(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】エアベアリング
(51)【国際特許分類】
F16C 32/06 20060101AFI20230116BHJP
【FI】
F16C32/06 A
(21)【出願番号】P 2018213799
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】境 久嘉
(72)【発明者】
【氏名】植田 兼史
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-187060(JP,A)
【文献】特開昭54-126850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 32/06
B65G 51/03,35/00,54/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内面に対向する軸受面を有する本体部と、
前記本体部内に設けられ、圧縮空気が流れる流路部と、
前記流路部を流れる圧縮空気を前記案内面へ給気して、前記軸受面と前記案内面の間に空気膜を形成する空気膜形成部と、
前記流路部内に設けられ、通過する圧縮空気の流速を速くして負圧を発生させ前記軸受面と前記案内面の間の空気を吸引する負圧発生部と、
前記流路部と連通しており、前記負圧発生部を通過した圧縮空気と前記負圧発生部によって吸引された空気とが排出される排出路と、
前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力に応じて、前記流路部から前記排出路へ流れる空気の流量を調整する流量調整部と、
前記流路部と前記排出路の連通部に連通しており前記負圧発生部における圧縮空気の排出側に設けられ、前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力を前記連通部に設けた前記流量調整部に伝播するための伝播路と、
を備え
、
前記流量調整部は、前記伝播路側から伝播された圧力を受けて、前記流路部から前記排出路へ流れる空気の流量を調整する、エアベアリング。
【請求項2】
前記伝播路は、前記本体部内において前記流路部と前記流量調整部を接続している通路である、
請求項
1に記載のエアベアリング。
【請求項3】
前記流路部と前記排出路の連通部には、連通口が設けられており、
前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記負圧発生部による空気の吸引を停止させる、
請求項1
又は2に記載のエアベアリング。
【請求項4】
前記軸受面と前記案内面の間から吸引される空気が前記負圧発生部へ流れる吸引路を更に備え、
前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記吸引路を介して前記空気膜を形成する圧縮空気を前記軸受面と前記案内面の間に給気させる、
請求項
3に記載のエアベアリング。
【請求項5】
前記負圧発生部は、圧縮空気の流路を狭めた絞りを有し、
前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記絞りを通過した圧縮空気を前記吸引路を介して前記軸受面と前記案内面の間に給気させる、
請求項
4に記載のエアベアリング。
【請求項6】
前記流量調整部は、前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力を受けて移動方向に移動する移動部材を有し、
前記移動部材は、移動して前記流路部と前記排出路の連通口を通過する空気の流量を調整する、
請求項1から
5のいずれか1項に記載のエアベアリング。
【請求項7】
前記移動部材は、前記本体部に加わる負荷の変動に対応した圧縮空気の圧力変動に応じて、前記移動方向において往復動する、
請求項
6に記載のエアベアリング。
【請求項8】
前記移動部材は、
前記圧力を受けて前記移動方向に伸縮可能な伸縮部材と、
前記伸縮部材の先端側に設けられ、前記伸縮部材の伸縮に伴い前記移動方向に移動して前記連通口を通過する空気の流量を調整する柱部と、を有する、
請求項
6又は
7に記載のエアベアリング。
【請求項9】
前記移動部材は、前記圧力を受けて前記移動方向に移動する軸部材であり、
前記軸部材の先端側に設けられ、前記軸部材の移動に伴い前記連通口を通過する空気の流量を調整する柱部を有する、
請求項
6又は
