さらなる実施形態において、1つ以上のイオン注入プロセスには、各々、素子基板108の上面の上方にマスキング層(図示せず)を形成する工程と、素子基板108内にドーパントを選択的に注入する工程と、除去プロセスを実施して、マスキング層を除去する工程と、が含まれる。さらに他の実施形態において、第1のイオン注入プロセスが実施されて低濃度ドープ領域202を形成し、第2のイオン注入プロセスが実施されてドレイン領域132及びソース領域126を形成し、第3のイオン注入プロセスを実施してコンタクト領域136及び本体コンタクト領域124を形成してもよい。いくつかの実施形態において、
図10Bに見てとれる通り、1つ以上のイオン注入プロセスは、ソース領域126、ドレイン領域132、及び/又は、コンタクト領域136がリング形状領域となるように実施される。
【0059】
高電圧トランジスタ122は、ゲート電極130と、ゲート誘電層128と、ソース領域126と、ドレイン領域132と、を備える。種々の実施形態において、高電圧トランジスタ122を形成するプロセスには、
図7~
図11に図示、及び/又は、説明した処理ステップのうちの少なくとも一部が含まれる。導電終端構造121は、導電ゲート電極134と、周辺ゲート誘電層133と、コンタクト領域136と、を備える。いくつかの実施形態において、導電終端構造121を形成するプロセスには、
図7~
図11に図示、及び/又は、説明した処理ステップのうちの少なくとも一部が含まれる。さらに他の実施形態において、高電圧トランジスタ122は、導電終端構造121と同時に形成されてもよい。
【0060】
図11A及び
図11Bの断面
図1100a及び上面
図1100bに示される通り、相互接続構造1102が、素子基板108の上方に形成される。相互接続構造1102は、誘電構造140と、複数の導電コンタクト142と、複数の導電配線144と、を備える。種々の実施形態において、誘電構造140は、CVDプロセス、PVDプロセス、ALDプロセス、又はその他の好適な堆積又は成長プロセスによって形成されてもよい。さらなる実施形態において、複数の導電コンタクト142及び複数の導電配線144は、1つ以上のパターニングプロセス、1つ以上の堆積プロセス、及び/又は、他の好適な製造プロセスによって形成されてもよい。図示の明確さ及び簡易さのため、誘電構造140及び複数の導電コンタクト142は、
図11Bの上面図では省略されている。
【0061】
図12は、本開示に係る高電圧トランジスタに横方向に隣接して配置される導電終端構造を備えた集積チップを形成する方法1200を示している。方法1200は、一連の好適又はイベントとして図示、及び/又は、説明されるが、この方法は、図示の順序又は工程に限定されるものでないことが理解されるであろう。したがって、いくつかの実施形態において、この工程は、図示とは異なる方法で実施されてもよく、及び/又は、同時に実施されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、図示の工程又はイベントは、複数の工程又はイベントに細分化されてもよく、これらは異なるタイミングで実施されてもよく、他の工程又はサブ工程と同時に実施されてもよい。いくつかの実施形態において、いくつかの図示の工程又はイベントは、省略されてもよく、図示されない他の工程又はイベントが含まれてもよい。
【0062】
工程1202において、隔離構造が、素子基板内に形成され、素子基板内は、絶縁体層上に設けられ、ハンドル基板は、絶縁体層の下に設けられる。
図6A及び
図6Bは、工程1202のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0063】
工程1204において、導電ビアが、素子基板を通じてハンドル基板まで延設するように形成される。
図7A及び
図7Bは、工程1204のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0064】
工程1206において、素子基板上にドーププロセスを実施して、第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域を形成し、第2のウェル領域は、第1及び第3のウェル領域に間にくるようにする。
図8A及び
図8Bは、工程1206のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0065】
工程1208において、ゲート電極が第1のウェル領域と第2のウェル領域との間の第1の接触面の上に設けられるように、ゲート電極を素子基板の上方に形成する。
図9A及び
図9Bは、工程1208のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0066】
工程1210において、導電ゲート電極が、隔離構造の上方に形成される。
図9A及び
図9Bは、工程1210のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0067】
工程1212において、素子基板上にドーププロセスを実施して、素子基板内に、ソース領域、ドレイン領域、及びコンタクト領域を形成する。ゲート電極が、ソース領域とドレイン領域との間に配置され、コンタクト領域が、第3のウェル領域内において、導電ビアと導電ゲート電極との間に配置される。
