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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】薄膜形成方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20230117BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20230117BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20230117BHJP
   H01L 21/302 20060101ALI20230117BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/40
C23C16/44 F
C23C16/44 G
H01L21/302 201A
H01L21/316 X
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019088091
(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公開番号】P2019196545
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2019-05-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2018-0054513
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0054514
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0062143
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0070330
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、テ ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チャン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ホ
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】河本 充雄
【審判官】原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-500767(JP,A)
【文献】特開2016-131238(JP,A)
【文献】特開2008-190046(JP,A)
【文献】特開2004-214304(JP,A)
【文献】特開2009-108402(JP,A)
【文献】Stefan Jakschik et al.、Crystallization behavior of thin ALD-Al2O3 films、Thin Solid Films、2003年、vol.425、pp.216-220
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C16/455
C23C16/40
C23C16/44
H01L21/302
H01L21/316
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子層堆積プロセスにより基板上に第1結晶性を有する第1厚さの第1薄膜を形成するステップと、
前記原子層堆積プロセスの後、前記第1薄膜に対して原子層エッチングプロセスにより前記第1薄膜を所定の厚さだけエッチングし、前記第1厚さよりも低い第2厚さの第2薄膜を形成するステップと、
を含み、
前記第2薄膜の結晶性は、前記原子層堆積プロセスと同じ条件で前記基板上に前記第2厚さで形成され、前記原子層エッチングプロセスを経ていない第3薄膜が有する結晶性よりも高い結晶度を有し、
前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化ジルコニウムからなる
薄膜形成方法。
【請求項2】
前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスと同じチャンバーで前記原子層堆積プロセスに続いてイン・サイチュで行われる、請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項3】
前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスと、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスとは、一つのチャンバー内で基板を回転させながら、ガス供給部内で分離されているガス供給孔を通じて堆積用ガスとエッチング用ガスとを交互に供給することにより行われる、請求項2に記載の薄膜形成方法。
【請求項4】
前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスは、
前記基板上にソースガスを供給するステップと、
前記基板上に第1パージガスを供給するステップと、
前記基板上に反応ガスを供給するステップと、
前記基板上に第2パージガスを供給するステップと、
を含む単位サイクルを繰り返すことにより行われる、請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項5】
前記ソースガスは、ジルコニウムソースガスを含み、前記反応ガスは、前記ジルコニウムソースガスと反応し、酸化ジルコニウムを形成する酸素系反応ガスを含む、請求項4に記載の薄膜形成方法。
【請求項6】
前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、
前記基板上に表面処理ガスを供給するステップと、
前記基板上に第1パージガスを供給するステップと、
前記基板上にエッチングガスを供給するステップと、
前記基板上に第2パージガスを供給するステップと、
を含む単位サイクルを繰り返すことにより行われる、請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項7】
前記表面処理ガスは、前記酸化ジルコニウムをフッ化ジルコニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを含み、
前記エッチングガスは、前記フッ化ジルコニウムを揮発性のジルコニウム化合物に反応させるための有機反応ガスを含む、請求項に記載の薄膜形成方法。
【請求項8】
前記フッ素系表面処理ガスは、HF、NF3及びF2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含み、
前記有機反応ガスは、トリメチルアミン(TMA)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、四塩化ケイ素(SiCl4)及びSn(acac)2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項に記載の薄膜形成方法。
【請求項9】
前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスは、基板処理装置内の第1プロセスチャンバーで行われ、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、前記基板処理装置内の前記第1プロセスチャンバーと異なる第2プロセスチャンバーで行われる、請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項10】
前記第1薄膜を形成するステップの後、前記基板を前記第1プロセスチャンバーから前記第2プロセスチャンバーに移送するステップをさらに含む、請求項に記載の薄膜形成方法。
【請求項11】
基板処理装置内の第1プロセスチャンバーに基板を移送するステップと、
前記第1プロセスチャンバーで原子層堆積プロセスにより前記基板上に第1結晶性を有する第1厚さの第1薄膜を形成するステップと、
前記基板を前記基板処理装置内の前記第1プロセスチャンバーと異なる第2プロセスチャンバーに移送するステップと、
前記第2プロセスチャンバーで前記第1薄膜に対して原子層エッチングプロセスにより前記第1薄膜を所定の厚さだけエッチングし、前記第1厚さよりも低い第2厚さの第2薄膜を形成するステップと、
を含み、
前記第2薄膜の結晶性は、前記原子層堆積プロセスと同じ条件で前記基板上に前記第2厚さで形成され、前記原子層エッチングプロセスを経ていない第3薄膜が有する結晶性よりも高い結晶度を有し、
前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化ジルコニウムからなる
薄膜形成方法。
【請求項12】
前記基板を前記第1プロセスチャンバーと異なる前記第2プロセスチャンバーに移送するステップは、前記基板を前記第1プロセスチャンバーから、前記基板処理装置内において前記第1プロセスチャンバー及び前記第2プロセスチャンバーとゲートを介して接続されるトランスファーチャンバーを経て、前記第2プロセスチャンバーに真空環境下で移送することにより行われる、請求項11に記載の薄膜形成方法。
【請求項13】
前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスは、
前記基板上にソースガスを供給するステップと、
前記基板上に第1パージガスを供給するステップと、
前記基板上に反応ガスを供給するステップと、
前記基板上に第2パージガスを供給するステップと、
を含む単位サイクルを繰り返すことにより行われる、請求項11に記載の薄膜形成方法。
【請求項14】
前記第1プロセスチャンバーは、放射状に分離されている複数の第1プロセスガス供給部を含む第1ガス供給部を含み、
前記原子層堆積プロセスの前記単位サイクル内において、前記ソースガスを供給するステップ、前記第1パージガスを供給するステップ、前記反応ガスを供給するステップ及び前記第2パージガスを供給するステップは、前記第1ガス供給部内の前記複数の第1プロセスガス供給部の各ガス供給孔を介して前記ソースガス、前記第1パージガス、前記反応ガス及び前記第2パージガスを連続的に供給しながら、前記第1ガス供給部に対して相対的に前記基板を支持する第1基板支持部を回転させ、前記基板上に前記ソースガス、前記第1パージガス、前記反応ガス及び前記第2パージガスが順次供給されるように行われる、請求項13に記載の薄膜形成方法。