7に記載のエアベアリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空プリロード機能を備えるエアベアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、三次元測定機等の高精度な測定機器や高精度な工作機械の案内機構には、エアベアリングが多用されている。外部のコンプレッサーからエアベアリングに供給される圧縮空気が案内機構の案内面へ給気されることによって、エアベアリングの軸受面と案内面との間に空気膜が形成され、軸受面が案内面から浮上するので、摺動抵抗が略ゼロの案内機構を構成することができる。
【0003】
ところで、空気膜の剛性が、エアベアリングに作用する負荷に応じて非線形に変化する特性を有することが知られており、軽負荷状態では、空気膜の剛性が低くなってしまい不安定な状態になってしまう。そこで、空気膜の剛性を確保するために、軸受面と案内面の間から空気を吸引して予圧を与える真空予圧方式のエアベアリングが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の真空予圧方式のエアベアリングを採用する場合には、軸受面と案内面の間の一部を空気を吸引する領域とするため、負荷を支持する空気膜を形成できる領域が狭くなってしまう。この結果、エアベアリングに加わる高い負荷を適切に支持することが困難となる恐れがある。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、エアベアリングに広範囲の負荷が加わっても空気膜によって適切に支持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様においては、案内面に対向する軸受面を有する本体部と、前記本体部内に設けられ、圧縮空気が流れる流路部と、前記流路部を流れる圧縮空気を前記案内面へ給気して、前記軸受面と前記案内面の間に空気膜を形成する空気膜形成部と、前記流路部内に設けられ、通過する圧縮空気の流速を速くして負圧を発生させ前記軸受面と前記案内面の間の空気を吸引する負圧発生部と、前記流路部と連通しており、前記負圧発生部を通過した圧縮空気と前記負圧発生部によって吸引された空気とが排出される排出路と、前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力に応じて、前記流路部から前記排出路へ流れる空気の流量を調整する流量調整部と、を備える、エアベアリングを提供する。
【0008】
また、前記エアベアリングは、前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力を前記流量調整部に伝播するための伝播路を更に備え、前記流量調整部は、前記伝播路を介して伝播された圧力を受けて、前記流路部から前記排出路へ流れる空気の流量を調整することとしてもよい。
【0009】
また、前記伝播路は、前記本体部内において前記流路部と前記流量調整部を接続している通路であることとしてもよい。
【0010】
また、前記流路部と前記排出路の連通部には、連通口が設けられており、前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記負圧発生部による空気の吸引を停止させることとしてもよい。
【0011】
また、前記エアベアリングは、前記軸受面と前記案内面の間から吸引される空気が前記負圧発生部へ流れる吸引路を更に備え、前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記吸引路を介して前記空気膜を形成する圧縮空気を前記軸受面と前記案内面の間に給気させることとしてもよい。
【0012】
また、前記負圧発生部は、圧縮空気の流路を狭めた絞りを有し、前記流量調整部は、前記連通口を閉じることで、前記絞りを通過した圧縮空気を前記吸引路を介して前記軸受面と前記案内面の間に給気させることとしてもよい。
【0013】
また、前記流量調整部は、前記本体部に加わる負荷に対応した圧縮空気の圧力を受けて移動方向に移動する移動部材を有し、前記移動部材は、移動して前記流路部と前記排出路の連通口を通過する空気の流量を調整することとしてもよい。
【0014】
また、前記移動部材は、前記本体部に加わる負荷の変動に対応した圧縮空気の圧力変動に応じて、前記移動方向において往復動することとしてもよい。
【0015】
また、前記移動部材は、前記圧力を受けて前記移動方向に伸縮可能な伸縮部材と、前記伸縮部材の先端側に設けられ、前記伸縮部材の伸縮に伴い前記移動方向に移動して前記連通口を通過する空気の流量を調整する柱部と、を有することとしてもよい。
【0016】
また、前記移動部材は、前記圧力を受けて前記移動方向に移動する軸部材であり、前記軸部材の先端側に設けられ、前記軸部材の移動に伴い前記連通口を通過する空気の流量を調整する柱部を有することとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、エアベアリングに広範囲の負荷が加わっても空気膜によって適切に支持できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るエアベアリング1の外観構成を説明するための模式図である。