図10A及び
図10Bは、工程1212のいくつかの実施形態に対応する種々の図を示している。
【0068】
したがって、いくつかの実施形態において、本出願は、素子基板上に配置された高電圧トランジスタ素子に関連し、素子基板は、絶縁体層により、下に設けられたハンドル基板から離間している。導電ビアは、素子基板を通じてハンドル基板まで延設され、導電終端構造は、素子基板上において、横方向で高電圧トランジスタ素子と導電ビアとの間に配置される。
【0069】
いくつかの実施形態において、本出願は、集積チップであって、ハンドル基板上に設けられた素子基板と、前記素子基板及び前記ハンドル基板の間に配置された絶縁体層と、を備えた半導体基板と、ドレイン領域及びソース領域の間で、前記素子基板上に設けられたゲート電極と、前記素子基板及び前記絶縁体層を通じて延設され、前記ハンドル基板に接触する導電ビアと、前記素子基板内に配置され、横方向で前記ゲート電極及び前記導電ビアの間に配置された第1の隔離セグメントを備える第1の隔離構造と、前記素子基板内で、前記第1の隔離セグメント及び前記導電ビアの間に配置されたコンタクト領域と、前記第1の隔離セグメントの直上に設けられた導電ゲート電極と、を備え、前記導電ゲート電極は、前記コンタクト領域に電気的に連結される集積チップを提供する。一実施形態において、この集積チップは、前記素子基板内に配置された第1のウェル領域と、前記素子基板内に配置され、第1の接触面にて、前記第1のウェル領域と隣接する第2のウェル領域であって、前記第2のウェル領域は、第1の導電型を有し、前記第1のウェル領域は、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、前記ゲート電極は、前記第1の接触面の直上に設けられる前記第2のウェル領域と、前記素子基板内に配置され、第2の接触面にて、前記第2のウェル領域と隣接する第3のウェル領域であって、前記第3のウェル領域は、前記第2の導電型を有し、前記導電ゲート電極は、前記第2の接触面の直上に設けられる前記第3のウェル領域と、をさらに備える。一実施形態において、前記ドレイン領域は、前記第2のウェル領域内に配置され、前記ソース領域は、前記第1のウェル領域内に配置され、前記コンタクト領域は、前記第3のウェル領域内に配置されることで、前記導電ゲート電極が、前記コンタクト領域により、前記第3のウェル領域に電気的に連結されるようにする。一実施形態において、前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記第1の導電型を有し、前記コンタクト領域は、前記第2の導電型を有し、前記第1の導電型は、p型であり、前記第2の導電型は、n型である。一実施形態において、前記第1の隔離セグメントは、前記コンタクト領域の側壁から前記ドレイン領域の側壁まで、連続的に延設され、前記導電ゲート電極は、横方向で前記第1の隔離セグメントの対向する外側壁の間に離間する。一実施形態において、前記導電ゲート電極は、リング形状であり、前記ドレイン領域及び前記ゲート電極を横方向に取り囲む。一実施形態において、前記コンタクト領域は、前記導電ゲート電極を包含するように、リング形状を有する。一実施形態において、前記集積チップは、前記素子基板内に配置され、前記導電ビアを横方向に取り囲む第2の隔離構造をさらに備え、前記第2の隔離構造は、前記素子基板の上面から前記絶縁体層の上面まで、連続的に延設される。一実施形態において、前記集積チップは、前記素子基板上に設けられる相互接続構造をさらに備え、前記相互接続構造は、誘電構造内に配置された複数の導電コンタクト及び複数の導電配線を備え、前記導電ゲート電極は、前記導電コンタクト及び前記導電配線により、前記コンタクト領域に連結される。
【0070】
いくつかの実施形態において、本出願は、集積チップであって、ハンドル基板の上に設けられた絶縁体層の上に設けられた素子基板と、前記素子基板内に配置された第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間している前記第1のウェル領域、前記第2のウェル領域、及び前記第3のウェル領域と、前記素子基板上に配置され、ゲート電極、ソース領域、及びドレイン領域を備える高電圧トランジスタであって、前記ゲート電極は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の直上に配置される前記高電圧トランジスタと、前記素子基板内に配置され、前記ハンドル基板に電気的に連結される導電ビアであって、前記導電ビアは、前記第3のウェル領域と隣接する前記導電ビアと、前記素子基板上で、前記導電ビア及び前記高電圧トランジスタの間に配置される導電終端構造であって、前記導電終端構造は、前記第3のウェル領域内に配置されるコンタクト領域と、前記第2のウェル領域及び前記第3のウェル領域の間の第2の接触面の上に設けられる導電ゲート電極とを備え、前記導電ゲート電極は、前記コンタクト領域により、前記第3のウェル領域に電気的に連結される前記導電終端構造と、を備える集積チップを提供する。いくつかの実施形態において、前記集積チップは、前記素子基板内に配置された第1の隔離構造をさらに備え、前記第1の隔離構造は、第2の隔離セグメントから横方向にオフセットした第1の隔離セグメントを備え、前記第1の隔離セグメントは、前記素子基板から前記導電ゲート電極を離間し、前記ゲート電極は、前記第2の隔離セグメントの少なくとも一部の直上に設けられる。