(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】チタン-タングステンターゲットにおける小結節制御のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20230112BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20230112BHJP
B22F 1/14 20220101ALI20230112BHJP
C22C 27/04 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
C23C14/34 A
C23C14/34 S
B22F1/00 P
B22F1/00 R
B22F1/14 500
C22C27/04 101
(21)【出願番号】P 2017534713
(86)(22)【出願日】2015-10-22
(86)【国際出願番号】 US2015056930
(87)【国際公開番号】W WO2016109007
(87)【国際公開日】2016-07-07
【審査請求日】2018-10-22
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-19
(32)【優先日】2014-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】M/S 1269,3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ジュンチ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ジタオ
(72)【発明者】
【氏名】オー ユー シェン
(72)【発明者】
【氏名】ジュプディ アナンスクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】サヴァンダイア キランクマール
(72)【発明者】
【氏名】ワン シン
(72)【発明者】
【氏名】シルナヴカラス スリスカンサラジャ
【合議体】
【審判長】井上 猛
【審判官】粟野 正明
【審判官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-256422(JP,A)
【文献】特開2002-105636(JP,A)
【文献】国際公開第2011/093334(WO,A1)
【文献】特開平4-232260(JP,A)
【文献】特開平4-193947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C14/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン粉末とタングステン粉末の混合物を
混合された状態のまま含み、チタン(Ti)およびタングステン(W)を主に含むソース材料であって、過半量の前記チタン粉末の粒径が過半量の前記タングステン粉末の粒径以下である
ソース材料から形成されるターゲットであって、
前記チタン粉末の平均粒径が20μm未満であり、前記タングステン粉末の平均粒径が20μm~45μmである、
ターゲット。
【請求項2】
前記
ソース材料が、チタン(Ti)およびタングステン(W)から本質的に構成されている
、請求項1に記載のターゲット。
【請求項3】
前記チタン粉末の実質的にすべての前記粒径が前記タングステン粉末の実質的にすべての前記粒径以下である、請求項1に記載のターゲット。
【請求項4】
前記
ソース材料が90質量パーセントのタングステン(W)および10質量パーセントのチタン(Ti)を含む、請求項1に記載のターゲット。
【請求項5】
前記ターゲットが少なくとも98パーセントの密度をさらに備える、請求項1に記載のターゲット。
【請求項6】
チタン-タングステン(Ti-W)ターゲットを形成する方法であって、
タングステン粉末とチタン粉末を混合して混合物を形成するステップであって、前記混合物中の過半量の前記チタン粉末の粒径が過半量の前記タングステン粉末の粒径以下である、ステップと、
前記混合物を圧縮するステップと、
前記混合物を加熱して前記ターゲットを形成するステップと、
を含み、
前記チタン粉末の平均粒径が20μm未満であり、前記タングステン粉末の平均粒径が20μm~45μmである、
チタン-タングステン(Ti-W)ターゲットを形成する方法。
【請求項7】
前記
ソース材料が90質量パーセントのタングステン(W)および10質量パーセントのチタン(Ti)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットが少なくとも98パーセントの密度をさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ターゲットから小結節を除去する方法であって、
(a)チタン(Ti)およびタングステン(W)を主に含むソース材料からターゲットを形成するステップであって、
前記ソース材料において、過半量のチタン粉末の粒径が過半量のタングステン粉末の粒径以下であり、前記チタン粉末の平均粒径が20μm未満であり、前記タングステン粉末の平均粒径が20μm~45μmである、ステップと、