【
図2】エアベアリング1の軸受面20側を示した図である。
【
図3】空気膜の厚さと負荷との関係を示す図である。
【
図4】エアベアリング1の内部構成を示す図である。
【
図7】エアベアリング1内の空気の流れを説明するための図である。
【
図8】エアベアリング1内の空気の流れを説明するための図である。
【
図9】エアベアリング1内の空気の流れを説明するための図である。
【
図10】柱部66が開口48を閉じた際の圧縮空気の流れを説明するための模式図である。
【
図11】第1変形例を説明するための模式図である。
【
図12】第2変形例を説明するための模式図である。
【
図13】第2の実施形態に係るエアベアリング1の構成を説明するための模式図である。
【
図14】第2の実施形態に係るエアベアリング1の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
(エアベアリングの概要)
本発明の第1の実施形態に係るエアベアリングの外観構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係るエアベアリング1の外観構成を説明するための模式図である。
図2は、エアベアリング1の軸受面20側を示した図である。
【0020】
エアベアリング1は、三次元測定機等の高精度な測定機器に用いられている。エアベアリング1は、例えば三次元測定機においてプローブを移動させる移動機構(コラム)の下部に設けられている。エアベアリング1は、
図1に示すように案内機構のガイドレール500に対向しており、コラムをガイドレール500に沿って案内する。エアベアリング1は、ガイドレール500の案内面501と軸受面20(
図2)との間に空気膜を介在させる非接触式の軸受けである。
【0021】
エアベアリング1は、直方体形状の本体部10を有する。本体部10は、例えば金属製であり、十分な流量の圧縮空気を供給するコンプレッサーに供給路510を介して接続されている。本体部10の内部には、供給されてきた圧縮空気が流れる流路(後述)が設けられている。また、本体部10の底面には、
図2に示すように、軸受面20と、給気孔21と、給気溝22と、凹部25と、吸引孔26とが設けられている。
【0022】
軸受面20は、ガイドレール500の案内面501(
図1)に対向している。エアベアリング1に圧縮空気が供給されている場合には、軸受面20と案内面501の間に圧縮空気で形成された空気膜が介在している。
【0023】
給気孔21は、軸受面20と本体部10内の流路とを連通している貫通孔であり、案内面501に向けて圧縮空気を給気する。これにより、軸受面20と案内面501との間(給気領域)に、圧縮空気による空気膜が形成される。本実施形態では、給気孔21が空気膜形成部に該当する。給気孔21は、本体部10の軸受面20に4個設けられている。
【0024】
給気溝22は、軸受面20において環状に凹ませた溝である。給気溝22は、4個の給気孔21と連通している。給気孔21が給気した圧縮空気が給気溝22に沿って流れることで、軸受面20と案内面501の間(給気領域)に空気膜が形成される。すなわち、給気領域は、給気溝22及び給気溝22の周囲の領域となる。給気溝22を設けることで、より広い面積に均一な厚みの空気膜を形成させやすい。
【0025】
凹部25は、軸受面20を凹ませた溝である。凹部25は、軸受面20において給気溝22よりも中央側に矩形状に形成されている。
【0026】
吸引孔26は、凹部25と本体部10内の流路とを連通している貫通孔であり、軸受面20と案内面501との間(吸引領域)の空気を吸引する。具体的には、吸引孔26は、凹部25に設けられており、凹部25の空気を吸引する。すなわち、凹部25が吸引領域となる。吸引孔26は、詳細は後述するが、本体部10内に設けられた負圧発生部が発生させた負圧によって、凹部25の空気を吸引する。これにより、凹部25において吸着力を発生させることができる。
【0027】
エアベアリング1上には移動機構(コラム等)が設けられているため、エアベアリング1には負荷が作用する。なお、三次元測定機の移動機構は、直交3軸方向に移動するため、移動中にエアベアリング1に作用する負荷が変動しうる。以下では、軸受面20と案内面501の間の空気膜の剛性と、負荷との関係について説明する。空気膜の剛性は、下記の式(1)のように、負荷と空気膜の厚さ(以下、膜厚とも呼ぶ)とを用いて規定される。
【0028】
式(1)のkは空気膜の剛性を示し、ΔWはエアベアリング1に作用する負荷の変動を示し、Δhは空気膜の厚さの変動を示す。
【0029】
また、給気孔24を通過後の空気圧の変化をΔp、Aを軸受有効面積(当該軸受有効面積は、ほぼ一定である)とすると、ΔW=Δp×Aとなることから、上記の式(1)は下記の式(2)に置き換えることができる。