一実施形態において、前記集積チップは、前記導電ゲート電極及び前記第1の隔離セグメントの間に配置された周辺ゲート誘電層をさらに備え、前記第1の隔離セグメントの上面は、前記周辺ゲート誘電層の底面全体に直接接触する。一実施形態において、前記コンタクト領域は、前記第1の隔離セグメントの外側壁に隣接し、前記導電ゲート電極の対向する外側壁は、前記高電圧トランジスタに向かう方向において、前記第1の隔離セグメントの外側壁から横方向にオフセットする。一実施形態において、前記ゲート電極及び前記導電ゲート電極は、リング形状であり、互いに対して同心である。一実施形態において、前記導電ビアは、リング形状であり、前記導電終端構造の外周を横方向に包み込む。一実施形態において前記コンタクト領域及び前記第3のウェル領域は、同一の導電型を有する。
【0071】
いくつかの実施形態において、本出願は、集積チップを製造する方法であって、素子基板内に隔離構造を形成する工程であって、前記素子基板は、ハンドル基板の上に設けられた絶縁体層の上に設けられる工程と、前記素子基板を通じて、前記ハンドル基板まで延設された導電ビアを形成する工程と、前記素子基板をドープして、前記素子基板内に第1のウェル領域、第2のウェル領域、及び第3のウェル領域を形成する工程であって、前記第2のウェル領域は、横方向で前記第1及び第3のウェル領域の間に離間する工程と、前記素子基板上方にゲート電極を形成する工程であって、前記ゲート電極は、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の間の第1の接触面の上に設けられる工程と、前記第1の隔離構造上方に導電ゲート電極を形成する工程と、前記素子基板をドープして、前記素子基板内にソース領域、ドレイン領域、及びコンタクト領域を形成する工程であって、前記ゲート領域は、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の間に配置され、前記コンタクト領域は、前記第3のウェル領域内において、前記導電ビア及び前記導電ゲート電極の間に配置される工程、とを備える方法を提供する。一実施形態において、前記方法は、前記素子基板上方に相互接続構造を形成し、誘電構造内に配置された複数の導電コンタクト及び複数の導電配線を備える工程であって、前記導電ゲート電極は、前記相互接続構造により、前記コンタクト領域に電気的に接続される工程をさらに備える。一実施形態において、前記コンタクト領域は、前記第1の隔離構造の外側壁に当接し、前記導電ゲート電極は、非ゼロ距離で、前記第1の隔離構造の前記外側壁から横方向にオフセットする。一実施形態において、前記方法は、前記素子基板内に第2の隔離構造を形成する工程をさらに備え、前記第2の隔離構造は、前記素子基板の上面から前記絶縁体層まで延設され、前記第2の隔離構造は、前記導電ビアを横方向に取り囲む。
【0072】
以上、当業者が本開示の態様をよりよく理解するように、いくつかの実施形態の特徴について概要を示した。当業者は、本明細書において紹介した実施形態と同一の目的を実現し、及び/又は、同一の効果を達成するために、他のプロセス及び構造を設計又は変更するための基礎として、本開示を容易に使用し得る旨、理解しなければならない。当業者はまた、このような同等の構造も、本開示の要旨及び範囲から逸脱するものでなく、本開示の要旨及び範囲から逸脱しない範囲内で、種々の変更、置換、及び交換がなされてよいことを認識しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この集積チップと、その製造方法とは、高電圧素子に適用されてもよい。
【参照符号の説明】
【0074】
100、200、300:集積チップ
102:半導体基板
104:ハンドル基板
106:絶縁体層
108:素子基板
110:第1の隔離構造
110a:第1の隔離セグメント
110b:第2の隔離セグメント
112:第2の隔離構造
113:第1の接触面
114:導電ビア
115:第2の接触面
116:第1のウェル領域
118:第2のウェル領域
120:第3のウェル領域
121:導電終端構造
122:高電圧トランジスタ
124:本体コンタクト領域
126:ソース領域
128:ゲート誘電層
130:ゲート電極
130s1:側壁
132:ドレイン領域
133:周辺ゲート誘電層
134:導電ゲート電極
134s1:第1の側壁
134s2:第2の側壁
136:コンタクト領域
140:誘電構造
142:導電コンタクト
144:導電配線
202:低濃度ドープ領域
400a、400b:グラフ
402:第1の電圧値
404:第2の電圧値
406:第3の電圧値
408:第4の電圧値
410、412:電圧曲線
500a、600a、700a、800a、900a、1000a、1100a:断面図
500b、600b、700b、800b、900b、1000b、1100b:上面図
902:ゲート構造
904:終端ゲート構造
1200:方法
1202、1204、1206、1208、1210、1212:工程
L1、L2、L3:横方向距離
V1:第1の電圧
V2:第2の電圧
w1:第1の幅
w2:第2の幅