(b)前記ターゲットを不活性ガスにさらすステップと、
(c)前記不活性ガスを点火してプラズマを形成するために、第1の電力で、前記ターゲットにDC電力を印加するステップと、
(d)前記ターゲットから小結節を除去するために、前記ターゲットへの前記DC電力を第2の電力に増加させるステップと、
を含
む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タングステン膜およびチタン膜は、例えば、シリコン基板とアルミ合金メタライゼーションとの間の拡散バリアとして半導体デバイスの製造において頻繁に使用される。チタン-タングステン(TiW)膜は、チタン-タングステンターゲットをスパッタリングすることによって形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スパッタリングプロセス中に、チタン-タングステン材料は、ターゲットの表面からスパッタされ、ターゲットの表面に対向して配置された基板上に堆積する。しかしながら、本発明者らは、ターゲットの中心部分からの材料がスパッタされ、基板上ではなくターゲット面の外周エッジ上に再堆積するために、小結節がターゲットのスパッタリング面上に形成されることがあることに気づいた。さらに、小結節は、剥がれ落ちて、パーティクルを生成する傾向を有し、このパーティクルが、基板上の堆積させたチタン-タングステン膜を汚染し、その品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
したがって、本発明者らは、チタン-タングステン(TiW)ターゲットの小結節形成を制御するための改善された方法および装置を提供した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、チタン-タングステン(TiW)ターゲットの小結節形成を制御するための方法および装置を含む。一部の実施形態では、ターゲットは、チタン粉末とタングステン粉末の混合物から形成された、チタン(Ti)およびタングステン(W)を主に含むソース材料であって、過半量のチタン粉末の粒径が過半量のタングステン粉末の粒径以下である、ソース材料を含む。
【0006】
一部の実施形態では、チタン-タングステン(Ti-W)ターゲットを形成する方法は、タングステン粉末とチタン粉末を混合して混合物を形成するステップであって、混合物の過半量のチタン粉末の粒径が過半量のタングステン粉末の粒径以下である、ステップと、混合物を圧縮するステップと、混合物を加熱してターゲットを形成するステップと、を含む。
【0007】
一部の実施形態では、ターゲットから小結節を除去する方法は、(a)ターゲットを不活性ガスにさらすステップであって、ターゲットがチタン粉末とタングステン粉末の混合物から形成された、チタン(Ti)およびタングステン(W)を主に含むソース材料を含み、過半量のチタン粉末の粒径が過半量のタングステン粉末の粒径以下である、ステップと、(b)不活性ガスを点火してプラズマを形成するために、第1の電力で、ターゲットにDC電力を印加するステップと、(c)ターゲットから小結節を除去するために、ターゲットへのDC電力を第2の電力に増加させるステップと、を含む。
【0008】
本開示の他のおよびさらなる実施形態が以下に記載される。
【0009】
上で簡単に要約され、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付図面に表された本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定していると考えられるべきではなく、その理由は本開示が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一部の実施形態によるターゲット組立体を有する処理チャンバの概略断面図である。
【
図2】本開示の一部の実施形態によるチタン-タングステン(TiW)ターゲットの小結節を制御する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、可能な場合は同一の参照数字を使用して各図に共通の同一の要素を指定している。図は、縮尺通りには描かれておらず、明瞭にするために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳説することなく他の実施形態において有益に組み込まれることがある。
【0012】
本開示の実施形態は、チタン-タングステン(TiW)ターゲットの小結節形成を制御するための方法および装置を含む。本開示の実施形態では、チタン-タングステン(TiW)ターゲット上の小結節の形成を、ターゲット原材料の粒径の制御によって、ならびに任意選択の定期的な洗浄プロセスによって、有利に、低減させる、なくす、または実質的になくすことができる。本開示の実施形態では、ターゲットの粒径の制御は、有利に、小結節形成を妨げる、または遅らせ、一方、洗浄プロセスは、有利に、ターゲットの表面上に生成されるすべての小結節を除去する。
【0013】