【0030】
図3は、空気膜の厚さと負荷との関係を示す図である。
図3のグラフの横軸が空気膜の厚さ[μm]を示し、縦軸が負荷[N]を示している。式(1)で規定される剛性kは、
図3に示す特性曲線の傾きに対応している。
図3を見ると分かるように、空気膜の厚さが小さい範囲(以下、第1範囲とも呼ぶ)では、特性曲線における概線形部分で傾きが急であり、空気膜の剛性が高い。このため、上記の第1範囲で負荷が変動しても、空気膜の厚さの変動が小さく、空気膜が安定した状態を維持する。一方で、空気膜の厚さが大きい範囲(以下、第2範囲とも呼ぶ)では、曲線の傾きが緩やかであり、空気膜の剛性が低い。このため、上記の第2範囲で負荷が変動すると、空気膜の厚さの変動も大きくなってしまい、空気膜が不安定な状態となってしまう。
【0031】
軸受面20と案内面501の間の空気膜の剛性を高くし安定した状態を維持するためには、
図3の特性曲線における概線形部分に対応する負荷の範囲で使用することが望ましい。このため、エアベアリング1に作用する負荷が小さい場合には、吸引孔26から空気を吸引することで、エアベアリング1と案内面501を引き付ける負荷を発生させている(予圧を与えている)。これにより、エアベアリング1に作用する負荷が小さい場合でも、特性曲線における概線形部分の範囲での使用が可能となり、空気膜の剛性を高められる。
【0032】
一方で、軸受面20に吸引孔26を設けた場合には、軸受面20と案内面501の間の一部を吸引領域として使うため、吸引孔26を設けない場合に比べて軸受面20と案内面501の間の給気領域が狭くなり、空気膜で支えられる最大負荷が小さくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、詳細は後述するが、エアベアリング1に作用する負荷に応じて吸引孔26による空気の吸引を調整する流量調整部を設けることで、空気膜で支えられる最大負荷が小さくなることを抑制できる。
【0033】
(エアベアリングの内部構成)
エアベアリング1の内部構成について、
図4~
図9を参照しながら説明する。
図4は、エアベアリング1の内部構成を示す図である。
図5は、
図4のI-I断面図である。
図6は、
図4のII-II断面図である。
図7~
図9は、エアベアリング1内の空気の流れを説明するための図である。
図7~
図9においては、空気の流れが太線で示されている。
【0034】
エアベアリング1は、
図4に示すように、流入口30と、流路31、32、33、34と、吸引路36と、真空エジェクタ40と、負圧発生部45と、排出路50と、伝播路55と、流量調整部60とを有する。
【0035】
流路31、32、33、34は、
図4に示すように本体部10内に設けられ、流入口30から流入した圧縮空気が流れる流路部である。流路31及び流路33は、
図4のX軸方向に沿って設けられ、流路32、34は、流路31、33と直交するように
図4のY軸方向に沿って設けられている。流路32は、流路31から分岐した流路である。流路33は、流路32、34と連通した流路である。流路31から流路32へ分流した圧縮空気は、
図7に示すように、流路32、流路33、流路34の順に流れる。
【0036】
流路32、33、34が交差する位置のエアチャンバー35には、前述した給気孔21が設けられている。このため、流路32、33、34を流れる圧縮空気の一部は、
図8に示すように給気孔21から給気され、軸受面20と案内面501の間(給気領域)に空気膜を形成する。流路32の途中には、流路32の流路を狭める絞り32aが設けられている。流路31の途中には、前述した吸引孔26が設けられている。
【0037】
吸引路36は、
図6に示すように流路31と軸受面20を連通しており、吸引孔26から吸引された空気が流れる流路である。吸引路36の一端側は、吸引孔26に接続され、吸引路36の他端側は、流路31に設けた真空エジェクタ40内の負圧発生部45に接続されている。軸受面20と案内面501の間(吸引領域)から吸引孔26を介して吸引された空気は、
図9に示すように、吸引路36を流れて流路31(具体的には真空エジェクタ40)へ向かう。
【0038】
真空エジェクタ40は、
図6に示すように流路31に設けられ、圧縮空気を利用して負圧を発生させる機能を有する。真空エジェクタ40は、流入口30から流路31内に着脱可能に装着されている金属製または樹脂製の装着部材である。例えば、真空エジェクタ40は、流路31と締結可能なネジ部を有する。真空エジェクタ40は、円筒形状を成しており、内部を圧縮空気が通過する。真空エジェクタ40の外周面には、開口41(
図4)が設けられており、流路31を流れる圧縮空気の一部は、開口41を通過して流路32へ流れる。また、真空エジェクタ40は、
図4に示すように、負圧発生部45と、ディフューザ部47とを有する。
【0039】
負圧発生部45は、真空エジェクタ40の内部を通過する圧縮空気の流速を大きくして、凹部25の空気を吸引する負圧を発生させる。このような負圧を発生することで、予圧を与えることが可能となり、空気膜の剛性を高められる。
【0040】
負圧発生部45は、
図6に示すように、先端側にノズル部46を有する。ノズル部46は、流路を狭くして、圧縮空気の流速を速くする。ノズル部46は円錐状に形成されており、ノズル先端で圧縮空気の流速を速くする。具体的には、ノズル部46の先端の開口の直径の大きさに応じて、圧縮空気の流速が速くなる。ノズル先端で圧縮空気の流速が速くなると、ノズル先端の周囲の圧力が低くなって負圧になる。
【0041】
ノズル部46の先端は、吸引路36(吸引孔26)の真上に位置している。このため、吸引孔26の周囲で、負圧が発生する。負圧は、ベルヌーイの負圧発生の原理に従い、圧縮空気の流れと直交する方向に発生する。ここでは、吸引孔26から上方のノズル部46の先端へ向かう方向に、負圧が発生する。このような負圧が発生することで、凹部25の空気が、
図9に示すように吸引孔26及び吸引路36を通過して負圧発生部45へ流れ込む。なお、負圧発生部45へ流れ込んだ空気は、圧縮空気と共にディフューザ部47へ流れる。
【0042】
ディフューザ部47は、
図6に示すように、流路31において吸引孔26よりも下流側に位置している。ディフューザ部47は、吸引孔26から流れ込んできた空気及び負圧発生部45を通過した圧縮空気の流速を遅くして、圧力を回復する部分である。
【0043】
排出路50は、
図6に示すように、連通部38と連通している。ここでは、排出路50は、接続路51を介して連通部38と連通している。排出路50は、真空エジェクタ40(具体的にはディフューザ部47)を通過した圧縮空気及び吸引空気を、エアベアリング1の外部へ排出するための流路である。排出路50は、上下方向において流路31よりも上方で流路31と交差する方向(
図4のY軸方向)に沿って設けられている。なお、
図4では、排出路50がY軸方向に平行に形成されているが、これに限定されず、例えばY軸方向に対して斜めになっていてもよい。
【0044】
排出路50は、
図4に示すように、本体部10のY軸方向の両側面12、13の間を貫通している。両側面12、13には、排出口12a、13aが形成されている。このため、流路31から連通口51aを介して排出路50へ流れ込んだ圧縮空気及び吸引空気は、排出路50を流れて排出口12a、13aから排出される(
図9参照)。
【0045】
伝播路55は、
図4に示すように流路34と連通しており、流路32、33、34の圧縮空気の圧力が伝播される通路である。伝播路55は、
図4に示すように、流路34と交差するようにX軸方向に沿って形成されている。伝播路55の一端側は流路34に接続され、伝播路55の他端側は流量調整部60に接続されている。伝播路55は、流路32、32、34の圧縮空気の圧力を流量調整部60に伝播させる。
【0046】
流路32、33、34の圧縮空気は、本体部10に作用する負荷(
図9に示す負荷F)を支える空気膜を形成する。そして、圧縮空気の圧力は、本体部10に作用する負荷に連動して変化する。例えば、圧縮空気の圧力は、本体部10に作用する負荷の大きさに比例する。このように負荷に応じて大きさが変化する圧縮空気の圧力が、伝播路55を介して流量調整部60に伝播される。具体的には、
図7の破線の矢印で示すように、圧縮空気の圧力が伝播される。
【0047】
流量調整部60は、伝播路55を介して伝播された圧縮空気の圧力に応じて、流路31から排出路50へ流れる圧縮空気及び吸引空気の流量(以下では、空気の排出量と呼ぶ)を調整する。流量調整部60は、圧縮空気の圧力が小さい場合(別言すれば、本体部10に作用する負荷が小さい場合)には、空気の排出量を多くし、軸受面20と案内面501の間からの空気の吸引を促す。一方で、流量調整部60は、圧縮空気の圧力が大きい場合(別言すれば、本体部10に作用する負荷が大きい場合)には、空気の排出量を少なくし、軸受面20と案内面501の間からの空気の吸引を抑制する。このように、本体部10に作用する負荷に応じて、予圧を調整して、軸受面20と案内面501の間の空気膜の剛性を高める。
【0048】
流量調整部60は、
図4に示すように、真空エジェクタ40の排出路50への連通部38に設けられている。流量調整部60は、連通部38(具体的には、ディフューザ部47の先端側の連通口である開口48)の開口面積を調整することで、流路31から排出路50への空気の排出量を調整する。具体的には、流量調整部60は、開口48の開口面積を大きくすることで排出量を多くし、開口48開口面積を小さくすることで空気の排出量を少なくする。
【0049】
流量調整部60は、
図6に示すように、伸縮部材であるベローズ62と、圧縮バネ64と、柱部66とを有する。第1の実施形態では、ベローズ62及び柱部66が、圧縮空気の圧力を受けて移動する移動部材に該当する。
【0050】
ベローズ62は、所定のばね定数を持った一種のばねとして機能する。ベローズ62は、
図6に示すように、蛇腹状の形状を成している。ベローズ62の一端側は、内部に伝播路55が形成された基台68に接続されている。ベローズ62の他端側は、プレート62aに接合されている。ベローズ62の内部には、伝播路55から圧縮空気の圧力が伝播される空洞62bが形成されている。ベローズ62は、伝播路55から伝播された圧力を受けて、本体部10内で軸方向(
図4のX軸方向)に伸縮する。ベローズ62は、例えば複数の円環状(具体的には、中央に孔があるドーナツ板状)の金属薄板の外周縁部同士と内周縁部同士を交互に溶接して積層したものであり、内周縁部同士及び外周縁部同士が交互に接合することで伸縮可能な空洞62bを形成している。なお、本体部10内に移動部材としてベローズ62を設けた場合には、ピストンとシリンダで構成した場合に比べて、シールやパッキン等の摩擦要素を排除できる点で、有効である。
【0051】
圧縮バネ64は、
図6に示すように、ベローズ62のプレート62aと真空エジェクタ40の先端部49との間に設けられている。ベローズ62は、圧縮バネ64の付勢力によって、軸方向において後退する方向に付勢されている。伝播路55からベローズ62の空洞62bに伝播されてきた圧縮空気の圧力が、圧縮バネ64の付勢力よりも大きい場合には、ベローズ62が付勢力に抗い軸方向において前方へ伸びる(この際、圧縮バネ64は縮む)。一方で、空洞62b内の圧縮空気の圧力が小さくなると、ベローズ62は、圧縮バネ64の付勢力によって後方へ縮む(この際、圧縮バネ64は伸びる)。
【0052】
柱部66は、ベローズ62の先端側に設けられ、例えば円錐形状を成している。柱部66は、ベローズ62のプレート62aに連結されている。柱部66は、プレート62aから軸方向に突出するように設けられている。柱部66は、ベローズ62の伸縮に連動して軸方向に移動する。例えば、ベローズ62が伸びた際に、柱部66の先端側が、開口48からディフューザ部47に入り込む。柱部66は、ベローズ62の伸縮に伴い開口48に対して移動することで、開口48との間の空隙を調整する。この結果、開口48を通過して排出路50へ流れる空気の排出量を調整できる。
【0053】
ところで、流量調整部60は、連通部38(開口48)を閉じることで、負圧発生部45による空気の吸引を停止させる。すなわち、柱部66の先端側が開口48を閉じることで、排出路50へ向かう空気の流れが生じず、負圧発生部45による空気の吸引もされない。代わりに、負圧発生部45のノズル部46を通過した圧縮空気は、吸引路36を流れて吸引孔26へ向かうことになる。
【0054】
図10は、柱部66が開口48を閉じた際の圧縮空気の流れを説明するための模式図である。柱部66が開口48を閉じると、
図10に示すように、ノズル部46を通過した圧縮空気が排出路50へ向かわずに、吸引路36を経由して吸引孔26へ向かう。すなわち、吸引路36から吸気された空気が吸引路36を流れる代わりに、ノズル部46を通過した圧縮空気が吸引路36を流れる。そして、吸引路36を流れる圧縮空気は、吸引孔26から給気され、軸受面20の凹部25(吸引領域)にも空気膜が形成される。
【0055】
柱部66が開口48を閉じた際には、給気孔21及び吸引孔26から圧縮空気が給気されることで、軸受面20と案内面501の間の広い領域(すなわち、開口48が閉じる前の給気領域及び吸引領域)に空気膜を形成できる。このように軸受面20と案内面501の間に空気膜を最大限形成できるので、本体部10に作用する負荷が大きくなっても支えることができる。
【0056】
なお、ノズル部46を通過した圧縮空気を吸引孔26から給気させる場合には、吸引路36に絞りを設けなくても、流路32に設けた絞りを通過した圧縮空気を給気孔21から給気させる場合と同じように空気膜を形成できる。一方、吸引路36に絞りを設けないことによって、軸受面20と案内面501の間からの空気の吸引を流路抵抗の伴わない状態で適切に行える。
【0057】
(圧縮空気及び吸引空気の流れ)
エアベアリング1内における圧縮空気及び吸引空気の流れについて、
図7~
図10を参照しながら説明する。
【0058】
まず、供給路510(
図1)を介して供給されてきた圧縮空気は、流入口30から流路31へ流れ込む。圧縮空気は、流路31を流れて、
図7に示すように3方向に分流される。すなわち、圧縮空気の一部は、流路31から流路32へ流れ、圧縮空気の残りは、流路31を直進して負圧発生部45へ向かう。
【0059】
流路32へ分流した圧縮空気は、流路32を流れて絞りを通過した後に、流路33、34へ流れる。この際、圧縮空気は、
図8に示すように給気孔21から給気される。これにより、軸受面20と案内面501の間(給気領域)に、給気された圧縮空気によって空気膜が形成される。
【0060】
流路31を直進した圧縮空気は、負圧発生部45のノズル部46を通過する。圧縮空気の流速はノズル部46によって速くなって、流れと垂直な方向に負圧が発生する。この負圧によって、
図9に示すように、軸受面20と案内面501の間の空気が、吸引孔26から吸引され吸引路36を流れて負圧発生部45へ向かう。そして、圧縮空気と吸引空気は、排出路50へ流れて排出口12a、13aから排出される(
図7参照)。
【0061】
一方、流路32、33、34を流れている圧縮空気の圧力は、本体部10に作用する負荷(
図9及び
図10の負荷F)によって変動されるが、伝播路55を介して流量調整部60のベローズ62内部の空洞62bに伝播される(
図7参照)。流量調整部60は、伝播されてきた圧縮空気の圧力に応じて、開口48の開口面積を調整して、空気の排出量を調整する。この際、流量調整部60は、圧縮空気の圧力を受けてベローズ62を往復動させ柱部66を変位させて、開口48の開口面積を自動で調整する。
【0062】
(第1変形例)
上述した実施形態では、
図2に示すように、吸引孔26が、軸受面20の中央側を凹ませた凹部25に設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、吸引孔26は、
図11に示す第1変形例のように、環状に形成された環状溝に設けられていてもよい。
【0063】
図11は、第1変形例を説明するための模式図である。第1変形例においては、
図11に示すように、吸引孔26が、溝が環状に形成された環状溝225に設けられている。環状溝225の内側には、矩形状の面227がある。別言すれば、環状溝225は、面227の縁に沿った溝である。面227は、軸受面20と同一面となっている。これにより、面227については凹ませる必要がないので、
図2に示す構成(矩形状の凹部25)に比べて加工量が少なくなり、エアベアリング1を製造しやすくなる。
【0064】
第1変形例の構成では、吸引孔26は、環状溝225の空気だけでなく、面227に対向する領域の空気も吸引する。すなわち、環状溝225及び面227が、吸着力を発生させる吸引領域となる。一方で、前述した
図10で説明したように開口48が閉じることで圧縮空気が吸引孔26へ流れて給気される場合には、面227にも軸受面20と同じ厚さの空気膜が形成される。これにより、面227及び軸受面20に形成された空気膜によって、エアベアリング1に作用するより大きな負荷を支えることができる。
【0065】
(第2変形例)
上述した実施形態では、
図2に示すように、複数(4個)の給気孔21が、凹部25を囲むように環状に繋がった給気溝22に設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、4個の給気孔21は、
図12に示す第2変形例のように、それぞれ別々の給気溝に設けられていてもよい。
【0066】
図12は、第2変形例を説明するための模式図である。第2変形例においては、
図12に示すように、4個の給気孔21が、それぞれL字状に形成された4個の給気溝222に設けられている。4個の給気溝222の端部222a同士は、繋がっておらず、所定間隔だけ離間している。端部222aの間の部分は、軸受面20と同一面となっている。これにより、給気溝222の領域が、
図2に示す構成に比べて給気溝222の加工量が少なくなり、エアベアリング1を製造しやすくなる。
【0067】
第2変形例の構成でも、
図2の構成と同様に、給気孔21から圧縮空気が給気されて、空気膜が形成される。上記のように、端部222a同士が離間していることで、軸受面20の面積が増えるため、エアベアリング1に作用する大きな負荷を支えることができる。
なお、第2変形例において、凹部25の代わりに、第1変形例で説明した環状溝225(
図11)を設けてもよい。
【0068】
(第1の実施形態における効果)
上述した第1の実施形態のエアベアリング1は、負圧発生部45を通過した圧縮空気及び吸引空気(単に空気と呼ぶ)を排出するための排出路50と、本体部10に加わる負荷に応じて排出路50からの空気の排出量を調整する流量調整部60とを有する。
そして、流量調整部60は、本体部10に作用する負荷が小さい場合には空気の排出量を多くして、軸受面20と案内面501の間からの空気の吸引を促進し、予圧を大きくする。一方で、流量調整部60は、本体部10に作用する負荷が大きい場合には空気の排出量を少なくして、軸受面20と案内面501の間からの空気の吸引を抑制し、予圧を小さくする。これにより、本体部10に作用する負荷に応じた予圧を自動で調整できる(すなわち、空気膜の剛性を調整できる)ので、広範囲の負荷に対応できる空気膜を形成しやすくなる。
【0069】
また、第1の実施形態では、流量調整部60が
図10に示すように開口48を閉じることで、負圧発生部45を通過した圧縮空気が、排出路50へ向かわずに、吸引孔26へ流れて吸引孔26から給気される。これにより、給気孔21及び吸引孔26から圧縮空気が給気されることで、軸受面20と案内面501の間の広い領域に空気膜が形成されるので、当該空気膜が本体部10に作用する大きな負荷を支えられる。
【0070】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るエアベアリング1の構成について、
図13及び
図14を参照しながら説明する。
【0071】
図13及び
図14は、第2の実施形態に係るエアベアリング1の構成を説明するための模式図である。第2の実施形態の流量調整部160の構成が、第1の実施形態の流量調整部60の構成と異なる。第2の実施形態の流量調整部160以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
流量調整部160は、第1の実施形態と同様に、伝播路155を介して伝播された圧縮空気の圧力に応じて、流路31から排出路50へ流れる圧縮空気及び吸引空気の流量(空気の排出量)を調整する。これにより、本体部10に作用する負荷(
図14の負荷F)に応じて、予圧を調整して、軸受面20と案内面501の間の空気膜の剛性を高める。
【0073】
流量調整部160は、
図13に示すように、軸部162と、圧縮バネ164、165と、柱部166とを有する。第2の実施形態では、軸部162及び柱部166が、圧縮空気の圧力を受けて移動する移動部材に該当する。
【0074】
軸部162は、本体部10内において軸方向(
図13のX軸方向)に移動可能な軸部材である。軸部162は、伝播路155に伝播されてきた圧縮空気の圧力を受けて、軸方向に往復動する。すなわち、軸部162は、本体部10に加わる負荷の変動に対応した圧縮空気の圧力変動に応じて、軸方向において往復動する。なお、軸部162の外周面には、所謂ラビリンスシールが設けられており、当該ラビリンスシールは軸部162の外周面と本体部10の内壁面との間に形成されている。
【0075】
圧縮バネ164、165は、軸方向において軸部162の両側に設けられており、軸部162を付勢している。圧縮バネ164は、軸部162と真空エジェクタ40の先端部49との間に設けられている。圧縮バネ165は、軸部162と基台168との間に設けられている。なお、圧縮バネ164の付勢力は、圧縮バネ165の付勢力よりも大きい。
【0076】
伝播路155を伝播されてきた圧縮空気は、圧縮バネ165の周囲から軸部162に伝播される。そして、圧縮空気の圧力が大きい場合には、軸部162が圧縮バネ164の付勢力に抗い軸方向において前進する(この際、圧縮バネ164は縮み、圧縮バネ165は伸びる)。一方で、圧縮空気の圧力が小さくなると、圧縮バネ164の付勢力によって後退する(この際、圧縮バネ164は伸び、圧縮バネ165は縮む)。
【0077】
柱部166は、軸部162の先端側に設けられた先端部であり、例えば円錐形状を成している。柱部166は、軸部162の軸方向の端部に連結されている。柱部166は、軸部162の移動に連動して軸方向に移動する。例えば、軸部162が前進した際に、柱部166の先端側が、開口48からディフューザ部47に入り込む。柱部166は、軸部162の移動に連動して開口48に対して移動することで、開口48との間の空隙を調整する。この結果、開口48を通過して排出路50へ流れる空気の排出量を調整できる。
【0078】
柱部166が開口48を閉じた場合には、第2の実施形態でも、負圧発生部45による空気の吸引が停止する。すなわち、柱部166が開口48を閉じることで、排出路50へ向かう空気の流れが生じず、負圧発生部45による空気の吸引もされない。代わりに、負圧発生部45へ流れてきた圧縮空気は、吸引路36を流れて吸引孔26から給気され、空気膜を形成する(
図10参照)。
【0079】
上述した第2の実施形態において、流量調整部160は、本体部10に加わる負荷に応じて排出路50からの空気の排出量を調整する。流量調整部160が空気の排出量を調整することで、第1の実施形態と同様に、本体部10に作用する負荷に応じて予圧を自動で調整できるので、広範囲の負荷に対応できる空気膜を形成しやすくなる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0081】
1 エアベアリング
10 本体部
20 軸受面
21 給気孔
26 吸引孔
31、32、33、34 流路
36 吸引路
38 連通部
45 負圧発生部
46 ノズル部
48 開口
50 排出路
55 伝播路
60 流量調整部
62 ベローズ
66 柱部
501 案内面