(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】感放射線性組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 77/14 20060101AFI20230118BHJP
G03F 7/075 20060101ALI20230118BHJP
G03F 7/038 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
C08G77/14
G03F7/075 511
G03F7/038 601
(21)【出願番号】P 2021197003
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2020150841の分割
【原出願日】2016-06-07
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2015118625
(32)【優先日】2015-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 誠
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 顕司
(72)【発明者】
【氏名】武田 諭
(72)【発明者】
【氏名】柴山 亘
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/199762(WO,A1)
【文献】特開2021-008469(JP,A)
【文献】特開2013-166812(JP,A)
【文献】国際公開第2014/046055(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/022099(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00-77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で示される化合物又は(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシランと
(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシランとの共重合物からなるシロキサンポリマー。
【化1】
(式中、R
17、R
19、及びR
21はエチル基を示し、R
22、及びR
23はメチル基を示し、R
16、R
18、及びR
20はメトキシ基を示す。)
【請求項2】
上記式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で示される化合物が、臭素化合物と、マグネシウムと、テトラメトキシシランとの反応物である、請求項
1に記載のシロキサンポリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
感放射線性ポリシロキサン及びそれを用いた感放射線性組成物、及び当該感放射線性組成物を用いたパターン形成方法、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路素子を製造する微細加工の分野において、より高い集積度を得るために、より波長の短い放射線を使用したリソグラフィー技術の開発が行われている。
波長の短い放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザー等の遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができる。これらのなかでも、KrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)、EUV(波長13.5nm)が注目されている。
また、ディスプレイ分野または加速度センサー等のマイクロマシン分野においても、小型・高精細化とともに高アスペクトパターン加工技術の開発が望まれている。
高アスペクトパターン加工技術としては、例えば、二層レジストプロセスが知られている。二層レジストプロセスでは、上層レジストを露光、現像してパターニングし、これを下層レジストへ転写することが必要である。
上層レジストパターンを精度よく下層レジストに転写するには、通常、ドライエッチングが用いられるため、上層レジストには高感度、高解像性に加えドライエッチング耐性に優れていることが要求される。
【0003】
シロキサン含有のネガ型レジスト材料としてはシラノールの架橋反応を利用した系や有機官能基の架橋反応を利用した系が知られている。例えば、樹脂成分と、放射線の照射により酸や塩基を発生する成分(光酸発生剤、光塩基発生剤)とを含有し、これらの化学反応を利用した組成物や放射線の照射によりラジカルを発生する成分(光重合開始剤)と樹脂成分を含有し、ラジカルによる重合反応を利用した組成物等を挙げることができる。
【0004】
例えば、特許文献1にはシロキサン樹脂に光酸発生剤あるいは光塩基発生剤を含むネガ型感放射線性組成物が開示されている。
また、有機官能基の化学反応を利用したネガ型レジストとしては特許文献2に、2層レジスト向けのシロキサンレジストとしてエポキシ基を含んだシランを用いたネガ型感放射線性組成物が開示されている。
特許文献3にはアクリルあるいはメタクリル基を含んだシランを用いたネガ型感放射線性組成物が開示されている。
また、特許文献4にはスチリル基を含んだシランを用いて光重合開始剤によるネガ型感放射線性組成物が開示されている。本発明のネガ型感放射性組成物はフェノプラスト架橋方式でありこれらの架橋方式とは異なる。
【0005】
また、フェノール性ヒドロキシ基を現像液可溶性基として用いるシロキサン系レジストとしては数多く知られているが、いずれもポジ型レジストとして使用されている。例えば特許文献5にはヒドロキシフェニルアルキルシルセスキオキサンを構成成分として光酸発生剤と酸分解性基で保護されたフェノール性あるいはカルボン酸化合物を含んだポジ型感放射線性組成物が開示されている。
また、特許文献6ではフェノール性ヒドロキシ基をt-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリル基又はテトラヒドロピラニル基などの酸不安定基で保護したシロキサンポリマーに光酸発生剤を含んだポジ型感放射線性組成物が開示されている。
また、特許文献7ではフェノール性ヒドロキシ基を1分子中に2個以上有するポリフェ
ノール化合物と、メチロール又は保護されたメチロールを含むフェノプラスト架橋剤を用いて電子線又はEUVの照射によるパターン形成が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3821165号
【文献】特開2003-295455号公報
【文献】特開2008-248239号公報
【文献】特開平10-10741号公報
【文献】特許第4361527号
【文献】特開平8-160621号
【文献】特開2010-107963
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のポリシロキサンをベース樹脂とする感放射線性組成物は、従来のアクリル系樹脂をベース樹脂とする感放射線性組成物に比べて解像度が低いため、KrFなどのエキシマレーザーを露光光として用いた場合に、得られるパターンの精度が十分とはいえず、更なる改良が求められている。
【0008】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、ポリシロキサンをベース樹脂とする感放射線性組成物であって、解像度に優れており、且つ所望形状のパターンを精度良く形成することのできる感放射線性組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、フェノプラスト架橋反応性を示すシロキサンポリマーをベース樹脂とし、光酸発生剤および溶媒を含む感放射線性組成物が、解像度を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は第1観点として、シランとして加水分解性シラン、その加水分解物、又はその加水分解縮合物と光酸発生剤とを含み、該加水分解性シランが式(1)及び式(2)で示される加水分解性シランを含む感放射線性組成物、
【化1】
〔式(1)中、R
1は式(1-2):
【化2】
(式(1-2)中、R
4は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又はアシル基を示し、R
5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至1
0のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R
6は炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、n1は0乃至10の整数を示し、n2は0又は1の整数を示し、n3は1≦n3≦5を満たす整数を、n4は0≦n4≦4を満たす整数を、n5は0≦n5≦4を満たす整数をそれぞれ示す。n3+n4+n5は1≦n3+n4+n5≦5を満たす整数を示す。そしてk1はn1が1乃至10の整数を示すときの、ケイ素原子との結合端を示し、k2はn1が0を示し及びn2が1を示すときの、ケイ素原子との結合端を示し、k3はn1及びn2が0を示すときの、ケイ素原子との結合端を示す。)で示される有機基であって且つSi-C結合又はSi-O結合によりケイ素原子と結合しているものである。R
2はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示す。R
3はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1の整数を示し、bは0乃至2の整数を示し、a+bは1乃至3の整数を示す。〕、
【化3】
〔式(2)中、R
7は式(2-1)又は式(2-2):
【化4】
(式(2-1)中、R
10は炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R
11は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、n6は0≦n6≦3を満たす整数を示す。n7は1≦n7≦3を満たす整数を示す。n6+n7は1≦n6+n7≦4を満たす整数を示す。n8は0≦n8≦10を満たす整数を示す。n9は0又は1の整数を示す。そしてk4はn8が1乃至10の整数を示すときの、ケイ素原子との結合端を示し、k5はn8が0を示し及びn9が1を示すときの、ケイ素原子との結合端を示し、k6はn8及びn9が0を示すときの、ケイ素原子との結合端を示す。
式(2-2)中、R
112はヒドロキシ基、ハロゲン原子、エポキシ基、オキセタン基、アシルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、シリル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、又はこれらの組み合わせを示し、R
113は酸素原子を含んでいても良い炭素原子数1乃至10のアルキレン基又は炭素原子数6乃至40のアリーレン基を示す。n10は1乃至4の整数を示し、k7はケイ素原子との結合端を示す。)で示される有機基であって、且つSi-C結合よりケイ素原子と結合しているものである。R
8はアルキル基、ア
リール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示す。R
9はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。cは1の整数を示し、dは0乃至2の整数を示し、c+dは1乃至3の整数を示す。〕
第2観点として、該加水分解性シランが、式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、その他の加水分解性シランとの組み合わせであり、その他の加水分解性シランが式(3):
【化5】
(式(3)中、R
12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はメルカプト基、スルホンアミド基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示し、R
13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、eは0乃至3の整数を示す。)で示される加水分解性シラン、及び式(4):
【化6】
(式(4)中、R
14はアルキル基又はアリール基を示し且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R
15はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示し、fは0又は1の整数を示し、gは0又は1の整数を示す。)で示される加水分解性シランからなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランである第1観点に記載の感放射線性組成物、第3観点として、第1観点に記載の式(1)の加水分解性シランと式(2)の加水分解性シランと、第2観点に記載の式(3)の加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物をポリマーとして含む感放射線性組成物、
第4観点として、第1観点に記載の式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、第2観点に記載の式(4)で示される加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物をポリマーとして含む感放射線性組成物、
第5観点として、第1観点に記載の式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、第2観点に記載の式(3)で示される加水分解性シランと式(4)で示される加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物をポリマーとして含む感放射線性組成物、
第6観点として、更にクエンチャーを含む第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の感放射線性組成物、
第7観点として、更に架橋剤を含む第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の感放射線性組成物、
第8観点として、半導体基板上に第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の感放射線性組成物を塗布し、焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターンの形成方法、
第9観点として、半導体基板上に第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の感放射線
性組成物を塗布し、焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを得る工程、該レジストパターンにより前記半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第10観点として、半導体基板上に有機下層膜を形成する工程、その上に第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の感放射線性組成物を塗布し焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを得る工程、該レジストパターンにより前記有機下層膜をエッチングする工程、パターン化された有機下層膜により前記半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、及び第11観点として、下記式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で示される化合物である。
【化7】
(式中、R
17、R
19、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ独立にアルキル基を示し、R
16、R
18、及びR
20は各々独立して、アルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。)
特に本発明は、脱保護によりフェノール性ヒドロキシル基を生じる基を有するグリニヤール試薬と、テトラメトキシシランとの反応物であるフェノール性ヒドロキシル基生成化合物であって、上記式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)(上記式中、R
17、R
19、及びR
21はエチル基を示し、R
22、及びR
23はメチル基を示し、R
16、R
18、及びR
20はメトキシ基を示す。)で示される化合物に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、骨格にポリシロキサンを用い、保護されたメチロール基とフェノール性ヒドロキシ基の反応による架橋構造を利用したフェノプラスト反応が可能な官能基を側鎖に有する、感度及び解像力に優れたポリシロキサン系感放射線性樹脂を提供する。
本発明の感放射線性樹脂におけるフェノプラスト反応性基はメチロールあるいは保護されたメチロール基を含み、該反応性基がポリマー中の芳香環の電子豊富位置に付加することにより低温で硬化することが可能となり、リソグラフィー用レジストとして良好なネガパターンを得ることが出来る。
本発明の感放射線性樹脂は骨格にポリシロキサンを有するポリシロキサン系感放射線性樹脂であるため、露光により形成されたレジストパターンは優れたガスエッチング耐性を有する。
従って、本発明の感放射線性樹脂は、微細化によるレジスト薄膜が現像時のパターン倒れを防ぐためレジスト膜厚を薄膜化して、レジスト材料とは異なるガスエッチング耐性を有する種類の下層膜を直下に備えるマルチプロセスにも適用できる。
このように本発明は高いリソグラフィー特性を有し、所望形状のパターンを精度よく形成することのできる優れた感放射線性組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、レジストパターン形状の断面図を示す。
【
図2】
図2は、実施例18で得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察した断面形状を示す。
【
図3】
図3は、実施例18で得られたレジストパターンを230℃のホットプレート上で30分間加熱した後の走査型電子顕微鏡で観察した断面形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明はシランとして加水分解性シラン、その加水分解物、又はその加水分解縮合物と光酸発生剤とを含み、該加水分解性シランが式(1)及び式(2)を含む感放射線性組成物である。
【0014】
式(1)中、R1は式(1-2)で示される有機基であって且つSi-C結合又はSi-O結合によりケイ素原子と結合しているものである。R2はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示す。R3はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1の整数を示し、bは0乃至2の整数を示し、a+bは1乃至3の整数を示す。
【0015】
式(1-2)中、R4は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又はアシル基を示し、R5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R6は炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、n1は0乃至10の整数を示し、n2は0又は1の整数を示し、n3は1≦n3≦5を満たす整数を、n4は0≦n4≦4を満たす整数を、n5は0≦n5≦4を満たす整数をそれぞれ示す。n3+n4+n5は1≦n3+n4+n5≦5を満たす整数を、好ましくは1≦n3+n4+n5≦3を満たす整数を示す。
k1部分、k2部分、又はk3部分はケイ素原子との結合端を示す。すなわち式(1-2)はn1がゼロでn2が1の時はk2部分でシランのケイ素原子と結合する。n2がゼロでn1がゼロ以外の時はk1部分でシランのケイ素原子と結合する。n2がゼロでn1がゼロの時はk3部分でシランのケイ素原子と結合する。
【0016】
式(2)中、R7は式(2-1)で示される有機基であって且つSi-C結合よりケイ素原子と結合しているものを示す。R8はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示す。R9はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。cは1の整数を示し、dは0乃至2の整数を示し、c+dは1乃至3の整数を示す。
【0017】
式(2-1)中、R10は炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、R11は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基を示し、n6は0≦n6≦3を満たす整数を示す。n7は1≦n7≦3を満たす整数を示す。n6+n7は1≦n6+n7≦4、好ましくは1≦n6+n7≦3を満たす整数を示す。n8は0≦n8≦10を満たす整数を示す。n9は0又は1の整数を示す。k4部分、k5部分、又はk6部分はケイ素原子との結合端を示す。すなわち式(2-1)中、n8がゼロでn9が1の時はk5部分でシランのケイ素原子と結合する。n9がゼロでn8がゼロ以外の時はk4部分でシランのケイ素原子と結合する。n9がゼロでn8がゼロの時はk6部分でシランのケイ素原子と結合する。
【0018】
式(2-2)中、R112はヒドロキシ基、ハロゲン原子、エポキシ基、オキセタン基、アシルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、シリル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、又はこれらの組み合わせを示し、R113は酸素原子を含んでいても良い炭素原子数1乃至10のアルキレン基又は炭素原子数6乃至40のアリーレン基を示す。n10は1乃至4の整数を示し、k7部分はケイ素原子との結合端を示す。
【0019】
上記アルコキシ基は後述例示のアルコキシ基を挙げることができる。
上記ハロゲン原子(ハロゲン基)は後述例示のハロゲン原子(ハロゲン基)を挙げることができる。
上記炭素原子数1乃至10のアルキレン基は、後述例示の炭素原子数1乃至10の直鎖又は環状のアルキル基に対応したアルキレン基を示し、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
上記炭素原子数6乃至40のアリーレン基は、後述例示の炭素原子数6乃至40のアリール基に対応したアリーレン基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基が例示される。
これらは酸や塩基などにより分解によりアルコールを発生するモノマーや、アルコールを有するモノマーである。
【0020】
本発明の組成物は任意成分として酸、水、アルコール、他の有機ポリマー、吸光性化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
【0021】