図1は、物理的気相堆積(PVD)チャンバ100の簡略断面図を表す。PVDチャンバ100は、本開示の一部の実施形態による基板支持体106を備える。本明細書に提供された教示による修正に適したPVDチャンバの例は、超高周波(VHF)源を有するチャンバである、ALPS(登録商標)PlusおよびSIP ENCORE(登録商標)PVD処理チャンバを含み、両方ともApplied Materials,Inc.,of Santa Clara,Californiaから市販されている。Applied Materials,Inc.または他のメーカーからの他の処理チャンバも、本明細書に開示された発明性のある装置による修正形態から恩恵を受け、本明細書に開示された発明性のある方法の実施形態を行うために使用され得る。
【0014】
一部の実施形態では、PVDチャンバ100は、チャンバ本体104の上に配置された、チャンバ本体104から取外し可能なチャンバリッド101を含む。チャンバリッド101は、ターゲット組立体102および接地組立体103を含むことができる。
【0015】
ターゲット組立体102は、ターゲット114を備える。ターゲット114は、ソース材料113、およびソース材料113を支持するためのバッキング板162を備えることができる。ソース材料113は、
図1に示されるようにバッキング板162の側面に面する基板支持体上に配置されてもよい。バッキング板162は、導電性材料、例えば、銅亜鉛、銅クロム、またはターゲットと同じ材料などを含んでもよく、それにより、RFおよびDC電力がバッキング板162を介してソース材料113に結合され得る。あるいは、バッキング板162は、非導電性であってもよく、導電素子(図示せず)、例えば、電気的なフィードスルーなどを含んでもよい。
【0016】
ソース材料113は、スパッタリング中に基板108などの基板(例えば、半導体または他の材料ウエハ)上に堆積する。一部の実施形態では、ソース材料113は、主に、チタン(Ti)およびタングステン(W)を含む。一部の実施形態では、ソース材料113は、チタン(Ti)およびタングステン(W)から構成され、またはチタン(Ti)およびタングステン(W)から本質的に構成されている。一部の実施形態では、ターゲット114のソース材料113は、約90質量パーセントのタングステン(W)および約10質量パーセントのチタン(Ti)を含む。一部の実施形態では、ターゲット114のソース材料113は、少なくとも約98パーセントの密度(すなわち、質量/容積)を有する。一部の実施形態では、ターゲット114は、少なくとも5Nの純度(すなわち、99.999%の純度)を有する。
【0017】
一般に、チタン-タングステンターゲットは、タングステン原材料粉末とチタン原材料粉末を混合することによって作製される。結果として生じる混合物は、不活性ガス高温圧縮、真空高温圧縮、熱間静水圧圧縮、冷間圧縮/焼結などの適切な形成方法を使用して、圧縮され、加熱される。本発明者らは、一旦ターゲット114の表面がチタンリッチまたはタングステンリッチな領域を形成すると、小結節が形成される傾向にあることに気づいた。本発明者らは、タングステン原材料粉末およびチタン原材料粉末の平均粒径を調整することによって、チタンリッチまたはタングステンリッチな領域を低減させることができ、したがって有利に、小結節形成を低減させる、またはなくすことができることにさらに気づいた。
【0018】
一部の実施形態では、過半量のチタン粉末の粒径は、過半量のタングステン粉末の粒径以下である。一部の実施形態では、チタン粉末の平均粒径は、タングステン粉末の平均粒径以下である。一部の実施形態では、実質的にすべてのチタン粉末の粒径が、実質的にすべてのタングステン粉末の粒径以下である。例えば、一部の実施形態では、チタン粒子の平均粒径は、約30μm未満、または一部の実施形態では約20μm未満である。一部の実施形態では、タングステン粒子の平均粒径は、約20μm~約45μmである。一部の実施形態では、チタン粉末の平均粒径およびタングステン粉末の平均粒径は、それぞれ約20μm~約30μmである。一部の実施形態では、ターゲットを形成した後、ターゲットは、約60μmの平均的なチタン-タングステン粒径を有することがある。
【0019】
本発明者らは、上で論じた粒径を有するチタン粉末およびタングステン粉末を使用してターゲットを形成することが、有利に、ターゲット114上の小結節の形成を低減させる、またはなくすことを見出した。さらに、本発明者らは、本明細書に記載されるように形成されたターゲットの寿命が、予想外に、有利に、約5倍(例えば、約70キロワット時から約350キロワット時に)増大したことにさらに気づいた。
【0020】
一部の実施形態では、ソース材料113の表面上に生成された小結節を除去するために、任意選択の定期的な洗浄プロセスが行われる。
図2は、本開示の一部の実施形態による、ソース材料113の表面上に形成された小結節を除去する方法200を表す。
【0021】
本方法は、一般に202で始まり、ここでターゲット114が、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスにさらされる。一部の実施形態では、不活性ガスは、適切な流量、例えば、約200sccmで提供される。
【0022】
204で、第1の容積120内で不活性ガスを点火してプラズマを形成するのに十分な第1の電力で、DC電力がターゲット114に印加される。一部の実施形態では、第1の電力は、約500ワットである。一部の実施形態では、ターゲット114は、約2秒間、不活性ガスから形成されたプラズマにさらされる。