【請求項15】
前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、
前記基板上に表面処理ガスを供給するステップと、
前記基板上に第3パージガスを供給するステップと、
前記基板上にエッチングガスを供給するステップと、
前記基板上に第4パージガスを供給するステップと、
を含む単位サイクルを繰り返すことにより行われる、請求項11に記載の薄膜形成方法。
【請求項16】
前記第2プロセスチャンバーは、放射状に分離されている複数の第2プロセスガス供給部を含む第2ガス供給部を含み、
前記原子層エッチングプロセスの前記単位サイクル内において、前記表面処理ガスを供給するステップ、前記第3パージガスを供給するステップ、前記エッチングガスを供給するステップ及び前記第4パージガスを供給するステップは、前記第2ガス供給部内の前記複数の第2プロセスガス供給部の各ガス供給孔を介して前記表面処理ガス、前記第3パージガス、前記エッチングガス及び前記第4パージガスを連続的に供給しながら、前記第2ガス供給部に対して相対的に前記基板を支持する第2基板支持部を回転させ、前記基板上に前記表面処理ガス、前記第3パージガス、前記エッチングガス及び前記第4パージガスが順次供給されるように行われる、請求項15に記載の薄膜形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスに関し、より具体的には、原子層堆積(atomic layer deposition; ALD)プロセスと原子層エッチング(atomic layer etching; ALE)プロセスを利用した薄膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の高集積化のため、半導体素子で使用される薄膜の厚さが薄くなっている。特に、原子層堆積(ALD)プロセスが適用されると、薄膜の厚さの制御は、原子層または分子層単位で制御することができる。しかし、薄膜が薄くなると、要求される物性を確保するのが難しくなる。例えば、薄膜が一定の厚さ以下に薄くなると、結晶性が悪くなり、リーク電流特性が悪くなる。しかし、リーク電流特性を改善するために、薄膜の厚さを大きくすると、要求される誘電率やキャパシタンスを確保することが困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記のような問題点を含めて、様々な問題点を解決するためのものであって、薄い厚さの薄膜で、要求される薄膜の特性を確保するための薄膜形成方法を提供することを目的とする。なお、これらの課題は、例示的なものであり、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る薄膜形成方法は、原子層堆積プロセスにより基板上に第1結晶性を有する第1厚さの第1薄膜を形成するステップと、前記第1薄膜に対して原子層エッチングプロセスにより前記第1薄膜を所定の厚さだけエッチングし、前記第1厚さよりも低い第2厚さの第2薄膜を形成するステップと、を含む。前記第2薄膜の結晶性は、前記原子層堆積プロセスと同じ条件で前記基板上に前記第2厚さで形成された第3薄膜が有する結晶性よりも高い結晶度を有してもよい。
【0005】
前記薄膜形成方法において、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスと同じチャンバーで前記原子層堆積プロセスに続いてイン・サイチュ(in-situ)で行われてもよい。
【0006】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスと、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスとは、一つのチャンバー内で基板を回転させながら、ガス供給部内で分離されているガス供給孔を通じて堆積用ガスとエッチング用ガスとを交互に供給することにより行われてもよい。
【0007】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスは、前記基板上にソースガスを供給するステップと、前記基板上に第1パージガスを供給するステップと、前記基板上に反応ガスを供給するステップと、前記基板上に第2パージガスを供給するステップと、を含む単位サイクルを繰り返すことにより行われてよい。
【0008】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化ジルコニウムを含み、前記ソースガスは、ジルコニウムソースガスを含み、前記反応ガスは、前記ジルコニウムソースガスと反応し、酸化ジルコニウムを形成する酸素系反応ガスを含んでもよい。
【0009】
前記薄膜形成方法において、 前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化アルミニウムを含み、前記ソースガスは、アルミニウムソースガスを含み、前記反応ガスは、前記アルミニウムソースガスと反応し、酸化アルミニウムを形成する酸素系反応ガスを含んでもよい。
【0010】
前記薄膜形成方法において、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、前記基板上に表面処理ガスを供給するステップと、前記基板上に第1パージガスを供給するステップと、前記基板上にエッチングガスを供給するステップと、前記基板上に第2パージガスを供給するステップと、を含む単位イクルを繰り返すことにより行われてもよい。
【0011】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化ジルコニウムを含み、前記表面処理ガスは、前記酸化ジルコニウムをフッ化ジルコニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを含み、前記エッチングガスは、前記フッ化ジルコニウムを揮発性のジルコニウム化合物に反応させるための有機反応ガスを含んでもよい。
【0012】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜及び前記第2薄膜は、酸化アルミニウムを含み、前記表面処理ガスは、前記酸化アルミニウムをフッ化アルミニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを含み、前記エッチングガスは、前記フッ化アルミニウムを揮発性のアルミニウム化合物に反応させるための有機反応ガスを含んでもよい。
【0013】
前記薄膜形成方法において、前記フッ素系表面処理ガスは、HF、NF3及びF3ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含み、前記有機反応ガスは、トリメチルアミン(TMA)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、四塩化ケイ素(SiCl4)及びSn(acac)2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0014】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜を形成するステップにおける前記原子層堆積プロセスは、基板処理装置内の第1プロセスチャンバーで行われ、前記第2薄膜を形成するステップにおける前記原子層エッチングプロセスは、前記基板処理装置内の前記第1プロセスチャンバーと異なる第2プロセスチャンバーで行われてもよい。
【0015】
前記薄膜形成方法において、前記第1薄膜を形成するステップの後、前記基板を前記第1プロセスチャンバーから前記第2プロセスチャンバーに移送するステップをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の他の態様に係る薄膜形成方法は、基板処理装置内の第1プロセスチャンバーに基板を移送するステップと、前記第1プロセスチャンバーで原子層堆積プロセスにより前記基板上に第1結晶性を有する第1厚さの第1薄膜を形成するステップと、前記基板を前記基板処理装置内の前記第1プロセスチャンバーと異なる第2プロセスチャンバーに移送するステップと、前記第2プロセスチャンバーで前記第1薄膜に対して原子層エッチングプロセスにより前記第1薄膜を所定の厚さだけエッチングし、前記第1厚さよりも低い第2厚さの第2薄膜を形成するステップと、を含み、前記第2薄膜の結晶性は、前記原子層堆積プロセスと同じ条件で前記基板上に前記第2厚さで形成された第3薄膜が有する結晶性よりも高い結晶度を有してもよい。
【0017】
前記薄膜形成方法において、前記基板を前記第1プロセスチャンバーと異なる前記第2プロセスチャンバーに移送するステップは、前記基板を前記第1プロセスチャンバーから、前記基板処理装置内において前記第1プロセスチャンバー及び前記第2プロセスチャンバーとゲートを介して接続されるトランスファーチャンバーを経て、前記第2プロセスチャンバーに真空環境下で移送することにより行われてもよい。
【0018】
本発明の一態様に係る基板処理装置は、内部に基板処理空間を提供するチャンバーと、前記チャンバーに回転可能に設けられ、上部に複数の基板が回転方向に沿って放射状に装着される基板支持部と、前記基板支持部上に複数のガスを供給するために、前記基板支持部に対向するように前記チャンバーに設けられるガス供給部と、前記基板支持部の動作及び前記ガス供給部のガス供給を制御する制御部と、を含む。前記ガス供給部は、放射状に分離されている、第1堆積ガス供給部、第1エッチングガス供給部、第1パージ部、第2堆積ガス供給部、第2エッチングガス供給部及び第2パージ部を含む。前記制御部は、前記基板上に薄膜を形成するための原子層堆積の際には、前記基板支持部を回転させながら、前記第1堆積ガス供給部及び前記第2堆積ガス供給部を選択的に動作させ、前記基板上に堆積用ガスが交互に露出されるように前記ガス供給部を制御し、原子層エッチングプロセスの際には、前記基板支持部を回転させながら、前記第1エッチングガス供給部及び前記第2エッチングガス供給部を選択的に動作させ、前記基板上にエッチング用ガスが交互に露出されるように前記ガス供給部を制御する。
【0019】
前記基板処理装置において、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、放射状の順序に沿って前記第1堆積ガス供給部と前記第2堆積ガス供給部との間に配置され、他の一つは、前記第2堆積ガス供給部と前記第1堆積ガス供給部との間に配置されてもよい。
【0020】
前記基板処理装置において、前記原子層堆積プロセスの際に、前記第1堆積ガス供給部は、ソースガスを前記基板支持部上の前記基板に供給し、前記第2堆積ガス供給部は、前記ソースガスと反応して薄膜を形成するための反応ガスを前記基板支持部上の前記基板に供給し、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、前記ソースガスをパージし、他の一つは、前記反応ガスをパージしてもよい。
【0021】
前記基板処理装置において、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、放射状の順序に沿って前記第1エッチングガス供給部と前記第2エッチングガス供給との間に配置され、他の一つは、前記第2エッチングガス供給部と前記第1エッチングガス供給部との間に配置されてもよい。
【0022】
前記基板処理装置において、前記原子層エッチングプロセスの際に、前記第2エッチングガス供給部は、薄膜を表面処理するための表面処理ガスを前記基板支持部上の前記基板に供給し、前記第1エッチングガス供給部は、前記薄膜の表面処理された部分と反応して前記薄膜を除去するためのエッチングガスを前記基板支持台上の前記基板に供給し、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、前記表面処理ガスをパージし、他の一つは、前記エッチングガスをパージしてもよい。
【0023】
前記基板処理装置において、前記第2エッチングガス供給部は、前記表面処理ガスをラジカル化するための電子ビーム(E-beam)供給部をさらに含んでもよい。
【0024】
前記基板処理装置は、前記第1堆積ガス供給部と前記第1エッチングガス供給部との間の第1離間部と、前記第2堆積ガス供給部と前記第2エッチングガス供給部との間の第2離間部を含んでもよい。
【0025】
前記基板処理装置において、前記制御部は、前記原子層堆積プロセスにより前記基板上に第1結晶性を有する第1厚さの薄膜を形成し、前記原子層堆積プロセスの後、イン・サイチュで前記第1薄膜に対して前記原子層エッチングプロセスにより前記第1薄膜を所定の厚さだけエッチングし、前記第1結晶性を維持しながら、前記第1厚さよりも低い第2厚さの薄膜を形成するように前記基板支持部及び前記ガス供給部を制御してもよい。
【0026】
前記基板処理装置において、前記制御部は、前記原子層堆積の際に、前記第1堆積ガス供給部からジルコニウムソースガスを供給し、前記第2堆積ガス供給部から前記ジルコニウムソースガスと反応して酸化ジルコニウムを形成する酸素系反応ガスを供給し、前記基板上に前記酸化ジルコニウムを形成ように前記基板支持部及び前記ガス供給部を制御してもよい。
【0027】
前記基板処理装置において、前記制御部は、前記原子層エッチングの際に、前記第2エッチングガス供給部から前記酸化ジルコニウムをフッ化ジルコニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを供給し、前記第1エッチングガス供給部から前記フッ化ジルコニウムを揮発性のジルコニウム化合物に反応させるための有機反応ガスを供給し、前記基板上の前記酸化ジルコニウムを所定の厚さだけエッチングするように前記基板支持部及び前記ガス供給部を制御してもよい。
【0028】
本発明のさらに他の態様に係る基板処理装置は、内部に基板処理空間を提供するチャンバーと、前記チャンバーに回転可能に設けられ、上部に複数の基板が回転方向に沿って放射状に装着される基板支持部と、前記基板支持部上に複数のガスを供給するために、前記基板支持部に対向するように前記チャンバーに設けられるガス供給部と、前記基板支持部の動作及び前記ガス供給部のガス供給を制御する制御部を含む。前記ガス供給部は、放射状に分離されている、第1プロセスガス供給部、第1パージ部、第2プロセスガス供給部、第3プロセスガス供給部及び第2パージ部を含む。前記制御部は、前記基板上に薄膜を形成するための原子層堆積プロセスの際には、前記基板支持部を回転させながら、前記第1プロセスガス供給部及び前記第2プロセスガス供給部を選択的に動作させて前記基板上に堆積用ガスが交互に露出されるように前記ガス供給部を制御し、原子層エッチングプロセスの際には、前記基板支持部を回転させながら、前記第1プロセスガス供給部及び前記第3プロセスガス供給部を選択的に動作させて前記基板上にエッチング用ガスが交互に露出されるように前記ガス供給部を制御する。
【0029】
前記基板処理装置において、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、放射状の順序に沿って前記第1プロセスガス供給部と前記第2プロセスガス供給部との間に配置され、他の一つは、前記第2プロセスガス供給部と前記第1プロセスガス供給部との間に配置されてもよい。
【0030】
前記基板処理装置において、前記原子層堆積プロセスの際に、前記第1プロセスガス供給部は、ソースガスを前記基板支持部上の前記基板に供給し、前記第2プロセスガス供給部は、前記ソースガスと反応して薄膜を形成するための反応ガスを前記基板支持部上の前記基板に供給し、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、前記ソースガスをパージし、他の一つは、前記反応ガスをパージしてもよい。
【0031】
前記基板処理装置において、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、放射状の順序に沿って前記第1プロセスガス供給部と前記第3プロセスガス供給との間に配置され、他の一つは、前記第3プロセスガス供給部と前記第1プロセスガス供給部との間に配置されてもよい。
【0032】
前記基板処理装置において、前記原子層エッチングプロセスの際に、前記第3プロセスガス供給部は、薄膜を表面処理するための表面処理ガスを前記基板支持台上の前記基板に供給し、前記第1プロセスガス供給部は、前記薄膜の表面処理された部分と反応して前記薄膜を除去するためのエッチングガスを前記基板支持台上の前記基板に供給し、前記第1パージ部及び前記第2パージ部の一つは、前記表面処理ガスをパージし、他の一つは、前記エッチングガスをパージしてもよい。
【0033】
前記基板処理装置において、前記第3プロセスガス供給部は、前記表面処理ガスをラジカル化するための電子ビーム(E-beam)供給部を含んでもよい。
【0034】
前記基板処理装置は、前記第2プロセスガス供給部と前記第3プロセスガス供給部との間の離間部を含んでもよい。
【0035】
前記基板処理装置において、前記制御部は、前記原子層堆積プロセスの際に、前記第1プロセスガス供給部からアルミニウムソースガスを供給し、前記第2プロセスガス供給部から前記アルミニウムソースガスと反応して酸化アルミニウムを形成する酸素系反応ガスを供給し、前記基板上に酸化アルミニウムを形成するように前記基板支持部及び前記ガス供給部を制御してもよい。
【0036】
前記基板処理装置において、前記制御部は、前記原子層エッチングプロセスの際に、前記第3プロセスガス供給部からは、前記酸化アルミニウムをフッ化アルミニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを供給し、前記第1プロセスガス供給部からは、前記フッ化アルミニウムを揮発性のアルミニウム化合物に反応させるために、前記アルミニウムソースガスと同じ有機反応ガスを供給し、前記基板上の前記酸化アルミニウムを所定の厚さだけエッチングするように前記基板支持部及び前記ガス供給部を制御してもよい。
【発明の効果】
【0037】
上述のように構成される本発明の実施形態によると、原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを利用すれば、基板上に薄い薄膜の厚さに対してもトレードオフになる物性を確保することができるようになる。もちろん、これらの効果により本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施例に係る原子層堆積プロセスを利用する第1薄膜形成を示す概略的な断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る原子層エッチングプロセスを利用する第2薄膜形成を示す概略的な断面図である。
図3】本発明の一実施例に係る薄膜形成方法を具現するための基板処理装置を示す概略的な断面図である。
図4図3の基板処理装置のガス供給部の一例を示す概略的な平面図である。
図5図4のガス供給部の変形例を示す概略的な平面図である。
図6】本発明の実施例に係る原子層堆積プロセスの概略的な基板へのガス供給を示す概略図である。
図7】本発明の実施例に係る原子層エッチングプロセスの概略的な基板へのガス供給を示す概略図である。
図8図3の基板処理装置のガス供給部の他の例を示す概略的な平面図である。
図9図8のガス供給部の変形例を示す概略的な平面図である。
図10】本発明の他の実施例に係る薄膜形成方法を具現するための基板処理装置を示す概略的な平面図である。
図11図10の基板処理装置の第1プロセスチャンバーの一例を示す概略的な断面図である。
図12図11の第1プロセスチャンバーの第1ガス供給部を示す概略的な平面図である。
図13図10の基板処理装置の第2プロセスチャンバーの一例を示す概略的な断面図である。
図14図13の第2プロセスチャンバーの第2ガス供給部を示す概略的な平面図である。
図15】本発明の実験例と比較例に基づいて形成した薄膜の結晶性を示すX線回折(XRD)分析グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付されている図面を参照し、本発明の例示的な一部の実施例を詳細に説明する。
【0040】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実で、かつ、完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜と明確性のために誇張したものである。
【0041】
図1は、本発明の一実施例に係る原子層堆積プロセスを利用する第1薄膜形成を示す概略的な断面図であり、図2は、本発明の一実施例に係る原子層エッチングプロセスを利用する第2薄膜形成を示す概略的な断面図である。
【0042】
図1に示すように、原子層堆積プロセスにより基板(50)上に第1結晶性を有する第1厚さ(H1)の第1薄膜(60)を形成することができる。
【0043】
原子層堆積(atomic layer deposition;ALD)プロセスとは、基板(50)上にソースガスを吸着させ、残留したソースガスをパージした後、基板(50)上に反応ガスを供給し、吸着されたソースガスと反応ガスとを反応させた後、残留反応ガスをパージして基板上に単位薄膜を形成するサイクル反応を繰り返すことにより、薄膜を形成する方法を指し得る。
【0044】
このような原子層堆積プロセスは、ソースガス、反応ガス及びパージガスの供給を時間単位で調節する時分割方式、またはガス供給部と基板との相対的な移動によりソースガス、反応ガス及びパージガスの基板への供給を調節する空間分割方式の両方を含み得る。
【0045】
図2に示すように、第1薄膜(図1の60)に対して原子層エッチングプロセスにより第1薄膜(60)を所定の厚さだけエッチングし、第1厚さ(H1)よりも低い第2厚さ(H2)の第2薄膜(60a)を形成することができる。
【0046】
原子層エッチング(atomic layer etching)プロセスとは、基板(50)上に表面処理ガスを供給して基板(50)上の薄膜の表面を処理し、残留した表面処理ガスをパージした後、基板(50)上にエッチングガスを供給して薄膜の表面処理された部分をエッチングガスと反応させて除去し、残留したエッチングガスをパージして単位薄膜を除去するサイクル反応を繰り返すことにより、薄膜をエッチングする方法を指し得る。
【0047】
このような原子層エッチングプロセスは、表面処理ガス、エッチングガス及びパージガスの供給を時間単位で調節する時分割方式、またはガス供給部と基板との相対的な移動により表面処理ガス、エッチングガス及びパージガスの基板への供給を調節する空間分割方式の両方を含み得る。
【0048】
本発明の実施例では、原子層堆積プロセス及び原子層エッチングプロセスは、同じ基板処理装置内の同じチャンバー内で実行されるか、または同じ基板処理装置内の異なるチャンバー内で実行されてもよい。例えば、第2薄膜(60a)を形成するステップにおける原子層エッチングプロセスは、第1薄膜(60)を形成するステップにおける原子層堆積プロセスと同じチャンバー内で原子層堆積プロセスに続いてイン・サイチュ(in-situ)で実行されてもよい。
【0049】
以下では、例示的に、一つの基板処理装置を用いる本発明に係る薄膜形成方法について、より具体的に説明する。
【0050】
図3は、本発明の一実施例に係る薄膜形成方法を具現するための基板処理装置(100)を示す概略的な断面図である。図3の基板処理装置(100)は、空間分割方式の原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを一つのチャンバーでイン・サイチュで具現するための装置を例示的に示している。
【0051】
図3に示すように、基板処理装置(100)は、チャンバー(110)と、基板支持部(105)、ガス供給部(120)と、制御部(150)と、を含むことができる。
【0052】
チャンバー(110)は、内部に基板処理空間(112)を提供することができる。例えば、チャンバー(110)の基板処理空間(112)は、真空環境を提供するためにポンプ部(図示せず)に接続することができる。
【0053】
基板支持部(105)は、チャンバー(110)に回転可能に設けられ、上部に複数の基板(50)が回転方向に沿って放射状に装着されることができる。例えば、基板支持部(105)は、チャンバー(110)の外部から内部に気密可能に結合され、回転動力を受けて回転されるシャフト部と、このシャフト部に結合される上部の上板部と、を含むことができる。この上板部には、基板(50)を装着することができる装着溝が放射状に配置される。基板(50)がウエハーである場合、装着溝は円形でもよい。
【0054】
ガス供給部(120)は、基板支持部(105)上に複数のガスを供給するために、基板支持部(105)に対向するようにチャンバー(110)に設けることができる。例えば、ガス供給部(120)は、シャワーヘッドの形のボディー(122)を含み、このボディー(122)は、チャンバー(110)の上部に結合することができる。
【0055】
制御部(150)は、基板処理装置(100)の全般的な制御を担当することができる。例えば、制御部(150)は、基板支持部(105)の動作及びガス供給部(120)のガス供給を制御することができる。
【0056】
前述した基板処理装置(100)を利用すれば、第1薄膜(60)を形成するステップにおける原子層堆積プロセスと、第1薄膜(60)を所定の厚さだけエッチングして第2薄膜(60a)を形成するステップにおける原子層エッチングプロセスとが、一つのチャンバー内で、基板(50)を回転させながら、ガス供給部(120)内の分離されているガス供給孔を通って堆積用ガスとエッチング用ガスとを交互に供給することにより行うことができる。
【0057】
図4は、図3の基板処理装置のガス供給部の一例を示す概略的な平面図である。
【0058】
図3及び図4に示すように、ガス供給部(120)は、放射状に分離されている、第1堆積ガス供給部(132)、第1エッチングガス供給部(134)、第1パージ部(137)、第2堆積ガス供給部(133)、第2エッチングガス供給部(135)及び第2パージ部(136)を含むことができる。必要に応じて、ガス供給部(120)は、中心部にカーテンガス供給部(131)をさらに含むことができる。
【0059】
第1堆積ガス供給部(132)には、多数の第1堆積ガス供給孔(132a)が形成され、第2堆積ガス供給部(133)には、多数の第2堆積ガス供給孔(133a)が形成され、第1エッチングガス供給部(134)には、多数の第1エッチングガス供給孔(134a)が形成され、第2エッチングガス供給部(135)には、多数の第2エッチングガス供給孔(135a)が形成され、第1パージ部(137)には、多数の第1パージ孔(137a)が形成され、第2パージ部(136)には、多数の第2パージ孔(136a)が形成されることができる。
【0060】
例えば、ガス供給部(120)は、略円形であり、第1堆積ガス供給部(132)、第1エッチングガス供給部(134)、第1パージ部(137)、第2堆積ガス供給部(133)、第2エッチングガス供給部(135)及び第2パージ部(136)は、円形のガス供給部(120)をそれぞれ円弧状に分割した形状を有することができる。つまり、このガス供給部(120)は、回転する基板支持部(105)上の基板(50)に対して空間的に分割して対応することができるようになっている。このような意味から、基板処理装置(100)は、空間分割式設備と呼ぶことができる。
【0061】
このような基板処理装置(100)は、原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを選択的に実行するために提供することができる。
【0062】
これにより、原子層堆積プロセスの際には、第1堆積ガス供給部(132)及び第2堆積ガス供給部(133)が選択的に動作し、原子層エッチングプロセスの際には、第1エッチングガス供給部(134)及び第2エッチングガス供給部(135)が選択的に動作することができる。従って、原子層堆積プロセスの際には、第1エッチングガス供給部(134)及び第2エッチングガス供給部(135)が動作しないようにガスの供給が遮断され、原子層エッチングプロセスの際には、第1堆積ガス供給部(132)及び第2堆積ガス供給部(133)が動作しないようにガスの供給が遮断されることができる。
【0063】
例えば、制御部(150)は、基板(50)上に薄膜を形成するための原子層堆積時には、前記基板支持部(105)を回転させながら、第1堆積ガス供給部(132)、第1パージ部(137)、第2堆積ガス供給部(133)及び第2パージ部(136)を選択的に動作させ、基板(50)上に堆積用ガスが交互に露出されるようにガス供給部(120)を制御することができる。さらに、制御部(150)は、原子層エッチングプロセスの際には、基板支持部(105)を回転させながら、第1エッチングガス供給部(134)、第1パージ部(137)、第2エッチングガス供給部(135)及び第2パージ部(136)を選択的に動作させ、基板(50)上にエッチング用ガスが交互に露出されるようにガス供給部(120)を制御することができる。
【0064】
より具体的に、原子層堆積プロセスのために、第1堆積ガス供給部(132)は、第1堆積ガス供給孔(132a)を介してソースガス(S1)を供給し、第2堆積ガス供給部(133)は、第2堆積ガス供給孔(133a)を介してソースガス(S1)と反応して薄膜を形成することができる反応ガス(S2)を供給することができる。原子層堆積プロセスによって形成される薄膜は、プラズマ損傷を避けようとする場合には、ソースガス(S1)と反応ガス(S2)は、非プラズマ状態で供給することができる。
【0065】
第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)は、ソースガス(S1)または反応ガス(S2)をパージまたはポンピングして除去するために、それらの間に配置することができる。例えば、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の一方は、放射状の順序に沿って、第1堆積ガス供給部(132)と第2堆積ガス供給部(133)との間に配置し、他方は、第2堆積ガス供給部(133)と第1堆積ガス供給部(132)との間に配置することができる。
【0066】
図4には、例示的に、第1パージ部(137)が第1堆積ガス供給部(132)と第2堆積ガス供給部(133)との間に配置され、第2パージ部(136)が第2堆積ガス供給部(133)と第1堆積ガス供給部(132)との間に配置されているが、その逆の場合も可能である。
【0067】
例えば、原子層エッチングプロセスのために、第2エッチングガス供給部(135)は、第2エッチングガス供給孔(135a)を介して薄膜を表面処理するための表面処理ガス(E2)を供給し、第1エッチングガス供給部(134)は、第1エッチングガス供給孔(134a)を介して薄膜の表面処理された部分と反応して揮発性化合物を生成するためのエッチングガス(E1)を供給することができる。原子層エッチングプロセスによってエッチングされる薄膜がプラズマ損傷を避けようとする場合、表面処理ガス(E2)とエッチングガス(E1)は、非プラズマ状態で供給することができる。一部の実施例では、第2エッチングガス供給部(135)は、表面処理の効率の向上のために表面処理ガス(E2)をラジカル化するための電子ビーム(E-beam)供給部をさらに含むこともできる。
【0068】
第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)は、表面処理ガス(E2)またはエッチングガス(E1)をパージして除去するために、それらの間に配置することができる。例えば、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の一方は、放射状の順序に沿って、第1エッチングガス供給部(134)と第2エッチングガス供給部(135)との間に配置され、他方は、第2エッチングガス供給部(135)と第1エッチングガス供給部(134)との間に配置することができる。
【0069】
図3には、例示的に、第1パージ部(137)が第1エッチングガス供給部(134)と第2エッチングガス供給部(135)との間に配置され、第2パージ部(136)が第2エッチングガス供給部(135)と第1エッチングガス供給部(134)との間に配置されているが、その逆の場合も可能である。また、図3には、第1堆積ガス供給部(132)と第1エッチングガス供給部(134)が、互いに隣接し、第2堆積ガス供給部(133)と第2エッチングガス供給部(135)が、互いに隣接するように配置されているが、前述した規定に従う限り、その位置は変更することができる。
【0070】
必要に応じて、カーテンガス供給部(131)には、多数のカーテンガス供給孔(131)が形成され、中心部において隣接するガスが混ざることを防止するためにカーテンガス(C1)を供給することができる。このカーテンガスは、不活性ガスを含むことができる。
【0071】
一方、本発明の変形例では、図5に示すように、ガス供給部(120a)には、第1離間部及び第2離間部(138,139)を付加してもよい。例えば、第1離間部(138)は、第1堆積ガス供給部(132)と第1エッチングガス供給部(134)との間に付加され、この両者の間を離隔させ、第2離間部(139)は、第2堆積ガス供給部(133)と第2エッチングガス供給部(135)との間に付加され、この両者の間を離隔させてもよい。
【0072】
第1離間部及び第2離間部(138、139)は、ガスが混ざることを防止するためのスペーサーとして機能するものであり、個別にはガスを供給しないか、または不活性ガスを供給することもできる。第1離間部及び第2離間部(138、139)の幅は、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の幅より小さいこともできる。
【0073】
前述の一部の実施例によると、基板処理装置(100)は、内部に基板処理空間を提供するチャンバー(110)と、チャンバー(110)に回転可能に設けられ、上部に複数の基板が回転方向に沿って放射状に装着される基板支持部(105)と、基板支持部(105)上に複数のガスを供給するために、基板支持部(105)に対向するようにチャンバー(110)に設けられるガス供給部(120)と、基板支持部(105)の動作及びガス供給部(120)のガス供給を制御する制御部(150)を含むことができる。
【0074】
図6は、本発明の実施例に係る原子層堆積プロセスの概略的な基板へのガス供給を示す概略図である。
【0075】
図6に示すように、原子層堆積プロセスは、基板(50)上にソースガス(S1)を供給するステップと、次いで基板(50)上に第1パージガス(P1)を供給するステップと、次いで基板(50)上に反応ガス(S2)を供給するステップと、次いで基板(50)上に第2パージガス(P2)を供給するステップと、を含む単位サイクルを繰り返すことができる。つまり、単位サイクルの間に、ソースガス(S1)が基板(50)上に供給されて吸着され、第1パージガス(P1)によって、吸着されていないソースガス(S1)がパージされて除去され、反応ガス(S2)が供給されて吸着されたソースガス(S1)と反応し、残留した反応ガス(S2)が第2パージガス(P2)によりパージされて単位薄膜を形成することになる。このような単位サイクルが繰り返されるに応じて、所定の厚さの薄膜を形成することができる。
【0076】
例えば、原子層堆積プロセスが時分割方式で進行される場合には、前述したソースガス(S1)、第1パージガス(P1)、反応ガス(S2)及び第2パージガス(P2)は、パルスタイプとして時間に応じて基板(50)上に提供することができる。
【0077】
他の例として、原子層堆積プロセスが空間分割方式で進行される場合には、図3乃至図6に示すように、原子層堆積プロセスの際に、ガス供給部(120)において第1堆積ガス供給部(132)は、ソースガス(S1)を継続的に噴射し、第2堆積ガス供給部(133)は、反応ガス(S2)を継続的に噴射し、第1パージ部(137)は、第1パージガス(P1)を継続的に噴射し、第2パージ部(136)は、第2パージガス(P2)を継続的に供給することができる。しかし、空間分割方式の特性上、基板支持部(105)が回転しているため、一つの基板(50)は、これらのガスを継続的に受けることではなく、順次に供給されることになる。
【0078】
例えば、第1薄膜(60)及び第2薄膜(60a)として、半導体メモリ素子で高誘電率の誘電膜として使用される、またはNAND型フラッシュメモリでブロッキング絶縁膜として使用されるジルコニウム酸化膜を形成しようとする場合には、第1堆積ガス供給部(132)は、ソースガスとして、ジルコニウムソースガスを含めて供給し、第2堆積ガス供給部(133)は、反応ガスとして、ジルコニウムソースガスと反応して酸化ジルコニウムを形成する酸素系反応ガスを含めて供給することができる。一例として、ジルコニウムソースガスは、CpZrを含み、酸素系反応ガスは、オゾン(ozone)ガスを含むことができる。
【0079】
他の例として、第1薄膜(60)及び第2薄膜(60a)として、半導体メモリ素子で高誘電率の誘電膜として使用される、またはNAND型フラッシュメモリでブロッキング絶縁膜として使用されるアルミニウム酸化膜を形成しようとする場合には、第1堆積ガス供給部(132)は、ソースガスとして、アルミニウムソースガスを含めて供給し、第2堆積ガス供給部(133)は、反応ガスとして、アルミニウムソースガスと反応して酸化アルミニウムを形成する酸素系反応ガスを含めて供給することができる。一例として、アルミニウムソースガスは、トリメチルアミン(TMA)ガスを含み、酸素系反応ガスは、オゾン(ozone)ガスを含むことができる。
【0080】
図7は、本発明の実施例に係る原子層エッチングプロセスの概略的な基板へのガス供給を示す概略図である。
【0081】
図7に示すように、原子層エッチングプロセスは、基板(50)上に表面処理ガス(E2)を供給するステップと、次いで基板(50)上に第1パージガス(P1)を供給するステップと、次いで基板(50)上にエッチングガス(E1)を供給するステップと、次いで基板(50)上に第2パージガス(P2)を供給するステップと、を含む単位サイクルを繰り返すことにより、行うことができる。つまり、単位サイクルの間に、表面処理ガス(E2)が基板(50)上に供給され、薄膜上に吸着されて薄膜の表面を表面処理させ、第1パージガス(P1)によって、吸着されていない表面処理ガス(E2)がパージされて除去され、エッチングガス(E1)が供給されて薄膜の表面処理された部分と反応し、第2パージガス(P2)によって、残留したエッチングガス(E1)が除去され、単位薄膜をエッチングすることになる。このような単位サイクルが繰り返されるに応じて、所定の厚さの薄膜をエッチングすることができる。
【0082】
例えば、原子層エッチングプロセスが時分割方式で進行される場合には、前述した表面処理ガス(E2)、第1パージガス(P1)、エッチングガス(E1)及び第2パージガス(P2)は、パルスタイプとして時間に応じて基板(50)上に提供することができる。
【0083】
他の例として、原子層エッチングプロセスが空間分割方式で進行される場合には、図3図4及び図7に示すように、原子層エッチングプロセスの際に、ガス供給部(120)において第2エッチングガス供給部(135)は、表面処理ガス(E2)を継続的に噴射し、第1エッチングガス供給部(134)は、エッチングガス(E1)を継続的に噴射することができる。しかし、空間分割方式の特性上、基板支持部(105)が回転しているため、一つの基板(50)は、これらのガスを継続的に受けることではなく、順次に供給されることになる。
【0084】
例えば、第1薄膜(60)及び第2薄膜(60a)が酸化ジルコニウムを含む場合には、第2エッチングガス供給部(135)は、表面処理ガスとして、酸化ジルコニウムをフッ化ジルコニウムで表面処理するためのフッ素を含むフッ素系表面処理ガスを含めて供給し、第1エッチングガス供給部(134)は、エッチングガスとして、フッ化ジルコニウムを揮発性のジルコニウム化合物に反応させるための有機反応ガスを含めて供給することができる。一例として、フッ素系表面処理ガスは、HF、NF3及びF2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含むことができる。有機反応ガスは、メチル(methyl)、クロライド(chloride)またはacacリガンド(ligand)を含み、安定した状態で揮発されながらリガンド(ligand)の間の交換反応が可能なガス、例えば、トリメチルアミン(TMA)、ジメチルアセトアミド(Dimetylacetamide;DMAC)、四塩化ケイ素(SiCl4)及びSn(acac)2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0085】
他の例として、第1薄膜(60)及び第2薄膜(60a)が酸化アルミニウムを含む場合には、第2エッチングガス供給部(135)は、表面処理ガスとして、酸化アルミニウムをフッ化アルミニウムで表面処理するためのフッ素系表面処理ガスを含めて供給し、第1エッチングガス供給部(134)は、エッチングガスとして、フッ化アルミニウムを揮発性のアルミニウム化合物に反応させるための有機反応ガスをふくめて供給することができる。一例として、フッ素系表面処理ガスは、HF、NF3及びF2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含むことができる。有機反応ガスは、メチル(methyl)、クロライド(chloride)またはacacリガンド(ligand)を含み、安定した状態で揮発されながらリガンド(ligand)の間の交換反応が可能なガス、例えばトリメチルアミン(TMA)、ジメチルアセトアミド(Dimetylacetamide;DMAC)、四塩化ケイ素(SiCl4)及びSn(acac)2ガスの群から選択される一つまたはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0086】
一部の実施例では、フッ素系表面処理ガスは、HF/NF3ガスを含み、有機反応ガスは、トリメチルアミン(TMA)ガスを含むことができる。この場合、第1堆積ガス供給部(132)から供給されるアルミニウムソースガスと、第1エッチングガス供給部(134)から供給される有機反応ガスとがトリメチルアミンであり、同じであるため、第1堆積ガス供給部(132)と第1エッチングガス供給部(134)が、図8に示すように、単一のガス供給部(132)に統合されることも可能である。図8において、第1堆積ガス供給部は、第1プロセスガス供給部(132)と呼び、第2堆積ガス供給部は、第2プロセスガス供給部(133)と呼び、第2エッチングガス供給部(135)は、第3プロセスガス供給部(135)と呼ぶことができる。
【0087】
図8は、図3の基板処理装置のガス供給部の他の例を示す概略的な平面図である。
【0088】
図8に示すように、ガス供給部(120)は、放射状に分離されている、第1プロセスガス供給部(132)、第1パージ部(137)、第2プロセスガス供給部(133)、第3プロセスガス供給部(135)及び第2パージ部(136)を含むことができる。選択的に、ガス供給部(120)は、中心部にカーテンガス供給部(131)をさらに含むことができる。
【0089】
第1プロセスガス供給部(132)には、多数の第1堆積ガス供給孔(132a)が形成され、第2プロセスガス供給部(133)には、多数の第2プロセスガス供給孔(133a)が形成され、第3プロセスガス供給部(135)には、多数の第3プロセスガス供給孔(135a)が形成され、第1パージ部(137)には、多数の第1パージ孔(137a)が形成され、第2パージ部(136)には、多数の第2パージ孔(136a)が形成されることができる。
【0090】
例えば、ガス供給部(120)は、略円形であり、第1プロセスガス供給部(132)、第1パージ部(137)、第2プロセスガス供給部(133)、第3プロセスガス供給部(135)及び第2パージ部(136)は、円形のガス供給部(120)をそれぞれ円弧状に分割した形状を有することができる。つまり、このガス供給部(120)は、回転する基板支持部(105)上の基板(50)に対して空間的に分割して対応することができるようになっている。このような意味から、基板処理装置(100)は、空間分割式設備と呼ぶことができる。
【0091】
このような基板処理装置(100)は、原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを選択的に実行するために提供することができる。この実施例では、第1プロセスガス供給部(132)は、原子層堆積プロセス及び原子層エッチングプロセスで共通に利用されるので、同じガスでソースガスとエッチングガスの機能を実行することができる。
【0092】
これにより、原子層堆積プロセスの際には、第1プロセスガス供給部(132)及び第2プロセスガス供給部(133)が選択的に動作し、原子層エッチングプロセスの際には、第1プロセスガス供給部(132)及び第3プロセスガス供給部(135)が選択的に動作することができる。したがって、原子層堆積プロセスの際には、第3プロセスガス供給部(135)が動作しないようにガスの供給が遮断され、原子層エッチングプロセスの際には、第2プロセスガス供給部(133)が動作しないようにガスの供給が遮断されることができる。
【0093】
例えば、制御部(150)は、基板(50)上に薄膜を形成するための原子層堆積プロセスの際には、基板支持部(105)を回転させながら、第1プロセスガス供給部(132)、第1パージ部(137)、第2プロセスガス供給部(133)及び第2パージ部(136)を選択的に動作させ、基板(50)上に堆積用ガスが交互に露出されるようにガス供給部(120)を制御することができる。さらに、制御部(150)は、原子層エッチングプロセスの際には、基板支持部(105)を回転させながら、第1プロセスガス供給部(132)、第1パージ部(137)、第3プロセスガス供給部(135)及び第2パージ部(136)を選択的に動作させ、基板(50)上にエッチング用ガスが交互に露出されるようにガス供給部(120)を制御することができる。
【0094】
原子層堆積プロセスのために、第1プロセスガス供給部(132)は、第1堆積ガス供給孔(132a)を介してソースガス(図6のS1)を供給し、第2プロセスガス供給部(133)は、第2プロセスガス供給孔(133a)を介してソースガス(S1)と反応して薄膜を形成することができる反応ガス(図6のS2)を供給することができる。原子層堆積プロセスによって形成される薄膜がプラズマ損傷を避けようとする場合には、ソースガス(S1)と反応ガス(S2)は、非プラズマ状態で供給することができる。
【0095】
第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)は、ソースガス(S1)または反応ガス(S2)をパージして除去するために、それらの間に配置されることができる。例えば、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の一方は、放射状の順序に沿って第1プロセスガス供給部(132)と第2プロセスガス供給部(133)との間に配置され、他方は、第2プロセスガス供給部(133)と第1プロセスガス供給部(132)との間に配置されることができる。
【0096】
図8には、例示的に、第1パージ部(137)が第1プロセスガス供給部(132)と第2プロセスガス供給部(133)との間に配置され、第2パージ部(136)が第2プロセスガス供給部(133)と第1プロセスガス供給部(132)との間に配置されているが、その逆の場合も可能である。
【0097】
原子層エッチングプロセスのために、第2プロセスガス供給部(135)は、第3プロセスガス供給孔(135a)を介して薄膜を表面処理するための表面処理ガス(E2)を供給し、第1プロセスガス供給部(132)は、第1エッチングガス供給孔(132a)を介して薄膜の表面処理された部分と反応して揮発性化合物を生成するためのエッチングガス(E1)を供給することができる。原子層エッチングプロセスによってエッチングされる薄膜は、プラズマ損傷を避けようとする場合には、表面処理ガス(E2)とエッチングガス(E2)を非プラズマ状態で供給することができる。一部の実施例において、第3プロセスガス供給部(135)は、表面処理の効率向上のために表面処理ガス(E2)をラジカル化するための電子ビーム(E-beam)供給部をさらに含むこともできる。
【0098】
第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)は、表面処理ガス(E2)またはエッチングガス(E1)をパージして除去するために、それらの間に配置されることができる。例えば、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の一方は、放射状の順序に沿って第1プロセスガス供給部(132)と第3プロセスガス供給部(135)との間に配置され、他方は、第3プロセスガス供給部(135)と第1プロセスガス供給部(132)との間に配置されることができる。
【0099】
図8には、例示的に、第1パージ部(137)が第1プロセスガス供給部(132)と第3プロセスガス供給部(135)との間に配置され、第2パージ部(136)が第3プロセスガス供給部(135)と第1プロセスガス供給部(132)との間に配置されているが、その逆の場合も可能である。
【0100】
必要に応じて、カーテンガス供給部(131)には、多数のカーテンガス供給孔(131)が形成され、中心部において隣接するガスが混ざることを防止するためにカーテンガス(C1)を供給することができる。このカーテンガスは、不活性ガスを含むことができる。
【0101】
一方、本発明の付加的な変形例では、図9に示すように、ガス供給部(120a)には、離間部(139)をさらに付加することができる。例えば、離間部(139)は、第2堆積ガス供給部(133)と第2エッチングガス供給部(135)との間に付加され、この両者の間を離隔させることができる。
【0102】
離間部(139)は、ガスが混ざることを防止するためのスペーサーとして機能するものであり、個別にはガスを供給しないか、または不活性ガスを供給することもできる。離間部(139)の幅は、第1パージ部(137)及び第2パージ部(136)の幅より小さくてもよい。
【0103】
図9には、離隔部(139)のみが図示されているが、そのほかにも様々に付加することができ、例えば、第1プロセスガス供給部(132)と第2パージ部(136)との間、及び第1プロセスガス供給部(132)と第1パージ部(137)との間のいずれかまたは両方に付加することもできる。
【0104】
前述した実施例では、原子層堆積プロセス及び原子層エッチングの際に、第1パージ部(137)と第2パージ部(136)は、共通に利用されると説明したが、 第1パージ部及び第2パージ部(137、136)が分割されて使用されるか、または複数個に分離され、原子層堆積プロセス及び原子層エッチングの際に、パージ部が分離されて使用されることもできる。
【0105】
前述した実施例によると、一つのチャンバー内で原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを実行することができ、より経済的である。さらに、原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとのプロセス温度がほぼ同一または類似の場合、温度変化なしですぐにプロセスが続くことができ、効率的なプロセスの進行が可能となる。
【0106】
図10は、本発明の他の実施例に係る薄膜形成方法を具現するための基板処理装置(200)を示す概略的な断面図である。
【0107】
図10に示すように、基板処理装置(200)は、ローダチャンバー(210)、アンローダーチャンバー(215)、トランスファーチャンバー(205)及び複数のプロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)を含むことができる。このような基板処理装置(200)は、クラスター(cluster)タイプの装置と呼ぶこともある。
【0108】
ローダーチャンバー(210)は、外部から基板をロードするためのチャンバーであり、アンローダーチャンバー(215)は、基板を外部にアンロードするためのチャンバーである。トランスファーチャンバー(205)は、ローダチャンバー(210)、アンローダーチャンバー(215)及びプロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)にゲート(図示せず)を介して真空環境下で接続されている。プロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)の数は、例示的なものであり、適切に変更することができる。トランスファーチャンバー(205)は、移送ロボット(230)を備え、基板(50)を、ローダーチャンバー(210)とアンローダーチャンバー(215)とプロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)との間で移送することができる。
【0109】
この実施例によると、基板(50)上に第1薄膜(60)を形成するための原子層堆積プロセスは、プロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)の少なくともいずれかの一つである第1プロセスチャンバーで行うことができ、第1薄膜(60)を所定の厚さだけエッチングして第2薄膜(60a)を形成するための原子層エッチングプロセスは、プロセスチャンバー(220a、220b、220c、220d)の少なくともいずれかの他の一つである第2プロセスチャンバーで行うことができる。
【0110】
以下では、プロセスチャンバー(220a)で原子層堆積プロセスが行われ、プロセスチャンバー(220b)で原子層エッチングプロセスが行われる場合を例示的に説明する。この場合、プロセスチャンバー(220a)は、第1プロセスチャンバーと呼び、プロセスチャンバー(220b)は、第2プロセスチャンバーと呼ぶことができる。
【0111】
基板処理装置(200)を用いた薄膜形成方法は、以下の通りである。第1プロセスチャンバー(220a)に基板(50)を移送し、第1プロセスチャンバー(220a)で原子層堆積プロセスにより基板(50)上に第1結晶性を有する第1厚さ(H1)の第1薄膜(60)を形成することができる。例えば、第1プロセスチャンバー(220a)に基板(50)を移送するステップは、基板(50)をローダーチャンバー(210)にロードするステップと、ローダーチャンバー(210)から真空環境下でトランスファーチャンバー(205 )を経て第1プロセスチャンバー(220a)に基板(50)を移送するステップを含むことができる。
【0112】
次いで、基板(50)を、基板処理装置(200)内の第1プロセスチャンバー(220a)と異なる第2プロセスチャンバー(220b)に移送する。例えば、基板(50)を第2プロセスチャンバー(220b)に移送するステップは、基板(50)を第1プロセスチャンバー(220a)からトランスファーチャンバーを経て第2プロセスチャンバー(220b)に真空環境下で移送して行うことができる。次いで、第2プロセスチャンバー(220b)で第1薄膜(60a)に対して原子層エッチングプロセスを行い、第1薄膜(60a)を所定の厚さだけエッチングし、第1厚さよりも低い第2厚さ(H2)の第2薄膜(60a)を形成することができる。
【0113】
基板処理装置(200)を利用した原子層堆積プロセス及び原子層エッチングプロセスについての詳細な説明は、前述した図6及び図7の説明を参照することができる。
【0114】
この実施例の場合、基板処理装置(200)内で真空環境を維持しつつ、原子層堆積プロセスと原子層エッチングプロセスとを続けることができ、第1薄膜(60)及び第2薄膜(60a)の損傷や汚染を防ぐことができて効率的である。
【0115】
図11は、図10の基板処理装置(200)の第1プロセスチャンバー(220a)の一例を示す概略的な断面図である。
【0116】
図11に示すように、第1プロセスチャンバー(220a)は、第1チャンバーボディー(110a)、第1基板支持部(105a)及び第1ガス供給部(120a)を含むことができる。
【0117】
第1チャンバーボディー(110a)は、内部に第1基板処理空間(112a)を提供することができる。例えば、第1チャンバーボディー(110a)の第1基板処理空間(112a)は、真空環境を提供するために、ポンプ部(図示せず)に接続することができる。
【0118】
第1基板支持部(105a)は、第1チャンバーボディー(110a)に回転可能に設けられ、上部に複数の基板(50)を回転方向に沿って放射状に装着することができる。例えば、第1基板支持部(105a)は、第1チャンバーボディー(110a)の外部から内部に気密可能に結合され、回転動力を受けて回転されるシャフト部と、このシャフト部に結合される上部の上板部を含むことができる。この上板部には、基板(50)を装着することができる装着溝が放射状に配置されることができる。基板(50)がウエハーである場合、装着溝は、円形であってもよい。
【0119】
第1ガス供給部(120a)は、第1基板支持部(105a)上に複数のガスを供給するために、第1基板支持部(105a)に対向するように第1チャンバーボディー(110a)に設けられることができる。例えば、第1ガス供給部(120a)は、シャワーヘッドの形の第1ボディー(122a)を含むことができ、この第1ボディー(122a)は、第1チャンバーボディー(110a)の上部に結合することができる。
【0120】
図12は、図11の第1プロセスチャンバー(220a)の第1ガス供給部(120a)を示す概略的な平面図である。
【0121】
図11及び図12に示すように、第1ガス供給部(120a)は、放射状に分離されている複数の第1プロセスガス供給部、例えば、少なくとも一つの第1堆積ガス供給部(132a、136a)と、少なくとも一つの第1パージ部(133a、137a)と、少なくとも一つの第2堆積ガス供給部(134a、138a)と、少なくとも一つの第2パージ部(135a、139a)を含むことができる。必要に応じて、第1ガス供給部(120a)は、中心部に第1カーテンガス供給部(131a)をさらに含むことができる。
【0122】
第1堆積ガス供給部(132a)には、多数の第1堆積ガス供給孔(1320a)を形成さし、第1堆積ガス供給部(136a)には、多数の第1堆積ガス供給孔(1360a)を形成することができる。第2堆積ガス供給部(134a)には、多数の第2堆積ガス供給孔(1340a)を形成し、第2堆積ガス供給部(138a)には、多数の第2堆積ガス供給孔(1380a)を形成することができる。第1パージ部(133a)には、多数の第1パージ孔(1330a)を形成し、第1パージ部(137a)には、多数の第1パージ孔(1370a)を形成することができる。第2パージ部(135a)には、多数の第2パージ孔(1350a)を形成し、第2パージ部(139a)には、多数の第2パージ孔(1390a)を形成することができる。
【0123】
例えば、第1ガス供給部(120a)は、略円形であり、第1堆積ガス供給部(132a、136a)、第1パージ部(133a、137a)、第2堆積ガス供給部(134a、138a)及び第2パージ部(135a、139a)を、それぞれ円弧状に分割した形状を有することができる。つまり、この第1ガス供給部(120a)は、回転する第1基板支持部(105a)上の基板(50)に対して空間的に分割して対応することができるようになっている。このような意味から、第1プロセスチャンバー(220a)は、空間分割式設備と呼ばれることができる。
【0124】
第1ガス供給部(120a)において、第1堆積ガス供給部(132a)、第1パージ部(133a)、第2堆積ガス供給部(134a)、第2パージ部(135a)、第1堆積ガス供給部(136a)、第1パージ部(137a)、第2堆積ガス供給部(138a)及び第2パージ部(139a)は、この順序に沿って放射状に配置されることができる。しかし、この実施例では、第1堆積ガス供給部(132a、136a)、第1パージ部(133a、137a)、第2堆積ガス供給部(134a、138a)及び第2パージ部(135a、139a)は、二つのセットとして例示的に図示したが、この実施例の変形例では、一つまたは複数に変更することができ、その数に本発明の範囲が限定されるものではない。
【0125】
以下では、図6図11及び図12を共に参照して原子層堆積プロセスを説明する。
【0126】
原子層堆積プロセスのために、第1堆積ガス供給部(132a、136a)は、第1堆積ガス供給孔(1320a、1360a)を介してソースガス(S1)を供給し、第2堆積ガス供給部(134a、138a )は、第2堆積ガス供給孔(1340a、1380a)を介してソースガス(S1)と反応して薄膜を形成することができる反応ガス(S2)を供給することができる。原子層堆積プロセスによって形成される薄膜がプラズマ損傷を避けようとする場合、ソースガス(S1)と反応ガス(S2)は、非プラズマ状態で供給することができる。
【0127】
第1パージ部(133a、137a)は、残留したソースガス(S2)を除去するために、第1パージ孔(1330a、1370a)を介して第1パージガス(P1)を基板(50)上に提供し、第1パージ部(135a、139a)は、残留した反応ガス(S2)をパージするために、第2パージ孔(1350a、1390a)を介して第2パージガス(P2)を基板(50)上に提供することができる。例えば、第1パージガス(P1)及び第2パージガス(P2)は、不活性ガス、例えばアルゴン、窒素ガス等を含むことができる。
【0128】
第1カーテンガス供給部(131a)には、多数の第1カーテンガス供給孔(1310a)が形成され、中心部において隣接するガスが混ざることを防止するために第1カーテンガス(C1)を供給することができる。この第1カーテンガス(C1)は、不活性ガス、例えばアルゴン、窒素ガス等を含むことができる。
【0129】
一方、前述した第1ガス供給部(120a)には、離間部(図示せず)が、第1堆積ガス供給部(132a、136a)、第1パージ部(133a、137a)、第2堆積ガス供給部(134a、138a)及び第2パージ部(135a、139a)のいずれかの間にさらい付加されてもよい。
【0130】
図13は、図10の基板処理装置(200)の第2プロセスチャンバー(220b)の一例を示す概略的な断面図である。
【0131】
図13に示すように、第2プロセスチャンバー(220b)は、第2チャンバーボディー(110b)、第2基板支持部(105b)及び第2ガス供給部(120b)を含むことができる。
【0132】
第2チャンバーボディー(110b)は、内部に第2基板処理空間(112b)を提供することができる。例えば、第2チャンバーボディー(110b)の第2基板処理空間(112b)は、真空環境を提供するためにポンプ部(図示せず)に接続することができる。
【0133】
第2基板支持部(105b)は、第2チャンバーボディー(110b)に回転可能に設けられ、上部に複数の基板(50)を回転方向に沿って放射状に装着することができる。例えば、第2基板支持部(105b)は、第2チャンバーボディー(110b)の外部から内部に気密可能に結合され、回転動力を受けて回転されるシャフト部と、このシャフト部に結合される上部の上板部を含むことができる。この上板部には、基板(50)を装着することができる装着溝が放射状に配置されることができる。基板(50)がウエハーである場合、装着溝は、円形であってもよい。
【0134】
第2ガス供給部(120b)は、第2基板支持部(105b)上に複数のガスを供給するために、第2基板支持部(105b)に対向するように第2チャンバーボディー(110b)に設けることができる。例えば、第2ガス供給部(120b)は、シャワーヘッドの形の第2ボディー(122b)を含むことができ、この第2ボディー(122b)は、第2チャンバーボディー(110b)の上部に結合することができる。
【0135】
図14は、図13の第2プロセスチャンバー(220b)の第2ガス供給部(120b)を示す概略的な平面図である。
【0136】
図13及び図14に示すように、第2ガス供給部(120b)は、放射状に分離されている複数の第2プロセスガス供給部、例えば、少なくとも一つの第1エッチングガス供給部(132b、136b)と、少なくとも一つの第3パージ部(133b、137b)と、少なくとも一つの第2エッチングガス供給部(134b、138b)と、少なくとも一つの第4パージ部(135b、139b)と、を含むことができる。必要に応じて、第2ガス供給部(120b)は、中心部に第2カーテンガス供給部(131b)をさらに含むことができる。
【0137】
第1エッチングガス供給部(132b)には、多数の第1エッチングガス供給孔(1320b)が形成され、第1エッチングガス供給部(136b)には、多数の第1エッチングガス供給孔(1360b)が形成されることができる。第2エッチングガス供給部(134b)には、多数の第2エッチングガス供給孔(1340b)が形成され、第2エッチングガス供給部(138b)には、多数の第2エッチングガス供給孔(1380b)が形成されることができる。第3パージ部(133b)には、多数の第2パージ孔(1330b)が形成され、第3パージ部(137b)には、多数の第3パージ孔(1370b)が形成されることができる。第4パージ部(135b)には、多数の第4パージ孔(1350b)が形成され、第4パージ部(139b)には、多数の第4パージ孔(1390b)が形成されることができる。
【0138】
例えば、第2ガス供給部(120b)は、略円形であり、第1エッチングガス供給部(132b、136b)、第3パージ部(133b、137b)、第2エッチングガス供給部(134b、138b)及び第4パージ部(135b、139b)を、それぞれ円弧状に分割した形状を有することができる。つまり、このような第2ガス供給部(120b)は、回転する第2基板支持部(105b)上の基板(50)に対して空間的に分割して対応することができるようになっている。このような意味から、第2プロセスチャンバー(220b)は、空間分割式設備と呼ばれることができる。
【0139】
第2ガス供給部(120b)において、第2エッチングガス供給部(132b)、第3パージ部(133b)、第2エッチングガス供給部(134b)、第4パージ部(135b)、第1エッチングガス供給部(136b)、第3パージ部(137b)、第2エッチングガス供給部(138b)及び第4パージ部(139b)は、この順序に沿って放射状に配置することができる。しかし、この実施例では、第1エッチングガス供給部(132b、136b)、第3パージ部(133b、137b)、第2エッチングガス供給部(134b、138b)及び第4パージ部(135b、139b)は、二つのセットを例示的に図示したが、この実施例の変形では、一つまたは複数に変更することができ、その数に本発明の範囲が限定されるものではない。
【0140】
以下では、図7図13及び図14を共に参照して原子層エッチングプロセスを説明する。
【0141】
原子層エッチングプロセスのために、第1エッチングガス供給部(132b、136b)は、第1エッチングガス供給孔(1320b、1360b)を介して薄膜を表面処理するための表面処理ガス(E1)を供給し、第2エッチングガス供給部(134b、138b)は、第2エッチングガス供給孔(1340b、1380b)を介して薄膜の表面処理された部分と反応して揮発性化合物を生成するためのエッチングガス(E2)を供給することができる。原子層エッチングプロセスによってエッチングされる薄膜がプラズマ損傷を避けようとする場合、表面処理ガス(E1)とエッチングガス(E2)は、非プラズマ状態で供給することができる。一部の実施例では、第2エッチングガス供給部(134b、138b)は、表面処理の効率向上のために表面処理ガス(E2)をラジカル化するための電子ビーム(E-beam)供給部をさらに含むこともできる。
【0142】
第3パージ部(133b、137b)は、残留した表面処理ガス(E1)を除去するために、第3パージ孔(1330b、1370b)を介して第3パージガス(P3)を基板(50)上に提供し、第4パージ部(135b、139b)は、残留したエッチングガス(E2)をパージするために、第4パージ孔(1350b、1390b)を介して第4パージガス(P4)を基板(50)上に提供することができる。例えば、第3パージガス(P3)と第4パージガス(P4)は、不活性ガス、例えばアルゴン、窒素ガス等を含むことができる。
【0143】
第2カーテンガス供給部(131b)には、多数の第2カーテンガス供給孔(1310b)が形成され、中心部において隣接するガスが混ざることを防止するために、第2カーテンガス(C2)を供給することができる。この第2カーテンガス(C2)は、不活性ガス、例えばアルゴン、窒素ガス等を含むことができる。
【0144】
一方、前述した第2ガス供給部(120b)には、離間部(図示せず)が、第1エッチングガス供給部(132b、136b)、第3パージ部(133b、137b)、第2エッチングガス供給部(134b、138b)及び第4パージ部(135b、139b)のいずれかの間にさらに付加されてもよい。
【0145】
図15は、本発明の実験例と比較例に基づいて形成した薄膜の結晶性を示すX線回折(XRD)分析グラフである。図15において、グラフ(G1)は、原子層堆積プロセスにより第2厚さ(H2)にジルコニウム酸化膜を形成した場合を示し、グラフ(G2)は、原子層堆積プロセスにより第1厚さ(H1)にジルコニウム酸化膜を形成した場合を示し、グラフ(G3)は、原子層堆積プロセスにより第1厚さ(H1)に形成した後、原子層エッチングプロセスによりエッチングして第2厚さ(H2)に低くした場合を示す。
【0146】
図15にも示すように、原子層堆積プロセスにより第1厚さ(H1)の薄膜を形成する場合(G2)が、それより低い第2厚さ(H2)の薄膜を形成する場合(G1)より結晶性がより高いことがわかる。さらに、原子層堆積プロセスにより第1厚さ(H1)に形成した後、原子層エッチングプロセスによりエッチングして第2厚さ(H2)に低くした場合(G3)は、元の結晶性を維持し、最初から第2厚さ(H1)に形成した場合よりも結晶性が高いことがわかる。
【0147】
このような結果は、高誘電膜において厚さを下げキャパシタンスを維持しながら結晶性を高め、リーク電流を低減しようとする場合に有用である。つまり、最初から低い厚さに高誘電膜を形成すれば、薄膜の結晶性が悪く、リーク電流特性を確保するのが難しいので、所定の厚さに形成して結晶性を高めた状態でエッチングして厚さを確保すると、結晶性を維持しながら、キャパシタンスを維持することができる。
【0148】
例えば、第1薄膜(60)は、リーク電流特性を確保するために第1結晶性を有し、第2薄膜(60a)は、キャパシタンス特性を確保するために第2厚さを有することにより、第2薄膜(60a)は、リーク電流特性とキャパシタンス特性を同時に確保することができる。例えば、酸化ジルコニウムなどの第2薄膜(60a)は、メモリ素子の高誘電率薄膜として使用することができる。したがって、前述した実施例による基板処理装置(100)を使用すると、高集積素子で要求される薄い厚さの薄膜でもトレードオフになる特性を満足させることができる薄膜を形成することができるようになる。
【0149】
他の例として、第2薄膜(60a)は、メモリ素子のブロッキング酸化膜として使用することができる。電荷トラップメモリ素子の場合、消去動作時の制御ゲート電極から電荷トラップ層に逆トンネリングが発生することを抑制する必要があり、そのために、電荷トラップ層と制御ゲート電極との間にブロッキング絶縁層として高誘電率膜に使用されている。このような高誘電率膜の場合、厚さが薄いながらも逆トンネリングを抑制することができる膜質を求めているので、酸化アルミニウムなどの第2薄膜(60a)は、このようなブロッキング絶縁膜として使用することができる。
【0150】
さらに、第2薄膜(60a)は、臨界厚さ以上で粒界(grain)が成長して結晶性が高くなる薄膜、例えば酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの薄膜に適用することができる。さらに、第2薄膜(60a)は、厚さが増加しつつ、粒界に大きくなる膜、例えば、ポリシリコン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムの薄膜を含むことができる。さらに、第2薄膜(60a)は、臨界厚さ以上で抵抗率が低くなる薄膜、例えばポリシリコン、タングステン、窒化チタン(TiN)の薄膜などにも適用することができる。
【0151】
以上では、図面に示されている実施例を参考にして本発明を説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、そこから様々な変形や均等な他の実施例が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の真正なる技術的保護範囲は、添付されている特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0152】
50 基板
60 第1薄膜
60a 第2薄膜
100 基板処理装置
105 基板支持部
110 チャンバー
120 ガス供給部
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