本発明の感放射線性組成物における固形分は、例えば0.1乃至50質量%、又は0.1乃至30質量%、0.1乃至25質量%である。ここで固形分とは感放射線性組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
固形分中に占める加水分解性シラン、その加水分解物、及びその加水分解縮合物の割合は、20質量%以上であり、例えば50乃至99.9質量%、60乃至99.9質量%、70乃至99.9質量%である。
【0022】
そして上述の加水分解性シラン、その加水分解物、及びその加水分解縮合物はそれらの混合物として用いることもできる。加水分解性シランを加水分解し、得られた加水分解物を縮合した縮合物として用いることができる。加水分解縮合物を得る際に加水分解が完全に完了しない部分加水分解物やシラン化合物が加水分解縮合物に混合されて、その混合物を用いることもできる。この縮合物はポリシロキサン構造を有するポリマーである。
【0023】
アルキル基は例えば炭素原子数1乃至10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、1-メチル-シクロプロピル基、2-メチル-シクロプロピル基、n-ペンチル基、1-メチル-n-ブチル基、2-メチル-n-ブチル基、3-メチル-n-ブチル基、1,1-ジメチル-n-プロピル基、1,2-ジメチル-n-プロピル基、2,2-ジメチル-n-プロピル基、1-エチル-n-プロピル基、シクロペンチル基、1-メチル-シクロブチル基、2-メチル-シクロブチル基、3-メチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロプロピル基、2,3-ジメチル-シクロプロピル基、1-エチル-シクロプロピル基、2-エチル-シクロプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチル-n-ペンチル基、2-メチル-n-ペンチル基、3-メチル-n-ペンチル基、4-メチル-n-ペンチル基、1,1-ジメチル-n-ブチル基、1,2-ジメチル-n-ブチル基、1,3-ジメチル-n-ブチル基、2,2-ジメチル-n-ブチル基、2,3-ジメチル-n-ブチル基、3,3-ジメチル-n-ブチル基、1-エチル-n-ブチル基、2-エチル-n-ブチル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、1-エチル-1-メチル-n-プロピル基、1-エチル-2-メチル-n-プロピル基、シクロヘキシル基、1-メチル
-シクロペンチル基、2-メチル-シクロペンチル基、3-メチル-シクロペンチル基、1-エチル-シクロブチル基、2-エチル-シクロブチル基、3-エチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロブチル基、1,3-ジメチル-シクロブチル基、2,2-ジメチル-シクロブチル基、2,3-ジメチル-シクロブチル基、2,4-ジメチル-シクロブチル基、3,3-ジメチル-シクロブチル基、1-n-プロピル-シクロプロピル基、2-n-プロピル-シクロプロピル基、1-i-プロピル-シクロプロピル基、2-i-プロピル-シクロプロピル基、1,2,2-トリメチル-シクロプロピル基、1,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、2,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、1-エチル-2-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-1-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-2-メチル-シクロプロピル基及び2-エチル-3-メチル-シクロプロピル基等が挙げられる。
【0024】
アリール基は例えば炭素原子数6乃至40のアリール基であり、フェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-クロルフェニル基、m-クロルフェニル基、p-クロルフェニル基、o-フルオロフェニル基、p-フルオロフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基及び9-フェナントリル基が挙げられる。
【0025】
アルケニル基は例えば炭素原子数2乃至10のアルケニル基であり、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-エテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-エチルエテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-n-プロピルエテニル基、1-メチル-1-ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、1-メチル-3-ブテニル基、2-エチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、1-i-プロピルエテニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1,2-ジメチル-2-プロペニル基、1-シクロペンテニル基、2-シクロペンテニル基、3-シクロペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-メチル-1-ペンテニル基、1-メチル-2-ペンテニル基、1-メチル-3-ペンテニル基、1-メチル-4-ペンテニル基、1-n-ブチルエテニル基、2-メチル-1-ペンテニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、2-メチル-3-ペンテニル基、2-メチル-4-ペンテニル基、2-n-プロピル-2-プロペニル基、3-メチル-1-ペンテニル基、3-メチル-2-ペンテニル基、3-メチル-3-ペンテニル基、3-メチル-4-ペンテニル基、3-エチル-3-ブテニル基、4-メチル-1-ペンテニル基、4-メチル-2-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、4-メチル-4-ペンテニル基、1,1-ジメチル-2-ブテニル基、1,1-ジメチル-3-ブテニル基、1,2-ジメチル-1-ブテニル基、1,2-ジメチル-2-ブテニル基、1,2-ジメチル-3-ブテニル基、1-メチル-2-エチル-2-プロペニル基、1-s-ブチルエテニル基、1,3-ジメチル-1-ブテニル基、1,3-ジメチル-2-ブテニル基、1,3-ジメチル-3-ブテニル基、1-i-ブチルエテニル基、2,2-ジメチル-3-ブテニル基、2,3-ジメチル-1-ブテニル基、2,3-ジメチル-2-ブテニル基、2,3-ジメチル-3-ブテニル基、2-i-プロピル-2-プロペニル基、3,3-ジメチル-1-ブテニル基、1-エチル-1-ブテニル基、1-エチル-2-ブテニル基、1-エチル-3-ブテニル基、1-n-プロピル-1-プロペニル基、1-n-プロピル-2-プロペニル基、2-エチル-
1-ブテニル基、2-エチル-2-ブテニル基、2-エチル-3-ブテニル基、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル基、1-t-ブチルエテニル基、1-メチル-1-エチル-2-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル基、1-i-プロピル-1-プロペニル基、1-i-プロピル-2-プロペニル基、1-メチル-2-シクロペンテニル基、1-メチル-3-シクロペンテニル基、2-メチル-1-シクロペンテニル基、2-メチル-2-シクロペンテニル基、2-メチル-3-シクロペンテニル基、2-メチル-4-シクロペンテニル基、2-メチル-5-シクロペンテニル基、2-メチレン-シクロペンチル基、3-メチル-1-シクロペンテニル基、3-メチル-2-シクロペンテニル基、3-メチル-3-シクロペンテニル基、3-メチル-4-シクロペンテニル基、3-メチル-5-シクロペンテニル基、3-メチレン-シクロペンチル基、1-シクロヘキセニル基、2-シクロヘキセニル基及び3-シクロヘキセニル基等が挙げられる。
【0026】
アシル基としては例えば炭素原子数2乃至10のアシル基であり、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、i-プロピルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、i-ブチルカルボニル基、s-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、1-メチル-シクロプロピルカルボニル基、2-メチル-シクロプロピルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、1-メチル-n-ブチルカルボニル基、2-メチル-n-ブチルカルボニル基、3-メチル-n-ブチルカルボニル基、1,1-ジメチル-n-プロピルカルボニル基、1,2-ジメチル-n-プロピルカルボニル基、2,2-ジメチル-n-プロピルカルボニル基、1-エチル-n-プロピルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、1-メチル-シクロブチルカルボニル基、2-メチル-シクロブチルカルボニル基、3-メチル-シクロブチルカルボニル基、1,2-ジメチル-シクロプロピルカルボニル基、2,3-ジメチル-シクロプロピルカルボニル基、1-エチル-シクロプロピルカルボニル基、2-エチル-シクロプロピルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基、1-メチル-n-ペンチルカルボニル基、2-メチル-n-ペンチルカルボニル基、3-メチル-n-ペンチルカルボニル基、4-メチル-n-ペンチルカルボニル基、1,1-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、1,2-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、1,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、2,2-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、2,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、3,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル基、1-エチル-n-ブチルカルボニル基、2-エチル-n-ブチルカルボニル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピルカルボニル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル基等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル基等が挙げられる。
【0027】
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト基等が挙げられる。
アミノ基を有する有機基としては、アミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基等が挙げられる。
シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル基等が挙げられる。
【0028】
上記アルコキシ基としては、例えば炭素原子数1乃至20、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基であり、炭素数1乃至20の直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペン
チロキシ基、1-メチル-n-ブトキシ基、2-メチル-n-ブトキシ基、3-メチル-n-ブトキシ基、1,1-ジメチル-n-プロポキシ基、1,2-ジメチル-n-プロポキシ基、2,2-ジメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-n-プロポキシ基、n-ヘキシロキシ基、1-メチル-n-ペンチロキシ基、2-メチル-n-ペンチロキシ基、3-メチル-n-ペンチロキシ基、4-メチル-n-ペンチロキシ基、1,1-ジメチル-n-ブトキシ基、1,2-ジメチル-n-ブトキシ基、1,3-ジメチル-n-ブトキシ基、2,2-ジメチル-n-ブトキシ基、2,3-ジメチル-n-ブトキシ基、3,3-ジメチル-n-ブトキシ基、1-エチル-n-ブトキシ基、2-エチル-n-ブトキシ基、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ基、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシ基及び1-エチル-2-メチル-n-プロポキシ基等が、また環状のアルコキシ基としてはシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、1-メチル-シクロプロポキシ基、2-メチル-シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、1-メチル-シクロブトキシ基、2-メチル-シクロブトキシ基、3-メチル-シクロブトキシ基、1,2-ジメチル-シクロプロポキシ基、2,3-ジメチル-シクロプロポキシ基、1-エチル-シクロプロポキシ基、2-エチル-シクロプロポキシ基、シクロヘキシロキシ基、1-メチル-シクロペンチロキシ基、2-メチル-シクロペンチロキシ基、3-メチル-シクロペンチロキシ基、1-エチル-シクロブトキシ基、2-エチル-シクロブトキシ基、3-エチル-シクロブトキシ基、1,2-ジメチル-シクロブトキシ基、1,3-ジメチル-シクロブトキシ基、2,2-ジメチル-シクロブトキシ基、2,3-ジメチル-シクロブトキシ基、2,4-ジメチル-シクロブトキシ基、3,3-ジメチル-シクロブトキシ基、1-n-プロピル-シクロプロポキシ基、2-n-プロピル-シクロプロポキシ基、1-i-プロピル-シクロプロポキシ基、2-i-プロピル-シクロプロポキシ基、1,2,2-トリメチル-シクロプロポキシ基、1,2,3-トリメチル-シクロプロポキシ基、2,2,3-トリメチル-シクロプロポキシ基、1-エチル-2-メチル-シクロプロポキシ基、2-エチル-1-メチル-シクロプロポキシ基、2-エチル-2-メチル-シクロプロポキシ基及び2-エチル-3-メチル-シクロプロポキシ基等が挙げられる。
【0029】
上記アシルオキシ基としては例えば、炭素原子数1乃至20、炭素原子数1乃至10、又は炭素原子数2乃至20、炭素原子数2乃至10のアシルオキシ基であり、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、i-プロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、i-ブチルカルボニルオキシ基、s-ブチルカルボニルオキシ基、t-ブチルカルボニルオキシ基、n-ペンチルカルボニルオキシ基、1-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、2-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、3-メチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1,1-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、2,2-ジメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1-エチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、n-ヘキシルカルボニルオキシ基、1-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基、2-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基、3-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基、4-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ基、1,1-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1,2-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、2,2-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、2,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、3,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1-エチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、2-エチル-n-ブチルカルボニルオキシ基、1,1,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1,2,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1-エチル-1-メチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、1-エチル-2-メチル-n-プロピルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、及びトシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
上記ハロゲン基としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0030】
本発明では加水分解性シランが、式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランとその他の加水分解性シランの組み合わせて用いることができる。
その他の加水分解性シランとしては、式(3)で示される加水分解性シラン及び式(4)で示される加水分解性シランからなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランが挙げられる。
【0031】
これらは式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、式(3)で示される加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリシロキサン)をポリマーとして含む感放射線性組成物の形態がある。
【0032】
また、式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、式(4)で示される加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリシロキサン)をポリマーとして含む感放射線性組成物の形態がある。
【0033】
また、式(1)で示される加水分解性シランと式(2)で示される加水分解性シランと、式(3)で示される加水分解性シランと式(4)で示される加水分解性シランとの組み合わせからなる加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリシロキサン)をポリマーとして含む感放射線性組成物がある。
【0034】
式(3)中、R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はメルカプト基、スルホンアミド基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はこれらの組み合わせであり且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものを示し、R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、eは0乃至3の整数を示す。
【0035】
式(4)中、R14はアルキル基又はアリール基を示し且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R15はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示し、fは0又は1の整数を示し、gは0又は1の整数である。
【0036】
上述した、アルキレン基はアルキル基に由来する2価の有機基であり、アルケニレン基はアルケニル基に由来する2価の有機基であり、アリーレン基はアリール基に由来する2価の有機基である。
これらのアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基としては上述の例示を挙げることができる。
【0037】
式(1)で示される加水分解性シランは以下に例示することができる。
【化8】
【化9】
【0038】
式中Tは上述のアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基の加水分解性基を示す。特にメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
【0039】
式中、R
7が式(2-1)で示される有機基である、式(2)で示される加水分解性シランは以下に例示することができる。
【化10】
【化11】
【0040】
【0041】
【0042】
上記式中Tは上述のアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基の加水分解性基を
示す。特にメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。R11は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数1乃至10のアルキル基を示す。
【0043】
式中、R
7が式(2-2)で示される有機基である、式(2)で示される加水分解性シランは以下に例示することができる。
【化15】
【化16】
【0044】
【0045】
上記式中Tは上述のアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基の加水分解性基を示す。特にメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
【0046】
式中、R7が式(2-2)で示される有機基である、式(2)で示される加水分解性シランはまた、以下の加水分解性シランも例示できる。
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリフェノキシシ
ラン、α-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ-グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ-グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α-グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α-グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β-グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β-グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ-グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、メトキシフェニルトリメトキシシラン、メトキシフェニルトリエトキシシラン、メトキシフェニルトリアセトキシシラン、メトキシフェニルトリクロロシラン、メトキシベンジルトリメトキシシラン、メトキシベンジルトリエトキシシラン、メトキシベンジルトリアセトキシシラン、メトキシベンジルトリクロロシラン、メトキシフェネチルトリメトキシシラン、メトキシフェネチルトリエトキシシラン、メトキシフェネチルトリアセトキシシラン、メトキシフェネチルトリクロロシラン、エトキシフェニルトリメトキシシラン、エトキシフェニルトリエトキシシラン、エトキシフェニルトリアセトキシシラン、エトキシフェニルトリクロロシラン、エトキシベンジルトリメトキシシラン、エトキシベンジルトリエトキシシラン、エトキシベンジルトリアセトキシシラン、エトキシベンジルトリクロロシラン、イソプロポキシフェニルトリメトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリエトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリアセトキシシラン、イソプロポキシフェニルトリクロロシラン、イソプロポキシベンジルトリメトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリエトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリアセトキシシラン、イソプロポキシベンジルトリクロロシラン、t-ブトキシフェニルトリメトキシシラン、t-ブトキシフェニルトリエトキシシラン、t-ブトキシフェニルトリアセトキシシラン、t-ブトキシフェニルトリクロロシラン、t-ブトキシベンジルトリメトキシシラン、t-ブトキシベンジルトリエトキシシラン、t-ブトキシベンジルトリアセトキシシラン、t-ブトキシシベンジルトリクロロシラン、メトキシナフチルトリメトキシシラン、メトキシナフチルトリエトキシシラン、メトキシナフチルトリアセトキシシラン、メトキシナフチルトリクロロシラン、エトキシナフチルトリメトキシシラン、エトキシナフチルトリエトキシシラン、エトキシナフチルトリアセトキシシラン、エトキシナフチルトリクロロシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3-トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β-シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
【0047】
さらに、式中、R
7が式(2-2)で示される有機基である、式(2)で示される加水分解性シランとして以下の加水分解性シランも用いることができる。
【化19】
【化20】
【0048】
式(2)で示される加水分解性シランは、フェノール性ヒドロキシ基の部分がアルコキシ基を有するアルキル基(アルコキシアルキル基)で保護されている式(2)で示される加水分解性シランを例示することができる。式(1)で示される加水分解性シランやその他の加水分解性シランと共にアルカリ性触媒で加水分解し縮合してポリシロキサンとして、酸性触媒で保護基を脱保護した時に、上記例示の式(2)で示されるフェノール性ヒドロキシ基を有するシランに由来する構造をポリシロキサンの構造中に含有することができる。
【0049】
式(3)で示される加水分解性シランは例えば、テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0050】
式(4)で示される加水分解性シランは例えば、メチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
【0051】
本発明では更に加水分解性シランとして、スルホン基を有するシランや、スルホンアミド基を有するシランを用いることができ、それらは例えば以下に例示することができる。
【化21】
【化22】
【化23】
【0052】
本発明に用いられる加水分解縮合物(ポリシロキサン)の具体例としては以下に例示される。
【化24】
【化25】
【0053】
上記の加水分解性シランの加水分解縮合物(ポリオルガノシロキサン)は、重量平均分子量1000乃至1000000、又は1000乃至100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC-8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶媒)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、又はハロゲン化シリル基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5乃至100モル、好ましくは1乃至10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001乃至10モル、好ましくは0.001乃至1モルの加水分解触媒を用いることができる。
【0054】
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20乃至80℃である。
【0055】
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。特に塩基性触媒が好ましく、有機塩基が挙げられる。
【0056】
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ-n-プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ-i-プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ-n-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ-sec-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ-t-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ-n-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ-n-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ-sec-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ-t-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ-n-プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ-i-プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ-n-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ-sec-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ-t-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ-n-プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ-i-プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ-n-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ-sec-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ-t-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ-n-プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ-i-プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ-n-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ-sec-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ-t-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ-n-プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ-i-プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ-n-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ-sec-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ-t-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ-n-プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ-i-プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ-n-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ-sec-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ-t-ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ-n-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ-n-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ-sec-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ-t-ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ-n-プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコ
ニウム、モノ-i-プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ-n-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ-sec-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ-t-ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ-n-プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ-i-プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ-n-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ-sec-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ-t-ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ-n-プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ-i-プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ-n-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ-sec-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ-t-ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ-n-プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ-i-プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ-n-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ-sec-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ-t-ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
【0057】
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p-アミノ安息香酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
【0058】
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0059】
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばアンモニア、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、トリフェニスルスルホニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
【0060】
無機塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、
無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。また、半導体や電子デバイス関連用においてはこれらの金属の残存の観点から有機塩基が好ましい。
【0061】
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn-ペンタン、i-ペンタン、n-ヘキサン、i-ヘキサン、n-ヘプタン、i-ヘプタン、2,2,4-トリメチルペンタン、n-オクタン、i-オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n-プロピルベンセン、i-プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i-ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ-i-プロピルベンセン、n-アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、ヘプタノール-3、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,6-ジメチルヘプタノール-4、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンタンジオール-2,4、2-メチルペンタンジオール-2,4、ヘキサンジオール-2,5、ヘプタンジオール-2,4、2-エチルヘキサンジオール-1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン、メチル-n-ペンチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジ-i-ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、n-ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、ジオキソラン、4-メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸n-ペンチル、酢酸sec-ペンチル、酢酸3-メトキシブチル、酢酸メチルペンチル
、酢酸2-エチルブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n-ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸i-アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ-n-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、乳酸n-アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3-プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0062】
加水分解性シランを溶剤中で触媒を用いて加水分解し縮合し、得られた加水分解縮合物(ポリマー)は減圧蒸留等により副生成物のアルコールや用いた加水分解触媒や水を同時に除去することができる。また、加水分解に用いた酸や塩基触媒を中和やイオン交換により取り除くことができる。そして本発明の感放射線性組成物では、その加水分解縮合物を含むレジスト下層膜形成組成物は安定化のために有機酸、水、アルコール、又はそれらの組み合わせを添加することができる。
【0063】
上記有機酸としては、例えば酢酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、クエン酸、グルタル酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸等が挙げられる。中でも、シュウ酸、マレイン酸等が好ましい。加える有機酸は縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.1乃至5.0質量部である。また加える水は純水、超純水、イオン交換水等を用いることができ、その添加量はレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1乃至20質量部とすることができる。
【0064】
また加えるアルコールとしては塗布後の加熱により飛散しやすいものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。加えるアルコールはレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1乃至20質量部とすることができる。
【0065】
本発明では式(2)で示されるアルコキシアルキル基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基の脱保護のために酸を添加することができる。それらの酸は有機酸や、塩酸等の無機酸を添加することができる。塩酸等の無機酸を用いることが好ましい。
本発明の感放射線性組成物は、上記の成分の他、必要に応じて有機ポリマー化合物、光酸発生剤及び界面活性剤等を含むことができる。
【0066】
有機ポリマー化合物としては特に制限はなく、種々の有機ポリマーを使用することができる。縮重合ポリマー及び付加重合ポリマー等を使用することができる。ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリビニルエーテル、フェノールノボラック、ナフトールノボラック、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等の付加重合ポリマー及び縮重合ポリマーを使用することができる。吸光部位として機能するベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環、キノリン環
、及びキノキサリン環等の芳香環構造を有する有機ポリマーが好ましく使用される。
有機ポリマー化合物としては、重量平均分子量が、例えば1000乃至1000000であり、または3000乃至300000であり、または5000乃至200000であり、または10000乃至100000であるポリマー化合物を使用することができる。有機ポリマー化合物は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
有機ポリマー化合物が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して、1乃至200質量部、または5乃至100質量部、または10乃至50質量部、または20乃至30質量部である。
【0067】
本発明の感放射線性組成物は活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。
好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、ベンゾインスルホネート型光酸発生剤、ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤、スルホン型光酸発生剤、グリオキシム誘導体型光酸発生剤、オキシム-O-スルホネート型酸発生剤、ビスオキシムスルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0068】
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩である。
【0069】
スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、(3-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4-チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4-tert-ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシフェニル)ビス(4-ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2-ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2-ナフチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4-メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2-オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2-オキソ-2-フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4-n-ブトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム、2-n-ブトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム等が挙げられる。
【0070】
スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2-トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4-(4’-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート
、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2-ベンゾイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-(4-フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2-シクロヘキサンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-フロイルオキシプロパンスルホネート、2-ナフトイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-(4-tert-ブチルベンゾイルオキシ)-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アダンマンタンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アセチルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-トシルオキシプロパンスルホネート、1,1-ジフルオロ-2-ナフチル-エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(ノルボルナン-2-イル)エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン-8-イル)エタンスルホネート等が挙げられる。
【0071】
ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3-プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられる。
トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられる。これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0072】
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩である。
【0073】
ヨードニウムカチオンとしては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、4-tert-ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4-メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンが挙げられる。スルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドは上述の例が挙げられる。これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0074】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1-メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-(4-トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-メチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5-ジメチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5-ジメチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-メチル-5-イソプロピル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、4-メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert-ブチルカルボニル-4-メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2-ナフチルスルホニルベンゾイルジ
アゾメタン、4-メチルフェニルスルホニル2-ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert-ブトキシカルボニル-4-メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル-カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0075】
N-スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸イミド、7-オキサビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸イミド等のイミド骨格と、スルホネートとの組み合わせである。
【0076】
スルホネートとしてはトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2-トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2-ベンゾイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-(4-フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2-シクロヘキサンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-フロイルオキシプロパンスルホネート、2-ナフトイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-(4-tert-ブチルベンゾイルオキシ)-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アダンマンタンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アセチルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-トシルオキシプロパンスルホネート、1,1-ジフルオロ-2-ナフチル-エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(ノルボルナン-2-イル)エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン-8-イル)エタンスルホネート等であり、その組み合わせの化合物が挙げられる。
【0077】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0078】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシ基のすべてを以下の基で置換したものが挙げられる。置換基としてはトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2-トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2-ベンゾイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-(4-フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,
3,3-ペンタフルオロ-2-ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2-シクロヘキサンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-フロイルオキシプロパンスルホネート、2-ナフトイルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-(4-tert-ブチルベンゾイルオキシ)-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アダンマンタンカルボニルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、2-アセチルオキシ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-トシルオキシプロパンスルホネート、1,1-ジフルオロ-2-ナフチル-エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(ノルボルナン-2-イル)エタンスルホネート、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン-8-イル)エタンスルホネート等であり、それらで置換した化合物が挙げられる。
【0079】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4-メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2-ナフチルスルホニル)メタン、2,2-ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2-ビス(4-メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2-ビス(2-ナフチルスルホニル)プロパン、2-メチル-2-(p-トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2-シクロヘキシルカルボニル)-2-(p-トルエンスルホニル)プロパン、2,4-ジメチル-2-(p-トルエンスルホニル)ペンタン-3-オン等が挙げられる。
【0080】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤としては、例えばビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジフェニルグリオキシム、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-2,3-ペンタンジオングリオキシム、ビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジフェニルグリオキシム、ビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス-O-(メタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(トリフルオロメタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(2,2,2-トリフルオロエタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(10-カンファースルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(ベンゼンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(p-フルオロベンゼンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(p-トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(キシレンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、ビス-O-(トリフルオロメタンスルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(2,2,2-トリフルオロエタンスルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(10-カンファースルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(ベンゼンスルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(p-フルオロベンゼンスルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(p-トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)-ニオキシム、ビス-O-(キシレンスルホニル)-ニオキシム等が挙げられる。
【0081】
オキシム-O-スルホネート型光酸発生剤としては、例えば(5-(4-トルエンスルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)フェニルアセトニトリル、(5-(10-カンファースルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)フェニルアセトニトリル、(5-n-オクタンスルホニルオキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)フェニルアセトニトリル、(5-(4-トルエンスルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)(2-メチルフェニル)アセトニトリル、(5-(10-カンファースルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)
(2-メチルフェニル)アセトニトリル、(5-n-オクタンスルホニルオキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)(2-メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられ、更に(5-(4-(4-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)フェニルアセトニトリル、(5-(2,5-ビス(4-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ-5H-チオフェン-2-イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0082】
また、オキシム-O-スルホネート型光酸発生剤としては、例えば2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-(4-メトキシフェニルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-(1-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-(2-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-フェニル-エタノンオキシム-O-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(メチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(1-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(1-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルチオフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-フェニル-ブタノンオキシム-O-(10-カンホリルスルホナート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-10-カンホリルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-(4-メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-(1-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(フェニル)-エタノンオキシム-O-(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(1-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(10-カンホリル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(1-ナフチル)スルホナート、
2,2,2-トリフルオロ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-チオメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-(4-メチルフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-(4-メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-(4-ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メトキシフェニル)-エタノンオキシム-O-オクチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-チオメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(4-メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-チオメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(4-ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-チオメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-オクチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-チオメチルフェニル)-エタノンオキシム-O-(2-ナフチル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(2-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-メチルフェニル)-エタノンオキシム-O-フェニルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-クロロフェニル)-エタノンオキシム-O-フェニルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-(フェニル)-ブタノンオキシム-O-(10-カンホリル)スルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-ナフチル-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-2-ナフチル-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-ベンジルフェニル]-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(フェニル-1,4-ジオキサ-ブト-1-イル)フェニル]-エタノンオキシム-O-メチルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-ナフチル-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-2-ナフチル-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-ベンジルフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-メチルスルホニルフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、1,3-ビス[1-(4-フェノキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタノンオキシム-O-スルホニル]フェニル、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-メチルスルホニルオキシフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-メチルカルボニルオキシフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[6H,7H-5,8-ジオキソナフト-2-イル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-メトキシカルボニルメトキシフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-(メトキシカルボニル)-(4-アミノ-1-オキサ-ペンタ-1-イル)-フェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[3,5-ジメチル-4-エトキシフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[4-ベンジルオキシフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-[2-チオフェニル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、及び2,2,2-トリフルオロ-1-[1-ジオキサ-チオフェン-2-イル]-エタノンオキシム-O-プロピルスルホナート、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(3-(4-(2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)-エチル)-フェノキシ)-プロポキシ)-フェニル)エタノンオキシム(トリフルオロメタンスルホネート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(3-(4-(2,2,2-トリフルオロ-1-(1-プロパ
ンスルホニルオキシイミノ)-エチル)-フェノキシ)-プロポキシ)-フェニル)エタノンオキシム(1-プロパンスルホネート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(3-(4-(2,2,2-トリフルオロ-1-(1-ブタンスルホニルオキシイミノ)-エチル)-フェノキシ)-プロポキシ)-フェニル)エタノンオキシム(1-ブタンスルホネート)等が挙げられ、更に2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(3-(4-(2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)-エチル)-フェノキシ)-プロポキシ)-フェニル)エタノンオキシム(4-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-(3-(4-(2,2,2-トリフルオロ-1-(2,5-ビス(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)-エチル)-フェノキシ)-プロポキシ)-フェニル)エタノンオキシム(2,5-ビス(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)等が挙げられる。
【0083】
さらに、オキシム-O-スルホネート型光酸発生剤としては、α-(p-トルエンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(p-クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(4-ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(4-ニトロ-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-クロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,4-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2,6-ジクロロフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニルアセトニトリル、α-(2-クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニルアセトニトリル、α-(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)-2-チエニルアセトニトリル、α-(4-ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)-フェニルアセトニトリル、α-[(4-トルエンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニル]アセトニトリル、α-[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)-4-メトキシフェニル]アセトニトリル、α-(トシルオキシイミノ)-3-チエニルアセトニトリル、α-(メチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、α-(エチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、α-(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、α-(n-ブチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロペンテニルアセトニトリル、α-(エチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロヘキセニルアセトニトリル、α-(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロヘキセニルアセトニトリル、α-(n-ブチルスルホニルオキシイミノ)-1-シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0084】
さらにまた、オキシム-O-スルホネート型光酸発生剤としては2-[2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ペンチル]-フルオレン、2-[2,2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ブチル]-フルオレン、2-[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ヘキシル]-フルオレン、2-[2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ペンチル]-4-ビフェニル、2-[2,2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ブチル]-4-ビフェニル、2-[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ヘキシル]-4-ビフェニルなどが挙げられる。
【0085】
また、ビスオキシムスルホネート型光酸発生剤としては、特にビス(α-(4-トルエ
ンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(メタンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリルビス(α-(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(10-カンファースルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(4-メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)-p-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(メタンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリルビス(α-(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(10-カンファースルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル、ビス(α-(4-メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)-m-フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
【0086】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、オキシム-O-スルホネート、グリオキシム誘導体型光酸発生剤である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、オキシム-O-スルホネート型光酸発生剤である。
具体的にはトリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4-(4’-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4-tert-ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、4-tert-ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4-tert-ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4-(4’-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4-メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4-tertブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ-1-ブタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ-1-オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1-ジフルオロ-2-ナフチル-エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2-テトラフルオロ-2-(ノルボルナン-2-イル)エタンスルホネート、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-メチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5-ジメチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5-ジメチル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2-メチル-5-イソプロピル-4-(n-ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-tert-ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N-カンファースルホニルオキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸イミド、N-p-トルエンスルホニルオキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸イミド、2-[2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオ
ロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ペンチル]-フルオレン、2-[2,2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ブチル]-フルオレン、2-[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-デカフルオロ-1-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)-ヘキシル]-フルオレン等が挙げられる。
【0087】
本発明の感放射性組成物において、光酸発生剤の添加量は任意に設定できるが、感放射性組成物中のポリシロキサン100質量部に対して0.1乃至20質量部、好ましくは0.1乃至10質量部である。光酸発生剤が20質量部以下であれば、フォトレジスト膜の透過率が十分大きく、解像性能の劣化が起こるおそれが少ない。上記光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
また、本発明の感放射性組成物に酸により分解し、酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。
【0088】
これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43-44,45-46(1995)、J.Photopolym.Sci.and
Tech.,9.29-30(1996)において記載されている。
酸増殖化合物の例としては、tert-ブチル2-メチル2-トシロキシメチルアセトアセテート、2-フェニル2-(2-トシロキシエチル)1,3-ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
本発明の感放射性組成物における酸増殖化合物の添加量としては、感放射性組成物中のポリシロキサン100質量部に対して2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。例えば、0.0001乃至2質量部であれば、拡散が制御され解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こるおそれが少ない。
【0089】
本発明で使用される有機溶剤としては、ベース樹脂(ポリシロキサン)、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル-2-n-アミルケトン等のケトン類、3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ-ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテル、1-エトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200乃至3,000質量部、特に400乃至2,500質量部が好適である。
【0090】
本発明のレジスト材料には、塩基性化合物(クエンチャー)として含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
含窒素有機化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0091】
このような含窒素有機化合物(クエンチャー)としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類、アンモニア、アンモニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
【0092】
このような含窒素有機化合物は下記一般式で示すことができる。
【化26】
上記式中、nは0、1、2、又は3の整数である。Xは同一又は異なっていても良く、(X-1)、(X-2)、又は(X-3)で示すことができる。Yは同一又は異なって、水素原子、若しくは直鎖状、分岐状、又は環状の炭素原子数1乃至20又は1乃至10のアルキル基を示し、エーテル基若しくはヒドロキシ基を含んでいて良い。アルキル基の例示は上述の例示を示すことができる。
【化27】
式中、R
200、R
202、R
205は炭素原子数1乃至10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、R
201、R
204は水素原子、又は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示し、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、又はラクトン環を1個又は複数個含んでいてよい。
R
203は単結合、又は炭素原子数1乃至10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
R
206は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示し、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個又は複数個含んでいて良い。
なお、アルキル基は上述の通りであり、アルキレン基はアルキル基に由来する官能基と
することができる。
【0093】
また、下記で示される環状構造の含窒素有機化合物を例示することができる。
【化28】
式中Xは上記の通りであり、R
207は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10、又は2乃至20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、カルボニル基、エーテル基、エステル基、又はスルフィド基を1個又は複数個含んでいても良い。アルキレン基はアルキル基に由来する官能基であり、該アルキル基は上述の例を挙げることができる。
【0094】
また、シアノ基を含む含窒素有機化合物を例示することができる。
【化29】
式中、X、R
207は上述と同じ定義であり、nは1、2、又は3の整数を示す。R
208、R
209は同一又は異なって炭素原子数1乃至10、又は1乃至4の直鎖状、分岐状のアルキレン基を示す。
【0095】
また、イミダゾール骨格を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化30】
式中、R
210は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10、又は2乃至20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基を示し、該極性官能基としてはヒドロキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、又はアセタール基を示す。R
211、R
212、R
213はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
【0096】
またベンズイミダゾール骨格を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化31】
式中、R
214は水素原子、炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、又はアラルキル基を示す。R
215は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状の極性官能基を有するアルキル基を示す。アラルキル基はアリール基とアルキル基の組み合わせであり、これらアリール基やアルキル基としては上述の例示を示すことができる。極性官能基は上述の例示を挙げることができる。
【0097】
また、極性官能基を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化32】
式中、Aは窒素原子又は=C-R
222を示し、Bは窒素原子又は=C-R
223を示す。R
216は炭素原子数1乃至20、又は1乃至10、又は2乃至20の直鎖状、分岐状、又は環状の極性官能基を有するアルキル基を示す。R
217、R
218、R
219、R
220はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、又は炭素原子数6乃至40のアリール基を示す。またR
217とR
218、R
219とR
220はそれぞれ結合してベンゼン環、ナフタレン環、又はピリジン環を形成していても良い。R
221は水素原子、炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基又はアリール基を示す。R
222、R
223はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基又はアリール基を示す。R
221とR
223は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。
【0098】
また、芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化33】
式中、R
224は炭素原子数6乃至40のアリール基又は炭素原子数4乃至20のヘテロ芳香族基を示し、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、炭素原子数1乃至10又は2乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、炭素原子数7乃至20のアラルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数1乃至10、又は炭素原子数2ないし10のアシルオキシ基、又は炭素原子数1乃至10のアルキルチオ基で置換されていても良い。R
225はCOOR
226、OR
227又はシアノ基を示す。R
226は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていても良い
炭素原子数1乃至10のアルキル基を示す。R
227は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていても良い炭素原子数1乃至10のアルキル基又はアシル基を示す。R
228は単結合、メチレン基、エチレン基又は硫黄原子又は-O(CH
2CH
2O)n-基を示し、n=0乃至4の整数を示す。R
229は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基を示す。Xは窒素原子又はCR
230を示す。Yは窒素原子又はCR
231を示す。Zは窒素原子又はCR
232を示す。R
230、R
231、R
232はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基を示すか、又はR
230とR
231又はR
231とR
232が結合してヘテロ芳香環を形成してもよい。
【0099】
また、7-オキサノルボルナン-2-カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化34】
式中、R
233は水素原子、又は炭素原子数1乃至10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示す。R
234とR
235はそれぞれ極性官能基を含んでも良い炭素原子数1乃至20、又は1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、又は炭素原子数7乃至20のアラルキル基を示し、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても良い。R
234とR
235は互いに結合して炭素原子数2乃至20のヘテロ環又はヘトロ芳香環を形成しても良い。
【0100】
また、酸の作用により脱理する基を有する含窒素有機化合物を例示することができる。
【化35】
式中、R
236は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、アラルキル基を示す。nが2以上の時、2つのR
236は互いに結合して複素環式炭化水素基を形成しても良い。R
237、R
238、R
239はそれぞれ水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。n=0乃至2、m=1乃至3、n+m=3を示す。
【0101】
これらの含窒素有機化合物の例えば以下に例示することができる。
第一級の脂肪族アミン類として、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ペンチルアミン、tert-アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニル
アミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0102】
第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N-ジメチルメチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0103】
第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-sec-ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0104】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。
芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、N-プロピルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、2-メチルアニリン、3-メチルアニリン、4-メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2-ニトロアニリン、3-ニトロアニリン、4-ニトロアニリン、2,4-ジニトロアニリン、2,6-ジニトロアニリン、3,5-ジニトロアニリン、N,N-ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p-トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H-ピロール、1-メチルピロール、2,4-ジメチルピロール、2,5-ジメチルピロール、N-メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4-メチルイミダゾール、4-メチル-2-フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2-メチル-1-ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N-メチルピロリジン、ピロリジノン、N-メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4-(1-ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3-メチル-2-フェニルピリジン、4-tert-ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4-ピロリジノピリジン、2-(1-エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H-インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3-キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10-フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導
体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3-アミノピラジン-2-カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示される。
【0105】
スルホニル基を有する含窒素化合物として3-ピリジンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示される。
【0106】
ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2-ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4-キノリンジオール、3-インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’-イミノジエタノール、2-アミノエタノ-ル、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、2-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン、3-ピペリジノ-1,2-プロパンジオール、3-ピロリジノ-1,2-プロパンジオール、8-ヒドロキシユロリジン、3-クイヌクリジノール、3-トロパノール、1-メチル-2-ピロリジンエタノール、1-アジリジンエタノール、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1-シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N-t-ブトキシカルボニル-N,N-ジシクロヘキシルアミン、N-t-ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
【0107】
また、α位がフッ素化されていないスルホン酸、硝酸、又はカルボン酸のスルホニウム塩、α位がフッ素化されていないスルホン酸、硝酸、又はカルボン酸のヨードニウム塩、α位がフッ素化されていないスルホン酸、硝酸、又はカルボン酸のアンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化スルホニウム、ハロゲン化ヨードニウム等のオニウム塩を用いることができる。カルボン酸としてはマレイン酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸等が挙げられる。ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素が好ましく用いられる。
【0108】
スルホニウムカチオンの具体例を示すと、トリフェニルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、(3-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4-ジtert-ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4-チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ト
リス(4-tert-ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシフェニル)ビス(4-ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2-ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル-2-ナフチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4-メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2-オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2-オキソ-2-フェニルエチルチアシクロペンタニウム、ジフェニル2-チエニルスルホニウム、4-n-ブトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム、2-n-ブトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム、4-メトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム、2-メトキシナフチル-1-チアシクロペンタニウム等が挙げられる。より好ましくはトリフェニルスルホニウム、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、4-tert-ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、トリス(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウム、(4-tert-ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム等が挙げられる。
【0109】
更には、4-(メタクリロイルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(アクリロイルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(メタクリロイルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム、4-(アクリロイルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム等が挙げられる。
【0110】
アンモニウムカチオンはアンモニアや第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物等の窒素原子にプロトン付加したアンモニウムカチオン、4級アンモニウムカチオンが挙げられる。4級アンモニウムカチオンの例として、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウムが挙げられる。
【0111】
本発明の感放射線性組成物は架橋剤を含有することができる。
その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、またはそれらのポリマー系等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグワナミン、ブトキシメチル化ベンゾグワナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素等の化合物である。また、これらの化合物の縮合体も使用することができる。
また、上記架橋剤としては耐熱性の高い架橋剤を用いることができる。耐熱性の高い架橋剤としては分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を好ましく用いることができる。
【0112】
この化合物は下記式(5)の部分構造を有する化合物や、下記式(6)の繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる。
【化36】
式(5)中、R
110及びR
111はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、又は炭素数6乃至20のアリール基を示し、n10は1乃至4の整数を示し、n11は1乃至(5-n10)の整数を示し、(n10+n11)は2乃至5の整数を示す。
式(6)中、R
112は水素原子又は炭素数1乃至10のアルキル基を示し、R
113は炭素数1乃至10のアルキル基を示し、n12は1乃至4の整数を示し、n13は0乃至(4-n12)を示し、(n12+n13)は1乃至4の整数を示す。オリゴマー及びポリマーは繰り返し単位構造の数が2乃至100、又は2乃至50の範囲で用いることができる。
これらのアルキル基及びアリール基としては、上記アルキル基及びアリール基を例示することができる。
【0113】
式(5)、式(6)の化合物、ポリマー、オリゴマーは以下に例示される。
【化37】
【化38】
【化39】
【0114】
上記化合物は旭有機材工業(株)、本州化学工業(株)の製品として入手することができる。例えば上記架橋剤の中で式(4-21)の化合物は旭有機材工業(株)、商品名TM-BIP-Aとして入手することができる。
例えば上記架橋剤の中で式(4-22)の化合物は本州化学工業(株)、商品名TMOM-BPとして入手することができる。
架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全固形分に対して0.001乃至80質量%、好ましくは 0.01乃至50質量%、さらに好ましくは0.05乃至40質量%で用いることができる。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、本発明の上記のポリマー中に架橋性置換基が存在する場合は、それらの架橋性置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0115】
本発明の感放射線性組成物は、リソグラフィー工程におけるレジスト組成物として用いることができる。
本発明は、フェノプラスト架橋反応性を示すシロキサンポリマーをベース樹脂とし、光酸発生剤および溶媒を含む感放射線性組成物において解像度を向上させることができる。本発明のフェノプラスト反応性基はメチロールあるいは保護されたメチロール基を含み、ポリマー中の芳香環の電子豊富位置に付加することにより低温で硬化することが可能となり良好なネガパターンを得ることが出来る。
【0116】
【化40】
上記式中、EDGは、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基等の電子供与性基を示す。フェニル基に置換したメトキシメチル基は、PAG(光酸発生剤)からの酸によりメトキシ基が脱離し、フェニル基に置換したEDGの位置に対してオルト位、又はパラ位に反応しフェノプラスト反応による架橋反応が起こると考えられる。EDGに対してオルト位及びパラ位に反応点が存在することや、複数のEDGが存在した場合のオルト位又はパラ位の相対的な電子密度の向上で求電子置換反応の進行しやすさが決まる。また、反応のしやすさは低温硬化や低露光量での硬化を引き起こすために酸拡散抑制や高感度化にもつながる。
【0117】
本発明は感放射線性樹脂として骨格にポリシロキサンを用い、感度及び解像力に優れた保護されたメチロール基とフェノール性ヒドロキシ基の反応による架橋構造を利用したフェノプラスト反応が可能な官能基を側鎖に有するポリシロキサン系感放射線性樹脂を提供するものである。
【0118】
本発明の感放射線性組成物を焼成してレジスト膜が得られ、露光と現像してレジストパターンが得られる。ポリシロキサン系感放射線性樹脂においては、そのレジストパターンが酸素系プラズマエッチングに対して強い耐性を有し、下層の有機系下層膜(有機系ハードマスク)や基板の加工が容易に行われるため好ましい。しかし、従来のネガレジストはシラノールの縮合やラジカル重合によるパターン形成が主であったため、シラノールの不安定性による未露光部の硬化やラジカル反応の酸素阻害や低感度などにより十分なパターニング特性が得られなかった。本件発明は骨格にポリシロキサンを有し、更にポリマー中にフェノプラスト系官能基を有するシロキサン材料であるため、硬化しやすく高感度化とすることが出来る。
【0119】
また、レジスト材料も微細化によるレジスト薄膜が現像時のパターン倒れを防ぐためレジスト膜厚を薄膜化して、レジスト材料とは異なるガスエッチング耐性を有する種類の下層膜を直下に備えるマルチプロセスが行われている。
【0120】
即ちレジスト材料が耐性を有し、直下の下層膜が除去可能なドライエッチングガスでレジストパターンを下層膜に転写し、そして下層膜が耐性を有し更にその直下の膜や基板が除去や加工可能なドライエッチングガスで下層や基板に逐次転写するプロセスを用いてリソグラフィーを行うものである。
【0121】
これらの例として有機系レジストに対して、下層にシリコン系ハードマスク、更にその下に有機系ハードマスク、そして基板という積層構造が行われている。
【0122】
また、シリコン系レジストを用いた場合に、有機系ハードマスク、そして基板という積
層構造が行われている。
本発明の感放射線性樹脂は、骨格にポリシロキサンを用い、感度及び解像力に優れたメチロール基とフェノール性ヒドロキシ基の反応による架橋構造を利用したフェノプラスト反応が行われる官能基を側鎖に有するポリシロキサン系感放射線性樹脂であるため、レジストパターンがガスエッチング耐性を有し、高いリソグラフィー特性を有するものである。
【0123】
具体的には、本発明は、半導体基板上に上記本発明の感放射線性組成物を塗布し、焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターンの形成方法を包含する。
また、本発明では半導体基板上に上記感放射線性組成物を塗布し、焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを得る工程、該レジストパターンにより基板を加工する工程を含む方法により、半導体装置が製造できる。
【0124】
半導体装置の製造に使用される基板(例えば、シリコンウエハー基板、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、及び低誘電率材料(low-k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の感放射線性組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃乃至250℃、焼成時間0.3乃至60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度150℃乃至250℃、焼成時間0.5乃至2分間である。ここで、形成されるレジスト膜の膜厚としては、例えば、50乃至10000nmであり、または100乃至2000nmであり、または200乃至1000nmである。
【0125】
所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(post
exposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度が70℃乃至150℃、加熱時間が0.3乃至10分間から適宜、選択された条件で行われる。
【0126】
次いで、現像液(例えばアルカリ現像液)によってレジスト膜の現像が行なわれる。これにより、本発明の組成物から形成したネガ型レジスト膜の未露光部分が除去され、レジストパターンが形成される。
【0127】
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5乃至50℃、時間10乃至600秒から適宜選択される。
【0128】
また、本発明では現像液として有機溶剤を用いることができる。露光後に現像液(溶剤)によって現像が行なわれる。これにより、本発明の組成物から形成したネガ型レジスト膜は、未露光部分のレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2-メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、4-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-エチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2-エトキシブチルアセテート、4-エトキシブチルアセテート、4-プロポキシブチルアセテート、2-メトキシペンチルアセテート、3-メトキシペンチルアセテート、4-メトキシペンチルアセテート、2-メチル-3-メトキシペンチルアセテート、3-メチル-3-メトキシペンチルアセテート、3-メチル-4-メトキシペンチルアセテート、4-メチル-4-メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル-3-メトキシプロピオネート、エチル-3-メトキシプロピオネート、エチル-3-エトキシプロピオネート、プロピル-3-メトキシプロピオネート等を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度は5乃至50℃、時間は10乃至600秒から適宜選択される。
【0129】
また、本発明は、半導体基板上に有機下層膜を形成する工程、その上に本発明の感放射線性組成物を塗布し焼成しレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜を露光する工程、露光後に該レジスト膜を現像しレジストパターンを得る工程、該レジストパターンにより有機下層膜をエッチングする工程、パターン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法をも包含する。
【0130】
より詳細には、基板上に有機下層膜を成膜した後、この上に本発明の感放射線性組成物であるレジストを被覆する。本発明の感放射線性組成物を使用することによりレジスト膜のパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。例えば、レジストに対して十分に早いエッチング速度となる酸素系ガスをエッチングガスとして用いることにより有機下層膜の加工が可能であり、更に有機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして用いることにより基板の加工を行うことができる。
【0131】
本発明によるレジスト膜のドライエッチングにはテトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素、塩素、トリクロロボラン及びジクロロボラン等のガスを使用することができる。
有機下層膜(下層)は酸素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。シリコン原子を多く含む本発明の感放射線性組成物よりなるレジスト膜は、酸素系ガスによるドライエッチングでは除去されにくいからである。
続いて半導体基板の加工が行なわれる。半導体基板の加工はフッ素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。
【0132】
フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシク
ロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH2F2)等が挙げられる。
【0133】
また、本発明は式(2)で示される化合物のうち、下式(5-1)、式(5-2)、又は式(5-3)で示される新規なシラン化合物にも関する。式中、R
17、R
19、R
21、R
22、及びR
23はそれぞれ独立にアルキル基を示し、R
16、R
18、及びR
20は各々独立してアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。ここで、アルキル基としては炭素原子数1乃至10のアルキル基を挙げることができ、具体的には上述の例示を挙げることができる。同様にアルコキシ基としては炭素原子数1乃至20のアルコキシ基を挙げることができ、アシルオキシ基としては炭素原子数1乃至20、又は炭素原子数2乃至20のアシルオキシ基を挙げることができ、これらとハロゲン基として、上述の例示を挙げることができる。
【化41】
【実施例】
【0134】
〔(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシランの合成〕
マグネチックスターラーを備えた300mナスフラスコに4-ブロモフェノール42.0g、テトラヒドロフラン(以下、THFと記すこともある。)(脱水)94.6g、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸(以下、PPTSと記すこともある。)1.83gを加え、溶解させた。そこにエチルビニルエーテルを26.26g加え、室温にて20時間反応させた。トリエチルアミン(以下、TEAと記すこともある。)0.74gで中和し、反応溶液Aを作製した。スターラーチップを備えた500mlの三口フラスコに乾燥させたマグネシウム粉末7.08g、ヨウ素0.62g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、オイルバス中60℃にてヨウ素の色がなくなるまで加熱した後、室温に戻し、反応溶液Aを室温にて滴下して2時間反応させ、反応溶液Bを得た。スターラーチップを備えた1000mlの三口フラスコにテトラメトキシシラン(以下、TMOSと記すこともある。)110.86g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、攪拌した。室温にて反応溶液Bを滴下し、2時間反応させた。得られた溶液をエバポレーションにて濃縮後、500mlのヘプタン溶液を加え攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮後、減圧蒸留にて精製し目的物である(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシランを27g得た。
1H-NMR(500MHz、DMSO-d6):1.06ppm(t、3H)、1.37ppm(d、3H)、3.48ppm(s、9H)、3.55ppm(multi、2H)、5.49ppm(q、1H)、7.01(d、2H)、7.45ppm(d、2H)
【0135】
【0136】
〔(3-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシランの合成〕
マグネチックスターラーを備えた300mナスフラスコに3-ブロモフェノール42.0g、テトラヒドロフラン(脱水)94.6g、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸1.83gを加え、溶解させた。そこにエチルビニルエーテルを26.26g加え、室温にて
20時間反応させた。トリエチルアミン0.74gで中和し、反応溶液Aを作製した。スターラーチップを備えた500mlの三口フラスコに乾燥させたマグネシウム粉末7.08g、ヨウ素0.62g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、オイルバス中60℃にてヨウ素の色がなくなるまで加熱した後、室温に戻し、反応溶液Aを室温にて滴下して2時間反応させ、反応溶液Bを得た。スターラーチップを備えた1000mlの三口フラスコにテトラメトキシシラン110.86g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、攪拌した。室温にて反応溶液Bを滴下し、2時間反応させた。得られた溶液をエバポレーションにて濃縮後、500mlのヘプタン溶液を加え攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物2を30g得た。
1H-NMR(500MHz、DMSO-d6):1.10ppm(t、3H)、1.40ppm(d、3H)、3.54ppm(s、9H)、3.59ppm(multi、2H)、5.47ppm(q、1H)、7.15ppm(multi、3H)、7.36ppm(t、1H)
【0137】
【0138】
〔(2-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシランの合成〕
マグネチックスターラーを備えた300mナスフラスコに2-ブロモフェノール42.0g、テトラヒドロフラン(脱水)94.6g、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸1.83gを加え、溶解させた。そこにエチルビニルエーテルを26.26g加え、室温にて20時間反応させた。トリエチルアミン0.74gで中和し、反応溶液Aを作製した。スターラーチップを備えた500mlの三口フラスコに乾燥させたマグネシウム粉末7.08g、ヨウ素0.62g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、オイルバス中60℃にてヨウ素の色がなくなるまで加熱した後、室温に戻し、反応溶液Aを室温にて滴下して2時間反応させ、反応溶液Bを得た。スターラーチップを備えた1000mlの三口フラスコにテトラメトキシシラン110.86g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、攪拌した。室温にて反応溶液Bを滴下し、2時間反応させた。得られた溶液をエバポレーションにて濃縮後、500mlのヘプタン溶液を加え攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物3を25g得た。
1H-NMR(500MHz、DMSO-d6):1.12ppm(t、3H)、1.43ppm(d、3H)、3.53ppm(s、9H)、3.60ppm(multi、2H)、5.57ppm(q、1H)、6.98(t、1H)、7.10ppm(d、1H)、7.42ppm(t、1H)、7.50ppm(d、1H)
【0139】
【0140】
〔(4-(1-エトキシエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル)トリメトキシシランの合成〕
マグネチックスターラーを備えた300mナスフラスコに4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノール42.0g、テトラヒドロフラン(脱水)94.6g、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸1.57gを加え、溶解させた。そこにエチルビニルエーテルを22.59g加え、室温にて20時間反応させた。トリエチルアミン0.63gで中和し、反応溶液Aを作製した。スターラーチップを備えた500mlの三口フラスコに乾燥させたマグネシウム粉末6.09g、ヨウ素0.53g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、オイルバス中60℃にてヨウ素の色がなくなるまで加熱した後、室温に戻し、反応溶液Aを室温にて滴下して2時間反応させ、反応溶液Bを得た。スターラーチップを備えた1000mlの三口フラスコにテトラメトキシシラン95.39g、テトラヒドロフラン(脱水)189.2gを加え、攪拌した。室温にて反応溶液Bを滴下し、2時間反応させた。得られた溶液をエバポレーションにて濃縮後、500mlのヘプタン溶液を加え攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮後、減圧蒸留にて精製し目的物である化合物4を35g得た。
1H-NMR(500MHz、DMSO-d6):1.06ppm(t、3H)、1.34ppm(d、3H)、2.36ppm(s、6H)、3.47ppm(s、9H)、3.53ppm(multi、2H)、5.46ppm(q、1H)、6.61(s、2H)
【0141】
【0142】
〔フェノプラスト架橋性シランの合成〕
マグネチックスターラーを備えた1000mナスフラスコにバニリルアルコール 20.0g、メタノール400.0gを加え、溶解させた。そこに濃硫酸を0.25g加え、加熱して1時間還流させた。室温に戻し、水酸化ナトリウムで中和した後、エバポレーションにてメタノールを除去した。300mlの三口フラスコに移し、そこに水酸化ナトリウム5.19g、トルエン40g、NMP(N-メチルピロリドン)40gを加え、オイルバス中130℃にて水、トルエンを除去しながら、4時間反応させた。そこにクロロメチルトリエトキシシラン27.60gを滴下し、130℃にて4時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、分液ロートに移しかえてトルエン120g、水90gを加えて有機層を洗浄した。洗浄は3回繰り返し行った後、有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥させた後、ろ過し、溶媒をエバポレーションにて除去して粗物を得た。その後、減圧蒸留にて精製し目的物である(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシランを15g得た。
1H-NMR(500MHz、DMSO-d6):1.20ppm(t、9H)、3.2
6ppm(s、3H)、3.68ppm(s、2H)、3.75ppm(s、3H)、3.87ppm(q、6H)、4.32(s、2H)、6.83ppm(d、1H)、6.89ppm(s、1H)、7.00ppm(d、2H)
【0143】
【0144】
合成例1
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(以下、TEAOHと記すこともある。)4.90g、イソプロパノール(以下、IPAと記すこともある。)26.01g、テトラヒドロフラン26.01gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン10.00g(全シラン中50モル%)、(3-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン8.31g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル109.88g、水54.94gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと記すこともある。)を加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分40.20重量%であった。
【0145】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液25gを100mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.18g、アセトン25.13gを加え、0.01M塩酸水溶液2.41gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は39.11重量%であり、分子量は1850であった。
【0146】
【0147】
合成例2
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液4.90g、イソプロパノール26.01g、テトラヒドロフラン26.01gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン10.00g(全シラン中50モル%)、(2-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン8.31g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル109.88g、水54.94gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分33.54重量%であった。
【0148】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液30gを100mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.22g、アセトン25.16gを加え、0.01M塩酸水溶液2.41gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は35.43重量%であり、分子量は1500であった。
【0149】
【0150】
合成例3
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液0.25g、超純水0.777g、イソプロパノール7.33g、テトラヒドロフラン4.02gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン5.00g(全シラン中50モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル)トリメトキシシラン4.57g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル57.38g、水28.69gを加え、0.1N酢酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分59.03重量%であった。
【0151】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液8gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.53g、アセトン11.81gを加え、0.01M塩酸水溶液1.07gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は36.56重量%であり、分子量は2000であった。
【0152】
【0153】
合成例4
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.63g、イソプロパノール8.68g、テトラヒドロフラン8.68gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中45モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中45モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン0.62g(全シラン中10モル%)を加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル36.66g、水18.33gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分51.65重量%であった。
【0154】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液5gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.04g、アセトン6.46gを加え、0.01M塩酸水溶液0.62gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は32.74重量%であり、分子量は5300であった。
【0155】
【0156】
合成例5
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.63g、イソプロパノール9.02g、テトラヒドロフラン9.02gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中45モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル)トリメトキシシラン2.74g(全シラン中45モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン0.62g(全シラン中10モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル36.66g、水18.33gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分41.97重量%であった。
【0157】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液8gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.75g、アセトン8.39gを加え、0.01M塩酸水溶液0.81gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は25.37重量%であり、分子量は3700であった。
【0158】
【0159】
合成例6
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.63g、イソプロパノール8.93g、テトラヒドロフラン8.93gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中45モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中45モル%)、1,4-ビス(ジメトキシ(フェニル)シリル)ベンゼン0.79g(全シラン中10モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル36.66g、水18.33gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分54.47重量%であった。
【0160】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液5gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.53g、アセトン6.81gを加え、0.01M塩酸水溶液0.65gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は32.85重量%であり、分子量は3300であった。
【0161】
【0162】
合成例7
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液2.72g、イソプロパノール14.17g、テトラヒドロフラン14.17gを加え40度に加熱して撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン5.00g(全シラン中45モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン4.16g(全シラン中45モル%)、1-(トリメトキシシリル)-2-(ジメトキシメチルシリル)エタン0.82g(全シラン中10モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル59.87gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分30.53重量%であった。
【0163】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液15gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.03g、アセトン11.45gを加え、0.01M塩酸水溶液1.15gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は35.15重量%であり、分子量は2800であった。
【0164】
【0165】
合成例8
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液4.90g、イソプロパノール21.51g、テトラヒドロフラン21.51gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン5.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン4.16g(全シラン中25モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン1.85g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン4.14g(全シラン中40モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル90.88gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分35.31重量%であった。
【0166】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液15gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.544g、アセトン13.24gを加え、0.01M塩酸水溶液1.82gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は35.53重量%であり、分子量は7100であった。
【0167】
【0168】
合成例9
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液4.90g、イソプロパノール26.01g、テトラヒドロフラン26.01gを加え撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン10.00g(全シラン中50モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン8.31g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル109.88g、水54.94gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分44.52重量%であった。
【0169】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液25gを100mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル13.96g、アセトン27.83gを加え、0.01M塩酸水溶液2.67gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は40.45重量%であり、分子量は2100であった。
【0170】
【0171】
合成例10
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液2.94g、イソプロパノール12.67g、テトラヒドロフラン12.67gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中25モル%)、ビストリメトキシシリルエタン0.94g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン2.48g(全シラン中40モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル53.42gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分34.42重量%であった。
【0172】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液12gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.834g、アセトン11.70gを加え、0.01M塩酸水溶液1.51gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は30.13重量%であり、分子量は4000であった。
【0173】
【0174】
合成例11
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液2.94g、イソプロパノール12.67g、テトラヒドロフラン12.67gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中25モル%)、テトラエトキシシラン0.73g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン2.48g(全シラン中40モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル52.23gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分30.72重量%であった。
【0175】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液12gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.134g、アセトン10.44gを加え、0.01M塩酸水溶液1.37gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は33.63重量%であり、分子量は2200であった。
【0176】
【0177】
合成例12
(ポリマー化反応)
300mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液0.98g、水6.28g、イソプロパノール23.49g、メチルイソブチルケトン46.98gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン10.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン8.31g(全シラン中25モル%)、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン7.15g(全シラン中25モル%)、メチルトリエトキシシラン5.18g(全シラン中25モル%)を加え、4時間反応させた。そこに、メチルイソブチルケトン140.94gを加え、1.0M硝酸水溶液23.33gを加え、4時間反応させた。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分42.24重量%であり、分子量は5800であった。エポキシ価滴定により残存エポキシが残っていないことを確認した。エポキシ価はJIS
K-7236に準じて測定した。
【0178】
【0179】
合成例13
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液1.63g、イソプロパノール8.93g、テトラヒドロフラン8.93gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中45モル%)、トリエトキシ(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2イル)オキシ)プロピル)シラン2.67g(全シラン中45モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン0.62g(全シラン中10モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル37.71gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分31.20重量%であった。
【0180】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液9gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.83g、アセトン7.02gを加え、0.01M塩酸水溶液0.67gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は24.31重量%であり、分子量は4700であった。
【0181】
【0182】
合成例14
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液2.94g、イソプロパノール13.01g、テトラヒドロフラン13.01gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中25モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン1.11g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン2.42g(全シラン中39モル%)、4-メトキシ-N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド0.14g(全シラン中1モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル54.97gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分26.60重量%であった。
【0183】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液12gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.24g、アセトン9.04gを加え、0.01M塩酸水溶液1.14gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は41.03重量%であり、分子量は6900であった。
【0184】
【0185】
合成例15
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液2.94g、イソプロパノール13.00g、テトラヒドロフラン13.00gを加え40℃に加熱撹拌した。そこに(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン3.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン2.49g(全シラン中25モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン1.11g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン2.42g(全シラン中39モル%)、トリエトキシ(3-((4-メトキシフェニル)スルホニル)プロピル)シラン0.13g(全シラン中1モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル54.97gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分29.3
5重量%であった
【0186】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液12gを50mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、アセトン9.98gを加え、0.01M塩酸水溶液1.26gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は34.77重量%であり、分子量は6900であった。
【0187】
【0188】
合成例16
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液1.03g、イソプロパノール4.15g、テトラヒドロフラン4.15gを加え40℃に加熱撹拌した。そこにトリエトキシ((4-(エトキシメチル)フェノキシ)メチル)シラン1.00g(全シラン中25モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン0.87g(全シラン中25モル%)、1,4-ビス(トリメトキシシリル)
ベンゼン0.39g(全シラン中10モル%)、メチルトリエトキシシラン0.66g(全シラン中40モル%)を加え、4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル17.54gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分24.24重量%であった
【0189】
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液5gを50mlの反応フラスコに移し、アセトン3.03gを加え、0.01M塩酸水溶液0.47gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は25.98重量%であり、分子量は7100であった。
【0190】
【0191】
合成例17
合成例8のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルを全て酢酸ブチルに変更した以外、同様の操作にて行った。固形分濃度は38.69重量%であり、分子量は7200であった。
合成例18
合成例8のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルを全てメチルイソブチルカルビノールに変更した以外、同様の操作にて行った。固形分濃度は35.69重量%であり、分子量は6900であった。
【0192】
比較合成例1
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液8.52g、イソプロパノール34.71g、テトラヒドロフラン34.71gを加え撹拌した。そこにフェニルトリメトキシシラン10.00g(全シラン中50モル%)、(4-(1-エトキシエトキシ)フェニル)トリメトキシシラン14.44g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル146.66g、水73.33gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分38.77重量%であった。
(脱保護反応)
得られたポリマー溶液35gを100mlの反応フラスコに移し、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.49g、アセトン33.92gを加え、0.01M塩酸水溶液4.23gを室温にて滴下し、還流下4時間反応させた。その後、得られた溶液をエバポレーションによりアセトン、塩酸、水、および副生成物を除去し、濃縮してポリマー溶液を得た。固形分濃度は40.80重量%であり、分子量は1500であった。
【0193】
【0194】
比較合成例2
(ポリマー化反応)
100mlの反応フラスコに35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液4.26g、イソプロパノール19.43g、テトラヒドロフラン19.43gを加え撹拌した。そこにフェニルトリメトキシシランを10.00g(全シラン中50モル%)、(2-メトキシ-4-(メトキシメチル)フェノキシ)メチルトリエトキシシラン8.69g(全シラン中50モル%)を室温で加え、40℃に加熱して4時間反応させた。室温に戻し、酢酸エチル82.12g、水41.06gを加え、0.2N塩酸水溶液にて中和した。分液ロートに移し、水で3回洗浄した後、有機層にプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートを加え濃縮して溶媒置換を行った。得られたポリマーは固形分41.15重量%であり、分子量は1800であった。
【0195】
【0196】
(感放射線性組成物の調製)
上記合成例1乃至18及び比較合成例1乃至2で得られたポリシロキサン、光酸発生剤、クエンチャー、添加剤、溶媒を表1に示す割合になるように混合し、0.02μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、感放射線性組成物の溶液をそれぞれ調製した。表1中のポリマーの割合はポリマー溶液の質量ではなく、ポリマー自体の質量を示した。
【0197】
【0198】
【0199】
表1及び表2中の記号は以下の意味を表す。
PAG-1:ジフェニル(4-(フェニルチオ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート
PAG-2:トリフェニルスルホニウム3-ヒドロキシプロパンー1-スルホネート
PAG-3:トリフェニルスルホニウム1,1,2-トリフルオロー4-ヒドロキシブタンー1-スルホネート
PAG-4:トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート
PAG-5:トリフェニルスルホニウム4-(2-ヒロドキシエチル)ベンゼンスルホネート
PAG-6:下式に示される化合物
【化65】
PAG-7:下式に示される化合物
【化66】
TEA:トリエタノールアミン
TPSMA:トリフェニルスルホニウムマレイン酸塩
TPSNО3:トリフェニルスルホニウム硝酸塩
BTEAC:ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド
商品名TMOM-BP:(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’-テトラメトキシメチル-4,4’-ジヒドロキシビフェニル) 式(4-22)
【化67】
商品名PWL1174:テトラメトキシメチルグリコールウリル
【化68】
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
AcOBu:酢酸ブチル
MIBC:メチルイソブチルカルビノール
【0200】
(有機下層膜1形成組成物の調製)
式(6-1)の化合物(ダイセル化学工業(株)製、商品名:EHPE3150)40.0gと9-アントラセンカルボン酸20.3gと安息香酸13.7gをプロピレングリコールモノメチルエーテル302.0gに溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウム1.5gを加え、24時間還流し反応させた。反応後溶液をイオン交換法を用いて精製し式(6-2)の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は4100であった。得られた高分子溶液5g(ポリマーの固形分は16質量%)に、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.2g、ピリジニウムパラトルエンスルホネート0.03g、フッ素系界面活性剤メガファックR-30N(DIC(株)製、商品名)0.0008g、プロピレングリコールモノメチルエーテル6.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.5gを混合して溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、多層膜によるリソグラフィープロセスに用いる有機下層膜1形成組成物溶液を調製した。
【0201】
【0202】
(有機下層膜2形成組成物の調製)
商品名KAYAHARD GPH-103(日本化薬株式会社製、ビフェニルアラルキ
ル型フェノール樹脂)51.76gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ株式会社、商品名:POWDERLINK〔登録商標〕1174)8.02g、触媒として熱酸発生剤TAG-2689(米国、King(株)製、商品名。成分はトリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.16g、界面活性剤としてメガファック〔登録商標〕R-40(DIC株式会社)0.052gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート54.00g、プロピレングリコールモノメチルエーテル126.0gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、更に、孔径0.05μmのポリエチ
レン製ミクロフィルターを用いてろ過して、有機下層膜2形成組成物溶液を調製した。
【0203】
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用いた。
RIE-10NR(サムコ製):O2
実施例1乃至17、20乃至24、比較例1乃至3で調製した感放射線性組成物の溶液をスピナーを用いシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で110℃1分間加熱し、0.12μmの感放射性樹脂膜をそれぞれ形成した。また、同様に有機下層膜をスピナーを用いシリコンウェハー上に塗膜を形成(240℃で1分間加熱して膜厚0.30μmを形成)した。
エッチングガスとしてO2ガスを使用してドライエッチング速度を測定し、実施例1乃至17、比較例1乃至3および有機下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。エッチング選択比は感放射性樹脂膜のエッチング速度/有機下層膜のエッチング速度として算出した。
【0204】
〔現像性評価〕
シリコンウエハー上に実施例1乃至17、20乃至24、並びに比較例1乃至3で調製された感放射線性組成物をスピナーにより塗布した。その後、110℃のホットプレート上で1分間ベークし、感光性樹脂膜(膜厚0.12μm)を形成した。次いで、(株)ニコン製NSR-S205Cレンズスキャニング方式ステッパー(波長248nm、NA:0.75、σ:0.85(CONVENTIONAL))を用い、1cm角のオープンマスクを通して、0mJから露光量を変化させて100mJまで露光を行った。その後、所定温度の110℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。露光量の増加により硬化反応が進行して膜が形成された場合を○、硬化しない場合や0mJにて残膜している場合を×とした。
【0205】
〔リソグラフィー評価(最適露光量、形状評価)〕
有機下層膜1形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚215nmの有機下層膜1を得た。その上に、実施例1乃至17、20乃至24、並びに比較例1乃至3で調製された感放射線性組成物をスピナーにより、塗布した。その後、所定温度のホットプレート上で1分間ベークし、感放射性樹脂膜(膜厚0.12μm)を形成した。次いで、(株)ニコン製NSR-S205Cレンズスキャニング方式ステッパー(波長248nm、NA:0.75、σ:0.85(CONVENTIONAL))を用い、ライン幅及びそのライン間の幅が0.16μmになるよう設定されたマスクを通して、露光を行った。その後、所定温度のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。0.16μm 1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。尚、線幅の測長には走査型電子顕微鏡(「CG-4100」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。またパターンの断面形状は形成した線幅
160nmのライン・アンド・スペースパターンの断面形状を観察した。尚、断面形状の観察には、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S-4800」を用いた。
表3中、S.Bは膜形成温度を示し、PEBは露光後加熱温度を示している(表4乃至表6も同様である。)。また形状は
図1のレジストパターン形状の断面図に示したようにa)の形状を「アンダーカット」、b)の形状を「ストレート」、c)の形状を「テーパー」として示した。また、「硬化せず」は露光現像後に膜が形成されず、パターンが得られない状態を示し、「溶解せず」は現像液に溶解せず、0mJにおいても残膜しており感光せずパターンが得られない状態を示した。
【0206】
【0207】
〔溶媒現像プロセス向けリソグラフィー評価)〕
有機下層膜1形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚215nmの有機下層膜1を得た。その上に、実施例20及び実施例24で調製された感放射線性組成物をスピナーにより、塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間ベークし、感放射性樹脂膜(膜厚0.12μm)を形成した。次いで、(株)ニコン製NSR-S205Cレンズスキャニング方式ステッパー(波長248nm、NA:0.75、σ:0.85(CONVENTIONAL))を用い、ライン幅及びそのライン間の幅が0.18μmになるよう設定されたマスクを通して、露光を行った。その後、80℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として酢酸ブチルを用いて現像した。0.18μm 1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。尚、線幅の測長には走査型電子顕微鏡(「CG-4100」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。またパターンの断面形状は形成した線幅180nmのライン・アンド・スペースパターンの断面形状を観察した。尚、断面形状の観察には、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S-4800」を用いた。
【0208】
【0209】
〔i線アライナーでのリソグラフィー評価〕
シリコンウエハー上に90℃60秒間1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン処理を行い、その上に、実施例18で調製された感放射線性組成物をスピナーにより、塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間ベークし、感放射性樹脂膜(膜厚1.0μm)を形成した。次いで、ウシオ電機(株)製マルチライトUSH-250BYを備えた(株)ナノテック製8インチ自動露光装置AE810eマスクアライナーを用いて露光を行った。露光はライン幅及びそのライン間の幅が2.0μmになるよう設定されたマスクを通して行った。その後、80℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。2.0μm 1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。尚、線幅の測長には走査型電子顕微鏡(「CG-4100」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。またパターンの断面形状は形成した線幅2.0μmのライン・アンド・スペースパターンの断面形状を観察した(
図2)。尚、断面形状の観察には、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S-4800」を用いた。
【0210】
〔パターン耐熱性評価〕
i線アライナーにて得られたパターンに対して空気下で230℃30分間ホットプレート上にて加熱し、線幅および形状を観察した(
図3)。観察には株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S-4800」を用いた。測長の結果、パターン線幅、膜厚が5%以下であ
る場合、良好であると判断した。
【0211】
【表5】
〔i線ステッパーでのリソグラフィー評価〕
シリコンウエハー上に有機下層膜2形成組成物を塗布し、ホットプレート上で240℃1分間ベークし2μmの有機下層膜2を形成した。その上に、実施例19で調製された感放射線性組成物をスピナーにより、塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間ベークし、感放射性樹脂膜(膜厚1.0μm)を形成した。次いで、(株)ニコン製NSR-2205i12D(i線ステッパー)を用い、ライン幅及びそのライン間の幅が0.30μmになるよう設定されたマスクを通して、露光を行った。露光はライン幅及びそのライン間の幅が0.3μmになるよう設定されたマスクを通して行った。その後、80℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。0.3μm 1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とした。尚、線幅の測長には走査型電子顕微鏡(「CG-4100」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。またパターンの断面形状は形成した線幅0.3μmのライン・アンド・スペースパターンの断面形状を観察した。尚、断面形状の観察には、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S-4800」を用いた。
【0212】
【0213】
(露光感度の測定)
硬化反応性はフェノールの芳香環の電子密度が高いと良好であり、Siとフェノールの置換位置関係や電子供与基の置換により良好化する。例えば合成例1、2、3および合成例9のポリシロキサンに対して光酸発生剤(PAG-1)を固形物に対して3質量パーセント添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1:1の溶媒組成で希釈して6質量パーセントとした組成を有機下層膜上にて現像性評価を実施し、硬化が始まる露光量を比較すると下記のようになる。
【表7】
式(5-1)、式(5-2)、式(5-3)から誘導されるフェノール性ヒドロキシ基を有する単位構造を持ったポリシロキサンは低露光量であることが分かる。
本発明では式(1)のフェノプラスト架橋反応性ユニットは、式(1-2)のフェノール性化合物や式(2-2)の脂肪族アルコールとも反応する。実施例25の組成物に対して(露光感度の測定)を行ったところ、8mJにて硬化した。すなわち、架橋相手として芳香族、脂肪族に関わらず、ヒドロキシ基を有するユニットの組み合わせであればより好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0214】
フェノプラスト架橋反応性を示すシロキサンポリマーをベース樹脂とする感放射線性組成物であって、解像度に優れており、且つ所望形状のパターンを精度良く形成することのできる感放射線性組成物として利用できる。