【0023】
206で、ターゲット114から小結節を除去するために、ターゲットへのDC電力を第2の電力に増加させる。一部の実施形態では、第2の電力は、約1000ワットである。一部の実施形態では、ターゲット114は、約600秒間、第2の電力で不活性ガスから形成されたプラズマにさらされる。
【0024】
方法200は、所定数の基板108を処理した後、所定のターゲット寿命時間数の後、パーティクルの増加に気づいた後など、のうち1つまたは複数に行われてもよい。例えば、一部の実施形態では、方法200は、12枚の基板を処理するごとに、またはターゲット寿命の100キロワット時ごとに、あるいはそれらの組合せの後に行われてもよい。一部の実施形態では、202~206は、ターゲット114からすべての、または実質的にすべての小結節を除去するのに適切な期間にわたって繰り返されてもよい。本発明者らは、本明細書に記載されるように、および方法200に従うように、チタン粉末とタングステン粉末の混合物から形成されたターゲットのターゲット寿命を、有利に、予想外に約7倍(例えば、約70キロワット時から約500キロワット時に)増大させることができることに気づいた。
【0025】
図1に戻って、チャンバ本体104は、基板108を受けるための基板支持体106を含む。基板支持体106は、下側の接地されたエンクロージャ壁110内部に置かれてもよく、このエンクロージャ壁110は、チャンバ本体104のチャンバ壁であってもよい。下側の接地されたエンクロージャ壁110は、RFリターンパスがチャンバリッド101の上方に配置されたRF電源182に提供されるように、チャンバリッド101の接地組立体103に電気的に結合されてもよい。あるいは、他のRFリターンパス、例えば、処理キットシールド(例えば、以下で論じるようなシールド138)を介して基板支持体106から進み、究極的にはチャンバリッド101の接地組立体103に戻るRFリターンパスなどが可能である。RF電源182は、以下で論じるように、ターゲット組立体102にRF電力を提供することができる。
【0026】
基板支持体106は、ターゲット114(またはソース材料)の主表面に面する材料受取り表面を有し、ターゲット114の主表面に対向する平面の位置で、ターゲット114からの材料でスパッタ被覆される基板108を支持する。一部の実施形態では、基板108は、真空によって、または静電引力によって基板支持体106上に保持されてもよい。一部の実施形態では、基板支持体106は、基板支持体106に静電気チャッキング電力またはRFバイアス電力を提供するために使用することができる電極(図示せず)を含んでもよい。
【0027】
基板支持体106は、チャンバ本体104の第1の容積120内で基板108を支持することができる。第1の容積120は、基板108を処理するために使用されるチャンバ本体104の内部容積の一部であってもよく、基板108の処理中に内部容積の残りの部分(例えば、非処理容積)から分離されていてもよい。第1の容積120は、処理中に基板支持体106の上方の領域(例えば、処理位置にある場合、ターゲット114と基板支持体106との間)として画成される。
【0028】
一部の実施形態では、基板支持体106は、基板108をチャンバ本体104の下側部分においてロードロックバルブまたは開口部(図示せず)を通って基板支持体106上に移送し、その後、特定の用途のために上昇させ、または下降させることができるように垂直に移動可能であってもよい。底部チャンバ壁124に接続されたベローズ122は、チャンバ本体104外側の大気からチャンバ本体104の内部容積を分離するのを維持するために設けられることがある。1つまたは複数のガスが、質量流量制御装置128によってガス源126からチャンバ本体104の下側部分内へ供給されてもよい。排気口130は、チャンバ本体104の内部を排気するために、およびチャンバ本体104内側の所定の圧力を維持するのを容易にするために設けられ、バルブ132を介してポンプ(図示せず)に結合されてもよい。
【0029】
チャンバ本体104は、処理キット142をさらに備える。処理キットは、第1のリング143(すなわち、堆積リング)および第2のリング144(すなわち、カバーリング)を含むことができる。一部の実施形態では、第1のリング143は、基板支持体106の側壁および周辺エッジをプロセス堆積物からシールドするための、基板支持体106を取り巻く環状リングである。一部の実施形態では、第2のリング144は、第1のリング143の上方に配置された環状リングであり、基板よりも下の堆積を防ぐために、および基板のエッジでの堆積または基板のエッジよりも下の堆積を制御するのを支援するために一般に使用される。一部の実施形態では、第1のリング143および第2のリング144は、基板および基板支持体の形状寸法に応じて、他の適切な構成を有してもよい。
【0030】
チャンバ本体104は、チャンバ本体104の処理容積、または第1の容積を取り囲むために、ならびに他のチャンバ部品を処理による損傷および/または汚染から保護するために処理キットシールド、またはシールド138をさらに含む。一部の実施形態では、シールド138は、チャンバ本体104の上側の接地されたエンクロージャ壁116の突起に接続された、接地されたシールドであってもよい。
【0031】
シールド138は下方に延在し、第1の容積120を取り囲むように構成された1つまたは複数の側壁139を含むことができる。第2のリング144は、シールド138の底部のu字形部分の頂部に載っている。一部の実施形態では、
図1に表されるように、シールド138の側壁139は、シールドの側壁139に付着することがある、スパッタされたターゲット材料のはがれを防ぐために、大きな半径を有する平坦な領域を提供するように実質的に垂直である。
【0032】
一部の実施形態では、磁石152が、基板支持体106とターゲット114との間の磁場を選択的に提供するためにチャンバ本体104のまわりに配置されてもよい。例えば、
図1に示されるように、処理位置にあるとき、磁石152は、基板支持体106の直ぐ上の領域内の、下側の接地されたエンクロージャ壁110の外側のまわりに配置されてもよい。一部の実施形態では、磁石152は、それに加えてまたは代わりに、他の位置に、例えば、上側の接地されたエンクロージャ壁116に隣接して配置されてもよい。磁石152は、電磁石であってもよく、電磁石によって生成される磁場の大きさを制御するために電源(図示せず)に結合されてもよい。
【0033】
チャンバリッド101は、一般にターゲット組立体102のまわりに配置された接地組立体103を含む。接地組立体103は、ターゲット組立体102の裏側と略平行で、ターゲット組立体102の裏側に対向していてもよい接地板156を含むことができる。接地シールド112は、接地板156から延在し、ターゲット組立体102を取り囲むことができる。
【0034】
ターゲット組立体102は、ターゲット114の裏側に対向する、ターゲット114の周辺エッジに沿ってターゲット114に電気的に結合されているソース分配板158を含むことができる。RFエネルギーをソース分配板158からターゲット114の周辺エッジへ伝搬させるために、導電性部材164が、ソース分配板158とターゲット114の裏側との間に配置されてもよい。
【0035】
絶縁用間隙180が、接地板156と、ソース分配板158、導電性部材164およびターゲット114(ならびに/またはバッキング板162)の外表面との間に設けられている。絶縁用間隙180は、空気、またはセラミック、プラスチックなどの他の適切な誘電体材料で充填されていてもよい。
【0036】
一部の実施形態では、ターゲット組立体102は、電極154に接続されたRF電源182(例えば、RF給電構造)を有することができる。RF電源182は、RF発生器、および例えば、動作中に反射されてRF発生器に戻る反射RFエネルギーを最小化するための整合回路を含むことができる。例えば、RF電源182によって供給されるRFエネルギーは、約13.56MHz~約162MHz、またはそれを超える周波数範囲にあってもよい。例えば、13.56MHz、27.12MHz、60MHz、または162MHzなどの非限定的な周波数を使用することができる。
【0037】
一部の実施形態では、処理中にターゲット114にエネルギーを提供するために、第2のエネルギー源183がターゲット組立体102に結合されてもよい。一部の実施形態では、第2のエネルギー源183は、例えば、ターゲット材料のスパッタリング速度(したがって基板上の堆積速度)を向上させるために、DCエネルギーを提供するDC電源であってもよい。一部の実施形態では、第2のエネルギー源183は、例えば、RF電源182によって提供されるRFエネルギーの第1の周波数とは異なる第2の周波数でRFエネルギーを提供するために、RF電源182と同様の第2のRF電源であってもよい。第2のエネルギー源183がDC電源である実施形態では、第2のエネルギー源は、DCエネルギーをターゲット114に電気的に結合するのに適切な任意の位置で、電極154または他の導電性部材などの、ターゲット組立体102に結合されてもよい。第2のエネルギー源183が第2のRF電源である実施形態では、第2のエネルギー源は、電極154を介してターゲット組立体102に結合されてもよい。
【0038】
ターゲット組立体102は、ターゲット114の裏側とソース分配板158との間に配置されたキャビティ170を含んでもよい。キャビティ170は、マグネトロン組立体196を少なくとも一部分は収納することができる。一部の実施形態では、キャビティ170は、例えば、少なくとも一部分が、水(H2O)などの冷却流体192で満たされていてもよい。マグネトロン組立体196の1つまたは複数の部分は、少なくとも一部分はキャビティ170内部に配置されてもよい。マグネトロン組立体は、チャンバ本体104内部のプラズマ処理を支援するために、ターゲットに近接した回転磁界を提供する。一部の実施形態では、マグネトロン組立体196は、キャビティ170内部で回転させることができる磁石支持部材172に結合された複数の磁石188を含む。
【0039】
前述の事項は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が本開示の基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよい。